実際のところはイケムは1999年にL.V.M.H.の傘下に入っちゃいましたんで、イケムに誇らしげにエチケットされていた「Lur Saluces」の文字が無くなっちゃってますよね。
以前は
Chateau d'Yquem
Lur Saluces
だったのが、
Chateau d'Yquem
Sauternes
になってます。

上記は1996年のイケムですから、当然ながら Lur Saluces・・・。まぁ、似ている文字列ではありますが、時代の流れを感じてしまいますね。
現在イケムの所有関係はどうなってるのか判りませんが、以前の醸造チームはそのまま・・と言うことだったと思いますんで、この数百年も所有している「シャトー・ド・ファルグ」も、同じように造られていると言われています。
生産量は1.5万本ほど、ボルドーのシャトーとしますと非常に少ないです。1本の葡萄の樹から1本のイケムが出来るが、ド・ファルグは2/3しか出来ないとも言われていました。非常に希少なソーテルヌです。
色合いも赤みが出てきていて、非常に美しいです。
で、1994年はアベレージな・・普通な出来のヴィンテージとされていて、そんなんですから著名な評価機関は軒並み評価を避けています。何ででしょうかね~・・。理由が有るのでしょうか。
しかしながら、そんな「普通な年」だからこその「美味しさ」を見つけることが出来るのが、ソーテルヌの良さなんですよ・・まぁ、ファルグ(村)ですけどね・・ホント、単純な名付けです。
この見事に赤さを纏い始めた1994年のド・ファルグは、今が2016年ですから22歳ですよね?・・良い出来の年だと、このクラスのワインではまだここまで「赤味」は出ないんですね。
そして、グレートイヤーはクリーミーで妖艶ささえ持った「甘味」が持ち味なんですが、普通の年はその甘味はやや抑えめで、酸の下支えがしっかり有るこのクラスのソーテルヌは、
「かなり美味しいはず!」
と見ています。少ない量しか購入できなかったのが非常に残念!・・この位の価格なら、量さえ購入できれば飲めたんですが・・。本当にそそられる色合いです。
またイケムよりは熟成が早いですし、価格は1/4~1/3ですので、味わいが区別付かないと言うことも有って、とても面白い存在かと思います。
甘口好きの方には、飲んでおきたいワインのひとつでしょう。サリュース家の秘宝・・ド・ファルグです。ご検討ください。