
基本的にシロ=ショードロンのポマールにはプルミエ・クリュの畑は無いはずですが、オスピス・ド・ボーヌのサイトの地図には、「1級レ・ゼプノ」の辺りに紋章が有り、
「ん?」
と・・どう言うことなのかな?・・とちょっと良く判りません。また、現在リリースされているアイテムはシロ=ショードロンではなくスザンヌ=ショードロンになっていると思います。何せ、
「35年ものの古酒!」
ですから、状況も変わって来るのでしょう。徐々に寄進した畑が増えて行った可能性も有りますが、その辺の事情は分かりません。
このキュヴェ・シロ=ショードロンですが、1979年にシロ=ショードロン夫婦がブドウ畑をオスピス・ド・ボーヌに寄進して始まったようです。1977年から1988年?・・まではオスピスの醸造・管理の責任者に、あの「アンドレ・ポルシュレ」さんが敏腕をふるっていました。ドメーヌ・ルロワ立ち上げのためにポルシュレさんが抜けてからはローラン・マスさんでしょうか。ドメーヌ・ルロワが立ち上がってからはポルシュレさんが少々の期間、戻っているはずなので、
「1989年と1990年ものはローラン・マスさんが責任者?」
かなと思います。
このキュヴェ・シロ=ショードロンですが、勿論・・正規などは有りませんので、ブローカー仕入です。
落札販売者はメゾン・ブシャール・ペール・エ・フェス、1989年は量も質も整った良い年です。ブシャールは、1995年にアンリオに買収されてから立ち直りましたが、この時期は今一つでした。
それでもネゴシアンとしては普通だったと思いますので、
「樽を持って来て仕立てて販売する!」
と言うのは・・
「得意中の得意・・と言うか、それしかしてなかった?」
訳ですから・・はい。
で、沢山買えたら飲むつもりで発注したのですが、たった数本なので・・飲むのは諦めました。
状態は、色彩は照りが有り良好、液量はキャプセルからほぼ1.5~2.0cm以内ほどで揃っています。キャプスュルは回るものと回らないもの・・漏れて固着している感じでは無く、液量も揃っているので問題は有ったとしても軽微と判断しています。コルクは引き込まれてはいません・・ただし、お客様のところにクール便で行きますので、引き込まない保証は出来ないです。
エチケットは35年の年月を考慮しますと綺麗ですが、新品同様とは行きません。擦れが有るボトルも有りますし、互い違いになったときのキャプスュルのオレンジ色が微妙に色移りしているのが判るかと思います。
何せ収穫から35年、リリースからは33年近く経っています。・・・しかし、
「基本的にクラシカルな造りで超熟なポマール」
です。甘くて膨大な果実の風味を閉じ込めた最近のスタイルでは無く、
「新樽100%で仕上げたクラシカルなエキス系ピノ・ノワール」
ですので、いい加減に飲んで良いかと・・
まぁ・・海外メディアのテイスターさんなら、
「お前はもう・・Xんでいる」
「25年前に飲むべきだった」
と言うのかもしれませんが、そんなことは有り得ないと・・古く、放出が単純だと思えば、先の閉じた古酒用のグラスを使うべきですし、開けた直後から素晴らしい芳香に出会えたなら、そのまま解放したグラスで行っても良いでしょう。
来やすく古酒が飲めない時代ですが、この価格なら・・古酒のお試しにでもいかがでしょうか。あれやこれやと知恵を絞りながら美味しく飲む方法を見つけ出すと言うのも、ピノ・ノワールの楽しみとして在りです。ご検討くださいませ。
■上の写真について
ワインの後ろから光を当てたものです。光量が少ないと写真に変化が現れず、スポット的にライトを当てても肉眼では良くても写真にするとダメで、結局、
「長さ30cm、全光量540lmの昼白色のLEDライト」
をワインの裏側から当てることで、何とか判断できるものになりました。
右と左は同じボトルですが、写真サイズに微妙な差があるため、液量などが異なって見えるかもしれません。
ある程度光量が有りますので、
「淡く見える」
と思います。
またヴィンテージの新しいワインは「暗め」、古いワインは「明るめ」に見えます。どうぞよろしくお願いいたします。
注:もう少し何とかならないかトライしてみます。