ブリューノ・デゾネイ=ビセイ
ブリューノ・デゾネイ=ビセイ
フランス Bruno Desaunay-Bissey ブルゴーニュ
● 2017年のデゾネイ=ビセイです。2015年で激変してから3年目ですね。余りの変身ぶりに嬉しい気持ちでは有りますが、それでも昨年の2016年ものも、今回の2017年ものについても・・
「・・大丈夫だよな?・・進むべき道を踏み外してはいないよな・・?」
と言うような、孫を持つ爺さんのような気持ちなのかどうかは別として、心配で仕方が無い訳です・・(いや、まだ孫はいませんよ・・流石に・・)。
なので、数の無い上級キュヴェは別として、まぁ、ヴォーヌ=ロマネなども数が有る訳では無いですが、テイスティングをさせていただきました。
いや~・・A.C.ブル!・・旨いですね~!・・有るだけ欲しい!・・です。けっして出しゃばり過ぎず、しかしちゃんと有って、柔らかくて・・とても丸い。しかも「薄い」訳では無いので比較に引っ張り出すのは勘違いされるかもしれませんが、あのシャンボールのシミジミ沁みてくるルイ・ユエランとか、色合いも味筋も全然違いますが劇的なデビューを飾った2013年のアメリー・ベルトーのA.C.ブルとかの存在にニュアンスがとても似ていると思ってしまいました。
ジュヴレ村名もめっちゃ美味しい・・。デュガさんに教えてあげて欲しい位です(・・いや、2017年のデュガさんのA.C.ジュヴレは滅茶美味しいですが・・)。ヴォーヌ=ロマネはもう、絶対買っていただきたいほどエレガントで旨いですし、村名に過ぎないのにエシェゾーとそっくりのシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーの構造の大きさにも驚かされました。
まぁ、1級レ・ボーモン、エシェゾー、グラン=ゼシェゾーは飲んではいませんが、
「こりゃぁ間違い無い!」
と思わせるには充分の中級~下級クラスでした。
2015年からの上昇機運は2017年も健在です。しっかり・・ミネラリティが大量に存在しています。しかし、そのミネラリティも凍り付くようなパキッとした硬いものでは無く、どこかしなやかさの在るものなんですね。その結果も証拠の一つになるかとは思いますが、So2はとても少なく感じるほどのしなやかなテクスチュアです。
グラン=ゼシェゾー、エシェゾーの近辺に多くの畑を有す著名な生産者では有りますが、それでもまだ世界的には注目されていないようですので、ある意味、我々にとってはとても有難い状況では有ります。おそらくデゾネイ=ビセイにとっては我慢の時なんでしょう。
素晴らしい2017年でした!2016年を超えて来たと感じています。と同時に、テロワールの表現もクッキリしてきましたし、2017年ヴィンテージの柔らかで早くから飲める特徴も併せ持っています。
「デゾネイ=ビセイ?・・いや~・・別にいいよ・・」
と思われるのでしたら、取りあえずA.C.ブル、飲んでみて下さい。きっと一気にファンになっちゃいますよ。
「・・気の強い女性はどうも・・」
と常日頃から思っているnoisy がそう言うのですから、
「柔らかな物腰でふんわりと包んでくれるのに実はちゃんとしてて五月蠅く無いエキシーなブルゴーニュワイン!」
です。是非ともご検討くださいませ。
■エージェント情報
2017年は比較的安定した天候で葡萄の成長も安定していたが、一部の畑で霜や雹の被害が少し出た。夏はとても乾燥して葡萄の色付きも早くから始まったが、乾燥によるストレスから区画や株によって葡萄の成熟スピードに明確に差が出てしまい、ベト病が発生した畑もあった。8月末に雨が降ったことで僅かだが腐敗してしまった葡萄もあったが、全体的に見れば葡萄の健康状態は良好。色調は淡く、甘酸っぱいチャーミングな果実味が前面に出ており、タンニンも柔らかくて例年よりも早めにバランスが取れており、アペラシオンによってはすでに飲めるほど味わいが開いている。
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2015年もので大ブレークしたデゾネイ=ビセイの2016年ものをご紹介します。
いや~・・2015年ものは本当にビックリでした。2013年ものまでは、
「リリース直後は決して売らないだろうなぁ・・クラシックなスタイルにも程が有るからなぁ・・」
と思っていた訳です。2014年ものには見るべきものは有った・・しかし、扱うには不安の方が大きかったんですね。
で、2015年ものを飲んでしまったら、
「これは是非扱いたい!」
に変わってしまう訳ですから・・変わり身が早い!・・と言われても仕方が無いですよね。
で、今回ご紹介させていただく2016年ものは、不安と期待とか入り混じる、何とも切ないような・・楽しみのような・・複雑な感情を持ってのテイスティングになりました。
2016年の自然の猛威は、デゾネイ=ビセイにも襲い掛かりました。あの稀有な・・いや、以前でもこれだけならやりたいと思っていた・・(^^;; グラン=ゼシェゾーが生産されず、他のキュヴェに混ぜられてしまっています。ルーミエさんと似た様な状況・・。
ところがです!・・ルーミエさんも激少なくなってしまったシャンボール=ミュジニー村名2016年でさえ、デゾネイ=ビセイは、
「めっちゃ美味しい!!」
と感じさせてくれる愛想の良さと美しさでした!・・他のキュヴェも言うに及ばず・・でも一応言っておきましょうか。ACブルは実にエレガントです!大きくは無いがブルゴーニュ・ピノ・ノワールが持つエレガンスを、実に良い感じで表現して来ます。ACジュヴレは・・これも実に良い!・・アメリー・ベルトーはジュヴレだけは、やや硬く・・と言うか、全房発酵に持ち込むことさえできずに、他のキュヴェとの統一感を失いましたが、ツヤツヤでテカテカ、ジュヴレの金属的な複雑性をしっかり柔らかな表情に仕上げていました。
村名ヴォーヌ=ロマネも良かったですよ。ただし、ミネラリティが膨大で、その分、現状はややカッチリ目です。しかし、以前のようなハードでエッジが立つようなニュアンスは無く、びちっと濡れたテクスチュアからのピュアな美味しさが光っていました。カプセルの中にまだ要素を沢山隠し持っているような感じでした。
上級キュヴェは数本ずつですので、下級キュヴェがこの仕上がりなら、何の問題も無いだろう・・と踏んでいます。トップキュヴェのグラン=ゼシェゾーは単独で仕上げられる量が出来ず、他のキュヴェに混ぜた様です。
2015年に続き、2016年も万全でした。非常にドライ・・まるっきり甘みを残さない、しっかりした仕上がりです。ピュアですし、アロマもソフトで柔らかくスピードの有るものです。この辺りは年々、増しているような感じがします。また、テイスティングしたキュヴェ全てに共通していて、例外は有りませんでした。是非2016年ものも飲んでみていただきたいと思います。
■エージェント情報
2016年は4月26日夜から27日朝にかけて発生した霜や偏った降雨によるベト病の発生などで葡萄の成熟がバラバラで畑仕事がとても難しかった。夏以降天気が安定したので健康的な葡萄が収穫できたが収穫量は少なく、特にエシェゾーとシャンボールミュジニーが少ない。グランエシェゾーも1945年以来の霜害を受け、収穫量があまりにも少なすぎて造ることが出来なかった。色調濃く魅力的な香り、フレッシュで優しく厚みのある口当たり。酸とタンニンのバランスも素晴らしく5年ほど寝かせればビロードのような滑らかなワインになるだろう。
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● 随分と前にご紹介したっきりで、まだその頃に仕入れたワインがどこかに残っているはずと・・セラーを探してみたんですが見つかりませんでした。
「noisyも何でまた今頃デゾネイ=ビセイを・・?」
と、いぶかし気に思われていらっしゃるお客様も多いんじゃないかと想像します。
そうなんですね。フィネスさんとお取引が復活して何年か経過しましたが、それでもこのデゾネイ=ビセイだけは復活しませんでした・・。・・だって・・
「クラシカル過ぎてボソボソしてテクスチュアも良く無くて、綺麗じゃないし・・」
と、余り好みのスタイルではないことと、何より価格も決して安い訳でも無いのに面白くない味わいなので、決して首を縦にはしなかったんですね。
ところがです・・
「2015年のブリューノ・デゾネイ=ビセイは激変!!物凄~~く、良くなった!唖然とするような変貌ぶり!」
だったんですね。
余りの美味しさに、取り敢えずは出来るだけアイテムを飲んでみようと、テイスティングをさせていただきました。そしてそれは確信に変わったんですね・・。
「デゾネイ=ビセイ2015年は是非とも noisy のお客様にもご紹介すべき!」 そうなんですよ・・まるでジョルジュ・ルーミエか、はたまたシルヴァン・パタイユが乗り移ったか・・のような、ツヤツヤして透明で美しいミネラリティが「テンコ盛り」状態になって、しかも、今までは「茶色や黒」が主体の老いぼれた風な果実が主体だったのが、「非常に美しい赤が主体」のものに大変貌しているんです!
いや、驚きました。マジでパタイユがアドヴァイザーに付いたんじゃないのかと・・思ってます。そうじゃなきゃこんなには変われないと思うんですが、実はそのイメージは2014年に少し感じていたんですね。
フィネスさんの担当のK君も一生懸命な人でして、何かと頑張ってくれまして、忙しくて中々インポーターさんのテイスティングには出かけられない noisy のために、何とかテイスティング出来るようにしてくれてます。
そんな中で noisy も、しばらく離れていた造り手さんや新しい生産者さんのアイテムを、チョコチョコとテイスティングしていまして、その中にこのデゾネイ=ビセイのワインも有った訳です。
最初の頃は、noisy が昔から思っていた通りの、素朴でゴツゴツした外交さの無い味わいだったんですね。ところが昨年の2014年ものに、美しいミネラリティが付き始めて、
「・・おや?」
と思った訳です。
しかしそれでも、
「・・ん・・でも・・できない・・」
と言う判断でした。
それがこの2015年もののテイスティングで、激変したのが判ったものですから、こりゃぁ頑張って販売しないといかん・・と思ったんですね。
皆さんも、余り芳しくは無いイメージしかないかもしれませんが、いやいや・・noisy は嘘付かないですんで・・非常に素晴らしい・・まずはACブルで結構ですから、飲んでみてください。どうぞよろしくお願いいたします。

■エージェント情報
現当主であるブリューノ デゾネイ氏は、1975年に彼の妻の祖母が所有していたフラジェ エシェゾーの2haの畑で分益小作による開墾から始めました。1994年の義祖父母の引退時に引き継いだ畑と個人で購入した畑を合わせて5つの村に約6haを所有し、実直で真面目な性格のデゾネイ氏は伝統的な手法でクラッシックなワインを造っています。 畑の土壌は主に粘土石灰質で、仕立ては片翼式ギュイヨ方式で1株につき8房に制限しています。樹齢の古い木がとても多く、凝縮した葡萄が収穫されます。また、ブリューノ デゾネイ氏は植物保護の地方局と連携しながら、畑の手入れをリュット レゾネで行っています。 葡萄の収穫は手摘みで100%除梗し、アルコール醗酵は合成樹脂タンクで自然酵母によって15~21日間行われます。その後、空圧式圧搾機でプレスされ、樫樽で18か月熟成されます。33%が新樽で残りは1~20年樽になります。フィルター、コラージュは行わず、ロウソクを使ってスーチラージュします。
● 2017 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【この「はんなり」としたジュヴレ=シャンベルタンの姿を、どう伝えたら判っていただけるか・・超悩み中です!】

一度貼られたレッテルを剥がし、再度貼りかえるのことは、中々に難しいことでは有ります。昨今はネット時代ですから、目立つ人間は総監視状態の中で生きねばならず、ちょっと浮気しちゃった・・とか、ずっとしてるとか・・自分より他人さんがより詳しかったりして・・(^^;; まぁ、noisy の場合は毎日、翌日になるまでPCに向かってるか、ノコギリとか電動工具を使っているかのどっちかですから、全く女性には無縁ですので・・そんなご心配は・・まぁ、誰もしてないか・・はい。
しかし、ワインの場合はそうもいきません。そりゃぁ・・
「飲まなきゃ判らん」
からです。
しかし、飲んだ人は判っても、飲んだことの無い人に飲んだ人がどう伝えるか?・・が重要で、しかもそこには齟齬が入りやすいし、「誘導」にもなりやすい訳です。
言ってしまえば noisy が一生懸命になってやっていることはある種の「誘導」に他ならず、それが本人には悪意の無いものだとしても、ある人には「単なる誘導」になってしまう場合も少なからず在ると判っている訳です。
だからこそ、信用を失ったら、
「あっ・・」
という間に地に落ちる部分は、かの著名な目立つ方々と同様とも言え、だからこそ、嘘をつかないことと自身のテイスティング能力に磨きを掛けることを胸に刻んでワインを販売してきました。
まぁ、やはりご理解いただけない方もいらっしゃったでしょう。でも、超アングラなサイトで何とかやってこれているのは、ご理解いただけた方々、有っての現在で有ると理解しています。
それでも、やはり・・レッテル剥がしはムズイですよ。こんなに美味しいのに・・細かなニュアンスを何とか伝えなきゃ判っていただけない訳ですから。
「赤果実と黒果実が素敵なミネラルたっぷりのピュア&ナチュラルなジュヴレ村名です!」
だけじゃぁ・・ねぇ。
ある意味、色合いを見ていただければそれなりに濃い感じですよね。やはりジュヴレの酸化鉄由来のミネラリティがそうさせると思います。でも、
「全然濃いなんて思わないはず」
なんです。ドライでしっかりした冷涼な酸が有るんですが、
「飛び出した部分、へっこんだ部分が無い」
丸~い感じなんですね。そして、とても「しっとり」とおしとやかなんですが、柔らかでふっくらなミネラリティが前半で、細やかな表情はしっかり後半で見せてくれます。
ものすごく良く出来てます・・この価格帯ではピカイチです。1万円を軽く超えてくる村名クラスも喰っちゃいますし、何より、
「ワインは結局は、それが好きか嫌いか?」
ですから、
「おそらく・・こんなタイプはお好きな方が非常に多いはず!」
とnoisy は思っているんですね。
特にnoisy のお客様は、その辺がそれなりにマッチする方が多いのかと・・思ってますんで、
「きっとお好きなタイプのジュヴレです!」
と言ってしまうのが一番良いのか?・・などと悩んでいるんですね。
まぁ、四半世紀もそんなことをやっていて、未だにこれですからどうしようも無いですが・・是非飲んでみて下さい。超お勧め!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【かなり旨いです!・・美しく濡れたテクスチュア、ふわっと立ち昇るアロマ、ドライな極上ジュヴレです!】
2015年もの以上に仕上がった可能性の高い2016年村名ジュヴレ=シャンベルタンです。まぁ、そうは言いつつも個人的な好みは人それぞれに有りますから、どっちが良いとは一概に言えない部分では有ります。
2015年ものはもっと・・エレガント系で赤い果実がふんわりと、充実したエキスから立ち昇る感じでした。2016年ものも、確かにその延長上には有るんですが、例えばいきなり「ヴィエイウ・ヴィーニュ」になったような感じ・・と言葉にすると判りやすいかもしれません。内容が充実した感じなんですね。複雑性も高いしジュヴレらしい押し出しも有る・・しかし、濡れてフワッとした実に良い感じが有りつつ、滅茶ドライでふんわりしつつ、構造の深さを埋め尽くすだけの要素を持ち合わせている・・そんな感じです。勿論今飲んでも美しいスタイルで旨いです。
2015年ものはルイ・ユエランがジュヴレを造ったような感じ・・とお伝えしましたが、2016年はギイヤールのジュヴレに透明感と立体感を付け加えたような仕上がり・・と言えば判りやすいかもしれません。
2015年と2016年は、似たスタイル、同じ軸上に有るのは確かですが、受ける印象は結構に違い、よりポテンシャルは高い・・と感じました。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントな村名ジュヴレ=シャンベルタン・・って、飲んだこと有りますか?・・意外に存在しないと思いますよ。ルイ・ユエランがジュヴレを造ったようなイメージです!】
何度も書くようで申し訳ないですが、デゾネイ=ビセイのワインが本当にこんなに美しい色合いを見せつけて来るとは思いもしなかったので・・ある意味、その反動が出ちゃってるかもしれません。とても美しく、そしてエレガントで有り、ドライなのにちゃんと旨みが存在し、たっぷりある透明なミネラリティとそれを支える白い石灰的なミネラリティが、ピュアな味わいを生み出しています。
下の写真を見ればお分かりかと思うんですが、一番濃い色合いをしているのはシャンボールです。ジュヴレはヴォーヌ=ロマネとどっこいな感じで、決して濃くは無いですよね?
そして、重い感じの色合いも無いでしょう?・・普通ならもっと「どしっ」とした重量を見せるような色合いのものが多いかと思うんですが、そんなニュアンスは見受けられません。
味わいも実際に、鈍重さの無いバランスに優れた味わいで、鉄っぽさとか、ワイルドさなどは「さらり」とした表現をしてくれます。その分、果実の表情が細やかで、まるで小粒のチェリーを脚付きの透明なパフェグラスに載せ、甘く無いガムシロップでコーティングしたかのような味わいです。
で、ジュヴレっぽく無いか・・と言うと、全くそうでは無く、むしろちゃんとジュヴレの個性が際立って感じられるのが不思議です。骨格はちゃんと備わっている・・と言うことなんでしょう。

このジュヴレだけはヴィエイユ・ヴィーニュの表記の無いワインなんですが、
「エレガントだからそう思えてしまうけれど、決して軽量級のワインでは無い。」
「これほどまでにミネラリティのしっかり有るACジュヴレは、まず見当たらない。」
と言えると思います。
ACブルのコラムでも書きましたが、まるでこのミネラリティ感は、
「シルヴァン・パタイユも真っ青・・。そっくり・・」
で有り、安易に真似しようとしたとしても出来ることでは無い・・と思うんですね。
また、ルーミエさんのワインにも似ていますが、果実の出方がちょっと違うかな?・・と思います。むしろルーミエさんの方が果実酸の構成が豊かというか、やや甘さが有ると言うか、そんな感じで、デゾネイ=ビセイのジュヴレはもっとドライ・・まるで甘味が無いのに旨みが有る・・と言うようなニュアンスです。
ピノ・ノワール好きなら、やはり試してみたくなる味わいかと思います。大変身を遂げたデゾネイ=ビセイの2015年ジュヴレ=シャンベルタン。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2017 Chambolle-Musigny la Combe d'Orveau Vieilles Vignes
シャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【村名ですが、エシェゾー的風格もしっかり見えます。一般に言うシャンボール=ミュジニー村名的味わいとは全く異なります!】

ん~・・ここはやはり、フラジェ=エシェゾーのアペラシオンが必要じゃないかな~・・みたいな気になっちゃいますね。シャンボールのほとんどのワインとは、根本的に異なると感じるんですよ。
2016年もそうでしたが、2017年のラ・コンブ・ドルヴォーは素晴らしいです。しかし、2016年を超えて来たと思える2017年を飲んでしまうと、
「シャンボール村名を想像して飲まれた方は、結構にイメージの違いにドギマギするかも?」
と思ってしまうんですね。
いや、とても美味しいんです。他のデゾネイ=ビセイの2017年と全く同様の美しいスタイルです。
ですが・・構成が半端無く大きいんですね・・ストラクチャーがしっかり有ります。そして、幾分の若さがその大きな構成を埋め尽くせてないんですね。なので、このワイン、今もとても美味しく飲めますが、そのことをちゃんと意識しておく必要が有ると思います。
どこかのコラムで書いたことが何度か有りますが、昔、1984年のアンリ・ジャイエ御大のエシェゾーのマグナムを飲んだことがあります。
1984年ですから・・おそらく20年位経過した頃だと思いますが、最悪のヴィンテージと言われた年です。
で、その味わいは・・ものの見事に「スケルトン」でした。骨格だけです。果実も何もありゃしない・・しかしそれでも・・
「うわ・・やっぱりジャイエ、凄いな・・」
と感じてしまいました。
でこのワイン、どうような骨格が有るんですね。その他の表情は、おそらく「釣り合う時期がきっとある」とは思わせるものの、そこは「村名畑」なのかもしれませんが、最初からは見せることが出来なかったんだと思います。
しかし、しかしですよ・・飲んでいただければ、noisy が言っている意味はきっとお判りになるはずの、見事な構成の味わいをしているんです。これがやはり「エシェゾー的姿」なんですね。なので・・(いや、だいぶ遠慮して・・)
「プティ・プティ・エシェゾーの2017年ラ・コンブ・ドルヴォー!」
と申し上げておきましょう。
その代わり、比較的パワフルな料理と合わせても決して負けないと思いますよ。飲んでみていただきたい・・何せ、
「ヴォーヌ=ロマネ村名よりも高価なシャンボール=ミュジニー村名!」
ですから、その素晴らしい個性と出来をご自身の感覚でご覧いただきたいと思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【非常に・・美味いです!今のところの2016年シャンボールではピカイチ!】
先日も「2016年シャンボールで白眉」と書いてしまいましたので、同じフレーズは使い辛く、ピカイチに変えてお題目に入れさせていただきました。軽くてすみません・・。
いや、でもこれ、滅茶旨いんですよ。シャンボールチックで、エシェゾーの乾いた感じの土からのフラワリーさやハーブ的ニュアンスに混じる赤い果実・・良いですよね~~。
このコンブ・ドルヴォーはエシェゾーに接するような区画ですが・・、例えばエシェゾーはグラン・クリュですから、造り手がそのポテンシャルを高めようと、無理に凝縮させたり、人為的な介入を大きくしてしまうと・・へそを曲げちゃう厄介なグラン・クリュでも有ります。だからこそ、複数区画をブレンドすると結果が良いとか・・と言うことに成ってくる訳です。
むしろそんなエシェゾーの真の姿に近い一部分を見せてくれるワインでも有りますし、何せあの「ミュジニー・グラン・クリュ」に接し(村名区画は接してはいない)、1級格も存在するのがこの「ラ・コンブ・ドルヴォー」ですから、ミュジニー的なものの見事な赤い香水のようなアロマは無いにせよ、その基盤となっているやや硬めなミネラリティからの表情をも、持ち合わせています。
口内で感じる粒子の一粒一粒は、非常に目が細やかで、もはや粒子と感じられないような流体感が有ります。これは非常に美味いです。2015年も美味しかったですけどね!2015年ものと色合いを是非比べてみてください・・全然違うでしょう?・・是非飲んでみてください!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これはもう「プティ・エシェゾー」!!バランスの良く無いグラン・クリュ・エシェゾーより美味しいです!見事な出来!!】
「・・おいおい・・シャンボールのワインをエシェゾーに似ているなんて言っちゃって良いの~?」
なんて声が聞こえて来そうですが・・
「良いんです!」
まぁ、どこかのネットのショッピングモールのCMのような感じで言っちゃいたくなりますが、良いんですよ。そうゆうものですから。
実はフラジェ=エシェゾーはヴォーヌ=ロマネ村とシャンボール=ミュジニー村に挟まれていますが、この「ラ・コンブ・ドルヴォー」は、フラジェ=エシェゾーとシャンボール=ミュジニーに跨って存在している、いや、少し分散はしているんですけれど、ボンヌ=マールがシャンボールとモレに跨っているような感じと思っていただいて良いかと思います。
ですので、敢えて言ってしまえばシャンボールっぽくは無く、さりとてエシェゾーほどの個性を発揮できないワインが多いのが普通です。
シャンボール側のコンブ・ドルヴォーは、ミュジニーを名乗れる部分も有り、1級部分も有り、村名部分も有りますが、1級以上の部分については勿論シャンボールっぽいんですが、村名はむしろエシェゾーっぽい感じなんですね。
なのでこのラ・コンブ・ドルヴォーはそんなニュアンスを多く持っていますが、非常に出来が宜しくて・・何と、
「プティ・エシェゾーと呼びたい!」
ほどのバランスの良さを見せます。
色合いも重厚ですよね。それに何より美しいです。紫色がしっかり入ったやや濃いめの色合いですが、鈍重になることなく、しかし非常に深い味わいがします。
ミネラリティのコーティングは他のワインと同様ですが、このワインだけは低い位置から上方に向かっての押上がしっかり有ります。
グラン・クリュ・エシェゾーは、畑が広く、またそのクリマが沢山有りますので、単一のクリマものは偏ったバランスになってしまうことが多く、上部と下部のクリマをセパージュして造る場合が多いんです。一般的には単一ものはエシェゾー・デュ・ドゥスー位ですね。しかも黒味や茶が多く結構に鈍重になるか、またその反対に赤味はしっかりあるものの軽く成り過ぎる場合も有りますし、何ともバランスの悪い「中抜け・中域不足」のものも見受けられます。
ところがこの「ラ・コンブ・ドルヴォー」は、その抜けやすい「中域」部分がしっかり有り、濃密さもバッチリ有ります。密度が兎にも角にも高く、低域と高域しかないようなスカスカな味わいじゃないんですね。なので感じられるやや色の濃いチェリーもリアリティが有り、非常に満足感の高いワインに仕上がっています。
ん~・・今まで飲んだ「村名コンブ・ドルヴォー」では最高じゃないかな・・と思います。アンヌ・グロとかより確実に美味しいです!
しかも今飲んでも美味しさは充分です。勿論長く持ちますよ。是非飲んでみてください。「プティ・エシェゾー」・・だと思います。
● 2017 Echezeaux Grand Cru Vieilles Vignes
エシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【村名ラ・コンブ・ドルヴォーでさえエシェゾー格の構成を感じてしまうのに、ほんまもんのエシェゾーは一体どうなってしまうのでしょう?】
グラン・クリュ・エシェゾーを構成する「アン・オルヴォー」は、ミュジニーに接するリューディです。乾いていて香り高い感じと深い構成を持っている・・と感じています。まさにシャンボール村名ラ・コンブ・ドルヴォー的でも・・有ります・・流石にアン・オルヴォーほどの肉は持っていませんが。
そして、エシェゾーの中のエシェゾーとも言うべき存在の「エシェゾー・デュ・ドスュ」を上下斜めに挟み込むように、「レ・シャン・トラヴェルサン」と「レ・トルー」のリューディが有り、この3つの畑でこの、
「エシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」
が造られる訳ですね。
2015年より大きく変化し、素晴らしいワインを造るようになる前から、このワインはしっかりしていました。それでもやはり「乾いた」感じが有って、今のデゾネイ=ビセイのように「濡れてふっくら」したニュアンスにはなって無かったと思うんですね。
エシェゾーと言うワインは、余り当たらないグラン・クリュと言うようなイメージが有るかもしれません。でも、決してそうでは無いんですよ。あのミュヌレ=ジブールのエシェゾーなんて滅茶苦茶美味しかったのに・・、どんなに頑張って説明しても誰も見向きもしてくれなかったですから・・いや、ミュヌレ=ジブールはクロ=ヴージョもしこたま旨くて、それでも全然売れないので仕方なく、そう・・赤字覚悟でテイスティングまでして販売していた位ですから。それに、ビゾも良い年は非常に素晴らしかったです。時折、サンズ・ナチュラルにこだわり過ぎでは?・・と思うことは有りましたが。
樹齢は110年にも及ぶそうです。希代稀な仕上がりになっている可能性さえ・・有るかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【非常に少ないです!】 2016年のデゾネイ=ビセイはトップ・キュヴェであるグラン=ゼシェゾーを生産できず、このエシェゾーがトップ・キュヴェとしてリリースされました。3つのリューディをブレンドして造り上げる伝統の味わいです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【こうなってくるとこの2つのグラン・クリュが大化けしているに違いない・・と踏んでいます!! 】
これだけデゾネイ=ビセイのワインが向上し非常に美しいスタイルになって来たことが判るとなると、このドメーヌが持つ二枚看板の「エシェゾー」と「グラン=ゼシェゾー」が非常に気になってしまいます。
ちょっと調べてみると、グラン=ゼシェゾーの所有者は21~22人ほど、ちょうど左の画像、上が北で下が南、左が東ですが、「Grands-Echezeaux」の文字の辺り、ど真ん中ですね・・ほぼ1/3~1/4強をDRCが所有していまして、それ以外を20軒ほどで分け合って所有しています。
一番北の端に濃い青で点を付けた辺りがデゾネイ=ビセイの所有地と見られますから・・
「物凄い場所!」
に畑が有ることが判ります。
ヴージョ城の所には「Clos de Vougeot」のポールが立っていますが、ここはメオ=カミュゼがその周りと下部(東側)を持っていまして「ガレンヌ」と言う区画です。
そのヴージョ城の北側が「グロ・フレール」が所有する「ミュジニ(Musigni)」で、その上はもう「ミュジニー(プティ・ミュジニー)です。
そして、そのデゾネイ=ビセイのグラン=ゼシェゾーの上(西側)はエシェゾー(レ・ポウレイエール)です。
つまり、
「クロ=ヴージョ最高の場所とエシェゾーに接したグラン=ゼシェゾー!」
で有って、
「ミュジニーとクロ=ヴージョとエシェゾーとグラン=ゼシェゾーの狂宴!」
と言う、ちょっと化け物じみた場所に有る畑のワイン・・と言うことになるんですね。
まぁ、2014年から確実に進化しはじめたのを見ている noisy としましては、2015年の下級クラスのワインの素晴らしさを見れは、看板の2アイテムは是非とも飲んでみたいものです。
何より、2014年以前でもこの2アイテムに限っては、結構良かったのも事実なんです。余りにクラシックで、若い内はボソボソっとしたテクスチュアでミネラリティが奥に引っ込んだ感じの下級クラスに比較し、やはりそこはさすがのグラン・クリュと言うような部分では有るかと思いますが、それでも評価をされる方も少なく無かったんですね。
また、エシェゾーの方も魅力的です。「リューディ・アン・オルヴォー」は、グラン=ゼシェゾーで説明させていただいた「レ・ポウレイエール」のさらに北に有る畑でして、
「このリューディはシャンボール=ミュジニー側にはみ出したような形で、シャンボール=ミュジニー村の畑とフラジェ=エシェゾー村の畑の両方が有る」
んですよ。
しかも、シャンボール側のアン・オルヴォーは、グラン・クリュ・ミュジニー、1級、村名の3クラスにも細分されていますし、フラジェ=エシェゾーも、グラン・クリュ・エシェゾーと1級の両方が有る・・と言う、非常にややこしい畑なんですね。
すなわち、ヴォーヌ=ロマネのニュアンスも持ちつつ、シャンボールの・・と言うか、ミュジニーっぽいニュアンスも持ち合わせていると言うスタイルで、グラン=ゼシェゾーの強い果実の風味の出やすい味わいとも、かなり違った印象を受けるはず・・と思うんですね。それに「レ・シャン・トラヴェルサン」は、このアン・オルヴォーの南に接しています。
グラン=ゼシェゾーの南に接する「レ・トルー」は、上記の2つのリューディの高い高度は持っておらず、しかも北部では無く南部と言うロケーションでして、
「良いエシェゾーを造るには、上部と下部をセパージュする」
と言う鉄則にも当てはまっています。
なので、このエシェゾーも非常に楽しみな2015年・・と言うことになりまして・・
「・・飲んじゃおうかな・・」
などと思っています。売れなかったら飲んでしまう魂胆でおりますんで・・はい。
もし、デゾネイ=ビセイの他のアイテムのレヴューを見て、
「・・これは期待できそうかな?」
と・・アンテナがビンビン来た方は、是非ともトライしていただきたいと思います。下があれだけ旨いんですから上が悪い訳が無いとは思いますが、何せ十数年も扱ってなかった造り手ですので、さすがの noisy も断言はし辛いところです。是非ともご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru les Beaumonts Vieilles Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【本当は数量をもっと戴けるはずだったんですが・・】
ん~・・失敗です。初動がちょっと遅れただけなんですが、「どかっ」と減ってしまいました。どうも・・フィネスさんの試飲会で評判が良かったそうでして、当初の割り振りの数量に余分の数量を合わせた数を期待していたものの、
「兎に角、テイスティングしてから・・」
などと言っていたら、余分が無くなっちゃったんですね。
まぁ、noisy のように、ちゃんとチェックしてから・・などと言っていると、評判が良くていつの間にか盛られた皿から肉が無くなっていた・・なんてことが起きてしまうんです。
ですので、申し訳ありませんが、ヴォーヌ=ロマネ1級レ・ボーモン以上は飲めておりません。しかし、他のキュヴェを飲む限り、相当期待して良いワインだと確信しています。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【こちらはテイスティング出来ませんでした。】 すみません、飲めませんでした。残るようならテイスティングしてみたいと思いますが、こんなにリーズナブルな1級レ・ボーモンは他には存在しないでしょうしね。昔12000円位だったのでデゾネイ=ビセイ2016年と同じ位では有りますが、かのジャイエ翁のレ・ボーモンは現在、150万円位からのようです。まぁ、それがワインの世界の掟では有りますが、それにしても・・何だかなぁ・・と思ってしまいます。このワインも150万円に・・はならないとは思いますが、可能性は無いと断言は出来ません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【・・飲む予定でしたが間に合いませんでした・・でも非常に期待できるワインかと思います!】
いや~・・これは飲む予定だったんですが、間に合いませんで・・残念です。
あの素晴らしいヴォーヌ=ロマネV.V.やシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーと言う村名ワインを飲んでしまったら、
「・・是非とも1級以上も試してみたい!」
と思い込んでしまう noisy の気持ちを判って欲しいなぁ・・と・・。
「・・いや、それ、あんたの仕事でしょ・・」
と返されるのが山かと思いますけどね。でも、それだけ期待の出来るワインが有る・・と言うことは嬉しい大誤算でもある訳でして、その山を当てる辺りがワイン屋の醍醐味・・とも言えます。
まぁ、誰もが素晴らしい、欲しいと思ってからなら、何とでも言える訳ですから。誰もがダメだと、いや、そんな生産者は知らない、もう終わってる・・などと思われている時に、
「いや、物凄いワインになったんだよ・・」
と言えて初めて、存在意義が生まれるのかなぁ・・と思う訳です。
皆さんもこのように美しいグラデュエーションを見せつけられたら、心が動いちゃいますよね。
しかもこのデゾネイ=ビセイと言う生産者は、
「フラジェ=エシェゾーのドメーヌ」
でして、モロにその判りにくい「フラジェ=エシェゾー」と言う土地の個性を表現しています。今までもそうだったとは思いますが、その味わいは「イマイチ」だったんです(・・すみません)。
このレ・ボーモン・オーは、あの「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ルージュ」の南側にある高度の高い畑でして、やや重みのある「レ・ボーモン・バ」とも違い、やや軽量で赤い果実を表現してくれるリューディです。
今までは・・エージェント情報にもある様に、「余韻にタンニンが感じられます。」と言うようなワインだったと思いますが、2015年ものは敢えてそのようなコメントが必要のないものに成った・・だろうと確信しています。他のコラムでタンニンについては、noisy は書いていないですよね?・・たぶん必要ないんですね・・バランスが非常に良いですから。
1級レ・ボーモンとしますと、有り得ない位にリーズナブルなワインです。是非挑戦してみてください。noisy もまだ飲めない分、是非ご感想などお聞かせください。
● 2017 Vosne-Romanee Vieilles Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【清楚な色気にグーの根も・・出ませんでした!】

美味しいです・・とても美味しい。柔らかです。そして清楚ですね・・。そして、ピュアでナチュラルなのに・・僅かに漂う「色気」。これが絶品です。
ヴォーヌ=ロマネのワインって、やっぱり、「そこ」が重要なんじゃないかと思うんですよ。もっと拡げてしまえば、ブルゴーニュのピノ・ノワールって、「そこ」でしょう?「色気」の無いピノ・ノワールなんて、クリープを入れないコーヒーみたいだ・・とは流石に古過ぎるし、何よりもブラック派なので・・縁が無いので言いませんが、
「ヴォーヌ=ロマネ的な温度と、でしゃばり過ぎない複雑性が生む色気」
が、このワインの魅力だと思うんですね。
以前、大分前のデゾネイ=ビセイは、確かに熟させれば美味しくはなるとは思っても、今飲んでも色気の無い感じがどうにも選択肢に入らせなかったんですね。
でも、やはり2015年ものからですね・・この2017年でもう、少なくともこの路線は維持されることは確認出来たと思います。
で、A.C.ブルと、村名ジュヴレと、村名ヴォーヌ=ロマネは、同じ一本のライン上に繋がっています。「ニュアンスが同じ」なんですね。なので、A.C.ブルを飲んで美味しいと思われた方は、そのままジュヴレも、ヴォーヌ=ロマネも美味しいと思っていただけるはずです。
村名のシャンボールだけはちょっと違うことを言いますが、路線そのものは同じです。ですんで、
「2017年のデゾネイ=ビセイは優しく美しい清楚な女性の姿で一貫している!」
と言っておきたいと思います。
やっぱりヴォーヌ=ロマネのワインって、別格ですよね。是非飲んでみて下さい。あ、無くならないようでしたら、A.C.ブルを飲んでからでも結構ですよ。でもきっと早いと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ミネラリティバッチリ!非常に美しいです!】
人間は何事にもそれなりの思い込みを持って臨みやすいですから、2016年もののテイスティングとなると、その前以て吹き込まれてしまったネガティヴなイメージとか、もし持ち合わせているのであれば、その前年までの印象とかから、
「おそらくこのキュヴェはそんな仕上がりになっているんじゃないか?」
と想像してしまうものです。経験が無ければそれなりに・・有ってもそれなりに・・です。
赤い果実が生き生きとしていた2015年の軽やかな美味しさとは、また違うイメージを感じさせてくれた2016年でした。だって・・色の構成自体、全然違うじゃないですか。2015年は多分、2年前の暮れのご紹介だったと思いますから、ご案内のタイミング的には少し遅いんですね。2016年ものは2月になってようやくですから。
2015年がピュアなレッドだと言い切ってしまえば、2016年は深いレッド&ブラックだと言えるでしょう。ミネラル感は2015年もの以上に・・本当にマンモスに存在しています。収穫のタイミングは2016年は遅くなり、より熟したがハツラツとした酸っぱい酸は失い、柔らかでやや温かみを感じさせる優しい酸と、酵母が喰い切るにちょうど良い量の糖分を得たと言えると思います。
そのため、ヴォーヌ=ロマネらしい柔らかな酸を得て、ピノ・ノワールらしいエレガンスを発揮、膨大なミネラリティの中に要素を隠し持つ深淵なスタイルに仕上がったと想像しています。
アロマはしっとりと濡れてスピードも有り、柔らかさを感じさせる素晴らしいものです。中域も適度に膨らみますが、膨大なミネラリティがそれ以上には中々膨らまさせない感じで、しかし濡れたテクスチュアが美しさを伸びやかに感じさせてくれ、ほんのり甘みさえ感じさせるビター感を発揮しながら消えて行きます。非常に素晴らしいと思います。
もっとも、この状態が飲み頃だと言う訳では無く、やや早いです。ドライですから、青物のサラダなどの動物系が入らないものと食しますと、まだキビシイです。もう少し落ち着いてからが良いでしょう。
反対に肉系でしたら・・むしろミネラリティが隠している要素を引っ張りだしてくれるような感じになりますので、今行っちゃっても良いかな?・・と感じました。実に美しくしっとりした深み有る村名ヴォーヌ=ロマネです。是非飲んでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【見事に美味しい!たっぷりチェリーにクリスタルのコーティング!どうしちゃったの?デゾネイ=ビセイ!】
いや~・・美味しかったですね。因みにあのアメリーちゃんの2015年ヴォーヌ=ロマネも旨かったですね~。そろそろ皆さんのコメントが集まり始めていますが、
「・・いや~2015年のヴォーヌ=ロマネ!・・旨かったです・・幸せだった~!」
のような感じで、
「もっと買っておきたかったなぁ!」
と、何人もの方から言われました。
ついでに・・飲めなかったジュヴレ村名も、
「若いワインなのに綺麗で滅茶美味しかった!」
と店に買いにいらっしゃるお客様からも激賞の声をいただきました。
まぁ、ベルトーのヴォーヌ=ロマネほどは安くは無いんですが、それでもこのプライスでヴォーヌ=ロマネV.V.が購入できる生産者はそうはいません。ポテンシャルもほぼ同等と思いますが、それでも味わいの傾向はやや違います。
ヴォーヌ=ロマネで有りながらも、口に含んだ後のニュアンスがまるで「ミュジニー」が感じさせてくれるようなノーズに抜けるアロマだったアメリー・ベルドーでしたが、こちらは、そんなニュアンスもほんのりとは持ちつつも、もっと・・
「透明な美しい照りの有るクリスタル的ミネラリティに希少金属類が見せる細やかな表情」
が特徴かな?・・と思うんですね。
まず色合いが美しいです。鈍重さの無い、酸の柔らかなヴォーヌ=ロマネのニュアンスが有ります。しかし、温かみの有るバランスになることが多い(ベルトーやシリュグがそうです)とは言え、むしろデゾネイ=ビセイのヴォーヌ=ロマネV.V.は、結構に冷ややかです。
敢えて大げさに言うならロマネ=サン=ヴィヴァン的と言うか、エシェゾーの上方に有るヴォーヌ=ロマネ・レ・ルージュ的と言うべきか、やや乾いきつつも精妙なるニュアンスを持っているんですね。
いや、勘違いしないでくださいね。ロマネ=サン=ヴィヴァンやレ・ルージュと一緒だと言ってる訳では無いです。そのような、似たようなニュアンスが有って精妙だと・・言うことなんです。
これは、noisy 的には最高の誉め言葉なんですね。勿論、「荘厳」とまでは言ってませんで、そこまで言ったらまずそのような最高のワインとほぼ同格だと・・言ってると思ってください。そのちょっと手前です。
それにしてもデゾネイ=ビセイのワインに、このような言葉を使いつつお勧めすることになるとは・・思ってもいませんでした。皆さんも一緒かもしれませんが、有り得ないような大変身をしたデゾネイ=ビセイのヴォーヌ=ロマネV.V.、飲んでみていただけないでしょうか。とてもお勧めしています。滅茶美味しいです!ご検討くださいませ。
● 2017 Grands-Echezeaux Grand Cru Vieilles Vignes
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【期待して良いでしょう!・・ミュジニー、エシェゾーに挟まれた樹齢90年以上のグラン=ゼシェゾーです!】
売れなかったワインが売れ始めると、結果として残らないので・・上級キュヴェは特に・・結局しばらく飲めない・・と言う、ワイン屋にとっては生殺し状態になってしまう訳です。
かと言って、数万円もするワインが全く売れないのも・・色んな意味で災難です。・・まぁ、売れなかったら売れるワインと一緒にアソート組んで販売してしまえば?・・等と言うような悪魔のささやきが聞こえなくもないんですが、noisy 的には、それは素晴らしいワインに対する冒とくとも思えなくも無いので、基本はやらないようにしています。二進も三進も行かなくなったらやらなければならない羽目に追い込まれるかもしれませんが・・。
大体、このワインが美味しく無い訳が無い・・でしょう?・・誰がどう考えても・・少なくとも素質、資質は素晴らしいはずです。2万円台で購入できるなら御の字じゃないでしょうか。
おそらくですが、シリュグさんちとは何らかの関係が有るはずです。親戚かな・・と思ってます。シリュグさんのグラン=ゼシェゾーも・・昔は余りに売れなくて、結局飲んで売ることにしたんですが・・ビックリしましたね~。
まさにフリーラン・ジュースのみで仕上げたと思える軽やかな液体が、ほんの20分ほどの時間で「超巨大化」・・どっひゃ~!・・と思って、それから毎年買うようになった訳です。今じゃぁ年間、1本貰えるのが関の山です。
しかしデゾネイ=ビセイのグラン=ゼシェゾーV.V.はこれだけ貰えるんですから・・いや、大きく減らされてしまいましたが、それでも残る可能性さえ有るかもしれませんよね?・・で、noisy が飲むことになって、その素晴らしさを検証してしまったら・・今度はさほど時間を置かずに、「買えないワイン」になってしまう可能性さえ有ります。いや、いつも人柱になるばかりで、ちっとも利益が出なくて痩せる一方です・・(^^;; ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【こうなってくるとこの2つのグラン・クリュが大化けしているに違いない・・と踏んでいます!! 】
これだけデゾネイ=ビセイのワインが向上し非常に美しいスタイルになって来たことが判るとなると、このドメーヌが持つ二枚看板の「エシェゾー」と「グラン=ゼシェゾー」が非常に気になってしまいます。
ちょっと調べてみると、グラン=ゼシェゾーの所有者は21~22人ほど、ちょうど左の画像、上が北で下が南、左が東ですが、「Grands-Echezeaux」の文字の辺り、ど真ん中ですね・・ほぼ1/3~1/4強をDRCが所有していまして、それ以外を20軒ほどで分け合って所有しています。
一番北の端に濃い青で点を付けた辺りがデゾネイ=ビセイの所有地と見られますから・・
「物凄い場所!」
に畑が有ることが判ります。
ヴージョ城の所には「Clos de Vougeot」のポールが立っていますが、ここはメオ=カミュゼがその周りと下部(東側)を持っていまして「ガレンヌ」と言う区画です。
そのヴージョ城の北側が「グロ・フレール」が所有する「ミュジニ(Musigni)」で、その上はもう「ミュジニー(プティ・ミュジニー)です。
そして、そのデゾネイ=ビセイのグラン=ゼシェゾーの上(西側)はエシェゾー(レ・ポウレイエール)です。
つまり、
「クロ=ヴージョ最高の場所とエシェゾーに接したグラン=ゼシェゾー!」
で有って、
「ミュジニーとクロ=ヴージョとエシェゾーとグラン=ゼシェゾーの狂宴!」
と言う、ちょっと化け物じみた場所に有る畑のワイン・・と言うことになるんですね。
まぁ、2014年から確実に進化しはじめたのを見ている noisy としましては、2015年の下級クラスのワインの素晴らしさを見れは、看板の2アイテムは是非とも飲んでみたいものです。
何より、2014年以前でもこの2アイテムに限っては、結構良かったのも事実なんです。余りにクラシックで、若い内はボソボソっとしたテクスチュアでミネラリティが奥に引っ込んだ感じの下級クラスに比較し、やはりそこはさすがのグラン・クリュと言うような部分では有るかと思いますが、それでも評価をされる方も少なく無かったんですね。
また、エシェゾーの方も魅力的です。「リューディ・アン・オルヴォー」は、グラン=ゼシェゾーで説明させていただいた「レ・ポウレイエール」のさらに北に有る畑でして、
「このリューディはシャンボール=ミュジニー側にはみ出したような形で、シャンボール=ミュジニー村の畑とフラジェ=エシェゾー村の畑の両方が有る」
んですよ。
しかも、シャンボール側のアン・オルヴォーは、グラン・クリュ・ミュジニー、1級、村名の3クラスにも細分されていますし、フラジェ=エシェゾーも、グラン・クリュ・エシェゾーと1級の両方が有る・・と言う、非常にややこしい畑なんですね。
すなわち、ヴォーヌ=ロマネのニュアンスも持ちつつ、シャンボールの・・と言うか、ミュジニーっぽいニュアンスも持ち合わせていると言うスタイルで、グラン=ゼシェゾーの強い果実の風味の出やすい味わいとも、かなり違った印象を受けるはず・・と思うんですね。それに「レ・シャン・トラヴェルサン」は、このアン・オルヴォーの南に接しています。
グラン=ゼシェゾーの南に接する「レ・トルー」は、上記の2つのリューディの高い高度は持っておらず、しかも北部では無く南部と言うロケーションでして、
「良いエシェゾーを造るには、上部と下部をセパージュする」
と言う鉄則にも当てはまっています。
なので、このエシェゾーも非常に楽しみな2015年・・と言うことになりまして・・
「・・飲んじゃおうかな・・」
などと思っています。売れなかったら飲んでしまう魂胆でおりますんで・・はい。
もし、デゾネイ=ビセイの他のアイテムのレヴューを見て、
「・・これは期待できそうかな?」
と・・アンテナがビンビン来た方は、是非ともトライしていただきたいと思います。下があれだけ旨いんですから上が悪い訳が無いとは思いますが、何せ十数年も扱ってなかった造り手ですので、さすがの noisy も断言はし辛いところです。是非ともご検討くださいませ。
● 2017 Bourgogne Pinot Noir Vieilles Vignes
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【激旨いです!良く熟していながら甘く無く、柔らかな酸のヴォーヌ=ロマネを連想させつつ不足感無し、その存在感は優しく包み込んでくれる女性?!】

大好きです・・こんなの!・・滅茶美味しいですよ。何でもっと評価されないかな~・・と思っちゃいます。
まぁ、そもそもニュイ=サン=ジョルジュを除くヴォーヌ=ロマネ近郊には、A.C.ブルゴーニュ・ルージュの畑は少ない訳です。なのでそれだけでも貴重ですし、レジョナルのレ・コンブの畑がどこにあるかの特定はできませんが、「レ・ルージュ・シャン」と「ル・ポワリエ・ド・ウット」はそれぞれクロ=ヴージョの真下と村名シャランダンの真下に存在していますんで、クロ=ヴージョの美しい黒っぽい土のニュアンスと、ヴォーヌ=ロマネ的な明るい赤果実のアロマが合わさったような感じがそれなのかもしれません。
この何とも神々しい(・・言い過ぎ?)・・ピノ・ノワール・ファンならそれがきっと伝わるに違い無い色合いをご覧ください。濃く無く、薄く無く、酸っぱくは無さそうに熟した感じとか、漂うミネラル感とか、見えてくる感じでしょう?今回もサイズのみの調整で色合い他は全く調整無しです。
そして、何が良いって言ったら・・So2 の感じが非常に少ないので硬く無いし尖ったところが無い、果実も有り過ぎないんですよ。果実のニュアンスはミネラリティの様子によって結構左右されると思いますが、柔らかなミネラリティが豊富に有って、しかもドライでエキスがしっかり有るので、
「遮るものが何も無いような丸裸の味わい!」
なんですね~・・。
もっとも時間が経過して熟してくると、ちょっと妖艶になってくるはずです。人間も20歳台と40歳台じゃだいぶ違うじゃないですか。まぁ、男性はnoisy自身を含め、ほぼほぼ30歳も過ぎてこないとまともには中々成れない方が多いと思いますが、女性はそれでも結構にマセてるかもしれませんでしょう?
なので、落ち着いているけどまだ裏若い女性・・みたいな感じかと思います。
非常に美味しいので大目に押さえさせていただきました・・が、お勧めするとすぐ無くなっちゃうので、その辺を加味していただき、お早めにご検討ください。
もう一度・・押しておきますが、
「おそらくみんな大好きな味!」
です。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【素晴らしかった2015年もの同様、濡れたテクスチュアでエレガントでドライな味わいです!】
安心しました・・!まぁ、昨年、
「2015年ものでデゾネイ=ビセイが大化け!」
なんてプレゼンしてますから、その責任も有りますんで、ある意味、「ドキドキしながら・・」のテイスティングでした。
「(・・これで昔のデゾネイ=ビセイに戻っちゃってたら良い笑い者だよなぁ・・)」
などと・・まぁ、2015年は非常に素晴らしかったので、嘘にはならないんですけどね。
それでもやはり、
「天候の影響がまだら模様に出ている・・その2016年ものをど仕上げたか?」
「さらなる伸長は有ったのか?」
「2016年ものの特徴は?」
辺りをしっかり探ろうと、非常に少ない入荷量の中、4アイテムのテイスティングをしたんですね。トップバッターがこのA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワールでした。
「素晴らしかった2015年もの同様云々・・」と書きだしていますが、全体の印象はその通りです。しかし、要素的にはより充実しているように思います。色合いも2015年もののようなやや軽い感じの淡さは無く、充実した深い色合いです。ミネラリティもバッチリで、ドライさは半端なく、甘みはまるで有りません。要素の全てを開放してくれるような段階では有りませんが、シャンボールやフラジェ=エシェゾーのやや乾いた石灰感の強いイメージを濡れたテクスチュアで包み込み、ピノ・ノワールの深遠さを印象付けられました。
リリース直後の愛想の良さなら2015年でしょう。2016年はより深く、ミネラル感、要素の複雑性から来る将来性は高いように思われます。今飲んでも充実していますが、今後数年に渡ってそのポテンシャルを開花してくれるものと思います。
リーズナブルでエシェゾー近辺のベースワインを思わせてくれるチャーミングなピノ・ノワールでした。質感もしっかり有ります。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のデゾネイ=ビセイは大化け!!こんなことが有り得るのかと、誰もがビックリするでしょう!!素晴らしいピノ・ノワールです!】
それなりに結構長いワイン屋人生を送って来た noisy ですが、ここまで急成長・・と言うか、「激変」した造り手に出会うことは、まず無かった・・と言えます。
記録では2002年のデゾネイ=ビセイのワインをご紹介させていただいたようになっていますし、noisy もちゃんと覚えていまして、そこそこは美味しいんですが、何せ野暮ったい・・テクスチュア良く無い・・干乾びた感じ・・(すみません・・)が何とも評価し辛く、ただ上級キュヴェはそれなりに・・と言うか、畑のポテンシャルがワインの味わいを押し上げていましたから、
「それなり・・だよなぁ・・」
と言うような自身の評価でした。
なので、フィネスさんとリスタートしてからもテイスティングはしましたが、決して noisy も再度扱うことなく、今現在に至っている訳です。
しかしながら、昨年の2014年もののテイスティングにおいては、ミネラリティが前面に出て来て、何とも武骨だった味わいに変化を感じたものの、やはり扱おうと言う気にさせるようなレベルにまでは至らず、
「・・ん・・やっと人並み・・(・・すみません・・)」
と言うような印象でした。
ところがこの2015年ものはどうでしょう。何とも美しくミネラリティが輝いているような素晴らしい色合いをしているのが判ると思います。
上の写真はACブル、下が、左上からACブル、右上がシャンボール=ミュジニー・コンブ・ドルヴォー、左下がヴォーヌ=ロマネ、右下がジュヴレ=シャンベルタンです。
どれも非常に美しい色合いで、透明な石灰系ミネラリティが赤を中心とした色合いを「コーティング」したように見受けられます。
これはまるで「シルヴァン・パタイユ」系のワインに観られるような色合いでして、正に今、シルヴァン・パタイユをご紹介させていただいていますし、そのテイスティングをしたばかりですので・・
「・・うわぁ・・もしかして彼のところのコンサルティングを受けてるのかなぁ?」
などと邪推したくなるような見事な味わいなんですね。
しかもデゾネイ=ビセイはコート・ド・ニュイの北から南にバランス良く畑を持っていまして、ジュヴレ有り、ヴォーヌ=ロマネ有りのフラジェ=エシェゾーの生産者なんですね。
各ワインにつきましては各コラムをご覧いただければと思いますが、このACブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュは、
「フラジェ=エシェゾー村のACブルゴーニュ格の畑」
で造られています。これ・・まず滅多に無いです。

しかも、フラジェ=エシェゾーの下部(東側)はクロ=ヴージョ、南側はヴォーヌ=ロマネの偉大な畑群、北側はシャンボール=コンブ・ドルヴォーに囲まれていますから、
「エシェゾー、もしくはヴォーヌ=ロマネ1級(レ・ボーモンとレ・ルージュ、アン・オルヴォー)以外の高い位置にある畑」
と言うことが判ります。フラジェ=エシェゾーはエシェゾーとヴォーヌ=ロマネ1級でほぼ占められちゃってますから・・。
・・と書いていたんですが・・間違いでした。確かにヴージョせき止められたような形になってますが、ヴォーヌ=ロマネ側に僅かに張り出した部分が有り、そこにレ・ルージュ・シャンとル・ポワリエ・ドウットが有りました。つまりここは東側、国道の下側です。レ・コンブと言う畑は国道側には無いし、何せ、コンブ・ドルヴォーのコンブ(谷)なので、こちらは上部(西)ですね。つまりは、アンリ・ジャイエが古の手法を復活させたとか初めてやったとか言われているキュヴェ・ロンドと言う、上部と下部のクリマの葡萄をセパージュする方法でした。すみません。
で、飲んでみるとこれが今までとは大違い・・と言う部分は置いといて・・
「まるで、プティ・プティ・エシェゾー!!」
なんですね・・。
良く出来たバランスの良いエシェゾーを、軽~く・・超エレガントにしたような味わいでして、(比較的)乾いた畑のニュアンスと、高貴な土のニュアンス、白い石灰がベースに有り、見事に赤いチェリーと黒いチェリーがしっかり丸く感じられ、それを透明なガラスやクリスタルのようなミネラリティがコーティングされるように、ツヤツヤのテクスチュアを感じさせてくれます。
香りの上がり方も、そのピュアなニュアンスも、昨年までとは大違いで、非常にドライなのに何とも言えぬ心地良さは、
「まるでルイ・ユエランのシャンボールやACブルのワビサビの効いたジンワリと美味しいエキスそっくり」
でも有り、シミジミとした美味しさにやや高貴さをプラスしたような、素晴らしい出来栄えになっています。
まぁ・・何で「プティ」を2回繰り返したか?・・・っていうとですね・・ちゃんと理由が有りましてね。それはシャンボールのコンブ・ドルヴォーがモロに「プティ・エシェゾー」だからなんですね。なので、その名前を付ける訳には行かなくなりまして、繰り返すことにした訳です。
デゾネイ=ビセイのワインを良くご存知の方は、是非とも「有り得ない変身」をしたこのワインを飲んでみていただきたいと思いますし、全く知らない方も、この素晴らしい2015年のワインがデゾネイ=ビセイの最初の印象になる訳ですから、初めて飲んだデゾネイ=ビセイがとても良い・・と言う理解をしていただけるものと確信しています。
是非どうぞ、この2015年ACブル、飲んでみてください。実はそんなには数は確保できないんです。なのでお早めに!お勧めいたします!
● 2016 Bourgogne Pinot Noir Vieilles Vignes
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【素晴らしかった2015年もの同様、濡れたテクスチュアでエレガントでドライな味わいです!】

安心しました・・!まぁ、昨年、
「2015年ものでデゾネイ=ビセイが大化け!」
なんてプレゼンしてますから、その責任も有りますんで、ある意味、「ドキドキしながら・・」のテイスティングでした。
「(・・これで昔のデゾネイ=ビセイに戻っちゃってたら良い笑い者だよなぁ・・)」
などと・・まぁ、2015年は非常に素晴らしかったので、嘘にはならないんですけどね。
それでもやはり、
「天候の影響がまだら模様に出ている・・その2016年ものをど仕上げたか?」
「さらなる伸長は有ったのか?」
「2016年ものの特徴は?」
辺りをしっかり探ろうと、非常に少ない入荷量の中、4アイテムのテイスティングをしたんですね。トップバッターがこのA.C.ブルゴーニュ・ピノ・ノワールでした。
「素晴らしかった2015年もの同様云々・・」と書きだしていますが、全体の印象はその通りです。しかし、要素的にはより充実しているように思います。色合いも2015年もののようなやや軽い感じの淡さは無く、充実した深い色合いです。ミネラリティもバッチリで、ドライさは半端なく、甘みはまるで有りません。要素の全てを開放してくれるような段階では有りませんが、シャンボールやフラジェ=エシェゾーのやや乾いた石灰感の強いイメージを濡れたテクスチュアで包み込み、ピノ・ノワールの深遠さを印象付けられました。
リリース直後の愛想の良さなら2015年でしょう。2016年はより深く、ミネラル感、要素の複雑性から来る将来性は高いように思われます。今飲んでも充実していますが、今後数年に渡ってそのポテンシャルを開花してくれるものと思います。
リーズナブルでエシェゾー近辺のベースワインを思わせてくれるチャーミングなピノ・ノワールでした。質感もしっかり有ります。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2015年のデゾネイ=ビセイは大化け!!こんなことが有り得るのかと、誰もがビックリするでしょう!!素晴らしいピノ・ノワールです!】
それなりに結構長いワイン屋人生を送って来た noisy ですが、ここまで急成長・・と言うか、「激変」した造り手に出会うことは、まず無かった・・と言えます。
記録では2002年のデゾネイ=ビセイのワインをご紹介させていただいたようになっていますし、noisy もちゃんと覚えていまして、そこそこは美味しいんですが、何せ野暮ったい・・テクスチュア良く無い・・干乾びた感じ・・(すみません・・)が何とも評価し辛く、ただ上級キュヴェはそれなりに・・と言うか、畑のポテンシャルがワインの味わいを押し上げていましたから、
「それなり・・だよなぁ・・」
と言うような自身の評価でした。
なので、フィネスさんとリスタートしてからもテイスティングはしましたが、決して noisy も再度扱うことなく、今現在に至っている訳です。
しかしながら、昨年の2014年もののテイスティングにおいては、ミネラリティが前面に出て来て、何とも武骨だった味わいに変化を感じたものの、やはり扱おうと言う気にさせるようなレベルにまでは至らず、
「・・ん・・やっと人並み・・(・・すみません・・)」
と言うような印象でした。
ところがこの2015年ものはどうでしょう。何とも美しくミネラリティが輝いているような素晴らしい色合いをしているのが判ると思います。
上の写真はACブル、下が、左上からACブル、右上がシャンボール=ミュジニー・コンブ・ドルヴォー、左下がヴォーヌ=ロマネ、右下がジュヴレ=シャンベルタンです。
どれも非常に美しい色合いで、透明な石灰系ミネラリティが赤を中心とした色合いを「コーティング」したように見受けられます。
これはまるで「シルヴァン・パタイユ」系のワインに観られるような色合いでして、正に今、シルヴァン・パタイユをご紹介させていただいていますし、そのテイスティングをしたばかりですので・・
「・・うわぁ・・もしかして彼のところのコンサルティングを受けてるのかなぁ?」
などと邪推したくなるような見事な味わいなんですね。
しかもデゾネイ=ビセイはコート・ド・ニュイの北から南にバランス良く畑を持っていまして、ジュヴレ有り、ヴォーヌ=ロマネ有りのフラジェ=エシェゾーの生産者なんですね。
各ワインにつきましては各コラムをご覧いただければと思いますが、このACブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュは、
「フラジェ=エシェゾー村のACブルゴーニュ格の畑」
で造られています。これ・・まず滅多に無いです。

しかも、フラジェ=エシェゾーの下部(東側)はクロ=ヴージョ、南側はヴォーヌ=ロマネの偉大な畑群、北側はシャンボール=コンブ・ドルヴォーに囲まれていますから、
「エシェゾー、もしくはヴォーヌ=ロマネ1級(レ・ボーモンとレ・ルージュ、アン・オルヴォー)以外の高い位置にある畑」
と言うことが判ります。フラジェ=エシェゾーはエシェゾーとヴォーヌ=ロマネ1級でほぼ占められちゃってますから・・。
・・と書いていたんですが・・間違いでした。確かにヴージョせき止められたような形になってますが、ヴォーヌ=ロマネ側に僅かに張り出した部分が有り、そこにレ・ルージュ・シャンとル・ポワリエ・ドウットが有りました。つまりここは東側、国道の下側です。レ・コンブと言う畑は国道側には無いし、何せ、コンブ・ドルヴォーのコンブ(谷)なので、こちらは上部(西)ですね。つまりは、アンリ・ジャイエが古の手法を復活させたとか初めてやったとか言われているキュヴェ・ロンドと言う、上部と下部のクリマの葡萄をセパージュする方法でした。すみません。
で、飲んでみるとこれが今までとは大違い・・と言う部分は置いといて・・
「まるで、プティ・プティ・エシェゾー!!」
なんですね・・。
良く出来たバランスの良いエシェゾーを、軽~く・・超エレガントにしたような味わいでして、(比較的)乾いた畑のニュアンスと、高貴な土のニュアンス、白い石灰がベースに有り、見事に赤いチェリーと黒いチェリーがしっかり丸く感じられ、それを透明なガラスやクリスタルのようなミネラリティがコーティングされるように、ツヤツヤのテクスチュアを感じさせてくれます。
香りの上がり方も、そのピュアなニュアンスも、昨年までとは大違いで、非常にドライなのに何とも言えぬ心地良さは、
「まるでルイ・ユエランのシャンボールやACブルのワビサビの効いたジンワリと美味しいエキスそっくり」
でも有り、シミジミとした美味しさにやや高貴さをプラスしたような、素晴らしい出来栄えになっています。
まぁ・・何で「プティ」を2回繰り返したか?・・・っていうとですね・・ちゃんと理由が有りましてね。それはシャンボールのコンブ・ドルヴォーがモロに「プティ・エシェゾー」だからなんですね。なので、その名前を付ける訳には行かなくなりまして、繰り返すことにした訳です。
デゾネイ=ビセイのワインを良くご存知の方は、是非とも「有り得ない変身」をしたこのワインを飲んでみていただきたいと思いますし、全く知らない方も、この素晴らしい2015年のワインがデゾネイ=ビセイの最初の印象になる訳ですから、初めて飲んだデゾネイ=ビセイがとても良い・・と言う理解をしていただけるものと確信しています。
是非どうぞ、この2015年ACブル、飲んでみてください。実はそんなには数は確保できないんです。なのでお早めに!お勧めいたします!
● 2016 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【かなり旨いです!・・美しく濡れたテクスチュア、ふわっと立ち昇るアロマ、ドライな極上ジュヴレです!】

2015年もの以上に仕上がった可能性の高い2016年村名ジュヴレ=シャンベルタンです。まぁ、そうは言いつつも個人的な好みは人それぞれに有りますから、どっちが良いとは一概に言えない部分では有ります。
2015年ものはもっと・・エレガント系で赤い果実がふんわりと、充実したエキスから立ち昇る感じでした。2016年ものも、確かにその延長上には有るんですが、例えばいきなり「ヴィエイウ・ヴィーニュ」になったような感じ・・と言葉にすると判りやすいかもしれません。内容が充実した感じなんですね。複雑性も高いしジュヴレらしい押し出しも有る・・しかし、濡れてフワッとした実に良い感じが有りつつ、滅茶ドライでふんわりしつつ、構造の深さを埋め尽くすだけの要素を持ち合わせている・・そんな感じです。勿論今飲んでも美しいスタイルで旨いです。
2015年ものはルイ・ユエランがジュヴレを造ったような感じ・・とお伝えしましたが、2016年はギイヤールのジュヴレに透明感と立体感を付け加えたような仕上がり・・と言えば判りやすいかもしれません。
2015年と2016年は、似たスタイル、同じ軸上に有るのは確かですが、受ける印象は結構に違い、よりポテンシャルは高い・・と感じました。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【エレガントな村名ジュヴレ=シャンベルタン・・って、飲んだこと有りますか?・・意外に存在しないと思いますよ。ルイ・ユエランがジュヴレを造ったようなイメージです!】
何度も書くようで申し訳ないですが、デゾネイ=ビセイのワインが本当にこんなに美しい色合いを見せつけて来るとは思いもしなかったので・・ある意味、その反動が出ちゃってるかもしれません。とても美しく、そしてエレガントで有り、ドライなのにちゃんと旨みが存在し、たっぷりある透明なミネラリティとそれを支える白い石灰的なミネラリティが、ピュアな味わいを生み出しています。
下の写真を見ればお分かりかと思うんですが、一番濃い色合いをしているのはシャンボールです。ジュヴレはヴォーヌ=ロマネとどっこいな感じで、決して濃くは無いですよね?
そして、重い感じの色合いも無いでしょう?・・普通ならもっと「どしっ」とした重量を見せるような色合いのものが多いかと思うんですが、そんなニュアンスは見受けられません。
味わいも実際に、鈍重さの無いバランスに優れた味わいで、鉄っぽさとか、ワイルドさなどは「さらり」とした表現をしてくれます。その分、果実の表情が細やかで、まるで小粒のチェリーを脚付きの透明なパフェグラスに載せ、甘く無いガムシロップでコーティングしたかのような味わいです。
で、ジュヴレっぽく無いか・・と言うと、全くそうでは無く、むしろちゃんとジュヴレの個性が際立って感じられるのが不思議です。骨格はちゃんと備わっている・・と言うことなんでしょう。

このジュヴレだけはヴィエイユ・ヴィーニュの表記の無いワインなんですが、
「エレガントだからそう思えてしまうけれど、決して軽量級のワインでは無い。」
「これほどまでにミネラリティのしっかり有るACジュヴレは、まず見当たらない。」
と言えると思います。
ACブルのコラムでも書きましたが、まるでこのミネラリティ感は、
「シルヴァン・パタイユも真っ青・・。そっくり・・」
で有り、安易に真似しようとしたとしても出来ることでは無い・・と思うんですね。
また、ルーミエさんのワインにも似ていますが、果実の出方がちょっと違うかな?・・と思います。むしろルーミエさんの方が果実酸の構成が豊かというか、やや甘さが有ると言うか、そんな感じで、デゾネイ=ビセイのジュヴレはもっとドライ・・まるで甘味が無いのに旨みが有る・・と言うようなニュアンスです。
ピノ・ノワール好きなら、やはり試してみたくなる味わいかと思います。大変身を遂げたデゾネイ=ビセイの2015年ジュヴレ=シャンベルタン。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2016 Chambolle-Musigny la Combe d'Orveau Vieilles Vignes
シャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【非常に・・美味いです!今のところの2016年シャンボールではピカイチ!】

先日も「2016年シャンボールで白眉」と書いてしまいましたので、同じフレーズは使い辛く、ピカイチに変えてお題目に入れさせていただきました。軽くてすみません・・。
いや、でもこれ、滅茶旨いんですよ。シャンボールチックで、エシェゾーの乾いた感じの土からのフラワリーさやハーブ的ニュアンスに混じる赤い果実・・良いですよね~~。
このコンブ・ドルヴォーはエシェゾーに接するような区画ですが・・、例えばエシェゾーはグラン・クリュですから、造り手がそのポテンシャルを高めようと、無理に凝縮させたり、人為的な介入を大きくしてしまうと・・へそを曲げちゃう厄介なグラン・クリュでも有ります。だからこそ、複数区画をブレンドすると結果が良いとか・・と言うことに成ってくる訳です。
むしろそんなエシェゾーの真の姿に近い一部分を見せてくれるワインでも有りますし、何せあの「ミュジニー・グラン・クリュ」に接し(村名区画は接してはいない)、1級格も存在するのがこの「ラ・コンブ・ドルヴォー」ですから、ミュジニー的なものの見事な赤い香水のようなアロマは無いにせよ、その基盤となっているやや硬めなミネラリティからの表情をも、持ち合わせています。
口内で感じる粒子の一粒一粒は、非常に目が細やかで、もはや粒子と感じられないような流体感が有ります。これは非常に美味いです。2015年も美味しかったですけどね!2015年ものと色合いを是非比べてみてください・・全然違うでしょう?・・是非飲んでみてください!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【これはもう「プティ・エシェゾー」!!バランスの良く無いグラン・クリュ・エシェゾーより美味しいです!見事な出来!!】
「・・おいおい・・シャンボールのワインをエシェゾーに似ているなんて言っちゃって良いの~?」
なんて声が聞こえて来そうですが・・
「良いんです!」
まぁ、どこかのネットのショッピングモールのCMのような感じで言っちゃいたくなりますが、良いんですよ。そうゆうものですから。
実はフラジェ=エシェゾーはヴォーヌ=ロマネ村とシャンボール=ミュジニー村に挟まれていますが、この「ラ・コンブ・ドルヴォー」は、フラジェ=エシェゾーとシャンボール=ミュジニーに跨って存在している、いや、少し分散はしているんですけれど、ボンヌ=マールがシャンボールとモレに跨っているような感じと思っていただいて良いかと思います。
ですので、敢えて言ってしまえばシャンボールっぽくは無く、さりとてエシェゾーほどの個性を発揮できないワインが多いのが普通です。
シャンボール側のコンブ・ドルヴォーは、ミュジニーを名乗れる部分も有り、1級部分も有り、村名部分も有りますが、1級以上の部分については勿論シャンボールっぽいんですが、村名はむしろエシェゾーっぽい感じなんですね。
なのでこのラ・コンブ・ドルヴォーはそんなニュアンスを多く持っていますが、非常に出来が宜しくて・・何と、
「プティ・エシェゾーと呼びたい!」
ほどのバランスの良さを見せます。
色合いも重厚ですよね。それに何より美しいです。紫色がしっかり入ったやや濃いめの色合いですが、鈍重になることなく、しかし非常に深い味わいがします。
ミネラリティのコーティングは他のワインと同様ですが、このワインだけは低い位置から上方に向かっての押上がしっかり有ります。
グラン・クリュ・エシェゾーは、畑が広く、またそのクリマが沢山有りますので、単一のクリマものは偏ったバランスになってしまうことが多く、上部と下部のクリマをセパージュして造る場合が多いんです。一般的には単一ものはエシェゾー・デュ・ドゥスー位ですね。しかも黒味や茶が多く結構に鈍重になるか、またその反対に赤味はしっかりあるものの軽く成り過ぎる場合も有りますし、何ともバランスの悪い「中抜け・中域不足」のものも見受けられます。
ところがこの「ラ・コンブ・ドルヴォー」は、その抜けやすい「中域」部分がしっかり有り、濃密さもバッチリ有ります。密度が兎にも角にも高く、低域と高域しかないようなスカスカな味わいじゃないんですね。なので感じられるやや色の濃いチェリーもリアリティが有り、非常に満足感の高いワインに仕上がっています。
ん~・・今まで飲んだ「村名コンブ・ドルヴォー」では最高じゃないかな・・と思います。アンヌ・グロとかより確実に美味しいです!
しかも今飲んでも美味しさは充分です。勿論長く持ちますよ。是非飲んでみてください。「プティ・エシェゾー」・・だと思います。
● 2016 Vosne-Romanee Vieilles Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ミネラリティバッチリ!非常に美しいです!】

人間は何事にもそれなりの思い込みを持って臨みやすいですから、2016年もののテイスティングとなると、その前以て吹き込まれてしまったネガティヴなイメージとか、もし持ち合わせているのであれば、その前年までの印象とかから、
「おそらくこのキュヴェはそんな仕上がりになっているんじゃないか?」
と想像してしまうものです。経験が無ければそれなりに・・有ってもそれなりに・・です。
赤い果実が生き生きとしていた2015年の軽やかな美味しさとは、また違うイメージを感じさせてくれた2016年でした。だって・・色の構成自体、全然違うじゃないですか。2015年は多分、2年前の暮れのご紹介だったと思いますから、ご案内のタイミング的には少し遅いんですね。2016年ものは2月になってようやくですから。
2015年がピュアなレッドだと言い切ってしまえば、2016年は深いレッド&ブラックだと言えるでしょう。ミネラル感は2015年もの以上に・・本当にマンモスに存在しています。収穫のタイミングは2016年は遅くなり、より熟したがハツラツとした酸っぱい酸は失い、柔らかでやや温かみを感じさせる優しい酸と、酵母が喰い切るにちょうど良い量の糖分を得たと言えると思います。
そのため、ヴォーヌ=ロマネらしい柔らかな酸を得て、ピノ・ノワールらしいエレガンスを発揮、膨大なミネラリティの中に要素を隠し持つ深淵なスタイルに仕上がったと想像しています。
アロマはしっとりと濡れてスピードも有り、柔らかさを感じさせる素晴らしいものです。中域も適度に膨らみますが、膨大なミネラリティがそれ以上には中々膨らまさせない感じで、しかし濡れたテクスチュアが美しさを伸びやかに感じさせてくれ、ほんのり甘みさえ感じさせるビター感を発揮しながら消えて行きます。非常に素晴らしいと思います。
もっとも、この状態が飲み頃だと言う訳では無く、やや早いです。ドライですから、青物のサラダなどの動物系が入らないものと食しますと、まだキビシイです。もう少し落ち着いてからが良いでしょう。
反対に肉系でしたら・・むしろミネラリティが隠している要素を引っ張りだしてくれるような感じになりますので、今行っちゃっても良いかな?・・と感じました。実に美しくしっとりした深み有る村名ヴォーヌ=ロマネです。是非飲んでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【見事に美味しい!たっぷりチェリーにクリスタルのコーティング!どうしちゃったの?デゾネイ=ビセイ!】
いや~・・美味しかったですね。因みにあのアメリーちゃんの2015年ヴォーヌ=ロマネも旨かったですね~。そろそろ皆さんのコメントが集まり始めていますが、
「・・いや~2015年のヴォーヌ=ロマネ!・・旨かったです・・幸せだった~!」
のような感じで、
「もっと買っておきたかったなぁ!」
と、何人もの方から言われました。
ついでに・・飲めなかったジュヴレ村名も、
「若いワインなのに綺麗で滅茶美味しかった!」
と店に買いにいらっしゃるお客様からも激賞の声をいただきました。
まぁ、ベルトーのヴォーヌ=ロマネほどは安くは無いんですが、それでもこのプライスでヴォーヌ=ロマネV.V.が購入できる生産者はそうはいません。ポテンシャルもほぼ同等と思いますが、それでも味わいの傾向はやや違います。
ヴォーヌ=ロマネで有りながらも、口に含んだ後のニュアンスがまるで「ミュジニー」が感じさせてくれるようなノーズに抜けるアロマだったアメリー・ベルドーでしたが、こちらは、そんなニュアンスもほんのりとは持ちつつも、もっと・・
「透明な美しい照りの有るクリスタル的ミネラリティに希少金属類が見せる細やかな表情」
が特徴かな?・・と思うんですね。
まず色合いが美しいです。鈍重さの無い、酸の柔らかなヴォーヌ=ロマネのニュアンスが有ります。しかし、温かみの有るバランスになることが多い(ベルトーやシリュグがそうです)とは言え、むしろデゾネイ=ビセイのヴォーヌ=ロマネV.V.は、結構に冷ややかです。
敢えて大げさに言うならロマネ=サン=ヴィヴァン的と言うか、エシェゾーの上方に有るヴォーヌ=ロマネ・レ・ルージュ的と言うべきか、やや乾いきつつも精妙なるニュアンスを持っているんですね。
いや、勘違いしないでくださいね。ロマネ=サン=ヴィヴァンやレ・ルージュと一緒だと言ってる訳では無いです。そのような、似たようなニュアンスが有って精妙だと・・言うことなんです。
これは、noisy 的には最高の誉め言葉なんですね。勿論、「荘厳」とまでは言ってませんで、そこまで言ったらまずそのような最高のワインとほぼ同格だと・・言ってると思ってください。そのちょっと手前です。
それにしてもデゾネイ=ビセイのワインに、このような言葉を使いつつお勧めすることになるとは・・思ってもいませんでした。皆さんも一緒かもしれませんが、有り得ないような大変身をしたデゾネイ=ビセイのヴォーヌ=ロマネV.V.、飲んでみていただけないでしょうか。とてもお勧めしています。滅茶美味しいです!ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru les Beaumonts Vieilles Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【こちらはテイスティング出来ませんでした。】
すみません、飲めませんでした。残るようならテイスティングしてみたいと思いますが、こんなにリーズナブルな1級レ・ボーモンは他には存在しないでしょうしね。昔12000円位だったのでデゾネイ=ビセイ2016年と同じ位では有りますが、かのジャイエ翁のレ・ボーモンは現在、150万円位からのようです。まぁ、それがワインの世界の掟では有りますが、それにしても・・何だかなぁ・・と思ってしまいます。このワインも150万円に・・はならないとは思いますが、可能性は無いと断言は出来ません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【・・飲む予定でしたが間に合いませんでした・・でも非常に期待できるワインかと思います!】
いや~・・これは飲む予定だったんですが、間に合いませんで・・残念です。
あの素晴らしいヴォーヌ=ロマネV.V.やシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーと言う村名ワインを飲んでしまったら、
「・・是非とも1級以上も試してみたい!」
と思い込んでしまう noisy の気持ちを判って欲しいなぁ・・と・・。
「・・いや、それ、あんたの仕事でしょ・・」
と返されるのが山かと思いますけどね。でも、それだけ期待の出来るワインが有る・・と言うことは嬉しい大誤算でもある訳でして、その山を当てる辺りがワイン屋の醍醐味・・とも言えます。
まぁ、誰もが素晴らしい、欲しいと思ってからなら、何とでも言える訳ですから。誰もがダメだと、いや、そんな生産者は知らない、もう終わってる・・などと思われている時に、
「いや、物凄いワインになったんだよ・・」
と言えて初めて、存在意義が生まれるのかなぁ・・と思う訳です。
皆さんもこのように美しいグラデュエーションを見せつけられたら、心が動いちゃいますよね。
しかもこのデゾネイ=ビセイと言う生産者は、
「フラジェ=エシェゾーのドメーヌ」
でして、モロにその判りにくい「フラジェ=エシェゾー」と言う土地の個性を表現しています。今までもそうだったとは思いますが、その味わいは「イマイチ」だったんです(・・すみません)。
このレ・ボーモン・オーは、あの「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ルージュ」の南側にある高度の高い畑でして、やや重みのある「レ・ボーモン・バ」とも違い、やや軽量で赤い果実を表現してくれるリューディです。
今までは・・エージェント情報にもある様に、「余韻にタンニンが感じられます。」と言うようなワインだったと思いますが、2015年ものは敢えてそのようなコメントが必要のないものに成った・・だろうと確信しています。他のコラムでタンニンについては、noisy は書いていないですよね?・・たぶん必要ないんですね・・バランスが非常に良いですから。
1級レ・ボーモンとしますと、有り得ない位にリーズナブルなワインです。是非挑戦してみてください。noisy もまだ飲めない分、是非ご感想などお聞かせください。
● 2016 Echezeaux Grand Cru Vieilles Vignes
エシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【非常に少ないです!】
2016年のデゾネイ=ビセイはトップ・キュヴェであるグラン=ゼシェゾーを生産できず、このエシェゾーがトップ・キュヴェとしてリリースされました。3つのリューディをブレンドして造り上げる伝統の味わいです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【こうなってくるとこの2つのグラン・クリュが大化けしているに違いない・・と踏んでいます!! 】
これだけデゾネイ=ビセイのワインが向上し非常に美しいスタイルになって来たことが判るとなると、このドメーヌが持つ二枚看板の「エシェゾー」と「グラン=ゼシェゾー」が非常に気になってしまいます。
ちょっと調べてみると、グラン=ゼシェゾーの所有者は21~22人ほど、ちょうど左の画像、上が北で下が南、左が東ですが、「Grands-Echezeaux」の文字の辺り、ど真ん中ですね・・ほぼ1/3~1/4強をDRCが所有していまして、それ以外を20軒ほどで分け合って所有しています。
一番北の端に濃い青で点を付けた辺りがデゾネイ=ビセイの所有地と見られますから・・
「物凄い場所!」
に畑が有ることが判ります。
ヴージョ城の所には「Clos de Vougeot」のポールが立っていますが、ここはメオ=カミュゼがその周りと下部(東側)を持っていまして「ガレンヌ」と言う区画です。
そのヴージョ城の北側が「グロ・フレール」が所有する「ミュジニ(Musigni)」で、その上はもう「ミュジニー(プティ・ミュジニー)です。
そして、そのデゾネイ=ビセイのグラン=ゼシェゾーの上(西側)はエシェゾー(レ・ポウレイエール)です。
つまり、
「クロ=ヴージョ最高の場所とエシェゾーに接したグラン=ゼシェゾー!」
で有って、
「ミュジニーとクロ=ヴージョとエシェゾーとグラン=ゼシェゾーの狂宴!」
と言う、ちょっと化け物じみた場所に有る畑のワイン・・と言うことになるんですね。
まぁ、2014年から確実に進化しはじめたのを見ている noisy としましては、2015年の下級クラスのワインの素晴らしさを見れは、看板の2アイテムは是非とも飲んでみたいものです。
何より、2014年以前でもこの2アイテムに限っては、結構良かったのも事実なんです。余りにクラシックで、若い内はボソボソっとしたテクスチュアでミネラリティが奥に引っ込んだ感じの下級クラスに比較し、やはりそこはさすがのグラン・クリュと言うような部分では有るかと思いますが、それでも評価をされる方も少なく無かったんですね。
また、エシェゾーの方も魅力的です。「リューディ・アン・オルヴォー」は、グラン=ゼシェゾーで説明させていただいた「レ・ポウレイエール」のさらに北に有る畑でして、
「このリューディはシャンボール=ミュジニー側にはみ出したような形で、シャンボール=ミュジニー村の畑とフラジェ=エシェゾー村の畑の両方が有る」
んですよ。
しかも、シャンボール側のアン・オルヴォーは、グラン・クリュ・ミュジニー、1級、村名の3クラスにも細分されていますし、フラジェ=エシェゾーも、グラン・クリュ・エシェゾーと1級の両方が有る・・と言う、非常にややこしい畑なんですね。
すなわち、ヴォーヌ=ロマネのニュアンスも持ちつつ、シャンボールの・・と言うか、ミュジニーっぽいニュアンスも持ち合わせていると言うスタイルで、グラン=ゼシェゾーの強い果実の風味の出やすい味わいとも、かなり違った印象を受けるはず・・と思うんですね。それに「レ・シャン・トラヴェルサン」は、このアン・オルヴォーの南に接しています。
グラン=ゼシェゾーの南に接する「レ・トルー」は、上記の2つのリューディの高い高度は持っておらず、しかも北部では無く南部と言うロケーションでして、
「良いエシェゾーを造るには、上部と下部をセパージュする」
と言う鉄則にも当てはまっています。
なので、このエシェゾーも非常に楽しみな2015年・・と言うことになりまして・・
「・・飲んじゃおうかな・・」
などと思っています。売れなかったら飲んでしまう魂胆でおりますんで・・はい。
もし、デゾネイ=ビセイの他のアイテムのレヴューを見て、
「・・これは期待できそうかな?」
と・・アンテナがビンビン来た方は、是非ともトライしていただきたいと思います。下があれだけ旨いんですから上が悪い訳が無いとは思いますが、何せ十数年も扱ってなかった造り手ですので、さすがの noisy も断言はし辛いところです。是非ともご検討くださいませ。
● 2015 Bourgogne Pinot Noir Vieilles Vignes
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【2015年のデゾネイ=ビセイは大化け!!こんなことが有り得るのかと、誰もがビックリするでしょう!!素晴らしいピノ・ノワールです!】

それなりに結構長いワイン屋人生を送って来た noisy ですが、ここまで急成長・・と言うか、「激変」した造り手に出会うことは、まず無かった・・と言えます。
記録では2002年のデゾネイ=ビセイのワインをご紹介させていただいたようになっていますし、noisy もちゃんと覚えていまして、そこそこは美味しいんですが、何せ野暮ったい・・テクスチュア良く無い・・干乾びた感じ・・(すみません・・)が何とも評価し辛く、ただ上級キュヴェはそれなりに・・と言うか、畑のポテンシャルがワインの味わいを押し上げていましたから、
「それなり・・だよなぁ・・」
と言うような自身の評価でした。
なので、フィネスさんとリスタートしてからもテイスティングはしましたが、決して noisy も再度扱うことなく、今現在に至っている訳です。
しかしながら、昨年の2014年もののテイスティングにおいては、ミネラリティが前面に出て来て、何とも武骨だった味わいに変化を感じたものの、やはり扱おうと言う気にさせるようなレベルにまでは至らず、
「・・ん・・やっと人並み・・(・・すみません・・)」
と言うような印象でした。
ところがこの2015年ものはどうでしょう。何とも美しくミネラリティが輝いているような素晴らしい色合いをしているのが判ると思います。
上の写真はACブル、下が、左上からACブル、右上がシャンボール=ミュジニー・コンブ・ドルヴォー、左下がヴォーヌ=ロマネ、右下がジュヴレ=シャンベルタンです。
どれも非常に美しい色合いで、透明な石灰系ミネラリティが赤を中心とした色合いを「コーティング」したように見受けられます。
これはまるで「シルヴァン・パタイユ」系のワインに観られるような色合いでして、正に今、シルヴァン・パタイユをご紹介させていただいていますし、そのテイスティングをしたばかりですので・・
「・・うわぁ・・もしかして彼のところのコンサルティングを受けてるのかなぁ?」
などと邪推したくなるような見事な味わいなんですね。
しかもデゾネイ=ビセイはコート・ド・ニュイの北から南にバランス良く畑を持っていまして、ジュヴレ有り、ヴォーヌ=ロマネ有りのフラジェ=エシェゾーの生産者なんですね。
各ワインにつきましては各コラムをご覧いただければと思いますが、このACブルゴーニュ・ピノ・ノワール・ヴィエイユ・ヴィーニュは、
「フラジェ=エシェゾー村のACブルゴーニュ格の畑」
で造られています。これ・・まず滅多に無いです。

しかも、フラジェ=エシェゾーの下部(東側)はクロ=ヴージョ、南側はヴォーヌ=ロマネの偉大な畑群、北側はシャンボール=コンブ・ドルヴォーに囲まれていますから、
「エシェゾー、もしくはヴォーヌ=ロマネ1級(レ・ボーモンとレ・ルージュ、アン・オルヴォー)以外の高い位置にある畑」
と言うことが判ります。フラジェ=エシェゾーはエシェゾーとヴォーヌ=ロマネ1級でほぼ占められちゃってますから・・。
・・と書いていたんですが・・間違いでした。確かにヴージョせき止められたような形になってますが、ヴォーヌ=ロマネ側に僅かに張り出した部分が有り、そこにレ・ルージュ・シャンとル・ポワリエ・ドウットが有りました。つまりここは東側、国道の下側です。レ・コンブと言う畑は国道側には無いし、何せ、コンブ・ドルヴォーのコンブ(谷)なので、こちらは上部(西)ですね。つまりは、アンリ・ジャイエが古の手法を復活させたとか初めてやったとか言われているキュヴェ・ロンドと言う、上部と下部のクリマの葡萄をセパージュする方法でした。すみません。
で、飲んでみるとこれが今までとは大違い・・と言う部分は置いといて・・
「まるで、プティ・プティ・エシェゾー!!」
なんですね・・。
良く出来たバランスの良いエシェゾーを、軽~く・・超エレガントにしたような味わいでして、(比較的)乾いた畑のニュアンスと、高貴な土のニュアンス、白い石灰がベースに有り、見事に赤いチェリーと黒いチェリーがしっかり丸く感じられ、それを透明なガラスやクリスタルのようなミネラリティがコーティングされるように、ツヤツヤのテクスチュアを感じさせてくれます。
香りの上がり方も、そのピュアなニュアンスも、昨年までとは大違いで、非常にドライなのに何とも言えぬ心地良さは、
「まるでルイ・ユエランのシャンボールやACブルのワビサビの効いたジンワリと美味しいエキスそっくり」
でも有り、シミジミとした美味しさにやや高貴さをプラスしたような、素晴らしい出来栄えになっています。
まぁ・・何で「プティ」を2回繰り返したか?・・・っていうとですね・・ちゃんと理由が有りましてね。それはシャンボールのコンブ・ドルヴォーがモロに「プティ・エシェゾー」だからなんですね。なので、その名前を付ける訳には行かなくなりまして、繰り返すことにした訳です。
デゾネイ=ビセイのワインを良くご存知の方は、是非とも「有り得ない変身」をしたこのワインを飲んでみていただきたいと思いますし、全く知らない方も、この素晴らしい2015年のワインがデゾネイ=ビセイの最初の印象になる訳ですから、初めて飲んだデゾネイ=ビセイがとても良い・・と言う理解をしていただけるものと確信しています。
是非どうぞ、この2015年ACブル、飲んでみてください。実はそんなには数は確保できないんです。なのでお早めに!お勧めいたします!
● 2015 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【エレガントな村名ジュヴレ=シャンベルタン・・って、飲んだこと有りますか?・・意外に存在しないと思いますよ。ルイ・ユエランがジュヴレを造ったようなイメージです!】

何度も書くようで申し訳ないですが、デゾネイ=ビセイのワインが本当にこんなに美しい色合いを見せつけて来るとは思いもしなかったので・・ある意味、その反動が出ちゃってるかもしれません。とても美しく、そしてエレガントで有り、ドライなのにちゃんと旨みが存在し、たっぷりある透明なミネラリティとそれを支える白い石灰的なミネラリティが、ピュアな味わいを生み出しています。
下の写真を見ればお分かりかと思うんですが、一番濃い色合いをしているのはシャンボールです。ジュヴレはヴォーヌ=ロマネとどっこいな感じで、決して濃くは無いですよね?
そして、重い感じの色合いも無いでしょう?・・普通ならもっと「どしっ」とした重量を見せるような色合いのものが多いかと思うんですが、そんなニュアンスは見受けられません。
味わいも実際に、鈍重さの無いバランスに優れた味わいで、鉄っぽさとか、ワイルドさなどは「さらり」とした表現をしてくれます。その分、果実の表情が細やかで、まるで小粒のチェリーを脚付きの透明なパフェグラスに載せ、甘く無いガムシロップでコーティングしたかのような味わいです。
で、ジュヴレっぽく無いか・・と言うと、全くそうでは無く、むしろちゃんとジュヴレの個性が際立って感じられるのが不思議です。骨格はちゃんと備わっている・・と言うことなんでしょう。

このジュヴレだけはヴィエイユ・ヴィーニュの表記の無いワインなんですが、
「エレガントだからそう思えてしまうけれど、決して軽量級のワインでは無い。」
「これほどまでにミネラリティのしっかり有るACジュヴレは、まず見当たらない。」
と言えると思います。
ACブルのコラムでも書きましたが、まるでこのミネラリティ感は、
「シルヴァン・パタイユも真っ青・・。そっくり・・」
で有り、安易に真似しようとしたとしても出来ることでは無い・・と思うんですね。
また、ルーミエさんのワインにも似ていますが、果実の出方がちょっと違うかな?・・と思います。むしろルーミエさんの方が果実酸の構成が豊かというか、やや甘さが有ると言うか、そんな感じで、デゾネイ=ビセイのジュヴレはもっとドライ・・まるで甘味が無いのに旨みが有る・・と言うようなニュアンスです。
ピノ・ノワール好きなら、やはり試してみたくなる味わいかと思います。大変身を遂げたデゾネイ=ビセイの2015年ジュヴレ=シャンベルタン。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2015 Chambolle-Musigny la Combe d'Orveau Vieilles Vignes
シャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォー・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【これはもう「プティ・エシェゾー」!!バランスの良く無いグラン・クリュ・エシェゾーより美味しいです!見事な出来!!】

「・・おいおい・・シャンボールのワインをエシェゾーに似ているなんて言っちゃって良いの~?」
なんて声が聞こえて来そうですが・・
「良いんです!」
まぁ、どこかのネットのショッピングモールのCMのような感じで言っちゃいたくなりますが、良いんですよ。そうゆうものですから。
実はフラジェ=エシェゾーはヴォーヌ=ロマネ村とシャンボール=ミュジニー村に挟まれていますが、この「ラ・コンブ・ドルヴォー」は、フラジェ=エシェゾーとシャンボール=ミュジニーに跨って存在している、いや、少し分散はしているんですけれど、ボンヌ=マールがシャンボールとモレに跨っているような感じと思っていただいて良いかと思います。
ですので、敢えて言ってしまえばシャンボールっぽくは無く、さりとてエシェゾーほどの個性を発揮できないワインが多いのが普通です。
シャンボール側のコンブ・ドルヴォーは、ミュジニーを名乗れる部分も有り、1級部分も有り、村名部分も有りますが、1級以上の部分については勿論シャンボールっぽいんですが、村名はむしろエシェゾーっぽい感じなんですね。
なのでこのラ・コンブ・ドルヴォーはそんなニュアンスを多く持っていますが、非常に出来が宜しくて・・何と、
「プティ・エシェゾーと呼びたい!」
ほどのバランスの良さを見せます。
色合いも重厚ですよね。それに何より美しいです。紫色がしっかり入ったやや濃いめの色合いですが、鈍重になることなく、しかし非常に深い味わいがします。
ミネラリティのコーティングは他のワインと同様ですが、このワインだけは低い位置から上方に向かっての押上がしっかり有ります。
グラン・クリュ・エシェゾーは、畑が広く、またそのクリマが沢山有りますので、単一のクリマものは偏ったバランスになってしまうことが多く、上部と下部のクリマをセパージュして造る場合が多いんです。一般的には単一ものはエシェゾー・デュ・ドゥスー位ですね。しかも黒味や茶が多く結構に鈍重になるか、またその反対に赤味はしっかりあるものの軽く成り過ぎる場合も有りますし、何ともバランスの悪い「中抜け・中域不足」のものも見受けられます。
ところがこの「ラ・コンブ・ドルヴォー」は、その抜けやすい「中域」部分がしっかり有り、濃密さもバッチリ有ります。密度が兎にも角にも高く、低域と高域しかないようなスカスカな味わいじゃないんですね。なので感じられるやや色の濃いチェリーもリアリティが有り、非常に満足感の高いワインに仕上がっています。
ん~・・今まで飲んだ「村名コンブ・ドルヴォー」では最高じゃないかな・・と思います。アンヌ・グロとかより確実に美味しいです!
しかも今飲んでも美味しさは充分です。勿論長く持ちますよ。是非飲んでみてください。「プティ・エシェゾー」・・だと思います。
● 2015 Vosne-Romanee Vieilles Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【見事に美味しい!たっぷりチェリーにクリスタルのコーティング!どうしちゃったの?デゾネイ=ビセイ!】

いや~・・美味しかったですね。因みにあのアメリーちゃんの2015年ヴォーヌ=ロマネも旨かったですね~。そろそろ皆さんのコメントが集まり始めていますが、
「・・いや~2015年のヴォーヌ=ロマネ!・・旨かったです・・幸せだった~!」
のような感じで、
「もっと買っておきたかったなぁ!」
と、何人もの方から言われました。
ついでに・・飲めなかったジュヴレ村名も、
「若いワインなのに綺麗で滅茶美味しかった!」
と店に買いにいらっしゃるお客様からも激賞の声をいただきました。
まぁ、ベルトーのヴォーヌ=ロマネほどは安くは無いんですが、それでもこのプライスでヴォーヌ=ロマネV.V.が購入できる生産者はそうはいません。ポテンシャルもほぼ同等と思いますが、それでも味わいの傾向はやや違います。
ヴォーヌ=ロマネで有りながらも、口に含んだ後のニュアンスがまるで「ミュジニー」が感じさせてくれるようなノーズに抜けるアロマだったアメリー・ベルドーでしたが、こちらは、そんなニュアンスもほんのりとは持ちつつも、もっと・・
「透明な美しい照りの有るクリスタル的ミネラリティに希少金属類が見せる細やかな表情」
が特徴かな?・・と思うんですね。
まず色合いが美しいです。鈍重さの無い、酸の柔らかなヴォーヌ=ロマネのニュアンスが有ります。しかし、温かみの有るバランスになることが多い(ベルトーやシリュグがそうです)とは言え、むしろデゾネイ=ビセイのヴォーヌ=ロマネV.V.は、結構に冷ややかです。
敢えて大げさに言うならロマネ=サン=ヴィヴァン的と言うか、エシェゾーの上方に有るヴォーヌ=ロマネ・レ・ルージュ的と言うべきか、やや乾いきつつも精妙なるニュアンスを持っているんですね。
いや、勘違いしないでくださいね。ロマネ=サン=ヴィヴァンやレ・ルージュと一緒だと言ってる訳では無いです。そのような、似たようなニュアンスが有って精妙だと・・言うことなんです。
これは、noisy 的には最高の誉め言葉なんですね。勿論、「荘厳」とまでは言ってませんで、そこまで言ったらまずそのような最高のワインとほぼ同格だと・・言ってると思ってください。そのちょっと手前です。
それにしてもデゾネイ=ビセイのワインに、このような言葉を使いつつお勧めすることになるとは・・思ってもいませんでした。皆さんも一緒かもしれませんが、有り得ないような大変身をしたデゾネイ=ビセイのヴォーヌ=ロマネV.V.、飲んでみていただけないでしょうか。とてもお勧めしています。滅茶美味しいです!ご検討くださいませ。
● 2015 Vosne-Romanee 1er Cru les Beaumonts Vieilles Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【・・飲む予定でしたが間に合いませんでした・・でも非常に期待できるワインかと思います!】

いや~・・これは飲む予定だったんですが、間に合いませんで・・残念です。
あの素晴らしいヴォーヌ=ロマネV.V.やシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーと言う村名ワインを飲んでしまったら、
「・・是非とも1級以上も試してみたい!」
と思い込んでしまう noisy の気持ちを判って欲しいなぁ・・と・・。
「・・いや、それ、あんたの仕事でしょ・・」
と返されるのが山かと思いますけどね。でも、それだけ期待の出来るワインが有る・・と言うことは嬉しい大誤算でもある訳でして、その山を当てる辺りがワイン屋の醍醐味・・とも言えます。
まぁ、誰もが素晴らしい、欲しいと思ってからなら、何とでも言える訳ですから。誰もがダメだと、いや、そんな生産者は知らない、もう終わってる・・などと思われている時に、
「いや、物凄いワインになったんだよ・・」
と言えて初めて、存在意義が生まれるのかなぁ・・と思う訳です。
皆さんもこのように美しいグラデュエーションを見せつけられたら、心が動いちゃいますよね。
しかもこのデゾネイ=ビセイと言う生産者は、
「フラジェ=エシェゾーのドメーヌ」
でして、モロにその判りにくい「フラジェ=エシェゾー」と言う土地の個性を表現しています。今までもそうだったとは思いますが、その味わいは「イマイチ」だったんです(・・すみません)。
このレ・ボーモン・オーは、あの「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ルージュ」の南側にある高度の高い畑でして、やや重みのある「レ・ボーモン・バ」とも違い、やや軽量で赤い果実を表現してくれるリューディです。
今までは・・エージェント情報にもある様に、「余韻にタンニンが感じられます。」と言うようなワインだったと思いますが、2015年ものは敢えてそのようなコメントが必要のないものに成った・・だろうと確信しています。他のコラムでタンニンについては、noisy は書いていないですよね?・・たぶん必要ないんですね・・バランスが非常に良いですから。
1級レ・ボーモンとしますと、有り得ない位にリーズナブルなワインです。是非挑戦してみてください。noisy もまだ飲めない分、是非ご感想などお聞かせください。
● 2015 Echezeaux Grand Cru Vieilles Vignes
エシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
● 2015 Grands-Echezeaux Grand Cru Vieilles Vignes
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【こうなってくるとこの2つのグラン・クリュが大化けしているに違いない・・と踏んでいます!! 】

これだけデゾネイ=ビセイのワインが向上し非常に美しいスタイルになって来たことが判るとなると、このドメーヌが持つ二枚看板の「エシェゾー」と「グラン=ゼシェゾー」が非常に気になってしまいます。
ちょっと調べてみると、グラン=ゼシェゾーの所有者は21~22人ほど、ちょうど左の画像、上が北で下が南、左が東ですが、「Grands-Echezeaux」の文字の辺り、ど真ん中ですね・・ほぼ1/3~1/4強をDRCが所有していまして、それ以外を20軒ほどで分け合って所有しています。
一番北の端に濃い青で点を付けた辺りがデゾネイ=ビセイの所有地と見られますから・・
「物凄い場所!」
に畑が有ることが判ります。
ヴージョ城の所には「Clos de Vougeot」のポールが立っていますが、ここはメオ=カミュゼがその周りと下部(東側)を持っていまして「ガレンヌ」と言う区画です。
そのヴージョ城の北側が「グロ・フレール」が所有する「ミュジニ(Musigni)」で、その上はもう「ミュジニー(プティ・ミュジニー)です。
そして、そのデゾネイ=ビセイのグラン=ゼシェゾーの上(西側)はエシェゾー(レ・ポウレイエール)です。
つまり、
「クロ=ヴージョ最高の場所とエシェゾーに接したグラン=ゼシェゾー!」
で有って、
「ミュジニーとクロ=ヴージョとエシェゾーとグラン=ゼシェゾーの狂宴!」
と言う、ちょっと化け物じみた場所に有る畑のワイン・・と言うことになるんですね。
まぁ、2014年から確実に進化しはじめたのを見ている noisy としましては、2015年の下級クラスのワインの素晴らしさを見れは、看板の2アイテムは是非とも飲んでみたいものです。
何より、2014年以前でもこの2アイテムに限っては、結構良かったのも事実なんです。余りにクラシックで、若い内はボソボソっとしたテクスチュアでミネラリティが奥に引っ込んだ感じの下級クラスに比較し、やはりそこはさすがのグラン・クリュと言うような部分では有るかと思いますが、それでも評価をされる方も少なく無かったんですね。
また、エシェゾーの方も魅力的です。「リューディ・アン・オルヴォー」は、グラン=ゼシェゾーで説明させていただいた「レ・ポウレイエール」のさらに北に有る畑でして、
「このリューディはシャンボール=ミュジニー側にはみ出したような形で、シャンボール=ミュジニー村の畑とフラジェ=エシェゾー村の畑の両方が有る」
んですよ。
しかも、シャンボール側のアン・オルヴォーは、グラン・クリュ・ミュジニー、1級、村名の3クラスにも細分されていますし、フラジェ=エシェゾーも、グラン・クリュ・エシェゾーと1級の両方が有る・・と言う、非常にややこしい畑なんですね。
すなわち、ヴォーヌ=ロマネのニュアンスも持ちつつ、シャンボールの・・と言うか、ミュジニーっぽいニュアンスも持ち合わせていると言うスタイルで、グラン=ゼシェゾーの強い果実の風味の出やすい味わいとも、かなり違った印象を受けるはず・・と思うんですね。それに「レ・シャン・トラヴェルサン」は、このアン・オルヴォーの南に接しています。
グラン=ゼシェゾーの南に接する「レ・トルー」は、上記の2つのリューディの高い高度は持っておらず、しかも北部では無く南部と言うロケーションでして、
「良いエシェゾーを造るには、上部と下部をセパージュする」
と言う鉄則にも当てはまっています。
なので、このエシェゾーも非常に楽しみな2015年・・と言うことになりまして・・
「・・飲んじゃおうかな・・」
などと思っています。売れなかったら飲んでしまう魂胆でおりますんで・・はい。
もし、デゾネイ=ビセイの他のアイテムのレヴューを見て、
「・・これは期待できそうかな?」
と・・アンテナがビンビン来た方は、是非ともトライしていただきたいと思います。下があれだけ旨いんですから上が悪い訳が無いとは思いますが、何せ十数年も扱ってなかった造り手ですので、さすがの noisy も断言はし辛いところです。是非ともご検討くださいませ。
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