● Noisy wine はブルゴーニュだけだと思っていらっしゃる方が多いのは事実なのでしょうが、意外にも結構・・有るんですよ・・。ご紹介しないうちに無くなっちゃったり、時間と気力が不足して書いていないだけだったり・・もします。
まぁ・・良くご存じの方は、
「全てがタイトな中、良くそんなに・・書けるよね・・」
と・・慰めのお言葉を掛けていただける訳ですが、ブルゴーニュを出さないと新着も芳しく無いのも事実でして・・ついつい・・
ですが今回はボルドーです。しかも・・ポイヤックとかマルゴーとかでは無く、さらに上流のソーテルヌ・・です。
「・・えっ?・・貴腐?」
と思われたかと思いますが、まぁ・・貴腐っちゃぁ貴腐ですが、それだけじゃ在りません。
なんと・・
「スパークリング!」
です。・・書いてはいませんがクレマン・・でしょう。瓶内二次発酵の本格派です。
しかも・・
「あのシャトー・ディケム!・・の・・お隣・・」
の、シャトー・ダルシュです。2級格付けですが、近年さらに良くなって来ているとのことで・・いや、ソーテルヌとしては確認していませんが、
「・・これはちょっと捨て置けないな・・」
と感じる、素晴らしい出来です。
■ エージェント情報

◇ 魔法の畑ソーテルヌ
ガロンヌ河の支流、シロン川の両側に広がる類まれな奇跡を生み出す畑、バルサック、プレニャック、ボンム、ファルグそしてソーテルヌ。シャトー・ダルシュはこの5つの村の中で最も高名なこのソーテルヌ村の中心に位置しています。ボルドーの南40㎞に位置するこの畑はガロンヌ河とシロン川によって特徴付けられます。シロン川の冷たい水とガロンヌ河の温かい水が出会うことによって、夏の終わりから朝霧が発生し、最適な湿度が得られます。午後の乾いた気候によりブドウは凝縮していくのです。シャトー・ダルシュはシロン川の近くに位置しており、ソーテルヌワインに必要不可欠なボトリティス・シネレア、通称『貴腐菌』の発生に非常に有利な特別なミクロクリマを有しています。砂利質土壌が力強さ、粘土質土壌は香り、そしてシルト土壌が繊細さを与えます。その優れた立地と土壌の多様性がシャトー・ダルシュの特別な味わいを生み出すのです。
ダルシュ家は13世紀から続くアルシュ(バ=リムーザン)のTurenne(テュレンヌ)子爵領出身の貴族です。1611年、騎士でありアルシュ領主でもあったBernard d’Arche(ベルナール・ダルシュ)の長男であり8代目であるEtienne d‘Arche(エティエンヌ・ダルシュ)がボルドー地方に定住した家族の畑を形成しました。ボルドー大学の医師であり、ギュイエンヌ議会の弁護士でもあった彼は、家族経営で畑から醸造まで情熱を注ぐ造り手の先駆者だったのです。

シャトー・ダルシュは生物多様性の保全に積極的に取り組んできました。2010年にはISO14001に参加、2019年には環境維持への配慮をしたHaute Valeur Environnementale/HVEの認定を受けています。植物検疫、堆肥管理、馬による工作も導入しています。これらの認証取得は私たちが遂行したすべての結果であり、生態系への影響、従業員と住民たちの幸福と健康保護が認められたことを意味しています。2024年にはビオロジック認証取得予定です。
【なんと・・貴腐ワインを蔗糖として加えて造る、ある意味・・「唯一無比・完全無敵のマリアージュ」を期待させる見事な泡です!・・再入荷!】

「・・マジすか・・?」
と・・
「・・おっ・・その手が有ったか!」
と・・飲んだらきっと思われるでしょう。
この細やかで旺盛な泡・・ほんのりと漂う貴腐の高貴なアロマ・・締まりを持ちながらも膨らもうとする中域、中盤以降の口内、ノーズへの表情の豊かさと複雑性、低域から持ち上がろうとするビターさを適度に含んだコク。
甘いような・・蜜のようなニュアンスを持ちながらもエグさを持たず、甘く無く・・セミヨンとソーヴィニヨンによるブラン・ド・ブランの華やかさ、柑橘と果実の誘惑は繊細で、実に心地良いんですね。
フルーティで軽やかさも有りながら、口内を支配できるパワーを持った貴腐ワインを門出のリキュール代わりに少量使用しているようですが、これがまたこのクレマンと言いますか・・ムスーと言えば良いのか・・この気品に一役も二役も買っているんですね・・。
面白いのは、この細やかさが目に見える泡で、
「・・おっ・・クイクイ、行けるかな・・」
などと想像しがちですが・・

いや、人間はその存在感を察知すると。。けっしてクイクイっとは飲めないんですよ。
思わず・・複雑で均整の取れた味わいを受け取ろうとして、グイグイなんてとてもとても・・。クイクイも行かないでしょう。
この特異な液体が、
「どんなパフォーマンスを見せるんだ?」
と気になってしまうのかもしれません。
前半も素晴らしいんですが後半のパフォーマンスも半端無いです。余韻も綺麗に収束します・・でも・・それだけじゃないんですね。
何も無くなった・・誰もいないのに、まだ・・何かがパフォーマンスしているのにきっと気付かれるでしょう。ジーンっと・・口内の味蕾から、情報を受け取ると思うんですね。
そう・・ソーテルヌの残像・・と言えるでしょうか。
甘く無いんですよ全然。匂わせるだけです。
でも確実に、甘いゴージャスなソーテルヌをいただいた後の、「後を引く感じ」の若干重みのある何かが・・それなりに長く存在するんですね。
そしてこの存在が、料理とのマリアージュを相当に拡げていると感じます。
ワインとしての味わいもまた、
「・・こんなにバランスが良いなんて・・」
と感じてしまうほどです。
そしてついつい・・料理を口にしながらこの貴腐的泡ものを何度も口にしているうちに・・
「・・あれ?・・もう・・残ってないじゃん・・」
と・・軽くなった空のボトルに気付かれるでしょう。
非常に充実していて、大きい味わいだと思います。見た目はスタイリッシュです。是非飲んでみてください。そうは無い・・スタイルの泡です!