ドメーヌ・ベルナール・デュガ=ピィ
ベルナール・デュガ=ピィ
フランス Domaine Bernard Dugat-Py ブルゴーニュ
● 本当に久しぶりのご案内になるデュガ=ピィです。その昔は、
「デュガと言ったらベルナール・デュガ!」
と散々に言って来たんですが、いつの間にかスムーズには仕入れができないようになってしまいまして、消滅・・でした。まぁ、このワイン業界も実際は喰うか喰われるかの弱肉強食の世界・・と言うような一面も有りまして、ワイン屋も言うに及ばず、インポーターさんも時代の流れに沿えなかったのか、淘汰されてきた歴史が有ります。
思い起こせば銀座や新宿・・だったか、M と言う老舗のワイン屋、インポーターさんが有りましたが、物凄いラインナップでした。noisy も中々店に入るのも躊躇してしまうような感じで、たぶん・・記憶が正しければ、新宿のお店は通路から少しワインが見えるんですが、それこそクロ・ド・タールとかルソーとか・・暗い店内のガラス越しに見えたんですよね・・。
「・・いつか絶対、飲んでやろう!」
なんて・・ね。お小遣いも少なかったので簡単には買えませんでした・・飲まなきゃならないワインが一杯でした。
そんな Mさんが「飛んだ」と言うような噂を耳にしましたが、その後、裏ではまたインポーターさん同士による熾烈な争奪戦が始まったそうです。まぁ・・そんな戦いみたいなものにならないとはしても、今もまだそんなことはしょっちゅう有るようですし、クルティエさんと上手く行かなくなったとか、価格が上がり過ぎて・・とか、数量が増えて・・減って・・など、苦労に堪えない訳ですね。
noisy が僅かばかりにベルナール・デュガを分けて貰っていたインポーターさんも、今は全く・・音沙汰が無くなって久しいです。
それでも1994年頃までは、知る人ぞ知るジュヴレの生産者だったベルナール・デュガですが、やはりルロワがシャルム=シャンベルタンを買っていた・・のが大きいでしょうか。その樽売りを止めてから、ベルナール・デュガの名声は急上昇した訳ですが、同時期より少し後に晴れ舞台に上がった「クロード・デュガ」さんの陰に隠れるようになってしまったので、上記の、デュガと言ったらベルナール!・・みたいなフレーズを声高に言っていたように記憶しています。
で、今更なんで・・ベルナールか・・と言いますと、先だってご案内させていただいた、
「リシャール・スガン」
が原因です。
親戚同士で有り、シャルムなどと素晴らしい畑をレンタルしているスガン家ですので、いずれデュガ=ピィから畑が返って来るとのことで、いきなり・・
「そうだ・・デュガ=ピィ・・。どうなっちゃってるんだろう・・」
と、相当長いこと放置してしまっていたデュガ=ピィが気になっちゃったんですね。
そんな訳で、ブローカーのリストに出ていた、かなりリーズナブルだと感じたジュヴレ=シャンベルタンの村名の上級キュヴェを仕入れてみました。
● 2014 Gevrey-Chambertin Cuvee Coeur de Roy Tres Vieilles Vignes
ジュヴレ=シャンベルタン・キュヴェ・クール・ド・ロワ・トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
● 2014 Gevrey-Chambertin les Evocelles Vieilles Vignes
ジュヴレ=シャンベルタン・レ・ゼヴォセル・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【遅摘み系だったクロード・デュガと早摘み系だったデュガ=ピィ!その対比も面白いです!・・今回は価格勝負のブレンド系クール・ド・ロワに単一畑のレ・ゼヴォセル!】
もっと一杯仕入れられる予定だったんですが、思いの外・・少なくなってしまいまして、飲むのを諦めました。その分、リーズナブルにご案内出来ますので、気になられていらっしゃる方も結構おられましたら・・ちょうど良いかなと。
まずはクール・ド・ロワ・トレV.V.です。こちらはジュヴレの村のアチコチにある畑のブレンドですね。樹齢は50年~100年超・・と言う、かなりの古木由来のキュヴェです。2014年ものですので年も良く、ブルゴーニュワインに厳しいブルゴーニュ専門家?・・のアレン・メドゥズさんは90~92ポイントと、中々の評価です。
クロード・デュガと違って遅熟させないので、昔と変わっていなければ美しい酸が有るはずです。クロードさんちも最近は昔のような「濃厚な」「新樽100%」みたいな造りでは無くなり、エキス系の美味しいワインに仕上がっていますが、大分似て来たかもしれません。
しかしながら、リシャール・スガンのジュヴレのワインも非常に美味しく、むしろ柔らかくも太いボディが感じられまして・・、随分と叔父さんのベルナールさんの指導を受けたようなことを聞きましたので、
「オリヴィエ・バーンスタイン系・・も有り?」
な予感もしています。
まぁ、実際に自分で確かめるつもりだったんですが、5本しかないので・・どうにもなりません。
また、正規品は22000円上代のようですから・・村名でそんなもの凄い価格にビックリですが、バーンスタインも(上代25000円だった・・)その辺りを気にしていたのかもしれません。
レ・ゼヴォセルは単一畑ものです。村の東に展開する低地の村名畑では無く、村の西上部、最北部に有りまして、秀逸な1級畑「レ・シャンポー」に抱かれるような感じで存在する冷ややかで痩せた畑です。
言ってみればクール・ド・ロワのバランスの取れた味わいと、ややタイトな側面を持ったレ・ゼヴォセル・・でしょうか。とは申せ、noisy ももう相当に長いこと飲んでいませんので、想像の世界の妄言?・・でしか在りません。
こちら正規品は24000円上代で、クール・ド・ロワより少々高価ですが、今回の販売価格は一緒です。
やはりメドゥズさんは上値で同様に92ポイントです。若いうちのタイトさを見て、やや幅の広いポイント付けになったと想像しています。もしかして・・いや、無いかな~とは思いますが、
「リシャール・スガン作のレ・ゼヴォセル!」
が2年後位にリリースされないとも限らないので、もしそうなると・・ちょっと面白いですよね。
価格も非常にリーズナブルでしょう?・・まぁ、流石に村名に24000円は手を出し辛いとしても、この位でしたら・・!ご検討くださいませ。
P.S.今回の品物は正規では有りません。ブローカー購入です。飲んではいませんがコンディションもチェックしています。
● 2001 Charmes-Chambertin Grand Cru
シャルム=シャンベルタン・グラン・クリュ
【アドヴォケイトは95-97!】
「まあ、当然ですけどnoisy さんは、デュガ=ピィ、嫌いですよね?」
・・・ほうら、来た・・・来るとは思ってたけど!
エレガンス、フィネス、美しさ命の noisy!のように受け止められているであろうと自分では思っています。ですから、デュガ=ピィのワインは・・・好きですよ・・・あははは。
つまり、濃いだけで中身が無いワインが好きじゃないんです。ようは、カッコだけつけてて中身に乏しく性格の悪いのがキライなんです・・・。
なので、デュガ=ピィのワインは、皆さんがその存在を知らない頃から、何とか手に入れようと、そして、何とか手に入れてチョコチョコ販売していました。充実した果実のフレーヴァーがノックアウトさせてくれる感じも、確かに良かったです。それでも、その裏側には、しっかりとフィネスが漂っていましたよ。
ですんで、
「デュガ=ピィは濃いだけ・・・」
なんて声が聞こえてくるとムキになって反論したくなりました。・・・でも、このチンケなワインの世界はなかなかに偏屈でも有って、今まで普通に購入できたものが、いきなり買えなくなってしまったり・・・しました。ですので、昨今はさっぱり・・・飲めないワインになっちゃいましたね。
もともとのデュガ=ピィのトップワイン、それがこのシャルム=シャンベルタンです。ドメーヌでは無かったルロワにワインを供給していた・・と言われ、実直な仕事が想像できた造り手でした。2001年のシャルムは、ロヴァーニさんの担当でしたがアドヴォケイトで95-97と、凄い評価です。濃いだけじゃない・・エレガンスもしっかりあるんだ・・・それを是非、堪能していただきたいと思います。ご興味のある方へ。
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