
いや~・・結構、美味しいと思います・・と言うか、非常に懐かしい・・と言うべきか、
「・・そ、そうなのよ・・これがワイン!」
と、妙に納得させられちゃうんですよね。
全然凄く無いんだけど、「凄く美味しい!」と直感的に思わせるような「何か」を持ってるんですよね。それがセパージュ(メルロ約8割、カベルネ・フラン約2割の右岸のゴールデン・セパージュ?)に依るものなのか、もしくは単にノスタルジーに浸ってしまう「おじさん的回顧主義」由来なのかは判りませんが、飲んでいて・・
「・・いつの間にか涙ぐんでる自分に気付く・・かもしれない・・」
と言うような状況になっちゃってるんですね・・。
ピュアでもナチュラルでも無い・・果実の風味がキツイほど有る訳じゃ無い・・さらにはミネラリティがギシギシ詰まってるような超熟さなど欠片も感じない・・だけど、
「旨いんだな・・これが!」
となっちゃうんですね。
そりゃぁ、昨今のサンテミリオンのフルーツ爆弾のようなワインも、ちょっと飲むには良いかもしれないですよ。でも、いつまでも飲んでると飽きて来ちゃう。
どこかにワビサビを感じさせる、ちょうど良い、探してみるとちゃんと見つかったりする・・ある意味、ルイ・ユエランのシャンボールにも似た性格なのかもしれません。・・いや、勘違いされちゃうかな・・2014年のルイ・ユエランのシャンボールは絶品ですんで・・ほぼ完ぺきです。しっかりしてるのに柔らかい若いシャンボールなんて、飲んだこと無いと思いますが?・・いや、ここはルイ・ユエランのコラムじゃ無かったですね。
おそらく、昔、ワインを飲み始めたころの、ちょっと良いクラスのボルドーがこんなような味わいで、しかも昨今のコンディションを悪くしないような輸入ができるようになったことが、さらに美味しく感じさせちゃうのでしょう。
だから、もしかしたら若い方には・・
「・・はぁ?・・全然普通じゃん!」
と言われちゃうかもしれません。
でもそうだなぁ・・歳は別にして20年近くワインを飲まれている方なら、琴線に触れて大感激するかもしれません。そう・・ワインの味わいって・・こうだったよね~!・・と思っていただけると思います。
コンディションも良し、エチケットもさほど汚くない、良い感じに熟したエレガント系のサンテミリオンです。薄汚れたように見えるかもしれませんが、それ・・デザインでして、エチケットの真ん中にシャトーが薄く印刷されているんですね・・。それがちょっとそんな雰囲気に見せちゃってますが、結構綺麗な方だと思います。
味わいも熟したメルロの舌触りとカベルネ・フランの芯、粘土がもたらす少しの官能感が出始めた、
「元シャトー・フィジャック」
の畑のワインです。ご検討くださいませ。