ドメーヌ・クリスチャン・ベラン・エ・フィス
クリスチャン・ベラン・エ・フィス
フランス Domaine Christian Bellang et Fils ブルゴーニュ
● 2022年のクリスチャン・ベランの第一弾、シャルドネをご紹介させていただきます。赤も一緒に出したかったのですが書き切れませんでした。
しかしクリスチャン・ベラン、
「過去一番の出来、間違い無し!」
です!
コトー・ブルギニヨンも、A.C.ブル・スーラ・ヴェルも、確実に「格上」です。サヴィニーの白は今から飲んでも滅茶美味しい・・あ、あのギルベール・ジレのドメーヌものの赤が造られる「ブランショ・デュ・ノール」のシャルドネが主体です・・・面白いですよ・・サヴィニー!
そしてムルソー・レ・ティレも過去一で、今からも美味しく飲めます。1級レ・シャルムも凄い出来!・・ですが、今開けてしまうと・・残念な気持ちになると思います。
非常に素晴らしい出来でした!・・でも為替で物凄い値上がりになってしまっています。そこを何とか、noisy の取り分を減らしてのご案内です。どうぞよろしくお願いいたします。
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2021年~2020年のクリスチャン・ベランです。非常に・・少ないです。また価格も上がっています・・が、Noisy wine としましては出来る限り抑え込んでいます。
2020年の赤(A.Cブル)は全く問題ない・・どころか、非常に素晴らしい出来です。しかも日本初登場で、ムルソーの赤的なちょっと粘性高く、赤を何度も積層させたような果実のニュアンスが有ります。
2021年の白は遅霜の被害の多いムルソーが心配されますし、下級キュヴェもどうなっているかと心配でした。なので、本来は飲める量では無かったんですが、コトー・ブルギニヨンとA.C.ブルを開けさせていただき、
「杞憂に終わった」
ことをご報告申し上げます。コトー・ブルギニヨンもスタイリッシュで瑞々しい、薫り高くミネラリティのしっかりした味わいですし、A.C.ブルはおそらくムルソーの葡萄を格下げしてブレンドしているような高貴ささえ感じさせてくれました。
ムルソーほどの壊滅状態では無かったサヴィニーの貴重な白は、問題無いだろうと・・こちらはテイスティングしませんでした。
これからの1年間は、品薄が続くと思います。リーズナブルに提供してくれている素晴らしいドメーヌです。是非ご検討くださいませ。
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ブルゴーニュワインの高騰が止まらない中、微かな希望をブルゴーニュワインファンに与えてくれる存在・・・
それはもはや非常に貴重な存在です。ヴォルネイのティエリー・グラントネ、ヴォーヌ=ロマネのジャン=ルイ・ライヤールがその代表格と言えますが、2019年のような生産量の少ないヴィンテージは Noisy wine への入荷量も半分、もしくは三分の二以下になってしまっています。
この傾向は2021年まで続くことは決定的で、今まで本当にリーズナブルに出してくれていたグラントネやライヤールも経営保護のための出荷調整や値上げがあると推測されますので、ファンにとっては「ヤキモキ」させられますよね。
ドメーヌ・クリスチャン・ベランの2019年は、2018年までよりも一段とそのポテンシャルを輝かせており、フィネスさんと言うワインの扱いの丁寧なインポーターさんの努力も有って、
「一流どころに引けを取らない素晴らしい出来になった2019~2020年!」
をお楽しみいただけます。
しかも価格は非常にリーズナブルで、フィネスさん扱いのブルゴーニュワインの中では最も安価です。そして、2019年ものの特徴なのか、ドメーヌの底力がしっかり出せるようになったのかはまだ見通しきれませんが、
「ピノ・ノワールの美味しさが大きくブラッシュアップ!」
されたことを noisy 自身で確認しています。
ですので、シャルドネはもう・・コトー・ブルギニョン・シャルドネ・キュヴェ・デ・グート・プレミアム...いつの間にか「プレミアム」が付いたように思いますが・・これでもう、充分に旨いです!レストランさん関係の評判も滅茶良いようでして、フィネスさんの担当さんによりますと、「即完売」だと言うことなんですね。まぁ・・美味しくて安いシャルドネなんですからそうなってしまうのも当然のことなのでしょう。
そしてまたサヴィニー=レ=ボーヌが美味しいんですよ。2018年までは美味しいけれどやや細身・・まぁ、サヴィニーの特徴とも言えるかもしれませんが、それでもそのフレッシュな部分を感じさせつつ、スタイリッシュさも僅かに残しつつ、ふっくらした、少しねっとり、マッタリした部分を加え、何とも完成度の高いは味わいになっています。
ムルソーもまた、サヴィニーのスタイリッシュさとは異なって、ミネラリティを多く含んだ鉱物感を強く感じさせつつ、よりマッタリねっとり・・それでいて、他の生産者よりもリーズナブルですから、シャルム1級でもまだ4桁で収まる訳なんですね。
ピノ・ノワールは2019年と言うヴィンテージの良さなのか、ベランのポテンシャルが上がったのかはまだ判らないとしましても、サヴィニーらしいスタイリッシュなボディと冷ややかな赤果実の融合・・だけに留まらず、ふくよかで大きな構造になってきていますので、これまた2018年までと大きく異なっていますし、ボーヌのロンボワもボーヌのピノらしさ・・ちょっと細やかな襞を感じさせつつ、乾いた土とベリー、チェリーの果実の融合した味わいが、まろやかに感じられるようになってきました。なので安い・・4千円台と言うA.C.ブル並みの価格で村名区画名付きの美味しさを味わえますので、
「これほどリーズナブルな生産者・・価格以上のポテンシャルを高レベルにおいて感じさせてくれるドメーヌは僅少!」
だと言えると感じます。
フィネスさんも、余りに売れすぎて・・いや、この間、担当のK君に言ったんですよ・・。
「あのさ、新しくなったカタログを送ってくれるのは良いんだけど・・全部完売じゃん・・買えるものが何も無いんじゃない?」
すると・・
「・・そうなんですよ・・普段ご紹介できるものが何も無いんです・・困ってます・・」
2019年ものと言う非常に少ない生産量のワインが中心なので・・それに新型コロナの関係で渡仏も出来ず、仕方が無いとは思いますが、何とかしないと・・と言うことろまで来ています。
お客様も2019~2021年ものと言う少ないワインを何とかゲットして今まで同様に楽しみたいと思っていらっしゃると思いますが、そこには「価格」と言う重要なファクターが有ります。そんな時、この・・
「クリスチャン・ベランが凄く良い!」
のは間違い在りませんので、是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
フォネスさんが輸入を始めてようやく二年目を迎えたクリスチャン・ベランの2018年ものです。
「クリスチャン・ベラン?・・知らないなぁ・・有名じゃないから、きっと大したことの無い味わいなんでしょ?」
と、おそらくは思われているのでしょう。
ですが飲まれたことの有る方は、決してそうは思っていないはずです。むしろ、
「・・そう・・いや・・大したことは無いから・・買わないで・・絶対に・・」
と、思っているに違い無いんですね。
何故って、心憎いほどブルゴーニュ好きの心を知っているかのような・・
「ちょうど良い・・を少し超える濃度と密度を持ったニュアンスから適度に膨張、巨大化してくれる、実は非常に頼もしく素晴らしい味わいで、しかも滅茶安い!」
んですね・・。
だから、このクリスチャン・ベランは、知っている方にとっては、
「余り人に知られたくない造り手」
なんだと思いますよ。
シャルドネはマロラクティックをしっかり目に掛けた「非常に滑らかな味わい」なのに、「酸もしっかり」有る・・・と言うことは、どういうこと?・・つまり、葡萄の質が良い=選別が厳しい=畑の仕立て、世話をきっちりやっている・・と言うことなんですね。
陰に隠れがちなピノ・ノワールも、実は非常に秀逸でして、例えば2018年もののボーヌ・ロンボワ・ルージュなどは、A.C.ブルに毛が生えた程度の価格ながら、
「ボソボソのテクスチュアでみすぼらしいボーヌ村名が多い中、しっかりミネラリティを含んだ滑らかで厚みのあるボディからエキスに富んだ旨味、そこから生まれるチェリー、ベリーの風味が滅茶素晴らしい!」
と言えるほど、
「実は並みの出来では無い!」
ことに気付くはずなんですね。
しかもですね・・何故か・・「フィネスさんからの割り当てが非常に少ない」んですよ。・・何でだと思います?
そう・・当然ですよね。「安い」「美味い」「早い(・・速くから美味しく飲める)」と、某牛丼チェーンの宣伝文句そのまんまなので、料飲店さんの引きも、ワイン屋の引きも強いらしいんですね。
なので、昨年2020年中にクリスチャン・ベランの古酒の入荷を担当のK君から聞いた時は小躍りして喜んだのですが、結局の割り当ての数が極少だったので・・noisy のように、「テイスティングしてご紹介・・結果として数をこなして利益をいただく」スタイルには、全く合致しなかったんですね。
今回の2018年ものも、決して多く無く・・いや・・非常に少なく、各アイテム1本ずつ飲んでしまいますと、完全に赤字かトントンにしかなりませんが、これもまた仕方が無いかと・・その内に何とか増やしていただこうと思っています。
何度も言いますよ・・おそらくお客様の想像を絶対に超える味わいです。
「海外のメディアも全く注目していない・・アウト・オブ・眼中の生産者」
です。
ある意味、そうだから・・このプライスが成り立っているんじゃないでしょうか。クリストフさんには申し訳ないと思えてしまうほどリーズナブルな、昨今は「非常に希少」な存在、それがクリスチャン・ベランです。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
■クリストフ氏による2018年もののコメント
2018年は太陽の年と言ってもいいヴィンテージで常に天候が良く葡萄の開花期も順調に経過した。夏はとても暑かったが適度に雨も降ったので乾燥に悩まされることもなく、糖度と酸度のバランスが素晴らしい葡萄となった。収穫は8月28日から開始し、霜や雹の被害もなく天候に恵まれたおかげで2009年以降で1番収穫量が多かった。とてもリッチだが重くはなく、赤は良く色が出ていてタンニンの質も素晴らしい。どちらかと言えば長熟型のヴィンテージになるだろう。
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シャトー・ド・ラ・ヴェルのベルトラン・ダルヴィオさんがドメーヌを閉じてしまわれたので、
「リーズナブルながら王道の濃密な白が味わえたのに・・」
と悲観していたところ、そのベルトランさんに紹介されたと言う、フィネスさんの新しい生産者のワインが到着しました。
まぁ、新しい生産者さんとなると、noisy の場合はそっくり確かめない訳には行かないので、少量のアイテムも有ったんですが、とりあえず、
「全部開けてみました!」
そしたらまぁ・・
「・・あれっ?・・こう言っちゃ申し訳ないけど、シャトー・ド・ラ・ヴェルより旨いかも!」
と思ってしまいましたよ。
白は明らかに濃密でオイリー。質感も備わる王道の味わいです。一番下のブルギニヨンなどは、プティ・ムルソーとも言いたくなるような充分過ぎるほどの出来です。
それに、ピノ・ノワールもかなり美味しいですよ。ボーヌの村名ワインは、まず・・当たることが無かったし、これからも余り期待はしないとは思うんですが、これが見事な仕上がりです。サヴィニーもスタイリッシュさを生かしたスレンダーで美しい仕上がりです。
良く言われますが、シャルドネの名手のピノは結構に旨い・・なんて、聞いたことは無いでしょうか?・・飲んだらきっと気に行っていただけると思います。ご検討くださいませ!


弊社が長年取引をしてきたシャトードラヴェルがワイン造りを辞めたのに伴い、当主のベルトランダルヴィオ氏からシャトードラヴェルと同じようなコンセプト、ラインナップ、価格帯ということでご紹介いただいた当ドメーヌ。このドメーヌは蒸留設備を所有しており、シャトードラヴェルのマールドブルゴーニュを蒸留していた関係から今回のご紹介となりました。1789年から葡萄栽培をしていたドメーヌで長らくネゴシアンに葡萄を売っていましたが、1995年に現当主クリストフ氏がドメーヌを引き継ぎ、2006年から自社瓶詰でワインを造るようになりました。父方の家系がムルソーの畑を、母方の家系がサヴィニーレボーヌの畑を所有していたので、この2つのアペラシオンを中心に約9.5haの畑を所有しています。フランスのエージェントを通して5~6年前に日本にワインが売られたことがありますが、直接の日本への輸出は今回が初めてになります。
畑はリュットレゾネ農法で有機肥料を使用しながら頻繁に耕作をして畑を活性化させています。収穫は手摘みで厳しく選別を行い、白ワインは圧搾後に低温での澱引きをしたのち、ステンレスタンク又は樫樽で22~23℃の温度でゆっくり醗酵させ、10~18ヵ月間熟成させます。複雑さよりも繊細さを重視して基本的にバトナージュは行わず、瓶詰前にコラージュとフィルターを実施します。赤ワインは100%除梗した後、ステンレスタンクで繊細さを出すために櫂入れと液循環は少なめで約3週間かけて醗酵させ、圧搾したのちに新樽20~30%の樫樽に移して12ヵ月間熟成、その後ステンレスタンクで6ヵ月間寝かせ、瓶詰前に軽くフィルターにかけます。
● 2022 Savigny-les-Beaune Blanc
サヴィニー=レ=ボーヌ・ブラン
【生産量が非常に少ないサヴィニー村の白です!多様なサヴィニーの土地柄を生かして、繊細な襞に蜜やスパイスを塗り込んだような素晴らしい出来です!】

素晴らしい出来の2022年、サヴィニーのシャルドネです。黄色が濃く、照りが仕上がりの良さを感じさせてくれます。
サヴィニーの白ワイン生産量は非常に少なく、しかし出来上がって来るワインのレベルが高いと言う・・ちょっとサヴィニーの不思議な性格を感じさせてくれます。
それこそ・・先だってのギルベール・ジレも、
「サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・プランショ・デュ・ノール」
の赤をドメーヌものでリリースしていましたよね?・・あれも希少な上に希少なワインでしたが、2021年ものは未だに飲めず・・しかし飲めた2020年ものには驚かされました!
まぁ・・ギルベール・ジレの場合は、テロワールの具現化も素晴らしいですが、ギルベール・ジレならではの・・本人の個性と言うべき姿が半端無いですよね。
で、このクリスチャン・ベランのサヴィニー・ブランも、ブランショ・デュ・ノールとその北に接するレ・ラトスをブレンドして造っているワインになります。ギルベール・ジレのように、
「造りこんだ!」
と言う感じは無く、それでもクリスチャン・ベラン風の、
「ほんのり・・樽、だからほんのりエロスにピュアなフレーヴァーが光る透明感の高い味わい!」
になっていると感じます。ギルベール・ジレのワインは凄い透明感が有る・・とは思わないです。やはりその辺、どちらを取るか?・・好みか?・・みたいな部分なんでしょうね。

しかし、ギルベール・ジレのワインがなんでこんなにウケたのか・・良くは判っていないんですが、noisy 的には、
「存在感が凄い!」
と思う訳で、それをお客様も飲まれて・・背筋がゾゾゾっと来てしまったのを感じて、
「・・これ、欲しい!」
と思われたのでしょう。
このクリスチャン・ベランのサヴィニー・ブランは、存在感は素晴らしく有るんですが、一般的に言って普通な感じなんですね。
「物凄く、何々が凄い!」
と言うよりも、
「トータルの美味しさが半端無い!」
と言うべきスタイルなんでしょう。
そもそもはこれ、5千円以下だった訳ですからね・・今、以前のクリスチャン・ベランのこのワインのバックヴィンテージを飲まれたなら、
「・・失敗した・・もっと購入して置けばよかった・・」
と思われるはずです。
複雑性、繊細、美しい仕上がりの非常に高質なサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランです!・・是非飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【5千円以下のブルゴーニュ・シャルドネでは相当高い評価をするべきポテンシャルです!ややスレンダーな平均年のムルソー風!】----以前のレヴューを掲載しています。

さぁ・・クリスチャン・ベランの本職?、シャルドネのご案内です。ブルゴーニュ・シャルドネって・・ホント美味しいですよね。このところのバシュレ・モノ、そしてユベール・ラミーと、近年最高に伸びた生産者さんをご案内して来ましたから、皆さんも・・ラミーはまだにせよ、バシュレ・モノは飲み始めたかもしれません。
バシュレ・モノだって..少し前までは、
「まだまだこれから・・でもグングン伸びて行くような気持ちにさせてくれるよね・・」
と思っていただいていたと思うんですね。そもそも・・
「・・マランジュ・・?・・いや~・・いらない・・」
そんな方が多かったはずなんです。今や・・バシュレ・モノはマランジュの赤も白も大人気です。しかも王道のピュリニー、シャサーニュの畑を持ち、バタール=モンラッシェも持っていますから、ここまで伸びて来ますと・・凄い評価がバンバン出ちゃうんですね。
こちらのクリスチャン・ベランのワインは、本当に「職人さん」と言った感じがします。
「目立たないけれど良い仕事をしてる!」
と感じるんですよ。2020年の赤は13度~13.5度で、小さくなった葡萄果実の美味しさをブルゴーニュらしさを失わずに見事に表現しています。

2020年の白、こちらはサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランですが、2019年ものよりも熟度が高く、サヴィニーで有りながらムルソーっぽい充実したスタイルです。
質的に縦延び系は変わりませんが、ムルソーのように横方向への膨らみやオイリーさが加わっています。そもそもサヴィニーの1級畑以外は、南西や東を向いた畑が多い性でしょうか、ふだんはそんなに肥沃なニュアンス・・ねっとりした感じなどは出辛いと思うんですね。
ですが2020年のように少雨ですと・・積算温度と日照に問題は無くなりますから、干からびないほどであれば、むしろ良い結果を生むことになったのかな?・・と思っています。
で・・これもここだけの話なんですが、かのジャンシス・ロビンソンさんはこの2020年のサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランに対し何と・・「90点」も献上しているようなんですよ。評価は結構に厳しいお方ですからね。もしその評点が本当であれば・・かなり高い評価だと思っています。
ほんのりオイリーさをノーズに持った白や黄色の涼やかな果実、中域、中低域の押し出し幅が例年よりも大きく、ムルソーっぽさを感じさせてくれます。フレッシュさと滑らかさが良い感じでマッチしていて、レモンっぽいノーズの後、ややファットな黄色い果実がゴージャス。余韻も実に良い感じに長いです。
ちょっと5千円以内のシャルドネとは思えない出来です。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【何と4千円台の村名シャルドネ!そして美味しかった2018年をエレガンスで超えた素晴らしい出来です!】
10年ちょっと前なら、
「サヴィニー=レ=ボーヌ?・・ん~~・・どうかなぁ・・酸っぱいしなぁ・・」
みたいな印象でしたよね。それでもまぁ・・千沙さんのドメーヌ・シモン・ビーズが好きな方は、パトリックさんが健在だった頃から応援していましたので、
「好きなのはサヴィニー」
とおっしゃる方も20年前からいらっしゃいました。
今や「酸っぱいサヴィニー」「平坦な味わいの静かなサヴィニー」は消えました。まぁ・・地球温暖化の影響でしょう。それに、
「日当たりの良過ぎる畑は大変」
なんて声も聞こえてきたりする今日この頃ですから、
「愛らしい味わいのピノやシャルドネ」
だった2000年代よりもさらにグッと味が載ったワインに仕上がって来ているのが「サヴィニー=レ=ボーヌ」「ショレ=レ=ボーヌ」と言う、ボーヌ村の北にある村です。

もはやこの頃のサヴィニー=レ=ボーヌのシャルドネで、優れた生産者の手によれば、一昔前のサン=トーバン辺りの味わいと全く変わらないと思っています。
そもそもサン=トーバンにしましても、アン・ルミイィ以外は・・と言うより、アン・ルミイィでも凄く苦労して販売していました。売れなかったと言って良いかな・・と思いますよ。
サヴィニーの北にはペルナン=ヴェルジュレスが有るんですが、それこそパカレが造った最もリーズナブルなピノだったペルナン=ヴェルジュレスなんて・・2000年頃は誰も見向きもしなかったです。パカレの全盛期でも・・そうだったんですね。
ですがこの地球温暖化は、相当な勢いで色んなワインに影響を与えているのでしょう。
そんな中でこのサヴィニーのシャルドネ・・は、マッチョ過ぎない、スタイリッシュさを程好く残した味わいを感じさせてくれるワインです。2019年ものは・・すみません、滅茶美味しいかった2018年を「すっ」と超えて来ました。
余りにその超えてのサマが差が有りまして、これをどのように判断するのかが難しいんですね。
「ヴィンテージ(限定)の良さ」
なのか、
「造り手が腕を上げた」
のか・・です。
アンリ・グージュの2019年は、2012年ものの頃から見続け、2017年からの凄い変化を確認しておりましたので「古豪復活」を言えた訳ですが、このクリスチャン・ベランの場合は扱ってまだ3年ほど・・とてもそんな大それたことを断言するまでには行かない訳です。
しかし、この2019年のクリスチャン・ベランがフィネスさんからオファーされてから、一瞬で消えたことを考えれば、
「テイスティングした人はクリスチャン・ベランのワインのポテンシャルに驚いた!」
と言うことだと思うんですね。誰しも、リーズナブルで美味しいワインは欲しいですから・・。しかもこの新型コロナの世の中で、飲食店さんは中々営業できない中での出来事な訳です。どれだけ支持されたのかが判るんじゃないかと思います。是非飲んでみて下さい。超美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【これも激旨!少し細身のムルソー・レ・ティレ?・・いや、横から縦に伸びる方向を変えたムルソー・レ・ティレ!・・と言っておきましょう!】
ん~・・やっぱり、白いテーブルクロスは必需品ですね。左の写真は良い感じに「淡く緑掛った少し濃い黄色」が見えていると思います。透明なミネラリティも・・見えるようじゃないですか。
で、これはまためっちゃ美味しいんですね・・。横方向に拡がろうとするムルソー・レ・ティエに負けず劣らず、このサヴィニー・ブランは縦方向に伸びる分が多いです。縦伸び系ですね。
その上で、ムルソーはやはり白っぽい、そして僅かに色付いた感じのミネラリティなんですが、こちらはむしろ無色透明です。石英的・・と言いましょうか、クリスタル的・・が判りやすいかな?
そしてやはり冷ややかな柑橘果実がたっぷりで、マロラクティックによりとても「まろやか」なんですね。今飲んでも滅茶美味しい!縦にグングン伸びる感じで、ノーズがグイグイ押されっぱなしです!
サヴィニーの白はさほどは飲んではいないですが、もっと酸っぱくて果実の若さが口内に浸みる痛さと戦う感じがして・・(^^;;
「・・もっとムルソー的ならなぁ・・」
などと思っていましたが、ムルソーの造り手が造るサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランなら・・それも対応可能なんでしょうか。
いや、やはり葡萄の能力が有るからこそ、しっかりマロラクティックを掛けられるのでしょう。素晴らしい出来だと思います。非常に美味しい!是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【珍しいサヴィニーの白!・・スタイリッシュでミネラリティたっぷり!・・今までに無い感覚のシャルドネと思っていただけるかも!】
これも非常に美味しいです!サヴィニーの白は余り出会うことが有りません。ボーヌの白は結構に有りますけどね・・でも、ボーヌの白のふくよかな一面も無りませんし、ミネラリティの組成の性でしょうか、ボーヌのミネラリティは「太い」と再発見するような、縦伸び構造の「背の高い」ミネラリティを感じていただけると思います。
かのPKさんは、その著書「バーガンディ」で、「サヴィニー=レ=ボーヌでは少量では有るが、高品質の白がとれる」(飛鳥出版 バーガンディより)と書いています。ただし、出会えれば・・ですよね。まず見ることが少ないワインです。
このサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランのリューディは、赤とほぼ同様、「Les Ratausses(レ・ラトス)」と「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」です。ピコタンが入ってないですね。どちらもショレ=レ=ボーヌ側と接しています。
やはりミネラリティの組成だと思いますが、ムルソーのように横に拡がるような厳しいミネラリティでは有りません。またミネラリティの中域が太いボーヌの白とも異なります。高いところまで伸びて行くような・・横には余り拡がらず、どんどん高みを目指して行くようなミネラリティです。
果実感もやや冷ややかです。黄色や白の果実が冷え気味ですが、しっかり感じられます。やはりスタイリッシュと言う言葉が使いたくなるかなぁ・・と思いますよ。
時間と共に中域も膨れ始め、実に良い感じになってきます。ムルソー・レ・シャルムのような現状の気難しさは無く、むしろ気高さや伸びの良さで美味しくいただけました!
いや・・良いですね。クリスチャン・ベランの発見は大成功だと思います。プライスも優しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2022 Beaune Rouge Vieilles Vignes
ボーヌ・ロンボワ・ルージュ
【ボーヌの西の丘の裾野に傾斜している優れた村名ロンボワ!・・ドライで美しくしなやか、ピュアなピノ・ノワールです!】

良いですね~・・ピュアでしなやか、酸バランスに優れ、エレガントなピノ・ノワールに仕上がっています。
もう20年も前の話しになりますが、ド・シャソルネイのフレデリック・コサールが頼まれて、ラ・コンブの畑の面倒を見ていた時期が2002~2004年頃にありまして、noisy も・・
「ボーヌじゃ・・なぁ・・」
と思っていたんですが、飲んでみるとこれが中々に旨い。
この「ロンボワ」の隣の「オ・ルナール」や、同じ西の丘にある(丘そのものは異なります)「レ・モンスニエール」のシャルドネを、美味しくいただいたんですね。
それから何度か、このボーヌの・・忘れ去られた西の丘の畑のポテンシャルを随分買うようになった訳です。
で、このロンボワですが赤ワインで・・当然、ピノ・ノワールです。でもグーグルマップでその場所を見てみますと、
「畑の畝によって、結構に色が違う」
訳です。
つまり、赤かったり・・白かったりしていまして、
「・・なるほど~・・」
と、何故か判ったような気がしました。
このロンボワですが、ピノ・ノワールの他にも・・他の生産者さんになりますがシャルドネもリリースされているんですね。なので、
「結構に微妙な土壌の畑」
だと言うことが想像されます。

粘土石灰質だとテクニカルに書かれていますが、場所により・・石灰が相当に強い部分が有ると思われ、その・・
「石灰の強さがこのロンボワの味わいに出ている」
と感じます。
ボーヌのワインは、村名、1級問わず・・むしろ石灰系ミネラリティ不足じゃん?・・と思えるようなワインに出くわすことがあります。なので、
「・・ん~・・これじゃぁワインは長く持たないし、美しさや伸びやかさに欠けるかなぁ・・」
と言うことで選択しなかったりしていました。
なので、ボーヌの優れた1級畑もののような非常な複雑性には幾分欠けるのかもしれませんが、充分なミネラリティの存在が、
「ボーヌのワインに不足感を感じていたものを埋めている」
と感じます。
赤く深い果実感、ほんのり黒果実が混じり、ピュアでほんのり官能さが混じります。中域は適度な膨れ上がり、余韻に掛けてもチェリーを感じさせつつ、絹ごしのテクスチュアを味わうように収束して行きます。
ボーヌの西の丘、このロンボワは、南に開けたそこそこの傾斜のある見事な畑です。下手な1級より美味しいと思いますよ。今から飲み始めて良いですが、2年ほど置くと官能感が増え、喜びも増すでしょう。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶旨いです!ピュアな赤いチェリーの濃密な風味に白い石灰が多く溶け込んだ、村名とはちょっと思えない出来!リーズナブル過ぎです!】
今やリーズナブル・ブルゴーニュの救世主みたいな立ち位置のドメーヌになった感のあるクリスチャン・ベランです。まだ日本に入って来て何年も経ってはいませんが、多くのA.C.ブルゴーニュが4~5千円以上のプライスになっているのが普通ですから、ボーヌとは言え村名でA.C.ブル並みで購入できるこのレ・ロンボワは魅力たっぷりじゃないかと思うんですね。
しかもです!・・2020年ものは・・
「間違い無く過去最高!」
です。それは写真の色彩からも伺えるはずです。
「赤が濃い~!」
でしょう?
そう・・しっかり赤の積層感が写真に出ていると思うんですね。ですから、
「果実のピュアさ」
もしくはそこに、「新鮮さ」を言っても良いかと思いますが、上から5枚目、6枚目の写真と是非比較してご覧ください。
「もはや同じワインとは思えないレベル!」
でしょう?

2020年は少雨にたたられ、小粒で果皮が凝縮した葡萄が得られた(はず)と思うんですね。ですが、雨待ちで熟度が高くなり過ぎると糖度は上がるもののピノ・ノワールらしい美しい伸びやかな酸が削られてしまいます。
ですが、黒く無いこのレ・ロンボワ・・・あ、ここはボーヌでも最西端、西の丘の麓近くにある村名ですが、おそらく・・風が通ったんでしょうね・・
「熟度がバッチリ!・・雨待ちで酸を失わないで済んだ!」
と想像される「涼やか」なニュアンスなんです。暑くて水分が無くて、熟度は上がったがダレてしまいがち・・な感じなどは微塵も無いんですよ。しかもアルコール分は13.0度で、エレガントさを極自然に感じさせてくれます。
ですから赤いチェリーの風味がバッチリ濃密に感じられ、酸の構成も複雑ながらバランスが良く、ミネラリティも西の丘からたっぷり頂けたような出来に仕上がっています。
こんなに安くてすみません!・・と言えるブルゴーニュワインは本当に少ないですが、
「・・ボーヌ・・じゃぁ・・なぁ・・」
とは思わずに、
「A.C.ブルを買うつもりで??」
いかがでしょうか。きっと嬉しい悲鳴を上げていただけると思います。ご検討ください。追加は期待しないでくださいね。
以下は以前のレヴューです。
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【二次発酵由来の滑らかさ!チェリーな果実が滅茶美味しい・・A.C.ブルに毛の生えた価格の村名ボーヌ・ルージュです!】
私の記憶が正しければ・・(^^;; 古っ・・ 初めてこのベランのボーヌ・レ・ロンボワをテイスティングした2017年ものは、もっとフレッシュなニュアンスで、野生のベリーっぽい果実だったんですね。
でも2018年ではそれが「チェリー」に変わっていまして・・いや、さっき気付いたんですけどね。2019年ものも素晴らしいチェリーな果実が、滑らかさを伴って感じられるボーヌの村名になっていた訳です。しかも滑らかながらも新鮮さも在りつつ、バランスも相当に良いと言うおまけ付きです。
そもそもボーヌのワインは、昔はPKさんが、
「1級以外は買わない方が良い」
みたいなノリだったと思います。と言うよりも、ほとんどが1級畑で村名はちょぼちょぼとしか無く、1級でも大したものは少ないから・・と言うような言い方だったかもしれません。
勉強したての noisy は、
「そうなのか~・・」
とは思ったものの、まだ若く大した給料も得られないので、ワインは凄く高く感じたんですね。それでも意を決して数千円もするそこそこ評判の良いボーヌワインを飲んでみると、確かにPKさんの言うように、
「マジで良いのに当たらない・・」
と思った記憶があり、よほどPKさんも良い目を見なかったんだなと思ったものです。

良いなぁ・・それなり良いものもあるよと思い始めたのは、1級ド定番のクロ・デ・ズルシュルやクロ・デ・ムーシュの状態の良いもの、そしてコサールが造った名も無い造り手の村名やコート・ド・ボーヌ(実際にはボーヌ)辺りの白でした。ボーヌの村名は、本当に選ばないとダメだとずっと思っていた訳です。
そして中国がブルゴーニュワインに目覚めてしまって価格が高騰してきた現在は、造り手たちも・・
「ちゃんとワインを造れば高く買ってくれる!」
ことに気付いたんだと思うんですね。それまで二束三文でしか売れなかったワインが数倍で売れるようになった訳で、それが今のブルゴーニュワインの質の高さを生んでいると感じます。
このロンボワも、2018年ものが美味しくて将来が楽しみだった訳ですが、2019年ものは本当にそれを感じます。
色合いもまた・・全然異なりますよね?1枚目の寄った写真が凄く良く撮れているので、是非良く見てください。とてもきれいな血っぽいニュアンスも在りつつ、チェリーな果実がリアルに感じられます。価格も素晴らしくリーズナブルで、A.C.ブル並み・・です。
先ほどボーヌワインを昔、頑張って飲んだ・・と言いましたが、実は・・
「今も価格は余り変わっていないアペラシオン」
なんですね。まぁ、少しは上がっていますが、日本の景気と同じで、
「忘れられた30年」
みたいなものです。
その中でもこのようなリーズナブルで質の高いピノ・ノワールが生まれて来ていまして・・非常に有難い!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ボッソボソのテクスチュア、スッカスカな中域のボーヌ村名ワインがほとんどですが、石灰系+石英系のミネラリティとチェリッシュな果実が充実した、隠れた銘酒だと思います!】
いや~・・写真が上手く撮れて良かった~・・!実に美味しそうでしょう?・・これはもうチェリーが見事に味わえる、酸バランスも見事でミネラリティたっぷりの味わいが「見えて来そう!」な出来に見えないでしょうか?
でも本当は余り、大きく宣伝したくはないんですよ。6本しか無いのに1本テイスティングしてしまいまして、しかもこの価格ですから・・はい・・完全に赤字です。
なので、今回の2018年クリスチャン・ベランの滅茶美味しいピノ・ノワールのテイスティングはこのボーヌ・レ・ロンボワだけにさせていただき、サヴィニーの方はお休みさせていただきました。それで何とか「行ってこい」です。
見てお判りのように、非常に・・美しいですよね?・・淡く無く、濃くない・・です。
だから、「ちょうど良い」などとご紹介してしまいますと、
「そうか・・普通なのか・・」
で終わってしまうんですね。
でもこのロンボワ、決してそうじゃ無くて、その想像をしっかり超えてくる見事な味わいなんですよ。「ちょうど良い」ところから始まって、飲み進めるうちにどんどん膨らんでくるんですね。
一般的に「ボーヌ村名赤」のワインのほとんどは、余り良い印象は有りませんよね?・・noisy も同様に余り良いイメージを持ってはいません。
しかしながら・・少なくともこのワインは素晴らしいです!・・積層したチェリー、華やかに伸びて行くベリー・・・しっかり支えてくれる石灰系と石英系のミネラリティをたっぷり感じていただけます。
A.C.ブル並みの価格ですから、試してみても損はない・・と思えたら、是非飲んでみて下さい。きっと2019年も飲みたくなってしまう・・もしくは、シャルドネにも手を出したくなってしまうと思いますよ。超お勧めです!・・いや・・適当にお勧めです。ご検討くださいませ。
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【
もっさりしてない貴重なボーヌ村名!フランボワーズ系果実のエレガントでバランスに優れる味わい・・しかもA.C.ブル並みのプライスです!】
ボーヌでは、昨今の醸造中における酸化のコントロールが上手く働いたボーヌのピノ・ノワールはまだ少なく、二次発酵を含めて適度な酸化を必要とする西側の丘のシャルドネの方に人気は集まっています。少しライトなムルソー風で、これがまた滅茶美味しいんですよね。
ですが、フィネスさんが最近輸入しているこの「クリスチャン・ベラン」のボーヌ・ロンボワは、その酸化のコントロールが実にお上手で、愛らしい小果実を生き生きと感じさせてくれる佳酒だと言えます。そして、とても美味しいけれどまだ余り注目されていないので価格も良い感じの、ボーヌの西の丘にあるシャルドネたちと同様に、西の丘・・ここは麓近くですが、そこに存在するのが「ロンボワ」です。
少し野性っぽさが入った苺・・・フランス語だと苺はフレーズ、木苺はフランボワーズのようですが、今回はフランボワーズを採用・・・(^^;; これがまた適度なスピードでノーズに入って来てとても心地良いですし、大き過ぎない、太過ぎないボディから、実際にその実を食しているような感覚に包まれます。酸バランスがピュア感が有って良いんでしょう。
さすが村名だけ有って、A.C.ブルよりもやや大きさを感じさせますが、物凄く無い・・のがむしろ実に心地良いんですね。ポテンシャルを取ろうと思って飲めばそれなりに感じさせてくれますし、何も考えずとも、その充分な反応から満足いただけてしまうと思います。
重厚に造ろうとして上手く行かず、野暮ったくもっさりしてしまうボーヌやボーヌ1級より、むしろこのA.C.ブル並み価格のロンボワに軍配を上げたいと思います。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【新樽もしっかり使用したエレガントなボーヌ・ルージュ!・・しかも価格はA.C.ブル+アルファほどです!】
ボーヌの村の西側には丘が有って、その周辺では、さして名高くも無く、また1級でさえも無く、もしくは村名でさえも無いシャルドネの中に、目を見張るような素晴らしいものが散見されることは皆さんもご存じかと思います。
その昔、かのフレデリック・コサールが支えたドメーヌ・ド・ラ・コンブのボーヌ・オ・ルナールの赤白もそんなワインの一つでしたが、たっぷりの透明なミネラリティを持ちつつ、下手な1級を凌ぐようなパフォーマンスを見せてくれたものです。
その、オ・ルナールの下部、南に接するのが「レ・ロンボワ」で、ド・ラ・コンブのオ・ルナール赤を彷彿とさせるような見事なバランスを感じさせてくれます。
ここはやや南に向いて開けた畑で丘の麓に近い部分に有ります。苺系の小さな果実が凝縮しています。甘く無く、全くのドライですが、口内を収斂させるような出っ張りや、薄辛さは有りません。
白の造り手と言うことで、余り期待せずに飲んだんですが、これ、ボーヌ村名格なんですよね・・。A.C.ブルを探すのが難しいボーヌとは言え、村名でこのプライスは嬉しく無いですか?しかも、ボーヌ的な粗野なテクスチュアじゃぁ無いんですよ。実に質の良い、しかも生まれも育ちも良いところの出ですか?・・と尋ねたくなるような感じ。
最も、滅茶大柄なワインにはなってはいないものの、今飲んで非常に美味しく、しかもエレガントで流れてくような味わいですので、きっと喜んでいただけるんじゃないかと思いますよ。
クリスチャン・ベランのサヴィニーも、サヴィニーらしい愛らしい味わいで非常に好みでした・・が、サヴィニーの方が高いんですよね~。なので、取りあえずはこのボーヌ・レ・ロンボワを飲んでみてくださいよ。何しろ安い!・・そしてエレガントです。きっとクリスチャン・ベランの美味しさに気付いていただけると思います。超お勧めです!
● 2022 Savigny les Beaune Rouge Vieilles Vignes
サヴィニー=レ=ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【素晴らしい!・・グラスの写真を見ていただけましたら、如何に優れているか・・お判りいただけるでしょう!50~60年の古木です!】

激旨です!・・やはり・・このグラスの写真を見たら飲みたくなってしまうんじゃないかと思いますが、実に美しい・・質感もバランスも見えているんじゃないかと思えるほどの色彩をしていると思います。
まぁ・・余り多くは入って来ていないので、お薦めさせていただいてもどうかとは思いますが、それでも非常に優れたサヴィニーのV.V.です。
そして、最近はサヴィニー=レ=ボーヌの株がだいぶ上がっているようで・・そう、やはりギルベール・ジレの存在もあり、またピエール・ギユモも寄与しているように思います。海外でもギルベール・ジレは「うやうやしく?」販売されているようですし、その素晴らしい力量を褒めるレヴューも散見されます。
で、面白いのは・・ですね・・ギルベール・ジレのドメーヌものの畑、「レ・プランショ・デュ・ノール」も・・この村名サヴィニーに入っているんですね。川の脇の区画で、普通の頭だと・・
「そんなに良いのか?」
と思えるようなロケーションでは有ります。
そして、そのレ・プランショ・デュ・ノールの上に接する「レ・プティ・ピコタン」と、その東側に接する「レ・ラトス」をブレンドしているのがこのワインです。
ですので、この3つのリューディは「お互いに接していまして」・・さらには、
「何とクリスチャン・ベランのショレ=レ=ボーヌ・ポワリエ・マルシャセとも接している!」
んですね・・凄いですね・・この一帯、隣り合ったリューディ、全てを所有しているようです。

で、全て隣り合っている訳ですから、かのショレ=レ=ボーヌとも似ているのか?・・と言いますと・・
「全然似ていない!」
と感じる訳ですね・・面白いですね。
ショレについてはそのコラムをご覧いただくとして、やはり何と言いますか・・
「ちょっと格が違う!・・存在感も素晴らしい!」
です。
細やかで複雑性に満ち、しなやかで官能的です。単に果実・・と言いたく無い存在感でして・・この妖艶なニュアンスが時系列でもっと成長して行くのでしょうから・・4年後くらいかな?・・将来は凄いことになりそうです。
もちろん、今から飲み始めても充分な美味しさが有ります。・・だって・・
「今見返してみても、これが村名だなんて!」
と言えるような美しさが映っています。ぜひ飲んでみてください。サヴィニー=レ=ボーヌ、ぜひご贔屓にお願いいたします。お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスチャン・ベランの2020年ものは大成功!サヴィニーV.V.はアルコール分13.5度でベストなバランス!濃密なチェリーの長~い味わいに複雑な要素が絡みます!】

店にいらしたお客様には、2020年もののエマニュエル・ルジェのパスグラやアンリ・グージュの各ワインのグラスの生写真をご覧いただいていたりするんですが、皆さん・・
「・・えっ・・凄い濃いですね・・」
と驚かれています。
そうなんですよ・・結構に濃い・・特にヴォーヌ=ロマネ近辺のワインは滅茶濃いです。
ですが・・2020年のクリスチャン・ベランは・・まぁヴォーヌ=ロマネよりも南では有りますが、
「濃い・・と言うより、いつもより濃密でちょうど良い」
と言える感じなんですね。
アルコール分もまた、15度くらいまでに上がったワインが多いんですが、この上のボーヌ=ロンボワは13度、このサヴィニーV.V.は13.5度と・・非常に好ましいレベルなんですね。
まぁ、ヴォーヌ=ロマネでもグロファミリーは何故かそこまで高く無い・・のは何で?・・と言う疑問は有るんですが、それでも例えば只今テイスティング中のデゾネイ=ビセイなどは、
「滅茶苦茶濃い・・」
のに、
「アルコール分も高い・・」
のに、す~っと入って来て美しい振る舞いをエレガントにして綺麗にいなくなる・・んです。・・さぁ・・どう落とし前を付けたら良いのかと、さんざん悩んでいる訳です。

で、この赤い・・赤い、美しい赤を深く見せてくれるこのサヴィニーV.V.です。
安いのに滅茶美味しいボーヌ=ロンボワに、縦に伸びる白い石灰の腱を沢山仕込んで、ジュヴレ的ほどは重く無い鉄分を小さじ1杯ほど、マンガンを一つまみ混ぜ込んだかのような・・ちょっと安くは無いワインのような見事な味わいをしています。
そもそもこのクリスチャン・ベランさん・・白の生産者だと最初は思っていた訳ですよ。赤もバランスが良くて美味しいですが、当初は・・
「チャーミングな味わい」
でしたから・・。
あ、チャーミングと言うのはワインの場合、そんなに良い意味では使われない・・比較してチャーミング・・と言ったら、その対象の方がより良い・・と言う意味になります。
このずっと下の2015年ものの写真と比較すると、
「2015年ものは2020年ものと比較してチャーミングだね・・」
と言えるはずですが・・
「いやいや・・ここまで違うと、まったく別物でしょう・・」
と言うのが正しいかと。
ただし2015年ものも石灰系のミネラリティと構造は有りましたから、そこに濃密な果実と複雑なミネラリティが備わった・・2020年の少雨での水分の飢餓状態が、水を求めて「根」が地中深く入って行った・・その結果だと受け止めています。
先だってのマリウス・ドラルシェの2017年サヴィニー=レ=ボーヌは激エレガントで熟していて、滅茶旨かったはずです。総体の質感は似ていますが、このしっかりした果実のニュアンスが、マリウス・ドラルシェのエレガンス中心の繊細な味わいともまた違うサヴィニーの魅力を伝えて来てくれます。是非飲んでみてください。これも非常に安いと思います。
あ、ここだけの話、ジャンシス・ロビンソンさんはこの2020年ものサヴィニーV.V.に90ポイント、付けているようですよ。未確認情報につき責任は持てませんが・・彼女は結構に厳しい評点ですから、実際はかなり高い評価だと思います。
以下は以前のレヴューです。
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【旨い!・・縦構造が素晴らしいサヴィニー赤!・・伸びやかでスタイリッシュ!チェリーな果実がエレガンスを湛えつつ感じられます!】
残念なことに、ブルゴーニュワインの高騰でブルゴーニュから離れる方もいらっしゃいます。
まぁ・・小遣いの範囲で飲もうと思うと、3~5千円が限界ですし、それも月に何十本もは購入できず・・2~3本が普通だと思うんですね。noisy だってワインの勉強を始めた時は、
「なんでこんなに高いんだろう・・」
と思ってましたが、流石に今は色々判りますから・・
「仕方が無い・・と言うか、そうなって当たり前」
だとも思ってしまう訳です。
ですので、何とかブルゴーニュワインでリーズナブルなものを一生懸命に探すんですが、そうは中々当たりはしません。稀に見つけても、それが美味しければ美味しいほど、
「さっさと値上がりして行ってしまう」
訳ですし、下手をすれば・・
「いつの間にか入手できなくなってしまう」
と言うことになってしまいます。

ほんの少し前までは、あのロマネ=コンティのすぐ脇の畑を持つ生産者のA.C.ブルを3千円ではんばい出来た訳です。
そりゃぁ・・昔は全然売れませんでしたが、良くなって来たのが判った時から、みんなが欲しいと思うようになって何年も経たずに・・入手すらできないようになってしまった訳です。
このサヴィニー赤ですが、愛らしい、サヴィニーらしい縦構造を持ち、冷やかなチェリーの果実味と、小さな石、白っぽい石灰を沢山持っているかのような風情のミネラリティが非常に・・好ましい。見事な味わいをしています。
もう、写真の色合いだけで選んでください!・・と言いたい位に2018年までと違ってしまっています。決して濃く無い色では有りますが、
「エキスは非常にしっかり!」
感じられます。
甘みはほぼゼロ・・ながら、薄辛くならず、また昔のサヴィニーのような平坦さ、硬いだけ・・みたいなネガティヴさは有りません。
さりとて、3年ほど前までのフレデリック・コサールのサヴィニー・レ・ゴラルドのような、少し過熟気味に持って行ったと思われる「分厚い果実味」にもなっていません。
つまり、力業では無く、
「ごく自然に仕上げた結果がこれ」
と言うことですので・・2020年、2021年と見続けて行きたいと思わせてくれた・・でも何ともリーズナブルな価格に手を合わせたくなるワインです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【すみません・・これだけは未テイスティングです。でも、2018ボーヌ・レ・ロンボワ・ルージュの出来を見ますと凄く期待出来ます!】 こちらも6本しか無いピノ・ノワールです。相当良さそうですが、都合12本で2本開ける訳にも行かず、今のところテイスティングは躊躇しています。
ムルソーとサヴィニーに畑を持つクリスチャン・ベランですが、これもやはり「相続」でこのようになった訳ですね。「ブルゴーニュあるある」で長く続くドメーヌほど、そのようになって行く訳ですが、相続する子がいなかったり、ヴィニュロンやドメーヌを止めてしまうと、細分化も再集合化も止まる運命になってしまう訳です。
クリスチャン・ベランを飲んで思ったのは、
「意外にもピノ・ノワールが超美味しい!」
と言うことなんですね。
イメージ的にムルソーの造り手ですからシャルドネが・・と思いがちです。勿論、シャルドネも超美味しいんですが、ピノ・ノワールの造り手真っ青な出来のボーヌ・レ・ロンボワ村名では有りますし、このサヴィニー=レ=ボーヌ2017年も非常に良い出来だったので、是非トライしてみていただきたい・・そう思っています。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【とっても美味しい!エレガント系、冷涼な果実酸の利いたさくらんぼ的アロマが豊かな味わいです!】
畑の解説は前回記載させていただきましたので今回は端折ります・・でも2017年ものは年の性でしょうか、2015年ものよりもっと美味しいです。
やや丸いパレットを描きたがるボーヌ・ロンボワよりも、少し扁平した「立てた卵型」のパレットに感じます。また、やや温かみ+冷涼感の両方を感じるロンボワよりもより冷ややかな酸が、このワインのエレガントさを引き立てているようにも思います。
何しろ香りの上りが良く、冷涼な地に育った野性味がほんのり載った「サクランボ」が滅茶心地良いです。チェリーと言いたいけれど、ここは敢えて「サクランボ」で。サヴィニー的なテロワールをちゃんと感じさせつつ、熟度が適度にある深い味わいを失っていません。
一時のフレデリック・コサールの「サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・ゴラルド」は、テロワールも有るのでしょうがより粘性が有って濃度がしっかりあり中域の膨らみが凄く、
「・・とても旨いけど・・ちょっとサヴィニーとは言い辛いかな・・」
と言うような気にもなっていました。今のコサールはそこまで濃く仕上げず、個人的にはより良いと感じています。
こちらはその中域の豊かさはそんなにズ太くは無く、「チェリーと言いたいけれど敢えてサクランボで」・・みたいなニュアンスで伝わるかとは思うんですが、チャーミングな美味しさを良い方に出せているワインだと感じています。
まぁ、チャーミングは基本、ワインの場合良い言葉としては使わない場合が多いんですが、そこも今回、敢えて使用させていただき、ワインのニュアンスを伝えられたらと思っています。
勿論、中程度の重さの細やかなミネラリティもしっかり有り、So2も多く無いと感じます。価格も実にリーズナブル!・・前回もしっかり完売させていただきましたので、
「バランスの良い、サヴィニー的冷涼なさくらんぼを感じさせてくれる美味しいピノ・ノワール」
を是非味わってみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【スタイリッシュなエレガント系ピノ・ノワール!実に美しいです!】
美しい色合いをしていますよね。すこしカッチリとした感じかな?・・などと目に映るんじゃないかと思いますがいかがでしょう?・・そう、それは正しいです。サヴィニーらしい、「さくらんぼ」みたいな果実表現にしたくなると思います。
サヴィニー=レ=ボーヌは、ボーヌに接した中央部に1級が集中しています。普通にボーヌの北の1級に繋がっているから・・ですね。村の境界線は有ったとしても、畑に境界が有るとは限りません。むしろ、地形学的には影響ないですしね。
そして、村の東側はショレ=レ=ボーヌに接していまして、こちらには1級畑は有りません。「Les Petits Picotins(レ・プティ・ピコタン)」、「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」、「Les Ratausses(レ・ラトス)」はこの位置にあるヴィエイユ・ヴィーニュです。
ですので、性格的には、ボーヌに似ている部分は在るにせよ、ショレ=レ=ボーヌにより似た性格なんじゃないかと想像出来る訳です。
ボーヌ中央部の深い粘土のニュアンスは余りありません。むしろ、明るく、やや軽い粘土が由来であり、そこにややしっかり目のスタイリッシュなミネラリティが有りますので、
「エレガント」
と言いたくなる味わいです。
稀に「エレガント」=「薄い」と言う意味で使う場合も有りますが、この場合は・・色を見ていただいても判るように、決して薄くは有りません。充実しています。スタイルはややほっそりしているものの、痩せてギスギス・・と言うような表現は遠いです。
やはり洋物のさくらんぼをイメージしますね。もしくはレッドカラント(フサスグリ)でしょうか。
昨今は、収穫を遅らせてより熟した実を得て、濃密な味わいを造り出すことが行われてきました。しかし、それはむしろ時代遅れ・・そうじゃなくても温暖化でマッチョ化が黙っていても進みます。
極まれに、物凄くエレガントで美しいワインに出会いますが、そんな時、まだ温暖化が叫ばれていない頃の、ほのぼのとした味わいのブルゴーニュワインを思い出します。そこまでは「詫び寂び」していないものの、美しい躯体を持った見事に伸びやかな味わいに出会えば、またブルゴーニュワインに惚れ直してしまいますよね。
素晴らしいサヴィニーV.V.でした。マッチョでは無い、美しいエレガントなサヴィニー・・・是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2022 Chorey les Beaune Rouge Poirier Malchausse
ショレ=レ=ボーヌ・ルージュ・ポワリエ・マルショセ
【地球温暖化を迎えて本領を発揮するかもしれない・・?!ショレ=レ=ボーヌ的エレガンス!】

ショレ=レ=ボーヌと聞いて、どのようなイメージを持たれていらっしゃるか・・ noisy にはお客様それぞれのことは判りませんが、まぁ・・総じてこんな感じかと思います。
「・・淡くて硬目、さくらんぼ、桜の花的で旨味は少な目・・表情が少ないので面白みに欠ける」
・・でしょ?
でも、それってちょっとシャンボール=ミュジニーにも少し似ている部分もあるんじゃないかと思うんですね。
その昔のシャンボール=ミュジニー村名と言ったら、まぁ・・今のショレ=レ=ボーヌ的だったんじゃないかとも思うんですね。もちろん、ジョルジュ・ルーミエさんとかの村名はやや濃い目で酸バランスが良く、シャンボル=ミュジニー村名の中でも目立った存在でした。
でも・・ご兄弟の同じルーミエさんになると、結構に淡く、あっさりとしていて・・でも熟すとそれなりに美味しくなるんですね。ヴォギュエさんちは・・PKさんも言ってましたが、基本・・蔗糖を使う(葡萄の糖分が少ない年がほとんどのため)・・テイで仕込んでいましたから、散々に言われていた訳です。
ワインと言うのは非常に微妙なバランスで成り立っていて、ドライで糖分を感じない・・と自身で感じたとしても、それなりの残糖分はあります。なので、
「甘いピノ・ノワールは嫌いだ!」
と公言していたとしても、その方が気に入っているキュヴェに残糖はほぼ無い・・と言ったらウソになってしまう訳です。
なので、美味しいピノ・ノワールは・・それなりに糖分は残存しているんですね。

で、このクリスチャン・ベランの2022ショレ=レ=ボーヌ・ポワリエ・マルショセですが、そんなことを言っていながら・・
「めちゃドライ!」
に仕上がっています。マジメですよね・・クリスチャン・ベランさん。本当にその地道な努力が伝わって来ます。そして年々質が上がって来ているのが良く判ります。
この畑、ポワリエ・マルショセはもちろん、ショレ=レ=ボーヌに有る訳ですが、サヴィニー=レ=ボーヌと接していまして、あの・・
「ギルベール・ジレのサヴィニー=レ=ボーヌ・プランショ・デュ・ノールの斜向かい!」
と言うロケーションです。
グーグルマップで確認しますと、下草が生えた美しい畑で・・でも傾斜はほぼ無い平地に近い感じです。
ギルベール・ジレのプランショ・デュ・ノールは、さらに下の方になり・・川に接した部分です。そこがあの素晴らしいプランショ・デュ・ノールなんですね。
川の傍は、堆積した砂、砂利、石のニュアンスが有り、また上流から運ばれてきた希少なミネラルも含んでいるでしょう。しかし、その水分が有ると言うことが、良くも悪くも・・影響するわけですが、このレ・プランショ・デュ・ノールのところの川はほぼ干上がっているようで(確実ではありません)、そもミネラリティを結果的に生かすことが出来るのかもしれません。
しかしながら、言ってしまえば・・ギルベール・ジレのピノ・ノワールは、クリスチャン・ベランよりも残糖は多いです。ストレートに言えば甘いんですね。でも、その残糖分が有ることによって・・ギルベール・ジレの超人的な能力を発揮できると・・noisy は見ています。
なので、この非常にエレガントで、透明感の高いミネラリティも充分、果皮も美しく、たっぷり抽出出来たショレ=レ=ボーヌ・ポワリエ・マルショセは、若いことも、残糖が少ないことも有り、表情の豊かさにはまだ結びついていませんが、
「ピュアで赤い果実を生む要素たんまり存在し、シャンボール的のびやかさと締まった躯体を持つチェリーな美味しさ!」
を感じるワインになっています。
今飲んでも美しさ、エレガンスを感じる良いピノ・ノワールですが、3~5年で妖艶さをまとわり始め、複雑さを見せてくれるでしょう。飲まれるのなら少し温度は上げ気味の方が美味しさを感じやすいと思います。飲んでみてください。超ドライ、ピュア、赤果実中心のシャンボール的なショレ=レ=ボーヌです!
● 2022 Meursault les Tillets
ムルソー・レ・ティレ
【良~~~く熟した果実の素直な美味しさ、ムルソー西側ならではの噛めるようなハードなミネラリティ、大柄なボディのおおらかさ・・まさにムルソーのイメージそのものの美味しさです!】

20年前までは、
「ムルソーは数年寝かせて・・飲んでね・・」
なんて言ってましたが、世の中は変わるものですよね。もちろん技術も向上し、設備も変わり、
「村名はリリース直後でも結構に美味しく飲める!」
と言う状況になって来ました。
ですから・・そんなに待たなくて良いとは言え、リリースからそれなりに置いてしまうと・・
「・・あれ?・・何も出て来ない?」
なんて状況にもなってしまい、
「一番硬い状況で飲むことになってしまう」
お客様も結構におられるんじゃないかと想像しています。
ですので、リリースから半年~1年以内の方が美味しく飲め、その後1~2年は硬くなることが多いので・・ご注意くださいませ。
2021年もののレ・ティエは、余りに数が無いのでテイスティングしない状況でのご案内になりました。

2022年ものも決して多くなった訳でも無く、たったの12本だけですから・・まぁ、他のキュヴェは6本しかないような状況ですのでややマシ・・と言うことろでは有ります。
ムルソーらしい「黄色」の強い色彩です。アロマも柑橘がしっかり香り、ややハードそうなミネラリティに載って感じられます。
ドライなんですが・・甘みに近いネットリなニュアンス、蜜っぽい感覚です。これは熟すにつれ、蜜のフレーヴァーをハッキリさせて行くと思います。
甘み、旨味、それらがややネットリで口内をまろやかに刺激しつつへばり付き、そこから体温で温められる性かは判りませんが、ノーズへとまた還って来るようなアロマが心地良いです。
石、岩、石灰、水晶・・そんなイメージを持ちながらも、その甘露な味わいに酔い、小さく細やかなその無機物たちが徐々に肥大化して行く感覚も得られます。
いや・・素晴らしいんじゃないでしょうか!・・クリスチャン・ベランも年々どんどん美味しくなって来ています!・・ギルベール・ジレほどは目立たないですが、
「まさに王道シャルドネ!」
の造り手です。飲んでみてください。滅茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【こちらもムルソーの準1級最安値?・・安定した美味しさを見せてくれるレ・ティレです。】
以前ならイヴ・ボワイエ=マルトノだったんですよね。本当にリーズナブルで美味しかったです。レ・ティレ(ティエ)も有ったし、ナルヴォーも、ロルモも持っていたので、十数年連続で沢山開けさせていただきました。
ロルモは東側・・つまり下部の粘土がやや多めに混じり、ナルヴォーは西側中上部の大理石バリバリ、レ・ティレはナルヴォーの上部でさらに冷ややかで硬い感じに粘土少な目・・安易に言ってしまうとそんなイメージでした。イヴ・ボワイエ=マルトノを全アイテム一緒にテイスティングしていたんですが、
「終わった後の疲れが半端無い!」
んですね。ミネラリティに口内はガッサガサ、スピットするので飲まないまでも吸収されてしまう分で、身体も相当疲れた訳です。それを真夜中に仲間と朝方までやっていたんですから・・今はもう・・無理!・・もしやったらたぶん途中で倒れます。
でも、そんな無茶を毎年のようにやる訳ですから、否が応でも・・身体が覚えちゃう訳ですよ。
「はい、レ・ティレね。あれは・・」
といつの間にかスムーズに出てくるようになっているんです。勿論判りやすいのは、レ・ペリエールとかレ・シャルム、レ・ジュヌヴリエールなどの1級畑ものです。歴然とした違いも有るし、何より・・
「言葉にし易い違い」
が有るんです。
このレ・ティレは西側の丘の上部に有る、一般的には「準1級」と区分けされている畑です。同じ準1級のレ・ナルヴォーの方が幾分柔らかくて判りやすいでしょうか。レ・ティレは厳しい分、気分屋のように・・振る舞いに一貫性が無いと言うか、その時の開け方、品温、経過時間などで印象が大きく変わるように思います。

2020年のこのワインは、おそらく熟度は高く、例年より濃い目の黄色の色彩を持っています。
冷ややかさもありつつ、僅かな粘土の影響でしょうか、ほんのり「赤み」を感じさせ、ねっとり感を助長しています。村北部の畑の赤い感じにも少し似たニュアンスが有り、そこにすこしソリッドな硬さを持たせたような感じです。今飲んでも結構に美味しく、時間をかけると徐々に膨らんでくれます。
このレ・ティレにもジャンシス・ロビンソンさんは評価していまして、ここだけの話・・これも90点のようです。
ん~?・・レ・ロンボワも、サヴィニV.V.も、このレ・ティレも90点って・・手抜き酷く無い?
なんて言ってませんから・・はい。
noisy 的にはポテンシャル点でサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランを超えますし、寿命でも超えますから・・同じ評価には成り得ません。・・当然ですよね・・。
ですが、今飲んだら?・・と言う観点では・・味わいは異なるにせよ、同じくらいかな・・です。でも3年後は確実に抜いちゃうと思いますよ。
だから結構に海外メディアのMWさんたちは超ド近眼だと思っちゃうんですね。そんなところも確かめつつ飲むのも、美味しい魚になると思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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2枚目の写真はちょっと暗くなってしまいましたが・・まぁ、カメラ系の扱いがなってない noisy が写真を撮ると、RGB のバランスも変わってしまうし・・何とも難しいです。カメラが変わればそのクセも変わりますしね。まぁ、カメラと言ってもiphoneで撮ってますが、4年も経つとバッテリーが厳しくなってくるので変えなくてはならなくなり、変えてしまうと以前のものとのクセが変わるので、また見え方が違ってしまう・・の繰り返しです。それでも
「ちょいちょい」
と写真を撮って、その場で見られる時代になったのは、動画でさえも今や当たり前になってしまいましたが、noisy が子供の頃はカメラは超高級品で、友達が、
「ハーフのカメラ、買って貰った!」
と遠足や社会科見学、運動会にこれ見よがしに持ってくるのを指を咥えて見ていました。「ハーフ」のカメラの意味も判りませんでしたが・・(^^;; あ、反対に今の若いひとたちに聞いてみたいですね。
「ハーフのカメラって知ってる?」
って。
で、こちらも「ハーフ」ならぬ・・「準1級」的な扱いで良いと思われるレ・ティレをご紹介させていただきます。

そもそも石切り場の傍の畑ですから、
「物凄いミネラル」
が特徴です。そのミネラリティをどのように表現するのか・・それは、樽を使うのか、使うとしたらどれ位か、マロラクティックはやるのか、やるとしたらどれ位か・・と言う醸造的な部分は勿論、
「どのタイミングで収穫するか?」
と言うのも非常に重要です。
ベランの場合やや遅め、もしくはドンピシャのタイミングで収穫し、バリックは20~30%、マロはしっかり掛ける・・と言う感じだと思います。ですので、
「オールド・ファッション」
でしょうね。
そして、2019年のこのレ・ティレは・・いや、レ・ティレだけでは無いんですが・・素晴らしい仕上がりです!今までで最高!なのは間違い無しです。
しかも今から飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・口内に少し粘るオイリーなニュアンスからの柑橘果実の表情のディテールが素晴らしいです。そして、大理石的なミネラリティですね・・緊張感が漂い、しかもマンモスな量です。
そして今や絶滅寸前のリーズナブルプライスです!準一級で6千円台というのはもう無いんじゃないかと思います。ここはこのベランを見つけて来られたフィネスさんに感謝です。是非飲んでみて下さい。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【大理石の切り出し場がすぐ近く・・イメージの沸きやすいレ・ティレです!】
一般には村名区画ですが、業界では準一級格と目されているレ・ティレ(レ・ティエ)です。それにはやはり、コシュ=デュリの活躍も影響していると思われますが、彼が区画名(ルージョ、ヴィルイユ、レ・カス=テート等)を入れてリリースしていたので、飲んだ者がそのテロワールの違いをまざまざと見せつけられた・・のかもしれません。最もコシュ=デュリも、区画名を記載して出す場合と記載しない場合(出荷先で異なる)が有り、我々もネゴス経由で仕入れると、区画名の記載の無いムルソーが、実際はどこの区画か判らず、でもそれを想像するのが楽しみ・・でも有った訳ですね。個人的にはルージョは大好きで、モンティーユさんがネゴスで「クロ・デ・ルージョ」を2年ほどリリースしていた時は嬉々として仕入れてました・・旨かったですね~。メゾン・ドゥー・モンティーユでクロ・デ・ルージョをリリースしなくなってしまったのと、エージェントさんに価格をどんどん吊り上げられたので止めてしまいましたが・・。
このレ・ティレは、ムルソーの中央南寄り西側上部に有る区画(一級群の真上)ですが、この辺りは大理石の石切り場が有ったすぐ近くで、非常に鉱物的なニュアンスが強く出るテロワールです。冷ややかで石、岩のニュアンスがたっぷり感じられます。
2018年のレ・ティレは非常に滑らかで、しかも粘性に富んでいます。マロラクティックをしっかりと掛けた感じ・・と言って良いと思いますが、本来、多分に存在していたはずの「リンゴ酸系」の大部分を「乳酸」に変えていますが、酸の総量はたっぷりあり、この美味しさこそがこのワインの魅力と言えるでしょう。
勿論ですがそこから生まれる果実表現も見事で、柑橘系フレーヴァーがたっぷり、ほんのりオイリーで非常に高質です。ムルソー中央西側の「硬質な」ニュアンスの良く判る味わいです。あの素晴らしいレ・カス=テートの南に接しています。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】
ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2019 Savigny les-Beaune Blanc
サヴィニー・レ=ボーヌ・ブラン
【何と4千円台の村名シャルドネ!そして美味しかった2018年をエレガンスで超えた素晴らしい出来です!】

10年ちょっと前なら、
「サヴィニー=レ=ボーヌ?・・ん~~・・どうかなぁ・・酸っぱいしなぁ・・」
みたいな印象でしたよね。それでもまぁ・・千沙さんのドメーヌ・シモン・ビーズが好きな方は、パトリックさんが健在だった頃から応援していましたので、
「好きなのはサヴィニー」
とおっしゃる方も20年前からいらっしゃいました。
今や「酸っぱいサヴィニー」「平坦な味わいの静かなサヴィニー」は消えました。まぁ・・地球温暖化の影響でしょう。それに、
「日当たりの良過ぎる畑は大変」
なんて声も聞こえてきたりする今日この頃ですから、
「愛らしい味わいのピノやシャルドネ」
だった2000年代よりもさらにグッと味が載ったワインに仕上がって来ているのが「サヴィニー=レ=ボーヌ」「ショレ=レ=ボーヌ」と言う、ボーヌ村の北にある村です。

もはやこの頃のサヴィニー=レ=ボーヌのシャルドネで、優れた生産者の手によれば、一昔前のサン=トーバン辺りの味わいと全く変わらないと思っています。
そもそもサン=トーバンにしましても、アン・ルミイィ以外は・・と言うより、アン・ルミイィでも凄く苦労して販売していました。売れなかったと言って良いかな・・と思いますよ。
サヴィニーの北にはペルナン=ヴェルジュレスが有るんですが、それこそパカレが造った最もリーズナブルなピノだったペルナン=ヴェルジュレスなんて・・2000年頃は誰も見向きもしなかったです。パカレの全盛期でも・・そうだったんですね。
ですがこの地球温暖化は、相当な勢いで色んなワインに影響を与えているのでしょう。
そんな中でこのサヴィニーのシャルドネ・・は、マッチョ過ぎない、スタイリッシュさを程好く残した味わいを感じさせてくれるワインです。2019年ものは・・すみません、滅茶美味しいかった2018年を「すっ」と超えて来ました。
余りにその超えてのサマが差が有りまして、これをどのように判断するのかが難しいんですね。
「ヴィンテージ(限定)の良さ」
なのか、
「造り手が腕を上げた」
のか・・です。
アンリ・グージュの2019年は、2012年ものの頃から見続け、2017年からの凄い変化を確認しておりましたので「古豪復活」を言えた訳ですが、このクリスチャン・ベランの場合は扱ってまだ3年ほど・・とてもそんな大それたことを断言するまでには行かない訳です。
しかし、この2019年のクリスチャン・ベランがフィネスさんからオファーされてから、一瞬で消えたことを考えれば、
「テイスティングした人はクリスチャン・ベランのワインのポテンシャルに驚いた!」
と言うことだと思うんですね。誰しも、リーズナブルで美味しいワインは欲しいですから・・。しかもこの新型コロナの世の中で、飲食店さんは中々営業できない中での出来事な訳です。どれだけ支持されたのかが判るんじゃないかと思います。是非飲んでみて下さい。超美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【これも激旨!少し細身のムルソー・レ・ティレ?・・いや、横から縦に伸びる方向を変えたムルソー・レ・ティレ!・・と言っておきましょう!】
ん~・・やっぱり、白いテーブルクロスは必需品ですね。左の写真は良い感じに「淡く緑掛った少し濃い黄色」が見えていると思います。透明なミネラリティも・・見えるようじゃないですか。
で、これはまためっちゃ美味しいんですね・・。横方向に拡がろうとするムルソー・レ・ティエに負けず劣らず、このサヴィニー・ブランは縦方向に伸びる分が多いです。縦伸び系ですね。
その上で、ムルソーはやはり白っぽい、そして僅かに色付いた感じのミネラリティなんですが、こちらはむしろ無色透明です。石英的・・と言いましょうか、クリスタル的・・が判りやすいかな?
そしてやはり冷ややかな柑橘果実がたっぷりで、マロラクティックによりとても「まろやか」なんですね。今飲んでも滅茶美味しい!縦にグングン伸びる感じで、ノーズがグイグイ押されっぱなしです!
サヴィニーの白はさほどは飲んではいないですが、もっと酸っぱくて果実の若さが口内に浸みる痛さと戦う感じがして・・(^^;;
「・・もっとムルソー的ならなぁ・・」
などと思っていましたが、ムルソーの造り手が造るサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランなら・・それも対応可能なんでしょうか。
いや、やはり葡萄の能力が有るからこそ、しっかりマロラクティックを掛けられるのでしょう。素晴らしい出来だと思います。非常に美味しい!是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【珍しいサヴィニーの白!・・スタイリッシュでミネラリティたっぷり!・・今までに無い感覚のシャルドネと思っていただけるかも!】
これも非常に美味しいです!サヴィニーの白は余り出会うことが有りません。ボーヌの白は結構に有りますけどね・・でも、ボーヌの白のふくよかな一面も無りませんし、ミネラリティの組成の性でしょうか、ボーヌのミネラリティは「太い」と再発見するような、縦伸び構造の「背の高い」ミネラリティを感じていただけると思います。
かのPKさんは、その著書「バーガンディ」で、「サヴィニー=レ=ボーヌでは少量では有るが、高品質の白がとれる」(飛鳥出版 バーガンディより)と書いています。ただし、出会えれば・・ですよね。まず見ることが少ないワインです。
このサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランのリューディは、赤とほぼ同様、「Les Ratausses(レ・ラトス)」と「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」です。ピコタンが入ってないですね。どちらもショレ=レ=ボーヌ側と接しています。
やはりミネラリティの組成だと思いますが、ムルソーのように横に拡がるような厳しいミネラリティでは有りません。またミネラリティの中域が太いボーヌの白とも異なります。高いところまで伸びて行くような・・横には余り拡がらず、どんどん高みを目指して行くようなミネラリティです。
果実感もやや冷ややかです。黄色や白の果実が冷え気味ですが、しっかり感じられます。やはりスタイリッシュと言う言葉が使いたくなるかなぁ・・と思いますよ。
時間と共に中域も膨れ始め、実に良い感じになってきます。ムルソー・レ・シャルムのような現状の気難しさは無く、むしろ気高さや伸びの良さで美味しくいただけました!
いや・・良いですね。クリスチャン・ベランの発見は大成功だと思います。プライスも優しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2022 Bourgogne Chardonnay Sous la Velle
ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル
【ムルソー的ハードなミネラリティも含みA.C.ブルにしては非常に上質なムルソー風シャルドネ!・・ジューシーさにややハードなミネラリティで、ライトなムルソーとして楽しめます!】

2018年もののご紹介当時は、このA.C.ブルが3千円ほど、コトー・ブルギニヨンが2千5百円ほどでしたから、
「・・そりゃぁ・・売れるよね」
と、今ではそんな価格の素晴らしい出来のボーヌのA.C.ブル・シャルドネなどは有り得ないので・・たった何年か前のことを懐かしくも思い出してしまいます。
その価格ですと・・おそらくですが、飲食店の方々の引きが強く、ワイン屋の方には余り数が入って来なかったんだろうと思います。今でも数は増えていませんが、
「・・ムルソーの・・何かリーズナブルなの、有りませんか?」
などとソムリエさんが尋ねられたら、まぁ・・リーズナブルの定義は難しいとしましても、
「ムルソーになるとそれなりの価格になっちゃいますが、A.C.ブルゴーニュでムルソー風、しかも重くなり過ぎてないものが有りますから、当店のムニエルには合いますが・・いかがでしょうか?」
などと使用されるんじゃないかと思われるのがこのスー・ラ・ヴェルです。
noisy の記憶が確かならば、昔はスー・ラ・ヴェルの村名は無かったはずですが、いつの間にか上部が村名になったようで・・このワインは下部のA.C.ブルの畑が基準になっているようです。

ですが、フィネスさんのテクニカルを読みますと、クリスチャン・ベランは上部の村名畑も持っているとのことなので、
「おそらくほとんど毎年、村名のスー・ラ・ヴェルを混ぜているはず」
と想像しています。上部は下部の1/10ほどしか無い広さなので、上部の村名畑だけ単独で出すよりも、より上質にするべくのA.C.ブルに使ったり、村名ムルソーのウイヤージュ用に使用しているんじゃないでしょうか。
コトー・ブルギニヨン・プレミアムも美味しいですが、流石にこのスー・ラ・ヴェルになりますと、かなりムルソーの大きな風格を感じさせてくれます。ほんのりと樽からの表情も有り、ナッツやクリーム、そこに柑橘果実、少し粘って口内に留まり、そこから残糖では無い甘み、旨味をたなびかせながら、ノーズに白いミネラリティの印象を残しつつややダイナミックな収束をして行きます。
まぁ・・これが3千円だったら、あっと言う間に無くなるだろうなぁ・・と想像しますが、今は・・
「円はユーロに負けっぱなしで・・ついに175円!」
ですから・・もはや50%も下がっている・・ワインの値上げが無しの場合で5千円です。
実際のところはとてもこの価格ではお出し出来ないんですが、頑張っちゃっているんですね・・。ですので、何とか5千円を切ってのご案内です。飲んでみてください。このところのクリスチャン・ベランの素晴らしい伸長ぶりをぜひご確認くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【おそらく上級キュヴェを格下げしてブレンドしたか?・・ムルソー的硬質さとほんのりとリッチな味わいが交錯する高質A.C.ブルです!】
2021年は名手クリスチャン・ベランをして、
「2021年は非常に難しい年だった」
と言わしめていますから、相当に「リキが入ったヴィンテージ」だと言えるでしょう。
例えば料理人さんで有れば、素材にこだわりますから、
「この魚はイマイチだから使わない。そっちは欲しい。」
と・・選択の余地が有ると思います。その日は入手できなくても翌日、もしくは翌々日入手できる可能性は有ります。
ですから、料理人さんでもどうしようもない・・
「・・一発勝負の季節もの」
でしょう。この場合でも選択の余地は有りますが、それは下手をすると、
「季節ものの入荷を楽しみに訪れたお客様に提供できない。」
ことにも繋がります。
2021年のこのムルソー地域は相当ヤバかったようです。まったく収穫できないに近い・・もしくは出来ても質が揃わず製品に出来ない・・と言う生産者さんが多数を占めた訳ですね。
そんな時、ドメーヌではどうするかと言いますと・・
「格下げ」
と言う手段を使います。
グラン・クリュで有れば、格下げして1級に混ぜる・・、1級であれば1級格だけを合わせて「ムルソー1級」のようなワインにする、もしくは村名に混ぜる・・、村名なら広域のアペラシオンに混ぜる・・と言うことになります。勿論、特別なキュヴェに仕立てる場合も有るかと思います。

4月の初旬に氷点下まで下がり、霜が降りたようです。準1級畑や1級畑が有る丘の上部の畑が壊滅状態のようで・・何せムルソーの丘は大理石的な土壌ですから、冷え込んでしまうとカチンコチンです。せっかく発芽した芽がやられてしまうと、そもそも多くの枝、芽を残す訳では無いのでどうにもならない訳ですね。出来ることは2番芽を使用することですが、これはもう・・全く熟度が異なりますので、相当に品質が下がってしまいます。
noisy もピノを育てていますが、2番芽、3番芽は出て来てしまうんですね。枝を切るとそこから芽が出て枝が伸び、その枝に芽が出ます。なので、2番芽が使えれば問題無いんですが、これがまた熟さないんですよ。
一度、10月を超えて11月まで枝に2番芽を付けておいたんですが・・萎んで来てしまいまして、
「・・ありゃりゃ・・」
と思いながら口に含んでみると、酸もボヤケながら・・とても酸っぱく、甘みなどはほぼ感じられませんでした。果皮の色もダメですね・・。
ですが、このシャルドネ...結構に高質です。ムルソー感も有りますし、エレガントに寄っていますが濃密さも感じられます。
色彩からみても・・全然OKでしょう?・・濃密さを感じさせる涙、黄色もしっかりです。2019年ものの写真の透明感の高い硬そうなミネラリティとはやや異なり、少し柔らか目のナトリウム的?なミネラリティを多分に持っているような感じがします。
そのミネラル分でグラマラス感も出ているのか・・非常に美味しいです。ご苦労の痕跡は味わい上からは見出せませんでしたが・・
「だからこその格下げ疑惑??」
です。
疑惑と言っては申し訳ないのですが、ドメーヌとしては苦肉の策だったのでしょう。素晴らしいシャルドネでした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【コトー・ブルギニヨン・シャルドネも旨いが、流石にこのムルソー的ポテンシャル丸出しのスー・ラ・ヴェルには敵いませんでした!】
まぁ、500円位の差しかないですから、選択は難しいところかと思います。2018年もののこのコラムでも書かせていただきましたが、
「並みのムルソーは道を譲る!」
的なポテンシャルは2019年も同様・・と言うか、完全にブラッシュアップされて2018年を超えています。
もう・・「つるん」と入って来て「するっ」と喉の奥に行きそうになるのを、敢えて左右に振り分けながらゆっくりと少しずつ喉に落として行くと、つるんと入って来た場所の舌の中央あたりに、ムルソー的な少し重めのオイリーなニュアンス・・からの黄色、白の柑橘です。中央より奥の方には、敢えて言わせていただけましたら「甘い果実」が感じられ、喉の奥から、口蓋にへばりついた液体から、ノーズへと中くらいの重さの石灰的なミネラリティが抜けて行き、石、岩を思わせるニュアンスが口内を漂い続ける・・ビターさが徐々に甘みに変わって行く・・そんな感じです。
エレガンスも有り、ムルソーの大理石的なミネラリティも有り、しかし鈍重さが無いのがこのワインの素晴らしいところだと思うんですね。今時、この価格でここまでのパフォーマンスを感じさせてくれるシャルドネは、「無い!」と言っても過言では無いと思います。

で、「甘い果実」とか、「甘い」とか書いてますが・・単に残糖の甘さではないんですね。高級シャルドネに特有な、むしろムルソーなどのシャルドネには感じられるもので、全く残糖が関与していない・・全く残糖が無い等とは言いませんが、
「酸のバランスとミネラリティ」
がそのようにさせると思います。
言ってみれば、オールド・ファッションな最大限に樽の魅力を使ったシャルドネなんですが、みんな大好きですよね?・・noisy も大好きです。
ヴァーゼンハウスの滅茶ナチュラルで、少し中心点がハッキリしないような・・感じも大好きなんですけどね。いや・・これ、So2 が多ければ多いほど、ど真ん中はハッキリはするんです。多過ぎれば味わいや香りに他の影響も出てしまいますけど。
こちらは適度にSo2 を使用すると言う意味でもオールド・ファッションなのかもしれません。でも、
「オールド・ファッション万歳!」
と言いたいですね。是非飲んでみて下さい。王道のシャルドネの味わいです!
以下は以前のレヴューです。
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【激旨です!・・並みのムルソーは道を譲るでしょう!】
A.C.ブルですが、並みのムルソーはひれ伏すに違い在りません。非常に細やかな粒子を粘り気が出てくるまで何度も何度も徹底的にすり潰して出来たかのような「粘性」の有るテクスチュアから、ノーズにもやや粘性を感じる「マッタリな」ニュアンスと、石灰系のミネラリティを多分に含んだ白~黄色の果実を多量に感じます。
イメージ的にはコント・ラフォンに代表される「樽使用で粘性たっぷりの滑らか系シャルドネ」と言えますから、ある意味で「オールド・ファッションなシャルドネ」では有ります。
しかしながらオールド・ファッションなシャルドネって、滅茶美味しいじゃないですか・・。ドミニク・ラフォンの2017年A.C.ブルって、これまたコント・ラフォンご当主のご自身のドメーヌですから、正にオールド・ファッションな味わいなんですが、もう販売が350本超え・・です。やっぱり皆さん、オールド・ファッション・シャルドネって大好きって証拠でしょう?
で、このクリスチャン・ベランのA.C.ブルも、正にそっち系の味わいで価格は2/3です。滑らかで濃密ですし、柑橘系のフレーヴァーがしっかり、ミネラリティもドミニク・ラフォンに負けてないですから、他のA.C.ブルやムルソーにも比較対象に出来てしまうと思います。
非常にお買い得かと思います。定番で置いておけたら・・と思い始めています。是非飲んでみて下さい!超お勧め、見事なA.C.ブルです。
以下は以前のレヴューです。
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【ほとんどムルソー!・・滑らかで美味しい!王道のシャルドネの味わいです。】
昔はね~・・もっと樽が強くて、樽に果実が少しやられて弱めで・・だけれど熟すとちょうど良い感じになるのがムルソーだったんですが、昨今はもう、全く状況が判りましたよね。
四半世紀前頃のnoisy のムルソーに対するイメージは、
「樽」
でした。
まぁ、その頃は輸入のコンディションも今ほどでは無かったですし、その辺りも影響はしていたとしても、何でもかんでも「新樽」を使わなきゃワインじゃない!・・みたいな風潮が蔓延った時代がそれに続きましたから。誰の性でもありゃしないですが・・(^^;;
この「ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル」を飲むと、造り手のセンスの良さに加えて、ブルゴーニュのシャルドネの偉大さを感じてしまいます。
このスー・ラ・ヴェルですが、最初に名前を聞いた時は、
「モンテリーの1級スー・ラ・ヴェルに近いのかな?」
と思ったんですが、モンテリーのは正確には「スュ(ル)・ラ・ヴェル」ですので全く異なる畑です。
村のど真ん中の東に在るA.C.ブルの区画です。ここは、西側半分は村名ムルソーを名乗れるようなので、おそらく上下に渡って畑を所有していて、混ぜる場合は格下げしてA.C.ブルでリリースするのでしょう。
いや、それを聞かないと・・理解できませんよ。これだけムルソームルソーしてるのにA.C.ブルだとするなら、それ相応の理由を見つけなければなりませんから。
樽っぽさは無いんですが、酸化を上手に使用したクラシックなスタイル・・いわゆる王道のシャルドネ、ムルソーです。・・あ、すみません、A.C.ブルです。ほぼムルソーだと思って良いと思います。柑橘、凝縮していて、目が詰まっています。滑らかでほんのりオイリー。石灰もちょっと感じますし、同じくらい、もしくは少し少なめなくらいの粘土も有ります。まぁ、これだと村の中央部位の位置感覚がズバリです。これ以上に石灰系ミネラリティが強ければもっと西側の畑、さらにシャリシャリし始めたらもっと南西の畑・・粘度が強ければヴォルネイ側の畑、オイリーさや蜜っぽさが増えて行けばピュリニーとの境に近い感じ・・などと個人的には思ってます。
パキッパキに、ガンコに感じられるようなミネラリティでは無いので、その分、優しい味わいだとも言えます。これ、安いので・・是非飲んでみてください!お勧めします!
● 2022 Meursault 1er Cru les Charmes
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム
【過去一間違い無し!・・重厚さも有りつつのレ・シャルムならではの高く伸びて行く細やかなアロマ!・・さすが1級レ・シャルムです!】

素晴らしいです!・・さすがレ・シャルム1級!・・凄いですね・・クリスチャン・ベラン、半端無く成長して来ていると感じさせるアイテムです。
まぁ・・色彩も凄いです!・・これで2割ほどの新樽率のようですから、葡萄の組成でこの色が出るんでしょうか・・。
因みにクリスチャン・ベランのレ・シャルムはレ・シャルム・ドスーで・・
「レ・シャルムの下の方」
です。
なので重厚なイメージも有りつつ、華やかな感じも備わっているのでしょう。
因みに上の方は「レ・シャルム・ドスュ」で、ここはあの「レ・ペリエール」に接していまして、もう少し繊細で硬く、軽い訳では無いが重厚な感じは減ると思います。
昔は・・あのイヴィ・ボワイエ=マルトノを散々に推させていただき、今から考えると・・
「とんでもない数量」
を販売させていただきました。
美味しかったですし、何より滅茶安かったんです。なので、
「毎年、フルアイテムをテイスティング!」
していました。・・そう・・ほとんどムルソーを十数アイテムも一晩で一気に開けていました。それを・・どうでしょう・・10年以上、連続でやっていましたでしょうか・・なので、
「ムルソーは結構、血となり肉となっている」
のが・・noisy です・・(^^;;

この色彩からは、やはりイヴ・ボワイエ=マルトノのレ・シャルムを彷彿させられます。安かったし、美味しかった・・ボワイエのレ・シャルムはもう少し繊細さが有り、より軽やかですから、このクリスチャン・ベランのレ・シャルムは重量感が有りつつの高域の伸びやかさが特徴です。
ドライなのにやはり甘みを感じます。ミネラリティは半端無く、その性でしょうか・・やや繊細さはマスクされているように感じます。グラが有り、マッタリとしたオイリーさも感じます。ジューシーとは言いたくないですが、まだ完全には開き切らない・・そのジューシーさの元になっているカプセルみたいなものが有ります。
とても凝縮していまして・・とても数時間では、それらは崩壊しないと思われます。壊れてくるまでに最低5年..掛かると思われます。
もし今開けるとしますと、
「ポテンシャルは非常に感じるものの、開き切らない恨みが残る」
かな・・と思いますので、どうしても開けられる方は一気に飲み切らず、1週間ほど掛けてお楽しみください。もしくは最低5年です。非常に良い出来だと思いますので、ぜひ大事に飲まれて下さい。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【味わいの深み、エレガンスの表情、いつまでも持続する余韻・・ムルソーの美味しさを全て持っている・・そんなレ・シャルムです!おそらく過去最高です!】

「きゃ~・・っ」と思わず声が出てしまう・・素晴らしいムルソーでした。でも、
「多分・・最安値!」
でしょう・・今時、ムルソー=シャルムでこの価格は絶滅していると思います。・・あ、大手ネゴスさんものの叩き売りなら有り得るかもしれませんが。
買い葡萄とのことですが、バレルファルメンテーション100%なんですね。ですので、樽の影響は最大限に受けています。滅茶苦茶・・滑らかでファットでオイリーなんですが・・レ・シャルムですから・・エレガントです。非常に肌理の細やかな石灰、大理石的ミネラリティが感じられます。
黄色い柑橘、果実がふんだんに感じられますが、このねっとりとしたオイリーな液体が口内に優しくまとわり付き、飲み終えた後もアロマを放出してくれる訳です。
ムルソーの1級ものがなぜ高いか?・・と言いますと、葡萄自体が高いと言うのも有りますが、やはりその樽の手配とか、その後のエルヴァージュですね。まるで赤子を見ているかのようにお世話をする訳です。
で、2020年のこのレ・シャルムですが、やはり過去最高だと・・noisy的には確信しています。なぜって・・いや、それは・・滅茶旨いからです・・それしかないでしょう?
面白いのはいつも言ってますが、このレ・シャルムは、ピュリニー=モンラッシェに接している訳ですよ。

そしてレ・シャルム(・ドッスー)は、ピュリニーの村名のレ・シャルムと、1級のレ・ルフェールに接しているんですね。
ですので、ピュリニーのレ・シャルムは村名、ムルソーのレ・シャルムは1級なんです。そんなところにも見えないヒエラルキーがあるようで、
「ピュリニー > ムルソー」
と言うような格の差を何となく感じます。確かに、先日ご案内させていただいたバシュレ・モノの2020年ピュリニー・レ・ルフェールは異常なほど凄かったので、それとこのレ・シャルムを比較するので有れば、
「相当に差は有る」
とすべきでしょう。
しかしながら、
「よりエレガントなのは・・どっち?」
と聞かれますと、間違いなくクリスチャン・ベランのレ・シャルムです。
また、レ・シャルムはレ・シャルム・ドスユ(上部)とレ・シャルム・ドッスー(下部)が有り、ドスユがペリエールと接している関係上、ドッスーをドスユが凌ぐ・・と言われているんですが、noisy 的には未だ確証を得られていません。飲む前は色々調べて、この人はドッスーだと確信を持って、そのポテンシャルを取ろうと思っているんですが、飲んでしまうと美味しさに気を持って行かれてしまうんですね。
素晴らしい出来でした!深い味わいです!是非飲んでみてください。超お勧めします!
あ・・なぜかジャンシス・ロビンソンさんのこのワインの評価は見当たりませんでした。数が無いので飲めなかったのかな?・・判りません。
以下は以前のレヴューです。
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2枚目の写真はちょっと暗くなってしまいましたが・・まぁ、カメラ系の扱いがなってない noisy が写真を撮ると、RGB のバランスも変わってしまうし・・何とも難しいです。カメラが変わればそのクセも変わりますしね。まぁ、カメラと言ってもiphoneで撮ってますが、4年も経つとバッテリーが厳しくなってくるので変えなくてはならなくなり、変えてしまうと以前のものとのクセが変わるので、また見え方が違ってしまう・・の繰り返しです。それでも
「ちょいちょい」
と写真を撮って、その場で見られる時代になったのは、動画でさえも今や当たり前になってしまいましたが、noisy が子供の頃はカメラは超高級品で、友達が、
「ハーフのカメラ、買って貰った!」
と遠足や社会科見学、運動会にこれ見よがしに持ってくるのを指を咥えて見ていました。「ハーフ」のカメラの意味も判りませんでしたが・・(^^;; あ、反対に今の若いひとたちに聞いてみたいですね。
「ハーフのカメラって知ってる?」
って。
で、こちらも「ハーフ」ならぬ・・「準1級」的な扱いで良いと思われるレ・ティレをご紹介させていただきます。

そもそも石切り場の傍の畑ですから、
「物凄いミネラル」
が特徴です。そのミネラリティをどのように表現するのか・・それは、樽を使うのか、使うとしたらどれ位か、マロラクティックはやるのか、やるとしたらどれ位か・・と言う醸造的な部分は勿論、
「どのタイミングで収穫するか?」
と言うのも非常に重要です。
ベランの場合やや遅め、もしくはドンピシャのタイミングで収穫し、バリックは20~30%、マロはしっかり掛ける・・と言う感じだと思います。ですので、
「オールド・ファッション」
でしょうね。
そして、2019年のこのレ・ティレは・・いや、レ・ティレだけでは無いんですが・・素晴らしい仕上がりです!今までで最高!なのは間違い無しです。
しかも今から飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・口内に少し粘るオイリーなニュアンスからの柑橘果実の表情のディテールが素晴らしいです。そして、大理石的なミネラリティですね・・緊張感が漂い、しかもマンモスな量です。
そして今や絶滅寸前のリーズナブルプライスです!準一級で6千円台というのはもう無いんじゃないかと思います。ここはこのベランを見つけて来られたフィネスさんに感謝です。是非飲んでみて下さい。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【大理石の切り出し場がすぐ近く・・イメージの沸きやすいレ・ティレです!】
一般には村名区画ですが、業界では準一級格と目されているレ・ティレ(レ・ティエ)です。それにはやはり、コシュ=デュリの活躍も影響していると思われますが、彼が区画名(ルージョ、ヴィルイユ、レ・カス=テート等)を入れてリリースしていたので、飲んだ者がそのテロワールの違いをまざまざと見せつけられた・・のかもしれません。最もコシュ=デュリも、区画名を記載して出す場合と記載しない場合(出荷先で異なる)が有り、我々もネゴス経由で仕入れると、区画名の記載の無いムルソーが、実際はどこの区画か判らず、でもそれを想像するのが楽しみ・・でも有った訳ですね。個人的にはルージョは大好きで、モンティーユさんがネゴスで「クロ・デ・ルージョ」を2年ほどリリースしていた時は嬉々として仕入れてました・・旨かったですね~。メゾン・ドゥー・モンティーユでクロ・デ・ルージョをリリースしなくなってしまったのと、エージェントさんに価格をどんどん吊り上げられたので止めてしまいましたが・・。
このレ・ティレは、ムルソーの中央南寄り西側上部に有る区画(一級群の真上)ですが、この辺りは大理石の石切り場が有ったすぐ近くで、非常に鉱物的なニュアンスが強く出るテロワールです。冷ややかで石、岩のニュアンスがたっぷり感じられます。
2018年のレ・ティレは非常に滑らかで、しかも粘性に富んでいます。マロラクティックをしっかりと掛けた感じ・・と言って良いと思いますが、本来、多分に存在していたはずの「リンゴ酸系」の大部分を「乳酸」に変えていますが、酸の総量はたっぷりあり、この美味しさこそがこのワインの魅力と言えるでしょう。
勿論ですがそこから生まれる果実表現も見事で、柑橘系フレーヴァーがたっぷり、ほんのりオイリーで非常に高質です。ムルソー中央西側の「硬質な」ニュアンスの良く判る味わいです。あの素晴らしいレ・カス=テートの南に接しています。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】
ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2022 Coteaux Bourguignons Chardonnay Cuvee des Gouttes Premium
コトー・ブルギニョン・シャルドネ・キュヴェ・デ・グート・プレミアム
【おそらく放棄地だったところを開墾して植えたようですが、周りはすべてA.C.ブル!・・スー・ラ・ヴェルと差が出ない出来になって行くでしょう!・・滅茶美味しいです!】

まさにコート・ド・ボーヌのシャルドネ・・と言った出来映えを感じさせる、まったく文句の出ない見事なボーヌ・シャルドネです。
ムルソー1級シャルムの東側で国道の西・・と言ったら、荒地 or 放棄地 以外は村名畑とA.C.ブルしかないんですね。
何らかの理由で長らく農作物の栽培を放棄されてきた畑なので、格付け外になっているんですね。まぁ・・その気が有るのであれば申請して通れば、村名かA.C.ブルにはなると思いますが、そうしますと高くなってしまいますから・・しないのでしょう。
それに、少し北にはクリスチャン・ベラン所有のA.C.ブルの畑、スー・ラ・ヴェルが有りますから、樹齢が若いのも有って格を同じにせず、
「コトー・ブルギニヨン」
でリリースしつつ、
「実はコトー・ブルギニヨンにしてはプレミアムなんだよ・・」
と言うことで、このようなややこしい名前になっていると推測しています。
いや、ずっとこのままではちょっと勿体無いですよね・・1級シャルムの下、村名リモーザンのすぐ近くです。

年々驚くほど仕上がりが素晴らしくなって来ていると感じるクリスチャン・ベランですが、この「キュヴェ・デ・グート・プレミアム」もまた、昨年の出来を超えて来ていると感じます。
まさにムルソーで造られた、ミネラルがハード過ぎて厳しくない方のムルソーのイメージを持っています。粘土がそこそこに有る感じなので、
「粘性が有り、ボリューム感がしっかり」
と言うタイプのシャルドネです。バッキバキなミネラリティで口内を収れんするようなタイプのムルソー系ではありません。
甘さは無く、ボリューミーで、白や黄色の柑橘・果実がたっぷり有り、「ゴク味」「旨味」がしっかり・・ムルソーと言うよりはピュリニー風、もしくはシャサーニュ風と言った方がイメージは近いです。
関係無いですが・・アメリカではすでに、
「ウマミ と言う言葉が周知されてきていて、普通に使っている」
とアメリカ人の方がおっしゃってました。世界はどんどん狭くなってますが、日本は付いていけているのかちょっと心配になります。
出来は素晴らしいので・・「コトー・ブルギニヨン」と言う「格」にこだわらずに飲んでみてください。リーズナブルですし滅茶美味しいです!お薦めします。
以下は以前のレヴューです。
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【テイスティングして「ああ...良かった!」と、心配していた2021年の出来を確認出来ました!美味しいです!】
2020年ものは水不足で濃厚、2021年はエレガント・・と言うのはまず間違いないでしょう。赤は特にその傾向が強いです。2020年の白の場合は濃厚と言うよりも、充実感が深くいつ飲んでも「たっぷり」美味しい感じで、
「このクリスチャン・ベランの2021年の白がどうか?」
で、ある程度占えると思っていたんですね。価格は上昇してしまいますが味わいがダメじゃぁ・・お勧めし辛くなってしまうので、心配していた訳です。
この2021年のコトー・ブルギニヨンですが、非常に良く出来たシャルドネです。2020年もののような豪奢な果実は無いんですが、非常に健康的でぜい肉の無いスタイル。伸びやかで瑞々しいフルーツ感は旨みのある果実酸の味わいが中心です。
甘い成分が無いドライな仕上がりですから、ミネラリティもより目立ち、軽やかな白い石灰が多分に感じられます。果実はやはり黄色、白の柑橘系で、何故か・・
「2020年ものよりもナチュール感が高い」
ように思います。

2番芽を使用したドメーヌも有る・・なんて言われてましたから、内心は相当ドキドキだった訳ですよ。フィネスさん銘柄ですと、フランソワーズ・ジャニアールの2021年白を飲んでいますが、これもとても美味しくいただきましたが、ちょっと似た仕上がりかもしれません。
2020年もののようなムルソーを強く感じさせるような出来では有りませんが、バランス良く、よりミネラリティが全面に出た、非常に香るワインになっていると感じました。
価格の方もそうとう頑張って値付けしていますので、
「おそらく最安値に近い」
はずです。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【早期完売注意報!・・滅茶美味しいです!ブリブリっとした新鮮果実がたっぷり!高級感も適度に備わって大人気です!】
激美味しいです!・・2千円台のA.C.ブルだと思っていただいて良いと思います。ステンだと言うことなんですが・・確かに最後の収まり具合がステンっぽい部分を感じますが、この色ですから・・。綺麗ですね~・・少し緑を感じさせる濃い目の黄色です。まぁ、樽を使用したキュヴェをブレンドした可能性もあるかもしれません(違ってたらすみません)。2018年以前のものと比較してしまうと・・
「全然、色彩の構成が異なる」
のは明らかですもんね。
また2019年と言う素晴らしいヴィンテージが、このクリスチャン・ベランのベースのキュヴェにもプラスの方向性を与えた・・とも言えるかもしれませんが、トップ・キュヴェのムルソー・レ・シャルムもレ・ティレもA.C.ブルも・・すべてが2018年ものを大きく超えているんですね。
そもそも樽を掛けると、その樽の要素を得られるのは良いんですが、その樽の能力によって、結構にその葡萄はポテンシャルを明け渡してしまいます。一般的に言う、「樽負け」ですね。
そうしますと妙に香りや味わいに樽のネガティヴな要素が感じられてしまって、ちょっと飲む方も辛くなってしまうんですね。

しかしながら、このキュヴェがそんなニュアンスを見せることは全く有りません。フレッシュなアロマと表情、少し粘ってマッタリとしたムルソーチックな表情、余韻まで長く押して行く押味・・ポテンシャルは価格を確実に超え、高い満足感を得られるんじゃないかと思っています。
このリーズナブルで能力の高いキュヴェを求められる飲食の方が多いんだと思うんですね。いつも・・無いんですよ。本当はもう少しは欲しいところなんですが・・。
このクリスチャン・ベランを飲んだことの無い方も、「ジャケ買い」ならぬ・・「色買い」って有り!だと思います。一般的なA.C.ブルだってこんな色にはならないですよ。・・まぁ、石灰系のミネラリティが多量にビシッと入っているともうちょっと収まった色合いにはなる場合も有りますけどね。是非飲んでみて下さい。非常に安い!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年植樹って・・ちょっと信じられないです。10歳ほどサバを読んでないでしょうか?ムルソー的な滑らかさにピュアな明るさを差し込んだ見事な味わいです。】
写真はちょっと暗かったので照度調整・・と言うか、青を少し足していますので、黄色味が少し飛んで写っていますので、実際はもっと黄色く見えると思います。
2014年の植樹・・と言うことですが、ちょっと信じられないほどの濃密さが有ります。やはりムルソー的に少し粘度が有り、ミネラリティの量もしっかり有ります。そして明るいピュアさ・・フレッシュさが僅かに差し込んでくる感じで、ムルソーの暑苦しさ(悪く言えば・・です)が無く、しかしムルソーの良さを引き出している(良く言えば・・です)と言う感じで、非常に好意が持てる味わいです。
こんなワインが簡単に出来てしまう・・なんて、ちょっと恐ろしいですよ。2014年植樹で2019年もの・・と言うことは、昨年の2018年ものがようやく2年目のリリース・・みたいな感じなんでしょうから。
しかも価格も安く、高級シャルドネとしての資質もしっかり感じられるので、
「単に畑がA.C.ブルを名乗れない場所にある」
けれど、
「仕上がりは一般のA.C.ブル以上のもの」
と言って良い、
「名前(クラス)だけがコトー・ブルギニヨン(パストゥグラン)のシャルドネ」
とご理解いただければと思います。非常に美味しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プティ・ムルソーと言いたくなるような濃密さ!・・かなり美味しいです!】
シャブリに対するプティ・シャブリみたいな対比をムルソーに持ち込んだかのようなニュアンスです。有難いですね~!キュヴェ・デ・グート(グット?)と名付けられた、「コトー・ブルギニヨン・ブラン」です。
そもそもは、「レ・バス・グート」と言う畑がムルソー村の東側に有りまして、そこのシャルドネです。ただし、ここは位置に寄っては、A.C.ブルゴーニュを名乗れたり、駄目だったりするようで、かのシャトー・ド・ラ・ヴェルもA.C.ブルゴーニュ・シャルドネとして、「レ・バス・グート」を仕込んでいたようです。隣同士で仲良かったんでしょうね。国道の西に在るので、通常ならA.C.ブルゴーニュを名乗れる位置です。
コトー・ブルギニヨンと言いますと、昔のパストゥグラン、グランドルディネールクラスですね。以前なら軽くて喉越しの良さで飲ませるタイプでした。
しかしながら・・ちょっとビックリしますよ。ちゃんと・・出来てるんですね~・・高級ワインとして。
なので、これをブラインドで出すのは止めましょう。絶対、若いムルソーとか言ってしまいますんで・・はい。
滑らかで、柑橘がすっと立ち昇り、ほんのりオイリーだが樽っぽさは無くピュア。中域が充実していて、マッタリ感充分。余韻も結構しっかり続く。
コトー・ブルギニヨンだからな~・・と思って臨むとケガをしますよ。「シャバい」味わいじゃありません。むしろ、これでムルソー的ニュアンスをたっぷり感じられるので、少し前のコント・ラフォン、ドミニク・ラフォンのワインが「マイ・タイプ」だったとしたら、ドンピシャでしょう!・・安く出しますんで、是非飲んでみてください。久々の安くて美味しい、王道のシャルドネです!
● 2022 Bourgogne Pinot Noir
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
【クリスチャン・ベランもまた2022年と言う良年を迎えて、おそらく過去最高のピノ・ノワールを造りました!誠実さが伝わって来る精緻で見事な凝縮感です!】

2021年ものは少な過ぎて飲まず、2020年もの以来のテイスティングです。
ただし・・2022年ものは全てテイスティングはしたものの、
「各アイテム6本だけの入荷」
に過ぎませんので、Noisy wine としますと、かなり無理をしている訳です。
まぁ・・このクラスも値上がりはしていますが、お客様の気を強~~く惹きつけるタイプでは無いのでしょう・・クリスチャン・ベラン、相当美味しいし、年を追う毎にポテンシャルを上げて来ているんですね。
そもそも2020年ものが Noisy wine に各6本と言うことは、相当..飲食店さんの引きが良いと言うことなのかな?・・と理解しています。
2020年ものもムルソー・ルージュ・チックで深みがあり、とても良い感じでしたが、2021年ものは・・ヴォルネイやムルソー辺りのやや深い粘土のニュアンスを感じるものの2020年ものほどの粘土の強さは無く、反対に、
「透明感のあるミネラリティが多分に感じられ、そこにチェリーを中心にした赤果実、ムルソー赤+シャンボール系?」
と言った仕上がりになった2022年ものです。

もう、目に見えて透明感が強いのが判るかと思います。少し「パキッ」とした味わい、テクスチュアが有り、この辺りが崩壊し始めますと・・さらに味わいが深いものになって行くかと想像しています。
新樽のニュアンスは無いので、妖艶さはまだ未発達ですが、歳を経る毎に深み、妖艶さを増して行くでしょう。
クリスチャン・ベランらしく甘みの無い、非常にドライな味わいながら、
「日本に登場したころと比較して、質感がすこぶるアップしている!」
と感じるA.C.ブルです。飲んでみて下さい。お薦めします。
以下は以前のレヴューです。
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【何と・・お初の輸入、お披露目の入荷です!・・ムルソー・ルージュ・タイプのむっちりとした粘性の有る味わいです!】
ムルソー・ルージュタイプと言って伝わるか・・ヴォルネイタイプと言ったら勘違いされるか・・などとそれなりに悩んだ末のお題目です。
「・・あれ?・・そう言えばクリスチャン・ベランのA.C.ブルの赤って・・飲んだことないなぁ・・」
と思っていたんですが、この期に及んで商品マスタを検索してみて、初の入荷を確認しました。今まで日本には入って来ていなかったんですね。
このクラスのワインでさえ追加が出来るような状況では無いので、ある程度は利益幅をいただきたいところでは有るんですが仕入れは安くない・・んですよね。なので、
「ん~・・やはり・・余り利幅は取れないなぁ・・」
と言うことになってしまいました。
こちらは2020年ものですから、非常に凝縮感が有ります。さりとてクリスチャン・ベランの赤ですから・・
「甘みを残したピノ・ノワールにはしない」
んですね。キッチリとドライです。
アルコール分は13パーセントと、ベストですね。エレガントさとふくよかさのバランスが取れた度数です。

まさに「赤を積層させたような、ムッチリ感が目にも見える」ような仕上がりでして、このムッチリさが、
「ムルソー・ルージュを彷彿させる」
と思うんですね。
ですが、ムルソーの赤を飲まれたことの有る方は、余りいらっしゃらないはずなんですね。でも、ヴォルネイ・ルージュと言ってしまうと、エレガントさが全面に出たタイプと思われることを懸念して、そのように表現しました。
ムルソーの北側はムルソー村で有ってもヴォルネイ1級赤の産地なんですが、そこを外れた区画がムルソー・ルージュになります。
ヴォルネイ1級的でも有るんですが・・流石にそれを比較に出してしまうとトゥー・マッチな話しになってしまいますが、ヴォルネイ=サントノの高質さには届かないまでも、似たニュアンスは感じられると思います。
その昔、ムルソーは白が大うけしたので、多くの生産者さんがピノ・ノワールを抜いてしまったんですね。ですので現在は非常に少ないです。
こちらは村名では無く、ムルソーのA.C.ブルの畑なのでさらに格は下がりますが、樹齢が50~60年とヴィエイユ・ヴィーニュで有ること、そして2020年と言う水分に恵まれなかった背景も有り、
「ドライながら濃密」
で有り、エキスが綺麗に出て、粘性が有って旨味をさらにしっかり伝えてくれる・・ムッチリ感が有ります。ポマールの畑の葡萄もセパージュしているようですが、ポマール的な部分は余り出ていない感じがします。とても良く出来ているA.C.ブルです。飲んでみてください。お勧めします。
● 2021 Bourgogne Chardonnay Sous la Velle
ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル
【おそらく上級キュヴェを格下げしてブレンドしたか?・・ムルソー的硬質さとほんのりとリッチな味わいが交錯する高質A.C.ブルです!】

2021年は名手クリスチャン・ベランをして、
「2021年は非常に難しい年だった」
と言わしめていますから、相当に「リキが入ったヴィンテージ」だと言えるでしょう。
例えば料理人さんで有れば、素材にこだわりますから、
「この魚はイマイチだから使わない。そっちは欲しい。」
と・・選択の余地が有ると思います。その日は入手できなくても翌日、もしくは翌々日入手できる可能性は有ります。
ですから、料理人さんでもどうしようもない・・
「・・一発勝負の季節もの」
でしょう。この場合でも選択の余地は有りますが、それは下手をすると、
「季節ものの入荷を楽しみに訪れたお客様に提供できない。」
ことにも繋がります。
2021年のこのムルソー地域は相当ヤバかったようです。まったく収穫できないに近い・・もしくは出来ても質が揃わず製品に出来ない・・と言う生産者さんが多数を占めた訳ですね。
そんな時、ドメーヌではどうするかと言いますと・・
「格下げ」
と言う手段を使います。
グラン・クリュで有れば、格下げして1級に混ぜる・・、1級であれば1級格だけを合わせて「ムルソー1級」のようなワインにする、もしくは村名に混ぜる・・、村名なら広域のアペラシオンに混ぜる・・と言うことになります。勿論、特別なキュヴェに仕立てる場合も有るかと思います。

4月の初旬に氷点下まで下がり、霜が降りたようです。準1級畑や1級畑が有る丘の上部の畑が壊滅状態のようで・・何せムルソーの丘は大理石的な土壌ですから、冷え込んでしまうとカチンコチンです。せっかく発芽した芽がやられてしまうと、そもそも多くの枝、芽を残す訳では無いのでどうにもならない訳ですね。出来ることは2番芽を使用することですが、これはもう・・全く熟度が異なりますので、相当に品質が下がってしまいます。
noisy もピノを育てていますが、2番芽、3番芽は出て来てしまうんですね。枝を切るとそこから芽が出て枝が伸び、その枝に芽が出ます。なので、2番芽が使えれば問題無いんですが、これがまた熟さないんですよ。
一度、10月を超えて11月まで枝に2番芽を付けておいたんですが・・萎んで来てしまいまして、
「・・ありゃりゃ・・」
と思いながら口に含んでみると、酸もボヤケながら・・とても酸っぱく、甘みなどはほぼ感じられませんでした。果皮の色もダメですね・・。
ですが、このシャルドネ...結構に高質です。ムルソー感も有りますし、エレガントに寄っていますが濃密さも感じられます。
色彩からみても・・全然OKでしょう?・・濃密さを感じさせる涙、黄色もしっかりです。2019年ものの写真の透明感の高い硬そうなミネラリティとはやや異なり、少し柔らか目のナトリウム的?なミネラリティを多分に持っているような感じがします。
そのミネラル分でグラマラス感も出ているのか・・非常に美味しいです。ご苦労の痕跡は味わい上からは見出せませんでしたが・・
「だからこその格下げ疑惑??」
です。
疑惑と言っては申し訳ないのですが、ドメーヌとしては苦肉の策だったのでしょう。素晴らしいシャルドネでした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【コトー・ブルギニヨン・シャルドネも旨いが、流石にこのムルソー的ポテンシャル丸出しのスー・ラ・ヴェルには敵いませんでした!】
まぁ、500円位の差しかないですから、選択は難しいところかと思います。2018年もののこのコラムでも書かせていただきましたが、
「並みのムルソーは道を譲る!」
的なポテンシャルは2019年も同様・・と言うか、完全にブラッシュアップされて2018年を超えています。
もう・・「つるん」と入って来て「するっ」と喉の奥に行きそうになるのを、敢えて左右に振り分けながらゆっくりと少しずつ喉に落として行くと、つるんと入って来た場所の舌の中央あたりに、ムルソー的な少し重めのオイリーなニュアンス・・からの黄色、白の柑橘です。中央より奥の方には、敢えて言わせていただけましたら「甘い果実」が感じられ、喉の奥から、口蓋にへばりついた液体から、ノーズへと中くらいの重さの石灰的なミネラリティが抜けて行き、石、岩を思わせるニュアンスが口内を漂い続ける・・ビターさが徐々に甘みに変わって行く・・そんな感じです。
エレガンスも有り、ムルソーの大理石的なミネラリティも有り、しかし鈍重さが無いのがこのワインの素晴らしいところだと思うんですね。今時、この価格でここまでのパフォーマンスを感じさせてくれるシャルドネは、「無い!」と言っても過言では無いと思います。

で、「甘い果実」とか、「甘い」とか書いてますが・・単に残糖の甘さではないんですね。高級シャルドネに特有な、むしろムルソーなどのシャルドネには感じられるもので、全く残糖が関与していない・・全く残糖が無い等とは言いませんが、
「酸のバランスとミネラリティ」
がそのようにさせると思います。
言ってみれば、オールド・ファッションな最大限に樽の魅力を使ったシャルドネなんですが、みんな大好きですよね?・・noisy も大好きです。
ヴァーゼンハウスの滅茶ナチュラルで、少し中心点がハッキリしないような・・感じも大好きなんですけどね。いや・・これ、So2 が多ければ多いほど、ど真ん中はハッキリはするんです。多過ぎれば味わいや香りに他の影響も出てしまいますけど。
こちらは適度にSo2 を使用すると言う意味でもオールド・ファッションなのかもしれません。でも、
「オールド・ファッション万歳!」
と言いたいですね。是非飲んでみて下さい。王道のシャルドネの味わいです!
以下は以前のレヴューです。
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【激旨です!・・並みのムルソーは道を譲るでしょう!】
A.C.ブルですが、並みのムルソーはひれ伏すに違い在りません。非常に細やかな粒子を粘り気が出てくるまで何度も何度も徹底的にすり潰して出来たかのような「粘性」の有るテクスチュアから、ノーズにもやや粘性を感じる「マッタリな」ニュアンスと、石灰系のミネラリティを多分に含んだ白~黄色の果実を多量に感じます。
イメージ的にはコント・ラフォンに代表される「樽使用で粘性たっぷりの滑らか系シャルドネ」と言えますから、ある意味で「オールド・ファッションなシャルドネ」では有ります。
しかしながらオールド・ファッションなシャルドネって、滅茶美味しいじゃないですか・・。ドミニク・ラフォンの2017年A.C.ブルって、これまたコント・ラフォンご当主のご自身のドメーヌですから、正にオールド・ファッションな味わいなんですが、もう販売が350本超え・・です。やっぱり皆さん、オールド・ファッション・シャルドネって大好きって証拠でしょう?
で、このクリスチャン・ベランのA.C.ブルも、正にそっち系の味わいで価格は2/3です。滑らかで濃密ですし、柑橘系のフレーヴァーがしっかり、ミネラリティもドミニク・ラフォンに負けてないですから、他のA.C.ブルやムルソーにも比較対象に出来てしまうと思います。
非常にお買い得かと思います。定番で置いておけたら・・と思い始めています。是非飲んでみて下さい!超お勧め、見事なA.C.ブルです。
以下は以前のレヴューです。
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【ほとんどムルソー!・・滑らかで美味しい!王道のシャルドネの味わいです。】
昔はね~・・もっと樽が強くて、樽に果実が少しやられて弱めで・・だけれど熟すとちょうど良い感じになるのがムルソーだったんですが、昨今はもう、全く状況が判りましたよね。
四半世紀前頃のnoisy のムルソーに対するイメージは、
「樽」
でした。
まぁ、その頃は輸入のコンディションも今ほどでは無かったですし、その辺りも影響はしていたとしても、何でもかんでも「新樽」を使わなきゃワインじゃない!・・みたいな風潮が蔓延った時代がそれに続きましたから。誰の性でもありゃしないですが・・(^^;;
この「ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル」を飲むと、造り手のセンスの良さに加えて、ブルゴーニュのシャルドネの偉大さを感じてしまいます。
このスー・ラ・ヴェルですが、最初に名前を聞いた時は、
「モンテリーの1級スー・ラ・ヴェルに近いのかな?」
と思ったんですが、モンテリーのは正確には「スュ(ル)・ラ・ヴェル」ですので全く異なる畑です。
村のど真ん中の東に在るA.C.ブルの区画です。ここは、西側半分は村名ムルソーを名乗れるようなので、おそらく上下に渡って畑を所有していて、混ぜる場合は格下げしてA.C.ブルでリリースするのでしょう。
いや、それを聞かないと・・理解できませんよ。これだけムルソームルソーしてるのにA.C.ブルだとするなら、それ相応の理由を見つけなければなりませんから。
樽っぽさは無いんですが、酸化を上手に使用したクラシックなスタイル・・いわゆる王道のシャルドネ、ムルソーです。・・あ、すみません、A.C.ブルです。ほぼムルソーだと思って良いと思います。柑橘、凝縮していて、目が詰まっています。滑らかでほんのりオイリー。石灰もちょっと感じますし、同じくらい、もしくは少し少なめなくらいの粘土も有ります。まぁ、これだと村の中央部位の位置感覚がズバリです。これ以上に石灰系ミネラリティが強ければもっと西側の畑、さらにシャリシャリし始めたらもっと南西の畑・・粘度が強ければヴォルネイ側の畑、オイリーさや蜜っぽさが増えて行けばピュリニーとの境に近い感じ・・などと個人的には思ってます。
パキッパキに、ガンコに感じられるようなミネラリティでは無いので、その分、優しい味わいだとも言えます。これ、安いので・・是非飲んでみてください!お勧めします!
● 2021 Savigny-les-Beaune Blanc
サヴィニー=レ=ボーヌ・ブラン
【5千円以下のブルゴーニュ・シャルドネでは相当高い評価をするべきポテンシャルです!ややスレンダーな平均年のムルソー風!】----以前のレヴューを掲載しています。

さぁ・・クリスチャン・ベランの本職?、シャルドネのご案内です。ブルゴーニュ・シャルドネって・・ホント美味しいですよね。このところのバシュレ・モノ、そしてユベール・ラミーと、近年最高に伸びた生産者さんをご案内して来ましたから、皆さんも・・ラミーはまだにせよ、バシュレ・モノは飲み始めたかもしれません。
バシュレ・モノだって..少し前までは、
「まだまだこれから・・でもグングン伸びて行くような気持ちにさせてくれるよね・・」
と思っていただいていたと思うんですね。そもそも・・
「・・マランジュ・・?・・いや~・・いらない・・」
そんな方が多かったはずなんです。今や・・バシュレ・モノはマランジュの赤も白も大人気です。しかも王道のピュリニー、シャサーニュの畑を持ち、バタール=モンラッシェも持っていますから、ここまで伸びて来ますと・・凄い評価がバンバン出ちゃうんですね。
こちらのクリスチャン・ベランのワインは、本当に「職人さん」と言った感じがします。
「目立たないけれど良い仕事をしてる!」
と感じるんですよ。2020年の赤は13度~13.5度で、小さくなった葡萄果実の美味しさをブルゴーニュらしさを失わずに見事に表現しています。

2020年の白、こちらはサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランですが、2019年ものよりも熟度が高く、サヴィニーで有りながらムルソーっぽい充実したスタイルです。
質的に縦延び系は変わりませんが、ムルソーのように横方向への膨らみやオイリーさが加わっています。そもそもサヴィニーの1級畑以外は、南西や東を向いた畑が多い性でしょうか、ふだんはそんなに肥沃なニュアンス・・ねっとりした感じなどは出辛いと思うんですね。
ですが2020年のように少雨ですと・・積算温度と日照に問題は無くなりますから、干からびないほどであれば、むしろ良い結果を生むことになったのかな?・・と思っています。
で・・これもここだけの話なんですが、かのジャンシス・ロビンソンさんはこの2020年のサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランに対し何と・・「90点」も献上しているようなんですよ。評価は結構に厳しいお方ですからね。もしその評点が本当であれば・・かなり高い評価だと思っています。
ほんのりオイリーさをノーズに持った白や黄色の涼やかな果実、中域、中低域の押し出し幅が例年よりも大きく、ムルソーっぽさを感じさせてくれます。フレッシュさと滑らかさが良い感じでマッチしていて、レモンっぽいノーズの後、ややファットな黄色い果実がゴージャス。余韻も実に良い感じに長いです。
ちょっと5千円以内のシャルドネとは思えない出来です。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【何と4千円台の村名シャルドネ!そして美味しかった2018年をエレガンスで超えた素晴らしい出来です!】
10年ちょっと前なら、
「サヴィニー=レ=ボーヌ?・・ん~~・・どうかなぁ・・酸っぱいしなぁ・・」
みたいな印象でしたよね。それでもまぁ・・千沙さんのドメーヌ・シモン・ビーズが好きな方は、パトリックさんが健在だった頃から応援していましたので、
「好きなのはサヴィニー」
とおっしゃる方も20年前からいらっしゃいました。
今や「酸っぱいサヴィニー」「平坦な味わいの静かなサヴィニー」は消えました。まぁ・・地球温暖化の影響でしょう。それに、
「日当たりの良過ぎる畑は大変」
なんて声も聞こえてきたりする今日この頃ですから、
「愛らしい味わいのピノやシャルドネ」
だった2000年代よりもさらにグッと味が載ったワインに仕上がって来ているのが「サヴィニー=レ=ボーヌ」「ショレ=レ=ボーヌ」と言う、ボーヌ村の北にある村です。

もはやこの頃のサヴィニー=レ=ボーヌのシャルドネで、優れた生産者の手によれば、一昔前のサン=トーバン辺りの味わいと全く変わらないと思っています。
そもそもサン=トーバンにしましても、アン・ルミイィ以外は・・と言うより、アン・ルミイィでも凄く苦労して販売していました。売れなかったと言って良いかな・・と思いますよ。
サヴィニーの北にはペルナン=ヴェルジュレスが有るんですが、それこそパカレが造った最もリーズナブルなピノだったペルナン=ヴェルジュレスなんて・・2000年頃は誰も見向きもしなかったです。パカレの全盛期でも・・そうだったんですね。
ですがこの地球温暖化は、相当な勢いで色んなワインに影響を与えているのでしょう。
そんな中でこのサヴィニーのシャルドネ・・は、マッチョ過ぎない、スタイリッシュさを程好く残した味わいを感じさせてくれるワインです。2019年ものは・・すみません、滅茶美味しいかった2018年を「すっ」と超えて来ました。
余りにその超えてのサマが差が有りまして、これをどのように判断するのかが難しいんですね。
「ヴィンテージ(限定)の良さ」
なのか、
「造り手が腕を上げた」
のか・・です。
アンリ・グージュの2019年は、2012年ものの頃から見続け、2017年からの凄い変化を確認しておりましたので「古豪復活」を言えた訳ですが、このクリスチャン・ベランの場合は扱ってまだ3年ほど・・とてもそんな大それたことを断言するまでには行かない訳です。
しかし、この2019年のクリスチャン・ベランがフィネスさんからオファーされてから、一瞬で消えたことを考えれば、
「テイスティングした人はクリスチャン・ベランのワインのポテンシャルに驚いた!」
と言うことだと思うんですね。誰しも、リーズナブルで美味しいワインは欲しいですから・・。しかもこの新型コロナの世の中で、飲食店さんは中々営業できない中での出来事な訳です。どれだけ支持されたのかが判るんじゃないかと思います。是非飲んでみて下さい。超美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【これも激旨!少し細身のムルソー・レ・ティレ?・・いや、横から縦に伸びる方向を変えたムルソー・レ・ティレ!・・と言っておきましょう!】
ん~・・やっぱり、白いテーブルクロスは必需品ですね。左の写真は良い感じに「淡く緑掛った少し濃い黄色」が見えていると思います。透明なミネラリティも・・見えるようじゃないですか。
で、これはまためっちゃ美味しいんですね・・。横方向に拡がろうとするムルソー・レ・ティエに負けず劣らず、このサヴィニー・ブランは縦方向に伸びる分が多いです。縦伸び系ですね。
その上で、ムルソーはやはり白っぽい、そして僅かに色付いた感じのミネラリティなんですが、こちらはむしろ無色透明です。石英的・・と言いましょうか、クリスタル的・・が判りやすいかな?
そしてやはり冷ややかな柑橘果実がたっぷりで、マロラクティックによりとても「まろやか」なんですね。今飲んでも滅茶美味しい!縦にグングン伸びる感じで、ノーズがグイグイ押されっぱなしです!
サヴィニーの白はさほどは飲んではいないですが、もっと酸っぱくて果実の若さが口内に浸みる痛さと戦う感じがして・・(^^;;
「・・もっとムルソー的ならなぁ・・」
などと思っていましたが、ムルソーの造り手が造るサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランなら・・それも対応可能なんでしょうか。
いや、やはり葡萄の能力が有るからこそ、しっかりマロラクティックを掛けられるのでしょう。素晴らしい出来だと思います。非常に美味しい!是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【珍しいサヴィニーの白!・・スタイリッシュでミネラリティたっぷり!・・今までに無い感覚のシャルドネと思っていただけるかも!】
これも非常に美味しいです!サヴィニーの白は余り出会うことが有りません。ボーヌの白は結構に有りますけどね・・でも、ボーヌの白のふくよかな一面も無りませんし、ミネラリティの組成の性でしょうか、ボーヌのミネラリティは「太い」と再発見するような、縦伸び構造の「背の高い」ミネラリティを感じていただけると思います。
かのPKさんは、その著書「バーガンディ」で、「サヴィニー=レ=ボーヌでは少量では有るが、高品質の白がとれる」(飛鳥出版 バーガンディより)と書いています。ただし、出会えれば・・ですよね。まず見ることが少ないワインです。
このサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランのリューディは、赤とほぼ同様、「Les Ratausses(レ・ラトス)」と「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」です。ピコタンが入ってないですね。どちらもショレ=レ=ボーヌ側と接しています。
やはりミネラリティの組成だと思いますが、ムルソーのように横に拡がるような厳しいミネラリティでは有りません。またミネラリティの中域が太いボーヌの白とも異なります。高いところまで伸びて行くような・・横には余り拡がらず、どんどん高みを目指して行くようなミネラリティです。
果実感もやや冷ややかです。黄色や白の果実が冷え気味ですが、しっかり感じられます。やはりスタイリッシュと言う言葉が使いたくなるかなぁ・・と思いますよ。
時間と共に中域も膨れ始め、実に良い感じになってきます。ムルソー・レ・シャルムのような現状の気難しさは無く、むしろ気高さや伸びの良さで美味しくいただけました!
いや・・良いですね。クリスチャン・ベランの発見は大成功だと思います。プライスも優しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2021 Coteaux Bourguignons Chardonnay Cuvee des Gouttes Premium
コトー・ブルギニョン・シャルドネ・キュヴェ・デ・グート・プレミアム
【テイスティングして「ああ...良かった!」と、心配していた2021年の出来を確認出来ました!美味しいです!】

2020年ものは水不足で濃厚、2021年はエレガント・・と言うのはまず間違いないでしょう。赤は特にその傾向が強いです。2020年の白の場合は濃厚と言うよりも、充実感が深くいつ飲んでも「たっぷり」美味しい感じで、
「このクリスチャン・ベランの2021年の白がどうか?」
で、ある程度占えると思っていたんですね。価格は上昇してしまいますが味わいがダメじゃぁ・・お勧めし辛くなってしまうので、心配していた訳です。
この2021年のコトー・ブルギニヨンですが、非常に良く出来たシャルドネです。2020年もののような豪奢な果実は無いんですが、非常に健康的でぜい肉の無いスタイル。伸びやかで瑞々しいフルーツ感は旨みのある果実酸の味わいが中心です。
甘い成分が無いドライな仕上がりですから、ミネラリティもより目立ち、軽やかな白い石灰が多分に感じられます。果実はやはり黄色、白の柑橘系で、何故か・・
「2020年ものよりもナチュール感が高い」
ように思います。

2番芽を使用したドメーヌも有る・・なんて言われてましたから、内心は相当ドキドキだった訳ですよ。フィネスさん銘柄ですと、フランソワーズ・ジャニアールの2021年白を飲んでいますが、これもとても美味しくいただきましたが、ちょっと似た仕上がりかもしれません。
2020年もののようなムルソーを強く感じさせるような出来では有りませんが、バランス良く、よりミネラリティが全面に出た、非常に香るワインになっていると感じました。
価格の方もそうとう頑張って値付けしていますので、
「おそらく最安値に近い」
はずです。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【早期完売注意報!・・滅茶美味しいです!ブリブリっとした新鮮果実がたっぷり!高級感も適度に備わって大人気です!】
激美味しいです!・・2千円台のA.C.ブルだと思っていただいて良いと思います。ステンだと言うことなんですが・・確かに最後の収まり具合がステンっぽい部分を感じますが、この色ですから・・。綺麗ですね~・・少し緑を感じさせる濃い目の黄色です。まぁ、樽を使用したキュヴェをブレンドした可能性もあるかもしれません(違ってたらすみません)。2018年以前のものと比較してしまうと・・
「全然、色彩の構成が異なる」
のは明らかですもんね。
また2019年と言う素晴らしいヴィンテージが、このクリスチャン・ベランのベースのキュヴェにもプラスの方向性を与えた・・とも言えるかもしれませんが、トップ・キュヴェのムルソー・レ・シャルムもレ・ティレもA.C.ブルも・・すべてが2018年ものを大きく超えているんですね。
そもそも樽を掛けると、その樽の要素を得られるのは良いんですが、その樽の能力によって、結構にその葡萄はポテンシャルを明け渡してしまいます。一般的に言う、「樽負け」ですね。
そうしますと妙に香りや味わいに樽のネガティヴな要素が感じられてしまって、ちょっと飲む方も辛くなってしまうんですね。

しかしながら、このキュヴェがそんなニュアンスを見せることは全く有りません。フレッシュなアロマと表情、少し粘ってマッタリとしたムルソーチックな表情、余韻まで長く押して行く押味・・ポテンシャルは価格を確実に超え、高い満足感を得られるんじゃないかと思っています。
このリーズナブルで能力の高いキュヴェを求められる飲食の方が多いんだと思うんですね。いつも・・無いんですよ。本当はもう少しは欲しいところなんですが・・。
このクリスチャン・ベランを飲んだことの無い方も、「ジャケ買い」ならぬ・・「色買い」って有り!だと思います。一般的なA.C.ブルだってこんな色にはならないですよ。・・まぁ、石灰系のミネラリティが多量にビシッと入っているともうちょっと収まった色合いにはなる場合も有りますけどね。是非飲んでみて下さい。非常に安い!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年植樹って・・ちょっと信じられないです。10歳ほどサバを読んでないでしょうか?ムルソー的な滑らかさにピュアな明るさを差し込んだ見事な味わいです。】
写真はちょっと暗かったので照度調整・・と言うか、青を少し足していますので、黄色味が少し飛んで写っていますので、実際はもっと黄色く見えると思います。
2014年の植樹・・と言うことですが、ちょっと信じられないほどの濃密さが有ります。やはりムルソー的に少し粘度が有り、ミネラリティの量もしっかり有ります。そして明るいピュアさ・・フレッシュさが僅かに差し込んでくる感じで、ムルソーの暑苦しさ(悪く言えば・・です)が無く、しかしムルソーの良さを引き出している(良く言えば・・です)と言う感じで、非常に好意が持てる味わいです。
こんなワインが簡単に出来てしまう・・なんて、ちょっと恐ろしいですよ。2014年植樹で2019年もの・・と言うことは、昨年の2018年ものがようやく2年目のリリース・・みたいな感じなんでしょうから。
しかも価格も安く、高級シャルドネとしての資質もしっかり感じられるので、
「単に畑がA.C.ブルを名乗れない場所にある」
けれど、
「仕上がりは一般のA.C.ブル以上のもの」
と言って良い、
「名前(クラス)だけがコトー・ブルギニヨン(パストゥグラン)のシャルドネ」
とご理解いただければと思います。非常に美味しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プティ・ムルソーと言いたくなるような濃密さ!・・かなり美味しいです!】
シャブリに対するプティ・シャブリみたいな対比をムルソーに持ち込んだかのようなニュアンスです。有難いですね~!キュヴェ・デ・グート(グット?)と名付けられた、「コトー・ブルギニヨン・ブラン」です。
そもそもは、「レ・バス・グート」と言う畑がムルソー村の東側に有りまして、そこのシャルドネです。ただし、ここは位置に寄っては、A.C.ブルゴーニュを名乗れたり、駄目だったりするようで、かのシャトー・ド・ラ・ヴェルもA.C.ブルゴーニュ・シャルドネとして、「レ・バス・グート」を仕込んでいたようです。隣同士で仲良かったんでしょうね。国道の西に在るので、通常ならA.C.ブルゴーニュを名乗れる位置です。
コトー・ブルギニヨンと言いますと、昔のパストゥグラン、グランドルディネールクラスですね。以前なら軽くて喉越しの良さで飲ませるタイプでした。
しかしながら・・ちょっとビックリしますよ。ちゃんと・・出来てるんですね~・・高級ワインとして。
なので、これをブラインドで出すのは止めましょう。絶対、若いムルソーとか言ってしまいますんで・・はい。
滑らかで、柑橘がすっと立ち昇り、ほんのりオイリーだが樽っぽさは無くピュア。中域が充実していて、マッタリ感充分。余韻も結構しっかり続く。
コトー・ブルギニヨンだからな~・・と思って臨むとケガをしますよ。「シャバい」味わいじゃありません。むしろ、これでムルソー的ニュアンスをたっぷり感じられるので、少し前のコント・ラフォン、ドミニク・ラフォンのワインが「マイ・タイプ」だったとしたら、ドンピシャでしょう!・・安く出しますんで、是非飲んでみてください。久々の安くて美味しい、王道のシャルドネです!
● 2020 Savigny les Beaune Rouge Vieilles Vignes
サヴィニー=レ=ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【クリスチャン・ベランの2020年ものは大成功!サヴィニーV.V.はアルコール分13.5度でベストなバランス!濃密なチェリーの長~い味わいに複雑な要素が絡みます!】

店にいらしたお客様には、2020年もののエマニュエル・ルジェのパスグラやアンリ・グージュの各ワインのグラスの生写真をご覧いただいていたりするんですが、皆さん・・
「・・えっ・・凄い濃いですね・・」
と驚かれています。
そうなんですよ・・結構に濃い・・特にヴォーヌ=ロマネ近辺のワインは滅茶濃いです。
ですが・・2020年のクリスチャン・ベランは・・まぁヴォーヌ=ロマネよりも南では有りますが、
「濃い・・と言うより、いつもより濃密でちょうど良い」
と言える感じなんですね。
アルコール分もまた、15度くらいまでに上がったワインが多いんですが、この上のボーヌ=ロンボワは13度、このサヴィニーV.V.は13.5度と・・非常に好ましいレベルなんですね。
まぁ、ヴォーヌ=ロマネでもグロファミリーは何故かそこまで高く無い・・のは何で?・・と言う疑問は有るんですが、それでも例えば只今テイスティング中のデゾネイ=ビセイなどは、
「滅茶苦茶濃い・・」
のに、
「アルコール分も高い・・」
のに、す~っと入って来て美しい振る舞いをエレガントにして綺麗にいなくなる・・んです。・・さぁ・・どう落とし前を付けたら良いのかと、さんざん悩んでいる訳です。

で、この赤い・・赤い、美しい赤を深く見せてくれるこのサヴィニーV.V.です。
安いのに滅茶美味しいボーヌ=ロンボワに、縦に伸びる白い石灰の腱を沢山仕込んで、ジュヴレ的ほどは重く無い鉄分を小さじ1杯ほど、マンガンを一つまみ混ぜ込んだかのような・・ちょっと安くは無いワインのような見事な味わいをしています。
そもそもこのクリスチャン・ベランさん・・白の生産者だと最初は思っていた訳ですよ。赤もバランスが良くて美味しいですが、当初は・・
「チャーミングな味わい」
でしたから・・。
あ、チャーミングと言うのはワインの場合、そんなに良い意味では使われない・・比較してチャーミング・・と言ったら、その対象の方がより良い・・と言う意味になります。
このずっと下の2015年ものの写真と比較すると、
「2015年ものは2020年ものと比較してチャーミングだね・・」
と言えるはずですが・・
「いやいや・・ここまで違うと、まったく別物でしょう・・」
と言うのが正しいかと。
ただし2015年ものも石灰系のミネラリティと構造は有りましたから、そこに濃密な果実と複雑なミネラリティが備わった・・2020年の少雨での水分の飢餓状態が、水を求めて「根」が地中深く入って行った・・その結果だと受け止めています。
先だってのマリウス・ドラルシェの2017年サヴィニー=レ=ボーヌは激エレガントで熟していて、滅茶旨かったはずです。総体の質感は似ていますが、このしっかりした果実のニュアンスが、マリウス・ドラルシェのエレガンス中心の繊細な味わいともまた違うサヴィニーの魅力を伝えて来てくれます。是非飲んでみてください。これも非常に安いと思います。
あ、ここだけの話、ジャンシス・ロビンソンさんはこの2020年ものサヴィニーV.V.に90ポイント、付けているようですよ。未確認情報につき責任は持てませんが・・彼女は結構に厳しい評点ですから、実際はかなり高い評価だと思います。
以下は以前のレヴューです。
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【旨い!・・縦構造が素晴らしいサヴィニー赤!・・伸びやかでスタイリッシュ!チェリーな果実がエレガンスを湛えつつ感じられます!】
残念なことに、ブルゴーニュワインの高騰でブルゴーニュから離れる方もいらっしゃいます。
まぁ・・小遣いの範囲で飲もうと思うと、3~5千円が限界ですし、それも月に何十本もは購入できず・・2~3本が普通だと思うんですね。noisy だってワインの勉強を始めた時は、
「なんでこんなに高いんだろう・・」
と思ってましたが、流石に今は色々判りますから・・
「仕方が無い・・と言うか、そうなって当たり前」
だとも思ってしまう訳です。
ですので、何とかブルゴーニュワインでリーズナブルなものを一生懸命に探すんですが、そうは中々当たりはしません。稀に見つけても、それが美味しければ美味しいほど、
「さっさと値上がりして行ってしまう」
訳ですし、下手をすれば・・
「いつの間にか入手できなくなってしまう」
と言うことになってしまいます。

ほんの少し前までは、あのロマネ=コンティのすぐ脇の畑を持つ生産者のA.C.ブルを3千円ではんばい出来た訳です。
そりゃぁ・・昔は全然売れませんでしたが、良くなって来たのが判った時から、みんなが欲しいと思うようになって何年も経たずに・・入手すらできないようになってしまった訳です。
このサヴィニー赤ですが、愛らしい、サヴィニーらしい縦構造を持ち、冷やかなチェリーの果実味と、小さな石、白っぽい石灰を沢山持っているかのような風情のミネラリティが非常に・・好ましい。見事な味わいをしています。
もう、写真の色合いだけで選んでください!・・と言いたい位に2018年までと違ってしまっています。決して濃く無い色では有りますが、
「エキスは非常にしっかり!」
感じられます。
甘みはほぼゼロ・・ながら、薄辛くならず、また昔のサヴィニーのような平坦さ、硬いだけ・・みたいなネガティヴさは有りません。
さりとて、3年ほど前までのフレデリック・コサールのサヴィニー・レ・ゴラルドのような、少し過熟気味に持って行ったと思われる「分厚い果実味」にもなっていません。
つまり、力業では無く、
「ごく自然に仕上げた結果がこれ」
と言うことですので・・2020年、2021年と見続けて行きたいと思わせてくれた・・でも何ともリーズナブルな価格に手を合わせたくなるワインです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【すみません・・これだけは未テイスティングです。でも、2018ボーヌ・レ・ロンボワ・ルージュの出来を見ますと凄く期待出来ます!】 こちらも6本しか無いピノ・ノワールです。相当良さそうですが、都合12本で2本開ける訳にも行かず、今のところテイスティングは躊躇しています。
ムルソーとサヴィニーに畑を持つクリスチャン・ベランですが、これもやはり「相続」でこのようになった訳ですね。「ブルゴーニュあるある」で長く続くドメーヌほど、そのようになって行く訳ですが、相続する子がいなかったり、ヴィニュロンやドメーヌを止めてしまうと、細分化も再集合化も止まる運命になってしまう訳です。
クリスチャン・ベランを飲んで思ったのは、
「意外にもピノ・ノワールが超美味しい!」
と言うことなんですね。
イメージ的にムルソーの造り手ですからシャルドネが・・と思いがちです。勿論、シャルドネも超美味しいんですが、ピノ・ノワールの造り手真っ青な出来のボーヌ・レ・ロンボワ村名では有りますし、このサヴィニー=レ=ボーヌ2017年も非常に良い出来だったので、是非トライしてみていただきたい・・そう思っています。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【とっても美味しい!エレガント系、冷涼な果実酸の利いたさくらんぼ的アロマが豊かな味わいです!】
畑の解説は前回記載させていただきましたので今回は端折ります・・でも2017年ものは年の性でしょうか、2015年ものよりもっと美味しいです。
やや丸いパレットを描きたがるボーヌ・ロンボワよりも、少し扁平した「立てた卵型」のパレットに感じます。また、やや温かみ+冷涼感の両方を感じるロンボワよりもより冷ややかな酸が、このワインのエレガントさを引き立てているようにも思います。
何しろ香りの上りが良く、冷涼な地に育った野性味がほんのり載った「サクランボ」が滅茶心地良いです。チェリーと言いたいけれど、ここは敢えて「サクランボ」で。サヴィニー的なテロワールをちゃんと感じさせつつ、熟度が適度にある深い味わいを失っていません。
一時のフレデリック・コサールの「サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・ゴラルド」は、テロワールも有るのでしょうがより粘性が有って濃度がしっかりあり中域の膨らみが凄く、
「・・とても旨いけど・・ちょっとサヴィニーとは言い辛いかな・・」
と言うような気にもなっていました。今のコサールはそこまで濃く仕上げず、個人的にはより良いと感じています。
こちらはその中域の豊かさはそんなにズ太くは無く、「チェリーと言いたいけれど敢えてサクランボで」・・みたいなニュアンスで伝わるかとは思うんですが、チャーミングな美味しさを良い方に出せているワインだと感じています。
まぁ、チャーミングは基本、ワインの場合良い言葉としては使わない場合が多いんですが、そこも今回、敢えて使用させていただき、ワインのニュアンスを伝えられたらと思っています。
勿論、中程度の重さの細やかなミネラリティもしっかり有り、So2も多く無いと感じます。価格も実にリーズナブル!・・前回もしっかり完売させていただきましたので、
「バランスの良い、サヴィニー的冷涼なさくらんぼを感じさせてくれる美味しいピノ・ノワール」
を是非味わってみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【スタイリッシュなエレガント系ピノ・ノワール!実に美しいです!】
美しい色合いをしていますよね。すこしカッチリとした感じかな?・・などと目に映るんじゃないかと思いますがいかがでしょう?・・そう、それは正しいです。サヴィニーらしい、「さくらんぼ」みたいな果実表現にしたくなると思います。
サヴィニー=レ=ボーヌは、ボーヌに接した中央部に1級が集中しています。普通にボーヌの北の1級に繋がっているから・・ですね。村の境界線は有ったとしても、畑に境界が有るとは限りません。むしろ、地形学的には影響ないですしね。
そして、村の東側はショレ=レ=ボーヌに接していまして、こちらには1級畑は有りません。「Les Petits Picotins(レ・プティ・ピコタン)」、「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」、「Les Ratausses(レ・ラトス)」はこの位置にあるヴィエイユ・ヴィーニュです。
ですので、性格的には、ボーヌに似ている部分は在るにせよ、ショレ=レ=ボーヌにより似た性格なんじゃないかと想像出来る訳です。
ボーヌ中央部の深い粘土のニュアンスは余りありません。むしろ、明るく、やや軽い粘土が由来であり、そこにややしっかり目のスタイリッシュなミネラリティが有りますので、
「エレガント」
と言いたくなる味わいです。
稀に「エレガント」=「薄い」と言う意味で使う場合も有りますが、この場合は・・色を見ていただいても判るように、決して薄くは有りません。充実しています。スタイルはややほっそりしているものの、痩せてギスギス・・と言うような表現は遠いです。
やはり洋物のさくらんぼをイメージしますね。もしくはレッドカラント(フサスグリ)でしょうか。
昨今は、収穫を遅らせてより熟した実を得て、濃密な味わいを造り出すことが行われてきました。しかし、それはむしろ時代遅れ・・そうじゃなくても温暖化でマッチョ化が黙っていても進みます。
極まれに、物凄くエレガントで美しいワインに出会いますが、そんな時、まだ温暖化が叫ばれていない頃の、ほのぼのとした味わいのブルゴーニュワインを思い出します。そこまでは「詫び寂び」していないものの、美しい躯体を持った見事に伸びやかな味わいに出会えば、またブルゴーニュワインに惚れ直してしまいますよね。
素晴らしいサヴィニーV.V.でした。マッチョでは無い、美しいエレガントなサヴィニー・・・是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2020 Savigny-les-Beaune Blanc
サヴィニー=レ=ボーヌ・ブラン
【5千円以下のブルゴーニュ・シャルドネでは相当高い評価をするべきポテンシャルです!ややスレンダーな平均年のムルソー風!】

さぁ・・クリスチャン・ベランの本職?、シャルドネのご案内です。ブルゴーニュ・シャルドネって・・ホント美味しいですよね。このところのバシュレ・モノ、そしてユベール・ラミーと、近年最高に伸びた生産者さんをご案内して来ましたから、皆さんも・・ラミーはまだにせよ、バシュレ・モノは飲み始めたかもしれません。
バシュレ・モノだって..少し前までは、
「まだまだこれから・・でもグングン伸びて行くような気持ちにさせてくれるよね・・」
と思っていただいていたと思うんですね。そもそも・・
「・・マランジュ・・?・・いや~・・いらない・・」
そんな方が多かったはずなんです。今や・・バシュレ・モノはマランジュの赤も白も大人気です。しかも王道のピュリニー、シャサーニュの畑を持ち、バタール=モンラッシェも持っていますから、ここまで伸びて来ますと・・凄い評価がバンバン出ちゃうんですね。
こちらのクリスチャン・ベランのワインは、本当に「職人さん」と言った感じがします。
「目立たないけれど良い仕事をしてる!」
と感じるんですよ。2020年の赤は13度~13.5度で、小さくなった葡萄果実の美味しさをブルゴーニュらしさを失わずに見事に表現しています。

2020年の白、こちらはサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランですが、2019年ものよりも熟度が高く、サヴィニーで有りながらムルソーっぽい充実したスタイルです。
質的に縦延び系は変わりませんが、ムルソーのように横方向への膨らみやオイリーさが加わっています。そもそもサヴィニーの1級畑以外は、南西や東を向いた畑が多い性でしょうか、ふだんはそんなに肥沃なニュアンス・・ねっとりした感じなどは出辛いと思うんですね。
ですが2020年のように少雨ですと・・積算温度と日照に問題は無くなりますから、干からびないほどであれば、むしろ良い結果を生むことになったのかな?・・と思っています。
で・・これもここだけの話なんですが、かのジャンシス・ロビンソンさんはこの2020年のサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランに対し何と・・「90点」も献上しているようなんですよ。評価は結構に厳しいお方ですからね。もしその評点が本当であれば・・かなり高い評価だと思っています。
ほんのりオイリーさをノーズに持った白や黄色の涼やかな果実、中域、中低域の押し出し幅が例年よりも大きく、ムルソーっぽさを感じさせてくれます。フレッシュさと滑らかさが良い感じでマッチしていて、レモンっぽいノーズの後、ややファットな黄色い果実がゴージャス。余韻も実に良い感じに長いです。
ちょっと5千円以内のシャルドネとは思えない出来です。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【何と4千円台の村名シャルドネ!そして美味しかった2018年をエレガンスで超えた素晴らしい出来です!】
10年ちょっと前なら、
「サヴィニー=レ=ボーヌ?・・ん~~・・どうかなぁ・・酸っぱいしなぁ・・」
みたいな印象でしたよね。それでもまぁ・・千沙さんのドメーヌ・シモン・ビーズが好きな方は、パトリックさんが健在だった頃から応援していましたので、
「好きなのはサヴィニー」
とおっしゃる方も20年前からいらっしゃいました。
今や「酸っぱいサヴィニー」「平坦な味わいの静かなサヴィニー」は消えました。まぁ・・地球温暖化の影響でしょう。それに、
「日当たりの良過ぎる畑は大変」
なんて声も聞こえてきたりする今日この頃ですから、
「愛らしい味わいのピノやシャルドネ」
だった2000年代よりもさらにグッと味が載ったワインに仕上がって来ているのが「サヴィニー=レ=ボーヌ」「ショレ=レ=ボーヌ」と言う、ボーヌ村の北にある村です。

もはやこの頃のサヴィニー=レ=ボーヌのシャルドネで、優れた生産者の手によれば、一昔前のサン=トーバン辺りの味わいと全く変わらないと思っています。
そもそもサン=トーバンにしましても、アン・ルミイィ以外は・・と言うより、アン・ルミイィでも凄く苦労して販売していました。売れなかったと言って良いかな・・と思いますよ。
サヴィニーの北にはペルナン=ヴェルジュレスが有るんですが、それこそパカレが造った最もリーズナブルなピノだったペルナン=ヴェルジュレスなんて・・2000年頃は誰も見向きもしなかったです。パカレの全盛期でも・・そうだったんですね。
ですがこの地球温暖化は、相当な勢いで色んなワインに影響を与えているのでしょう。
そんな中でこのサヴィニーのシャルドネ・・は、マッチョ過ぎない、スタイリッシュさを程好く残した味わいを感じさせてくれるワインです。2019年ものは・・すみません、滅茶美味しいかった2018年を「すっ」と超えて来ました。
余りにその超えてのサマが差が有りまして、これをどのように判断するのかが難しいんですね。
「ヴィンテージ(限定)の良さ」
なのか、
「造り手が腕を上げた」
のか・・です。
アンリ・グージュの2019年は、2012年ものの頃から見続け、2017年からの凄い変化を確認しておりましたので「古豪復活」を言えた訳ですが、このクリスチャン・ベランの場合は扱ってまだ3年ほど・・とてもそんな大それたことを断言するまでには行かない訳です。
しかし、この2019年のクリスチャン・ベランがフィネスさんからオファーされてから、一瞬で消えたことを考えれば、
「テイスティングした人はクリスチャン・ベランのワインのポテンシャルに驚いた!」
と言うことだと思うんですね。誰しも、リーズナブルで美味しいワインは欲しいですから・・。しかもこの新型コロナの世の中で、飲食店さんは中々営業できない中での出来事な訳です。どれだけ支持されたのかが判るんじゃないかと思います。是非飲んでみて下さい。超美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【これも激旨!少し細身のムルソー・レ・ティレ?・・いや、横から縦に伸びる方向を変えたムルソー・レ・ティレ!・・と言っておきましょう!】
ん~・・やっぱり、白いテーブルクロスは必需品ですね。左の写真は良い感じに「淡く緑掛った少し濃い黄色」が見えていると思います。透明なミネラリティも・・見えるようじゃないですか。
で、これはまためっちゃ美味しいんですね・・。横方向に拡がろうとするムルソー・レ・ティエに負けず劣らず、このサヴィニー・ブランは縦方向に伸びる分が多いです。縦伸び系ですね。
その上で、ムルソーはやはり白っぽい、そして僅かに色付いた感じのミネラリティなんですが、こちらはむしろ無色透明です。石英的・・と言いましょうか、クリスタル的・・が判りやすいかな?
そしてやはり冷ややかな柑橘果実がたっぷりで、マロラクティックによりとても「まろやか」なんですね。今飲んでも滅茶美味しい!縦にグングン伸びる感じで、ノーズがグイグイ押されっぱなしです!
サヴィニーの白はさほどは飲んではいないですが、もっと酸っぱくて果実の若さが口内に浸みる痛さと戦う感じがして・・(^^;;
「・・もっとムルソー的ならなぁ・・」
などと思っていましたが、ムルソーの造り手が造るサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランなら・・それも対応可能なんでしょうか。
いや、やはり葡萄の能力が有るからこそ、しっかりマロラクティックを掛けられるのでしょう。素晴らしい出来だと思います。非常に美味しい!是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【珍しいサヴィニーの白!・・スタイリッシュでミネラリティたっぷり!・・今までに無い感覚のシャルドネと思っていただけるかも!】
これも非常に美味しいです!サヴィニーの白は余り出会うことが有りません。ボーヌの白は結構に有りますけどね・・でも、ボーヌの白のふくよかな一面も無りませんし、ミネラリティの組成の性でしょうか、ボーヌのミネラリティは「太い」と再発見するような、縦伸び構造の「背の高い」ミネラリティを感じていただけると思います。
かのPKさんは、その著書「バーガンディ」で、「サヴィニー=レ=ボーヌでは少量では有るが、高品質の白がとれる」(飛鳥出版 バーガンディより)と書いています。ただし、出会えれば・・ですよね。まず見ることが少ないワインです。
このサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランのリューディは、赤とほぼ同様、「Les Ratausses(レ・ラトス)」と「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」です。ピコタンが入ってないですね。どちらもショレ=レ=ボーヌ側と接しています。
やはりミネラリティの組成だと思いますが、ムルソーのように横に拡がるような厳しいミネラリティでは有りません。またミネラリティの中域が太いボーヌの白とも異なります。高いところまで伸びて行くような・・横には余り拡がらず、どんどん高みを目指して行くようなミネラリティです。
果実感もやや冷ややかです。黄色や白の果実が冷え気味ですが、しっかり感じられます。やはりスタイリッシュと言う言葉が使いたくなるかなぁ・・と思いますよ。
時間と共に中域も膨れ始め、実に良い感じになってきます。ムルソー・レ・シャルムのような現状の気難しさは無く、むしろ気高さや伸びの良さで美味しくいただけました!
いや・・良いですね。クリスチャン・ベランの発見は大成功だと思います。プライスも優しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2020 Meursault les Tillets
ムルソー・レ・ティレ
【こちらもムルソーの準1級最安値?・・安定した美味しさを見せてくれるレ・ティレです。】

以前ならイヴ・ボワイエ=マルトノだったんですよね。本当にリーズナブルで美味しかったです。レ・ティレ(ティエ)も有ったし、ナルヴォーも、ロルモも持っていたので、十数年連続で沢山開けさせていただきました。
ロルモは東側・・つまり下部の粘土がやや多めに混じり、ナルヴォーは西側中上部の大理石バリバリ、レ・ティレはナルヴォーの上部でさらに冷ややかで硬い感じに粘土少な目・・安易に言ってしまうとそんなイメージでした。イヴ・ボワイエ=マルトノを全アイテム一緒にテイスティングしていたんですが、
「終わった後の疲れが半端無い!」
んですね。ミネラリティに口内はガッサガサ、スピットするので飲まないまでも吸収されてしまう分で、身体も相当疲れた訳です。それを真夜中に仲間と朝方までやっていたんですから・・今はもう・・無理!・・もしやったらたぶん途中で倒れます。
でも、そんな無茶を毎年のようにやる訳ですから、否が応でも・・身体が覚えちゃう訳ですよ。
「はい、レ・ティレね。あれは・・」
といつの間にかスムーズに出てくるようになっているんです。勿論判りやすいのは、レ・ペリエールとかレ・シャルム、レ・ジュヌヴリエールなどの1級畑ものです。歴然とした違いも有るし、何より・・
「言葉にし易い違い」
が有るんです。
このレ・ティレは西側の丘の上部に有る、一般的には「準1級」と区分けされている畑です。同じ準1級のレ・ナルヴォーの方が幾分柔らかくて判りやすいでしょうか。レ・ティレは厳しい分、気分屋のように・・振る舞いに一貫性が無いと言うか、その時の開け方、品温、経過時間などで印象が大きく変わるように思います。

2020年のこのワインは、おそらく熟度は高く、例年より濃い目の黄色の色彩を持っています。
冷ややかさもありつつ、僅かな粘土の影響でしょうか、ほんのり「赤み」を感じさせ、ねっとり感を助長しています。村北部の畑の赤い感じにも少し似たニュアンスが有り、そこにすこしソリッドな硬さを持たせたような感じです。今飲んでも結構に美味しく、時間をかけると徐々に膨らんでくれます。
このレ・ティレにもジャンシス・ロビンソンさんは評価していまして、ここだけの話・・これも90点のようです。
ん~?・・レ・ロンボワも、サヴィニV.V.も、このレ・ティレも90点って・・手抜き酷く無い?
なんて言ってませんから・・はい。
noisy 的にはポテンシャル点でサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランを超えますし、寿命でも超えますから・・同じ評価には成り得ません。・・当然ですよね・・。
ですが、今飲んだら?・・と言う観点では・・味わいは異なるにせよ、同じくらいかな・・です。でも3年後は確実に抜いちゃうと思いますよ。
だから結構に海外メディアのMWさんたちは超ド近眼だと思っちゃうんですね。そんなところも確かめつつ飲むのも、美味しい魚になると思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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2枚目の写真はちょっと暗くなってしまいましたが・・まぁ、カメラ系の扱いがなってない noisy が写真を撮ると、RGB のバランスも変わってしまうし・・何とも難しいです。カメラが変わればそのクセも変わりますしね。まぁ、カメラと言ってもiphoneで撮ってますが、4年も経つとバッテリーが厳しくなってくるので変えなくてはならなくなり、変えてしまうと以前のものとのクセが変わるので、また見え方が違ってしまう・・の繰り返しです。それでも
「ちょいちょい」
と写真を撮って、その場で見られる時代になったのは、動画でさえも今や当たり前になってしまいましたが、noisy が子供の頃はカメラは超高級品で、友達が、
「ハーフのカメラ、買って貰った!」
と遠足や社会科見学、運動会にこれ見よがしに持ってくるのを指を咥えて見ていました。「ハーフ」のカメラの意味も判りませんでしたが・・(^^;; あ、反対に今の若いひとたちに聞いてみたいですね。
「ハーフのカメラって知ってる?」
って。
で、こちらも「ハーフ」ならぬ・・「準1級」的な扱いで良いと思われるレ・ティレをご紹介させていただきます。

そもそも石切り場の傍の畑ですから、
「物凄いミネラル」
が特徴です。そのミネラリティをどのように表現するのか・・それは、樽を使うのか、使うとしたらどれ位か、マロラクティックはやるのか、やるとしたらどれ位か・・と言う醸造的な部分は勿論、
「どのタイミングで収穫するか?」
と言うのも非常に重要です。
ベランの場合やや遅め、もしくはドンピシャのタイミングで収穫し、バリックは20~30%、マロはしっかり掛ける・・と言う感じだと思います。ですので、
「オールド・ファッション」
でしょうね。
そして、2019年のこのレ・ティレは・・いや、レ・ティレだけでは無いんですが・・素晴らしい仕上がりです!今までで最高!なのは間違い無しです。
しかも今から飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・口内に少し粘るオイリーなニュアンスからの柑橘果実の表情のディテールが素晴らしいです。そして、大理石的なミネラリティですね・・緊張感が漂い、しかもマンモスな量です。
そして今や絶滅寸前のリーズナブルプライスです!準一級で6千円台というのはもう無いんじゃないかと思います。ここはこのベランを見つけて来られたフィネスさんに感謝です。是非飲んでみて下さい。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【大理石の切り出し場がすぐ近く・・イメージの沸きやすいレ・ティレです!】
一般には村名区画ですが、業界では準一級格と目されているレ・ティレ(レ・ティエ)です。それにはやはり、コシュ=デュリの活躍も影響していると思われますが、彼が区画名(ルージョ、ヴィルイユ、レ・カス=テート等)を入れてリリースしていたので、飲んだ者がそのテロワールの違いをまざまざと見せつけられた・・のかもしれません。最もコシュ=デュリも、区画名を記載して出す場合と記載しない場合(出荷先で異なる)が有り、我々もネゴス経由で仕入れると、区画名の記載の無いムルソーが、実際はどこの区画か判らず、でもそれを想像するのが楽しみ・・でも有った訳ですね。個人的にはルージョは大好きで、モンティーユさんがネゴスで「クロ・デ・ルージョ」を2年ほどリリースしていた時は嬉々として仕入れてました・・旨かったですね~。メゾン・ドゥー・モンティーユでクロ・デ・ルージョをリリースしなくなってしまったのと、エージェントさんに価格をどんどん吊り上げられたので止めてしまいましたが・・。
このレ・ティレは、ムルソーの中央南寄り西側上部に有る区画(一級群の真上)ですが、この辺りは大理石の石切り場が有ったすぐ近くで、非常に鉱物的なニュアンスが強く出るテロワールです。冷ややかで石、岩のニュアンスがたっぷり感じられます。
2018年のレ・ティレは非常に滑らかで、しかも粘性に富んでいます。マロラクティックをしっかりと掛けた感じ・・と言って良いと思いますが、本来、多分に存在していたはずの「リンゴ酸系」の大部分を「乳酸」に変えていますが、酸の総量はたっぷりあり、この美味しさこそがこのワインの魅力と言えるでしょう。
勿論ですがそこから生まれる果実表現も見事で、柑橘系フレーヴァーがたっぷり、ほんのりオイリーで非常に高質です。ムルソー中央西側の「硬質な」ニュアンスの良く判る味わいです。あの素晴らしいレ・カス=テートの南に接しています。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】
ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2020 Meursault 1er Cru les Charmes
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム
【味わいの深み、エレガンスの表情、いつまでも持続する余韻・・ムルソーの美味しさを全て持っている・・そんなレ・シャルムです!おそらく過去最高です!】

「きゃ~・・っ」と思わず声が出てしまう・・素晴らしいムルソーでした。でも、
「多分・・最安値!」
でしょう・・今時、ムルソー=シャルムでこの価格は絶滅していると思います。・・あ、大手ネゴスさんものの叩き売りなら有り得るかもしれませんが。
買い葡萄とのことですが、バレルファルメンテーション100%なんですね。ですので、樽の影響は最大限に受けています。滅茶苦茶・・滑らかでファットでオイリーなんですが・・レ・シャルムですから・・エレガントです。非常に肌理の細やかな石灰、大理石的ミネラリティが感じられます。
黄色い柑橘、果実がふんだんに感じられますが、このねっとりとしたオイリーな液体が口内に優しくまとわり付き、飲み終えた後もアロマを放出してくれる訳です。
ムルソーの1級ものがなぜ高いか?・・と言いますと、葡萄自体が高いと言うのも有りますが、やはりその樽の手配とか、その後のエルヴァージュですね。まるで赤子を見ているかのようにお世話をする訳です。
で、2020年のこのレ・シャルムですが、やはり過去最高だと・・noisy的には確信しています。なぜって・・いや、それは・・滅茶旨いからです・・それしかないでしょう?
面白いのはいつも言ってますが、このレ・シャルムは、ピュリニー=モンラッシェに接している訳ですよ。

そしてレ・シャルム(・ドッスー)は、ピュリニーの村名のレ・シャルムと、1級のレ・ルフェールに接しているんですね。
ですので、ピュリニーのレ・シャルムは村名、ムルソーのレ・シャルムは1級なんです。そんなところにも見えないヒエラルキーがあるようで、
「ピュリニー > ムルソー」
と言うような格の差を何となく感じます。確かに、先日ご案内させていただいたバシュレ・モノの2020年ピュリニー・レ・ルフェールは異常なほど凄かったので、それとこのレ・シャルムを比較するので有れば、
「相当に差は有る」
とすべきでしょう。
しかしながら、
「よりエレガントなのは・・どっち?」
と聞かれますと、間違いなくクリスチャン・ベランのレ・シャルムです。
また、レ・シャルムはレ・シャルム・ドスユ(上部)とレ・シャルム・ドッスー(下部)が有り、ドスユがペリエールと接している関係上、ドッスーをドスユが凌ぐ・・と言われているんですが、noisy 的には未だ確証を得られていません。飲む前は色々調べて、この人はドッスーだと確信を持って、そのポテンシャルを取ろうと思っているんですが、飲んでしまうと美味しさに気を持って行かれてしまうんですね。
素晴らしい出来でした!深い味わいです!是非飲んでみてください。超お勧めします!
あ・・なぜかジャンシス・ロビンソンさんのこのワインの評価は見当たりませんでした。数が無いので飲めなかったのかな?・・判りません。
以下は以前のレヴューです。
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2枚目の写真はちょっと暗くなってしまいましたが・・まぁ、カメラ系の扱いがなってない noisy が写真を撮ると、RGB のバランスも変わってしまうし・・何とも難しいです。カメラが変わればそのクセも変わりますしね。まぁ、カメラと言ってもiphoneで撮ってますが、4年も経つとバッテリーが厳しくなってくるので変えなくてはならなくなり、変えてしまうと以前のものとのクセが変わるので、また見え方が違ってしまう・・の繰り返しです。それでも
「ちょいちょい」
と写真を撮って、その場で見られる時代になったのは、動画でさえも今や当たり前になってしまいましたが、noisy が子供の頃はカメラは超高級品で、友達が、
「ハーフのカメラ、買って貰った!」
と遠足や社会科見学、運動会にこれ見よがしに持ってくるのを指を咥えて見ていました。「ハーフ」のカメラの意味も判りませんでしたが・・(^^;; あ、反対に今の若いひとたちに聞いてみたいですね。
「ハーフのカメラって知ってる?」
って。
で、こちらも「ハーフ」ならぬ・・「準1級」的な扱いで良いと思われるレ・ティレをご紹介させていただきます。

そもそも石切り場の傍の畑ですから、
「物凄いミネラル」
が特徴です。そのミネラリティをどのように表現するのか・・それは、樽を使うのか、使うとしたらどれ位か、マロラクティックはやるのか、やるとしたらどれ位か・・と言う醸造的な部分は勿論、
「どのタイミングで収穫するか?」
と言うのも非常に重要です。
ベランの場合やや遅め、もしくはドンピシャのタイミングで収穫し、バリックは20~30%、マロはしっかり掛ける・・と言う感じだと思います。ですので、
「オールド・ファッション」
でしょうね。
そして、2019年のこのレ・ティレは・・いや、レ・ティレだけでは無いんですが・・素晴らしい仕上がりです!今までで最高!なのは間違い無しです。
しかも今から飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・口内に少し粘るオイリーなニュアンスからの柑橘果実の表情のディテールが素晴らしいです。そして、大理石的なミネラリティですね・・緊張感が漂い、しかもマンモスな量です。
そして今や絶滅寸前のリーズナブルプライスです!準一級で6千円台というのはもう無いんじゃないかと思います。ここはこのベランを見つけて来られたフィネスさんに感謝です。是非飲んでみて下さい。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【大理石の切り出し場がすぐ近く・・イメージの沸きやすいレ・ティレです!】
一般には村名区画ですが、業界では準一級格と目されているレ・ティレ(レ・ティエ)です。それにはやはり、コシュ=デュリの活躍も影響していると思われますが、彼が区画名(ルージョ、ヴィルイユ、レ・カス=テート等)を入れてリリースしていたので、飲んだ者がそのテロワールの違いをまざまざと見せつけられた・・のかもしれません。最もコシュ=デュリも、区画名を記載して出す場合と記載しない場合(出荷先で異なる)が有り、我々もネゴス経由で仕入れると、区画名の記載の無いムルソーが、実際はどこの区画か判らず、でもそれを想像するのが楽しみ・・でも有った訳ですね。個人的にはルージョは大好きで、モンティーユさんがネゴスで「クロ・デ・ルージョ」を2年ほどリリースしていた時は嬉々として仕入れてました・・旨かったですね~。メゾン・ドゥー・モンティーユでクロ・デ・ルージョをリリースしなくなってしまったのと、エージェントさんに価格をどんどん吊り上げられたので止めてしまいましたが・・。
このレ・ティレは、ムルソーの中央南寄り西側上部に有る区画(一級群の真上)ですが、この辺りは大理石の石切り場が有ったすぐ近くで、非常に鉱物的なニュアンスが強く出るテロワールです。冷ややかで石、岩のニュアンスがたっぷり感じられます。
2018年のレ・ティレは非常に滑らかで、しかも粘性に富んでいます。マロラクティックをしっかりと掛けた感じ・・と言って良いと思いますが、本来、多分に存在していたはずの「リンゴ酸系」の大部分を「乳酸」に変えていますが、酸の総量はたっぷりあり、この美味しさこそがこのワインの魅力と言えるでしょう。
勿論ですがそこから生まれる果実表現も見事で、柑橘系フレーヴァーがたっぷり、ほんのりオイリーで非常に高質です。ムルソー中央西側の「硬質な」ニュアンスの良く判る味わいです。あの素晴らしいレ・カス=テートの南に接しています。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】
ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2020 Coteaux Bourguignons Chardonnay Cuvee des Gouttes Premium
コトー・ブルギニョン・シャルドネ・キュヴェ・デ・グート・プレミアム
【早期完売注意報!・・滅茶美味しいです!ブリブリっとした新鮮果実がたっぷり!高級感も適度に備わって大人気です!】

激美味しいです!・・2千円台のA.C.ブルだと思っていただいて良いと思います。ステンだと言うことなんですが・・確かに最後の収まり具合がステンっぽい部分を感じますが、この色ですから・・。綺麗ですね~・・少し緑を感じさせる濃い目の黄色です。まぁ、樽を使用したキュヴェをブレンドした可能性もあるかもしれません(違ってたらすみません)。2018年以前のものと比較してしまうと・・
「全然、色彩の構成が異なる」
のは明らかですもんね。
また2019年と言う素晴らしいヴィンテージが、このクリスチャン・ベランのベースのキュヴェにもプラスの方向性を与えた・・とも言えるかもしれませんが、トップ・キュヴェのムルソー・レ・シャルムもレ・ティレもA.C.ブルも・・すべてが2018年ものを大きく超えているんですね。
そもそも樽を掛けると、その樽の要素を得られるのは良いんですが、その樽の能力によって、結構にその葡萄はポテンシャルを明け渡してしまいます。一般的に言う、「樽負け」ですね。
そうしますと妙に香りや味わいに樽のネガティヴな要素が感じられてしまって、ちょっと飲む方も辛くなってしまうんですね。

しかしながら、このキュヴェがそんなニュアンスを見せることは全く有りません。フレッシュなアロマと表情、少し粘ってマッタリとしたムルソーチックな表情、余韻まで長く押して行く押味・・ポテンシャルは価格を確実に超え、高い満足感を得られるんじゃないかと思っています。
このリーズナブルで能力の高いキュヴェを求められる飲食の方が多いんだと思うんですね。いつも・・無いんですよ。本当はもう少しは欲しいところなんですが・・。
このクリスチャン・ベランを飲んだことの無い方も、「ジャケ買い」ならぬ・・「色買い」って有り!だと思います。一般的なA.C.ブルだってこんな色にはならないですよ。・・まぁ、石灰系のミネラリティが多量にビシッと入っているともうちょっと収まった色合いにはなる場合も有りますけどね。是非飲んでみて下さい。非常に安い!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年植樹って・・ちょっと信じられないです。10歳ほどサバを読んでないでしょうか?ムルソー的な滑らかさにピュアな明るさを差し込んだ見事な味わいです。】
写真はちょっと暗かったので照度調整・・と言うか、青を少し足していますので、黄色味が少し飛んで写っていますので、実際はもっと黄色く見えると思います。
2014年の植樹・・と言うことですが、ちょっと信じられないほどの濃密さが有ります。やはりムルソー的に少し粘度が有り、ミネラリティの量もしっかり有ります。そして明るいピュアさ・・フレッシュさが僅かに差し込んでくる感じで、ムルソーの暑苦しさ(悪く言えば・・です)が無く、しかしムルソーの良さを引き出している(良く言えば・・です)と言う感じで、非常に好意が持てる味わいです。
こんなワインが簡単に出来てしまう・・なんて、ちょっと恐ろしいですよ。2014年植樹で2019年もの・・と言うことは、昨年の2018年ものがようやく2年目のリリース・・みたいな感じなんでしょうから。
しかも価格も安く、高級シャルドネとしての資質もしっかり感じられるので、
「単に畑がA.C.ブルを名乗れない場所にある」
けれど、
「仕上がりは一般のA.C.ブル以上のもの」
と言って良い、
「名前(クラス)だけがコトー・ブルギニヨン(パストゥグラン)のシャルドネ」
とご理解いただければと思います。非常に美味しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プティ・ムルソーと言いたくなるような濃密さ!・・かなり美味しいです!】
シャブリに対するプティ・シャブリみたいな対比をムルソーに持ち込んだかのようなニュアンスです。有難いですね~!キュヴェ・デ・グート(グット?)と名付けられた、「コトー・ブルギニヨン・ブラン」です。
そもそもは、「レ・バス・グート」と言う畑がムルソー村の東側に有りまして、そこのシャルドネです。ただし、ここは位置に寄っては、A.C.ブルゴーニュを名乗れたり、駄目だったりするようで、かのシャトー・ド・ラ・ヴェルもA.C.ブルゴーニュ・シャルドネとして、「レ・バス・グート」を仕込んでいたようです。隣同士で仲良かったんでしょうね。国道の西に在るので、通常ならA.C.ブルゴーニュを名乗れる位置です。
コトー・ブルギニヨンと言いますと、昔のパストゥグラン、グランドルディネールクラスですね。以前なら軽くて喉越しの良さで飲ませるタイプでした。
しかしながら・・ちょっとビックリしますよ。ちゃんと・・出来てるんですね~・・高級ワインとして。
なので、これをブラインドで出すのは止めましょう。絶対、若いムルソーとか言ってしまいますんで・・はい。
滑らかで、柑橘がすっと立ち昇り、ほんのりオイリーだが樽っぽさは無くピュア。中域が充実していて、マッタリ感充分。余韻も結構しっかり続く。
コトー・ブルギニヨンだからな~・・と思って臨むとケガをしますよ。「シャバい」味わいじゃありません。むしろ、これでムルソー的ニュアンスをたっぷり感じられるので、少し前のコント・ラフォン、ドミニク・ラフォンのワインが「マイ・タイプ」だったとしたら、ドンピシャでしょう!・・安く出しますんで、是非飲んでみてください。久々の安くて美味しい、王道のシャルドネです!
● 2020 Bourgogne Pinot Noir
ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
【何と・・お初の輸入、お披露目の入荷です!・・ムルソー・ルージュ・タイプのむっちりとした粘性の有る味わいです!】

ムルソー・ルージュタイプと言って伝わるか・・ヴォルネイタイプと言ったら勘違いされるか・・などとそれなりに悩んだ末のお題目です。
「・・あれ?・・そう言えばクリスチャン・ベランのA.C.ブルの赤って・・飲んだことないなぁ・・」
と思っていたんですが、この期に及んで商品マスタを検索してみて、初の入荷を確認しました。今まで日本には入って来ていなかったんですね。
このクラスのワインでさえ追加が出来るような状況では無いので、ある程度は利益幅をいただきたいところでは有るんですが仕入れは安くない・・んですよね。なので、
「ん~・・やはり・・余り利幅は取れないなぁ・・」
と言うことになってしまいました。
こちらは2020年ものですから、非常に凝縮感が有ります。さりとてクリスチャン・ベランの赤ですから・・
「甘みを残したピノ・ノワールにはしない」
んですね。キッチリとドライです。
アルコール分は13パーセントと、ベストですね。エレガントさとふくよかさのバランスが取れた度数です。

まさに「赤を積層させたような、ムッチリ感が目にも見える」ような仕上がりでして、このムッチリさが、
「ムルソー・ルージュを彷彿させる」
と思うんですね。
ですが、ムルソーの赤を飲まれたことの有る方は、余りいらっしゃらないはずなんですね。でも、ヴォルネイ・ルージュと言ってしまうと、エレガントさが全面に出たタイプと思われることを懸念して、そのように表現しました。
ムルソーの北側はムルソー村で有ってもヴォルネイ1級赤の産地なんですが、そこを外れた区画がムルソー・ルージュになります。
ヴォルネイ1級的でも有るんですが・・流石にそれを比較に出してしまうとトゥー・マッチな話しになってしまいますが、ヴォルネイ=サントノの高質さには届かないまでも、似たニュアンスは感じられると思います。
その昔、ムルソーは白が大うけしたので、多くの生産者さんがピノ・ノワールを抜いてしまったんですね。ですので現在は非常に少ないです。
こちらは村名では無く、ムルソーのA.C.ブルの畑なのでさらに格は下がりますが、樹齢が50~60年とヴィエイユ・ヴィーニュで有ること、そして2020年と言う水分に恵まれなかった背景も有り、
「ドライながら濃密」
で有り、エキスが綺麗に出て、粘性が有って旨味をさらにしっかり伝えてくれる・・ムッチリ感が有ります。ポマールの畑の葡萄もセパージュしているようですが、ポマール的な部分は余り出ていない感じがします。とても良く出来ているA.C.ブルです。飲んでみてください。お勧めします。
● 2020 Beaune Rouge Vieilles Vignes
ボーヌ・ロンボワ・ルージュ
【滅茶旨いです!ピュアな赤いチェリーの濃密な風味に白い石灰が多く溶け込んだ、村名とはちょっと思えない出来!リーズナブル過ぎです!】

今やリーズナブル・ブルゴーニュの救世主みたいな立ち位置のドメーヌになった感のあるクリスチャン・ベランです。まだ日本に入って来て何年も経ってはいませんが、多くのA.C.ブルゴーニュが4~5千円以上のプライスになっているのが普通ですから、ボーヌとは言え村名でA.C.ブル並みで購入できるこのレ・ロンボワは魅力たっぷりじゃないかと思うんですね。
しかもです!・・2020年ものは・・
「間違い無く過去最高!」
です。それは写真の色彩からも伺えるはずです。
「赤が濃い~!」
でしょう?
そう・・しっかり赤の積層感が写真に出ていると思うんですね。ですから、
「果実のピュアさ」
もしくはそこに、「新鮮さ」を言っても良いかと思いますが、上から5枚目、6枚目の写真と是非比較してご覧ください。
「もはや同じワインとは思えないレベル!」
でしょう?

2020年は少雨にたたられ、小粒で果皮が凝縮した葡萄が得られた(はず)と思うんですね。ですが、雨待ちで熟度が高くなり過ぎると糖度は上がるもののピノ・ノワールらしい美しい伸びやかな酸が削られてしまいます。
ですが、黒く無いこのレ・ロンボワ・・・あ、ここはボーヌでも最西端、西の丘の麓近くにある村名ですが、おそらく・・風が通ったんでしょうね・・
「熟度がバッチリ!・・雨待ちで酸を失わないで済んだ!」
と想像される「涼やか」なニュアンスなんです。暑くて水分が無くて、熟度は上がったがダレてしまいがち・・な感じなどは微塵も無いんですよ。しかもアルコール分は13.0度で、エレガントさを極自然に感じさせてくれます。
ですから赤いチェリーの風味がバッチリ濃密に感じられ、酸の構成も複雑ながらバランスが良く、ミネラリティも西の丘からたっぷり頂けたような出来に仕上がっています。
こんなに安くてすみません!・・と言えるブルゴーニュワインは本当に少ないですが、
「・・ボーヌ・・じゃぁ・・なぁ・・」
とは思わずに、
「A.C.ブルを買うつもりで??」
いかがでしょうか。きっと嬉しい悲鳴を上げていただけると思います。ご検討ください。追加は期待しないでくださいね。
以下は以前のレヴューです。
-----
【二次発酵由来の滑らかさ!チェリーな果実が滅茶美味しい・・A.C.ブルに毛の生えた価格の村名ボーヌ・ルージュです!】
私の記憶が正しければ・・(^^;; 古っ・・ 初めてこのベランのボーヌ・レ・ロンボワをテイスティングした2017年ものは、もっとフレッシュなニュアンスで、野生のベリーっぽい果実だったんですね。
でも2018年ではそれが「チェリー」に変わっていまして・・いや、さっき気付いたんですけどね。2019年ものも素晴らしいチェリーな果実が、滑らかさを伴って感じられるボーヌの村名になっていた訳です。しかも滑らかながらも新鮮さも在りつつ、バランスも相当に良いと言うおまけ付きです。
そもそもボーヌのワインは、昔はPKさんが、
「1級以外は買わない方が良い」
みたいなノリだったと思います。と言うよりも、ほとんどが1級畑で村名はちょぼちょぼとしか無く、1級でも大したものは少ないから・・と言うような言い方だったかもしれません。
勉強したての noisy は、
「そうなのか~・・」
とは思ったものの、まだ若く大した給料も得られないので、ワインは凄く高く感じたんですね。それでも意を決して数千円もするそこそこ評判の良いボーヌワインを飲んでみると、確かにPKさんの言うように、
「マジで良いのに当たらない・・」
と思った記憶があり、よほどPKさんも良い目を見なかったんだなと思ったものです。

良いなぁ・・それなり良いものもあるよと思い始めたのは、1級ド定番のクロ・デ・ズルシュルやクロ・デ・ムーシュの状態の良いもの、そしてコサールが造った名も無い造り手の村名やコート・ド・ボーヌ(実際にはボーヌ)辺りの白でした。ボーヌの村名は、本当に選ばないとダメだとずっと思っていた訳です。
そして中国がブルゴーニュワインに目覚めてしまって価格が高騰してきた現在は、造り手たちも・・
「ちゃんとワインを造れば高く買ってくれる!」
ことに気付いたんだと思うんですね。それまで二束三文でしか売れなかったワインが数倍で売れるようになった訳で、それが今のブルゴーニュワインの質の高さを生んでいると感じます。
このロンボワも、2018年ものが美味しくて将来が楽しみだった訳ですが、2019年ものは本当にそれを感じます。
色合いもまた・・全然異なりますよね?1枚目の寄った写真が凄く良く撮れているので、是非良く見てください。とてもきれいな血っぽいニュアンスも在りつつ、チェリーな果実がリアルに感じられます。価格も素晴らしくリーズナブルで、A.C.ブル並み・・です。
先ほどボーヌワインを昔、頑張って飲んだ・・と言いましたが、実は・・
「今も価格は余り変わっていないアペラシオン」
なんですね。まぁ、少しは上がっていますが、日本の景気と同じで、
「忘れられた30年」
みたいなものです。
その中でもこのようなリーズナブルで質の高いピノ・ノワールが生まれて来ていまして・・非常に有難い!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ボッソボソのテクスチュア、スッカスカな中域のボーヌ村名ワインがほとんどですが、石灰系+石英系のミネラリティとチェリッシュな果実が充実した、隠れた銘酒だと思います!】
いや~・・写真が上手く撮れて良かった~・・!実に美味しそうでしょう?・・これはもうチェリーが見事に味わえる、酸バランスも見事でミネラリティたっぷりの味わいが「見えて来そう!」な出来に見えないでしょうか?
でも本当は余り、大きく宣伝したくはないんですよ。6本しか無いのに1本テイスティングしてしまいまして、しかもこの価格ですから・・はい・・完全に赤字です。
なので、今回の2018年クリスチャン・ベランの滅茶美味しいピノ・ノワールのテイスティングはこのボーヌ・レ・ロンボワだけにさせていただき、サヴィニーの方はお休みさせていただきました。それで何とか「行ってこい」です。
見てお判りのように、非常に・・美しいですよね?・・淡く無く、濃くない・・です。
だから、「ちょうど良い」などとご紹介してしまいますと、
「そうか・・普通なのか・・」
で終わってしまうんですね。
でもこのロンボワ、決してそうじゃ無くて、その想像をしっかり超えてくる見事な味わいなんですよ。「ちょうど良い」ところから始まって、飲み進めるうちにどんどん膨らんでくるんですね。
一般的に「ボーヌ村名赤」のワインのほとんどは、余り良い印象は有りませんよね?・・noisy も同様に余り良いイメージを持ってはいません。
しかしながら・・少なくともこのワインは素晴らしいです!・・積層したチェリー、華やかに伸びて行くベリー・・・しっかり支えてくれる石灰系と石英系のミネラリティをたっぷり感じていただけます。
A.C.ブル並みの価格ですから、試してみても損はない・・と思えたら、是非飲んでみて下さい。きっと2019年も飲みたくなってしまう・・もしくは、シャルドネにも手を出したくなってしまうと思いますよ。超お勧めです!・・いや・・適当にお勧めです。ご検討くださいませ。
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【
もっさりしてない貴重なボーヌ村名!フランボワーズ系果実のエレガントでバランスに優れる味わい・・しかもA.C.ブル並みのプライスです!】
ボーヌでは、昨今の醸造中における酸化のコントロールが上手く働いたボーヌのピノ・ノワールはまだ少なく、二次発酵を含めて適度な酸化を必要とする西側の丘のシャルドネの方に人気は集まっています。少しライトなムルソー風で、これがまた滅茶美味しいんですよね。
ですが、フィネスさんが最近輸入しているこの「クリスチャン・ベラン」のボーヌ・ロンボワは、その酸化のコントロールが実にお上手で、愛らしい小果実を生き生きと感じさせてくれる佳酒だと言えます。そして、とても美味しいけれどまだ余り注目されていないので価格も良い感じの、ボーヌの西の丘にあるシャルドネたちと同様に、西の丘・・ここは麓近くですが、そこに存在するのが「ロンボワ」です。
少し野性っぽさが入った苺・・・フランス語だと苺はフレーズ、木苺はフランボワーズのようですが、今回はフランボワーズを採用・・・(^^;; これがまた適度なスピードでノーズに入って来てとても心地良いですし、大き過ぎない、太過ぎないボディから、実際にその実を食しているような感覚に包まれます。酸バランスがピュア感が有って良いんでしょう。
さすが村名だけ有って、A.C.ブルよりもやや大きさを感じさせますが、物凄く無い・・のがむしろ実に心地良いんですね。ポテンシャルを取ろうと思って飲めばそれなりに感じさせてくれますし、何も考えずとも、その充分な反応から満足いただけてしまうと思います。
重厚に造ろうとして上手く行かず、野暮ったくもっさりしてしまうボーヌやボーヌ1級より、むしろこのA.C.ブル並み価格のロンボワに軍配を上げたいと思います。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【新樽もしっかり使用したエレガントなボーヌ・ルージュ!・・しかも価格はA.C.ブル+アルファほどです!】
ボーヌの村の西側には丘が有って、その周辺では、さして名高くも無く、また1級でさえも無く、もしくは村名でさえも無いシャルドネの中に、目を見張るような素晴らしいものが散見されることは皆さんもご存じかと思います。
その昔、かのフレデリック・コサールが支えたドメーヌ・ド・ラ・コンブのボーヌ・オ・ルナールの赤白もそんなワインの一つでしたが、たっぷりの透明なミネラリティを持ちつつ、下手な1級を凌ぐようなパフォーマンスを見せてくれたものです。
その、オ・ルナールの下部、南に接するのが「レ・ロンボワ」で、ド・ラ・コンブのオ・ルナール赤を彷彿とさせるような見事なバランスを感じさせてくれます。
ここはやや南に向いて開けた畑で丘の麓に近い部分に有ります。苺系の小さな果実が凝縮しています。甘く無く、全くのドライですが、口内を収斂させるような出っ張りや、薄辛さは有りません。
白の造り手と言うことで、余り期待せずに飲んだんですが、これ、ボーヌ村名格なんですよね・・。A.C.ブルを探すのが難しいボーヌとは言え、村名でこのプライスは嬉しく無いですか?しかも、ボーヌ的な粗野なテクスチュアじゃぁ無いんですよ。実に質の良い、しかも生まれも育ちも良いところの出ですか?・・と尋ねたくなるような感じ。
最も、滅茶大柄なワインにはなってはいないものの、今飲んで非常に美味しく、しかもエレガントで流れてくような味わいですので、きっと喜んでいただけるんじゃないかと思いますよ。
クリスチャン・ベランのサヴィニーも、サヴィニーらしい愛らしい味わいで非常に好みでした・・が、サヴィニーの方が高いんですよね~。なので、取りあえずはこのボーヌ・レ・ロンボワを飲んでみてくださいよ。何しろ安い!・・そしてエレガントです。きっとクリスチャン・ベランの美味しさに気付いていただけると思います。超お勧めです!
● 2019 Meursault les Tillets
ムルソー・レ・ティレ

2枚目の写真はちょっと暗くなってしまいましたが・・まぁ、カメラ系の扱いがなってない noisy が写真を撮ると、RGB のバランスも変わってしまうし・・何とも難しいです。カメラが変わればそのクセも変わりますしね。まぁ、カメラと言ってもiphoneで撮ってますが、4年も経つとバッテリーが厳しくなってくるので変えなくてはならなくなり、変えてしまうと以前のものとのクセが変わるので、また見え方が違ってしまう・・の繰り返しです。それでも
「ちょいちょい」
と写真を撮って、その場で見られる時代になったのは、動画でさえも今や当たり前になってしまいましたが、noisy が子供の頃はカメラは超高級品で、友達が、
「ハーフのカメラ、買って貰った!」
と遠足や社会科見学、運動会にこれ見よがしに持ってくるのを指を咥えて見ていました。「ハーフ」のカメラの意味も判りませんでしたが・・(^^;; あ、反対に今の若いひとたちに聞いてみたいですね。
「ハーフのカメラって知ってる?」
って。
で、こちらも「ハーフ」ならぬ・・「準1級」的な扱いで良いと思われるレ・ティレをご紹介させていただきます。

そもそも石切り場の傍の畑ですから、
「物凄いミネラル」
が特徴です。そのミネラリティをどのように表現するのか・・それは、樽を使うのか、使うとしたらどれ位か、マロラクティックはやるのか、やるとしたらどれ位か・・と言う醸造的な部分は勿論、
「どのタイミングで収穫するか?」
と言うのも非常に重要です。
ベランの場合やや遅め、もしくはドンピシャのタイミングで収穫し、バリックは20~30%、マロはしっかり掛ける・・と言う感じだと思います。ですので、
「オールド・ファッション」
でしょうね。
そして、2019年のこのレ・ティレは・・いや、レ・ティレだけでは無いんですが・・素晴らしい仕上がりです!今までで最高!なのは間違い無しです。
しかも今から飲んでも滅茶苦茶美味しい!・・口内に少し粘るオイリーなニュアンスからの柑橘果実の表情のディテールが素晴らしいです。そして、大理石的なミネラリティですね・・緊張感が漂い、しかもマンモスな量です。
そして今や絶滅寸前のリーズナブルプライスです!準一級で6千円台というのはもう無いんじゃないかと思います。ここはこのベランを見つけて来られたフィネスさんに感謝です。是非飲んでみて下さい。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【大理石の切り出し場がすぐ近く・・イメージの沸きやすいレ・ティレです!】
一般には村名区画ですが、業界では準一級格と目されているレ・ティレ(レ・ティエ)です。それにはやはり、コシュ=デュリの活躍も影響していると思われますが、彼が区画名(ルージョ、ヴィルイユ、レ・カス=テート等)を入れてリリースしていたので、飲んだ者がそのテロワールの違いをまざまざと見せつけられた・・のかもしれません。最もコシュ=デュリも、区画名を記載して出す場合と記載しない場合(出荷先で異なる)が有り、我々もネゴス経由で仕入れると、区画名の記載の無いムルソーが、実際はどこの区画か判らず、でもそれを想像するのが楽しみ・・でも有った訳ですね。個人的にはルージョは大好きで、モンティーユさんがネゴスで「クロ・デ・ルージョ」を2年ほどリリースしていた時は嬉々として仕入れてました・・旨かったですね~。メゾン・ドゥー・モンティーユでクロ・デ・ルージョをリリースしなくなってしまったのと、エージェントさんに価格をどんどん吊り上げられたので止めてしまいましたが・・。
このレ・ティレは、ムルソーの中央南寄り西側上部に有る区画(一級群の真上)ですが、この辺りは大理石の石切り場が有ったすぐ近くで、非常に鉱物的なニュアンスが強く出るテロワールです。冷ややかで石、岩のニュアンスがたっぷり感じられます。
2018年のレ・ティレは非常に滑らかで、しかも粘性に富んでいます。マロラクティックをしっかりと掛けた感じ・・と言って良いと思いますが、本来、多分に存在していたはずの「リンゴ酸系」の大部分を「乳酸」に変えていますが、酸の総量はたっぷりあり、この美味しさこそがこのワインの魅力と言えるでしょう。
勿論ですがそこから生まれる果実表現も見事で、柑橘系フレーヴァーがたっぷり、ほんのりオイリーで非常に高質です。ムルソー中央西側の「硬質な」ニュアンスの良く判る味わいです。あの素晴らしいレ・カス=テートの南に接しています。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】
ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2019 Bourgogne Chardonnay Sous la Velle
ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル
【コトー・ブルギニヨン・シャルドネも旨いが、流石にこのムルソー的ポテンシャル丸出しのスー・ラ・ヴェルには敵いませんでした!】

まぁ、500円位の差しかないですから、選択は難しいところかと思います。2018年もののこのコラムでも書かせていただきましたが、
「並みのムルソーは道を譲る!」
的なポテンシャルは2019年も同様・・と言うか、完全にブラッシュアップされて2018年を超えています。
もう・・「つるん」と入って来て「するっ」と喉の奥に行きそうになるのを、敢えて左右に振り分けながらゆっくりと少しずつ喉に落として行くと、つるんと入って来た場所の舌の中央あたりに、ムルソー的な少し重めのオイリーなニュアンス・・からの黄色、白の柑橘です。中央より奥の方には、敢えて言わせていただけましたら「甘い果実」が感じられ、喉の奥から、口蓋にへばりついた液体から、ノーズへと中くらいの重さの石灰的なミネラリティが抜けて行き、石、岩を思わせるニュアンスが口内を漂い続ける・・ビターさが徐々に甘みに変わって行く・・そんな感じです。
エレガンスも有り、ムルソーの大理石的なミネラリティも有り、しかし鈍重さが無いのがこのワインの素晴らしいところだと思うんですね。今時、この価格でここまでのパフォーマンスを感じさせてくれるシャルドネは、「無い!」と言っても過言では無いと思います。

で、「甘い果実」とか、「甘い」とか書いてますが・・単に残糖の甘さではないんですね。高級シャルドネに特有な、むしろムルソーなどのシャルドネには感じられるもので、全く残糖が関与していない・・全く残糖が無い等とは言いませんが、
「酸のバランスとミネラリティ」
がそのようにさせると思います。
言ってみれば、オールド・ファッションな最大限に樽の魅力を使ったシャルドネなんですが、みんな大好きですよね?・・noisy も大好きです。
ヴァーゼンハウスの滅茶ナチュラルで、少し中心点がハッキリしないような・・感じも大好きなんですけどね。いや・・これ、So2 が多ければ多いほど、ど真ん中はハッキリはするんです。多過ぎれば味わいや香りに他の影響も出てしまいますけど。
こちらは適度にSo2 を使用すると言う意味でもオールド・ファッションなのかもしれません。でも、
「オールド・ファッション万歳!」
と言いたいですね。是非飲んでみて下さい。王道のシャルドネの味わいです!
以下は以前のレヴューです。
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【激旨です!・・並みのムルソーは道を譲るでしょう!】
A.C.ブルですが、並みのムルソーはひれ伏すに違い在りません。非常に細やかな粒子を粘り気が出てくるまで何度も何度も徹底的にすり潰して出来たかのような「粘性」の有るテクスチュアから、ノーズにもやや粘性を感じる「マッタリな」ニュアンスと、石灰系のミネラリティを多分に含んだ白~黄色の果実を多量に感じます。
イメージ的にはコント・ラフォンに代表される「樽使用で粘性たっぷりの滑らか系シャルドネ」と言えますから、ある意味で「オールド・ファッションなシャルドネ」では有ります。
しかしながらオールド・ファッションなシャルドネって、滅茶美味しいじゃないですか・・。ドミニク・ラフォンの2017年A.C.ブルって、これまたコント・ラフォンご当主のご自身のドメーヌですから、正にオールド・ファッションな味わいなんですが、もう販売が350本超え・・です。やっぱり皆さん、オールド・ファッション・シャルドネって大好きって証拠でしょう?
で、このクリスチャン・ベランのA.C.ブルも、正にそっち系の味わいで価格は2/3です。滑らかで濃密ですし、柑橘系のフレーヴァーがしっかり、ミネラリティもドミニク・ラフォンに負けてないですから、他のA.C.ブルやムルソーにも比較対象に出来てしまうと思います。
非常にお買い得かと思います。定番で置いておけたら・・と思い始めています。是非飲んでみて下さい!超お勧め、見事なA.C.ブルです。
以下は以前のレヴューです。
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【ほとんどムルソー!・・滑らかで美味しい!王道のシャルドネの味わいです。】
昔はね~・・もっと樽が強くて、樽に果実が少しやられて弱めで・・だけれど熟すとちょうど良い感じになるのがムルソーだったんですが、昨今はもう、全く状況が判りましたよね。
四半世紀前頃のnoisy のムルソーに対するイメージは、
「樽」
でした。
まぁ、その頃は輸入のコンディションも今ほどでは無かったですし、その辺りも影響はしていたとしても、何でもかんでも「新樽」を使わなきゃワインじゃない!・・みたいな風潮が蔓延った時代がそれに続きましたから。誰の性でもありゃしないですが・・(^^;;
この「ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル」を飲むと、造り手のセンスの良さに加えて、ブルゴーニュのシャルドネの偉大さを感じてしまいます。
このスー・ラ・ヴェルですが、最初に名前を聞いた時は、
「モンテリーの1級スー・ラ・ヴェルに近いのかな?」
と思ったんですが、モンテリーのは正確には「スュ(ル)・ラ・ヴェル」ですので全く異なる畑です。
村のど真ん中の東に在るA.C.ブルの区画です。ここは、西側半分は村名ムルソーを名乗れるようなので、おそらく上下に渡って畑を所有していて、混ぜる場合は格下げしてA.C.ブルでリリースするのでしょう。
いや、それを聞かないと・・理解できませんよ。これだけムルソームルソーしてるのにA.C.ブルだとするなら、それ相応の理由を見つけなければなりませんから。
樽っぽさは無いんですが、酸化を上手に使用したクラシックなスタイル・・いわゆる王道のシャルドネ、ムルソーです。・・あ、すみません、A.C.ブルです。ほぼムルソーだと思って良いと思います。柑橘、凝縮していて、目が詰まっています。滑らかでほんのりオイリー。石灰もちょっと感じますし、同じくらい、もしくは少し少なめなくらいの粘土も有ります。まぁ、これだと村の中央部位の位置感覚がズバリです。これ以上に石灰系ミネラリティが強ければもっと西側の畑、さらにシャリシャリし始めたらもっと南西の畑・・粘度が強ければヴォルネイ側の畑、オイリーさや蜜っぽさが増えて行けばピュリニーとの境に近い感じ・・などと個人的には思ってます。
パキッパキに、ガンコに感じられるようなミネラリティでは無いので、その分、優しい味わいだとも言えます。これ、安いので・・是非飲んでみてください!お勧めします!
● 2019 Meursault 1er Cru les Charmes
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム

どうなんでしょう・・2019年のこのレ・シャルムを飲んだ時は、
「・・このポテンシャルじゃぁ・・レ・シャルムの上部の畑だったっけ?」
と、後でテクニカルを確認しようと思っていたんですね。
レ・シャルムは上部と下部で別の名前が付いていまして・・発音が難しいので敢えてここでは言いませんが、上部はペリエールに接しているのと、硬い大理石層にも近いはずなので、より上質とされているんですね。
で、店に出て来て調べてみましたら・・下部だと言うので再度ビックリ!・・あらら、アテが外れてしまったと・・つまり、コラムを書くネタにしようと構想していたのが使えなくなったと言うことだったんです。
ならばどう言う事?・・この素晴らしさはなんで?・・に繋がってしまうんですね。ですが今はまだ結論しないようにしています。2020年と2021年を見ようと思っています。
因みに2018年ものも一緒に届いています。フィネスさんの都合だと思うんですが、2019年と2018年が半々で届いたんですね。流石に6本ずつなので開ける訳には行かず・・2018年ものは、
「余ったら開けるつもり」
ですので悪しからずお許しください。

この、凄い・・ちょっとペリエールチックな色彩の色の濃さ、まるで「蜜」さえ内包しているように思えるほどのものですよ。
1枚目は少し下から・・2枚目は上からですが、どちらにも「蜜」は見えるんじゃないかと思うんですよね。
そして、その「蜜」は漢字が変わって・・「密」です。密度が非常に高い味わい・・凝縮しています。少しだけ口に含んでも・・
「いつまでもこの味わいに浸っていたい・・」
と思わせる複雑さとバランスの良さ、余韻の滅茶苦茶な長さが有り、まったりとまた口内に残った液体からの、完熟な柑橘果実の味わいがします。
1~2枚目の写真のグラスの涙のぶっとさ・・1枚目は見辛いんですが、相当に太いです。2枚目は1枚目の後、少し時間が流れた時のものですから・・
ポテンシャルも目に見えるようじゃないかと思います。是非ご検討いただけましたら幸いです。何せ、
「今時1万円もしない素晴らしい出来のムルソー=シャルム!」
です。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ポテンシャル大!・・マンモスなミネラリティ!・・そしてリーズナブルです!】
もう、完全にシャトー・ド・ラ・ヴェルの存在を超えて来ている感が有ります。シャトー・ド・ラ・ヴェルはもう少し優しい感じでしょうか。より濃密に仕上がっているのはヴィンテージのなせる業か、それとも技なのか、その見極めは難しいです。
明らかに黄色味がより強い色をしています。まぁ、一般的なレ・ペリエールほどでは無いにせよ、素晴らしいノーズを嗅ぎ、口内に入れ、そのまま飲みこむことを許されず、舌と口蓋でその液体をすり潰す、啜る、そして少しずつ喉に落として行く・・そんな作業を強いられます。ポテンシャルが大きいが故ですね。
グラスに注いで10分ほど経過すると、それでも少し柔らかになって来ます。滑らかさも時間に比例して増して来ますが、1時間ほどで一旦止まります。
この感覚から言えば、少なくとも3~5年の時間的余裕は必要でしょう。そこまで行けば、全ての要素が一旦丸まって一緒になります。そして、早い段階で開きだす要素の粒から放出が始まりますので、蜜っぽさも増して来ますし、柑橘な果実も増えて来るでしょう。
ムルソー1級レ・シャルムで、このプライスは嬉しいですよね。ポテンシャルも充分ですので、しっかりイヴ・ボワイエ=マルトノの代替も務めてくれるはずです。今回は少量の入荷ですので、是非、お早めにお手当ください。クリスチャン・ベラン、大当たりでした!
● 2019 Beaune Rouge Vieilles Vignes
ボーヌ・ロンボワ・ルージュ
【二次発酵由来の滑らかさ!チェリーな果実が滅茶美味しい・・A.C.ブルに毛の生えた価格の村名ボーヌ・ルージュです!】

私の記憶が正しければ・・(^^;; 古っ・・ 初めてこのベランのボーヌ・レ・ロンボワをテイスティングした2017年ものは、もっとフレッシュなニュアンスで、野生のベリーっぽい果実だったんですね。
でも2018年ではそれが「チェリー」に変わっていまして・・いや、さっき気付いたんですけどね。2019年ものも素晴らしいチェリーな果実が、滑らかさを伴って感じられるボーヌの村名になっていた訳です。しかも滑らかながらも新鮮さも在りつつ、バランスも相当に良いと言うおまけ付きです。
そもそもボーヌのワインは、昔はPKさんが、
「1級以外は買わない方が良い」
みたいなノリだったと思います。と言うよりも、ほとんどが1級畑で村名はちょぼちょぼとしか無く、1級でも大したものは少ないから・・と言うような言い方だったかもしれません。
勉強したての noisy は、
「そうなのか~・・」
とは思ったものの、まだ若く大した給料も得られないので、ワインは凄く高く感じたんですね。それでも意を決して数千円もするそこそこ評判の良いボーヌワインを飲んでみると、確かにPKさんの言うように、
「マジで良いのに当たらない・・」
と思った記憶があり、よほどPKさんも良い目を見なかったんだなと思ったものです。

良いなぁ・・それなり良いものもあるよと思い始めたのは、1級ド定番のクロ・デ・ズルシュルやクロ・デ・ムーシュの状態の良いもの、そしてコサールが造った名も無い造り手の村名やコート・ド・ボーヌ(実際にはボーヌ)辺りの白でした。ボーヌの村名は、本当に選ばないとダメだとずっと思っていた訳です。
そして中国がブルゴーニュワインに目覚めてしまって価格が高騰してきた現在は、造り手たちも・・
「ちゃんとワインを造れば高く買ってくれる!」
ことに気付いたんだと思うんですね。それまで二束三文でしか売れなかったワインが数倍で売れるようになった訳で、それが今のブルゴーニュワインの質の高さを生んでいると感じます。
このロンボワも、2018年ものが美味しくて将来が楽しみだった訳ですが、2019年ものは本当にそれを感じます。
色合いもまた・・全然異なりますよね?1枚目の寄った写真が凄く良く撮れているので、是非良く見てください。とてもきれいな血っぽいニュアンスも在りつつ、チェリーな果実がリアルに感じられます。価格も素晴らしくリーズナブルで、A.C.ブル並み・・です。
先ほどボーヌワインを昔、頑張って飲んだ・・と言いましたが、実は・・
「今も価格は余り変わっていないアペラシオン」
なんですね。まぁ、少しは上がっていますが、日本の景気と同じで、
「忘れられた30年」
みたいなものです。
その中でもこのようなリーズナブルで質の高いピノ・ノワールが生まれて来ていまして・・非常に有難い!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ボッソボソのテクスチュア、スッカスカな中域のボーヌ村名ワインがほとんどですが、石灰系+石英系のミネラリティとチェリッシュな果実が充実した、隠れた銘酒だと思います!】
いや~・・写真が上手く撮れて良かった~・・!実に美味しそうでしょう?・・これはもうチェリーが見事に味わえる、酸バランスも見事でミネラリティたっぷりの味わいが「見えて来そう!」な出来に見えないでしょうか?
でも本当は余り、大きく宣伝したくはないんですよ。6本しか無いのに1本テイスティングしてしまいまして、しかもこの価格ですから・・はい・・完全に赤字です。
なので、今回の2018年クリスチャン・ベランの滅茶美味しいピノ・ノワールのテイスティングはこのボーヌ・レ・ロンボワだけにさせていただき、サヴィニーの方はお休みさせていただきました。それで何とか「行ってこい」です。
見てお判りのように、非常に・・美しいですよね?・・淡く無く、濃くない・・です。
だから、「ちょうど良い」などとご紹介してしまいますと、
「そうか・・普通なのか・・」
で終わってしまうんですね。
でもこのロンボワ、決してそうじゃ無くて、その想像をしっかり超えてくる見事な味わいなんですよ。「ちょうど良い」ところから始まって、飲み進めるうちにどんどん膨らんでくるんですね。
一般的に「ボーヌ村名赤」のワインのほとんどは、余り良い印象は有りませんよね?・・noisy も同様に余り良いイメージを持ってはいません。
しかしながら・・少なくともこのワインは素晴らしいです!・・積層したチェリー、華やかに伸びて行くベリー・・・しっかり支えてくれる石灰系と石英系のミネラリティをたっぷり感じていただけます。
A.C.ブル並みの価格ですから、試してみても損はない・・と思えたら、是非飲んでみて下さい。きっと2019年も飲みたくなってしまう・・もしくは、シャルドネにも手を出したくなってしまうと思いますよ。超お勧めです!・・いや・・適当にお勧めです。ご検討くださいませ。
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【
もっさりしてない貴重なボーヌ村名!フランボワーズ系果実のエレガントでバランスに優れる味わい・・しかもA.C.ブル並みのプライスです!】
ボーヌでは、昨今の醸造中における酸化のコントロールが上手く働いたボーヌのピノ・ノワールはまだ少なく、二次発酵を含めて適度な酸化を必要とする西側の丘のシャルドネの方に人気は集まっています。少しライトなムルソー風で、これがまた滅茶美味しいんですよね。
ですが、フィネスさんが最近輸入しているこの「クリスチャン・ベラン」のボーヌ・ロンボワは、その酸化のコントロールが実にお上手で、愛らしい小果実を生き生きと感じさせてくれる佳酒だと言えます。そして、とても美味しいけれどまだ余り注目されていないので価格も良い感じの、ボーヌの西の丘にあるシャルドネたちと同様に、西の丘・・ここは麓近くですが、そこに存在するのが「ロンボワ」です。
少し野性っぽさが入った苺・・・フランス語だと苺はフレーズ、木苺はフランボワーズのようですが、今回はフランボワーズを採用・・・(^^;; これがまた適度なスピードでノーズに入って来てとても心地良いですし、大き過ぎない、太過ぎないボディから、実際にその実を食しているような感覚に包まれます。酸バランスがピュア感が有って良いんでしょう。
さすが村名だけ有って、A.C.ブルよりもやや大きさを感じさせますが、物凄く無い・・のがむしろ実に心地良いんですね。ポテンシャルを取ろうと思って飲めばそれなりに感じさせてくれますし、何も考えずとも、その充分な反応から満足いただけてしまうと思います。
重厚に造ろうとして上手く行かず、野暮ったくもっさりしてしまうボーヌやボーヌ1級より、むしろこのA.C.ブル並み価格のロンボワに軍配を上げたいと思います。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【新樽もしっかり使用したエレガントなボーヌ・ルージュ!・・しかも価格はA.C.ブル+アルファほどです!】
ボーヌの村の西側には丘が有って、その周辺では、さして名高くも無く、また1級でさえも無く、もしくは村名でさえも無いシャルドネの中に、目を見張るような素晴らしいものが散見されることは皆さんもご存じかと思います。
その昔、かのフレデリック・コサールが支えたドメーヌ・ド・ラ・コンブのボーヌ・オ・ルナールの赤白もそんなワインの一つでしたが、たっぷりの透明なミネラリティを持ちつつ、下手な1級を凌ぐようなパフォーマンスを見せてくれたものです。
その、オ・ルナールの下部、南に接するのが「レ・ロンボワ」で、ド・ラ・コンブのオ・ルナール赤を彷彿とさせるような見事なバランスを感じさせてくれます。
ここはやや南に向いて開けた畑で丘の麓に近い部分に有ります。苺系の小さな果実が凝縮しています。甘く無く、全くのドライですが、口内を収斂させるような出っ張りや、薄辛さは有りません。
白の造り手と言うことで、余り期待せずに飲んだんですが、これ、ボーヌ村名格なんですよね・・。A.C.ブルを探すのが難しいボーヌとは言え、村名でこのプライスは嬉しく無いですか?しかも、ボーヌ的な粗野なテクスチュアじゃぁ無いんですよ。実に質の良い、しかも生まれも育ちも良いところの出ですか?・・と尋ねたくなるような感じ。
最も、滅茶大柄なワインにはなってはいないものの、今飲んで非常に美味しく、しかもエレガントで流れてくような味わいですので、きっと喜んでいただけるんじゃないかと思いますよ。
クリスチャン・ベランのサヴィニーも、サヴィニーらしい愛らしい味わいで非常に好みでした・・が、サヴィニーの方が高いんですよね~。なので、取りあえずはこのボーヌ・レ・ロンボワを飲んでみてくださいよ。何しろ安い!・・そしてエレガントです。きっとクリスチャン・ベランの美味しさに気付いていただけると思います。超お勧めです!
● 2019 Savigny les Beaune Rouge Vieilles Vignes
サヴィニー=レ=ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【旨い!・・縦構造が素晴らしいサヴィニー赤!・・伸びやかでスタイリッシュ!チェリーな果実がエレガンスを湛えつつ感じられます!】

残念なことに、ブルゴーニュワインの高騰でブルゴーニュから離れる方もいらっしゃいます。
まぁ・・小遣いの範囲で飲もうと思うと、3~5千円が限界ですし、それも月に何十本もは購入できず・・2~3本が普通だと思うんですね。noisy だってワインの勉強を始めた時は、
「なんでこんなに高いんだろう・・」
と思ってましたが、流石に今は色々判りますから・・
「仕方が無い・・と言うか、そうなって当たり前」
だとも思ってしまう訳です。
ですので、何とかブルゴーニュワインでリーズナブルなものを一生懸命に探すんですが、そうは中々当たりはしません。稀に見つけても、それが美味しければ美味しいほど、
「さっさと値上がりして行ってしまう」
訳ですし、下手をすれば・・
「いつの間にか入手できなくなってしまう」
と言うことになってしまいます。

ほんの少し前までは、あのロマネ=コンティのすぐ脇の畑を持つ生産者のA.C.ブルを3千円ではんばい出来た訳です。
そりゃぁ・・昔は全然売れませんでしたが、良くなって来たのが判った時から、みんなが欲しいと思うようになって何年も経たずに・・入手すらできないようになってしまった訳です。
このサヴィニー赤ですが、愛らしい、サヴィニーらしい縦構造を持ち、冷やかなチェリーの果実味と、小さな石、白っぽい石灰を沢山持っているかのような風情のミネラリティが非常に・・好ましい。見事な味わいをしています。
もう、写真の色合いだけで選んでください!・・と言いたい位に2018年までと違ってしまっています。決して濃く無い色では有りますが、
「エキスは非常にしっかり!」
感じられます。
甘みはほぼゼロ・・ながら、薄辛くならず、また昔のサヴィニーのような平坦さ、硬いだけ・・みたいなネガティヴさは有りません。
さりとて、3年ほど前までのフレデリック・コサールのサヴィニー・レ・ゴラルドのような、少し過熟気味に持って行ったと思われる「分厚い果実味」にもなっていません。
つまり、力業では無く、
「ごく自然に仕上げた結果がこれ」
と言うことですので・・2020年、2021年と見続けて行きたいと思わせてくれた・・でも何ともリーズナブルな価格に手を合わせたくなるワインです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【すみません・・これだけは未テイスティングです。でも、2018ボーヌ・レ・ロンボワ・ルージュの出来を見ますと凄く期待出来ます!】 こちらも6本しか無いピノ・ノワールです。相当良さそうですが、都合12本で2本開ける訳にも行かず、今のところテイスティングは躊躇しています。
ムルソーとサヴィニーに畑を持つクリスチャン・ベランですが、これもやはり「相続」でこのようになった訳ですね。「ブルゴーニュあるある」で長く続くドメーヌほど、そのようになって行く訳ですが、相続する子がいなかったり、ヴィニュロンやドメーヌを止めてしまうと、細分化も再集合化も止まる運命になってしまう訳です。
クリスチャン・ベランを飲んで思ったのは、
「意外にもピノ・ノワールが超美味しい!」
と言うことなんですね。
イメージ的にムルソーの造り手ですからシャルドネが・・と思いがちです。勿論、シャルドネも超美味しいんですが、ピノ・ノワールの造り手真っ青な出来のボーヌ・レ・ロンボワ村名では有りますし、このサヴィニー=レ=ボーヌ2017年も非常に良い出来だったので、是非トライしてみていただきたい・・そう思っています。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【とっても美味しい!エレガント系、冷涼な果実酸の利いたさくらんぼ的アロマが豊かな味わいです!】
畑の解説は前回記載させていただきましたので今回は端折ります・・でも2017年ものは年の性でしょうか、2015年ものよりもっと美味しいです。
やや丸いパレットを描きたがるボーヌ・ロンボワよりも、少し扁平した「立てた卵型」のパレットに感じます。また、やや温かみ+冷涼感の両方を感じるロンボワよりもより冷ややかな酸が、このワインのエレガントさを引き立てているようにも思います。
何しろ香りの上りが良く、冷涼な地に育った野性味がほんのり載った「サクランボ」が滅茶心地良いです。チェリーと言いたいけれど、ここは敢えて「サクランボ」で。サヴィニー的なテロワールをちゃんと感じさせつつ、熟度が適度にある深い味わいを失っていません。
一時のフレデリック・コサールの「サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・ゴラルド」は、テロワールも有るのでしょうがより粘性が有って濃度がしっかりあり中域の膨らみが凄く、
「・・とても旨いけど・・ちょっとサヴィニーとは言い辛いかな・・」
と言うような気にもなっていました。今のコサールはそこまで濃く仕上げず、個人的にはより良いと感じています。
こちらはその中域の豊かさはそんなにズ太くは無く、「チェリーと言いたいけれど敢えてサクランボで」・・みたいなニュアンスで伝わるかとは思うんですが、チャーミングな美味しさを良い方に出せているワインだと感じています。
まぁ、チャーミングは基本、ワインの場合良い言葉としては使わない場合が多いんですが、そこも今回、敢えて使用させていただき、ワインのニュアンスを伝えられたらと思っています。
勿論、中程度の重さの細やかなミネラリティもしっかり有り、So2も多く無いと感じます。価格も実にリーズナブル!・・前回もしっかり完売させていただきましたので、
「バランスの良い、サヴィニー的冷涼なさくらんぼを感じさせてくれる美味しいピノ・ノワール」
を是非味わってみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【スタイリッシュなエレガント系ピノ・ノワール!実に美しいです!】
美しい色合いをしていますよね。すこしカッチリとした感じかな?・・などと目に映るんじゃないかと思いますがいかがでしょう?・・そう、それは正しいです。サヴィニーらしい、「さくらんぼ」みたいな果実表現にしたくなると思います。
サヴィニー=レ=ボーヌは、ボーヌに接した中央部に1級が集中しています。普通にボーヌの北の1級に繋がっているから・・ですね。村の境界線は有ったとしても、畑に境界が有るとは限りません。むしろ、地形学的には影響ないですしね。
そして、村の東側はショレ=レ=ボーヌに接していまして、こちらには1級畑は有りません。「Les Petits Picotins(レ・プティ・ピコタン)」、「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」、「Les Ratausses(レ・ラトス)」はこの位置にあるヴィエイユ・ヴィーニュです。
ですので、性格的には、ボーヌに似ている部分は在るにせよ、ショレ=レ=ボーヌにより似た性格なんじゃないかと想像出来る訳です。
ボーヌ中央部の深い粘土のニュアンスは余りありません。むしろ、明るく、やや軽い粘土が由来であり、そこにややしっかり目のスタイリッシュなミネラリティが有りますので、
「エレガント」
と言いたくなる味わいです。
稀に「エレガント」=「薄い」と言う意味で使う場合も有りますが、この場合は・・色を見ていただいても判るように、決して薄くは有りません。充実しています。スタイルはややほっそりしているものの、痩せてギスギス・・と言うような表現は遠いです。
やはり洋物のさくらんぼをイメージしますね。もしくはレッドカラント(フサスグリ)でしょうか。
昨今は、収穫を遅らせてより熟した実を得て、濃密な味わいを造り出すことが行われてきました。しかし、それはむしろ時代遅れ・・そうじゃなくても温暖化でマッチョ化が黙っていても進みます。
極まれに、物凄くエレガントで美しいワインに出会いますが、そんな時、まだ温暖化が叫ばれていない頃の、ほのぼのとした味わいのブルゴーニュワインを思い出します。そこまでは「詫び寂び」していないものの、美しい躯体を持った見事に伸びやかな味わいに出会えば、またブルゴーニュワインに惚れ直してしまいますよね。
素晴らしいサヴィニーV.V.でした。マッチョでは無い、美しいエレガントなサヴィニー・・・是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2019 Coteaux Bourguignons Chardonnay Cuvee des Gouttes
コトー・ブルギニョン・シャルドネ・キュヴェ・デ・グート
【2014年植樹って・・ちょっと信じられないです。10歳ほどサバを読んでないでしょうか?ムルソー的な滑らかさにピュアな明るさを差し込んだ見事な味わいです。】

写真はちょっと暗かったので照度調整・・と言うか、青を少し足していますので、黄色味が少し飛んで写っていますので、実際はもっと黄色く見えると思います。
2014年の植樹・・と言うことですが、ちょっと信じられないほどの濃密さが有ります。やはりムルソー的に少し粘度が有り、ミネラリティの量もしっかり有ります。そして明るいピュアさ・・フレッシュさが僅かに差し込んでくる感じで、ムルソーの暑苦しさ(悪く言えば・・です)が無く、しかしムルソーの良さを引き出している(良く言えば・・です)と言う感じで、非常に好意が持てる味わいです。
こんなワインが簡単に出来てしまう・・なんて、ちょっと恐ろしいですよ。2014年植樹で2019年もの・・と言うことは、昨年の2018年ものがようやく2年目のリリース・・みたいな感じなんでしょうから。
しかも価格も安く、高級シャルドネとしての資質もしっかり感じられるので、
「単に畑がA.C.ブルを名乗れない場所にある」
けれど、
「仕上がりは一般のA.C.ブル以上のもの」
と言って良い、
「名前(クラス)だけがコトー・ブルギニヨン(パストゥグラン)のシャルドネ」
とご理解いただければと思います。非常に美味しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プティ・ムルソーと言いたくなるような濃密さ!・・かなり美味しいです!】
シャブリに対するプティ・シャブリみたいな対比をムルソーに持ち込んだかのようなニュアンスです。有難いですね~!キュヴェ・デ・グート(グット?)と名付けられた、「コトー・ブルギニヨン・ブラン」です。
そもそもは、「レ・バス・グート」と言う畑がムルソー村の東側に有りまして、そこのシャルドネです。ただし、ここは位置に寄っては、A.C.ブルゴーニュを名乗れたり、駄目だったりするようで、かのシャトー・ド・ラ・ヴェルもA.C.ブルゴーニュ・シャルドネとして、「レ・バス・グート」を仕込んでいたようです。隣同士で仲良かったんでしょうね。国道の西に在るので、通常ならA.C.ブルゴーニュを名乗れる位置です。
コトー・ブルギニヨンと言いますと、昔のパストゥグラン、グランドルディネールクラスですね。以前なら軽くて喉越しの良さで飲ませるタイプでした。
しかしながら・・ちょっとビックリしますよ。ちゃんと・・出来てるんですね~・・高級ワインとして。
なので、これをブラインドで出すのは止めましょう。絶対、若いムルソーとか言ってしまいますんで・・はい。
滑らかで、柑橘がすっと立ち昇り、ほんのりオイリーだが樽っぽさは無くピュア。中域が充実していて、マッタリ感充分。余韻も結構しっかり続く。
コトー・ブルギニヨンだからな~・・と思って臨むとケガをしますよ。「シャバい」味わいじゃありません。むしろ、これでムルソー的ニュアンスをたっぷり感じられるので、少し前のコント・ラフォン、ドミニク・ラフォンのワインが「マイ・タイプ」だったとしたら、ドンピシャでしょう!・・安く出しますんで、是非飲んでみてください。久々の安くて美味しい、王道のシャルドネです!
● 2018 Meursault 1er Cru les Charmes
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム
【ベランのトップ・キュヴェ!・・流石の1級レ・シャルム!濃密さとエレガンスの1級ムルソーです!】---2019年もののレヴューと内容は一緒です。

どうなんでしょう・・2019年のこのレ・シャルムを飲んだ時は、
「・・このポテンシャルじゃぁ・・レ・シャルムの上部の畑だったっけ?」
と、後でテクニカルを確認しようと思っていたんですね。
レ・シャルムは上部と下部で別の名前が付いていまして・・発音が難しいので敢えてここでは言いませんが、上部はペリエールに接しているのと、硬い大理石層にも近いはずなので、より上質とされているんですね。
で、店に出て来て調べてみましたら・・下部だと言うので再度ビックリ!・・あらら、アテが外れてしまったと・・つまり、コラムを書くネタにしようと構想していたのが使えなくなったと言うことだったんです。
ならばどう言う事?・・この素晴らしさはなんで?・・に繋がってしまうんですね。ですが今はまだ結論しないようにしています。2020年と2021年を見ようと思っています。
因みに2018年ものも一緒に届いています。フィネスさんの都合だと思うんですが、2019年と2018年が半々で届いたんですね。流石に6本ずつなので開ける訳には行かず・・2018年ものは、
「余ったら開けるつもり」
ですので悪しからずお許しください。

この、凄い・・ちょっとペリエールチックな色彩の色の濃さ、まるで「蜜」さえ内包しているように思えるほどのものですよ。
1枚目は少し下から・・2枚目は上からですが、どちらにも「蜜」は見えるんじゃないかと思うんですよね。
そして、その「蜜」は漢字が変わって・・「密」です。密度が非常に高い味わい・・凝縮しています。少しだけ口に含んでも・・
「いつまでもこの味わいに浸っていたい・・」
と思わせる複雑さとバランスの良さ、余韻の滅茶苦茶な長さが有り、まったりとまた口内に残った液体からの、完熟な柑橘果実の味わいがします。
1~2枚目の写真のグラスの涙のぶっとさ・・1枚目は見辛いんですが、相当に太いです。2枚目は1枚目の後、少し時間が流れた時のものですから・・
ポテンシャルも目に見えるようじゃないかと思います。是非ご検討いただけましたら幸いです。何せ、
「今時1万円もしない素晴らしい出来のムルソー=シャルム!」
です。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ポテンシャル大!・・マンモスなミネラリティ!・・そしてリーズナブルです!】
もう、完全にシャトー・ド・ラ・ヴェルの存在を超えて来ている感が有ります。シャトー・ド・ラ・ヴェルはもう少し優しい感じでしょうか。より濃密に仕上がっているのはヴィンテージのなせる業か、それとも技なのか、その見極めは難しいです。
明らかに黄色味がより強い色をしています。まぁ、一般的なレ・ペリエールほどでは無いにせよ、素晴らしいノーズを嗅ぎ、口内に入れ、そのまま飲みこむことを許されず、舌と口蓋でその液体をすり潰す、啜る、そして少しずつ喉に落として行く・・そんな作業を強いられます。ポテンシャルが大きいが故ですね。
グラスに注いで10分ほど経過すると、それでも少し柔らかになって来ます。滑らかさも時間に比例して増して来ますが、1時間ほどで一旦止まります。
この感覚から言えば、少なくとも3~5年の時間的余裕は必要でしょう。そこまで行けば、全ての要素が一旦丸まって一緒になります。そして、早い段階で開きだす要素の粒から放出が始まりますので、蜜っぽさも増して来ますし、柑橘な果実も増えて来るでしょう。
ムルソー1級レ・シャルムで、このプライスは嬉しいですよね。ポテンシャルも充分ですので、しっかりイヴ・ボワイエ=マルトノの代替も務めてくれるはずです。今回は少量の入荷ですので、是非、お早めにお手当ください。クリスチャン・ベラン、大当たりでした!
● 2018 Savigny les-Beaune Blanc
サヴィニー・レ=ボーヌ・ブラン
【これも激旨!少し細身のムルソー・レ・ティレ?・・いや、横から縦に伸びる方向を変えたムルソー・レ・ティレ!・・と言っておきましょう!】

ん~・・やっぱり、白いテーブルクロスは必需品ですね。左の写真は良い感じに「淡く緑掛った少し濃い黄色」が見えていると思います。透明なミネラリティも・・見えるようじゃないですか。
で、これはまためっちゃ美味しいんですね・・。横方向に拡がろうとするムルソー・レ・ティエに負けず劣らず、このサヴィニー・ブランは縦方向に伸びる分が多いです。縦伸び系ですね。
その上で、ムルソーはやはり白っぽい、そして僅かに色付いた感じのミネラリティなんですが、こちらはむしろ無色透明です。石英的・・と言いましょうか、クリスタル的・・が判りやすいかな?
そしてやはり冷ややかな柑橘果実がたっぷりで、マロラクティックによりとても「まろやか」なんですね。今飲んでも滅茶美味しい!縦にグングン伸びる感じで、ノーズがグイグイ押されっぱなしです!
サヴィニーの白はさほどは飲んではいないですが、もっと酸っぱくて果実の若さが口内に浸みる痛さと戦う感じがして・・(^^;;
「・・もっとムルソー的ならなぁ・・」
などと思っていましたが、ムルソーの造り手が造るサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランなら・・それも対応可能なんでしょうか。
いや、やはり葡萄の能力が有るからこそ、しっかりマロラクティックを掛けられるのでしょう。素晴らしい出来だと思います。非常に美味しい!是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【珍しいサヴィニーの白!・・スタイリッシュでミネラリティたっぷり!・・今までに無い感覚のシャルドネと思っていただけるかも!】
これも非常に美味しいです!サヴィニーの白は余り出会うことが有りません。ボーヌの白は結構に有りますけどね・・でも、ボーヌの白のふくよかな一面も無りませんし、ミネラリティの組成の性でしょうか、ボーヌのミネラリティは「太い」と再発見するような、縦伸び構造の「背の高い」ミネラリティを感じていただけると思います。
かのPKさんは、その著書「バーガンディ」で、「サヴィニー=レ=ボーヌでは少量では有るが、高品質の白がとれる」(飛鳥出版 バーガンディより)と書いています。ただし、出会えれば・・ですよね。まず見ることが少ないワインです。
このサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランのリューディは、赤とほぼ同様、「Les Ratausses(レ・ラトス)」と「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」です。ピコタンが入ってないですね。どちらもショレ=レ=ボーヌ側と接しています。
やはりミネラリティの組成だと思いますが、ムルソーのように横に拡がるような厳しいミネラリティでは有りません。またミネラリティの中域が太いボーヌの白とも異なります。高いところまで伸びて行くような・・横には余り拡がらず、どんどん高みを目指して行くようなミネラリティです。
果実感もやや冷ややかです。黄色や白の果実が冷え気味ですが、しっかり感じられます。やはりスタイリッシュと言う言葉が使いたくなるかなぁ・・と思いますよ。
時間と共に中域も膨れ始め、実に良い感じになってきます。ムルソー・レ・シャルムのような現状の気難しさは無く、むしろ気高さや伸びの良さで美味しくいただけました!
いや・・良いですね。クリスチャン・ベランの発見は大成功だと思います。プライスも優しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2018 Meursault les Tillets
ムルソー・レ・ティレ
【大理石の切り出し場がすぐ近く・・イメージの沸きやすいレ・ティレです!】

一般には村名区画ですが、業界では準一級格と目されているレ・ティレ(レ・ティエ)です。それにはやはり、コシュ=デュリの活躍も影響していると思われますが、彼が区画名(ルージョ、ヴィルイユ、レ・カス=テート等)を入れてリリースしていたので、飲んだ者がそのテロワールの違いをまざまざと見せつけられた・・のかもしれません。最もコシュ=デュリも、区画名を記載して出す場合と記載しない場合(出荷先で異なる)が有り、我々もネゴス経由で仕入れると、区画名の記載の無いムルソーが、実際はどこの区画か判らず、でもそれを想像するのが楽しみ・・でも有った訳ですね。個人的にはルージョは大好きで、モンティーユさんがネゴスで「クロ・デ・ルージョ」を2年ほどリリースしていた時は嬉々として仕入れてました・・旨かったですね~。メゾン・ドゥー・モンティーユでクロ・デ・ルージョをリリースしなくなってしまったのと、エージェントさんに価格をどんどん吊り上げられたので止めてしまいましたが・・。
このレ・ティレは、ムルソーの中央南寄り西側上部に有る区画(一級群の真上)ですが、この辺りは大理石の石切り場が有ったすぐ近くで、非常に鉱物的なニュアンスが強く出るテロワールです。冷ややかで石、岩のニュアンスがたっぷり感じられます。
2018年のレ・ティレは非常に滑らかで、しかも粘性に富んでいます。マロラクティックをしっかりと掛けた感じ・・と言って良いと思いますが、本来、多分に存在していたはずの「リンゴ酸系」の大部分を「乳酸」に変えていますが、酸の総量はたっぷりあり、この美味しさこそがこのワインの魅力と言えるでしょう。
勿論ですがそこから生まれる果実表現も見事で、柑橘系フレーヴァーがたっぷり、ほんのりオイリーで非常に高質です。ムルソー中央西側の「硬質な」ニュアンスの良く判る味わいです。あの素晴らしいレ・カス=テートの南に接しています。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】
ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2018 Beaune Rouge Vieilles Vignes
ボーヌ・ロンボワ・ルージュ
【ボッソボソのテクスチュア、スッカスカな中域のボーヌ村名ワインがほとんどですが、石灰系+石英系のミネラリティとチェリッシュな果実が充実した、隠れた銘酒だと思います!】

いや~・・写真が上手く撮れて良かった~・・!実に美味しそうでしょう?・・これはもうチェリーが見事に味わえる、酸バランスも見事でミネラリティたっぷりの味わいが「見えて来そう!」な出来に見えないでしょうか?
でも本当は余り、大きく宣伝したくはないんですよ。6本しか無いのに1本テイスティングしてしまいまして、しかもこの価格ですから・・はい・・完全に赤字です。
なので、今回の2018年クリスチャン・ベランの滅茶美味しいピノ・ノワールのテイスティングはこのボーヌ・レ・ロンボワだけにさせていただき、サヴィニーの方はお休みさせていただきました。それで何とか「行ってこい」です。
見てお判りのように、非常に・・美しいですよね?・・淡く無く、濃くない・・です。
だから、「ちょうど良い」などとご紹介してしまいますと、
「そうか・・普通なのか・・」
で終わってしまうんですね。
でもこのロンボワ、決してそうじゃ無くて、その想像をしっかり超えてくる見事な味わいなんですよ。「ちょうど良い」ところから始まって、飲み進めるうちにどんどん膨らんでくるんですね。
一般的に「ボーヌ村名赤」のワインのほとんどは、余り良い印象は有りませんよね?・・noisy も同様に余り良いイメージを持ってはいません。
しかしながら・・少なくともこのワインは素晴らしいです!・・積層したチェリー、華やかに伸びて行くベリー・・・しっかり支えてくれる石灰系と石英系のミネラリティをたっぷり感じていただけます。
A.C.ブル並みの価格ですから、試してみても損はない・・と思えたら、是非飲んでみて下さい。きっと2019年も飲みたくなってしまう・・もしくは、シャルドネにも手を出したくなってしまうと思いますよ。超お勧めです!・・いや・・適当にお勧めです。ご検討くださいませ。
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【
もっさりしてない貴重なボーヌ村名!フランボワーズ系果実のエレガントでバランスに優れる味わい・・しかもA.C.ブル並みのプライスです!】
ボーヌでは、昨今の醸造中における酸化のコントロールが上手く働いたボーヌのピノ・ノワールはまだ少なく、二次発酵を含めて適度な酸化を必要とする西側の丘のシャルドネの方に人気は集まっています。少しライトなムルソー風で、これがまた滅茶美味しいんですよね。
ですが、フィネスさんが最近輸入しているこの「クリスチャン・ベラン」のボーヌ・ロンボワは、その酸化のコントロールが実にお上手で、愛らしい小果実を生き生きと感じさせてくれる佳酒だと言えます。そして、とても美味しいけれどまだ余り注目されていないので価格も良い感じの、ボーヌの西の丘にあるシャルドネたちと同様に、西の丘・・ここは麓近くですが、そこに存在するのが「ロンボワ」です。
少し野性っぽさが入った苺・・・フランス語だと苺はフレーズ、木苺はフランボワーズのようですが、今回はフランボワーズを採用・・・(^^;; これがまた適度なスピードでノーズに入って来てとても心地良いですし、大き過ぎない、太過ぎないボディから、実際にその実を食しているような感覚に包まれます。酸バランスがピュア感が有って良いんでしょう。
さすが村名だけ有って、A.C.ブルよりもやや大きさを感じさせますが、物凄く無い・・のがむしろ実に心地良いんですね。ポテンシャルを取ろうと思って飲めばそれなりに感じさせてくれますし、何も考えずとも、その充分な反応から満足いただけてしまうと思います。
重厚に造ろうとして上手く行かず、野暮ったくもっさりしてしまうボーヌやボーヌ1級より、むしろこのA.C.ブル並み価格のロンボワに軍配を上げたいと思います。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【新樽もしっかり使用したエレガントなボーヌ・ルージュ!・・しかも価格はA.C.ブル+アルファほどです!】
ボーヌの村の西側には丘が有って、その周辺では、さして名高くも無く、また1級でさえも無く、もしくは村名でさえも無いシャルドネの中に、目を見張るような素晴らしいものが散見されることは皆さんもご存じかと思います。
その昔、かのフレデリック・コサールが支えたドメーヌ・ド・ラ・コンブのボーヌ・オ・ルナールの赤白もそんなワインの一つでしたが、たっぷりの透明なミネラリティを持ちつつ、下手な1級を凌ぐようなパフォーマンスを見せてくれたものです。
その、オ・ルナールの下部、南に接するのが「レ・ロンボワ」で、ド・ラ・コンブのオ・ルナール赤を彷彿とさせるような見事なバランスを感じさせてくれます。
ここはやや南に向いて開けた畑で丘の麓に近い部分に有ります。苺系の小さな果実が凝縮しています。甘く無く、全くのドライですが、口内を収斂させるような出っ張りや、薄辛さは有りません。
白の造り手と言うことで、余り期待せずに飲んだんですが、これ、ボーヌ村名格なんですよね・・。A.C.ブルを探すのが難しいボーヌとは言え、村名でこのプライスは嬉しく無いですか?しかも、ボーヌ的な粗野なテクスチュアじゃぁ無いんですよ。実に質の良い、しかも生まれも育ちも良いところの出ですか?・・と尋ねたくなるような感じ。
最も、滅茶大柄なワインにはなってはいないものの、今飲んで非常に美味しく、しかもエレガントで流れてくような味わいですので、きっと喜んでいただけるんじゃないかと思いますよ。
クリスチャン・ベランのサヴィニーも、サヴィニーらしい愛らしい味わいで非常に好みでした・・が、サヴィニーの方が高いんですよね~。なので、取りあえずはこのボーヌ・レ・ロンボワを飲んでみてくださいよ。何しろ安い!・・そしてエレガントです。きっとクリスチャン・ベランの美味しさに気付いていただけると思います。超お勧めです!
● 2018 Savigny les Beaune Rouge Vieilles Vignes
サヴィニー=レ=ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【すみません・・これだけは未テイスティングです。でも、2018ボーヌ・レ・ロンボワ・ルージュの出来を見ますと凄く期待出来ます!】
こちらも6本しか無いピノ・ノワールです。相当良さそうですが、都合12本で2本開ける訳にも行かず、今のところテイスティングは躊躇しています。
ムルソーとサヴィニーに畑を持つクリスチャン・ベランですが、これもやはり「相続」でこのようになった訳ですね。「ブルゴーニュあるある」で長く続くドメーヌほど、そのようになって行く訳ですが、相続する子がいなかったり、ヴィニュロンやドメーヌを止めてしまうと、細分化も再集合化も止まる運命になってしまう訳です。
クリスチャン・ベランを飲んで思ったのは、
「意外にもピノ・ノワールが超美味しい!」
と言うことなんですね。
イメージ的にムルソーの造り手ですからシャルドネが・・と思いがちです。勿論、シャルドネも超美味しいんですが、ピノ・ノワールの造り手真っ青な出来のボーヌ・レ・ロンボワ村名では有りますし、このサヴィニー=レ=ボーヌ2017年も非常に良い出来だったので、是非トライしてみていただきたい・・そう思っています。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【とっても美味しい!エレガント系、冷涼な果実酸の利いたさくらんぼ的アロマが豊かな味わいです!】
畑の解説は前回記載させていただきましたので今回は端折ります・・でも2017年ものは年の性でしょうか、2015年ものよりもっと美味しいです。
やや丸いパレットを描きたがるボーヌ・ロンボワよりも、少し扁平した「立てた卵型」のパレットに感じます。また、やや温かみ+冷涼感の両方を感じるロンボワよりもより冷ややかな酸が、このワインのエレガントさを引き立てているようにも思います。
何しろ香りの上りが良く、冷涼な地に育った野性味がほんのり載った「サクランボ」が滅茶心地良いです。チェリーと言いたいけれど、ここは敢えて「サクランボ」で。サヴィニー的なテロワールをちゃんと感じさせつつ、熟度が適度にある深い味わいを失っていません。
一時のフレデリック・コサールの「サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・ゴラルド」は、テロワールも有るのでしょうがより粘性が有って濃度がしっかりあり中域の膨らみが凄く、
「・・とても旨いけど・・ちょっとサヴィニーとは言い辛いかな・・」
と言うような気にもなっていました。今のコサールはそこまで濃く仕上げず、個人的にはより良いと感じています。
こちらはその中域の豊かさはそんなにズ太くは無く、「チェリーと言いたいけれど敢えてサクランボで」・・みたいなニュアンスで伝わるかとは思うんですが、チャーミングな美味しさを良い方に出せているワインだと感じています。
まぁ、チャーミングは基本、ワインの場合良い言葉としては使わない場合が多いんですが、そこも今回、敢えて使用させていただき、ワインのニュアンスを伝えられたらと思っています。
勿論、中程度の重さの細やかなミネラリティもしっかり有り、So2も多く無いと感じます。価格も実にリーズナブル!・・前回もしっかり完売させていただきましたので、
「バランスの良い、サヴィニー的冷涼なさくらんぼを感じさせてくれる美味しいピノ・ノワール」
を是非味わってみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【スタイリッシュなエレガント系ピノ・ノワール!実に美しいです!】
美しい色合いをしていますよね。すこしカッチリとした感じかな?・・などと目に映るんじゃないかと思いますがいかがでしょう?・・そう、それは正しいです。サヴィニーらしい、「さくらんぼ」みたいな果実表現にしたくなると思います。
サヴィニー=レ=ボーヌは、ボーヌに接した中央部に1級が集中しています。普通にボーヌの北の1級に繋がっているから・・ですね。村の境界線は有ったとしても、畑に境界が有るとは限りません。むしろ、地形学的には影響ないですしね。
そして、村の東側はショレ=レ=ボーヌに接していまして、こちらには1級畑は有りません。「Les Petits Picotins(レ・プティ・ピコタン)」、「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」、「Les Ratausses(レ・ラトス)」はこの位置にあるヴィエイユ・ヴィーニュです。
ですので、性格的には、ボーヌに似ている部分は在るにせよ、ショレ=レ=ボーヌにより似た性格なんじゃないかと想像出来る訳です。
ボーヌ中央部の深い粘土のニュアンスは余りありません。むしろ、明るく、やや軽い粘土が由来であり、そこにややしっかり目のスタイリッシュなミネラリティが有りますので、
「エレガント」
と言いたくなる味わいです。
稀に「エレガント」=「薄い」と言う意味で使う場合も有りますが、この場合は・・色を見ていただいても判るように、決して薄くは有りません。充実しています。スタイルはややほっそりしているものの、痩せてギスギス・・と言うような表現は遠いです。
やはり洋物のさくらんぼをイメージしますね。もしくはレッドカラント(フサスグリ)でしょうか。
昨今は、収穫を遅らせてより熟した実を得て、濃密な味わいを造り出すことが行われてきました。しかし、それはむしろ時代遅れ・・そうじゃなくても温暖化でマッチョ化が黙っていても進みます。
極まれに、物凄くエレガントで美しいワインに出会いますが、そんな時、まだ温暖化が叫ばれていない頃の、ほのぼのとした味わいのブルゴーニュワインを思い出します。そこまでは「詫び寂び」していないものの、美しい躯体を持った見事に伸びやかな味わいに出会えば、またブルゴーニュワインに惚れ直してしまいますよね。
素晴らしいサヴィニーV.V.でした。マッチョでは無い、美しいエレガントなサヴィニー・・・是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2018 Bourgogne Chardonnay Sous la Velle
ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル
【激旨です!・・並みのムルソーは道を譲るでしょう!】

A.C.ブルですが、並みのムルソーはひれ伏すに違い在りません。非常に細やかな粒子を粘り気が出てくるまで何度も何度も徹底的にすり潰して出来たかのような「粘性」の有るテクスチュアから、ノーズにもやや粘性を感じる「マッタリな」ニュアンスと、石灰系のミネラリティを多分に含んだ白~黄色の果実を多量に感じます。
イメージ的にはコント・ラフォンに代表される「樽使用で粘性たっぷりの滑らか系シャルドネ」と言えますから、ある意味で「オールド・ファッションなシャルドネ」では有ります。
しかしながらオールド・ファッションなシャルドネって、滅茶美味しいじゃないですか・・。ドミニク・ラフォンの2017年A.C.ブルって、これまたコント・ラフォンご当主のご自身のドメーヌですから、正にオールド・ファッションな味わいなんですが、もう販売が350本超え・・です。やっぱり皆さん、オールド・ファッション・シャルドネって大好きって証拠でしょう?
で、このクリスチャン・ベランのA.C.ブルも、正にそっち系の味わいで価格は2/3です。滑らかで濃密ですし、柑橘系のフレーヴァーがしっかり、ミネラリティもドミニク・ラフォンに負けてないですから、他のA.C.ブルやムルソーにも比較対象に出来てしまうと思います。
非常にお買い得かと思います。定番で置いておけたら・・と思い始めています。是非飲んでみて下さい!超お勧め、見事なA.C.ブルです。
以下は以前のレヴューです。
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【ほとんどムルソー!・・滑らかで美味しい!王道のシャルドネの味わいです。】
昔はね~・・もっと樽が強くて、樽に果実が少しやられて弱めで・・だけれど熟すとちょうど良い感じになるのがムルソーだったんですが、昨今はもう、全く状況が判りましたよね。
四半世紀前頃のnoisy のムルソーに対するイメージは、
「樽」
でした。
まぁ、その頃は輸入のコンディションも今ほどでは無かったですし、その辺りも影響はしていたとしても、何でもかんでも「新樽」を使わなきゃワインじゃない!・・みたいな風潮が蔓延った時代がそれに続きましたから。誰の性でもありゃしないですが・・(^^;;
この「ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル」を飲むと、造り手のセンスの良さに加えて、ブルゴーニュのシャルドネの偉大さを感じてしまいます。
このスー・ラ・ヴェルですが、最初に名前を聞いた時は、
「モンテリーの1級スー・ラ・ヴェルに近いのかな?」
と思ったんですが、モンテリーのは正確には「スュ(ル)・ラ・ヴェル」ですので全く異なる畑です。
村のど真ん中の東に在るA.C.ブルの区画です。ここは、西側半分は村名ムルソーを名乗れるようなので、おそらく上下に渡って畑を所有していて、混ぜる場合は格下げしてA.C.ブルでリリースするのでしょう。
いや、それを聞かないと・・理解できませんよ。これだけムルソームルソーしてるのにA.C.ブルだとするなら、それ相応の理由を見つけなければなりませんから。
樽っぽさは無いんですが、酸化を上手に使用したクラシックなスタイル・・いわゆる王道のシャルドネ、ムルソーです。・・あ、すみません、A.C.ブルです。ほぼムルソーだと思って良いと思います。柑橘、凝縮していて、目が詰まっています。滑らかでほんのりオイリー。石灰もちょっと感じますし、同じくらい、もしくは少し少なめなくらいの粘土も有ります。まぁ、これだと村の中央部位の位置感覚がズバリです。これ以上に石灰系ミネラリティが強ければもっと西側の畑、さらにシャリシャリし始めたらもっと南西の畑・・粘度が強ければヴォルネイ側の畑、オイリーさや蜜っぽさが増えて行けばピュリニーとの境に近い感じ・・などと個人的には思ってます。
パキッパキに、ガンコに感じられるようなミネラリティでは無いので、その分、優しい味わいだとも言えます。これ、安いので・・是非飲んでみてください!お勧めします!
● 2017 Beaune Rouge Vieilles Vignes
ボーヌ・ロンボワ・ルージュ
【もっさりしてない貴重なボーヌ村名!フランボワーズ系果実のエレガントでバランスに優れる味わい・・しかもA.C.ブル並みのプライスです!】

ボーヌでは、昨今の醸造中における酸化のコントロールが上手く働いたボーヌのピノ・ノワールはまだ少なく、二次発酵を含めて適度な酸化を必要とする西側の丘のシャルドネの方に人気は集まっています。少しライトなムルソー風で、これがまた滅茶美味しいんですよね。
ですが、フィネスさんが最近輸入しているこの「クリスチャン・ベラン」のボーヌ・ロンボワは、その酸化のコントロールが実にお上手で、愛らしい小果実を生き生きと感じさせてくれる佳酒だと言えます。そして、とても美味しいけれどまだ余り注目されていないので価格も良い感じの、ボーヌの西の丘にあるシャルドネたちと同様に、西の丘・・ここは麓近くですが、そこに存在するのが「ロンボワ」です。
少し野性っぽさが入った苺・・・フランス語だと苺はフレーズ、木苺はフランボワーズのようですが、今回はフランボワーズを採用・・・(^^;; これがまた適度なスピードでノーズに入って来てとても心地良いですし、大き過ぎない、太過ぎないボディから、実際にその実を食しているような感覚に包まれます。酸バランスがピュア感が有って良いんでしょう。
さすが村名だけ有って、A.C.ブルよりもやや大きさを感じさせますが、物凄く無い・・のがむしろ実に心地良いんですね。ポテンシャルを取ろうと思って飲めばそれなりに感じさせてくれますし、何も考えずとも、その充分な反応から満足いただけてしまうと思います。
重厚に造ろうとして上手く行かず、野暮ったくもっさりしてしまうボーヌやボーヌ1級より、むしろこのA.C.ブル並み価格のロンボワに軍配を上げたいと思います。是非飲んでみて下さい。美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【新樽もしっかり使用したエレガントなボーヌ・ルージュ!・・しかも価格はA.C.ブル+アルファほどです!】
ボーヌの村の西側には丘が有って、その周辺では、さして名高くも無く、また1級でさえも無く、もしくは村名でさえも無いシャルドネの中に、目を見張るような素晴らしいものが散見されることは皆さんもご存じかと思います。
その昔、かのフレデリック・コサールが支えたドメーヌ・ド・ラ・コンブのボーヌ・オ・ルナールの赤白もそんなワインの一つでしたが、たっぷりの透明なミネラリティを持ちつつ、下手な1級を凌ぐようなパフォーマンスを見せてくれたものです。
その、オ・ルナールの下部、南に接するのが「レ・ロンボワ」で、ド・ラ・コンブのオ・ルナール赤を彷彿とさせるような見事なバランスを感じさせてくれます。
ここはやや南に向いて開けた畑で丘の麓に近い部分に有ります。苺系の小さな果実が凝縮しています。甘く無く、全くのドライですが、口内を収斂させるような出っ張りや、薄辛さは有りません。
白の造り手と言うことで、余り期待せずに飲んだんですが、これ、ボーヌ村名格なんですよね・・。A.C.ブルを探すのが難しいボーヌとは言え、村名でこのプライスは嬉しく無いですか?しかも、ボーヌ的な粗野なテクスチュアじゃぁ無いんですよ。実に質の良い、しかも生まれも育ちも良いところの出ですか?・・と尋ねたくなるような感じ。
最も、滅茶大柄なワインにはなってはいないものの、今飲んで非常に美味しく、しかもエレガントで流れてくような味わいですので、きっと喜んでいただけるんじゃないかと思いますよ。
クリスチャン・ベランのサヴィニーも、サヴィニーらしい愛らしい味わいで非常に好みでした・・が、サヴィニーの方が高いんですよね~。なので、取りあえずはこのボーヌ・レ・ロンボワを飲んでみてくださいよ。何しろ安い!・・そしてエレガントです。きっとクリスチャン・ベランの美味しさに気付いていただけると思います。超お勧めです!
● 2017 Meursault 1er Cru les Charmes
ムルソー・プルミエ・クリュ・レ・シャルム
【ポテンシャル大!・・マンモスなミネラリティ!・・そしてリーズナブルです!】

もう、完全にシャトー・ド・ラ・ヴェルの存在を超えて来ている感が有ります。シャトー・ド・ラ・ヴェルはもう少し優しい感じでしょうか。より濃密に仕上がっているのはヴィンテージのなせる業か、それとも技なのか、その見極めは難しいです。
明らかに黄色味がより強い色をしています。まぁ、一般的なレ・ペリエールほどでは無いにせよ、素晴らしいノーズを嗅ぎ、口内に入れ、そのまま飲みこむことを許されず、舌と口蓋でその液体をすり潰す、啜る、そして少しずつ喉に落として行く・・そんな作業を強いられます。ポテンシャルが大きいが故ですね。
グラスに注いで10分ほど経過すると、それでも少し柔らかになって来ます。滑らかさも時間に比例して増して来ますが、1時間ほどで一旦止まります。
この感覚から言えば、少なくとも3~5年の時間的余裕は必要でしょう。そこまで行けば、全ての要素が一旦丸まって一緒になります。そして、早い段階で開きだす要素の粒から放出が始まりますので、蜜っぽさも増して来ますし、柑橘な果実も増えて来るでしょう。
ムルソー1級レ・シャルムで、このプライスは嬉しいですよね。ポテンシャルも充分ですので、しっかりイヴ・ボワイエ=マルトノの代替も務めてくれるはずです。今回は少量の入荷ですので、是非、お早めにお手当ください。クリスチャン・ベラン、大当たりでした!
● 2017 Savigny les Beaune Rouge Vieilles Vignes
サヴィニー=レ=ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【とっても美味しい!エレガント系、冷涼な果実酸の利いたさくらんぼ的アロマが豊かな味わいです!】

畑の解説は前回記載させていただきましたので今回は端折ります・・でも2017年ものは年の性でしょうか、2015年ものよりもっと美味しいです。
やや丸いパレットを描きたがるボーヌ・ロンボワよりも、少し扁平した「立てた卵型」のパレットに感じます。また、やや温かみ+冷涼感の両方を感じるロンボワよりもより冷ややかな酸が、このワインのエレガントさを引き立てているようにも思います。
何しろ香りの上りが良く、冷涼な地に育った野性味がほんのり載った「サクランボ」が滅茶心地良いです。チェリーと言いたいけれど、ここは敢えて「サクランボ」で。サヴィニー的なテロワールをちゃんと感じさせつつ、熟度が適度にある深い味わいを失っていません。
一時のフレデリック・コサールの「サヴィニー=レ=ボーヌ・レ・ゴラルド」は、テロワールも有るのでしょうがより粘性が有って濃度がしっかりあり中域の膨らみが凄く、
「・・とても旨いけど・・ちょっとサヴィニーとは言い辛いかな・・」
と言うような気にもなっていました。今のコサールはそこまで濃く仕上げず、個人的にはより良いと感じています。
こちらはその中域の豊かさはそんなにズ太くは無く、「チェリーと言いたいけれど敢えてサクランボで」・・みたいなニュアンスで伝わるかとは思うんですが、チャーミングな美味しさを良い方に出せているワインだと感じています。
まぁ、チャーミングは基本、ワインの場合良い言葉としては使わない場合が多いんですが、そこも今回、敢えて使用させていただき、ワインのニュアンスを伝えられたらと思っています。
勿論、中程度の重さの細やかなミネラリティもしっかり有り、So2も多く無いと感じます。価格も実にリーズナブル!・・前回もしっかり完売させていただきましたので、
「バランスの良い、サヴィニー的冷涼なさくらんぼを感じさせてくれる美味しいピノ・ノワール」
を是非味わってみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【スタイリッシュなエレガント系ピノ・ノワール!実に美しいです!】
美しい色合いをしていますよね。すこしカッチリとした感じかな?・・などと目に映るんじゃないかと思いますがいかがでしょう?・・そう、それは正しいです。サヴィニーらしい、「さくらんぼ」みたいな果実表現にしたくなると思います。
サヴィニー=レ=ボーヌは、ボーヌに接した中央部に1級が集中しています。普通にボーヌの北の1級に繋がっているから・・ですね。村の境界線は有ったとしても、畑に境界が有るとは限りません。むしろ、地形学的には影響ないですしね。
そして、村の東側はショレ=レ=ボーヌに接していまして、こちらには1級畑は有りません。「Les Petits Picotins(レ・プティ・ピコタン)」、「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」、「Les Ratausses(レ・ラトス)」はこの位置にあるヴィエイユ・ヴィーニュです。
ですので、性格的には、ボーヌに似ている部分は在るにせよ、ショレ=レ=ボーヌにより似た性格なんじゃないかと想像出来る訳です。
ボーヌ中央部の深い粘土のニュアンスは余りありません。むしろ、明るく、やや軽い粘土が由来であり、そこにややしっかり目のスタイリッシュなミネラリティが有りますので、
「エレガント」
と言いたくなる味わいです。
稀に「エレガント」=「薄い」と言う意味で使う場合も有りますが、この場合は・・色を見ていただいても判るように、決して薄くは有りません。充実しています。スタイルはややほっそりしているものの、痩せてギスギス・・と言うような表現は遠いです。
やはり洋物のさくらんぼをイメージしますね。もしくはレッドカラント(フサスグリ)でしょうか。
昨今は、収穫を遅らせてより熟した実を得て、濃密な味わいを造り出すことが行われてきました。しかし、それはむしろ時代遅れ・・そうじゃなくても温暖化でマッチョ化が黙っていても進みます。
極まれに、物凄くエレガントで美しいワインに出会いますが、そんな時、まだ温暖化が叫ばれていない頃の、ほのぼのとした味わいのブルゴーニュワインを思い出します。そこまでは「詫び寂び」していないものの、美しい躯体を持った見事に伸びやかな味わいに出会えば、またブルゴーニュワインに惚れ直してしまいますよね。
素晴らしいサヴィニーV.V.でした。マッチョでは無い、美しいエレガントなサヴィニー・・・是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2017 Bourgogne Chardonnay Sous la Velle
ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル
【ほとんどムルソー!・・滑らかで美味しい!王道のシャルドネの味わいです。】

昔はね~・・もっと樽が強くて、樽に果実が少しやられて弱めで・・だけれど熟すとちょうど良い感じになるのがムルソーだったんですが、昨今はもう、全く状況が判りましたよね。
四半世紀前頃のnoisy のムルソーに対するイメージは、
「樽」
でした。
まぁ、その頃は輸入のコンディションも今ほどでは無かったですし、その辺りも影響はしていたとしても、何でもかんでも「新樽」を使わなきゃワインじゃない!・・みたいな風潮が蔓延った時代がそれに続きましたから。誰の性でもありゃしないですが・・(^^;;
この「ブルゴーニュ・シャルドネ・スー・ラ・ヴェル」を飲むと、造り手のセンスの良さに加えて、ブルゴーニュのシャルドネの偉大さを感じてしまいます。
このスー・ラ・ヴェルですが、最初に名前を聞いた時は、
「モンテリーの1級スー・ラ・ヴェルに近いのかな?」
と思ったんですが、モンテリーのは正確には「スュ(ル)・ラ・ヴェル」ですので全く異なる畑です。
村のど真ん中の東に在るA.C.ブルの区画です。ここは、西側半分は村名ムルソーを名乗れるようなので、おそらく上下に渡って畑を所有していて、混ぜる場合は格下げしてA.C.ブルでリリースするのでしょう。
いや、それを聞かないと・・理解できませんよ。これだけムルソームルソーしてるのにA.C.ブルだとするなら、それ相応の理由を見つけなければなりませんから。
樽っぽさは無いんですが、酸化を上手に使用したクラシックなスタイル・・いわゆる王道のシャルドネ、ムルソーです。・・あ、すみません、A.C.ブルです。ほぼムルソーだと思って良いと思います。柑橘、凝縮していて、目が詰まっています。滑らかでほんのりオイリー。石灰もちょっと感じますし、同じくらい、もしくは少し少なめなくらいの粘土も有ります。まぁ、これだと村の中央部位の位置感覚がズバリです。これ以上に石灰系ミネラリティが強ければもっと西側の畑、さらにシャリシャリし始めたらもっと南西の畑・・粘度が強ければヴォルネイ側の畑、オイリーさや蜜っぽさが増えて行けばピュリニーとの境に近い感じ・・などと個人的には思ってます。
パキッパキに、ガンコに感じられるようなミネラリティでは無いので、その分、優しい味わいだとも言えます。これ、安いので・・是非飲んでみてください!お勧めします!
● 2017 Meursault les Tillets
ムルソー・レ・ティレ
【充実の準1級格レ・ティレ!素晴らしいです!】

ワインって面白いですよね。このクリスチャン・ベランのシャルドネの色を比べるだけでも、そのミネラリティの組成が判るんじゃないかと思いますよ。
ただ、ネットに乗せるにはそれなりに調整しなくてはならず・・そう、いつも同じようには写真は撮れないんですね。ちょっと暗かったりする場合が有ります。
そんな時はアプリで調整するんですが、これが中々に難しい。自動でやってしまうと、これまたさらに酷いことになってしまうので、結局割に合わないほど長い時間掛けてしまって、それでも中々納得できる仕上がりにはならないと言うみじめなことになってしまいます。最初からちゃんと撮るのがやはりスジなのでしょう。
準一級格のレ・ティレは明らかに石灰が強い色をしています。やはりムルソー・・・それも中央部西側(上部)の畑のイメージです。こちらはバリックの新しいのを1/5ほど使用しているとのことですが、樽が目立つことは有りません。しかし、滑らかさは下級キュヴェに比較しても増していると感じます。
柑橘感、そして同時に感じられる石灰的ミネラリティに美しい表情・質感が感じられます。繊細ですね。現状、中域は下級キュヴェよりスタイリッシュですが、ボリューム感は酸の美味しさと相まってよりしっかり感じられます。五味、六味それぞれがバランスしていて、ミネラリティとオイリーさがそれを包んでいるかのようです。余韻の太さは流石ムルソーで、たっぷりと長さを楽しませてくれます。隣の同じく準一級格のレ・ナルヴォーほどのマンモスな石灰系ミネラリティは感じられないものの、よりふくよかですし、バランスに優れるのがレ・ティレです。
10年前ですと、イブ・ボワイエ=マルトノのレ・ティレが4千円代中盤で販売できましたが、そこから考えると、このプライスはかなり魅力的でしょう?・・某エージェントさんに販売権を奪われてからは、いきなり1.5倍になってしまいました。
素晴らしい出来だと思います!納得の味わい・・今飲んでも美味しいです!是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2017 Savigny les-Beaune Blanc
サヴィニー・レ=ボーヌ・ブラン
【珍しいサヴィニーの白!・・スタイリッシュでミネラリティたっぷり!・・今までに無い感覚のシャルドネと思っていただけるかも!】

これも非常に美味しいです!サヴィニーの白は余り出会うことが有りません。ボーヌの白は結構に有りますけどね・・でも、ボーヌの白のふくよかな一面も無りませんし、ミネラリティの組成の性でしょうか、ボーヌのミネラリティは「太い」と再発見するような、縦伸び構造の「背の高い」ミネラリティを感じていただけると思います。
かのPKさんは、その著書「バーガンディ」で、「サヴィニー=レ=ボーヌでは少量では有るが、高品質の白がとれる」(飛鳥出版 バーガンディより)と書いています。ただし、出会えれば・・ですよね。まず見ることが少ないワインです。
このサヴィニー=レ=ボーヌ・ブランのリューディは、赤とほぼ同様、「Les Ratausses(レ・ラトス)」と「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」です。ピコタンが入ってないですね。どちらもショレ=レ=ボーヌ側と接しています。
やはりミネラリティの組成だと思いますが、ムルソーのように横に拡がるような厳しいミネラリティでは有りません。またミネラリティの中域が太いボーヌの白とも異なります。高いところまで伸びて行くような・・横には余り拡がらず、どんどん高みを目指して行くようなミネラリティです。
果実感もやや冷ややかです。黄色や白の果実が冷え気味ですが、しっかり感じられます。やはりスタイリッシュと言う言葉が使いたくなるかなぁ・・と思いますよ。
時間と共に中域も膨れ始め、実に良い感じになってきます。ムルソー・レ・シャルムのような現状の気難しさは無く、むしろ気高さや伸びの良さで美味しくいただけました!
いや・・良いですね。クリスチャン・ベランの発見は大成功だと思います。プライスも優しいです!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2015 Savigny les Beaune Rouge Vieilles Vignes
サヴィニー・レ=ボーヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【スタイリッシュなエレガント系ピノ・ノワール!実に美しいです!】

美しい色合いをしていますよね。すこしカッチリとした感じかな?・・などと目に映るんじゃないかと思いますがいかがでしょう?・・そう、それは正しいです。サヴィニーらしい、「さくらんぼ」みたいな果実表現にしたくなると思います。
サヴィニー=レ=ボーヌは、ボーヌに接した中央部に1級が集中しています。普通にボーヌの北の1級に繋がっているから・・ですね。村の境界線は有ったとしても、畑に境界が有るとは限りません。むしろ、地形学的には影響ないですしね。
そして、村の東側はショレ=レ=ボーヌに接していまして、こちらには1級畑は有りません。「Les Petits Picotins(レ・プティ・ピコタン)」、「Les Planchots de Nord(レ・プランショ・ド・ノール)」、「Les Ratausses(レ・ラトス)」はこの位置にあるヴィエイユ・ヴィーニュです。
ですので、性格的には、ボーヌに似ている部分は在るにせよ、ショレ=レ=ボーヌにより似た性格なんじゃないかと想像出来る訳です。
ボーヌ中央部の深い粘土のニュアンスは余りありません。むしろ、明るく、やや軽い粘土が由来であり、そこにややしっかり目のスタイリッシュなミネラリティが有りますので、
「エレガント」
と言いたくなる味わいです。
稀に「エレガント」=「薄い」と言う意味で使う場合も有りますが、この場合は・・色を見ていただいても判るように、決して薄くは有りません。充実しています。スタイルはややほっそりしているものの、痩せてギスギス・・と言うような表現は遠いです。
やはり洋物のさくらんぼをイメージしますね。もしくはレッドカラント(フサスグリ)でしょうか。
昨今は、収穫を遅らせてより熟した実を得て、濃密な味わいを造り出すことが行われてきました。しかし、それはむしろ時代遅れ・・そうじゃなくても温暖化でマッチョ化が黙っていても進みます。
極まれに、物凄くエレガントで美しいワインに出会いますが、そんな時、まだ温暖化が叫ばれていない頃の、ほのぼのとした味わいのブルゴーニュワインを思い出します。そこまでは「詫び寂び」していないものの、美しい躯体を持った見事に伸びやかな味わいに出会えば、またブルゴーニュワインに惚れ直してしまいますよね。
素晴らしいサヴィニーV.V.でした。マッチョでは無い、美しいエレガントなサヴィニー・・・是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2015 Beaune Rouge les Longbois
ボーヌ・ルージュ・レ・ロンボワ
【新樽もしっかり使用したエレガントなボーヌ・ルージュ!・・しかも価格はA.C.ブル+アルファほどです!】

ボーヌの村の西側には丘が有って、その周辺では、さして名高くも無く、また1級でさえも無く、もしくは村名でさえも無いシャルドネの中に、目を見張るような素晴らしいものが散見されることは皆さんもご存じかと思います。
その昔、かのフレデリック・コサールが支えたドメーヌ・ド・ラ・コンブのボーヌ・オ・ルナールの赤白もそんなワインの一つでしたが、たっぷりの透明なミネラリティを持ちつつ、下手な1級を凌ぐようなパフォーマンスを見せてくれたものです。
その、オ・ルナールの下部、南に接するのが「レ・ロンボワ」で、ド・ラ・コンブのオ・ルナール赤を彷彿とさせるような見事なバランスを感じさせてくれます。
ここはやや南に向いて開けた畑で丘の麓に近い部分に有ります。苺系の小さな果実が凝縮しています。甘く無く、全くのドライですが、口内を収斂させるような出っ張りや、薄辛さは有りません。
白の造り手と言うことで、余り期待せずに飲んだんですが、これ、ボーヌ村名格なんですよね・・。A.C.ブルを探すのが難しいボーヌとは言え、村名でこのプライスは嬉しく無いですか?しかも、ボーヌ的な粗野なテクスチュアじゃぁ無いんですよ。実に質の良い、しかも生まれも育ちも良いところの出ですか?・・と尋ねたくなるような感じ。
最も、滅茶大柄なワインにはなってはいないものの、今飲んで非常に美味しく、しかもエレガントで流れてくような味わいですので、きっと喜んでいただけるんじゃないかと思いますよ。
クリスチャン・ベランのサヴィニーも、サヴィニーらしい愛らしい味わいで非常に好みでした・・が、サヴィニーの方が高いんですよね~。なので、取りあえずはこのボーヌ・レ・ロンボワを飲んでみてくださいよ。何しろ安い!・・そしてエレガントです。きっとクリスチャン・ベランの美味しさに気付いていただけると思います。超お勧めです!
● 2018 Coteaux Bourguignons Chardonnay Cuvee des Gouttes
コトー・ブルギニョン・シャルドネ・キュヴェ・デ・グート
【プティ・ムルソーと言いたくなるような濃密さ!・・かなり美味しいです!】

シャブリに対するプティ・シャブリみたいな対比をムルソーに持ち込んだかのようなニュアンスです。有難いですね~!キュヴェ・デ・グート(グット?)と名付けられた、「コトー・ブルギニヨン・ブラン」です。
そもそもは、「レ・バス・グート」と言う畑がムルソー村の東側に有りまして、そこのシャルドネです。ただし、ここは位置に寄っては、A.C.ブルゴーニュを名乗れたり、駄目だったりするようで、かのシャトー・ド・ラ・ヴェルもA.C.ブルゴーニュ・シャルドネとして、「レ・バス・グート」を仕込んでいたようです。隣同士で仲良かったんでしょうね。国道の西に在るので、通常ならA.C.ブルゴーニュを名乗れる位置です。
コトー・ブルギニヨンと言いますと、昔のパストゥグラン、グランドルディネールクラスですね。以前なら軽くて喉越しの良さで飲ませるタイプでした。
しかしながら・・ちょっとビックリしますよ。ちゃんと・・出来てるんですね~・・高級ワインとして。
なので、これをブラインドで出すのは止めましょう。絶対、若いムルソーとか言ってしまいますんで・・はい。
滑らかで、柑橘がすっと立ち昇り、ほんのりオイリーだが樽っぽさは無くピュア。中域が充実していて、マッタリ感充分。余韻も結構しっかり続く。
コトー・ブルギニヨンだからな~・・と思って臨むとケガをしますよ。「シャバい」味わいじゃありません。むしろ、これでムルソー的ニュアンスをたっぷり感じられるので、少し前のコント・ラフォン、ドミニク・ラフォンのワインが「マイ・タイプ」だったとしたら、ドンピシャでしょう!・・安く出しますんで、是非飲んでみてください。久々の安くて美味しい、王道のシャルドネです!
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