ドメーヌ・ド・ラルロ
ド・ラルロ
フランス Domaine de l'Arlot ブルゴーニュ
● 圧巻!・・素晴らしいです!・・ついにドメーヌ・ド・ラルロが持つブルゴーニュならではの狂おしいエレガンスが復活した2021年ものをご紹介させていただきます!
いや~・・最高ですね・・思い起こせば1990年代に初めてド・ラルロの瑞々しくも淡く、しかしエキスの美しさに驚いたことを思い出します。ドメーヌ・デュジャックのジャック・セイスの弟子ジャン=ピエール・ド・スメから始まったドメーヌ・ド・ラルロは、オリヴィエ・ルリッシュ、ジャック・ドゥヴォージュ、そして現在のジェラルディンヌ・ゴドーと引き継がれていきました。

個人的にはややハードなオリヴィエ・ルリッシュ、濃度もありつつソフトで深いジャック・ドゥヴォージュ、そしてまだ確定出来ないジェラルディンヌさん・・で有った訳ですが、ジャン=ピエール・ド・スメほど淡くは無いものの、彼の時代の・・何とも言えないブルゴーニュならではの超絶なエレガンスと官能さをエキスから発する凄いアロマと味わいを、ジェラルディンヌさんがこの2021年もので復興したと・・思っています。
まぁ・・徳丸さんは「ルリッシュの頃」と言い換えるとは思いますが・・(^^;; noisy にとってはド・スメさんです。
ブルゴーニュファンなら・・悶絶しちゃいますよ。クロ・デュ・シャポー2021年、激旨です!これは絶対に外せないアイテムです。
他に飲めたのはクロ・デ・フォレだけですが、これもまた・・クロ・デュ・シャポーほどは仕上がり切ってはいないものの、すでにそのエロティックなアロマをエキスから放出しはじめており、素晴らしいこと、この上無い出来でした!
2021年のド・ラルロは、他のアイテムは全て1~3本の入荷です。上記2アイテム以外は飲めてはいませんが、淡いと言うほど淡くは無いものの、間違いなく・・ジャック・セイスの頃のディジャック的、ジャン=ピエール・ド・スメの頃のド・ラルロのエキスのエロさ、旨味を・・
「ジェラルディンヌ・ゴドーが復興した!」
と言って良いと思います。
こんなワインに出会えるとは・・本当に嬉しいですね。滅茶美味しい2021年のドメーヌ・ド・ラルロ、必ずや入手されてください。激推しです!
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2020年のド・ラルロをご紹介させていただきます。色々事情が有りましてだいぶ遅れてしまいまして申し訳在りませんでした。一時はどうなるかと・・言うようなところまで行きましたが結局は何とか揃いました。
ですが・・数はどうにもならないほど少なく、テイスティングアイテムも2本に留まってしまった・・と言う状況で、どうやら・・
「昨今のブルゴーニュワインと日本を取り巻く世界の状況」
が、この入荷数割り当ての少なさを生んでいるようです。
今回、開けることが出来たアイテムは、
・2020 コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
・2020 ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
になりました。
たった2アイテムですが、
「なるほど!」
と思える仕上がりです。
やはりこれは2020年もののブルゴーニュワインの特徴なのかな・・と思いますが、濃度はしっかり出ていて非常に複雑性の高い味わいです。早くから飲めなくは無いんですが、素晴らしかった2019年ものとはかなり異なる印象を受けました。
2019年ものは・・まぁ、アイテムにも寄りますが、早いうちからもう仕上がっているかのような美しいディテールとテクスチュア、深く優しい・・でも流れるようなシルエットを見ているかのような飲み心地の良い味わいでした。
2020年ものは、ポテンシャルは2019年と同様もしくは超えるほどか・・と思える出来栄えですが、2019年ものが持つ早くから美しく、いつ飲んでも凄く美味しいんじゃないか・・と言うようなイメージでは無く、
「濃密でとても美味しく飲めるもののまだ完全には仕上がってはおらず、今後3~5年を経て複雑性を持つ素晴らしいポテンシャルを開花させるヴィンテージ。」
だと言えるかと思います。
まぁ、これはやはり総体的に2020年ものブルゴーニュ・ピノ・ノワールの特徴とも言えるかと思いますが、ドメーヌ・メオ=カミュゼのニコラ・メオさんがおっしゃったように、
「2020年ものは歴史的なヴィンテージになる可能性が有り、2~3年で消費してしまうような飲み方はお勧めしない」
と言うのが大当たりなのでしょう。
また、
「2020年ものはあの素晴らしかった2019年ものを超えられるのか?」
と言う点につきましては、noisy 的には・・
「超えうる!」
と申し上げておきたいです。いつものヴィンテージだと、もう少しはっきりと「超えた!」と言えるんですが、何せたった2アイテムのテイスティングではそこまでは突っ込めないんですね。申し訳在りません。
ただしほぼほぼのメディアが2019年ものと同等か、プラス1ポイント..乗せた評価をしています。ファルスタッフ・マガジンは確実に「2020年もの推し」です。一方、重鎮のジャスパー・モリス氏はむしろ2019年もの推し・・上値で1ポイント、2019年ものに高い評価をしています。
ですので、
「2020年ものは育成に回し、2019年ものを先に楽しむ」
のが良いのかな・・と思います。
中々入手が難しくなって来たブルゴーニュワインですが、それでもドメーヌ・ド・ラルロのワインは古くより日本で輸入されていたからこそ、今でも多くのアロケーションが有るのかと思います。noisy ももう・・足掛け30年近い扱いです。どうぞご検討よろしくお願いいたします。
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2019年、ジェラルディーヌ・ゴドーさんによるド・ラルロの入荷です。noisy 的にはピエール・ド・スメさん以来のエレガント系に回帰したド・ラルロであり、女性ならでは?・・か、ジェラルディーヌさんならではの「しなやかで伸びの良いド・ラルロ」が「ほぼど真ん中!」な好みだと思い始めていました。
その上で2019年ものを待ちわびていた訳ですが、何かと忙しさにかまけてしまいまして8月になってからのご紹介になってしまったことをお詫び申し上げます。
素晴らしい出来になった2019年では有りますが、畑の改植やまだら模様な収穫量から、アイテムによりましては「結構に少ない」ものが有ります。そんな2019年もののド・ラルロは、
「エレガンスに磨きを掛け、薫り高くナチュラルさの漂い始めた滑らかで優しい味わい」
と感じさせてくれました。
また、驚いたのは、クロ・デ・フォレの充実度・・これは単に凝縮感が有ってどうのこうの・・と言うようなレベルでは無く、畑由来の表情を巧みに表現している完成度の高さが有りますし、最近は余りに少なくて飲めなくなってしまった、ドメーヌの名前そのものでもある「クロ・ド・ラルロ」の若木で造られる「2019年モン・デ・ゾワゾー」の素晴らしさ!
まるでシャンボールの秀逸な畑由来か、ロマネ=サン=ヴィヴァンか?・・みたいな、香水に例えられるような素晴らしいアロマと、非常に伸びやかな絹ごしのテクスチュアに、全く惚れ込んでしまいました・・。もう、若木でこの出来だとすると・・
「クロ・ド・ラルロはどうなっちゃってるんだろう・・どこまで行っちゃったんだろう?」
と、飲めない状況を恨めしく感じるほどでした。
その上で、ド・ラルロは元々、今で言うところの「自然派」でしたが、この十数年はその、「らしさ」を余り感じられませんでした・・ジェラルディーヌさんが指揮をとるまでは。
しかしながら、「アヴァンギャルドではなく節度をしっかりもちつつ自然派らしいナチュラルさ」を心地良さとして感じられる出来になっています。
凝縮感が弱った、無くなったのではなく、ナチュラルさが伸び伸びとした、畑本来の豊かなミネラリティによる表情を見せられるようになって来たからこその素晴らしいディテールが有ります。是非とも2019年のドメーヌ・ド・ラルロ、飲んでみていただきたいと思います。クロ・ド・ラルロが飲めなくても、モン・デ・ゾワゾーで充分です・・(・・いや、クロ・ド・ラルロもよろしくお願いいたします。)超お勧めいたします!
DOMAINE DE L'ARLOT / ドメーヌ ド・ラルロ
THE 2019 VINTAGE
Geraldine Godot. Technical Director
ジェラルディンヌ・ゴドー.テクニカルディレクター
2019年10月
9で終わる年の偉大なヴィンテージの伝説は、2019年にも当てはまるようです。この年は厳しい干ばつを含む悪天候に耐え、収量に格差が生じました。幸いなことに、適度な気温がブドウを十分に成熟させ、並外れた品質のブドウを収穫することができました。この2019年のヴィンテージは間違いなく素晴らしいものになるでしょう。
変化する季節
暖冬の後、ブドウの生育サイクルは早く始まり、4月初旬には中芽折れの段階に達しました。しかし、数回の霜の降りた夜を伴う気温の低下により、被害は区画によって大きく異なりました。この冷涼な春の影響で生育が悪く、生育が鈍化しました。この気象条件と粉病の発生しやすさを考慮し、シャルドネとピノ・ノワールの両方に最適な保護を維持するための処理が開始されました。開花は6 月に始まり、3 週間続きました。この期間の気温と降雨量に大きな変動があったため、ミルランダージュ(結実不良)とクリュール(花ぶるい)が発生し、その結果、房の発育にばらつきが生じました。平均よりも暖かい夏にもかかわらず、熱波が繰り返され、雨が降らなかったにもかかわらず、ブドウの木は持ちこたえ、7月下旬にはゆっくりとヴェレゾン(ブドウの果実の色付き(着色))が始まりました。8月には少しだけ雨が降り、非常に好天に恵まれて成熟が進みました。収穫は9月12日から17日まで、夏らしい天候の中で行われました。早期の天候と夏場の干ばつが収量に大きく影響しました。
収穫
涼しい朝の恩恵を受けるため、9月12日にシャルドネの収穫を開始しました。ピノ・ノワールの品質は明らかで、ブドウの健全性は素晴らしく、糖度と酸のバランスはほぼ完璧でした。
醸造と最初の印象
ピノ・ノワールの色とタンニンがすぐに現れ、果汁はフレッシュで果実味に満ち溢れていました。シャルドネは良い酸味を持ち、素晴らしい成熟度と調和していました。ワインは現在(2019年10月)、樽に入れられています。
私たちのヴォーヌ=ロマネの区画は、他の区画よりも悪天候に苦しみ、最終的には小さな収穫となりました。2019年の収量は、1ヘクタールあたり23ヘクトリットルと、ドメーヌ全体で減少しています。ワインはテクスチャー、エレガンス、バランスを持っています。明らかに2010年代を締めくくる9の付く年のもう一つの偉大なヴィンテージです。
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2016年11月3日訪問。
出迎えてくれたのは、2015年から新醸造責任者となったジェラルディンヌ・ゴド氏。クロ・ド・タールの醸造責任者にヘッドハントされたジャック・ドゥヴォージュ氏から2015年よりその任を受け継いだ女性醸造家だ。メゾンアレックス・ガンバルでマネージャーと醸造責任者を務め、成功に導いた。多くの後継候補の中から、一際輝く才能を備えた彼女がジャックやジェネラル・マネージャーであるクリスティアン・シーリーらによる厳しい選考で、彼女以外にドメーヌを今よりさらにステップアップできる人はいないとまで言わしめた才能あふれる女性なのだ。
ドメーヌ建物2階の庭が見渡せるサンルームで談笑し、隣の建物にあるセラーで試飲する事となり、まずは近況に関して話してくれた。
2016年はこのドメーヌに限らず、ブルゴーニュ全体でも難しい年となったと彼女は語った。ラルロでは2015年産と比べ、50%も収量減となったそうだ。
大きな要因は霜害だった。ドメーヌ近隣ではニュイサンジョルジュ村の隣、プレモープリセ村の被害が大きかったそうだ。普段は霜害のない村が被害を受けたそうで、ヴォーヌ・ロマネ村などのよく霜害のある村は影響がなかったそうだ。
雹害に比べ、一見、ブドウの樹はダメージが無さそうに見えても、根等にその影響があるせいで、実を全く付けない樹が多かったのは精神的にもかなり辛かったそうだ。共に働くスタッフ達とモチベーションをコントロールするのは難しかっただろう。
それに対し、彼女にとっての本当の意味でのファースト・ヴィンテージとなった2015年産は素晴らしい出来だったそうで、引き継ぎ早々、落差の激しい年となったようだ。
ドゥヴォージュとジェラルディンヌは2014年夏から引き継ぎの為、収穫から仕込みまで、共同で行った。これはとても稀な事で、彼の律儀な性格がうかがえる。
ジェラルディンヌ曰く、ドメーヌの理想的な収量は30-35hl/haだという。ただこれはあくまで理想だ。実際に彼女が関わった2014年は29hl/ha、そして2015年は24hl/ha、2016年は10-12hl/haだったというから、如何に2016年が厳しい状況なのかが分かる。収穫も通常なら35人必要な所、2016年は25人で済んでしまったそうだ。
2015年は、近年では最もブドウが早く熟した年だった。暖かい春の気候でブドウは順調に生育した。6月に関して言えば、ヨーロッパ全土で猛暑だった2003年以来の暑い月だったようだ。その後にウドンコ病の危険
性もあったが、問題なく生育したそうだ。

ブドウの成熟は気温が35度を超えた7月中旬から本格的に始まり、8月には必要な雨も降り、恵まれた環境の下で収穫を迎えたそうだ。
2015年の収穫は白が9月3日に開始し、9月4日に終え、赤は9月4日から9日までだった。通常、赤白全体で、フルで7日はかかるが、2015年は実際の労働時間としては例年より1日短い6日で終えたそうだ。
収穫時、畑での選別や収穫後の選別台での
不良果の選別の必要がほとんどなかったのが大きな要因のようだ。とても良質なブドウが採れたと皆で喜んだそうだ。健康でクリーンな房で梗も熟していたそうだが、全体的な収量は24hl/haで平均以下となったそうだ。
量はともかくとして、質的には彼女の門出を祝うような素晴らしい年となったが、翌年2016年には大きな試練が待っていたのだ。困難な年にどのようなワインを生み出すか、彼女の本当の真価が問われるだろう。
● 2022 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【何時も美味しいコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ、コンブランシアン村のクロ・デュ・シャポー2022年!・・少ないので飲めず・・でもリアルはポテンシャル93ポイント!】
いつも美味しいので楽しみにしていたクロ・デュ・シャポー2022年です・・が滅茶少なくて、飲むのは諦めました。
リアルワインガイド第87号ではブルゴーニュのコラムがめでたく復活、ド・ラルロも掲載されまして、ポテンシャル93ポイントと高評価です。海外も92ポイントまでは見つけましたので、
「日本人的感性・・昔ながらの東京ラーメン好きだと93ポイント、こってり系の九州、とんこつラーメンがお好きな方だと92ポイント」
と言うような感じでしょうか。
少ないので飲めませんが、リアルは、
「ナチュラル感は2021年に届かないものの、きれいな赤黒果実が大地の風味とともに充実して香る」
と申しておりました。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【激推し!・・ブルゴーニュファンならこの狂おしいほどのアロマにノックアウトされない方はいないでしょう!・・凄い!】
いや~・・ジェラルディンヌさん、やってくれちゃいましたね。半端無い出来です!評価ポイントでは表しようのない、
「これこそ大好き!」
みたいな・・ブルゴーニュワインファンなら思わずひっくり返って喜んでしまうような・・もしくはシミジミと感じ入ってしまってメソメソしてしまいそうな、
「これぞブルゴーニュ・ピノ・ノワール!」
と言うアロマと味わいです。
ピノ・ファンの持つ見事な・・煙っぽい、深~いノーズに妖艶さ、甘美さが混じり・・どこかヴォーヌ=ロマネの超一流の畑を彷彿させるような繊細、微細な表情を見せつつ、その発生源でも有る深いエキスの拡がりがアロマを放出してもなお、甘美な味わいを拡げて行く・・そんな・・素晴らしいピノ・ノワールだけが見せてくれる醍醐味を、このニュイ=サン=ジョルジュ南の準村名のクロ・デュ・シャポーが見せてくれちゃいます。
ジェラルディンヌさんが醸造責任者になって7年目・・です。どうでしょう・・この7年目を迎えて、このド・ラルロのワインの世界観をしっかり表現できるようになった・・もしくは、2021年と言うヴィンテージこそが、古き良き時代のブルゴーニュ・ピノ・ノワールを再現させ、
「濃度に埋もれて見えなくなっていたテロワールやエレガンスがハッキリクッキリと表現できるようになった!」
と言えるのかもしれません。

昔、noisy たちブルゴーニュの新参者を狂わせた、この甘美で妖艶なアロマと味わいが、今、ここに再現されています。
いや・・それでは足りないかもしれません。何の不足感も無く感じられるアロマと味わいは、もしかしたら記憶の中で美化されてしまった古い時代のピノ・ノワールとは、雲泥の差が有るのかもしれません。
ですがこの、「反則技」とも思えるような物凄いエロティックで甘美な芳香こそに、ピノ・ノワールでしか味わえない世界を・・我々は感じ入ってしまうのは間違い無いでしょう。
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュは、数あるコート・ド・ニュイの村名の中には入れて貰えなかった村の畑です。しかし、
「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュこそ、石切り場が数か所有り真っ白な土、白い石と茶色の石、そして粘土が混じり合った、多大なる可能性を秘めたアペラシオン!」
なんですね。コンブランシアン、コルゴロワン・・ご存じ無いかもしれませんが、同じコートに有りながら今まで持てはやされてこなかったからこそ、新しい発見が期待出来ます。
いや~・・是非ともさっさと飲んでビックリして下さい!Noisy wine に無かったら、さっさと他のショップさんの在庫を漁ってください!
そして、2020年ものと2021年ものの・・写真でも良いので・・比較しながら、
「どっちが好きか?」
と自分に問うてみてください。
同じワインに見えないほど違う外観・・そしてクロ・デュ・シャポーが優しく吠えるそのサマの比較で、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの神髄を感じることでしょう。
「有り得ないほど旨い!・・」
と・・思っていただけるでしょう。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【やっぱりクロ・デュ・シャポーはクロ・デ・フォレにそっくり!・・どして?】
今飲んで美味しいクロ・デ・フォレ...と言いたくなるような、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うのは、村名そのものを名乗ることが出来ない村名ワイン..です。もし、
「ニュイ=サン=ジョルジュに接するコンブランシアンがニュイ=サン=ジョルジュを名乗れる!」
ことになったら・・ニュイ=サン=ジョルジュ村名です・・ならんでしょうけど。
僅かに涼やかで、少しだけライトなクロ・デ・フォレだと思って飲んだら、まぁまず間違いないんじゃないかと思いますよ。出来も非常に良いですし、むしろ現状のテクスチュアはクロ・デ・フォレよりも滑らかかもしれません。
まぁ、2017年もののクロ・デュ・シャポーの写真をご覧くださいよ・・2018年ものでも判りますよね。

「全く色相が違う!」
と言いたくなるような違いが有りますよね?
2019年ものは、それでもヴォーヌ=ロマネ辺りを中心に、ミルランダージュの影響で濃い目で酸の優しいワインが生まれました。
でも2020年ものは・・むしろ、
「奇跡的に天候が回復して、奇跡的に出来の凄いワインが出来た!」
と覚えておくのが正しいと思うんですね。
ここ一発の収穫時期を逃さず、一気に収穫して仕込んだ・・その結果、濃密でエキスたっぷりの「奇跡的なワイン!」が生まれたんだと思います。その成果はドメーヌ・ド・ラルロの場合、このクロ・デュ・シャポー2020で検証出来ます。
ですので、もしクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ2020をセラーで育むとしたら、適度な時期にこのクロ・デュ・シャポー2020を開けてみる・・そうしますとクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ2020を楽しく飲める(かもしれない)んじゃないかと思います。
2020年は、一時諦められた時期さえあった・・と言います。しかしながら仕上がったワインは、造り手たちが舞い上がってしまうほど「大きなワイン!」になった・・そんなヴィンテージなんですね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【僅かにライトなクロ・デ・フォレ・サンジョルジュ的な深~い味わいです!・・アロマの柔らかさも素晴らしい!】
2019年ものの出来の良さか、それとも彼女のセンスが素晴らしいのか・・は未だに判断付きませんが、おそらくその両方なんでしょうね・・。見事な仕上がりの「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」です。
印象はほぼほぼクロ・デ・フォレに近く、みごとに豊かで丸い味わいをしています。ジェラルディーヌさんのワインの中では力強い方です。もっともそれでも他と比較するとやはり、「エレガント系だ」と言うべきだと思います。
10年前のド・ラルロのワインに在った「硬さ」は無く、見事に自然派的にソフトでフカフカしたテクスチュアです。タンニンも非常に質が良く、ドライな味わいのピノ・ノワールに、むしろ甘みに近いものを感じさせてくれます。
色合いも素晴らしいでしょう?・・だいぶ寄って撮ってみましたが、この「官能さ」が伝わって来るでしょうか?・・深い複雑な果皮のアロマにクラクラ来ちゃいますが、これもまたクロ・デ・フォレ的です。非常にリーズナブルなキュヴェだと言えますし、ジェラルディーヌさんがド・ラルロに来てくれてよかった・・と素直に思えると思います。ご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントさに深みと優しさをプラスした見事な準村名格?です!】
まぁ、準村名と言うよりも村名・・ですね。あくまで村名ワインですが、村そのものを名乗れないニュイの村を一つのアペラシオンにしたのがコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです。
ジェラルディーヌさんの2018年ものは全て「一貫」しています。エレガントさと豊かさを両立させた上で、とてもエレガントで有り、端々が見事に柔らかく丸く、単にエキスの味わい・・と一言で片付けてしまうのが勿体無い仕上がりです。
2017年ものよりも熟して充実した色合いをしていますが透明感は全く失われず、アロマの上りも早く、滑らかです。
因みにワインリポートの山本氏は以下のように評しています。
クラッシュしたストロベリー、レッドチェリー、バラの花芯、しなやかなテクスチャー、心地よいタンニンがミネラル感に富む果実と統合されている。全房発酵からくるスパイシーなフィニッシュにうまみがにじむ。90点。
ん~・・とても良い感じの評価だと思います。単に果実だけではなく、フラワリーでも有るんですね。とても良い出来!・・2018年のドメーヌ・ド・ラルロは買いだと!・・お勧めします。是非ともご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これで充分!!2017年のド・ラルロはピノ・ノワール・ファン必飲ですが、これを飲めば全てが判る・・かも!・・(^^;;】
この色合いですよ・・嬉しいですね~・・これだから滅茶薫るんですよ・・香水のようなアロマが!・・でもまだ濃いかなぁ・・。
2017年もののド・ラルロのテイスティングは、このクロ・デュ・シャポーから始めました。オート=コートのキュヴェは2本とかのふざけた数しか入荷してませんので、飲みようが無いんです。
ちなみに・・ですが、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うアペラシオンは、「ヴィラージュ」と付くことで判りやすいかと思いますが、「村名格」です。
単独の村名を名乗れないニュイ近辺の村のワインは、この格を名乗れます。言わば、
「コンブランシアン」
と言う村名ワインと・・そんなA.O.C.は無いですが、思っていただければと思います。ここは、ニュイ=サン=ジョルジュを構成するニュイ=サン=ジョルジュ、そしてその南にあるプレモー=プリシーの、南に接する村です。
で、早速飲んでみて・・見事に淡い色合いからの濃密ドライなエキスはぷっくりと丸みを帯び、柔らかでスピードのあるアロマが飛び出してきました。
「・・あれ・・?この感覚って・・」
そう・・大昔のド・ラルロのワインに感じたものに近いんですよ。そして昨今は余り感じることの無かった強烈なアロマが出て来たんです。
そうそう・・ブルゴーニュワインって・・こうじゃ無きゃ!
濃くて甘くてややボタッとして切れがイマイチなのも余韻に引きずられて美味しいけれど、何か違う・・と反応してしまうんですよね。2016年ものも美味しかったですよ。こっちの方に寄ってくるような感じが・・すでにしていました。2015年ものにもそれは少しだけ有りました。2014年ものには有りませんでした。2013年ものは、ヴィンテージの背景で淡くなったと思っていました。2012年ものは・・いや・・もう止めておきます・・(^^;;
この2017年もののド・ラルロは絶対に飲まなければいけない・・と思います。だから無理やりにも・・そう仕向けてしまいます。でもそれで皆さんも幸せになれると信じています。
「濃いだけじゃだめ。」
「薄いだけでもだめ。」
なんです。
ミネラリティをしっかり取り込んだ葡萄をしなやかに醸造することのみにより、この素晴らしい香りと味わいが生まれます。
今飲んでも納得していただけるでしょう。数日休養を上げてください。そして確かめてください。もしそれで素晴らしいと感じたら、さっさと押さえに掛かりましょう・・まだ2017年のド・ラルロが残っていれば・・ですが・・。
実は、アレックス・ガンバルと言うネゴスは、noisy的には・・余り・・でした。なので、当初はジャック・ドゥヴォージュが居なくなると言うので残念に思っていました。もうド・ラルロは復活しないんじゃないかと・・どこかで昔のド・ラルロを心待ちにしていたんだと思います。
でも、ジェラルディーヌ・ゴドーさんが入り、こっちに向かってきているような感覚が有りました。あのラ・グランド・リュのフランソワ・ラマルシュもそう・・。
2010年以前は・・もう全然眼中になかったです。それが、2011年頃から徐々に煌めき始め、その頃から扱わせていただき、滅茶「薄旨」の2013年を経て、今やもう完全復活・・です。そして、ラマルシュのワインも全然濃くない・・だけれども滅茶美味しいですよね。
こっちに・・向かってきていると確信しています。是非確認、お願いいたします。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2022 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【少な過ぎて飲めませんでした。すみません。】--以前のレヴューを使用しています。2本だけです。
--以前のレヴューです。
【アラン・メドゥーズはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2022 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【げげっ!・・なんと・・93ポイントって、ホントですか??】
この「ル・モン」に関しましては noisy も飲んだことが無く、一体どんなワインか判らないんですね。
ですがクロ・デ・フォレの上部に突き出たようなオート=コートの畑と言うことで、相当にミネラリティが厳しそうです。
そして、2012年に植樹したそうですから・・ようやっと10年。ややシャバかった味わいも深みを増し、2022年のヴィンテージ背景を良いように取り入れられた結果と思われます。
中々、オート=コートの畑に93ポイントと言う高い評価を与えることは、メディアでは勇気が必要な行為ですが・・これは飲んでみたいと思わせるに充分じゃないでしょうか。ぜひ人柱になって・・教えてください。オート=コートも、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュも、
「これからのブルゴーニュを切り開き支えるべくの畑!」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【2016年日本初登場のオート=コート白です!】...すみません、2本だけの入荷です。レヴューは以前のものです。
すみません、飲んでないので何も言えません3本のみの入荷です。ワインリポートの山本さんは以下のような評価でした。ご参考までに。
プレモー・プリセのクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュの上の標高400mの0.66haの単一区画から。石の多い土壌に白と赤が混植されている。2019年8月に瓶詰めした。白い花、柑橘、レモン、フレッシュで、おおらかなテクスチャー、アプローチャブル。87点。
● 2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【とても飲める数量では無いですが、ジェームス・サックリングさんの96ポイントは・・驚きましたが、「正しい!」と思ってしまう自分がいます!】
4~5年置くと、びっくりするほど激変するクロ・ド・ラルロ・ブランです。近くに採石場が有るくらいにミネラリティが厳しい位置関係です。
ですので・・96ポイントも付けたジェームス・サックリングさんには驚きましたが、
「そうそう・・その位が正しいはずよ・・」
と・・(^^;;
ホント、そうなんですよ。中々信じていただけませんが。熟すとネットリ、甘みが出て来て・・甘露なシャルドネに変身します。2022年もの・・相当良さそうです。希少です・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ジェルボットを飲めばおのずと「どのくらいの仕上がりか」は判るはず・・もう一つの「クロ・ド・ラルロ」です!】---以前のレヴューです。 もう、クロ・ド・ラルロ・ルージュも、クロ・ド・ラルロ・ブランもそう易々とは飲めない状況になってしまいましたね。価格もきっとそうではありますが、数が何しろ無い・・・ので、noisy もまた、この何年かは飲めていません。
でもクロ・ド・ラルロですから・・。飲んだことが有る方は、きっとこの畑の素晴らしさをお判りいただいていることでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【今回はまだ飲んでいません・・が、リアルワインガイド第66号はポテンシャル93+、もしくは、94点でも良いとのこと!】<--2017年もののレヴューです。
すみません、飲めてません。しかし、若木のラ・ジェルボットがもう・・昔のクロ・ド・ラルロ・ブラン並みになっちゃってますからね。根が深いところまで伸びているはずのこちらのキュヴェは、さらにミネラリティが高く、やや硬質に感じられることでしょう。
このコラムでも何度も申し上げていますが、5年経ったクロ・ド・ラルロ・ブランは激変します・・。その際に評価するとなると、当然ながら評価は上がってしまうものです。
透明なミネラル感に満ち溢れた果実たっぷりのシャルドネです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
【素晴らしいです!・・ミュxx-とは言わないが、それ的な香水ごときアロマと繊細な味わいにノックアウトされました~!】---2019年もののレヴューです。

これ、滅茶旨いです~!・・繊細ですね・・しなやかですね・・香水的な雅なアロマが素晴らしいですね・・。思わず寄り過ぎてしまいまして、何が何だか良く判らない写真が1枚目ですが、
「色合いの淡さ」
がお判りでしょうか。ちょっと、「クロ・ド・ラルロ」を思わせる色合いかと思うんですね。ちょうど濃密なクロ・デ・フォレとは対照的です。
その上で、2019年のモン・デ・ゾワゾーは、まるで薫り高い系のシャンボールを思わせるような・・もしくは・・ここまで言って良いかどうかは微妙だとしても、ロマネ=サン=ヴィヴァン系の素晴らしい香水系アロマが、繊細にノーズを掻きまわしてくれるんですね。
ですからその辺りのアロマにすぐやられてしまうような・・それ系に弱い方は、ちょっとヤバイです。
「こんな香りが有る、出てくるのがクロ・ド・ラルロ!」
なんですよ。

そもそもはここのドメーヌは「ドメーヌ・クロ・デ・フォレ」では無いんですね。「ドメーヌ・ド・ラルロ」なんです。「ラルロのドメーヌ」なんですから、やはりラルロの畑に重きを置いているんじゃないかと思うんですね。
クロ・デ・フォレは重厚な肉をも思わせる味わいですが、クロ・ド・ラルロは「花」もしくは「花の集合体」です。まぁ、一旦閉じてしまうと硬いだけの時間が長くなるかもしれませんが、今、この「モン・デ・ゾワゾー」は滅茶素晴らしいですので・・是非飲んでみて欲しいと思います。
そして、2019年のド・ラルロに共通の、もう一つ重要な部分の写真を掲載させていただきます。

そう・・皆さんは余りやらないと思いますが・・お刺身+お醤油+オリーブオイルが滅茶美味しいんですね。
自然派的なアプローチのナチュラルさが、この余り相性の良く無いと思わせる取り合わせを・・難なくこなしてしまうんですね。ですので、この晩御飯は非常に美味しかった!楽しかったです。
香りも素晴らしいが縦伸びもしてくる見事なシャンボ・・いや、ニュイ=サン=ジョルジュ1級のモン・デ・ゾワゾーです。是非とも飲んでみて下さい。noisy的にはどんなに低くとも上値93ポイントは付けます!
以下は以前のレヴューです。
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【クロ・ド・ラルロ2018年に手が出なくてもモン・デ・ゾワゾーが有ります!大きな引けを取らない仕上がりです!】
旨いです~・・まぁ、1級ですから、美味しく無きゃダメですけどね。
1級クロ・ド・ラルロの例のミュジニーみたいな香水的アロマも健在です。そして、2017年も滅茶美味しかったモン・デ・ゾワゾーですが、そのエレガントさに「深み」がしっかり入り込んでいます。
なので、線の細さはもう感じず、以前のクロ・ド・ラルロよりも深く複雑な表情をしており、しかもしっかり早めに膨らんでくれる印象ですよ。
そして、感心したのは「エッジ」とか、「最後の最後」の部分です。ここが実に美しい!・・粗野さが全く無いんですね・・。ひらひらと白くちょっとだけ透けてそうなブラウスがそよ風に揺れているかのようです・・。
これ、確かにちょっと価格も上がってしまいましたが、それでもクロ・ド・ラルロの2/3近くのプライスですからかなりお得なんじゃないかと思います。美しい色ですよね~・・旨いです!超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
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【この色の濃淡の違いを是非ご覧ください!そして抜栓後15分のスワリングで現れる香水が如きアロマに是非触れてください。滅茶旨いです!】
こりゃぁ・・素晴らしいです!・・大昔の良き時代のクロ・ド・ラルロの面影を持ちつつ、より濃密なエキスを自然に抽出した、実に旨いニュイ=サン=ジョルジュ1級です。
どこか、「す~っ」とした透明感が有るのは昔からのクロ・ド・ラルロの特徴ですが、どこかクロ・デ・フォレの濃密さをも持っているようにも感じます。
それに加え、抜栓後10~15分から現れる香水香!・・まるで最上質なシャンボール=ミュジニー1級を思わせるような素晴らしいアロマです。こんな香りを出せるのは・・後はメオ=カミュゼ位じゃないでしょうか。いや、もっと力強いとか、むせるような・・とか、は他にもいらっしゃいますよ。でも、
「これほどまでに繊細でエレガントで香水的」
なアロマで狂わされるワインは、昔のド・ラルロにしか無いと思えてしまいます。
そう、造り手紹介のコラムにも書きましたが、noisy 的には、今のド・ラルロには、どこか違和感を持っていた・・と言えます。美味しいのは美味しい・・でも、
「・・ん~・・違うんだよな~・・」
と言う気持ちが拭えなかった。
でもその違和感がどこから来るものなのか、自分でも具体化できなかったんですね。単に「濃度の違い」だけでは言い表せない何かが有ったんです。それが2017年もののド・ラルロを飲んで、判った・・と言うか、思い出したと言いますか、理解できたんです。
「凄いアロマ!」
ですよ。
1990年台のド・ラルロは、素っ気ない・・リキミの無い・・味わいなのに、熟し始めると香水のようなアロマで魅了されたんです。
しかし、その時代は新樽100%~の時代で、樽っぽくて濃くて甘いピノ・ノワールが称賛された時代です。デュジャックの弟子筋のジャン・ピエール・ド・スメ氏は引退し、御大のジャック・セイスも引退して息子さんの代になります。デュジャックも「薄旨」の代名詞を捨て、「濃厚」に鞍替えして現在に至ります。
ド・ラルロも同様にやや抽出の強いワインへと鞍替えしてしまいました。その頃からの「違和感」だったんですね。
この路線、もう変更してほしく無いです。エレガント系だからこそ、このもの凄いアロマが生まれます。「モン・デ・ゾワゾー」はクロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの中間的な感じのワインだと思ってください。今飲んでも美味しいです!勿論、硬質さも有りますので長く持ちます。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は2015年のこのキュヴェのレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



● 2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【過去一番の97ポイントまで駆け上がった凄い評価!・・端正で深く、エレガントさとリキ感をバランスさせた素晴らしい1級畑の味わいを感じます!】

何と・・2022年のクロ・デ・フォレはジェームズ・サックリング氏で97ポイント、ヴィノスのニール・マーチン氏が上値で96ポイントと・・
「大昔の良い年のDRCのトップ・キュヴェに対するアドヴォケイトの評点を見るよう・・」
そんな風にさえ・・noisy には感じられてしまいました。この96~100ポイントと言う幅には、
「世界最高のピノ・ノワールが評される、とても狭い幅」
でした。
今ではこの96~100(95~100 の場合も有り)と言う幅は決して狭小では無くなりました。ティム・アトキン氏のブルゴーニュ・リポートを見ると・・とんでもない数のグレート・ピノ・ノワールがその「幅」に評されています。世の中は本当に変わりました。
そして、noisy もまた・・
「こんなにエレガントなピノ・ノワールを造れるニュイ=サン=ジョルジュのドメーヌが有る!」
と言うことで、ジャン=ピエール・ド・スメさんのクロ・ド・ラルロやクロ・デ・フォレの10年以上寝かせたキュヴェを、大変興味深く飲ませていただいたものです。
今やスメさんは引退後どうなされたのか・・判りませんし、ブルゴーニュのドメーヌの大物も引退、もしくは鬼籍に入られた方も多くいらっしゃいます。
話は大きく飛びますが、あの1970年代から活躍している大物バンド・・エアロスミスのボーカリストのスティーヴン・タイラーさんも、
「声帯損傷が回復しない」
としてツアーからの引退を宣言されたようです。
また、あの一世を風靡したディープ・パープルの後継バンドで・・これまた凄い人気だったホワイトスネイクのデイヴィッド・カヴァデールさんも、20年前までは素晴らしい声で観衆を魅了していましたが、昨今はライヴをやってはいるものの・・声がもう・・
まぁ・・野球のピッチャーも肩年齢が有るようですが、大声を張り上げるロック系の歌手の方も喉を労わらないと持ったとしても40年ほどなんでしょうか。
・・脱線、すみませんでした。

ド・ラルロもまた、この10年ほどで素晴らしい評価を得るようになりました。良いところ90ポイント前半で止まっていた、看板とも言えるクロ・デ・フォレです。このキュヴェに限らず、そもそもの・・デュジャックのジャック・セイス直伝の「全房発酵」はド・ラルロの醸造家が変わる中で忌避されたようで、noisy 的には残念だった訳ですが、
「隠れ気味だったテロワールの風味と完成度の高さ」
がみるみるうちに上がって来たんですね。テイスターとしますと・・それはもう評価しない訳にも行かない訳です。
そしてこの2022年もの・・このところずっと定点観測していましたから、ドゥヴォージュさんへ代わり、すぐにまたジェラルディンヌ・ゴドーさんに代わって、
「大昔のシミジミと旨いド・ラルロから、ニュイ=サン=ジョルジュを代表し、ロマネ=コンティと接する素晴らしい位置のロマネ=サン=ヴィヴァンを産するド・ラルロへと代わった!」
訳でして、そのエポックとなったヴィンテージかと・・感じました。
深く、複雑ですが、ニュイ=サン=ジョルジュに有りがちなエレガンスを汚す「パワハラ?的力技由来の味わい」は無く、しっとりとして丸く、品良く美しいです。
もはや1990年代のド・ラルロの姿はどこにも無く、ニュイのトップ・クリマのひとつとして、そしてブルゴーニュを代表するピノ・ノワールのひとつとしての存在がここに有ります。
今飲んで・・このエレガントで深みが有り、心に深い印象を与える味わいが有りますが、どうでしょう・・2~3年の熟成は最低限、必須とさせていただくのが良いかと思います。
まぁ・・流石に最高で97ポイントも付きますと、そう易々とは開けられないでしょうが、1枚目の写真の、この美しいルビーを見て・・飲まれるタイミングを想像してみてください。因みにラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス誌は、
「2029~2034」
と飲み頃を発表しているようです。noisy 的には、2029年から・・は理解できますが、2034年まで・・は「打消し線
(横線)を引きたいですね。どうぞよろしくお願いいたします。素晴らしい出来!・・過去一、間違い無いでしょう。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶滅茶美味しいド・ラルロの復刻!・・クロ・デ・フォレとクロ・ド・ラルロこそド・ラルロの看板だと・・再認識させられる見事な出来です!】
2020年もののクロ・デ・フォレは濃密でとても美味しいけれど・・クロ・デ・フォレと言う畑のテロワールや、ドメーヌ・ド・ラルロ的なものの表情は、その濃密さの中に埋没していたと・・
「今ならそう言える」
と感じます。
この2枚ずつの2020年もの、2021年もののグラス写真を見比べて、自分はどっちが好きだろうか・・どっちを素晴らしいと差を付けて感じるか・・そんなところに興味が生まれて来ないでしょうか。
noisy もこの・・何とも不遇な?ワイン屋商売を志して勉強にふけっていた頃はまだ幾分の若さも有り、その無知な自身でも何とかモノになるようにならないといけない・・と言うような切迫感から、様々なワインを飲んで来ました。
過熟気味に濃いピノ・ノワールも出始め・・確かにそれは迫力が有ってゴージャスで・・他を圧倒するポテンシャルを感じました。
しかし、それらもとても美味しいけれど、何か足りないんじゃないか?とも感じていました。ブルゴーニュ・ピノ・ノワールが持つ美しさ・・が損なわれているんじゃないか?・・と。
ですから1998年からネット販売を始め、単に品物を並べるだけのショップにはなりたくは無いと思っていましたから、常にテイスティングをし、自身こそが売りにならなければ将来は無いぞと・・思っていましたら、リアルワインガイドのテイスターとして拾われたんですね。
まぁ・・それからも、他人様とは違う切り口で「物申す」を続けましたから、色々と衝突も有った訳です。それでもやはり、美しいブルゴーニュ・ピノ・ノワールは素晴らしいと・・ご紹介を続けて今に至ります。
そんな頃に出会ったのがド・ラルロのエレガントなワインでした。

これほどに・・違う訳ですよ。目に映る景色が、本当に違います。
「・・ん?・・濃度は数分の一ほど?」
と思ってしまうかもしれません。
しかしながらエキスは滅茶濃い・・と言うか、フルです。そこから香ってくるアロマの質の高さ・・クラクラしてしまいます。
まぁ・・コート・ド・ニュイ=ヴィラージュのクロ・デュ・シャポー2021ほど、現時点では仕上がってはいないものの、飲み始めて10分ほどで・・このワインが持つ素晴らしいポテンシャルに・・誰もが気付くはずです。
まるでミュジニーのような超高域に伸び行く香水的なアロマ、グラン=ゼシェゾーやクロ=ヴージョにも感じられるエレガンスと重厚さまは高域~低域まで存在しているかのようです。
そしてクロ・デュ・シャポーにも感じる、超小粒のピノ・ノワールの見事な甘美さ、妖艶さが・・ほんのりと出てくる訳ですから・・もう・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールファンには堪らない!」
・・んですね。
リアルワインガイド第82号では、徳丸編集長も、
「高いけどマジに安い!」
と・・ちょっと意味不明では有りますが、その気持ちは伝わって来ます。
「ブルゴーニュファンなら飲まなきゃ損、損!」
な素晴らしい仕上がりの2021年クロ・デ・フォレです。美しく仕上がったエキスこそ命!・・それを素直に感じられます。是非飲んでみてください。今飲んでも素晴らしい時間を得られるでしょう。エレガンス万歳!のピノ・ノワールです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これを見れば一目瞭然!?・・ジェラルディンヌさんも2020年は濃密なクロ・デ・フォレに仕上げた!・・その訳は??・・】
決して「力任せに濃度を上げた」訳じゃぁ・・在りません。おそらくですが、これは収穫のタイミングが・・
「今!」
しかない・・ワンポイントでしか収穫できなかったためだと感じます。
このところは2020年もののブルゴーニュワインを結構に飲んでいますが、
「白ワインは2019年同様にいつ飲んでも行ける!」
感じがしますが、赤ワインは・・
「少し熟成させて方が良い・・が、ポテンシャルは2019年と同様か、超えることも有り得る」
と感じるんですね。
もう・・このグラスの色合いをご覧いただくしかないでしょう。2019年ものが「赤」を見せる「幅」と2020年のそれは結構に異なりますよね?・・2020年ものは、
「果皮が健康的で厚みが有った」
か、
「果汁が少なかった」
かの、どちらかしかない・・(^^;; そう思います。

果皮の割合の多い、濃密で強めのアロマを放出して来ます。とても健康的でピュア・・樽を使用しているはずですが、その樽の影響、余波を完全に飲み込んでいる元果汁の素晴らしさを感じます。滅茶複雑性が高く、起伏を感じる舌触りです。
出来栄えは・・造っている方とすれば・・もう今までで最高!・・と言うに違いないでしょう。エレガントな味わいが好きな noisy としては、現在のバランスはまだ仕上がり切っていないだろう・・と言わざるを得ませんが、それでもこの酸もしっかり有り、要素が抜群に多い味わいは、
「この先、枯れることが有り得るのか?」
とさえ思ってしまいます。・・まぁ、少なくともnoisy が生きている間に枯れることは無いでしょうし、5~10年後の味わいは素晴らしいに違い在りません。
リアルワインガイド第78号は、ポテンシャルで96ポイント付けました。今飲んで・・点は93+ポイントですから・・・そういうことなんですよ。
つまり、今飲んだら93+ だけれど、3年待てれば 96 ポイントまで伸びるよ・・と言うことですよね?
noisy 的には、3年で・・行けるかな?・・5年位、掛かりそうだけど・・とは思いますが、その辺は人それぞれですから・・。しかも、96ポイントは完全にグラン・クリュ並みです。ファルスタッフも95ポイントです。なので、
「今飲んだら1級最高峰、3年以上待てればグラン・クリュ並み!」
と思ってください・・(^^;;
何としても2万円を超えない価格を付けさせていただきました!・・厳しいですが・・おそらく1万円台のクロ・デ・フォレはこれが最後になるかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【彼女のキュヴェの中ではパワフルだが、ニュイ的なエレガントさとボディの素晴らしさを、最も表現出来た2019年は出色です!】
2019年もののド・ラルロのワインは今までとがちょっと・・
「色彩そのものが異なる」
ものですから、それを何とかお伝えしたいと、何度も写真を撮るものの・・結局気に入った写真が撮れていないことに後になって気付く訳ですね。
それでもこの一枚は、まだマシな方で・・す。
このグラスの写真の、「純粋な赤紫系の色合い」を、以前の写真と比較してみてください。2018年ものの写真がニュイ=サン=ジョルジュだとするなら、2019年ものは・・どう思われるでしょうか?・・ちょっとシャンボール、入って無いですか?
例えば、最近のメオ=カミュゼの素晴らしいニュイを飲めば、誰でも気付くはずなんですね。ニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの近辺にも、まるでシャンボールのような花の集合体のような素晴らしいアロマを表現できる・・と言うことを。
その良い代表が、ド・ラルロでしたらクロ・ド・ラルロです。
でも実は・・クロ・デ・フォレにもそれは有るんですね・・。しかしそれは今は完全に裏に回っています。熟を経て、良い状態になったクロ・デ・フォレにこそ、それは現れてくるんです。
今飲んでも美味しいですよ。彼女のワインの中では力強い方です。少し噛めるような肉的ニュアンスが有り、非常に深い・・底辺から湧き上がってくるようなエナジーを感じるワインです。2018年も美味しかったですが、2019年はそれさえも超えたんじゃないかと思います。
あの、ブルゴーニュに厳しいブルゴーニュ専門家?のアレン・メドゥズさんも、上値94ポイントでは有りますが、「heart」のマークを付けています。素晴らしいですが、出来ることなら少し置いて、
「ニュイにもある香水のような素晴らしいアロマ!」
を表に引っ張り出して楽しんで欲しいですね・・きっと出るはずです!超お勧め!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴュー
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【ものの見事なしなやかさ!そして果実の清楚さ!・・この20年で最もエレガントで、しかも欠損部分がまるで無いと言える素晴らしい味わいでした!】

こんな物言いをすると自信過剰だとか、他人の言葉を頭から聞かない・・などと揶揄されることになるかもしれない訳ですが、やはり自分にとっては、自分のテイスティングコメントや評価が一番しっくり来る・・と思っています。まぁ、どこにも間違いや書き損じ、形容詞の使い方が良く無い・・なども在るとしても、やはり嘘を言わない・・心にも無いことを絶対に書かないと決めているので、後になってから自分の書いたものを読み返したとしても、
「・・あぁ・・そうだった!」
と、素直に思えるんですね。そこだけかな・・少々でも誇れるのは・・。
そして、ド・ラルロのワインはもう、少なくとも四半世紀以上に渡って飲み続けているワインです。それなのに、
「毎年味わいの傾向が違う!」
のには驚かされますし、
「醸造家が変わると路線がかなり変更される!」
のも有りますし、
「醸造家が成長したり、ドメーヌに慣れてくるとまた変わる!」
ことにもしばしば気付かされる訳ですね。
で・・長くなってしまうと、
「そんな・・長い文章なんて、読みたくない」
と言われてしまいそうなので端折りますが、
「今のド・ラルロの味わいは、ド・ラルロの歴史の中で一番好きかもしれない・・」
とさえ感じさせてくれたのが2018年のこのクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュでした・・本当ですよ。
勿論、ジャック・ドゥヴォージュさんの、本当にまんまるでたっぷりなクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュも美味しかった!・・完璧だと・・思わされましたし、背筋がゾクっとしたのを覚えています。
でも、それが好きな味わいなのか?・・と聞かれますと・・そんなに単純な話しでは無いんですよね。
まぁ、ワイン屋ですから、どうしても二面性を持った飲み方をしてしまいます。自分の好みを抑え込んでテイスティングしている訳です。
でも、そうしつつも・・「我」や「素」を思い出させられてしまう局面に出会うことも有ります。そんな1本だったのがこのワインです。
決して濃くないです。クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・パワフルでしたでしょう?・・いや~・・2018年ものは、そんな面は無いですよ。
とても充実しているけれど過剰じゃ無いんです。過剰さがまるで無い・・と言った方が良いかもしれません。
以前は、
「クロ・デ・フォレは丸さとまとまりが出る5年ほどの期間を置くのがベスト!」
と感じていました。なので、お客様にも、「飲めるけれど・・それは覚えておいてね」と伝えていました。
ところがです。この2018年クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・美味しく飲めてしまうんですね。タンニンの突出などまるでなく、酸はヴォーヌ=ロマネ村のピノ・ノワールのように柔らかい・・です。
果実の感がとても精緻で美しいので、食の邪魔をすることが無いし、まるでヴォーヌ=ロマネのワインのような振る舞いをするかと思えば、最上質のニュイ=サン=ジョルジュが持つ、稀にしか出会えない「超エレガンス」に育って行くだろう・・と思えるような要素も見えます。
言ってみれば、「尖った部分のないやわらかさ」に加え、「ピノが持つ美しさ」が、このワインを今現在でも美味しく飲ませてくれる要素なのだろうと・・・勝手に結論付けていました。
この見事な味わいを造り出したのは「ジェラルディンヌ・ゴドー」さん・・でした。
確かに、あのジャック・セイスを彷彿させた90年代のド・ラルロの味わいも捨てがたいし、今のこの清楚で淑な・・もう少し90年代の味わいを上手に膨らませて来たかのような味わいも・・素晴らしいと思います。
これは是非とも!・・飲んでいただきたい見事なピノ・ノワールです。
因みにティム・アトキン氏も、ヴィノスのガローニさんも94ポイントで揃ってます。おそらくですが、
「パワフルさが少ない・・少し大人しい感じ」
をそのように評価したと思われますが、それはそれで正しいのかもしれない・・。でも飲んでいておいしいのはこんなワインに違い無いと感じています。
素晴らしい出来でした。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!
確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。
2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。
ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。
そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。
その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。
メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。
「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」
と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。
しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。
2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。
そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。
それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。
そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、
「こんな色合い」
です。
「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」
と言いたいと思います。
「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」
でもあります。
2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【クロ・デ・フォレとクロ・ド・ラルロ。同じ丘に有りながら全く性格が異なり、評価で常にクロ・デ・フォレの後塵を拝すこのリューディこそ、エレガンスの極みを見せるはずです!】
入荷が片手の数になって久しいクロ・ド・ラルロの2022年です。最高で97ポイント、平均で約95ポイントまで付いたクロ・デ・フォレに比較しますと、確実に1ポイントは下がった評点になっています。
まぁ・・これはもう当たり前のことでして、濃密な表情と濃い色彩のクロ・デ・フォレに対し、ほぼニュイ=サン=ジョルジュの南端に近いクロ・ド・ラルロは、
「おそらく近くの大理石や石灰石の採石場などが存在する、ミネラリティの強い土壌の影響を受ける畑」
でして、まぁ・・濃くならない訳です。
言ってみれば・・ニュイ=サン=ジョルジュのアペラシオンの中にあるシャンボール=ミュジニーみたいな性格のワインなんですね。もしかしますと、
「シャンボールよりもミネラルが強い!」
かもしれない・・んです。
ですから、リリース直後の深い果実の味わいが無いので、RVFの飲み頃 2029~2034 とか、某さんの2029~2036 とか・・と飲み頃を示されてしまうんですね。ただ某さんのは Drink from ですので安易には突っ込めませんが・・。
ですのでこの際、この素晴らしいテロワールの実力を知るには、このメディアが示した期間の後から・・飲まれることをお薦めします。
ゴドーさん時代ですから醸造方法も変わりましたが、
「クロ・ド・ラルロのテロワールは変わらない!」
んですね。ぜひ育てて飲んでみてください。希少な1本です。
以下は以前のレヴューです。
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【全く異なる二つの個性!濃密なクロ・デ・フォレとエレガントなクロ・ド・ラルロですが、濃密なヴィンテージのクロ・ド・ラルロ..相当良いはずです!】---2020年もののレヴューを使用しています。
なんで noisy は30年近くもド・ラルロを追いかけていたか・・と言えば・・クロ・ド・ラルロが大好きだったから・・です。ドメーヌ・デュジャックのジャック・セイスさんの弟子だったスメさんがやっていた頃・・です。ま~・・かのアドヴォケイトのPKさんったら酷評の酷いことでして・・あ、この人はこのエレガンスが判らないんだな・・と思ったものですが、でもそんな一方でデュジャックのワインには高評価を付ける訳でして・・「意味不明!」と感じていました。
クロ・デ・フォレの濃い目の色合いに引換え、クロ・ド・ラルロの淡い色の何とも心惹かれる色彩・・。92年などは・・滅茶薄かったと記憶していますが、そのエキス系のシミジミと伝わって来る味わいとアロマに・・やられちゃった訳です。
2020年ものはリアルワインガイドでも「濃い目」と書かれています。なので、
「濃い目のクロ・ド・ラルロも魅力的では?」
と思える方にお勧めしたいと思います。
今やクロ・デ・フォレよりも仕入が高くなっています・・世の中変わりますよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの2018年クロ・ド・ラルロによって、クロ・ド・ラルロは完成した!・・と言いたい素晴らしさです!】
「キャ~!」
と思わず声が出て来てしまうほど・・超繊細で美しいクロ・ド・ラルロでした!・・いや~・・これはジャック・ドゥヴォージュでも出せない表現だな~!・・と。
「・・少しミュジニーかロマネ=サン=ヴィヴァン、入ってます?」
みたいな・・香水的アロマがほんのり。
「土臭いニュイ=サン=ジョルジュ?・・そんなのどこにも・・無い!」
と言いたくなってしまうほど・・素晴らしいです。
そして樹齢が上がった性でしょうか。か細さを時折感じさせたクロ・ド・ラルロでは有るんですが、そんな「弱さ」は無く、ディテールの端々に細やかで丸いエッジが感じられるんですね。
これ、メオ=カミュゼのニュイ1級を飲むと感じられるんですが、ミュジニーが持つ物凄い芳香をも、少しですが内包されているような・・それこそがむしろ、プレモー=プリセの1級群の特徴の一つでは無いか?・・などと感じ始めています。
単にエレガントでは済ませられない仕上がりの良さ・・でしょうか。これは滅茶美味しい!・・と思わされてしまいました。
今飲んでも、飲めなくはないですよ。アラン・メドゥーズさんは2028年以降・・と言ってますが、まぁ・・当たりだとは思います。しかし、飲めなくは無い・・美味しく飲めます。
そしてポイント的には山本さんの94点。これがピッタシカンカン(古っ!)。いや~・・久々に超絶に旨いクロ・ド・ラルロを飲ませていただきました!・・・それに、12本も入荷したのは久しぶりです。これは是非飲んで欲しい!・・クロ・デ・フォレは8月に15000円台で行けそうでは有りますが、その前にこのクロ・ド・ラルロで2018年のジャルディーヌさんを・・いや、
「ゴドーを感じながら」
飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
円形劇場のようなクロのカキの貝殻を含む泥灰岩、プレモー石灰岩、白色魚卵状石灰岩の交じる土壌から。ラズベリー、レッドチェリー、リコリス、デリケートで、甘やかな赤系スパイスが立ち上がる。しなやかなタンニン、ヴェルベッティなテクスチャー、ほのかな青さが精妙なタッチを加え、生き生きした酸がフレッシュ感を与えている。うまみの乗った味わい、グリップのあるフィニッシュ。
ワインリポート 山本氏
以下は以前のレヴューです。
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【超繊細系ニュイ=サン=ジョルジュの中で最も繊細なクリマ!】 このところは全然飲めないクロ・ド・ラルロ・ルージュです。今回はやや多めとは言え、やっと1ケースの入荷です。無理をすれば飲めるんですが、この位の入荷総量ですと、予算的に今回のテイスティング分が上限になってしまいます。まぁ、ワイン屋さんでも全アイテムをテイスティングで開けられるところはまず無いと思いますが・・。
クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの2017年ものの色合いをご覧になられて、
「薄い・・なぁ・・」
と思われたかもしれませんが、まぁ、間違いなく、クロ・ド・ラルロはもっと薄いです。90年台のクロ・ド・ラルロなんて、さらに薄かったです。ジャック・セイスが全盛の頃のデュジャックも、
「ロゼか?」
と知らない人が尋ねるほど・・薄かったですが、エキスが濃いんですよね。そしてクロ・ド・ラルロは同様に薄く、しかもクロ・デ・フォレに比較しても、さらに「ドライ」です。
でも早く熟すので、2~3年で非常に美味しくなるんですが・・実は滅茶、超熟でも有ります。1992年のクロ・ド・ラルロなんぞ、滅茶苦茶旨かったですよ。デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュは高価でしたが、古いクロ・ド・ラルロは安かったですから。それに、その頃のエージェントさんは、結構に「古い在庫」をお持ちでした。なので、
「選び放題!」
の時代だった訳です。今考えると良い時代でした。
2017年は、そんな1990年台のド・ラルロに良い意味で「回帰しはじめた」と言えると思います。ただ昔に戻すのではなく、さらに良く観察し、畑の個性を見極めています。エキスはさらに濃密になっています。反対に単純な濃さが減りつつあります。
「ドライなエキスの非常に香るニュイ1級!」
だと思ってください。まぁ、周りは白葡萄が沢山植わっている土壌ですから・・そうなるのは当たり前では有ります。(ジェルボット2017年もテイスティングしていますが、これまた凄い仕上がりでした!)
クロ・ド・ラルロの若木で仕込んだモン・デ・ゾワゾー2017年があれだけ香るんですから・・クロ・ド・ラルロはとんでもないことになっているんじゃないかと推測しています。
是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】
どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2022 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【リアルワインガイド第82号はポテンシャル97ポイントまで付けていますが、ついに畑のポテンシャルを最大限に発揮できるようになったと想像します。】-----2021年もののレヴューです。
海外メディアの評価を見ると、単純にド・ラルロの2020年と2021年を比較するなら、ほぼ同じか、もしくは2020年が2021年を上回った評点を出しています。
ですので、
2020年 ≧ 2021年
です。
しかしながらリアルワインガイド第82号は、ほぼ真逆の評価をしていまして、
2020年 ≦ 2021年
です。2021年ものがほぼ確実に2020年を上回っている・・との評価ですが、noisy もそのリアルワインガイド第82号の評価を支持します。
まぁ・・昨今のブルゴーニュワインは・・しょっちゅう言ってますが、30年前以前に比較すると「甘くボリューミーで濃厚」です。残糖的な甘みは余り感じなくても・・そこそこに残糖は有ります。
しかし幸か不幸か、2021年ものは・・余分な甘みをわざわざ残せる葡萄の糖度には達しなかったはずで、そのことが・・畑のポテンシャルやテロワール、そして造り手の個性さえも・・見渡し易いヴィンテージになったと思うんですね。
海外メディアは、この20年でブルゴーニュワインに高い評価を与えるようになって来ました。言ってみれば、「甘くボリューミーで濃厚」なワインに高い評価を付けたと・・ただそれだけなのかな・・と言う気もして来ます。
その甘みはその他の表情とのバランスも有りますから、そのバランスが良く無ければ高い評価は出ません。しかし余分なものが少なければ、その仕上がりは多様な方向性を持ち辛いはずで、言ってみれば、
「なるようにしかならない」
部分をかなり持つはずなんですね。
その・・余分なものが無かった2021年ものが、これほどに素晴らしい表情を見せる・・と言うことは・・一体どういうことなのか?・・と考えてみると、
「なるようにしかならなかった姿が本当に素晴らしかった!」
と言うことですから、
「これぞ真の姿」
と言うことだと思います。
リッシュブールの北東に道を挟んで接する、1級レ・スショの上部です。リアルワインガイド的にも史上最高の評価を付けた2021年もの、是非ご検討くださいませ。
【ロマネ=サン=ヴィヴァンと1ポイント差なら、2018年はレ・スショと言う選択肢も有りかもしれません。】 ニール・マーティンさんは2ポイント差を付けましたが、バーガウンドのメドゥズさんとワイン・リポートの山本さんは1ポイント差。
これって・・どうなんだろ?・・と思ってしまうんですが、根本的にはレ・スショはレ・マルコンソールには叶わない・・と思ってまして・・いや、あくまで自身の感覚的なものですが、だとするなら、1ポイント差ってかなり微妙な評価だと思うんですね。
するとロマネ=サン=ヴィヴァンが大したことが無くてレ・スショがいつもより凄い出来で・・と考えるか・・いや、でもロマネ=サン=ヴィヴァンは上値97ポイントも有るのでそれは無いだろう・・とするなら、もし、ド・ラルロが他の優れた1級畑をリリースしていたらどうなるか?・・などと考えてしまうんですね。
まぁ、自分の中では・・レ・スショ2018年が良い出来だった性で、余りバランスは考慮せず、単純にポテンシャルを図ったと言うことにしておきました。
以下は以前のレヴューです。
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【評論家さんたちの評価はまだ揃いませんが、彼らがどう評価するか、興味津々です。】 2017年のド・ラルロの驚異的な香水のようなアロマをどう評価するのか、もしくは「出来るのか?」を見てみたいと思っています。
徳丸さんは、
「2017年のラルロは、日本人には受けるが海外メディアは大して評価しないかもしれない」
のように書いています。
noisy も同様に思います。しかし、稀にめちゃ繊細な神経をお持ちの方もいらっしゃいますし、そのような方はまた、それまでの「しがらみ」みたいなものを持ち合わせてない場合が多いので、
「どう評価するか?」
で、noisy もその方々を評価できちゃうんですよね・・。
「あ、・・こう言うのはこの人、判らないんだな・・」
と判断する訳です。
でも、実はこれ、しょっちゅうやってまして、ご来店の方にワインをお選びする際などにね・・。いや、勿論この場合は、判らないんだ・・なんて思いませんよ。そこは、「好みじゃないんだ」と置き換わります。お客さんはそれで良いんですね。
でも、ワインのお勉強がしたいとか、エキスパートを目指している・・というようなお客様には、「好みじゃない」じゃ済まさないですけどね。
ド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンがロマネ=コンティ直下なら、このレ・スーショはリッシュブール直下の良いところに有ります。美味しく無い訳が無いです。
今回は1ケースちょっといただけたので、飲んでご案内しようと思ったんですが、このペースでテイスティングするのが勿体無いような気がしてしまいまして・・まだ飲んでいません。
2017年のド・ラルロ・・・エレガントで物凄いアロマです。ロマネ=サン=ヴィヴァンは高過ぎて手が出ないにせよ、ここは必ず押さえておきたいところだと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】
2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2022 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【ついにド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンもリアルワインガイドでポテンシャル100ポイント達成です!!】-----2021年もののレヴューです。
2021年もの、海外勢は下げに転じ、リアルワインガイドは上げました。流石ですね・・
余りに美味しい2021年クロ・デュ・シャポーを飲めば、誰でも・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに濃さは不要!」
と・・感じると思いますよ。
余分なものが有ればダレる原因です・・無い方が良い・・と。
ここのロマネ=サン=ヴィヴァンはもう、すぐそこがロマネ=コンティです。クロ・デュ・シャポー2021年にさえ・・D.R.C.的なものを感じてしまいましたから、こちらはもうビシバシ・・来るんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第78号はなんと、ポテンシャル99点!・・まぁ・・ロマネ=コンティ真下の畑ですから、順当に仕上がった証拠なのでしょう!】 まだ3万円ほどだったころが懐かしい感じがします。この辺りはもう・・手の出しようが無い・・と言うか、ご紹介できるだけ有り難いと言うことになってしまったのかもしれません。
このロマネ=サン=ヴィヴァンもしかり、ラ・グランド・リュしかり・・1級のレ・ゴーディショなどもそうですし、言ってみればラ・ロマネもクロパラも・・DRC の1級ヴォーヌ=ロマネも・・ということなのでしょう。今ではもう入手さえ困難になりつつあります。
まだ深く考えずに呆けることも可能だった平和を享受できた時代は過ぎ去り、混沌の中でどう生きるかを問われているような気もします。そんな中でひと時の安らぎを大切な仲間と過ごせる時間・・今よりももっと貴重になってくるのかもしれません。少しでもお役に立てれば幸いです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリスさんはきっと気付いているんでしょうね・・でも何でニュイ=サン=ジョルジュ系の評価が高くは無いのが今ひとつ判りません。】 飲んでませんが・・ジャスパー・モリスさんは上値98ポイント。絶好の場所にある、ロマネ=サン=ヴィヴァンの中のロマネ=サン=ヴィヴァンですから、あのブルゴーニュのトップの畑に見事に接している、あの畑のワインのアロマ・・。もうnoisy もしばらく飲んでいませんが、一度そのグラスに向き合ってしまったら、きっとしばらくは身じろぎひとつ出来なくなるかもしれません。
この先は価格は上がる一方だと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ロマネ=コンティに接する絶好のロケーションから、最もリーズナブルと言えるロマネ=サン=ヴィヴァンです!】 ニール・マーティンさんは上値97ポイント、いつも厳しいアラン・メドゥズさんは上値94ポイントでした。ワインリポートの山本さんは96ポイントで、
「・・なんか、判る・・」
と一人悦に入ってます。
ロマネ=コンティは買えないにしても、モロに真向かいですから・・はい。絹漉しのテクスチュアの雅で荘厳なロマネ=サン=ヴィヴァン・・・お宝です。
以下は以前のレヴューです。
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2017年のド・ラルロは半端ないです。ド・ラルロを知っているなら、この20年で最高の仕上がりと言って良いはずです。
「ブルゴーニュワインはただ濃いだけじゃダメ」
それは誰しもが認識していることでしょう。ロマネ=コンティは濃いのか?・・いや、濃密な一面を見せるかもしれないが決して濃いワインでは無い。ラ・ターシュはどうなのか?ラ・ロマネは?ラ・グランド・リュは?・・と問えば、その答えは歴然としています。
リアルワインガイド第66号を読むと、ジェラルディーヌ女史は過労で入院中で会えなかったと書いてありました。また、2017年と言うヴィンテージが「力のヴィンテージではない」と評しています。
noisy的には、勿論、ヴィンテージの背景もあることは重々承知しつつも、ジャック・ドゥヴォージュによる畑の調査、緻密な醸造から、ジェラルディーヌ女史による感性のワインへと変貌しつつあるものが花開きつつあるんだ・・と言う理解をしています。
もう、クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの香水のような素晴らしいアロマにぞっこんですが、それがロマネ=サン=ヴィヴァンになっちゃったらどうなってしまうのかと・・きっと飲むチャンスはないでしょうが・・
ちなみにリアルワインガイド第66号はポテンシャル96+ですが、
「得点は97点でも、98点でもあります。」
と、ぶっちゃけちゃってます。
で、「とんでもない香り」だそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】
まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
● 2010 Nuits Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【アドヴォケイトによりますとそろそろ飲み頃に入ったオリヴィエ・ルリッシュ時代、彼のラスト・ヴィンテージの上出来クロ・デ・フォレです!】
どうも・・2010年頃のド・ラルロのこのワインの記憶が欠落しているような気がしていまして、古い記録を探し出してみたら・・2010年のクロ・デ・フォレはどうやらテイスティングしていなかったようです。
まぁ・・この頃は・・いや、思い出させてしまって申し訳ないのですが、ようやっと震災の影響から立ち直って来た頃でして・・おそらく2013年の春~初夏頃の入荷でしょうから、まだまだみんな手探り状態から立ち直って来た頃だったんじゃないかと思っています。
ただし2009年は飲んでいまして、こちらは2012年7月のご案内で・・
クロ・デ・フォレ'09・・・とても良い出来だと思います。しかしながら、伸びやかさの有る美しさや微妙な表情は全て裏側に有り、閉じた状態です。大きく深い構造は感じられますが、ドライで硬いテクスチュアに行く手を阻まれますので、飲み頃はご注意くださいね。お奨めします。
などと書いていました。
リアルワインガイド第39号は
「今飲んで93+ ポテンシャル94 飲み頃予想 2016~2040」
と中々の評価で、アドヴォケイトは・・当時のコラムにもあるように、(93-95) 2020~2030 、ティムアトキン氏は 94ポイントと言うものでした。
このワインのリリースを待たずにオリヴィエ・ルリッシュさんは独立、リアルのテイスティングはジャック・ドゥヴォージュさんがお相手してくれたんじゃないかと思います。
オリヴィエ・ルリッシュ時代のクロ・デ・フォレは、若いうちはやや硬さの有るタンニンが感じられたので、少し熟してからの方が美味しかったと思うんですね。
そんな部分があったのでリアルもアドヴォケイトも・・少し先からの飲み頃を言っているように思いますが、
「2023年の現在、正に飲み頃入り!」
が想像されます。
まぁ・・少量しか無いのでどうしようも有りませんが、価格もそこまで上げていないので・・今の2021年ものよりもリーズナブルです。とあるサイトの情報によりますと、2010年のこのワインは191ドル平均だそうで、日本円換算だと28000円ほどに税がかかる計算です。ご検討いただきましたら幸いです。
以下は以前に書いた2010年もののこのワインのレヴューです。
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【アドヴォケイトは(93-95) 2020-2030!!】
まあ、ちょっとアドヴォケイトはインフレ気味じゃないかと・・
「最高得点って110点でしたっけ?」
と、意地悪を言ってみたくなりますが、(93-95)2020-2030から見えてくるのは、
「長熟タイプの仕上がり」
と云うことですね。
もともと、クロ・デ・フォレはクロ・ド・ラルロに比べ、熟成が遅いタイプですが、2010年物はタンニンがいつもより成長したんだと・・・捉えています。一見すると滑らかなので気付かないかもしれないけれど、良く見ると、しっかり有るのでしょう。じゃなきゃアドヴォケイトが2020年から・・・なんて書かないですよね。
大柄な仕上がりになったクロ・デ・フォレです。是非ご検討下さい!
● 2021 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【2016年日本初登場のオート=コート白です!】...すみません、2本だけの入荷です。レヴューは以前のものです。
すみません、飲んでないので何も言えません3本のみの入荷です。ワインリポートの山本さんは以下のような評価でした。ご参考までに。
プレモー・プリセのクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュの上の標高400mの0.66haの単一区画から。石の多い土壌に白と赤が混植されている。2019年8月に瓶詰めした。白い花、柑橘、レモン、フレッシュで、おおらかなテクスチャー、アプローチャブル。87点。
● 2021 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【ジェルボットを飲めばおのずと「どのくらいの仕上がりか」は判るはず・・もう一つの「クロ・ド・ラルロ」です!】---以前のレヴューです。
もう、クロ・ド・ラルロ・ルージュも、クロ・ド・ラルロ・ブランもそう易々とは飲めない状況になってしまいましたね。価格もきっとそうではありますが、数が何しろ無い・・・ので、noisy もまた、この何年かは飲めていません。
でもクロ・ド・ラルロですから・・。飲んだことが有る方は、きっとこの畑の素晴らしさをお判りいただいていることでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【今回はまだ飲んでいません・・が、リアルワインガイド第66号はポテンシャル93+、もしくは、94点でも良いとのこと!】<--2017年もののレヴューです。
すみません、飲めてません。しかし、若木のラ・ジェルボットがもう・・昔のクロ・ド・ラルロ・ブラン並みになっちゃってますからね。根が深いところまで伸びているはずのこちらのキュヴェは、さらにミネラリティが高く、やや硬質に感じられることでしょう。
このコラムでも何度も申し上げていますが、5年経ったクロ・ド・ラルロ・ブランは激変します・・。その際に評価するとなると、当然ながら評価は上がってしまうものです。
透明なミネラル感に満ち溢れた果実たっぷりのシャルドネです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2021 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【激推し!・・ブルゴーニュファンならこの狂おしいほどのアロマにノックアウトされない方はいないでしょう!・・凄い!】

いや~・・ジェラルディンヌさん、やってくれちゃいましたね。半端無い出来です!評価ポイントでは表しようのない、
「これこそ大好き!」
みたいな・・ブルゴーニュワインファンなら思わずひっくり返って喜んでしまうような・・もしくはシミジミと感じ入ってしまってメソメソしてしまいそうな、
「これぞブルゴーニュ・ピノ・ノワール!」
と言うアロマと味わいです。
ピノ・ファンの持つ見事な・・煙っぽい、深~いノーズに妖艶さ、甘美さが混じり・・どこかヴォーヌ=ロマネの超一流の畑を彷彿させるような繊細、微細な表情を見せつつ、その発生源でも有る深いエキスの拡がりがアロマを放出してもなお、甘美な味わいを拡げて行く・・そんな・・素晴らしいピノ・ノワールだけが見せてくれる醍醐味を、このニュイ=サン=ジョルジュ南の準村名のクロ・デュ・シャポーが見せてくれちゃいます。
ジェラルディンヌさんが醸造責任者になって7年目・・です。どうでしょう・・この7年目を迎えて、このド・ラルロのワインの世界観をしっかり表現できるようになった・・もしくは、2021年と言うヴィンテージこそが、古き良き時代のブルゴーニュ・ピノ・ノワールを再現させ、
「濃度に埋もれて見えなくなっていたテロワールやエレガンスがハッキリクッキリと表現できるようになった!」
と言えるのかもしれません。

昔、noisy たちブルゴーニュの新参者を狂わせた、この甘美で妖艶なアロマと味わいが、今、ここに再現されています。
いや・・それでは足りないかもしれません。何の不足感も無く感じられるアロマと味わいは、もしかしたら記憶の中で美化されてしまった古い時代のピノ・ノワールとは、雲泥の差が有るのかもしれません。
ですがこの、「反則技」とも思えるような物凄いエロティックで甘美な芳香こそに、ピノ・ノワールでしか味わえない世界を・・我々は感じ入ってしまうのは間違い無いでしょう。
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュは、数あるコート・ド・ニュイの村名の中には入れて貰えなかった村の畑です。しかし、
「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュこそ、石切り場が数か所有り真っ白な土、白い石と茶色の石、そして粘土が混じり合った、多大なる可能性を秘めたアペラシオン!」
なんですね。コンブランシアン、コルゴロワン・・ご存じ無いかもしれませんが、同じコートに有りながら今まで持てはやされてこなかったからこそ、新しい発見が期待出来ます。
いや~・・是非ともさっさと飲んでビックリして下さい!Noisy wine に無かったら、さっさと他のショップさんの在庫を漁ってください!
そして、2020年ものと2021年ものの・・写真でも良いので・・比較しながら、
「どっちが好きか?」
と自分に問うてみてください。
同じワインに見えないほど違う外観・・そしてクロ・デュ・シャポーが優しく吠えるそのサマの比較で、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの神髄を感じることでしょう。
「有り得ないほど旨い!・・」
と・・思っていただけるでしょう。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【やっぱりクロ・デュ・シャポーはクロ・デ・フォレにそっくり!・・どして?】
今飲んで美味しいクロ・デ・フォレ...と言いたくなるような、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うのは、村名そのものを名乗ることが出来ない村名ワイン..です。もし、
「ニュイ=サン=ジョルジュに接するコンブランシアンがニュイ=サン=ジョルジュを名乗れる!」
ことになったら・・ニュイ=サン=ジョルジュ村名です・・ならんでしょうけど。
僅かに涼やかで、少しだけライトなクロ・デ・フォレだと思って飲んだら、まぁまず間違いないんじゃないかと思いますよ。出来も非常に良いですし、むしろ現状のテクスチュアはクロ・デ・フォレよりも滑らかかもしれません。
まぁ、2017年もののクロ・デュ・シャポーの写真をご覧くださいよ・・2018年ものでも判りますよね。

「全く色相が違う!」
と言いたくなるような違いが有りますよね?
2019年ものは、それでもヴォーヌ=ロマネ辺りを中心に、ミルランダージュの影響で濃い目で酸の優しいワインが生まれました。
でも2020年ものは・・むしろ、
「奇跡的に天候が回復して、奇跡的に出来の凄いワインが出来た!」
と覚えておくのが正しいと思うんですね。
ここ一発の収穫時期を逃さず、一気に収穫して仕込んだ・・その結果、濃密でエキスたっぷりの「奇跡的なワイン!」が生まれたんだと思います。その成果はドメーヌ・ド・ラルロの場合、このクロ・デュ・シャポー2020で検証出来ます。
ですので、もしクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ2020をセラーで育むとしたら、適度な時期にこのクロ・デュ・シャポー2020を開けてみる・・そうしますとクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ2020を楽しく飲める(かもしれない)んじゃないかと思います。
2020年は、一時諦められた時期さえあった・・と言います。しかしながら仕上がったワインは、造り手たちが舞い上がってしまうほど「大きなワイン!」になった・・そんなヴィンテージなんですね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【僅かにライトなクロ・デ・フォレ・サンジョルジュ的な深~い味わいです!・・アロマの柔らかさも素晴らしい!】
2019年ものの出来の良さか、それとも彼女のセンスが素晴らしいのか・・は未だに判断付きませんが、おそらくその両方なんでしょうね・・。見事な仕上がりの「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」です。
印象はほぼほぼクロ・デ・フォレに近く、みごとに豊かで丸い味わいをしています。ジェラルディーヌさんのワインの中では力強い方です。もっともそれでも他と比較するとやはり、「エレガント系だ」と言うべきだと思います。
10年前のド・ラルロのワインに在った「硬さ」は無く、見事に自然派的にソフトでフカフカしたテクスチュアです。タンニンも非常に質が良く、ドライな味わいのピノ・ノワールに、むしろ甘みに近いものを感じさせてくれます。
色合いも素晴らしいでしょう?・・だいぶ寄って撮ってみましたが、この「官能さ」が伝わって来るでしょうか?・・深い複雑な果皮のアロマにクラクラ来ちゃいますが、これもまたクロ・デ・フォレ的です。非常にリーズナブルなキュヴェだと言えますし、ジェラルディーヌさんがド・ラルロに来てくれてよかった・・と素直に思えると思います。ご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントさに深みと優しさをプラスした見事な準村名格?です!】
まぁ、準村名と言うよりも村名・・ですね。あくまで村名ワインですが、村そのものを名乗れないニュイの村を一つのアペラシオンにしたのがコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです。
ジェラルディーヌさんの2018年ものは全て「一貫」しています。エレガントさと豊かさを両立させた上で、とてもエレガントで有り、端々が見事に柔らかく丸く、単にエキスの味わい・・と一言で片付けてしまうのが勿体無い仕上がりです。
2017年ものよりも熟して充実した色合いをしていますが透明感は全く失われず、アロマの上りも早く、滑らかです。
因みにワインリポートの山本氏は以下のように評しています。
クラッシュしたストロベリー、レッドチェリー、バラの花芯、しなやかなテクスチャー、心地よいタンニンがミネラル感に富む果実と統合されている。全房発酵からくるスパイシーなフィニッシュにうまみがにじむ。90点。
ん~・・とても良い感じの評価だと思います。単に果実だけではなく、フラワリーでも有るんですね。とても良い出来!・・2018年のドメーヌ・ド・ラルロは買いだと!・・お勧めします。是非ともご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これで充分!!2017年のド・ラルロはピノ・ノワール・ファン必飲ですが、これを飲めば全てが判る・・かも!・・(^^;;】
この色合いですよ・・嬉しいですね~・・これだから滅茶薫るんですよ・・香水のようなアロマが!・・でもまだ濃いかなぁ・・。
2017年もののド・ラルロのテイスティングは、このクロ・デュ・シャポーから始めました。オート=コートのキュヴェは2本とかのふざけた数しか入荷してませんので、飲みようが無いんです。
ちなみに・・ですが、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うアペラシオンは、「ヴィラージュ」と付くことで判りやすいかと思いますが、「村名格」です。
単独の村名を名乗れないニュイ近辺の村のワインは、この格を名乗れます。言わば、
「コンブランシアン」
と言う村名ワインと・・そんなA.O.C.は無いですが、思っていただければと思います。ここは、ニュイ=サン=ジョルジュを構成するニュイ=サン=ジョルジュ、そしてその南にあるプレモー=プリシーの、南に接する村です。
で、早速飲んでみて・・見事に淡い色合いからの濃密ドライなエキスはぷっくりと丸みを帯び、柔らかでスピードのあるアロマが飛び出してきました。
「・・あれ・・?この感覚って・・」
そう・・大昔のド・ラルロのワインに感じたものに近いんですよ。そして昨今は余り感じることの無かった強烈なアロマが出て来たんです。
そうそう・・ブルゴーニュワインって・・こうじゃ無きゃ!
濃くて甘くてややボタッとして切れがイマイチなのも余韻に引きずられて美味しいけれど、何か違う・・と反応してしまうんですよね。2016年ものも美味しかったですよ。こっちの方に寄ってくるような感じが・・すでにしていました。2015年ものにもそれは少しだけ有りました。2014年ものには有りませんでした。2013年ものは、ヴィンテージの背景で淡くなったと思っていました。2012年ものは・・いや・・もう止めておきます・・(^^;;
この2017年もののド・ラルロは絶対に飲まなければいけない・・と思います。だから無理やりにも・・そう仕向けてしまいます。でもそれで皆さんも幸せになれると信じています。
「濃いだけじゃだめ。」
「薄いだけでもだめ。」
なんです。
ミネラリティをしっかり取り込んだ葡萄をしなやかに醸造することのみにより、この素晴らしい香りと味わいが生まれます。
今飲んでも納得していただけるでしょう。数日休養を上げてください。そして確かめてください。もしそれで素晴らしいと感じたら、さっさと押さえに掛かりましょう・・まだ2017年のド・ラルロが残っていれば・・ですが・・。
実は、アレックス・ガンバルと言うネゴスは、noisy的には・・余り・・でした。なので、当初はジャック・ドゥヴォージュが居なくなると言うので残念に思っていました。もうド・ラルロは復活しないんじゃないかと・・どこかで昔のド・ラルロを心待ちにしていたんだと思います。
でも、ジェラルディーヌ・ゴドーさんが入り、こっちに向かってきているような感覚が有りました。あのラ・グランド・リュのフランソワ・ラマルシュもそう・・。
2010年以前は・・もう全然眼中になかったです。それが、2011年頃から徐々に煌めき始め、その頃から扱わせていただき、滅茶「薄旨」の2013年を経て、今やもう完全復活・・です。そして、ラマルシュのワインも全然濃くない・・だけれども滅茶美味しいですよね。
こっちに・・向かってきていると確信しています。是非確認、お願いいたします。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2021 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【少な過ぎて飲めませんでした。すみません。】--以前のレヴューを使用しています。2本だけです。
--以前のレヴューです。
【アラン・メドゥーズはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2021 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
【素晴らしいです!・・ミュxx-とは言わないが、それ的な香水ごときアロマと繊細な味わいにノックアウトされました~!】---2019年もののレヴューです。

これ、滅茶旨いです~!・・繊細ですね・・しなやかですね・・香水的な雅なアロマが素晴らしいですね・・。思わず寄り過ぎてしまいまして、何が何だか良く判らない写真が1枚目ですが、
「色合いの淡さ」
がお判りでしょうか。ちょっと、「クロ・ド・ラルロ」を思わせる色合いかと思うんですね。ちょうど濃密なクロ・デ・フォレとは対照的です。
その上で、2019年のモン・デ・ゾワゾーは、まるで薫り高い系のシャンボールを思わせるような・・もしくは・・ここまで言って良いかどうかは微妙だとしても、ロマネ=サン=ヴィヴァン系の素晴らしい香水系アロマが、繊細にノーズを掻きまわしてくれるんですね。
ですからその辺りのアロマにすぐやられてしまうような・・それ系に弱い方は、ちょっとヤバイです。
「こんな香りが有る、出てくるのがクロ・ド・ラルロ!」
なんですよ。

そもそもはここのドメーヌは「ドメーヌ・クロ・デ・フォレ」では無いんですね。「ドメーヌ・ド・ラルロ」なんです。「ラルロのドメーヌ」なんですから、やはりラルロの畑に重きを置いているんじゃないかと思うんですね。
クロ・デ・フォレは重厚な肉をも思わせる味わいですが、クロ・ド・ラルロは「花」もしくは「花の集合体」です。まぁ、一旦閉じてしまうと硬いだけの時間が長くなるかもしれませんが、今、この「モン・デ・ゾワゾー」は滅茶素晴らしいですので・・是非飲んでみて欲しいと思います。
そして、2019年のド・ラルロに共通の、もう一つ重要な部分の写真を掲載させていただきます。

そう・・皆さんは余りやらないと思いますが・・お刺身+お醤油+オリーブオイルが滅茶美味しいんですね。
自然派的なアプローチのナチュラルさが、この余り相性の良く無いと思わせる取り合わせを・・難なくこなしてしまうんですね。ですので、この晩御飯は非常に美味しかった!楽しかったです。
香りも素晴らしいが縦伸びもしてくる見事なシャンボ・・いや、ニュイ=サン=ジョルジュ1級のモン・デ・ゾワゾーです。是非とも飲んでみて下さい。noisy的にはどんなに低くとも上値93ポイントは付けます!
以下は以前のレヴューです。
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【クロ・ド・ラルロ2018年に手が出なくてもモン・デ・ゾワゾーが有ります!大きな引けを取らない仕上がりです!】
旨いです~・・まぁ、1級ですから、美味しく無きゃダメですけどね。
1級クロ・ド・ラルロの例のミュジニーみたいな香水的アロマも健在です。そして、2017年も滅茶美味しかったモン・デ・ゾワゾーですが、そのエレガントさに「深み」がしっかり入り込んでいます。
なので、線の細さはもう感じず、以前のクロ・ド・ラルロよりも深く複雑な表情をしており、しかもしっかり早めに膨らんでくれる印象ですよ。
そして、感心したのは「エッジ」とか、「最後の最後」の部分です。ここが実に美しい!・・粗野さが全く無いんですね・・。ひらひらと白くちょっとだけ透けてそうなブラウスがそよ風に揺れているかのようです・・。
これ、確かにちょっと価格も上がってしまいましたが、それでもクロ・ド・ラルロの2/3近くのプライスですからかなりお得なんじゃないかと思います。美しい色ですよね~・・旨いです!超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
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【この色の濃淡の違いを是非ご覧ください!そして抜栓後15分のスワリングで現れる香水が如きアロマに是非触れてください。滅茶旨いです!】
こりゃぁ・・素晴らしいです!・・大昔の良き時代のクロ・ド・ラルロの面影を持ちつつ、より濃密なエキスを自然に抽出した、実に旨いニュイ=サン=ジョルジュ1級です。
どこか、「す~っ」とした透明感が有るのは昔からのクロ・ド・ラルロの特徴ですが、どこかクロ・デ・フォレの濃密さをも持っているようにも感じます。
それに加え、抜栓後10~15分から現れる香水香!・・まるで最上質なシャンボール=ミュジニー1級を思わせるような素晴らしいアロマです。こんな香りを出せるのは・・後はメオ=カミュゼ位じゃないでしょうか。いや、もっと力強いとか、むせるような・・とか、は他にもいらっしゃいますよ。でも、
「これほどまでに繊細でエレガントで香水的」
なアロマで狂わされるワインは、昔のド・ラルロにしか無いと思えてしまいます。
そう、造り手紹介のコラムにも書きましたが、noisy 的には、今のド・ラルロには、どこか違和感を持っていた・・と言えます。美味しいのは美味しい・・でも、
「・・ん~・・違うんだよな~・・」
と言う気持ちが拭えなかった。
でもその違和感がどこから来るものなのか、自分でも具体化できなかったんですね。単に「濃度の違い」だけでは言い表せない何かが有ったんです。それが2017年もののド・ラルロを飲んで、判った・・と言うか、思い出したと言いますか、理解できたんです。
「凄いアロマ!」
ですよ。
1990年台のド・ラルロは、素っ気ない・・リキミの無い・・味わいなのに、熟し始めると香水のようなアロマで魅了されたんです。
しかし、その時代は新樽100%~の時代で、樽っぽくて濃くて甘いピノ・ノワールが称賛された時代です。デュジャックの弟子筋のジャン・ピエール・ド・スメ氏は引退し、御大のジャック・セイスも引退して息子さんの代になります。デュジャックも「薄旨」の代名詞を捨て、「濃厚」に鞍替えして現在に至ります。
ド・ラルロも同様にやや抽出の強いワインへと鞍替えしてしまいました。その頃からの「違和感」だったんですね。
この路線、もう変更してほしく無いです。エレガント系だからこそ、このもの凄いアロマが生まれます。「モン・デ・ゾワゾー」はクロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの中間的な感じのワインだと思ってください。今飲んでも美味しいです!勿論、硬質さも有りますので長く持ちます。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は2015年のこのキュヴェのレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
━━━━━
【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



● 2021 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【滅茶滅茶美味しいド・ラルロの復刻!・・クロ・デ・フォレとクロ・ド・ラルロこそド・ラルロの看板だと・・再認識させられる見事な出来です!】

2020年もののクロ・デ・フォレは濃密でとても美味しいけれど・・クロ・デ・フォレと言う畑のテロワールや、ドメーヌ・ド・ラルロ的なものの表情は、その濃密さの中に埋没していたと・・
「今ならそう言える」
と感じます。
この2枚ずつの2020年もの、2021年もののグラス写真を見比べて、自分はどっちが好きだろうか・・どっちを素晴らしいと差を付けて感じるか・・そんなところに興味が生まれて来ないでしょうか。
noisy もこの・・何とも不遇な?ワイン屋商売を志して勉強にふけっていた頃はまだ幾分の若さも有り、その無知な自身でも何とかモノになるようにならないといけない・・と言うような切迫感から、様々なワインを飲んで来ました。
過熟気味に濃いピノ・ノワールも出始め・・確かにそれは迫力が有ってゴージャスで・・他を圧倒するポテンシャルを感じました。
しかし、それらもとても美味しいけれど、何か足りないんじゃないか?とも感じていました。ブルゴーニュ・ピノ・ノワールが持つ美しさ・・が損なわれているんじゃないか?・・と。
ですから1998年からネット販売を始め、単に品物を並べるだけのショップにはなりたくは無いと思っていましたから、常にテイスティングをし、自身こそが売りにならなければ将来は無いぞと・・思っていましたら、リアルワインガイドのテイスターとして拾われたんですね。
まぁ・・それからも、他人様とは違う切り口で「物申す」を続けましたから、色々と衝突も有った訳です。それでもやはり、美しいブルゴーニュ・ピノ・ノワールは素晴らしいと・・ご紹介を続けて今に至ります。
そんな頃に出会ったのがド・ラルロのエレガントなワインでした。

これほどに・・違う訳ですよ。目に映る景色が、本当に違います。
「・・ん?・・濃度は数分の一ほど?」
と思ってしまうかもしれません。
しかしながらエキスは滅茶濃い・・と言うか、フルです。そこから香ってくるアロマの質の高さ・・クラクラしてしまいます。
まぁ・・コート・ド・ニュイ=ヴィラージュのクロ・デュ・シャポー2021ほど、現時点では仕上がってはいないものの、飲み始めて10分ほどで・・このワインが持つ素晴らしいポテンシャルに・・誰もが気付くはずです。
まるでミュジニーのような超高域に伸び行く香水的なアロマ、グラン=ゼシェゾーやクロ=ヴージョにも感じられるエレガンスと重厚さまは高域~低域まで存在しているかのようです。
そしてクロ・デュ・シャポーにも感じる、超小粒のピノ・ノワールの見事な甘美さ、妖艶さが・・ほんのりと出てくる訳ですから・・もう・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールファンには堪らない!」
・・んですね。
リアルワインガイド第82号では、徳丸編集長も、
「高いけどマジに安い!」
と・・ちょっと意味不明では有りますが、その気持ちは伝わって来ます。
「ブルゴーニュファンなら飲まなきゃ損、損!」
な素晴らしい仕上がりの2021年クロ・デ・フォレです。美しく仕上がったエキスこそ命!・・それを素直に感じられます。是非飲んでみてください。今飲んでも素晴らしい時間を得られるでしょう。エレガンス万歳!のピノ・ノワールです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これを見れば一目瞭然!?・・ジェラルディンヌさんも2020年は濃密なクロ・デ・フォレに仕上げた!・・その訳は??・・】
決して「力任せに濃度を上げた」訳じゃぁ・・在りません。おそらくですが、これは収穫のタイミングが・・
「今!」
しかない・・ワンポイントでしか収穫できなかったためだと感じます。
このところは2020年もののブルゴーニュワインを結構に飲んでいますが、
「白ワインは2019年同様にいつ飲んでも行ける!」
感じがしますが、赤ワインは・・
「少し熟成させて方が良い・・が、ポテンシャルは2019年と同様か、超えることも有り得る」
と感じるんですね。
もう・・このグラスの色合いをご覧いただくしかないでしょう。2019年ものが「赤」を見せる「幅」と2020年のそれは結構に異なりますよね?・・2020年ものは、
「果皮が健康的で厚みが有った」
か、
「果汁が少なかった」
かの、どちらかしかない・・(^^;; そう思います。

果皮の割合の多い、濃密で強めのアロマを放出して来ます。とても健康的でピュア・・樽を使用しているはずですが、その樽の影響、余波を完全に飲み込んでいる元果汁の素晴らしさを感じます。滅茶複雑性が高く、起伏を感じる舌触りです。
出来栄えは・・造っている方とすれば・・もう今までで最高!・・と言うに違いないでしょう。エレガントな味わいが好きな noisy としては、現在のバランスはまだ仕上がり切っていないだろう・・と言わざるを得ませんが、それでもこの酸もしっかり有り、要素が抜群に多い味わいは、
「この先、枯れることが有り得るのか?」
とさえ思ってしまいます。・・まぁ、少なくともnoisy が生きている間に枯れることは無いでしょうし、5~10年後の味わいは素晴らしいに違い在りません。
リアルワインガイド第78号は、ポテンシャルで96ポイント付けました。今飲んで・・点は93+ポイントですから・・・そういうことなんですよ。
つまり、今飲んだら93+ だけれど、3年待てれば 96 ポイントまで伸びるよ・・と言うことですよね?
noisy 的には、3年で・・行けるかな?・・5年位、掛かりそうだけど・・とは思いますが、その辺は人それぞれですから・・。しかも、96ポイントは完全にグラン・クリュ並みです。ファルスタッフも95ポイントです。なので、
「今飲んだら1級最高峰、3年以上待てればグラン・クリュ並み!」
と思ってください・・(^^;;
何としても2万円を超えない価格を付けさせていただきました!・・厳しいですが・・おそらく1万円台のクロ・デ・フォレはこれが最後になるかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【彼女のキュヴェの中ではパワフルだが、ニュイ的なエレガントさとボディの素晴らしさを、最も表現出来た2019年は出色です!】
2019年もののド・ラルロのワインは今までとがちょっと・・
「色彩そのものが異なる」
ものですから、それを何とかお伝えしたいと、何度も写真を撮るものの・・結局気に入った写真が撮れていないことに後になって気付く訳ですね。
それでもこの一枚は、まだマシな方で・・す。
このグラスの写真の、「純粋な赤紫系の色合い」を、以前の写真と比較してみてください。2018年ものの写真がニュイ=サン=ジョルジュだとするなら、2019年ものは・・どう思われるでしょうか?・・ちょっとシャンボール、入って無いですか?
例えば、最近のメオ=カミュゼの素晴らしいニュイを飲めば、誰でも気付くはずなんですね。ニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの近辺にも、まるでシャンボールのような花の集合体のような素晴らしいアロマを表現できる・・と言うことを。
その良い代表が、ド・ラルロでしたらクロ・ド・ラルロです。
でも実は・・クロ・デ・フォレにもそれは有るんですね・・。しかしそれは今は完全に裏に回っています。熟を経て、良い状態になったクロ・デ・フォレにこそ、それは現れてくるんです。
今飲んでも美味しいですよ。彼女のワインの中では力強い方です。少し噛めるような肉的ニュアンスが有り、非常に深い・・底辺から湧き上がってくるようなエナジーを感じるワインです。2018年も美味しかったですが、2019年はそれさえも超えたんじゃないかと思います。
あの、ブルゴーニュに厳しいブルゴーニュ専門家?のアレン・メドゥズさんも、上値94ポイントでは有りますが、「heart」のマークを付けています。素晴らしいですが、出来ることなら少し置いて、
「ニュイにもある香水のような素晴らしいアロマ!」
を表に引っ張り出して楽しんで欲しいですね・・きっと出るはずです!超お勧め!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴュー
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【ものの見事なしなやかさ!そして果実の清楚さ!・・この20年で最もエレガントで、しかも欠損部分がまるで無いと言える素晴らしい味わいでした!】

こんな物言いをすると自信過剰だとか、他人の言葉を頭から聞かない・・などと揶揄されることになるかもしれない訳ですが、やはり自分にとっては、自分のテイスティングコメントや評価が一番しっくり来る・・と思っています。まぁ、どこにも間違いや書き損じ、形容詞の使い方が良く無い・・なども在るとしても、やはり嘘を言わない・・心にも無いことを絶対に書かないと決めているので、後になってから自分の書いたものを読み返したとしても、
「・・あぁ・・そうだった!」
と、素直に思えるんですね。そこだけかな・・少々でも誇れるのは・・。
そして、ド・ラルロのワインはもう、少なくとも四半世紀以上に渡って飲み続けているワインです。それなのに、
「毎年味わいの傾向が違う!」
のには驚かされますし、
「醸造家が変わると路線がかなり変更される!」
のも有りますし、
「醸造家が成長したり、ドメーヌに慣れてくるとまた変わる!」
ことにもしばしば気付かされる訳ですね。
で・・長くなってしまうと、
「そんな・・長い文章なんて、読みたくない」
と言われてしまいそうなので端折りますが、
「今のド・ラルロの味わいは、ド・ラルロの歴史の中で一番好きかもしれない・・」
とさえ感じさせてくれたのが2018年のこのクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュでした・・本当ですよ。
勿論、ジャック・ドゥヴォージュさんの、本当にまんまるでたっぷりなクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュも美味しかった!・・完璧だと・・思わされましたし、背筋がゾクっとしたのを覚えています。
でも、それが好きな味わいなのか?・・と聞かれますと・・そんなに単純な話しでは無いんですよね。
まぁ、ワイン屋ですから、どうしても二面性を持った飲み方をしてしまいます。自分の好みを抑え込んでテイスティングしている訳です。
でも、そうしつつも・・「我」や「素」を思い出させられてしまう局面に出会うことも有ります。そんな1本だったのがこのワインです。
決して濃くないです。クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・パワフルでしたでしょう?・・いや~・・2018年ものは、そんな面は無いですよ。
とても充実しているけれど過剰じゃ無いんです。過剰さがまるで無い・・と言った方が良いかもしれません。
以前は、
「クロ・デ・フォレは丸さとまとまりが出る5年ほどの期間を置くのがベスト!」
と感じていました。なので、お客様にも、「飲めるけれど・・それは覚えておいてね」と伝えていました。
ところがです。この2018年クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・美味しく飲めてしまうんですね。タンニンの突出などまるでなく、酸はヴォーヌ=ロマネ村のピノ・ノワールのように柔らかい・・です。
果実の感がとても精緻で美しいので、食の邪魔をすることが無いし、まるでヴォーヌ=ロマネのワインのような振る舞いをするかと思えば、最上質のニュイ=サン=ジョルジュが持つ、稀にしか出会えない「超エレガンス」に育って行くだろう・・と思えるような要素も見えます。
言ってみれば、「尖った部分のないやわらかさ」に加え、「ピノが持つ美しさ」が、このワインを今現在でも美味しく飲ませてくれる要素なのだろうと・・・勝手に結論付けていました。
この見事な味わいを造り出したのは「ジェラルディンヌ・ゴドー」さん・・でした。
確かに、あのジャック・セイスを彷彿させた90年代のド・ラルロの味わいも捨てがたいし、今のこの清楚で淑な・・もう少し90年代の味わいを上手に膨らませて来たかのような味わいも・・素晴らしいと思います。
これは是非とも!・・飲んでいただきたい見事なピノ・ノワールです。
因みにティム・アトキン氏も、ヴィノスのガローニさんも94ポイントで揃ってます。おそらくですが、
「パワフルさが少ない・・少し大人しい感じ」
をそのように評価したと思われますが、それはそれで正しいのかもしれない・・。でも飲んでいておいしいのはこんなワインに違い無いと感じています。
素晴らしい出来でした。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!
確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。
2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。
ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。
そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。
その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。
メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。
「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」
と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。
しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。
2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。
そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。
それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。
そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、
「こんな色合い」
です。
「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」
と言いたいと思います。
「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」
でもあります。
2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
━━━━━
【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2021 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【全く異なる二つの個性!濃密なクロ・デ・フォレとエレガントなクロ・ド・ラルロですが、濃密なヴィンテージのクロ・ド・ラルロ..相当良いはずです!】---2020年もののレヴューを使用しています。
なんで noisy は30年近くもド・ラルロを追いかけていたか・・と言えば・・クロ・ド・ラルロが大好きだったから・・です。ドメーヌ・デュジャックのジャック・セイスさんの弟子だったスメさんがやっていた頃・・です。ま~・・かのアドヴォケイトのPKさんったら酷評の酷いことでして・・あ、この人はこのエレガンスが判らないんだな・・と思ったものですが、でもそんな一方でデュジャックのワインには高評価を付ける訳でして・・「意味不明!」と感じていました。
クロ・デ・フォレの濃い目の色合いに引換え、クロ・ド・ラルロの淡い色の何とも心惹かれる色彩・・。92年などは・・滅茶薄かったと記憶していますが、そのエキス系のシミジミと伝わって来る味わいとアロマに・・やられちゃった訳です。
2020年ものはリアルワインガイドでも「濃い目」と書かれています。なので、
「濃い目のクロ・ド・ラルロも魅力的では?」
と思える方にお勧めしたいと思います。
今やクロ・デ・フォレよりも仕入が高くなっています・・世の中変わりますよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの2018年クロ・ド・ラルロによって、クロ・ド・ラルロは完成した!・・と言いたい素晴らしさです!】
「キャ~!」
と思わず声が出て来てしまうほど・・超繊細で美しいクロ・ド・ラルロでした!・・いや~・・これはジャック・ドゥヴォージュでも出せない表現だな~!・・と。
「・・少しミュジニーかロマネ=サン=ヴィヴァン、入ってます?」
みたいな・・香水的アロマがほんのり。
「土臭いニュイ=サン=ジョルジュ?・・そんなのどこにも・・無い!」
と言いたくなってしまうほど・・素晴らしいです。
そして樹齢が上がった性でしょうか。か細さを時折感じさせたクロ・ド・ラルロでは有るんですが、そんな「弱さ」は無く、ディテールの端々に細やかで丸いエッジが感じられるんですね。
これ、メオ=カミュゼのニュイ1級を飲むと感じられるんですが、ミュジニーが持つ物凄い芳香をも、少しですが内包されているような・・それこそがむしろ、プレモー=プリセの1級群の特徴の一つでは無いか?・・などと感じ始めています。
単にエレガントでは済ませられない仕上がりの良さ・・でしょうか。これは滅茶美味しい!・・と思わされてしまいました。
今飲んでも、飲めなくはないですよ。アラン・メドゥーズさんは2028年以降・・と言ってますが、まぁ・・当たりだとは思います。しかし、飲めなくは無い・・美味しく飲めます。
そしてポイント的には山本さんの94点。これがピッタシカンカン(古っ!)。いや~・・久々に超絶に旨いクロ・ド・ラルロを飲ませていただきました!・・・それに、12本も入荷したのは久しぶりです。これは是非飲んで欲しい!・・クロ・デ・フォレは8月に15000円台で行けそうでは有りますが、その前にこのクロ・ド・ラルロで2018年のジャルディーヌさんを・・いや、
「ゴドーを感じながら」
飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
円形劇場のようなクロのカキの貝殻を含む泥灰岩、プレモー石灰岩、白色魚卵状石灰岩の交じる土壌から。ラズベリー、レッドチェリー、リコリス、デリケートで、甘やかな赤系スパイスが立ち上がる。しなやかなタンニン、ヴェルベッティなテクスチャー、ほのかな青さが精妙なタッチを加え、生き生きした酸がフレッシュ感を与えている。うまみの乗った味わい、グリップのあるフィニッシュ。
ワインリポート 山本氏
以下は以前のレヴューです。
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【超繊細系ニュイ=サン=ジョルジュの中で最も繊細なクリマ!】 このところは全然飲めないクロ・ド・ラルロ・ルージュです。今回はやや多めとは言え、やっと1ケースの入荷です。無理をすれば飲めるんですが、この位の入荷総量ですと、予算的に今回のテイスティング分が上限になってしまいます。まぁ、ワイン屋さんでも全アイテムをテイスティングで開けられるところはまず無いと思いますが・・。
クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの2017年ものの色合いをご覧になられて、
「薄い・・なぁ・・」
と思われたかもしれませんが、まぁ、間違いなく、クロ・ド・ラルロはもっと薄いです。90年台のクロ・ド・ラルロなんて、さらに薄かったです。ジャック・セイスが全盛の頃のデュジャックも、
「ロゼか?」
と知らない人が尋ねるほど・・薄かったですが、エキスが濃いんですよね。そしてクロ・ド・ラルロは同様に薄く、しかもクロ・デ・フォレに比較しても、さらに「ドライ」です。
でも早く熟すので、2~3年で非常に美味しくなるんですが・・実は滅茶、超熟でも有ります。1992年のクロ・ド・ラルロなんぞ、滅茶苦茶旨かったですよ。デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュは高価でしたが、古いクロ・ド・ラルロは安かったですから。それに、その頃のエージェントさんは、結構に「古い在庫」をお持ちでした。なので、
「選び放題!」
の時代だった訳です。今考えると良い時代でした。
2017年は、そんな1990年台のド・ラルロに良い意味で「回帰しはじめた」と言えると思います。ただ昔に戻すのではなく、さらに良く観察し、畑の個性を見極めています。エキスはさらに濃密になっています。反対に単純な濃さが減りつつあります。
「ドライなエキスの非常に香るニュイ1級!」
だと思ってください。まぁ、周りは白葡萄が沢山植わっている土壌ですから・・そうなるのは当たり前では有ります。(ジェルボット2017年もテイスティングしていますが、これまた凄い仕上がりでした!)
クロ・ド・ラルロの若木で仕込んだモン・デ・ゾワゾー2017年があれだけ香るんですから・・クロ・ド・ラルロはとんでもないことになっているんじゃないかと推測しています。
是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】
どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2021 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【リアルワインガイド第82号はポテンシャル97ポイントまで付けていますが、ついに畑のポテンシャルを最大限に発揮できるようになったと想像します。】
海外メディアの評価を見ると、単純にド・ラルロの2020年と2021年を比較するなら、ほぼ同じか、もしくは2020年が2021年を上回った評点を出しています。
ですので、
2020年 ≧ 2021年
です。
しかしながらリアルワインガイド第82号は、ほぼ真逆の評価をしていまして、
2020年 ≦ 2021年
です。2021年ものがほぼ確実に2020年を上回っている・・との評価ですが、noisy もそのリアルワインガイド第82号の評価を支持します。
まぁ・・昨今のブルゴーニュワインは・・しょっちゅう言ってますが、30年前以前に比較すると「甘くボリューミーで濃厚」です。残糖的な甘みは余り感じなくても・・そこそこに残糖は有ります。
しかし幸か不幸か、2021年ものは・・余分な甘みをわざわざ残せる葡萄の糖度には達しなかったはずで、そのことが・・畑のポテンシャルやテロワール、そして造り手の個性さえも・・見渡し易いヴィンテージになったと思うんですね。
海外メディアは、この20年でブルゴーニュワインに高い評価を与えるようになって来ました。言ってみれば、「甘くボリューミーで濃厚」なワインに高い評価を付けたと・・ただそれだけなのかな・・と言う気もして来ます。
その甘みはその他の表情とのバランスも有りますから、そのバランスが良く無ければ高い評価は出ません。しかし余分なものが少なければ、その仕上がりは多様な方向性を持ち辛いはずで、言ってみれば、
「なるようにしかならない」
部分をかなり持つはずなんですね。
その・・余分なものが無かった2021年ものが、これほどに素晴らしい表情を見せる・・と言うことは・・一体どういうことなのか?・・と考えてみると、
「なるようにしかならなかった姿が本当に素晴らしかった!」
と言うことですから、
「これぞ真の姿」
と言うことだと思います。
リッシュブールの北東に道を挟んで接する、1級レ・スショの上部です。リアルワインガイド的にも史上最高の評価を付けた2021年もの、是非ご検討くださいませ。
【ロマネ=サン=ヴィヴァンと1ポイント差なら、2018年はレ・スショと言う選択肢も有りかもしれません。】 ニール・マーティンさんは2ポイント差を付けましたが、バーガウンドのメドゥズさんとワイン・リポートの山本さんは1ポイント差。
これって・・どうなんだろ?・・と思ってしまうんですが、根本的にはレ・スショはレ・マルコンソールには叶わない・・と思ってまして・・いや、あくまで自身の感覚的なものですが、だとするなら、1ポイント差ってかなり微妙な評価だと思うんですね。
するとロマネ=サン=ヴィヴァンが大したことが無くてレ・スショがいつもより凄い出来で・・と考えるか・・いや、でもロマネ=サン=ヴィヴァンは上値97ポイントも有るのでそれは無いだろう・・とするなら、もし、ド・ラルロが他の優れた1級畑をリリースしていたらどうなるか?・・などと考えてしまうんですね。
まぁ、自分の中では・・レ・スショ2018年が良い出来だった性で、余りバランスは考慮せず、単純にポテンシャルを図ったと言うことにしておきました。
以下は以前のレヴューです。
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【評論家さんたちの評価はまだ揃いませんが、彼らがどう評価するか、興味津々です。】 2017年のド・ラルロの驚異的な香水のようなアロマをどう評価するのか、もしくは「出来るのか?」を見てみたいと思っています。
徳丸さんは、
「2017年のラルロは、日本人には受けるが海外メディアは大して評価しないかもしれない」
のように書いています。
noisy も同様に思います。しかし、稀にめちゃ繊細な神経をお持ちの方もいらっしゃいますし、そのような方はまた、それまでの「しがらみ」みたいなものを持ち合わせてない場合が多いので、
「どう評価するか?」
で、noisy もその方々を評価できちゃうんですよね・・。
「あ、・・こう言うのはこの人、判らないんだな・・」
と判断する訳です。
でも、実はこれ、しょっちゅうやってまして、ご来店の方にワインをお選びする際などにね・・。いや、勿論この場合は、判らないんだ・・なんて思いませんよ。そこは、「好みじゃないんだ」と置き換わります。お客さんはそれで良いんですね。
でも、ワインのお勉強がしたいとか、エキスパートを目指している・・というようなお客様には、「好みじゃない」じゃ済まさないですけどね。
ド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンがロマネ=コンティ直下なら、このレ・スーショはリッシュブール直下の良いところに有ります。美味しく無い訳が無いです。
今回は1ケースちょっといただけたので、飲んでご案内しようと思ったんですが、このペースでテイスティングするのが勿体無いような気がしてしまいまして・・まだ飲んでいません。
2017年のド・ラルロ・・・エレガントで物凄いアロマです。ロマネ=サン=ヴィヴァンは高過ぎて手が出ないにせよ、ここは必ず押さえておきたいところだと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】
2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2021 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【ついにド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンもリアルワインガイドでポテンシャル100ポイント達成です!!】
2021年もの、海外勢は下げに転じ、リアルワインガイドは上げました。流石ですね・・
余りに美味しい2021年クロ・デュ・シャポーを飲めば、誰でも・・
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワールに濃さは不要!」
と・・感じると思いますよ。
余分なものが有ればダレる原因です・・無い方が良い・・と。
ここのロマネ=サン=ヴィヴァンはもう、すぐそこがロマネ=コンティです。クロ・デュ・シャポー2021年にさえ・・D.R.C.的なものを感じてしまいましたから、こちらはもうビシバシ・・来るんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第78号はなんと、ポテンシャル99点!・・まぁ・・ロマネ=コンティ真下の畑ですから、順当に仕上がった証拠なのでしょう!】 まだ3万円ほどだったころが懐かしい感じがします。この辺りはもう・・手の出しようが無い・・と言うか、ご紹介できるだけ有り難いと言うことになってしまったのかもしれません。
このロマネ=サン=ヴィヴァンもしかり、ラ・グランド・リュしかり・・1級のレ・ゴーディショなどもそうですし、言ってみればラ・ロマネもクロパラも・・DRC の1級ヴォーヌ=ロマネも・・ということなのでしょう。今ではもう入手さえ困難になりつつあります。
まだ深く考えずに呆けることも可能だった平和を享受できた時代は過ぎ去り、混沌の中でどう生きるかを問われているような気もします。そんな中でひと時の安らぎを大切な仲間と過ごせる時間・・今よりももっと貴重になってくるのかもしれません。少しでもお役に立てれば幸いです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリスさんはきっと気付いているんでしょうね・・でも何でニュイ=サン=ジョルジュ系の評価が高くは無いのが今ひとつ判りません。】 飲んでませんが・・ジャスパー・モリスさんは上値98ポイント。絶好の場所にある、ロマネ=サン=ヴィヴァンの中のロマネ=サン=ヴィヴァンですから、あのブルゴーニュのトップの畑に見事に接している、あの畑のワインのアロマ・・。もうnoisy もしばらく飲んでいませんが、一度そのグラスに向き合ってしまったら、きっとしばらくは身じろぎひとつ出来なくなるかもしれません。
この先は価格は上がる一方だと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ロマネ=コンティに接する絶好のロケーションから、最もリーズナブルと言えるロマネ=サン=ヴィヴァンです!】 ニール・マーティンさんは上値97ポイント、いつも厳しいアラン・メドゥズさんは上値94ポイントでした。ワインリポートの山本さんは96ポイントで、
「・・なんか、判る・・」
と一人悦に入ってます。
ロマネ=コンティは買えないにしても、モロに真向かいですから・・はい。絹漉しのテクスチュアの雅で荘厳なロマネ=サン=ヴィヴァン・・・お宝です。
以下は以前のレヴューです。
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2017年のド・ラルロは半端ないです。ド・ラルロを知っているなら、この20年で最高の仕上がりと言って良いはずです。
「ブルゴーニュワインはただ濃いだけじゃダメ」
それは誰しもが認識していることでしょう。ロマネ=コンティは濃いのか?・・いや、濃密な一面を見せるかもしれないが決して濃いワインでは無い。ラ・ターシュはどうなのか?ラ・ロマネは?ラ・グランド・リュは?・・と問えば、その答えは歴然としています。
リアルワインガイド第66号を読むと、ジェラルディーヌ女史は過労で入院中で会えなかったと書いてありました。また、2017年と言うヴィンテージが「力のヴィンテージではない」と評しています。
noisy的には、勿論、ヴィンテージの背景もあることは重々承知しつつも、ジャック・ドゥヴォージュによる畑の調査、緻密な醸造から、ジェラルディーヌ女史による感性のワインへと変貌しつつあるものが花開きつつあるんだ・・と言う理解をしています。
もう、クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの香水のような素晴らしいアロマにぞっこんですが、それがロマネ=サン=ヴィヴァンになっちゃったらどうなってしまうのかと・・きっと飲むチャンスはないでしょうが・・
ちなみにリアルワインガイド第66号はポテンシャル96+ですが、
「得点は97点でも、98点でもあります。」
と、ぶっちゃけちゃってます。
で、「とんでもない香り」だそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】
まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
● 2005 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【出て来たシリーズ、お得です!】
2005年と良いヴィンテージが出て来ました。今、まともに購入できても相当高いと思います。
キャプスュルは回ります。色合いも芯が有り、エッジのオレンジが美しいです。1本だけ・・です。貴重な1本ですのできちんと飲んであげてくださいね。
いかは最近のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2020 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【2016年日本初登場のオート=コート白です!】...すみません、2本だけの入荷です。レヴューは以前のものです。
すみません、飲んでないので何も言えません3本のみの入荷です。ワインリポートの山本さんは以下のような評価でした。ご参考までに。
プレモー・プリセのクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュの上の標高400mの0.66haの単一区画から。石の多い土壌に白と赤が混植されている。2019年8月に瓶詰めした。白い花、柑橘、レモン、フレッシュで、おおらかなテクスチャー、アプローチャブル。87点。
● 2020 Cote de Nuits-Villages Blanc au Leurey
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・ブラン・オー・ルーリー
【3本のみの入荷です。】---以前のレヴューです。
もっと増やしてくれと頼んだんですが、増えて3本ですので・・どれだけ入荷が無いのかが判りますよね。
飲みようが無いのでどうしようも無いんですが、2017年ものをリアルワインガイド第66号で徳丸さんは、
「17年の白ワインはこれだけで良いんじゃないかと思ってしまう」
とおっしゃられています。それほどの出来なんでしょう・・なんせ、ポテンシャル91点も付いちゃってますから・・。
それに2019年ものは、ヴィノスも上値91ポイントですから、ようやっと海外メディアもリアルワインガイド並み評価に追いついて来た?・・のかもしれません。ご検討くださいませ。
● 2020 Nuits Saint-Georges la Gerbotte Blanc
ニュイ=サン=ジョルジュ・ラ・ジェルボット・ブラン
【もうひとつの「クロ・ド・ラルロ」を若木のキュヴェで是非とも味わってみて下さい!】---以前のレヴューです。申し訳在りません。

2018年もののジェルボットもそうでしたが、すでに「プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ」を名乗っても良い・・とすら感じさせる密度の高い味わいになっています。
勿論ですが、単に樹齢が上がった・・・92~93年頃の植樹でしょうからすでに30年近い樹齢の関与が大きい訳です。でもそこには、自然派なアプローチで根が地中深く入り込んでいると言う事実と、ジェラルディーヌさんの巧みさが有ると思っています。
柑橘系果実、果実がしっかり分厚く石灰系ミネラリティの上に乗っています。ほんのりとバリックの香りは有りますが、強いものでは有りません。徐々に伸びて膨らみを持つボディと、やや筋肉質な本性が感じられます。
ジェルボットを造り始めた頃は、
「・・ん?・・こんなにシャバイ感じで・・大丈夫かぁ?」
と疑問さえ浮かんだほどでは有りましたが、その後、数年経過したジェルボットをテイスティングしてみると、リリース頃のシャバさは消え、マッタリとした風格のある高級シャルドネに変貌していたことを思い出します。
すでにクロ・ド・ラルロ・ブランの1級格を名乗っても良いんじゃないかとさえ思える程の出来でした。ALLEN MEADOWS /BURGHOUND はクロ・ド・ラルロ・ブランに(91-93) / 2023~2035 と言う評価をしていますが、90~92 Points ほどはジェルボットも有りそうに思います。(ジャスパー・モリス氏の評価は厳し目ですが・・)是非飲んでみて下さい!お勧めします!とてもリーズナブルだと思います。
以下は以前のレヴューです。
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【以前のクロ・ド・ラルロ・ブランとそん色の無い見事な味わいです!】
「コース変更、しましたか?」
と言いたくなるような、見事なジェルボットでした!20年前に飲んだクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同じような印象ながら、
「マッチョな部分を超繊細に!」
と言うような、クロ・ド・ラルロ・ブランとは仕上げのコースが異なるだけ・・と言うような感じです。
むしろ2017年ものは、クロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ見分けが付かないような感じだったんですが、2018年ものは、冷涼で繊細なシャルドネ・・筋肉質系?・・と思える味わいです。
これ、相当に旨いです!・・ミネラルが物凄いムルソーや果実が豪奢なピュリニー=モンラッシェとも異なるニュイのシャルドネを見事に現わしていると思います。勿論、ピノ・ブラン的な中抜け感はゼロ!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S.因みにワインリポートの山本氏は91ポイントでした!
以下は以前のレヴューです。
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【目の詰まった見事に豊満なシャルドネ!ピュリニー的な美味しさを満載しています!】
久しぶりのラ・ジェルボットです。仕入れたのは2006年以来?・・かもしれませんので、約12年間、無視することになってしまいました。
何せこのラ・ジェルボットはクロ・ド・ラルロ・ブランの若木でして、
「あの素晴らしいクロ・ド・ラルロ・ブランのセカンドだから旨いに違い無い・・」
と思って仕入れた2005年ものが、ものの見事に「シャバい」味わいで・・もうガッカリしてしまいました。2006年ものは確かアソートでしか買えなかったので、仕方なく仕入れたのかな?・・と思います。その後は「ラ・ジェルボットは拒絶」して現在に至ります。
まぁ、そうは言っても当初は全然売らなかった2005年ラ・ジェルボットも数年後に開けてみると、クロ・ド・ラルロ・ブランと同様に深みを見せることが確認できましたので、ネットのページにブティーユ、ハーフともアップしておりましたら無くなっちゃいました。
「いい加減・・ラ・ジェルボットも樹齢が上がって旨くなっているんじゃないか?」
と言う気持ちと、
「2017年は良さそうな年だし、2017年こそド・ラルロはチェックしないといかんかな?」
と言う思いが錯綜したので、そこそこは仕入れさせていただくことにしました。で、早速・・飲んでみると・・これがかなり素晴らしいんですね・・。
以前のシャバ~い、緩~い感じは全く無し。半透明フィルム風のミネラリティに包まれた黄色や白の果実がナチュラルっぽいアロマとしてスピード感を持ち感じられます。ほんのりとトースティーさのある樽由来のアロマがトッピングされ、しかしそれもシツコク無く、気持ち良いです。樽の要素に負けないだけのパワーが有る・・と言うことですね。
口内に入るとまずはマッタリ・・オイリーです。そこから柑橘系フルーツがたっぷり解けて来ます。すごく良い・・好印象です。滅茶ゴージャスです。中域もふっくらと膨らみ、そのまま果実の放出を感じながら粘りのある余韻に入ります。
「・・あれ・・これじゃぁ全くのクロ・ド・ラルロ・ブランじゃん?」
と思えるほどのパフォーマンスに驚きを感じました。
たかだか10年ちょっとでここまで来るか・・と、驚きを隠せませんでした。うちの庭にあるピノ・ノワールも結構な年を重ねて来ましたが、未だにまだまだ・・でして、この先はどうしようかと悩んでいます。やはり、病害虫にやられてしまいますんで、少なくともボルドー液位はあげないと収穫できないなぁ・・と。
ま・・これほどに素晴らしいとなると・・皆、飲んじゃいますね。カミさんも息子も何も言わずしっかり飲んでしまっています。
個人的な印象ですと、2000年頃のクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同一なニュアンスです。その頃はクロ・ド・ラルロ・ブランはまだ6千円ほどだったかと思います。ただし、届いた直後はもっと締まっていた感じです。このラ・ジェルボットは、今飲んでも充分に旨いですが、樽が完全に溶け込む3年後からはほぼ全開で飲めるでしょう。それに20年はしっかり持つと思います。
クロ・ド・ラルロ・ブランはそれなりに高価になってしまいました。コート・ド・ニュイの白ワインと言えば、ミュジニー・ブランかクロ・ブラン・ド・ヴージョか、ニュイ=サン=ジョルジュ・ブラン位しか無かった訳です。また、アンリ・グージュのピノ・ブランもこのニュイ=サン=ジョルジュなんですね。それだけ歴史の有るニュイ・ブランです。
滅茶オイリーで非常に厚みのある果実主体のシャルドネでした。非常に美味しいです。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
● 2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【ジェルボットを飲めばおのずと「どのくらいの仕上がりか」は判るはず・・もう一つの「クロ・ド・ラルロ」です!】---以前のレヴューです。
もう、クロ・ド・ラルロ・ルージュも、クロ・ド・ラルロ・ブランもそう易々とは飲めない状況になってしまいましたね。価格もきっとそうではありますが、数が何しろ無い・・・ので、noisy もまた、この何年かは飲めていません。
でもクロ・ド・ラルロですから・・。飲んだことが有る方は、きっとこの畑の素晴らしさをお判りいただいていることでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【今回はまだ飲んでいません・・が、リアルワインガイド第66号はポテンシャル93+、もしくは、94点でも良いとのこと!】<--2017年もののレヴューです。
すみません、飲めてません。しかし、若木のラ・ジェルボットがもう・・昔のクロ・ド・ラルロ・ブラン並みになっちゃってますからね。根が深いところまで伸びているはずのこちらのキュヴェは、さらにミネラリティが高く、やや硬質に感じられることでしょう。
このコラムでも何度も申し上げていますが、5年経ったクロ・ド・ラルロ・ブランは激変します・・。その際に評価するとなると、当然ながら評価は上がってしまうものです。
透明なミネラル感に満ち溢れた果実たっぷりのシャルドネです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2020 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【少な過ぎて飲めませんでした。すみません。】--以前のレヴューを使用しています。2本だけです。
--以前のレヴューです。
【アラン・メドーズはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2020 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【やっぱりクロ・デュ・シャポーはクロ・デ・フォレにそっくり!・・どして?】

今飲んで美味しいクロ・デ・フォレ...と言いたくなるような、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュです。
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うのは、村名そのものを名乗ることが出来ない村名ワイン..です。もし、
「ニュイ=サン=ジョルジュに接するコンブランシアンがニュイ=サン=ジョルジュを名乗れる!」
ことになったら・・ニュイ=サン=ジョルジュ村名です・・ならんでしょうけど。
僅かに涼やかで、少しだけライトなクロ・デ・フォレだと思って飲んだら、まぁまず間違いないんじゃないかと思いますよ。出来も非常に良いですし、むしろ現状のテクスチュアはクロ・デ・フォレよりも滑らかかもしれません。
まぁ、2017年もののクロ・デュ・シャポーの写真をご覧くださいよ・・2018年ものでも判りますよね。

「全く色相が違う!」
と言いたくなるような違いが有りますよね?
2019年ものは、それでもヴォーヌ=ロマネ辺りを中心に、ミルランダージュの影響で濃い目で酸の優しいワインが生まれました。
でも2020年ものは・・むしろ、
「奇跡的に天候が回復して、奇跡的に出来の凄いワインが出来た!」
と覚えておくのが正しいと思うんですね。
ここ一発の収穫時期を逃さず、一気に収穫して仕込んだ・・その結果、濃密でエキスたっぷりの「奇跡的なワイン!」が生まれたんだと思います。その成果はドメーヌ・ド・ラルロの場合、このクロ・デュ・シャポー2020で検証出来ます。
ですので、もしクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ2020をセラーで育むとしたら、適度な時期にこのクロ・デュ・シャポー2020を開けてみる・・そうしますとクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ2020を楽しく飲める(かもしれない)んじゃないかと思います。
2020年は、一時諦められた時期さえあった・・と言います。しかしながら仕上がったワインは、造り手たちが舞い上がってしまうほど「大きなワイン!」になった・・そんなヴィンテージなんですね。是非飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【僅かにライトなクロ・デ・フォレ・サンジョルジュ的な深~い味わいです!・・アロマの柔らかさも素晴らしい!】
2019年ものの出来の良さか、それとも彼女のセンスが素晴らしいのか・・は未だに判断付きませんが、おそらくその両方なんでしょうね・・。見事な仕上がりの「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」です。
印象はほぼほぼクロ・デ・フォレに近く、みごとに豊かで丸い味わいをしています。ジェラルディーヌさんのワインの中では力強い方です。もっともそれでも他と比較するとやはり、「エレガント系だ」と言うべきだと思います。
10年前のド・ラルロのワインに在った「硬さ」は無く、見事に自然派的にソフトでフカフカしたテクスチュアです。タンニンも非常に質が良く、ドライな味わいのピノ・ノワールに、むしろ甘みに近いものを感じさせてくれます。
色合いも素晴らしいでしょう?・・だいぶ寄って撮ってみましたが、この「官能さ」が伝わって来るでしょうか?・・深い複雑な果皮のアロマにクラクラ来ちゃいますが、これもまたクロ・デ・フォレ的です。非常にリーズナブルなキュヴェだと言えますし、ジェラルディーヌさんがド・ラルロに来てくれてよかった・・と素直に思えると思います。ご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントさに深みと優しさをプラスした見事な準村名格?です!】
まぁ、準村名と言うよりも村名・・ですね。あくまで村名ワインですが、村そのものを名乗れないニュイの村を一つのアペラシオンにしたのがコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです。
ジェラルディーヌさんの2018年ものは全て「一貫」しています。エレガントさと豊かさを両立させた上で、とてもエレガントで有り、端々が見事に柔らかく丸く、単にエキスの味わい・・と一言で片付けてしまうのが勿体無い仕上がりです。
2017年ものよりも熟して充実した色合いをしていますが透明感は全く失われず、アロマの上りも早く、滑らかです。
因みにワインリポートの山本氏は以下のように評しています。
クラッシュしたストロベリー、レッドチェリー、バラの花芯、しなやかなテクスチャー、心地よいタンニンがミネラル感に富む果実と統合されている。全房発酵からくるスパイシーなフィニッシュにうまみがにじむ。90点。
ん~・・とても良い感じの評価だと思います。単に果実だけではなく、フラワリーでも有るんですね。とても良い出来!・・2018年のドメーヌ・ド・ラルロは買いだと!・・お勧めします。是非ともご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これで充分!!2017年のド・ラルロはピノ・ノワール・ファン必飲ですが、これを飲めば全てが判る・・かも!・・(^^;;】
この色合いですよ・・嬉しいですね~・・これだから滅茶薫るんですよ・・香水のようなアロマが!・・でもまだ濃いかなぁ・・。
2017年もののド・ラルロのテイスティングは、このクロ・デュ・シャポーから始めました。オート=コートのキュヴェは2本とかのふざけた数しか入荷してませんので、飲みようが無いんです。
ちなみに・・ですが、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うアペラシオンは、「ヴィラージュ」と付くことで判りやすいかと思いますが、「村名格」です。
単独の村名を名乗れないニュイ近辺の村のワインは、この格を名乗れます。言わば、
「コンブランシアン」
と言う村名ワインと・・そんなA.O.C.は無いですが、思っていただければと思います。ここは、ニュイ=サン=ジョルジュを構成するニュイ=サン=ジョルジュ、そしてその南にあるプレモー=プリシーの、南に接する村です。
で、早速飲んでみて・・見事に淡い色合いからの濃密ドライなエキスはぷっくりと丸みを帯び、柔らかでスピードのあるアロマが飛び出してきました。
「・・あれ・・?この感覚って・・」
そう・・大昔のド・ラルロのワインに感じたものに近いんですよ。そして昨今は余り感じることの無かった強烈なアロマが出て来たんです。
そうそう・・ブルゴーニュワインって・・こうじゃ無きゃ!
濃くて甘くてややボタッとして切れがイマイチなのも余韻に引きずられて美味しいけれど、何か違う・・と反応してしまうんですよね。2016年ものも美味しかったですよ。こっちの方に寄ってくるような感じが・・すでにしていました。2015年ものにもそれは少しだけ有りました。2014年ものには有りませんでした。2013年ものは、ヴィンテージの背景で淡くなったと思っていました。2012年ものは・・いや・・もう止めておきます・・(^^;;
この2017年もののド・ラルロは絶対に飲まなければいけない・・と思います。だから無理やりにも・・そう仕向けてしまいます。でもそれで皆さんも幸せになれると信じています。
「濃いだけじゃだめ。」
「薄いだけでもだめ。」
なんです。
ミネラリティをしっかり取り込んだ葡萄をしなやかに醸造することのみにより、この素晴らしい香りと味わいが生まれます。
今飲んでも納得していただけるでしょう。数日休養を上げてください。そして確かめてください。もしそれで素晴らしいと感じたら、さっさと押さえに掛かりましょう・・まだ2017年のド・ラルロが残っていれば・・ですが・・。
実は、アレックス・ガンバルと言うネゴスは、noisy的には・・余り・・でした。なので、当初はジャック・ドゥヴォージュが居なくなると言うので残念に思っていました。もうド・ラルロは復活しないんじゃないかと・・どこかで昔のド・ラルロを心待ちにしていたんだと思います。
でも、ジェラルディーヌ・ゴドーさんが入り、こっちに向かってきているような感覚が有りました。あのラ・グランド・リュのフランソワ・ラマルシュもそう・・。
2010年以前は・・もう全然眼中になかったです。それが、2011年頃から徐々に煌めき始め、その頃から扱わせていただき、滅茶「薄旨」の2013年を経て、今やもう完全復活・・です。そして、ラマルシュのワインも全然濃くない・・だけれども滅茶美味しいですよね。
こっちに・・向かってきていると確信しています。是非確認、お願いいたします。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
【素晴らしいです!・・ミュxx-とは言わないが、それ的な香水ごときアロマと繊細な味わいにノックアウトされました~!】---2019年もののレヴューです。

これ、滅茶旨いです~!・・繊細ですね・・しなやかですね・・香水的な雅なアロマが素晴らしいですね・・。思わず寄り過ぎてしまいまして、何が何だか良く判らない写真が1枚目ですが、
「色合いの淡さ」
がお判りでしょうか。ちょっと、「クロ・ド・ラルロ」を思わせる色合いかと思うんですね。ちょうど濃密なクロ・デ・フォレとは対照的です。
その上で、2019年のモン・デ・ゾワゾーは、まるで薫り高い系のシャンボールを思わせるような・・もしくは・・ここまで言って良いかどうかは微妙だとしても、ロマネ=サン=ヴィヴァン系の素晴らしい香水系アロマが、繊細にノーズを掻きまわしてくれるんですね。
ですからその辺りのアロマにすぐやられてしまうような・・それ系に弱い方は、ちょっとヤバイです。
「こんな香りが有る、出てくるのがクロ・ド・ラルロ!」
なんですよ。

そもそもはここのドメーヌは「ドメーヌ・クロ・デ・フォレ」では無いんですね。「ドメーヌ・ド・ラルロ」なんです。「ラルロのドメーヌ」なんですから、やはりラルロの畑に重きを置いているんじゃないかと思うんですね。
クロ・デ・フォレは重厚な肉をも思わせる味わいですが、クロ・ド・ラルロは「花」もしくは「花の集合体」です。まぁ、一旦閉じてしまうと硬いだけの時間が長くなるかもしれませんが、今、この「モン・デ・ゾワゾー」は滅茶素晴らしいですので・・是非飲んでみて欲しいと思います。
そして、2019年のド・ラルロに共通の、もう一つ重要な部分の写真を掲載させていただきます。

そう・・皆さんは余りやらないと思いますが・・お刺身+お醤油+オリーブオイルが滅茶美味しいんですね。
自然派的なアプローチのナチュラルさが、この余り相性の良く無いと思わせる取り合わせを・・難なくこなしてしまうんですね。ですので、この晩御飯は非常に美味しかった!楽しかったです。
香りも素晴らしいが縦伸びもしてくる見事なシャンボ・・いや、ニュイ=サン=ジョルジュ1級のモン・デ・ゾワゾーです。是非とも飲んでみて下さい。noisy的にはどんなに低くとも上値93ポイントは付けます!
以下は以前のレヴューです。
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【クロ・ド・ラルロ2018年に手が出なくてもモン・デ・ゾワゾーが有ります!大きな引けを取らない仕上がりです!】
旨いです~・・まぁ、1級ですから、美味しく無きゃダメですけどね。
1級クロ・ド・ラルロの例のミュジニーみたいな香水的アロマも健在です。そして、2017年も滅茶美味しかったモン・デ・ゾワゾーですが、そのエレガントさに「深み」がしっかり入り込んでいます。
なので、線の細さはもう感じず、以前のクロ・ド・ラルロよりも深く複雑な表情をしており、しかもしっかり早めに膨らんでくれる印象ですよ。
そして、感心したのは「エッジ」とか、「最後の最後」の部分です。ここが実に美しい!・・粗野さが全く無いんですね・・。ひらひらと白くちょっとだけ透けてそうなブラウスがそよ風に揺れているかのようです・・。
これ、確かにちょっと価格も上がってしまいましたが、それでもクロ・ド・ラルロの2/3近くのプライスですからかなりお得なんじゃないかと思います。美しい色ですよね~・・旨いです!超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
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【この色の濃淡の違いを是非ご覧ください!そして抜栓後15分のスワリングで現れる香水が如きアロマに是非触れてください。滅茶旨いです!】
こりゃぁ・・素晴らしいです!・・大昔の良き時代のクロ・ド・ラルロの面影を持ちつつ、より濃密なエキスを自然に抽出した、実に旨いニュイ=サン=ジョルジュ1級です。
どこか、「す~っ」とした透明感が有るのは昔からのクロ・ド・ラルロの特徴ですが、どこかクロ・デ・フォレの濃密さをも持っているようにも感じます。
それに加え、抜栓後10~15分から現れる香水香!・・まるで最上質なシャンボール=ミュジニー1級を思わせるような素晴らしいアロマです。こんな香りを出せるのは・・後はメオ=カミュゼ位じゃないでしょうか。いや、もっと力強いとか、むせるような・・とか、は他にもいらっしゃいますよ。でも、
「これほどまでに繊細でエレガントで香水的」
なアロマで狂わされるワインは、昔のド・ラルロにしか無いと思えてしまいます。
そう、造り手紹介のコラムにも書きましたが、noisy 的には、今のド・ラルロには、どこか違和感を持っていた・・と言えます。美味しいのは美味しい・・でも、
「・・ん~・・違うんだよな~・・」
と言う気持ちが拭えなかった。
でもその違和感がどこから来るものなのか、自分でも具体化できなかったんですね。単に「濃度の違い」だけでは言い表せない何かが有ったんです。それが2017年もののド・ラルロを飲んで、判った・・と言うか、思い出したと言いますか、理解できたんです。
「凄いアロマ!」
ですよ。
1990年台のド・ラルロは、素っ気ない・・リキミの無い・・味わいなのに、熟し始めると香水のようなアロマで魅了されたんです。
しかし、その時代は新樽100%~の時代で、樽っぽくて濃くて甘いピノ・ノワールが称賛された時代です。デュジャックの弟子筋のジャン・ピエール・ド・スメ氏は引退し、御大のジャック・セイスも引退して息子さんの代になります。デュジャックも「薄旨」の代名詞を捨て、「濃厚」に鞍替えして現在に至ります。
ド・ラルロも同様にやや抽出の強いワインへと鞍替えしてしまいました。その頃からの「違和感」だったんですね。
この路線、もう変更してほしく無いです。エレガント系だからこそ、このもの凄いアロマが生まれます。「モン・デ・ゾワゾー」はクロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの中間的な感じのワインだと思ってください。今飲んでも美味しいです!勿論、硬質さも有りますので長く持ちます。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は2015年のこのキュヴェのレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



● 2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【これを見れば一目瞭然!?・・ジェラルディンヌさんも2020年は濃密なクロ・デ・フォレに仕上げた!・・その訳は??・・】

決して「力任せに濃度を上げた」訳じゃぁ・・在りません。おそらくですが、これは収穫のタイミングが・・
「今!」
しかない・・ワンポイントでしか収穫できなかったためだと感じます。
このところは2020年もののブルゴーニュワインを結構に飲んでいますが、
「白ワインは2019年同様にいつ飲んでも行ける!」
感じがしますが、赤ワインは・・
「少し熟成させて方が良い・・が、ポテンシャルは2019年と同様か、超えることも有り得る」
と感じるんですね。
もう・・このグラスの色合いをご覧いただくしかないでしょう。2019年ものが「赤」を見せる「幅」と2020年のそれは結構に異なりますよね?・・2020年ものは、
「果皮が健康的で厚みが有った」
か、
「果汁が少なかった」
かの、どちらかしかない・・(^^;; そう思います。

果皮の割合の多い、濃密で強めのアロマを放出して来ます。とても健康的でピュア・・樽を使用しているはずですが、その樽の影響、余波を完全に飲み込んでいる元果汁の素晴らしさを感じます。滅茶複雑性が高く、起伏を感じる舌触りです。
出来栄えは・・造っている方とすれば・・もう今までで最高!・・と言うに違いないでしょう。エレガントな味わいが好きな noisy としては、現在のバランスはまだ仕上がり切っていないだろう・・と言わざるを得ませんが、それでもこの酸もしっかり有り、要素が抜群に多い味わいは、
「この先、枯れることが有り得るのか?」
とさえ思ってしまいます。・・まぁ、少なくともnoisy が生きている間に枯れることは無いでしょうし、5~10年後の味わいは素晴らしいに違い在りません。
リアルワインガイド第78号は、ポテンシャルで96ポイント付けました。今飲んで・・点は93+ポイントですから・・・そういうことなんですよ。
つまり、今飲んだら93+ だけれど、3年待てれば 96 ポイントまで伸びるよ・・と言うことですよね?
noisy 的には、3年で・・行けるかな?・・5年位、掛かりそうだけど・・とは思いますが、その辺は人それぞれですから・・。しかも、96ポイントは完全にグラン・クリュ並みです。ファルスタッフも95ポイントです。なので、
「今飲んだら1級最高峰、3年以上待てればグラン・クリュ並み!」
と思ってください・・(^^;;
何としても2万円を超えない価格を付けさせていただきました!・・厳しいですが・・おそらく1万円台のクロ・デ・フォレはこれが最後になるかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【彼女のキュヴェの中ではパワフルだが、ニュイ的なエレガントさとボディの素晴らしさを、最も表現出来た2019年は出色です!】
2019年もののド・ラルロのワインは今までとがちょっと・・
「色彩そのものが異なる」
ものですから、それを何とかお伝えしたいと、何度も写真を撮るものの・・結局気に入った写真が撮れていないことに後になって気付く訳ですね。
それでもこの一枚は、まだマシな方で・・す。
このグラスの写真の、「純粋な赤紫系の色合い」を、以前の写真と比較してみてください。2018年ものの写真がニュイ=サン=ジョルジュだとするなら、2019年ものは・・どう思われるでしょうか?・・ちょっとシャンボール、入って無いですか?
例えば、最近のメオ=カミュゼの素晴らしいニュイを飲めば、誰でも気付くはずなんですね。ニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの近辺にも、まるでシャンボールのような花の集合体のような素晴らしいアロマを表現できる・・と言うことを。
その良い代表が、ド・ラルロでしたらクロ・ド・ラルロです。
でも実は・・クロ・デ・フォレにもそれは有るんですね・・。しかしそれは今は完全に裏に回っています。熟を経て、良い状態になったクロ・デ・フォレにこそ、それは現れてくるんです。
今飲んでも美味しいですよ。彼女のワインの中では力強い方です。少し噛めるような肉的ニュアンスが有り、非常に深い・・底辺から湧き上がってくるようなエナジーを感じるワインです。2018年も美味しかったですが、2019年はそれさえも超えたんじゃないかと思います。
あの、ブルゴーニュに厳しいブルゴーニュ専門家?のアレン・メドゥズさんも、上値94ポイントでは有りますが、「heart」のマークを付けています。素晴らしいですが、出来ることなら少し置いて、
「ニュイにもある香水のような素晴らしいアロマ!」
を表に引っ張り出して楽しんで欲しいですね・・きっと出るはずです!超お勧め!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴュー
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【ものの見事なしなやかさ!そして果実の清楚さ!・・この20年で最もエレガントで、しかも欠損部分がまるで無いと言える素晴らしい味わいでした!】

こんな物言いをすると自信過剰だとか、他人の言葉を頭から聞かない・・などと揶揄されることになるかもしれない訳ですが、やはり自分にとっては、自分のテイスティングコメントや評価が一番しっくり来る・・と思っています。まぁ、どこにも間違いや書き損じ、形容詞の使い方が良く無い・・なども在るとしても、やはり嘘を言わない・・心にも無いことを絶対に書かないと決めているので、後になってから自分の書いたものを読み返したとしても、
「・・あぁ・・そうだった!」
と、素直に思えるんですね。そこだけかな・・少々でも誇れるのは・・。
そして、ド・ラルロのワインはもう、少なくとも四半世紀以上に渡って飲み続けているワインです。それなのに、
「毎年味わいの傾向が違う!」
のには驚かされますし、
「醸造家が変わると路線がかなり変更される!」
のも有りますし、
「醸造家が成長したり、ドメーヌに慣れてくるとまた変わる!」
ことにもしばしば気付かされる訳ですね。
で・・長くなってしまうと、
「そんな・・長い文章なんて、読みたくない」
と言われてしまいそうなので端折りますが、
「今のド・ラルロの味わいは、ド・ラルロの歴史の中で一番好きかもしれない・・」
とさえ感じさせてくれたのが2018年のこのクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュでした・・本当ですよ。
勿論、ジャック・ドゥヴォージュさんの、本当にまんまるでたっぷりなクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュも美味しかった!・・完璧だと・・思わされましたし、背筋がゾクっとしたのを覚えています。
でも、それが好きな味わいなのか?・・と聞かれますと・・そんなに単純な話しでは無いんですよね。
まぁ、ワイン屋ですから、どうしても二面性を持った飲み方をしてしまいます。自分の好みを抑え込んでテイスティングしている訳です。
でも、そうしつつも・・「我」や「素」を思い出させられてしまう局面に出会うことも有ります。そんな1本だったのがこのワインです。
決して濃くないです。クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・パワフルでしたでしょう?・・いや~・・2018年ものは、そんな面は無いですよ。
とても充実しているけれど過剰じゃ無いんです。過剰さがまるで無い・・と言った方が良いかもしれません。
以前は、
「クロ・デ・フォレは丸さとまとまりが出る5年ほどの期間を置くのがベスト!」
と感じていました。なので、お客様にも、「飲めるけれど・・それは覚えておいてね」と伝えていました。
ところがです。この2018年クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・美味しく飲めてしまうんですね。タンニンの突出などまるでなく、酸はヴォーヌ=ロマネ村のピノ・ノワールのように柔らかい・・です。
果実の感がとても精緻で美しいので、食の邪魔をすることが無いし、まるでヴォーヌ=ロマネのワインのような振る舞いをするかと思えば、最上質のニュイ=サン=ジョルジュが持つ、稀にしか出会えない「超エレガンス」に育って行くだろう・・と思えるような要素も見えます。
言ってみれば、「尖った部分のないやわらかさ」に加え、「ピノが持つ美しさ」が、このワインを今現在でも美味しく飲ませてくれる要素なのだろうと・・・勝手に結論付けていました。
この見事な味わいを造り出したのは「ジェラルディンヌ・ゴドー」さん・・でした。
確かに、あのジャック・セイスを彷彿させた90年代のド・ラルロの味わいも捨てがたいし、今のこの清楚で淑な・・もう少し90年代の味わいを上手に膨らませて来たかのような味わいも・・素晴らしいと思います。
これは是非とも!・・飲んでいただきたい見事なピノ・ノワールです。
因みにティム・アトキン氏も、ヴィノスのガローニさんも94ポイントで揃ってます。おそらくですが、
「パワフルさが少ない・・少し大人しい感じ」
をそのように評価したと思われますが、それはそれで正しいのかもしれない・・。でも飲んでいておいしいのはこんなワインに違い無いと感じています。
素晴らしい出来でした。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!
確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。
2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。
ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。
そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。
その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。
メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。
「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」
と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。
しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。
2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。
そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。
それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。
そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、
「こんな色合い」
です。
「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」
と言いたいと思います。
「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」
でもあります。
2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
━━━━━
【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【全く異なる二つの個性!濃密なクロ・デ・フォレとエレガントなクロ・ド・ラルロですが、濃密なヴィンテージのクロ・ド・ラルロ..相当良いはずです!】
なんで noisy は30年近くもド・ラルロを追いかけていたか・・と言えば・・クロ・ド・ラルロが大好きだったから・・です。ドメーヌ・デュジャックのジャック・セイスさんの弟子だったスメさんがやっていた頃・・です。ま~・・かのアドヴォケイトのPKさんったら酷評の酷いことでして・・あ、この人はこのエレガンスが判らないんだな・・と思ったものですが、でもそんな一方でデュジャックのワインには高評価を付ける訳でして・・「意味不明!」と感じていました。
クロ・デ・フォレの濃い目の色合いに引換え、クロ・ド・ラルロの淡い色の何とも心惹かれる色彩・・。92年などは・・滅茶薄かったと記憶していますが、そのエキス系のシミジミと伝わって来る味わいとアロマに・・やられちゃった訳です。
2020年ものはリアルワインガイドでも「濃い目」と書かれています。なので、
「濃い目のクロ・ド・ラルロも魅力的では?」
と思える方にお勧めしたいと思います。
今やクロ・デ・フォレよりも仕入が高くなっています・・世の中変わりますよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの2018年クロ・ド・ラルロによって、クロ・ド・ラルロは完成した!・・と言いたい素晴らしさです!】
「キャ~!」
と思わず声が出て来てしまうほど・・超繊細で美しいクロ・ド・ラルロでした!・・いや~・・これはジャック・ドゥヴォージュでも出せない表現だな~!・・と。
「・・少しミュジニーかロマネ=サン=ヴィヴァン、入ってます?」
みたいな・・香水的アロマがほんのり。
「土臭いニュイ=サン=ジョルジュ?・・そんなのどこにも・・無い!」
と言いたくなってしまうほど・・素晴らしいです。
そして樹齢が上がった性でしょうか。か細さを時折感じさせたクロ・ド・ラルロでは有るんですが、そんな「弱さ」は無く、ディテールの端々に細やかで丸いエッジが感じられるんですね。
これ、メオ=カミュゼのニュイ1級を飲むと感じられるんですが、ミュジニーが持つ物凄い芳香をも、少しですが内包されているような・・それこそがむしろ、プレモー=プリセの1級群の特徴の一つでは無いか?・・などと感じ始めています。
単にエレガントでは済ませられない仕上がりの良さ・・でしょうか。これは滅茶美味しい!・・と思わされてしまいました。
今飲んでも、飲めなくはないですよ。アラン・メドゥーズさんは2028年以降・・と言ってますが、まぁ・・当たりだとは思います。しかし、飲めなくは無い・・美味しく飲めます。
そしてポイント的には山本さんの94点。これがピッタシカンカン(古っ!)。いや~・・久々に超絶に旨いクロ・ド・ラルロを飲ませていただきました!・・・それに、12本も入荷したのは久しぶりです。これは是非飲んで欲しい!・・クロ・デ・フォレは8月に15000円台で行けそうでは有りますが、その前にこのクロ・ド・ラルロで2018年のジャルディーヌさんを・・いや、
「ゴドーを感じながら」
飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
円形劇場のようなクロのカキの貝殻を含む泥灰岩、プレモー石灰岩、白色魚卵状石灰岩の交じる土壌から。ラズベリー、レッドチェリー、リコリス、デリケートで、甘やかな赤系スパイスが立ち上がる。しなやかなタンニン、ヴェルベッティなテクスチャー、ほのかな青さが精妙なタッチを加え、生き生きした酸がフレッシュ感を与えている。うまみの乗った味わい、グリップのあるフィニッシュ。
ワインリポート 山本氏
以下は以前のレヴューです。
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【超繊細系ニュイ=サン=ジョルジュの中で最も繊細なクリマ!】 このところは全然飲めないクロ・ド・ラルロ・ルージュです。今回はやや多めとは言え、やっと1ケースの入荷です。無理をすれば飲めるんですが、この位の入荷総量ですと、予算的に今回のテイスティング分が上限になってしまいます。まぁ、ワイン屋さんでも全アイテムをテイスティングで開けられるところはまず無いと思いますが・・。
クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの2017年ものの色合いをご覧になられて、
「薄い・・なぁ・・」
と思われたかもしれませんが、まぁ、間違いなく、クロ・ド・ラルロはもっと薄いです。90年台のクロ・ド・ラルロなんて、さらに薄かったです。ジャック・セイスが全盛の頃のデュジャックも、
「ロゼか?」
と知らない人が尋ねるほど・・薄かったですが、エキスが濃いんですよね。そしてクロ・ド・ラルロは同様に薄く、しかもクロ・デ・フォレに比較しても、さらに「ドライ」です。
でも早く熟すので、2~3年で非常に美味しくなるんですが・・実は滅茶、超熟でも有ります。1992年のクロ・ド・ラルロなんぞ、滅茶苦茶旨かったですよ。デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュは高価でしたが、古いクロ・ド・ラルロは安かったですから。それに、その頃のエージェントさんは、結構に「古い在庫」をお持ちでした。なので、
「選び放題!」
の時代だった訳です。今考えると良い時代でした。
2017年は、そんな1990年台のド・ラルロに良い意味で「回帰しはじめた」と言えると思います。ただ昔に戻すのではなく、さらに良く観察し、畑の個性を見極めています。エキスはさらに濃密になっています。反対に単純な濃さが減りつつあります。
「ドライなエキスの非常に香るニュイ1級!」
だと思ってください。まぁ、周りは白葡萄が沢山植わっている土壌ですから・・そうなるのは当たり前では有ります。(ジェルボット2017年もテイスティングしていますが、これまた凄い仕上がりでした!)
クロ・ド・ラルロの若木で仕込んだモン・デ・ゾワゾー2017年があれだけ香るんですから・・クロ・ド・ラルロはとんでもないことになっているんじゃないかと推測しています。
是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】
どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2020 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【すみません・・飲めるほど入りませんでした】--以下は以前のレヴューです。
【ロマネ=サン=ヴィヴァンと1ポイント差なら、2018年はレ・スショと言う選択肢も有りかもしれません。】 ニール・マーティンさんは2ポイント差を付けましたが、バーガウンドのメドゥズさんとワイン・リポートの山本さんは1ポイント差。
これって・・どうなんだろ?・・と思ってしまうんですが、根本的にはレ・スショはレ・マルコンソールには叶わない・・と思ってまして・・いや、あくまで自身の感覚的なものですが、だとするなら、1ポイント差ってかなり微妙な評価だと思うんですね。
するとロマネ=サン=ヴィヴァンが大したことが無くてレ・スショがいつもより凄い出来で・・と考えるか・・いや、でもロマネ=サン=ヴィヴァンは上値97ポイントも有るのでそれは無いだろう・・とするなら、もし、ド・ラルロが他の優れた1級畑をリリースしていたらどうなるか?・・などと考えてしまうんですね。
まぁ、自分の中では・・レ・スショ2018年が良い出来だった性で、余りバランスは考慮せず、単純にポテンシャルを図ったと言うことにしておきました。
以下は以前のレヴューです。
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【評論家さんたちの評価はまだ揃いませんが、彼らがどう評価するか、興味津々です。】 2017年のド・ラルロの驚異的な香水のようなアロマをどう評価するのか、もしくは「出来るのか?」を見てみたいと思っています。
徳丸さんは、
「2017年のラルロは、日本人には受けるが海外メディアは大して評価しないかもしれない」
のように書いています。
noisy も同様に思います。しかし、稀にめちゃ繊細な神経をお持ちの方もいらっしゃいますし、そのような方はまた、それまでの「しがらみ」みたいなものを持ち合わせてない場合が多いので、
「どう評価するか?」
で、noisy もその方々を評価できちゃうんですよね・・。
「あ、・・こう言うのはこの人、判らないんだな・・」
と判断する訳です。
でも、実はこれ、しょっちゅうやってまして、ご来店の方にワインをお選びする際などにね・・。いや、勿論この場合は、判らないんだ・・なんて思いませんよ。そこは、「好みじゃないんだ」と置き換わります。お客さんはそれで良いんですね。
でも、ワインのお勉強がしたいとか、エキスパートを目指している・・というようなお客様には、「好みじゃない」じゃ済まさないですけどね。
ド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンがロマネ=コンティ直下なら、このレ・スーショはリッシュブール直下の良いところに有ります。美味しく無い訳が無いです。
今回は1ケースちょっといただけたので、飲んでご案内しようと思ったんですが、このペースでテイスティングするのが勿体無いような気がしてしまいまして・・まだ飲んでいません。
2017年のド・ラルロ・・・エレガントで物凄いアロマです。ロマネ=サン=ヴィヴァンは高過ぎて手が出ないにせよ、ここは必ず押さえておきたいところだと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】
2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2020 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【リアルワインガイド第78号はなんと、ポテンシャル99点!・・まぁ・・ロマネ=コンティ真下の畑ですから、順当に仕上がった証拠なのでしょう!】
まだ3万円ほどだったころが懐かしい感じがします。この辺りはもう・・手の出しようが無い・・と言うか、ご紹介できるだけ有り難いと言うことになってしまったのかもしれません。
このロマネ=サン=ヴィヴァンもしかり、ラ・グランド・リュしかり・・1級のレ・ゴーディショなどもそうですし、言ってみればラ・ロマネもクロパラも・・DRC の1級ヴォーヌ=ロマネも・・ということなのでしょう。今ではもう入手さえ困難になりつつあります。
まだ深く考えずに呆けることも可能だった平和を享受できた時代は過ぎ去り、混沌の中でどう生きるかを問われているような気もします。そんな中でひと時の安らぎを大切な仲間と過ごせる時間・・今よりももっと貴重になってくるのかもしれません。少しでもお役に立てれば幸いです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリスさんはきっと気付いているんでしょうね・・でも何でニュイ=サン=ジョルジュ系の評価が高くは無いのが今ひとつ判りません。】 飲んでませんが・・ジャスパー・モリスさんは上値98ポイント。絶好の場所にある、ロマネ=サン=ヴィヴァンの中のロマネ=サン=ヴィヴァンですから、あのブルゴーニュのトップの畑に見事に接している、あの畑のワインのアロマ・・。もうnoisy もしばらく飲んでいませんが、一度そのグラスに向き合ってしまったら、きっとしばらくは身じろぎひとつ出来なくなるかもしれません。
この先は価格は上がる一方だと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ロマネ=コンティに接する絶好のロケーションから、最もリーズナブルと言えるロマネ=サン=ヴィヴァンです!】 ニール・マーティンさんは上値97ポイント、いつも厳しいアラン・メドゥズさんは上値94ポイントでした。ワインリポートの山本さんは96ポイントで、
「・・なんか、判る・・」
と一人悦に入ってます。
ロマネ=コンティは買えないにしても、モロに真向かいですから・・はい。絹漉しのテクスチュアの雅で荘厳なロマネ=サン=ヴィヴァン・・・お宝です。
以下は以前のレヴューです。
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2017年のド・ラルロは半端ないです。ド・ラルロを知っているなら、この20年で最高の仕上がりと言って良いはずです。
「ブルゴーニュワインはただ濃いだけじゃダメ」
それは誰しもが認識していることでしょう。ロマネ=コンティは濃いのか?・・いや、濃密な一面を見せるかもしれないが決して濃いワインでは無い。ラ・ターシュはどうなのか?ラ・ロマネは?ラ・グランド・リュは?・・と問えば、その答えは歴然としています。
リアルワインガイド第66号を読むと、ジェラルディーヌ女史は過労で入院中で会えなかったと書いてありました。また、2017年と言うヴィンテージが「力のヴィンテージではない」と評しています。
noisy的には、勿論、ヴィンテージの背景もあることは重々承知しつつも、ジャック・ドゥヴォージュによる畑の調査、緻密な醸造から、ジェラルディーヌ女史による感性のワインへと変貌しつつあるものが花開きつつあるんだ・・と言う理解をしています。
もう、クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの香水のような素晴らしいアロマにぞっこんですが、それがロマネ=サン=ヴィヴァンになっちゃったらどうなってしまうのかと・・きっと飲むチャンスはないでしょうが・・
ちなみにリアルワインガイド第66号はポテンシャル96+ですが、
「得点は97点でも、98点でもあります。」
と、ぶっちゃけちゃってます。
で、「とんでもない香り」だそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】
まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
■ N.V. Marc de Bourgogne
マール・ド・ブルゴーニュ
【希少なマールです!】
もう随分前になりますが、ド・ラルロのフィーヌが7千円位だったか・・開けたことが有りまして、これが凄い美味しかった!・・いや、ワインならまだ度数が低いので良いとしても、これで40度も有るような蒸留酒にはまってしまったら若死にしてしまうだろうと、ちょっと考えたら背筋がゾッとしてしまったのを覚えています。
まぁ、その残りは他の超高価なヴィンテージ物のフィーヌと一緒に煮物に使われてしまったことは・・ご存じかもしれません。そしてその煮物の美味しかったこと!・・やはり高級アルコールは適当に造られたアルコールとはまた異なるんだと言うことを教えてくれた一件でした。
何年かぶり、もしくは十年を超えていると思いますが、ご案内できるのを嬉しく思っています。
だって・・某国産の「山X」とかをプレミアム付きで買って飲むより、きっと大きな幸せが有ると思いますから・・。ご検討くださいませ。
以下は大昔に書いた偉そうな文章です。
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大たいに言って酷いショップである。来ていただいた方にはお判りだろう。プライスは付いてないわ、通路にワイン箱が「ごちゃまん」と積みあがってるわ、店主の愛想は全く無いし、おまけにやたらと寒い来たもんだ・・・。
「ちょっと今日飲むワインでも買いに行ってみようか・・」
なんて、どこぞのスーパーかディスカウントショップにでも出かけるつもりで入ったもんなら、ある種のカルチャーショックを受けているに違いない。・・・まあ、それでも店内は極寒の初夏、15分も頑張ってセラーにいらっしゃるもんだからちょっとは骨があるのかと、こちらも寒いのをかなり我慢しつつ待避所(ここは結構暖かい・・・)を出てレジ横のPCで伝票なんぞの処理をしていると、若いカップルが何も言わずに急ぎ足でスッと出て行きおった・・。まあいいけどね。せめて一言何か言ってけよ、とは思う。気に入らないShopだったから何も言うことは無い、という気持ちの表れだとは思うが・・・。
いつぞやはネットで注文をされたお客さんからの通信欄には、
「酷いページですね。ページの1/3が空間ですか。おまけに文字だらけで下へのスクロールが長くてマウスを動かすのがウザイ」
と書いてあった。かなりカチンと来たので、
「お子ちゃまにゃ売れん!」
と書いて返信して売らなかった。大きなお世話である。ウザくて精神的に好まないのなら、見なければ良いのだ。これでも一応色々と考えつつ、試行錯誤しながらのページ作成である。何がどうでもページを埋めれば良いとは全く思っていないし、理解不能だとしても手前味噌ながらある種の「美意識」みたいなものもある。どうやら昨今は挨拶さえ満足にできないし、まともに他人とネゴシエーション出来無い半人前が増殖中のようだ。
「商売なんだからお客様は神様で、絶対の存在だろう?」
と言うかもしれない。勿論のこと、大きな企業さんならまずそのまんまだろうし、noisyとて、出来るだけ「力」になりたいと思うし、頼まれれば何事も一生懸命にやる心づもりはある。・・・でも縁有って袖を摺りあったとしても、全ての方が神様では無いと思っている。出来ないことは出来ないし、嫌いなことは嫌いなのだ。ほとんど一人でやっているのだから、大企業のように大勢でのセクション処理では無い。PCで伝票を打ちながら、店のお客さんの対応をしつつ、電話を受け取り、荷物の検品や出荷と品出しをしながら新着の文章を書きつつメールの返信をして、テイスティングに出かけるのである。食事も満足に取れず、用足しもしっかり我慢し、休日も無く、はたまた洋服など買いに言った記憶はいつぞや礼服が必要になった時位しか思い当たらない。・・いや何日も掛けて新着を書いていたら状況が変わって、昨日ようやくジーンズを買いに行かされた。ボロボロになって財布や免許証が落ちるだろ!とカミサンに怒られ、ようやっとだ。
まずは誰に対してでも「判ろう」と思う心が必要だと思うし、それが全ての原点だと思う。どこの誰とも名乗らずに、
「2005年の×××の入荷予定は?在庫は?幾らくらいになりますか?」
などといきなり相手の都合も聞かずにレアもの探しをまくし立てたり、
「お宅のページに出ている××××年のミュジニーの輸入エージェントはどこですか?」
などと電話をされると、
「有りません。判りません。只今接客中ですので・・・」
と、勢い、ぬるい返事をすることになってしまうのだ。
確かに自身の忙しさにかまけたフレンドリーではない酷いショップであることを自認しているし、それでも少しでも良い方向へ持って行こうとは努力しているつもりでは有るが、道理を全くわきまえないお客さんに「にゃ~ご」するつもりはこれからもおそらく無い。
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何時もの通り飲んでいないのでコメントは出来ません。色合いは僅かに色づいていますがさほど濃いものでは無く、カラメルで色を付けてはいないようです。とても良いヴィンテージのフィーヌです。
● 2019 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【2016年日本初登場のオート=コート白です!】...すみません、1本だけの入荷です。レヴューは以前のものです。
すみません、飲んでないので何も言えません3本のみの入荷です。ワインリポートの山本さんは以下のような評価でした。ご参考までに。
プレモー・プリセのクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュの上の標高400mの0.66haの単一区画から。石の多い土壌に白と赤が混植されている。2019年8月に瓶詰めした。白い花、柑橘、レモン、フレッシュで、おおらかなテクスチャー、アプローチャブル。87点。
● 2019 Cote de Nuits-Villages Blanc au Leurey
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・ブラン・オー・ルーリー
【4本のみの入荷です。】
もっと増やしてくれと頼んだんですが、増えて3本ですので・・どれだけ入荷が無いのかが判りますよね。
飲みようが無いのでどうしようも無いんですが、2017年ものをリアルワインガイド第66号で徳丸さんは、
「17年の白ワインはこれだけで良いんじゃないかと思ってしまう」
とおっしゃられています。それほどの出来なんでしょう・・なんせ、ポテンシャル91点も付いちゃってますから・・。
それに2019年ものは、ヴィノスも上値91ポイントですから、ようやっと海外メディアもリアルワインガイド並み評価に追いついて来た?・・のかもしれません。ご検討くださいませ。
● 2019 Nuits Saint-Georges la Gerbotte Blanc
ニュイ=サン=ジョルジュ・ラ・ジェルボット・ブラン
【もうひとつの「クロ・ド・ラルロ」を若木のキュヴェで是非とも味わってみて下さい!】

2018年もののジェルボットもそうでしたが、すでに「プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ」を名乗っても良い・・とすら感じさせる密度の高い味わいになっています。
勿論ですが、単に樹齢が上がった・・・92~93年頃の植樹でしょうからすでに30年近い樹齢の関与が大きい訳です。でもそこには、自然派なアプローチで根が地中深く入り込んでいると言う事実と、ジェラルディーヌさんの巧みさが有ると思っています。
柑橘系果実、果実がしっかり分厚く石灰系ミネラリティの上に乗っています。ほんのりとバリックの香りは有りますが、強いものでは有りません。徐々に伸びて膨らみを持つボディと、やや筋肉質な本性が感じられます。
ジェルボットを造り始めた頃は、
「・・ん?・・こんなにシャバイ感じで・・大丈夫かぁ?」
と疑問さえ浮かんだほどでは有りましたが、その後、数年経過したジェルボットをテイスティングしてみると、リリース頃のシャバさは消え、マッタリとした風格のある高級シャルドネに変貌していたことを思い出します。
すでにクロ・ド・ラルロ・ブランの1級格を名乗っても良いんじゃないかとさえ思える程の出来でした。ALLEN MEADOWS /BURGHOUND はクロ・ド・ラルロ・ブランに(91-93) / 2023~2035 と言う評価をしていますが、90~92 Points ほどはジェルボットも有りそうに思います。(ジャスパー・モリス氏の評価は厳し目ですが・・)是非飲んでみて下さい!お勧めします!とてもリーズナブルだと思います。
以下は以前のレヴューです。
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【以前のクロ・ド・ラルロ・ブランとそん色の無い見事な味わいです!】
「コース変更、しましたか?」
と言いたくなるような、見事なジェルボットでした!20年前に飲んだクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同じような印象ながら、
「マッチョな部分を超繊細に!」
と言うような、クロ・ド・ラルロ・ブランとは仕上げのコースが異なるだけ・・と言うような感じです。
むしろ2017年ものは、クロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ見分けが付かないような感じだったんですが、2018年ものは、冷涼で繊細なシャルドネ・・筋肉質系?・・と思える味わいです。
これ、相当に旨いです!・・ミネラルが物凄いムルソーや果実が豪奢なピュリニー=モンラッシェとも異なるニュイのシャルドネを見事に現わしていると思います。勿論、ピノ・ブラン的な中抜け感はゼロ!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S.因みにワインリポートの山本氏は91ポイントでした!
以下は以前のレヴューです。
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【目の詰まった見事に豊満なシャルドネ!ピュリニー的な美味しさを満載しています!】
久しぶりのラ・ジェルボットです。仕入れたのは2006年以来?・・かもしれませんので、約12年間、無視することになってしまいました。
何せこのラ・ジェルボットはクロ・ド・ラルロ・ブランの若木でして、
「あの素晴らしいクロ・ド・ラルロ・ブランのセカンドだから旨いに違い無い・・」
と思って仕入れた2005年ものが、ものの見事に「シャバい」味わいで・・もうガッカリしてしまいました。2006年ものは確かアソートでしか買えなかったので、仕方なく仕入れたのかな?・・と思います。その後は「ラ・ジェルボットは拒絶」して現在に至ります。
まぁ、そうは言っても当初は全然売らなかった2005年ラ・ジェルボットも数年後に開けてみると、クロ・ド・ラルロ・ブランと同様に深みを見せることが確認できましたので、ネットのページにブティーユ、ハーフともアップしておりましたら無くなっちゃいました。
「いい加減・・ラ・ジェルボットも樹齢が上がって旨くなっているんじゃないか?」
と言う気持ちと、
「2017年は良さそうな年だし、2017年こそド・ラルロはチェックしないといかんかな?」
と言う思いが錯綜したので、そこそこは仕入れさせていただくことにしました。で、早速・・飲んでみると・・これがかなり素晴らしいんですね・・。
以前のシャバ~い、緩~い感じは全く無し。半透明フィルム風のミネラリティに包まれた黄色や白の果実がナチュラルっぽいアロマとしてスピード感を持ち感じられます。ほんのりとトースティーさのある樽由来のアロマがトッピングされ、しかしそれもシツコク無く、気持ち良いです。樽の要素に負けないだけのパワーが有る・・と言うことですね。
口内に入るとまずはマッタリ・・オイリーです。そこから柑橘系フルーツがたっぷり解けて来ます。すごく良い・・好印象です。滅茶ゴージャスです。中域もふっくらと膨らみ、そのまま果実の放出を感じながら粘りのある余韻に入ります。
「・・あれ・・これじゃぁ全くのクロ・ド・ラルロ・ブランじゃん?」
と思えるほどのパフォーマンスに驚きを感じました。
たかだか10年ちょっとでここまで来るか・・と、驚きを隠せませんでした。うちの庭にあるピノ・ノワールも結構な年を重ねて来ましたが、未だにまだまだ・・でして、この先はどうしようかと悩んでいます。やはり、病害虫にやられてしまいますんで、少なくともボルドー液位はあげないと収穫できないなぁ・・と。
ま・・これほどに素晴らしいとなると・・皆、飲んじゃいますね。カミさんも息子も何も言わずしっかり飲んでしまっています。
個人的な印象ですと、2000年頃のクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同一なニュアンスです。その頃はクロ・ド・ラルロ・ブランはまだ6千円ほどだったかと思います。ただし、届いた直後はもっと締まっていた感じです。このラ・ジェルボットは、今飲んでも充分に旨いですが、樽が完全に溶け込む3年後からはほぼ全開で飲めるでしょう。それに20年はしっかり持つと思います。
クロ・ド・ラルロ・ブランはそれなりに高価になってしまいました。コート・ド・ニュイの白ワインと言えば、ミュジニー・ブランかクロ・ブラン・ド・ヴージョか、ニュイ=サン=ジョルジュ・ブラン位しか無かった訳です。また、アンリ・グージュのピノ・ブランもこのニュイ=サン=ジョルジュなんですね。それだけ歴史の有るニュイ・ブランです。
滅茶オイリーで非常に厚みのある果実主体のシャルドネでした。非常に美味しいです。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
● 2019 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【ジェルボットを飲めばおのずと「どのくらいの仕上がりか」は判るはず・・もう一つの「クロ・ド・ラルロ」です!】
もう、クロ・ド・ラルロ・ルージュも、クロ・ド・ラルロ・ブランもそう易々とは飲めない状況になってしまいましたね。価格もきっとそうではありますが、数が何しろ無い・・・ので、noisy もまた、この何年かは飲めていません。
でもクロ・ド・ラルロですから・・。飲んだことが有る方は、きっとこの畑の素晴らしさをお判りいただいていることでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【今回はまだ飲んでいません・・が、リアルワインガイド第66号はポテンシャル93+、もしくは、94点でも良いとのこと!】<--2017年もののレヴューです。
すみません、飲めてません。しかし、若木のラ・ジェルボットがもう・・昔のクロ・ド・ラルロ・ブラン並みになっちゃってますからね。根が深いところまで伸びているはずのこちらのキュヴェは、さらにミネラリティが高く、やや硬質に感じられることでしょう。
このコラムでも何度も申し上げていますが、5年経ったクロ・ド・ラルロ・ブランは激変します・・。その際に評価するとなると、当然ながら評価は上がってしまうものです。
透明なミネラル感に満ち溢れた果実たっぷりのシャルドネです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2019 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【少な過ぎて飲めませんでした。すみません。】--以前のレヴューを使用しています。2本だけです。
--以前のレヴューです。
【アラン・メドーはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2019 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【僅かにライトなクロ・デ・フォレ・サンジョルジュ的な深~い味わいです!・・アロマの柔らかさも素晴らしい!】

2019年ものの出来の良さか、それとも彼女のセンスが素晴らしいのか・・は未だに判断付きませんが、おそらくその両方なんでしょうね・・。見事な仕上がりの「コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ」です。
印象はほぼほぼクロ・デ・フォレに近く、みごとに豊かで丸い味わいをしています。ジェラルディーヌさんのワインの中では力強い方です。もっともそれでも他と比較するとやはり、「エレガント系だ」と言うべきだと思います。
10年前のド・ラルロのワインに在った「硬さ」は無く、見事に自然派的にソフトでフカフカしたテクスチュアです。タンニンも非常に質が良く、ドライな味わいのピノ・ノワールに、むしろ甘みに近いものを感じさせてくれます。
色合いも素晴らしいでしょう?・・だいぶ寄って撮ってみましたが、この「官能さ」が伝わって来るでしょうか?・・深い複雑な果皮のアロマにクラクラ来ちゃいますが、これもまたクロ・デ・フォレ的です。非常にリーズナブルなキュヴェだと言えますし、ジェラルディーヌさんがド・ラルロに来てくれてよかった・・と素直に思えると思います。ご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【エレガントさに深みと優しさをプラスした見事な準村名格?です!】
まぁ、準村名と言うよりも村名・・ですね。あくまで村名ワインですが、村そのものを名乗れないニュイの村を一つのアペラシオンにしたのがコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです。
ジェラルディーヌさんの2018年ものは全て「一貫」しています。エレガントさと豊かさを両立させた上で、とてもエレガントで有り、端々が見事に柔らかく丸く、単にエキスの味わい・・と一言で片付けてしまうのが勿体無い仕上がりです。
2017年ものよりも熟して充実した色合いをしていますが透明感は全く失われず、アロマの上りも早く、滑らかです。
因みにワインリポートの山本氏は以下のように評しています。
クラッシュしたストロベリー、レッドチェリー、バラの花芯、しなやかなテクスチャー、心地よいタンニンがミネラル感に富む果実と統合されている。全房発酵からくるスパイシーなフィニッシュにうまみがにじむ。90点。
ん~・・とても良い感じの評価だと思います。単に果実だけではなく、フラワリーでも有るんですね。とても良い出来!・・2018年のドメーヌ・ド・ラルロは買いだと!・・お勧めします。是非ともご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これで充分!!2017年のド・ラルロはピノ・ノワール・ファン必飲ですが、これを飲めば全てが判る・・かも!・・(^^;;】
この色合いですよ・・嬉しいですね~・・これだから滅茶薫るんですよ・・香水のようなアロマが!・・でもまだ濃いかなぁ・・。
2017年もののド・ラルロのテイスティングは、このクロ・デュ・シャポーから始めました。オート=コートのキュヴェは2本とかのふざけた数しか入荷してませんので、飲みようが無いんです。
ちなみに・・ですが、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うアペラシオンは、「ヴィラージュ」と付くことで判りやすいかと思いますが、「村名格」です。
単独の村名を名乗れないニュイ近辺の村のワインは、この格を名乗れます。言わば、
「コンブランシアン」
と言う村名ワインと・・そんなA.O.C.は無いですが、思っていただければと思います。ここは、ニュイ=サン=ジョルジュを構成するニュイ=サン=ジョルジュ、そしてその南にあるプレモー=プリシーの、南に接する村です。
で、早速飲んでみて・・見事に淡い色合いからの濃密ドライなエキスはぷっくりと丸みを帯び、柔らかでスピードのあるアロマが飛び出してきました。
「・・あれ・・?この感覚って・・」
そう・・大昔のド・ラルロのワインに感じたものに近いんですよ。そして昨今は余り感じることの無かった強烈なアロマが出て来たんです。
そうそう・・ブルゴーニュワインって・・こうじゃ無きゃ!
濃くて甘くてややボタッとして切れがイマイチなのも余韻に引きずられて美味しいけれど、何か違う・・と反応してしまうんですよね。2016年ものも美味しかったですよ。こっちの方に寄ってくるような感じが・・すでにしていました。2015年ものにもそれは少しだけ有りました。2014年ものには有りませんでした。2013年ものは、ヴィンテージの背景で淡くなったと思っていました。2012年ものは・・いや・・もう止めておきます・・(^^;;
この2017年もののド・ラルロは絶対に飲まなければいけない・・と思います。だから無理やりにも・・そう仕向けてしまいます。でもそれで皆さんも幸せになれると信じています。
「濃いだけじゃだめ。」
「薄いだけでもだめ。」
なんです。
ミネラリティをしっかり取り込んだ葡萄をしなやかに醸造することのみにより、この素晴らしい香りと味わいが生まれます。
今飲んでも納得していただけるでしょう。数日休養を上げてください。そして確かめてください。もしそれで素晴らしいと感じたら、さっさと押さえに掛かりましょう・・まだ2017年のド・ラルロが残っていれば・・ですが・・。
実は、アレックス・ガンバルと言うネゴスは、noisy的には・・余り・・でした。なので、当初はジャック・ドゥヴォージュが居なくなると言うので残念に思っていました。もうド・ラルロは復活しないんじゃないかと・・どこかで昔のド・ラルロを心待ちにしていたんだと思います。
でも、ジェラルディーヌ・ゴドーさんが入り、こっちに向かってきているような感覚が有りました。あのラ・グランド・リュのフランソワ・ラマルシュもそう・・。
2010年以前は・・もう全然眼中になかったです。それが、2011年頃から徐々に煌めき始め、その頃から扱わせていただき、滅茶「薄旨」の2013年を経て、今やもう完全復活・・です。そして、ラマルシュのワインも全然濃くない・・だけれども滅茶美味しいですよね。
こっちに・・向かってきていると確信しています。是非確認、お願いいたします。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2019 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
【素晴らしいです!・・ミュxx-とは言わないが、それ的な香水ごときアロマと繊細な味わいにノックアウトされました~!】

これ、滅茶旨いです~!・・繊細ですね・・しなやかですね・・香水的な雅なアロマが素晴らしいですね・・。思わず寄り過ぎてしまいまして、何が何だか良く判らない写真が1枚目ですが、
「色合いの淡さ」
がお判りでしょうか。ちょっと、「クロ・ド・ラルロ」を思わせる色合いかと思うんですね。ちょうど濃密なクロ・デ・フォレとは対照的です。
その上で、2019年のモン・デ・ゾワゾーは、まるで薫り高い系のシャンボールを思わせるような・・もしくは・・ここまで言って良いかどうかは微妙だとしても、ロマネ=サン=ヴィヴァン系の素晴らしい香水系アロマが、繊細にノーズを掻きまわしてくれるんですね。
ですからその辺りのアロマにすぐやられてしまうような・・それ系に弱い方は、ちょっとヤバイです。
「こんな香りが有る、出てくるのがクロ・ド・ラルロ!」
なんですよ。

そもそもはここのドメーヌは「ドメーヌ・クロ・デ・フォレ」では無いんですね。「ドメーヌ・ド・ラルロ」なんです。「ラルロのドメーヌ」なんですから、やはりラルロの畑に重きを置いているんじゃないかと思うんですね。
クロ・デ・フォレは重厚な肉をも思わせる味わいですが、クロ・ド・ラルロは「花」もしくは「花の集合体」です。まぁ、一旦閉じてしまうと硬いだけの時間が長くなるかもしれませんが、今、この「モン・デ・ゾワゾー」は滅茶素晴らしいですので・・是非飲んでみて欲しいと思います。
そして、2019年のド・ラルロに共通の、もう一つ重要な部分の写真を掲載させていただきます。

そう・・皆さんは余りやらないと思いますが・・お刺身+お醤油+オリーブオイルが滅茶美味しいんですね。
自然派的なアプローチのナチュラルさが、この余り相性の良く無いと思わせる取り合わせを・・難なくこなしてしまうんですね。ですので、この晩御飯は非常に美味しかった!楽しかったです。
香りも素晴らしいが縦伸びもしてくる見事なシャンボ・・いや、ニュイ=サン=ジョルジュ1級のモン・デ・ゾワゾーです。是非とも飲んでみて下さい。noisy的にはどんなに低くとも上値93ポイントは付けます!
以下は以前のレヴューです。
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【クロ・ド・ラルロ2018年に手が出なくてもモン・デ・ゾワゾーが有ります!大きな引けを取らない仕上がりです!】
旨いです~・・まぁ、1級ですから、美味しく無きゃダメですけどね。
1級クロ・ド・ラルロの例のミュジニーみたいな香水的アロマも健在です。そして、2017年も滅茶美味しかったモン・デ・ゾワゾーですが、そのエレガントさに「深み」がしっかり入り込んでいます。
なので、線の細さはもう感じず、以前のクロ・ド・ラルロよりも深く複雑な表情をしており、しかもしっかり早めに膨らんでくれる印象ですよ。
そして、感心したのは「エッジ」とか、「最後の最後」の部分です。ここが実に美しい!・・粗野さが全く無いんですね・・。ひらひらと白くちょっとだけ透けてそうなブラウスがそよ風に揺れているかのようです・・。
これ、確かにちょっと価格も上がってしまいましたが、それでもクロ・ド・ラルロの2/3近くのプライスですからかなりお得なんじゃないかと思います。美しい色ですよね~・・旨いです!超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
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【この色の濃淡の違いを是非ご覧ください!そして抜栓後15分のスワリングで現れる香水が如きアロマに是非触れてください。滅茶旨いです!】
こりゃぁ・・素晴らしいです!・・大昔の良き時代のクロ・ド・ラルロの面影を持ちつつ、より濃密なエキスを自然に抽出した、実に旨いニュイ=サン=ジョルジュ1級です。
どこか、「す~っ」とした透明感が有るのは昔からのクロ・ド・ラルロの特徴ですが、どこかクロ・デ・フォレの濃密さをも持っているようにも感じます。
それに加え、抜栓後10~15分から現れる香水香!・・まるで最上質なシャンボール=ミュジニー1級を思わせるような素晴らしいアロマです。こんな香りを出せるのは・・後はメオ=カミュゼ位じゃないでしょうか。いや、もっと力強いとか、むせるような・・とか、は他にもいらっしゃいますよ。でも、
「これほどまでに繊細でエレガントで香水的」
なアロマで狂わされるワインは、昔のド・ラルロにしか無いと思えてしまいます。
そう、造り手紹介のコラムにも書きましたが、noisy 的には、今のド・ラルロには、どこか違和感を持っていた・・と言えます。美味しいのは美味しい・・でも、
「・・ん~・・違うんだよな~・・」
と言う気持ちが拭えなかった。
でもその違和感がどこから来るものなのか、自分でも具体化できなかったんですね。単に「濃度の違い」だけでは言い表せない何かが有ったんです。それが2017年もののド・ラルロを飲んで、判った・・と言うか、思い出したと言いますか、理解できたんです。
「凄いアロマ!」
ですよ。
1990年台のド・ラルロは、素っ気ない・・リキミの無い・・味わいなのに、熟し始めると香水のようなアロマで魅了されたんです。
しかし、その時代は新樽100%~の時代で、樽っぽくて濃くて甘いピノ・ノワールが称賛された時代です。デュジャックの弟子筋のジャン・ピエール・ド・スメ氏は引退し、御大のジャック・セイスも引退して息子さんの代になります。デュジャックも「薄旨」の代名詞を捨て、「濃厚」に鞍替えして現在に至ります。
ド・ラルロも同様にやや抽出の強いワインへと鞍替えしてしまいました。その頃からの「違和感」だったんですね。
この路線、もう変更してほしく無いです。エレガント系だからこそ、このもの凄いアロマが生まれます。「モン・デ・ゾワゾー」はクロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの中間的な感じのワインだと思ってください。今飲んでも美味しいです!勿論、硬質さも有りますので長く持ちます。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は2015年のこのキュヴェのレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



● 2019 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【アドヴォケイトは上値 94Points?・・アドヴォケイトの大昔の評価を考えると知っている人にはちょっと事件かもしれませんよ。】・・すみません、少ないので飲めていません。以下は以前のレヴューです!
【ジェラルディーヌ・ゴドーの2018年クロ・ド・ラルロによって、クロ・ド・ラルロは完成した!・・と言いたい素晴らしさです!】
「キャ~!」
と思わず声が出て来てしまうほど・・超繊細で美しいクロ・ド・ラルロでした!・・いや~・・これはジャック・ドゥヴォージュでも出せない表現だな~!・・と。
「・・少しミュジニーかロマネ=サン=ヴィヴァン、入ってます?」
みたいな・・香水的アロマがほんのり。
「土臭いニュイ=サン=ジョルジュ?・・そんなのどこにも・・無い!」
と言いたくなってしまうほど・・素晴らしいです。
そして樹齢が上がった性でしょうか。か細さを時折感じさせたクロ・ド・ラルロでは有るんですが、そんな「弱さ」は無く、ディテールの端々に細やかで丸いエッジが感じられるんですね。
これ、メオ=カミュゼのニュイ1級を飲むと感じられるんですが、ミュジニーが持つ物凄い芳香をも、少しですが内包されているような・・それこそがむしろ、プレモー=プリセの1級群の特徴の一つでは無いか?・・などと感じ始めています。
単にエレガントでは済ませられない仕上がりの良さ・・でしょうか。これは滅茶美味しい!・・と思わされてしまいました。
今飲んでも、飲めなくはないですよ。アラン・メドゥーズさんは2028年以降・・と言ってますが、まぁ・・当たりだとは思います。しかし、飲めなくは無い・・美味しく飲めます。
そしてポイント的には山本さんの94点。これがピッタシカンカン(古っ!)。いや~・・久々に超絶に旨いクロ・ド・ラルロを飲ませていただきました!・・・それに、12本も入荷したのは久しぶりです。これは是非飲んで欲しい!・・クロ・デ・フォレは8月に15000円台で行けそうでは有りますが、その前にこのクロ・ド・ラルロで2018年のジャルディーヌさんを・・いや、
「ゴドーを感じながら」
飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
円形劇場のようなクロのカキの貝殻を含む泥灰岩、プレモー石灰岩、白色魚卵状石灰岩の交じる土壌から。ラズベリー、レッドチェリー、リコリス、デリケートで、甘やかな赤系スパイスが立ち上がる。しなやかなタンニン、ヴェルベッティなテクスチャー、ほのかな青さが精妙なタッチを加え、生き生きした酸がフレッシュ感を与えている。うまみの乗った味わい、グリップのあるフィニッシュ。
ワインリポート 山本氏
以下は以前のレヴューです。
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【超繊細系ニュイ=サン=ジョルジュの中で最も繊細なクリマ!】 このところは全然飲めないクロ・ド・ラルロ・ルージュです。今回はやや多めとは言え、やっと1ケースの入荷です。無理をすれば飲めるんですが、この位の入荷総量ですと、予算的に今回のテイスティング分が上限になってしまいます。まぁ、ワイン屋さんでも全アイテムをテイスティングで開けられるところはまず無いと思いますが・・。
クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの2017年ものの色合いをご覧になられて、
「薄い・・なぁ・・」
と思われたかもしれませんが、まぁ、間違いなく、クロ・ド・ラルロはもっと薄いです。90年台のクロ・ド・ラルロなんて、さらに薄かったです。ジャック・セイスが全盛の頃のデュジャックも、
「ロゼか?」
と知らない人が尋ねるほど・・薄かったですが、エキスが濃いんですよね。そしてクロ・ド・ラルロは同様に薄く、しかもクロ・デ・フォレに比較しても、さらに「ドライ」です。
でも早く熟すので、2~3年で非常に美味しくなるんですが・・実は滅茶、超熟でも有ります。1992年のクロ・ド・ラルロなんぞ、滅茶苦茶旨かったですよ。デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュは高価でしたが、古いクロ・ド・ラルロは安かったですから。それに、その頃のエージェントさんは、結構に「古い在庫」をお持ちでした。なので、
「選び放題!」
の時代だった訳です。今考えると良い時代でした。
2017年は、そんな1990年台のド・ラルロに良い意味で「回帰しはじめた」と言えると思います。ただ昔に戻すのではなく、さらに良く観察し、畑の個性を見極めています。エキスはさらに濃密になっています。反対に単純な濃さが減りつつあります。
「ドライなエキスの非常に香るニュイ1級!」
だと思ってください。まぁ、周りは白葡萄が沢山植わっている土壌ですから・・そうなるのは当たり前では有ります。(ジェルボット2017年もテイスティングしていますが、これまた凄い仕上がりでした!)
クロ・ド・ラルロの若木で仕込んだモン・デ・ゾワゾー2017年があれだけ香るんですから・・クロ・ド・ラルロはとんでもないことになっているんじゃないかと推測しています。
是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】
どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2019 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【彼女のキュヴェの中ではパワフルだが、ニュイ的なエレガントさとボディの素晴らしさを、最も表現出来た2019年は出色です!】

2019年もののド・ラルロのワインは今までとがちょっと・・
「色彩そのものが異なる」
ものですから、それを何とかお伝えしたいと、何度も写真を撮るものの・・結局気に入った写真が撮れていないことに後になって気付く訳ですね。
それでもこの一枚は、まだマシな方で・・す。
このグラスの写真の、「純粋な赤紫系の色合い」を、以前の写真と比較してみてください。2018年ものの写真がニュイ=サン=ジョルジュだとするなら、2019年ものは・・どう思われるでしょうか?・・ちょっとシャンボール、入って無いですか?
例えば、最近のメオ=カミュゼの素晴らしいニュイを飲めば、誰でも気付くはずなんですね。ニュイ=サン=ジョルジュやヴォーヌ=ロマネの近辺にも、まるでシャンボールのような花の集合体のような素晴らしいアロマを表現できる・・と言うことを。
その良い代表が、ド・ラルロでしたらクロ・ド・ラルロです。
でも実は・・クロ・デ・フォレにもそれは有るんですね・・。しかしそれは今は完全に裏に回っています。熟を経て、良い状態になったクロ・デ・フォレにこそ、それは現れてくるんです。
今飲んでも美味しいですよ。彼女のワインの中では力強い方です。少し噛めるような肉的ニュアンスが有り、非常に深い・・底辺から湧き上がってくるようなエナジーを感じるワインです。2018年も美味しかったですが、2019年はそれさえも超えたんじゃないかと思います。
あの、ブルゴーニュに厳しいブルゴーニュ専門家?のアレン・メドゥズさんも、上値94ポイントでは有りますが、「heart」のマークを付けています。素晴らしいですが、出来ることなら少し置いて、
「ニュイにもある香水のような素晴らしいアロマ!」
を表に引っ張り出して楽しんで欲しいですね・・きっと出るはずです!超お勧め!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴュー
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【ものの見事なしなやかさ!そして果実の清楚さ!・・この20年で最もエレガントで、しかも欠損部分がまるで無いと言える素晴らしい味わいでした!】

こんな物言いをすると自信過剰だとか、他人の言葉を頭から聞かない・・などと揶揄されることになるかもしれない訳ですが、やはり自分にとっては、自分のテイスティングコメントや評価が一番しっくり来る・・と思っています。まぁ、どこにも間違いや書き損じ、形容詞の使い方が良く無い・・なども在るとしても、やはり嘘を言わない・・心にも無いことを絶対に書かないと決めているので、後になってから自分の書いたものを読み返したとしても、
「・・あぁ・・そうだった!」
と、素直に思えるんですね。そこだけかな・・少々でも誇れるのは・・。
そして、ド・ラルロのワインはもう、少なくとも四半世紀以上に渡って飲み続けているワインです。それなのに、
「毎年味わいの傾向が違う!」
のには驚かされますし、
「醸造家が変わると路線がかなり変更される!」
のも有りますし、
「醸造家が成長したり、ドメーヌに慣れてくるとまた変わる!」
ことにもしばしば気付かされる訳ですね。
で・・長くなってしまうと、
「そんな・・長い文章なんて、読みたくない」
と言われてしまいそうなので端折りますが、
「今のド・ラルロの味わいは、ド・ラルロの歴史の中で一番好きかもしれない・・」
とさえ感じさせてくれたのが2018年のこのクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュでした・・本当ですよ。
勿論、ジャック・ドゥヴォージュさんの、本当にまんまるでたっぷりなクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュも美味しかった!・・完璧だと・・思わされましたし、背筋がゾクっとしたのを覚えています。
でも、それが好きな味わいなのか?・・と聞かれますと・・そんなに単純な話しでは無いんですよね。
まぁ、ワイン屋ですから、どうしても二面性を持った飲み方をしてしまいます。自分の好みを抑え込んでテイスティングしている訳です。
でも、そうしつつも・・「我」や「素」を思い出させられてしまう局面に出会うことも有ります。そんな1本だったのがこのワインです。
決して濃くないです。クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・パワフルでしたでしょう?・・いや~・・2018年ものは、そんな面は無いですよ。
とても充実しているけれど過剰じゃ無いんです。過剰さがまるで無い・・と言った方が良いかもしれません。
以前は、
「クロ・デ・フォレは丸さとまとまりが出る5年ほどの期間を置くのがベスト!」
と感じていました。なので、お客様にも、「飲めるけれど・・それは覚えておいてね」と伝えていました。
ところがです。この2018年クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・美味しく飲めてしまうんですね。タンニンの突出などまるでなく、酸はヴォーヌ=ロマネ村のピノ・ノワールのように柔らかい・・です。
果実の感がとても精緻で美しいので、食の邪魔をすることが無いし、まるでヴォーヌ=ロマネのワインのような振る舞いをするかと思えば、最上質のニュイ=サン=ジョルジュが持つ、稀にしか出会えない「超エレガンス」に育って行くだろう・・と思えるような要素も見えます。
言ってみれば、「尖った部分のないやわらかさ」に加え、「ピノが持つ美しさ」が、このワインを今現在でも美味しく飲ませてくれる要素なのだろうと・・・勝手に結論付けていました。
この見事な味わいを造り出したのは「ジェラルディンヌ・ゴドー」さん・・でした。
確かに、あのジャック・セイスを彷彿させた90年代のド・ラルロの味わいも捨てがたいし、今のこの清楚で淑な・・もう少し90年代の味わいを上手に膨らませて来たかのような味わいも・・素晴らしいと思います。
これは是非とも!・・飲んでいただきたい見事なピノ・ノワールです。
因みにティム・アトキン氏も、ヴィノスのガローニさんも94ポイントで揃ってます。おそらくですが、
「パワフルさが少ない・・少し大人しい感じ」
をそのように評価したと思われますが、それはそれで正しいのかもしれない・・。でも飲んでいておいしいのはこんなワインに違い無いと感じています。
素晴らしい出来でした。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!
確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。
2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。
ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。
そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。
その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。
メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。
「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」
と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。
しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。
2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。
そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。
それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。
そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、
「こんな色合い」
です。
「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」
と言いたいと思います。
「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」
でもあります。
2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
━━━━━
【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2019 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【すみません・・飲めるほど入りませんでした】--以下は以前のレヴューです。
【ロマネ=サン=ヴィヴァンと1ポイント差なら、2018年はレ・スショと言う選択肢も有りかもしれません。】 ニール・マーティンさんは2ポイント差を付けましたが、バーガウンドのメドゥズさんとワイン・リポートの山本さんは1ポイント差。
これって・・どうなんだろ?・・と思ってしまうんですが、根本的にはレ・スショはレ・マルコンソールには叶わない・・と思ってまして・・いや、あくまで自身の感覚的なものですが、だとするなら、1ポイント差ってかなり微妙な評価だと思うんですね。
するとロマネ=サン=ヴィヴァンが大したことが無くてレ・スショがいつもより凄い出来で・・と考えるか・・いや、でもロマネ=サン=ヴィヴァンは上値97ポイントも有るのでそれは無いだろう・・とするなら、もし、ド・ラルロが他の優れた1級畑をリリースしていたらどうなるか?・・などと考えてしまうんですね。
まぁ、自分の中では・・レ・スショ2018年が良い出来だった性で、余りバランスは考慮せず、単純にポテンシャルを図ったと言うことにしておきました。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【評論家さんたちの評価はまだ揃いませんが、彼らがどう評価するか、興味津々です。】 2017年のド・ラルロの驚異的な香水のようなアロマをどう評価するのか、もしくは「出来るのか?」を見てみたいと思っています。
徳丸さんは、
「2017年のラルロは、日本人には受けるが海外メディアは大して評価しないかもしれない」
のように書いています。
noisy も同様に思います。しかし、稀にめちゃ繊細な神経をお持ちの方もいらっしゃいますし、そのような方はまた、それまでの「しがらみ」みたいなものを持ち合わせてない場合が多いので、
「どう評価するか?」
で、noisy もその方々を評価できちゃうんですよね・・。
「あ、・・こう言うのはこの人、判らないんだな・・」
と判断する訳です。
でも、実はこれ、しょっちゅうやってまして、ご来店の方にワインをお選びする際などにね・・。いや、勿論この場合は、判らないんだ・・なんて思いませんよ。そこは、「好みじゃないんだ」と置き換わります。お客さんはそれで良いんですね。
でも、ワインのお勉強がしたいとか、エキスパートを目指している・・というようなお客様には、「好みじゃない」じゃ済まさないですけどね。
ド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンがロマネ=コンティ直下なら、このレ・スーショはリッシュブール直下の良いところに有ります。美味しく無い訳が無いです。
今回は1ケースちょっといただけたので、飲んでご案内しようと思ったんですが、このペースでテイスティングするのが勿体無いような気がしてしまいまして・・まだ飲んでいません。
2017年のド・ラルロ・・・エレガントで物凄いアロマです。ロマネ=サン=ヴィヴァンは高過ぎて手が出ないにせよ、ここは必ず押さえておきたいところだと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】
2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2019 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【ジャスパー・モリスさんはきっと気付いているんでしょうね・・でも何でニュイ=サン=ジョルジュ系の評価が高くは無いのが今ひとつ判りません。】
飲んでませんが・・ジャスパー・モリスさんは上値98ポイント。絶好の場所にある、ロマネ=サン=ヴィヴァンの中のロマネ=サン=ヴィヴァンですから、あのブルゴーニュのトップの畑に見事に接している、あの畑のワインのアロマ・・。もうnoisy もしばらく飲んでいませんが、一度そのグラスに向き合ってしまったら、きっとしばらくは身じろぎひとつ出来なくなるかもしれません。
この先は価格は上がる一方だと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ロマネ=コンティに接する絶好のロケーションから、最もリーズナブルと言えるロマネ=サン=ヴィヴァンです!】 ニール・マーティンさんは上値97ポイント、いつも厳しいアラン・メドゥズさんは上値94ポイントでした。ワインリポートの山本さんは96ポイントで、
「・・なんか、判る・・」
と一人悦に入ってます。
ロマネ=コンティは買えないにしても、モロに真向かいですから・・はい。絹漉しのテクスチュアの雅で荘厳なロマネ=サン=ヴィヴァン・・・お宝です。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
2017年のド・ラルロは半端ないです。ド・ラルロを知っているなら、この20年で最高の仕上がりと言って良いはずです。
「ブルゴーニュワインはただ濃いだけじゃダメ」
それは誰しもが認識していることでしょう。ロマネ=コンティは濃いのか?・・いや、濃密な一面を見せるかもしれないが決して濃いワインでは無い。ラ・ターシュはどうなのか?ラ・ロマネは?ラ・グランド・リュは?・・と問えば、その答えは歴然としています。
リアルワインガイド第66号を読むと、ジェラルディーヌ女史は過労で入院中で会えなかったと書いてありました。また、2017年と言うヴィンテージが「力のヴィンテージではない」と評しています。
noisy的には、勿論、ヴィンテージの背景もあることは重々承知しつつも、ジャック・ドゥヴォージュによる畑の調査、緻密な醸造から、ジェラルディーヌ女史による感性のワインへと変貌しつつあるものが花開きつつあるんだ・・と言う理解をしています。
もう、クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの香水のような素晴らしいアロマにぞっこんですが、それがロマネ=サン=ヴィヴァンになっちゃったらどうなってしまうのかと・・きっと飲むチャンスはないでしょうが・・
ちなみにリアルワインガイド第66号はポテンシャル96+ですが、
「得点は97点でも、98点でもあります。」
と、ぶっちゃけちゃってます。
で、「とんでもない香り」だそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】
まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
● 2014 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】

何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2014 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ・サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【とても美味しいです!・・エキスの出方はフーリエに似て来ました!】
申し訳有りません。極少のご案内ですので量が無く、飲めておりません。クロ・デ・フォレ2014年のコメントをご参照ください。
各畑の位置




以下は2011年時のコメントです。
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【かなりの仕上がりです!ルリッシュ以上!】 今回は残念ながら数量も無く、また、テイスティングもせずに多く仕入れられるような環境でも無いので、全てのテイスティングは出来ませんでした。リアルワインガイドでもまだレヴューは有りませんで・・申し訳有りません。なので、細かなご紹介は致しかねるのが残念です。全部空けちゃうと・・本当に商売にならんのですよ・・。
と書いていましたが、やっぱり気になっちゃいまして・・・結局、赤が出ることを承知で、「ニュイ・サン=ジョルジュ
ル・プティ・タルロ2011」を空けちゃいました!・・・いや、素晴らしい仕上がりです。
このプティ・タルロは本来、1級を名乗れる素性では有りますが、若木であること(、もしくはクロ・ド・ラルロの格下げも入る余地が有ると思います)から村名としてリリースされています。
ニュイの1級にふさわしい細やかさと力強さ、そしてそのバランスを持っており、非常にドライな味わいながらも旨み成分が多く、エキスがキッチリ出て、ムッチリとしたニュイのスパイシーさがクラクラ来るほど香ってきます。ルリッシュの仕上げより、より濡れていてグラディエーションを描き、しかも立体の構造がクリアに見て取れます。これはとても美味しい!
ちょっとどころか、完全に見直してしまいました・・・?いや、ドゥヴォージュは初ヴィンテージでしたね・・これからが実に楽しみです。エレガント命なクロ・ド・ラルロも飲みたくなってしまいました。
もし2011年のネガティブさを心配していらっしゃるのでしたら、それは杞憂です。下手すれば2010年よりも素晴らしいんじゃないかと思います。リアルや他の評価機関がどんな評価をするか、楽しみですね!超お奨めです!
クロ・ド・ラルロはとりあえずまだ飲んでいません。昨年は6本でしたか・・入荷が・・。ド・ラルロのラインナップの中では、薄旨系のエレガントタイプです。
ヴォーヌ=ロマネは、1級スショの若木のようで、超レアです。数が全然有りません・・・でもヴィラージュと書いてあるのでおかしいな?・・村の中央にヴィラージュと言う名前の区画が有るんですよね~。
ヴォーヌ=ロマネ1級スショはもうご存知ですよね。マルコンソールと共に、ヴォーヌ=ロマネの1級のトップです。きっと良い仕上がりでしょう!こちらもレアに付き、条件を付けさせていただきました。申し訳有りません。
とても素晴らしい年になったと言える、ド・ラルロの2011年。さすがの仕上がりでした!お奨めします!
● 2018 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【ロマネ=コンティに接する絶好のロケーションから、最もリーズナブルと言えるロマネ=サン=ヴィヴァンです!】
ニール・マーティンさんは上値97ポイント、いつも厳しいアラン・メドゥズさんは上値94ポイントでした。ワインリポートの山本さんは96ポイントで、
「・・なんか、判る・・」
と一人悦に入ってます。
ロマネ=コンティは買えないにしても、モロに真向かいですから・・はい。絹漉しのテクスチュアの雅で荘厳なロマネ=サン=ヴィヴァン・・・お宝です。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
2017年のド・ラルロは半端ないです。ド・ラルロを知っているなら、この20年で最高の仕上がりと言って良いはずです。
「ブルゴーニュワインはただ濃いだけじゃダメ」
それは誰しもが認識していることでしょう。ロマネ=コンティは濃いのか?・・いや、濃密な一面を見せるかもしれないが決して濃いワインでは無い。ラ・ターシュはどうなのか?ラ・ロマネは?ラ・グランド・リュは?・・と問えば、その答えは歴然としています。
リアルワインガイド第66号を読むと、ジェラルディーヌ女史は過労で入院中で会えなかったと書いてありました。また、2017年と言うヴィンテージが「力のヴィンテージではない」と評しています。
noisy的には、勿論、ヴィンテージの背景もあることは重々承知しつつも、ジャック・ドゥヴォージュによる畑の調査、緻密な醸造から、ジェラルディーヌ女史による感性のワインへと変貌しつつあるものが花開きつつあるんだ・・と言う理解をしています。
もう、クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの香水のような素晴らしいアロマにぞっこんですが、それがロマネ=サン=ヴィヴァンになっちゃったらどうなってしまうのかと・・きっと飲むチャンスはないでしょうが・・
ちなみにリアルワインガイド第66号はポテンシャル96+ですが、
「得点は97点でも、98点でもあります。」
と、ぶっちゃけちゃってます。
で、「とんでもない香り」だそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】
まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【ロマネ=サン=ヴィヴァンと1ポイント差なら、2018年はレ・スショと言う選択肢も有りかもしれません。】
ニール・マーティンさんは2ポイント差を付けましたが、バーガウンドのメドゥズさんとワイン・リポートの山本さんは1ポイント差。
これって・・どうなんだろ?・・と思ってしまうんですが、根本的にはレ・スショはレ・マルコンソールには叶わない・・と思ってまして・・いや、あくまで自身の感覚的なものですが、だとするなら、1ポイント差ってかなり微妙な評価だと思うんですね。
するとロマネ=サン=ヴィヴァンが大したことが無くてレ・スショがいつもより凄い出来で・・と考えるか・・いや、でもロマネ=サン=ヴィヴァンは上値97ポイントも有るのでそれは無いだろう・・とするなら、もし、ド・ラルロが他の優れた1級畑をリリースしていたらどうなるか?・・などと考えてしまうんですね。
まぁ、自分の中では・・レ・スショ2018年が良い出来だった性で、余りバランスは考慮せず、単純にポテンシャルを図ったと言うことにしておきました。
以下は以前のレヴューです。
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【評論家さんたちの評価はまだ揃いませんが、彼らがどう評価するか、興味津々です。】 2017年のド・ラルロの驚異的な香水のようなアロマをどう評価するのか、もしくは「出来るのか?」を見てみたいと思っています。
徳丸さんは、
「2017年のラルロは、日本人には受けるが海外メディアは大して評価しないかもしれない」
のように書いています。
noisy も同様に思います。しかし、稀にめちゃ繊細な神経をお持ちの方もいらっしゃいますし、そのような方はまた、それまでの「しがらみ」みたいなものを持ち合わせてない場合が多いので、
「どう評価するか?」
で、noisy もその方々を評価できちゃうんですよね・・。
「あ、・・こう言うのはこの人、判らないんだな・・」
と判断する訳です。
でも、実はこれ、しょっちゅうやってまして、ご来店の方にワインをお選びする際などにね・・。いや、勿論この場合は、判らないんだ・・なんて思いませんよ。そこは、「好みじゃないんだ」と置き換わります。お客さんはそれで良いんですね。
でも、ワインのお勉強がしたいとか、エキスパートを目指している・・というようなお客様には、「好みじゃない」じゃ済まさないですけどね。
ド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンがロマネ=コンティ直下なら、このレ・スーショはリッシュブール直下の良いところに有ります。美味しく無い訳が無いです。
今回は1ケースちょっといただけたので、飲んでご案内しようと思ったんですが、このペースでテイスティングするのが勿体無いような気がしてしまいまして・・まだ飲んでいません。
2017年のド・ラルロ・・・エレガントで物凄いアロマです。ロマネ=サン=ヴィヴァンは高過ぎて手が出ないにせよ、ここは必ず押さえておきたいところだと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】
2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2018 Nuits Saint-Georges la Gerbotte Blanc
ニュイ=サン=ジョルジュ・ラ・ジェルボット・ブラン
【以前のクロ・ド・ラルロ・ブランとそん色の無い見事な味わいです!】

「コース変更、しましたか?」
と言いたくなるような、見事なジェルボットでした!20年前に飲んだクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同じような印象ながら、
「マッチョな部分を超繊細に!」
と言うような、クロ・ド・ラルロ・ブランとは仕上げのコースが異なるだけ・・と言うような感じです。
むしろ2017年ものは、クロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ見分けが付かないような感じだったんですが、2018年ものは、冷涼で繊細なシャルドネ・・筋肉質系?・・と思える味わいです。
これ、相当に旨いです!・・ミネラルが物凄いムルソーや果実が豪奢なピュリニー=モンラッシェとも異なるニュイのシャルドネを見事に現わしていると思います。勿論、ピノ・ブラン的な中抜け感はゼロ!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S.因みにワインリポートの山本氏は91ポイントでした!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【目の詰まった見事に豊満なシャルドネ!ピュリニー的な美味しさを満載しています!】
久しぶりのラ・ジェルボットです。仕入れたのは2006年以来?・・かもしれませんので、約12年間、無視することになってしまいました。
何せこのラ・ジェルボットはクロ・ド・ラルロ・ブランの若木でして、
「あの素晴らしいクロ・ド・ラルロ・ブランのセカンドだから旨いに違い無い・・」
と思って仕入れた2005年ものが、ものの見事に「シャバい」味わいで・・もうガッカリしてしまいました。2006年ものは確かアソートでしか買えなかったので、仕方なく仕入れたのかな?・・と思います。その後は「ラ・ジェルボットは拒絶」して現在に至ります。
まぁ、そうは言っても当初は全然売らなかった2005年ラ・ジェルボットも数年後に開けてみると、クロ・ド・ラルロ・ブランと同様に深みを見せることが確認できましたので、ネットのページにブティーユ、ハーフともアップしておりましたら無くなっちゃいました。
「いい加減・・ラ・ジェルボットも樹齢が上がって旨くなっているんじゃないか?」
と言う気持ちと、
「2017年は良さそうな年だし、2017年こそド・ラルロはチェックしないといかんかな?」
と言う思いが錯綜したので、そこそこは仕入れさせていただくことにしました。で、早速・・飲んでみると・・これがかなり素晴らしいんですね・・。
以前のシャバ~い、緩~い感じは全く無し。半透明フィルム風のミネラリティに包まれた黄色や白の果実がナチュラルっぽいアロマとしてスピード感を持ち感じられます。ほんのりとトースティーさのある樽由来のアロマがトッピングされ、しかしそれもシツコク無く、気持ち良いです。樽の要素に負けないだけのパワーが有る・・と言うことですね。
口内に入るとまずはマッタリ・・オイリーです。そこから柑橘系フルーツがたっぷり解けて来ます。すごく良い・・好印象です。滅茶ゴージャスです。中域もふっくらと膨らみ、そのまま果実の放出を感じながら粘りのある余韻に入ります。
「・・あれ・・これじゃぁ全くのクロ・ド・ラルロ・ブランじゃん?」
と思えるほどのパフォーマンスに驚きを感じました。
たかだか10年ちょっとでここまで来るか・・と、驚きを隠せませんでした。うちの庭にあるピノ・ノワールも結構な年を重ねて来ましたが、未だにまだまだ・・でして、この先はどうしようかと悩んでいます。やはり、病害虫にやられてしまいますんで、少なくともボルドー液位はあげないと収穫できないなぁ・・と。
ま・・これほどに素晴らしいとなると・・皆、飲んじゃいますね。カミさんも息子も何も言わずしっかり飲んでしまっています。
個人的な印象ですと、2000年頃のクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同一なニュアンスです。その頃はクロ・ド・ラルロ・ブランはまだ6千円ほどだったかと思います。ただし、届いた直後はもっと締まっていた感じです。このラ・ジェルボットは、今飲んでも充分に旨いですが、樽が完全に溶け込む3年後からはほぼ全開で飲めるでしょう。それに20年はしっかり持つと思います。
クロ・ド・ラルロ・ブランはそれなりに高価になってしまいました。コート・ド・ニュイの白ワインと言えば、ミュジニー・ブランかクロ・ブラン・ド・ヴージョか、ニュイ=サン=ジョルジュ・ブラン位しか無かった訳です。また、アンリ・グージュのピノ・ブランもこのニュイ=サン=ジョルジュなんですね。それだけ歴史の有るニュイ・ブランです。
滅茶オイリーで非常に厚みのある果実主体のシャルドネでした。非常に美味しいです。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
● 2017 Nuits Saint-Georges la Gerbotte Blanc
ニュイ=サン=ジョルジュ・ラ・ジェルボット・ブラン
【目の詰まった見事に豊満なシャルドネ!ピュリニー的な美味しさを満載しています!】

久しぶりのラ・ジェルボットです。仕入れたのは2006年以来?・・かもしれませんので、約12年間、無視することになってしまいました。
何せこのラ・ジェルボットはクロ・ド・ラルロ・ブランの若木でして、
「あの素晴らしいクロ・ド・ラルロ・ブランのセカンドだから旨いに違い無い・・」
と思って仕入れた2005年ものが、ものの見事に「シャバい」味わいで・・もうガッカリしてしまいました。2006年ものは確かアソートでしか買えなかったので、仕方なく仕入れたのかな?・・と思います。その後は「ラ・ジェルボットは拒絶」して現在に至ります。
まぁ、そうは言っても当初は全然売らなかった2005年ラ・ジェルボットも数年後に開けてみると、クロ・ド・ラルロ・ブランと同様に深みを見せることが確認できましたので、ネットのページにブティーユ、ハーフともアップしておりましたら無くなっちゃいました。
「いい加減・・ラ・ジェルボットも樹齢が上がって旨くなっているんじゃないか?」
と言う気持ちと、
「2017年は良さそうな年だし、2017年こそド・ラルロはチェックしないといかんかな?」
と言う思いが錯綜したので、そこそこは仕入れさせていただくことにしました。で、早速・・飲んでみると・・これがかなり素晴らしいんですね・・。
以前のシャバ~い、緩~い感じは全く無し。半透明フィルム風のミネラリティに包まれた黄色や白の果実がナチュラルっぽいアロマとしてスピード感を持ち感じられます。ほんのりとトースティーさのある樽由来のアロマがトッピングされ、しかしそれもシツコク無く、気持ち良いです。樽の要素に負けないだけのパワーが有る・・と言うことですね。
口内に入るとまずはマッタリ・・オイリーです。そこから柑橘系フルーツがたっぷり解けて来ます。すごく良い・・好印象です。滅茶ゴージャスです。中域もふっくらと膨らみ、そのまま果実の放出を感じながら粘りのある余韻に入ります。
「・・あれ・・これじゃぁ全くのクロ・ド・ラルロ・ブランじゃん?」
と思えるほどのパフォーマンスに驚きを感じました。
たかだか10年ちょっとでここまで来るか・・と、驚きを隠せませんでした。うちの庭にあるピノ・ノワールも結構な年を重ねて来ましたが、未だにまだまだ・・でして、この先はどうしようかと悩んでいます。やはり、病害虫にやられてしまいますんで、少なくともボルドー液位はあげないと収穫できないなぁ・・と。
ま・・これほどに素晴らしいとなると・・皆、飲んじゃいますね。カミさんも息子も何も言わずしっかり飲んでしまっています。
個人的な印象ですと、2000年頃のクロ・ド・ラルロ・ブランとほぼ同一なニュアンスです。その頃はクロ・ド・ラルロ・ブランはまだ6千円ほどだったかと思います。ただし、届いた直後はもっと締まっていた感じです。このラ・ジェルボットは、今飲んでも充分に旨いですが、樽が完全に溶け込む3年後からはほぼ全開で飲めるでしょう。それに20年はしっかり持つと思います。
クロ・ド・ラルロ・ブランはそれなりに高価になってしまいました。コート・ド・ニュイの白ワインと言えば、ミュジニー・ブランかクロ・ブラン・ド・ヴージョか、ニュイ=サン=ジョルジュ・ブラン位しか無かった訳です。また、アンリ・グージュのピノ・ブランもこのニュイ=サン=ジョルジュなんですね。それだけ歴史の有るニュイ・ブランです。
滅茶オイリーで非常に厚みのある果実主体のシャルドネでした。非常に美味しいです。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【今回はまだ飲んでいません・・が、リアルワインガイド第66号はポテンシャル93+、もしくは、94点でも良いとのこと!】
すみません、飲めてません。しかし、若木のラ・ジェルボットがもう・・昔のクロ・ド・ラルロ・ブラン並みになっちゃってますからね。根が深いところまで伸びているはずのこちらのキュヴェは、さらにミネラリティが高く、やや硬質に感じられることでしょう。
このコラムでも何度も申し上げていますが、5年経ったクロ・ド・ラルロ・ブランは激変します・・。その際に評価するとなると、当然ながら評価は上がってしまうものです。
透明なミネラル感に満ち溢れた果実たっぷりのシャルドネです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2014 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【とても美味しいです!・・エキスの出方はフーリエに似て来ました!】
飲めておりませんので以前のコメントを掲載しています。

フーリエに似てきた・・・とは言っても、あれほどの「濡れたテクスチュア」までには届かないんですが、何せ「硬くない」もんで・・・それに、「キッチリ旨みの乗ったエキス味」なもんで、ついつい・・
「旨いじゃん!」
と言葉が出てきてしまうんですね・・・。ドゥヴォージュさんの力量も素晴らしいものが感じられました。
上記の造り手コラムでも書きましたが、何せSo2の少なさが漂ってくるようなアロマティックで柔らかい濃密な印象で、肯定感しか与えられないんですよ・・・なので、もし数が許せばクロ・デ・フォレを飲んでみたいと思っています。・・いや、クロ・ド・ラルロも飲みたいんですが、ほんの数本しか無いので飲めないんですね。是非ご検討ください!実に旨い!・・官能感すら漂う素晴らしいコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです!
■新米ソムリエ oisy の熱血テイスティングコメント(一応、調理師免許も持ってます・・)
Cote de Nuits Villages Clos du Chapeau 2012 Domaine de l'Arlot 「膨らみのある果実感と魅惑的なフィネス!」
赤い果実の香り。良いピノのエアリーなスミレの香りがするがそれだけではなく少しワイルドなスパイス、土的なニュアンス。果実味はなめらかで中域の味わいが非常に充実。そしてタンニンも柔らかく申し分ない。
今から美味しく飲めるが決して今だから美味しいというわけではない、ポテンシャルの高さ的にプルミエ並みではないかと感じます。
ラルロはビオの造り手らしいですが、ビオによるものなのか、ふくよかな土壌から連想される、膨らみある果実が印象的です。美味しい!
以下は2011年時のコメントです
━━━━━
【オリヴィエ・ルリッシュからジャック・ドゥヴォージュへ!!ファーストヴィンテージは如何に??】 今回は残念ながら数量も無く、また、テイスティングもせずに多く仕入れられるような環境でも無いので、全てのテイスティングは出来ませんでした。リアルワインガイドでもまだレヴューは有りませんで・・申し訳有りません。なので、細かなご紹介は致しかねるのが残念です。全部空けちゃうと・・本当に商売にならんのですよ・・。
しかしながら、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ クロ・デュ・シャポーを先日テイスティングしました。そして、その感触は・・大変良かったです・・。
で、ここからは、ブルゴーニュワインファンならでのコアな印象の話しになります。非常に細かい部分のニュアンスの話しですから、言ってる意味合いが判らない方や、実際に飲んでみても違いを感じない方もいらっしゃるかもしれません。
個人的には、・・いや、まだ確定までは行かないんですが、オリヴィエ・ルリッシュの作風よりも好きかもしれません。オリヴィエの場合はとてもピュアで凝縮感も有るんですが、エッジが結構ガシッっとしていて、いきなりの濃淡がハッキリしているように感じていました。
まだコート・ド・ニュイだけのテイスティングですが、そのパレットの中心から外縁に向かい、もっとも外側から何も無い部分に到達する部分の、見事なまでの微細なグラディエーションをジャック・ドゥヴォージュは描いて見せているんです!
そしてド・ラルロらしいニュイの深い香りと、潜んでいるエレガントな表情、全く残糖の無いドライ感、薄い旨みの綺麗な出汁感、上品な膨らみからの長いドライな余韻・・・そしてそこから帰ってくる良質な旨みと香り・・。どこかに感じていたオリヴィエの力技の部分を超えた、とても素晴らしいニュイでした!
そして、飲んではいませんが、noisy個人的には大好きなクロ・ド・ラルロの仕上がりが、とても楽しみになりました。ニュイの仕上げを見れば、どれほどまでに葡萄を選別し、慎重な醸造をしたのかが伝わってきます。
実際、ブルゴーニュの2011年を色々と飲んできましたが、当初の予測では「とても厳しい」と感じていた印象を覆すものとなっていることを、とてもうれしく思っています。ド・シャソルネイ2011も素晴らしかったし、今回のマルク・ロワも目茶美味しい・・・心配だったパカレに関しては、是々非々でしたけどね。
もっともリーズナブルなキュヴェのコート・ド・ニュイ・ヴィラージュでさえこの仕上がりなら、全く心配要らないでしょう。ジャック・ドォヴォージュ・・・素晴らしいセンスをこの先も発揮してくれるに違いないです。ご検討ください!
● 2016 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】

深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2014 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Cuvee les Petit Plets
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・レ・プティ・プレ
● 2014 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de L'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
● 2014 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【とても美味しいです!・・エキスの出方はフーリエに似て来ました!】
申し訳有りません。極少のご案内ですので量が無く、飲めておりません。クロ・デ・フォレ2014年のコメントをご参照ください。
各畑の位置




以下は2011年時のコメントです。
━━━━━
【かなりの仕上がりです!ルリッシュ以上!】 今回は残念ながら数量も無く、また、テイスティングもせずに多く仕入れられるような環境でも無いので、全てのテイスティングは出来ませんでした。リアルワインガイドでもまだレヴューは有りませんで・・申し訳有りません。なので、細かなご紹介は致しかねるのが残念です。全部空けちゃうと・・本当に商売にならんのですよ・・。
と書いていましたが、やっぱり気になっちゃいまして・・・結局、赤が出ることを承知で、「ニュイ・サン=ジョルジュ
ル・プティ・タルロ2011」を空けちゃいました!・・・いや、素晴らしい仕上がりです。
このプティ・タルロは本来、1級を名乗れる素性では有りますが、若木であること(、もしくはクロ・ド・ラルロの格下げも入る余地が有ると思います)から村名としてリリースされています。
ニュイの1級にふさわしい細やかさと力強さ、そしてそのバランスを持っており、非常にドライな味わいながらも旨み成分が多く、エキスがキッチリ出て、ムッチリとしたニュイのスパイシーさがクラクラ来るほど香ってきます。ルリッシュの仕上げより、より濡れていてグラディエーションを描き、しかも立体の構造がクリアに見て取れます。これはとても美味しい!
ちょっとどころか、完全に見直してしまいました・・・?いや、ドゥヴォージュは初ヴィンテージでしたね・・これからが実に楽しみです。エレガント命なクロ・ド・ラルロも飲みたくなってしまいました。
もし2011年のネガティブさを心配していらっしゃるのでしたら、それは杞憂です。下手すれば2010年よりも素晴らしいんじゃないかと思います。リアルや他の評価機関がどんな評価をするか、楽しみですね!超お奨めです!
クロ・ド・ラルロはとりあえずまだ飲んでいません。昨年は6本でしたか・・入荷が・・。ド・ラルロのラインナップの中では、薄旨系のエレガントタイプです。
ヴォーヌ=ロマネは、1級スショの若木のようで、超レアです。数が全然有りません・・・でもヴィラージュと書いてあるのでおかしいな?・・村の中央にヴィラージュと言う名前の区画が有るんですよね~。
ヴォーヌ=ロマネ1級スショはもうご存知ですよね。マルコンソールと共に、ヴォーヌ=ロマネの1級のトップです。きっと良い仕上がりでしょう!こちらもレアに付き、条件を付けさせていただきました。申し訳有りません。
とても素晴らしい年になったと言える、ド・ラルロの2011年。さすがの仕上がりでした!お奨めします!
■ N.V. Marc de Bourgogne
マール・ド・ブルゴーニュ
【希少なマールです!】
もう随分前になりますが、ド・ラルロのフィーヌが7千円位だったか・・開けたことが有りまして、これが凄い美味しかった!・・いや、ワインならまだ度数が低いので良いとしても、これで40度も有るような蒸留酒にはまってしまったら若死にしてしまうだろうと、ちょっと考えたら背筋がゾッとしてしまったのを覚えています。
まぁ、その残りは他の超高価なヴィンテージ物のフィーヌと一緒に煮物に使われてしまったことは・・ご存じかもしれません。そしてその煮物の美味しかったこと!・・やはり高級アルコールは適当に造られたアルコールとはまた異なるんだと言うことを教えてくれた一件でした。
何年かぶり、もしくは十年を超えていると思いますが、ご案内できるのを嬉しく思っています。
だって・・某国産の「山X」とかをプレミアム付きで買って飲むより、きっと大きな幸せが有ると思いますから・・。ご検討くださいませ。
以下は大昔に書いた偉そうな文章です。
━━━━━
大たいに言って酷いショップである。来ていただいた方にはお判りだろう。プライスは付いてないわ、通路にワイン箱が「ごちゃまん」と積みあがってるわ、店主の愛想は全く無いし、おまけにやたらと寒い来たもんだ・・・。
「ちょっと今日飲むワインでも買いに行ってみようか・・」
なんて、どこぞのスーパーかディスカウントショップにでも出かけるつもりで入ったもんなら、ある種のカルチャーショックを受けているに違いない。・・・まあ、それでも店内は極寒の初夏、15分も頑張ってセラーにいらっしゃるもんだからちょっとは骨があるのかと、こちらも寒いのをかなり我慢しつつ待避所(ここは結構暖かい・・・)を出てレジ横のPCで伝票なんぞの処理をしていると、若いカップルが何も言わずに急ぎ足でスッと出て行きおった・・。まあいいけどね。せめて一言何か言ってけよ、とは思う。気に入らないShopだったから何も言うことは無い、という気持ちの表れだとは思うが・・・。
いつぞやはネットで注文をされたお客さんからの通信欄には、
「酷いページですね。ページの1/3が空間ですか。おまけに文字だらけで下へのスクロールが長くてマウスを動かすのがウザイ」
と書いてあった。かなりカチンと来たので、
「お子ちゃまにゃ売れん!」
と書いて返信して売らなかった。大きなお世話である。ウザくて精神的に好まないのなら、見なければ良いのだ。これでも一応色々と考えつつ、試行錯誤しながらのページ作成である。何がどうでもページを埋めれば良いとは全く思っていないし、理解不能だとしても手前味噌ながらある種の「美意識」みたいなものもある。どうやら昨今は挨拶さえ満足にできないし、まともに他人とネゴシエーション出来無い半人前が増殖中のようだ。
「商売なんだからお客様は神様で、絶対の存在だろう?」
と言うかもしれない。勿論のこと、大きな企業さんならまずそのまんまだろうし、noisyとて、出来るだけ「力」になりたいと思うし、頼まれれば何事も一生懸命にやる心づもりはある。・・・でも縁有って袖を摺りあったとしても、全ての方が神様では無いと思っている。出来ないことは出来ないし、嫌いなことは嫌いなのだ。ほとんど一人でやっているのだから、大企業のように大勢でのセクション処理では無い。PCで伝票を打ちながら、店のお客さんの対応をしつつ、電話を受け取り、荷物の検品や出荷と品出しをしながら新着の文章を書きつつメールの返信をして、テイスティングに出かけるのである。食事も満足に取れず、用足しもしっかり我慢し、休日も無く、はたまた洋服など買いに言った記憶はいつぞや礼服が必要になった時位しか思い当たらない。・・いや何日も掛けて新着を書いていたら状況が変わって、昨日ようやくジーンズを買いに行かされた。ボロボロになって財布や免許証が落ちるだろ!とカミサンに怒られ、ようやっとだ。
まずは誰に対してでも「判ろう」と思う心が必要だと思うし、それが全ての原点だと思う。どこの誰とも名乗らずに、
「2005年の×××の入荷予定は?在庫は?幾らくらいになりますか?」
などといきなり相手の都合も聞かずにレアもの探しをまくし立てたり、
「お宅のページに出ている××××年のミュジニーの輸入エージェントはどこですか?」
などと電話をされると、
「有りません。判りません。只今接客中ですので・・・」
と、勢い、ぬるい返事をすることになってしまうのだ。
確かに自身の忙しさにかまけたフレンドリーではない酷いショップであることを自認しているし、それでも少しでも良い方向へ持って行こうとは努力しているつもりでは有るが、道理を全くわきまえないお客さんに「にゃ~ご」するつもりはこれからもおそらく無い。
━━━━━
何時もの通り飲んでいないのでコメントは出来ません。色合いは僅かに色づいていますがさほど濃いものでは無く、カラメルで色を付けてはいないようです。とても良いヴィンテージのフィーヌです。
■ N.V. Fine de Bourgogne Hors d'Age
フィーヌ・ド・ブルゴーニュ・オル・ダージュ
【こちらは余り出てこないフィーヌです。価格も頑張ってます!】
もう随分前になりますが、ド・ラルロのフィーヌが7千円位だったか・・開けたことが有りまして、これが凄い美味しかった!・・いや、ワインならまだ度数が低いので良いとしても、これで40度も有るような蒸留酒にはまってしまったら若死にしてしまうだろうと、ちょっと考えたら背筋がゾッとしてしまったのを覚えています。
まぁ、その残りは他の超高価なヴィンテージ物のフィーヌと一緒に煮物に使われてしまったことは・・ご存じかもしれません。そしてその煮物の美味しかったこと!・・やはり高級アルコールは適当に造られたアルコールとはまた異なるんだと言うことを教えてくれた一件でした。
何年かぶり、もしくは十年を超えていると思いますが、ご案内できるのを嬉しく思っています。
だって・・某国産の「山X」とかをプレミアム付きで買って飲むより、きっと大きな幸せが有ると思いますから・・。ご検討くださいませ。
以下は大昔に書いた偉そうな文章です。
━━━━━
大たいに言って酷いショップである。来ていただいた方にはお判りだろう。プライスは付いてないわ、通路にワイン箱が「ごちゃまん」と積みあがってるわ、店主の愛想は全く無いし、おまけにやたらと寒い来たもんだ・・・。
「ちょっと今日飲むワインでも買いに行ってみようか・・」
なんて、どこぞのスーパーかディスカウントショップにでも出かけるつもりで入ったもんなら、ある種のカルチャーショックを受けているに違いない。・・・まあ、それでも店内は極寒の初夏、15分も頑張ってセラーにいらっしゃるもんだからちょっとは骨があるのかと、こちらも寒いのをかなり我慢しつつ待避所(ここは結構暖かい・・・)を出てレジ横のPCで伝票なんぞの処理をしていると、若いカップルが何も言わずに急ぎ足でスッと出て行きおった・・。まあいいけどね。せめて一言何か言ってけよ、とは思う。気に入らないShopだったから何も言うことは無い、という気持ちの表れだとは思うが・・・。
いつぞやはネットで注文をされたお客さんからの通信欄には、
「酷いページですね。ページの1/3が空間ですか。おまけに文字だらけで下へのスクロールが長くてマウスを動かすのがウザイ」
と書いてあった。かなりカチンと来たので、
「お子ちゃまにゃ売れん!」
と書いて返信して売らなかった。大きなお世話である。ウザくて精神的に好まないのなら、見なければ良いのだ。これでも一応色々と考えつつ、試行錯誤しながらのページ作成である。何がどうでもページを埋めれば良いとは全く思っていないし、理解不能だとしても手前味噌ながらある種の「美意識」みたいなものもある。どうやら昨今は挨拶さえ満足にできないし、まともに他人とネゴシエーション出来無い半人前が増殖中のようだ。
「商売なんだからお客様は神様で、絶対の存在だろう?」
と言うかもしれない。勿論のこと、大きな企業さんならまずそのまんまだろうし、noisyとて、出来るだけ「力」になりたいと思うし、頼まれれば何事も一生懸命にやる心づもりはある。・・・でも縁有って袖を摺りあったとしても、全ての方が神様では無いと思っている。出来ないことは出来ないし、嫌いなことは嫌いなのだ。ほとんど一人でやっているのだから、大企業のように大勢でのセクション処理では無い。PCで伝票を打ちながら、店のお客さんの対応をしつつ、電話を受け取り、荷物の検品や出荷と品出しをしながら新着の文章を書きつつメールの返信をして、テイスティングに出かけるのである。食事も満足に取れず、用足しもしっかり我慢し、休日も無く、はたまた洋服など買いに言った記憶はいつぞや礼服が必要になった時位しか思い当たらない。・・いや何日も掛けて新着を書いていたら状況が変わって、昨日ようやくジーンズを買いに行かされた。ボロボロになって財布や免許証が落ちるだろ!とカミサンに怒られ、ようやっとだ。
まずは誰に対してでも「判ろう」と思う心が必要だと思うし、それが全ての原点だと思う。どこの誰とも名乗らずに、
「2005年の×××の入荷予定は?在庫は?幾らくらいになりますか?」
などといきなり相手の都合も聞かずにレアもの探しをまくし立てたり、
「お宅のページに出ている××××年のミュジニーの輸入エージェントはどこですか?」
などと電話をされると、
「有りません。判りません。只今接客中ですので・・・」
と、勢い、ぬるい返事をすることになってしまうのだ。
確かに自身の忙しさにかまけたフレンドリーではない酷いショップであることを自認しているし、それでも少しでも良い方向へ持って行こうとは努力しているつもりでは有るが、道理を全くわきまえないお客さんに「にゃ~ご」するつもりはこれからもおそらく無い。
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何時もの通り飲んでいないのでコメントは出来ません。色合いは僅かに色づいていますがさほど濃いものでは無く、カラメルで色を付けてはいないようです。とても良いヴィンテージのフィーヌです。
■エージェント情報
Fine de Bourgogne は、Marc de Bourgogne とともに、この地域で生産される2 つのスピリッツの1 つです。それは知る人ぞ知る特別なものなのです。生産割合は、マールのボトル9 本に対してフィーヌは1 本ですが、フィーヌのトレンドは高まっています。
ワインを醸造した段階では、まだ瓶詰するにはまだわずかに濁りがあります。ピノ・ノワールのワインで1998 と2000 年のブレンドを使用しています。この“濁った”ワインと澱(熟成時に樽の底にたまる沈殿物)を使って、フィーヌドブルゴーニュは造られます。
私たちは、昔ながらの銅製のアランビック蒸留器を使い、伝統的な手法にて蒸留を行います。この蒸留器から、アルコール度数50%のフィーヌの液体が生まれます。その後、使用年数の異なるいくつかのオーク樽に入れ、乾燥しかつ温度変化のある(夏は23℃、冬は12℃)セラーで11 年間熟成させます。
このセラーで熟成する間に、フィーヌは変化します。水のような透明な色から美しいオレンジがかった黄色に変化し、アロマが発達し、アルコール度が50%vol から40%vol に自然に蒸発します。
元々、満杯だった樽には隙間が出来、この容量の減りは「天使の取り分」と呼ばれます。「Hors de l'Age」という表示は、オーク樽で10年以上熟成させたものには、任意で記載できます。Domaine de l'arlot のFine de Bourgogne の場合、熟成は15 年間で、2017 年12 月に瓶詰めされました。
この長い熟成を経たブルゴーニュのフィーヌは、フィネスと官能性のあるブランデーであり、ブロンドのタバコ、サフラン、スパイスのアロマを生み出します。口蓋の上で支配するのは、フィネスと芳香の持続性です。Fine de Bourgogne Hors de l'Age は、上質な食事の締めくくりや、まれに瞑想をするのに特に適しています。
● 2018 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【今回はまだ飲んでいません・・が、リアルワインガイド第66号はポテンシャル93+、もしくは、94点でも良いとのこと!】<--2017年もののレヴューです。
すみません、飲めてません。しかし、若木のラ・ジェルボットがもう・・昔のクロ・ド・ラルロ・ブラン並みになっちゃってますからね。根が深いところまで伸びているはずのこちらのキュヴェは、さらにミネラリティが高く、やや硬質に感じられることでしょう。
このコラムでも何度も申し上げていますが、5年経ったクロ・ド・ラルロ・ブランは激変します・・。その際に評価するとなると、当然ながら評価は上がってしまうものです。
透明なミネラル感に満ち溢れた果実たっぷりのシャルドネです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2018 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【少な過ぎて飲めませんでした。すみません。】--以前のレヴューを使用しています。3本だけ。
--以前のレヴューです。
【アラン・メドーはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2018 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【エレガントさに深みと優しさをプラスした見事な準村名格?です!】

まぁ、準村名と言うよりも村名・・ですね。あくまで村名ワインですが、村そのものを名乗れないニュイの村を一つのアペラシオンにしたのがコート・ド・ニュイ・ヴィラージュです。
ジェラルディーヌさんの2018年ものは全て「一貫」しています。エレガントさと豊かさを両立させた上で、とてもエレガントで有り、端々が見事に柔らかく丸く、単にエキスの味わい・・と一言で片付けてしまうのが勿体無い仕上がりです。
2017年ものよりも熟して充実した色合いをしていますが透明感は全く失われず、アロマの上りも早く、滑らかです。
因みにワインリポートの山本氏は以下のように評しています。
クラッシュしたストロベリー、レッドチェリー、バラの花芯、しなやかなテクスチャー、心地よいタンニンがミネラル感に富む果実と統合されている。全房発酵からくるスパイシーなフィニッシュにうまみがにじむ。90点。
ん~・・とても良い感じの評価だと思います。単に果実だけではなく、フラワリーでも有るんですね。とても良い出来!・・2018年のドメーヌ・ド・ラルロは買いだと!・・お勧めします。是非ともご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これで充分!!2017年のド・ラルロはピノ・ノワール・ファン必飲ですが、これを飲めば全てが判る・・かも!・・(^^;;】
この色合いですよ・・嬉しいですね~・・これだから滅茶薫るんですよ・・香水のようなアロマが!・・でもまだ濃いかなぁ・・。
2017年もののド・ラルロのテイスティングは、このクロ・デュ・シャポーから始めました。オート=コートのキュヴェは2本とかのふざけた数しか入荷してませんので、飲みようが無いんです。
ちなみに・・ですが、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うアペラシオンは、「ヴィラージュ」と付くことで判りやすいかと思いますが、「村名格」です。
単独の村名を名乗れないニュイ近辺の村のワインは、この格を名乗れます。言わば、
「コンブランシアン」
と言う村名ワインと・・そんなA.O.C.は無いですが、思っていただければと思います。ここは、ニュイ=サン=ジョルジュを構成するニュイ=サン=ジョルジュ、そしてその南にあるプレモー=プリシーの、南に接する村です。
で、早速飲んでみて・・見事に淡い色合いからの濃密ドライなエキスはぷっくりと丸みを帯び、柔らかでスピードのあるアロマが飛び出してきました。
「・・あれ・・?この感覚って・・」
そう・・大昔のド・ラルロのワインに感じたものに近いんですよ。そして昨今は余り感じることの無かった強烈なアロマが出て来たんです。
そうそう・・ブルゴーニュワインって・・こうじゃ無きゃ!
濃くて甘くてややボタッとして切れがイマイチなのも余韻に引きずられて美味しいけれど、何か違う・・と反応してしまうんですよね。2016年ものも美味しかったですよ。こっちの方に寄ってくるような感じが・・すでにしていました。2015年ものにもそれは少しだけ有りました。2014年ものには有りませんでした。2013年ものは、ヴィンテージの背景で淡くなったと思っていました。2012年ものは・・いや・・もう止めておきます・・(^^;;
この2017年もののド・ラルロは絶対に飲まなければいけない・・と思います。だから無理やりにも・・そう仕向けてしまいます。でもそれで皆さんも幸せになれると信じています。
「濃いだけじゃだめ。」
「薄いだけでもだめ。」
なんです。
ミネラリティをしっかり取り込んだ葡萄をしなやかに醸造することのみにより、この素晴らしい香りと味わいが生まれます。
今飲んでも納得していただけるでしょう。数日休養を上げてください。そして確かめてください。もしそれで素晴らしいと感じたら、さっさと押さえに掛かりましょう・・まだ2017年のド・ラルロが残っていれば・・ですが・・。
実は、アレックス・ガンバルと言うネゴスは、noisy的には・・余り・・でした。なので、当初はジャック・ドゥヴォージュが居なくなると言うので残念に思っていました。もうド・ラルロは復活しないんじゃないかと・・どこかで昔のド・ラルロを心待ちにしていたんだと思います。
でも、ジェラルディーヌ・ゴドーさんが入り、こっちに向かってきているような感覚が有りました。あのラ・グランド・リュのフランソワ・ラマルシュもそう・・。
2010年以前は・・もう全然眼中になかったです。それが、2011年頃から徐々に煌めき始め、その頃から扱わせていただき、滅茶「薄旨」の2013年を経て、今やもう完全復活・・です。そして、ラマルシュのワインも全然濃くない・・だけれども滅茶美味しいですよね。
こっちに・・向かってきていると確信しています。是非確認、お願いいたします。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2018 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
【クロ・ド・ラルロ2018年に手が出なくてもモン・デ・ゾワゾーが有ります!大きな引けを取らない仕上がりです!】

旨いです~・・まぁ、1級ですから、美味しく無きゃダメですけどね。
1級クロ・ド・ラルロの例のミュジニーみたいな香水的アロマも健在です。そして、2017年も滅茶美味しかったモン・デ・ゾワゾーですが、そのエレガントさに「深み」がしっかり入り込んでいます。
なので、線の細さはもう感じず、以前のクロ・ド・ラルロよりも深く複雑な表情をしており、しかもしっかり早めに膨らんでくれる印象ですよ。
そして、感心したのは「エッジ」とか、「最後の最後」の部分です。ここが実に美しい!・・粗野さが全く無いんですね・・。ひらひらと白くちょっとだけ透けてそうなブラウスがそよ風に揺れているかのようです・・。
これ、確かにちょっと価格も上がってしまいましたが、それでもクロ・ド・ラルロの2/3近くのプライスですからかなりお得なんじゃないかと思います。美しい色ですよね~・・旨いです!超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
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【この色の濃淡の違いを是非ご覧ください!そして抜栓後15分のスワリングで現れる香水が如きアロマに是非触れてください。滅茶旨いです!】
こりゃぁ・・素晴らしいです!・・大昔の良き時代のクロ・ド・ラルロの面影を持ちつつ、より濃密なエキスを自然に抽出した、実に旨いニュイ=サン=ジョルジュ1級です。
どこか、「す~っ」とした透明感が有るのは昔からのクロ・ド・ラルロの特徴ですが、どこかクロ・デ・フォレの濃密さをも持っているようにも感じます。
それに加え、抜栓後10~15分から現れる香水香!・・まるで最上質なシャンボール=ミュジニー1級を思わせるような素晴らしいアロマです。こんな香りを出せるのは・・後はメオ=カミュゼ位じゃないでしょうか。いや、もっと力強いとか、むせるような・・とか、は他にもいらっしゃいますよ。でも、
「これほどまでに繊細でエレガントで香水的」
なアロマで狂わされるワインは、昔のド・ラルロにしか無いと思えてしまいます。
そう、造り手紹介のコラムにも書きましたが、noisy 的には、今のド・ラルロには、どこか違和感を持っていた・・と言えます。美味しいのは美味しい・・でも、
「・・ん~・・違うんだよな~・・」
と言う気持ちが拭えなかった。
でもその違和感がどこから来るものなのか、自分でも具体化できなかったんですね。単に「濃度の違い」だけでは言い表せない何かが有ったんです。それが2017年もののド・ラルロを飲んで、判った・・と言うか、思い出したと言いますか、理解できたんです。
「凄いアロマ!」
ですよ。
1990年台のド・ラルロは、素っ気ない・・リキミの無い・・味わいなのに、熟し始めると香水のようなアロマで魅了されたんです。
しかし、その時代は新樽100%~の時代で、樽っぽくて濃くて甘いピノ・ノワールが称賛された時代です。デュジャックの弟子筋のジャン・ピエール・ド・スメ氏は引退し、御大のジャック・セイスも引退して息子さんの代になります。デュジャックも「薄旨」の代名詞を捨て、「濃厚」に鞍替えして現在に至ります。
ド・ラルロも同様にやや抽出の強いワインへと鞍替えしてしまいました。その頃からの「違和感」だったんですね。
この路線、もう変更してほしく無いです。エレガント系だからこそ、このもの凄いアロマが生まれます。「モン・デ・ゾワゾー」はクロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの中間的な感じのワインだと思ってください。今飲んでも美味しいです!勿論、硬質さも有りますので長く持ちます。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は2015年のこのキュヴェのレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



● 2018 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【ジェラルディーヌ・ゴドーの2018年クロ・ド・ラルロによって、クロ・ド・ラルロは完成した!・・と言いたい素晴らしさです!】

「キャ~!」
と思わず声が出て来てしまうほど・・超繊細で美しいクロ・ド・ラルロでした!・・いや~・・これはジャック・ドゥヴォージュでも出せない表現だな~!・・と。
「・・少しミュジニーかロマネ=サン=ヴィヴァン、入ってます?」
みたいな・・香水的アロマがほんのり。
「土臭いニュイ=サン=ジョルジュ?・・そんなのどこにも・・無い!」
と言いたくなってしまうほど・・素晴らしいです。
そして樹齢が上がった性でしょうか。か細さを時折感じさせたクロ・ド・ラルロでは有るんですが、そんな「弱さ」は無く、ディテールの端々に細やかで丸いエッジが感じられるんですね。
これ、メオ=カミュゼのニュイ1級を飲むと感じられるんですが、ミュジニーが持つ物凄い芳香をも、少しですが内包されているような・・それこそがむしろ、プレモー=プリセの1級群の特徴の一つでは無いか?・・などと感じ始めています。
単にエレガントでは済ませられない仕上がりの良さ・・でしょうか。これは滅茶美味しい!・・と思わされてしまいました。
今飲んでも、飲めなくはないですよ。アラン・メドゥーズさんは2028年以降・・と言ってますが、まぁ・・当たりだとは思います。しかし、飲めなくは無い・・美味しく飲めます。
そしてポイント的には山本さんの94点。これがピッタシカンカン(古っ!)。いや~・・久々に超絶に旨いクロ・ド・ラルロを飲ませていただきました!・・・それに、12本も入荷したのは久しぶりです。これは是非飲んで欲しい!・・クロ・デ・フォレは8月に15000円台で行けそうでは有りますが、その前にこのクロ・ド・ラルロで2018年のジャルディーヌさんを・・いや、
「ゴドーを感じながら」
飲んでみていただきたいと思います。ご検討くださいませ。
円形劇場のようなクロのカキの貝殻を含む泥灰岩、プレモー石灰岩、白色魚卵状石灰岩の交じる土壌から。ラズベリー、レッドチェリー、リコリス、デリケートで、甘やかな赤系スパイスが立ち上がる。しなやかなタンニン、ヴェルベッティなテクスチャー、ほのかな青さが精妙なタッチを加え、生き生きした酸がフレッシュ感を与えている。うまみの乗った味わい、グリップのあるフィニッシュ。
ワインリポート 山本氏
以下は以前のレヴューです。
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【超繊細系ニュイ=サン=ジョルジュの中で最も繊細なクリマ!】 このところは全然飲めないクロ・ド・ラルロ・ルージュです。今回はやや多めとは言え、やっと1ケースの入荷です。無理をすれば飲めるんですが、この位の入荷総量ですと、予算的に今回のテイスティング分が上限になってしまいます。まぁ、ワイン屋さんでも全アイテムをテイスティングで開けられるところはまず無いと思いますが・・。
クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの2017年ものの色合いをご覧になられて、
「薄い・・なぁ・・」
と思われたかもしれませんが、まぁ、間違いなく、クロ・ド・ラルロはもっと薄いです。90年台のクロ・ド・ラルロなんて、さらに薄かったです。ジャック・セイスが全盛の頃のデュジャックも、
「ロゼか?」
と知らない人が尋ねるほど・・薄かったですが、エキスが濃いんですよね。そしてクロ・ド・ラルロは同様に薄く、しかもクロ・デ・フォレに比較しても、さらに「ドライ」です。
でも早く熟すので、2~3年で非常に美味しくなるんですが・・実は滅茶、超熟でも有ります。1992年のクロ・ド・ラルロなんぞ、滅茶苦茶旨かったですよ。デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュは高価でしたが、古いクロ・ド・ラルロは安かったですから。それに、その頃のエージェントさんは、結構に「古い在庫」をお持ちでした。なので、
「選び放題!」
の時代だった訳です。今考えると良い時代でした。
2017年は、そんな1990年台のド・ラルロに良い意味で「回帰しはじめた」と言えると思います。ただ昔に戻すのではなく、さらに良く観察し、畑の個性を見極めています。エキスはさらに濃密になっています。反対に単純な濃さが減りつつあります。
「ドライなエキスの非常に香るニュイ1級!」
だと思ってください。まぁ、周りは白葡萄が沢山植わっている土壌ですから・・そうなるのは当たり前では有ります。(ジェルボット2017年もテイスティングしていますが、これまた凄い仕上がりでした!)
クロ・ド・ラルロの若木で仕込んだモン・デ・ゾワゾー2017年があれだけ香るんですから・・クロ・ド・ラルロはとんでもないことになっているんじゃないかと推測しています。
是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】
どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2018 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【ものの見事なしなやかさ!そして果実の清楚さ!・・この20年で最もエレガントで、しかも欠損部分がまるで無いと言える素晴らしい味わいでした!】

こんな物言いをすると自信過剰だとか、他人の言葉を頭から聞かない・・などと揶揄されることになるかもしれない訳ですが、やはり自分にとっては、自分のテイスティングコメントや評価が一番しっくり来る・・と思っています。まぁ、どこにも間違いや書き損じ、形容詞の使い方が良く無い・・なども在るとしても、やはり嘘を言わない・・心にも無いことを絶対に書かないと決めているので、後になってから自分の書いたものを読み返したとしても、
「・・あぁ・・そうだった!」
と、素直に思えるんですね。そこだけかな・・少々でも誇れるのは・・。
そして、ド・ラルロのワインはもう、少なくとも四半世紀以上に渡って飲み続けているワインです。それなのに、
「毎年味わいの傾向が違う!」
のには驚かされますし、
「醸造家が変わると路線がかなり変更される!」
のも有りますし、
「醸造家が成長したり、ドメーヌに慣れてくるとまた変わる!」
ことにもしばしば気付かされる訳ですね。
で・・長くなってしまうと、
「そんな・・長い文章なんて、読みたくない」
と言われてしまいそうなので端折りますが、
「今のド・ラルロの味わいは、ド・ラルロの歴史の中で一番好きかもしれない・・」
とさえ感じさせてくれたのが2018年のこのクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュでした・・本当ですよ。
勿論、ジャック・ドゥヴォージュさんの、本当にまんまるでたっぷりなクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュも美味しかった!・・完璧だと・・思わされましたし、背筋がゾクっとしたのを覚えています。
でも、それが好きな味わいなのか?・・と聞かれますと・・そんなに単純な話しでは無いんですよね。
まぁ、ワイン屋ですから、どうしても二面性を持った飲み方をしてしまいます。自分の好みを抑え込んでテイスティングしている訳です。
でも、そうしつつも・・「我」や「素」を思い出させられてしまう局面に出会うことも有ります。そんな1本だったのがこのワインです。
決して濃くないです。クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・パワフルでしたでしょう?・・いや~・・2018年ものは、そんな面は無いですよ。
とても充実しているけれど過剰じゃ無いんです。過剰さがまるで無い・・と言った方が良いかもしれません。
以前は、
「クロ・デ・フォレは丸さとまとまりが出る5年ほどの期間を置くのがベスト!」
と感じていました。なので、お客様にも、「飲めるけれど・・それは覚えておいてね」と伝えていました。
ところがです。この2018年クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュは・・美味しく飲めてしまうんですね。タンニンの突出などまるでなく、酸はヴォーヌ=ロマネ村のピノ・ノワールのように柔らかい・・です。
果実の感がとても精緻で美しいので、食の邪魔をすることが無いし、まるでヴォーヌ=ロマネのワインのような振る舞いをするかと思えば、最上質のニュイ=サン=ジョルジュが持つ、稀にしか出会えない「超エレガンス」に育って行くだろう・・と思えるような要素も見えます。
言ってみれば、「尖った部分のないやわらかさ」に加え、「ピノが持つ美しさ」が、このワインを今現在でも美味しく飲ませてくれる要素なのだろうと・・・勝手に結論付けていました。
この見事な味わいを造り出したのは「ジェラルディンヌ・ゴドー」さん・・でした。
確かに、あのジャック・セイスを彷彿させた90年代のド・ラルロの味わいも捨てがたいし、今のこの清楚で淑な・・もう少し90年代の味わいを上手に膨らませて来たかのような味わいも・・素晴らしいと思います。
これは是非とも!・・飲んでいただきたい見事なピノ・ノワールです。
因みにティム・アトキン氏も、ヴィノスのガローニさんも94ポイントで揃ってます。おそらくですが、
「パワフルさが少ない・・少し大人しい感じ」
をそのように評価したと思われますが、それはそれで正しいのかもしれない・・。でも飲んでいておいしいのはこんなワインに違い無いと感じています。
素晴らしい出来でした。是非飲んでみて下さい。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!
確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。
2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。
ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。
そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。
その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。
メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。
「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」
と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。
しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。
2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。
そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。
それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。
そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、
「こんな色合い」
です。
「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」
と言いたいと思います。
「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」
でもあります。
2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2018 Cote de Nuits-Villages Blanc au Leurey
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・ブラン・オー・ルーリー
【3本のみの入荷です。】
もっと増やしてくれと頼んだんですが、増えて3本ですので・・どれだけ入荷が無いのかが判りますよね。
飲みようが無いのでどうしようも無いんですが、2017年ものをリアルワインガイド第66号で徳丸さんは、
「17年の白ワインはこれだけで良いんじゃないかと思ってしまう」
とおっしゃられています。それほどの出来なんでしょう・・なんせ、ポテンシャル91点も付いちゃってますから・・。
● 2018 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【2016年日本初登場のオート=コート白です!】
すみません、飲んでないので何も言えません3本のみの入荷です。ワインリポートの山本さんは以下のような評価でした。ご参考までに。
プレモー・プリセのクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュの上の標高400mの0.66haの単一区画から。石の多い土壌に白と赤が混植されている。2019年8月に瓶詰めした。白い花、柑橘、レモン、フレッシュで、おおらかなテクスチャー、アプローチャブル。87点。
● 2017 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【少な過ぎて飲めませんでした。すみません。】
【アラン・メドーはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2017 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【これで充分!!2017年のド・ラルロはピノ・ノワール・ファン必飲ですが、これを飲めば全てが判る・・かも!・・(^^;;】

この色合いですよ・・嬉しいですね~・・これだから滅茶薫るんですよ・・香水のようなアロマが!・・でもまだ濃いかなぁ・・。
2017年もののド・ラルロのテイスティングは、このクロ・デュ・シャポーから始めました。オート=コートのキュヴェは2本とかのふざけた数しか入荷してませんので、飲みようが無いんです。
ちなみに・・ですが、コート・ド・ニュイ=ヴィラージュと言うアペラシオンは、「ヴィラージュ」と付くことで判りやすいかと思いますが、「村名格」です。
単独の村名を名乗れないニュイ近辺の村のワインは、この格を名乗れます。言わば、
「コンブランシアン」
と言う村名ワインと・・そんなA.O.C.は無いですが、思っていただければと思います。ここは、ニュイ=サン=ジョルジュを構成するニュイ=サン=ジョルジュ、そしてその南にあるプレモー=プリシーの、南に接する村です。
で、早速飲んでみて・・見事に淡い色合いからの濃密ドライなエキスはぷっくりと丸みを帯び、柔らかでスピードのあるアロマが飛び出してきました。
「・・あれ・・?この感覚って・・」
そう・・大昔のド・ラルロのワインに感じたものに近いんですよ。そして昨今は余り感じることの無かった強烈なアロマが出て来たんです。
そうそう・・ブルゴーニュワインって・・こうじゃ無きゃ!
濃くて甘くてややボタッとして切れがイマイチなのも余韻に引きずられて美味しいけれど、何か違う・・と反応してしまうんですよね。2016年ものも美味しかったですよ。こっちの方に寄ってくるような感じが・・すでにしていました。2015年ものにもそれは少しだけ有りました。2014年ものには有りませんでした。2013年ものは、ヴィンテージの背景で淡くなったと思っていました。2012年ものは・・いや・・もう止めておきます・・(^^;;
この2017年もののド・ラルロは絶対に飲まなければいけない・・と思います。だから無理やりにも・・そう仕向けてしまいます。でもそれで皆さんも幸せになれると信じています。
「濃いだけじゃだめ。」
「薄いだけでもだめ。」
なんです。
ミネラリティをしっかり取り込んだ葡萄をしなやかに醸造することのみにより、この素晴らしい香りと味わいが生まれます。
今飲んでも納得していただけるでしょう。数日休養を上げてください。そして確かめてください。もしそれで素晴らしいと感じたら、さっさと押さえに掛かりましょう・・まだ2017年のド・ラルロが残っていれば・・ですが・・。
実は、アレックス・ガンバルと言うネゴスは、noisy的には・・余り・・でした。なので、当初はジャック・ドゥヴォージュが居なくなると言うので残念に思っていました。もうド・ラルロは復活しないんじゃないかと・・どこかで昔のド・ラルロを心待ちにしていたんだと思います。
でも、ジェラルディーヌ・ゴドーさんが入り、こっちに向かってきているような感覚が有りました。あのラ・グランド・リュのフランソワ・ラマルシュもそう・・。
2010年以前は・・もう全然眼中になかったです。それが、2011年頃から徐々に煌めき始め、その頃から扱わせていただき、滅茶「薄旨」の2013年を経て、今やもう完全復活・・です。そして、ラマルシュのワインも全然濃くない・・だけれども滅茶美味しいですよね。
こっちに・・向かってきていると確信しています。是非確認、お願いいたします。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
【この色の濃淡の違いを是非ご覧ください!そして抜栓後15分のスワリングで現れる香水が如きアロマに是非触れてください。滅茶旨いです!】

こりゃぁ・・素晴らしいです!・・大昔の良き時代のクロ・ド・ラルロの面影を持ちつつ、より濃密なエキスを自然に抽出した、実に旨いニュイ=サン=ジョルジュ1級です。
どこか、「す~っ」とした透明感が有るのは昔からのクロ・ド・ラルロの特徴ですが、どこかクロ・デ・フォレの濃密さをも持っているようにも感じます。
それに加え、抜栓後10~15分から現れる香水香!・・まるで最上質なシャンボール=ミュジニー1級を思わせるような素晴らしいアロマです。こんな香りを出せるのは・・後はメオ=カミュゼ位じゃないでしょうか。いや、もっと力強いとか、むせるような・・とか、は他にもいらっしゃいますよ。でも、
「これほどまでに繊細でエレガントで香水的」
なアロマで狂わされるワインは、昔のド・ラルロにしか無いと思えてしまいます。
そう、造り手紹介のコラムにも書きましたが、noisy 的には、今のド・ラルロには、どこか違和感を持っていた・・と言えます。美味しいのは美味しい・・でも、
「・・ん~・・違うんだよな~・・」
と言う気持ちが拭えなかった。
でもその違和感がどこから来るものなのか、自分でも具体化できなかったんですね。単に「濃度の違い」だけでは言い表せない何かが有ったんです。それが2017年もののド・ラルロを飲んで、判った・・と言うか、思い出したと言いますか、理解できたんです。
「凄いアロマ!」
ですよ。
1990年台のド・ラルロは、素っ気ない・・リキミの無い・・味わいなのに、熟し始めると香水のようなアロマで魅了されたんです。
しかし、その時代は新樽100%~の時代で、樽っぽくて濃くて甘いピノ・ノワールが称賛された時代です。デュジャックの弟子筋のジャン・ピエール・ド・スメ氏は引退し、御大のジャック・セイスも引退して息子さんの代になります。デュジャックも「薄旨」の代名詞を捨て、「濃厚」に鞍替えして現在に至ります。
ド・ラルロも同様にやや抽出の強いワインへと鞍替えしてしまいました。その頃からの「違和感」だったんですね。
この路線、もう変更してほしく無いです。エレガント系だからこそ、このもの凄いアロマが生まれます。「モン・デ・ゾワゾー」はクロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの中間的な感じのワインだと思ってください。今飲んでも美味しいです!勿論、硬質さも有りますので長く持ちます。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は2015年のこのキュヴェのレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
━━━━━
【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges Cuvee Hors Ligne
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ・キュヴェ・オール・リンニュ
【暫定的ファーストリリース?!クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュの区画から・・何とニール・マーティンさんはクロ・デ・フォレより高い評価です!】
少ないので飲むのは諦めましたが、ファーストリリースで、今後はどうなるか判らない・・とのことです。
クロ・デ・フォレとの違いは、全房発酵を7割行ったことと、クロ・デ・フォレの一部分のみで仕込んだとのことです。これは、ジャック・ドゥヴォージュ時代に畑をかなり詳細に調査し、異なる味わいになることを知ったことの延長で有り、また、さらに自然派的アプローチをして行こうと言うような意思表示でも有るかと思います。
リアルワインガイド的には、
「どちらも美味しい!」
と、その醸造の違いによる部分も含め、クロ・デ・フォレと同評価でした。
ところがニール・マーティンさんは・・、クロ・デ・フォレは(91-93)と低めなのに対し、オール・リンニュは(93-95)と、ロマネ=サン=ヴィヴァンと1ポイントしか変わらない、弾けた評価をしているんですね・・。
確かに、全房発酵と通常発酵ではかなり印象が異なるはずです。それに、クロ・デ・フォレの区画をさらに細分化したことにもなり、現時点ではクロ・デ・フォレよりリーズナブルなリリースでは有りますが、今後は、造る、造らないを含め、見通せない状況かと思います。
しかしながら、よりナチュラルで柔らかく、生き生きとした表情になるのは見えていますので、
「そっちに行くんじゃないか?」
と見ています。
また、それにより、また1990年台のド・ラルロのような味わいになって行くと思われます。応援したいですね・・申し訳ないですが余りに無いので・・お一人様1本限定でお願いいたします。
● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
【この20年で最高の仕上がり!・・「韋駄天」的に言うと、「とつけむにゃ~出来」。極一部の極上クリマにしか出ない見事な「香水」のアロマに触れてみてください!】

大変身です!・・90年代のド・ラルロの繊細かつ薫り高いニュイ=サン=ジョルジュが帰って来ました~~!これは嬉しい!・・滅茶苦茶旨いです!
確かに、前年までのこのワインも非常に美味しかったです。それは間違いない。でも2016年までのクロ・デ・フォレとは全然違うんですね。
2016年までは、「濃度を出したい」と言うような思いがどこかに感じられました。特にオリヴィエ・ルリッシュ時代はその意思が強かったと感じています。
ジャック・ドゥヴォージュになり、より分られた区画で醸造するようになり、また、プレスもより柔らかになったと思います。
そしてジェラルディーヌさんの時代になり、1990年台の、ある意味「そっけない」とさえ感じられるほどの「リキミの無い抽出」によるエレガントさが見えるようになって来ていました。それでも2016年はまだ「濃かった」と言えると思います。
その、濃度を出してしまう・・もしくは出てしまう造りは、ニュイ=サン=ジョルジュの持つ「エレガントな部分」「香り高いワインに仕上がるべくのミネラリティ・バランス」を崩してしまっていた・・と感じます。勿論それはある程度、熟成が受け持つ部分でも有った訳ですが、その「リキミ」が「香水的アロマ」をバラバラにしてしまっていた・・と言えます。
メオ=カミュゼの昨今のニュイ=サン=ジョルジュ1級を飲めば、それは充分に伝わって来ます。
「まるでロマネ=サン=ヴィヴァンか!?」
と思えるような甘美なアロマが荘厳に香るんです。
しかし、多くのニュイ=サン=ジョルジュのワインはそうはならない・・。ド・ラルロのワインもそのうちの一つであったはずです。
2017年のクロ・デ・フォレは、抜栓直後からナチュラルで甘美なアロマと果実の風味に溢れています。僅かに終盤に粉っぽさを感じる程度で、5分もすると完全に溶け込んで判らなくなるような現在の状況です。肉っぽい艶を感じるアロマにやや濃いめの果実の風味、エキスがキッチリと出た甘美な味わいです。
そして10~15分ほどしたら、グラスをスワリングしてみてください。背筋が「ゾクゾクッ」とするような、沢山の花びらから抽出した香水を思わせるようなアロマが飛び出してきます。
それは、メオ=カミュゼのニュイ1級のような、ロマネ=サン=ヴィヴァンを彷彿させるものと言うよりも、ミュジニー1/3とレ・ザムルーズ2/3を足したかのような・・いや、それを幾分おとなしくしたかのような、シャンボール的な素晴らしいアロマです。中盤から余韻まで、コート=ドールのピノ・ノワールにしか表現できない繊細な表情です。見事にピュアで、見事にナチュラル、まったくアヴァンギャルドさは無く、派手過ぎてケバくて辟易するような主張の強いタイプでは決してありません。
そうは言っても、このクロ・デ・フォレはド・ラルロの中では最も濃く仕上がるタイプなんですね。それでも、
「こんな色合い」
です。
「1990年台のエレガントで美しいド・ラルロが復活!」
と言いたいと思います。
「こんな香水的ニュイ=サン=ジョルジュを造れるのはド・ラルロだけ!」
でもあります。
2017年のド・ラルロ、是非飲んでみて欲しいと思います。絶妙に美味しいと感じていただけるでしょう。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【何と素晴らしかった2015年ものを凌ぐかもしれない大きなワインでした!素晴らしい!今飲んでも美味しさを堪能できます。】
深いですね~・・濃密ですね~しなやかですね~・・美味しいです。
2016年ものはこうやって仕上げろ!・・と言う見本が有るとするなら、このクロ・デ・フォレが正にその見本と言えます。
やや黒く良く熟していて、凝縮感が有り、深い色合いの果実がたっぷり、中域の分厚さが特徴かと思います。凝縮感はアロマにも現れていますが、
「シツコイな~・・」
と思うようなものでは無く、端正さを保っています。
果実は色の濃い目のスグリ、ベリー、そしてカカオまで揃っています。驚くべきは今飲んでも非常に旨い・・ピュアでアロマの速さからナチュラルさもほんのり漂います。非常に良い出来でした。
アドヴォケイトもアラン・メドーも2015年ものと全く同じ評価ポイントでした。確かに非常に良く似ています。
しかしながら、グラスの写真をご覧いただけますと・・違いますよね。より濃い目の仕上がりが見て取れます。2016年に素晴らしいワインに仕上げた造り手には、多くの場合こんな共通点が出てくるんじゃないかと思います。
数は有りませんので、ぜひお早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】
まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【超繊細系ニュイ=サン=ジョルジュの中で最も繊細なクリマ!】
このところは全然飲めないクロ・ド・ラルロ・ルージュです。今回はやや多めとは言え、やっと1ケースの入荷です。無理をすれば飲めるんですが、この位の入荷総量ですと、予算的に今回のテイスティング分が上限になってしまいます。まぁ、ワイン屋さんでも全アイテムをテイスティングで開けられるところはまず無いと思いますが・・。
クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの2017年ものの色合いをご覧になられて、
「薄い・・なぁ・・」
と思われたかもしれませんが、まぁ、間違いなく、クロ・ド・ラルロはもっと薄いです。90年台のクロ・ド・ラルロなんて、さらに薄かったです。ジャック・セイスが全盛の頃のデュジャックも、
「ロゼか?」
と知らない人が尋ねるほど・・薄かったですが、エキスが濃いんですよね。そしてクロ・ド・ラルロは同様に薄く、しかもクロ・デ・フォレに比較しても、さらに「ドライ」です。
でも早く熟すので、2~3年で非常に美味しくなるんですが・・実は滅茶、超熟でも有ります。1992年のクロ・ド・ラルロなんぞ、滅茶苦茶旨かったですよ。デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュは高価でしたが、古いクロ・ド・ラルロは安かったですから。それに、その頃のエージェントさんは、結構に「古い在庫」をお持ちでした。なので、
「選び放題!」
の時代だった訳です。今考えると良い時代でした。
2017年は、そんな1990年台のド・ラルロに良い意味で「回帰しはじめた」と言えると思います。ただ昔に戻すのではなく、さらに良く観察し、畑の個性を見極めています。エキスはさらに濃密になっています。反対に単純な濃さが減りつつあります。
「ドライなエキスの非常に香るニュイ1級!」
だと思ってください。まぁ、周りは白葡萄が沢山植わっている土壌ですから・・そうなるのは当たり前では有ります。(ジェルボット2017年もテイスティングしていますが、これまた凄い仕上がりでした!)
クロ・ド・ラルロの若木で仕込んだモン・デ・ゾワゾー2017年があれだけ香るんですから・・クロ・ド・ラルロはとんでもないことになっているんじゃないかと推測しています。
是非ご検討いただきたいと思います。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】
どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【評論家さんたちの評価はまだ揃いませんが、彼らがどう評価するか、興味津々です。】
2017年のド・ラルロの驚異的な香水のようなアロマをどう評価するのか、もしくは「出来るのか?」を見てみたいと思っています。
徳丸さんは、
「2017年のラルロは、日本人には受けるが海外メディアは大して評価しないかもしれない」
のように書いています。
noisy も同様に思います。しかし、稀にめちゃ繊細な神経をお持ちの方もいらっしゃいますし、そのような方はまた、それまでの「しがらみ」みたいなものを持ち合わせてない場合が多いので、
「どう評価するか?」
で、noisy もその方々を評価できちゃうんですよね・・。
「あ、・・こう言うのはこの人、判らないんだな・・」
と判断する訳です。
でも、実はこれ、しょっちゅうやってまして、ご来店の方にワインをお選びする際などにね・・。いや、勿論この場合は、判らないんだ・・なんて思いませんよ。そこは、「好みじゃないんだ」と置き換わります。お客さんはそれで良いんですね。
でも、ワインのお勉強がしたいとか、エキスパートを目指している・・というようなお客様には、「好みじゃない」じゃ済まさないですけどね。
ド・ラルロのロマネ=サン=ヴィヴァンがロマネ=コンティ直下なら、このレ・スーショはリッシュブール直下の良いところに有ります。美味しく無い訳が無いです。
今回は1ケースちょっといただけたので、飲んでご案内しようと思ったんですが、このペースでテイスティングするのが勿体無いような気がしてしまいまして・・まだ飲んでいません。
2017年のド・ラルロ・・・エレガントで物凄いアロマです。ロマネ=サン=ヴィヴァンは高過ぎて手が出ないにせよ、ここは必ず押さえておきたいところだと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
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【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】
2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2017 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【ロマネ=コンティに接する絶好のロケーションから、最もリーズナブルと言えるロマネ=サン=ヴィヴァンです!】
2017年のド・ラルロは半端ないです。ド・ラルロを知っているなら、この20年で最高の仕上がりと言って良いはずです。
「ブルゴーニュワインはただ濃いだけじゃダメ」
それは誰しもが認識していることでしょう。ロマネ=コンティは濃いのか?・・いや、濃密な一面を見せるかもしれないが決して濃いワインでは無い。ラ・ターシュはどうなのか?ラ・ロマネは?ラ・グランド・リュは?・・と問えば、その答えは歴然としています。
リアルワインガイド第66号を読むと、ジェラルディーヌ女史は過労で入院中で会えなかったと書いてありました。また、2017年と言うヴィンテージが「力のヴィンテージではない」と評しています。
noisy的には、勿論、ヴィンテージの背景もあることは重々承知しつつも、ジャック・ドゥヴォージュによる畑の調査、緻密な醸造から、ジェラルディーヌ女史による感性のワインへと変貌しつつあるものが花開きつつあるんだ・・と言う理解をしています。
もう、クロ・デ・フォレやモン・デ・ゾワゾーの香水のような素晴らしいアロマにぞっこんですが、それがロマネ=サン=ヴィヴァンになっちゃったらどうなってしまうのかと・・きっと飲むチャンスはないでしょうが・・
ちなみにリアルワインガイド第66号はポテンシャル96+ですが、
「得点は97点でも、98点でもあります。」
と、ぶっちゃけちゃってます。
で、「とんでもない香り」だそうです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】
まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
● 2017 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【セカンドヴィンテージ、日本初登場のオート=コート白です!】
すみません、飲んでないので何も言えません。Whoops!・・アドヴォケイトのニール・マーチンさんは4年以内に飲むべきと言っています。意味不明です・・。3本のみの入荷です。
● 2017 Cote de Nuits-Villages Blanc au Leurey
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・ブラン・オー・ルーリー
【3本のみの入荷です。】
もっと増やしてくれと頼んだんですが、増えて3本ですので・・どれだけ入荷が無いのかが判りますよね。
飲みようが無いのでどうしようも無いんですが、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは、
「17年の白ワインはこれだけで良いんじゃないかと思ってしまう」
とおっしゃられています。それほどの出来なんでしょう・・なんせ、ポテンシャル91点も付いちゃってますから・・。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【2016年ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショは2015年とほぼ同様の評価でした!】

2015年ものとほとんど同じ評価でしたね。1ポイントほど僅かに下げた評価機関も有るかもしれません。
しかしこの評価ですと、クロ・デ・フォレの秀逸さが光りますね。同レベルの評価ポイントです。リッシュブールに接する非常に良い位置のレ・スショです。
● 2016 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot Blanc Monopele
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ・ブラン・モノポール
【久しぶりに仕入れたクロ・ド・ラルロ・ブランです!】

アドヴォケイトは90~92Pointsと評価しているようです。アドヴォケイトにしてみればまぁまぁ評価したのかな・・と思いますが、元々アドヴォケイトは、ニュイの白をまともに評価出来たことは無いので、アテには出来ませんよ。実際はもっと高くて良いと思います。それに飲み頃は2019~2019年と非常に短い判断です。じゃぁ、個人的に取ってある2001年のクロ・ド・ラルロ・ブランでもそのうち開けてみましょうかね・・。
そもそもこのクロ・ド・ラルロ・ブランは、noisy的には5~8千円という販売価格のイメージが有って、そこを逸脱してしまったので仕入れなくなったと言う経緯が有りますが、もうこのような状況になってきますとね。
ボーヌの優れたシャルドネ、1級クラスは2万円しても普通な状況ですからね。クロ・ド・ラルロ・ブランはそれと同等のポテンシャルが有りますから、不当な評価は有るにせよ、価格的には適正と言うことかもしれないと思いなおしています。
実際、5~6年熟成させたこのクロ・ド・ラルロ・ブランをぜひ飲んでみて欲しいんですね。濃密でマッタリ、柑橘フルーツの香る素晴らしい白に大変身するんですよね。ほんのりとエロスが香り、実に旨いんですが・・アドヴォケイトの歴代ブルゴーニュ担当者さんには理解できないんですね。だから昔は安かったとも・・言えますが、実際に飲まれた方の評価は非常に高い不思議なワインです。
● 2016 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
【今は植え替えでさらに少ない、貴重でエレガントなクロ・ド・ラルロです!】

どうなんでしょう?・・noisy のところではエレガント系の薄旨ブルゴーニュが人気だと言えるんですが、クロ・ド・ラルロとクロ・デ・フォレの人気を比較すると・・
「逆に出る」
のげ解せないんですね・・。
クロ・デ・フォレは濃厚タイプ、クロ・ド・ラルロはエレガントタイプで、ものの見事に違います。
クロ・ド・ラルロはこの数年は非常に少なく、さして入荷本数が無い年が続いていますが、フォレは完売してもラルロは残る傾向です。良く判りません・・。少なすぎて評価機関の評価ポイントが少ないことが響いてますかね。
noisy 的にはクロ・ド・ラルロは赤白とも大好物なんですが、世評とは若干異なるようですね。
● 2016 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【アドヴォケイトは93~95Points と2015年ものに比較して2Points Down でクロ・デ・フォレと同評価!アラン・メドーはほぼ変わらずでした!】

まぁ、このクラスは飲んでどうこう言えるワインでは無くなりましたんで、買えたらラッキーと思ってください。ロマネ=コンティの真下の絶好の場所です。
それにしても・・高くなりましたね・・いや、ポイントじゃなくて価格が・・です。ラ・グランド・リュの2011年とか2012年とか、今がラスト・チャンスだと思いますけどね。
● 2016 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
【アラン・メドーのバーガウンドで88~91Pointsでした!】
リアルワインガイドへの掲載は次号の63号辺りになるのでしょうから、間に合いませんね。バーガウンドだけ評価が見当たりましたが88~91ポイントと、まぁまぁです。バーガウンド・ドット・コムの評価はアドヴォケイトともまた微妙に違い、95~100ポイントの非常に高い評価が付くことは稀で、また、アドヴォケイトに比較すると90ポイントを中心に若干圧縮されたような分布になりやすい傾向が有ると思います。
本来ですと、クロ・デュ・シャポー辺りはテイスティングしていておかしく無いんですが、何せ入荷は3本ですので・・すみません。
● 2016 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・ル・モン
【アラン・メドーはハート付86~89Points !】
日本初登場のオート=コート・ド・ニュイ・ルージュです。ポテンシャル的には90ポイント辺りと言うことなのでしょう。
それにしてもアラン・メドーの2019+ は判りますが、アドヴォケイトの2019~2026年と言う飲み頃予想はアドヴォケイトの悪しき慣習ですね。若飲みスタイルの定着から、読者からの記事への批判を避けるためでしょうか。
ワインの熟成に対する正当な姿勢と判断はワイン文化を育むものかと思いますし、勿論、このワインは収穫から10年しか持たないと、10年以内に飲むべきだと確信しているのならそれでも良いと思いますけどね。本当にそう思われているのなら能力が無いと言われても仕方が無いんじゃないかと思ってしまいます。それで勘違いして、「そういうものだ」と思ってしまう方もおられるんじゃないかと危惧しています。最も・・10年以内にほとんど消費されてしまうんでしょうけどね。
● 2016 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc le Mont
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン・ル・モン
【ファーストヴィンテージ、日本初登場のオート=コート白です!】
すみません、飲んでないので何も言えません。Whoops!・・アドヴォケイトのニール・マーチンさんは5年以内に飲むべきと言っています。
● 2015 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de L'Arlot Blanc
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ ・ブラン
【売れないでしょうが・・久しぶりに仕入れてみました!・・隠れた銘酒です・・】
え~・・売らずに仕舞い込んでいるので、在庫としてはそれなりに有ったりして・・(^^;; まぁ、素晴らしい白ワインなんですね。
例えばあの「ミュジニー・ブラン」も、昔は皆「コート・ド・ニュイの白なんて」と馬鹿にしてましたので、非常に安かったです。92年とか89年などのミュジニー・ブランは絶品でしたよ。滅茶安くて美味しかったんですね~。今でこそ、ヴォギュエのただのブルゴーニュ・ブランが何万もしますが、まだまだ古木のミュジニー・ブランには遠く及びません。95年のブルゴーニュ・ブランなんぞは数千円でしたがシャバシャバな薄い味わいでした。
このクロ・ド・ラルロ・ブランは、リリース直後こそ「硬くてニュアンスの判りづらいワイン」ですが、5年も経過しますとね・・それこそ「ミュジニー・ブラン的な官能を揺さぶるワイン」に肉薄したような素晴らしいニュアンスが出てきます。
しかもこのニュイ=サン=ジョルジュと言うのは「コート・ド・ニュイにおける白ワインの聖地」とも言うべき存在でして、それこそあのアンリ・グージュの「ピノ・ブラン」もそうですよね。結構ここは白ブドウが植わっているんです。
熟すと非常にオイリーで滑らかで柑橘が「ぶわっ」と香り、口蓋にへばりつくような感覚からの膨らみと、そこからの果実とスパイスの攻撃が、何とも香しい・・甘美なワインなんですね。
アラン・メドウズも・・評点が厳しいのは別に一貫してれば良いんですが、結局はポテンシャル取れて無いんじゃないの?・・と言いたいですね。それに後になって・・数年経過してからの検証をしていないか、していてもそれを反映するだけの気力が無いか、どうでも良いと思っているのか・・いずれにしても87~90Points 止まりということは有り得ません。少なくとも5年待って飲んでみて再度判断してよ・・と言いたいですね。そもそもドメーヌが自身の造る他の赤ワインよりも高値でリリースしているのは、それだけの価値、資質が有ると判断している訳ですね。少なく見積もってもコート・ド・ボーヌの偉大なシャルドネの1級クラスたちに匹敵するポテンシャルが有ります。
まぁ・・今飲んでどうこう・・と言うようなワインじゃぁ有りませんが、それにアラン・メドウズが言うように2018年からどうぞ飲んでください・・と言うのも「飲めなくは無い」というだけですから根本的に大きく間違ってますが、「でも実は偉大な白ワインなんだよ」と言うのだけは覚えておいてください。お勧めします。5~10年以上熟したものを、是非とも飲んでみてください。たまげると思います。
● 2015 Cote de Nuits-Villages Clos du Chapeau
コート・ド・ニュイ=ヴィラージュ・クロ・デュ・シャポー
● 2015 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Mont des Oiseaux
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・キュヴェ・モン・デ・ゾワゾー
● 2015 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos des Forets Saint-Georges
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ クロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュ
● 2015 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Clos de l'Arlot
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラルロ
● 2015 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
● 2015 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ・サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【ジェラルディーヌ・ゴドーの実質初ヴィンテージはとても嬉しい仕上がり!ちょっと意外でした!・・これは買うしかないぞ・・と!】

まずはド・ラルロー2015年の量的なことから・・お伝えしましょう。
非常に・・少ないです。前年の2014年ものの半分以下・・です。ほとんどのキュヴェがバラでの入荷ですので、例年のようにのんびりしていると購入できないことになるかと思います。
価格は7~8%位上昇しています。またクロ・ド・ラルロの若木から造られていたル・プティ・タルロは樹齢の上昇と共に1級にふさわしい質になったと判断され、「モン・デ・ゾワゾー」と名称が変更されています。
それに加え、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュの中の下側の葡萄で造られていた「レ・プティ・プレ」は、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュとの差が無くなったという判断から、クロ・デ・フォレ・サンジョルジュに統合されましたので、2014年ものが最後になり、2015年のリリースは有りません。
2014年ものまでは上級キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァン、ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショを除き、少なくとも12本は入って来ていましたので1/2~1/3の数量になっており、都合・・noisy のところに入ったのは半分と言うことになります。
なので、ジェラルディーヌ・ゴドー女史の力量をすべて確かめたいところだったのですが、とにかく一番数量の多かったクロ・デ・フォレ・サンジョルジュをテイスティングさせていただきました。
ですが・・そもそも2014年は結構抜栓して飲んでいましたので、
「・・・ジャック・ドゥヴォージュさんとあまり変わらないんじゃないかな?」
と思っていただけに、この質感に驚きは隠せませんでした。
まぁ・・この下の以前のコラムや、ラルロのコラムをお読みになられますと判るかと思いますが、個人的にはジャン・ピエール・ド・スメ時代の薄旨系ワイン・・・大昔のジャック・セイス率いるデュジャック系の味わいが好きなので、オリヴィエ・ルリッシュさんには悪いですが彼はちょっと及ばなかったかな?・・と言う印象、それをジャック・ドゥヴォージュさんが薄旨系ではないにせよ、しなやかなエキス系の味わいに持ってきてくれたので、
「・・あぁ・・良かった・・」
などと思っていたのもつかの間、すぐにクロ・ド・タールに行ってしまったのが2014年ものの時・・と言うような流れなんですね。
ジェラルディーヌ女史も2014年ものは瓶詰めはしたものの、醸造には完全にはタッチしておらず、良いとこエルヴァージュに間に合ったくらいでしょうから、彼女の造る「ド・ラルロ」の味わいは、ほとんど判らなかった次第です。

色合いを見てみましょう・・まぁ、2014年ものの写真も有りますんで一目瞭然ですね。
「やや黒味が入っているかな?」
と言うようなニュアンスが見て取れるかと思います。・・・そうなんです。ヴィンテージによる差異もあると思いますが、2014年ものよりは良く熟している・・収穫のタイミングは2014年ほどは早くは無いのかな?・・と思えます。
しかし、とても熟していますが酸も綺麗に出ていて、マロもしっかり掛かっていますのでとても滑らかです。2015年の健康的なヴィンテージがそうさせた・・とも言えそうです。
そして、ド・ラルロらしいナチュラルなニュアンスはそのままに、そのまろやかで美しい酸が感じられるんですね。
「ニュイ=サン=ジョルジュらしいけれど粗野にはならない」
ド・ラルロの良さが感じられます。
中域は非常にふっくらとしており、痩せ気味のスタイリッシュな女性と言うよりは、適度に柔らかさの有るベスト体重の女性のような・・感じです。色合いの透明度、照り、美しさから、非常に健康的だということは伝わってくるかと思います。
余韻も滑らかで、時折・・と言うか、開けるタイミングによっては「雑然」したテクスチュアを見せるクロ・デ・フォレ・サンジョルジュは、そこにはいませんでした。精緻で整然とした複雑性とスパイシーさを見せる魅力的な味わいと香りでした。
ついつい・・進み、結構・・飲んでしまいました。2014年ものもとても美味しかったんですが、これほどの安定感は無かったように思います。アドヴォケイトは93~95ポイントと、かなりの高評価をしていますが、それも理解できる味わいです。アラン・メドーはいつものとおり落ち着いた気持ちでの評価でしょうが、それでも91~94ポイントと高く振れています。
2014年のこのワインにアドヴォケイトは89~91Pointsとしか評価しておりませんので、2015年ものの93~95Pointsとは物凄い差になっています。「・・一体どうしちゃったの?」と言いたくなるような差ですが、
noisy 的には、さすがにそこまでの差は付けられないにせよ、2014年ものは優しいマロの酸のシャキッとした味わいが、アドヴォケイト的には評価できなかったのかな?と感じています。
2015年もののブルゴーニュは健康で熟した葡萄が量的には少なくともそれなりに取れたことも有り、完全発酵に持ってゆくとその潜在アルコール分の高さから、「ヴァン・ド・ガルド」的なものになる可能性が多いかと思いますが、超熟さと若飲み時の美味しさの両立を果たしたジェラルディーヌ・ゴドーの手腕は凄いぞと・・思わせてくれました。ぜひ素晴らしい仕上がりの2015年もの、ご検討くださいませ。
また、その他のワインは少な過ぎてとても飲めませんでしたが、リアルワインガイドの次号には評価が掲載されるかな・・と思います。それまではとても持たない可能性が大ですが、そちらもぜひご参考にされてください。
以下は以前のヴィンテージのコメントです。
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【チェックしました!しっかりドゥヴォージュ味の濡れてふっくらふくよかなクロ・デ・フォレでした!】
何だかんだ言っても毎年何かしらはテイスティングしてチェックしないと気が済まないので、飲んでないと言いつつも、結局最後は飲んでいたりするので・・まぁ、どうしても最初のご案内の時に、全てチェックが終わってからご紹介するべきなのでしょうが、そんなことをやっていると入荷から2カ月も経ってからご案内するようになってしまうのと、結局は数量を確保出来ないので沢山のアイテムのテイスティングが出来ない・・と言う堂々巡りになってしまうんですね。
2013年の瓶詰めはジャルディーヌさんがやったとは言え、ドゥヴォージュ味の深くたっぷり柔らかくしなやかな味わいだったと思いますので、2014年も・・
「このところは低クラスのテイスティングしかしてないし、ラルロも熟したものしか飲んでないから・・クロ・デ・フォレ、飲んじゃおう!」
と・・結局は看板のクロ・デ・フォレをさっさと開けることにしました。何せこの6月から7月に掛けては、ブルゴーニュのワインの到着が目白押し・・言い方が古い?、じゃ、行列待ち、テイスティングも何かと多く、大変な期間では有るんですね。
で、到着間もないクロ・デ・フォレを飲んでみました。透明感のある美しい色合いですね~。香りもコルクを抜くともう・・やや官能さの有る色っぽいアロマが漂ってきます。鋭角では無く鈍角の優しい感じです。
コルクも・・まぁ・・良く見たら仰天です。隙間が無いほど焼印で文字が書かれていて、
「ん~・・これなら絶対に間違えることは無いぞ・・」
と思えるほど・・。最も、コルクトップの平面には文字は有りませんが、本当に目一杯、書かれていました。
非常にピュアでナチュラルさの有る暖かいアロマです。紫の小果実が群生しています。まだまだ開きはしない要素の粒がたっぷり有りますが、すでに漏れてきている分だけで充分に旨いです。もっとも・・クロ・デ・フォレが熟したらこんなもんじゃぁありません。
やや肉の有る、構成豊かで、非常にドライな味わいです。中域はしっかり存在していますが、まだなかなか膨れ上がっては来ません。シルキーなテクスチュアで柔らかなタッチ、少し濡れたようなイメージを持つ辺りは、ジャック・ドゥヴォージュが担当だった頃とほとんど変わり無いと感じました。
違うとするならやはり2014年のヴィンテージの豊かさでしょうか。2014年ものは、リリース時から好ましいひとつのレベルのバランスを持っていた2013年と異なり、樽熟、瓶熟を長く取らないタイプのドメーヌのワインは、9月以降の涼しくなってくる頃が、それなりのバランスに仕上がる時期かと感じます。
もっともクロ・デ・フォレをチェックの為ならいざ知らず、美味しく飲もうと思って6月中に開ける方は極少数派でしょうから、やはりこのドメーヌの看板ワインは5年以上、出来れば10年と言うスタンスを持つべきでしょう。
反対に、植え替えのため数は非常に少ないクロ・ド・ラルロは5年で結構熟しますので・・、それにフォレと違いやや細身の姿が美しい・・そこが美味しさですから、早めに飲みたい方はスタイリッシュなピノでは有りますがクロ・ド・ラルロを選ぶと良いです。
また、セカンドワインとして若木のワインがクロ・デ・フォレ、クロ・ド・ラルロそれぞれに有りますが、
「若木だし、セカンドだから早熟でしょ?」
と思われるかもしれませんが・・意外にもそうじゃなくて・・ファーストと同じような傾向を持っているとお考え戴くのが良いかと思います。
良いヴィンテージになった2014年を感じさせてくれる素晴らしいピノでした。熟を待ちましょう!お奨めいたします。是非ご検討くださいませ!
各畑の位置



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