
■ ボローニャの食と文化を愛する3人の友人によるナチュラルワイン
◇ 3人の夢から生まれたナチュラルワイナリー
イタリア屈指の美食の町、ボローニャに新たなナチュラルワイナリーが誕生しました。ボローニャ生まれのボローニャ育ちの3人の友人の夢から生まれたナチュラルワイナリー、カッチャネミチです。3人は中世からの豊かな食文化を誇るボローニャで、純粋で自然な特徴を備えた、地元の歴史と土地を物語ってくれるナチュラルワインを造りたいと想い、2020年1月にカッチャネミチを設立しました。
◇ エミリア・ロマーニャの陽気なヴァン・ド・ソワフ
カッチャネミチでは、植物と動物と微生物の生命を尊重し生かすために、ビオディナミを行い、ブドウ畑でも醸造所でも一切の化学物質は使用しません。遵守する唯一のルールは、全ては自然のサイクルによって決定されるということです。醸造もブドウに付着している野生酵母で自然に発酵させています。そんなカッチャネミチのワインは、友達などと一緒に気軽に楽しんで欲しいとの想いから造られたイタリアらしい陽気でフレンドリーなヴァン・ド・ソワフです。

◇ カッチャネミチについて
CACCIANEMICI カッチャネミチは、ボローニャ生まれのボローニャ育ちの3人の友人の夢から生まれたナチュラルワインナリーです。レストラン業界や農業食品関連の会社で働き、その後、養蜂家として旅をして、自然なブドウ栽培に情熱を持つようになったAntono アントニオは、エミリア・ロマーニャやプーリアで活躍している友人で醸造家のWalter ワルター、そして同じく友人で人材雇用会社の役員であるGiovannij ジョヴァンニとの3人で、Sasso Marconi サッソ・マルコーニにある畑とセラーを借りて2020年1月にカッチャネミチを設立しました。
3人とも植物や動物と密接に繋がった田舎の環境で家族と一緒に暮らし、自然と農業への深い愛情を持っていました。必然的に地元ボローニャで自然に栽培したブドウから自然な方法で造ったボローニャのナチュラルワイン造ること。そして、持続可能な農業を行うためにビオディナミでブドウを栽培することに決めました。カッチャネミチはサッソ・マルコーニのコムーネに本拠を置いています。栽培面積は3.3ヘクタールで、グレケット・ジェンティーレ、ピノ・グリージョ、ピコリット、ランブルスコ・グラスパロッサ、バルベーラ、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン、カルメネールなどを栽培しています。

◇ コッリ・ボロニェージについて
ワイナリーの畑が広がるコッリ・ボロニェージ(ボローニャの丘)には豊かな歴史と伝統、精神が詰まっています。そもそも、昔からこの場所はボローニャの貴族に人気の保養地で、アルベルガティ家、マラスピナ家、カヴァッツァ家、イゾラニ家、カッチャネミチ家などの貴族が休暇を過ごしていました。
CACCIANEMICI カッチャネミチとは中世のボローニャで何代にも亘って浮き沈みを繰り返してきた貴族の家名です。このカッチャネミチ家のシンボルがクマでした。クマはダンテの『神曲』の地獄編にも登場するボローニャを象徴する動物でもあります。ボローニャでは、中世の名門貴族の物語が歴史に刻み込まれているように、カッチャネミチのワインも、それを味わう全ての人々に感情的な印象を残すように、ワイナリーの名前をカッチャネミチ、そしてクマの足跡をイメージしたデザインをワインリーのロゴにしました。
コッリ・ボロニェージは、穏やかな起伏のある丘から険しい岩の多い峡谷まで、対照的な地形が点在し、地元の動物に自然の生息地を提供し、緑豊かな森と太陽が降り注ぐ畑やブドウ畑が数多く混在しています。カッチャネミチでは、情熱とビオディナミによる生物多様性への尊重によって、自然な味わいというオーセンティックで純粋な特徴を備えた、地元ボローニャの土地の物語を語ってくれる表現力豊かなナチュラルワインを造っています。

◇ 畑と栽培、醸造について
カッチャネミチのブドウ畑は、アペニン山脈から流れるレノ川、セッタ川、ラヴィーノ川が織りなす峡谷の斜面にあります。標高は400メートルで、地質は鮮新世(約500万年前から約258万年前までの期間)の砂岩土壌です。
畑は大きく4つの区画に分かれています。3つの区画はScopetoと呼ばれる集落にあり、もう1つの区画は少し離れたTurrone の集落にあります。Scopeto の3 つの区画では、伝統と歴史への敬意からグレケット・ジェンティーレ、ピノ・グリージョ、ピコリット、ランブルスコ・グラスパロッサ、バルベーラなどの地場品種を栽培しています。Turrone の区画では実験的精神から、そして未来への挑戦からシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニョン、カルメネールなどの品種を栽培しています。
カッチャネミチではビオディナミによる栽培を行っています。自然界では無駄になるものは何もありません。全てが刻々と変化し、新しい生命を生み出します。カッチャネミチの哲学は自然のサイクルに沿った畑の耕作と、ブドウ畑の注意深い管理を通じて、高品質のビオディナミ農法によるナチュラルワインを消費者に届けるということです。ワイナリーでは全ての畑をビオロジックにすることから始め、植物の成⾧を促進するためにビオディナミを導入しました。

土壌とブドウの木が調和をするためには、動物を成育し、緑肥を行って、自然界の組成を改善することが大切だと考えています。カッチャネミチが遵守する唯一のルールは、全ては自然のサイクルによって決定されるということです。テロワールを理解するには、その必要性とリズム、変容とともに、自然界のバランスを変えないように努めなければなりません。これには忍耐と汗と労力が必要です。常に注意深く畑と周りの自然環境を観察することによって、将来を見通すために必要なヴィジョンを得ることができます。それぞれの畑、それぞれのブドウ、それぞれのワイン、それ自体が物語であり、常に何かの発見であるのです。
21世紀になり、地球と植物、果物と人間の間にある繋がりが、今まで以上に率直に明確に理解されるようになりました。カッチャネミチでは、植物と動物と微生物の生命を尊重し、生かすために、ブドウ畑でも醸造所でも一切の化学物質は使用しません。手摘みで収穫したブドウを小さな箱で細心の注意を払って醸造所に運び、醸造はブドウに付着している野生酵母で自然に発酵させ、添加物は一切加えず、清澄、濾過も行わず瓶詰めしています。SO2 に関しては、ヴィンテージに応じて、ボトリングのネガティヴな反応を避けるために、瓶詰めの際に必要最低限のみ添加しています。
【やや硬質さを感じさせるミネラル豊富なピュア&ナチュラルさ、結構に旺盛な泡質にコクのある味わい!ちょっと変わった製法のペティアン??・・フリッツァンテです!】

このエミーリア、もしくはロマーニャのワインには、このようなフリッツァンテが数多く有ります。
と言いますか・・この地域は、
「発泡していないワインはワインじゃない・・」
みたいなニュアンスで地元の人々に思われているらしく、噴出さないと満足しない・・ワインじゃないと・・思われているようです。
ですので基本、スティルワインだと思っても発泡していたりしますし、その泡質や発泡ワインとしてのポテンシャルも、
「ただ葡萄を発酵させて早めに瓶詰したもの」
が多いので、さほど高くは無かったりします。それはそれでデイリーワインとしては何も問題は無いのですが、それが数千円にもなってしまいますと、舌の肥えたワインファンには物足らない訳です。
こちらはそんな単純な発泡ワインでは無く、きっちりと二次発酵をした高級感のある泡ものです。

葡萄を圧搾した一部を冷蔵して取って置き、発酵終了後にワインに加えて二次発酵をさせていますから、シャンパン方式に次ぐ製法です。
シャンパン製法ですと糖分と一緒に酵母も添加しますが、何とこのフリッツァンテは酵母は添加せず、残っていた酵母、酵素にその果汁の糖分を食べさせ、ワインに泡を生ませるんですね。この地域では余りやらない・・高尚な方法?・・ですよね。
ですから仕上がったワインも高質です。シャンパンほどの長い期間にわたっては熟成させないし、デゴルジュマンもしないので、透明度、泡の引け、泡質はシャンパーニュとは比べ物にはなりません。
しかしワインのピュアさ、ナチュラル感と、ワイン本来の美味しさはたっぷり感じられますし、何より・・
「とても冷ややか!」
ですし、
「ガスが強くなく柔らかいので飲みやすい!」
と言うのも有ります。
まぁ・・そのガス感もやや若い・・と言うのは感じますが、それがこのフリッツァンテの特徴と言うことでしょう。暖かくなり、徐々に蒸し暑くなって来ました。きっと食卓をにぎわせてくれるピュアでナチュラル、高質で・・この地域にはちょっと余り感じることが少ない冷ややかさと硬質さのあるフリッツァンテです。お勧めします!
【繊細で硬質!そして冷ややかで表情が多様です!・・余り無いタイプのロザート・フリッツァンテです!】

ちょっと変わった製法ですよね。シャンパーニュとも違うし、葡萄の糖分だけで発泡させる点では
「ペティアン同様」
では有りますが、一旦・・ワインを造り、そこに冷蔵保尊しておいた果汁とワインをボトル詰め、栓をして二次発酵させるという訳です。
ですから、ワインにした時の酵母や酵素だけで果汁の糖分を食い切らせ、アルコール分と炭酸ガスを閉じ込め発泡させる・・言わば、
「二段階醸造法?」
とも言うべき製法です。
日本酒は「並行複発酵」と言いまして、麹が米の「でんぷん」を糖化するのと、酵母が糖分をアルコールと炭酸ガスに変えるのを、「ほぼ一緒に」行いますので、これも最初から糖分がたっぷり存在しでんぷんの無いワインとは全く異なります。(日本酒はスターターとして「元」を造ってから仕込みに入ります)
ですのでこの二段階醸造は、自然酵母が残存していないと不可能な製法ですから・・良く出来ますよね・・

アルコール分は12パーセントとエレガント系を思わせる仕上がりです。ですが、冷ややかさとともに・・
「しっかり感」
が感じられるのは、その二段階醸造による特徴なのかもしれません。一般に良くあるこの地域の、
「ガスが結構に残存したワイン」
とは、硬質感・・カッチリした感じが異なり、よりその冷ややかさと言いますか、冷たさ、温度感が冴え冴えとしているように感じます。
果実感も結構に複雑で、柑橘系の果実に加えベリーやチェリー、花っぽさ、ハーブ感が嫌味無く感じられます。ガスはそれなりに有りますが、さほどは強く無く、優しい感じがします。勿論、シャンパーニュなどの長い熟成を経たような「滑らかさ」には到達しませんから、
「ややカジュアルに寄ったロゼの泡」
と言えるでしょう。これがバルベーラだということで・・それが判るか?・・と言いますと・・
「・・無理!」
でした。でも美味しいロゼ・フリッツァンテです。飲んでみてください。お勧めします!
【ピュアでハツラツな深い果実が高質に感じられる、この地域では珍しい?泡無し・・やや濃い目ながらシツコク無い、バランスに優れた赤です!】

色彩が味わいを物語る・・と言っても良いかと思います。純でピュアな赤黒紫果実がドライでたっぷり・・旨い赤です。
マロはどうでしょう・・されていても控えめで、ややハッキリ目の酸ですが滑らかで伸びやかです。ドライですからジューシーと言う訳でも無いですが、そのピュアな果実酸が心地良さを感じさせてくれるタイプです。マロをしっかり掛けて高級ワインを目指した・・までは行かないにせよ、その中間位でしょうか。
造り手紹介のコラムの2枚目の写真には、女の子と思われる方が葡萄を足で潰しています。発酵をスタートさせ酵母を旺盛に活動させるために昔から行われる方法です。カベルネとカルメネールを一緒にしてやっているようで、古典的な方法と新しい技術をブレンドしているようです。
カベルネの果皮の深い美味しさ、フラワリーなアロマが感じられます。カベルネは本来、若いとやや「カッチリ」とした感じになりますが、カルメネールの濃密な色彩と凝縮感が補っている感じかと思います。因みにどちらも、
「フランス品種」
です。

カルメネールはボルドーで補助品種として使われていましたが、今はほとんど聞かれません。左岸ではメルロやプティ・ヴェルドに取って代わられたようです。チリワインなどではそれなりに聞きますが、
「イタリアの地でボルドーの昔ながらの品種ブレンドで造られるワイン」
と言うことになり、ちょっと不思議な感じもしますよね。
因みにカルメネールは補助品種としてメルロに似た役割をするようですから、充実した味わいでカベルネの・・華やかだけれどやや偏った特性をマイルドに充実させてくれる・・それがこのワインにもしっかり現れていると思います。味わいの幅も広く、非常に良く出来たワインです。ご検討くださいませ。
【張りの有るボディに繊細、複雑なアロマと味わい!・・味わいの幅が非常に広いピュア&ナチュラル、飲み応えのある白ワインです!】

結構に濃密、そして複雑な味わいを見せますが、決して飲んでいて悩むような・・しかめっ面をするような感じにはならないのが不思議と言えば不思議な白ワインです。
黄色の色彩が非常に濃く、もしかしたら甘そうに見えるかもしれませんが・・ドライです。結構に凝縮感もあり、複雑さに加えオイリーさも有りますが、さらっともしています。
ピコリットと言う、もう少し北部(例えばフリウーリ)では希少な・・非常に小さな実をパラパラとしかつけない葡萄も使用していますがどうでしょう・・この地域ではそれなりの実の大きさになるのかは判りません。しかし、ピノ・グリとピコリットは除梗すると言いますからもしかするとやはり小さい実なのかもしれません。そのピコリットも使用し、グレケット、ピノ・グリージョ、ピノ・ブランと4種類のブレンドですから複雑性は高くなると思います。
中域も適度に膨らんでくれ、ややビターなニュアンスを含んだ大きさ、長さのある味わいです。そのビターなニュアンスがまた果実感をよりリアルに感じさせてくれる感じです。

昨今は円安ユーロ高も有り、また物流コストの上昇で、本来、もっとリーズナブルに購入出来たクラスのワインも相当値上がって来ています。デイリーワインと言えば、まぁ・・スーパーさんやディスカウントさんで販売されているようなワインは千円そこそこで有ったとしても、ワイン屋さんでは中々そうは行かず、2千円ほどからが充実していたと思われます。
ですがそこのラインがさらに上がって・・しまっているのが現状ですよね。ブルゴーニュワインで2千円はもう全く無く、noisy のところでもロッシュ・ド・ベレーヌが何とか頑張っているだけ・・になってしまいました。
イタリアワインのリーズナブルラインはそこまで上昇していないにせよ、3千円は仕方がないんじゃないか・・みたいな感じになっています。
このカッチャネミチはビオですし、ワインとしますとデイリーワインの品質で留まるものでは無く、高級ワインと言って良いランクです。飲んでみてください。超お勧めします!