
当初の予定ではこちらのキュヴェ、「ラ・ベル・ロメイヌ・アルバン」を主体にしたかったんですが・・何せ数が無く、とても飲める数量でも無く・・どうしようか・・と思っていたところ、
「noisy さん・・サンプル出しますんで、残り全部買ってください・・」
とのオファー。
まぁ・・そうゆうことなら・・やぶさかでは無いぞ・・とばかりにドメーヌ・ジェノーのワインの残りを全部仕入れさせていただいちゃいました。
何しろ、まだ誰も知らないに等しい造り手では有りますが、赤のモンドゥーズも滅茶旨いし、実はまだ残っている白の「ラ・コンテッス・ブランシュ」も素晴らしいんですよ。非常にピュアだし、ブルゴーニュ的な美しいエキスを持っているし、何より飲んでいて心地が良い・・惚れちゃったのかな・・と言うところなんですね。
なので、このしょうも無いほど少ないデイリーに毛の生えた位の、でも非常に希少なモンドゥーズを飲ませていただきました。
前にご紹介させていただいた「ル・コント・ルージュ」ほどの密度は無いんですが、それでもやはりピュアで美しいエキスに満ちています。細やかなスパイスもローヌ的ではなく、ブルゴーニュ的な出現の仕方で実にエレガントです。
果実はこの美しい色合いの通りのチェリー、やや淡い熟したザクロ・・やはりここは酸の美しさが光っていて、実にリアルです。
数が無いので・・後は以下のコメントをご参考にしてください。次のヴィンテージが有れば・・勿論、価格に納得できれば・・ですが、必ずやりたいと思った数少ない造り手、ワインのうちのひとつです。お勧めします!素晴らしいモンドゥーズ!お試しください!
以下は以前ご紹介させていただいてご支持いただいた上級キュヴェ、「ル・コント・ルージュ・ヴァン・ド・サヴォワ・アルバン」のレヴューです。
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【ピノ・ノワールと近似なエレガント・エキスワイン!冷ややかな酸は中域にややアクセントが有るか?非常に美しい繊細さをご堪能ください!】
いや~・・惚れました!・・めっちゃ美味しいです。ドメーヌ・ジェノー・・・ぜひ覚えていただきたい、センス有る造り手です!
で、このワインの品種はモンドゥーズと言います。大昔・・そう、ネットの販売を始めたばかりの頃に、アンリ・ジャイエで修業し大成功を収めたカルフォルニアの「オ・ボン・クリマ」のモンドゥーズをご紹介したことが有ります。
なぜに「モンドゥーズなのか?」と言う問いにオ・ボン・クリマのジム・クレンデネンさんは、
「絶滅するかもしれない品種で保護したいのと、モンドゥーズに可能性を感じているから・・」
みたいなことを言っていた・・と記憶しています。
まぁ・・彼は、区域ごとのワインを混ぜてしまったり、違う品種同士をブレンドしたりで、恩師のアンリ・ジャイエの言うことは余り聞いちゃいなかったとは思いますけど・・。
何しろ「モンドゥーズ」は本当に久しぶりで・・大体にして、ビュジェ以外のサヴォワを販売するのも本当に久し振り・・。美味しいものが有ったとしても高価だったり、余り好ましいと思えなかったりで、
「ん~・・売れんよな~・・たぶん・・」
で済ませていたんですね。
でも基本、noisy のスタンスは、
「美味しいものなら無名でもOK」
ですから、飲んでみて可能性を感じられるかどうか・・に掛かっていた訳です。で飲んでみたら・・惚れちゃいましたね・・。力技に持っていかず、ナチュラルなのに激ピュア!・・エキスがバッチリな味わいが、心を動かしたと言えるでしょう。
色合いをぜひご覧ください。まるで良い年のピノ・ノワールの平均的な色合いに近いです。薄くなく、でも濃くもない・・かすかに下のテーブルクロスが見えるかどうか・・位です。
口入れは全くのエキシーなブルゴーニュ・ピノ・ノワール風です。冷ややかで中くらいの丸いパレットを描く美しい酸が有ります。ピノ・ノワールとは中域の膨らみがわずかに大きく膨らむ感じです。チェリーっぽいというかサクランボというか・・。でも気付かなければそのまんま、
「え~・・どこかな・・コルトン辺りのワインかな?1級?・・もしかして?」
と言ってしまいそうな複雑性の有る香りと熱量感です。
非常にドライながら薄辛くなく、中盤以降のフルーツ感を保ったままの余韻の長さが素晴らしいです。二次発酵に少し特徴があるような気がしますが、わずかにリンゴ酸を残しつつ・・のような、シャッキリと若い酸味を僅かに感じます。そしてとんがりの無い滑らかで練れた旨い酸もたっぷり存在します。この辺りの複雑精緻なバランスが素晴らしいんですよ。樽臭さは皆無!・・めちゃんこピュアなんですね・・そして果実感を感じつつの余韻の長さです。
「・・でも・・モンドゥーズって知らないし・・」
と思われるかもしれません。いいじゃないですか・・ピノ・ノワールだと思って飲めば・・。思いっきり「疑いつつ」飲めば、どこがどんな風に違うかも理解できるでしょうし、おそらくこの見事なバランスに、
「お~・・美味しいね~!」
と思ってしまい、モンドゥーズどうこうを忘れてしまうでしょう。
オ・ボン・クリマのジムさんも、神様アンリ・ジャイエに期待された若者でした。その彼が、
「サヴォワのモンドゥーズを残したい!」
と思っていたのも事実でしょう。販売不振に喘ぐマイナーなアペラシオンで、モンドゥーズは廃れていたかもしれませんが、ジムさん始め多くの方の努力でモンドゥーズは残っています。素晴らしいワインでした。超お勧めします!数がないのでお早めにどうぞ!
P.S.アペラシオン表記ですが、EU向けの原産地呼称 A.O.P.(appellation d'origine protégée)で書かれています。通常のA.O.C.と同様とご理解くださって構いません。(同時にご案内の白の方はA.O.C.表記です。).