
ブリッブリのピュア果実と自然派らしいナチュラル感も備わりつつ、しかし、アヴァンギャルドには決して溺れない・・と言う、実に嬉しい「グレコ」のワインが到着です。
ここは硫黄採掘所だった跡地を畑にしたようです。なので、その影響は少なからずあるのでしょう。何故か非常に・・健康的と言うか、「ピュアさが輝く」と言うか、むしろ自然派っぽく無いほどにピュアです。
リーズナブルな方のグレコは「ミニエーレ」(写真上)。少し高価な「トッレファヴァレ」(写真下)はこのミニエーレのずっと上の方にあるそうです。オータ社長さんのコメントには、
「ミニエーレから、えげつない斜度の坂道を上った、標高600mの急斜面」
にあるのが「トッレファヴァレ」だそうで・・こちらは下でご紹介させていただきますね。
柑橘系の果実、ピールのニュアンスの有る心地良い果実の風味に、キュッと締まった感のある石灰系ミネラリティ。ありがちな「だらしない・・横に拡張してゆくだけの緩い酸」では無く、ほんのり緊張感を持った冷ややかな酸味が特徴。とてもピュアで、そこはかとなく漂うナチュラル感が良い感じ。
ちょっとだけリアルワインガイドのレヴュー風に書いてみました。実際にはもっと、「上から目線」を意識して書くんですが、さすがにここでは・・いや、知らず知らずのうちに時々出てますかね。
まぁ、ハッキリ言ってしまえば、リンゴ酸的フレッシュな要素を残したとても出来の良いグレコです。お勧めです。

二枚目の写真は、ミニエーレの上方、600メートルと言う標高ですから結構に登りますね。「トッレファヴァレ」は相当に傾斜のキツイ畑のようです。
標高が高く傾斜がきついので、「冷涼な酸味が・・」と書くのが普通なんですが、そうじゃないんですね。非常に豊かなフレーヴァーです。
緊張感を持ったミニエーレに対し、こちらはボリューム感と高質感を持った、高級感溢れる味わいです。これはとても見事な仕上がり。
大抵の場合、糖分が上がるとアルコール分は上がるが要素は減る・・ものです。すなわち、確実に畑のポテンシャルが高いのでしょう。シャルドネ的な豊かな中域をちゃんと持ち、それが見事に膨らんでくれます。そして、膨らみ過ぎて破裂してしまうようなことが無いんですね。急にしぼむことも無い・・。
果実感はミニエーレ同様、オレンジピール、黄色い果実、ほんのりスパイスです。石灰感がより強く、酸味はまろやかながら充実しています。モレッティエーリの白を超えるかな?・・とも思いますよ。価格はどうなんだろ?・・すみません、今は判りませんが、端正な造り・・と言うことではモレッティエーリなのかもしれませんが、そこに「ナチュラル感」と言う比較を加えるなら、「トッレファヴァレ」と言えるかもしれません。いや・・相当に美味しくて、何度もお代わりしたくなってしまいました!
中々にイタリアの白ワインの選択はムズイものが有ると感じていたnoisy では有りますが、このように健全、健康的な土俵の上で、その持っている特徴を表現してくれるワインに出会えたのはとても嬉しい出来事です。
まぁ、対局は・・やはりオータさんちの「カンティーナ・ジャルディーノ」でしょう。そちらは見事に「アヴァンギャルド系」ですんで・・!是非飲んでみてください。お勧めします!