
犯人はこのコックを・・全て捻って逃げたようですね・・
【レア度はあのロマネ=コンティどころの話しでは有りません・・・!】 もう・・・このコラムを読んでいらっしゃる方はご存知でしょう。新聞にも載りましたし、ニュースでも流れたようですから・・・。
カーセ・バッセの珠玉のブルネッロのほぼ全てを、貯蔵中のボッテなどのコックを捻って流されてしまった!・・・んです!
犯人は、以前カーゼ・バッセに勤めていたことのある方だったようで、捕まりました。しかし、貯蔵中の2006年から2012年までのキュヴェがほぼ無くなってしまったんです。
ところがですね・・、ほぼ入手が出来ないと思っていたところ、ラシーヌさん向けとアメリカ向けの極少量のみが製品になっていて、難を免れたんだそうで、今回の出荷となったようです。
因みに、この「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ2006」のエチケッタのものはさらに希少で、すでに事件前に製品になっていたものだけのようです。樽の中に僅かに残ったものを寄せて仕上げたアイテムも極少量だけ存在するようで、こちらは「ヴィノ・ダ・タヴォラ」のエチケッタで出荷されるようです。
また、2007年から2012年までのワインも同様ですが、こちらは全て「ヴィノ・ダ・タヴォラ」で出荷されるとのこと・・・。ですので、
「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ」
は、当分リリースされないのでしょう。
この偉大なブルネッロ・・・ブルゴーニュのトップワインにも比類するワインを手に入れるには、若干なりとも・・・大枚を叩かないと無理のようです。しかし、その奇跡のような品物が・・・12本だけ有ります。7年間でブルネッロは???本・・・という世界・・。高くなってはしまいましたが、これでも安いのだと思います。この機会にぜひ・・ご検討くださいませ。ラシーヌさんの輸入でコンディションは抜群です。
以前のコメントです
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【飲めます!】 猫の額ほどの自宅の庭には、イチゴやブールベリー、木苺などを植えていまして、その脇には色々な薔薇を隣家との境界に植えています。また、日当たりの良い場所には雨に強い種を、若干軒下に掛かる部分には雨に弱い種のハーブ類も植わっています。だからと言って、別段凝って何の世話をしている訳でも有りませんが、植物に付く虫が気になって、起き出してから日課のようにセコセコと見回っています。
驚かれるかもしれませんが、イチゴやブルーベリーなどのベリー系は何の手出しをせずとも頑張ってくれます。イチゴはこの季節(5月~6月)に沢山の実を付け、生食やジャムなどに変身していますが、綺麗な花を咲かせて目を楽しませてくれている薔薇には、実は沢山の虫が付いてしまいます。(薔薇は虫や病気に弱い-->だからぶどう園には必ず植わっている・・・みたいな流れも有ります。)
今とても多いのが、「アブラムシ」ですね。若芽や蕾の部分にギッチリついてしまい、薔薇の養分を吸い取っています。noisyは軍手をして、そのアブラムシを見つけては潰しています・・かなり根気のいる作業ですが、出来るだけ農薬や殺虫剤を使いたくないので・・いや、別にビオを気取っている訳じゃありませんので・・・はい。でも、その向こう側に棚仕立てにしてある隣家の葡萄の樹が気になっていたりもするんですが!
本当はですね、そんなアブラムシ対策には、株と株の間にハーブを植えることも良いと思います。それに本来は、天道虫さんが沢山いらっしゃるような状況で有れば、何もしなくても彼らが寄って来てはアブラムシを食べてくれるはずなんですよね。
でも現実は、天道虫さんは盛りがもう少し時期が後になるようですし、おそらく自宅の辺りの状況が天道虫さんにとっては、生きて行くのに余り都合が良くなさそうで、その絶対数が少ないようです。天道虫よ!いずこへ・・・
よくよく探してみたら結婚式場には沢山いた・・・みたいなちょっと流行おくれの親父ギャグは絶対言わないようにしたいのですが、なんでそんなことからソルデーラご紹介の枕になったかと言えば・・、
当然ながら葡萄にとっても、そう言った「自然界の連鎖」はとても重要なもので、ソルデーラは自然環境から全てを造り、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを仕上げています。
「木を植えて森や林を創る。水を引き、川や沼を創る。花を植えて、そして葡萄を育てる。」
まあ、文字で簡単に書くとたったそれだけのことです(・・・ったって、それだけでは無いのですが!)。でも、そんな環境自体から手を付けたソルデーラの農園には、沢山の野生の動物や昆虫も集まってきます。彼らは土を耕したり肥えさせたり、害虫を食べたり、受粉の手助けをしたりします。人が監督することで、葡萄にとっては最高の環境を得られる訳です。そしてそこには、人間には不要の農薬や殺虫剤は存在しません。ありのまま、生のままの姿の葡萄が存在し得るのです。
人は何かを手に入れようとする時、必要となる対価を少しでも抑えようとして、結局は気付かないうちに何かを蹂躪してしまいます。先日も国内のどこかの農村で起きた事件、早朝にヘリコプターで農薬を撒いた結果、通学中の学童が体調を崩して運ばれたと報道されていました。アンリ・ジャイエもおそらく農薬の影響(未確認ですが)で病気になったし、ブルゴーニュ現世代の親の代には、全く同様な病気に冒される方が多いと聞きます。農薬を撒けば畑で仕事をする人の体が楽だし、費用も安く上がるから・・・。野菜は日本国内で生産すれば人件費・土地代が高いから、農薬落とし用の洗濯機が一家に一台あるような中国で生産すれば安く上がる。買い叩く、買い叩かれる故にコストダウンに取り組み自然のサイクル崩壊と、あぶれた労働力の再配置に苦心する。そして生産している農家でさえ手をださない農薬まみれの生産物を、何も知らずに手に入れ口にする。結局対価をケチって蹂躪したもの、されたものは、自分自身だったりする訳ですね。
・・・ところでここから丸っきり話しが本題に転換してしまいますので頭を切り替えていただければと思います。

今回ご紹介の1996年ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ を海外市場で調達した後に、ラシーヌさんから、カーセ・バッセ/ソルデーラの契約が成功したとのお知らせが有りました。ですので、1996年リゼルヴァは平行もの、2001年リゼルヴァは正規ものになります。ご注意くださいね。
で、上記の写真は、ラシーヌさんのソルデーラ取り扱い記念試飲会でのワンショットです。右から順に、
1994年ブルネッロ
1995年ブルネッロ・リゼルヴァ
1999年ブルネッロ
2000年ブルネッロ・リゼルヴァ
2001年ブルネッロ・リゼルヴァ
となっています。
色を見ていただきたいのですが、お判りになるでしょうか?右から2番目のグラスの色が、とても濃いですよね。noisyが知っているソルデーラのブルネッロは、やはりこの系統です。ソルデーラと言えば、
「硬くてガチガチ、濃い、熟成に時間が掛かる」
というイメージでした。
しかしながら、1999年もの辺りからそのイメージは薄まり、今回ご紹介の2001年リゼルヴァでは、
「ピュアでエレガント。まるでブルゴーニュ・グランクリュを思わせるようなシルキーな接触感。」
を持ちながら、
「超一流のワインしか持ち得ない品格」
を、丸っきりのリキミ無く、極自然に感じさせてくれました。
これは、40年近くを掛けて徐々につくり上げてきたカーセ・バッセの農園の集大成として、
「エレガントなワイン」
を目指し、結果を見た訳です。ですので、昔のイメージでしか見ていなかったnoisyは、ちょっと時代遅れだったのかもしれません。
2001年のリゼルヴァが持つ、心に直接訴えかけてくるような神妙さに、思わず背筋に鳥肌が立ってしまいました。古いカーセ・バッセのブルネッロも全く同様の印象ですが、同じワインのリリース直後はとても硬くて飲めなかったことを思えば、とても美味しく飲めるようになっている2001年の存在は、想定外の大きな驚きでした。
そしてこの傾向はもはや変わらないと思います。強さに重きを置かず、エレガンスを最も重要視しているソルデーラの意向が感じられました。大樽で熟成させた超自然な葡萄をワインにしていますので、ある意味では当然の帰結でもあります。
また、1996年のリゼルヴァは、現在のソルデーラに至る通過点です。色合いはそれなりに濃く、力強いタイプとエレガントなタイプのちょうど中間と想像されます。アドヴォケイト誌は、実はとっても面白い評価結果をしています。
つい最近まで、1995年以降は、余り高い評価をしてきませんでした。
1990年ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 98点
1995年ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ・インティスティエティ98点
は、PKさんの評価です。それ以外と以降はちょっと低め・・・でした。
ところが、ヴェロネッリ誌出身のダニエル・トーマシスさんや、現在のアントニオ・ガッローニさんが評価をするようになったら・・・評価ポイントが上がってきました。2001年のブルネッロ・リゼルヴァには、何と、
「96点」
もついているんですよね。アドヴォケイトがこのワインに96点なんて・・・、グラヴネールの偉大な94年ブレッグより普通のマコンの方がマシ、と断じたアドヴィケイトがですよ?
何しろ味わい、香りともに、エレガントなブルゴーニュワインのようなものですから、PKさんなら、絶対に高い点が付くはず無いんです。これはnoisyも実際に飲んでいますので・・、どう考えてもPKさん好みでは無いです。
96年のリゼルヴァは、ラシーヌさんの扱いでは無いので単純な比較は出来ませんが、2001年リゼルヴァと方向性は近いように想像されます。
カーゼ・バッセ/ジャンフランコ・ソルデーラは、インティスティエティのリリースを止めてブレンドをすることにし、また、ノーマルのブルネッロを造る事さえも止めてしまいました。現在はただ1種類の、その年のカーセ・バッセを、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァとしてリリースしています。
誰にでも手を出せるようなプライスのワインでは有りません。でも、飲んだ瞬間に、ジャンフランコ・ソルデーラが日々行っている手入れの行き届いた農園の情景が目に浮かんでくるでしょう。恐ろしくピュアで、底が無く、周りの空気を止め処なく吸い込んでしまうようなブラックホールのようなワインです。その世界観やスケールにノックアウトされてしまう、イタリアを代表するワインと言えるでしょう。おそらく何も蹂躪せず、されていない本当に素晴らしいワインです。是非一度は何とか飲んでみて欲しいと思います。超お薦めです!