【一見してルイ・ジャドのクレジットが見えない、クラシカルなエチケットの18年もの、2001年ムーラン=ナ=バンのクリュ、シャン・ド・クールです!】
どうやらこのワイン、仕入れていたようで・・忘れてました。
「そろそろ・・引き取っていただけないですか~?」
と言われたので、一体何の話しだろうと訝し気な気持ちでヨクヨク思い出してみると・・買ってたんですね~~。しかもとても中途半端な数。飲めるほど、飲んでも経費をひねり出せるほどの数では無く、でも無理をすれば何とかなるが、そうしてしまうと販売価格が高くなり過ぎてしまう・・と言うような微妙な数量です。
下記に記載の、2006年ものを仕入れた時は、おのおの2~3ケースは有ったし、価格ももっと安かったので、やりやすかったんですね。
良年の2001年、しかも買収されてまだ5年・・と言うタイミングで、
「完熟に近い18年と言う歳月を経ているクリュ・ボージョレ」
で有って、しかも、
「マセラシオン・カルボニックによらない通常発酵のシャトー・デ・ジャック!」
と言うことですから、noisy の気を引かない訳が無い・・訳です・・(^^ 因みにこのシャン・ド・クーは、ムーラン=ナ=ヴァンの最南端にある2ヘクタールの小さなクリマ。新樽100%で仕上げられ、良い年のワインは数十年の熟成も期待できると言われています。
最も、このシャン・ド・クーが全開な姿を見せるには、もしかしたら今のタイミングでは有るかもしれないのですが、
「クリュ・ボージョレが真の姿を見せるのには、今までの年月と同じだけの時間が必要!」
とも・・言えちゃう訳です。
いや、この意味を身に染みて理解されていらっしゃる方は少ないと思いますよ。年老いた超老木の葡萄が、もう、自分に来年は来ないかもしれない・・と感じた時に僅かに収穫される、まさに生命の継承と言える葡萄の粒によるワインは、やはり素晴らしいワインになります。
同じように、そんなワインが長く良い状態でおかれることが前提になりますが、もし同様に、もう、自身を持ちこたえさせることが出来なくなった時、「崩壊」が始まります。
その崩壊が及ぼす、断末魔とも言えるような物凄いアロマ、エナジーを完全燃焼したかのような味わいに・・触れることが出来たとしたら、そこには品種などは関係ないんですね。
ムーラン=ナ=ヴァン、モルゴンと言ったトップ・クリュ・ボージョレが、そのような時を迎えた時、やはり一人の人間として、受け取るものは非常に多いと言えます。
おそらく完熟に近いと思いますが、まだまだ・・行けるはずです。ご検討くださいませ。
以下は2006年のシャン・ド・クー(シャン・ド・クール)、ラ・ロシュ、クロ・デ・トランのレヴューです。
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【ガメ?ピノ・ノワール?・・ちゃんと判るでしょうか?たぶん間違えると思いますよ!これはとても楽しい大人の遊びです!】
店も古いので仕方が無いけれど、まぁ・・この夏、アチコチ壊れて・・参ってしまいました。自動ドアが2回、ベルトが外れるトラブル。2度目がついこの間なので、まだ noisy が応急修理しただけになってます。・・だからベルトがもう駄目だから交換してくれって言ったのに、「あ~・・う~・・」言うだけでやってくれなかったからね・・。エンジニアなんだからモノが古いとはしても、何とかするもんでしょ。ただ増し締めしただけで帰っちゃうならやらないでも同じ・・。
まぁ、それは良いにしても、今度はPOSシステムも・・ウンともスンとも言わずにお亡くなりに・・。連動しているパソコンシステムは生きていたので、運営そのものは大きな問題には成らなかったものの・・やはり不便でね。
で、ようやく新システムに切り替わったのだが、今度はそのPOSシステムのOSがWindows7になってしまった関係で、LAN
でつながっている店内のPCとの連携が上手く行かなくなってしまって・・。PCを更新したり、メモリを増やしたりハードディスクを変えたりOSを上げたりと・・まぁ忙しいったらありゃしない・・。
「私はワイン屋じゃ無かったのか!」
と言いたくなるような仕事ぶりでした。ホント、何か信頼出来ない部分が有ると困っちゃいますよね。自動ドアが動かないということは、誰かがいらっしゃれば、

誰かがドアを開けてあげなきゃ成らないわけで、内装工事人に扮し、ドタバタやりながらも、ドアを開けたり閉めたりと・・まぁ、大変な夏でした。
そんな中で今回のシャトー・デ・ジャックの3アイテムが到着し、12本ずつなので・・飲めても2本、普通なら1本が限度と言う内容だったんですが、汗水流しつつ苦労したもので・・
「・・いいや!飲んじゃお!」
とばかりに結局3アイテム全部飲んじゃいました。・・唯一の愉しみ・・(^^;;でした。
ここまで書いてますが、まぁ、ここまで詠んで下さってる方はそんなことは無いと思いますが、
「ん?・・ガメか!・・興味無し!」
とばかりの方が多いのでね・・。そんなガメに対する印象を除いてあげたいと、常々思う訳です。
大体、このシャトー・デ・ジャックのワインは飲まれたことのある方も多いと思いますが、
「ん?・・ピノじゃないの、これ?」
と感じたんじゃないかと思うんですね。

普通、この地域のワインはマセラシオン・カルボニックという製法で、つまり、全房発酵、炭酸ガス浸漬法で造られますが、シャトー・デ・ジャックは普通に造ります。なので、濃度はしっかり出てきます。まず、そこが大きく違います。
また、このムーラン・ナヴァンというA.O.C.のワインは、比較的濃い果実味の味わいになります。これはテロワール・・つまり畑のミネラリティの組成と天候がそうさせているんですね。
なので、このシャトー・デ・ジャックを飲んで、
「ん!ガメ(ガメイ)ですね!」
と即答できる方は、むしろボージョレ・マスターと言えるんじゃないでしょうか。noisy
もちょっと自信無いです。それほどまでにピノ・ノワールと酷似しているんです。
ムーラン・ナヴァン・シャン・ド・クーは、コート・ド・ニュイで言うと「シャンボール=ミュジニー」タイプのミネラリティとテクスチュアを感じる仕上がりです。2006年ですから熟し始めていますが、今も美味しいとしても、まだまだ先の長いワインでも有ります。ドメーヌでもこの3種のワインは10年~20年、良いコンディションを保つと言ってます。非常に長い寿命が有ります。で、その上でムーラン=ナヴァン的、非常に特徴的なミネラリティ、まぁ、マンガン由来・・と言うのが定説ですが、火薬とか鉄とか錆びとか・・そんな複雑なニュアンスが有ります。とても美味しいです。
ムーラン・ナヴァン・ラ・ロシュは、その「ラ・ロシュ」と言う名前とは少し裏腹に、非常に「ジュヴレ=シャンベルタン」的な鉱物・・鉄っぽく、男っぽいニュアンスがする味わいです。細やかな澱もそれなりに出ており、またタンニンも少し感じます。ふくよかでおおらかですが、とても複雑性が高く、大きなワインと言えるでしょう。その上で上記のムーラン・ナヴァン的な面を見せます。
ムーラン・ナヴァン・クロ・デ・トラン は、最もムーラン・ナヴァン的なワイン・・と言えるかもしれません。とてもバランスが良く、むしろ上記2アイテムの中間的要素に満ちています。
もともと、ここは「ロマネシュ=トラン」と言う村ですんで、ムーラン=ナヴァンじゃぁ無いんですね。何でもロマネシュ=トランの「風車」が有名だったのでA.O.C.を「ムーラン・ナヴァン」にしたと・・もう30数年前に読んだ本に書いてあったような気がします。間違ってたらすみません・・。
で、そのトラン の名前が付いた畑・・見事に「クロ・デ・トラン」(トランのクロ)と言う名前で、しかも非常にムーラン・ナヴァン的なのは当たり前のことなのかもしれません。ある意味、コート・ド・ニュイで言えばヴォーヌ=ロマネ的かもしれません。
こんなワインの飲み方は、まぁ・・普通じゃないとは思いますが、人間、やってきたことの延長でしか理解できないもんですよね。なので、非常にnoisy
的過ぎて何をおっしゃってるのか判らん・・と思われるかもしれませんが、少なくとも、ボージョレ、ボージョレした、軽いガメでは無いということ。そして、そのレベルはワインに精通した者さえ騙せるものであること。そしてとてもピノ・ノワール的・・いや、ブルゴーニュワインであると素直に感じる高いレベルのものであること・・が言えると思います。
しかも2006年とブルゴーニュ的な仕上がりのヴィンテージで有り、熟し始めて来ているので、醸造時由来のアロマティックな香りと熟成により生まれた「ブケ」の両立が有り、ブケが段々支配的になりつつある段階のワインです。
熟成させて飲む・・ワインファンの願うところでは有りますが、実際は非常に難しいものです。今回はシャトー・デ・ジャックの古酒がとても安いです。是非価格も調べてみてください。・・あ、今回のは
「畑名付きムーラン・ナヴァン」・・つまり「クリュのクリュ」ですんで、畑名無しのムーラン・ナヴァンやACブルゴーニュとは「
格が違う」のでご注意ください。こちらの方が全然上です。通常は6千円位かな?・・と思います。3本も飲んじゃいましたんで赤字覚悟・・のレヴューでした。ご検討くださいませ。