
収穫から33年~34年が経とうとしている古酒です。普通なら・・いや、アドヴォケイト辺りならもう、
「お前はもう・・死んでいる」
と・・。
しかし、ワインはそんなに安易に推し量れるものでも無いんですね。特にミネラリティがたっぷり得られて、葡萄がちゃんと熟すことが出来たとすれば・・です。
まぁ、「ちゃんと熟す」の定義は難しいですが、糖分だけでは無く、酸もたっぷり残ることが重要です。基本は、
「葡萄が熟す-->糖分が高くなる=酸度は低くなる」
と言う・・まぁ、これも安易な「式」では有りますが、そういうものになります。
緯度的にはかなり高くなりますが、川沿いのミネラリティが高く日照に恵まれた稀有な土地がこのジャニエールです。クラス的に言いますと、サヴニエールに僅かに及ばない・・と言うのが一般的な理解かな・・と思います。
さっそく開けてみました。いい感じです。ボリューム感、そしてアロマのニュアンスは、やや甘口のジャニエールが持つグラマラスなものと変わりません。味わいはドライです。ドライなんだけれども、蜜っぽさ由来なのか、甘やかなニュアンスが表面張力豊かな液体から感じられます。
果実はやや色付いたもの、オレンジとか、僅かな赤味が差し込んだものです。やはり白、黄色の果実、柑橘が主体ですが、交互に違う果実を想像させてくれる複雑性も高いものです。
小さい写真ですと・・中々上手く伝わらないかと思いますが、モニターの色によっては、僅かに落ちた色合いに見えるかもしれません。しかしながら実際飲んでみると、そのような「終わった感」は感じません。
最も、「新鮮さを感じないとダメ」な古酒嫌いの方には向かないかもしれませんが、
「驚くほど若く感じる!」
かも・・しれません。
レモンは完全に熟し、しかし酸はまだきちんと残っている・・甘くはならないけど、果皮の健全さが香りに溶け込んでいる・・みたいな感じでしょうか。もしくは、レモンもオレンジに変えても良いと思います。
ほんのりと粘性が有り、基本ドライで、甘さ感を誘発する複雑な要素が絡み合う旨いジャニエールでした。是非飲んでみてください
お勧めします。
P.S.
肩ラベル、エチケットには大きく「ジョエル・ジゴー」「ドメーヌ・ジゴー」と有りますが、これは先代の作になるので、ドメーヌ名が異なっていることによります。実際の販売者はドメーヌ・ド・ラ・シャリエール です。