ドメーヌ・エ・メゾン・ドミニク・ローラン
エ・ドミニク・ローラン
フランス Domaine et Maison Dominique Laurent ブルゴーニュ
● 以前にドミニク・ローランのモン・リュイザンを開けたらコルクに「ペルナン・ロサン」の名前が焼かれていたと・・・ご紹介しました。で、今回は・・・その本家からの最終とも思える在庫が出てきました。価格はさすがに本家ですんで、ドミニク・ローランよりもかなり安いです。もっともそこにはドミニク・ローランの選択眼は効いてはいませんけどね・・
まあ、ドミニク・ローランがXXXXXから葡萄を買った・・・という噂が流れると、そのXXXXXの評価が急上昇するとさえ言われるほど、葡萄の出来、選択眼に定評の有るドミニク・ローランです。ミュジニーなどと云う、ロマネ=コンティ、ラ・ターシュに並ぶクラスの葡萄が手に入ること自体、凄いことです。誰だって素晴らしい出来だった葡萄は、自分で使いたいはずですしね。
● 2014 Clos de la Roche Grand Cru Cuvee Vieilles Vignes Intra-Muros Reserve Personnelle
クロ・ド・ラ・ロシュ・グラン・クリュ・キュヴェ・ヴィエイユ・アントラ=ムロス・ヴィーニュ・レゼルヴ・ペルソネル
【定評のあるドミニク・ローランのグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュです!】
1992年もののレヴューです。ヴィンテージ違いで同じワインですよ・・定評のあるクロ・ド・ラ・ロシュです。
【そろそろ激レアになってきたと思います。】
飲んではいないので・・テイスティングコメントは有りません。申し訳ありません・・流石にもう、収穫から30年近い古酒ですし、価格もだいぶ上昇していますが、それでも90年代前半のワインだとするならリーズナブルでしょう。
かのペルナン・ロサンも銘醸畑クロ・ド・ラ・ロシュを所有していましたので、おそらく・・おそらくですよ・・ペルナン・ロサンかな・・と思います。もしその場合はコルクにペルナン・ロサンの焼き印が有るかもしれませんし、リコルクされているかもしれません。液量はキャプスュル下約1cmでたっぷり・・です。
あ、でもまぁ・・ドミニク・ローランの場合は幾つかのキュヴェが有りまして、これは、「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・アントラ=ムロス」のラインです。英語風にアントラ=ムロスなのか、フランス語読みでアントラ=ミューロなのかは判りません・・誰も解説しませんので・・。単に、ドミニク・ローランのクロ・ド・ラ・ロシュV.V.になってしまいます。
でもこちらはアントラ=ムロスです。他にも、「単にクロ・ド・ラ・ロシュ」も存在します。ドミニク・ローランのトップ・キュヴェは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」とされていますが、シャンベルタンやエシェゾーは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」に、そしてドミニク・ローランの思い入れの深いクロ・ド・ラ・ロシュは特別な名前で「アントラ=ムロス」になっているように思います。他にはクロ・ドーヴージョも上級キュヴェは別名で「スイ・ジェネリス」を名乗っています。
光を透かせて見ますと、やはり「クロ・ド・ラ・ロシュっぽい影」の見える、エッジにややくすんだオレンジが入った艶っぽい色合いをしています。クロ・ド・ラ・ロシュって・・いつも白い影が見えるんですよね・・。よっぽど長く立てて置かないと綺麗に澄んで来ないかと思います。淡い色に仕上がることが多いですし、そんな特徴を持ったテロワールかと思います。
何せ1992年ですので・・やや強い押しの有る93年ものより92年もののブルゴーニュらしいバランスを好む方は多いかと思いますが、そもそも誰かさんが「1992年ブルゴーニュは猫跨ぎ」みたいな発言をして、ほぼほぼテイスティングさえしなかったことが響き、当初は1992年ものの評価は低かったのですが、後年になって、完全に見直されています。勿論ですが、実力の無い造り手の1992年は論外ですよ。
「ラ・ロシュ」・・岩と言う畑のグラン・クリュです。noisy 的にはカリウム少し、ナトリウムたっぷり・・みたいなイメージです。ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru aux Beaux Monts Vieille Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ボーモンを名乗る畑の内で最も標高の高い位置にあるオー・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュです!】
2010年 94Pionts、2011年 95Points、2012年 95Points、2013年 94Points と来て、2016年ものも94Points と言うヴィノスの評価ですので非常に安定しています。最も、2010年から2012年ものまではタンザーさんの評価で、そのタンザーさんがやっていたインターナショナルワインセラーと合併して始まったのがヴィノスで、2013年はアントニオ・ガローニさんの評価です・・お間違い無く。
まぁ、エレガント系も濃厚系も無難にこなす・・と言うか、エレガント系のワインも好きだったんだろうな・・と感じさせるタンザーさんです。今はヴィノスの編集長されていますが、IWCそのものを引き継いでヴィノス合併したのが、アドヴォケイトのブルゴーニュやシャンパーニュなどの担当だったアントニオ・ガローニさんです。
2000年以降のドミニク・ローランのワインは、それ以前の彼のワインとは結構に異なりました。noisy も実際、テイスティングで感じてビックリしまして・・
「どうしたんだ・・?ドミニク・ローラン!・・エレガント系に転身?」
みたいな感じで新着を書いた記憶が有ります。
それ以降のドミニク・ローランは、1990年代の濃厚なスタイルは捨て、あくまでエレガント系、エキス系のピノ・ノワールを造るようになっています・・が、noisy もしばらくの間は非常に懐疑的で、
「飲まなきゃ判らないし・・」
と思っていましたが、もう戻ることは無さそうです。
今回は2016年のオー・ボーモンV.V.ですが、本当に少量なので、飲まずにご案内致します。安いですよね~・・90年代は高かったんですけど、今は以前と余り価格も変わらず、むしろリーズナブルに思えてしまいます。
それに、「1級レ・ボーモン」と、ボーモンなら同じだろうと思ってしまいますが、実はボーモンは4つの区画が有ります。似た様な名前なんですが、「レ・ボーモン・バ」「レ・ボーモン・オー」「レ・ボーモン」「レ・オー・ボーモン」でして、このワインは「レ・オー・ボーモン」。「レ・ボーモン」の真上に有り、最も高度の高い位置に有ります。
なので・・そう言う風味が感じられるはずです。そこに2016年的な味わいと、ドミニク・ローランのエルヴァージュの技術が加わる訳ですね。是非ご検討くださいませ。
● 2016 Clos de la Roche Grand Cru Cuvee Vieilles Vignes Intra-muros
クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・イントラ=ムロス
【定評のあるドミニク・ローランのグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュです!】
1992年もののレヴューです。ヴィンテージ違いで同じワインですよ・・定評のあるクロ・ド・ラ・ロシュです。
【そろそろ激レアになってきたと思います。】
飲んではいないので・・テイスティングコメントは有りません。申し訳ありません・・流石にもう、収穫から30年近い古酒ですし、価格もだいぶ上昇していますが、それでも90年代前半のワインだとするならリーズナブルでしょう。
かのペルナン・ロサンも銘醸畑クロ・ド・ラ・ロシュを所有していましたので、おそらく・・おそらくですよ・・ペルナン・ロサンかな・・と思います。もしその場合はコルクにペルナン・ロサンの焼き印が有るかもしれませんし、リコルクされているかもしれません。液量はキャプスュル下約1cmでたっぷり・・です。
あ、でもまぁ・・ドミニク・ローランの場合は幾つかのキュヴェが有りまして、これは、「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・イントラ=ムロス」のラインです。英語風にイントラ=ムロスなのか、フランス語読みでアントラ=ミューロなのかは判りません・・誰も解説しませんので・・。単に、ドミニク・ローランのクロ・ド・ラ・ロシュV.V.になってしまいます。
でもこちらはイントラ=ムロスです。他にも、「単にクロ・ド・ラ・ロシュ」も存在します。ドミニク・ローランのトップ・キュヴェは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」とされていますが、シャンベルタンやエシェゾーは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」に、そしてドミニク・ローランの思い入れの深いクロ・ド・ラ・ロシュは特別な名前で「イントラ=ムロス」になっているように思います。他にはクロ・ドーヴージョも上級キュヴェは別名で「スイ・ジェネリス」を名乗っています。
光を透かせて見ますと、やはり「クロ・ド・ラ・ロシュっぽい影」の見える、エッジにややくすんだオレンジが入った艶っぽい色合いをしています。クロ・ド・ラ・ロシュって・・いつも白い影が見えるんですよね・・。よっぽど長く立てて置かないと綺麗に澄んで来ないかと思います。淡い色に仕上がることが多いですし、そんな特徴を持ったテロワールかと思います。
何せ1992年ですので・・やや強い押しの有る93年ものより92年もののブルゴーニュらしいバランスを好む方は多いかと思いますが、そもそも誰かさんが「1992年ブルゴーニュは猫跨ぎ」みたいな発言をして、ほぼほぼテイスティングさえしなかったことが響き、当初は1992年ものの評価は低かったのですが、後年になって、完全に見直されています。勿論ですが、実力の無い造り手の1992年は論外ですよ。
「ラ・ロシュ」・・岩と言う畑のグラン・クリュです。noisy 的にはカリウム少し、ナトリウムたっぷり・・みたいなイメージです。ご検討くださいませ。
● 2014 Bourgogne Rouge Cuvee MCMXXVI
ブルゴーニュ・ルージュ・キュヴェ・1926
【ドメーヌ・ローラン・ペール・エ・フィスのドメーヌもの!超古木を含むニュイ=サン=ジョルジュ1級レ・サン=ジョルジュに接する畑から熟し始めの果実味豊かなA.C.ブル!】

つい最近まで、どこのエージェントさんも高価格政策なのか、今まで以上に強気な値付けをした上、巨大なアソートでごり押し、人気のあるアイテムになると細分化してばら撒く・・みたいなことを平気でやっていました。
しかしながら、アメリカと中国、そして香港の問題などが有り、大分様子も変化して来そうな気配がします。なので、アイテムによってはブローカー仕入れが結構に魅力的に映ることが有り、特にドミニク・ローラン、ローラン・ペール・エ・フィスに関しては、ブローカーものが非常にリーズナブルです。コンディションも日本の正規より・・良いと感じています。
この「キュヴェ1926」ですが、1926年植樹と言いますから、全くの戦前の植樹ですね。その超古木を含むレ・サン=ジョルジュに接した区画と言うことで、興味を持っていたワインです。
また価格的にも税別で4000円位が最安値ですので、これもまた結構にリーズナブルなんですね・・なので仕入れて飲んでみた次第です。
明らかに・・エキス系な色合いでは無いですね。アンリ・ジャイエとか、オリヴィエ・ジュアンが近いでしょうか。低温で漬け込み系の非常にふくよかな、ふっくらした感じの、少しパワフル系でしょうか。まぁ、オリヴィエ・ジュアンは最近エレガント系に変身し始めている感が有りますが、以前のオリヴィエ・ジュアンに似たような感じです。
僅かにタンニンが有りますが、なんか・・この感じがものの見事に「レ・サン=ジョルジュを思わせる」ふっくら感なんですね・・。言ってみれば、エチケットを見せずに黙ってさえいればレ・サン=ジョルジュでも通ってしまいそうな感じ・・です。
合うのはワイルド系お肉・・でしょうか。牛肉なんぞ結構にマッチするでしょうし、ジビエも良いなぁ・・脂の有る肉でもこなせてしまう懐の深さを感じます。
ただし、到着してから日が浅いのと、新しいヴィンテージのワインでは無いことと、ドミニク・ローランお得意のノン・フィルター、ノン・コラージュでしょうから、
「滅茶苦茶細かい澱が遊離している可能性が有るので、少しの間立てて置くこと」
をお薦めします。
写真を見た感じでも、そんな不透明感は見えるんじゃないかと思うんですね・・。
で、こちらは勿論、ドメーヌものです。ドミニクさんが息子さんのジャンさんと2006年に始めたドメーヌ・ローラン・ペール・エ・フィスです。ご検討くださいませ。
● 2016 Nuits-Saint-Georges 1er Cru Rue de Chaux Vieille Vigne Reserve Personnelle
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・リュ・ド・ショー・ヴィエイユ・ヴィーニュ・レゼルヴ・ペルソネル
【傑出して出来た!と納得した場合にレゼルヴ・ペルソネールと名付けるシリーズです!・・希少ですが・・滅茶リーズナブル!】
飲んでご紹介しようと思っていたワインです。ちょうどニュイ=サン=ジョルジュの村の中心に有る畑なんですが、もっと南のプレモー=プリシーの方はやや力強く、こちらはエレガント系に仕上がる畑が多いです。
また、これはこのワインに特有と言うか、必ずやそうなっているとは断言できないんですが、結構にヴォーヌ=ロマネのワインに酷似した仕上がりになることが有りまして・・ある意味、ブラインドワイン会では反則的なアイテムとも言えます。
で、このレゼルヴ・ペルソネールですが、「英語でパーソナル」の文字が有るように、ドミニク・ローラン個人のセレクションとての意味合いが強いシリーズでして、毎年リリースする・・とか、必ずその畑のものが指定される・・と言うようなものでは無いんですね。
「とどのつまり、結局その年一番良い仕上がりになったと認めるワイン」
だと言うことで昔は何度か飲んだものですが、どれも非常に美味しかったので、今回見つけて仕入れたものです。まぁ、今のエージェントさんは余り信用していないので、ブローカー仕入れです。
因みにヴィノスでは93ポイント付けていました。まぁまぁな評価じゃ無いでしょうか。
しかもニュイ=サン=ジョルジュ1級でこのプライスですから、食指も伸ばしていただけるかと・・期待しています。売れないようでしたらいったん下げてテイスティングし、再度アップするように致します。前述のようにテイスティングして販売する予定でしたが、もう兎に角、テイスティングアイテムが山積みでして、テイスティングもレヴュー書きも押されに押されまくってしまっていますので申し訳ありません。ご検討くださいませ。
● 2011 Bonnes-Mares Grand Cru Grande Cuvee Vieille Vigne
ボンヌ=マール・グラン・クリュ・グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【・・あれっ?価格、間違ってない?・・位、リーズナブルです!タンザーさんは97ポイント!】
余り見ることの無いグランド・キュヴェ・シリーズのボンヌ=マール2011年です。グランド・キュヴェ・シリーズは名テイスターでもあるドミニク・ローランのメゾン・ドミニク・ローランの最高峰のシリーズです。
すでにヴィノスのトップを明け渡したタンザーさんでは有りますが、このグレートイヤー2011年のボンヌ=マールに97ポイント付けています。
日本の市場では大体4万円くらいが普通でしょうか。安くて税込でその位です。なので・・
「ビックリするようなプライス!」
であることは間違い在りません。
まぁ、皮肉を言えば、ヴィノスのトップは今、アントニオ・ガローニさんですが、彼は2011年のルーミエさんのボンヌ=マールに90点しか・・付けていません。ティム・アトキンさんはルーミエさんの2011年ボンヌ=マールに97点ですので、
「ルーミエさんの2011年ボンヌ=マールにティム・アトキンさんは97ポイント」
で、
「ドミニク・ローランさんのグランド・キュヴェのボンヌ=マール2011年にヴィノスのタンザーさんは97ポイント」
で、
「ルーミエさんの2011年ボンヌ=マールにヴィノスのガローニさんは90ポイント」
と言う、良く判らないことが起きてしまっていたんですね。誰が正しいのか判りませんが・・(^^;
とにかく、これは相当にリーズナブルかと思います。ブローカー購入です。コンディションも良いと判断します。ご検討くださいませ。
● 1997 Nuits-Saint-Georges 1er Cru la Richemone Vieilles Vignes
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・ラ・リッシュモンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【もしかしたら完熟リシュモンヌ!?・・供給者は間違い無く「ペルナン・ロサン」でしょう!!因みにルロワのリシュモンヌもペルナン・ロサンの供給でした。ブルファンは必買!】
前にペルナン・ロサンのラ・リッシュモンヌV.V.1993年をご紹介させていただきましたが、おそらく・・と言うか、間違いなく、ドミニク・ローランのこのワインも、ペルナン・ロサンによるものと思われます。
しかし、ペルナン・ロサンの在庫からドミニク・ローランの目と舌と鼻でセレクションしたと思われるワインですので、
「・・どこか違うのかもしれない・・」
かもしれないし、
「・・おんなじじゃん!」
と言う結果になるかもしれませんし、何とも言えません。
この種の古酒は、出て来た時が買い時でして、それを逃すとまず入手できないのが普通です。それにしてはこのところはペルナン・ロサンのワインがどんどん出て来ていますので、
「・・何でそんなにあるの?」
「・・何でそんなに売れなかったの?」
と言う疑問は残ります。
だって、美味しいでしょ?・・それに今回のドミニク・ローランものはかなりリーズナブルです。素晴らしい畑、ラ・リッシュモンヌのV.V.、しかも四半世紀に届こうかと言う代物です。少量なのでテイスティングは回避しました。申し訳ありません。是非ご検討くださいませ。
以下はペルナン・ロサンの1993年ラ・リッシュモンヌV.V.のコメントです。
━━━━━
今までも何度か、すでに廃業しているペルナン・ロサンの古酒をご案内してきましたが、そろそろもうさすがに終わりか・・と思ってましたら、今回も少々購入出来ました。
皆さんにはすでに定評のある「モレ1級モン・リュイザン」と、ニュイ=サン=ジョルジュの素晴らしい1級畑、「ラ・リッシュモンヌ」です。
ラ・リッシュモンヌは、それこそその昔、オーレリアン・ヴェルデが買い葡萄でリリースしていて、その大きな構成と複雑さで魅了してくれたワインです。メオ=カミュゼの素晴らしい「1級オー・ミュルジュ」の上部に有り、また「1級レ・ダモード」の直下にあると言う恵まれたリューディです。今回は1986年と1997年と言うことですが、30年もの、19年ものとしても非常にリーズナブルかと思います。
ただし今回はどちらも数が無いことも有り、テイスティングはしておりませんで、前回以前のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のコメントです。(1993年ものですがラ・リッシュモンヌでは有りません。)
━━━━━

ドミニク・ローランが購入していますんで、味わいの方は・・
「ちゃんと飲めば美味しいのは間違い無いだろう!」
的な考えで行ければOKでしょう。
ですが、この下の方・・前に書いたコメント・レヴューにもある様に、この「モン・リュイザン」と言う畑は「グラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュ」の構成畑でも有りますので、似ていて非常に長命でも有ります。
クロ・ド・ラ・ロシュよりは幾分「粘土」のニュアンスが入り、またその分、「石」のニュアンスが減る感じですが、似ていることには間違い無いです。
このような長熟なワインは、あまり経験が無いと・・
「・・開けたらさっさと飲まないと!」
と前もって思ってしまうと失敗します。美味しくなる前に飲み切ってしまう恐れが有るんですね。
むしろ、今回ご案内のワイン・・・1986年は空けてみて、ホストテイスティングしてから「何をどうするか」決めるべきですが、それ以外のワインは、最初から美味しく飲みたいと希望するなら、できれば「デキャンタ」を使用した方が良いかもしれません。 もしくは、「デキャンタを使用すべきかもしれない」ことを頭にインプットしておくべきでしょう。ホストテイスティングで、この先伸びて行きそうなら・・それだけのポテンシャルを信じられるようであれば、迷わずデキャンタを使って、澱と分けてしまいましょう。その方が確実かもしれません。もちろん個体差は出ますので、100%決定では有りませんよ。あくまで決めてかからず、でも想像の範囲内・想定内にしておくことが美味しく飲むコツです。
今回、noisy がチェックしたのは1993年です。1995年と1998年をブレンドしたようなヴィンテージのニュアンスの味わいかもしれません。それでも開けて30分ほどからはグイグイ伸びてきました。開けたては少し酸化のニュアンスが有りますが、10分ほどでミネラリティの膜が伸び、少しずつ官能的なブケが上がってくると収まってしまいます。クロ・ド・ラ・ロシュを思わせるような目いっぱいの石のニュアンスに、スパイスや腐葉土、革、色付いたフルーツの香りが繊細に感じられます。良い古酒ワインでした!
1996年はヴィンテージ的にはグレートイヤーと言われた年ですが、酸が強い印象が有るかと思います。この1996年だけは「目いっぱいのレベルで入っていない」・・自然な減少の液量です。レベルがとても低いということは無いです。
1986年、1993年、1997年はそれぞれほぼ目いっぱいのレベルで入っていますので、おそらくボトルをつぶして補充していると思います。1993年のコルクを見てみてください。きれいですよね・・。なので打ち変えていると思います。
1986年は隠れた良い年です。強くないですが繊細です。これに関してはそろそろ飲み頃じゃないかと踏んでます。でも前にもご案内していますので被らないようにしてくださいね。
1997年は初めての扱いです。今まで出さなかった理由があるはず・・出来は悪くないのでは?と邪推しています。
このような、昔のワインが出てくることが無くなって来ました。1997年も18年ものですよ?・・必ずもっと開くはず・・と思って向かった方が良い結果になるかと思います。ブルゴーニュのワインの奥深さを是非ご堪能ください。
・・あ、いつも言ってますが、
「到着してすぐ」
とか、
「ワイン会にハンドキャリーで当日」
などと言うのは止めてくださいね。・・「無理」です。でもちゃんと向き合えばちゃんとこっちを向いてくれると思います。全品チェックし、キャプスュルが回ることを確認しています。ご検討ください。
● 1991 Morey-Saint-Denis 1er Cru Monts Luisants
モレ=サン=ドニ・プルミエ・クリュ・モン・リュイザン
【こちらは間違いないと思いますが、今は無きペルナン・ロサンの作でしょう。今になってペルナン・ロサンを探されていらっしゃる方も!・・】
こちらは1級モン・リュイザンです。おそらくペルナン・ロサンで間違いないかと思いますが、確約はできません。
クロ・ド・ラ・ロシュを名乗れない西側最上部の畑が1級の部分です。noisy のお客様にはもうお馴染みかと思いますが、流石に少し値上がりしましたよね・・。もう最後でしょう。ご検討くださいませ。
以下はペルナン・ロサンのボトルに対するコメントです。
━━━━━
【そろそろ・・最後の出物でしょうか!・・しっかり立てて置き、澱下げをしてお楽しみください!年産25ケース・・本当?】 今までも何度か、すでに廃業しているペルナン・ロサンの古酒をご案内してきましたが、そろそろもうさすがに終わりか・・と思ってましたら、今回も少々購入出来ました。
皆さんにはすでに定評のある「モレ1級モン・リュイザン」と、ニュイ=サン=ジョルジュの素晴らしい1級畑、「ラ・リッシュモンヌ」です。
ラ・リッシュモンヌは、それこそその昔、オーレリアン・ヴェルデが買い葡萄でリリースしていて、その大きな構成と複雑さで魅了してくれたワインです。メオ=カミュゼの素晴らしい「1級オー・ミュルジュ」の上部に有り、また「1級レ・ダモード」の直下にあると言う恵まれたリューディです。今回は1986年と1997年と言うことですが、30年もの、19年ものとしても非常にリーズナブルかと思います。
ただし今回はどちらも数が無いことも有り、テイスティングはしておりませんで、前回以前のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のコメントです。
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ドミニク・ローランが購入していますんで、味わいの方は・・
「ちゃんと飲めば美味しいのは間違い無いだろう!」
的な考えで行ければOKでしょう。
ですが、この下の方・・前に書いたコメント・レヴューにもある様に、この「モン・リュイザン」と言う畑は「グラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュ」の構成畑でも有りますので、似ていて非常に長命でも有ります。
クロ・ド・ラ・ロシュよりは幾分「粘土」のニュアンスが入り、またその分、「石」のニュアンスが減る感じですが、似ていることには間違い無いです。
このような長熟なワインは、あまり経験が無いと・・
「・・開けたらさっさと飲まないと!」
と前もって思ってしまうと失敗します。美味しくなる前に飲み切ってしまう恐れが有るんですね。
むしろ、今回ご案内のワイン・・・1986年は空けてみて、ホストテイスティングしてから「何をどうするか」決めるべきですが、それ以外のワインは、最初から美味しく飲みたいと希望するなら、できれば「デキャンタ」を使用した方が良いかもしれません。 もしくは、「デキャンタを使用すべきかもしれない」ことを頭にインプットしておくべきでしょう。ホストテイスティングで、この先伸びて行きそうなら・・それだけのポテンシャルを信じられるようであれば、迷わずデキャンタを使って、澱と分けてしまいましょう。その方が確実かもしれません。もちろん個体差は出ますので、100%決定では有りませんよ。あくまで決めてかからず、でも想像の範囲内・想定内にしておくことが美味しく飲むコツです。
今回、noisy がチェックしたのは1993年です。1995年と1998年をブレンドしたようなヴィンテージのニュアンスの味わいかもしれません。それでも開けて30分ほどからはグイグイ伸びてきました。開けたては少し酸化のニュアンスが有りますが、10分ほどでミネラリティの膜が伸び、少しずつ官能的なブケが上がってくると収まってしまいます。クロ・ド・ラ・ロシュを思わせるような目いっぱいの石のニュアンスに、スパイスや腐葉土、革、色付いたフルーツの香りが繊細に感じられます。良い古酒ワインでした!
1996年はヴィンテージ的にはグレートイヤーと言われた年ですが、酸が強い印象が有るかと思います。この1996年だけは「目いっぱいのレベルで入っていない」・・自然な減少の液量です。レベルがとても低いということは無いです。
1986年、1993年、1997年はそれぞれほぼ目いっぱいのレベルで入っていますので、おそらくボトルをつぶして補充していると思います。1993年のコルクを見てみてください。きれいですよね・・。なので打ち変えていると思います。
1986年は隠れた良い年です。強くないですが繊細です。これに関してはそろそろ飲み頃じゃないかと踏んでます。でも前にもご案内していますので被らないようにしてくださいね。
1997年は初めての扱いです。今まで出さなかった理由があるはず・・出来は悪くないのでは?と邪推しています。
このような、昔のワインが出てくることが無くなって来ました。1997年も18年ものですよ?・・必ずもっと開くはず・・と思って向かった方が良い結果になるかと思います。ブルゴーニュのワインの奥深さを是非ご堪能ください。
・・あ、いつも言ってますが、
「到着してすぐ」
とか、
「ワイン会にハンドキャリーで当日」
などと言うのは止めてくださいね。・・「無理」です。でもちゃんと向き合えばちゃんとこっちを向いてくれると思います。全品チェックし、キャプスュルが回ることを確認しています。ご検討ください。
以下は以前書いた1986、1993、1996年のこのワインのコメントです。
━━━━━
【プチ・クロ・ド・ラ・ロシュの古酒!崩れはじめた石灰岩のようなミネラリティと淡いピノ・ノワールの果皮由来の深遠さの競演!!】 2000年に蔵を閉じたペルナン・ロサンの古酒です。エチケット、ヴィンテージ表記の肩ラベルには、シワなどが有る場合が有りますが、全てのボトルの状態は非常に良いと判断しました。
このモン・リュイザンは年産たったの25ケースとのことですので300本しかないワインですが、先だってのドミニク・ローランの同じキュヴェのご案内時、実にクロ・ド・ラ・ロシュに酷似した繊細な表現をしてくれたのが記憶に新しいです。
今回は、そんなペルナン・ロサンの在庫が出てきた訳ですが、おそらく最後になるでしょう。あのPKさんの評価も4つ星の優れた生産者の、最後のワイン・・・。数本ずつしか購入できませんでしたが、価格的にもドミニク・ローランものよりも千円以上安いです。ま、これはドミニクの選択眼に触れていないか、弾かれたか・・なのでしょうが、遠く離れた品質のものではないと思っています。
もう93年と言えば20年以上も昔の話で、赤ん坊だった子も成人している年代です。希少と言えると思います。また価格的にとても安いので、この機会にご検討くださいませ。
以下はドミニク・ローランのモン・リュイザンV.V.のご紹介文です。おそらく中身は同じだと思いますが、確約は出来ませんので参考程度にとどめてください。
━━━━━
【ブルゴーニュの古酒!ドミニク・ローランが自分の舌で確認し、購入した秀逸なキュヴェです!とても美味しいです!】
そろそろ20年という古酒を3アイテムご紹介します。数が無い1996年モン・リュイザンと1992年ラトリシエール=シャンベルタンは飲んでいませんので・・すみません。
さっそく1994年のモン・リュイザンを飲んでみました。
すると・・少し弱くなったコルクには、
「
ドメーヌ・ペルナン・ロサン」
の銘が有るではないですか!
ペルナン・ロサンは、2000年に惜しまれつつドメーヌと閉じた、実にファンの多かった造り手でした。
ドメーヌの畑、クロ・ド・ラ・ロシュ、モン・リュイザン、リッシュモンヌなどは全て、アンリ・ペロ=ミノに売却され、その後のペロ=ミノの隆盛に繋がったと言われています。
ま、ペロ=ミノの作風とはだいぶ違うとは思いますけど。
このモン・リュイザンですが、以前ご案内させていただいたニコラ・ポテルのワインと同様ですから・・・

「モン・リュイザン」はグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュを名乗れる部分と、プルミエ・クリュ・モン・リュイザンになる部分に分かれています。
今回のこのワインは当然1級、プルミエ・クリュです。
しかし、この淡い色合いを見ていただくとお判りのように、
「クロ・ド・ラ・ロシュと判別が付き辛い」ほど似た味わいになっています。
石灰石のニュアンスを多く含んだ土壌で、シャンボールほどのテッカテカした石灰では無いものの、ジュヴレに接したこの部分は、何故か反対側のシャンボールに似た風情を見せるのですね。モン・リュイザンやクロ・ドラ・ロシュの方が鉱物的ニュアンスは強いですけどね。石灰が強いと感じるのはシャンボール系・・、艶かしいのはこちらでしょうか。
クロ・ド・ラ・ロシュと言えば、代表的な造り手は現在では、ポンソかデュジャックか・・になるかと思いますが、デュジャックよりのエキス主体の味わいになると思います。
本来はとても寿命の長いワインですが、19年の年月が、実に良い感じのエロいピノ・ノワールに変化させています!実に旨いですよ!
1994年はオフ・ヴィンテージ・・・みたいなイメージがあると思いますが・・・とんでもない!・・・あの頃の評価は特に、
「新樽第一主義による濃厚一辺倒」タイプが良いとされていました。ある意味、ドミニク・ローランも、その旗手としてスターダムに昇り喧伝された訳ですから・・・皮肉なものですね!
「僕のワインはとてもエレガントだから・・・」
とドミニクは言ってるそうです。新樽200%とか400%の申し子だったのにね・・。
ペルナン・ロサンも、実は80年代は、濃い目の味わいだったと記憶しています。しかし、このワインを飲む限り、90年代に入ってから、ギイ・アカと決別して、エレガントな・・・ブルゴーニュ本来の姿を取り戻した訳です。
妖艶で、良く香り、膨らみ、長く持続します・・・素晴らしいです!価格はとても安い!絶対買いのワインでしょう!
でも、19年の月日がコルクを柔らかくしていますので、抜栓にはご注意下さいね。 1996年のモン・リュイザンですが、ほんの少量なので飲んでいません。96年はグレートイヤーといわれたヴィンテージですが、中々美味しくならなくて・・・
「本当にグレートイヤー?」
と首を傾げてしまうことが多かったですが、ここにきてだいぶ開くようになってきました。美味しいボトルが多い現況です。しかし、価格はオフと言われた1994年よりも高いです・・・でも、
「クロ・ド・ラ・ロシュと変わらない」味わいならば、かなり安いと言えます。ご検討下さい。
1992年のラトリシエールですが、ご存知かと思いますが、実はクロ・ド・ラ・ロシュと接したジュヴレの最南にあるリューディです。なので、
「シャンベルタンらしくない」
「痩せている」
などと言われるんですが・・・それが特徴なんですよ。ジュヴレにしては、クロ・ド・ラ・ロシュのような石灰石的ニュアンスが強い訳です。なので、シャンベルタンやシャルムに比較すると、飲めるようになるまでに時間が掛かるんですね。
21年を超えてきていますので、クロ・ド・ラ・ロシュ的シャンベルタンの実力を見ることが出来ると思います。是非ご検討下さい!
● 1992 Clos de la Roche Grand Cru Cuvee Vieilles Vignes Intra-muros
クロ・ド・ラ・ロッシュ・グラン・クリュ・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・イントラ=ムロス
【そろそろ激レアになってきたと思います。】
飲んではいないので・・テイスティングコメントは有りません。申し訳ありません・・流石にもう、収穫から30年近い古酒ですし、価格もだいぶ上昇していますが、それでも90年代前半のワインだとするならリーズナブルでしょう。
かのペルナン・ロサンも銘醸畑クロ・ド・ラ・ロシュを所有していましたので、おそらく・・おそらくですよ・・ペルナン・ロサンかな・・と思います。もしその場合はコルクにペルナン・ロサンの焼き印が有るかもしれませんし、リコルクされているかもしれません。液量はキャプスュル下約1cmでたっぷり・・です。
あ、でもまぁ・・ドミニク・ローランの場合は幾つかのキュヴェが有りまして、これは、「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・イントラ=ムロス」のラインです。英語風にイントラ=ムロスなのか、フランス語読みでアントラ=ミューロなのかは判りません・・誰も解説しませんので・・。単に、ドミニク・ローランのクロ・ド・ラ・ロシュV.V.になってしまいます。
でもこちらはイントラ=ムロスです。他にも、「単にクロ・ド・ラ・ロシュ」も存在します。ドミニク・ローランのトップ・キュヴェは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」とされていますが、シャンベルタンやエシェゾーは「グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」に、そしてドミニク・ローランの思い入れの深いクロ・ド・ラ・ロシュは特別な名前で「イントラ=ムロス」になっているように思います。他にはクロ・ドーヴージョも上級キュヴェは別名で「スイ・ジェネリス」を名乗っています。
光を透かせて見ますと、やはり「クロ・ド・ラ・ロシュっぽい影」の見える、エッジにややくすんだオレンジが入った艶っぽい色合いをしています。クロ・ド・ラ・ロシュって・・いつも白い影が見えるんですよね・・。よっぽど長く立てて置かないと綺麗に澄んで来ないかと思います。淡い色に仕上がることが多いですし、そんな特徴を持ったテロワールかと思います。
何せ1992年ですので・・やや強い押しの有る93年ものより92年もののブルゴーニュらしいバランスを好む方は多いかと思いますが、そもそも誰かさんが「1992年ブルゴーニュは猫跨ぎ」みたいな発言をして、ほぼほぼテイスティングさえしなかったことが響き、当初は1992年ものの評価は低かったのですが、後年になって、完全に見直されています。勿論ですが、実力の無い造り手の1992年は論外ですよ。
「ラ・ロシュ」・・岩と言う畑のグラン・クリュです。noisy 的にはカリウム少し、ナトリウムたっぷり・・みたいなイメージです。ご検討くださいませ。
● 2013 Vosne-Romanee 1er Cru aux Beaux Monts Vieille Vignes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ボーモンを名乗る畑の内で最も標高の高い位置にあるオー・ボーモン・ヴィエイユ・ヴィーニュです!】
2010年 94Pionts、2011年 95Points、2012年 95Points と来て、2013年ものが94Points と言うヴィノスの評価ですので非常に安定しています。最も、2010年から2012年ものまではタンザーさんの評価で、そのタンザーさんがやっていたインターナショナルワインセラーと合併して始まったのがヴィノスで、2013年はアントニオ・ガローニさんの評価です・・お間違い無く。
まぁ、エレガント系も濃厚系も無難にこなす・・と言うか、エレガント系のワインも好きだったんだろうな・・と感じさせるタンザーさんです。今はヴィノスの編集長されていますが、IWCそのものを引き継いでヴィノス合併したのが、アドヴォケイトのブルゴーニュやシャンパーニュなどの担当だったアントニオ・ガローニさんです。
2000年以降のドミニク・ローランのワインは、それ以前の彼のワインとは結構に異なりました。noisy も実際、テイスティングで感じてビックリしまして・・
「どうしたんだ・・?ドミニク・ローラン!・・エレガント系に転身?」
みたいな感じで新着を書いた記憶が有ります。
それ以降のドミニク・ローランは、1990年代の濃厚なスタイルは捨て、あくまでエレガント系、エキス系のピノ・ノワールを造るようになっています・・が、noisy もしばらくの間は非常に懐疑的で、
「飲まなきゃ判らないし・・」
と思っていましたが、もう戻ることは無さそうです。
今回は2013年のオー・ボーモンV.V.ですが、本当に少量なので、飲まずにご案内致します。安いですよね~・・90年代は高かったんですけど、今は以前と余り価格も変わらず、むしろリーズナブルに思えてしまいます。
それに、「1級レ・ボーモン」と、ボーモンなら同じだろうと思ってしまいますが、実はボーモンは4つの区画が有ります。似た様な名前なんですが、「レ・ボーモン・バ」「レ・ボーモン・オー」「レ・ボーモン」「レ・オー・ボーモン」でして、このワインは「レ・オー・ボーモン」。「レ・ボーモン」の真上に有り、最も高度の高い位置に有ります。
なので・・そう言う風味が感じられるはずです。そこに2013年的な味わいと、ドミニク・ローランのエルヴァージュの技術が加わる訳ですね。是非ご検討くださいませ。
● 2013 Gevrey-Chambertin 1er Cru Estournelles Saints-Jacques Vieilles Vignes
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・エストゥルネル・サン=ジャック・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【クロ・サン=ジャック、ラヴォー・サン=ジャックをエレガントな方向に向けたシミジミなエキスに心を躍らせてください!】

ジュヴレ=シャンベルタンに有って、「サン=ジャック」の名を持つ3つの畑の一つ、
「エストゥルネル・サン=ジャック」
です。
しかも、優れたキュヴェのみを神の鼻と舌で選び出すと言う、あのドミニク・ローランの2013年ものです。
noisy 的には「エストゥルネル」と言うのは、「最高の」と言うような意味だと覚えていたんですが、改めて仏語辞典などを調べてみても出て来ないですね。人名だ・・と言うことのようですし、ネットの翻訳をしてみると、「冗談」などと変換されることも有り、不明な状態です。
しかしながらこのエストゥルネルは、グラン・クリュ同等と評価されるクロ・サン=ジャックと、1級筆頭格のひとつとされるラヴォー・サン=ジャックに接しており、その両方の畑の上部に有ります。
まぁ、先の話しを持ってくると、
「最高の(もっとも高い位置にある)聖ジャックの冗談のような畑」
と言うような、フランス人的ジョークの入った名前なのでしょうか。
いずれにしましても、クロ・サン=ジャック、ラヴォー・サン=ジャックのような、しっかりした濃度と果実の風味の確かさは無く、より痩せていることが多いですが、その分、余分なぜい肉の無いスマートなスタイルで、非常にエレガントなワインでも有ります。
2013年ものですので、
「そろそろ良いんじゃないかな・・価格も安いし・・」
と言うことで仕入れてみました。
ドライですね~・・確かに上部の畑のニュアンスがします。表土は薄く、大きめの石が見えるようです。モレのクロ・ド・ラ・ロシュのように、ナトリウム系のミネラリティで要素と要素の「つなぎ」をしてくれるようなミネラリティが無い感じで、もっとストレ-トに石灰、石のニュアンスが取れます。
そこに、クロ・サン=ジャックの黒さ、ワイルドさをほんのりと湛え、ラヴォー・サン=ジャックの厚みをちょっと持ちつつ、どちらかと言うと詫び寂び的なエキスの美味しさを感じさせてくれます。
2018年の夏は非常に暑いので、この位のドライな表情、エキス中心の味わいが好ましいですね。グラスを振ると、
「・・ジュヴレの西の1級畑的ニュアンスもあるなぁ・・」
と感じさせてくれます。どちらかと言うと、ラヴォー・サン=ジャックの更に西の「レ・ヴァロワーユ」や「ラ・ロマネ」と言った1級畑に共通点が多いような気がします。
この2つの畑も非常に乾いたニュアンスが有って、しかしながら・・完熟すると、
「・・え?・・こんな官能的なニュアンスの下地を持ってたんだ・・」
とビックリすることが有りました。
なので、このエストゥルネル・サン=ジャックも、まだまだこれからの本領発揮と言うことなのでしょう。
でも余りに暑くて、ピノ・ノワールとは言え、余り暑苦しい味わいはどうもなぁ・・とおっしゃる方には、新鮮なヤキトリなどとマリアージュされると、よても良く合うと思います。勿論、質感は1級畑ですんで、しっかり有ります。
ちょっと早いかもしれませんが、エレガントでシミジミ美味いワインです。冗談で 7 を揃えてみました・・(^^;; 是非ご検討くださいませ!
● 2006 Corton Blanc Grand Cru
コルトン・ブラン・グラン・クリュ
【こちらはnoisy推しの2006年の Corton Blanc Grand Cru V.V. !まず外れの無いのが当たり前のドミニク・ローランのレアものです!】
いや・・沢山発注はしたんですけどね。でも少ししか買えなかったんですよね。残念です。
あのドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティがコルトン=シャルルマーニュを2019年から生産をはじめることを公表しましたが、何とあのボノー・デュ・マルトレイの畑を2ヘクタールほど借り受けて造るそうです。
ボノー・デュ・マルトレイは売りに出され、投資家たちに買われた訳ですが、その畑が広過ぎることと、新たなシャルドネの畑が欲しいドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティとの、お互い共通の利が有ったと言われています。
コルトン、コルトン=シャルルマーニュと言えば、コート・ド・ボーヌに有って、グラン・クリュながらもリーズナブルなプライスで購入できる優れたワインを生む畑です。そのポテンシャルからだけ言うので有れば、他のグラン・クリュにも劣らない素晴らしさが有るのはご存じの通りです。
しかしながら、その判りにくさや飲み頃の難しさもまたブルゴーニュ随一とも言え、特にコルトン=シャルルマーニュや、非常に少ないコルトン・ブランもまた、中途半端なタイミングで開けてしまうと、
「・・うんともすんとも・・言わない・・」
と、ガッカリすることにさえ往々にして出会ってしまう訳ですね。
確かに、ピュリニーやシャサーニュ=モンラッシェの1級クラスの多くが持つ最初からラヴリーな側面は、マンモスなミネラリティに阻まれています。むしろもっと硬いミネラリティをより多く持つムルソーの方が、畑によっては強い果実の風味が若いうちから感じられますので、評判を得やすいとも言えます。
しかし、非常に素晴らしいコルトン=シャルルマーニュには良く出会いますし、ましてや、あのコシュ=デュリのコルトン=シャルルマーニュなどに出会えてしまえば・・
「それって・・畑は関係有りなの?」
とさえも言いたくなるのは判りますよね。
で、今回はそのお隣・・コルトン=シャルルマーニュは名乗れないがコルトン・ブラン・グラン・クリュを名乗れる、ある意味非常に希少なワインです。あのドミニク・ローランがリリースしていますので、間違いなく一定のラインを超える仕上がりで有ると思います。シャブリにしてもボーヌの白も・・ドミニク・ローランは非常に素晴らしいです。
これに関しましては、2006年と言う良いヴィンテージでもあり、沢山仕入れてテイスティングしたかったところですが買えず、テイスティングを断念しています。
コルトン・ブランは、コルトンの丘のグラン・クリュ畑で出来るシャルドネをブレンドしたもの・・と考えて良いと思います。(これが、「ル・コルトン」と書いてあるとしたなら別の話しです。)有名なのはやはりシャンドン・ド・ブリアーユかパランか・・でしょうか。
パランのコルトン・ブランは残念ながら飲んだことが無いんですが、シャンドン・ド・ブリアーユは何度かいただいていますし、何度かご紹介もさせていただいてます。強くない抽出のエレガントなタイプで、シャルルマーニュのような強い硬質さは無く、心地良いワインでした。
今回は魔術師のドミニク・ローラン、しかも必ずやヴィエイユ・ヴィーニュで出して来ますので、適度な集中感と最適な酸バランスで楽しませてくれるものと期待しています。収穫から12年ですので リリースして10年・・良い感じになっているタイミングかと思います。ご検討くださいませ。
● 2013 Gevrey-Chambertin 1er Cru Clos Saints-Jacques Vieilles Vignes
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・クロ・サン=ジャック・ヴィエイユ・ヴィーニュ
● 2011 Gevrey-Chambertin 1er Cru Clos Saints-Jacques Vieilles Vignes
ジュヴレ=シャンベルタン・プルミエ・クリュ・クロ・サン=ジャック・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【まず入手が難しいクロ・サン=ジャックの葡萄をドミニク・ローランはどうやって得ているのでしょう??】
ご存知、ジュヴレの気高き、しかも妖艶なクロ・サン=ジャックです。しかもヴィエイユ・ヴィーニュです。そして、新樽200%とか400%とか・・(^^;; 言っていたドミニク・ローランは、
「濃厚濃密な味わいを捨てエレガントなブルゴーニュらしいワイン」
を造っています。
それにしてもドミニク・ローランさんですが、1957年生まれ・・だったかな?・・noisy より年上でいらっしゃいますが、凄い畑をまぁ・・次から次へと自分のメゾンからリリースしますよね。
それに、ドミニク・ローランが葡萄を購入した・・と言うだけで、そのドメーヌなりヴィニュロンの評価が上がると言われており、その葡萄を見る目、畑の選択眼とともに、ワイン専門家たちにも認められている訳です。
このクロ・サン=ジャックにしましても、
「・・一体どうやって葡萄を入手しているのか?」
と思っちゃいますよね?・・あのミクロ・ネゴスのオリヴィエ・バーンスタインの手腕を持ってしても、このクロ・サン=ジャックの葡萄は手に入らない訳ですから・・。
リューディ・ル・クロ・サン=ジャックはもともとムーシュロン伯爵家の持ち物だった訳ですが、それをアルマン・ルソー、フーリエ、クレール・ダユ、エモナンで分けて買収され、またその後クレール・ダユの所有する区画は、ルイ・ジャドとブリュノ・クレールに引き継がれましたので、
「現在所有者は5人」
と言うことになります。
なので、ルソー、フーリエ??からは絶対に出て来ないですよね?・・でも、お願いすればきっと供出してくれる・・と言うか、ドミニク・ローランも自分で葡萄の世話をしているかもしれないんですね~・・。
そう・・実は奥さんがシルヴィ・エモナンさんなんですね~。クロ・サン=ジャックの北東部分の一番良い部分をそっくり持っているんですね~。因みにルソーさんは南西の端、フーリエさんはその隣です。
なので、
「奥さんのドメーヌの葡萄を使っているからネゴシアンになってしまう」
と言う訳・・
だと思います。・・これ、推測ですよ・・あくまで。でも、まぁ・・間違い無いかな・・と思います。
シルヴィ・エモナンのクロ・サン=ジャックは非常に豊かで全方位にまん丸な、濃密タイプな味わいです。
しかし、ドミニク・ローランは、
「ボクのワインはエレガントだから・・」
が最近の口癖・・・実際飲んでみると、確かにそう思えます。葡萄の熟度は高いけれど、美しい酸とミネラリティが存在してます。
片や濃密スタイルのシルヴィ・エモナン、奥さんにしてライバルなのかも?・・しれませんが、片やエレガントなワインだと饒舌に語るドミニク・ローラン。
面白いですよね。しかも畑の位置と構成は他の誰よりも良いと言われているんですから・・。
ちょうどまだ・・何故か売れないシルヴィ・エモナンのクロ・サン=ジャックも有りますんで、少量入手出来たレアなドミニク・ローランのエレガントなクロ・サン=ジャック2011年、2013年も、比較で飲まれてみてはいかがでしょうか。
勿論、フーリエやルソー、ルイ・ジャド、ブリュノ・クレールを持っていらしたら、それはもう・・豪勢なワイン会になるでしょう。ドメーヌ対メゾンと言う意味でも面白いかと思います。是非ご検討くださいませ。
● 2011 Echezeaux Grand Cru Grande Cuve Vieille Vignes Reserve Personnele
エシェゾー・グラン・クリュ・グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・レゼルヴ・ペルソネル
【通常キュヴェではありません。2010年からリリースを始めた特別なキュヴェ、レゼルヴ・ペルソネールです!】

非常にレアなペルソネル・シリーズのエシェゾーV.V.です。ネゴスものですね。以前のエシェゾーV.V.はどうやら畑を取得してドメーヌものになったようです。
こちらはタンザーさんが96Points(93~96)と評価しており、「ノックアウト・アロマ・・」と、クラシックな評価をする時の定型文で賛辞しています。
非常に少ないワインかと思いますが、ネットを調べていて「おや?」と・・。それなりに安くて、しかも在庫も有る・・「本当か?」とチェックしてみたら、
「中国人経営の詐欺サイト」
でした。
しょっちゅう名前とドメイン名を変えて、あの手この手で詐欺をやっています。このペルソネルも有りましたが、そんな時は、100本とかの数をカゴに入れてみると良いかな・・と。そのまま計算するようなら、間違い無く詐欺サイトです。
また、クレジットカードが使えると記載していても、実際には銀行振り込みだけのようです。これだけ長くアチコチに出没していますんで、気付かないで振り込んでしまう方がいらっしゃるんでしょうね。引っかからぬよう重々お気を付けくださいね。
綺麗系に転換したドミニク・ローランのトップ・キュヴェ・・・ぜひご検討くださいませ。
● 2010 Beaune 1er Cru les Reversees Vieilles Vignes Blanc
ボーヌ・プルミエ・クリュ・レ・リヴェルセ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・ブラン
【非常に旨い!ブルゴーニュ・シャルドネ王道の味わいです!パーフェクトを目指す者による真円なパレット!しかも飲み頃に入って来ています!】

ブルゴーニュ・シャルドネ王道の味わいです。しかも良い感じに熟し始めており、非常に滑らかでまろやかです。オイリーさ、石灰、石灰石のニュアンス、少しのハニー、柑橘が熟した感じからのオレンジのニュアンスなど、非常に複雑ながら精緻です。
そしてぷっくりと膨れ上がった中域が心地良く、そこからの余韻の「少し粘りつつ」も「さらっ」とした感触・・これが実に素晴らしいです。
やはりこの人は感性の人なんですね・・。文句の付けようが全く有りません。ただただ美味しく、価格もビックリ、品質・クラスを考慮して非常に安いと言えます。2009年もさっさと完売してしまいましたし、今回の2010年、余り買えなかったことも有りますが、あと少しで終わりです。飲み頃なワインは足が速い・・!・・と言うか、ドミニク・ローランのリリース直後は買ってませんが!それでも、こんな良い感じに熟し始めたヴィンテージで、しかもボーヌ村のシャルドネなら買っちゃいます。まず間違い無いので・・。お早めにご検討くださいませ。少量です。
以下は2015年にご紹介させていただいた2009年もののレヴューです。━━━━━

今まで何度かドミニク・ローランのシャルドネをご案内してきましたが、そのいずれもが、飲まれた方から、
「ドミニク・ローランって美味しいのはピノ・ノワールだけじゃ無かったのね!」
と言うものでした。まぁ、ある種の完璧主義者と想像されるドミニクですので、何の不思議も無いんですが、
「ピノ・ノワール以上に旨い!」
と言う点を忘れてはいけません。
少しオイリーで緻密、滑らかで中盤がしっかり膨らみ、余韻まで自然な減衰をしつつ、全域をたおやかなアロマティックなミネラルな香りが包む・・・
ん~・・、これ以上、言い様が無い・・ミスター・パーフェクトです。
ほんのり蜜にちょっこしオイリー・・分厚いボディにバランスの良い酸のシャルドネって、おそらく非常にオーソドックスなんですが、探して飲んでみると結構な割合で出会わないですよね。よほど飲むタイミングが良くないと・・です。
ところが、彼の場合は樽の使い方が旨いのでしょう・・。全然「樽臭く無い」のに、「樽由来の結合香」がちょうど良いレベルで感じられるんですよね~。実に旨いです!
エージェントさんの文章にも有るように、ネゴシアンの町「ボ-ヌ」と言うアペラシオンは、ほとんど1級畑でほとんどがピノ・ノワールです。しかしながら、ボーヌの北西部には、石灰のキツイ、シャルドネに適した素晴らしい畑が有ります。・・・が、このリヴェルセはそこには無いです。
ボーヌの町のほぼ中央部に有り、著名な「クロ・ド・ラ・ムース」(クロ・デ・ムーシュでは無い)、「レ・ザヴォー」の直下に有ります。シャルドネとピノ・ノワールが植わっているリューディです。
ニュアンス的には、ポマールとの境界を接する「クロ・デ・ムーシュ・ブラン」の暖かみの有る果実の風味をややソリッドに、冷ややかにしたものに近く、村の北西部に存在する畑のような石灰のキツイ岩場のニュアンスまでは行かない・・感じです。ピノ・ノワールが植わっていると言うのが理解できる粘土由来のニュアンスも有ります。
マッタリとしつつもキレも有り、実に旨いシャルドネでした!限定数のご案内です。価格的にも魅力だと思います。是非飲んでみてください!超お奨めです!
● 2009 Gevrey-Chambertin Vieilles Vignes BIO
ジュヴレ=シャンベルタン・ヴィエイユ・ヴィーニュ・ビオ
【あのドミニク・ローランが「ビオ」! でもさすがの仕上がりでした!旨い!】
いや~・・これは飲んでご紹介したかったアイテムです。でも買えたのがたったの6本ですので・・テイスティングは諦めました。代わりに以前にご紹介させていただいた、同じ1994年のモレ1級モン・リュイザンV.V.のレヴュー文を掲載しますので、ご参考にされてください。
まぁ、余り言ってしまうと・・・特にnoisy の新着メールをご覧のお客様の中には、沢山のご同業者の方もいらっしゃいますんで・・でもまぁ、言ったところで減るもんでも無いし、ワインの紹介をこんなまともじゃない書き方をした文を書くのはnoisy位でしょうから構わないっちゃぁ・・無いので言ってしまいます。
ただし、これはね・・あくまでnoisy的な推理の域に有ることであって、正確な情報と言う訳では無いことをお含みおきください。
まず、飲んでないのでペルナン・ロサンとは限らない・・これが前提です。でもまぁ・・間違い無いでしょう。
で、ペルナン・ロサンとはどんなドメーヌだったか・・と言うことが大事で、■エージェント情報に「1.92haのほぼ三分の二を、アラン・ミシュロとドメーヌ・ペロ・ミノが占めている」なんていうのは、ここでは全く意味の無い話です。ドメーヌ・ペルナン・ロサンの畑を2000年に購入したのがペロ・ミノなので、1994年のリシュモンヌをどうこう言うので有れば、ここを言わんと遺憾・・なんですね。いかんです。
でさらに・・ペルナン・ロサンのリシュモンヌというのはどういうワインだったかっちゅうことが重要でね・・。実は、あのメゾン・ルロワがドーヴネやドメーヌ・ルロワを始める前の1980年代中盤まで、ペルナン・ロサンのリッシュモンヌを購入し、メゾン・ルロワの看板の一つとして販売していた・・・と云うような事実が有った訳ですね。
でもそんなことはPKさんのバーガンディにも書いて有りますんで、ちょっと知ってる人なら常識に過ぎないんですが、余り勉強する気の無い関係者の方々は結構知らないんですね・・。
で・・ここからが重要?・・noisyも余り言ってない部分ですが、結局、自身でドメーヌを始めたルロワと、それまでの取引先の間では、ちょっとした軋轢が有ったのでしょうね。あのデュガ=ピィもそう・・出色のシャルムをルロワに渡さないようになり、自身のドメーヌで販売に力を入れ始めました。そんな造り手の中にきっとペルナン・ロサンも含まれていて・・
そんな時に「Dom.Laurent」が現れた訳ですね。その頃のドミニク・ローランのエチケットには「Dominique 」とは記載せずに、何故か「Dom.」と省略していました。それを初めて見たnoisyは・・
「ドメーヌと見間違うじゃん!」
と思ったのを覚えています。
で、新樽200%だ400%だと・・その時代の申し子になったドミニク・ローランが、むしろそれまでのメゾン・ルロワのワインの供給元だった造り手たちの買い手になったと・・言う状況なんだと、勝手に推理している訳です。・・あくまで勝手なものですんで、大きな声で言わないようにしましょうね~!
なので・・飲みたかったワインです。noisy が飲みたいと思った位ですから、皆さんもきっと琴線に触れた方もいらっしゃるんじゃないかと・・。このワインもやはり、「歴史のひとコマ」を感じさせてくれるワインでしょう。
それにリシュモンヌと言えば、先日ご案内させていただいた、オーレリアン・ヴェルデのトップワインでしたので、その辺と絡む興味をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
是非ご検討ください。
以下は異なるワインの以前のレヴューです。
━━━━━
【ブルゴーニュの古酒!ドミニク・ローランが自分の舌で確認し、購入した秀逸なキュヴェです!とても美味しいです!】
そろそろ20年という古酒を3アイテムご紹介します。数が無い1996年モン・リュイザンと1992年ラトリシエール=シャンベルタンは飲んでいませんので・・すみません。
さっそく1994年のモン・リュイザンを飲んでみました。
(94年は完売です。すみません。) すると・・少し弱くなったコルクには、
「
ドメーヌ・ペルナン・ロサン」
の銘が有るではないですか!
ペルナン・ロサンは、2000年に惜しまれつつドメーヌと閉じた、実にファンの多かった造り手でした。
ドメーヌの畑、クロ・ド・ラ・ロシュ、モン・リュイザン、リッシュモンヌなどは全て、アンリ・ペロ=ミノに売却され、その後のペロ=ミノの隆盛に繋がったと言われています。
ま、ペロ=ミノの作風とはだいぶ違うとは思いますけど。
このモン・リュイザンですが、以前ご案内させていただいたニコラ・ポテルのワインと同様ですから・・・

「モン・リュイザン」はグラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュを名乗れる部分と、プルミエ・クリュ・モン・リュイザンになる部分に分かれています。
今回のこのワインは当然1級、プルミエ・クリュです。
しかし、この淡い色合いを見ていただくとお判りのように、
「クロ・ド・ラ・ロシュと判別が付き辛い」ほど似た味わいになっています。
石灰石のニュアンスを多く含んだ土壌で、シャンボールほどのテッカテカした石灰では無いものの、ジュヴレに接したこの部分は、何故か反対側のシャンボールに似た風情を見せるのですね。モン・リュイザンやクロ・ドラ・ロシュの方が鉱物的ニュアンスは強いですけどね。石灰が強いと感じるのはシャンボール系・・、艶かしいのはこちらでしょうか。
クロ・ド・ラ・ロシュと言えば、代表的な造り手は現在では、ポンソかデュジャックか・・になるかと思いますが、デュジャックよりのエキス主体の味わいになると思います。
本来はとても寿命の長いワインですが、19年の年月が、実に良い感じのエロいピノ・ノワールに変化させています!実に旨いですよ!
1994年はオフ・ヴィンテージ・・・みたいなイメージがあると思いますが・・・とんでもない!・・・あの頃の評価は特に、
「新樽第一主義による濃厚一辺倒」タイプが良いとされていました。ある意味、ドミニク・ローランも、その旗手としてスターダムに昇り喧伝された訳ですから・・・皮肉なものですね!
「僕のワインはとてもエレガントだから・・・」
とドミニクは言ってるそうです。新樽200%とか400%の申し子だったのにね・・。
ペルナン・ロサンも、実は80年代は、濃い目の味わいだったと記憶しています。しかし、このワインを飲む限り、90年代に入ってから、ギイ・アカと決別して、エレガントな・・・ブルゴーニュ本来の姿を取り戻した訳です。
妖艶で、良く香り、膨らみ、長く持続します・・・素晴らしいです!価格はとても安い!絶対買いのワインでしょう!
でも、19年の月日がコルクを柔らかくしていますので、抜栓にはご注意下さいね。 1996年のモン・リュイザンですが、ほんの少量なので飲んでいません。96年はグレートイヤーといわれたヴィンテージですが、中々美味しくならなくて・・・
「本当にグレートイヤー?」
と首を傾げてしまうことが多かったですが、ここにきてだいぶ開くようになってきました。美味しいボトルが多い現況です。しかし、価格はオフと言われた1994年よりも高いです・・・でも、
「クロ・ド・ラ・ロシュと変わらない」味わいならば、かなり安いと言えます。ご検討下さい。
1992年のラトリシエールですが、ご存知かと思いますが、実はクロ・ド・ラ・ロシュと接したジュヴレの最南にあるリューディです。なので、
「シャンベルタンらしくない」
「痩せている」
などと言われるんですが・・・それが特徴なんですよ。ジュヴレにしては、クロ・ド・ラ・ロシュのような石灰石的ニュアンスが強い訳です。なので、シャンベルタンやシャルムに比較すると、飲めるようになるまでに時間が掛かるんですね。
21年を超えてきていますので、クロ・ド・ラ・ロシュ的シャンベルタンの実力を見ることが出来ると思います。是非ご検討下さい!
● 2006 Chambertin Grand Cru Grande Cuvee Vieilles Vignes
シャンベルタン・グラン・クリュ・グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【こちらはnoisy的推しの2006年!何も付かない Chambertin ! まず外れの無いのが当たり前のドミニク・ローランの最高峰です!】
2006年のグランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・シリーズ、シャンベルタンです。このシリーズはドミニク・ローランの最高峰です。
ベタンヌの評価で18.5/20 2010~2026 と、かなり高い評点が出ています。1990年台のような新樽200%の濃厚ピノ・ノワールでは無く、むしろエレガント系に回帰してからのシャンベルタンです。
noisy も、日本に正規エージェントが出来てから、結構なアイテムのテイスティングをしましたが、それまでの濃密スタイルからエレガントな味わいへの転換に、
「・・ん?・・あれ?・・大丈夫かこれ?」
と、かなり混乱していたのを覚えています。
2001~2002年頃の話しで、何しろね、まだ誰もエレガント系になったドミニク・ローランを飲んで無いし、いや、もしくは飲んだ情報、コメントなどはネット上にも流れて来ない・・まだブログなるものがようやく始まったかどうか・・の時期でしたから、
「エージェントも飲まない、飲ませない、情報も見当たら無い」
と言う状況の中、
「誰も飲まないなら noisy が飲むっきゃ無い。飲んでその印象をホームページでアップしよう。」
と言うことになり、現在のホームページの形になった訳で、そのキッカケにもなったのがドミニク・ローランと言う訳ですね。
まぁ、その後色々有りまして、その正規エージェントさんからはまず買わないようになってしまっていますが、ちょうどリアルワインガイド創刊号のテイスティングも始まった頃と重なりまして、まだ少し若さを持っていた頃ですので、懐かしい気もします。
と言う訳でして、3本しかございませんで・・飲みたいワインでは有りますが、飲まずにご案内致します。2006年、noisy推しのヴィンテージです。ご検討くださいませ。
● 1996 Charmes Chambertin Grand Cru Grande Cuvee Vieilles Vignes
シャルム=シャンベルタン・グラン・クリュ・グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【1990年台、ワイン界を震わせた物凄いピノ・ノワールです。昔と余り変わらない価格・・・でもエチケット表記は変わっていますね!】
ドミニク・ローランのワインが初めて日本に入ってきた頃・・ですが、noisy の記憶が正しければ、そのエチケットには、
「D.Laurent」
と書かれていて、今のように情報が過剰に手軽に入手できる時代では無かったのも有って、
「・・ん?・・ドメーヌ・ローラン・・か~?・・でもリストにはドミニク・ローランって書いてあったし・・」
と、ドメーヌなのかネゴスなのかもはっきりせず、その D.Laurent の意味さえも良く判らず、ただ海外筋の情報では、
「とんでもなく凄い造り手が現れ、海外では大評判になっている!」
と言うようなことだけは判っている・・しかも入手するのは至難の業、さらにはワインはその頃からめっちゃ高価で、上級の畑ものしかリストに載っていない・・など、ワイン販売を志し、でもまださしては売れない noisy にとっては、非常に難物だった訳ですね。
そうこうしている内に注文したワインが届いたのは良いが、数が無くて飲む訳にも中々いかず、困り果てていた訳です。そんな曰くの有る「ドミニク・ローラン」です。
グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・シリーズは、ドミニク・ローランの最上級キュヴェだったと理解していますが、1980年台~1990年台に掛けての彼のワインは、
「新樽200%」
と言う、ハッキリ言ってその頃は意味が良く判らなかった訳で、謎の術式のような、魔術のようなイメージでした。
まぁ、それだけバリックを使用すれば・・と言うか、おそらく何度かバリックを替えるからそうなるんだろうと想像していましたので、
「・・ただでさえ新樽100%だと、弱いヴィンテージじゃ樽負けしてしまうのに・・?」
と思っていたところ、
「滅茶出来の良い手摘みの葡萄による新樽100%のキュヴェしか買わない・・が、よそのネゴスよりかなり高く購入する」
と言うような情報が流れて来て、
「ドミニク・ローランが買った・・と言う噂が流れると、その生産者のワインが値上がりする」
とまで言われていることも判って来ました。ただただ・・「凄いなぁ・・」と言う感情が支配していましたね。ようやくドミニク・ローランのワインが飲めたのもその頃です。今現在に似た存在がいるとするならば、オリヴィエ・バーンスタインでしょうか。
よっぽど濃いんだろう・・と思ってテイスティングに臨むと、まるで肩透かしのように「しなやか」だったのを覚えています。しかし非常に大柄で、エレガンスもしっかり、ジャイエよりもやや果実の風味が強いかな?・・と言うような感覚でした。兎に角・・旨かったです。たしか・・マジ=シャンだったと思います。
まぁ、今回ご紹介のグランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュの2アイテムなどは、本当に高くて・・買えなかったんじゃないかな?・・と思いますが、今回のご紹介分は、その頃と全然変わらないんじゃないかとさえ思ってしまいます。
1992年のシャンベルタンは評価は全く見当たらず・・まぁ、今頃になって良く出て来たよなぁ・・と言う印象では有りますが、何かないかとネットを検索してみると、ワインが大好きな方のブログでその詳細が語られていて、その素晴らしさに感動した旨が掛かれていました。その方は他に92年クロ・ド・ラ・ロシュなども一緒に飲まれていましたので、もし気になるようでしたらネット検索してみてください。さすがにnoisy も今回分は少量ですから開けちゃう訳にも行きませんので・・。
1996年のシャルム=シャンベルタンは、タンザーさんが何と92~95Pointsと言う高い評価でした。しかし当時は価格も高かったと思いますよ。1996年は前年物より30%も仕入れ値が上昇した年でした。
「・・もう・・ブルゴーニュは売れなくなるんじゃないか?」
と本気で心配したものです。笑い話じゃ無くて・・その頃は、本当にどうしよう・・と・・(^^;;
こちらもグランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・シリーズですので、ヘンテコな出来のものをドミニク・ローランがリリースする訳が無く、かなり期待して良いじゃないかな?・・と思っています。
まぁ、その頃のことを余りご存知無く、「新樽200%」と言う言葉だけが独り歩きしていましたから、
「濃厚で・・今のペロ=ミノのようなワイン」
と言うようなイメージが有るかもしれませんが、決してそんなことは無いんですよ。「元々の原酒はかなり濃かった」と言うことは言えると思いますが、バリックを2回掛けることによって、その濃密さ、無駄な贅肉はそぎ落とされ、結果的にエレガントさを失わない・・と言うことだった訳ですね。その頃はワイン屋でも中々テイスティング用に手の出るワインじゃ無かったですから、ドミニク・ローランのワインの真実は、陽の目を出たのは遅くなった訳でして、そうこうしている内にインターネットが日本でも始まり、いつの間にか正規エージェントが出来・・と言うような流れになったんですね。そして、いつの間にか、いや、今でも覚えていますが2000年からです・・ドミニク・ローランもアンリ・ジャイエ系のワインを止め、エキスの美しいタイプへと変貌したんですね・・。
その頃は正規からそれなりに仕入れていましたので、2000年のヴォーヌ=ロマネなど・・滅茶苦茶美味しくて、しかも果実味系からエキス系へと変貌していたのでビックリしたんですね・・。
果実がたっぷりのワインも、年を経ると結局はエキス系に向かっていきますから、最後はけっこう似たような感じまで行きます。低温である程度の期間以上漬け込んだ時のニュアンスは消えませんけどね。
ある種、もう20年以上も経過した、非常にレアな古酒です。一世風靡した果実味重視のワインも、かなりエキス系へと向かっているでしょう。もう、さすがにドミニク・ローラン自身が仕上げをした90年台のワインは、底を付いているはずです。是非古き良き時代の最高のピノ・ノワールの一つをご賞味くださいませ。
● 1993 Nuits-Saint-Georges 1er Cru la Richemone Vieilles Vignes
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・ラ・リッシュモンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【もしかしたら完熟リシュモンヌ!?・・供給者は間違い無く「ペルナン・ロサン」でしょう!!ブルファンは必買!】
少し前にペルナン・ロサンのラ・リッシュモンヌV.V.1993年をご紹介させていただきましたが、おそらく・・と言うか、間違いなく、ドミニク・ローランのこのワインも、ペルナン・ロサンによるものと思われます。
しかし、ペルナン・ロサンの在庫からドミニク・ローランの目と舌と鼻でセレクションしたと思われるワインですので、
「・・どこか違うのかもしれない・・」
かもしれないし、
「・・おんなじじゃん!」
と言う結果になるかもしれませんし、何とも言えません。
この種の古酒は、出て来た時が買い時でして、それを逃すとまず入手できないのが普通です。それにしてはこのところはペルナン・ロサンのワインがどんどん出て来ていますので、
「・・何でそんなにあるの?」
「・・何でそんなに売れなかったの?」
と言う疑問は残ります。
だって、美味しいでしょ?・・それに今回のドミニク・ローランものはかなりリーズナブルです。素晴らしい畑、ラ・リッシュモンヌのV.V.、しかも四半世紀に届こうかと言う代物です。少量なのでテイスティングは回避しました。申し訳ありません。是非ご検討くださいませ。
以下はペルナン・ロサンの1993年ラ・リッシュモンヌV.V.のコメントです。
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今までも何度か、すでに廃業しているペルナン・ロサンの古酒をご案内してきましたが、そろそろもうさすがに終わりか・・と思ってましたら、今回も少々購入出来ました。
皆さんにはすでに定評のある「モレ1級モン・リュイザン」と、ニュイ=サン=ジョルジュの素晴らしい1級畑、「ラ・リッシュモンヌ」です。
ラ・リッシュモンヌは、それこそその昔、オーレリアン・ヴェルデが買い葡萄でリリースしていて、その大きな構成と複雑さで魅了してくれたワインです。メオ=カミュゼの素晴らしい「1級オー・ミュルジュ」の上部に有り、また「1級レ・ダモード」の直下にあると言う恵まれたリューディです。今回は1986年と1997年と言うことですが、30年もの、19年ものとしても非常にリーズナブルかと思います。
ただし今回はどちらも数が無いことも有り、テイスティングはしておりませんで、前回以前のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のコメントです。(1993年ものですがラ・リッシュモンヌでは有りません。)
━━━━━

ドミニク・ローランが購入していますんで、味わいの方は・・
「ちゃんと飲めば美味しいのは間違い無いだろう!」
的な考えで行ければOKでしょう。
ですが、この下の方・・前に書いたコメント・レヴューにもある様に、この「モン・リュイザン」と言う畑は「グラン・クリュ・クロ・ド・ラ・ロシュ」の構成畑でも有りますので、似ていて非常に長命でも有ります。
クロ・ド・ラ・ロシュよりは幾分「粘土」のニュアンスが入り、またその分、「石」のニュアンスが減る感じですが、似ていることには間違い無いです。
このような長熟なワインは、あまり経験が無いと・・
「・・開けたらさっさと飲まないと!」
と前もって思ってしまうと失敗します。美味しくなる前に飲み切ってしまう恐れが有るんですね。
むしろ、今回ご案内のワイン・・・1986年は空けてみて、ホストテイスティングしてから「何をどうするか」決めるべきですが、それ以外のワインは、最初から美味しく飲みたいと希望するなら、できれば「デキャンタ」を使用した方が良いかもしれません。 もしくは、「デキャンタを使用すべきかもしれない」ことを頭にインプットしておくべきでしょう。ホストテイスティングで、この先伸びて行きそうなら・・それだけのポテンシャルを信じられるようであれば、迷わずデキャンタを使って、澱と分けてしまいましょう。その方が確実かもしれません。もちろん個体差は出ますので、100%決定では有りませんよ。あくまで決めてかからず、でも想像の範囲内・想定内にしておくことが美味しく飲むコツです。
今回、noisy がチェックしたのは1993年です。1995年と1998年をブレンドしたようなヴィンテージのニュアンスの味わいかもしれません。それでも開けて30分ほどからはグイグイ伸びてきました。開けたては少し酸化のニュアンスが有りますが、10分ほどでミネラリティの膜が伸び、少しずつ官能的なブケが上がってくると収まってしまいます。クロ・ド・ラ・ロシュを思わせるような目いっぱいの石のニュアンスに、スパイスや腐葉土、革、色付いたフルーツの香りが繊細に感じられます。良い古酒ワインでした!
1996年はヴィンテージ的にはグレートイヤーと言われた年ですが、酸が強い印象が有るかと思います。この1996年だけは「目いっぱいのレベルで入っていない」・・自然な減少の液量です。レベルがとても低いということは無いです。
1986年、1993年、1997年はそれぞれほぼ目いっぱいのレベルで入っていますので、おそらくボトルをつぶして補充していると思います。1993年のコルクを見てみてください。きれいですよね・・。なので打ち変えていると思います。
1986年は隠れた良い年です。強くないですが繊細です。これに関してはそろそろ飲み頃じゃないかと踏んでます。でも前にもご案内していますので被らないようにしてくださいね。
1997年は初めての扱いです。今まで出さなかった理由があるはず・・出来は悪くないのでは?と邪推しています。
このような、昔のワインが出てくることが無くなって来ました。1997年も18年ものですよ?・・必ずもっと開くはず・・と思って向かった方が良い結果になるかと思います。ブルゴーニュのワインの奥深さを是非ご堪能ください。
・・あ、いつも言ってますが、
「到着してすぐ」
とか、
「ワイン会にハンドキャリーで当日」
などと言うのは止めてくださいね。・・「無理」です。でもちゃんと向き合えばちゃんとこっちを向いてくれると思います。全品チェックし、キャプスュルが回ることを確認しています。ご検討ください。
● 1992 Chambolle Musigny 1er Cru Derriere la Grange Vieille Vignes
シャンボール=ミュジニー・プルミエ・クリュ・デリエール・ラグランジュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【1992年のデリエール・ラグランジュ!ボンヌ=マールを思わせる風格を持つ完熟に近いシャンボール=ミュジニー1級です!】

良い感じの色合いですよね~・・どことなく「モレ=サン=ドニ」を感じさせる、やや暗い色合いと、半透明なナトリウムっぽいミネラリティと透明なカリウムっぽいミネラリティが見えるような・・気が・・するだけですが・・。1992年ですから四半世紀経過した25年ものです。
ドミニク・ローランのワインは、まず外すことが無く、安心して仕入れが出来る点も有難いですが、こちらのワインはおそらく、ボトル詰めしたものをドメーヌから購入していると思われ、ドミニク・ローランが実際にテイスティングして良いと思われたロットのみを扱っているラインです。
そこにドミニク・ローランのテイスティング能力が発揮されている訳ですが、勿論、個体差は有るかとは思いますが、大きく外すことは無く、個体差で稀に・・「ん?」と言うようなことが有る位でしょう。
このデリエール・ラグランジュは、シャンボールの北側の1級畑でして、ボンヌ=マールの南が1級レ・フュエで、その下に有ります。デリエール・ラグランジュの下(東)は、フーリエでもお馴染みのレ・グリュアンシェルです。
レ・フュエやレ・グリュアンシェルには少ししか感じないんですが、デリエール・ラグランジュはボンヌ=マールの庶子のような・・つまり「そっくりさん」ですね・・。それでいて、ボンヌ=マールのように狸寝入りをしてワインファンを困らせるような部分が少ない・・と感じています。
ボンヌ=マールに接しているレ・フュエに余り感じなくて、このデリエール・ラグランジュには感じる・・と言うのは不思議ですが、地下構造に寄るのでしょうから・・そう言うものなのでしょう。
ほぼ完熟状態で、やや大きめの岩のニュアンスにベリー系の果実、白っぽい土、ワイルド系のスパイシーなアロマが感じられ、ちょっとセクシーなブケがムンムンしています。
テクスチュアはシャンボールそのもの・・と言うよりは、モレ=サン=ドニを半分ほど混ぜたようなニュアンスで、近いのはクロ・デ・ランブレイかな・・と思います。そこもクロ・ド・タールを挟んでシャンボールとモレの境界を少し離れていますから不思議な感じはします。
普通に飲んで・・もう、とても美味しいですが、テクスチュア良く飲んでいただくともっと・・美味しいでしょうから、
「出来るだけ細かい澱が完全に降りるまで立ててから」
飲んでください。
結構に見えないような細かい澱が有り、しかも比重の重いミネラリティがたっぷり在りまして、澱をゆっくりとしか下げさせてくれないと思うんですね・・。
あ、また・・コルクもですね、25年も経過していますので・・個体によってはリコルクされているものも有るかもしれませんが、最近は noisy のところでも、息子に抜栓を任せていまして・・しっかりコルクの先端をボトル内に残してくれましたので・・(^^;; ご注意ください。完全に上までスクリューを上げるように、途中で下手に止めないようにした方が折れずに済みます。
ワイルドで官能的な美味しい・・25年ものです。有難いですよね~・・古酒がこの位で手に入るんですから。ご検討くださいませ。お勧めします!
● 1992 Chambertin Grand Cru Grande Cuvee Vieilles Vignes
シャンベルタン・グラン・クリュ・グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【1990年台、ワイン界を震わせた物凄いピノ・ノワールです。昔と余り変わらない価格・・・でもエチケット表記は変わっていますね!】
ドミニク・ローランのワインが初めて日本に入ってきた頃・・ですが、noisy の記憶が正しければ、そのエチケットには、
「D.Laurent」
と書かれていて、今のように情報が過剰に手軽に入手できる時代では無かったのも有って、
「・・ん?・・ドメーヌ・ローラン・・か~?・・でもリストにはドミニク・ローランって書いてあったし・・」
と、ドメーヌなのかネゴスなのかもはっきりせず、その D.Laurent の意味さえも良く判らず、ただ海外筋の情報では、
「とんでもなく凄い造り手が現れ、海外では大評判になっている!」
と言うようなことだけは判っている・・しかも入手するのは至難の業、さらにはワインはその頃からめっちゃ高価で、上級の畑ものしかリストに載っていない・・など、ワイン販売を志し、でもまださしては売れない noisy にとっては、非常に難物だった訳ですね。
そうこうしている内に注文したワインが届いたのは良いが、数が無くて飲む訳にも中々いかず、困り果てていた訳です。そんな曰くの有る「ドミニク・ローラン」です。
グランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・シリーズは、ドミニク・ローランの最上級キュヴェだったと理解していますが、1980年台~1990年台に掛けての彼のワインは、
「新樽200%」
と言う、ハッキリ言ってその頃は意味が良く判らなかった訳で、謎の術式のような、魔術のようなイメージでした。
まぁ、それだけバリックを使用すれば・・と言うか、おそらく何度かバリックを替えるからそうなるんだろうと想像していましたので、
「・・ただでさえ新樽100%だと、弱いヴィンテージじゃ樽負けしてしまうのに・・?」
と思っていたところ、
「滅茶出来の良い手摘みの葡萄による新樽100%のキュヴェしか買わない・・が、よそのネゴスよりかなり高く購入する」
と言うような情報が流れて来て、
「ドミニク・ローランが買った・・と言う噂が流れると、その生産者のワインが値上がりする」
とまで言われていることも判って来ました。ただただ・・「凄いなぁ・・」と言う感情が支配していましたね。ようやくドミニク・ローランのワインが飲めたのもその頃です。今現在に似た存在がいるとするならば、オリヴィエ・バーンスタインでしょうか。
よっぽど濃いんだろう・・と思ってテイスティングに臨むと、まるで肩透かしのように「しなやか」だったのを覚えています。しかし非常に大柄で、エレガンスもしっかり、ジャイエよりもやや果実の風味が強いかな?・・と言うような感覚でした。兎に角・・旨かったです。たしか・・マジ=シャンだったと思います。
まぁ、今回ご紹介のグランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュの2アイテムなどは、本当に高くて・・買えなかったんじゃないかな?・・と思いますが、今回のご紹介分は、その頃と全然変わらないんじゃないかとさえ思ってしまいます。
1992年のシャンベルタンは評価は全く見当たらず・・まぁ、今頃になって良く出て来たよなぁ・・と言う印象では有りますが、何かないかとネットを検索してみると、ワインが大好きな方のブログでその詳細が語られていて、その素晴らしさに感動した旨が掛かれていました。その方は他に92年クロ・ド・ラ・ロシュなども一緒に飲まれていましたので、もし気になるようでしたらネット検索してみてください。さすがにnoisy も今回分は少量ですから開けちゃう訳にも行きませんので・・。
1996年のシャルム=シャンベルタンは、タンザーさんが何と92~95Pointsと言う高い評価でした。しかし当時は価格も高かったと思いますよ。1996年は前年物より30%も仕入れ値が上昇した年でした。
「・・もう・・ブルゴーニュは売れなくなるんじゃないか?」
と本気で心配したものです。笑い話じゃ無くて・・その頃は、本当にどうしよう・・と・・(^^;;
こちらもグランド・キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・シリーズですので、ヘンテコな出来のものをドミニク・ローランがリリースする訳が無く、かなり期待して良いじゃないかな?・・と思っています。
まぁ、その頃のことを余りご存知無く、「新樽200%」と言う言葉だけが独り歩きしていましたから、
「濃厚で・・今のペロ=ミノのようなワイン」
と言うようなイメージが有るかもしれませんが、決してそんなことは無いんですよ。「元々の原酒はかなり濃かった」と言うことは言えると思いますが、バリックを2回掛けることによって、その濃密さ、無駄な贅肉はそぎ落とされ、結果的にエレガントさを失わない・・と言うことだった訳ですね。その頃はワイン屋でも中々テイスティング用に手の出るワインじゃ無かったですから、ドミニク・ローランのワインの真実は、陽の目を出たのは遅くなった訳でして、そうこうしている内にインターネットが日本でも始まり、いつの間にか正規エージェントが出来・・と言うような流れになったんですね。そして、いつの間にか、いや、今でも覚えていますが2000年からです・・ドミニク・ローランもアンリ・ジャイエ系のワインを止め、エキスの美しいタイプへと変貌したんですね・・。
その頃は正規からそれなりに仕入れていましたので、2000年のヴォーヌ=ロマネなど・・滅茶苦茶美味しくて、しかも果実味系からエキス系へと変貌していたのでビックリしたんですね・・。
果実がたっぷりのワインも、年を経ると結局はエキス系に向かっていきますから、最後はけっこう似たような感じまで行きます。低温である程度の期間以上漬け込んだ時のニュアンスは消えませんけどね。
ある種、もう20年以上も経過した、非常にレアな古酒です。一世風靡した果実味重視のワインも、かなりエキス系へと向かっているでしょう。もう、さすがにドミニク・ローラン自身が仕上げをした90年台のワインは、底を付いているはずです。是非古き良き時代の最高のピノ・ノワールの一つをご賞味くださいませ。
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