
カンティーナ・ジャルディーノと聞こえれば、言わずと知られた「モロビオ」で、
「どろんどろんになるほど抜栓しておいて色が変わって濁ってくるほど美味しい!・・・」
なんてイメージが有る訳ですが、本気でハマった時は恐ろしいほど凄いワインを造っちゃいます。・・その一例がこれ、「レ・フォーレ・ロッソ2017」なんですね・・。でも、ヴィンテージが変わっても同じように出来てるとは限らないのが、またカンジャルの目が離せないところなのかもしれません。
しかもこれ、おそらく・・自分の畑時の葡萄じゃ無くて、買い葡萄のようなんですね。まぁ、この素晴らしい色合いを見てくださいよ。
濃密そうなのに・・穏やかでしょう?・・事実、「濃い~・・」なんて感じは全然しません。ちょうど良い感じの濃度です。
エッジをご覧ください。「純」な感じでしょう?・・おそらくSo2は残存量も含めて極めて少ないですし、その上でエッジに「酸化の兆し無し」に見えますよね?まるで、ちょっと濃い目だがベストなタイミングで収穫されたピノのような感じにも見えます。なので・・「揮発酸生成」もほぼ無い・・厳しい方なら検出できるかもしれませんが、99%判らないと思いますよ。なので、めっちゃピュアなんです。
そして健康的な色合いと、「ふんわり」と「やわらかそうな色」でしょう?・・そうなんですよ。アッリャニコはタンニンが多く厳しい品種なんですが、質がビックリするくらい上等でして、タンニンの存在に築かずに、
「いや~・・ふんわりしてて、トロットロのフレンチトーストみたいな感覚だなぁ・・」
飲んだら・・などと思われるかもしれません。
そして、結構に黒みのあるパワフルな果実を感じるパターンが多いんですが・・いや、このワインは赤の多い紫ですよね。透明感の高いミネラリティも見えるようでも有りますし、もしタンニンに色があるとしたら・・白っぽくも見えるかもしれません。
そう・・飲まなくても美味しい!・・って判ってしまうような感じなんですよ。ですので、
「どなたが飲まれても拒否感ゼロ!」
なのはまず間違いなく・・ビオ嫌いでもですよ・・しかも相当に旨い。下手をすると、この後に常に高い評価をされている巨匠のアッリャニコを飲むと「相当渋いなぁ・・」と思ってしまうかもしれません。
いや・・書いているnoisy がビックリするくらいですから、お客様は相当嬉しいはずの出来栄えです。
「カンジャル・・いや~・・ホント、どう出てくるか判らんなぁ・・」
と、ワイン屋泣かせでは有りますが、コラムを読まれた方は是非飲むべきだと思われたことでしょう。・・その通り!超お勧めです。お早めにどうぞ。
以下は同じアッリャニコのクラウン・エノローグのレヴューです。
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【かなり・・ナチュラルですが、けっこうピュア感が有ります!・・アヴァンキャルド期待の方にはすみません。とても美味しいです!】
いや~・・ワインは難しい・・でもこの色合いを見れば判りますよね?とてもちゃんとしています。
とてもちゃんとしています・・って紹介の仕方も無いかと思うんですけどね。アヴァンギャルド期待のナチュラルオンリー、ピュア感ゼロを期待されても困ります・・って話しですね。ナチュラル感もバッチリあるアリャニコですが、むしろ「普通なピュア感」と、樹齢70年と言う古木由来の濃密な美味しさを持っています。
この地域だとアリャニコは「タウラージ」になったりする訳ですが、質的にはタウラージとほぼ同等・・と言って良いでしょう。濃密ですし、スパイス感もしっとり、ミネラリティは非常にたっぷり・・です。大きく違うのは、どこからともなく漂ってくる・・
「気楽さ、楽観的気分、陽気さ」
でしょう。
タウラージになると、どことなく、構えた感じが漂います。飲み手もどこか構えて飲みに掛かる感じです。しかもエナジーのベクトルは内向きで開放方向に向いていない気がします。
ですが、このクラウン・エノローグは、そのあたりの「煙たさ」が一切在りません。
「・・いいじゃん・・そんなに気にしなくてもさ」
と言われているような気がします。
そのくせ、余り欠点が見当たらないのが憎らしいんですね~・・。今までのカンティーナ・ジャルディーノだと、
「(揮発酸)臭いな~」
とか、
「濁ってるし・・」
「これ、何の匂いかな」
とかですね・・結構不安定要素があったんですが、こちらはまず感じない・・仮に発見したとしてもプラス方向の捉え処に感じてしまうんですね。
ビオ系ワインのナチュラルさが良い方に出た高貴種アリャニコでした。ぜひご検討くださいませ。