
ブルゴーニュのワインのタイプは、ブルゴーニュワインファンにとっては非常に多種多彩で、またジュヴレ=シャンベルタンは人気筆頭アイテム
ですが、鉄っぽさとかワイルドさとかを言う以前に、畑や造り手により味わいや香りが大きく違うことも、興味をそそられる部分かと思います。
ドメーヌ・ドニ・モルテを継いだアルノー・モルテも、親父さんであるドニ風の濃密さを引き継ぎながらも、より自然派的なアプローチを進めているようです。
まぁ・・それにしても昨今のブルゴーニュのプライスは信じがたいものがあり、ドニ・モルテのシャンベルタンは8万とか・・ですから、とても安易には手を出せない時代になっちゃいました。
しかしながら、このドメーヌ・ドニ・モルテのように、下から上まで全く手を抜かない、また仕上がりからもちゃんとそれを確認出来る造り手ものは、納得のしようも有ると言えるかもしれません。でもやはり、手を出し易く、しかも満たされることの多いのはこのジュヴレV.V.やレ・シャンポーまでの1級まででしょう。
とても良いヴィンテージとされる2012年V.V.を飲んでみました。昔のドニ・モルテのような、もっと濃い色合いと黒が強く、完全に遅い収穫が想像されてくるようなものでは無く、赤く透明感があって、美しい酸を失わない、またタンニンの抽出を強くさせない意図が感じられる色合いでは無いかな・・と思います。とても綺麗ですよね。
で、驚いたのは、やはり親父さんのワインの味わいをベースにしていると言う事・・です。濃密さ、凝縮感と言う部分において、ドニ・モルテのワインは言葉にすべきものだったと思います。勿論、ペロ・ミノのような、異次元の濃度などは持ってはいませんでしたが、そんなドニ・モルテの味わいもしっかり感じられるんですね。
その上で、美しく冷ややかな酸、スピードの速い赤い果実のアロマ、穏やかなスパイス、石灰のニュアンスが有るんです。ある意味、この決して濃いとは言えない色合いから、濃密な果実感を感じられるというのは奇跡的なことなのかもしれません。
バランスも良く、勿論ベストなタイミングとは言えないものの、現時点で飲んでも破綻の無い味わいが感じられます。
ベストは5年後かと思いますが、現状でもかなり美味しいです。正規輸入品では無く、ブローカーものですが、コンディションも良いです。是非ご検討くださいませ。