ドメーヌ・ディディエ・ダグノー
ディディエ・ダグノー
フランス Domaine Didier Dagueneau ロワール
● ドメーヌ・ディディエ・ダグノーの2021年ものをご紹介させていただきます。と言いましても2021年ものとしては・・
「1アイテムのみ」
です。天候が悪く、畑毎に仕込むことが不可能になり、プイィ=フュメの全てを合わせて「XXI(ヴァン・テ・アン)」をリリースすることにされたんですね。しかも量は超絶に少ないです。
メディアもまた・・全くと言って良いほど、このヴァン・テ・アンの評価を出していませんので、noisy としましても・・まぁ・・どこか、ディディエ・ダグノーとの繋がりをずっと感じていたので、開けさせていただきました。
そうしましたら・・何と十数年ぶりに、
「ディディエに出会った!」
と・・感じました。詳細はコラムをお読みください。
メディアも評価を出していないと書きましたが、Vivino と言うSNS的要素を持ったサイトに書込みが有り、総合的には、
「5ポイント満点で4.3ポイント」
と高い評価が出ています。
また、書かれたコメントも・・面白いのでちょっと訳してみました。
「4.5/5.0。バンジャマン・ダグノーのキュヴェXXI。岩水のように透明な色、信じられないほど複雑な香り、最初はレモン、その後洋梨や白桃、しかしその背景には香水のように、非常にわずかにスモーキーな側面、アーモンド、そして何か塩分、ミネラル。口に含むと非常にストレートで、非常にコントロールされた酸味、余韻の驚くべきミネラル感、そしてクレイジーな長さ!魚のウォーターゾイは、脂ののった料理とバランスのとれた組み合わせです。」
「3.8/5.0.魅力的なワイン。ロワールでは不作だったので、ルイ・バンジャマンはすべての区画をこの区画に結合することで対応しました。フリント、サラブレッドなどなど。純粋な灰と塩、わずかな煙。生理食塩水、牡蠣の殻。奇妙?」
また日本人の方もフィネスさんの試飲会で飲まれて「美味しい」とされ、4.4/5.0 の評価でした。
ですが、飲むタイミングで評価は相当変わると思われますので、ぜひコラムをご確認いただき、どうされるかお考えください。
また、バックヴィンテージのシレックスやピュル=サンなどをいただきましたので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
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ダグノーの2020年をご紹介させていただきます。入荷数は今までの1/2~1/3です。フィネスさんもその辺りを慮って、2019年ものを少し分けてくれましたので一緒にご案内させていただきます。
非常に少ないので飲めたのは「2021エトセトラ」だけでした。ですが・・飲んでおいて良かった・・ベンジャマンが何を考えているのか・・少し理解出来たと思います。因みに本人は以下のように言っていますので・・まずご覧ください。
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2020年は日照量がとても多く年間通して気温が高く乾燥したので、2018年、2019年に続いて3年連続で暑さに悩まされるヴィンテージとなった。春から早熟傾向で暑い夏は水不足に悩まされたが葡萄はよく耐えてくれて元気に成長した。収穫は9月初めに行ったが、フレッシュさを残すのか、もしくは完熟させるのか、葡萄をどの段階で収穫するかで近所の生産者の間でも収穫日がかなり異なるので各生産者ごとにワインの特性がだいぶ変わるヴィンテージになっている。当家では比較的早めに収穫したので豊かでたっぷりとした味わいながらもフレッシュさは損なわれておらず、口当たりはゆったりとしており素晴らしく長い余韻がある。
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エトセトラ2020 を飲む限りにおいて、やはりベンジャマンは・・非常なほどに多く内包しているミネラリティの存在での・・ある種の「若い時期における閉じこもりがち」な表情を何とかしよう・・としていて、それを実現して来ていると感じられます。
それは・・「卵型の樽を試験的に使用している」と言うテクニカルからも感じられますが、新型コロナウイルスの蔓延で情報が少ないので、実際にはどのようなことをやっているのかは判りませんが、
「飲んでみればフカフカとしか畑と火打石、石の存在」
を若いうちから感じられるんですね。2020年ものは2019年ものよりも、その傾向は強いんじゃないかと感じました。
また海外メディアでは・・特にヴィノスですが、最近はシレックスよりもピュル・サンの方を高く評価しているんですね・・平気で・・(^^;; まぁ、これが正しいかどうかはかなり微妙では有りますが、ピュル・サンって・・昔から相当美味しいのに何故か皆シレックスに流れてしまう傾向が有りますから、
「ピュル・サンを数週間放置して楽しむ」
そんな飲み方も以前に提案していますので、もし可能でしたらやってみてください。
2020年の太陽の恵みを最大限に活かした造りになっていると思います。是非ご検討くださいませ。
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ディディエ・ダグノーの2019年です。いや~・・このところのダグノーは、ミネラリティのマンモス度は以前のままに、柔らかさを毎年、増して来ています。
ですので以前のように、
「・・飲んだけど・・硬くて酸っぱくて・・どこが美味しいの?」
などとガッカリすることは無い・・そのように言えるでしょう。もっとも、
「ちゃんと飲めばその凄さは誰にでも判る」
のも、以前と全く変わりませんが。
しかし、シレックスもピュル・サンもエトセトラも・・これほどまでに外向的に、どんどんにこやかになって来たのには驚かされます。そもそも自然派ですから、畑の柔らかさが感じられるのが普通のはずで・・やっとディテールが出て来た・・のには、
「ベクトル変換」
が出来ている・・んだと思います。
卵型や横長の樽などを使い、ミネラリティをやや内側に配置、表情をやや外側に持って行くことに成功しているんだろうと思います。
その上で、ディディエ・ダグノーらしいスタイルは以前のまま・・ですから、
「毎年、より美味しさを感じやすくなって来ている!」
と言えます。
あ、バビロン・セック2017年だけは・・いまちょっと硬いです・・。これは様子を見ながら・・果実感の成長を待ちましょう!・・素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィです。すみません、2019年のサン=セールは数が少な過ぎて割り当てが有りませんでした。
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2018年ものを中心に入って来ましたディディエ・ダグノーです。このところベンジャマンが造り出すワインは、以前のような「クリスタルの殻」に閉じこめられたかのような、テッカテカで滑らかなテクスチュアは本当に素晴らしいけれど、熟すのに時間が相当掛かる・・と嘆くようなものから脱出、やはりベクトル変換をしたかのような・・それでもミネラリティの総量は以前と全く変わらない・・各要素を外向きに、得やすくなったような「柔らかさ」も身に着けています。
2018年もののブラン・フュメ各種の出来は見事なものでした。ただミネラリティだけが目立つのではなく、おそらく2015年頃までのものが見せたクリスタルの塊が持つような硬さを、かなり細かく砕いたようなイメージで、様々な表情が出現しやすくなっています。
例えばあの「シレックス2018」は、それこそ抜栓直後は硬さを見せるものの、3~4日で官能的な柑橘フルーツのアロマをポンポンと振りまき、味わいも膨らみも、
「美味しく飲める!」
と感動するようなタイミングが有ります。そして、また数週間掛けて収縮と膨張を繰り返しながら徐々に全開放に向かってくれます。
これはもうとても感動的です。タイミング良くNoisy wine にご来店された方は、ドライバーの方は除き、テイスティング出来ましたので・・もうグラスをいつまでも離せないような状況になってしまいました。それほどまでに感動的なアロマが店内の空気を彩っていました。申し訳なかったのはドライバーさんで・・香りは嗅げどその本体には触れられない・・と言うお預けを喰ってしまった訳です。
今回はバックヴィンテージ、サンセールを除き全アイテムのテイスティングをさせていただきました。上記のシレックスの振る舞いは、他のロワールのキュヴェも同様です。
また、バビロンのセック、モワルー2016も飲ませていただきました。いや・・
「激旨!」
です。セックの美味しさもさることながら、モワルーの美味しさには感動しました。
まぁ、ワインファンは迂闊にも甘さの有るワインへの恐怖?畏怖?みたいなものを持っているようですが、これ、飲んだらそんなものはすっ飛んでしまう事、請け合いです。
また、ダグノーのシレックスは、海外メディアは良いところ、94ポイント止まりです。アドヴォケイトは2018年ものシレックスを93ポイントと評価しているようです。
しかし、以下の評価を見ていただければお判りになるかと思いますが、残念ながら彼らはダグノーのワインをちゃんと理解は出来ていないと思います。
2015 Blanc Fume de Pouilly Silex Domaine Didier Dagueneau
94 Points
2018-2025 / Andrew Jefford Decanter.com January 2018
17.5/20 Points
2017-2027 / Richard Hemming MW JancisRobinson.com July 2017
デカンター誌は94ポイントとまぁまぁ・・では有りますが、飲み頃を2018年から2025年としていますし、ジャンシス・ロビンソン・コムでは17.5ポイントで2017~2027年と、直近の10年間の飲み頃予想です。
言わずともお判りいただけるかと思いますが、この期間に美味しく飲める幸せな時間を得られる人が、本当にいるとしたら・・それは奇跡でしか有りません。特に2015年ものはまだ今のようにはリリース直後の柔らかさを身に付けていなかった時期でもありますから。
本当のことを知ったら、もしくは経験されたら彼らもビックリすることになるかと思っています。少なくとも、この10年しかないとした寿命の間は、一気に飲むのではなく、長い時間を掛けて楽しむか、思いっきり開かせる努力をし、ワインのご機嫌が良い時に飲む・・みたいな、ワイン主体の飲み方をされると良いかと思います。
本来はやはり(リリースから)10年経過してから・・ようやく開いてくるワインたちです。勿論ですが、まだ硬い時期にマリアージュで美味しく飲むことは可能です。
この素晴らしいワインを是非、ご堪能いただきたいと思います。
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フィネスさんもののディディエ・ダグノーです。(造り手別ページには、違うエージェントさん輸入のダグノーも一緒に掲載されます。ご注意ください。)
2017年のダグノーは、今のところは定番の「ブラン・フュメ」のみのテイスティングですが・・いや~・・ぶっ飛びました!・・近年稀に見る出来栄えです!
と言うよりも、ドメーヌ・ディディエ・ダグノの先代の時代から、始まって以来かもしれないと感じています。
何せ、あの滅茶滑らかなクリスタル風テクスチュアと膨大なミネラリティはそのままに、
「果肉を思わせるかのような柔らかさと起伏」
まで、感じさせてくれるんですね。
そして、超高質なソーヴィニヨン・ブランのアロマティックなアロマに・・ノックアウトされてしまいます。
ところが皆さん・・事件です。ディディエ・ダグノーならではの昔風のA.O.C.(A.O.P.)表記、「ブラン・フュメ・ド・プイィ」が無くなりました。その理由は・・まぁ、裏に貼られているエチケットにも何やら書いてあるようですが・・エージェントさんの資料はこんなようになっています。
2017年は春から日照量が多く暖かかったが、4月末に降りた霜で大きな被害が出てしまった。夏は暑く乾燥したので葡萄の出来自体は素晴らしかったが、霜害の影響で収穫量は約60%減となり、特に被害が甚大だったビュイソンルナールはワイン自体が造れなかった。
ワインの出来は素晴らしく分析上も完璧に近かったが、アペラシオン認証を得るための試飲で揮発酸が多いという指摘を受けた。もちろん分析上はリミットを超えてはおらず問題のない数値だったがそれでも認証が得られなかったので、サンセール以外はAOPを放棄してVindeFrance(ヴァンドフランス)としてリリースすることにした。馬鹿げたルールと固定観念に囚われた一部の人間の偏見はプイィフュメのアペラシオンのレベルを下げると感じ、このような制度に縛られていてはドメーヌのオリジナリティや信念、哲学を表現する本物のワインを造ることは難しいのでAOPから離れる決意をした。「はぁ?・・揮発酸?・・そんなもん、検出限界でしょ!」
ブラン・フュメからは全くそんなニュアンスは判りませんでした。仲間に揮発酸検知器とまで揶揄される noisy が言うのですから、それを嗅ぎ取ろうと思っても無駄な努力かと思います。
原因は・・
「So2 の量を相当少ない限界まで減らした!」
ことに有ると思っています。
心地良い幅のあるリアルなアロマが「すっ」と立ち昇り、そしてこの肉感的な柔らかさを硬質なミネラリティが物凄い量存在する中から感じさせてくれる訳です。
これは正にSo2の少なさから感じさせる「全くネガティヴな要素の無い」表情です。
2017年のダグノーの、他のキュヴェのテイスティングが非常な楽しみになっています。これは皆さん、ビックリすると思いますよ。リアルで柔らかな表情のダグノー2017年に乾杯!・・恐ろしいほど深い表情を是非ご堪能くださいませ。

2008年に飛行機事故で早世した故ディディエ氏の跡を継いだ息子のベンジャマン氏は、葡萄の成熟を重視しながらヴィンテージごとの個性やテロワールをしっかり表現するワイン造りを行っています。畑の広さは約12haで土壌と環境を尊重し、父の故ディディエ氏が1989年から続けてきたビオディナミを引き継いでいます。畑の区画によっては馬で耕作を行い、出来る限り機械は使わないような栽培方法が採られています。
葡萄は畑で選別作業を行いながら手摘みで収穫されます。醸造所の2階にある除梗機で100%除梗され、1階にある空圧式圧搾機でプレスし、地下のタンクへ葡萄果汁が運ばれます。この間の葡萄の移送はすべて重力によって行われます。そして醗酵前に果汁を冷やし、不純物を取り除くための澱引きを密に行います。樽でのアルコール醗酵には純正培養酵母が使われ、新樽と1~3年樽をそれぞれ25%ずつ使用。樽の種類も特注のシガールと呼ばれる300Lの樽とドゥミムイと呼ばれる600Lの樽を主に使用し、澱に触れる面積の違いによって味わいにも違いが出るようにしています。12ヵ月の醗酵、熟成後にステンレスタンクでアサンブラージュをしてさらに8ヵ月熟成させます。プイィフュメのすべてのワインにおいて同様の醸造が行われているので、各アイテムの違いはテロワールのみになります。









● N.V.(2021) XXI(Vingt et Un) Vin Blanc
ヴァンテアン・ヴァン・ブラン
【2021年もののブラン・フュメ・ド・プイィの畑の葡萄をベンジャマンが何もかもを混ぜて仕込んだら・・なんと、あのディディエの懐かしいフィネスたっぷりのアロマとバッキバキのボディが復活しちゃいました!・・半端無い物凄い香りと、要素の卵を外界から隔絶したタイムカプセル!!】

これはもう・・ディディエ・ダグノーを大昔から飲まれている方が・・一嗅ぎでもしようものなら、涙が零れ落ちてしまうんじゃないかと・・思います。
ま~~・・このアロマったら!・・ソーヴィニヨン・ブランが生み得るアロマをどんなに収集して比べたとしても、きっとこのXXIに叶うものは無いでしょう。
まったく薄べったく無く、立体的なイメージを形作るのに・・少しも野暮ったさが無いんですね。出っ張ってるとか、へこんでる、崩れているなんて、少しも疑う姿は無く、とてつもなくピュアで美しく、フィネスだけしかない・・と感じるほどにインテグレートしていると思わされます。
そしてそれは密やかに脳髄にまで侵入し、くすぐられ、かすかな官能感へと変化・・グラスを振り続けさせられるただの人形へと変えられてしまいます。まるでギリシャ神話のメドゥーサのように全身を石にされ、ただグラスの持つ手だけが揺れている。そんな世界観に没入させられてしまいます。
その、物凄い香りの元になるグラスの液体を口に含むと・・余りの違和感に、きっと驚かれるでしょう。
「・・えっ?・・私の心をつかんで離さない、この物凄い芳香のワインが・・こんなに酸っぱいの!?」
と。
そうなんですね・・早過ぎるどころの話しではなく、
「美味しくワインを飲みたいなら今開けちゃいけないワイン!」
です。
そして、この素晴らしいアロマと、この・・
「メドゥーサに石にされたかと思えるような迸るほどに集中した半端無い量のミネラリティさえ、膨大に大きいパレットを描くピュアな酸にコーティングされ、完全に隠されている!」
訳です。
で・・思い出してみてください・・ディディエが亡くなるまでリリースしていた、あのシレックス、ピュル=サンを。
そう、ディディエ・ダグノー本人がリリースしていたバッキバキな頃のシレックス、ピュル=サンがここに有ったんです。

1995年にMicrosoftからリリースされたWindows95 は、世界を変えました。インターネットを通じて、ボーダーを壊した訳です。そしてそれまでのコンピューター通信に変わってSNS が拡がり、ブログ全盛時代を迎えました。
そんな中で、ワイン好きたちはブログやSNSで、飲んだワインに対して自身の自由な意見を表明し始めます。
ディディエ・ダグノーのピュイィ=フュメは、
「硬くて酸っぱくて全然おいしく無い」
と言うような書き込みがアチコチに上がっていました。でもそれは単に、
「ワインの飲み時、飲み方、楽しみ方を間違えたから」
に過ぎません。
もし今、1990年代~2000年のディディエのシレックスやピュル=サンを再び開けられたとしたら、それはもう・・きっと飛び上がってビックリされることでしょう。あ・・もちろんですがコンディションも重要ですから、どうみても生気のない変色をしているような個体には、違う意味でビックリされると思いますが、きちんと輸入され管理された個体でしたら、それはもはや「宝物」でしかありません。
2008年にディディエが事故で亡くなり、息子さんと娘さんが跡を継ぎ、ドメーヌ・ディディエ・ダグノーは安泰でした。ディディエ時代の硬かったワインは柔らかさと「とっつきやすさ」を得て、多くの人を魅了し続けています。
2021年ものは、天候に恵まれず余りに量が少なく、ドメーヌは全てを集め、1アイテムのみのリリースになりました。それがこのヴァン・テ・アン、XXI です。
余りに少ない入荷量でしたが、それでもこのヴァン・テ・アンを開けてしまいましたら、本当に久しぶりに再会したんですね・・ディディエに。
「・・・何と言う・・奇蹟・・」
そう感じました。
そしてグラスの中のヴァン・テ・アンを少しずつ口に含み、その変化を楽しみながら確かめ、それでも残したグラスのワインを2時間ほど放置し、再確認しました。
ピュアで鋭角、強烈な・・リンゴ酸を含む酸は、ほんの少しだけ丸さを見せ、ほんの少しだけの酸のバリアの綻びから、内部に隠していたミネラリティの欠片を確認させてくれました。
「そう・・ディディエのワインは・・リリース直後はこうだった・・」
と思い出させてくれました。
ですので、もしどうしても飲みたかったら・・良いレストランさんにご相談になり、どんな食材とマリアージュさせるか・・聞いてみると良いかなと・・思います。
そしてもう一つの飲み方は・・いつも言っているように、
「1カ月かけてほんの少しずつ、確認しながら楽しむ」
のをお薦めします。
20年放置が最高のタイミングでしょうが、10年過ぎれば何とかなるかもしれません。
プイィ=フュメ、もしくはソーヴィニヨン・ブラン、またもしくは、白ワインとして、最高のワインのひとつだと思います。ご検討くださいませ。
● 2019 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【これは・・柑橘を「これでもか!」と凝縮させて詰め込みつつ・・それが全く外に出て来ていない、ある意味本当に化け物状態。今開けてはいけません。】-----以前のレヴューを掲載しています。

凄いですね~・・そう、ある意味・・ディディエ・ダグノーは・・こうでした。勿論その頃は「セック」は造って無かったと思いますが、
「要素をこれでもか!と詰め込んで、でもほとんど何も外には放出しないワイン」
それがディディエ・ダグノーのワインだった・・そう理解していました。初めての出会いは1990年代でしたが、
「ディディエ・ダギュノー...って知ってますか?」
と、あるエージェントさんからご紹介いただいたのがファーストコンタクトでした。
そう・・ダギュノーって言ってたと思いますが、noisy は勝手に「ダグノー」と読んでいましたら、そのうち世の中がダグノーと呼ぶようになっていました。ルジェもそうでしたよ。昔は結構に、
「エマニエル・ルージュ」
なんて呼ばれていました。それはなんか違う・・と思って、「エマニュエル・ルジェ」と書いてネットで販売していましたら、いつの間にか・・そう呼ばれるようになっていました。最近はそのようなことは余り無くなって・・noisy的な読み方がされることもなく、ただnoisy のところだけがそう呼んでいる・・たとえば、「オーセ=デュレッス」とか・・(^^;;
で、この2017年のバビロン・セックですが・・これはもう・・
「・・絶対に勘違いされる状態!」
だと・・・思います。

もう・・ドライフルーツを滅茶苦茶一杯にガラス器に詰め込んであるものの・・
「そのフタを開けた時の凄い匂いのする状態!」
に近いんじゃないか・・と思います。
そしてその状態から、ちょっとやそっとじゃ変わって行かない・・(^^;;
ですから、これは2~3年・・そのままにしておくべきだと思います。どうしても飲むなら、飲む2~3日前に平底デキャンタに落としておくとか、相当工夫をしないと本性にはたどり着けないかと思います。
ですが、ポテンシャルは呆れるほど高いと思いました・・ので、この相当な匂いのドライフルーツが、やがて柑橘+ドライフルーツに変化して行くまで、なんとかそだて上げて欲しいと思います。
しかもこのセック...何故か価格がリーズナブルになっているんですよ・・。間違ってないのか、ちょっと心配になりますが・・まぁ大丈夫でしょう。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!分厚いボディから漏れ出る柑橘のピュアさ!感動的です!】
ようやく飲めました!・・そもそも何本も入荷しないので、テイスティングするのは難しいワインなんですね・・ダグノーのキュヴェで未だに飲めていないのは「サンセール」です・・。比較的最近リリースしたのがサンセールですので、まだ皆さんも飲めていない=人気が高いと言うことで、引く手が非常に多いです。
こちらはジュランソンの古代品種を用いて造られた「ドライな方」です。少し前までは「ドゥミ・セック」だったように思いますが、最近は・・こんな感じだと思いますよ。
「ジュランソン・モワルー」
昔:やや甘口
今:僅かな甘口
「ジュランソン・セック & ドゥミ・セック」
昔:僅かな甘口
今:辛口
なので、ほぼ残糖を感じないのがこちらです。
しかしながら・・滅茶苦茶複雑な味わいです。中域のボディも結構に分厚いです。そして余韻も滅茶長い・・。
そもそもここジュランソンはピレネー山脈の丘に有りまして、そもそも・・ピレネー山脈は、
「アルプス山脈よりも地層が古い!」
と言われています。
WIKIペディアによりますと、
古生代から中生代にかけて海底の比較的浅い場所に堆積してできた地層が、特に古第三紀始新世頃の大陸移動に伴う圧力の影響を受けて隆起や褶曲を起こしたことによって、ピレネー山脈の原型が形成されたと考えられている。その後、降雨や流水などによる侵食などの影響などを受けて、現在のピレネー山脈の形状になったとされる。こうしてできた現在のピレネー山脈の山体を構成する主な岩石は花崗岩であるものの、山脈の西部の周辺部には石灰岩なども見られる。
と言うことになってますので、
「古生代から・・と言うことになれば、ブルゴーニュ等が中生代とするなら、もっと以前に隆起してできた?」
とも言える訳ですね。
それに加え・・「アルプス・ヒマラヤ造山帯」に属していますので、西は大西洋からジュランソンを通り、ヒマラヤを通り抜けマレー半島まで・・と言う、地球を半周してしまうような大きな造山帯に存在している訳です。
ですが、プティ・クルブ種、グロ・クルブ種、グロ・マンサン種、カラマレ種、ローゼ種 と言われましても・・まぁ、「マンサン種」位は何とか知っているとしても、
「その特徴は?」
などとはまるで言葉にできない・・むしろ、昔からの「安ワイン」でしかイメージが沸かず、結局は、
「ダグノーのジュランソンは別物!」
と言うしかない訳です。
しかしながら、それでも仕上がったバビロンは一般的なシャルドネよりも構造が大きく、重心は低く、超高域の伸びやかさまではシャルドネに及ばない・・みたいなイメージですが、ブルゴーニュのシャルドネとは比較するのが難しいほど複雑性に富んでいるのも事実だと感じます。そして、ダグノーのワインに共通された「洗練性」が有りますので、
「うわ~・・凄い・・」
と思ってしまうのでしょう。
モワルーも美味しいんですが、流石に価格がね・・ヤバイです。太い柑橘のアロマと重心の低い味わい、是非お楽しみくださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【コンディションは非常に重要です!】--以前のレヴューを使用しています。 時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】 元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】 はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】 ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2019 Jurancon les Jardins de Babylone Demi Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・ドゥミ・セック
【コンディションは非常に重要です!】---以前のヴィンテージのレヴューを掲載しています。
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2020 Blanc Etc. Vin Blanc
ブラン・エトセトラ・ヴァン・ブラン
【おそらく今までで最も「ふかふか」とした畑の柔らかさをワインのテクスチュアと印象に表現した「ドメーヌ・ディディエ・ダグノー」のヴィンテージでしょう!】

残念ながら余りにも少ない入荷でして、
「・・どうしたら良いのか・・」
と途方に暮れてしまいました。大沢誉志幸さんのあの独特の声が頭の中でリフレイン・・(^^;; まぁ、たったこれだけで判る方は・・若い方はいらっしゃらないかと思いますが、中々の名曲かなと・・。この「エトセトラ」にしましても6本しか入荷が無く、他は全て1~3本ですので・・途方に暮れた後は、
「・・カニ食べいこう♪♪」
まで流れて来る始末でして・・エトセトラだけに・・なので、この際、何とかこのエトセトラだけでもテイスティングしようと決めました。まぁ、ダグノーですから何も間違いなどは有りはしないと思っているんですが、
「少なくともヴィンテージの傾向が見れれば・・」
と言うことで持ち帰りテイスティングしました。
そうしましたら・・やはりこのところのベンジャマンになってからの躯体の「柔らかさ」がさらに顕著になり、ディディエの頃の「石を嘗めるような・・タイトで味わいの薄い表情」では無くなって来ています。
面白いのは・・今のベンジャマンになってからの方が判りやすいはずなんですが、ディディエの頃のハードなロックでは無く、少しソフィスティケイトされたロックに感じられるのでしょうか、
「親父さんの時のワインがポテンシャル高い」
と言うようなご感想も有るようです。勿論、その辺は飲まれる方の好みですからそれで結構なんですが、親父さんの頃には、
「味がしない・・酸っぱいだけ」
と・・ネットでは随分とブログなどに上がっていましたから、何とも不思議な感じがします。・・別に良いんですけどね・・美味しければ!

そうですね・・もう、最初から柑橘系果実の繊細かつピュアな・・素晴らしいアロマが上がって来ます。ミネラル感もややゴロっとした石の感じがしますが、その石が・・何と言いますか、白や茶色の粉を噴いているようなイメージで、それが「片栗粉をまぶしたようなミネラリティ・・その中に石」・・のような感じなんですね。
ですから・・ディディエの頃は、リリース時もの凄くハードで、エナジーのベクトルは内向きだったものが、ベンジャマンになってからは徐々にそのベクトルの向きが逆転・・と言いますか、外向きのベクトルが大きくなってきた・・そんな感じだと思っていただけますと近いかなと思います。
ボディもタイト一辺倒では無く、太さを感じるイメージです。余韻もミネラル感だけではなく柑橘な果実感と果実酸的なものをしっかり感じられますから、今から飲んでも・・一応美味しく飲める・・ように変わって来ています。
中々にメディアの情報も見当たらなかったんですが、ヴィノスで92ポイント、付いているのを発見しました。飲み頃は2023年~2033年となっていまして、ヴィノスの短い飲み頃期間はアドヴォケイトから伝わった伝統なんでしょうか。
今から美味しく飲めますが、ポテンシャルの20%も感じられれば良い方だと思いますよ。それでこれだけ・・美味しくいただける訳ですから・・はい。
因みに・・2020年ものは毎年飲んでいた「ピュルサン」さえ飲めませんでしたが、ヴィノスの評価ではなんと・・シレックスを上回り95ポイント・・と言う・・ヴィノスとしては非常に高い評価をしていました。なので、
「何とかピュルサン、飲めないか」
と画策したんですが上手く行きませんでした。
常々言ってますが、人気が今ひとつのピュルサンって・・とてつもなく旨いんですよ・・。そりゃシレックスの硬質で高質な火打石っぽいニュアンスは何とも心地良い訳ですが、ピュルサンだって凄いですよ?・・とお伝えして来た部分を2020年もので確認・説明できなかったのは残念では有ります。
非常に少ない2020年ものです。フィネスさんは少な過ぎると思われたのか、2019年ものを少しだけ分けてくれましたので、そちらもご案内させていただきました。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【唯一無比!?完全無欠のブラン・フュメ・ド・プイィ!・・以前のままにマンモス・ミネラリティを宿しながらも柔らかさを増して来ています!素晴らしいです!】

スマホを変えました・・食事中に撮るのでスマホ必須なんですが、流石にバッテリーが一日持たなくなって来たのと、小型のiphoneだと・・もう小さい文字が何とも厳しくなって来てしまいまして、
「一番大きいiphone」
に変えました。レンズが3つも付いてて派手な見た目・・しかも激重・・でも、もうしょっちゅうワインの写真を撮り、お客様のご発注の処理をする noisy には必須です。
ただし・・撮れ方が今までと少し違うので、慣れが必要なようです。いまひとつの写真になっていましたら申し訳ありません。
ブラン・エトセトラ2019...良いですね~・・たしかにピュル・サンやシレックス..激旨なんですが、まぁ・・エトセトラで充分とも思えてしまいます。
この何年かのダグノーのソーヴィニヨンは、親父さんの時代のマンモス・ミネラリティはそのままに・・硬さを少しずつ和らげて来ました。何も変わっていないように見えて・・実は大きく変化して来た訳です。

「何せ、以前の(10年以上前の)ディディエのブラン・フュメは、リリース直後はとてもじゃないが飲めなかった・・」
訳ですね。
「激有名ドメーヌのワインにしては全然美味しく無い!・・味がしない!」
なんてブログがアチコチに上がっていた訳です。noisy はそれを打ち消すように・・コラムを書き続けていました。
「一日一杯だけ・・4週間掛けて飲んで!・・もしくは栓を抜いて4週間経ってから飲んで!」
みたいな感じです。
今や・・そんなことは不要です。少なくともリリース直後から理解できる味わいです。
柔らかさの中に潜り込んでいるとんでも無い量のミネラリティ。ダグノーならではの均整の取れたアロマ。脳髄にすっと入ってくるようなイメージの品とスピードの在る柑橘フレーヴァー・・。
柔らかさの中の硬質さ・・と言っても良いかもしれません。白ワインの醍醐味の一つでしょう。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【A.O.P脱出後に名前が無かった元アンシャイユ・・ブラン・エトセトラと命名です!】
ベースのブラン・フュメ・ド・プイィだったワインです。名前を新たに付けていただいて、
「ブラン・エトセトラ」
と成りましたのでお見知りおきくださいませ。エトセトラは実際には「エトセテラ」らしいんですが、混乱してしまいますので英語的に・・noisyも空気を読めるようになりました。
非常に良いです。ドライで適度な膨らみが有り、ビターな余韻が柑橘フルーツのリアリティを高くしています。
シレックス的でも有りますが、半分はもっと普通に石灰的なミネラリティだと思います。なので、クリスタル的・・に透明でも有りつつ、白っぽさがそこに乗っている感じです。
勿論ですが、今から最大限美味しい時期を迎える・・なんてことは有り得ません。海外メディアのご重鎮たちは平気で「10年以内」などと言ってますが、余りに的を得ていないので、そのような雑音は聞かないようにしてください。
「何とか美味しく飲めるタイミングが比較的早い段階でも出てくる可能性が有る」
と言うだけです。
もっとも、今までこのワインが大好きで、比較的早いタイミングで飲まれてきた方なら、
「・・滅茶美味しくなった!」
と思っていただけると思いますよ。
ダグノーとしますと、単に畑の勝手にさせるだけ、葡萄が成りたいようにするだけ・・と言うスタイルでは有りません。
「そこに人間の関与が有って葡萄がワインに昇華する!」
と確信しながら、その道を極めようとしている様が見えて来ます。
言ってしまえば、そもそも畑に葡萄を植えた時点で「自然に任せている」訳じゃ無くなっているんですね。禅問答みたいになってしまうので止めますが、それでもダグノーのビオは孤高のスタイルだと思っています。ご検討ください。ディディエ・ダグノーの意思を感じていただけるリーズナブルな「プラン・フュメ」の息子です。
以下は以前のレヴューです。
-----
【素晴らしいです!これにケチを付ける INAO の方々の頭の硬さは、先代ディディエのシレックス以上。是非ともこの素晴らしいブラン・フュメのディテールに包まれてみましょう!】

こんな時にこそ、以前のヴィンテージのものの写真を撮っておいて良かった・・と思うんですが、比較してみていかがでしょう?因みに、大きさのみの変更で、明るさや色合いの調整は全くしていません。そのため、少し暗い写真になってしまっていますがご容赦ください。
淡く明るい緑の入った輝く黄色をしています。これにもし、それなりの量の揮発酸が出ていますと・・こんな感じには撮れません。もっと薄い茶系のグラディエーションがエッジに出てくるのが普通ですが、こちらはとても健全に見えるはずです。
そうなんですよ・・もう、開けた瞬間から見事なアロマが飛び出して来ます。とてもピュアです。揮発酸については、嗅ぎ取ろうとさえしませんでした。そんなことは無意味なほどに仕上がりの良さが現れていたからです。
そして、普段のディディエ・ダグノーのブラン・フュメの「硬さ」は無く、テクスチュアは見事なまでに滑らかでありつつ、フルーツの果肉のような起伏を口内で感じることが出来ます。こんなことは今の今まで、ディディエ・ダグノーのブラン・フュメに感じたことはありませんでした。
なので、
「1カ月掛けて飲んでね・・」
のように言っておりましたが、2017年ものに限っては、どうやらその心配は無いようですよ。
何せINAOさんがプイィ=フュメのアペラシオンを許可しなかったそうですから、他のキュヴェも同様なはずです。すでにテイスティング済みのフィネスさんの担当さんにも確認しました。
「いや~・・どのキュヴェもとても美味しいんですけどね・・認可が下りなかったそうですよ。サンセールだけは下りたのでA.O.P.を名乗ってますが、他はヴァン・ブランです。今までに無く柔らかくて美味しくて・・」
とのことで、それもまたnoisy が受けた印象と全く同じでした。
「それ・・So2 の使用量が滅茶低いんだよ・・」
と伝えておきましたが、この活き活きとしたディテールの素晴らしさは感動ものでした。
ただし・・ど~も数が無いようでして、しかも2017年のビュイッソン・ルナールについては日本未入荷で、今のところ造ったのかどうかも判らないそうです。
劇的に美味しくなった・・生まれ変わったと言って良い、ディディエ・ダグノー2017年でした。ベンジャマンとシャルロットも、さらに前進すべく、頑張っているのが判る危険性の無い2017年です。
あと、このように酸化防止剤の少ないワインは、やはり熱や温度変化への耐性は低くなりますので、温度管理をキッチリして、お楽しみください。素晴らしい2017年!是非ご堪能くださいませ!ブラボー!
以下は以前のレヴューです。
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【割り当てが少なくて飲めませんでした・・が、2016は凝縮した密度の高い味わいのようです!】 2016年は少なくてもしょうがないですよね。淡くて軽い味わいの年かと思いましたが、ピュル・サン、シレックスと飲ませていただき、そのピュアなスタイルは全く不変、テロワールの違いをも見事に感じさせてくれた素晴らしいヴィンテージだと思います。
比較的早く熟すベースのワインですので、是非、開かせながら飲むような感じで楽しんでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
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【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!
● 2020 Pur Sang Vin Blanc
ピュル・サン・ヴァン・ブラン
【僅かな粘土の存在が、柔らかさと粘性と複雑性を見せた2019年ものは、今までに無く滅茶旨いです!】---Vinous ではシレックス超えの高い評価です。---以前のレヴューを掲載しています。

すみません・・まだこのカメラの撮り方に慣れていない時の写真なので、暗く仕上がったのを明るさ調整しましたが、どうも上手く行かない・・もっと綺麗な薄緑が有るんですが・・。
しかし・・もしかしたらこの2019年ものが今までで一番、「グッとくる」ピュル・サンになったんじゃないかと・・感じてしまいました。
ワインの中に、どこかムルソーを見つけながら高原の何とも冷ややかで美味しい空気と、乾いた草原を渡って来た風を感じるような・・そんなイメージが湧きました。
ディディエ・ダグノーは「ワイルド・マン」などと揶揄され、「野生の男」そのまんまの風貌をしていながらも、こんなに精緻なミネラリティたっぷりの素晴らしいブラン・フュメを造っていた訳です。
言ってみれば・・
「何も変わっていないようだけれど、テクスチュアは核の表面に表情を造り出している」
ただその部分だけが、この十年ほどで進化して来ていると感じます。

その上で、2019年もののピュル・サンは・・
「今までで一番美味しいと思う!」
と言うのが本音です。
まぁ・・あの「かっちんこっちん」に硬質なピュル・サンが徐々に表情を得て行くのを見るのも実に素晴らしいんですが、このように抜栓直後、2~3日後でも、素晴らしい柑橘とミネラリティ、静置さの中にある半端無い複雑性を早い段階で掴めることは、気の短い日本人にはうってつけのスタイルになって来たと思います。
なんとも瑞々しく、さらりとしつつドライで、しかもどこかネットリとした粘性の中に・・まだ潜んでいるカプセルをこじ開ける楽しみが有ります。是非飲んでみて下さい!アペラシオンは有りませんが素晴らしい真実のブラン・フュメ・ド・プイィです!
以下は以前のレヴューです。
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【シレックスに粘土を加えた土壌由来・・そのまんまの姿が伝わります。「これで充分!」だと心が言ってます・・】
美味しいです!・・以前よりも確実にソフトさが加わったピュル・サンです。昔の「ガチガチ」な姿もじゃじゃ馬馴らし的楽しみが有って嫌いじゃなかったですが、ここまでふんわり感が有ると・・また伝わり方が変わって来ていると感じます。
一般にはシャルドネなどの白葡萄は石灰の強い土地、ピノ・ノワールなどの黒葡萄には石灰+粘土質と言われます。このピュル・サンの畑に
「ピノ・ノワールを植えても面白いんじゃないか・・?」
とも思えます。
「いや、それにしては粘土は少ないかも?」
とも考えてしまいます。
でも、シレックスやピュイッソン・ルナールを一緒に比較してみますと、それぞれの個性がハッキリ異なるのが判るんですね。ピュル・サンはやはりシレックス+粘土で、粘土由来の細やかな表情が加わっているのが良く伝わって来ます。
なので、どこか黒葡萄っぽいイメージも同じように連れて来る感じで、よりコクが有り、より柔らかさ・・と言うか、包容力みたいなものを感じます。色も濃い目でしょう?・・ビュイッソン・ルナール2018は今までに無く、
「超繊細」
だと感じました。
こちらも1週間以内のどこかで一旦解放に向かうと思います。noisy が飲んだ感じだと3日目位でしょうか・・保存温度にも寄ると思いますので、やはり最初の1週間は毎日少しずつだけ・・その後の3週間は2日置きに飲み、「今、とても美味しい!」と思ったらボトルアップするまで飲む・・みたいなパターンも良いですよ。
だって、最初に白ワインを一口飲むのもマリアージュには良いでしょう?・・テイスティングだと最初に酸のしっかりした、ミネラリティがマンモスなものを飲んでしまうと、後の赤ワインが厳しいことも有りますが、お食事でしたら是非やってみてください。
2018年、柔らかい起伏を手に入れたピュル・サンです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【美しい淡い黄緑色をした気品高い絶ピュアな味わいです!】--以前のレヴューを使用しています。
ダグノーのテイスティングは実に楽しい・・。
「超美味しい!」
としか思えない凄い味わいとアロマがノーズから、口蓋を通り抜けて脳髄までストレートに感じさせてくれます。
皆さんはどうしても欲しい、飲みたいのはシレックスだと・・言いたいのでしょうが、noisy 的には、このピュル・サンの、「プイィ=フュメ」と言うアペラシオンをモリモリと感じさせてくれるのはむしろこっち・・と言う印象が有りますし、大好きなんですね。
だって・・シレックスは確かに物凄いですよ。でも、「プイィ=フュメ」を感じさせてくれるまでには、物凄く時間が掛かるんですよ。若けりゃ2~3週間掛かっちゃいます。そして出てくる香りも物凄いんですが、やはりハードタイプでクリスタルなニュアンスです。
しかしながらピュル・サンは、粘土の混ざった石灰土壌・・とは言ってもかなり石灰がキツイんですが、粘土のニュアンスがまた何ともエロティックなんですね。そして、
「物凄いソーヴィニヨン!」
と言うことに気付くまでの時間は、シレックスほどには長くは掛からないんです。それでいて、ポテンシャルがシレックスに劣るか?・・と尋ねられるとするなら、
「・・そう言い切ることはできない」
と答えるしか無いでしょう。
例えば、テイスティング会などで、こんな若いダグノーをほんのちょっとだけ・・スプーン3杯ほどだけグラスに入れていただいたとしても、そのポテンシャルの高さゆえに充分に楽しめるはずですが、
「これをグラス1杯、2杯と重ねての食事は・・辛いよなぁ・・」
と想像してしまいがちです。10年ほど前までのnoisy なら、そう言ったと思います。
しかし、今は結構に違います。美味しく飲む方法はいくらでも在ると。
現に、この2016年のピュル・サンを開けた時、確かに開けたては、
「若いな~・・硬いし・・」
と言うような言葉が付いて出てしまいます。
でも、たまたま夕食に出ていた季節ものの「瓜の漬物」にヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンを掛けて、ピュル・サンをいただくとどうでしょう。ま~・・最高に旨いですよ。
瓜はまるで高貴なフルーツになってしまいますし、まだ幾分か残っている非常に細やかな渋みが消え甘みへと変化し、超絶に繊細な絹ごしのテクスチュアと甘美な白ワインの世界に大変貌してしまいました。
いや~・・これはやってみて欲しいな~・・と思いますよ。そこに鶏肉かなんかを何とかしたものを添えて出されたら・・もう参ってしまいますね。大満足の世界を感じていただけると思います。
えっ?・・なんかを何とかしたものって何だって?・・何でもやってみてください。noisy が言っている意味が良く判ると思いますよ。素晴らしいワインは、やはり食事をも引き立てるものです。それがマリアージュ・・。きっと、
「素晴らしいエクストラ・ヴァージンを掛けた季節の瓜は、ピュル・サンと似た構成をもしている」
と言えるのかもしれません。
まぁ、キュウリじゃそこまで行かないと思いますが、色々試してみてください。お勧めします!少ないです。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年ものも非常に素晴らしいです!すでに親父を超えたかもしれません!是非とも飲んでみていただきたい、シレックスとも違うマール土壌由来の旨さです!】

このマンモスなミネラリティの量、そしてその質の良さを、どれだけの方がご理解いただけているのかと思うと、涙がチョチョ切れそうになるnoisyです。
そりゃぁ確かにシレックスは素晴らしい・・あのカッチカチのクリスタルなミネラリティ由来の目の詰まった味わいを一度知ってしまうと、その魔力に憑りつかれてしまうかもしれませんしね。
20年近いもののシレックスの味わいは、さらにその上を行きますし、何より、リリース仕立てのシレックスを飲まれたとして、そのポテンシャルを感じていただけているかどうか・・いや、そんなことは飲まれる方の勝手ですからどうでも良いんですが、
「全体として綺麗なものほど、要素としての綺麗なものを隠してしまう」
ものですので、是非判って欲しいなぁ・・と思う次第です。
同じようにこのピュール・サンもしかりです。ミネラリティの組成・出方はまるで違うようにも見えますが、ヨクヨク見てみると、肉がしっかり感じられるのがこのピュール・サンなんですね。
以前にも「1カ月掛けて飲んでみて!」などと書いていましたが、若いピュール・サンは抜栓後1週間で、もしくは2週間でかなり変化して来ます。これがまた非常に美味い・・訳ですね。
「・・えっ?・・毎日とか、一日置きとかで飲んでてワイン、悪くならないんですか?」
と、随分聞かれました。
まぁ、強制的に酸化させる行為ですから、決して褒められたものでは無いんですが、少なくとも美味しさは判りますし、続いてそのポテンシャルにも気付かされる訳です。
そうなって来ますと、ワインに対する感じ方も大きく変化するんですね。なので、そんな飲み方を提唱したんですね。
今回のピュール・サンは、ほぼ1週間掛けて楽しませていただきました。5日目位からは表情も豊かになり、旨味も増え、非常に美味いです。親父を超えたかも・・しれません。
また今回は珍しい「マグナム」もいただきました。是非ご検討くださいませ!素晴らしいピュール・サン2015年です!
以下は以前のレヴューです。
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【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】
noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2020 Buisson Renard Vin Blanc
ビュイッソン・ルナール・ヴァン・ブラン
● 2020 Buisson Renard Vin Blanc Magnum
ビュイッソン・ルナール・ヴァン・ブラン・マグナム
【非常に細やかな、肌理の細かいシレックスと軽い粘土・・超繊細系です。2018年は滅茶ドライ!】---以前のヴィンテージのレヴューを掲載しています!

シレックスのシレックスが塊なら、ビュイソン・ルナールはその塊は粉々になっている・・もしくはシレックスはクラスターでビュイソン・ルナールは「さざれ石」的なイメージです。
そしてピュル・サンの粘土は湿って少し重量感が有り、ビュイソン・ルナールはやや乾いていて軽めです。まぁ・・あくまでもイメージですが、2018年ものを飲んでようやくnoisy も、ビュイソン・ルナールのイメージを自分なりに確定できたかな?・・と思っています。
どちらかと言うと僅かな甘みを感じることの多かったビュイソン・ルナールですが、2018年ものは超ドライでピュアです。勿論、ミネラリティはマンモス級、テクスチュアは「てっかてか・つっやつや」と言うよりも「やや起伏の有るもの」で、これまた「さざれ石」を舐めているような?・・イメージですね。
そして思った以上に「白っぽい」感じです。実際の色合いは結構に黄色・・と言うか、土壌の色合いを拾っているのかな?・・と言うようなイメージです。
柑橘系のフレーヴァーには、北で採れる冷ややか系のものが主ですが、飲み進めるにつれ、やや南の方のこってりした柑橘も出て来ます。ややビターな余韻がまた・・リアルフルーツを感じさせてくれますし、徐々に「甘み」を連想?・・脳内で合成されてしまうのか、実際には「超ドライ」なのに「甘み」までも感じさせてくれます。
ハードなシレックス、繊細なビュイソン・ルナール・・・と覚えてください。美味しいです!是非飲んでみて下さいね。飲み方は・・
「硬かったらそのまま栓を逆刺しして翌日以降に回し、後日開いて来たと思ったらボトルアップまで飲む!」
で宜しいんじゃないでしょうか。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【写真が見当たりませんで・・すみません・・2015年ものを開けたんですが・・2016年ものは、なんとマグナムも有ります!】 甘みもへったくれも無い、超絶にドライなシレックスとピュル・サン、そしてベースのブラン・フュメに比較すれば、僅かに残糖感のある甘みをも感じさせてくれる、やや官能さをリリース時から持っているのがこの「ビュイッソン・ルナール」です。写真が無いのが残念ですが、2016年ものもまったく2015年に劣らない仕上がりかと思います。
海外的な評価は、以前のレヴューにも出ていますが、1.シレックス、2.ビュイッソン・ルナール、3.ピュル・サン と言う、価格通りのものですが、どうなんでしょう・・・このビュイッソン・ルナールは、単純にそう言う列で言ってしまうと、それしか経験の無い方には勘違いさせてしまうかと思います。
シャンパーニュで言えば、エクストラ・ブリュットがシレックスやその他で有って、ビュイッソン・ルナールはブリュットで有ると・・言うような理解で良いかもしれません。
ほんのりとした葡萄由来の心地良い甘みがベースに残った味わいですから、若くして飲んでも美味しいですよ。熟成させると物凄く変わると思います。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【入荷数量の少ないビュイッソン・ルナールです!】 すみませんが、こちらは飲めていません。シレックスと言うのはご存知かと思いますが「火打ち石」のことですね。ダグノーのシレックスは、まさにシレックスだらけですが、他のキュヴェもかなりなシレックスは存在しています。でも、プイィ=フュメ イコール シレックス土壌 と言う図式は当てはまりませんのでご注意くださいね。
このビュイッソン・ルナールは粘土土壌に大き目のシレックスが散らばるような畑だそうです。大き目のシレックスが日中の熱量を夜間の粘土土壌に加えているような感じなのかな?と想像しますが、ピュル・サンやシレックスに比較すると良く熟した葡萄が供給されるようで、ほんのりとした甘味を感じる場合が多いようです。ピュル・サンやシレックスは完全にドライですけど。
ダグノーの2014年ものは3アイテムの試飲から非常に良い仕上がりだと思います。現地の評価機関の評価を見てみると、シレックスが19/20、ビュイッソン・ルナールが18/20~18.5/20、ピュル・サン17/20~18/20位のようですね。まぁ、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンにしてもベタンヌにしても結構ばらつきますが、ほぼ当たっていると思います。でもポテンシャル点を付けるとするとどうなんでしょうね・・もう少し上値を見た方が良いかな・・と言う気もします。
今回は2本のみです。是非ご検討くださいませ。
● 2020 Silex Vin Blanc
シレックス・ヴァン・ブラン
【激旨です!】-----以前のレヴューを掲載しています。Vinous 掲載のDrinking Windows 2023~2033 は明らかに短すぎると思われますのでご注意ください。

シレックスがこれほどまでに最初から柔和な表情をしているのを見るのは初めてだと思います。ここまで来るには・・今までは10年は必要だったと思います。
このシレックスもそうですが、ワイン屋同士の友人と、時折論争のような・・いや、喧嘩じゃないですよ・・
「こう・・思う」
「ん?・・そうかなぁ・・俺は違うと思うけど」
みたいな感じで、
「2018年もののシレックス・・最初からけっこうおいしく飲めるじゃん」
とnoisy が言えば、
「・・いや~・・硬くて・・俺はダメだなぁ・・」
みたいな感じでしょうか。

勿論ですが、お互いに飲むタイミングもシュチュエーションも異なっている訳ですので、
「同じ条件では無い」
んですが、
「それなりに美味しく飲める」
と言うnoisyと、
「今飲むには硬すぎる」
と言う友人・・。
少なくとも同じワインを少しだけ違うタイミングで飲んでいて、違う判断をしているんですね。
だけれど、2018年もの・・の話しでは有りますが、二人とも・・・
「素晴らしいワイン!」
と言う部分では一致している訳です。
なので・・飲み手により、タイミングにより、シュチュエーションやマリアージュにより、
「判断はどっちにも転びうる」
と思います。
ですが、この3年ほどの間に、
「良い感じの柔らかさが出て来た・・リリース直後の激な硬さは影を潜めて来ている!」
と感じます。
そして、シレックスならでは瑞々しさと、ノーズを通って脳髄にまで入ってくるスピードの速さと、そこから感じる高い質感の凄さ・・は普遍です。
飲んでみて欲しいです・・そして出来るなら、20年もののシレックスを後の世代?・・もしくはお子さん、お孫さんと味わう幸せを想像してみて下さい。今飲んでも良い・・長く貯蔵しても良い!・・超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プイィ=フュメ A.O.P.と言う硬い殻と格を捨て、巨大な構造とミネラリティをそのままに、官能さと柔らかさ、親しみやすさを身に着けた2018年シレックス!素晴らしいです!】
本当に長い間ダグノーのワインと向き合って来ました。その途中には、悲しい出来事が有りました。
「ディディエ・ダグノーって、知ってます?」
と言う一声から始まったお付き合いです。あまり知らず、調べてみたら中々に評判が良いものの、「変人だ」と・・。それならきっとnoisy とも相性も抜群だろうと言うことで仕入れて飲んでみた訳ですね。
最初の印象は・・もうおそらく四半世紀も前のことかと思いますが、
「・・これ・・どれだけの人が理解可能なんだろう・・」
でした。
とてつもないミネラリティを閉じ込めた、ピュアな柑橘をほんのりと漂わせた見事なアロマでした。しかしながら同時に、
「完熟までは相当時間が掛かる・・」
「飲むタイミングによってはまったくガチガチで開かないだろう」
と言う、ワイン屋にとっては余りうれしくない対象でも有った訳ですね。
案の定、1995年から徐々に広まり、2000年過ぎにはインターネットが花開き、日本でも・・今で言うところの「インフルエンサー」でしょうか、饒舌にワインの感想を記事にする個人サイトや、そしてブログなどで飲んだワインに対する意見が掲載されるようになってきました。
そうすると、
「高いのに美味しくない・・スッキリしてるだけ」
「スイスイ飲めてフレッシュで辛口で美味しい!」
「・・何これ?」
みたいな感想を何度か目にしたことが有ります。「・・これは・・遺憾だろう・・」と。それはつい最近まで続いたと思いますよ。

左の一枚目の写真は例のごとく、滅茶寄った写真です。何も調整していません。美しい淡い緑が入った黄色ですね。二枚目の写真はホワイトバランスと色味調整を少しだけしていますので・・調整すると伝えたいものが結構に崩れてしまうんですね・・難しいです。
ベンジャマンは、卵型の樽や横長の樽などを用い、父であるディディエ・ダグノー由来のその「クリスタルのような硬さ」にクサビを打ち込むことに成功したようです。お陰で、
「ただ滑らかで硬いだけではない・・その分子の隙間から要素のディテールが漏れ伝わるようになって来た!」
訳です。
実際、抜栓後3~4日目ほどのタイミングで、一旦すごく柔らかくなったんですね。官能さを帯びたダグノー的ピュアさの柑橘なフレーヴァーが、実に心地良く、旺盛に空気中に振り撒かれます。部屋中が素晴らしいアロマで満たされます・・あ、この時期は時折換気しないといけませんね・・。
それ以後も収縮して閉じこもり、またやや解放して柔らかくなりを繰り返したようです。1週間ほどで中身が無くなってしまったのでその先は判りませんが、いや・・たっぷり楽しませてくれましたよ。そして、数年前に飲んだ1990年のシレックスを、また思い出す訳ですね。15年ほどの歳月がようやくこの素晴らしいポテンシャルを・・まだ100%解放したとは言えない感じでは有ったにせよ、
「美味い!」
と心にシュチュエーションとともに刻まれた訳です。
単に、今はやりのビオを追い詰めているだけではない、父譲りのスタイルです。是非味わってみて下さい。早めに飲むなら数週間に分けて少しずつ、もしくは、何とか開かせる努力をして、ご機嫌の良さそうな時に・・お勧めします!素晴らしいワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【1週間以上に渡ってチェックしてみました・・やはり素晴らしいです!今回は貴重なマグナムも!】--以前のレヴューを使用しています。
やはり素晴らしいですね~・・。呆れるほどに透明感が備わり、まるで水晶かクリスタルか・・と言った風情が、見た目にも、味わいにもしっかりと感じられるんですね~・・・水晶もクリスタルも同じだろって?・・いや、同じじゃないんですよね・・そこはどうでも良いんですけどね。気になったら調べてみてください。
この見た目にも艶やかな光り輝き透明な美しい色合いは、味わいをそのまま表わしているとも言えます。
同じディディエ・ダグノーの代表作で有る「ピュル・サン」と比較してもそれは「見ただけ」でも判りますし、「嗅いだだけ」でも判ります。
シレックスは透明感が半端無く、柑橘系の密度の高いアロマを放ちますが、
「品種・・何だろう?」
と、シレックスのことを知らなければ、シレックス自身が答えを教えてくれるのには、若いものなら2~3週間は掛かるでしょう。
半面、ピュル・サンは、色合いはシレックスよりも付いていて、グラスを散々振り回せば、
「ん・・ソーヴィニヨン・ブラン・・・かな」
と言うことが出来るはずです。
1週間以上コルク逆差しにしておいたシレックスは、その水晶の中に閉じ込めたかのうような気品高い表情をほんの少しだけ・・見せてくれます。ものの見事にドライなのに超甘く、柑橘のフルーツは水晶によって輝きを増しています。
そのアロマは鼻を通って脳髄へと直結するんじゃないか?・・と思うほどに鮮烈です。素晴らしいアロマ、そして味わいでした。
そんなに凄いシレックスですが、実は評価も様々です。フランス本国だと・・例えば、ゴー・ミヨとかラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス辺りは物凄い評価です。19/20とか、19.5/20 などが常のように評価されている感じです。
反対に ヴィノスやスペクテイターはその下、94~95ポイント位が上限で、その上のクラシックな評価は余りしませんね。また何人かいらっしゃる東洋人、白人の MW は挙って低いです。その下の90~93ポイント位でしょうか。
考えるに、ワインにおけるミネラリティの評価が異なるように思います。低い評価をしていらっしゃる方は、ほぼ飲み頃が早く、飲み頃期間が短いです。平気で飲み頃期間10年とか・・言う方には呆れてしまいますが、ミネラリティが判らないか、よほどコンディションの悪いシレックスをテイスティングしているとしか想像のしようが無いです。
非常に寿命の長いシレックスですが、若くても美味しく飲む方法は有ります。毎日か、一日置きか、二日置き位で70ccずつ・・飲んでみる・・なんてことが、ま~・・超絶に楽しいのがディディエ・ダグノーです。
「えっ?・・そんなことしたら酸化しちゃってワインが駄目になっちゃうでしょう?」
まぁ、やってみてください。滅茶楽しいし、滅茶、為になる経験が待ってますよ。70ccずつなら10回は飲めます。35ccにすれば20回・・2日起きなら1カ月以上も楽しめますが、全然大丈夫です。ピュル・サンもシレックスも、普通のブラン・フュメも大丈夫です。そうして少しずつ飲んでいると、ある時、「どっか~ん!」と開いてくるタイミングが有ります。まぁ、徐々に開くパターンもあるかもしれませんが、それが1回じゃぁ済まないんですよね。それが判っていれば、92点とかは絶対に付けられないはずなんですけどね。
と言う訳で、素晴らしい2016年、シレックスでした。是非ご堪能ください。今回はマグナムも有ります。激レアです。
以下は2014年シレックスのレヴューです。
━━━━━
【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】
何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2018 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【これは・・柑橘を「これでもか!」と凝縮させて詰め込みつつ・・それが全く外に出て来ていない、ある意味本当に化け物状態。今開けてはいけません。】-----以前のレヴューを掲載しています。

凄いですね~・・そう、ある意味・・ディディエ・ダグノーは・・こうでした。勿論その頃は「セック」は造って無かったと思いますが、
「要素をこれでもか!と詰め込んで、でもほとんど何も外には放出しないワイン」
それがディディエ・ダグノーのワインだった・・そう理解していました。初めての出会いは1990年代でしたが、
「ディディエ・ダギュノー...って知ってますか?」
と、あるエージェントさんからご紹介いただいたのがファーストコンタクトでした。
そう・・ダギュノーって言ってたと思いますが、noisy は勝手に「ダグノー」と読んでいましたら、そのうち世の中がダグノーと呼ぶようになっていました。ルジェもそうでしたよ。昔は結構に、
「エマニエル・ルージュ」
なんて呼ばれていました。それはなんか違う・・と思って、「エマニュエル・ルジェ」と書いてネットで販売していましたら、いつの間にか・・そう呼ばれるようになっていました。最近はそのようなことは余り無くなって・・noisy的な読み方がされることもなく、ただnoisy のところだけがそう呼んでいる・・たとえば、「オーセ=デュレッス」とか・・(^^;;
で、この2017年のバビロン・セックですが・・これはもう・・
「・・絶対に勘違いされる状態!」
だと・・・思います。

もう・・ドライフルーツを滅茶苦茶一杯にガラス器に詰め込んであるものの・・
「そのフタを開けた時の凄い匂いのする状態!」
に近いんじゃないか・・と思います。
そしてその状態から、ちょっとやそっとじゃ変わって行かない・・(^^;;
ですから、これは2~3年・・そのままにしておくべきだと思います。どうしても飲むなら、飲む2~3日前に平底デキャンタに落としておくとか、相当工夫をしないと本性にはたどり着けないかと思います。
ですが、ポテンシャルは呆れるほど高いと思いました・・ので、この相当な匂いのドライフルーツが、やがて柑橘+ドライフルーツに変化して行くまで、なんとかそだて上げて欲しいと思います。
しかもこのセック...何故か価格がリーズナブルになっているんですよ・・。間違ってないのか、ちょっと心配になりますが・・まぁ大丈夫でしょう。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!分厚いボディから漏れ出る柑橘のピュアさ!感動的です!】
ようやく飲めました!・・そもそも何本も入荷しないので、テイスティングするのは難しいワインなんですね・・ダグノーのキュヴェで未だに飲めていないのは「サンセール」です・・。比較的最近リリースしたのがサンセールですので、まだ皆さんも飲めていない=人気が高いと言うことで、引く手が非常に多いです。
こちらはジュランソンの古代品種を用いて造られた「ドライな方」です。少し前までは「ドゥミ・セック」だったように思いますが、最近は・・こんな感じだと思いますよ。
「ジュランソン・モワルー」
昔:やや甘口
今:僅かな甘口
「ジュランソン・セック & ドゥミ・セック」
昔:僅かな甘口
今:辛口
なので、ほぼ残糖を感じないのがこちらです。
しかしながら・・滅茶苦茶複雑な味わいです。中域のボディも結構に分厚いです。そして余韻も滅茶長い・・。
そもそもここジュランソンはピレネー山脈の丘に有りまして、そもそも・・ピレネー山脈は、
「アルプス山脈よりも地層が古い!」
と言われています。
WIKIペディアによりますと、
古生代から中生代にかけて海底の比較的浅い場所に堆積してできた地層が、特に古第三紀始新世頃の大陸移動に伴う圧力の影響を受けて隆起や褶曲を起こしたことによって、ピレネー山脈の原型が形成されたと考えられている。その後、降雨や流水などによる侵食などの影響などを受けて、現在のピレネー山脈の形状になったとされる。こうしてできた現在のピレネー山脈の山体を構成する主な岩石は花崗岩であるものの、山脈の西部の周辺部には石灰岩なども見られる。
と言うことになってますので、
「古生代から・・と言うことになれば、ブルゴーニュ等が中生代とするなら、もっと以前に隆起してできた?」
とも言える訳ですね。
それに加え・・「アルプス・ヒマラヤ造山帯」に属していますので、西は大西洋からジュランソンを通り、ヒマラヤを通り抜けマレー半島まで・・と言う、地球を半周してしまうような大きな造山帯に存在している訳です。
ですが、プティ・クルブ種、グロ・クルブ種、グロ・マンサン種、カラマレ種、ローゼ種 と言われましても・・まぁ、「マンサン種」位は何とか知っているとしても、
「その特徴は?」
などとはまるで言葉にできない・・むしろ、昔からの「安ワイン」でしかイメージが沸かず、結局は、
「ダグノーのジュランソンは別物!」
と言うしかない訳です。
しかしながら、それでも仕上がったバビロンは一般的なシャルドネよりも構造が大きく、重心は低く、超高域の伸びやかさまではシャルドネに及ばない・・みたいなイメージですが、ブルゴーニュのシャルドネとは比較するのが難しいほど複雑性に富んでいるのも事実だと感じます。そして、ダグノーのワインに共通された「洗練性」が有りますので、
「うわ~・・凄い・・」
と思ってしまうのでしょう。
モワルーも美味しいんですが、流石に価格がね・・ヤバイです。太い柑橘のアロマと重心の低い味わい、是非お楽しみくださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【コンディションは非常に重要です!】--以前のレヴューを使用しています。 時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】 元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】 はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】 ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2018 Jurancon les Jardins de Babylone Demi Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・ドゥミ・セック
【コンディションは非常に重要です!】---以前のヴィンテージのレヴューを掲載しています。
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
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【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2019 Blanc Etc. Vin Blanc
ブラン・エトセトラ・ヴァン・ブラン
【唯一無比!?完全無欠のブラン・フュメ・ド・プイィ!・・以前のままにマンモス・ミネラリティを宿しながらも柔らかさを増して来ています!素晴らしいです!】

スマホを変えました・・食事中に撮るのでスマホ必須なんですが、流石にバッテリーが一日持たなくなって来たのと、小型のiphoneだと・・もう小さい文字が何とも厳しくなって来てしまいまして、
「一番大きいiphone」
に変えました。レンズが3つも付いてて派手な見た目・・しかも激重・・でも、もうしょっちゅうワインの写真を撮り、お客様のご発注の処理をする noisy には必須です。
ただし・・撮れ方が今までと少し違うので、慣れが必要なようです。いまひとつの写真になっていましたら申し訳ありません。
ブラン・エトセトラ2019...良いですね~・・たしかにピュル・サンやシレックス..激旨なんですが、まぁ・・エトセトラで充分とも思えてしまいます。
この何年かのダグノーのソーヴィニヨンは、親父さんの時代のマンモス・ミネラリティはそのままに・・硬さを少しずつ和らげて来ました。何も変わっていないように見えて・・実は大きく変化して来た訳です。

「何せ、以前の(10年以上前の)ディディエのブラン・フュメは、リリース直後はとてもじゃないが飲めなかった・・」
訳ですね。
「激有名ドメーヌのワインにしては全然美味しく無い!・・味がしない!」
なんてブログがアチコチに上がっていた訳です。noisy はそれを打ち消すように・・コラムを書き続けていました。
「一日一杯だけ・・4週間掛けて飲んで!・・もしくは栓を抜いて4週間経ってから飲んで!」
みたいな感じです。
今や・・そんなことは不要です。少なくともリリース直後から理解できる味わいです。
柔らかさの中に潜り込んでいるとんでも無い量のミネラリティ。ダグノーならではの均整の取れたアロマ。脳髄にすっと入ってくるようなイメージの品とスピードの在る柑橘フレーヴァー・・。
柔らかさの中の硬質さ・・と言っても良いかもしれません。白ワインの醍醐味の一つでしょう。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【A.O.P脱出後に名前が無かった元アンシャイユ・・ブラン・エトセトラと命名です!】
ベースのブラン・フュメ・ド・プイィだったワインです。名前を新たに付けていただいて、
「ブラン・エトセトラ」
と成りましたのでお見知りおきくださいませ。エトセトラは実際には「エトセテラ」らしいんですが、混乱してしまいますので英語的に・・noisyも空気を読めるようになりました。
非常に良いです。ドライで適度な膨らみが有り、ビターな余韻が柑橘フルーツのリアリティを高くしています。
シレックス的でも有りますが、半分はもっと普通に石灰的なミネラリティだと思います。なので、クリスタル的・・に透明でも有りつつ、白っぽさがそこに乗っている感じです。
勿論ですが、今から最大限美味しい時期を迎える・・なんてことは有り得ません。海外メディアのご重鎮たちは平気で「10年以内」などと言ってますが、余りに的を得ていないので、そのような雑音は聞かないようにしてください。
「何とか美味しく飲めるタイミングが比較的早い段階でも出てくる可能性が有る」
と言うだけです。
もっとも、今までこのワインが大好きで、比較的早いタイミングで飲まれてきた方なら、
「・・滅茶美味しくなった!」
と思っていただけると思いますよ。
ダグノーとしますと、単に畑の勝手にさせるだけ、葡萄が成りたいようにするだけ・・と言うスタイルでは有りません。
「そこに人間の関与が有って葡萄がワインに昇華する!」
と確信しながら、その道を極めようとしている様が見えて来ます。
言ってしまえば、そもそも畑に葡萄を植えた時点で「自然に任せている」訳じゃ無くなっているんですね。禅問答みたいになってしまうので止めますが、それでもダグノーのビオは孤高のスタイルだと思っています。ご検討ください。ディディエ・ダグノーの意思を感じていただけるリーズナブルな「プラン・フュメ」の息子です。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!これにケチを付ける INAO の方々の頭の硬さは、先代ディディエのシレックス以上。是非ともこの素晴らしいブラン・フュメのディテールに包まれてみましょう!】

こんな時にこそ、以前のヴィンテージのものの写真を撮っておいて良かった・・と思うんですが、比較してみていかがでしょう?因みに、大きさのみの変更で、明るさや色合いの調整は全くしていません。そのため、少し暗い写真になってしまっていますがご容赦ください。
淡く明るい緑の入った輝く黄色をしています。これにもし、それなりの量の揮発酸が出ていますと・・こんな感じには撮れません。もっと薄い茶系のグラディエーションがエッジに出てくるのが普通ですが、こちらはとても健全に見えるはずです。
そうなんですよ・・もう、開けた瞬間から見事なアロマが飛び出して来ます。とてもピュアです。揮発酸については、嗅ぎ取ろうとさえしませんでした。そんなことは無意味なほどに仕上がりの良さが現れていたからです。
そして、普段のディディエ・ダグノーのブラン・フュメの「硬さ」は無く、テクスチュアは見事なまでに滑らかでありつつ、フルーツの果肉のような起伏を口内で感じることが出来ます。こんなことは今の今まで、ディディエ・ダグノーのブラン・フュメに感じたことはありませんでした。
なので、
「1カ月掛けて飲んでね・・」
のように言っておりましたが、2017年ものに限っては、どうやらその心配は無いようですよ。
何せINAOさんがプイィ=フュメのアペラシオンを許可しなかったそうですから、他のキュヴェも同様なはずです。すでにテイスティング済みのフィネスさんの担当さんにも確認しました。
「いや~・・どのキュヴェもとても美味しいんですけどね・・認可が下りなかったそうですよ。サンセールだけは下りたのでA.O.P.を名乗ってますが、他はヴァン・ブランです。今までに無く柔らかくて美味しくて・・」
とのことで、それもまたnoisy が受けた印象と全く同じでした。
「それ・・So2 の使用量が滅茶低いんだよ・・」
と伝えておきましたが、この活き活きとしたディテールの素晴らしさは感動ものでした。
ただし・・ど~も数が無いようでして、しかも2017年のビュイッソン・ルナールについては日本未入荷で、今のところ造ったのかどうかも判らないそうです。
劇的に美味しくなった・・生まれ変わったと言って良い、ディディエ・ダグノー2017年でした。ベンジャマンとシャルロットも、さらに前進すべく、頑張っているのが判る危険性の無い2017年です。
あと、このように酸化防止剤の少ないワインは、やはり熱や温度変化への耐性は低くなりますので、温度管理をキッチリして、お楽しみください。素晴らしい2017年!是非ご堪能くださいませ!ブラボー!
以下は以前のレヴューです。
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【割り当てが少なくて飲めませんでした・・が、2016は凝縮した密度の高い味わいのようです!】 2016年は少なくてもしょうがないですよね。淡くて軽い味わいの年かと思いましたが、ピュル・サン、シレックスと飲ませていただき、そのピュアなスタイルは全く不変、テロワールの違いをも見事に感じさせてくれた素晴らしいヴィンテージだと思います。
比較的早く熟すベースのワインですので、是非、開かせながら飲むような感じで楽しんでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
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【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!
● 2019 Pur Sang Vin Blanc
ピュル・サン・ヴァン・ブラン
【僅かな粘土の存在が、柔らかさと粘性と複雑性を見せた2019年ものは、今までに無く滅茶旨いです!】

すみません・・まだこのカメラの撮り方に慣れていない時の写真なので、暗く仕上がったのを明るさ調整しましたが、どうも上手く行かない・・もっと綺麗な薄緑が有るんですが・・。
しかし・・もしかしたらこの2019年ものが今までで一番、「グッとくる」ピュル・サンになったんじゃないかと・・感じてしまいました。
ワインの中に、どこかムルソーを見つけながら高原の何とも冷ややかで美味しい空気と、乾いた草原を渡って来た風を感じるような・・そんなイメージが湧きました。
ディディエ・ダグノーは「ワイルド・マン」などと揶揄され、「野生の男」そのまんまの風貌をしていながらも、こんなに精緻なミネラリティたっぷりの素晴らしいブラン・フュメを造っていた訳です。
言ってみれば・・
「何も変わっていないようだけれど、テクスチュアは核の表面に表情を造り出している」
ただその部分だけが、この十年ほどで進化して来ていると感じます。

その上で、2019年もののピュル・サンは・・
「今までで一番美味しいと思う!」
と言うのが本音です。
まぁ・・あの「かっちんこっちん」に硬質なピュル・サンが徐々に表情を得て行くのを見るのも実に素晴らしいんですが、このように抜栓直後、2~3日後でも、素晴らしい柑橘とミネラリティ、静置さの中にある半端無い複雑性を早い段階で掴めることは、気の短い日本人にはうってつけのスタイルになって来たと思います。
なんとも瑞々しく、さらりとしつつドライで、しかもどこかネットリとした粘性の中に・・まだ潜んでいるカプセルをこじ開ける楽しみが有ります。是非飲んでみて下さい!アペラシオンは有りませんが素晴らしい真実のブラン・フュメ・ド・プイィです!
以下は以前のレヴューです。
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【シレックスに粘土を加えた土壌由来・・そのまんまの姿が伝わります。「これで充分!」だと心が言ってます・・】
美味しいです!・・以前よりも確実にソフトさが加わったピュル・サンです。昔の「ガチガチ」な姿もじゃじゃ馬馴らし的楽しみが有って嫌いじゃなかったですが、ここまでふんわり感が有ると・・また伝わり方が変わって来ていると感じます。
一般にはシャルドネなどの白葡萄は石灰の強い土地、ピノ・ノワールなどの黒葡萄には石灰+粘土質と言われます。このピュル・サンの畑に
「ピノ・ノワールを植えても面白いんじゃないか・・?」
とも思えます。
「いや、それにしては粘土は少ないかも?」
とも考えてしまいます。
でも、シレックスやピュイッソン・ルナールを一緒に比較してみますと、それぞれの個性がハッキリ異なるのが判るんですね。ピュル・サンはやはりシレックス+粘土で、粘土由来の細やかな表情が加わっているのが良く伝わって来ます。
なので、どこか黒葡萄っぽいイメージも同じように連れて来る感じで、よりコクが有り、より柔らかさ・・と言うか、包容力みたいなものを感じます。色も濃い目でしょう?・・ビュイッソン・ルナール2018は今までに無く、
「超繊細」
だと感じました。
こちらも1週間以内のどこかで一旦解放に向かうと思います。noisy が飲んだ感じだと3日目位でしょうか・・保存温度にも寄ると思いますので、やはり最初の1週間は毎日少しずつだけ・・その後の3週間は2日置きに飲み、「今、とても美味しい!」と思ったらボトルアップするまで飲む・・みたいなパターンも良いですよ。
だって、最初に白ワインを一口飲むのもマリアージュには良いでしょう?・・テイスティングだと最初に酸のしっかりした、ミネラリティがマンモスなものを飲んでしまうと、後の赤ワインが厳しいことも有りますが、お食事でしたら是非やってみてください。
2018年、柔らかい起伏を手に入れたピュル・サンです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【美しい淡い黄緑色をした気品高い絶ピュアな味わいです!】--以前のレヴューを使用しています。
ダグノーのテイスティングは実に楽しい・・。
「超美味しい!」
としか思えない凄い味わいとアロマがノーズから、口蓋を通り抜けて脳髄までストレートに感じさせてくれます。
皆さんはどうしても欲しい、飲みたいのはシレックスだと・・言いたいのでしょうが、noisy 的には、このピュル・サンの、「プイィ=フュメ」と言うアペラシオンをモリモリと感じさせてくれるのはむしろこっち・・と言う印象が有りますし、大好きなんですね。
だって・・シレックスは確かに物凄いですよ。でも、「プイィ=フュメ」を感じさせてくれるまでには、物凄く時間が掛かるんですよ。若けりゃ2~3週間掛かっちゃいます。そして出てくる香りも物凄いんですが、やはりハードタイプでクリスタルなニュアンスです。
しかしながらピュル・サンは、粘土の混ざった石灰土壌・・とは言ってもかなり石灰がキツイんですが、粘土のニュアンスがまた何ともエロティックなんですね。そして、
「物凄いソーヴィニヨン!」
と言うことに気付くまでの時間は、シレックスほどには長くは掛からないんです。それでいて、ポテンシャルがシレックスに劣るか?・・と尋ねられるとするなら、
「・・そう言い切ることはできない」
と答えるしか無いでしょう。
例えば、テイスティング会などで、こんな若いダグノーをほんのちょっとだけ・・スプーン3杯ほどだけグラスに入れていただいたとしても、そのポテンシャルの高さゆえに充分に楽しめるはずですが、
「これをグラス1杯、2杯と重ねての食事は・・辛いよなぁ・・」
と想像してしまいがちです。10年ほど前までのnoisy なら、そう言ったと思います。
しかし、今は結構に違います。美味しく飲む方法はいくらでも在ると。
現に、この2016年のピュル・サンを開けた時、確かに開けたては、
「若いな~・・硬いし・・」
と言うような言葉が付いて出てしまいます。
でも、たまたま夕食に出ていた季節ものの「瓜の漬物」にヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンを掛けて、ピュル・サンをいただくとどうでしょう。ま~・・最高に旨いですよ。
瓜はまるで高貴なフルーツになってしまいますし、まだ幾分か残っている非常に細やかな渋みが消え甘みへと変化し、超絶に繊細な絹ごしのテクスチュアと甘美な白ワインの世界に大変貌してしまいました。
いや~・・これはやってみて欲しいな~・・と思いますよ。そこに鶏肉かなんかを何とかしたものを添えて出されたら・・もう参ってしまいますね。大満足の世界を感じていただけると思います。
えっ?・・なんかを何とかしたものって何だって?・・何でもやってみてください。noisy が言っている意味が良く判ると思いますよ。素晴らしいワインは、やはり食事をも引き立てるものです。それがマリアージュ・・。きっと、
「素晴らしいエクストラ・ヴァージンを掛けた季節の瓜は、ピュル・サンと似た構成をもしている」
と言えるのかもしれません。
まぁ、キュウリじゃそこまで行かないと思いますが、色々試してみてください。お勧めします!少ないです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年ものも非常に素晴らしいです!すでに親父を超えたかもしれません!是非とも飲んでみていただきたい、シレックスとも違うマール土壌由来の旨さです!】

このマンモスなミネラリティの量、そしてその質の良さを、どれだけの方がご理解いただけているのかと思うと、涙がチョチョ切れそうになるnoisyです。
そりゃぁ確かにシレックスは素晴らしい・・あのカッチカチのクリスタルなミネラリティ由来の目の詰まった味わいを一度知ってしまうと、その魔力に憑りつかれてしまうかもしれませんしね。
20年近いもののシレックスの味わいは、さらにその上を行きますし、何より、リリース仕立てのシレックスを飲まれたとして、そのポテンシャルを感じていただけているかどうか・・いや、そんなことは飲まれる方の勝手ですからどうでも良いんですが、
「全体として綺麗なものほど、要素としての綺麗なものを隠してしまう」
ものですので、是非判って欲しいなぁ・・と思う次第です。
同じようにこのピュール・サンもしかりです。ミネラリティの組成・出方はまるで違うようにも見えますが、ヨクヨク見てみると、肉がしっかり感じられるのがこのピュール・サンなんですね。
以前にも「1カ月掛けて飲んでみて!」などと書いていましたが、若いピュール・サンは抜栓後1週間で、もしくは2週間でかなり変化して来ます。これがまた非常に美味い・・訳ですね。
「・・えっ?・・毎日とか、一日置きとかで飲んでてワイン、悪くならないんですか?」
と、随分聞かれました。
まぁ、強制的に酸化させる行為ですから、決して褒められたものでは無いんですが、少なくとも美味しさは判りますし、続いてそのポテンシャルにも気付かされる訳です。
そうなって来ますと、ワインに対する感じ方も大きく変化するんですね。なので、そんな飲み方を提唱したんですね。
今回のピュール・サンは、ほぼ1週間掛けて楽しませていただきました。5日目位からは表情も豊かになり、旨味も増え、非常に美味いです。親父を超えたかも・・しれません。
また今回は珍しい「マグナム」もいただきました。是非ご検討くださいませ!素晴らしいピュール・サン2015年です!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】
noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2019 Buisson Renard Vin Blanc
ビュイッソン・ルナール・ヴァン・ブラン
【非常に細やかな、肌理の細かいシレックスと軽い粘土・・超繊細系です。2018年は滅茶ドライ!】---2019年ものは飲めませんでした。以前のヴィンテージのレヴューを掲載しています!

シレックスのシレックスが塊なら、ビュイソン・ルナールはその塊は粉々になっている・・もしくはシレックスはクラスターでビュイソン・ルナールは「さざれ石」的なイメージです。
そしてピュル・サンの粘土は湿って少し重量感が有り、ビュイソン・ルナールはやや乾いていて軽めです。まぁ・・あくまでもイメージですが、2018年ものを飲んでようやくnoisy も、ビュイソン・ルナールのイメージを自分なりに確定できたかな?・・と思っています。
どちらかと言うと僅かな甘みを感じることの多かったビュイソン・ルナールですが、2018年ものは超ドライでピュアです。勿論、ミネラリティはマンモス級、テクスチュアは「てっかてか・つっやつや」と言うよりも「やや起伏の有るもの」で、これまた「さざれ石」を舐めているような?・・イメージですね。
そして思った以上に「白っぽい」感じです。実際の色合いは結構に黄色・・と言うか、土壌の色合いを拾っているのかな?・・と言うようなイメージです。
柑橘系のフレーヴァーには、北で採れる冷ややか系のものが主ですが、飲み進めるにつれ、やや南の方のこってりした柑橘も出て来ます。ややビターな余韻がまた・・リアルフルーツを感じさせてくれますし、徐々に「甘み」を連想?・・脳内で合成されてしまうのか、実際には「超ドライ」なのに「甘み」までも感じさせてくれます。
ハードなシレックス、繊細なビュイソン・ルナール・・・と覚えてください。美味しいです!是非飲んでみて下さいね。飲み方は・・
「硬かったらそのまま栓を逆刺しして翌日以降に回し、後日開いて来たと思ったらボトルアップまで飲む!」
で宜しいんじゃないでしょうか。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【写真が見当たりませんで・・すみません・・2015年ものを開けたんですが・・2016年ものは、なんとマグナムも有ります!】 甘みもへったくれも無い、超絶にドライなシレックスとピュル・サン、そしてベースのブラン・フュメに比較すれば、僅かに残糖感のある甘みをも感じさせてくれる、やや官能さをリリース時から持っているのがこの「ビュイッソン・ルナール」です。写真が無いのが残念ですが、2016年ものもまったく2015年に劣らない仕上がりかと思います。
海外的な評価は、以前のレヴューにも出ていますが、1.シレックス、2.ビュイッソン・ルナール、3.ピュル・サン と言う、価格通りのものですが、どうなんでしょう・・・このビュイッソン・ルナールは、単純にそう言う列で言ってしまうと、それしか経験の無い方には勘違いさせてしまうかと思います。
シャンパーニュで言えば、エクストラ・ブリュットがシレックスやその他で有って、ビュイッソン・ルナールはブリュットで有ると・・言うような理解で良いかもしれません。
ほんのりとした葡萄由来の心地良い甘みがベースに残った味わいですから、若くして飲んでも美味しいですよ。熟成させると物凄く変わると思います。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【入荷数量の少ないビュイッソン・ルナールです!】 すみませんが、こちらは飲めていません。シレックスと言うのはご存知かと思いますが「火打ち石」のことですね。ダグノーのシレックスは、まさにシレックスだらけですが、他のキュヴェもかなりなシレックスは存在しています。でも、プイィ=フュメ イコール シレックス土壌 と言う図式は当てはまりませんのでご注意くださいね。
このビュイッソン・ルナールは粘土土壌に大き目のシレックスが散らばるような畑だそうです。大き目のシレックスが日中の熱量を夜間の粘土土壌に加えているような感じなのかな?と想像しますが、ピュル・サンやシレックスに比較すると良く熟した葡萄が供給されるようで、ほんのりとした甘味を感じる場合が多いようです。ピュル・サンやシレックスは完全にドライですけど。
ダグノーの2014年ものは3アイテムの試飲から非常に良い仕上がりだと思います。現地の評価機関の評価を見てみると、シレックスが19/20、ビュイッソン・ルナールが18/20~18.5/20、ピュル・サン17/20~18/20位のようですね。まぁ、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンにしてもベタンヌにしても結構ばらつきますが、ほぼ当たっていると思います。でもポテンシャル点を付けるとするとどうなんでしょうね・・もう少し上値を見た方が良いかな・・と言う気もします。
今回は2本のみです。是非ご検討くださいませ。
● 2019 Silex Vin Blanc
シレックス・ヴァン・ブラン
【激旨です!】

シレックスがこれほどまでに最初から柔和な表情をしているのを見るのは初めてだと思います。ここまで来るには・・今までは10年は必要だったと思います。
このシレックスもそうですが、ワイン屋同士の友人と、時折論争のような・・いや、喧嘩じゃないですよ・・
「こう・・思う」
「ん?・・そうかなぁ・・俺は違うと思うけど」
みたいな感じで、
「2018年もののシレックス・・最初からけっこうおいしく飲めるじゃん」
とnoisy が言えば、
「・・いや~・・硬くて・・俺はダメだなぁ・・」
みたいな感じでしょうか。

勿論ですが、お互いに飲むタイミングもシュチュエーションも異なっている訳ですので、
「同じ条件では無い」
んですが、
「それなりに美味しく飲める」
と言うnoisyと、
「今飲むには硬すぎる」
と言う友人・・。
少なくとも同じワインを少しだけ違うタイミングで飲んでいて、違う判断をしているんですね。
だけれど、2018年もの・・の話しでは有りますが、二人とも・・・
「素晴らしいワイン!」
と言う部分では一致している訳です。
なので・・飲み手により、タイミングにより、シュチュエーションやマリアージュにより、
「判断はどっちにも転びうる」
と思います。
ですが、この3年ほどの間に、
「良い感じの柔らかさが出て来た・・リリース直後の激な硬さは影を潜めて来ている!」
と感じます。
そして、シレックスならでは瑞々しさと、ノーズを通って脳髄にまで入ってくるスピードの速さと、そこから感じる高い質感の凄さ・・は普遍です。
飲んでみて欲しいです・・そして出来るなら、20年もののシレックスを後の世代?・・もしくはお子さん、お孫さんと味わう幸せを想像してみて下さい。今飲んでも良い・・長く貯蔵しても良い!・・超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【プイィ=フュメ A.O.P.と言う硬い殻と格を捨て、巨大な構造とミネラリティをそのままに、官能さと柔らかさ、親しみやすさを身に着けた2018年シレックス!素晴らしいです!】
本当に長い間ダグノーのワインと向き合って来ました。その途中には、悲しい出来事が有りました。
「ディディエ・ダグノーって、知ってます?」
と言う一声から始まったお付き合いです。あまり知らず、調べてみたら中々に評判が良いものの、「変人だ」と・・。それならきっとnoisy とも相性も抜群だろうと言うことで仕入れて飲んでみた訳ですね。
最初の印象は・・もうおそらく四半世紀も前のことかと思いますが、
「・・これ・・どれだけの人が理解可能なんだろう・・」
でした。
とてつもないミネラリティを閉じ込めた、ピュアな柑橘をほんのりと漂わせた見事なアロマでした。しかしながら同時に、
「完熟までは相当時間が掛かる・・」
「飲むタイミングによってはまったくガチガチで開かないだろう」
と言う、ワイン屋にとっては余りうれしくない対象でも有った訳ですね。
案の定、1995年から徐々に広まり、2000年過ぎにはインターネットが花開き、日本でも・・今で言うところの「インフルエンサー」でしょうか、饒舌にワインの感想を記事にする個人サイトや、そしてブログなどで飲んだワインに対する意見が掲載されるようになってきました。
そうすると、
「高いのに美味しくない・・スッキリしてるだけ」
「スイスイ飲めてフレッシュで辛口で美味しい!」
「・・何これ?」
みたいな感想を何度か目にしたことが有ります。「・・これは・・遺憾だろう・・」と。それはつい最近まで続いたと思いますよ。

左の一枚目の写真は例のごとく、滅茶寄った写真です。何も調整していません。美しい淡い緑が入った黄色ですね。二枚目の写真はホワイトバランスと色味調整を少しだけしていますので・・調整すると伝えたいものが結構に崩れてしまうんですね・・難しいです。
ベンジャマンは、卵型の樽や横長の樽などを用い、父であるディディエ・ダグノー由来のその「クリスタルのような硬さ」にクサビを打ち込むことに成功したようです。お陰で、
「ただ滑らかで硬いだけではない・・その分子の隙間から要素のディテールが漏れ伝わるようになって来た!」
訳です。
実際、抜栓後3~4日目ほどのタイミングで、一旦すごく柔らかくなったんですね。官能さを帯びたダグノー的ピュアさの柑橘なフレーヴァーが、実に心地良く、旺盛に空気中に振り撒かれます。部屋中が素晴らしいアロマで満たされます・・あ、この時期は時折換気しないといけませんね・・。
それ以後も収縮して閉じこもり、またやや解放して柔らかくなりを繰り返したようです。1週間ほどで中身が無くなってしまったのでその先は判りませんが、いや・・たっぷり楽しませてくれましたよ。そして、数年前に飲んだ1990年のシレックスを、また思い出す訳ですね。15年ほどの歳月がようやくこの素晴らしいポテンシャルを・・まだ100%解放したとは言えない感じでは有ったにせよ、
「美味い!」
と心にシュチュエーションとともに刻まれた訳です。
単に、今はやりのビオを追い詰めているだけではない、父譲りのスタイルです。是非味わってみて下さい。早めに飲むなら数週間に分けて少しずつ、もしくは、何とか開かせる努力をして、ご機嫌の良さそうな時に・・お勧めします!素晴らしいワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【1週間以上に渡ってチェックしてみました・・やはり素晴らしいです!今回は貴重なマグナムも!】--以前のレヴューを使用しています。
やはり素晴らしいですね~・・。呆れるほどに透明感が備わり、まるで水晶かクリスタルか・・と言った風情が、見た目にも、味わいにもしっかりと感じられるんですね~・・・水晶もクリスタルも同じだろって?・・いや、同じじゃないんですよね・・そこはどうでも良いんですけどね。気になったら調べてみてください。
この見た目にも艶やかな光り輝き透明な美しい色合いは、味わいをそのまま表わしているとも言えます。
同じディディエ・ダグノーの代表作で有る「ピュル・サン」と比較してもそれは「見ただけ」でも判りますし、「嗅いだだけ」でも判ります。
シレックスは透明感が半端無く、柑橘系の密度の高いアロマを放ちますが、
「品種・・何だろう?」
と、シレックスのことを知らなければ、シレックス自身が答えを教えてくれるのには、若いものなら2~3週間は掛かるでしょう。
半面、ピュル・サンは、色合いはシレックスよりも付いていて、グラスを散々振り回せば、
「ん・・ソーヴィニヨン・ブラン・・・かな」
と言うことが出来るはずです。
1週間以上コルク逆差しにしておいたシレックスは、その水晶の中に閉じ込めたかのうような気品高い表情をほんの少しだけ・・見せてくれます。ものの見事にドライなのに超甘く、柑橘のフルーツは水晶によって輝きを増しています。
そのアロマは鼻を通って脳髄へと直結するんじゃないか?・・と思うほどに鮮烈です。素晴らしいアロマ、そして味わいでした。
そんなに凄いシレックスですが、実は評価も様々です。フランス本国だと・・例えば、ゴー・ミヨとかラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス辺りは物凄い評価です。19/20とか、19.5/20 などが常のように評価されている感じです。
反対に ヴィノスやスペクテイターはその下、94~95ポイント位が上限で、その上のクラシックな評価は余りしませんね。また何人かいらっしゃる東洋人、白人の MW は挙って低いです。その下の90~93ポイント位でしょうか。
考えるに、ワインにおけるミネラリティの評価が異なるように思います。低い評価をしていらっしゃる方は、ほぼ飲み頃が早く、飲み頃期間が短いです。平気で飲み頃期間10年とか・・言う方には呆れてしまいますが、ミネラリティが判らないか、よほどコンディションの悪いシレックスをテイスティングしているとしか想像のしようが無いです。
非常に寿命の長いシレックスですが、若くても美味しく飲む方法は有ります。毎日か、一日置きか、二日置き位で70ccずつ・・飲んでみる・・なんてことが、ま~・・超絶に楽しいのがディディエ・ダグノーです。
「えっ?・・そんなことしたら酸化しちゃってワインが駄目になっちゃうでしょう?」
まぁ、やってみてください。滅茶楽しいし、滅茶、為になる経験が待ってますよ。70ccずつなら10回は飲めます。35ccにすれば20回・・2日起きなら1カ月以上も楽しめますが、全然大丈夫です。ピュル・サンもシレックスも、普通のブラン・フュメも大丈夫です。そうして少しずつ飲んでいると、ある時、「どっか~ん!」と開いてくるタイミングが有ります。まぁ、徐々に開くパターンもあるかもしれませんが、それが1回じゃぁ済まないんですよね。それが判っていれば、92点とかは絶対に付けられないはずなんですけどね。
と言う訳で、素晴らしい2016年、シレックスでした。是非ご堪能ください。今回はマグナムも有ります。激レアです。
以下は2014年シレックスのレヴューです。
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【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】
何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2017 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【これは・・柑橘を「これでもか!」と凝縮させて詰め込みつつ・・それが全く外に出て来ていない、ある意味本当に化け物状態。今開けてはいけません。】

凄いですね~・・そう、ある意味・・ディディエ・ダグノーは・・こうでした。勿論その頃は「セック」は造って無かったと思いますが、
「要素をこれでもか!と詰め込んで、でもほとんど何も外には放出しないワイン」
それがディディエ・ダグノーのワインだった・・そう理解していました。初めての出会いは1990年代でしたが、
「ディディエ・ダギュノー...って知ってますか?」
と、あるエージェントさんからご紹介いただいたのがファーストコンタクトでした。
そう・・ダギュノーって言ってたと思いますが、noisy は勝手に「ダグノー」と読んでいましたら、そのうち世の中がダグノーと呼ぶようになっていました。ルジェもそうでしたよ。昔は結構に、
「エマニエル・ルージュ」
なんて呼ばれていました。それはなんか違う・・と思って、「エマニュエル・ルジェ」と書いてネットで販売していましたら、いつの間にか・・そう呼ばれるようになっていました。最近はそのようなことは余り無くなって・・noisy的な読み方がされることもなく、ただnoisy のところだけがそう呼んでいる・・たとえば、「オーセ=デュレッス」とか・・(^^;;
で、この2017年のバビロン・セックですが・・これはもう・・
「・・絶対に勘違いされる状態!」
だと・・・思います。

もう・・ドライフルーツを滅茶苦茶一杯にガラス器に詰め込んであるものの・・
「そのフタを開けた時の凄い匂いのする状態!」
に近いんじゃないか・・と思います。
そしてその状態から、ちょっとやそっとじゃ変わって行かない・・(^^;;
ですから、これは2~3年・・そのままにしておくべきだと思います。どうしても飲むなら、飲む2~3日前に平底デキャンタに落としておくとか、相当工夫をしないと本性にはたどり着けないかと思います。
ですが、ポテンシャルは呆れるほど高いと思いました・・ので、この相当な匂いのドライフルーツが、やがて柑橘+ドライフルーツに変化して行くまで、なんとかそだて上げて欲しいと思います。
しかもこのセック...何故か価格がリーズナブルになっているんですよ・・。間違ってないのか、ちょっと心配になりますが・・まぁ大丈夫でしょう。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!分厚いボディから漏れ出る柑橘のピュアさ!感動的です!】
ようやく飲めました!・・そもそも何本も入荷しないので、テイスティングするのは難しいワインなんですね・・ダグノーのキュヴェで未だに飲めていないのは「サンセール」です・・。比較的最近リリースしたのがサンセールですので、まだ皆さんも飲めていない=人気が高いと言うことで、引く手が非常に多いです。
こちらはジュランソンの古代品種を用いて造られた「ドライな方」です。少し前までは「ドゥミ・セック」だったように思いますが、最近は・・こんな感じだと思いますよ。
「ジュランソン・モワルー」
昔:やや甘口
今:僅かな甘口
「ジュランソン・セック & ドゥミ・セック」
昔:僅かな甘口
今:辛口
なので、ほぼ残糖を感じないのがこちらです。
しかしながら・・滅茶苦茶複雑な味わいです。中域のボディも結構に分厚いです。そして余韻も滅茶長い・・。
そもそもここジュランソンはピレネー山脈の丘に有りまして、そもそも・・ピレネー山脈は、
「アルプス山脈よりも地層が古い!」
と言われています。
WIKIペディアによりますと、
古生代から中生代にかけて海底の比較的浅い場所に堆積してできた地層が、特に古第三紀始新世頃の大陸移動に伴う圧力の影響を受けて隆起や褶曲を起こしたことによって、ピレネー山脈の原型が形成されたと考えられている。その後、降雨や流水などによる侵食などの影響などを受けて、現在のピレネー山脈の形状になったとされる。こうしてできた現在のピレネー山脈の山体を構成する主な岩石は花崗岩であるものの、山脈の西部の周辺部には石灰岩なども見られる。
と言うことになってますので、
「古生代から・・と言うことになれば、ブルゴーニュ等が中生代とするなら、もっと以前に隆起してできた?」
とも言える訳ですね。
それに加え・・「アルプス・ヒマラヤ造山帯」に属していますので、西は大西洋からジュランソンを通り、ヒマラヤを通り抜けマレー半島まで・・と言う、地球を半周してしまうような大きな造山帯に存在している訳です。
ですが、プティ・クルブ種、グロ・クルブ種、グロ・マンサン種、カラマレ種、ローゼ種 と言われましても・・まぁ、「マンサン種」位は何とか知っているとしても、
「その特徴は?」
などとはまるで言葉にできない・・むしろ、昔からの「安ワイン」でしかイメージが沸かず、結局は、
「ダグノーのジュランソンは別物!」
と言うしかない訳です。
しかしながら、それでも仕上がったバビロンは一般的なシャルドネよりも構造が大きく、重心は低く、超高域の伸びやかさまではシャルドネに及ばない・・みたいなイメージですが、ブルゴーニュのシャルドネとは比較するのが難しいほど複雑性に富んでいるのも事実だと感じます。そして、ダグノーのワインに共通された「洗練性」が有りますので、
「うわ~・・凄い・・」
と思ってしまうのでしょう。
モワルーも美味しいんですが、流石に価格がね・・ヤバイです。太い柑橘のアロマと重心の低い味わい、是非お楽しみくださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【コンディションは非常に重要です!】--以前のレヴューを使用しています。 時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
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【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】 元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】 はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】 ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2017 Jurancon les Jardins de Babylone Demi Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・ドゥミ・セック
【コンディションは非常に重要です!】---今回の2017年ものは飲めませんでした。以前のヴィンテージのレヴューを掲載しています。
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
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【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2018 Blanc Etc Vin Blanc
ブラン・エトセトラ・ヴァン・ブラン
【A.O.P脱出後に名前が無かった元アンシャイユ・・ブラン・エトセトラと命名です!

ベースのブラン・フュメ・ド・プイィだったワインです。名前を新たに付けていただいて、
「ブラン・エトセトラ」
と成りましたのでお見知りおきくださいませ。エトセトラは実際には「エトセテラ」らしいんですが、混乱してしまいますので英語的に・・noisyも空気を読めるようになりました。
非常に良いです。ドライで適度な膨らみが有り、ビターな余韻が柑橘フルーツのリアリティを高くしています。
シレックス的でも有りますが、半分はもっと普通に石灰的なミネラリティだと思います。なので、クリスタル的・・に透明でも有りつつ、白っぽさがそこに乗っている感じです。
勿論ですが、今から最大限美味しい時期を迎える・・なんてことは有り得ません。海外メディアのご重鎮たちは平気で「10年以内」などと言ってますが、余りに的を得ていないので、そのような雑音は聞かないようにしてください。
「何とか美味しく飲めるタイミングが比較的早い段階でも出てくる可能性が有る」
と言うだけです。
もっとも、今までこのワインが大好きで、比較的早いタイミングで飲まれてきた方なら、
「・・滅茶美味しくなった!」
と思っていただけると思いますよ。
ダグノーとしますと、単に畑の勝手にさせるだけ、葡萄が成りたいようにするだけ・・と言うスタイルでは有りません。
「そこに人間の関与が有って葡萄がワインに昇華する!」
と確信しながら、その道を極めようとしている様が見えて来ます。
言ってしまえば、そもそも畑に葡萄を植えた時点で「自然に任せている」訳じゃ無くなっているんですね。禅問答みたいになってしまうので止めますが、それでもダグノーのビオは孤高のスタイルだと思っています。ご検討ください。ディディエ・ダグノーの意思を感じていただけるリーズナブルな「プラン・フュメ」の息子です。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!これにケチを付ける INAO の方々の頭の硬さは、先代ディディエのシレックス以上。是非ともこの素晴らしいブラン・フュメのディテールに包まれてみましょう!】

こんな時にこそ、以前のヴィンテージのものの写真を撮っておいて良かった・・と思うんですが、比較してみていかがでしょう?因みに、大きさのみの変更で、明るさや色合いの調整は全くしていません。そのため、少し暗い写真になってしまっていますがご容赦ください。
淡く明るい緑の入った輝く黄色をしています。これにもし、それなりの量の揮発酸が出ていますと・・こんな感じには撮れません。もっと薄い茶系のグラディエーションがエッジに出てくるのが普通ですが、こちらはとても健全に見えるはずです。
そうなんですよ・・もう、開けた瞬間から見事なアロマが飛び出して来ます。とてもピュアです。揮発酸については、嗅ぎ取ろうとさえしませんでした。そんなことは無意味なほどに仕上がりの良さが現れていたからです。
そして、普段のディディエ・ダグノーのブラン・フュメの「硬さ」は無く、テクスチュアは見事なまでに滑らかでありつつ、フルーツの果肉のような起伏を口内で感じることが出来ます。こんなことは今の今まで、ディディエ・ダグノーのブラン・フュメに感じたことはありませんでした。
なので、
「1カ月掛けて飲んでね・・」
のように言っておりましたが、2017年ものに限っては、どうやらその心配は無いようですよ。
何せINAOさんがプイィ=フュメのアペラシオンを許可しなかったそうですから、他のキュヴェも同様なはずです。すでにテイスティング済みのフィネスさんの担当さんにも確認しました。
「いや~・・どのキュヴェもとても美味しいんですけどね・・認可が下りなかったそうですよ。サンセールだけは下りたのでA.O.P.を名乗ってますが、他はヴァン・ブランです。今までに無く柔らかくて美味しくて・・」
とのことで、それもまたnoisy が受けた印象と全く同じでした。
「それ・・So2 の使用量が滅茶低いんだよ・・」
と伝えておきましたが、この活き活きとしたディテールの素晴らしさは感動ものでした。
ただし・・ど~も数が無いようでして、しかも2017年のビュイッソン・ルナールについては日本未入荷で、今のところ造ったのかどうかも判らないそうです。
劇的に美味しくなった・・生まれ変わったと言って良い、ディディエ・ダグノー2017年でした。ベンジャマンとシャルロットも、さらに前進すべく、頑張っているのが判る危険性の無い2017年です。
あと、このように酸化防止剤の少ないワインは、やはり熱や温度変化への耐性は低くなりますので、温度管理をキッチリして、お楽しみください。素晴らしい2017年!是非ご堪能くださいませ!ブラボー!
以下は以前のレヴューです。
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【割り当てが少なくて飲めませんでした・・が、2016は凝縮した密度の高い味わいのようです!】 2016年は少なくてもしょうがないですよね。淡くて軽い味わいの年かと思いましたが、ピュル・サン、シレックスと飲ませていただき、そのピュアなスタイルは全く不変、テロワールの違いをも見事に感じさせてくれた素晴らしいヴィンテージだと思います。
比較的早く熟すベースのワインですので、是非、開かせながら飲むような感じで楽しんでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
━━━━━
【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!
● 2018 Pur Sang Vin Blanc
ピュル・サン・ヴァン・ブラン
【シレックスに粘土を加えた土壌由来・・そのまんまの姿が伝わります。「これで充分!」だと心が言ってます・・】

美味しいです!・・以前よりも確実にソフトさが加わったピュル・サンです。昔の「ガチガチ」な姿もじゃじゃ馬馴らし的楽しみが有って嫌いじゃなかったですが、ここまでふんわり感が有ると・・また伝わり方が変わって来ていると感じます。
一般にはシャルドネなどの白葡萄は石灰の強い土地、ピノ・ノワールなどの黒葡萄には石灰+粘土質と言われます。このピュル・サンの畑に
「ピノ・ノワールを植えても面白いんじゃないか・・?」
とも思えます。
「いや、それにしては粘土は少ないかも?」
とも考えてしまいます。
でも、シレックスやピュイッソン・ルナールを一緒に比較してみますと、それぞれの個性がハッキリ異なるのが判るんですね。ピュル・サンはやはりシレックス+粘土で、粘土由来の細やかな表情が加わっているのが良く伝わって来ます。
なので、どこか黒葡萄っぽいイメージも同じように連れて来る感じで、よりコクが有り、より柔らかさ・・と言うか、包容力みたいなものを感じます。色も濃い目でしょう?・・ビュイッソン・ルナール2018は今までに無く、
「超繊細」
だと感じました。
こちらも1週間以内のどこかで一旦解放に向かうと思います。noisy が飲んだ感じだと3日目位でしょうか・・保存温度にも寄ると思いますので、やはり最初の1週間は毎日少しずつだけ・・その後の3週間は2日置きに飲み、「今、とても美味しい!」と思ったらボトルアップするまで飲む・・みたいなパターンも良いですよ。
だって、最初に白ワインを一口飲むのもマリアージュには良いでしょう?・・テイスティングだと最初に酸のしっかりした、ミネラリティがマンモスなものを飲んでしまうと、後の赤ワインが厳しいことも有りますが、お食事でしたら是非やってみてください。
2018年、柔らかい起伏を手に入れたピュル・サンです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【美しい淡い黄緑色をした気品高い絶ピュアな味わいです!】--以前のレヴューを使用しています。
ダグノーのテイスティングは実に楽しい・・。
「超美味しい!」
としか思えない凄い味わいとアロマがノーズから、口蓋を通り抜けて脳髄までストレートに感じさせてくれます。
皆さんはどうしても欲しい、飲みたいのはシレックスだと・・言いたいのでしょうが、noisy 的には、このピュル・サンの、「プイィ=フュメ」と言うアペラシオンをモリモリと感じさせてくれるのはむしろこっち・・と言う印象が有りますし、大好きなんですね。
だって・・シレックスは確かに物凄いですよ。でも、「プイィ=フュメ」を感じさせてくれるまでには、物凄く時間が掛かるんですよ。若けりゃ2~3週間掛かっちゃいます。そして出てくる香りも物凄いんですが、やはりハードタイプでクリスタルなニュアンスです。
しかしながらピュル・サンは、粘土の混ざった石灰土壌・・とは言ってもかなり石灰がキツイんですが、粘土のニュアンスがまた何ともエロティックなんですね。そして、
「物凄いソーヴィニヨン!」
と言うことに気付くまでの時間は、シレックスほどには長くは掛からないんです。それでいて、ポテンシャルがシレックスに劣るか?・・と尋ねられるとするなら、
「・・そう言い切ることはできない」
と答えるしか無いでしょう。
例えば、テイスティング会などで、こんな若いダグノーをほんのちょっとだけ・・スプーン3杯ほどだけグラスに入れていただいたとしても、そのポテンシャルの高さゆえに充分に楽しめるはずですが、
「これをグラス1杯、2杯と重ねての食事は・・辛いよなぁ・・」
と想像してしまいがちです。10年ほど前までのnoisy なら、そう言ったと思います。
しかし、今は結構に違います。美味しく飲む方法はいくらでも在ると。
現に、この2016年のピュル・サンを開けた時、確かに開けたては、
「若いな~・・硬いし・・」
と言うような言葉が付いて出てしまいます。
でも、たまたま夕食に出ていた季節ものの「瓜の漬物」にヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンを掛けて、ピュル・サンをいただくとどうでしょう。ま~・・最高に旨いですよ。
瓜はまるで高貴なフルーツになってしまいますし、まだ幾分か残っている非常に細やかな渋みが消え甘みへと変化し、超絶に繊細な絹ごしのテクスチュアと甘美な白ワインの世界に大変貌してしまいました。
いや~・・これはやってみて欲しいな~・・と思いますよ。そこに鶏肉かなんかを何とかしたものを添えて出されたら・・もう参ってしまいますね。大満足の世界を感じていただけると思います。
えっ?・・なんかを何とかしたものって何だって?・・何でもやってみてください。noisy が言っている意味が良く判ると思いますよ。素晴らしいワインは、やはり食事をも引き立てるものです。それがマリアージュ・・。きっと、
「素晴らしいエクストラ・ヴァージンを掛けた季節の瓜は、ピュル・サンと似た構成をもしている」
と言えるのかもしれません。
まぁ、キュウリじゃそこまで行かないと思いますが、色々試してみてください。お勧めします!少ないです。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年ものも非常に素晴らしいです!すでに親父を超えたかもしれません!是非とも飲んでみていただきたい、シレックスとも違うマール土壌由来の旨さです!】

このマンモスなミネラリティの量、そしてその質の良さを、どれだけの方がご理解いただけているのかと思うと、涙がチョチョ切れそうになるnoisyです。
そりゃぁ確かにシレックスは素晴らしい・・あのカッチカチのクリスタルなミネラリティ由来の目の詰まった味わいを一度知ってしまうと、その魔力に憑りつかれてしまうかもしれませんしね。
20年近いもののシレックスの味わいは、さらにその上を行きますし、何より、リリース仕立てのシレックスを飲まれたとして、そのポテンシャルを感じていただけているかどうか・・いや、そんなことは飲まれる方の勝手ですからどうでも良いんですが、
「全体として綺麗なものほど、要素としての綺麗なものを隠してしまう」
ものですので、是非判って欲しいなぁ・・と思う次第です。
同じようにこのピュール・サンもしかりです。ミネラリティの組成・出方はまるで違うようにも見えますが、ヨクヨク見てみると、肉がしっかり感じられるのがこのピュール・サンなんですね。
以前にも「1カ月掛けて飲んでみて!」などと書いていましたが、若いピュール・サンは抜栓後1週間で、もしくは2週間でかなり変化して来ます。これがまた非常に美味い・・訳ですね。
「・・えっ?・・毎日とか、一日置きとかで飲んでてワイン、悪くならないんですか?」
と、随分聞かれました。
まぁ、強制的に酸化させる行為ですから、決して褒められたものでは無いんですが、少なくとも美味しさは判りますし、続いてそのポテンシャルにも気付かされる訳です。
そうなって来ますと、ワインに対する感じ方も大きく変化するんですね。なので、そんな飲み方を提唱したんですね。
今回のピュール・サンは、ほぼ1週間掛けて楽しませていただきました。5日目位からは表情も豊かになり、旨味も増え、非常に美味いです。親父を超えたかも・・しれません。
また今回は珍しい「マグナム」もいただきました。是非ご検討くださいませ!素晴らしいピュール・サン2015年です!
以下は以前のレヴューです。
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【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】
noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2018 Buisson Renard Vin Blanc
ビュイッソン・ルナール・ヴァン・ブラン
【非常に細やかな、肌理の細かいシレックスと軽い粘土・・超繊細系です。2018年は滅茶ドライ!】

シレックスのシレックスが塊なら、ビュイソン・ルナールはその塊は粉々になっている・・もしくはシレックスはクラスターでビュイソン・ルナールは「さざれ石」的なイメージです。
そしてピュル・サンの粘土は湿って少し重量感が有り、ビュイソン・ルナールはやや乾いていて軽めです。まぁ・・あくまでもイメージですが、2018年ものを飲んでようやくnoisy も、ビュイソン・ルナールのイメージを自分なりに確定できたかな?・・と思っています。
どちらかと言うと僅かな甘みを感じることの多かったビュイソン・ルナールですが、2018年ものは超ドライでピュアです。勿論、ミネラリティはマンモス級、テクスチュアは「てっかてか・つっやつや」と言うよりも「やや起伏の有るもの」で、これまた「さざれ石」を舐めているような?・・イメージですね。
そして思った以上に「白っぽい」感じです。実際の色合いは結構に黄色・・と言うか、土壌の色合いを拾っているのかな?・・と言うようなイメージです。
柑橘系のフレーヴァーには、北で採れる冷ややか系のものが主ですが、飲み進めるにつれ、やや南の方のこってりした柑橘も出て来ます。ややビターな余韻がまた・・リアルフルーツを感じさせてくれますし、徐々に「甘み」を連想?・・脳内で合成されてしまうのか、実際には「超ドライ」なのに「甘み」までも感じさせてくれます。
ハードなシレックス、繊細なビュイソン・ルナール・・・と覚えてください。美味しいです!是非飲んでみて下さいね。飲み方は・・
「硬かったらそのまま栓を逆刺しして翌日以降に回し、後日開いて来たと思ったらボトルアップまで飲む!」
で宜しいんじゃないでしょうか。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【写真が見当たりませんで・・すみません・・2015年ものを開けたんですが・・2016年ものは、なんとマグナムも有ります!】 甘みもへったくれも無い、超絶にドライなシレックスとピュル・サン、そしてベースのブラン・フュメに比較すれば、僅かに残糖感のある甘みをも感じさせてくれる、やや官能さをリリース時から持っているのがこの「ビュイッソン・ルナール」です。写真が無いのが残念ですが、2016年ものもまったく2015年に劣らない仕上がりかと思います。
海外的な評価は、以前のレヴューにも出ていますが、1.シレックス、2.ビュイッソン・ルナール、3.ピュル・サン と言う、価格通りのものですが、どうなんでしょう・・・このビュイッソン・ルナールは、単純にそう言う列で言ってしまうと、それしか経験の無い方には勘違いさせてしまうかと思います。
シャンパーニュで言えば、エクストラ・ブリュットがシレックスやその他で有って、ビュイッソン・ルナールはブリュットで有ると・・言うような理解で良いかもしれません。
ほんのりとした葡萄由来の心地良い甘みがベースに残った味わいですから、若くして飲んでも美味しいですよ。熟成させると物凄く変わると思います。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【入荷数量の少ないビュイッソン・ルナールです!】 すみませんが、こちらは飲めていません。シレックスと言うのはご存知かと思いますが「火打ち石」のことですね。ダグノーのシレックスは、まさにシレックスだらけですが、他のキュヴェもかなりなシレックスは存在しています。でも、プイィ=フュメ イコール シレックス土壌 と言う図式は当てはまりませんのでご注意くださいね。
このビュイッソン・ルナールは粘土土壌に大き目のシレックスが散らばるような畑だそうです。大き目のシレックスが日中の熱量を夜間の粘土土壌に加えているような感じなのかな?と想像しますが、ピュル・サンやシレックスに比較すると良く熟した葡萄が供給されるようで、ほんのりとした甘味を感じる場合が多いようです。ピュル・サンやシレックスは完全にドライですけど。
ダグノーの2014年ものは3アイテムの試飲から非常に良い仕上がりだと思います。現地の評価機関の評価を見てみると、シレックスが19/20、ビュイッソン・ルナールが18/20~18.5/20、ピュル・サン17/20~18/20位のようですね。まぁ、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンにしてもベタンヌにしても結構ばらつきますが、ほぼ当たっていると思います。でもポテンシャル点を付けるとするとどうなんでしょうね・・もう少し上値を見た方が良いかな・・と言う気もします。
今回は2本のみです。是非ご検討くださいませ。
● 2018 Silex Vin Blanc
シレックス・ヴァン・ブラン
【プイィ=フュメ A.O.P.と言う硬い殻と格を捨て、巨大な構造とミネラリティをそのままに、官能さと柔らかさ、親しみやすさを身に着けた2018年シレックス!素晴らしいです!】

本当に長い間ダグノーのワインと向き合って来ました。その途中には、悲しい出来事が有りました。
「ディディエ・ダグノーって、知ってます?」
と言う一声から始まったお付き合いです。あまり知らず、調べてみたら中々に評判が良いものの、「変人だ」と・・。それならきっとnoisy とも相性も抜群だろうと言うことで仕入れて飲んでみた訳ですね。
最初の印象は・・もうおそらく四半世紀も前のことかと思いますが、
「・・これ・・どれだけの人が理解可能なんだろう・・」
でした。
とてつもないミネラリティを閉じ込めた、ピュアな柑橘をほんのりと漂わせた見事なアロマでした。しかしながら同時に、
「完熟までは相当時間が掛かる・・」
「飲むタイミングによってはまったくガチガチで開かないだろう」
と言う、ワイン屋にとっては余りうれしくない対象でも有った訳ですね。
案の定、1995年から徐々に広まり、2000年過ぎにはインターネットが花開き、日本でも・・今で言うところの「インフルエンサー」でしょうか、饒舌にワインの感想を記事にする個人サイトや、そしてブログなどで飲んだワインに対する意見が掲載されるようになってきました。
そうすると、
「高いのに美味しくない・・スッキリしてるだけ」
「スイスイ飲めてフレッシュで辛口で美味しい!」
「・・何これ?」
みたいな感想を何度か目にしたことが有ります。「・・これは・・遺憾だろう・・」と。それはつい最近まで続いたと思いますよ。

左の一枚目の写真は例のごとく、滅茶寄った写真です。何も調整していません。美しい淡い緑が入った黄色ですね。二枚目の写真はホワイトバランスと色味調整を少しだけしていますので・・調整すると伝えたいものが結構に崩れてしまうんですね・・難しいです。
ベンジャマンは、卵型の樽や横長の樽などを用い、父であるディディエ・ダグノー由来のその「クリスタルのような硬さ」にクサビを打ち込むことに成功したようです。お陰で、
「ただ滑らかで硬いだけではない・・その分子の隙間から要素のディテールが漏れ伝わるようになって来た!」
訳です。
実際、抜栓後3~4日目ほどのタイミングで、一旦すごく柔らかくなったんですね。官能さを帯びたダグノー的ピュアさの柑橘なフレーヴァーが、実に心地良く、旺盛に空気中に振り撒かれます。部屋中が素晴らしいアロマで満たされます・・あ、この時期は時折換気しないといけませんね・・。
それ以後も収縮して閉じこもり、またやや解放して柔らかくなりを繰り返したようです。1週間ほどで中身が無くなってしまったのでその先は判りませんが、いや・・たっぷり楽しませてくれましたよ。そして、数年前に飲んだ1990年のシレックスを、また思い出す訳ですね。15年ほどの歳月がようやくこの素晴らしいポテンシャルを・・まだ100%解放したとは言えない感じでは有ったにせよ、
「美味い!」
と心にシュチュエーションとともに刻まれた訳です。
単に、今はやりのビオを追い詰めているだけではない、父譲りのスタイルです。是非味わってみて下さい。早めに飲むなら数週間に分けて少しずつ、もしくは、何とか開かせる努力をして、ご機嫌の良さそうな時に・・お勧めします!素晴らしいワインです。
以下は以前のレヴューです。
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【1週間以上に渡ってチェックしてみました・・やはり素晴らしいです!今回は貴重なマグナムも!】--以前のレヴューを使用しています。
やはり素晴らしいですね~・・。呆れるほどに透明感が備わり、まるで水晶かクリスタルか・・と言った風情が、見た目にも、味わいにもしっかりと感じられるんですね~・・・水晶もクリスタルも同じだろって?・・いや、同じじゃないんですよね・・そこはどうでも良いんですけどね。気になったら調べてみてください。
この見た目にも艶やかな光り輝き透明な美しい色合いは、味わいをそのまま表わしているとも言えます。
同じディディエ・ダグノーの代表作で有る「ピュル・サン」と比較してもそれは「見ただけ」でも判りますし、「嗅いだだけ」でも判ります。
シレックスは透明感が半端無く、柑橘系の密度の高いアロマを放ちますが、
「品種・・何だろう?」
と、シレックスのことを知らなければ、シレックス自身が答えを教えてくれるのには、若いものなら2~3週間は掛かるでしょう。
半面、ピュル・サンは、色合いはシレックスよりも付いていて、グラスを散々振り回せば、
「ん・・ソーヴィニヨン・ブラン・・・かな」
と言うことが出来るはずです。
1週間以上コルク逆差しにしておいたシレックスは、その水晶の中に閉じ込めたかのうような気品高い表情をほんの少しだけ・・見せてくれます。ものの見事にドライなのに超甘く、柑橘のフルーツは水晶によって輝きを増しています。
そのアロマは鼻を通って脳髄へと直結するんじゃないか?・・と思うほどに鮮烈です。素晴らしいアロマ、そして味わいでした。
そんなに凄いシレックスですが、実は評価も様々です。フランス本国だと・・例えば、ゴー・ミヨとかラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス辺りは物凄い評価です。19/20とか、19.5/20 などが常のように評価されている感じです。
反対に ヴィノスやスペクテイターはその下、94~95ポイント位が上限で、その上のクラシックな評価は余りしませんね。また何人かいらっしゃる東洋人、白人の MW は挙って低いです。その下の90~93ポイント位でしょうか。
考えるに、ワインにおけるミネラリティの評価が異なるように思います。低い評価をしていらっしゃる方は、ほぼ飲み頃が早く、飲み頃期間が短いです。平気で飲み頃期間10年とか・・言う方には呆れてしまいますが、ミネラリティが判らないか、よほどコンディションの悪いシレックスをテイスティングしているとしか想像のしようが無いです。
非常に寿命の長いシレックスですが、若くても美味しく飲む方法は有ります。毎日か、一日置きか、二日置き位で70ccずつ・・飲んでみる・・なんてことが、ま~・・超絶に楽しいのがディディエ・ダグノーです。
「えっ?・・そんなことしたら酸化しちゃってワインが駄目になっちゃうでしょう?」
まぁ、やってみてください。滅茶楽しいし、滅茶、為になる経験が待ってますよ。70ccずつなら10回は飲めます。35ccにすれば20回・・2日起きなら1カ月以上も楽しめますが、全然大丈夫です。ピュル・サンもシレックスも、普通のブラン・フュメも大丈夫です。そうして少しずつ飲んでいると、ある時、「どっか~ん!」と開いてくるタイミングが有ります。まぁ、徐々に開くパターンもあるかもしれませんが、それが1回じゃぁ済まないんですよね。それが判っていれば、92点とかは絶対に付けられないはずなんですけどね。
と言う訳で、素晴らしい2016年、シレックスでした。是非ご堪能ください。今回はマグナムも有ります。激レアです。
以下は2014年シレックスのレヴューです。
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【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】
何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2018 Sancerre le Monts Damnes Chavignol
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール
【希少なダグノーのサンセールです!】(飲めないので以前のコメントを使用しています。)
非常に希少なダグノーのサンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョールです。これはまだ noisy も飲んだことが無い・・最近取得した畑です。入荷したとしても1~2本・・と言うのが常でして、noisy も誰かに飲ませてもらうのを待っている状態です。
今回はシレックス、ピュル・サン、ブラン・フュメ、バビロンと、4アイテムも空けてしまいましたので、ここでさらに2アイテムとなるとワイン屋も死活問題に繋がっちゃいますんで、今年は何とか思い留まりました。来期は出来たら・・ビュイッソン・ルナールとこのサンセールを開けようと、虎視眈々と狙っています。最も、エージェントさんが割り当ててくれたら・・の話しです。
まぁ、ジャルダン・ド・バビロンのコラムにも書いたんですが、リテールにいるワイン屋がまともにワインを知らず、ただ川下に垂れ流すだけでは、文化は発達しないんですね。ただの販売配送請負人に過ぎません。やはりワイン屋としては少なくとも「知っていなけりゃ」いけないし、「体験していなけりゃ」ならないかなと思っています。
そうするなら、
「こんなに素晴らしいディディエ・ダグノーのワインがいつまでもワイン屋に残っている」
等と言うような状況は起こらないはずなんですね・・。
で、飲んでいませんが・・(^^;; ご検討くださいませ。
● 2016 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【激旨!分厚いボディから漏れ出る柑橘のピュアさ!感動的です!】

ようやく飲めました!・・そもそも何本も入荷しないので、テイスティングするのは難しいワインなんですね・・ダグノーのキュヴェで未だに飲めていないのは「サンセール」です・・。比較的最近リリースしたのがサンセールですので、まだ皆さんも飲めていない=人気が高いと言うことで、引く手が非常に多いです。
こちらはジュランソンの古代品種を用いて造られた「ドライな方」です。少し前までは「ドゥミ・セック」だったように思いますが、最近は・・こんな感じだと思いますよ。
「ジュランソン・モワルー」
昔:やや甘口
今:僅かな甘口
「ジュランソン・セック & ドゥミ・セック」
昔:僅かな甘口
今:辛口
なので、ほぼ残糖を感じないのがこちらです。
しかしながら・・滅茶苦茶複雑な味わいです。中域のボディも結構に分厚いです。そして余韻も滅茶長い・・。
そもそもここジュランソンはピレネー山脈の丘に有りまして、そもそも・・ピレネー山脈は、
「アルプス山脈よりも地層が古い!」
と言われています。
WIKIペディアによりますと、
古生代から中生代にかけて海底の比較的浅い場所に堆積してできた地層が、特に古第三紀始新世頃の大陸移動に伴う圧力の影響を受けて隆起や褶曲を起こしたことによって、ピレネー山脈の原型が形成されたと考えられている。その後、降雨や流水などによる侵食などの影響などを受けて、現在のピレネー山脈の形状になったとされる。こうしてできた現在のピレネー山脈の山体を構成する主な岩石は花崗岩であるものの、山脈の西部の周辺部には石灰岩なども見られる。
と言うことになってますので、
「古生代から・・と言うことになれば、ブルゴーニュ等が中生代とするなら、もっと以前に隆起してできた?」
とも言える訳ですね。
それに加え・・「アルプス・ヒマラヤ造山帯」に属していますので、西は大西洋からジュランソンを通り、ヒマラヤを通り抜けマレー半島まで・・と言う、地球を半周してしまうような大きな造山帯に存在している訳です。
ですが、プティ・クルブ種、グロ・クルブ種、グロ・マンサン種、カラマレ種、ローゼ種 と言われましても・・まぁ、「マンサン種」位は何とか知っているとしても、
「その特徴は?」
などとはまるで言葉にできない・・むしろ、昔からの「安ワイン」でしかイメージが沸かず、結局は、
「ダグノーのジュランソンは別物!」
と言うしかない訳です。
しかしながら、それでも仕上がったバビロンは一般的なシャルドネよりも構造が大きく、重心は低く、超高域の伸びやかさまではシャルドネに及ばない・・みたいなイメージですが、ブルゴーニュのシャルドネとは比較するのが難しいほど複雑性に富んでいるのも事実だと感じます。そして、ダグノーのワインに共通された「洗練性」が有りますので、
「うわ~・・凄い・・」
と思ってしまうのでしょう。
モワルーも美味しいんですが、流石に価格がね・・ヤバイです。太い柑橘のアロマと重心の低い味わい、是非お楽しみくださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【コンディションは非常に重要です!】--以前のレヴューを使用しています。 時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
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【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】 元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】 はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】 ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2016 Jurancon les Jardins de Babylone Moelleux
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー
【高質な僅かな甘み、複雑な要素、柑橘の上品さに溢れています!・・これは美味しい!】

面白いもので・・カミさんにドライな「セック」とこの「モワルー」を少しずつ飲んでもらいました。まぁ・・結果は予想通りでは有ったんですが・・
「次はどっちが良い?」
と聞くと、
「ほんのり甘いやつ」
と期待を裏切らないお言葉を頂戴いただきました。
「(ほら・・やっぱりね・・)」
まぁ、カミさんはワイン屋の女房では有りますが、ワインのことは何も知りません。ワインの梱包はもはや「プロ」では有りますが、自分の感性や欲望に従い、「モワルー」を選んだわけですね。
やはり美味しいんですよ・・めちゃ。ほんのり「トロッ」とした粘性の在る、僅かに橙色の入ったゴールドな色合いから、酸とミネラリティに異常に長けた成分と釣り合うだけの「僅かな甘み」が人間の願望や欲望を満たしてくれます。
マリアージュも楽ですよ。日本食から中華、勿論フレンチやイタリアンも行けちゃいます。何せ甘みが穏やかなので、下手をすれば、
「・・あれ?・・甘く無いじゃん」
と言い出しかねません。
そう・・その言葉もカミさんです。最初にモワルーを飲み、二杯目にセックを飲んでます。セックはこれまた酸とミネラリティが凄いですし、モワルーは陰干ししていますので、そのフレッシュ系の酸は穏やかになってるんですね。
ですので、「甘みは穏やか」に設計されていますので、二杯目のフレッシュな酸の存在に感覚が支配されており、絶妙な甘みバランスのモワルーが最初より余り甘く感じず、
「・・これって同じワイン?」
とまでは言いませんでしたが、人間の感覚って、結構に相対的なものなんだと再認識させてくれました。
その上で高貴さも有り、イタリアのアパッシメントな甘口とは一線を画すバランスがまた絶妙で、ついついまた飲みたくなってしまう訳です。ですので、滅茶甘いワインが飲みたいと欲される場合は、このモワルーは役不足です。でも、
「女性にも、勿論自分にも美味しいと思える少しだけ甘みのある高級ワインが飲みたい」
のでしたら、むしろこのモワルーしかない・・と思います。
noisy もたっぷり楽しませていただきました!是非ご検討くださいませ。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】
以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!
● 2017 Pur Sang Vin Blanc
ピュル・サン・ヴァン・ブラン
【美しい淡い黄緑色をした気品高い絶ピュアな味わいです!】--以前のレヴューを使用しています。

ダグノーのテイスティングは実に楽しい・・。
「超美味しい!」
としか思えない凄い味わいとアロマがノーズから、口蓋を通り抜けて脳髄までストレートに感じさせてくれます。
皆さんはどうしても欲しい、飲みたいのはシレックスだと・・言いたいのでしょうが、noisy 的には、このピュル・サンの、「プイィ=フュメ」と言うアペラシオンをモリモリと感じさせてくれるのはむしろこっち・・と言う印象が有りますし、大好きなんですね。
だって・・シレックスは確かに物凄いですよ。でも、「プイィ=フュメ」を感じさせてくれるまでには、物凄く時間が掛かるんですよ。若けりゃ2~3週間掛かっちゃいます。そして出てくる香りも物凄いんですが、やはりハードタイプでクリスタルなニュアンスです。
しかしながらピュル・サンは、粘土の混ざった石灰土壌・・とは言ってもかなり石灰がキツイんですが、粘土のニュアンスがまた何ともエロティックなんですね。そして、
「物凄いソーヴィニヨン!」
と言うことに気付くまでの時間は、シレックスほどには長くは掛からないんです。それでいて、ポテンシャルがシレックスに劣るか?・・と尋ねられるとするなら、
「・・そう言い切ることはできない」
と答えるしか無いでしょう。
例えば、テイスティング会などで、こんな若いダグノーをほんのちょっとだけ・・スプーン3杯ほどだけグラスに入れていただいたとしても、そのポテンシャルの高さゆえに充分に楽しめるはずですが、
「これをグラス1杯、2杯と重ねての食事は・・辛いよなぁ・・」
と想像してしまいがちです。10年ほど前までのnoisy なら、そう言ったと思います。
しかし、今は結構に違います。美味しく飲む方法はいくらでも在ると。
現に、この2016年のピュル・サンを開けた時、確かに開けたては、
「若いな~・・硬いし・・」
と言うような言葉が付いて出てしまいます。
でも、たまたま夕食に出ていた季節ものの「瓜の漬物」にヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンを掛けて、ピュル・サンをいただくとどうでしょう。ま~・・最高に旨いですよ。
瓜はまるで高貴なフルーツになってしまいますし、まだ幾分か残っている非常に細やかな渋みが消え甘みへと変化し、超絶に繊細な絹ごしのテクスチュアと甘美な白ワインの世界に大変貌してしまいました。
いや~・・これはやってみて欲しいな~・・と思いますよ。そこに鶏肉かなんかを何とかしたものを添えて出されたら・・もう参ってしまいますね。大満足の世界を感じていただけると思います。
えっ?・・なんかを何とかしたものって何だって?・・何でもやってみてください。noisy が言っている意味が良く判ると思いますよ。素晴らしいワインは、やはり食事をも引き立てるものです。それがマリアージュ・・。きっと、
「素晴らしいエクストラ・ヴァージンを掛けた季節の瓜は、ピュル・サンと似た構成をもしている」
と言えるのかもしれません。
まぁ、キュウリじゃそこまで行かないと思いますが、色々試してみてください。お勧めします!少ないです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年ものも非常に素晴らしいです!すでに親父を超えたかもしれません!是非とも飲んでみていただきたい、シレックスとも違うマール土壌由来の旨さです!】

このマンモスなミネラリティの量、そしてその質の良さを、どれだけの方がご理解いただけているのかと思うと、涙がチョチョ切れそうになるnoisyです。
そりゃぁ確かにシレックスは素晴らしい・・あのカッチカチのクリスタルなミネラリティ由来の目の詰まった味わいを一度知ってしまうと、その魔力に憑りつかれてしまうかもしれませんしね。
20年近いもののシレックスの味わいは、さらにその上を行きますし、何より、リリース仕立てのシレックスを飲まれたとして、そのポテンシャルを感じていただけているかどうか・・いや、そんなことは飲まれる方の勝手ですからどうでも良いんですが、
「全体として綺麗なものほど、要素としての綺麗なものを隠してしまう」
ものですので、是非判って欲しいなぁ・・と思う次第です。
同じようにこのピュール・サンもしかりです。ミネラリティの組成・出方はまるで違うようにも見えますが、ヨクヨク見てみると、肉がしっかり感じられるのがこのピュール・サンなんですね。
以前にも「1カ月掛けて飲んでみて!」などと書いていましたが、若いピュール・サンは抜栓後1週間で、もしくは2週間でかなり変化して来ます。これがまた非常に美味い・・訳ですね。
「・・えっ?・・毎日とか、一日置きとかで飲んでてワイン、悪くならないんですか?」
と、随分聞かれました。
まぁ、強制的に酸化させる行為ですから、決して褒められたものでは無いんですが、少なくとも美味しさは判りますし、続いてそのポテンシャルにも気付かされる訳です。
そうなって来ますと、ワインに対する感じ方も大きく変化するんですね。なので、そんな飲み方を提唱したんですね。
今回のピュール・サンは、ほぼ1週間掛けて楽しませていただきました。5日目位からは表情も豊かになり、旨味も増え、非常に美味いです。親父を超えたかも・・しれません。
また今回は珍しい「マグナム」もいただきました。是非ご検討くださいませ!素晴らしいピュール・サン2015年です!
以下は以前のレヴューです。
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【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】
noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2016 Blanc Fume de Pouilly Buisson Renard Magnumbottle
ビュイッソン・ルナール・ブラン・フュメ・ド・プイィ・マグナムボトル
【写真が見当たりませんで・・すみません・・2015年ものを開けたんですが・・2016年ものは、なんとマグナムも有ります!】
甘みもへったくれも無い、超絶にドライなシレックスとピュル・サン、そしてベースのブラン・フュメに比較すれば、僅かに残糖感のある甘みをも感じさせてくれる、やや官能さをリリース時から持っているのがこの「ビュイッソン・ルナール」です。写真が無いのが残念ですが、2016年ものもまったく2015年に劣らない仕上がりかと思います。
海外的な評価は、以前のレヴューにも出ていますが、1.シレックス、2.ビュイッソン・ルナール、3.ピュル・サン と言う、価格通りのものですが、どうなんでしょう・・・このビュイッソン・ルナールは、単純にそう言う列で言ってしまうと、それしか経験の無い方には勘違いさせてしまうかと思います。
シャンパーニュで言えば、エクストラ・ブリュットがシレックスやその他で有って、ビュイッソン・ルナールはブリュットで有ると・・言うような理解で良いかもしれません。
ほんのりとした葡萄由来の心地良い甘みがベースに残った味わいですから、若くして飲んでも美味しいですよ。熟成させると物凄く変わると思います。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【入荷数量の少ないビュイッソン・ルナールです!】
すみませんが、こちらは飲めていません。シレックスと言うのはご存知かと思いますが「火打ち石」のことですね。ダグノーのシレックスは、まさにシレックスだらけですが、他のキュヴェもかなりなシレックスは存在しています。でも、プイィ=フュメ イコール シレックス土壌 と言う図式は当てはまりませんのでご注意くださいね。
このビュイッソン・ルナールは粘土土壌に大き目のシレックスが散らばるような畑だそうです。大き目のシレックスが日中の熱量を夜間の粘土土壌に加えているような感じなのかな?と想像しますが、ピュル・サンやシレックスに比較すると良く熟した葡萄が供給されるようで、ほんのりとした甘味を感じる場合が多いようです。ピュル・サンやシレックスは完全にドライですけど。
ダグノーの2014年ものは3アイテムの試飲から非常に良い仕上がりだと思います。現地の評価機関の評価を見てみると、シレックスが19/20、ビュイッソン・ルナールが18/20~18.5/20、ピュル・サン17/20~18/20位のようですね。まぁ、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンにしてもベタンヌにしても結構ばらつきますが、ほぼ当たっていると思います。でもポテンシャル点を付けるとするとどうなんでしょうね・・もう少し上値を見た方が良いかな・・と言う気もします。
今回は2本のみです。是非ご検討くださいませ。
● 2015 Blanc Fume de Pouilly
ブラン・フュメ・ド・プイィ
【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
━━━━━
【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!
● 2015 Silex Blanc Fume de Pouilly
シレックス・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】

何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2013 Blanc Fume de Pouilly
ブラン・フュメ・ド・プイィ
● 2013 Blanc Fume de Pouilly
ブラン・フュメ・ド・プイィ
● 2013 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang
ブラン・フュメ・ド・プイィ・ピュル・サン
【コンディションは非常に重要です!】
え~・・こちらはフィネスさんの輸入では無いですが、もう何年もご紹介させていただいているエージェントさんの輸入です。ビオ系自然派系のエージェントさんで、コンディションには定評が有ります。いつかフィネスさんのと比較してみたいと思っていますが今のところ実現していません。
コンディションに問題が無いとすると、なぜか価格はこちらの方がかなりリーズナブルです・・。
シレックスはご存知の通り、ドメーヌの看板ワインで滅茶苦茶長熟です。美味しく飲むには・・どうでしょうね・・最低でも2週間前には平底デキャンタに落として温度管理するべきでしょう。それでも時間不足で間に合わないかもしれません。そこまでしても酸化してどうにもならなくなってしまうことは無いでしょう。マンモスミネラリティな・・一般のプイィ=フュメとはカテゴリーが一緒なのが信じられないワインです。・・まぁ、シレックスに限ったことでは有りません。
なお、新ヴィンテージの2013年とバックヴィンテージの2012年をいただきましたので、ご注文の際はご注意くださいませ。
ビュイッソン・ルナールは、実は非常に数の無いキュヴェで、シレックスに「色気・艶」を付加したような素晴らしいフュメ・ブランです。こちらも非常に時間の掛かるワインですが、粘土質由来の成分がワインにどのように作用しているか、シレックスやピュル・サンと比較すると理解しやすいでしょう。こちらも新ヴィンテージの2013年とバックヴィンテージの2012年が新入荷です。
ピュル・サンは泥灰土と言う紹介になっていますが・・プティ・シレックスとお考えになる方が近いと思います。美味しいしリーズナブルですので、何故に今ひとつ残るのかが不思議です。
ベースのブラン・フュメですが、若いうちは結構「そっけない」感じです。しかし、若くてもちゃんと飲んであげると・・実に旨いです。栓を抜いて放置しておく・・・俗に言う「放置プレイ」ですが、結構・・成功する確率は高いです。ミネラリティがたっぷり存在することが、酸化からワインを守ることに繋がっているように思います。非常にリーズナブルです。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール も新ヴィンテージです。これにつきましてはnoisy も飲んだことが無く、ただ販売するだけな現状です。今までの入荷量は全ヴィンテージ合わせてようやく両手の指が全部折れるくらいのものです。
一般的なプイィ=フュメだと思って接すると痛い目に会います。ワイン会などには前述のように1カ月前からデキャンタに落とすとかしたものをお持ちになると、物凄く喜ばれるでしょう・・まぁ、変態か?とも思われるかもしれませんので、出席者要確認など注意が必要ですが・・ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2012 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang
ピュル・サン・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【実に素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!世界最高峰の白ワインです!・・そして何とあのバビロンにセックが!超レアです!】
美味しくなるのにはかなりの時間が必要ですが、それはミネラリティが半端無いほど多いから・・・です。
「空けて4週間目から出てくるよ!」
などとお客様に言うと・・
「・・うそ~!」
と必ずおっしゃいますが、そこで本当に騙されたフリで試された方は、ワインの真実のひとつを知ることになるんですね・・・。それは、一番下のクラスのブラン・フュメもしかり・・です。コンディションの良くないダグノーも確かに出回っているとは思いますが、飲み手の理解不足も有るかな・・とも思います。勿論、熟成に時間が必要と言うことにマイナスポイントを多く付ける場合も有るかもしれませんが、ポテンシャルを理解する・・と言うことが何より重要でしょう。
飲まれたことが無い方は避けては通れない道では無いでしょうか。ご検討いただきたいマンモスなミネラリティを持った凄いワインです。
● 2015 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【コンディションは非常に重要です!】--以前のレヴューを使用しています。
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
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【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
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【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2014 Jurancon les Jardins de Babylone Moelleux Magnumbottle
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー・マグナムボトル
【ド迫力!・・通常は500MLですから..3倍の容量!・・一応、化粧箱入りです!激レア!】

「甘い!」と言うほどは甘く無いのに、なぜか「超甘い!」と思われているに違い無い、ダグノーのモワルーです。エージェントさんの説明にもそのように書いてますし・・。
でも、
甘みの感じ方と言うのは「酸」の絶対量で変わって来ますので、しっかりしたバランスの良い酸が備わるレ・ジャルダン・ド・バビロンは、さして甘く感じないです。
今回の2011年ものは、なんと「マグナム」「化粧箱入り」で届きました。超ド迫力!・・ボトルは40cm も有ります。化粧箱は41.5cm の高さ ・・どうやって送ろうかと悩んでしまうレベルです。・・いや、でもちゃんとお送りしますんでご安心ください。
まぁ、ちゃんと保存していれば少なくとも半世紀は「しゃん」としているに違い無い、長寿なワインです。もし2011年に何かの記念が有るようでしたらご検討くださいませ。1本のみです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】 以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!
● 2014 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【コンディションは非常に重要です!】
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2014 Jurancon les Jardins de Babylone Moelleux
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー
【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】
以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!
● 2013 Jurancon les Jardins de Babylone Demi Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・ドゥミ・セック
【コンディションは非常に重要です!】
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2011 Jurancon les Jardins de Babylone Moelleux Magnumbottle
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー・マグナムボトル
【ド迫力!・・通常は500MLですから..3倍の容量!・・一応、化粧箱入りです!激レア!】

「甘い!」と言うほどは甘く無いのに、なぜか「超甘い!」と思われているに違い無い、ダグノーのモワルーです。エージェントさんの説明にもそのように書いてますし・・。
でも、
甘みの感じ方と言うのは「酸」の絶対量で変わって来ますので、しっかりしたバランスの良い酸が備わるレ・ジャルダン・ド・バビロンは、さして甘く感じないです。
今回の2011年ものは、なんと「マグナム」「化粧箱入り」で届きました。超ド迫力!・・ボトルは40cm も有ります。化粧箱は41.5cm の高さ ・・どうやって送ろうかと悩んでしまうレベルです。・・いや、でもちゃんとお送りしますんでご安心ください。
まぁ、ちゃんと保存していれば少なくとも半世紀は「しゃん」としているに違い無い、長寿なワインです。もし2011年に何かの記念が有るようでしたらご検討くださいませ。1本のみです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】 以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!
● 2010 Juranson les Jardins de Babylone Moelleux
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー
● 2009 Juranson les Jardins de Babylone Moelleux
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン
【極上の甘み!冷たいミネラル感、酸はそのままに、蜜と色付いた極上フルーツ!】
ドメーヌ・ディディエ・ダグノーとギイ・ポトラのジョイントで生まれたワインです。noisy も実物に触ったのは数えるほどです。ディディエが南西部のジュランソンで造る貴重な甘口ワイン・・・だそうです。プティ・マンサン100%。おそらくジュランソンの畑からロワールへ戻る途中での飛行機事故だったんじゃないかと推測しています。今年こそは絶対に飲むぞ!(飲んだけど・・激ウマです)・・・激レアです。2007年はディディエ自身が絡んでいます・・・と言うより、おそらくこれを仕上げに行ったか、エルヴァージュしに行った後に事故に会ってしまったのかな?と想像しています。究極の冷ややか甘口ワインです!
● 2008 Jurancon les Jardins de Babylone Moelleux
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー
【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】
以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!
● 2017 Blanc Fume Vin Blanc
ブラン・フュメ・ヴァン・ブラン
【素晴らしいです!これにケチを付ける INAO の方々の頭の硬さは、先代ディディエのシレックス以上。是非ともこの素晴らしいブラン・フュメのディテールに包まれてみましょう!】

こんな時にこそ、以前のヴィンテージのものの写真を撮っておいて良かった・・と思うんですが、比較してみていかがでしょう?因みに、大きさのみの変更で、明るさや色合いの調整は全くしていません。そのため、少し暗い写真になってしまっていますがご容赦ください。
淡く明るい緑の入った輝く黄色をしています。これにもし、それなりの量の揮発酸が出ていますと・・こんな感じには撮れません。もっと薄い茶系のグラディエーションがエッジに出てくるのが普通ですが、こちらはとても健全に見えるはずです。
そうなんですよ・・もう、開けた瞬間から見事なアロマが飛び出して来ます。とてもピュアです。揮発酸については、嗅ぎ取ろうとさえしませんでした。そんなことは無意味なほどに仕上がりの良さが現れていたからです。
そして、普段のディディエ・ダグノーのブラン・フュメの「硬さ」は無く、テクスチュアは見事なまでに滑らかでありつつ、フルーツの果肉のような起伏を口内で感じることが出来ます。こんなことは今の今まで、ディディエ・ダグノーのブラン・フュメに感じたことはありませんでした。
なので、
「1カ月掛けて飲んでね・・」
のように言っておりましたが、2017年ものに限っては、どうやらその心配は無いようですよ。
何せINAOさんがプイィ=フュメのアペラシオンを許可しなかったそうですから、他のキュヴェも同様なはずです。すでにテイスティング済みのフィネスさんの担当さんにも確認しました。
「いや~・・どのキュヴェもとても美味しいんですけどね・・認可が下りなかったそうですよ。サンセールだけは下りたのでA.O.P.を名乗ってますが、他はヴァン・ブランです。今までに無く柔らかくて美味しくて・・」
とのことで、それもまたnoisy が受けた印象と全く同じでした。
「それ・・So2 の使用量が滅茶低いんだよ・・」
と伝えておきましたが、この活き活きとしたディテールの素晴らしさは感動ものでした。
ただし・・ど~も数が無いようでして、しかも2017年のビュイッソン・ルナールについては日本未入荷で、今のところ造ったのかどうかも判らないそうです。
劇的に美味しくなった・・生まれ変わったと言って良い、ディディエ・ダグノー2017年でした。ベンジャマンとシャルロットも、さらに前進すべく、頑張っているのが判る危険性の無い2017年です。
あと、このように酸化防止剤の少ないワインは、やはり熱や温度変化への耐性は低くなりますので、温度管理をキッチリして、お楽しみください。素晴らしい2017年!是非ご堪能くださいませ!ブラボー!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【割り当てが少なくて飲めませんでした・・が、2016は凝縮した密度の高い味わいのようです!】 2016年は少なくてもしょうがないですよね。淡くて軽い味わいの年かと思いましたが、ピュル・サン、シレックスと飲ませていただき、そのピュアなスタイルは全く不変、テロワールの違いをも見事に感じさせてくれた素晴らしいヴィンテージだと思います。
比較的早く熟すベースのワインですので、是非、開かせながら飲むような感じで楽しんでみてください。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
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【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!
● 2017 Silex Vin Blanc
シレックス・ヴァン・ブラン
【1週間以上に渡ってチェックしてみました・・やはり素晴らしいです!今回は貴重なマグナムも!】--以前のレヴューを使用しています。

やはり素晴らしいですね~・・。呆れるほどに透明感が備わり、まるで水晶かクリスタルか・・と言った風情が、見た目にも、味わいにもしっかりと感じられるんですね~・・・水晶もクリスタルも同じだろって?・・いや、同じじゃないんですよね・・そこはどうでも良いんですけどね。気になったら調べてみてください。
この見た目にも艶やかな光り輝き透明な美しい色合いは、味わいをそのまま表わしているとも言えます。
同じディディエ・ダグノーの代表作で有る「ピュル・サン」と比較してもそれは「見ただけ」でも判りますし、「嗅いだだけ」でも判ります。
シレックスは透明感が半端無く、柑橘系の密度の高いアロマを放ちますが、
「品種・・何だろう?」
と、シレックスのことを知らなければ、シレックス自身が答えを教えてくれるのには、若いものなら2~3週間は掛かるでしょう。
半面、ピュル・サンは、色合いはシレックスよりも付いていて、グラスを散々振り回せば、
「ん・・ソーヴィニヨン・ブラン・・・かな」
と言うことが出来るはずです。
1週間以上コルク逆差しにしておいたシレックスは、その水晶の中に閉じ込めたかのうような気品高い表情をほんの少しだけ・・見せてくれます。ものの見事にドライなのに超甘く、柑橘のフルーツは水晶によって輝きを増しています。
そのアロマは鼻を通って脳髄へと直結するんじゃないか?・・と思うほどに鮮烈です。素晴らしいアロマ、そして味わいでした。
そんなに凄いシレックスですが、実は評価も様々です。フランス本国だと・・例えば、ゴー・ミヨとかラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス辺りは物凄い評価です。19/20とか、19.5/20 などが常のように評価されている感じです。
反対に ヴィノスやスペクテイターはその下、94~95ポイント位が上限で、その上のクラシックな評価は余りしませんね。また何人かいらっしゃる東洋人、白人の MW は挙って低いです。その下の90~93ポイント位でしょうか。
考えるに、ワインにおけるミネラリティの評価が異なるように思います。低い評価をしていらっしゃる方は、ほぼ飲み頃が早く、飲み頃期間が短いです。平気で飲み頃期間10年とか・・言う方には呆れてしまいますが、ミネラリティが判らないか、よほどコンディションの悪いシレックスをテイスティングしているとしか想像のしようが無いです。
非常に寿命の長いシレックスですが、若くても美味しく飲む方法は有ります。毎日か、一日置きか、二日置き位で70ccずつ・・飲んでみる・・なんてことが、ま~・・超絶に楽しいのがディディエ・ダグノーです。
「えっ?・・そんなことしたら酸化しちゃってワインが駄目になっちゃうでしょう?」
まぁ、やってみてください。滅茶楽しいし、滅茶、為になる経験が待ってますよ。70ccずつなら10回は飲めます。35ccにすれば20回・・2日起きなら1カ月以上も楽しめますが、全然大丈夫です。ピュル・サンもシレックスも、普通のブラン・フュメも大丈夫です。そうして少しずつ飲んでいると、ある時、「どっか~ん!」と開いてくるタイミングが有ります。まぁ、徐々に開くパターンもあるかもしれませんが、それが1回じゃぁ済まないんですよね。それが判っていれば、92点とかは絶対に付けられないはずなんですけどね。
と言う訳で、素晴らしい2016年、シレックスでした。是非ご堪能ください。今回はマグナムも有ります。激レアです。
以下は2014年シレックスのレヴューです。
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【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】
何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2017 Sancerre le Monts Damnes Chavignol
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール
【希少なダグノーのサンセールです!】(飲めないので以前のコメントを使用しています。)
非常に希少なダグノーのサンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョールです。これはまだ noisy も飲んだことが無い・・最近取得した畑です。入荷したとしても1~2本・・と言うのが常でして、noisy も誰かに飲ませてもらうのを待っている状態です。
今回はシレックス、ピュル・サン、ブラン・フュメ、バビロンと、4アイテムも空けてしまいましたので、ここでさらに2アイテムとなるとワイン屋も死活問題に繋がっちゃいますんで、今年は何とか思い留まりました。来期は出来たら・・ビュイッソン・ルナールとこのサンセールを開けようと、虎視眈々と狙っています。最も、エージェントさんが割り当ててくれたら・・の話しです。
まぁ、ジャルダン・ド・バビロンのコラムにも書いたんですが、リテールにいるワイン屋がまともにワインを知らず、ただ川下に垂れ流すだけでは、文化は発達しないんですね。ただの販売配送請負人に過ぎません。やはりワイン屋としては少なくとも「知っていなけりゃ」いけないし、「体験していなけりゃ」ならないかなと思っています。
そうするなら、
「こんなに素晴らしいディディエ・ダグノーのワインがいつまでもワイン屋に残っている」
等と言うような状況は起こらないはずなんですね・・。
で、飲んでいませんが・・(^^;; ご検討くださいませ。
● 2016 Blanc Fume de Pouilly
ブラン・フュメ・ド・プイィ
【割り当てが少なくて飲めませんでした・・が、2016は凝縮した密度の高い味わいのようです!】
2016年は少なくてもしょうがないですよね。淡くて軽い味わいの年かと思いましたが、ピュル・サン、シレックスと飲ませていただき、そのピュアなスタイルは全く不変、テロワールの違いをも見事に感じさせてくれた素晴らしいヴィンテージだと思います。
比較的早く熟すベースのワインですので、是非、開かせながら飲むような感じで楽しんでみてください。
以下は以前のレヴューです。
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【ディディエ・ダグノーはベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィでもこんなに美味い!2015年も超お勧めです!】

いや~・・美味いですね~・・ピュール・サン2015年の方は敢えて時間を取って飲ませていただきましたが、こちらのベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィ2015年は・・サクッと、三人であっと言う間に無くなってしまいました。
ちょうど・・何と言うか、シレックス半分、ピュール・サン半分のミネラリティをやや緩くしたようなニュアンスで、しかしその緩さが有るからこそ「肉」が判るから余計に美味しい・・そんなイメージです。
ただしこれも、コンディションを第一にお考えのフィネスさんのワインだからこそ・・かもしれません。勿論、2015年ものがそのように仕上がっている・・と言うことかもしれませんので、その判断は微妙では有ります。
しかし、酷いコンディションのダグノーのワインも何度か口にしていますが、これがまた・・呆れた味わいになってしまってるんですね。
流通が悪いのか、エージェントさんの扱いか、ワイン屋の性か、もしくはお客さんの保存や考え方の問題か・・様々な観点が思い浮かびますが、少なくともひとつ言えるのは、
「保存の温度が高過ぎる!」
と言うことでしょうか。
そのため、ワインに積み重なった余分な積算温度が、美しいディテールだったものを壊してしまうんですね。
でもまだそれは有名になった生産者で有れば、生産者の性にされることは少ないでしょう。しかし、そのコンディションの良く無いワインに対する矛先は、簡単に生産者に向かいます。
「この生産者はダメなんだ・・」
と単純に考えてしまうんです。
そうなると、その情報は拡散され、真実ではない姿がネット上に溢れてしまいます。ディディエ・ダグノーも一時期・・そう、日本のネット創成期に、その憂き目に遭っていたんですね。
なので、noisy も火消しに躍起になった記憶が有ります。
「そうじゃないんだよ・・」
と。
この素晴らしい2015年のブラン・フュメ・ド・プイィも、さっさと飲み切って、非常に美味いです。
「ソーヴィニヨン・ブランと言うのは美味い白ワインなんだ!」
とも勘違いしてしまいそうです。
しかし、この先何十年も寿命を持つワインです。出来れば1本でも、セラーで忘れた存在にしていただき、20~30年ほど経過したベーシックなブラン・フュメ・ド・プイィをご賞味いただきたいなぁ・・と思います。
今回は余りいただけませんでした。追加できるかどうかは今のところ不明です。ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです!
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【これで充分・・とも言えるキュヴェです!】
もし、ディディエ・ダグノーの上級キュヴェを絶対に飲まない!・・と決めていらっしゃるのなら、もうこれ以上のプイィ=フュメは存在しないし、充分な満足感が得られるワインです。フランソワ・コタも素晴らしいですが、ナチュラルさではディディエを上回ったとしても、総体のポテンシャルでは届かないんじゃないかなと・・だから本当に・・充分なんでしょう。
そして、このスタンダードなブラン・フュメ・ド・プイィは、ディディエ・ダグノーの全てのキュヴェの味わいを内包するようなアロマと味わいですから、
「ディディエ・ダグノーとは何ぞや?」
と言うような疑問にもたっぷり応えてくれる能力を持っています。下から上まで、しっかり旨いのがディディエ・ダグノーです。
ですが勘違いしないでいただきたいのは、今飲んでいるこの「ブラン・フュメ・ド・プイィ」の今の味わいこそがこのワインの全てでは無いと言うことなんですね。今飲んでも滅茶美味しいです。昔のディディエ・ダグノーのように、パッキパキでは無いと言えます。なのでとても旨いんですよ。
でもそれが全てでは無い・・歳を経る毎に深みを増し、表情は豊かになります。マンモス・ポテンシャルなプイィ=フュメなんです。

そして、香りのスピードは速く、非常にピュアです。なんの穢れも感じない無垢な美しさを持っています。その上で、ナチュラル感もたっぷりです。柔らかさを増してきた2014年です。
アロマはしっとりとスパイシーで、黄色や白い花の低域から高域までを感じられます。石灰系のミネラリティは比較的軽やかで、しっかり白い色とほんのわずかに黄ばんだ感じが伝わって来ます。
中域も適度に膨らみます。何と言っても美しい酸がパレットに拡がり、ややマッタリとした濃密なエキスが舌の上で時間を掛けて解れて来ます。
非常にドライですがエキスの旨みが素晴らしい・・非常に細やかですが、僅かに粒子を感じるような終盤から、ナトリウム系の崩壊感を伴う長い余韻・・まん丸なビターの粒子も感じさせながら再帰的に大きな構造をイメージさせつつの収束です。素晴らしいワインでした!
残念ながら・・店を手伝っている我が息子は、ちょっとワインが美味しいと・・余り飲めないクセに、やや多い回数、グラスに注いで自分の分をしっかり確保してしまいますので・・(^^;; まぁ、noisy の健康のためを考えてやってくれているんだろうと思うようにしていますが・・ボトルの底にたどりつくのが非常に早いワインでした。
旨い白ワインは赤ワインを凌駕してしまう・・とも思っています。勿論・・赤も大好きですが、こんなソーヴィニヨン・ブラン・・知らなきゃ大損だと思います。是非飲んでみてください。素晴らしいです!
● 2016 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang
ピュル・サン・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【美しい淡い黄緑色をした気品高い絶ピュアな味わいです!】

ダグノーのテイスティングは実に楽しい・・。
「超美味しい!」
としか思えない凄い味わいとアロマがノーズから、口蓋を通り抜けて脳髄までストレートに感じさせてくれます。
皆さんはどうしても欲しい、飲みたいのはシレックスだと・・言いたいのでしょうが、noisy 的には、このピュル・サンの、「プイィ=フュメ」と言うアペラシオンをモリモリと感じさせてくれるのはむしろこっち・・と言う印象が有りますし、大好きなんですね。
だって・・シレックスは確かに物凄いですよ。でも、「プイィ=フュメ」を感じさせてくれるまでには、物凄く時間が掛かるんですよ。若けりゃ2~3週間掛かっちゃいます。そして出てくる香りも物凄いんですが、やはりハードタイプでクリスタルなニュアンスです。
しかしながらピュル・サンは、粘土の混ざった石灰土壌・・とは言ってもかなり石灰がキツイんですが、粘土のニュアンスがまた何ともエロティックなんですね。そして、
「物凄いソーヴィニヨン!」
と言うことに気付くまでの時間は、シレックスほどには長くは掛からないんです。それでいて、ポテンシャルがシレックスに劣るか?・・と尋ねられるとするなら、
「・・そう言い切ることはできない」
と答えるしか無いでしょう。
例えば、テイスティング会などで、こんな若いダグノーをほんのちょっとだけ・・スプーン3杯ほどだけグラスに入れていただいたとしても、そのポテンシャルの高さゆえに充分に楽しめるはずですが、
「これをグラス1杯、2杯と重ねての食事は・・辛いよなぁ・・」
と想像してしまいがちです。10年ほど前までのnoisy なら、そう言ったと思います。
しかし、今は結構に違います。美味しく飲む方法はいくらでも在ると。
現に、この2016年のピュル・サンを開けた時、確かに開けたては、
「若いな~・・硬いし・・」
と言うような言葉が付いて出てしまいます。
でも、たまたま夕食に出ていた季節ものの「瓜の漬物」にヴァレンティーニのエクストラ・ヴァージンを掛けて、ピュル・サンをいただくとどうでしょう。ま~・・最高に旨いですよ。
瓜はまるで高貴なフルーツになってしまいますし、まだ幾分か残っている非常に細やかな渋みが消え甘みへと変化し、超絶に繊細な絹ごしのテクスチュアと甘美な白ワインの世界に大変貌してしまいました。
いや~・・これはやってみて欲しいな~・・と思いますよ。そこに鶏肉かなんかを何とかしたものを添えて出されたら・・もう参ってしまいますね。大満足の世界を感じていただけると思います。
えっ?・・なんかを何とかしたものって何だって?・・何でもやってみてください。noisy が言っている意味が良く判ると思いますよ。素晴らしいワインは、やはり食事をも引き立てるものです。それがマリアージュ・・。きっと、
「素晴らしいエクストラ・ヴァージンを掛けた季節の瓜は、ピュル・サンと似た構成をもしている」
と言えるのかもしれません。
まぁ、キュウリじゃそこまで行かないと思いますが、色々試してみてください。お勧めします!少ないです。
以下は以前のレヴューです。
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【2015年ものも非常に素晴らしいです!すでに親父を超えたかもしれません!是非とも飲んでみていただきたい、シレックスとも違うマール土壌由来の旨さです!】

このマンモスなミネラリティの量、そしてその質の良さを、どれだけの方がご理解いただけているのかと思うと、涙がチョチョ切れそうになるnoisyです。
そりゃぁ確かにシレックスは素晴らしい・・あのカッチカチのクリスタルなミネラリティ由来の目の詰まった味わいを一度知ってしまうと、その魔力に憑りつかれてしまうかもしれませんしね。
20年近いもののシレックスの味わいは、さらにその上を行きますし、何より、リリース仕立てのシレックスを飲まれたとして、そのポテンシャルを感じていただけているかどうか・・いや、そんなことは飲まれる方の勝手ですからどうでも良いんですが、
「全体として綺麗なものほど、要素としての綺麗なものを隠してしまう」
ものですので、是非判って欲しいなぁ・・と思う次第です。
同じようにこのピュール・サンもしかりです。ミネラリティの組成・出方はまるで違うようにも見えますが、ヨクヨク見てみると、肉がしっかり感じられるのがこのピュール・サンなんですね。
以前にも「1カ月掛けて飲んでみて!」などと書いていましたが、若いピュール・サンは抜栓後1週間で、もしくは2週間でかなり変化して来ます。これがまた非常に美味い・・訳ですね。
「・・えっ?・・毎日とか、一日置きとかで飲んでてワイン、悪くならないんですか?」
と、随分聞かれました。
まぁ、強制的に酸化させる行為ですから、決して褒められたものでは無いんですが、少なくとも美味しさは判りますし、続いてそのポテンシャルにも気付かされる訳です。
そうなって来ますと、ワインに対する感じ方も大きく変化するんですね。なので、そんな飲み方を提唱したんですね。
今回のピュール・サンは、ほぼ1週間掛けて楽しませていただきました。5日目位からは表情も豊かになり、旨味も増え、非常に美味いです。親父を超えたかも・・しれません。
また今回は珍しい「マグナム」もいただきました。是非ご検討くださいませ!素晴らしいピュール・サン2015年です!
以下は以前のレヴューです。
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【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】
noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2016 Blanc Fume de Pouilly Buisson Renard
ビュイッソン・ルナール・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【写真が見当たりませんで・・すみません・・2015年ものを開けたんですが・・2016年ものは、なんとマグナムも有ります!】
甘みもへったくれも無い、超絶にドライなシレックスとピュル・サン、そしてベースのブラン・フュメに比較すれば、僅かに残糖感のある甘みをも感じさせてくれる、やや官能さをリリース時から持っているのがこの「ビュイッソン・ルナール」です。写真が無いのが残念ですが、2016年ものもまったく2015年に劣らない仕上がりかと思います。
海外的な評価は、以前のレヴューにも出ていますが、1.シレックス、2.ビュイッソン・ルナール、3.ピュル・サン と言う、価格通りのものですが、どうなんでしょう・・・このビュイッソン・ルナールは、単純にそう言う列で言ってしまうと、それしか経験の無い方には勘違いさせてしまうかと思います。
シャンパーニュで言えば、エクストラ・ブリュットがシレックスやその他で有って、ビュイッソン・ルナールはブリュットで有ると・・言うような理解で良いかもしれません。
ほんのりとした葡萄由来の心地良い甘みがベースに残った味わいですから、若くして飲んでも美味しいですよ。熟成させると物凄く変わると思います。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【入荷数量の少ないビュイッソン・ルナールです!】
すみませんが、こちらは飲めていません。シレックスと言うのはご存知かと思いますが「火打ち石」のことですね。ダグノーのシレックスは、まさにシレックスだらけですが、他のキュヴェもかなりなシレックスは存在しています。でも、プイィ=フュメ イコール シレックス土壌 と言う図式は当てはまりませんのでご注意くださいね。
このビュイッソン・ルナールは粘土土壌に大き目のシレックスが散らばるような畑だそうです。大き目のシレックスが日中の熱量を夜間の粘土土壌に加えているような感じなのかな?と想像しますが、ピュル・サンやシレックスに比較すると良く熟した葡萄が供給されるようで、ほんのりとした甘味を感じる場合が多いようです。ピュル・サンやシレックスは完全にドライですけど。
ダグノーの2014年ものは3アイテムの試飲から非常に良い仕上がりだと思います。現地の評価機関の評価を見てみると、シレックスが19/20、ビュイッソン・ルナールが18/20~18.5/20、ピュル・サン17/20~18/20位のようですね。まぁ、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンにしてもベタンヌにしても結構ばらつきますが、ほぼ当たっていると思います。でもポテンシャル点を付けるとするとどうなんでしょうね・・もう少し上値を見た方が良いかな・・と言う気もします。
今回は2本のみです。是非ご検討くださいませ。
● 2016 Sancerre le Monts Damnes Chavignol
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール
【希少なダグノーのサンセールです!】(飲めないので以前のコメントを使用しています。)
非常に希少なダグノーのサンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョールです。これはまだ noisy も飲んだことが無い・・最近取得した畑です。入荷したとしても1~2本・・と言うのが常でして、noisy も誰かに飲ませてもらうのを待っている状態です。
今回はシレックス、ピュル・サン、ブラン・フュメ、バビロンと、4アイテムも空けてしまいましたので、ここでさらに2アイテムとなるとワイン屋も死活問題に繋がっちゃいますんで、今年は何とか思い留まりました。来期は出来たら・・ビュイッソン・ルナールとこのサンセールを開けようと、虎視眈々と狙っています。最も、エージェントさんが割り当ててくれたら・・の話しです。
まぁ、ジャルダン・ド・バビロンのコラムにも書いたんですが、リテールにいるワイン屋がまともにワインを知らず、ただ川下に垂れ流すだけでは、文化は発達しないんですね。ただの販売配送請負人に過ぎません。やはりワイン屋としては少なくとも「知っていなけりゃ」いけないし、「体験していなけりゃ」ならないかなと思っています。
そうするなら、
「こんなに素晴らしいディディエ・ダグノーのワインがいつまでもワイン屋に残っている」
等と言うような状況は起こらないはずなんですね・・。
で、飲んでいませんが・・(^^;; ご検討くださいませ。
● 2016 Sancerre le Monts Damnes Chavignol Magnumbottle
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール・マグナムボトル
【希少なダグノーのサンセールです!しかもマグナム!】(飲めないので以前のコメントを使用しています。)
非常に希少なダグノーのサンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョールです。これはまだ noisy も飲んだことが無い・・最近取得した畑です。入荷したとしても1~2本・・と言うのが常でして、noisy も誰かに飲ませてもらうのを待っている状態です。
今回はシレックス、ピュル・サン、ブラン・フュメ、バビロンと、4アイテムも空けてしまいましたので、ここでさらに2アイテムとなるとワイン屋も死活問題に繋がっちゃいますんで、今年は何とか思い留まりました。来期は出来たら・・ビュイッソン・ルナールとこのサンセールを開けようと、虎視眈々と狙っています。最も、エージェントさんが割り当ててくれたら・・の話しです。
まぁ、ジャルダン・ド・バビロンのコラムにも書いたんですが、リテールにいるワイン屋がまともにワインを知らず、ただ川下に垂れ流すだけでは、文化は発達しないんですね。ただの販売配送請負人に過ぎません。やはりワイン屋としては少なくとも「知っていなけりゃ」いけないし、「体験していなけりゃ」ならないかなと思っています。
そうするなら、
「こんなに素晴らしいディディエ・ダグノーのワインがいつまでもワイン屋に残っている」
等と言うような状況は起こらないはずなんですね・・。
で、飲んでいませんが・・(^^;; ご検討くださいませ。
● 2016 Silex Blanc Fume de Pouilly
シレックス・ブラン・フュメ・ド・プイィ
● 2016 Silex Blanc Fume de Pouilly Magnum
シレックス・ブラン・フュメ・ド・プイィ・マグナム
【1週間以上に渡ってチェックしてみました・・やはり素晴らしいです!今回は貴重なマグナムも!】

やはり素晴らしいですね~・・。呆れるほどに透明感が備わり、まるで水晶かクリスタルか・・と言った風情が、見た目にも、味わいにもしっかりと感じられるんですね~・・・水晶もクリスタルも同じだろって?・・いや、同じじゃないんですよね・・そこはどうでも良いんですけどね。気になったら調べてみてください。
この見た目にも艶やかな光り輝き透明な美しい色合いは、味わいをそのまま表わしているとも言えます。
同じディディエ・ダグノーの代表作で有る「ピュル・サン」と比較してもそれは「見ただけ」でも判りますし、「嗅いだだけ」でも判ります。
シレックスは透明感が半端無く、柑橘系の密度の高いアロマを放ちますが、
「品種・・何だろう?」
と、シレックスのことを知らなければ、シレックス自身が答えを教えてくれるのには、若いものなら2~3週間は掛かるでしょう。
半面、ピュル・サンは、色合いはシレックスよりも付いていて、グラスを散々振り回せば、
「ん・・ソーヴィニヨン・ブラン・・・かな」
と言うことが出来るはずです。
1週間以上コルク逆差しにしておいたシレックスは、その水晶の中に閉じ込めたかのうような気品高い表情をほんの少しだけ・・見せてくれます。ものの見事にドライなのに超甘く、柑橘のフルーツは水晶によって輝きを増しています。
そのアロマは鼻を通って脳髄へと直結するんじゃないか?・・と思うほどに鮮烈です。素晴らしいアロマ、そして味わいでした。
そんなに凄いシレックスですが、実は評価も様々です。フランス本国だと・・例えば、ゴー・ミヨとかラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス辺りは物凄い評価です。19/20とか、19.5/20 などが常のように評価されている感じです。
反対に ヴィノスやスペクテイターはその下、94~95ポイント位が上限で、その上のクラシックな評価は余りしませんね。また何人かいらっしゃる東洋人、白人の MW は挙って低いです。その下の90~93ポイント位でしょうか。
考えるに、ワインにおけるミネラリティの評価が異なるように思います。低い評価をしていらっしゃる方は、ほぼ飲み頃が早く、飲み頃期間が短いです。平気で飲み頃期間10年とか・・言う方には呆れてしまいますが、ミネラリティが判らないか、よほどコンディションの悪いシレックスをテイスティングしているとしか想像のしようが無いです。
非常に寿命の長いシレックスですが、若くても美味しく飲む方法は有ります。毎日か、一日置きか、二日置き位で70ccずつ・・飲んでみる・・なんてことが、ま~・・超絶に楽しいのがディディエ・ダグノーです。
「えっ?・・そんなことしたら酸化しちゃってワインが駄目になっちゃうでしょう?」
まぁ、やってみてください。滅茶楽しいし、滅茶、為になる経験が待ってますよ。70ccずつなら10回は飲めます。35ccにすれば20回・・2日起きなら1カ月以上も楽しめますが、全然大丈夫です。ピュル・サンもシレックスも、普通のブラン・フュメも大丈夫です。そうして少しずつ飲んでいると、ある時、「どっか~ん!」と開いてくるタイミングが有ります。まぁ、徐々に開くパターンもあるかもしれませんが、それが1回じゃぁ済まないんですよね。それが判っていれば、92点とかは絶対に付けられないはずなんですけどね。
と言う訳で、素晴らしい2016年、シレックスでした。是非ご堪能ください。今回はマグナムも有ります。激レアです。
以下は2014年シレックスのレヴューです。
━━━━━
【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】
何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2015 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang
ピュル・サン・ブラン・フュメ・ド・プイィ
● 2015 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang Magnum
ピュル・サン・ブラン・フュメ・ド・プイィ・マグナム
【2015年ものも非常に素晴らしいです!すでに親父を超えたかもしれません!是非とも飲んでみていただきたい、シレックスとも違うマール土壌由来の旨さです!】

このマンモスなミネラリティの量、そしてその質の良さを、どれだけの方がご理解いただけているのかと思うと、涙がチョチョ切れそうになるnoisyです。
そりゃぁ確かにシレックスは素晴らしい・・あのカッチカチのクリスタルなミネラリティ由来の目の詰まった味わいを一度知ってしまうと、その魔力に憑りつかれてしまうかもしれませんしね。
20年近いもののシレックスの味わいは、さらにその上を行きますし、何より、リリース仕立てのシレックスを飲まれたとして、そのポテンシャルを感じていただけているかどうか・・いや、そんなことは飲まれる方の勝手ですからどうでも良いんですが、
「全体として綺麗なものほど、要素としての綺麗なものを隠してしまう」
ものですので、是非判って欲しいなぁ・・と思う次第です。
同じようにこのピュール・サンもしかりです。ミネラリティの組成・出方はまるで違うようにも見えますが、ヨクヨク見てみると、肉がしっかり感じられるのがこのピュール・サンなんですね。
以前にも「1カ月掛けて飲んでみて!」などと書いていましたが、若いピュール・サンは抜栓後1週間で、もしくは2週間でかなり変化して来ます。これがまた非常に美味い・・訳ですね。
「・・えっ?・・毎日とか、一日置きとかで飲んでてワイン、悪くならないんですか?」
と、随分聞かれました。
まぁ、強制的に酸化させる行為ですから、決して褒められたものでは無いんですが、少なくとも美味しさは判りますし、続いてそのポテンシャルにも気付かされる訳です。
そうなって来ますと、ワインに対する感じ方も大きく変化するんですね。なので、そんな飲み方を提唱したんですね。
今回のピュール・サンは、ほぼ1週間掛けて楽しませていただきました。5日目位からは表情も豊かになり、旨味も増え、非常に美味いです。親父を超えたかも・・しれません。
また今回は珍しい「マグナム」もいただきました。是非ご検討くださいませ!素晴らしいピュール・サン2015年です!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】
noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2015 Blanc Fume de Pouilly Buisson Renard
ビュイッソン・ルナール・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【入荷数量の少ないビュイッソン・ルナールです!】
すみませんが、こちらは飲めていません。シレックスと言うのはご存知かと思いますが「火打ち石」のことですね。ダグノーのシレックスは、まさにシレックスだらけですが、他のキュヴェもかなりなシレックスは存在しています。でも、プイィ=フュメ イコール シレックス土壌 と言う図式は当てはまりませんのでご注意くださいね。
このビュイッソン・ルナールは粘土土壌に大き目のシレックスが散らばるような畑だそうです。大き目のシレックスが日中の熱量を夜間の粘土土壌に加えているような感じなのかな?と想像しますが、ピュル・サンやシレックスに比較すると良く熟した葡萄が供給されるようで、ほんのりとした甘味を感じる場合が多いようです。ピュル・サンやシレックスは完全にドライですけど。
ダグノーの2014年ものは3アイテムの試飲から非常に良い仕上がりだと思います。現地の評価機関の評価を見てみると、シレックスが19/20、ビュイッソン・ルナールが18/20~18.5/20、ピュル・サン17/20~18/20位のようですね。まぁ、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンにしてもベタンヌにしても結構ばらつきますが、ほぼ当たっていると思います。でもポテンシャル点を付けるとするとどうなんでしょうね・・もう少し上値を見た方が良いかな・・と言う気もします。
今回は2本のみです。是非ご検討くださいませ。
● 2015 Silex Blanc Fume de Pouilly Magnum
シレックス・ブラン・フュメ・ド・プイィ・マグナム
【素晴らしいです!さすがダグノーのトップ・キュヴェ!そして幻のマグナムも!】

何度か飲んでいますが、でもリリース直後に開けたのは初めてです!・・素晴らしいですね。圧巻のバランスですが、全ての要素が高いレベルで集合し、そしてバランスしているのには驚きです。
昔の、ディディエの頃よりも、テクスチュアはもっとソフトでしなやかになって来ていると思います。それこそ、
「ディディエ・ダグノーのワインは1カ月以上かけて飲んでね・・」
と言っているほどですから、その位しないと、ポテンシャルを取り切れないと感じています。
しかし、ベンジャマンに成ってからは徐々に頑なな硬質さから「頑なさ」が和らいできていると感じます。それはおそらくですが、So2の絡みが有るんじゃないかな・・と。なのでピュアさはそのままに、ナチュラルさが増してきている・・なので柔らかさまで感じられるようになって来ていると。
実はこのディディエ・ダグノーのテイスティングの順番は、
ブラン・フュメ--->ピュル・サン--->シレックス--->バビロン
と言う流れで行ったんですが、最初のあの音符のエチケットですね・・ブラン・フュメを飲んだ直後は、
「ん~・・これで・・充分に旨いじゃん!」
と思ったものです。
しかし、noisy も大好きな「ピュル・サン」を飲めば、
「ん~・・やっぱり、これこれ!」
と思ってしまうし、このシレックスのような偉大なミネラリティに出会ってしまうと、
「ん~・・参った!」
と降参してしまうんですね・・。どれもまた旨いんですよ。

そしてその意味ですが、昔なら、
「何年後の姿が想像出来て美味しい!」
と言うのが近かったんですが、この一連の2014年ものを開けて感じることは、
「今飲んでも素晴らしい!」
とまず言えるんですね。これが最近のディディエ・ダグノーの変化でもあると言えると思います。
その上で、
「30年経っても大丈夫!」
ですし、
「15年経ったらリリース直後とは別物!化け物だったことを理解できる!」
と言えるでしょう。
柑橘系、果実、石、岩、ガラス、クリスタルがまんべんなく散りばめられた凄いワインでした!これは飲むしか無いぞ!・・と言っておきましょう!偉大なワインです。お勧めします!
● 2015 Sancerre le Monts Damnes Chavignol
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール
【希少なダグノーのサンセールです!】
非常に希少なダグノーのサンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョールです。これはまだ noisy も飲んだことが無い・・最近取得した畑です。入荷したとしても1~2本・・と言うのが常でして、noisy も誰かに飲ませてもらうのを待っている状態です。
今回はシレックス、ピュル・サン、ブラン・フュメ、バビロンと、4アイテムも空けてしまいましたので、ここでさらに2アイテムとなるとワイン屋も死活問題に繋がっちゃいますんで、今年は何とか思い留まりました。来期は出来たら・・ビュイッソン・ルナールとこのサンセールを開けようと、虎視眈々と狙っています。最も、エージェントさんが割り当ててくれたら・・の話しです。
まぁ、ジャルダン・ド・バビロンのコラムにも書いたんですが、リテールにいるワイン屋がまともにワインを知らず、ただ川下に垂れ流すだけでは、文化は発達しないんですね。ただの販売配送請負人に過ぎません。やはりワイン屋としては少なくとも「知っていなけりゃ」いけないし、「体験していなけりゃ」ならないかなと思っています。
そうするなら、
「こんなに素晴らしいディディエ・ダグノーのワインがいつまでもワイン屋に残っている」
等と言うような状況は起こらないはずなんですね・・。
で、飲んでいませんが・・(^^;; ご検討くださいませ。
● 2014 Asteroide Blanc Fume de Pouilly
アステロイド・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【あら・・見つかっちゃいましたね・・】
激レアです。noisy も飲んだことが有りません。非常に希少・・特に正規もので出てきたことは無いんじゃないかと思いますよ。さすがにテイスティングのコメントは書けませんが、シレックス系とはミネラリティの出方が違うと思います。勿論、早飲みは厳禁でしょう。木箱入りです。
● 2014 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang
ピュル・サン・ブラン・フュメ・ド・プイィ
【マール土壌のピュル・サン!非常に旨いです!】

noisy も大好きなピュル・サンです。でも何故か人気はイマイチのようで・・非常に残念です。今回はしっかりテイスティングさせていただき、写真も撮りましたのでご覧くださいませ。
本当にもう大分前になりますが、このピュル・サンも1カ月掛けて飲んだことが有ります。抜栓直後はもうパッキパキに硬質で、ミネラリティは超マンモス級、美しい伸びやかな大量の酸が、このワインのハイポテンシャルを物語っていました。
しかしながらちょうどインターネット時代の幕開けで、ブログと言うものが流行り出した頃、ワインファンの方々が、
「こんなワインを飲んだ」
とブログにアップし、飲まれた感想を書かれていたんですね。
勿論それまでもコンピュータ通信(古っ!)の会議室で・・そう、ニフティサーブとか・・NECは何だっけか・・忘れちゃいましたが、このワインはどうだ、あそこの店は安いがコンディションが・・とか、ワインファン同士のつながりや情報交換は有ったんです。
でも、ブログはどちらかと言うと、まずブログ主の一方的な主張から始まりますから、それに対して意見が有れば書き込めば良いにせよ、書き込んだ情報はさほどは目立たないものです。
で、ディディエ・ダグノーに関してもそのようなブログで紹介され、
「世の中で言われるほどは凄く無い」
とか、
「余り美味しく無かった」
と言うような情報が氾濫し、定説となりつつ有ったんですね。
まぁ、それは違うだろう・・とは感じていたものの、ワインの保存環境とか、どこで購入されたかなどにも寄る訳ですから、頭からの否定も困難・・これはどうしたものかと思っていた訳で・・
やはりワイン屋とすれば、正確な情報を提供しないといけないと・・それにはやはり、しっかりしたテイスティング能力を持ち、伝える相手に判ってもらえるような表現力も無いといかんと・・その上でのお客様へのエデュケーションも必要だろうと・・感じた訳です。
まぁ、そうは言ってもニッチな商売のニッチな店ですから、全ての方に対して満足できるようなワークは出来ないので、少なくとも自身のお客様向けには正しい情報を持って、共に成長できるようなつながりを持ちたいと思ったんですね。
で、そんな一環の中で、
「ピュル・サン1カ月掛けてテイスティング」
を実行した訳です。

空けて2週間もすると、だいぶ状況が変化してきました。驚くのは、酸化に対しての耐性の強さです。ほとんど酸化した臭いが無いんですね・・。石灰系ミネラリティが大量にあることが、そのポイントなのかと思います。
そして4週間の間に、どんどんと要素が出て来ました。非常に細やかな表情には果実感がしっかり有り・・と言うよりも、その一粒一粒の粒子がそれぞれ果実のニュアンスを持っているので、群生しているようにも感じられる訳です。素晴らしい!・・の一言でした。
4週間後には液体は無くなってしまいましたが、その後2~3カ月の間、コルクを逆刺ししたボトルの中の香りは、果実感がしっかり有り、素晴らしいアロマを放っていたものです。
そんなことを書いたコラムもどこかにあるかとは思いますが・・もう探しきれません・・(^^;; ワイン屋と言うより駄文筆業に近い何でも屋が本業です。
で、他のコラムにも書きましたが、以前より確実にテクスチュアはソフトになり、頑なさは引っ込んでいますので、今飲んでも非常に旨い・・です。
勿論、こんなもんじゃぁ無いんですよ。とんでもないほどのポテンシャルを感じます。
このピュル・サンは泥灰土土壌・・ワインジャーナリズム的には「マール」なんて言ったります。粘土質の土壌に方解石が混じったものですね。方解石は河などで流され堆積した石灰質です。ブルゴーニュのコート・ド・ボーヌに良く見られ、シャルドネの生育に最適と言われています。
しかし、この石灰の量的ニュアンスは「モンラッシェ級」で有って、単に「コート・ド・ボーヌ」と言ってしまうと間違いかと思います。少なくともグラン・クリュ並みと形容すべきでしょう。
その量もさることながら、高質さも同様にグラン・クリュ並みです。マール土壌には小振りな「シレックス」が多く堆積していますんで、そのミネラリティと取り込んでいるのかもしれません。
柑橘系の果実がたんまり有り、中域も適度な膨らみ、余韻には石灰系ミネラリティと、ナトリウム系のわずかに塩っぽいニュアンスが崩壊しているかのような感覚を伝えながらの長い収束が有ります。非常に・・旨いです!
「ダグノーは大したことは無い」
なんて安易には言わせませんよ・・。それは間違いだと。その方の感覚に間違いが無いとするならワインのコンディションが良くないことを感覚的に認識すべきかとも思います。素晴らしいワインでした。飲むべき、そしてどんな赤ワイン以上にとても楽しめるワインです。超お勧めします!・・数は有りません。
● 2013 Blanc Fume de Pouilly Silex
ブラン・フュメ・ド・プイィ・シレックス
● 2012 Blanc Fume de Pouilly Silex
ブラン・フュメ・ド・プイィ・シレックス
【コンディションは非常に重要です!】
え~・・こちらはフィネスさんの輸入では無いですが、もう何年もご紹介させていただいているエージェントさんの輸入です。ビオ系自然派系のエージェントさんで、コンディションには定評が有ります。いつかフィネスさんのと比較してみたいと思っていますが今のところ実現していません。
コンディションに問題が無いとすると、なぜか価格はこちらの方がかなりリーズナブルです・・。
シレックスはご存知の通り、ドメーヌの看板ワインで滅茶苦茶長熟です。美味しく飲むには・・どうでしょうね・・最低でも2週間前には平底デキャンタに落として温度管理するべきでしょう。それでも時間不足で間に合わないかもしれません。そこまでしても酸化してどうにもならなくなってしまうことは無いでしょう。マンモスミネラリティな・・一般のプイィ=フュメとはカテゴリーが一緒なのが信じられないワインです。・・まぁ、シレックスに限ったことでは有りません。
なお、新ヴィンテージの2013年とバックヴィンテージの2012年をいただきましたので、ご注文の際はご注意くださいませ。
ビュイッソン・ルナールは、実は非常に数の無いキュヴェで、シレックスに「色気・艶」を付加したような素晴らしいフュメ・ブランです。こちらも非常に時間の掛かるワインですが、粘土質由来の成分がワインにどのように作用しているか、シレックスやピュル・サンと比較すると理解しやすいでしょう。こちらも新ヴィンテージの2013年とバックヴィンテージの2012年が新入荷です。
ピュル・サンは泥灰土と言う紹介になっていますが・・プティ・シレックスとお考えになる方が近いと思います。美味しいしリーズナブルですので、何故に今ひとつ残るのかが不思議です。
ベースのブラン・フュメですが、若いうちは結構「そっけない」感じです。しかし、若くてもちゃんと飲んであげると・・実に旨いです。栓を抜いて放置しておく・・・俗に言う「放置プレイ」ですが、結構・・成功する確率は高いです。ミネラリティがたっぷり存在することが、酸化からワインを守ることに繋がっているように思います。非常にリーズナブルです。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール も新ヴィンテージです。これにつきましてはnoisy も飲んだことが無く、ただ販売するだけな現状です。今までの入荷量は全ヴィンテージ合わせてようやく両手の指が全部折れるくらいのものです。
一般的なプイィ=フュメだと思って接すると痛い目に会います。ワイン会などには前述のように1カ月前からデキャンタに落とすとかしたものをお持ちになると、物凄く喜ばれるでしょう・・まぁ、変態か?とも思われるかもしれませんので、出席者要確認など注意が必要ですが・・ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2011 Blanc Fume de Pouilly
ブラン・フュメ・ド・プイィ
【2009年からはベンジャミンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャミンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2011 Blanc Fume de Pouilly Pur Sang
ブラン・フュメ・ド・プイィ・ピュル・サン
【コンディションは非常に重要です!】
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2010 Blanc Fume de Pouilly
ブラン・フュメ・ド・プイィ
【2009年からはベンジャミンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャミンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisy は、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisy もほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト (92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとん どの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そし て、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャ ルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、 それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんの で、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サ ンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、 まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさ え感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
●2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisyとしましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が 半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという 曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がっ て行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま 2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
●2004ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロス やコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味 しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
●2004シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
●2004ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
● 2015 Jurancon les Jardins de Babylone Moelleux
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・モワルー
【現在、やや甘口ながらも最高の食中酒と言えるでしょう。マンモス級のクリスタリーなミネラリティと豊富でバランスの良い酸、そしてクリーミーな舌触り!素晴らしいです!】
以下、以前のレヴューをそのまま使用しています。

昨夜、あるエージェントさんの担当と電話で話しをしていてヴァン・ジョーヌの話しになり、
「そうそう・・あのxxxって造り手のサヴァニャンってそっちに在庫はまだ有るんだっけ?」
「有りますよ~・・。ヴァン・ジョーヌはだいぶ少なくなりましたが・・あと2~3ケース位かな?」
「そうか・・じゃあすぐ無くなるかもね。」
「・・いや・・皆さん、1~2本のご注文ですから・・大丈夫でしょう。」
「えっ?」
と言ったまま、少しの合間、noisy も絶句してしまいました。
「ワイン屋が1本とか、2本とかの発注なの?」
「そうですよ。取り敢えずこう言うのも並べておこう・・もしくは受注発注的な?」
まぁ、人それぞれですから他人の商売に口をはさむつもりは有りませんが、それで良くワイン屋面が出来るなぁと・・思っちゃいましたね。ちょっとカルチャーショックでした。数が無くて、人気が有って・・とか、割り当てで・・それで1~2本と言うのなら判りますが、おそらく同じものじゃなくても飲んだことさえ無いアペラシオンや銘柄でさえ、品揃えの一環としてのみの発注じゃぁ、そりゃぁ、エージェントさんの説明文を丸々コピーしてネットに掲載するしかないでしょう。
そうは言いつつも、人気銘柄で割当数量が少なく、ワイン屋でも中々飲めないワインが有り、このディディエ・ダグノーのレ・ジャルダン・ド・バビロンもそんなワインの一つでした。noisy も一度飲んだきり・・いや、飲ませてもらったと言うのが正しいですが、自分で開けられるほどは入荷しないアイテムでして、何とかしないと・・と思っていたところ、やはり・・と言うか、なるべくして成った・・と言うべきかは判りませんが、販売の方も一巡して止まったような感じになってしまいました。
そうりゃぁそうでしょう・・売る方もどんなワインなのかは良くは判っていないんですから・・ね。ちらっと甞めた位のエージェントさん主体の試飲会での判断がまともに出来るほどのテイスティング能力を持っていれば別ですが、数十アイテム以上が普通の試飲会では、細かな情報はさしては得られないものです。
なので、このレ・ジャルダン・ド・バビロンだけでは無く、今回のディディエ・ダグノーは出来るだけ飲もうと・・心に決めてのご紹介です。営業的には「・・なんだかなぁ・・」になってしまいましたが、やはり素晴らしいワインを、
「xxだから素晴らしい!」
「xxだからお勧めしたい!」
と言えるのがワイン屋だろうと・・いや、八百屋さんでも肉屋さんでもまともな商売ならそうですよね。毎日、最高級のA5ランクの国産和牛しか食べない・・と言うのも肉屋としてどうかな?・・とは思いますけどね。

以前に飲ませていただいた時には、
「旨いワインだなぁ・・」
と言う印象で、他にも山ほど・・ワインを飲んでいたので、細かな印象を脳裏に留めておくことは不可能でしたが、それでも、
「デザートと言うより食中酒だろう?」
と・・結論していたように思います。最も、熟成を重ねて10~20年も経つと、かなりトロリと甘味も効いて来るかなと。
昨今のディディエ・ダグノー・・と言うか、ベンジャマン・ダグノーのワインは、全体的にディディエ時代のエキスの濃さと純粋さはそのままに、So2の量はさらに減って来ているように思います。テクスチュアが以前よりしなやかなんですね・・。
で、ミネラリティはガラス系の透明感たっぷりなものがてんこ盛り状態で感じられます。テカテカと輝いています・・。アロマはクリーミーさの有る、やや色付た感じで、オレンジ、黄色、茶色の果実系です。
甘い・・と言うほどは甘く無く、じゃぁ・・甘く無いのか?と問われるなら・・いや、甘さは有る・・と言うべき感じで、要は、
「バランスの取れた酸がたっぷり存在している」
から、単に甘いだけにも感じないし、このワインを気品の有るものにしているのでしょう。
安くて甘いワインは酸がまともには有りませんで、ただ甘いのでダレてしまっています。なのですぐに飽きてしまうし、結局は残してしまって勿体無いことになります。
しかし・・これはもう・・飲んでしまいます。胃を目指して球体の物質が「スト~~~ン」と落ちて行き、また還りのアロマと、舌に残る複雑な味わいを噛みしめることになるんですね。飲んでからしばらくは、その余韻に浸ってしまいます。
「でも甘さで食中には厳しいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、
「全くそれは当たらない」
と言っておきましょう。
非常に・・マリアージュしやすいワインです。高質、高貴でやや甘口ながらも、食の邪魔を一切しません。むしろマリアージュに気を使わないで済み、しかも食をしっかり引き立てつつ、このワインの余韻でしっかり自分を主張する感じです。
まぁ・・3人で飲んでるとあっと言う間に無くなっちゃいます。
「・・もう少し・・飲みたいなぁ・・」
と思うかもしれません。でも2人なら、グイグイ飲む感じにはワイン自体がさせてくれませんのでちょうど良いでしょう。
色合いも実に・・そそりますよね。ちょっと薄い緑を持っていて、黄色が濃くて、良い感じです。
そして、ナチュラルなんですが非常にピュアです。決してこのワインが持つ美しさを汚すようなことはしないビオ系ワイン・・と言えるでしょう。
とても素晴らしいです!コンディションも素晴らしい!・・飲んだらもう1本、欲しくなっちゃうでしょう!でも3本の入荷で1本飲んじゃいましたので・・残りは2本です!是非ご検討ください。素晴らしい食中酒です!
● 2013 Jurancon les Jardins de Babylone Sec
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン・セック
【コンディションは非常に重要です!】
時折友人たちと集まってワイン会・・と言うよりは完全な飲み会ですが、ワインを持ち寄って「あ~でもない、こ~でもない、そ~に決まっている」とぎゃぁぎゃぁ・・うるさくやったりしているnoisyです。
この間・・結構前では有りますが、「とってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」と、「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」をお持ちになってくださった方がいらっしゃいました。彼女も、おそらく「とってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」が見るからに・・いや、液体の色を見るにつけ、
「これはコンディションが悪いんじゃないかな~・・」
と感じていたようで、
「2本とも駄目だったらどうしよう・・」
と、ワイン会参加者ならではの恐怖にもにた切迫感みたいなものに囚われていたように思います。
まぁ、色合いを見つつエチケットのヴィンテージや輸入者シールを確認すると、
「あぁ・・輸入がxxxxxxか・・。問題はここかな」
とか、
「輸入がxxxxで販売店がeeeeeか・・。店の管理が悪いな・・」
とかがある程度判ってしまうわけですね。
その上で飲んでみると、まぁ、酔っ払っていない限りは、物流の問題なのか、管理の問題なのか、店かエージェントか造り手か・・などは、ほぼ完全に理解できる訳です。もちろんですがワイン屋ですから、皆さんの知らない情報・・特に余り外にはおおっぴらに出来ないような情報も知っていたりしますから、その総合判断は有る程度の確実性を持っているかなと思うんですね。
勿論、皆さんの中にはプロ顔負けの実力をお持ちの方も大勢いらっしゃいますし、我々よりも情報網も行動力もお持ちの方もいらっしゃいますから、決してプロじゃないから・・などと偉そうなことは申しません・・。まして、ワインを楽しむということは、その人が楽しければ良いわけですから、その楽しみの中には修行にも似た辛い時間も含まれるわけで、先の彼女も、
「2本とも駄目だったら・・」
等と言うような圧迫感でさえ、ある種の楽しみに切り替えることが出来るのがワインを飲むことによって生まれますからね。
で、思ったとおり、少々「重い・・暗い・・鉛のような色合いを含むとってもコンディションの良く無いディディエ・ダグノー」はやっぱり全然駄目で、しかし一方の「突き抜けたような照りを含むとってもコンディションの良いディディエ・ダグノー」の、全てを許容してくれるような感動的な味わいが、駄目なダグノーをも、「コンディションの大切さ」とか、「どこがどうゆう風に駄目だと駄目なのか」とかを教えてくれる良い教材としてくれちゃう訳ですね。
案の定、「とっても状態の良く無いディディエ・ダグノー」は、全く温度管理など出来ない悪名高きコンビニエンス・ストアの造りのショップで購入された棚曝しの熱劣化ワインだった訳で、自然派ワインを平気で温度管理の無い場所におくことができるショップの姿勢がそうさせたということなのでしょう。
今回のディディエ・ダグノーは、フィネスさんから分けていただいた貴重なアイテムです。コンディションは非常に良いように見えます。ただし、サン=セールのエチケットは手で貼る時に少し失敗したようです。ご了承ください。
ダグノーの看板ワインである「シレックス」ですが、2013年を送ると連絡が有ったものの来たのは2012年でした。なので、2012年は以前にご案内していますのでご注意くださいね。「同じものを仕入れてコンディション比較」・・なんて言うシビアな企画のワイン会・・も良いかもしれません・・(^^;;まぁ、飲み頃は凄い先になるかと思いますが、1カ月間、2~3日置きに30mlずつ楽しむ・・なんていうことが平気で出来ちゃうのがディディエ・ダグノーのマンモス・ミネラリティの魅力でも有ります。30日経ったって、全然崩れないですからね・・香りも凄いです。どんどん柑橘が出て来ますよ。是非ビックリしていただきたいものです。
ピュル・サン の畑はシレックスより小粒の火打石に覆われていますので、より判りやすいかと思いますが・・これで充分旨いんですよね~・・noisyは大好きです。こちらは2011年です。
普通のブラン・フュメはずっと以前「アン・シャイユー」の名でリリースされていたブレンドものです。これでも・・普通に・・最高に旨いです。しかしながら、直近の状態しか見えない方々には、
「・・・すっぱいだけ」
などとブログに書かれてしまうでしょう。ワインを味わうには想像力が不可欠です。結果だけを見て、今までの経験を繋ぎ合わせる努力をしないと想像力はたくましくなりません。もし飲まれるならやはり4週間掛けて少しずつ飲みましょう。・・もしくはデキャンタに落として2週間、毎晩栓を抜いてグルグル回して・・また栓をしてください。2週間後には少し開いてくるかと思います。
サンセール・ル・モン・ダネ・シャヴィニョール はディディエが開墾したサンセールの銘醸畑です。まだ樹齢が若いそうですが評判は高いようです。実はnoisyは飲んだことが無いです。非常にレアです。担当のK君は余り気に入ってないようです。エチケットにはヨレが有ります。ご了承願います。
ジュランソン・レ・ジャルダン・ド・バビロン は、これも最近出し始めたセックで辛口(・・余り甘く無い・・と言う意味)です。モワルーでは無いのでご注意くださいね・・辛口の方です。これもまだレアです。
そんな訳でフィネスさんもののディディエ・ダグノーです。いろんな意味で・・面白いアイテムかと思います。決して今までご紹介させていただいたディディエ・ダグノー(一応正規です)もコンディションは良いですが、さて・・どんなことになりますか、楽しみでも有ります。ご検討くださいませ。
以下は以前のコメントを使用しています。
━━━━━
【2009年からはベンジャマンの仕上げたヴィンテージ!!見事にディディエ・ダグノーを継承しました!素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィ!】
元々はディディエの補佐をしていましたので、ベンジャマンになったからと言って大きく変わることは無いだろうと・・は思っていましたが、それでも一応のチェックをしなくては・・と云う気持ちを抑えられずに、ベースのブラン・フュメ・ド・プイィを飲んでみました。そして・・安心しました。・・そう、何も変っていないと。あの、ガラスのような、石英のような厚みのある透明なミネラルの風味に、奥底から徐々に沸いてくる白、黄色の果実。酸度のレベルの高さとグリップの強さ、余韻の長さなど、いつものディディエ・ダグノーの味わいです。
どこかのコラムに書かせていただいたはずですが、人間は脳の5~10%しか使用しておらず、記憶は一体どこに仕舞って有るんだろう・・・noisyは、ちょっとその辺に置いておき、時折取りに行っているように思う・・と。大体、年間途轍もない本数を20年もテイスティングしておいて、そんな記憶を・・忘れてしまっている部分が有るにせよ、自分の内部に留めておけるはずが、いや、自信が無い・・みたいなことでした。
先だって斜め読みしたある本には、衝撃的な内容が書かれていました。ケンブリッジ大学の2年生だか3年生のとても数学が優秀で運動も得意な方が、ラグビーの試合中、頭を蹴られて脳震盪を起こし、病院に搬送されたそうです。そこで彼はビックリするような事実を知ります。何とCTスキャンの結果、彼には脳がほぼ無いことが判明したんです・・実際には5~10%ほど、隅っこに脳組織と思われるものが有ったんですが、その他の部分には骨髄液が満たされた状態だったそうです!彼は、自分が脳を持たないことにショックを受けていたそうですが、トップクラスの優秀な学生であり、しかもスポーツも万能だそうで、普通以上に普通に生活している・・・そんな内容でした。
noisy のお客様にはお医者様も多くいらっしゃいますし、学者の方も沢山・・いらっしゃいます。上記は本に書かれていた事実では有りますが、内容が事実かどうかは確かめようが有りません。でも、現代の常識が、全て正しいとは思えませんし、
「そんなバカな話しにつきあってられね~・・」
と思われる方もいらっしゃるでしょう。でも、脳が一部、場合に寄っては半分以上欠損していても、普通に生活してらっしゃる方も多く存在するようですし、少なくともそれは事実です。脳が損傷を受けると、脳内の出血がその人の生命に大きな危機をもたらすかもしれませんが、それらを含めて脳が記憶の全てを担っていることの証明にはなっていないように思います。
だからと言って、noisy が思いついたように、
「記憶は中空の・・その辺りに置いてあって・・」
とは、とても言えないかもしれませんが、考える以上に突飛過ぎてはいないかもしれないとも・・感じています。
良く、仲間や連れ合い、子供さんを亡くされても、
「何故かいつもそばにいるような気がする」
とか、
「彼の声が聞こえるんだよ」
等に始まり、
「自分の知らない記憶が突然現れてきた」
なんてことも有るようです。
だから、もしかすると、脳は記憶を実際に持っているんじゃなくて、記憶にアクセスする方法を知っているだけなんじゃないかと・・思っちゃったんですね。でももしそうだとするなら、ベンジャミンもディディエの記憶にアクセスできない訳では無いとも考えられます。受け取る気持ちが強く有る人と渡したい気持ちが強く有った人同士なのでしょう。
まあ、確かにトンデモ話では有りますが、限りのある脳細胞の10%で覚えられる情報はたかが知れているんです。それは間違い無いでしょう。そして仲の良かった父、ディディエと、ディディエの記憶と一緒に、ベンジャミンも素晴らしいブラン・フュメ・ド・プイィを造っているのかもしれません。でもまあ、御伽噺として聞いてくださいね。
「・・・証明しろ!」
などとは決して迫ってこないように・・お願いします・・(^^
2009年のブラン・フュメ・ド・プイィはアドヴォケイト(91~92+)です。noisyもほぼ同様に思いますが、飲み頃予測の2010~2018には・・とてもじゃないが賛同できませんね。早くて2015からです。それでも飲めないことは無いですが、何日も何週間も掛けて楽しんだほうが良いでしょう。2015年から2030年頃まで持つワインです。
その他のワインは飲んでいませんが、2009年のピュル・サンはアドヴォケイト(92~93+)とぶっ飛びの評価、飲み頃予測2010~2020とこれまた間違った評価です。ポイントは信頼できますが飲み頃予測はでたらめです。ビュイッソン・ルナールも(92~93+)でマチュリティは書いてないです。かのシレックス2009年はさすがに(93~94+)・・・。飲み頃は2010~2022だそうです・・・これも無いです。ダヴィッドさんはよっぽど硬くて若いワインがお好きなんでしょう。
そして、昨今造りはじめた実に秀逸、且つ希少なサンセールは・・・すみません・・・1本だけしか入らなかったので、申し訳ないけれどセットを組ませていただきました。売れなければnoisy用です!・・・だって、noisyだって飲んだ事無いんですよ・・!畑名も入ったし、デザインも変ったし・・。
そんな訳で、ディディエの後継者は、彼の遺志をしっかりと受け継いだようです。是非・・ご検討くださいね。お奨めします!
以前のコラムより転載です。
━━━━━
【すぐに飲むなら実験的に!】
はっきり言って、物凄いワインです。ボーヌの偉大なシャルドネと同列に語られるべき・・・です。しかし、購入してすぐそれを確かめようとしても、ほとんどの方が理解出来ないと思います。最低10年は置くべきワインですので、もし飲まれるのであれば・・・2週間掛けて毎日一口ずつお楽しみください。そして、
「美味しくなってきたかな?」
と思ったら少し多めに飲み、
「・・・・何か、全く何も出てこない・・・」
と思われたら、その日は諦めましょう。抜栓してもコルクを逆ざししたまま1カ月は平気で持ちます。(もちろんセラーに入れてくださいね)半端なポテンシャルじゃあ無いことを肝に銘じておきましょう。有名なワインですので時折、ブログでも取り上げているようで、中には否定的な見方の方もいらっしゃいますが、それはそれ、本当はどうなのかは、自身で確かめると良くわかると思います。
なお、正規の取り扱いなのかそうでないのか良く判りませんので、一応非正規、とさせていただきますが、状態は万全だと思います。少なくて飲めませんので、以下に以前のレヴューを掲載しておきます。よろしくお願いいたします。是非ご検討ください!
ここから2004年の時の文章です━━━━━
【何というアロマ!何というべき長熟さ!絶句です!】
ロワール上流のサンセール対岸、プイィ・フュメに凄い奴がいました。その名も「ディディエ・ダグノー」。 皆さんもおそらくご存知でしょう。
今回は正規品のご案内ですが、さすがにこの世界情勢の中でやや値上がりしてしまいました。トップ・キュヴェのシレックスは大台を超えてしまいましたね。
で、早速飲んでみました。結果2004年のディディエ・ダグノーは...
「べらぼうな出来!」
と、安易に断言してしまいましょう。
飲んだのはシャイユーの後継と目される「音符のエチケット」のブラン・フュメ・ド・プイィとピュール・サンです。細かな部分は後に掲載しますが、溢れんばかりの軽量なマンモス・ミネラルと素晴らしいバランスを持った巨大な酸。まるで眠りから目覚めるように、まどろみながら、のんびりのんびり巨大化してゆきます。何メーターか離れていても、メロンやレモンのアロマが飛び込んできます。さらには「酸っぱい」とさえ感じられる酸ですが、まことに美しい輪郭を持っていますので、長熟さをアピールしています。
もっとも、勘違いして欲しくないんですが、今の状態で、
「美味しい!」
と感じられる方は少数派でしょう。3~5年ほど置いた状態からでしたら、その数は過半数ほどに達すると思いますし、10年置けば大多数になるでしょう。
もし、ディディエの2004年を早い段階で抜栓されるのであれば、そのアロマの複雑さと量、酸と構成の巨大さを確認していただき、もし、好みではないな、とか、美味しいと感じられないとしても、
「ん?これから先が楽しみなワインだ、と考えるべきなのかな?」
と、理解して欲しいと思います。本当の姿が現れるのは..10年くらい掛かりそうです..
● 2004 ブラン・フュメ・ド・プイィ
音符のエチケットだったので、ミュージシャン崩れの noisy としましては、しっかり頭の中で音符の音を鳴らして見ました..。そしたらまあ、なんと..音楽をかじった方なら判ると思いますが、重なるほとんどの音が半音違いで「不協和音」なんですね~♪♪..で、ほんの何箇所かが3度か5度違いの和音という音符..で、結局最後の1度と5度の和音で丸く収めるという曲でした。音楽的には、
「何もない..」
という結論です。(そんなところはどうでも良い、という声が聞こえてきますが..)
味わいは、ピュール・サンに比較すれば、珪藻土系のミネラルに石灰が混じり、やや黄緑のイメージが拡がって行きます。飲み頃はやっぱり先で2~4年後からでしょう。飲み方は、最初1杯だけ味見をして、その後はデキャンタすることをお奨めします。栓をしたまま2週間置いても全く落ちないと思いますよ。
● 2004 ピュール・サン
ものすごいミネラルと酸、エキスの塊りでした。2週間近く経っても、アロマは生き生きとしています。酸の美しさは、やはりセロスやコシュ=デュリを思い出します。酸の性格が似ているのはコシュ=デュリでしょうか..素晴らしいソーヴィニヨン・ブランだと思いますが、今の状態で美味しいと言える人..それはプロですね。飲み頃は3~5年経ってからでしょう。
● 2004 シレックス
飲んでいないので判りませんが、ピュール・サンの出来から想像するに、トップ・キュヴェのシレックスは最低でも5年以上置いたほうが良いでしょう。量は少ないです。
● 2004 ビュイッソン・ルナール
実を言うと、このビュイッソン・ルナールは一番少ないです。裏ラベルには名前の由来が書いてありますので、お暇でしたら読んでみてください。ノー・テイスティングです。
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