● あのカーゼ・バッセ、モンテヴェルティーネ、ポッジョ・ディ・ソットでエノロゴを務めたジュリオ・ガンベッリが1960年代から手塩にかけて来たのがビッビアーノです。
サンジョヴェーゼの魔術師とも思われるその手段は、やはりサンジョヴェーゼの気まぐれとも思える性格を知り抜き、モンテヴェルティーネのレ・ペルゴール・トルテと言う淡くも美しいひとつの姿と、ソルデーラのブルネッロの・・あの強く、美しく、でもエレガントで複雑、立体的な凄い味わいをも造り出したんですね。
長い発酵期間からこそサンジョヴェーゼの素晴らしいディテールが得られるとしていたようですが、それはまた、いつも上首尾に終わるとも限らず、大きな損害をもいとわないオーナーとのコラボレーションでこそ生まれた奇蹟だと言えるでしょう。
今日、そのジュリオのエノロゴとしてのスタートにもなったビッビアーノが、未だ余り高い評価を得ていないのは不思議なことでも有ります。
2019年のキャンティ・クラシコ・リゼルヴァを飲めば、その余りの素晴らしさに驚かれることでしょう。そして同年のグラン・セレツィオーネを飲めば、数年後のとんでもないほどに素晴らしい姿を想像できるに違いありません。
カーゼ・バッセもモンテヴェルティーネもポッジョ・ディ・ソットも、今や noisy も想像の範囲を超える物凄い価格になっていますが、ビッビアーノは・・と言うと置いて行かれた感じに思えます。
少なくともリゼルヴァを飲んでいただけましたら、
「ん?・・キャンティ・クラシコ?・・大した事無いよね~・・」
と言うような言葉は出て来なくなるでしょう。あのモンテヴェルティーネのレ・ペルゴール・トルテでさえ、
「・・なんでキャンティでも無いテーブルワインがこんなに高いの?」
「・・なんかこのワイン、イタリアワインにしてた超薄いんですけど・・」
と言われた時代も在ったんですね。ぜひ飲んでみてください。お薦めします。

■ジュリオ・ガンベッリが60年かけて作り上げた
ジュリオ・ガンベッリが提唱した長期マセラシオンに代表される独特のワイン造りを今に残す。現代のキャンティ・クラシコの濃厚で力強さを重視した潮流とは違い繊細で赤系果実を感じさせる。
◇故ジュリオ・ガンベッリの教え
「ビオンディ・サンティ」に学び、「カーゼ・バッセ」「モンテヴェルティーネ」「ポッジオ・ディ・ソット」「ヴィラ・ローザ」等を指導したジュリオ・ガンベッリ。
『1942~2004年までガンベッリはビッビアーノで働いていた。彼の思想を今に残している造り手の代表格こそがビッビアーノ』
数値分析に頼る事なく、葡萄の味とワインの試飲をワイン造りの基本とし、正確な試飲分析で仕立や葡萄の状態までも言い当てたと言われている。
『ガンベッリ最大の特徴は長いマセラシオン。現代のキャンティは10日前後が主流だが、ビッビアーノでは15~30日と非常に長くなっている』
長いマセラシオンがサンジョヴェーゼの本当の個性を引き出す唯一の方法であり、長くマセラシオンする為には健全な葡萄が必要になる。
『長いマセラシオンには高い葡萄の質と清潔さが必須。腐敗果が揮発酸のリスクを上げる。醸造環境が不衛生だとブレットのリスクが高まる』
ガンベッリの要求は非常に厳しく、僅かなSO2以外ベントナイト、アラビアガムなどの使用は一切許されず、毎日の徹底的な清掃も要求された。
『グラン・セレッツィオーネは20日以上。本当に偉大な年で最高の葡萄が手に入った時は30日以上のマセラシオンが必要になる』
サンジョヴェーゼの純粋さ、緻密さ、そして偉大さを得るには長い時間と最低限の温度管理だけで自由に成長させる事が最重要。
『気難しく、天候や醸造環境の影響を強く受けるサンジョヴェーゼは醸造技術で強制されがちだが、その本当の個性は技術では作れない』
キャンティ最古参の1人
『150年の歴史があるが、ガンベッリが参画する以前はテーブルワインと野菜を作る荘園だった。その頃のトスカーナ(田舎)らしさを無くしたくない』
1865年に設立されたビッビアーノ。長く「マロッケージ·マルツィ家」が所有している。キャンティ・クラシコの中で最古の歴史を持つ家族の1つ。
『トスカーナは外国資本が入り、巨大化し、その味わいを世界基準に変えてしまっている。ビッビアーノは後世に残すべき文化財でもあるのです』
現当主は5代目のトンマーゾとフェデリコ兄弟。カステッリーナ・イン・キャンティに位置し、30haの中に葡萄畑、オリーブ畑、森を所有している。
『栽培する品種は土着品種のみ。エトルリア時代からワイン造りが行われてきたのだから、土着葡萄には意味があるはず』
品種はサンジョヴェーゼ・グロッソ、サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、マルヴァジア・ネラ、チリエジョーロ、コロリーノ、トレビアーノ、マルヴァジア・トスカーノ。
『サンジョヴェーゼ・グロッソはガンベッリがモンタルチーノの最も伝統的なクローンを移植したもので、今や貴重なクローンとなってしまった』
世界的な流行に一切興味がなく、ジュリオ・ガンベッリの教えを元に、ワインで「土地の歴史」を後世に残していくのがビッビアーノの仕事。経済がワインをダメにする技術や文明、何より経済の大きな変化はワインを不自然なものに変えてしまっている。本来のワインは農作物と同じように土地の味がするもの。
『土地、品種の本来の姿、ヴィンテージの個性を表せていないワインが多くなってきている。我々はそれに気付き、恐れるべきだ』
何処の土地で造られたか解らない美味しいワインより、土地の味がする素朴なワインの方が良い。土地の味を邪魔するバリック培養酵母も必要ない。
『長くキャンティに存在し、自然交配し、自然淘汰され、変異しながら土地と共に生き残った土着品種でしか土地の味は表現できるはずがない』
カステッリーナ・イン・キャンティの個性を引き出す最も優れた品種が土着品種であり、それを隠す醸造は悪で、醸造で個性を最大化すべき。畑は有機栽培が実践され、2013年にはICEA認証も取得。これは土地の味を追求する長期マセラシオンを実現する唯一の方法だった。
『有機栽培で自然の影響を強く受けることが重要。自然と収量が減り、葡萄は生き延びる為に強い果皮を作り、酸度、糖度、タンニンも強くなる』
【旨いです!ただのキャンティ・クラシコがこんなに深く・・こんなにエレガントだとは、きっと思わなかったでしょう!】---- 以前のレヴューを使用しています。

良いワインだと思ってもテクスチュアが今一つだったり、単に残糖な甘みに逃げたり・・のキャンティ・クラシコやキャンティが多い中、ビッビアーノは素晴らしいですね。
まぁ・・昔からジュリオ・ガンベッリは好きでしたが、ビッビアーノのキャンティ・クラシコ2021年は・・
「上級キュヴェを喰いかねない見事なバランス!」
をしています。
そして、「粘土」な美味しさも持っています。
「メルロ―か」
と思えるような・・深い粘土の味わいは、濃い茶色の果実や有機物を思わせます。
そしてそのメルロー風の積層したニュアンスが、実に深い味わいを醸しているんですね。
ちょっとむせかえるような・・何と言いますか、物凄い芳香を持っています。これがもう少し発散的になりますと・・ポッジョ・ディ・ソットのブルネッロに寄って行く感覚です。
滅茶苦茶美味しいビッビアーノのキャンティ・クラシコ・リゼルヴァも以前からご案内させていただいてますが、
「そのリゼルヴァを・・そのまま少しだけエレガントにしただけ」
とも言えます。

ですので、
「濃い目の味わいよりも淡くエレガンスを感じるものが良い!」
と思われるのでしたら、このキャンティ・クラシコで充分です。noisy なら・・まぁ・・結構お年ですから、キャンティ・クラシコを選んでしまうかもしれません。
しかし・・!
海外メディアはさほど良い点は付けていないんですが、グラン・セレッツィオーネ・ヴィーニャ・デル・モントルネッロ2019 が・・とんでもなく旨いんですね。しかも激エレガント系の美し~~い味わいなんです。ちょっと惚れちゃいそうな美味しさなんですね。
どうも海外メディアは、パンチが有るイタリアワインには高い評価をするくせに、美しさを極めたようなエキスの味わいの赤ワインには・・見向きもしない嫌いが有るような気がします・・これだけエレガントなブルゴーニュワインがウケているのに・・です。
なので、モントルネッロ2019も特売ですのでリーズナブルですから、
「激旨ならモントルネッロ、デイリー的に選ぶならキャンティ・クラシコ!」
で行きましょう。
超お薦めです!・・ぜひ飲んでビックリしてください。

素晴らしいです。心からそう感じます。あの「ポッジョ・ディ・ソット」も・・そうでした。まさにあの、
「2000年前後のポッジョ・ディ・ソットの、あのニュアンス!」
を感じさせる深い・・官能さ。
時に多く感じるサンジョヴェーゼが持つテクスチュアの悪さなど、微塵も有りません。
濃いのか?・・いや・・さほど濃くない・・が薄くは無い。
甘いのか?・・いや、まったく甘くない。
エキスが濃いのか?・・いや・・意識しないレベル。
キャンティ・クラシコらしいのか?・・いや、極上のサンジョヴェーゼで造られたキャンティ・クラシコだと感じる。
しっとりとしていて、旨味・・と簡単に言えるものではない、凄い酸の味わいをしなやかに感じるんですね。そして、熟れた果実や若いハーブ、有機物、無機物の表情が凄いです。

言ってみれば、もしかしたら・・
「これ・・ブルネッロじゃないの?」
と・・思うはずです。
でももしかして、ジュリオ・ガンベッリのワインを飲んで、その味わいを知っていたとしたら・・
「お~・・ジュリオ!」
と・・(^^;;
心と身体に響くワインです。特売ですので・・
「とんでもなく安い!」
です。
これは絶対、飲みましょう。濡れてしっぽりな・・素晴らしいキャンティ・クラシコ・リゼルヴァです!
【繊細系のお料理に合わせるべき、繊細な味わいのトスカーナ・ビアンコ!・・今飲んでも良いがもう少し熟が進むとさらに美味しいでしょう!・・リーズナブルです。】

ビッビアーノの場合はセンスがとても良く、価格もリーズナブルですので有難いです。
そもそも・・もはや2千円ほどでは、さしたるポテンシャルを感じるものには出会える確率が駄々下がりなほど、円の弱さを感じる今日この頃です。
話は飛びますが、世の中が変わった節目・・とも思われるマイクロソフトのWindows95の発売は1995年だったと思います。その頃はまだそんなには、
「これで世の中が大きく変わる」
とまでは感じてはいませんでしたが、1993年頃から何とかインターネットにアクセスしていた noisy としては、
「これで将来、ワインの販売方法も変わるのは間違い無い」
とは思っていました。でもまぁ・・ここまで劇的に、しかもこれほどのスピード感で世の中が変わるとまでは想像していませんでした。
電話代を気にして何とかネットに繋げていたものが ISDN が出て来て・・2回線も使えて、どれだけ使用しても定額と言う凄い状況に変わり、
「でも海外じゃADSLでネットを安く使用できるのに・・」
と思っていたら・・ようやっとADSLが解禁され・・使わないうちにケーブル回線や光回線が使えるようになって、大容量の通信が出来るようになって驚きました。
noisy も、大量の写真をアップしていますが・・写真さえ用意できれば2回ほどクリックするだけでアップ完了です・・30年前はそこまで想像してなかったんですね~・・。あ、すみません・・エライ脱線しちゃいました。
で、その頃は「紙のメディア」で色々買いあさってました。PKさんのワイン・アドヴォケイト誌やインターネットワインセラー誌など、半年~1年遅れで購入し、
「・・なるほど~・・」
などと・・まぁ・・横文字は理解しているつもり程度ですが、
「ん?・・そこまで点、付けるの?」
とか、
「・・有名な割には低いよなぁ・・」
などと勝手なことを言っていた訳ですね。

いまではちょっとネットをサーフすれば、畑さえ見られるし、誰かの評価も見られる訳です。
このビッビアーノの低価格帯のレストリーチェ・ビアンコ2020ですが、レヴューの前に・・そのメディアのひとつ、ヴィノム・ワイン・マガジンが20点満点のところ16点も・・付いています。100点法に単純換算しますと92ポイントです。
繊細で冷ややかで、トスカーナの妙な温かさを感じるような白ワインでは無いので、非常に心地良いワインです。しかし、
「92点は付け過ぎ」
です。これだと勘違いされちゃいます。どんなに付けても90点でしょう。
ちょうど良い感じに熟し始めた2020年ものです。巷に良くある、果実味爆発、ちょっと甘めで・・少しザラつきを感じるようなトスカーナ・ビアンコではありません。
甘みはほぼゼロ、繊細で、果実味も適度で冷ややか・・非常に好印象です。ですが、上級キュヴェのような豊かさや甘さは無いので、
「コッテリしたお料理に合わせるのはどうかな?」
と感じます。
むしろ和食とか、お魚料理には物凄くマッチする感じで、パワフルな肉料理には負けちゃいますから、「しゃぶしゃぶ」とか肉を利用したサラダとかにはマリアージュしやすいでしょう。
ビッビアーノらしくアロマも繊細で伸びやかですが、こちらも派手さの無い・・美しい系です。価格もリーズナブルですので、デイリーワインとしていかがでしょうか。「92点は付け過ぎ」は間違いないです。どうぞよろしくお願いします。
【繊細系のキャンティ・クラシコ風?・・流石に上級キュヴェのビッビアーノのキャンティ・クラシコには届きませんが、ドライで繊細、美しい系のミディアムなトスカーナです!】

まぁ・・イタリアワインにあまりご興味を持たれていない方には判らなかったと思いますが、実は先日までの・・
「ビッビアーノのキャンティ・クラシコ、キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ、キャンティ・クラシコ・Gセレッツィアーノ は大人気!」
だったんですね・・
飲んだらもう・・
「こんなに安くて良いの?」
と思えるほどの出来ですから、一度飲まれた方からの返り注文の多さが半端無く、最後は加速度がついてなくなっちゃいました。
その内に・・と言いますか、リゼルヴァは2020年を同時にご案内していますが・・少し上がってますし、キャンティ・クラシコやグラン・セレツィオーネもいずれご案内できるんじゃないかと思っています。少し上がるのはご勘弁ください。
で、余りに安くてうまいので・・今まで手を出していなかったリーズナブルなクラスもテイスティングさせていただきました。
この「パッソタッソ・ロッソ2022」は、余りに美味しいキャンティ・クラシコほどの手の込んだ仕上がりには届かないですが、それでも・・
「ビッビアーノらしい繊細で美しい味わい」
をしっかり持っているリーズナブルなワインです。

まぁ・・2千円ちょっとほどですから、もはやまともなワインは絶滅状態です。
で、2022年ものと少し若目な赤ですから、熟成度が上がって来るとさらに美味しくなります。
ファルスタッフが88ポイントと、このワインを評価しています。白のリストリーチェ2020年にヴィノム・ワイン・マガジンが92ポイントと高い評価を付けているとは言え、それは全くの付け過ぎで・・こちらのパッソタッソを88ポイントと評価したファルスタッフは、真っ当な評価だと思います。人により感覚は異なりますから、88~90ポイントまでは誤差の範囲だと思います。
端正で繊細、余分な部分、甘みは無く、サンジョヴェーゼを優しく扱った形跡を感じられる滑らかなテクスチュアです。適度に膨らみ、繊細系のお料理や和食には、非常に良いマリアージュになる場合が多いでしょう。
半面、強い味わいにしたもの、もしくはパワーのあるものと合わせる場合は・・ちょっと負けてしまうかもしれませんので、その場合はビッビアーノのキャンティ・クラシコ以上が良いでしょう。noisy のように濃い味わいや塩分の多いものをついつい避けてしまう方には、
「このパッソタッソは良い選択!」
です。ぜひ飲んでみてください。特売ですので・・条件が無くなり次第終了です。よろしくお願いいたします。
【旨いです!ただのキャンティ・クラシコがこんなに深く・・こんなにエレガントだとは、きっと思わなかったでしょう!】

良いワインだと思ってもテクスチュアが今一つだったり、単に残糖な甘みに逃げたり・・のキャンティ・クラシコやキャンティが多い中、ビッビアーノは素晴らしいですね。
まぁ・・昔からジュリオ・ガンベッリは好きでしたが、ビッビアーノのキャンティ・クラシコ2021年は・・
「上級キュヴェを喰いかねない見事なバランス!」
をしています。
そして、「粘土」な美味しさも持っています。
「メルロ―か」
と思えるような・・深い粘土の味わいは、濃い茶色の果実や有機物を思わせます。
そしてそのメルロー風の積層したニュアンスが、実に深い味わいを醸しているんですね。
ちょっとむせかえるような・・何と言いますか、物凄い芳香を持っています。これがもう少し発散的になりますと・・ポッジョ・ディ・ソットのブルネッロに寄って行く感覚です。
滅茶苦茶美味しいビッビアーノのキャンティ・クラシコ・リゼルヴァも以前からご案内させていただいてますが、
「そのリゼルヴァを・・そのまま少しだけエレガントにしただけ」
とも言えます。

ですので、
「濃い目の味わいよりも淡くエレガンスを感じるものが良い!」
と思われるのでしたら、このキャンティ・クラシコで充分です。noisy なら・・まぁ・・結構お年ですから、キャンティ・クラシコを選んでしまうかもしれません。
しかし・・!
海外メディアはさほど良い点は付けていないんですが、グラン・セレッツィオーネ・ヴィーニャ・デル・モントルネッロ2019 が・・とんでもなく旨いんですね。しかも激エレガント系の美し~~い味わいなんです。ちょっと惚れちゃいそうな美味しさなんですね。
どうも海外メディアは、パンチが有るイタリアワインには高い評価をするくせに、美しさを極めたようなエキスの味わいの赤ワインには・・見向きもしない嫌いが有るような気がします・・これだけエレガントなブルゴーニュワインがウケているのに・・です。
なので、モントルネッロ2019も特売ですのでリーズナブルですから、
「激旨ならモントルネッロ、デイリー的に選ぶならキャンティ・クラシコ!」
で行きましょう。
超お薦めです!・・ぜひ飲んでビックリしてください。

素晴らしいです。心からそう感じます。あの「ポッジョ・ディ・ソット」も・・そうでした。まさにあの、
「2000年前後のポッジョ・ディ・ソットの、あのニュアンス!」
を感じさせる深い・・官能さ。
時に多く感じるサンジョヴェーゼが持つテクスチュアの悪さなど、微塵も有りません。
濃いのか?・・いや・・さほど濃くない・・が薄くは無い。
甘いのか?・・いや、まったく甘くない。
エキスが濃いのか?・・いや・・意識しないレベル。
キャンティ・クラシコらしいのか?・・いや、極上のサンジョヴェーゼで造られたキャンティ・クラシコだと感じる。
しっとりとしていて、旨味・・と簡単に言えるものではない、凄い酸の味わいをしなやかに感じるんですね。そして、熟れた果実や若いハーブ、有機物、無機物の表情が凄いです。

言ってみれば、もしかしたら・・
「これ・・ブルネッロじゃないの?」
と・・思うはずです。
でももしかして、ジュリオ・ガンベッリのワインを飲んで、その味わいを知っていたとしたら・・
「お~・・ジュリオ!」
と・・(^^;;
心と身体に響くワインです。特売ですので・・
「とんでもなく安い!」
です。
これは絶対、飲みましょう。濡れてしっぽりな・・素晴らしいキャンティ・クラシコ・リゼルヴァです!
【ちょっと・・あのカーゼ・バッセのペガソスを、もう少し「濡れた粘土の畑に持って行った」・・そんな感じもする・・そして美しいブルゴーニュの赤い果実のエキスを加えたかのような、キャンティ・クラシコの最高峰のG.S.、激旨キャンティ・グラン・セレティオーネ、特売です!】

まぁ・・カーゼ・バッセは大樽ですから、全く方向性が異なるのは理解しています。長年大樽で仕込んだものと、新樽主体で仕上げたものは全く異なりますが、ことジュリオ・ガンベッリですから・・
「そのイメージは絶対に拭えない!」
とも感じる訳ですね。
このやや暗い茶と黒の入ったような赤い色調の中に、
「ものの見事に赤い・・ブルゴーニュ的な赤い果実の美しいエキスからの表情が隠れている!」
なんて、誰も考えないでしょう?
noisy はしっかり・・検出しました。そして・・その美しいブルゴーニュ的な・・そう、シャルム=シャンベルタン的な感じかな・・と思いますが、本当に美しいです。
この色調を見て、そんなことを言うのは noisy 位のものでしょうから・・まぁ・・飲んでみなきゃ文句も言えない訳ですから、是非飲んでみてください。惚れちゃうかもしれませんが、noisy はその辺の責任は取れませんので悪しからず。

ジュリオ・ガンベッリですから、モンテヴェルティーネの激エレガントなサンジョヴェーゼそのものの味わいや、葡萄のエキスを濃密に抽出したカーゼ・バッセのモンタルチーノの味わい・・結果的にはエレガントなんですが、そこそこの濃厚さは有る訳です。カーゼ・バッセも1980年代はもっとずっと濃かったと思いますし。
ですが、エノロジストの恐ろしいところは、
「カンティーナのご主人以上に個性を発揮する!」
訳ですね。イタリアは特にその傾向が強いかと・・も、思ってます。
そして、そのエキスですが・・めちゃ瑞々しく、粘性が目に見えるのに・・激エレガントなんです!
だから海外メディアは高い評価をしない・・たったの94ポイント・・いや、そのポイントを出したワインスペクテイターはまだ良い方ですが・・。
でも、だからこそ、こんなにリーズナブルで旨い・・全くエレガントに見えないのにエレガントな超高級トスカーナワインがリーズナブルに購入できるんだと理解してください。これに97点も付けてしまえば、飛ぶように売れてしまうので高くなっちゃうでしょう?・・濃いだけじゃ満足できないワインファンのために、ここは是非飲んでいただきたいと・・超お薦めします!滅茶安いです!特売です!
【まさにソルデーラのブルネッロ・ディ・モンタルチーノやインティスティエティの若い時分のような「クシャッ」と凝縮した成分を持った実り前の味わいがします!・・限定特売です!】

ソルデーラのワインもまた、まぁ・・高かったので苦労はしました。それでも、
「ペガソス」
と言う・・ブルネッロにしなかったキュヴェがリリースされまして・・これを飲んだら・・ぶっ飛んだのを覚えています。Noisy wine のお客様も覚えておられる方も多いのでは?・・と思っていますが、昨年末頃ですか、お客様に、
「2005年のペガソスをようやく開けたんだけど、有り得ないほど旨かった!」
とおっしゃってました。
そりゃぁそうでしょう・・その頃には1万2千円ほどじゃなかったかと思いますが、ソルデーラのブルネッロ・リゼルヴァほどの長い熟成をさせない・・言わば、
「ペガソスはセカンド的立ち位置」
だったとしても、同じブドウ園の同じ品種で、長期熟成をさせなかっただけ・・と言うブルネッロ種ですから・・若い時からそこそこにその真の姿を見せてくれましたから、
「こりゃぁ・・旨い!・・10年先はもっと凄いだろう!」
と簡単に分かった訳ですね。お客様にはずいぶんと喜んでいただきました。
「もう・・無いの?」
とずいぶん言われたものです。ソルデーラもまたご健在で、その自然派的哲学、循環型の農業からのワインの素晴らしさを教えてくれたものです。

このグラン・セレツィオーネ・ヴィーニャ・デル・カパンニーノもまた、
「価格は十分の一ほどだが、ソルデーラのリゼルヴァ的立ち位置のワイン」
です。
同じくジュリオ・ガンベッリが関与したワイナリーの中では、決してモンテヴェルティーネ的では無い・・すこしポッジョ・ディ・ソットのイメージは有る・・でも似通っていると言うのであれば、生産の村は異なるものの・・とは言ってもビッビアーノから南に8キロほどしか離れていない、モンタルチーノのソルデーラのワインに近いものを感じる仕上がりです。品種は同じサンジョヴェーゼ・グロッソです。
別にさほど濃い訳では無いんですが薄くは無いです。1942~2004年まで、ジュリオ・ガンベッリはビッビアーノで働いていたと言われていますから・・ホントか?・・・(^^;; 言ってしまえば、
「ジュリオ・ガンベッリのホームグラウンド」
であったのでしょう。
そしてビッビアーノ(ワイン名、カンティーナ名であるようでも思われますが、実は地名)のコムーネ、カステッリーナ・イン・キャンティを拠点にラッダのモンテ・ヴェルティーネやモンタルチーノに出かけていたのを伺わせます。
この地の特徴でしょうか、ジュヴレ=シャンベルタンにも似た比較的重さを感じさせる鉄分が多く感じられ、低域からグッと持ち上がってくるようなパワーを感じます。
重厚さと野性味、官能さに長け、
「・・・並みのキャンティ=・クラシコじゃないぞ・・」
と、その静かなアピールを聞くことになります。
凄いですね・・この存在感。俳優さんはその姿、ふるまい、そして表情ひとつで、場の雰囲気を変えてしまいますが、一口すすれば・・凄い存在感を感じることでしょう。
ですが、このコラムの最初の方には書かせていただいた通り、
「今すぐ飲んで最高に美味しい!」
と言うワインではありません。
もしすぐに飲みたいのであれば、普通のリゼルヴァをお薦めします。リゼルヴァはもう・・素晴らしいです。こちらは、
「グラン・セレツィオーネ」
ですから・・
「偉大なる精製の品」
葡萄も、キュヴェも全てにおいて選び抜いて造られたボトルです。そう・・あと5年は置いて欲しいですね。長く持つと感じます。
なお、本数限定の特売になりますので、完売したらもう・・無理です。お早めにご検討くださいませ。