ドメーヌ・デュ・ペリカン
デュ・ペリカン
フランス Domaine du Pelican ジュラ
● 2021年と言う厳しいヴィンテージを乗り越えたデュ・ペリカンの2022年をご紹介させていただきます。アイテムは多いですがそれぞれの数は少なく、飲めたものと飲めなかったものが有りますが・・このように言わせていただきたいと思います。
「2022年のデュ・ペリカンは過去最高!・・この地区のトップ・クラスと肩を並べるところに来た!」
と確信しました。
まぁ・・何を隠そう、noisy もジュラ好き、アルボワ好きです。サヴァニャン、大好きです!・・もちろんシャルドネも大好きですし、ピノももちろん・・そして、
「産膜酵母由来の超高質な表情!」
もたまらなく好きです。
ただし、嫌いな方もいらっしゃるでしょうから・・その辺は無理にお薦めはしません。
そのような方はサヴァニャンは「ウイエ」と付いたものをお選びください。産膜系もOKの方は、デュ・ペリカンは何を選んでも大丈夫です。2012年に始まって以来の最高の出来は間違いありません。
また、この地区ならではのワイン、ヴァン・ジョーヌもリリースされました。木箱入りです・・飲むには・・ちと早いですが、濃厚なチーズと合わせるようでしたら飲めます。この先50年も持っちゃう可能性大です。どうぞよろしくお願いいたします。
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ブルゴーニュで素晴らしいワインを造っているマルキ・ダンジェルヴィーユの新しいプロジェクトがジュラで始まりました!
でも・・安心してください。ピュア系の見事な味わいで・・
「産膜酵母系の香りはゼロ!」
です。
「ナチュラルでピュア」を絵に描いたようなアロマと味わい!・・どなたにも喜んでいただけると確信しています。

このドメーヌはヴォルネー村でワイン造りをしているドメーヌ マルキ ダンジェルヴィルの当主ギョーム ダンジェルヴィル氏と醸造責任者のフランソワ デュヴィヴィエ氏が、ブルゴーニュのような素晴らしいテロワールのワインを造りたいという探究心から2012年にジュラ地方アルボワの町に隣接するモンティニー レ アルスール村に設立しました。なぜ「Pélican(動物のペリカンのこと)」というドメーヌ名が付けられたかはアルボワの歴史を振り返る必要があります。
15世紀末、神聖ローマ皇帝だったハプスブルグ家出身のマクシミリアン1世は従者と共にアルボワに滞在したことがありました。当時は異国の動物を飼う事が貴族のステータスとなっていたため、マクシミリアン1世も異国の動物をアルボワに連れてきていました。
その動物の中には南国の鳥であるペリカンも含まれていましたが、不幸なことに1羽のペリカンがアルボワ滞在中に死んでしまいました。その死を大いに悲しんだマクシミリアン1世はこの「皇帝ペリカン」を忘れないためにアルボワの町のエンブレムをペリカンにするように定めたのです。
また、彼の妻であるマリーは最後のブルゴーニュ公シャルルの一人娘で、夫婦一緒にペリカンを連れて散歩をしていたため、ペリカンはアルボワとブルゴーニュを繋ぐ架け橋の役割も果たしていたと言われています。当時ブルゴーニュ公が所有していたヴォルネーの1級畑「Clos des Ducs(クロ デ デュック)」は現在ドメーヌ マルキ ダンジェルヴィルが単独所有しています。そのブルゴーニュ公の後を継いだドメーヌ マルキ ダンジェルヴィルがアルボワでワインを造る、つまりブルゴーニュとアルボワが時を越えて再び繋がるということになるので、架け橋であった「Pélicanペリカン」をドメーヌ名に採用することになりました。

所有する畑はトータルで15haになりますが、古木の植え替えなどでまだワインに出来ない若木も多いので、現在は実質約10haの畑でワイン造りをしています。全15haのうち、5.8haは2003年からビオディナミ農法を取り入れてワイン造りをしていた「Château de Chavanes(シャトー ド シャヴァネ)」が所有していた畑で、アルボワの代表的な葡萄品種であるサヴァニャン、シャルドネ、トルソー、プルサール、ピノ ノワールが植えられています。
別の5haは「Jean Marc Brignot(ジャン マルク ブリノ)」が以前所有していた畑で2004年から2012年までビオディナミで運営されていました。この畑は「Grand Curoulet(グラン クルレ)」と呼ばれているアルボワで最初に開墾された区画で、素晴らしいサヴァニャンが出来ますが現在ほとんどの木が植え替え中となっています。残りの4.2haはアルボワ村の隣にあるモンティニー レ アルスール村の生産者で「ジュラの教皇」と呼ばれていた「Jacques Puffeney(ジャック ピュフネイ)」から2014年末に譲り受けた畑で、こちらもアルボワの品種に合う素晴らしいテロワールがある畑です。
醸造所には空圧式圧搾機、選別用テーブル、温度コントロールのできるステンレスタンクなどの設備が揃っており、樽や大樽での熟成保管用の古いカーヴも3つあります。泥灰土と粘土石灰質の畑で出来る5つの葡萄品種から3つの変化に富んだキュヴェを造っています。ドメーヌ設立から最初の2年である2012年と2013年は天候が良くなかった影響から収穫量が非常に少なく、2012年は18hl/ha、2013年は25hl/haしか葡萄が収穫できませんでした。2014年は45hl/haと平年並みの収穫量となっています。
● 2022 Arbois Chardonnay
アルボワ・シャルドネ
【・・来ましたね~・・デュ・ペリカンもついに念願の「ジュラ的濃度」を手に入れた!・・と言って良いかと思います。10年経過して素晴らしい密度のアルボワのシャルドネです!】

まぁ・・最近は、
「実はわたし、アルボワやジュラのワインにハマってしまいまして・・」
とおっしゃる方に出会うのも、結構多くなって来ました。
やはりそこには、日本人の造り手さんもオオウケしていることもあると思いますが、アルボワやジュラのワインに・・
「どこか日本人が懐かしいと思う・・何かが存在している」
のもあるんじゃないかと思っています。
だって・・アルボワ、ジュラのワインって・・結構に日本的な風情を感じるじゃないですか・・あれ?・・noisy だけかな?
どこかちょっと蒸し暑さみたいな日本の空気感を隠し持っていて、どこか日本的な・・醤油味噌の世界観が有るような気がして・・特にサヴァニャンと言う葡萄が持つエネルギッシュさや密度感がそうですが、シャルドネと言う白葡萄もまた・・ブルゴーニュとは決して遠く無い、むしろ近い味わいや風味なのに、
「ジュラ的なものを感じさせる!」
と言う点で・・我々に物凄く近いものに感じていただける瞬間が、きっとお客様にも来る日が来る・・と思っています。
まぁ・・その「蒸し暑さ感」なんですが、デュ・ペリカンのワインはものの見事にマスキングしているので一見すると見逃してしまうんですが、
「じっくり見て行くと・・すだれ越しの風鈴が奏でる涼やかさ」
みたいなニュアンスで、その「蒸し暑さをスルー」しているようにも感じます。なので、デュ・ペリカンのワインは涼し気です。

で・・ですね・・2022年のこのシャルドネ、素晴らしい出来です。
おそらくこのコラムの下の方には、2015年のアルボワ・シャルドネの写真が有りますし、すぐ下には、
「2020年ものの同じワイン」
の写真も有りますので、是非比較してみていただきたい・・。もう、同じ畑のワインだとは思えないほどに、「陰影」「深み」「色彩の強さ」「濃密さ」「官能感」がよりしっかり出ていると思うんですね。
ねっとりとしていますが真っすぐな性格のシャルドネです。そしてどこか・・日本的風情もあるようにも感じます。ワインとしての出来は、2021年ものが少な過ぎて飲めていないので、安易な断言がし辛いですが・・過去最高は間違いないでしょう。
密度が高く、グラスを伝う涙も太く、さらには重力にも贖って蛇のような揺らぎをガラスの側面に残しています。非常に充実していますので、
「果実感・柑橘感がしっかり!」
感じられますし、その熟度の高さも感じられます。バランスも素晴らしいです。
この地域ではシャルドネよりもサヴァニャンが高貴種となりますが、それでもシャルドネの低域からの押し上げのある・・「らしい美味しさ」が、やはり多くの人にウケていますので、
「ダンジェルヴィーユが造るアルボワの真っすぐなシャルドネ!」
に、どれほどの色が見えるのか・・是非お確かめいただきたいと思います。
素晴らしい出来です!・・ここからは濃密さをどんどん増して、凄いワインになって行くと感じさせるワインです。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【これぞマルキ・ダンジェルギーユのシャルドネ!・・そしてアルボワの「むわっ」とした空気感・・(^^;; ・・そのものを感じさせてくれます!】
旨いです!・・あ、でもこれは中々表現がムズいのでどうしようかと。ここから行くとなるとちょっと遠いかもしれませんが頑張ります。
ダンジェルヴィーユさんは素晴らしいシャルドネもムルソーで造っています。飲んだことのある方は非常に少ないと・・思いますが・・ムルソー1級サントノです。
これ、凄いんですよ・・
「ヴォルネイ的ムルソーの代表格!」
とも言える凄いワインです。ちょっと高めのプライスが玉にキズでして・・なので、余り飲んでもらえないんですね。
しかし飲まれた方には、
「ダンジェルヴィーユのムルソー=サントノ!・・滅茶苦茶旨いじゃないですか!」
と、電話が掛って来たほどですよ・・これ、本当に有った話しです。
ムルソーもヴォルネイ側とピュリニー側では、結構に違います。そして中央上部も有る種、特殊です。
ヴォルネイ側は粘土が結構に存在感を持っていて、村の中央下部の村名畑の粘土とも・・異なるんですよね。ねっとり感が気品と格を持っている・・そんな感触です。

で、このアルボワのシャルドネも、ちょっとそのサントノを思い起こさせるフレーズを弾いてくれる感じが有りまして、ネットリ感、ちょっとした蜜のニュアンス、硬質さと軟質粘土が交差する感じ、その上での果実表現が似ているように感じます。
・・あれ?・・と思って以前のレヴュー(この下です・・)を見返してみましたら、
「・・あらま・・結果として・・同じことを書いて無いか?」
といきなり気付きました・・すみません・・。でも、意図せずに同じ結果を書けると言うことは、2019年ものと2020年ものは似ていると言うことなんでしょう。
そして2019年ものよりもエキスが濃密でナチュラル感がアップしていると思います。それはグラスの写真を見ていただいてもお判りかと思うんですね。
ですので、
「ダンジェルヴィーユのシャルドネを飲んだ気になれる!」
もしくは、
「ダンジェルヴィーユのシャルドネの作風を知ることが出来る!
上に、
「アルボワ、ジュラのむわ~っとした空気の感じがちょっと判る・・(^^;;」
と思うんですね。そして、そこにはいい男のギョームさんがひょっこりはんのようにいらっしゃると思います。ムルソー=サントノまでは手が出なくても、このペリカンのアルボワ・シャルドネが有ります。徐々に皆さんも周知していただいてまして、「お問い合わせ」さえも入りました。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【シャルドネのベース・キュヴェですが、ドメーヌ・デュ・ペリカンを知るのにベストな味わいです!2018年と2019年、比較してみてください!】
実は2018年ものは昨年届いていまして、ベース・キュヴェでは有るものの、数が無かったもので・・2018年ものはテイスティングしていなかったんですね。ですが、上級キュヴェの2つはしっかり飲んでいますので、傾向は判っています。一応ですが、
「2019年ものに比較して妖艶さは劣るもののピュアな味わいは勝る」
と言って良いかと思います。
実際のところ・・2018年ものと2019年もののベース・シャルドネの違いは想像に過ぎませんが、2019年ものはおそらく・・少なくとも新樽率は上がったんじゃないかと想像しています。
ただし、2019年もののこの「官能感」は絶品でして、
「ここまでしっかり官能さが出ているシャルドネは、ブルゴーニュにも探すことが出来ないかも・・」
と思えるくらいなんですね。
まぁ、サヴォワやアルボワの温度感と言いますか、「空気感」と言うべきか、それとも「細菌環境」と言うべきか・・・(^^;; まぁ、酵母も細菌ですから、ドメーヌ・デュ・ペリカンの畑もしっかり地元に馴染んだ性・・と言えなくも無いかもしれません。
noisy が2019年ものドメーヌ・デュ・ペリカンの白を飲んでビックリしたのは、その変わり様です。2018年ものまでのペリカンのワインは非常にピュアでした。そしてシャルドネはブルゴーニュのシャルドネに非常に近しい感じがしたんですが・・2019年ものは、
「ジュラ!」
そして、
「ダンジェルヴィーユ!」
を見事に感じさせてくれました。
もし近いものがあるとするなら、それは「ダンジェルヴィーユのムルソー・プルミエ・クリュ・サントノ」です。そして、それをさらにジュラやサヴォワ、アルボワの空気で育てた風の空気感です。なので、
「非常に官能的ながらもダンジェルヴィーユ的な品の良さ!」
を感じさせてくれます。
面白い教材だと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
【サヴァニャンよりさらに飲み易く親しみやすい美しいシャルドネです!】
まぁ・・サヴァニャンだと言うだけで「駄目かも・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ドメーヌ・ペリカンの白ワインに限っては、
「受け付けられないようなアロマは無い」
と申し上げておきましょう。全く問題無いと言えます。
ブルゴーニュのシャルドネとは、やはり微妙に違うイントネーションが有りますが、それでも似ているのは地域的に近いと言うこと、酸膜系酵母を動かさないことに寄るでしょう。
柑橘系の白や黄色の果実が詰まったアロマ、伸びやかなやや黄色い石灰系のミネラリティ、中域が適度に膨らみ、ややオイリーさとほんのりと存在する残糖感が、丸みのある味わいを生み出しています。凝縮していて密です。緯度感はコート・ド・ボーヌ同様ですが、熟れて凝縮したニュアンスや粘度がブルゴーニュ南部のプイィ=フュイッセ辺りの上質なシャルドネに重なって感じられます。
また弦とか若芽とかの緑色を感じさせるアロマや酸も有り、全くの滑らかさだけの味わいとも違う印象ですね。サヴァニャンはとにかく滑らかで、高周波な酸のレベルは低いんですが、こちらのシャルドネに関しては、例えばマロをしていないようなシャブリにも通じるような若々しく鮮烈さを持つシャープな酸も感じられ、低いところから高いところまで全域の表現がされています。
ほんのりとした残糖感は、まだ到着間もないうちにテイスティングしたことによるのかもしれませんので、おそらくボディと大分、一体となっている頃だと想像しています。
新生ドメーヌですが、ブルゴーニュの大御所でもあるダンジェルヴィーユが新境地を描いたアルボワです。是非ご検討くださいませ。
● 2022 Arbois Chardonnay Grand Curoulet
アルボワ・シャルドネ・グラン・キュルレ
【ジュラの気候と地質が生むシャルドネの美味しさに気付いてください。そしてサヴァニャンとの違いの大きさも、このグラン・キュルレをさらに美味しくしてくれます!】

過去最高間違い無しの2022年、グラン・キュルレ・シャルドネです。最高に旨いです。
noisy は贅沢にも、このグラン・キュルレ・シャルドネ2022とグラン・キュルレ・サヴァニャン2022を一緒に・・テイスティングさせていただきました。
そして・・デュ・ペリカンの著しい伸長度に驚き、またこのグラン・キュルレと言う畑のポテンシャルがこの2年・・いや3年かな・・の間にどんどん表現されるようになって来たと感じています。昔はもっと・・大らかだったと思います。
香りも味わいも実に緻密です。密度が驚異的に上がって来た・・と言って良いでしょう。
そして、残糖とか・・甘みに逃げることなく、実に美しいエキスを構成しています。全ての成分がエキスに転換している感覚です。
ちょっと非常に愛らしくヒネくれているサヴァニャンの、何とも言えないほどの魅力を振り撒いてくれる味わいに対し、こちらのシャルドネは・・
「どこまでも美しい!・・しかも清楚!」
なんですね・・その端正な美しさに惚れる・・そんな感覚なんです。

・・なんです・・が・・
まぁ・・noisy のお客様は男性だけではありません。女性の方も多くいらっしゃるので、大変に言い辛い・・。言っちゃいけない?・・ん~・・言うなと言われると言いたくなるので言ってしまいましょうか。
そう・・とんでもなく美しい清楚な女性・・そう思っていただけると良いかと思います。スタイリッシュで、出るところはちゃんとそれなりになっていて・・とか・・何ともシルエットが美しいシャルドネです。
ですが!・・世の男性に問いたい・・女性って・・ちょっと怖い時が有るでしょう?・・ん?・・いつも怖い?・・いや、それはあなただけでしょう。
美しく清楚で、世の中でそんな完璧な人は数少ないと思ってしまいますが、そんな美しい女性も、ふと・・怪訝そうな表情を見せる時があるでしょう?その時に世の男性は、どんな気持ちになるでしょうか。
そうなんですよ・・その時の気持ちは人それぞれだと思うんですが、その・・ちょっと目を伏せたり・・した時の表情をこのシャルドネは持っていると感じます。
それがきっと、ジュラの気候と地質なんでしょう。そして、近くに植わっているサヴァニャンと言うこの地の高貴種の存在です。
サヴァニャンとは全く違うことを気付かされるのに、「高質サヴァニャンの存在を感じるシャルドネ」です。
まぁ・・良く判らない物言いだと思いますが、ジュラ好き、サヴァニャン好きな方なら、きっと通じるものが有ると思います。ぜひこのグラン・キュルレ・シリーズ...ペアで飲んでいただきたいなぁ・・と思っています。お薦めします。判り辛くてすみません。
以下は以前のレヴューです。
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【シャルドネの本性・・が滲み出て来た??・・太く、そして繊細な複雑性を持ったアロマが物凄くします!凄い出来!】
実はこれは2020年もののペリカンのシャルドネ、全てに言えることです。安易に言ってみるならば・・、
「・・もう、単純に果汁だけの複雑さでは無い感触」
がします。
いや、2019年ものと同様にとても美味しいんですよ。でも、アルボワらしい・・もしくは・・もっと言ってしまえば、サヴァニャンっぽい?・・(^^;;
もしかしたら勘違いなのかもしれませんが・・どうもギョームさん、産膜酵母系のものはどうでも良く、果皮由来の繊細で複雑なニュアンスに取りつかれてないか?・・みたいなnoisyの理解なんですね。
だって・・まぁ、グラスの色を比べてみてくださいよ。どう有っても・・ちょっと「果皮由来の色」が出ているような気がするんですよね。2019年ものは「綺麗な薄緑を含む黄色」ですが、2020年ものは・・
「ちょっとグレイやレッドが入ったような感じ」
が・・しないでしょうか。

ですので、この上のテクニカルに書いて有るような・・
「混醸のシャルドネよりも辛口で直線的な味わい」
はむしろ2019年までのニュアンスで、2020年ものは・・
「アルボワの醸造の経験者ならではの技術を発揮し始めた!」
んじゃないかと思っています。・・あ、この先はアン・バルビのコラムで書かせていただきますね。
なので、果皮の直下・・そして果皮そのものが持つニュアンスがより深く入った感じがするのが2020年ものグラン・キュルレです。ここはおそらくジャン・マルク・ブリニョさんが持っていた畑からの葡萄でしょう。植え替えた樹はまだ若いので少なく、残した樹が主体なのかな?・・濃密で素晴らしい味わいがします。そしてやはりギョームさんが覗いている感じがします。是非飲んでみて下さい。これも上出来のシャルドネです!
以下は以前のレヴューです。
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【グラマラスでファット!ピュアさが光る2018年と、かなりの妖艶さにグラっと来てしまう2019年です!】
素晴らしいシャルドネ!?・・でした。目から鱗・・これほどの穢れ無き妖艶さがシャルドネに載るとは・・そんなイメージです。そもそもそれはおそらく2018年ものにも存在するものなのでしょう。しかし、
「最初から・・リリース仕立てから」
そんな素晴らしいエロティックさが感じられるのは2019年ものです。2018年ものはエロティックと言うよりはもっと清楚な感じです。
2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンの白ワインは、押し並べてエロティック、官能的です。そしてそれが「嫌味」にならないのが・・ダンジェルヴィーユなんですね~・・。2008年頃からのダンジェルヴィーユのヴォルネイワインは、それまでの「やや乾いた感じ」を「濡れた表情」に大きく変更し、それとともに世界的な評価もグングン上昇しています。noisy たち、ワイン愛好家?としましてもそれは大歓迎で、
「ダンジェルヴィーユ復活!」
などとはやし立てた訳です。そして最近は、
「ヴォルネイ新時代の幕開け!」
を言い出しています・・いや、そんなことを言ってるのは noisy だけでは有りますが・・。
そんな「濡れた」見事な味わいに、「官能感」がビシッと・・そしてダンジェルヴィーユ的な「高貴」なニュアンスをそのままに・・さらには「ジュラ、サヴォワ、アルボワ」のニュアンスを感じさせてくれる訳ですから美味しくない訳が無いでしょう?

上が2019年、下の写真が2018年です。2019年がより官能的で上出来・・では有ると言えますが、決して2018年ものが大きく劣る訳では有りません。2018年もののピュアで健康的な美味しさは2019年ものに勝ります。2018年ものはむしろ非常にブルゴーニュ的・・であり、2019年ものはジュラっぽい妖艶さが載っている訳です。
2019年ものがジュラっぽいとは言え、「産膜酵母」が織りなすシェリーっぽいニュアンスが有る訳では有りません。やはりそこは「温度感」「気温感」「空気感」かと・・思います。判りやすいのはやはり2018年ものと2019年ものの垂直テイスティングでしょう。
この非常に豊かでピュアな「グラン・キュルレ」の味わいを是非知っていただきたいと思います。2018年もののピュアで清楚感のある美しさと、2019年もののエロさ・・飲んでみて下さい。超お勧めです!
● 2022 Arbois Chardonnay en Barbi
アルボワ・シャルドネ・アン・バルビ
【もっともピュアで太いシャルドネ!・・享楽的な美味しさを感じます。でも単純じゃない・・ジュラならではの個性が発揮されて来たのでしょう!】---すみません、こちらは以前のレヴューを掲載しています。

「ミネラリティの支えが凄く存在している黄色のしっかりした果実のジューシーなシャルドネ!」
そんなイメージの「アン・バルビ」です。2020年ものはそこにアルボワの個性がそれなりに滲み出し、しかも繊細な表情が備わって来た感じがします。2019年ものはもう少し直線的だったかなぁ・・と思うんですけどね。2020年ものは、他のキュヴェほどでは無いにせよ、
「葡萄の個性や果皮由来の味わい」
がするような・・そんな気がしました。
そもそも赤ワイン同様にマセラシオンした・・みたいな情報は在りませんので、それは無いのかな・・とも思いますが、どうも黄色主体の2019年ものまでのアン・バルビとはちょっと違う感じがするんですね・・気のせいでしょうか・・(^^;;
今、ビオ系の若い方たちが、マセラシオンして・・漬け込んだ結果、タンニンや果皮のニュアンスを取り入れた白ワインを多く販売されています。稀に素晴らしい芳香と味わいを醸したマセラシオン系の白ワインに出会うことも有るんですが、ほとんどの場合・・noisy が手放しで狂喜することは無いんですね。そうすることによって欠損した部分が多過ぎるように思われるから・・です。

しかしこのアン・バルビは、おそらく漬け込みまではしていないとは思うんですが・・いや、軽くやってるかな??・・(^^;; 以前より明らかに複雑性や官能感が増しているように思いますし、ビオ系のマセラシオンを施した白ワインのように、
「得た部分より失った部分が大きすぎるんじゃない?」
などと思えるようなことが一切無い・・んですね。
享楽的なシャルドネの美味しさ・・それが基本。そこに細やかなニュアンスが結果的に、自然に載っている・・そんなイメージでしょうか。
ヴォルネイ、ムルソーでたった1種類?のシャルドネを造っていたダンジェルヴィーユが、アルボワの地に来て得たものは非常に大きいし、何も失っていない!・・そう思わせてくれるアン・バルビ2020年でした。密度高くとても良く香り・・、幻影で無いとするなら、どこかサヴァニャン的な複雑なニュアンスが有るようにも感じるシャルドネです。飲んでみて欲しいと思います。ダンジェルヴィーユのムルソー1級はちょっと高いですので、こちらをお薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【熟したフルーツが冷ややかに!・・そしてそれをピュアに清楚に複雑に感じさせる2018年と、僅かなピュアさを削り、妖艶さを載せた2019年!滅茶旨いです!】
ここまで2018年と2019年のニュアンスが異なると、ある意味、お勧めの言葉も難しくはない・・かもしれませんが、どのコラムを読んでも内容が一緒・・と言われてしまえば、それっきりです・・すみません。
ですが、いや・・相当に違うんですよ・・本当に。どっちが良いか?・・と問われれば、
「それはそれぞれの好みでしょう?」
と言わざるを得ない訳ですが、最初から柔らかくて妖艶で飲みやすい感じが2019年ものですし、ピュアでミネラリティを直結で感じられるのが2018年もの・・だと思います。そしておそらく・・
「ドメーヌ・デュ・ペリカンが目指すスタイルは2019年ものが基本!」
であることは間違い無く、2019年もののアン・バルビを飲むことでそれが理解が深まる訳ですが、
「葡萄や、育った畑の個性をピュアに感じることが出来るのは2018年ものが(おそらく)最後!」
で有ることも同様に間違いない訳ですね。
この違いは、単にヴィンテージ要素、葡萄の熟度だけに寄ることは無いはずで、樽の掛け方、そして二次発酵の深さにも・・つまり造り手の意識によってかなり左右されるはずです。
ダンジェルヴィーユとしますと、アルボワの個性とダンジェルヴィーユの作法を融合させ、その上で完成されたのがこの2019年ものと言えます。

面白いのは、パワフルさはもしかすると2018年ものの方がスッキリと理解できるかもしれないんですね。2019年ものはもしかしたら妖艶さの方に喰われる部分が有って尚且つ・・ですので、2019年ものが妖艶さを出さない方向に行っていたらどうなったか?・・などと想像してみると、2019年ものは、妖艶さを演出しても大丈夫なほど、良い葡萄に仕上がったと言うことなのかもしれません。
>2019年は2018年と比べると収穫量はとても少ないが葡萄はきれいで豊か、しかし緻密でエレガント、緊張感とエネルギーがある。2012年にワイン造りを始めてから最も天気が安定していた2018年と比べると、2019年はいくつかの懸念材料があったので印象はあまり良くなかったが、収穫量が少なかったことが良い方向に働いてくれて結果的には素晴らしいクオリティのワインとなった。
まぁ、2019年ものの方が値上げで少し高目に出ていますが、その分、収量が減り減産を余儀なくされていますから仕方が無い・・でも葡萄にポテンシャルが有ったと言うことなのでしょう。
どちらも素晴らしい出来だと思います。2019年もの、透明で黄色がしっかり、緑も透けて見え、良い色合いです。2018年ものはより黄色いですが、結構にパワフルです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2022 Arbois Savagnin Ouille
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ
【圧巻な美味しさ!・・凄みさえ漂わせる素晴らしきサヴァニャン!!・・2021年は奇跡のヴィンテージとも言えるかもしれません!】-----2021年もののレヴューです。売れ筋!

激旨です!・・初めて飲まれた方はビックリされるんじゃないかと・・思います。この集中力は良く出来たモンラッシェにさえ届く・・いや、少なくともかなり接近する・・と思われます。その表情こそ微妙に異なりますが、密度と複雑性、果実表現の繊細さ、磨かれたかのようなミネラリティ・・そして完成度の高さが感じられます。
面白いので是非・・2020年ものの写真と比較してみてください。2020年ものも今までにない集中度、濃密さを見せて非常に美味しかったですが、すみません・・ちょっと比較にならないほど違うかもしれません。
2021年ものはもう・・その絵の中に「凄み」を湛えているように・・見えないでしょうか?・・存在感と言っても良いかもしれません。
アロマを嗅いだ時の・・何と表現したらよいのか・・口内に入って来た時もそう・・存在感の凄みと言うべきでしょうか。多くの量を飲み干すと言うよりも、少量を愛でながらゆっくりゆっくりと味わう・・そんなスタンスを要求されているように感じられるかもしれません。
これはもう、ジュラのサヴァニャンならではの「味わい深さ」かと思うんですね。もしブルゴーニュ・シャルドネで同じようなニュアンスに仕上げるとするなら、ごく一部の極上の畑が由来でなければならないと思わせます。

余りの濃密さゆえか、もしくは酸膜由来か・・もしくは、
「ヴィンテージ由来の部分が大きいか?」
・・その辺りは判断しかねますが、ドメーヌによりますと、
「通常年の75パーセント減。サヴァニャンは1キュヴェに混ぜるしかなかった。」
とのことですので、最高に仕上がった葡萄さえもこの「2021サヴァニャン・ウイエ」に入っている訳です。
ですから、「ヴィンテージ由来の美味しさ」も50パーセントほどはあるんじゃないでしょうか。2021年サヴァニャン・ウイエは、
「奇跡のヴィンテージ!」
と言えるのかもしれません。
繰り返しになりますが、収量を落とす結果になったので密度は高くなり、ウイヤージュをそれなりにやったとは言え、ほんの僅かには酸膜が動いた形跡が見受けられ、本来は上級キュヴェに使用される葡萄さえも一つのキュヴェに仕立てざるを得なかった・・これだけでも、
「奇跡のワイン!」
だと想像できるはずです。是非飲んで・・驚いてください。そしてジュラと言う凄い生産地とサヴァニャンと言う凄い葡萄、認識していただけましたら幸いです。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ピュアでナチュラルなサヴァニャンの純粋な魅力を引き出したサヴァニャン・ウイエ2020!・・濃密な色合いからもそのポテンシャルが伝わって来るでしょう!】

こちらも少量、果皮浸漬を行った上で補酒(ウイヤージュ)をしたキュヴェです。「サヴァニャン」の方はウイヤージュは回避していますので、こちらの「ウイエ」の方がよりピュアです。なので、
「予想していないニュアンスにいきなり出会うのは・・ちょっと怖いかも・・」
と思われる方は、「サヴァニャン」では無く「サヴァニャン・ウイエ」の方をご選択ください。
でもこちらも果皮浸漬していますからその色合いが出ていますよね?2019年ものが子供のように純粋な色合いに見えてしまうほどじゃないか・・と思います。そもそもシャルドネは、
「純粋無垢で何にでも染まりやすい」
感じがするかと思うんですが、サヴァニャンは・・
「・・私はサヴァニャン!」
としっかり主張してくると思うんですね。そしてそれがまた近年、日本人にも非常に受けている・・と言うのが面白いなぁと感じています。

2019年ものよりもハッキリ言って濃密です。ウイヤージュをしていない「サヴァニャン」には追いつきませんが、それにしても重厚で複雑・・です。そして何より・・
「何故かそこに(ギョーム・)ダンジェルヴィーユが!」
と言う気になってしまうんですよね。
サヴァニャンと言う、ある種、シャルドネとは全く違う強い個性を持った品種、そしてアルボワと言う土壌、気候を強く感じるワインなのに・・何故か「気品」も備わっているんですね・・なので、そこに・・
「あ、ギョームさん・・いらっしゃったんですね。」
と・・(^^;
フレッシュ系の果実柑橘、そして熟した果実柑橘・・甘みさえ持つその果実を、
「昇華されたエキスから薫り高く放出されている!」
のが判ると思います。
数日掛けて楽しませていただきましたが、ま~・・へたらないです。シャルドネも美味しいですが・・サヴァニャン、是非挑戦してみてください。産膜酵母は動いてませんから、その分は「綺麗でピュア」(・・・)です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャン!・・サヴァニャンこそ、新たな白葡萄の代表選手になるでしょう!・・非常に官能的な2019年ものです!】
すみません、2018年ものは飲めていませんで・・お詫び申し上げます。でも、2019年ものはしっかりテイスティングさせていただきました!
他のコラムでも書いていますが、とにかく2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンは凄いです!そして白のエロさが半端無い訳です!そしてサヴァニャンが滅茶旨い訳です・・ある種の温かみを感じる空気感、その地に根付いた細菌・・いや酵母による実に複雑な味わいがする訳ですね。
ですが、決して「産膜酵母」は動かしていない訳です。そんな意味では・・2018年ものも2019年ものも同じだと思われます。
「産膜酵母が動いていないサヴァニャンは複雑では無い?」
そう問われますと・・中々に微妙では有ります。シャトー・シャロンクラスの凄いサヴァニャンは、やはり産膜酵母の働きを必要とする訳ですね。ウイヤージュ、補酒をしないことにより、そのサヴァニャンの潜在能力を凝縮て高め、熟成させるわけです。
将来的にダンジェルヴィーユがそんなワインを造らないとも限りませんが、現在はそんな雰囲気は「ゼロ」です。ピュアなのに滅茶複雑性が高いんです。
2018年ものはおそらく・・それ以前のラインを踏襲しているはずですので、「ピュアで複雑、ストレートなサヴァニャンの美味しさ」を見せてくれるはずです。ですが・・2019年ものは実にエロティックです。酸膜を動かしたサヴァニャンもそんなニュアンスを含みますが、むしろ2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、もっと官能的なエロティシズムを感じさせてくれます。
素直に果実のピュアな美味しさを見せる(に違いない)2018年ものと、そこにエロティックさを大盛にした2019年・・しかも密度が素晴らしく高いです。これは是非飲んでいただきたい・・勿論、上級キュヴェのサヴァニャンはもっと素晴らしいんですが・・是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【とてもナチュラル!でも酸化・産膜酵母の動いた痕跡の無いピュアでポテンシャル高いサヴァニャンです!】
このところ、非常にグイグイ品質を上げているダンジェルヴィーユです。noisy も実はしこたま仕入れているんですが、
「・・・レヴューを書く時間が取れない」
ので完成度が低く、まだご紹介していないアイテムがズラリ・・と並んだ状態です。
「何とかせんといかんぞ・・」
と思いつつも、日々の諸業務、毎週の新着のレヴュー作成、サーバー環境の更新、業務ソフトの開発、エージェントさんとの楽しい会話・・などでどんどん時間が削られてしまいます。ましてや某運送会社さんの度重なる変更による業務ソフトの書き直しとか送料アップの交渉後事とか・・いらぬ気遣いやら、本来はやらなくても良い仕事がどんどん積み重なり、気付けばいつも、
「いつの間にか翌日になっている」
ものですから、出荷のご案内なども皆さんもご存知のように、物凄く遅い時間になって送るようになることさえ有ります。
さらには2、5、8、11月のリアルのテイスティングも有りますから、その月は常に臨戦態勢・・自分でも何をやっているのか分からなくなることも・・いや、それはオーバーですが、予定がきっちり詰まっちゃってることが多いんですね・・。
・・と取り敢えず言訳を咬ましたところでこの「ドメーヌ・ペリカン」のサヴァニャン2015年です。
若いうちは硬くてテクスチュアがイマイチだった2000年台のダンジェルヴィーユもこの2010年台はビックリするほどのしなやかさ、ピュアさを見せてくれています。このサヴァニャンは、
「産膜酵母由来のアロマは全く無い!」
非常にナチュラルで美しいサヴァニャンです。すでに赤ワインご紹介済ですから、飲まれた方はその美しく伸びやかなアロマとテクスチュアに驚かれたことでしょう。ドメーヌ・ペリカンではこの酸膜由来のアロマを出さないようにしているそうです。
以前、noisy のところでも、非常にポテンシャルの高い、僅かに酸膜由来の薫りのするサヴァニャンをnoisy もビックリするほどご購入いただきました。飲まれた方は、そのポテンシャルに驚き、数本、12本と言う単位でご購入されたものですから、結果とんでもない・・驚くべき数量になったんですね。
しかしその一方では、やはり酸膜由来のアロマが受けつけられない・・もしくは、傷んでいると感じられる方もいらしたようです。最終的にはご理解いただき、新たな世界を発見できたとおっしゃられた方がほとんどでしたが、声に出さない方もおられるでしょうから・・そこは難しい部分でも有ります。
さすがにそこまでのポテンシャルは・・このサヴァニャンには無いと断言できます。そりゃぁそうです・・産膜酵母由来だからこそ、その複雑精緻なとんでもポテンシャルが生まれる訳ですから。
しかしながら、酸膜を動かさず、ピュアな味わいをナチュラルさを失わずに造ったサヴァニャンだとするなら、これもまた素晴らしい味わいだと言えます。
とてもマッタリしていて艶やかで、中域低域の膨らみから、超高域までの細やかなアロマまで、素晴らしい表現をしています。果実も白から黄色、そして赤味を帯びたものまで多彩です。ほんのりオイリーで、やや黄色を感じる石灰系ミネラリティを多く含んだ余韻から、また果実の還りが有ります。
素晴らしいサヴァニャンだと思います。特に「酸膜由来の香りが苦手な方」には、やや赤みの有る粘っこいシャルドネ・・?みたいなイメージで美味しく楽しめるはず・・などと感じています。ぜひペリカンのサヴァニャン、挑戦してみてください。美味しいです!
● 2022 Arbois Savagnin Maceration Pelliculaire
アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール
【激旨!高質なサヴァニャンのウイヤージュを回避するジュラならではの作風を、ダンジェルヴィーユ風に質高くアレンジした、非常に香るが臭く無く、素晴らしく濃密な味わいです!】----すみません、少なくて飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

素晴らしいです!・・まぁ、「サヴァニャン」と聞いてイメージの沸く方は、まだそんなに多くは無いと思いますが、近年のジュラ人気の高さには驚きを感じるほどですから・・それなりにはご理解いただいているのかもしれません。
まずは・・製法なんですが、例えばサヴァニャンの最高峰とも言えるヴァン・ジョーヌ...シャトー・シャロンもそうなんですが、樽の中に圧搾したサヴァニャンを入れっぱなしにするんですね。通常はウイヤージュと言いまして、補酒ですね・・減った熟成中の樽に他の樽のワインを足して酸化から守る手段です。でもヴァン・ジョーヌは一切ウイヤージュをしません。なので当然ながらどんどん目減りしてしまいます。1/3ほどまでに減る・・とも言われていますが、その減り始めて少し経過しますと、この地域特有の風味が出る訳ですが・・産膜酵母の膜が液の上面に出来るんですね。その膜がワインを極端な酸化から守ってくれ、複雑なアロマと味わいを生む訳です。Noisy wine も以前、とんでもない数量のサヴァニャンを販売させていただきました・・40ケース以上販売させていただき、まぁ・・ビックリしました!
で、このワインはその延長上には有るんですが、ダンジェルヴィーユ風にアレンジが成されているんですよ。つまり・・オレンジワイン風のマセラシオンを10%ほど..行っているんです。赤ワイン同様に果皮も種子も漬け込むんですね。その結果が・・これ・・なんです。
なので、ヴァン・ジョーヌ的に濃密で複雑なアロマと味わいが有るんですが、なんでしょう・・ギョームさんは産膜酵母のエキセントリックなアロマはそんなに好きじゃないのかな・・産膜酵母を動かしたワインに付き物の、あのブルーチーズのような香りは余り・・と言うか、まず無いんですよ。動いた後の滅茶複雑なアロマはするんですけどね。

思うに・・いや、あくまで推論ですよ。この種や果皮を漬け込んだ10パーセントが・・凄いお役目を負っているんじゃないかと思うんですね。・・まぁ・・言わば吸着剤?・・(^^;; エキセントリック過ぎる例のアロマを適度に和らげる効果が、この10パーセントのキュヴェの「澱」が担っているのかなぁ・・などとも思っている訳です。あくまで推論に過ぎませんので、
「noisy がそう言ってたからホント・・」
とは信じ込まないでくださいね。その辺は是非ご自身で飲んでみて判断していただけましたら幸いです。
で、ま~・・2020年のワインとは思えないほど、滑らかです。アロマもま~・・滅茶複雑です。白や黄色の果実、柑橘・・なんて大抵の場合はそんな表現をしていますが、花梨や蜜など、ちょっと甘みを感じさせるノーズがハッキリ混じり、しかしドライな酒質と滅茶合っていて・・何とも複雑な香りと味わいがします。きっと随分と良い畑なんだろうと・・想像しています・・モンタニー・レ・ザルシュールの畑と言うことで、シャトー・ド・シャヴァヌの畑は改植中らしいのでピュフネイから譲り受けた畑?・・かもしれません。
また、リリースされているアイテムには「サヴァニャン」と「サヴァニャン・ウイエ」と両方有りますが、
「品種はどちらも同じサヴァニャン」
です。サヴァニャン・ウイエと言う品種では無いんですね。ウイエはウイヤージュの意味・・つまり、
「補酒したピュアなサヴァニャンのワイン」
と言う意味です。「ウイエ」が無いとしますと、基本はウイヤージュしていないサヴァニャンを含む・・と思ってください。
ただし!・・ウイヤージュをしているからと言って、産膜酵母が絶対に動いていない・・と言う保証は無いんじゃないかとも思いますので、やはりその辺は誰かに飲んでもらわないと判らないかなぁ・・などとも!・・この素晴らしいダンジェルヴィーユならではのウイヤージュを回避した(含むとするなら・・らしい?)高貴なサヴァニャン、飲んでみて下さい。希少です!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶複雑で官能的なサヴァニャンの美味しさに、白ワインとは思えないほどのボディ感覚が備わった素晴らしい味わいです!】
2018年もののダンジェルヴィーユ、ドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、余りに数が無く、ほぼ飲まなかったんですが・・今になって思えば失敗したなぁ・・飲んでおけば良かったと思っています。
それほどまでに2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは感動的で、魅力に溢れる素晴らしい味わいをしていました。その変化を見るためにも、リリース時に何とか飲んでおくべきだったと反省しています。
なので、2018年もののレヴューは出来ませんが、それでも2019年ものを少しだけピュアな方向に持っていった感じ・・そのように想像しています。価格もその分でしょうか、少しだけリーズナブルです。
2019年の、まぁ・・「オレンジワイン風」でしょうか、マセラスィヨン・ペリキュレールです。ビオ系の白ワイン生産者がさかんに使用している赤ワインと同様に果皮を漬け込むやり方です。
この果皮浸漬を行った白ワインには、So2 を使いたくない性でしょうか・・生産者に寄っては、ほとんど「ミイラ」みたいな、果実感が失せ干からび過ぎた果実のようになってしまっているものも散見されます。ただし、結構に果実感は失せているのに、それでも精妙な果実エキスのニュアンスから、複雑で心地良い味わいを見せるものも有りますので、いきなり全てを否定するものではありません。
ドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンのこのキュヴェは、心地良いタンニンの膨らみが、まるで黒葡萄による赤ワインのような「ボディ」を感じさせてくれます。タンニンの質も良く、決して口内を刺激するようなものでは有りませんで、適度に膨らんでくれ、フルーツ、ドライフルーツのニュアンスを官能感を込めてしっかり伝えてくれますので、ミイラなどとはとっても言える部類のものでは有りません。
高貴なニュアンスだけを見れば、むしろボディ感覚の素晴らしさと、相当に粘性を感じる味わいから、
「新しい白ワイン?」
的に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
それに加えて、サヴァニャン種が持つ素晴らしくも複雑な入り組んだ味わい組成・・これがもう、単なるフルーツ、ドライフルーツでは無くしてしまうし、しかも相当に官能的ですので、それらの果実が完熟感を持って感じられるんですね。
素晴らしい果皮浸漬のサヴァニャンでした!・・流石、ダンジェルヴィーユ・・いや、ダンジェルヴィーユだからこそ、ブルゴーニュの気品を持った果皮浸漬のサヴァニャンを造り出せたのかと思います。
これは是非白ワインファンには飲んでみていただきたい・・でも、
「オレンジワイン、有りますか?」
と、単に流行りのものを追いかけている方にはちょっと向かないかもしれません。でも白ワインファンの方々には飲んでみていただきたいなぁ!・・そう思う見事な味わいでした。お勧めします。
● 2022 Arbois Savagnin Ouille Grand Curoulet
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ・グラン・キュルレ
【むっちりとぶ厚く・・果皮さえネットリしているんじゃないかと思えるほどに濃密です!「・・サヴァニャン・・旨い!」とおっしゃる方が増えている、その意味がお判りいただける「素のサヴァニャンの最高峰」でしょう!】

サヴァニャンって、ワインを良くご存じの方ほど、ハマる品種だと思うんですね。
たしかに、シャルドネのニュートラルな味わいは、どんな人も「美味しい!」と理解できると思うんですね。
でもサヴァニャンって・・どうでしょうか?・・シャルドネの素直さに対し、産膜酵母を動かさない「素」の状態でも・・どこか、
「一発捻れてる?」
と感じる訳です。
ハッキリとした言葉では言い辛いんですが、マセラシオンして果皮抽出せず、収穫してからすぐ圧搾してしまうのに、
「果皮からのヒネリの効いた香りと味わいが抽出される?」
んじゃないかと・・(^^;; noisy は勝手に思っています。
その「ヒネリ」は、何となくどこか懐かしくも有り、高質でもあり・・飲んでしまって何もなくなっているのに、何かずっと良い感じが残っている感覚が有るんですね。
それがさらに深まるのが、「産膜酵母由来の要素や表情」であると・・思います。

それが良く判るのが、このグラン・キュルレのサヴァニャンとシャルドネの比較です。
2022年のグラン・キュルレ・サヴァニャンは・・とんでもなく高質です。しかもサヴァニャンならではの口内でのヒネリ・・いや、振る舞いと言い換えましょうか・・アロマと味わいがなせる業が、
「シャルドネのとことん素直な美しさとは異なる」
と感じます。つまり、中高域の香りの中に、高尚なアロマと味わいがヒネリを効かせたかのように存在しているように思います。
エネルギッシュで密度が高く、単に・・糖分をアルコールと炭酸ガスに変換しただけではない・・それ以外の要素の素晴らしさを感じます。もっと言ってしまえば、
「産膜は動いていないのに、それがほんのりと効いているかのように感じるアロマと味わい!」
と言うことでしょうか。
満ち溢れた味わいの中に、キラキラと・・いやヒネヒネでしょうか・・それがもう、素晴らしく良いんですね・・是非体験してみてください!
その部分を除いたとしてもワインとして非常に高質であり、ポテンシャルが相当高いです。超お薦めします!凄いサヴァニャンです!
以下は以前のレヴューです。
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【ピュア系サヴァニャンの最高峰!?・・そしてナチュラル感もバッチリ!・・エキセントリックじゃない美味しいサヴァニャンを是非ご賞味ください!】
・・太いですね~・・味わいが太い!・・そして凄く輝いています!グラン・キュルレのサヴァニャンです。
おそらくここは、現在、佐渡にお住まいのジャン・マルク・ブリニョさんが持っていた畑だと思います。サヴァニャンもシャルドネも有りますのでご注文の際はお間違いの無きよう・・。
単純に2019年ものよりも2020年ものの方が、全てのキュヴェで色合いは濃いです。アルボワの地の葡萄にドメーヌが凄いスピードで進捗、適応しているのが伝わって来ます。「凄み」が備わって来たんですよね。2019年も凄く良いヴィンテージだったと思うんですが、2020年ものはその上を行っていると感じます。
同じ畑と言うことなのでしょうから、グラン・キュルレはサヴァニャンとシャルドネの2種有ります。同じ畑だから・・似た部分も勿論、有ります。しかしその品種の違いや、植わっている畑の場所の個性?・・みたいなものも有るのでしょう。
この2種は同じように「ド太く、そしてふんわりと良く香る」と言う点で似ています。そしてこのサヴァニャン・ウイエは・・アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール の渋みや厚みみたいな部分は無いんですが、ちょっと近いようなイメージが有ります。

柑橘果実、果実のニュアンスは非常にしっかりしています。複雑さや変化振りも半端無いです!膨らみもバッチリで・・言うことは有りません。
ある意味、サヴァニャンのペリキュレールよりも高価なんですが、全く違うようでいて・・結構近いようにも思えてしまう不思議さが有ります。その上でやはり強く感じるのは、
「エレガンスと高貴さ」
かな・・と。
ヴィンテージを追う毎にダンジェルヴィーユを強く感じて来ているように思います。ちょっと写真が暗くて申し訳在りませんが、凄く深く輝いています。こちらも数日掛けて楽しませていただきました。・・強いですね~・・ふんわりとふくよかなニュアンスは、
「いずれ硬くて平坦になるかもしれない・・」
と思っていましたが・・
「ほとんどなりませんでした!」
数日間(1週間ほどです・・)でしたが、いつでも美味しく飲めてしまったんですね・・ビックリです。相当ポテンシャルも高いと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【サヴァニャンの複雑に織り込まれたような美味しさ、そして妖艶さをダンジェルヴィーユ的な高い気品と共に味わえる逸品です!】
これは素晴らしい!口入れで張りは漲るように口内に満ち、ホロホロと崩れながら・・また口内の感覚器官を細やかに揺らし、濃密な果実感覚を覚えさせつつ、美しい減衰を見せつつ、ノーズから官能感を覚えさせられる・・そんな感じです。
まぁ・・言ってしまえば、ダンジェルヴィーユのパワフルで滑らかなムルソー=サントノをもう少し細やかな表情に持って行ったような感じで、むしろムルソー=サントノの方が直情的じゃないか?・・などとも思ってしまいます。もっとも、底から湧き上がるかのようなムルソー=サントノの力強さがこのグラン・キュルレには有りませんが、もう少しだけ腰高にした部分からの凄い表情もムルソー=サントノには有りません。
じゃぁ、なんで似ていると思ってしまうのか?・・ですが、そこはやはり、「ダンジェルヴィーユらしさ」なのでしょうね。まだ始まったばかりの頃のドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、余りダンジェルヴィーユらしさは感じなかったものですが、
「このワインはサヴァニャンでは有るけれど、しっかりダンジェルヴィーユの影を感じる味わい!」
であると思っています。
noisy 的には、今後、ジュラやアルボワ、サヴォワのサヴァニャンは世界を席巻するんじゃないか・・と想像しています。そもそもすでにそんな感じが取れますよ。結構にエージェントさんは、
「ジュラ、売れないと思っていたんですが最近は入るとすぐなくなっちゃうんですよ。」
などと何度か聞きました。
Noisy wine でも結構にその傾向は有りまして、以前から・・40ケースも売れた某ワインも有るくらいですから・・はい。
2018年ものは例によって・・飲めてはいません。ですが2019年ものは圧巻でした!・・おそらくこのサヴァニャン・グラン・キュルレがトップ・キュヴェになるかと思いますが、それだけの存在感をしっかり感じさせていただきました。是非飲んでみていただきたいと思います。お勧めします!
● 2019 Arbois Savagnin Sous Voile
アルボワ・サヴァニャン・スー・ヴォワル
【激レアです!・・通常のサヴァニャン・ウイエと同じですが、ウイヤージュ(補酒)を2週間に1度ほどに控え、酸膜酵母を動かし複雑性と濃密度を高めた限定ワインです!】-----すみません、レア過ぎて飲めませんでした。産膜系です。
2021年のペリカンは本当に少なく、呆れるほどしか入って来なかった訳ですが、こんなレアものも混じっていました。サヴァニャン・ファンには堪らない逸品じゃないでしょうか。
そもそも2021年のサヴァニャン・ウイエは、
「たまたま・・ヴィンテージ背景でそうなったのかもしれないが、計り知れない奥深さと濃密さを持っている」
と言う、飲むのと飲まないのとでは余りに隔絶された認識になってしまうほど・・素晴らしい集中力と複雑性を持っています。
こちらは通常のウイヤージュの回数では無く、2週間に1度ほどと言うことで・・おそらくこれは、
「酸膜酵母の活動をある程度制限する」
ことを目的にしたと思われ、産膜酵母由来のフロール系の香りが有る程度抑えられた上で、産膜酵母由来の濃密なアロマと味わい、複雑性を得ていると思われます。
本来であればnoisy も飲むべきかと思うんですが・・すみません・・2本だけですので、どこかで機会を得て飲める期待をしたいと思います。ご検討くださいませ。
以下はサヴァニャン・ウイエの以前のレヴューです。このワインとは異なりますのでご注意ください。
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【ピュア系サヴァニャンの最高峰!?・・そしてナチュラル感もバッチリ!・・エキセントリックじゃない美味しいサヴァニャンを是非ご賞味ください!】
・・太いですね~・・味わいが太い!・・そして凄く輝いています!グラン・キュルレのサヴァニャンです。
おそらくここは、現在、佐渡にお住まいのジャン・マルク・ブリニョさんが持っていた畑だと思います。サヴァニャンもシャルドネも有りますのでご注文の際はお間違いの無きよう・・。
単純に2019年ものよりも2020年ものの方が、全てのキュヴェで色合いは濃いです。アルボワの地の葡萄にドメーヌが凄いスピードで進捗、適応しているのが伝わって来ます。「凄み」が備わって来たんですよね。2019年も凄く良いヴィンテージだったと思うんですが、2020年ものはその上を行っていると感じます。
同じ畑と言うことなのでしょうから、グラン・キュルレはサヴァニャンとシャルドネの2種有ります。同じ畑だから・・似た部分も勿論、有ります。しかしその品種の違いや、植わっている畑の場所の個性?・・みたいなものも有るのでしょう。
この2種は同じように「ド太く、そしてふんわりと良く香る」と言う点で似ています。そしてこのサヴァニャン・ウイエは・・アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール の渋みや厚みみたいな部分は無いんですが、ちょっと近いようなイメージが有ります。

柑橘果実、果実のニュアンスは非常にしっかりしています。複雑さや変化振りも半端無いです!膨らみもバッチリで・・言うことは有りません。
ある意味、サヴァニャンのペリキュレールよりも高価なんですが、全く違うようでいて・・結構近いようにも思えてしまう不思議さが有ります。その上でやはり強く感じるのは、
「エレガンスと高貴さ」
かな・・と。
ヴィンテージを追う毎にダンジェルヴィーユを強く感じて来ているように思います。ちょっと写真が暗くて申し訳在りませんが、凄く深く輝いています。こちらも数日掛けて楽しませていただきました。・・強いですね~・・ふんわりとふくよかなニュアンスは、
「いずれ硬くて平坦になるかもしれない・・」
と思っていましたが・・
「ほとんどなりませんでした!」
数日間(1週間ほどです・・)でしたが、いつでも美味しく飲めてしまったんですね・・ビックリです。相当ポテンシャルも高いと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャンの複雑に織り込まれたような美味しさ、そして妖艶さをダンジェルヴィーユ的な高い気品と共に味わえる逸品です!】
これは素晴らしい!口入れで張りは漲るように口内に満ち、ホロホロと崩れながら・・また口内の感覚器官を細やかに揺らし、濃密な果実感覚を覚えさせつつ、美しい減衰を見せつつ、ノーズから官能感を覚えさせられる・・そんな感じです。
まぁ・・言ってしまえば、ダンジェルヴィーユのパワフルで滑らかなムルソー=サントノをもう少し細やかな表情に持って行ったような感じで、むしろムルソー=サントノの方が直情的じゃないか?・・などとも思ってしまいます。もっとも、底から湧き上がるかのようなムルソー=サントノの力強さがこのグラン・キュルレには有りませんが、もう少しだけ腰高にした部分からの凄い表情もムルソー=サントノには有りません。
じゃぁ、なんで似ていると思ってしまうのか?・・ですが、そこはやはり、「ダンジェルヴィーユらしさ」なのでしょうね。まだ始まったばかりの頃のドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、余りダンジェルヴィーユらしさは感じなかったものですが、
「このワインはサヴァニャンでは有るけれど、しっかりダンジェルヴィーユの影を感じる味わい!」
であると思っています。
noisy 的には、今後、ジュラやアルボワ、サヴォワのサヴァニャンは世界を席巻するんじゃないか・・と想像しています。そもそもすでにそんな感じが取れますよ。結構にエージェントさんは、
「ジュラ、売れないと思っていたんですが最近は入るとすぐなくなっちゃうんですよ。」
などと何度か聞きました。
Noisy wine でも結構にその傾向は有りまして、以前から・・40ケースも売れた某ワインも有るくらいですから・・はい。
2018年ものは例によって・・飲めてはいません。ですが2019年ものは圧巻でした!・・おそらくこのサヴァニャン・グラン・キュルレがトップ・キュヴェになるかと思いますが、それだけの存在感をしっかり感じさせていただきました。是非飲んでみていただきたいと思います。お勧めします!
● 2016 Arbois Vin Jaune in Wooden Box
アルボワ・ヴァン・ジョーヌ・木箱入
【ジュラ、アルヴォワの極致と言ったら「ヴァン・ジョーヌ」。デュ・ペリカンもしっかり・・2016年から産膜酵母を動かして仕込んでいました!ファースト・ヴィンテージです!】

しっかりご丁重にも木箱に入れられた640MLのご当地ボトルがまぶしい、デュ・ペリカンのファースト・ヴィンテージのアルボワ・ヴァン・ジョーヌです。
そりゃぁ御大もこの地でワインを造るなら、「ヴァン・ジョーヌ」を造りたいと思うはずだと思っていましたが、やっぱりしっかり造っていたんですね・・。
ご存じない方には簡単に説明させていただきますが、通常はワインを仕込みますと、3日とか1週間とか・・の間に樽から蒸発して減った分を同種のワインで補填し、酸化を防ぐ「補酒=ウイヤージュ」と言う作業が有ります。
この作業により直接空気に触れる時間を減らし、酸化を避け、また好気性の菌の繁殖を防ぎます。
ですが、アルボワやジュラではこの補酒をしないで・・
「経るに任せてしまう」
方法でサヴァニャンを仕込むんですね。
そうしますと、樽の中の仕込み中のワインの上部に「産膜酵母」が繁殖し、酸素を遮断すると共に、産膜酵母由来のとんでもないほどの複雑性に加え、その生成物をワインの中に取り込むことが出来ます。

もちろんですが、減るに任せてしまいますから・・ワインはどんどん減って行きますので、
「それだけでもワインは濃密になる」
と言えますよね。まぁ・・アパッシメント(葡萄の陰干し)を醸造中に行うみたいなものでしょうか。
そうして長年掛けて出来たヴァン・ジョーヌは、まさに濃い「黄色をしたワイン」であり、性格的に非常に強いワインであり、産膜酵母由来の独特のフロールの香りがします。
この2016年のヴァン・ジョーヌもまた、性格的に強いです。アルコール分も高目で、複雑性に富み、フロールの香りはやや抑えめですので・・そこは飲みやすい方に振っていると思いますが、おそらく・・
「最低でもあと30年は平気で持つ!」
と断言できるほどのパワフルな性格は間違いありません。
「・・2016年ものですが・・それでもそうなの?」
と思われるかもしれませんが・・まったくもって・・「はい」としか言いようが無いです。
そして・・そんなワインですから・・
「エナジーが半端無い!」
です。
だからこそ、
「コンテチーズに合わせてどうぞ!」
とも良く言われる訳ですね。

逆説的に言いますと、強い性格のチーズに合うワインは、
「ヴァン・ジョーヌしかない!」
とも言えるかもしれません。
まぁ・・適度にマリアージュ可能なワイン・・と言うことであるならば、多くのワインが合格するでしょう。
でも「合う」と言うことになってきますと、同じように性格的にパワフルでエネルギーに満ち溢れているヴァン・ジョーヌか、もう一つ可能性があるとするなら、その有り余る甘みと、どこかヴァン・ジョーヌとも香りの共通性のある「貴腐葡萄による白ワイン・・ソーテルヌ系」でしょうか。
ですので、普通にお食事に合わせるとなりますと、2016年ものではまだまだ「ひよっこ」ですから、ちょっと厳しいかな・・と思います。
なので、ビスケットにお好きなチーズをのせて・・このまだ仕上がり途中のヴァン・ジョーヌを手で少々温めつつ・・もしくは逆に冷やすと言う手も有るかもしれませんが、「チビチビ」と口に含ませて楽しまれるのが「吉」だと思います。
もしくは・・ハードリカーなどもたしなまれる方には、この唯一無二のアロマとエナジーを持つワインを、お好きなハードリカーの楽しみ方で飲まれるのも良いかと思います。
ダンジェルヴィーユさんが初めてリリースした「ヴァン・ジョーヌ」です。きっとこれからずっと・・歴史を刻んで行くのでしょう。その初めてのページのヴァン・ジョーヌです。長く保存し、子孫に渡すのも良いんじゃないかとも思います。
● 2022 Arbois Trois Cepages
アルボワ・トロワ・セパージュ
【】

設立からちょうど10年目の2021年、デュ・ペリカンは厳しい自然を受け入れて、たったひとつの赤ワインを造りました。それがこの・・
「トロワ・セパージュ(3つのセパージュ)」
です。
アチコチにある畑から収穫できた黒葡萄を全て合わせて造った訳ですね。それほどに厳しいヴィンテージだったんです。
しかし、その時に生まれたワインは、その厳しい自然の洗礼を受け、生き残った良質な葡萄で造られた性だと・・noisy は思っていましたが、どうやらそれは間違いだったようです。
2022年ものは11年目と言うことになろうかと思うんですが、当然ながら植え替えた葡萄は育って、濃密な葡萄を生むようになっています。
その上で、デュ・ペリカンも土地に馴染んで来て、何をどうしたら良いのかと言う対応力が激増したんじゃないかと思うんですね。
ですので、始まった頃もそうですが・・この2020年もの辺りからのデュ・ペリカンのワインは、大きく変わって来たと言えると思います。
2022年はヴィンテージ的にとても良いと感じさせる見事な出来で、まったくの「エキス系」で残糖的甘みは全く無い・・見事なエキスです。

その上で濃密なエキスに仕上がっていまして、赤い果実を中心にやや黒味を持った果実、そしてエレガントに香るアロマには、優しい香草やスパイスの伸びやかなノーズが有り、物凄くピュアなんですが・・どこか官能感が感じられる見事な出来です。果実はベリーやチェリーが中心ですが、
「小さな果実の集合体が雅に香る!」
的なニュアンスです。
その昔、ペリカンでは無くキツネのエチケットの・・そう、フィリップ・ボールナールのアルボワ・ピュピランが美味しくて、ずいぶんと扱わせていただいたものです。フィリップが来日されるとのことでインポーターさんにお招きいただき、楽しい会を催していただいて同席させていただきました。何だかフィリップは・・「ギターを弾きながら歌いたい」とのことだったので、noisy も昔取った何とか・・で、リード&サイドギターを即興で合わせて・・結構、ウケたんじゃないかと思ってます。その後はフィリップのアルボワのワインがオオウケになってしまいまして・・ケース単位で入って来たものが6本になり、2~3本になり・・と言うことで、とても Noisy wine のスタイルとは合わなくなって来たので、扱いが終了してしまったのは残念でした。
今や・・どうなんでしょ、彼の息子さんが継いでいるようですが、フィリップもまた出張って来ているとのことで、扱いは無いもののちょっと嬉しかったりします。美味しかったですよね・・フィリップ・ボールナール・・今はずいぶん高くなったように思います。
やはり長く醸造していると、何をどうしたら良いのかが理解できるようになると思うんですよね。そしてそれが結果的に良いワインを生めるようになり、それを飲んだ我々が、その見事な味わいに惚れてしまう・・そんな流れだと思います。
デュ・ペリカンの場合はダンジェルヴィーユさんですから、ブルゴーニュでの歴史に名が残っている名家でもあり経験の蓄積が有りますから、たった10年ほどでこのトップレベルにまで登れることが出来た・・そう考えています。
もちろん、デュ・ペリカンの白も濃密になって滅茶美味しいですが、赤も・・もう・・この見事な色彩をぜひご覧ください!・・グラっと来ちゃうんじゃないかと思います。
noisy 的にはもちろん、このトロワ・セパージュ2022は過去最高の仕上がりだと感じています。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【2021年、たったひとつだけ造られたドメーヌ・デュ・ペリカンの赤!・・集中した出来のエキスが香り出すと凄い芳香!・・ブルゴーニュファンも驚く美味しさです!】
何と言うヴィンテージなのでしょうか・・。
「2021年は不幸なヴィンテージ」
と、おそらく多くのメディアに烙印を押されることになっているのでしょう。でもそれは本当に正しいでしょうか?
noisy は、多くのメディアが「オフ」だと言い、まともにテイスティングさえもしなかったヴィンテージでさえ、素晴らしいワインに出会って来ています。
安易かもしれませんが、ピンチはチャンスでもあるんだと・・思うんですよね。そこに消えることのない闘志と弛まない努力、そして道を外さないビジョンが有れば。
2021年のペリカンは、黒葡萄をすべてこの「トロワ・セパージュ」に投入しました。そして持っているものを全て・・ここに投入し、生まれたのが2021年のトロワ・セパージュです。
ダンジェルヴィーユもまた・・不遇の時代を過ごしていた時期が有ったはずです。noisy 的には2007年頃までは・・
「・・ん・・まぁ・・スルーで良いかな・・」
と思わざるを得なかったと認識していますがそれ以降は、
「こりゃ・・是非とも扱いたい!」
と、コロッと前言撤回した訳ですよ。申し訳ないが、乾いてテクスチュアがイマイチの・・まぁ、少し熟成すればそこそこに美味しくなるものの、リリース直後は良さは見えても・・と思っていたものが、濡れて官能さを奥に閉じ込め、滑らかで柔らかなテクスチュアと、エキスの美しい味わいと繊細さが感じられるワインに大変身していた訳です。飲めば否定派も、
「ダンジェルヴィーユ復活!」
を誰もが肯定したはずなんですね。クロ・デ・デュックと言う畑はとんでもなく偉大だと・・思い知らされました。そんな時期も有ったダンジェルヴィーユだからこそ、この厳しかった2021年ものに・・
「奇策を用いず、とことん正統な手法で向かい合った」

そう感じられるのが2021年です。
2019年ものとの写真を比較してみても、色合いも、しっとり感も・・エキスの集中度さえも・・伝わってこないでしょうか。1枚目の写真は思いっきり寄って・・撮りました。
やや暗めの色彩から、まだ完全解放には向かってはいないだろうエキスの集中度が見えます。今飲んでもこのエキスのエレガンスと旨味は涎が出て来ます。もしこのワインがブルゴーニュワインだったら、
「思わず購入ボタンを押してしまうかも・・」
と思われるかもしれませんが・・すみません・・ジュラでも結局、美味いものは美味いですからどうぞそのまま押してください・・(^^
良く無いと言われたから2021年は控える・・と思われていらっしゃるようでしたら、それはもう・・自身でワインを面白く無い方向に持って行っているだけのような気がします。海外メディアを含め、メディアは余りアテにはなりません。どこかで利権とか、何かしら別の力が動いていないとも限りませんし、何よりも自身の好みだけでポイント付けする方が多いと・・感じます。まぁ・・noisy にしても自身の仕入れの関係とか、どこと仲が良いとか悪いとか・・も抱えている訳ですから、他から見れば、
「・・そういう絡みでしょ?」
と穿った見方をされることも有るでしょう。
ですが基本、自身の好みは抑えて評価をすることをずっとやってきましたので・・いや、時折抑えきれないことも有るかもしれませんが、出来るだけ公平な評価をするように心掛けています・・出来ているかどうかは別にして。
でも、写真って・・誤魔化しが効かないんですよ。色を弄ってしまうともう・・結果が滅茶苦茶になりますから・・やや暗いものを明るくするだけ・・その程度に留めないとならない訳ですね。
飲んでみてください。タイミングで硬いこともあるかもしれませんが、トロワ・セパージュですから3つの品種の混醸です。どれか一つでも頑張ってくれれば美味しく飲めますし、二つが開いてくれたら相当旨いし、全部が時解放されれば凄いアロマになるでしょう。希少な2021年、お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年(まで)の超ピュアで超繊細な味わいと、まるでダンジェルヴィーユのヴォルネイを彷彿させるふくよかさと密なテクスチュアの2019年!・・どうしてここまで違う!?】

え~・・上の写真が2019年、下の写真が2018年ですが、
「奇跡的に同じような角度で撮れた写真から、まったく異なる見え方が判る!」
noisyが言いたいことを代弁してくれるはずの見事な出来映えで撮れています・・いや、そこは2019年が妖艶さも有って、ちょっと、エマニュエル・ルジェが混じった?・・みたいな仕上がりで美味しい!・・と言うべきなのかもしれません。
しかし決して2018年ものの「トロワ・セパージュ」がダメ・・と言うことでは無く、今までのペリカンの「超ピュア・超繊細路線」をそのまま継承して来た集大成としての味わいがします。
なので、絹を織り込んだかのようなビロードのテクスチュアから、トロワ・セパージュ...3つの品種がそれぞれ織りなす複雑なテイストがピュアに感じられますので、今飲んでも..、まぁ..ほんのりと硬さは有るものの、時間の経過と共に徐々に膨らんでくれますから、
「少し複雑性に富んだミネラリティ豊かなピノ?」
みたいな感じで美味しく飲んでいただけると思うんですね。

一方、2019年もののトロワ・セパージュは、どこか直線的な印象から始まり複雑性を垣間見せる2018年ものとは、相当に違います。
他の「ペリカン」のコラムでも散々書いていますが、
「2019年ものはペリカンは超絶に妖艶!」
です。まるでエマニュエル・ルジェが乗り移ったかのようです・・まぁ、それでも総じて「ペリカンの赤」は「ペリカンの白」よりも大人しい妖艶さでは有ります。
上の写真を是非下の写真と見比べてみて下さい。下の2018年ものは、やはり基本がピュアですから、「真っすぐな性格」に見えると思いますが、上の2019年ものは・・「深遠なグラデュエーション」をしていますよね?
黒みがまるで美しくも透明なルビーを侵食しているかのようでも有ります。それでいて、「エッジ」は2018年ものと同様な淡いルビーが美しい・・。今もまたエレガントな妖艶さが良く香り、実に美味しく感じていただけるんじゃないかと思っています。勿論ですが、「今が飲み頃」の訳はなく、3年ほどで高みに到達し、変化しながらもそこから10年以上の長きに渡って魅了してくれると想像します。
いや・・アルボワ、サヴォワは昨今大注目の地域ですが、昨今のペリカンからはもう目が離せないと思いますよ。飲み方の基本は、
「早めに飲むのはペリカンの白、ちょっと置きたいペリカンの赤」
です。
でも、「ちょっと置きたいペリカンの赤」では有りますが、2019年ものを1年寝かせるので有れば、さっさと飲んだ方が良いし、2018年ものを1年寝かせられるのであれば、そうされた方が、「より良い結果」になろうかと思います。
トロワ・セパージュ、2018年(まで)と2019年の違いも相当にあって非常に美味しかったです。数はいただけないので・・有るだけで終了です。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2022 Arbois Poulsard
アルボワ・プールサール
【濃度がしっかりなクロ・サン=ローランとは真逆の性質?・・劇的にチャーミングで淡く、しかしちゃんと骨格と肉がバランスしています!スレンダーな超エキス系ピノ・ノワール・・が一番イメージに近いかも!】---すみません、3本だけです。以前のレヴューを掲載しています。

決して煮立たせないようにして上質な出汁を取る和食のテクニックのような感じでしょうか。それも、
「これでもかっ!」
位の沢山の本枯節・・まぁ、noisyなら勿体ないから3番出汁位まで取っちゃいそうですが・・。
こんな系統のワインは、noisy は結構に好きなんですよね。色合いは強く無いし、タンニンや僅かな甘さに守られた果実も無いハードボイルドなドライさ、でもエキスが凄くしっかり有って旨味は人一倍、余韻にも美味しさが漂い、そこからまたノーズに却って来る果実のアロマが何とも言えない・・みたいな。
この間の2017年ペルナン=ヴェルジュレス / マリウス・ドラルシェは、時間が経つほどに、
「美味しいですね・・もう無いですか?」
と・・随分言われました。
「すみません・・終わっちゃったんですよ・・」
と返すしか無かったですし、何せ・・ピッキングミスで違うアイテムをお送りしてしまったり、何度も在庫数と出荷表の数を数えては・・と大変でしたが、誰がやったにせよ全てはnoisyの責任ですから・・その際は大変ご迷惑をお掛けしました。
で、そのペルナン=ヴェルジュレスとちょっと被るなぁ・・と。

もっとも、構造の骨格自体はこちらのプールサールの方がしっかりしているかな・・と思うんですね。当然ながらまだ若さも有りますんで、フレッシュな魅力が有ります。
皮の非常に薄い葡萄だと思われ病気には弱そうですが、この実に良い健康さとエレガントなエキスからの美しい果実表現がまたそそるんですね。
ペリカンの泡m「S」のコラムでも書きましたが、ジャン・マルク・ブリニョやピュフネイの畑からの葡萄がデュ・ペリカンで使われている訳ですし、長い歴史を持つダンジェルヴィーユならではの醸造技術も生きている訳で・・もう、これからのデュ・ペリカンは目が離せないようになるんじゃないかと思います。
なお、たった3本だけの入荷なので・・お早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【グラスの写真が物語る2018年(まで)と2019年の違い!・・超妖艶さを得た2019年と超ピュアな2018年!可能なら是非飲み比べてみて下さい!】
プールサールと言う葡萄は余り馴染みが無いかもしれませんが、noisy のお客様にはとても多いピノ・ノワールファンの方には、
「全く問題がないと思われるほど繊細でピノっぽい」
と思います。まぁ、細かいことを言い出せばキリは無いですが・・。
で、上の写真が2019年で、下が2018年です。以前のレヴューを読んでいただけましたらお判りかと思いますが、
「2018年までは超ピュアで超繊細!」
なスタイルです。
そして2019年ものは、さらなる密度の上昇と共に、「エレガントな妖艶さ」を得ています・・これが・・以前のものと相当に違う!・・と言いたい部分なんですね。ちょっとルジェが入っちゃった感じ・・でも有りますし、もう少し正確に言うなら、
「マロラクティック発酵(二次発酵..実際には発酵では無く、酸っぱみのあるリンゴ酸系を乳酸系に変換させる)の相当な深さが2019年ものには有る」
と言うことでしょう。

近年のエマニュエル・ルジェほどには、ペリカンの2019年の赤はマロは深くはないですが、ペリカンの2019年の白は「滅茶苦茶深い!」掛かりです。なので、ある意味・・その2019年もののペリカンの美味しさを簡単に理解するには、
「ペリカンの白を飲んでみる」
のが良いです・・ちょっと感動ものの深~~い味わいです。
赤の方は・・実際にはマロも充分に掛かっているんですが、アルボワの地のマンモスな量のミネラリティゆえでしょうか、そこまで簡単には判らないんですね。
でも、2018年ものと2019年もののこのプールサールを比較してみますと、明らかに違う・・。超繊細でピュアな2018年ものの美味しさと、そこに存在している美しい酸を妖艶に、ふくよかに変え、繊細さはそのままにした2019年もの・・です。
いや・・これは相当に楽しいですよ。ブルゴーニュファンの皆様にも、充分に楽しんでいただけると思っています。是非・・トライしてみてください。
「ドメーヌ・ペリカンから目が離せない!」
超お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2022 Arbois Clos Saint-Laurent Pinot Noir
アルボワ・クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール
【激旨!・・ダンジェルヴィーユらしい・・「貴族の余裕」?・・みたいなゆとりと気品にしっかり濃度が出た、実に旨いピノ・ノワールです!】---すみません、こちらも激少で飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

まぁ・・ハッキリ言ってしまえば、2007年頃までのダンジェルヴィーユには余り魅力を感じていませんでした・・いや、いろんな意味ですみません・・まぁ、だから扱って無かった訳でも有ります。
ですが2008年頃からだったと記憶していますが、
「・・あれ?・・変わった・・よなぁ・・?」
と、明らかに上質な味わいになった瞬間があり、そこからはダンジェルヴィーユの大進撃が始まる訳なんですよね。そしてそれがヴォルネイ復活の狼煙ともなったんじゃないかとも思っています。
で、いまさらこのクロ・サン=ローランのテクニカルを読み返してみますと、
「櫂入れはせずに液循環」
って書いて有りますよね・・
そう・・これって、ある意味では「エマニュエル・ルジェ」と一緒なんですね。まぁ、ルジェは櫂入れは絶対にしない・・と言うことでは無いと思いますが、液循環が好きです。言ってみれば、
「以前のダンジェルヴィーユは抽出感がやや強く、その性でエレガンスが削がれ、平板になっていた」
とも言えるかもしれません。1990年代の強い抽出が求められた・・その幻影を追ってしまうことを続けていたのかもしれません。

テクスチュアは柔らかく、色合いは適度に濃いが、味わいが濃すぎるなどとは思えないエレガンス最優先の味わいです。
ドライだがふっくらと丸く優しく、なめらかでふんわりとしつつ、気品を感じる見事なアロマ、味わいで、
「クロ・サン=ローランこそデュ・ペリカンのルージュのトップ・キュヴェ!」
と言いたくなります。・・まぁ、前年のクロ・サン=ローランにもクロ・デ・デュックを持ちだしていますから、ちゃんとイメージは続いている・・そういう事なんでしょうね。素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【イメージはクロ・デ・デュック?・・横にも縦にも見事な膨らみと果実の充実さを見せる素晴らしいピノ・ノワールです!】
noisy のところには2019年ものが初のお目見えですが、実際には2018年ものからアルボワ・ピノ・ノワールから独立、リリースされている「クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール」です。
ドメーヌ・デュ・ペリカンの赤のトップ・キュヴェは激繊細な「プールサール」と思われますが、やはりこのピノ・ノワールによるクロ・サン=ローランは品種的に馴染みがある分でしょうか、また充実した果実のニュアンス、膨らみからでしょうか、実に美味しく感じられます。
やや黒みを帯びた中くらいのルビーは、輝きを見せつけ、やや官能的にも香ります。ふくよかなテクスチュアはダンジェルヴィーユのヴォルネイにも通じるようなニュアンスで・・いや、有る部分は「クロ・デ・デュック的」にも感じられてしまうのは、もしかしたら「贔屓目」によるものかもしれない・・とはしても、全くそれは感じられ無いとは言い切れないと感じました。
価格的にはダンジェルヴィーユの村名ヴォルネイの2/3ほどにも満たないですが、これは相当旨いですよ。そしてやはり「ダンジェルヴィーユ」を凄く感じさせてくれるキュヴェでも有ります。
そもそも2018年ものまでは、
「ダンジェルヴィーユが始めたアルボワ・プロジェクト」
では有っても、そこにダンジェルヴィーユの存在をワインから強く感じることは無かった・・と言えます(・・言いすぎでしたらすみません・・)。
ですが、2019年もののドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、アルボワ、サヴォワの土地のポテンシャル、土地の味わいに加え、ダンジェルヴィーユのワインが持つ高貴な風情をしっかりと感じられます。
そしてこのクロ・サン=ローランは、将来的には、ドメーヌ・デュ・ペリカンの看板として伸びて行くような・・そんな見事な風貌を味わいから想像出来てしまうニュアンスなんですね。
勿論ですが、今現状が最高の到達点だとは言えません。しかしながら、すでに大物感がビシバシ伝わって来る見事さを持ち合わせていますので、今でも充分楽しむことが可能でしょう。実際には3年後からが良い状態に入り、さらにはそこから5年後、ベストな状態になると思います。是非飲んでみて下さい。本性を見せ始めたドメーヌ・デュ・ペリカンのピノ・ノワール、トップ・キュヴェです。お勧めします!
● 2022 Arbois Trousseau Beranger
アルボワ・トゥルソー・ベランジェ
【素晴らしいです!滅茶高い質感・・そしてピュアネスの中にエレガンスを多く含む高貴な官能感!・・ぜひともご検討ください!】

「こう来るか~~!」
と思わずの声が出てしまったトゥルソーのベランジェ2022年です。
トゥルソーと言えば、どちらかと言えば「乾いたニュアンス」がする品種と言う認識でして、そこからの香草やスパイスの香りが特徴、低域は弱めで中高域中心の香り~味わいです。
やはりここ、アルボワはブルゴーニュも近いですから、ピノ・ノワールも造られています。誤解を恐れずに言ってみれば・・
「ピノ・ノワールの低域を弱め、中高域と高域をエレガントに強化したようなニュアンス」
です・・一般的な話しです。
ですがこの2022年のベランジェは、一嗅ぎして・・そのエレガントで濡れたアロマに驚き、一飲み・・口にして、その・・
「美しく精緻な味わいに驚く!」
と言うパターンを辿ることになります。

口内に入れた瞬間に、
「これは・・相当に質の良い葡萄を使い、しかも雑味になる成分をほとんど持っていない美しさが有る」
と感じます。
そこから徐々に膨らみを見せ、美しくまろやかなエキスからの・・口内からノーズに還流してくる高域のアロマに酔いつつ、美しい余韻へと流れて行きます。
「・・素晴らしい!・・トゥルソーでここまで・・なワインは初めてかもしれない」
と思えるレベルでした!
まぁ・・とは言え、3本しかないものの1本を飲んでしまったので、激推しするには数が無さ過ぎます。困った・・
現状は30~40分で少し閉じ気味になりますが、それでもキュッと締まったボディから様々な要素が出て来ますので美味しく飲めると思います。本領発揮は3~5年後からでしょうか。少なくて申し訳ありませんが、
「デュ・ペリカンの赤のトップキュヴェとしても行ける・・看板にも成りえるワイン!」
だと思います。飲んでみてください。超お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【繊細かつ複雑!スパイシー&ピュア!・・2018年までのドメーヌ・デュ・ペリカンのトップ・キュヴェ、トゥルソーの集大成です!】
二次発酵と言うのは実に面白いもので・・本来は、一次発酵が終わったキュヴェが気温の上がる春を迎えて乳酸発酵(二次発酵)が自然に起こる訳ですね。大昔は自然にそうなったと言われますが、昨今は人為的に行う場合が多いようです。そして、乳酸発酵の掛かりの深さは、温度管理の方法、その長さなどで変わりますので、
「ドメーヌによって結構ことなる」
訳ですし、キュヴェによっては、
「二次発酵をしない」
場合も有る訳です。
この2018年のトゥルソーは、ピュア時代のドメーヌ・デュ・ペリカンのものですので、二次発酵の深さはさほどでもなく、さりとて「していない」訳でも無く、適度な掛かりだと言えます。誤解を恐れずに言うとしてメオとルジェで代弁するなら、ルジェでは有り得ずメオだと言える訳です。
Noisy wine には2019年のトゥルソーは入荷しませんでしたが、テイスティングはしています。上の写真が2018年もの、下が2019年ものです。まあ、似た感じの色合いでは有りますが、2019年ものの方が黒みがしっかり入っていると見えるかと思います。

2019年ものはやはり乳酸発酵をよりしっかりやったような滑らかさが感じられる仕上がりです。2018年ものはもう少しピュアで、言ってみれば「酸はしっかり」したニュアンスですが、これ・・熟成してきますと・・そのピュアであるがため、より繊細さが助長され、そこに熟成の滑らかさが入って来ますので・・実に素晴らしい味わいになる訳です。
二次発酵では無いですが、たとえばエマニュエル・ルジェが造るニュイ=サン=ジョルジュやエシェゾーには、ジョルジュ・ジャイエ名のものが有りますよね?・・単に新樽使用と、古樽使用と言うだけでは無く、その味わいには相当違いが有る訳です。
新樽なら、穏やかな酸素供給が可能ですので、熟成時にまろやかさや官能さが加わりやすいです。古樽ですと樽の木の細胞は埋まってますから、ウイヤージュの頻度にもよりますが酸素供給はかなり遮断されます。この辺も、二次発酵のやり方の違いと関わって、その「官能感の違い」は変わってくると思うんですね。
ですので、官能感がより前面に出た2019年ものは早い段階から美味しく飲めてしまいます。2018年ものは1年熟成が長いので、ピュアな味わいがこなれ始めて来ています。
ですが2019年ものは、抜栓直後から相当に美味しいんですが、数時間経ちますとそれなりに締まって来ます。その段階の姿は微妙に2018年ものの今の姿に近いかもしれません。
そもそもトゥルソーは、超繊細なプールサールとピノ・ノワールの中間的な感じで・・いや、プールサールがピノ・ノワールの超繊細な部分を切り取ったかのような感じ?・・で、トゥルソーはピノ・ノワールの低域と高域をより強調したかのようなニュアンス?・・みたいな感じにnoisy は捉えていますが、
「似ている」
のは間違い無く、この3種を飲み比べればある程度判別できるとしても、そのうちの1つだけをテイスティングして当てることは、常にそんなことを続けているドメーヌの醸造担当でなければ結構に厳しいでしょう。
そもそもこのグラスの色合いを見ただけで、
「はい、ピノ・ノワール!」
と言ってしまいそうになりますよね?
良い出来の2018年、トゥルソー・ベランジェです。ドメーヌ・デュ・ペリカンの赤のトップ・キュヴェ、是非ご検討くださいませ。お勧めします!
● 2021 Arbois Savagnin Ouille
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ
【圧巻な美味しさ!・・凄みさえ漂わせる素晴らしきサヴァニャン!!・・2021年は奇跡のヴィンテージとも言えるかもしれません!】

激旨です!・・初めて飲まれた方はビックリされるんじゃないかと・・思います。この集中力は良く出来たモンラッシェにさえ届く・・いや、少なくともかなり接近する・・と思われます。その表情こそ微妙に異なりますが、密度と複雑性、果実表現の繊細さ、磨かれたかのようなミネラリティ・・そして完成度の高さが感じられます。
面白いので是非・・2020年ものの写真と比較してみてください。2020年ものも今までにない集中度、濃密さを見せて非常に美味しかったですが、すみません・・ちょっと比較にならないほど違うかもしれません。
2021年ものはもう・・その絵の中に「凄み」を湛えているように・・見えないでしょうか?・・存在感と言っても良いかもしれません。
アロマを嗅いだ時の・・何と表現したらよいのか・・口内に入って来た時もそう・・存在感の凄みと言うべきでしょうか。多くの量を飲み干すと言うよりも、少量を愛でながらゆっくりゆっくりと味わう・・そんなスタンスを要求されているように感じられるかもしれません。
これはもう、ジュラのサヴァニャンならではの「味わい深さ」かと思うんですね。もしブルゴーニュ・シャルドネで同じようなニュアンスに仕上げるとするなら、ごく一部の極上の畑が由来でなければならないと思わせます。

余りの濃密さゆえか、もしくは酸膜由来か・・もしくは、
「ヴィンテージ由来の部分が大きいか?」
・・その辺りは判断しかねますが、ドメーヌによりますと、
「通常年の75パーセント減。サヴァニャンは1キュヴェに混ぜるしかなかった。」
とのことですので、最高に仕上がった葡萄さえもこの「2021サヴァニャン・ウイエ」に入っている訳です。
ですから、「ヴィンテージ由来の美味しさ」も50パーセントほどはあるんじゃないでしょうか。2021年サヴァニャン・ウイエは、
「奇跡のヴィンテージ!」
と言えるのかもしれません。
繰り返しになりますが、収量を落とす結果になったので密度は高くなり、ウイヤージュをそれなりにやったとは言え、ほんの僅かには酸膜が動いた形跡が見受けられ、本来は上級キュヴェに使用される葡萄さえも一つのキュヴェに仕立てざるを得なかった・・これだけでも、
「奇跡のワイン!」
だと想像できるはずです。是非飲んで・・驚いてください。そしてジュラと言う凄い生産地とサヴァニャンと言う凄い葡萄、認識していただけましたら幸いです。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ピュアでナチュラルなサヴァニャンの純粋な魅力を引き出したサヴァニャン・ウイエ2020!・・濃密な色合いからもそのポテンシャルが伝わって来るでしょう!】

こちらも少量、果皮浸漬を行った上で補酒(ウイヤージュ)をしたキュヴェです。「サヴァニャン」の方はウイヤージュは回避していますので、こちらの「ウイエ」の方がよりピュアです。なので、
「予想していないニュアンスにいきなり出会うのは・・ちょっと怖いかも・・」
と思われる方は、「サヴァニャン」では無く「サヴァニャン・ウイエ」の方をご選択ください。
でもこちらも果皮浸漬していますからその色合いが出ていますよね?2019年ものが子供のように純粋な色合いに見えてしまうほどじゃないか・・と思います。そもそもシャルドネは、
「純粋無垢で何にでも染まりやすい」
感じがするかと思うんですが、サヴァニャンは・・
「・・私はサヴァニャン!」
としっかり主張してくると思うんですね。そしてそれがまた近年、日本人にも非常に受けている・・と言うのが面白いなぁと感じています。

2019年ものよりもハッキリ言って濃密です。ウイヤージュをしていない「サヴァニャン」には追いつきませんが、それにしても重厚で複雑・・です。そして何より・・
「何故かそこに(ギョーム・)ダンジェルヴィーユが!」
と言う気になってしまうんですよね。
サヴァニャンと言う、ある種、シャルドネとは全く違う強い個性を持った品種、そしてアルボワと言う土壌、気候を強く感じるワインなのに・・何故か「気品」も備わっているんですね・・なので、そこに・・
「あ、ギョームさん・・いらっしゃったんですね。」
と・・(^^;
フレッシュ系の果実柑橘、そして熟した果実柑橘・・甘みさえ持つその果実を、
「昇華されたエキスから薫り高く放出されている!」
のが判ると思います。
数日掛けて楽しませていただきましたが、ま~・・へたらないです。シャルドネも美味しいですが・・サヴァニャン、是非挑戦してみてください。産膜酵母は動いてませんから、その分は「綺麗でピュア」(・・・)です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャン!・・サヴァニャンこそ、新たな白葡萄の代表選手になるでしょう!・・非常に官能的な2019年ものです!】
すみません、2018年ものは飲めていませんで・・お詫び申し上げます。でも、2019年ものはしっかりテイスティングさせていただきました!
他のコラムでも書いていますが、とにかく2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンは凄いです!そして白のエロさが半端無い訳です!そしてサヴァニャンが滅茶旨い訳です・・ある種の温かみを感じる空気感、その地に根付いた細菌・・いや酵母による実に複雑な味わいがする訳ですね。
ですが、決して「産膜酵母」は動かしていない訳です。そんな意味では・・2018年ものも2019年ものも同じだと思われます。
「産膜酵母が動いていないサヴァニャンは複雑では無い?」
そう問われますと・・中々に微妙では有ります。シャトー・シャロンクラスの凄いサヴァニャンは、やはり産膜酵母の働きを必要とする訳ですね。ウイヤージュ、補酒をしないことにより、そのサヴァニャンの潜在能力を凝縮て高め、熟成させるわけです。
将来的にダンジェルヴィーユがそんなワインを造らないとも限りませんが、現在はそんな雰囲気は「ゼロ」です。ピュアなのに滅茶複雑性が高いんです。
2018年ものはおそらく・・それ以前のラインを踏襲しているはずですので、「ピュアで複雑、ストレートなサヴァニャンの美味しさ」を見せてくれるはずです。ですが・・2019年ものは実にエロティックです。酸膜を動かしたサヴァニャンもそんなニュアンスを含みますが、むしろ2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、もっと官能的なエロティシズムを感じさせてくれます。
素直に果実のピュアな美味しさを見せる(に違いない)2018年ものと、そこにエロティックさを大盛にした2019年・・しかも密度が素晴らしく高いです。これは是非飲んでいただきたい・・勿論、上級キュヴェのサヴァニャンはもっと素晴らしいんですが・・是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【とてもナチュラル!でも酸化・産膜酵母の動いた痕跡の無いピュアでポテンシャル高いサヴァニャンです!】
このところ、非常にグイグイ品質を上げているダンジェルヴィーユです。noisy も実はしこたま仕入れているんですが、
「・・・レヴューを書く時間が取れない」
ので完成度が低く、まだご紹介していないアイテムがズラリ・・と並んだ状態です。
「何とかせんといかんぞ・・」
と思いつつも、日々の諸業務、毎週の新着のレヴュー作成、サーバー環境の更新、業務ソフトの開発、エージェントさんとの楽しい会話・・などでどんどん時間が削られてしまいます。ましてや某運送会社さんの度重なる変更による業務ソフトの書き直しとか送料アップの交渉後事とか・・いらぬ気遣いやら、本来はやらなくても良い仕事がどんどん積み重なり、気付けばいつも、
「いつの間にか翌日になっている」
ものですから、出荷のご案内なども皆さんもご存知のように、物凄く遅い時間になって送るようになることさえ有ります。
さらには2、5、8、11月のリアルのテイスティングも有りますから、その月は常に臨戦態勢・・自分でも何をやっているのか分からなくなることも・・いや、それはオーバーですが、予定がきっちり詰まっちゃってることが多いんですね・・。
・・と取り敢えず言訳を咬ましたところでこの「ドメーヌ・ペリカン」のサヴァニャン2015年です。
若いうちは硬くてテクスチュアがイマイチだった2000年台のダンジェルヴィーユもこの2010年台はビックリするほどのしなやかさ、ピュアさを見せてくれています。このサヴァニャンは、
「産膜酵母由来のアロマは全く無い!」
非常にナチュラルで美しいサヴァニャンです。すでに赤ワインご紹介済ですから、飲まれた方はその美しく伸びやかなアロマとテクスチュアに驚かれたことでしょう。ドメーヌ・ペリカンではこの酸膜由来のアロマを出さないようにしているそうです。
以前、noisy のところでも、非常にポテンシャルの高い、僅かに酸膜由来の薫りのするサヴァニャンをnoisy もビックリするほどご購入いただきました。飲まれた方は、そのポテンシャルに驚き、数本、12本と言う単位でご購入されたものですから、結果とんでもない・・驚くべき数量になったんですね。
しかしその一方では、やはり酸膜由来のアロマが受けつけられない・・もしくは、傷んでいると感じられる方もいらしたようです。最終的にはご理解いただき、新たな世界を発見できたとおっしゃられた方がほとんどでしたが、声に出さない方もおられるでしょうから・・そこは難しい部分でも有ります。
さすがにそこまでのポテンシャルは・・このサヴァニャンには無いと断言できます。そりゃぁそうです・・産膜酵母由来だからこそ、その複雑精緻なとんでもポテンシャルが生まれる訳ですから。
しかしながら、酸膜を動かさず、ピュアな味わいをナチュラルさを失わずに造ったサヴァニャンだとするなら、これもまた素晴らしい味わいだと言えます。
とてもマッタリしていて艶やかで、中域低域の膨らみから、超高域までの細やかなアロマまで、素晴らしい表現をしています。果実も白から黄色、そして赤味を帯びたものまで多彩です。ほんのりオイリーで、やや黄色を感じる石灰系ミネラリティを多く含んだ余韻から、また果実の還りが有ります。
素晴らしいサヴァニャンだと思います。特に「酸膜由来の香りが苦手な方」には、やや赤みの有る粘っこいシャルドネ・・?みたいなイメージで美味しく楽しめるはず・・などと感じています。ぜひペリカンのサヴァニャン、挑戦してみてください。美味しいです!
● 2018 Arbois Savagnin Sous Voile
アルボワ・サヴァニャン・スー・ヴォワル
【激レアです!・・通常のサヴァニャン・ウイエと同じですが、ウイヤージュ(補酒)を2週間に1度ほどに控え、酸膜酵母を動かし複雑性と濃密度を高めた限定ワインです!】
2021年のペリカンは本当に少なく、呆れるほどしか入って来なかった訳ですが、こんなレアものも混じっていました。サヴァニャン・ファンには堪らない逸品じゃないでしょうか。
そもそも2021年のサヴァニャン・ウイエは、
「たまたま・・ヴィンテージ背景でそうなったのかもしれないが、計り知れない奥深さと濃密さを持っている」
と言う、飲むのと飲まないのとでは余りに隔絶された認識になってしまうほど・・素晴らしい集中力と複雑性を持っています。
こちらは通常のウイヤージュの回数では無く、2週間に1度ほどと言うことで・・おそらくこれは、
「酸膜酵母の活動をある程度制限する」
ことを目的にしたと思われ、産膜酵母由来のフロール系の香りが有る程度抑えられた上で、産膜酵母由来の濃密なアロマと味わい、複雑性を得ていると思われます。
本来であればnoisy も飲むべきかと思うんですが・・すみません・・2本だけですので、どこかで機会を得て飲める期待をしたいと思います。ご検討くださいませ。
以下はサヴァニャン・ウイエの以前のレヴューです。このワインとは異なりますのでご注意ください。
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【ピュア系サヴァニャンの最高峰!?・・そしてナチュラル感もバッチリ!・・エキセントリックじゃない美味しいサヴァニャンを是非ご賞味ください!】
・・太いですね~・・味わいが太い!・・そして凄く輝いています!グラン・キュルレのサヴァニャンです。
おそらくここは、現在、佐渡にお住まいのジャン・マルク・ブリニョさんが持っていた畑だと思います。サヴァニャンもシャルドネも有りますのでご注文の際はお間違いの無きよう・・。
単純に2019年ものよりも2020年ものの方が、全てのキュヴェで色合いは濃いです。アルボワの地の葡萄にドメーヌが凄いスピードで進捗、適応しているのが伝わって来ます。「凄み」が備わって来たんですよね。2019年も凄く良いヴィンテージだったと思うんですが、2020年ものはその上を行っていると感じます。
同じ畑と言うことなのでしょうから、グラン・キュルレはサヴァニャンとシャルドネの2種有ります。同じ畑だから・・似た部分も勿論、有ります。しかしその品種の違いや、植わっている畑の場所の個性?・・みたいなものも有るのでしょう。
この2種は同じように「ド太く、そしてふんわりと良く香る」と言う点で似ています。そしてこのサヴァニャン・ウイエは・・アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール の渋みや厚みみたいな部分は無いんですが、ちょっと近いようなイメージが有ります。

柑橘果実、果実のニュアンスは非常にしっかりしています。複雑さや変化振りも半端無いです!膨らみもバッチリで・・言うことは有りません。
ある意味、サヴァニャンのペリキュレールよりも高価なんですが、全く違うようでいて・・結構近いようにも思えてしまう不思議さが有ります。その上でやはり強く感じるのは、
「エレガンスと高貴さ」
かな・・と。
ヴィンテージを追う毎にダンジェルヴィーユを強く感じて来ているように思います。ちょっと写真が暗くて申し訳在りませんが、凄く深く輝いています。こちらも数日掛けて楽しませていただきました。・・強いですね~・・ふんわりとふくよかなニュアンスは、
「いずれ硬くて平坦になるかもしれない・・」
と思っていましたが・・
「ほとんどなりませんでした!」
数日間(1週間ほどです・・)でしたが、いつでも美味しく飲めてしまったんですね・・ビックリです。相当ポテンシャルも高いと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャンの複雑に織り込まれたような美味しさ、そして妖艶さをダンジェルヴィーユ的な高い気品と共に味わえる逸品です!】
これは素晴らしい!口入れで張りは漲るように口内に満ち、ホロホロと崩れながら・・また口内の感覚器官を細やかに揺らし、濃密な果実感覚を覚えさせつつ、美しい減衰を見せつつ、ノーズから官能感を覚えさせられる・・そんな感じです。
まぁ・・言ってしまえば、ダンジェルヴィーユのパワフルで滑らかなムルソー=サントノをもう少し細やかな表情に持って行ったような感じで、むしろムルソー=サントノの方が直情的じゃないか?・・などとも思ってしまいます。もっとも、底から湧き上がるかのようなムルソー=サントノの力強さがこのグラン・キュルレには有りませんが、もう少しだけ腰高にした部分からの凄い表情もムルソー=サントノには有りません。
じゃぁ、なんで似ていると思ってしまうのか?・・ですが、そこはやはり、「ダンジェルヴィーユらしさ」なのでしょうね。まだ始まったばかりの頃のドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、余りダンジェルヴィーユらしさは感じなかったものですが、
「このワインはサヴァニャンでは有るけれど、しっかりダンジェルヴィーユの影を感じる味わい!」
であると思っています。
noisy 的には、今後、ジュラやアルボワ、サヴォワのサヴァニャンは世界を席巻するんじゃないか・・と想像しています。そもそもすでにそんな感じが取れますよ。結構にエージェントさんは、
「ジュラ、売れないと思っていたんですが最近は入るとすぐなくなっちゃうんですよ。」
などと何度か聞きました。
Noisy wine でも結構にその傾向は有りまして、以前から・・40ケースも売れた某ワインも有るくらいですから・・はい。
2018年ものは例によって・・飲めてはいません。ですが2019年ものは圧巻でした!・・おそらくこのサヴァニャン・グラン・キュルレがトップ・キュヴェになるかと思いますが、それだけの存在感をしっかり感じさせていただきました。是非飲んでみていただきたいと思います。お勧めします!
● N.V.(2020) V.d.F. Brut Nature S Zero
V.d.F. ブリュット・ナチュール・エッス・ゼロ
【こちらのみ2020年ものです。濃密な味わいになった2020年の高質サヴァニャンを使用。ダンジェルヴィーユならではの気品も在中!・・でしょう。】
2021年ものは余りに少ないので非常に苦労しましたが、2020年のサヴァニャンによるこのクレマンもまた非常に少なく、ここまで開けると赤が確定してしまうのでテイスティングは出来ませんでした。申し訳ありません。
まぁ・・価格も価格ですから、一瞬引かれてしまうかもしれませんが、2021年のとんでもない出来のサヴァニャン・ウイエを飲んでしまうと・・
「・・今日も暑いなぁ・・冷えた泡・・飲みたいよなぁ・・」
と言うような欲求に駆られて、ついつい自宅に持ち帰りそうになってしまいましたが、7月の仕入れの余りの膨張ぶりによる恐怖に?・・打ち勝つことが出来ませんでした。
皆さんはまだ
「サヴァニャン?・・何もの?・・サバを咥えたにゃんこ?」
と思われていらっしゃる方もおいでじゃないかと思われますが、高質なサヴァニャンはロマコンにも勝ると・・noisy は思っています。
年々その密度を上げ、
「シャンパーニュ、何者ぞ!」
とばかりに質を上げています。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【・・・シャンパーニュ好きなら一度は飲んで見るべし!・・サヴァニャンと言う凄い葡萄品種の緻密な表情、アルボワと言う産地の魅力が伝わって来る見事な出来!】

例えば今は日本にいらしゃって・・佐渡でカフェをやられているジャン・マルク・ブリニョさん。たまに10R(トアール)でワインが出ていたりしますが、アルボワの畑をダンジェルヴィーユに譲られたんですよね。ビオ系生産者の中では非常に著名な方でした。
そして、「しら~っ」とだけテクニカルに書かれていますが、「ジャック・ピュフネイ」からも畑を譲られています。ここは2014年までは凄いアルボワを造っていた生産者さんで、例えばピュフネイの「ヴァン・ジョーヌ」はアドヴォケイトでも・・こんな感じです。
2011 Arbois Vin Jaune
98 Points When to drink: 2019 to 2050 / Robert Parker The Wine Advocate
2009 Arbois Vin Jaune
98 Points When to drink: 2018 to 2039 / Robert Parker The Wine Advocate
「げげげっ!」
って・・思いませんか?・・半端無いでしょう?・・勿論ですがこれらは「サヴァニャン」ですよ。サヴァニャンこそ、非常な緻密さ、繊細さを持つ凄い葡萄ですが、
「シャトー・シャロンでは無くアルボワで物凄い評価を得ている!」
んですよね・・。

実は今回、かなり無理をしましてこの「S」を開けさせていただきました。飲んでないのに気付くのが遅れまして・・(^^;; しかも7月25日の月曜日、新着を出そうと気張っていたら PC がいつまで待っても画面が切り替わらない・・仕方が無いので強制終了したんですが、もう二度と立ち上がらなかったんですね・・それで万事休す・・です。結局、内臓のSSD が飛んだ性と判り、夜半まで掛ってHDD に変更する羽目になって、今はその「超ロートルなHDD」のお世話になっていますので、滅茶苦茶遅い・・痺れます。
おや・・そんなことでは無く、そう言う事で、グラスの写真は少し荒れています・・ご容赦ください。でも細やかな泡が判るかな・・と思います。
「・・前年の超繊細さとは異なる、超緻密で超複雑な・・ある意味、シャンパーニュを完全に思い起こさせる出来!」
だったんですね。
シャンパーニュと言えば、やはり「酸」はしっかりしています。泡質は持って生まれた部分と、長期熟成によって決まります。勿論ですが、相当良い葡萄を使用していると思います。・・まぁ、それがピュフネイの畑のものかは判りませんが・・(^^;;
なので、これはもう・・シャンパーニュファンは飲まないといけないかな!・・と思いますよ。シャンパーニュじゃサヴァニャンは無いですから・・その子孫はいるとは思いますけど!
しっかり休めて飲んであげたら、シャンパーニュマニアさえも・・
「ちょっと・・これは見るべき部分が多いかも!」
と思っていただけるかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【何と・・サヴァニャンでシャンパンほどのエレガンスを見せる泡を造ってしまいました!激レアです・・】
何とダンさん、やりますね~・・。誰も考えていないことをやってしまってます。
そもそもブルゴーニュの大ドメーヌが・・ブルゴーニュ南部に出るとかは有ったとしても、ジュラに出る・・と言うのは初めてですよね。
そしてこのワインは何とジュラの高貴種、「サヴァニャン」でシャンパン風の泡を造っちゃいました~!
ご存じの通りサヴァニャンは、世界にも稀、且つ最高の白ワインであるシャトー・シャロンになる葡萄です・・まぁ、シャトー・シャロンを名乗れる畑からのサヴァニャンに泡を造ってもシャトー・シャロンは名乗れないし、そもそもシャトー・シャロンの葡萄である訳がないのは間違い無いですが。
で、その出来栄えを是非見ていただきたい・・滅茶細かい泡・・肌理が細かく、クリーミーと言うのが似合う質をしています。
そしてドザージュは無しで・・だから「ゼロ」。
スパッと切れの良い味わいですが、サヴァニャンの特徴でもある「酸の複雑性と旨味」がエキスを構成し、繊細な糸を撚り合わせたような質感の喉越しを感じさせながら美しく収束します。
まぁ・・実のことを言いますと、
「とてもテイスティングできる数量じゃない」
入荷量だったんですが、何も知らないと何のご紹介にもならないので、開けてしまいました。
Noisy wine でしっかり休めていますので、美味しくいただけると思いますよ。是非ダンジェルヴィーユならではの「貴族の気品」をまとった、「ジュラの最高品種サヴァニャン」による泡・・飲んでみてください。シャンパーニュ程はガス圧は強く無いですが、「ムー」的なドザージュの方法の結果のようです。それもまた気品を感じさせてくれているのでしょう。お勧めします。
● 2021 Arbois Trois Cepages
アルボワ・トロワ・セパージュ
【2021年、たったひとつだけ造られたドメーヌ・デュ・ペリカンの赤!・・集中した出来のエキスが香り出すと凄い芳香!・・ブルゴーニュファンも驚く美味しさです!】

何と言うヴィンテージなのでしょうか・・。
「2021年は不幸なヴィンテージ」
と、おそらく多くのメディアに烙印を押されることになっているのでしょう。でもそれは本当に正しいでしょうか?
noisy は、多くのメディアが「オフ」だと言い、まともにテイスティングさえもしなかったヴィンテージでさえ、素晴らしいワインに出会って来ています。
安易かもしれませんが、ピンチはチャンスでもあるんだと・・思うんですよね。そこに消えることのない闘志と弛まない努力、そして道を外さないビジョンが有れば。
2021年のペリカンは、黒葡萄をすべてこの「トロワ・セパージュ」に投入しました。そして持っているものを全て・・ここに投入し、生まれたのが2021年のトロワ・セパージュです。
ダンジェルヴィーユもまた・・不遇の時代を過ごしていた時期が有ったはずです。noisy 的には2007年頃までは・・
「・・ん・・まぁ・・スルーで良いかな・・」
と思わざるを得なかったと認識していますがそれ以降は、
「こりゃ・・是非とも扱いたい!」
と、コロッと前言撤回した訳ですよ。申し訳ないが、乾いてテクスチュアがイマイチの・・まぁ、少し熟成すればそこそこに美味しくなるものの、リリース直後は良さは見えても・・と思っていたものが、濡れて官能さを奥に閉じ込め、滑らかで柔らかなテクスチュアと、エキスの美しい味わいと繊細さが感じられるワインに大変身していた訳です。飲めば否定派も、
「ダンジェルヴィーユ復活!」
を誰もが肯定したはずなんですね。クロ・デ・デュックと言う畑はとんでもなく偉大だと・・思い知らされました。そんな時期も有ったダンジェルヴィーユだからこそ、この厳しかった2021年ものに・・
「奇策を用いず、とことん正統な手法で向かい合った」

そう感じられるのが2021年です。
2019年ものとの写真を比較してみても、色合いも、しっとり感も・・エキスの集中度さえも・・伝わってこないでしょうか。1枚目の写真は思いっきり寄って・・撮りました。
やや暗めの色彩から、まだ完全解放には向かってはいないだろうエキスの集中度が見えます。今飲んでもこのエキスのエレガンスと旨味は涎が出て来ます。もしこのワインがブルゴーニュワインだったら、
「思わず購入ボタンを押してしまうかも・・」
と思われるかもしれませんが・・すみません・・ジュラでも結局、美味いものは美味いですからどうぞそのまま押してください・・(^^
良く無いと言われたから2021年は控える・・と思われていらっしゃるようでしたら、それはもう・・自身でワインを面白く無い方向に持って行っているだけのような気がします。海外メディアを含め、メディアは余りアテにはなりません。どこかで利権とか、何かしら別の力が動いていないとも限りませんし、何よりも自身の好みだけでポイント付けする方が多いと・・感じます。まぁ・・noisy にしても自身の仕入れの関係とか、どこと仲が良いとか悪いとか・・も抱えている訳ですから、他から見れば、
「・・そういう絡みでしょ?」
と穿った見方をされることも有るでしょう。
ですが基本、自身の好みは抑えて評価をすることをずっとやってきましたので・・いや、時折抑えきれないことも有るかもしれませんが、出来るだけ公平な評価をするように心掛けています・・出来ているかどうかは別にして。
でも、写真って・・誤魔化しが効かないんですよ。色を弄ってしまうともう・・結果が滅茶苦茶になりますから・・やや暗いものを明るくするだけ・・その程度に留めないとならない訳ですね。
飲んでみてください。タイミングで硬いこともあるかもしれませんが、トロワ・セパージュですから3つの品種の混醸です。どれか一つでも頑張ってくれれば美味しく飲めますし、二つが開いてくれたら相当旨いし、全部が時解放されれば凄いアロマになるでしょう。希少な2021年、お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年(まで)の超ピュアで超繊細な味わいと、まるでダンジェルヴィーユのヴォルネイを彷彿させるふくよかさと密なテクスチュアの2019年!・・どうしてここまで違う!?】

え~・・上の写真が2019年、下の写真が2018年ですが、
「奇跡的に同じような角度で撮れた写真から、まったく異なる見え方が判る!」
noisyが言いたいことを代弁してくれるはずの見事な出来映えで撮れています・・いや、そこは2019年が妖艶さも有って、ちょっと、エマニュエル・ルジェが混じった?・・みたいな仕上がりで美味しい!・・と言うべきなのかもしれません。
しかし決して2018年ものの「トロワ・セパージュ」がダメ・・と言うことでは無く、今までのペリカンの「超ピュア・超繊細路線」をそのまま継承して来た集大成としての味わいがします。
なので、絹を織り込んだかのようなビロードのテクスチュアから、トロワ・セパージュ...3つの品種がそれぞれ織りなす複雑なテイストがピュアに感じられますので、今飲んでも..、まぁ..ほんのりと硬さは有るものの、時間の経過と共に徐々に膨らんでくれますから、
「少し複雑性に富んだミネラリティ豊かなピノ?」
みたいな感じで美味しく飲んでいただけると思うんですね。

一方、2019年もののトロワ・セパージュは、どこか直線的な印象から始まり複雑性を垣間見せる2018年ものとは、相当に違います。
他の「ペリカン」のコラムでも散々書いていますが、
「2019年ものはペリカンは超絶に妖艶!」
です。まるでエマニュエル・ルジェが乗り移ったかのようです・・まぁ、それでも総じて「ペリカンの赤」は「ペリカンの白」よりも大人しい妖艶さでは有ります。
上の写真を是非下の写真と見比べてみて下さい。下の2018年ものは、やはり基本がピュアですから、「真っすぐな性格」に見えると思いますが、上の2019年ものは・・「深遠なグラデュエーション」をしていますよね?
黒みがまるで美しくも透明なルビーを侵食しているかのようでも有ります。それでいて、「エッジ」は2018年ものと同様な淡いルビーが美しい・・。今もまたエレガントな妖艶さが良く香り、実に美味しく感じていただけるんじゃないかと思っています。勿論ですが、「今が飲み頃」の訳はなく、3年ほどで高みに到達し、変化しながらもそこから10年以上の長きに渡って魅了してくれると想像します。
いや・・アルボワ、サヴォワは昨今大注目の地域ですが、昨今のペリカンからはもう目が離せないと思いますよ。飲み方の基本は、
「早めに飲むのはペリカンの白、ちょっと置きたいペリカンの赤」
です。
でも、「ちょっと置きたいペリカンの赤」では有りますが、2019年ものを1年寝かせるので有れば、さっさと飲んだ方が良いし、2018年ものを1年寝かせられるのであれば、そうされた方が、「より良い結果」になろうかと思います。
トロワ・セパージュ、2018年(まで)と2019年の違いも相当にあって非常に美味しかったです。数はいただけないので・・有るだけで終了です。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2020 Arbois Savagnin Ouille
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ
【ピュアでナチュラルなサヴァニャンの純粋な魅力を引き出したサヴァニャン・ウイエ2020!・・濃密な色合いからもそのポテンシャルが伝わって来るでしょう!】

こちらも少量、果皮浸漬を行った上で補酒(ウイヤージュ)をしたキュヴェです。「サヴァニャン」の方はウイヤージュは回避していますので、こちらの「ウイエ」の方がよりピュアです。なので、
「予想していないニュアンスにいきなり出会うのは・・ちょっと怖いかも・・」
と思われる方は、「サヴァニャン」では無く「サヴァニャン・ウイエ」の方をご選択ください。
でもこちらも果皮浸漬していますからその色合いが出ていますよね?2019年ものが子供のように純粋な色合いに見えてしまうほどじゃないか・・と思います。そもそもシャルドネは、
「純粋無垢で何にでも染まりやすい」
感じがするかと思うんですが、サヴァニャンは・・
「・・私はサヴァニャン!」
としっかり主張してくると思うんですね。そしてそれがまた近年、日本人にも非常に受けている・・と言うのが面白いなぁと感じています。

2019年ものよりもハッキリ言って濃密です。ウイヤージュをしていない「サヴァニャン」には追いつきませんが、それにしても重厚で複雑・・です。そして何より・・
「何故かそこに(ギョーム・)ダンジェルヴィーユが!」
と言う気になってしまうんですよね。
サヴァニャンと言う、ある種、シャルドネとは全く違う強い個性を持った品種、そしてアルボワと言う土壌、気候を強く感じるワインなのに・・何故か「気品」も備わっているんですね・・なので、そこに・・
「あ、ギョームさん・・いらっしゃったんですね。」
と・・(^^;
フレッシュ系の果実柑橘、そして熟した果実柑橘・・甘みさえ持つその果実を、
「昇華されたエキスから薫り高く放出されている!」
のが判ると思います。
数日掛けて楽しませていただきましたが、ま~・・へたらないです。シャルドネも美味しいですが・・サヴァニャン、是非挑戦してみてください。産膜酵母は動いてませんから、その分は「綺麗でピュア」(・・・)です。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャン!・・サヴァニャンこそ、新たな白葡萄の代表選手になるでしょう!・・非常に官能的な2019年ものです!】
すみません、2018年ものは飲めていませんで・・お詫び申し上げます。でも、2019年ものはしっかりテイスティングさせていただきました!
他のコラムでも書いていますが、とにかく2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンは凄いです!そして白のエロさが半端無い訳です!そしてサヴァニャンが滅茶旨い訳です・・ある種の温かみを感じる空気感、その地に根付いた細菌・・いや酵母による実に複雑な味わいがする訳ですね。
ですが、決して「産膜酵母」は動かしていない訳です。そんな意味では・・2018年ものも2019年ものも同じだと思われます。
「産膜酵母が動いていないサヴァニャンは複雑では無い?」
そう問われますと・・中々に微妙では有ります。シャトー・シャロンクラスの凄いサヴァニャンは、やはり産膜酵母の働きを必要とする訳ですね。ウイヤージュ、補酒をしないことにより、そのサヴァニャンの潜在能力を凝縮て高め、熟成させるわけです。
将来的にダンジェルヴィーユがそんなワインを造らないとも限りませんが、現在はそんな雰囲気は「ゼロ」です。ピュアなのに滅茶複雑性が高いんです。
2018年ものはおそらく・・それ以前のラインを踏襲しているはずですので、「ピュアで複雑、ストレートなサヴァニャンの美味しさ」を見せてくれるはずです。ですが・・2019年ものは実にエロティックです。酸膜を動かしたサヴァニャンもそんなニュアンスを含みますが、むしろ2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、もっと官能的なエロティシズムを感じさせてくれます。
素直に果実のピュアな美味しさを見せる(に違いない)2018年ものと、そこにエロティックさを大盛にした2019年・・しかも密度が素晴らしく高いです。これは是非飲んでいただきたい・・勿論、上級キュヴェのサヴァニャンはもっと素晴らしいんですが・・是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【とてもナチュラル!でも酸化・産膜酵母の動いた痕跡の無いピュアでポテンシャル高いサヴァニャンです!】
このところ、非常にグイグイ品質を上げているダンジェルヴィーユです。noisy も実はしこたま仕入れているんですが、
「・・・レヴューを書く時間が取れない」
ので完成度が低く、まだご紹介していないアイテムがズラリ・・と並んだ状態です。
「何とかせんといかんぞ・・」
と思いつつも、日々の諸業務、毎週の新着のレヴュー作成、サーバー環境の更新、業務ソフトの開発、エージェントさんとの楽しい会話・・などでどんどん時間が削られてしまいます。ましてや某運送会社さんの度重なる変更による業務ソフトの書き直しとか送料アップの交渉後事とか・・いらぬ気遣いやら、本来はやらなくても良い仕事がどんどん積み重なり、気付けばいつも、
「いつの間にか翌日になっている」
ものですから、出荷のご案内なども皆さんもご存知のように、物凄く遅い時間になって送るようになることさえ有ります。
さらには2、5、8、11月のリアルのテイスティングも有りますから、その月は常に臨戦態勢・・自分でも何をやっているのか分からなくなることも・・いや、それはオーバーですが、予定がきっちり詰まっちゃってることが多いんですね・・。
・・と取り敢えず言訳を咬ましたところでこの「ドメーヌ・ペリカン」のサヴァニャン2015年です。
若いうちは硬くてテクスチュアがイマイチだった2000年台のダンジェルヴィーユもこの2010年台はビックリするほどのしなやかさ、ピュアさを見せてくれています。このサヴァニャンは、
「産膜酵母由来のアロマは全く無い!」
非常にナチュラルで美しいサヴァニャンです。すでに赤ワインご紹介済ですから、飲まれた方はその美しく伸びやかなアロマとテクスチュアに驚かれたことでしょう。ドメーヌ・ペリカンではこの酸膜由来のアロマを出さないようにしているそうです。
以前、noisy のところでも、非常にポテンシャルの高い、僅かに酸膜由来の薫りのするサヴァニャンをnoisy もビックリするほどご購入いただきました。飲まれた方は、そのポテンシャルに驚き、数本、12本と言う単位でご購入されたものですから、結果とんでもない・・驚くべき数量になったんですね。
しかしその一方では、やはり酸膜由来のアロマが受けつけられない・・もしくは、傷んでいると感じられる方もいらしたようです。最終的にはご理解いただき、新たな世界を発見できたとおっしゃられた方がほとんどでしたが、声に出さない方もおられるでしょうから・・そこは難しい部分でも有ります。
さすがにそこまでのポテンシャルは・・このサヴァニャンには無いと断言できます。そりゃぁそうです・・産膜酵母由来だからこそ、その複雑精緻なとんでもポテンシャルが生まれる訳ですから。
しかしながら、酸膜を動かさず、ピュアな味わいをナチュラルさを失わずに造ったサヴァニャンだとするなら、これもまた素晴らしい味わいだと言えます。
とてもマッタリしていて艶やかで、中域低域の膨らみから、超高域までの細やかなアロマまで、素晴らしい表現をしています。果実も白から黄色、そして赤味を帯びたものまで多彩です。ほんのりオイリーで、やや黄色を感じる石灰系ミネラリティを多く含んだ余韻から、また果実の還りが有ります。
素晴らしいサヴァニャンだと思います。特に「酸膜由来の香りが苦手な方」には、やや赤みの有る粘っこいシャルドネ・・?みたいなイメージで美味しく楽しめるはず・・などと感じています。ぜひペリカンのサヴァニャン、挑戦してみてください。美味しいです!
● 2020 Arbois Savagnin Maceration Pelliculaire
アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール
【激旨!高質なサヴァニャンのウイヤージュを回避するジュラならではの作風を、ダンジェルヴィーユ風に質高くアレンジした、非常に香るが臭く無く、素晴らしく濃密な味わいです!】

素晴らしいです!・・まぁ、「サヴァニャン」と聞いてイメージの沸く方は、まだそんなに多くは無いと思いますが、近年のジュラ人気の高さには驚きを感じるほどですから・・それなりにはご理解いただいているのかもしれません。
まずは・・製法なんですが、例えばサヴァニャンの最高峰とも言えるヴァン・ジョーヌ...シャトー・シャロンもそうなんですが、樽の中に圧搾したサヴァニャンを入れっぱなしにするんですね。通常はウイヤージュと言いまして、補酒ですね・・減った熟成中の樽に他の樽のワインを足して酸化から守る手段です。でもヴァン・ジョーヌは一切ウイヤージュをしません。なので当然ながらどんどん目減りしてしまいます。1/3ほどまでに減る・・とも言われていますが、その減り始めて少し経過しますと、この地域特有の風味が出る訳ですが・・産膜酵母の膜が液の上面に出来るんですね。その膜がワインを極端な酸化から守ってくれ、複雑なアロマと味わいを生む訳です。Noisy wine も以前、とんでもない数量のサヴァニャンを販売させていただきました・・40ケース以上販売させていただき、まぁ・・ビックリしました!
で、このワインはその延長上には有るんですが、ダンジェルヴィーユ風にアレンジが成されているんですよ。つまり・・オレンジワイン風のマセラシオンを10%ほど..行っているんです。赤ワイン同様に果皮も種子も漬け込むんですね。その結果が・・これ・・なんです。
なので、ヴァン・ジョーヌ的に濃密で複雑なアロマと味わいが有るんですが、なんでしょう・・ギョームさんは産膜酵母のエキセントリックなアロマはそんなに好きじゃないのかな・・産膜酵母を動かしたワインに付き物の、あのブルーチーズのような香りは余り・・と言うか、まず無いんですよ。動いた後の滅茶複雑なアロマはするんですけどね。

思うに・・いや、あくまで推論ですよ。この種や果皮を漬け込んだ10パーセントが・・凄いお役目を負っているんじゃないかと思うんですね。・・まぁ・・言わば吸着剤?・・(^^;; エキセントリック過ぎる例のアロマを適度に和らげる効果が、この10パーセントのキュヴェの「澱」が担っているのかなぁ・・などとも思っている訳です。あくまで推論に過ぎませんので、
「noisy がそう言ってたからホント・・」
とは信じ込まないでくださいね。その辺は是非ご自身で飲んでみて判断していただけましたら幸いです。
で、ま~・・2020年のワインとは思えないほど、滑らかです。アロマもま~・・滅茶複雑です。白や黄色の果実、柑橘・・なんて大抵の場合はそんな表現をしていますが、花梨や蜜など、ちょっと甘みを感じさせるノーズがハッキリ混じり、しかしドライな酒質と滅茶合っていて・・何とも複雑な香りと味わいがします。きっと随分と良い畑なんだろうと・・想像しています・・モンタニー・レ・ザルシュールの畑と言うことで、シャトー・ド・シャヴァヌの畑は改植中らしいのでピュフネイから譲り受けた畑?・・かもしれません。
また、リリースされているアイテムには「サヴァニャン」と「サヴァニャン・ウイエ」と両方有りますが、
「品種はどちらも同じサヴァニャン」
です。サヴァニャン・ウイエと言う品種では無いんですね。ウイエはウイヤージュの意味・・つまり、
「補酒したピュアなサヴァニャンのワイン」
と言う意味です。「ウイエ」が無いとしますと、基本はウイヤージュしていないサヴァニャンを含む・・と思ってください。
ただし!・・ウイヤージュをしているからと言って、産膜酵母が絶対に動いていない・・と言う保証は無いんじゃないかとも思いますので、やはりその辺は誰かに飲んでもらわないと判らないかなぁ・・などとも!・・この素晴らしいダンジェルヴィーユならではのウイヤージュを回避した(含むとするなら・・らしい?)高貴なサヴァニャン、飲んでみて下さい。希少です!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶複雑で官能的なサヴァニャンの美味しさに、白ワインとは思えないほどのボディ感覚が備わった素晴らしい味わいです!】
2018年もののダンジェルヴィーユ、ドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、余りに数が無く、ほぼ飲まなかったんですが・・今になって思えば失敗したなぁ・・飲んでおけば良かったと思っています。
それほどまでに2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは感動的で、魅力に溢れる素晴らしい味わいをしていました。その変化を見るためにも、リリース時に何とか飲んでおくべきだったと反省しています。
なので、2018年もののレヴューは出来ませんが、それでも2019年ものを少しだけピュアな方向に持っていった感じ・・そのように想像しています。価格もその分でしょうか、少しだけリーズナブルです。
2019年の、まぁ・・「オレンジワイン風」でしょうか、マセラスィヨン・ペリキュレールです。ビオ系の白ワイン生産者がさかんに使用している赤ワインと同様に果皮を漬け込むやり方です。
この果皮浸漬を行った白ワインには、So2 を使いたくない性でしょうか・・生産者に寄っては、ほとんど「ミイラ」みたいな、果実感が失せ干からび過ぎた果実のようになってしまっているものも散見されます。ただし、結構に果実感は失せているのに、それでも精妙な果実エキスのニュアンスから、複雑で心地良い味わいを見せるものも有りますので、いきなり全てを否定するものではありません。
ドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンのこのキュヴェは、心地良いタンニンの膨らみが、まるで黒葡萄による赤ワインのような「ボディ」を感じさせてくれます。タンニンの質も良く、決して口内を刺激するようなものでは有りませんで、適度に膨らんでくれ、フルーツ、ドライフルーツのニュアンスを官能感を込めてしっかり伝えてくれますので、ミイラなどとはとっても言える部類のものでは有りません。
高貴なニュアンスだけを見れば、むしろボディ感覚の素晴らしさと、相当に粘性を感じる味わいから、
「新しい白ワイン?」
的に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
それに加えて、サヴァニャン種が持つ素晴らしくも複雑な入り組んだ味わい組成・・これがもう、単なるフルーツ、ドライフルーツでは無くしてしまうし、しかも相当に官能的ですので、それらの果実が完熟感を持って感じられるんですね。
素晴らしい果皮浸漬のサヴァニャンでした!・・流石、ダンジェルヴィーユ・・いや、ダンジェルヴィーユだからこそ、ブルゴーニュの気品を持った果皮浸漬のサヴァニャンを造り出せたのかと思います。
これは是非白ワインファンには飲んでみていただきたい・・でも、
「オレンジワイン、有りますか?」
と、単に流行りのものを追いかけている方にはちょっと向かないかもしれません。でも白ワインファンの方々には飲んでみていただきたいなぁ!・・そう思う見事な味わいでした。お勧めします。
● 2020 Arbois Savagnin Ouille Grand Curoulet
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ・グラン・キュルレ
【ピュア系サヴァニャンの最高峰!?・・そしてナチュラル感もバッチリ!・・エキセントリックじゃない美味しいサヴァニャンを是非ご賞味ください!】

・・太いですね~・・味わいが太い!・・そして凄く輝いています!グラン・キュルレのサヴァニャンです。
おそらくここは、現在、佐渡にお住まいのジャン・マルク・ブリニョさんが持っていた畑だと思います。サヴァニャンもシャルドネも有りますのでご注文の際はお間違いの無きよう・・。
単純に2019年ものよりも2020年ものの方が、全てのキュヴェで色合いは濃いです。アルボワの地の葡萄にドメーヌが凄いスピードで進捗、適応しているのが伝わって来ます。「凄み」が備わって来たんですよね。2019年も凄く良いヴィンテージだったと思うんですが、2020年ものはその上を行っていると感じます。
同じ畑と言うことなのでしょうから、グラン・キュルレはサヴァニャンとシャルドネの2種有ります。同じ畑だから・・似た部分も勿論、有ります。しかしその品種の違いや、植わっている畑の場所の個性?・・みたいなものも有るのでしょう。
この2種は同じように「ド太く、そしてふんわりと良く香る」と言う点で似ています。そしてこのサヴァニャン・ウイエは・・アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール の渋みや厚みみたいな部分は無いんですが、ちょっと近いようなイメージが有ります。

柑橘果実、果実のニュアンスは非常にしっかりしています。複雑さや変化振りも半端無いです!膨らみもバッチリで・・言うことは有りません。
ある意味、サヴァニャンのペリキュレールよりも高価なんですが、全く違うようでいて・・結構近いようにも思えてしまう不思議さが有ります。その上でやはり強く感じるのは、
「エレガンスと高貴さ」
かな・・と。
ヴィンテージを追う毎にダンジェルヴィーユを強く感じて来ているように思います。ちょっと写真が暗くて申し訳在りませんが、凄く深く輝いています。こちらも数日掛けて楽しませていただきました。・・強いですね~・・ふんわりとふくよかなニュアンスは、
「いずれ硬くて平坦になるかもしれない・・」
と思っていましたが・・
「ほとんどなりませんでした!」
数日間(1週間ほどです・・)でしたが、いつでも美味しく飲めてしまったんですね・・ビックリです。相当ポテンシャルも高いと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サヴァニャンの複雑に織り込まれたような美味しさ、そして妖艶さをダンジェルヴィーユ的な高い気品と共に味わえる逸品です!】
これは素晴らしい!口入れで張りは漲るように口内に満ち、ホロホロと崩れながら・・また口内の感覚器官を細やかに揺らし、濃密な果実感覚を覚えさせつつ、美しい減衰を見せつつ、ノーズから官能感を覚えさせられる・・そんな感じです。
まぁ・・言ってしまえば、ダンジェルヴィーユのパワフルで滑らかなムルソー=サントノをもう少し細やかな表情に持って行ったような感じで、むしろムルソー=サントノの方が直情的じゃないか?・・などとも思ってしまいます。もっとも、底から湧き上がるかのようなムルソー=サントノの力強さがこのグラン・キュルレには有りませんが、もう少しだけ腰高にした部分からの凄い表情もムルソー=サントノには有りません。
じゃぁ、なんで似ていると思ってしまうのか?・・ですが、そこはやはり、「ダンジェルヴィーユらしさ」なのでしょうね。まだ始まったばかりの頃のドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、余りダンジェルヴィーユらしさは感じなかったものですが、
「このワインはサヴァニャンでは有るけれど、しっかりダンジェルヴィーユの影を感じる味わい!」
であると思っています。
noisy 的には、今後、ジュラやアルボワ、サヴォワのサヴァニャンは世界を席巻するんじゃないか・・と想像しています。そもそもすでにそんな感じが取れますよ。結構にエージェントさんは、
「ジュラ、売れないと思っていたんですが最近は入るとすぐなくなっちゃうんですよ。」
などと何度か聞きました。
Noisy wine でも結構にその傾向は有りまして、以前から・・40ケースも売れた某ワインも有るくらいですから・・はい。
2018年ものは例によって・・飲めてはいません。ですが2019年ものは圧巻でした!・・おそらくこのサヴァニャン・グラン・キュルレがトップ・キュヴェになるかと思いますが、それだけの存在感をしっかり感じさせていただきました。是非飲んでみていただきたいと思います。お勧めします!
● 2020 Arbois Chardonnay
アルボワ・シャルドネ
【これぞマルキ・ダンジェルギーユのシャルドネ!・・そしてアルボワの「むわっ」とした空気感・・(^^;; ・・そのものを感じさせてくれます!】

旨いです!・・あ、でもこれは中々表現がムズいのでどうしようかと。ここから行くとなるとちょっと遠いかもしれませんが頑張ります。
ダンジェルヴィーユさんは素晴らしいシャルドネもムルソーで造っています。飲んだことのある方は非常に少ないと・・思いますが・・ムルソー1級サントノです。
これ、凄いんですよ・・
「ヴォルネイ的ムルソーの代表格!」
とも言える凄いワインです。ちょっと高めのプライスが玉にキズでして・・なので、余り飲んでもらえないんですね。
しかし飲まれた方には、
「ダンジェルヴィーユのムルソー=サントノ!・・滅茶苦茶旨いじゃないですか!」
と、電話が掛って来たほどですよ・・これ、本当に有った話しです。
ムルソーもヴォルネイ側とピュリニー側では、結構に違います。そして中央上部も有る種、特殊です。
ヴォルネイ側は粘土が結構に存在感を持っていて、村の中央下部の村名畑の粘土とも・・異なるんですよね。ねっとり感が気品と格を持っている・・そんな感触です。

で、このアルボワのシャルドネも、ちょっとそのサントノを思い起こさせるフレーズを弾いてくれる感じが有りまして、ネットリ感、ちょっとした蜜のニュアンス、硬質さと軟質粘土が交差する感じ、その上での果実表現が似ているように感じます。
・・あれ?・・と思って以前のレヴュー(この下です・・)を見返してみましたら、
「・・あらま・・結果として・・同じことを書いて無いか?」
といきなり気付きました・・すみません・・。でも、意図せずに同じ結果を書けると言うことは、2019年ものと2020年ものは似ていると言うことなんでしょう。
そして2019年ものよりもエキスが濃密でナチュラル感がアップしていると思います。それはグラスの写真を見ていただいてもお判りかと思うんですね。
ですので、
「ダンジェルヴィーユのシャルドネを飲んだ気になれる!」
もしくは、
「ダンジェルヴィーユのシャルドネの作風を知ることが出来る!
上に、
「アルボワ、ジュラのむわ~っとした空気の感じがちょっと判る・・(^^;;」
と思うんですね。そして、そこにはいい男のギョームさんがひょっこりはんのようにいらっしゃると思います。ムルソー=サントノまでは手が出なくても、このペリカンのアルボワ・シャルドネが有ります。徐々に皆さんも周知していただいてまして、「お問い合わせ」さえも入りました。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【シャルドネのベース・キュヴェですが、ドメーヌ・デュ・ペリカンを知るのにベストな味わいです!2018年と2019年、比較してみてください!】
実は2018年ものは昨年届いていまして、ベース・キュヴェでは有るものの、数が無かったもので・・2018年ものはテイスティングしていなかったんですね。ですが、上級キュヴェの2つはしっかり飲んでいますので、傾向は判っています。一応ですが、
「2019年ものに比較して妖艶さは劣るもののピュアな味わいは勝る」
と言って良いかと思います。
実際のところ・・2018年ものと2019年もののベース・シャルドネの違いは想像に過ぎませんが、2019年ものはおそらく・・少なくとも新樽率は上がったんじゃないかと想像しています。
ただし、2019年もののこの「官能感」は絶品でして、
「ここまでしっかり官能さが出ているシャルドネは、ブルゴーニュにも探すことが出来ないかも・・」
と思えるくらいなんですね。
まぁ、サヴォワやアルボワの温度感と言いますか、「空気感」と言うべきか、それとも「細菌環境」と言うべきか・・・(^^;; まぁ、酵母も細菌ですから、ドメーヌ・デュ・ペリカンの畑もしっかり地元に馴染んだ性・・と言えなくも無いかもしれません。
noisy が2019年ものドメーヌ・デュ・ペリカンの白を飲んでビックリしたのは、その変わり様です。2018年ものまでのペリカンのワインは非常にピュアでした。そしてシャルドネはブルゴーニュのシャルドネに非常に近しい感じがしたんですが・・2019年ものは、
「ジュラ!」
そして、
「ダンジェルヴィーユ!」
を見事に感じさせてくれました。
もし近いものがあるとするなら、それは「ダンジェルヴィーユのムルソー・プルミエ・クリュ・サントノ」です。そして、それをさらにジュラやサヴォワ、アルボワの空気で育てた風の空気感です。なので、
「非常に官能的ながらもダンジェルヴィーユ的な品の良さ!」
を感じさせてくれます。
面白い教材だと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
【サヴァニャンよりさらに飲み易く親しみやすい美しいシャルドネです!】
まぁ・・サヴァニャンだと言うだけで「駄目かも・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ドメーヌ・ペリカンの白ワインに限っては、
「受け付けられないようなアロマは無い」
と申し上げておきましょう。全く問題無いと言えます。
ブルゴーニュのシャルドネとは、やはり微妙に違うイントネーションが有りますが、それでも似ているのは地域的に近いと言うこと、酸膜系酵母を動かさないことに寄るでしょう。
柑橘系の白や黄色の果実が詰まったアロマ、伸びやかなやや黄色い石灰系のミネラリティ、中域が適度に膨らみ、ややオイリーさとほんのりと存在する残糖感が、丸みのある味わいを生み出しています。凝縮していて密です。緯度感はコート・ド・ボーヌ同様ですが、熟れて凝縮したニュアンスや粘度がブルゴーニュ南部のプイィ=フュイッセ辺りの上質なシャルドネに重なって感じられます。
また弦とか若芽とかの緑色を感じさせるアロマや酸も有り、全くの滑らかさだけの味わいとも違う印象ですね。サヴァニャンはとにかく滑らかで、高周波な酸のレベルは低いんですが、こちらのシャルドネに関しては、例えばマロをしていないようなシャブリにも通じるような若々しく鮮烈さを持つシャープな酸も感じられ、低いところから高いところまで全域の表現がされています。
ほんのりとした残糖感は、まだ到着間もないうちにテイスティングしたことによるのかもしれませんので、おそらくボディと大分、一体となっている頃だと想像しています。
新生ドメーヌですが、ブルゴーニュの大御所でもあるダンジェルヴィーユが新境地を描いたアルボワです。是非ご検討くださいませ。
● 2020 Arbois Chardonnay Grand Curoulet
アルボワ・シャルドネ・グラン・キュルレ
【シャルドネの本性・・が滲み出て来た??・・太く、そして繊細な複雑性を持ったアロマが物凄くします!凄い出来!】

実はこれは2020年もののペリカンのシャルドネ、全てに言えることです。安易に言ってみるならば・・、
「・・もう、単純に果汁だけの複雑さでは無い感触」
がします。
いや、2019年ものと同様にとても美味しいんですよ。でも、アルボワらしい・・もしくは・・もっと言ってしまえば、サヴァニャンっぽい?・・(^^;;
もしかしたら勘違いなのかもしれませんが・・どうもギョームさん、産膜酵母系のものはどうでも良く、果皮由来の繊細で複雑なニュアンスに取りつかれてないか?・・みたいなnoisyの理解なんですね。
だって・・まぁ、グラスの色を比べてみてくださいよ。どう有っても・・ちょっと「果皮由来の色」が出ているような気がするんですよね。2019年ものは「綺麗な薄緑を含む黄色」ですが、2020年ものは・・
「ちょっとグレイやレッドが入ったような感じ」
が・・しないでしょうか。

ですので、この上のテクニカルに書いて有るような・・
「混醸のシャルドネよりも辛口で直線的な味わい」
はむしろ2019年までのニュアンスで、2020年ものは・・
「アルボワの醸造の経験者ならではの技術を発揮し始めた!」
んじゃないかと思っています。・・あ、この先はアン・バルビのコラムで書かせていただきますね。
なので、果皮の直下・・そして果皮そのものが持つニュアンスがより深く入った感じがするのが2020年ものグラン・キュルレです。ここはおそらくジャン・マルク・ブリニョさんが持っていた畑からの葡萄でしょう。植え替えた樹はまだ若いので少なく、残した樹が主体なのかな?・・濃密で素晴らしい味わいがします。そしてやはりギョームさんが覗いている感じがします。是非飲んでみて下さい。これも上出来のシャルドネです!
以下は以前のレヴューです。
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【グラマラスでファット!ピュアさが光る2018年と、かなりの妖艶さにグラっと来てしまう2019年です!】
素晴らしいシャルドネ!?・・でした。目から鱗・・これほどの穢れ無き妖艶さがシャルドネに載るとは・・そんなイメージです。そもそもそれはおそらく2018年ものにも存在するものなのでしょう。しかし、
「最初から・・リリース仕立てから」
そんな素晴らしいエロティックさが感じられるのは2019年ものです。2018年ものはエロティックと言うよりはもっと清楚な感じです。
2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンの白ワインは、押し並べてエロティック、官能的です。そしてそれが「嫌味」にならないのが・・ダンジェルヴィーユなんですね~・・。2008年頃からのダンジェルヴィーユのヴォルネイワインは、それまでの「やや乾いた感じ」を「濡れた表情」に大きく変更し、それとともに世界的な評価もグングン上昇しています。noisy たち、ワイン愛好家?としましてもそれは大歓迎で、
「ダンジェルヴィーユ復活!」
などとはやし立てた訳です。そして最近は、
「ヴォルネイ新時代の幕開け!」
を言い出しています・・いや、そんなことを言ってるのは noisy だけでは有りますが・・。
そんな「濡れた」見事な味わいに、「官能感」がビシッと・・そしてダンジェルヴィーユ的な「高貴」なニュアンスをそのままに・・さらには「ジュラ、サヴォワ、アルボワ」のニュアンスを感じさせてくれる訳ですから美味しくない訳が無いでしょう?

上が2019年、下の写真が2018年です。2019年がより官能的で上出来・・では有ると言えますが、決して2018年ものが大きく劣る訳では有りません。2018年もののピュアで健康的な美味しさは2019年ものに勝ります。2018年ものはむしろ非常にブルゴーニュ的・・であり、2019年ものはジュラっぽい妖艶さが載っている訳です。
2019年ものがジュラっぽいとは言え、「産膜酵母」が織りなすシェリーっぽいニュアンスが有る訳では有りません。やはりそこは「温度感」「気温感」「空気感」かと・・思います。判りやすいのはやはり2018年ものと2019年ものの垂直テイスティングでしょう。
この非常に豊かでピュアな「グラン・キュルレ」の味わいを是非知っていただきたいと思います。2018年もののピュアで清楚感のある美しさと、2019年もののエロさ・・飲んでみて下さい。超お勧めです!
● 2020 Arbois Chardonnay en Barbi
アルボワ・シャルドネ・アン・バルビ
【もっともピュアで太いシャルドネ!・・享楽的な美味しさを感じます。でも単純じゃない・・ジュラならではの個性が発揮されて来たのでしょう!】

「ミネラリティの支えが凄く存在している黄色のしっかりした果実のジューシーなシャルドネ!」
そんなイメージの「アン・バルビ」です。2020年ものはそこにアルボワの個性がそれなりに滲み出し、しかも繊細な表情が備わって来た感じがします。2019年ものはもう少し直線的だったかなぁ・・と思うんですけどね。2020年ものは、他のキュヴェほどでは無いにせよ、
「葡萄の個性や果皮由来の味わい」
がするような・・そんな気がしました。
そもそも赤ワイン同様にマセラシオンした・・みたいな情報は在りませんので、それは無いのかな・・とも思いますが、どうも黄色主体の2019年ものまでのアン・バルビとはちょっと違う感じがするんですね・・気のせいでしょうか・・(^^;;
今、ビオ系の若い方たちが、マセラシオンして・・漬け込んだ結果、タンニンや果皮のニュアンスを取り入れた白ワインを多く販売されています。稀に素晴らしい芳香と味わいを醸したマセラシオン系の白ワインに出会うことも有るんですが、ほとんどの場合・・noisy が手放しで狂喜することは無いんですね。そうすることによって欠損した部分が多過ぎるように思われるから・・です。

しかしこのアン・バルビは、おそらく漬け込みまではしていないとは思うんですが・・いや、軽くやってるかな??・・(^^;; 以前より明らかに複雑性や官能感が増しているように思いますし、ビオ系のマセラシオンを施した白ワインのように、
「得た部分より失った部分が大きすぎるんじゃない?」
などと思えるようなことが一切無い・・んですね。
享楽的なシャルドネの美味しさ・・それが基本。そこに細やかなニュアンスが結果的に、自然に載っている・・そんなイメージでしょうか。
ヴォルネイ、ムルソーでたった1種類?のシャルドネを造っていたダンジェルヴィーユが、アルボワの地に来て得たものは非常に大きいし、何も失っていない!・・そう思わせてくれるアン・バルビ2020年でした。密度高くとても良く香り・・、幻影で無いとするなら、どこかサヴァニャン的な複雑なニュアンスが有るようにも感じるシャルドネです。飲んでみて欲しいと思います。ダンジェルヴィーユのムルソー1級はちょっと高いですので、こちらをお薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【熟したフルーツが冷ややかに!・・そしてそれをピュアに清楚に複雑に感じさせる2018年と、僅かなピュアさを削り、妖艶さを載せた2019年!滅茶旨いです!】
ここまで2018年と2019年のニュアンスが異なると、ある意味、お勧めの言葉も難しくはない・・かもしれませんが、どのコラムを読んでも内容が一緒・・と言われてしまえば、それっきりです・・すみません。
ですが、いや・・相当に違うんですよ・・本当に。どっちが良いか?・・と問われれば、
「それはそれぞれの好みでしょう?」
と言わざるを得ない訳ですが、最初から柔らかくて妖艶で飲みやすい感じが2019年ものですし、ピュアでミネラリティを直結で感じられるのが2018年もの・・だと思います。そしておそらく・・
「ドメーヌ・デュ・ペリカンが目指すスタイルは2019年ものが基本!」
であることは間違い無く、2019年もののアン・バルビを飲むことでそれが理解が深まる訳ですが、
「葡萄や、育った畑の個性をピュアに感じることが出来るのは2018年ものが(おそらく)最後!」
で有ることも同様に間違いない訳ですね。
この違いは、単にヴィンテージ要素、葡萄の熟度だけに寄ることは無いはずで、樽の掛け方、そして二次発酵の深さにも・・つまり造り手の意識によってかなり左右されるはずです。
ダンジェルヴィーユとしますと、アルボワの個性とダンジェルヴィーユの作法を融合させ、その上で完成されたのがこの2019年ものと言えます。

面白いのは、パワフルさはもしかすると2018年ものの方がスッキリと理解できるかもしれないんですね。2019年ものはもしかしたら妖艶さの方に喰われる部分が有って尚且つ・・ですので、2019年ものが妖艶さを出さない方向に行っていたらどうなったか?・・などと想像してみると、2019年ものは、妖艶さを演出しても大丈夫なほど、良い葡萄に仕上がったと言うことなのかもしれません。
>2019年は2018年と比べると収穫量はとても少ないが葡萄はきれいで豊か、しかし緻密でエレガント、緊張感とエネルギーがある。2012年にワイン造りを始めてから最も天気が安定していた2018年と比べると、2019年はいくつかの懸念材料があったので印象はあまり良くなかったが、収穫量が少なかったことが良い方向に働いてくれて結果的には素晴らしいクオリティのワインとなった。
まぁ、2019年ものの方が値上げで少し高目に出ていますが、その分、収量が減り減産を余儀なくされていますから仕方が無い・・でも葡萄にポテンシャルが有ったと言うことなのでしょう。
どちらも素晴らしい出来だと思います。2019年もの、透明で黄色がしっかり、緑も透けて見え、良い色合いです。2018年ものはより黄色いですが、結構にパワフルです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● N.V.(2019) V.d.F. Brut Nature S Zero
V.d.F. ブリュット・ナチュール・エス・ゼロ
【・・・シャンパーニュ好きなら一度は飲んで見るべし!・・サヴァニャンと言う凄い葡萄品種の緻密な表情、アルボワと言う産地の魅力が伝わって来る見事な出来!】

例えば今は日本にいらしゃって・・佐渡でカフェをやられているジャン・マルク・ブリニョさん。たまに10R(トアール)でワインが出ていたりしますが、アルボワの畑をダンジェルヴィーユに譲られたんですよね。ビオ系生産者の中では非常に著名な方でした。
そして、「しら~っ」とだけテクニカルに書かれていますが、「ジャック・ピュフネイ」からも畑を譲られています。ここは2014年までは凄いアルボワを造っていた生産者さんで、例えばピュフネイの「ヴァン・ジョーヌ」はアドヴォケイトでも・・こんな感じです。
2011 Arbois Vin Jaune
98 Points When to drink: 2019 to 2050 / Robert Parker The Wine Advocate
2009 Arbois Vin Jaune
98 Points When to drink: 2018 to 2039 / Robert Parker The Wine Advocate
「げげげっ!」
って・・思いませんか?・・半端無いでしょう?・・勿論ですがこれらは「サヴァニャン」ですよ。サヴァニャンこそ、非常な緻密さ、繊細さを持つ凄い葡萄ですが、
「シャトー・シャロンでは無くアルボワで物凄い評価を得ている!」
んですよね・・。

実は今回、かなり無理をしましてこの「S」を開けさせていただきました。飲んでないのに気付くのが遅れまして・・(^^;; しかも7月25日の月曜日、新着を出そうと気張っていたら PC がいつまで待っても画面が切り替わらない・・仕方が無いので強制終了したんですが、もう二度と立ち上がらなかったんですね・・それで万事休す・・です。結局、内臓のSSD が飛んだ性と判り、夜半まで掛ってHDD に変更する羽目になって、今はその「超ロートルなHDD」のお世話になっていますので、滅茶苦茶遅い・・痺れます。
おや・・そんなことでは無く、そう言う事で、グラスの写真は少し荒れています・・ご容赦ください。でも細やかな泡が判るかな・・と思います。
「・・前年の超繊細さとは異なる、超緻密で超複雑な・・ある意味、シャンパーニュを完全に思い起こさせる出来!」
だったんですね。
シャンパーニュと言えば、やはり「酸」はしっかりしています。泡質は持って生まれた部分と、長期熟成によって決まります。勿論ですが、相当良い葡萄を使用していると思います。・・まぁ、それがピュフネイの畑のものかは判りませんが・・(^^;;
なので、これはもう・・シャンパーニュファンは飲まないといけないかな!・・と思いますよ。シャンパーニュじゃサヴァニャンは無いですから・・その子孫はいるとは思いますけど!
しっかり休めて飲んであげたら、シャンパーニュマニアさえも・・
「ちょっと・・これは見るべき部分が多いかも!」
と思っていただけるかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【何と・・サヴァニャンでシャンパンほどのエレガンスを見せる泡を造ってしまいました!激レアです・・】
何とダンさん、やりますね~・・。誰も考えていないことをやってしまってます。
そもそもブルゴーニュの大ドメーヌが・・ブルゴーニュ南部に出るとかは有ったとしても、ジュラに出る・・と言うのは初めてですよね。
そしてこのワインは何とジュラの高貴種、「サヴァニャン」でシャンパン風の泡を造っちゃいました~!
ご存じの通りサヴァニャンは、世界にも稀、且つ最高の白ワインであるシャトー・シャロンになる葡萄です・・まぁ、シャトー・シャロンを名乗れる畑からのサヴァニャンに泡を造ってもシャトー・シャロンは名乗れないし、そもそもシャトー・シャロンの葡萄である訳がないのは間違い無いですが。
で、その出来栄えを是非見ていただきたい・・滅茶細かい泡・・肌理が細かく、クリーミーと言うのが似合う質をしています。
そしてドザージュは無しで・・だから「ゼロ」。
スパッと切れの良い味わいですが、サヴァニャンの特徴でもある「酸の複雑性と旨味」がエキスを構成し、繊細な糸を撚り合わせたような質感の喉越しを感じさせながら美しく収束します。
まぁ・・実のことを言いますと、
「とてもテイスティングできる数量じゃない」
入荷量だったんですが、何も知らないと何のご紹介にもならないので、開けてしまいました。
Noisy wine でしっかり休めていますので、美味しくいただけると思いますよ。是非ダンジェルヴィーユならではの「貴族の気品」をまとった、「ジュラの最高品種サヴァニャン」による泡・・飲んでみてください。シャンパーニュ程はガス圧は強く無いですが、「ムー」的なドザージュの方法の結果のようです。それもまた気品を感じさせてくれているのでしょう。お勧めします。
● 2020 Arbois Trois Cepages
アルボワ・トロワ・セパージュ
【すみません・・2018年もののレヴューになります。2020年ものは少なくて開けられず・・飲めませんでした。】

いや~・・旨かったんですよ・・随分良い感じになってました。・・でも今回テイスティングしたのは写真でもお判りのように・・2018年ものでした。
今回販売用に届いたのは2020年ものですから、あまり意味はないんですけどね。2018年ものは以前にもレヴューさせていただいてまして、このコラムの下の方に有ります。2018年ものがやや締まっていて直線的だったのに対し、2019年ものは相当複雑さが出てきて柔らかく・・ルジェっぽく?・・お薦めだと・・書いていました。
ペリカンが始まった時はずいぶんとピュア路線を行っていたもの・・その集大成が2018年だと言うことで、まぁ、ハッキリ言ってしまえば、
「2018年ものはピュアな美味しさは有るけれど柔らかさや妖艶さは少なめ」
と言うことかな?・・と思うんですね。
ところが今回、そのピュア路線だった2018年ものが、さらに1年経過してどうだったか・・と言うことなんですが・・
「これが・・かなり美味しくなっていた!」
んですよ。

つまり、ちょっと硬めだった2018年ものも、1年経過し熟成してくると、2019年ものと似て来たんです。色合いもまだまだシャキッとしているでしょう?・・おそらくミネラリティの関係だと思うんですが、相当に強いんでしょう。
で、2018年のトロワ・セパージュは、今や美味しく飲めるようになっていました!しかし、しかしですよ?・・後1年後にはさらに美味しくなる・・そんな感じを受けたんですね。
いや・・ワインって面白いですよね。2018年と2019年じゃ全く違う。ルジェっぽいな・・と思っていたらピジェアージュはしないでポンピングオーバーをする・・と言うんだから・・。それでルジェの作風にどこか似ている?・・なんて思ってしまったとしたなら、それじゃぁ何だかなぁ・・ですよね。
しかしながらこの十数年で劇的に素晴らしくなったダンジェルヴィーユですから、その過程を含めてデュ・ペリカンに臨み、素晴らしい2019年のトロワ・セパージュが生まれたと思います。
今回は2020年のトロワ・セパージュのご案内なんですが、開けたのが2018年ものだったので・・2020年ものの説明には全く成って無い・・と言う、余りに迷惑なオチでした。すみません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2018年(まで)の超ピュアで超繊細な味わいと、まるでダンジェルヴィーユのヴォルネイを彷彿させるふくよかさと密なテクスチュアの2019年!・・どうしてここまで違う!?】
え~・・上の写真が2019年、下の写真が2018年ですが、
「奇跡的に同じような角度で撮れた写真から、まったく異なる見え方が判る!」
noisyが言いたいことを代弁してくれるはずの見事な出来映えで撮れています・・いや、そこは2019年が妖艶さも有って、ちょっと、エマニュエル・ルジェが混じった?・・みたいな仕上がりで美味しい!・・と言うべきなのかもしれません。
しかし決して2018年ものの「トロワ・セパージュ」がダメ・・と言うことでは無く、今までのペリカンの「超ピュア・超繊細路線」をそのまま継承して来た集大成としての味わいがします。
なので、絹を織り込んだかのようなビロードのテクスチュアから、トロワ・セパージュ...3つの品種がそれぞれ織りなす複雑なテイストがピュアに感じられますので、今飲んでも..、まぁ..ほんのりと硬さは有るものの、時間の経過と共に徐々に膨らんでくれますから、
「少し複雑性に富んだミネラリティ豊かなピノ?」
みたいな感じで美味しく飲んでいただけると思うんですね。

一方、2019年もののトロワ・セパージュは、どこか直線的な印象から始まり複雑性を垣間見せる2018年ものとは、相当に違います。
他の「ペリカン」のコラムでも散々書いていますが、
「2019年ものはペリカンは超絶に妖艶!」
です。まるでエマニュエル・ルジェが乗り移ったかのようです・・まぁ、それでも総じて「ペリカンの赤」は「ペリカンの白」よりも大人しい妖艶さでは有ります。
上の写真を是非下の写真と見比べてみて下さい。下の2018年ものは、やはり基本がピュアですから、「真っすぐな性格」に見えると思いますが、上の2019年ものは・・「深遠なグラデュエーション」をしていますよね?
黒みがまるで美しくも透明なルビーを侵食しているかのようでも有ります。それでいて、「エッジ」は2018年ものと同様な淡いルビーが美しい・・。今もまたエレガントな妖艶さが良く香り、実に美味しく感じていただけるんじゃないかと思っています。勿論ですが、「今が飲み頃」の訳はなく、3年ほどで高みに到達し、変化しながらもそこから10年以上の長きに渡って魅了してくれると想像します。
いや・・アルボワ、サヴォワは昨今大注目の地域ですが、昨今のペリカンからはもう目が離せないと思いますよ。飲み方の基本は、
「早めに飲むのはペリカンの白、ちょっと置きたいペリカンの赤」
です。
でも、「ちょっと置きたいペリカンの赤」では有りますが、2019年ものを1年寝かせるので有れば、さっさと飲んだ方が良いし、2018年ものを1年寝かせられるのであれば、そうされた方が、「より良い結果」になろうかと思います。
トロワ・セパージュ、2018年(まで)と2019年の違いも相当にあって非常に美味しかったです。数はいただけないので・・有るだけで終了です。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2020 Arbois Poulsard
アルボワ・プールサール
【濃度がしっかりなクロ・サン=ローランとは真逆の性質?・・劇的にチャーミングで淡く、しかしちゃんと骨格と肉がバランスしています!スレンダーな超エキス系ピノ・ノワール・・が一番イメージに近いかも!】

決して煮立たせないようにして上質な出汁を取る和食のテクニックのような感じでしょうか。それも、
「これでもかっ!」
位の沢山の本枯節・・まぁ、noisyなら勿体ないから3番出汁位まで取っちゃいそうですが・・。
こんな系統のワインは、noisy は結構に好きなんですよね。色合いは強く無いし、タンニンや僅かな甘さに守られた果実も無いハードボイルドなドライさ、でもエキスが凄くしっかり有って旨味は人一倍、余韻にも美味しさが漂い、そこからまたノーズに却って来る果実のアロマが何とも言えない・・みたいな。
この間の2017年ペルナン=ヴェルジュレス / マリウス・ドラルシェは、時間が経つほどに、
「美味しいですね・・もう無いですか?」
と・・随分言われました。
「すみません・・終わっちゃったんですよ・・」
と返すしか無かったですし、何せ・・ピッキングミスで違うアイテムをお送りしてしまったり、何度も在庫数と出荷表の数を数えては・・と大変でしたが、誰がやったにせよ全てはnoisyの責任ですから・・その際は大変ご迷惑をお掛けしました。
で、そのペルナン=ヴェルジュレスとちょっと被るなぁ・・と。

もっとも、構造の骨格自体はこちらのプールサールの方がしっかりしているかな・・と思うんですね。当然ながらまだ若さも有りますんで、フレッシュな魅力が有ります。
皮の非常に薄い葡萄だと思われ病気には弱そうですが、この実に良い健康さとエレガントなエキスからの美しい果実表現がまたそそるんですね。
ペリカンの泡m「S」のコラムでも書きましたが、ジャン・マルク・ブリニョやピュフネイの畑からの葡萄がデュ・ペリカンで使われている訳ですし、長い歴史を持つダンジェルヴィーユならではの醸造技術も生きている訳で・・もう、これからのデュ・ペリカンは目が離せないようになるんじゃないかと思います。
なお、たった3本だけの入荷なので・・お早めにご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【グラスの写真が物語る2018年(まで)と2019年の違い!・・超妖艶さを得た2019年と超ピュアな2018年!可能なら是非飲み比べてみて下さい!】
プールサールと言う葡萄は余り馴染みが無いかもしれませんが、noisy のお客様にはとても多いピノ・ノワールファンの方には、
「全く問題がないと思われるほど繊細でピノっぽい」
と思います。まぁ、細かいことを言い出せばキリは無いですが・・。
で、上の写真が2019年で、下が2018年です。以前のレヴューを読んでいただけましたらお判りかと思いますが、
「2018年までは超ピュアで超繊細!」
なスタイルです。
そして2019年ものは、さらなる密度の上昇と共に、「エレガントな妖艶さ」を得ています・・これが・・以前のものと相当に違う!・・と言いたい部分なんですね。ちょっとルジェが入っちゃった感じ・・でも有りますし、もう少し正確に言うなら、
「マロラクティック発酵(二次発酵..実際には発酵では無く、酸っぱみのあるリンゴ酸系を乳酸系に変換させる)の相当な深さが2019年ものには有る」
と言うことでしょう。

近年のエマニュエル・ルジェほどには、ペリカンの2019年の赤はマロは深くはないですが、ペリカンの2019年の白は「滅茶苦茶深い!」掛かりです。なので、ある意味・・その2019年もののペリカンの美味しさを簡単に理解するには、
「ペリカンの白を飲んでみる」
のが良いです・・ちょっと感動ものの深~~い味わいです。
赤の方は・・実際にはマロも充分に掛かっているんですが、アルボワの地のマンモスな量のミネラリティゆえでしょうか、そこまで簡単には判らないんですね。
でも、2018年ものと2019年もののこのプールサールを比較してみますと、明らかに違う・・。超繊細でピュアな2018年ものの美味しさと、そこに存在している美しい酸を妖艶に、ふくよかに変え、繊細さはそのままにした2019年もの・・です。
いや・・これは相当に楽しいですよ。ブルゴーニュファンの皆様にも、充分に楽しんでいただけると思っています。是非・・トライしてみてください。
「ドメーヌ・ペリカンから目が離せない!」
超お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2020 Arbois Clos Saint-Laurent Pinot Noir
アルボワ・クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール
【激旨!・・ダンジェルヴィーユらしい・・「貴族の余裕」?・・みたいなゆとりと気品にしっかり濃度が出た、実に旨いピノ・ノワールです!】

まぁ・・ハッキリ言ってしまえば、2007年頃までのダンジェルヴィーユには余り魅力を感じていませんでした・・いや、いろんな意味ですみません・・まぁ、だから扱って無かった訳でも有ります。
ですが2008年頃からだったと記憶していますが、
「・・あれ?・・変わった・・よなぁ・・?」
と、明らかに上質な味わいになった瞬間があり、そこからはダンジェルヴィーユの大進撃が始まる訳なんですよね。そしてそれがヴォルネイ復活の狼煙ともなったんじゃないかとも思っています。
で、いまさらこのクロ・サン=ローランのテクニカルを読み返してみますと、
「櫂入れはせずに液循環」
って書いて有りますよね・・
そう・・これって、ある意味では「エマニュエル・ルジェ」と一緒なんですね。まぁ、ルジェは櫂入れは絶対にしない・・と言うことでは無いと思いますが、液循環が好きです。言ってみれば、
「以前のダンジェルヴィーユは抽出感がやや強く、その性でエレガンスが削がれ、平板になっていた」
とも言えるかもしれません。1990年代の強い抽出が求められた・・その幻影を追ってしまうことを続けていたのかもしれません。

テクスチュアは柔らかく、色合いは適度に濃いが、味わいが濃すぎるなどとは思えないエレガンス最優先の味わいです。
ドライだがふっくらと丸く優しく、なめらかでふんわりとしつつ、気品を感じる見事なアロマ、味わいで、
「クロ・サン=ローランこそデュ・ペリカンのルージュのトップ・キュヴェ!」
と言いたくなります。・・まぁ、前年のクロ・サン=ローランにもクロ・デ・デュックを持ちだしていますから、ちゃんとイメージは続いている・・そういう事なんでしょうね。素晴らしい出来だと思います。是非飲んでみて下さい。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【イメージはクロ・デ・デュック?・・横にも縦にも見事な膨らみと果実の充実さを見せる素晴らしいピノ・ノワールです!】
noisy のところには2019年ものが初のお目見えですが、実際には2018年ものからアルボワ・ピノ・ノワールから独立、リリースされている「クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール」です。
ドメーヌ・デュ・ペリカンの赤のトップ・キュヴェは激繊細な「プールサール」と思われますが、やはりこのピノ・ノワールによるクロ・サン=ローランは品種的に馴染みがある分でしょうか、また充実した果実のニュアンス、膨らみからでしょうか、実に美味しく感じられます。
やや黒みを帯びた中くらいのルビーは、輝きを見せつけ、やや官能的にも香ります。ふくよかなテクスチュアはダンジェルヴィーユのヴォルネイにも通じるようなニュアンスで・・いや、有る部分は「クロ・デ・デュック的」にも感じられてしまうのは、もしかしたら「贔屓目」によるものかもしれない・・とはしても、全くそれは感じられ無いとは言い切れないと感じました。
価格的にはダンジェルヴィーユの村名ヴォルネイの2/3ほどにも満たないですが、これは相当旨いですよ。そしてやはり「ダンジェルヴィーユ」を凄く感じさせてくれるキュヴェでも有ります。
そもそも2018年ものまでは、
「ダンジェルヴィーユが始めたアルボワ・プロジェクト」
では有っても、そこにダンジェルヴィーユの存在をワインから強く感じることは無かった・・と言えます(・・言いすぎでしたらすみません・・)。
ですが、2019年もののドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、アルボワ、サヴォワの土地のポテンシャル、土地の味わいに加え、ダンジェルヴィーユのワインが持つ高貴な風情をしっかりと感じられます。
そしてこのクロ・サン=ローランは、将来的には、ドメーヌ・デュ・ペリカンの看板として伸びて行くような・・そんな見事な風貌を味わいから想像出来てしまうニュアンスなんですね。
勿論ですが、今現状が最高の到達点だとは言えません。しかしながら、すでに大物感がビシバシ伝わって来る見事さを持ち合わせていますので、今でも充分楽しむことが可能でしょう。実際には3年後からが良い状態に入り、さらにはそこから5年後、ベストな状態になると思います。是非飲んでみて下さい。本性を見せ始めたドメーヌ・デュ・ペリカンのピノ・ノワール、トップ・キュヴェです。お勧めします!
● N.V.(2018) V.d.F. Brut Nature S Zero
V.d.F. ブリュット・ナチュール・エス・ゼロ
【何と・・サヴァニャンでシャンパンほどのエレガンスを見せる泡を造ってしまいました!激レアです・・】

何とダンさん、やりますね~・・。誰も考えていないことをやってしまってます。
そもそもブルゴーニュの大ドメーヌが・・ブルゴーニュ南部に出るとかは有ったとしても、ジュラに出る・・と言うのは初めてですよね。
そしてこのワインは何とジュラの高貴種、「サヴァニャン」でシャンパン風の泡を造っちゃいました~!
ご存じの通りサヴァニャンは、あの世界にも稀で、且つ最高の白ワインであるシャトー・シャロンになる葡萄です・・まぁ、シャトー・シャロンを名乗れる畑からのサヴァニャンに泡を造ってもシャトー・シャロンは名乗れないし、そもそもシャトー・シャロンの葡萄である訳がないのは間違い無いですが。
で、その出来栄えを是非見ていただきたい・・滅茶細かい泡・・肌理が細かく、クリーミーと言うのが似合う質をしています。
そしてドザージュは無しで・・だから「ゼロ」。
スパッと切れの良い味わいですが、サヴァニャンの特徴でもある「酸の複雑性と旨味」がエキスを構成し、繊細な糸を撚り合わせたような質感の喉越しを感じさせながら美しく収束します。
まぁ・・実のことを言いますと、
「とてもテイスティングできる数量じゃない」
入荷量だったんですが、何も知らないと何のご紹介にもならないので、開けてしまいました。
Noisy wine でしっかり休めていますので、美味しくいただけると思いますよ。是非ダンジェルヴィーユならではの「貴族の気品」をまとった、「ジュラの最高品種サヴァニャン」による泡・・飲んでみてください。シャンパーニュ程はガス圧は強く無いですが、「ムー」的なドザージュの方法の結果のようです。それもまた気品を感じさせてくれているのでしょう。お勧めします。
● 2019 Arbois Clos Saint-Laurent Pinot Noir
アルボワ・クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール
【イメージはクロ・デ・デュック?・・横にも縦にも見事な膨らみと果実の充実さを見せる素晴らしいピノ・ノワールです!】

noisy のところには2019年ものが初のお目見えですが、実際には2018年ものからアルボワ・ピノ・ノワールから独立、リリースされている「クロ・サン=ローラン・ピノ・ノワール」です。
ドメーヌ・デュ・ペリカンの赤のトップ・キュヴェは激繊細な「プールサール」と思われますが、やはりこのピノ・ノワールによるクロ・サン=ローランは品種的に馴染みがある分でしょうか、また充実した果実のニュアンス、膨らみからでしょうか、実に美味しく感じられます。
やや黒みを帯びた中くらいのルビーは、輝きを見せつけ、やや官能的にも香ります。ふくよかなテクスチュアはダンジェルヴィーユのヴォルネイにも通じるようなニュアンスで・・いや、有る部分は「クロ・デ・デュック的」にも感じられてしまうのは、もしかしたら「贔屓目」によるものかもしれない・・とはしても、全くそれは感じられ無いとは言い切れないと感じました。
価格的にはダンジェルヴィーユの村名ヴォルネイの2/3ほどにも満たないですが、これは相当旨いですよ。そしてやはり「ダンジェルヴィーユ」を凄く感じさせてくれるキュヴェでも有ります。
そもそも2018年ものまでは、
「ダンジェルヴィーユが始めたアルボワ・プロジェクト」
では有っても、そこにダンジェルヴィーユの存在をワインから強く感じることは無かった・・と言えます(・・言いすぎでしたらすみません・・)。
ですが、2019年もののドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、アルボワ、サヴォワの土地のポテンシャル、土地の味わいに加え、ダンジェルヴィーユのワインが持つ高貴な風情をしっかりと感じられます。
そしてこのクロ・サン=ローランは、将来的には、ドメーヌ・デュ・ペリカンの看板として伸びて行くような・・そんな見事な風貌を味わいから想像出来てしまうニュアンスなんですね。
勿論ですが、今現状が最高の到達点だとは言えません。しかしながら、すでに大物感がビシバシ伝わって来る見事さを持ち合わせていますので、今でも充分楽しむことが可能でしょう。実際には3年後からが良い状態に入り、さらにはそこから5年後、ベストな状態になると思います。是非飲んでみて下さい。本性を見せ始めたドメーヌ・デュ・ペリカンのピノ・ノワール、トップ・キュヴェです。お勧めします!
● 2018 Arbois Trois Cepages
アルボワ・トロワ・セパージュ
● 2019 Arbois Trois Cepages
アルボワ・トロワ・セパージュ
【2018年(まで)の超ピュアで超繊細な味わいと、まるでダンジェルヴィーユのヴォルネイを彷彿させるふくよかさと密なテクスチュアの2019年!・・どうしてここまで違う!?】

え~・・上の写真が2019年、下の写真が2018年ですが、
「奇跡的に同じような角度で撮れた写真から、まったく異なる見え方が判る!」
noisyが言いたいことを代弁してくれるはずの見事な出来映えで撮れています・・いや、そこは2019年が妖艶さも有って、ちょっと、エマニュエル・ルジェが混じった?・・みたいな仕上がりで美味しい!・・と言うべきなのかもしれません。
しかし決して2018年ものの「トロワ・セパージュ」がダメ・・と言うことでは無く、今までのペリカンの「超ピュア・超繊細路線」をそのまま継承して来た集大成としての味わいがします。
なので、絹を織り込んだかのようなビロードのテクスチュアから、トロワ・セパージュ...3つの品種がそれぞれ織りなす複雑なテイストがピュアに感じられますので、今飲んでも..、まぁ..ほんのりと硬さは有るものの、時間の経過と共に徐々に膨らんでくれますから、
「少し複雑性に富んだミネラリティ豊かなピノ?」
みたいな感じで美味しく飲んでいただけると思うんですね。

一方、2019年もののトロワ・セパージュは、どこか直線的な印象から始まり複雑性を垣間見せる2018年ものとは、相当に違います。
他の「ペリカン」のコラムでも散々書いていますが、
「2019年ものはペリカンは超絶に妖艶!」
です。まるでエマニュエル・ルジェが乗り移ったかのようです・・まぁ、それでも総じて「ペリカンの赤」は「ペリカンの白」よりも大人しい妖艶さでは有ります。
上の写真を是非下の写真と見比べてみて下さい。下の2018年ものは、やはり基本がピュアですから、「真っすぐな性格」に見えると思いますが、上の2019年ものは・・「深遠なグラデュエーション」をしていますよね?
黒みがまるで美しくも透明なルビーを侵食しているかのようでも有ります。それでいて、「エッジ」は2018年ものと同様な淡いルビーが美しい・・。今もまたエレガントな妖艶さが良く香り、実に美味しく感じていただけるんじゃないかと思っています。勿論ですが、「今が飲み頃」の訳はなく、3年ほどで高みに到達し、変化しながらもそこから10年以上の長きに渡って魅了してくれると想像します。
いや・・アルボワ、サヴォワは昨今大注目の地域ですが、昨今のペリカンからはもう目が離せないと思いますよ。飲み方の基本は、
「早めに飲むのはペリカンの白、ちょっと置きたいペリカンの赤」
です。
でも、「ちょっと置きたいペリカンの赤」では有りますが、2019年ものを1年寝かせるので有れば、さっさと飲んだ方が良いし、2018年ものを1年寝かせられるのであれば、そうされた方が、「より良い結果」になろうかと思います。
トロワ・セパージュ、2018年(まで)と2019年の違いも相当にあって非常に美味しかったです。数はいただけないので・・有るだけで終了です。是非ご検討くださいませ。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2018 Arbois Poulsard
アルボワ・プールサール
● 2019 Arbois Poulsard
アルボワ・プールサール
【グラスの写真が物語る2018年(まで)と2019年の違い!・・超妖艶さを得た2019年と超ピュアな2018年!可能なら是非飲み比べてみて下さい!】

プールサールと言う葡萄は余り馴染みが無いかもしれませんが、noisy のお客様にはとても多いピノ・ノワールファンの方には、
「全く問題がないと思われるほど繊細でピノっぽい」
と思います。まぁ、細かいことを言い出せばキリは無いですが・・。
で、上の写真が2019年で、下が2018年です。以前のレヴューを読んでいただけましたらお判りかと思いますが、
「2018年までは超ピュアで超繊細!」
なスタイルです。
そして2019年ものは、さらなる密度の上昇と共に、「エレガントな妖艶さ」を得ています・・これが・・以前のものと相当に違う!・・と言いたい部分なんですね。ちょっとルジェが入っちゃった感じ・・でも有りますし、もう少し正確に言うなら、
「マロラクティック発酵(二次発酵..実際には発酵では無く、酸っぱみのあるリンゴ酸系を乳酸系に変換させる)の相当な深さが2019年ものには有る」
と言うことでしょう。

近年のエマニュエル・ルジェほどには、ペリカンの2019年の赤はマロは深くはないですが、ペリカンの2019年の白は「滅茶苦茶深い!」掛かりです。なので、ある意味・・その2019年もののペリカンの美味しさを簡単に理解するには、
「ペリカンの白を飲んでみる」
のが良いです・・ちょっと感動ものの深~~い味わいです。
赤の方は・・実際にはマロも充分に掛かっているんですが、アルボワの地のマンモスな量のミネラリティゆえでしょうか、そこまで簡単には判らないんですね。
でも、2018年ものと2019年もののこのプールサールを比較してみますと、明らかに違う・・。超繊細でピュアな2018年ものの美味しさと、そこに存在している美しい酸を妖艶に、ふくよかに変え、繊細さはそのままにした2019年もの・・です。
いや・・これは相当に楽しいですよ。ブルゴーニュファンの皆様にも、充分に楽しんでいただけると思っています。是非・・トライしてみてください。
「ドメーヌ・ペリカンから目が離せない!」
超お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】
どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
● 2018 Arbois Trousseau Beranger
アルボワ・トゥルソー・ベランジェ
【繊細かつ複雑!スパイシー&ピュア!・・2018年までのドメーヌ・デュ・ペリカンのトップ・キュヴェ、トゥルソーの集大成です!】

二次発酵と言うのは実に面白いもので・・本来は、一次発酵が終わったキュヴェが気温の上がる春を迎えて乳酸発酵(二次発酵)が自然に起こる訳ですね。大昔は自然にそうなったと言われますが、昨今は人為的に行う場合が多いようです。そして、乳酸発酵の掛かりの深さは、温度管理の方法、その長さなどで変わりますので、
「ドメーヌによって結構ことなる」
訳ですし、キュヴェによっては、
「二次発酵をしない」
場合も有る訳です。
この2018年のトゥルソーは、ピュア時代のドメーヌ・デュ・ペリカンのものですので、二次発酵の深さはさほどでもなく、さりとて「していない」訳でも無く、適度な掛かりだと言えます。誤解を恐れずに言うとしてメオとルジェで代弁するなら、ルジェでは有り得ずメオだと言える訳です。
Noisy wine には2019年のトゥルソーは入荷しませんでしたが、テイスティングはしています。上の写真が2018年もの、下が2019年ものです。まあ、似た感じの色合いでは有りますが、2019年ものの方が黒みがしっかり入っていると見えるかと思います。

2019年ものはやはり乳酸発酵をよりしっかりやったような滑らかさが感じられる仕上がりです。2018年ものはもう少しピュアで、言ってみれば「酸はしっかり」したニュアンスですが、これ・・熟成してきますと・・そのピュアであるがため、より繊細さが助長され、そこに熟成の滑らかさが入って来ますので・・実に素晴らしい味わいになる訳です。
二次発酵では無いですが、たとえばエマニュエル・ルジェが造るニュイ=サン=ジョルジュやエシェゾーには、ジョルジュ・ジャイエ名のものが有りますよね?・・単に新樽使用と、古樽使用と言うだけでは無く、その味わいには相当違いが有る訳です。
新樽なら、穏やかな酸素供給が可能ですので、熟成時にまろやかさや官能さが加わりやすいです。古樽ですと樽の木の細胞は埋まってますから、ウイヤージュの頻度にもよりますが酸素供給はかなり遮断されます。この辺も、二次発酵のやり方の違いと関わって、その「官能感の違い」は変わってくると思うんですね。
ですので、官能感がより前面に出た2019年ものは早い段階から美味しく飲めてしまいます。2018年ものは1年熟成が長いので、ピュアな味わいがこなれ始めて来ています。
ですが2019年ものは、抜栓直後から相当に美味しいんですが、数時間経ちますとそれなりに締まって来ます。その段階の姿は微妙に2018年ものの今の姿に近いかもしれません。
そもそもトゥルソーは、超繊細なプールサールとピノ・ノワールの中間的な感じで・・いや、プールサールがピノ・ノワールの超繊細な部分を切り取ったかのような感じ?・・で、トゥルソーはピノ・ノワールの低域と高域をより強調したかのようなニュアンス?・・みたいな感じにnoisy は捉えていますが、
「似ている」
のは間違い無く、この3種を飲み比べればある程度判別できるとしても、そのうちの1つだけをテイスティングして当てることは、常にそんなことを続けているドメーヌの醸造担当でなければ結構に厳しいでしょう。
そもそもこのグラスの色合いを見ただけで、
「はい、ピノ・ノワール!」
と言ってしまいそうになりますよね?
良い出来の2018年、トゥルソー・ベランジェです。ドメーヌ・デュ・ペリカンの赤のトップ・キュヴェ、是非ご検討くださいませ。お勧めします!
● 2018 Arbois Chardonnay
アルボワ・シャルドネ
● 2019 Arbois Chardonnay
アルボワ・シャルドネ
【シャルドネのベース・キュヴェですが、ドメーヌ・デュ・ペリカンを知るのにベストな味わいです!2018年と2019年、比較してみてください!】

実は2018年ものは昨年届いていまして、ベース・キュヴェでは有るものの、数が無かったもので・・2018年ものはテイスティングしていなかったんですね。ですが、上級キュヴェの2つはしっかり飲んでいますので、傾向は判っています。一応ですが、
「2019年ものに比較して妖艶さは劣るもののピュアな味わいは勝る」
と言って良いかと思います。
実際のところ・・2018年ものと2019年もののベース・シャルドネの違いは想像に過ぎませんが、2019年ものはおそらく・・少なくとも新樽率は上がったんじゃないかと想像しています。
ただし、2019年もののこの「官能感」は絶品でして、
「ここまでしっかり官能さが出ているシャルドネは、ブルゴーニュにも探すことが出来ないかも・・」
と思えるくらいなんですね。
まぁ、サヴォワやアルボワの温度感と言いますか、「空気感」と言うべきか、それとも「細菌環境」と言うべきか・・・(^^;; まぁ、酵母も細菌ですから、ドメーヌ・デュ・ペリカンの畑もしっかり地元に馴染んだ性・・と言えなくも無いかもしれません。
noisy が2019年ものドメーヌ・デュ・ペリカンの白を飲んでビックリしたのは、その変わり様です。2018年ものまでのペリカンのワインは非常にピュアでした。そしてシャルドネはブルゴーニュのシャルドネに非常に近しい感じがしたんですが・・2019年ものは、
「ジュラ!」
そして、
「ダンジェルヴィーユ!」
を見事に感じさせてくれました。
もし近いものがあるとするなら、それは「ダンジェルヴィーユのムルソー・プルミエ・クリュ・サントノ」です。そして、それをさらにジュラやサヴォワ、アルボワの空気で育てた風の空気感です。なので、
「非常に官能的ながらもダンジェルヴィーユ的な品の良さ!」
を感じさせてくれます。
面白い教材だと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
【サヴァニャンよりさらに飲み易く親しみやすい美しいシャルドネです!】
まぁ・・サヴァニャンだと言うだけで「駄目かも・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ドメーヌ・ペリカンの白ワインに限っては、
「受け付けられないようなアロマは無い」
と申し上げておきましょう。全く問題無いと言えます。
ブルゴーニュのシャルドネとは、やはり微妙に違うイントネーションが有りますが、それでも似ているのは地域的に近いと言うこと、酸膜系酵母を動かさないことに寄るでしょう。
柑橘系の白や黄色の果実が詰まったアロマ、伸びやかなやや黄色い石灰系のミネラリティ、中域が適度に膨らみ、ややオイリーさとほんのりと存在する残糖感が、丸みのある味わいを生み出しています。凝縮していて密です。緯度感はコート・ド・ボーヌ同様ですが、熟れて凝縮したニュアンスや粘度がブルゴーニュ南部のプイィ=フュイッセ辺りの上質なシャルドネに重なって感じられます。
また弦とか若芽とかの緑色を感じさせるアロマや酸も有り、全くの滑らかさだけの味わいとも違う印象ですね。サヴァニャンはとにかく滑らかで、高周波な酸のレベルは低いんですが、こちらのシャルドネに関しては、例えばマロをしていないようなシャブリにも通じるような若々しく鮮烈さを持つシャープな酸も感じられ、低いところから高いところまで全域の表現がされています。
ほんのりとした残糖感は、まだ到着間もないうちにテイスティングしたことによるのかもしれませんので、おそらくボディと大分、一体となっている頃だと想像しています。
新生ドメーヌですが、ブルゴーニュの大御所でもあるダンジェルヴィーユが新境地を描いたアルボワです。是非ご検討くださいませ。
● 2018 Arbois Chardonnay Grand Curoulet
アルボワ・シャルドネ・グラン・キュルレ
● 2019 Arbois Chardonnay Grand Curoulet
アルボワ・シャルドネ・グラン・キュルレ
【グラマラスでファット!ピュアさが光る2018年と、かなりの妖艶さにグラっと来てしまう2019年です!】

素晴らしいシャルドネ!?・・でした。目から鱗・・これほどの穢れ無き妖艶さがシャルドネに載るとは・・そんなイメージです。そもそもそれはおそらく2018年ものにも存在するものなのでしょう。しかし、
「最初から・・リリース仕立てから」
そんな素晴らしいエロティックさが感じられるのは2019年ものです。2018年ものはエロティックと言うよりはもっと清楚な感じです。
2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンの白ワインは、押し並べてエロティック、官能的です。そしてそれが「嫌味」にならないのが・・ダンジェルヴィーユなんですね~・・。2008年頃からのダンジェルヴィーユのヴォルネイワインは、それまでの「やや乾いた感じ」を「濡れた表情」に大きく変更し、それとともに世界的な評価もグングン上昇しています。noisy たち、ワイン愛好家?としましてもそれは大歓迎で、
「ダンジェルヴィーユ復活!」
などとはやし立てた訳です。そして最近は、
「ヴォルネイ新時代の幕開け!」
を言い出しています・・いや、そんなことを言ってるのは noisy だけでは有りますが・・。
そんな「濡れた」見事な味わいに、「官能感」がビシッと・・そしてダンジェルヴィーユ的な「高貴」なニュアンスをそのままに・・さらには「ジュラ、サヴォワ、アルボワ」のニュアンスを感じさせてくれる訳ですから美味しくない訳が無いでしょう?

上が2019年、下の写真が2018年です。2019年がより官能的で上出来・・では有ると言えますが、決して2018年ものが大きく劣る訳では有りません。2018年もののピュアで健康的な美味しさは2019年ものに勝ります。2018年ものはむしろ非常にブルゴーニュ的・・であり、2019年ものはジュラっぽい妖艶さが載っている訳です。
2019年ものがジュラっぽいとは言え、「産膜酵母」が織りなすシェリーっぽいニュアンスが有る訳では有りません。やはりそこは「温度感」「気温感」「空気感」かと・・思います。判りやすいのはやはり2018年ものと2019年ものの垂直テイスティングでしょう。
この非常に豊かでピュアな「グラン・キュルレ」の味わいを是非知っていただきたいと思います。2018年もののピュアで清楚感のある美しさと、2019年もののエロさ・・飲んでみて下さい。超お勧めです!
● 2018 Arbois Chardonnay en Barbi
アルボワ・シャルドネ・アン・バルビ
● 2019 Arbois Chardonnay en Barbi
アルボワ・シャルドネ・アン・バルビ
【熟したフルーツが冷ややかに!・・そしてそれをピュアに清楚に複雑に感じさせる2018年と、僅かなピュアさを削り、妖艶さを載せた2019年!滅茶旨いです!】

ここまで2018年と2019年のニュアンスが異なると、ある意味、お勧めの言葉も難しくはない・・かもしれませんが、どのコラムを読んでも内容が一緒・・と言われてしまえば、それっきりです・・すみません。
ですが、いや・・相当に違うんですよ・・本当に。どっちが良いか?・・と問われれば、
「それはそれぞれの好みでしょう?」
と言わざるを得ない訳ですが、最初から柔らかくて妖艶で飲みやすい感じが2019年ものですし、ピュアでミネラリティを直結で感じられるのが2018年もの・・だと思います。そしておそらく・・
「ドメーヌ・デュ・ペリカンが目指すスタイルは2019年ものが基本!」
であることは間違い無く、2019年もののアン・バルビを飲むことでそれが理解が深まる訳ですが、
「葡萄や、育った畑の個性をピュアに感じることが出来るのは2018年ものが(おそらく)最後!」
で有ることも同様に間違いない訳ですね。
この違いは、単にヴィンテージ要素、葡萄の熟度だけに寄ることは無いはずで、樽の掛け方、そして二次発酵の深さにも・・つまり造り手の意識によってかなり左右されるはずです。
ダンジェルヴィーユとしますと、アルボワの個性とダンジェルヴィーユの作法を融合させ、その上で完成されたのがこの2019年ものと言えます。

面白いのは、パワフルさはもしかすると2018年ものの方がスッキリと理解できるかもしれないんですね。2019年ものはもしかしたら妖艶さの方に喰われる部分が有って尚且つ・・ですので、2019年ものが妖艶さを出さない方向に行っていたらどうなったか?・・などと想像してみると、2019年ものは、妖艶さを演出しても大丈夫なほど、良い葡萄に仕上がったと言うことなのかもしれません。
>2019年は2018年と比べると収穫量はとても少ないが葡萄はきれいで豊か、しかし緻密でエレガント、緊張感とエネルギーがある。2012年にワイン造りを始めてから最も天気が安定していた2018年と比べると、2019年はいくつかの懸念材料があったので印象はあまり良くなかったが、収穫量が少なかったことが良い方向に働いてくれて結果的には素晴らしいクオリティのワインとなった。
まぁ、2019年ものの方が値上げで少し高目に出ていますが、その分、収量が減り減産を余儀なくされていますから仕方が無い・・でも葡萄にポテンシャルが有ったと言うことなのでしょう。
どちらも素晴らしい出来だと思います。2019年もの、透明で黄色がしっかり、緑も透けて見え、良い色合いです。2018年ものはより黄色いですが、結構にパワフルです。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2018 Arbois Savagnin Ouille
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ
● 2019 Arbois Savagnin Ouille
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ
【サヴァニャン!・・サヴァニャンこそ、新たな白葡萄の代表選手になるでしょう!・・非常に官能的な2019年ものです!】

すみません、2018年ものは飲めていませんで・・お詫び申し上げます。でも、2019年ものはしっかりテイスティングさせていただきました!
他のコラムでも書いていますが、とにかく2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンは凄いです!そして白のエロさが半端無い訳です!そしてサヴァニャンが滅茶旨い訳です・・ある種の温かみを感じる空気感、その地に根付いた細菌・・いや酵母による実に複雑な味わいがする訳ですね。
ですが、決して「産膜酵母」は動かしていない訳です。そんな意味では・・2018年ものも2019年ものも同じだと思われます。
「産膜酵母が動いていないサヴァニャンは複雑では無い?」
そう問われますと・・中々に微妙では有ります。シャトー・シャロンクラスの凄いサヴァニャンは、やはり産膜酵母の働きを必要とする訳ですね。ウイヤージュ、補酒をしないことにより、そのサヴァニャンの潜在能力を凝縮て高め、熟成させるわけです。
将来的にダンジェルヴィーユがそんなワインを造らないとも限りませんが、現在はそんな雰囲気は「ゼロ」です。ピュアなのに滅茶複雑性が高いんです。
2018年ものはおそらく・・それ以前のラインを踏襲しているはずですので、「ピュアで複雑、ストレートなサヴァニャンの美味しさ」を見せてくれるはずです。ですが・・2019年ものは実にエロティックです。酸膜を動かしたサヴァニャンもそんなニュアンスを含みますが、むしろ2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、もっと官能的なエロティシズムを感じさせてくれます。
素直に果実のピュアな美味しさを見せる(に違いない)2018年ものと、そこにエロティックさを大盛にした2019年・・しかも密度が素晴らしく高いです。これは是非飲んでいただきたい・・勿論、上級キュヴェのサヴァニャンはもっと素晴らしいんですが・・是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【とてもナチュラル!でも酸化・産膜酵母の動いた痕跡の無いピュアでポテンシャル高いサヴァニャンです!】
このところ、非常にグイグイ品質を上げているダンジェルヴィーユです。noisy も実はしこたま仕入れているんですが、
「・・・レヴューを書く時間が取れない」
ので完成度が低く、まだご紹介していないアイテムがズラリ・・と並んだ状態です。
「何とかせんといかんぞ・・」
と思いつつも、日々の諸業務、毎週の新着のレヴュー作成、サーバー環境の更新、業務ソフトの開発、エージェントさんとの楽しい会話・・などでどんどん時間が削られてしまいます。ましてや某運送会社さんの度重なる変更による業務ソフトの書き直しとか送料アップの交渉後事とか・・いらぬ気遣いやら、本来はやらなくても良い仕事がどんどん積み重なり、気付けばいつも、
「いつの間にか翌日になっている」
ものですから、出荷のご案内なども皆さんもご存知のように、物凄く遅い時間になって送るようになることさえ有ります。
さらには2、5、8、11月のリアルのテイスティングも有りますから、その月は常に臨戦態勢・・自分でも何をやっているのか分からなくなることも・・いや、それはオーバーですが、予定がきっちり詰まっちゃってることが多いんですね・・。
・・と取り敢えず言訳を咬ましたところでこの「ドメーヌ・ペリカン」のサヴァニャン2015年です。
若いうちは硬くてテクスチュアがイマイチだった2000年台のダンジェルヴィーユもこの2010年台はビックリするほどのしなやかさ、ピュアさを見せてくれています。このサヴァニャンは、
「産膜酵母由来のアロマは全く無い!」
非常にナチュラルで美しいサヴァニャンです。すでに赤ワインご紹介済ですから、飲まれた方はその美しく伸びやかなアロマとテクスチュアに驚かれたことでしょう。ドメーヌ・ペリカンではこの酸膜由来のアロマを出さないようにしているそうです。
以前、noisy のところでも、非常にポテンシャルの高い、僅かに酸膜由来の薫りのするサヴァニャンをnoisy もビックリするほどご購入いただきました。飲まれた方は、そのポテンシャルに驚き、数本、12本と言う単位でご購入されたものですから、結果とんでもない・・驚くべき数量になったんですね。
しかしその一方では、やはり酸膜由来のアロマが受けつけられない・・もしくは、傷んでいると感じられる方もいらしたようです。最終的にはご理解いただき、新たな世界を発見できたとおっしゃられた方がほとんどでしたが、声に出さない方もおられるでしょうから・・そこは難しい部分でも有ります。
さすがにそこまでのポテンシャルは・・このサヴァニャンには無いと断言できます。そりゃぁそうです・・産膜酵母由来だからこそ、その複雑精緻なとんでもポテンシャルが生まれる訳ですから。
しかしながら、酸膜を動かさず、ピュアな味わいをナチュラルさを失わずに造ったサヴァニャンだとするなら、これもまた素晴らしい味わいだと言えます。
とてもマッタリしていて艶やかで、中域低域の膨らみから、超高域までの細やかなアロマまで、素晴らしい表現をしています。果実も白から黄色、そして赤味を帯びたものまで多彩です。ほんのりオイリーで、やや黄色を感じる石灰系ミネラリティを多く含んだ余韻から、また果実の還りが有ります。
素晴らしいサヴァニャンだと思います。特に「酸膜由来の香りが苦手な方」には、やや赤みの有る粘っこいシャルドネ・・?みたいなイメージで美味しく楽しめるはず・・などと感じています。ぜひペリカンのサヴァニャン、挑戦してみてください。美味しいです!
● 2018 Arbois Savagnin Maceration Pelliculaire
アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール
● 2019 Arbois Savagnin Maceration Pelliculaire
アルボワ・サヴァニャン・マセラスィヨン・ペリキュレール
【滅茶複雑で官能的なサヴァニャンの美味しさに、白ワインとは思えないほどのボディ感覚が備わった素晴らしい味わいです!】

2018年もののダンジェルヴィーユ、ドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは、余りに数が無く、ほぼ飲まなかったんですが・・今になって思えば失敗したなぁ・・飲んでおけば良かったと思っています。
それほどまでに2019年のドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンは感動的で、魅力に溢れる素晴らしい味わいをしていました。その変化を見るためにも、リリース時に何とか飲んでおくべきだったと反省しています。
なので、2018年もののレヴューは出来ませんが、それでも2019年ものを少しだけピュアな方向に持っていった感じ・・そのように想像しています。価格もその分でしょうか、少しだけリーズナブルです。
2019年の、まぁ・・「オレンジワイン風」でしょうか、マセラスィヨン・ペリキュレールです。ビオ系の白ワイン生産者がさかんに使用している赤ワインと同様に果皮を漬け込むやり方です。
この果皮浸漬を行った白ワインには、So2 を使いたくない性でしょうか・・生産者に寄っては、ほとんど「ミイラ」みたいな、果実感が失せ干からび過ぎた果実のようになってしまっているものも散見されます。ただし、結構に果実感は失せているのに、それでも精妙な果実エキスのニュアンスから、複雑で心地良い味わいを見せるものも有りますので、いきなり全てを否定するものではありません。
ドメーヌ・デュ・ペリカンのサヴァニャンのこのキュヴェは、心地良いタンニンの膨らみが、まるで黒葡萄による赤ワインのような「ボディ」を感じさせてくれます。タンニンの質も良く、決して口内を刺激するようなものでは有りませんで、適度に膨らんでくれ、フルーツ、ドライフルーツのニュアンスを官能感を込めてしっかり伝えてくれますので、ミイラなどとはとっても言える部類のものでは有りません。
高貴なニュアンスだけを見れば、むしろボディ感覚の素晴らしさと、相当に粘性を感じる味わいから、
「新しい白ワイン?」
的に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
それに加えて、サヴァニャン種が持つ素晴らしくも複雑な入り組んだ味わい組成・・これがもう、単なるフルーツ、ドライフルーツでは無くしてしまうし、しかも相当に官能的ですので、それらの果実が完熟感を持って感じられるんですね。
素晴らしい果皮浸漬のサヴァニャンでした!・・流石、ダンジェルヴィーユ・・いや、ダンジェルヴィーユだからこそ、ブルゴーニュの気品を持った果皮浸漬のサヴァニャンを造り出せたのかと思います。
これは是非白ワインファンには飲んでみていただきたい・・でも、
「オレンジワイン、有りますか?」
と、単に流行りのものを追いかけている方にはちょっと向かないかもしれません。でも白ワインファンの方々には飲んでみていただきたいなぁ!・・そう思う見事な味わいでした。お勧めします。
● 2018 Arbois Savagnin Ouille Grand Curoulet
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ・グラン・キュルレ
● 2019 Arbois Savagnin Ouille Grand Curoulet
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ・グラン・キュルレ
【サヴァニャンの複雑に織り込まれたような美味しさ、そして妖艶さをダンジェルヴィーユ的な高い気品と共に味わえる逸品です!】

これは素晴らしい!口入れで張りは漲るように口内に満ち、ホロホロと崩れながら・・また口内の感覚器官を細やかに揺らし、濃密な果実感覚を覚えさせつつ、美しい減衰を見せつつ、ノーズから官能感を覚えさせられる・・そんな感じです。
まぁ・・言ってしまえば、ダンジェルヴィーユのパワフルで滑らかなムルソー=サントノをもう少し細やかな表情に持って行ったような感じで、むしろムルソー=サントノの方が直情的じゃないか?・・などとも思ってしまいます。もっとも、底から湧き上がるかのようなムルソー=サントノの力強さがこのグラン・キュルレには有りませんが、もう少しだけ腰高にした部分からの凄い表情もムルソー=サントノには有りません。
じゃぁ、なんで似ていると思ってしまうのか?・・ですが、そこはやはり、「ダンジェルヴィーユらしさ」なのでしょうね。まだ始まったばかりの頃のドメーヌ・デュ・ペリカンのワインには、余りダンジェルヴィーユらしさは感じなかったものですが、
「このワインはサヴァニャンでは有るけれど、しっかりダンジェルヴィーユの影を感じる味わい!」
であると思っています。
noisy 的には、今後、ジュラやアルボワ、サヴォワのサヴァニャンは世界を席巻するんじゃないか・・と想像しています。そもそもすでにそんな感じが取れますよ。結構にエージェントさんは、
「ジュラ、売れないと思っていたんですが最近は入るとすぐなくなっちゃうんですよ。」
などと何度か聞きました。
Noisy wine でも結構にその傾向は有りまして、以前から・・40ケースも売れた某ワインも有るくらいですから・・はい。
2018年ものは例によって・・飲めてはいません。ですが2019年ものは圧巻でした!・・おそらくこのサヴァニャン・グラン・キュルレがトップ・キュヴェになるかと思いますが、それだけの存在感をしっかり感じさせていただきました。是非飲んでみていただきたいと思います。お勧めします!
● 2015 Arbois Savagnin Ouille
アルボワ・サヴァニャン・ウイエ
【とてもナチュラル!でも酸化・産膜酵母の動いた痕跡の無いピュアでポテンシャル高いサヴァニャンです!】

このところ、非常にグイグイ品質を上げているダンジェルヴィーユです。noisy も実はしこたま仕入れているんですが、
「・・・レヴューを書く時間が取れない」
ので完成度が低く、まだご紹介していないアイテムがズラリ・・と並んだ状態です。
「何とかせんといかんぞ・・」
と思いつつも、日々の諸業務、毎週の新着のレヴュー作成、サーバー環境の更新、業務ソフトの開発、エージェントさんとの楽しい会話・・などでどんどん時間が削られてしまいます。ましてや某運送会社さんの度重なる変更による業務ソフトの書き直しとか送料アップの交渉後事とか・・いらぬ気遣いやら、本来はやらなくても良い仕事がどんどん積み重なり、気付けばいつも、
「いつの間にか翌日になっている」
ものですから、出荷のご案内なども皆さんもご存知のように、物凄く遅い時間になって送るようになることさえ有ります。
さらには2、5、8、11月のリアルのテイスティングも有りますから、その月は常に臨戦態勢・・自分でも何をやっているのか分からなくなることも・・いや、それはオーバーですが、予定がきっちり詰まっちゃってることが多いんですね・・。
・・と取り敢えず言訳を咬ましたところでこの「ドメーヌ・ペリカン」のサヴァニャン2015年です。
若いうちは硬くてテクスチュアがイマイチだった2000年台のダンジェルヴィーユもこの2010年台はビックリするほどのしなやかさ、ピュアさを見せてくれています。このサヴァニャンは、
「産膜酵母由来のアロマは全く無い!」
非常にナチュラルで美しいサヴァニャンです。すでに赤ワインご紹介済ですから、飲まれた方はその美しく伸びやかなアロマとテクスチュアに驚かれたことでしょう。ドメーヌ・ペリカンではこの酸膜由来のアロマを出さないようにしているそうです。
以前、noisy のところでも、非常にポテンシャルの高い、僅かに酸膜由来の薫りのするサヴァニャンをnoisy もビックリするほどご購入いただきました。飲まれた方は、そのポテンシャルに驚き、数本、12本と言う単位でご購入されたものですから、結果とんでもない・・驚くべき数量になったんですね。
しかしその一方では、やはり酸膜由来のアロマが受けつけられない・・もしくは、傷んでいると感じられる方もいらしたようです。最終的にはご理解いただき、新たな世界を発見できたとおっしゃられた方がほとんどでしたが、声に出さない方もおられるでしょうから・・そこは難しい部分でも有ります。
さすがにそこまでのポテンシャルは・・このサヴァニャンには無いと断言できます。そりゃぁそうです・・産膜酵母由来だからこそ、その複雑精緻なとんでもポテンシャルが生まれる訳ですから。
しかしながら、酸膜を動かさず、ピュアな味わいをナチュラルさを失わずに造ったサヴァニャンだとするなら、これもまた素晴らしい味わいだと言えます。
とてもマッタリしていて艶やかで、中域低域の膨らみから、超高域までの細やかなアロマまで、素晴らしい表現をしています。果実も白から黄色、そして赤味を帯びたものまで多彩です。ほんのりオイリーで、やや黄色を感じる石灰系ミネラリティを多く含んだ余韻から、また果実の還りが有ります。
素晴らしいサヴァニャンだと思います。特に「酸膜由来の香りが苦手な方」には、やや赤みの有る粘っこいシャルドネ・・?みたいなイメージで美味しく楽しめるはず・・などと感じています。ぜひペリカンのサヴァニャン、挑戦してみてください。美味しいです!
● 2015 Arbois Chardonnay
アルボワ・シャルドネ
【サヴァニャンよりさらに飲み易く親しみやすい美しいシャルドネです!】

まぁ・・サヴァニャンだと言うだけで「駄目かも・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ドメーヌ・ペリカンの白ワインに限っては、
「受け付けられないようなアロマは無い」
と申し上げておきましょう。全く問題無いと言えます。
ブルゴーニュのシャルドネとは、やはり微妙に違うイントネーションが有りますが、それでも似ているのは地域的に近いと言うこと、酸膜系酵母を動かさないことに寄るでしょう。
柑橘系の白や黄色の果実が詰まったアロマ、伸びやかなやや黄色い石灰系のミネラリティ、中域が適度に膨らみ、ややオイリーさとほんのりと存在する残糖感が、丸みのある味わいを生み出しています。凝縮していて密です。緯度感はコート・ド・ボーヌ同様ですが、熟れて凝縮したニュアンスや粘度がブルゴーニュ南部のプイィ=フュイッセ辺りの上質なシャルドネに重なって感じられます。
また弦とか若芽とかの緑色を感じさせるアロマや酸も有り、全くの滑らかさだけの味わいとも違う印象ですね。サヴァニャンはとにかく滑らかで、高周波な酸のレベルは低いんですが、こちらのシャルドネに関しては、例えばマロをしていないようなシャブリにも通じるような若々しく鮮烈さを持つシャープな酸も感じられ、低いところから高いところまで全域の表現がされています。
ほんのりとした残糖感は、まだ到着間もないうちにテイスティングしたことによるのかもしれませんので、おそらくボディと大分、一体となっている頃だと想像しています。
新生ドメーヌですが、ブルゴーニュの大御所でもあるダンジェルヴィーユが新境地を描いたアルボワです。是非ご検討くださいませ。
● 2015 Arbois Trois Cepages
アルボワ・トロワ・セパージュ
● 2015 Arbois Poulsard
アルボワ・プールサール
【これは素晴らしい!アロマにも味わいにも、一点のシミさえ見当たらない!!ナチュラルでピュアです!非常に高質!】

どうも・・noisy の場合はマイペースが身についてしまっているようで、例えばフィネスさんのテイスティング会なども2~3カ月に1回のペースで行われてはいるものの、まず出席することは無く・・と言うか、物理的にほとんど不可能なので、こんなナチュラル&ピュアなアルボワが有ることも、何となくはテイスティング会に参加している息子から情報をもらってはいたとしても、
「・・その良さがどこまでのレベルかの判断が出来ていない」
と言う・・ある意味、人の意見に耳を貸さない・・と言うか、独善居士のような感じになっちゃっているのかもしれません。
なので、巷ではこの「ペリカン」、かなり売れているようで、もうフィネスさんにも在庫が無いような感じになっちゃってました。
「しまったなぁ・・」
とは思いましたが、我が道を行くスタイルだとスタートで出遅れるとどうにもなりません。
この上の写真はトロワ・セパージュですね。アルボワの伝統的なセパージュで、ピノを主体にトゥルソーとプールサールをブレンドしています。
これがまた・・良い感じに「カッチリ」しています。口入直後はやや硬いんですが、もう5分もすると、
「ふるふる・・」
と、そのやや硬いカプセルのような粒子から、細やかな表情が出て来るんですね。まぁ・・すぐに無くなっちゃいます。
「・・美味しいじゃん・・」
と脳裏に即、刻まれちゃいますから・・非常に素晴らしいです。熟成もかなり期待できますが、今飲んで美味しいものはさっさと飲んじゃいましょう。昨今のダンジェルヴィーユさんらしい、非常に美しいエキス系の味わいです。

一方のプールサールですが、これもかなり良いです。でももう・・評判が良かったようで、フィネスさんには在庫が無いと・・予定数を削られ6本しか届きませんでした。
プールサールって、非常にブルゴーニュのピノ・ノワールが熟してきたときに出す妖艶なアロマに非常によく似たアロマが有って、この若い状態でもすでに・・妖艶です。
まぁ・・売れているのが判るような、直感的に美味しさが伝わってくる味わいです。数が無いので・・クドクドは書きませんが・・お早めにどうぞ。
今回はとりあえず「ペリカン」の赤だけをご紹介しました。時間が無いので短いですが・・次回の白もお楽しみに!お勧めします!
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