ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール
グロ・フレール・エ・スール
フランス Domaine Gros Frere et Seour ブルゴーニュ
● 2022年のグロ・フレールです。新作も有りますが・・
「白がやたらと旨い!」
です!
そして、A.C.ブル赤も・・引き込まれるような美味しさが有ります。オート=コートはその延長上でより大きいですが、完成するまで1カ月ほどかかるかな?・・と言うタイミングです。
村名ヴォーヌ=ロマネは、
「これからのグロ・フレールはこれだ!」
と言うような名刺代わりのワイン。これも素晴らしいです。
そして、ヴォーヌ=ロマネ・クロ・ド・ラ・フォンテーヌが初リリースです。ジャン・グロ・ファミリーでシェイクしているようで・・どうなっているのか良く判りませんが、少ないですが評価は驚きの点数が出ています。
そして、かなり量が少なくなったグラン・クリュ。エシェゾー、クロ=ヴージョ・ミュジニ、リシュブールですが飲めませんので・・世界で一番リーズナブルだと言っていただけるように、涙を飲んでの特別価格です。
テイスティング出来たワインはどれも素晴らしかったです。クラシカルでエレガント、やや妖艶でSo2滅茶少ない・・その味わいこそが、ヴァンサン・グロが目指す道なのでしょう。ぜひともお確かめくださいませ。お薦めします!
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2021年のグロ・フレールを紹介させていただきます。
毎年、造りや出来が異なる感じで、面白いっちゃぁ・・そうなんですが、不安定でも有ったヴァンサン・グロです。が、どうやら2021年もので、
「今までの集大成・・と言うか、進む道が見えていて、ひとつのステージをクリアしたヴィンテージ」
と言えるかと思います。
2020年ものはそれなりに濃く、アルコールも上がりましたが・・それでも、ヴァンサン自身のスタイルを形作ろうと言うような意思を感じることが出来ました。2021年ものは非常にエレガントで、しかし、充実した味わいを・・
「So2 添加をより少なく、エキス系の美しい仕上がりで造り上げる」
ことに成功していると感じました。
特に、オート=コートの白と赤はとんでもなくクラス超えの美味しさを見せます。村名のヴォーヌ=ロマネに至っては凄い出来!です。
1級~グラン・クリュは1~2本しかないので飲めませんでしたが、リアルワインガイドは「過去最高」を言いつつ、リシュブールに上値98ポイントと・・物凄い出来だったルーミエさんの2021年シャルム=シャンベルタン並みの評点を与えています。
ただし、A.C.ブル赤に関しましてはエルヴァージュ不足と言いますか、仕上がりが遅くなっているとの判断で、取りあえず来春まで販売を延期することにさせていただきました。ご了承くださいませ。
その他の飲めていないアイテムも多く有りますが、リアルワインガイド第83号の記述などと照らし合わせ、noisy 的なコメントをさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
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2020年のグロ・フレール・エ・スールです。少ない入荷量では有りましたが出来うる限りのテイスティングをさせていただきましたので、他店様よりも遅いご案内になりました。で・・その総体としての感想ですが・・
「これからはヴァンサンのグロ・フレールが超面白くなること間違い無し!」 と言うもの・・です。noisy があれこれ言う前に、とりあえずエージェントさんの能書きとリアルワインガイド第79号のコラムからお読みいただくのが良いかと思いますので・・どうぞ。
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インポーターさんのコメント(オルヴォーさん)
2016年、2017年とSO2無添加のサン・スフルに挑戦して結果を出していましたが2018年より世界中の要望によりSO2添加へと回帰しております。とは言え、2020年は赤でトータル30~40㎎(フリー数値はほぼ20前後)と有名な生産者のそれよりも少ない数値となるためこれまで同様に温度管理必須ワインとして案内させていただきます。
ヴァンサン・グロ率いる新生グロ・フレールについての露出の少なさは各社含めて情報の乏しさも相まっているように思います。グロ・フレール&スールの名前を一躍知らしめたベルナール・グロ。息子のヴァンサン・グロがドメーヌに戻り参画したのは2009年。除草剤をやめ除草のための機械を取り入れ、少しずつ変革が始まります。トネリエと話し合い、樽のための木材から過失の温度、材質や乾燥の方法…現地雑誌でヴァンサン・グロはこのように語っています。
『私たち(若き当主ヴァンサンは一人称を“私”ではなく“私たち”とします)の16の区画はすべて同じもので同じ葡萄です。同じ樽の中で同じ手法で醸造しています。私たちはすべてのワインに対して同じように接し、同じだけ注意を払います。土地と地勢が違いを生むのです。ヴィニュロンはワインにアイデンティティを与えます。しかしながらテロワール・・こればかりは私たちの手を逸脱した魔法なのです。』
『私はビオの方法を適用しようとは思いません。自然の求めるままにすることと技術の進歩を利用することの中間で私たちは正しい均衡を見つける必要があります。』
(意訳・翻訳 村岡)
リアルワインガイド第79号より抜粋
訪問時、ヴァンサン・グロはどうしても畑から離れられず、急遽マーケテ ィング担当の方が応対してくれた。そして、1本目の試飲を終えてビッ クリすると同時に「やはり」と思った。19年よりナチュラル感が更に増している。そして液体はなんと薄め。父ベルナール・グロ時代のたっぷ りと濃厚で甘めのワインといった造りから驚くべき変貌だ。
ご存じの通り、ヴァンサンは16年にいきなりSO2ゼロとし、 ナチュラルワインの風味に仕上げた。しかし、従来の顧客からのクレーム殺到で18年は元に戻して一般的なワインとした。
ところが編集部で試飲した19年は明らかに ナチュラルワインの風味を感じるキュヴェがいくつかあり、ヴァンサンはバレにくいように自分が造りたいスタイルにしたと感じた。そしてこの20年。「もうバレてもいいや」と思ったのかどうか、ワインは全キュヴ ェがナチュラルな造りで、いくつかのキュヴェはまんまナチュラルワインの風味だ。そして、それがメチャ美
味しい。
彼の果敢な挑戦は今後も続くのは間違いない。なお、ドメーヌの公式なメッセージは
「SO2無添加は伝統的な顧客からの反応が良くなく、満足してもらえるワインを造ることが最優先のため、現在は止めています。シュマン・デ・モワンヌ・ ド・ヴェルジィ2020年は、ビン詰め時の若干の添加のみで造っています」
だ。
これ建て前というかウソ。 だってワインの味はウソをつかない。(リアルワインガイド79号より抜粋)
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どうでしょう?・・たったこれだけでも面白そうでしょう・・?造っている本人はSo2を使っていると言う。ビオはやらないとも言っている・・でも除草剤は使わない・・そのために新しい機械を導入したとのアナウンスも有ります。しかし飲んだ人は、
「・・So2..使って無いんじゃね?・・しなやかだし純粋な味わいだし・・NW(ナチュラルワイン?)の風味がするし・・滅茶旨いし!」
と言う・・。
造っている本人は、葡萄は同じだけれどテロワールが味わいを造るんだと言う・・でもRWG的にはテロワール云々はどちらかと言えば懐疑派だ・・。
noisy的にはこのように感じました。2020年もののグロ・フレール・エ・スール..滅茶面白いです!・・味わいの純粋さはトップクラス。タンニンがほんのりと感じられるものの、その質が物凄く良いんです。その上で、やはりこのふんわり感とノーズの速さはヴァン・ナチュールに通じているとも感じられる・・まずほとんどの人が気付かないレベルにある揮発酸はゼロであるとは言えない・・除草剤も使わない・・なら・・
「ヴァンサン..どうする?」
と言うことなんですね。
So2 を全く使用しない・・と言うことは、ビオ以外の手法では厳しいはずです。ルドルフ・シュタイナーはその著書「農業講座」だったでしょうか・・農民たちの健全なじゃがいもの生産量が伸びないがどうしたら良いか・・という質問に答えていました。その手法こそが・・
「ビオディナミ」
なんです。
つまり、天体の動きを知り、その摂理に沿った農業を営み、農薬では無く調剤を使用・・つまり循環型の自然農業をやる・・しか無いんですね。単に雑草を取り除いただけで他は普通の栽培で済ませていては、So2無しでは厳しいはずなんです。
だけれど、飲んだ人は・・「So2..使っていないんじゃん?」と言う・・訳ですよ。
さあ・・面白くなって来ました。1度ならずも2度まで公表してSo2無しでリッシュブールまで造っちゃったヴァンサンです。2020年もののヴァンサンのリッシュブールは、
「リアルワインガイド第79号でポテンシャル97ポイント!」
まで付いています。
残念ながら noisy はその少なさからリッシュブールは開けられませんでした。でもクロ=ヴージョまでは開けていますから、リアル79号の言うことはよ~~~く判ります。
「2018年もので普通に回帰したが、2019年ものからまた自然派に再回帰した!」と・・たぶん言えるでしょう。
そしてヴァンサン・グロはルロワを超えることを目指した・・のかもしれませんし、だとすると・・その手法は?・・そのルートをどうする?
飲んでいてとても楽しくなるワインだと思います。価格も頑張っています。是非お試しいただけますと幸いです!
■ 以下は2019年以前の情報です。
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日本国内の新型コロナウイルス感染者も人数的には減って来ていて、このコラムを書いている2021/10/07発表の数字は、国内1125人、東京143人と言うもの・・でした。このまま減少していければ、少しずつ以前の日常に近い形で生活できるようになるかというような希望も見えて来ています。もう少し!・・頑張りましょう。
で、グロ・フレールです。2018年ものの売れ行きが今ひとつだったので、2019年ものの仕入数は少し減らしていただきました。サンスフル(So2添加無し)をやめ、今までのようにSo2 を使用するスタイルに戻ったので、それもあるかと思います。そんな意味ではこの2019年もののグロ・フレールの出来は、ドメーヌを理解する意味では重要なものになったと思っています。
【ブルゴーニュ唯一・随一の不思議ちゃんドメーヌ!?グロ・フレール・エ・スール】 結果的に天候の恩恵を受けることが出来た2019年ものですので、潜在アルコール度数はそれなりに高くなる傾向になったはずです。アルコール度数を低く抑えようとする造り手と、仕上がった葡萄の糖分をそのままにアルコールへ変換するだけ・・と言う意識の造り手がいます。もちろん、そこには畑それぞれの個性が有りますから、そのまま糖度が上がる畑と、いつものようにあまり変わらない畑もあるはずです。
グロ・フレールは・・その辺を考えているのか、無意識なのかは判りませんが、「後者」です。ですので、「12.5度」「13.0度」なんてワインにはしません。13.5度からになりますし、アイテムに拠っては15度(オート=コート・ド・ニュイの白)なんてすごいのも有ります。
なので、
「ブルゴーニュのエレガンスを失いかねない」
感じがして、noisy 的には少し引いてしまいます・・。
ですが! いや・・これがまた良いんですよ・・。今までこんなことは一度も無かったんですけどね。アルコール分はほんの少し高目のものから、それなりに高いものまであります。それをテイスティングしてみますと、
「これがまた・・旨いんです・・残念ながら・・」
個人的にはやはり12~13度台あたりのしなやかなピノやシャルドネが好きなのは間違いないんですね。それに、14~15度台のブルゴーニュワインは余り好きじゃない・・です。似たタイプとしてはD・クロワもそうでしょうか。あの人も、葡萄の糖度に左右されずに完全発酵に向かうので、糖度が上がった年には、14~15度のブルゴーニュワインを造ります。それはそれで5年ほど置くとそれなりに美味しくなり、大きな構造の素晴らしい味わいにはなりますが、若い時の美味しさが不足してしまいます。糖度が上がり過ぎなければ若くても素晴らしい味わいになります。
グロ・フレールの2019年ものには凄く驚かされました。ベースのキュヴェ、ピノ・ノワールやA.C.ブルは13度ほどで非常にエレガント、しなやかな美味しさを持っています。上級キュヴェになってきますと14度ほど・・なんですが、とにかく驚かされたのが、
「ヴォーヌ=ロマネ1級」
です。・・これ、めちゃ素晴らしい味わいなんですよ・・。
言い方は悪いかもしれませんが、「超上質ピノ・ノワール・リキュール」ともいうべき、完全にエキス化されたアルコールの美味しさを見せつけてくれました。これ、飲んだら惚れちゃうと思うんですね・・いや、noisy はエレガント系の低アル系が好きなんですが、
「リキュールとするなら滅茶低アルコール!」
と言う度数のポジショニングを持った味わいには、ピノ・ノワールのエキスの美味しさが滅茶詰め込まれているんですね。凄い表現だと思いました!・・ついつい・・飲んでしまいます。
普通なら、アルコール臭くて・・もしくはエキスとアルコールが分離して感じられて興ざめしてしまいますが・・これがとにかく美しいんです。
白のオート=コートなんぞは15度も有ります。2018年ものも似たニュアンスでしたが、これも滅茶凄いバランスをしていたんですよ。アルコールと言う、微生物が造り出す素晴らしい液体にも、指揮者の個性で全く異なるものになってしまうことが、よ~く判った瞬間でした。
下級キュヴェはしなやかで美味しく、上級キュヴェはエキスがアルコールと完全に一体となった表現をしている・・そう感じた2019年ものでした。
グラン・クリュは数が無く手を出せませんでしたが、1級の素晴らしさをみますと、同様な・・
「エキスがアルコールと完全に一体となった素晴らしい表情・表現」
は間違い在りません。
本当に・・・グロ・フレールは千変万化、ブルゴーニュ一の不思議ちゃんだと思います。飲んだら・・惚れちゃうと思いますよ。是非トライしてみてください!
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この先は一体どうなって行くんだろう・・と、不安の中でお過ごしの方も多いかと思います。コロナも台風も地震も国際情勢も政府も・・不透明な今日この頃です。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。
店の中に迷い込んだコオロギさんは・・まぁ、毎年必ずご来店されるんですが、店を閉めた午後9時以降になったとたん、 noisy が仕事をしていようが、うるさいからと対抗して音楽を大音量で流そうが「我関わらず」で・・羽を一生懸命にこすらせて、大声で延々と鳴いています。
が、それも3日目ともなりますと・・モールス信号みたいに途切れ途切れになって来まして・・気になってしまうので何とか救い出そうと冷蔵庫の下とか、棚の裏などを照明を当て探すんですが、そうしてしまうと「ピタッ」と鳴き止んでしまうのでどうにもなりません。伴侶を求めるその一途さと、誰もいないところにわざわざ入り込んでしまう抜けた性分に、何故かこちらもシンミリとしてしまうんですね・・あ・・もう、あの煩わしくて仕方なかった声さえ聞こえてこない・・(T.T
そんな一途なコオロギさんとは性格が似ているのか似ていないのか・・はたして非常に微妙な感じの、ある意味凄いドメーヌである、グロ・フレール・エ・スールの2018年ものをご紹介致します。
2016年からなんと・・サン・スフルにトライし、2017年ものは全量サン・スフルにしてしまったと言う・・ある意味、非常に危険なことを「サラリ」とやってしまったグロ・フレールです。
ですが・・エージェント情報によりますと、
「やめてくれ!・・So2、使ってくれ!」
と言うクレームにも似た要請が、世界中から届いたそうです。
まぁ・・そりゃぁ・・そうです。2016~2017年もののグロ・フレールのワインはかなりのパーセンテージで、世界中で「劣化したに違い無い」状態で販売されたに違い無い訳です。
ワインセラーとは名ばかりの高温セラーだったり、ショップ営業が終了すると電源を落としてしまったり、オーナーが如何に高い理想を持っていたとしても、それを理解できない部下ばかりが利益を上げることだけを目標にしていたり何も感じようとしなかったり・・するのが人間ですから・・。そりゃ・・皆、楽をしたいですから・・わざわざ冷え込むセラーで仕事をしたくないと思ってしまえば、何をするか判りません。
なので、グロ・フレールの2018年ものは、
「So2を入れた!」
と明言しています。
ですが、noisy もテイスティングして確かめたところ・・
「入れたSo2は相当に微量!」
で、以前使用していた量とは雲泥の差があるものと感じました。・・なので、
「かなりナチュラルな・・流れるような味わい!」
です。
また、2018年もののグロ・フレールの特徴としまして、
「ボディが凄い!」
です。滅茶大柄なんですね・・。実に大きな構造をしています。これは、アルコール分の高さに由来するものかと感じます。
なので、今飲んでも美味しいですが、
「今まで以上に長く持つ」
のは間違いなく、その完熟を迎えた時の素晴らしさは圧巻だろうと予想しています。つまり、ブルゴーニュの1976年みたいな年だと思います。
それだけに今、さらに美味しく飲むには、
「品温はやや低めが良い」
ことは間違い在りませんで、17度位になってしまうますとピントがボケてくるはずです。少し冷やすだけで相当美味しくなるんですね・・不思議ですよね。
中~下のキュヴェはリーズナブルですし、上級キュヴェ・・・例えばヴォーヌ=ロマネ1級レ・ショーム以上のキュヴェの、
「質感が物凄い!」
ことも特筆すべきでしょう。ジュースの質がもう・・半端無く素晴らしいです。相当に分別した葡萄を使用し、ほとんど圧を掛けない造りをしたと伺える味わいでした。
そんなグロ・フレールの2018年です。是非ご検討くださいませ。
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大変身したグロ・フレール・エ・スールをご紹介します。
「・・えっ?・・noisy さんがグロ・フレール?・・そんなの、有りすか・・?」
と言われてしまいそうですが・・そうなんです・・大変身した姿を見てその気になっちゃったんですね・・。
ま~・・逆浸透膜なども使用し、「濃厚」なピノ・ノワールをリリースしていたベルナール・グロが事実上引退、現在は息子さんのヴァンサンが継いでいます。
なので、
「noisy が突然、意趣を翻した訳では無い・・」
んですね。
いや~・・もうどれだけ長い間、グロ・フレール・エ・スールのワインを扱っていなかったか、見当もつきません。20年近いんじゃないでしょうか。
理由としては、日本中どこでも入手可能な、濃密なピノ・ノワールは・・別にnoisyの出番でも無いし、結局価格だけが魅力になってしまえば、テイスティングをしてお勧めしたところで、お客様には魅力的には映らないだろうし・・と言うことが大きかったと思います。
じゃぁ、何で noisy が2017年ものから再度扱うことになったか・・と言いますと・・、ここは非常に重要ですから・・はい。
「日本中にとんでもないコンディションのグロ・フレール・エ・スールのワインが並んでいる(に違いない)から」です。
今回はかなり無理して、多くのキュヴェをテイスティングさせていただきました。
そして、ヴァンサン・グロが造る珠玉のピノ・ノワールの、ナチュラルで美しく優しいトーンと、「ビオ」と言う言葉だけでは表現しきれない見事な出来と、何よりも、
「ブルゴーニュ・ワインの将来を感じさせる、新しいナチュラルワインの姿」
を、そこに見たから・・です。
しかしながら、その気持ちとは裏腹に、一気に不安な気持ちも湧き上がって来ました。
「・・この美しくナチュラルなピノ・ノワールの姿を、壊さずに販売できるワインショップは非常に数少ないはず!」
とついつい思ってしまったら、かなり悩むことになってしまいました。
何故って・・それは渦中に栗を拾うことになりかねないから・・です。
そりゃ・・そうです。非常にコンディションの悪い同じワインを飲まれた方が、グロ・フレール・エ・スールのワインはそういうものなんだと信じてしまいかねないから・・です。
なので、少なくとも「夏に寒いと感じないセラー」で販売のために置かれているグロ・フレールの2016年以降のワインには、決して手を出さないのが賢明です。勿論、「冬に超寒い」のも・・同様でしょう。
しかし、本当に良いコンディションのグロ・フレールのワインを、確かな保存と飲み方で飲むことが出来れば、きっとnoisy が感じた「ブルゴーニュワインの進むべき将来の姿」に近いものを、感じることが出来るかもしれません。
2017年のヴァンサン・グロによる一連のワインの姿が、一番似ていると思われるのが、
「ドメーヌ・ビゾ」
です。
「ドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネのワインたちを、もう少しエレガントにしたような感じ」 と言えば、なんとなく想像できるかと思います。
何せ、あの偉大なる「ヴォーヌ=ロマネ」近郊の珠玉のワインばかりを、ナチュラルに・・So2を使用せずに仕上げているんです。そんなドメーヌは、他に存在するでしょうか?
So2を全く使用しないピノ・ノワールは、So2 を使用して仕上げた同様のキュヴェとは、特にリリース直後からしばらくの間、全く異なる姿を見せます。
So2 を使用したキュヴェはその姿をタイトに、「クッキリ」と判りやすいものにさせ、その大きさも、要素も、理解がしやすいんです。
反対にSo2 をしようしないキュヴェは、So2の使用で隠れてしまう「中間的な表情」をも、しっかり見せますので、全体を見通そうとすると、やや「ぼんやり」としたように感じられるでしょう。
しかし熟成が進み、中間的な表情を形作っていた「つなぎ」「グラデュエーション」的要素が磨かれてくるとどうでしょうか?
そこが「新しいスタイル、ブルゴーニュワインの進むべき将来の姿」に繋がって行くように感じています。
事実、noisy が飲んだ全てのキュヴェは、今飲んでも充分に美味しく飲めてしまいます。「出っ張り感」「へこみ感」は感じないです。球体感が凄い・・その分、So2を使用したキュヴェよりも、偉大感を感じない今の状態・・と言うことが言えると思います。
「これ・・熟したらどうなるんだろう?」
と言う問いに対する自身の答えはすでに有ります。そして、自身でそれを確かめたいとも感じます。
ナチュラルな素晴らしいワインに仕上がったし、また、リアルワインガイドの徳丸さんが書いていた、「豆」もすでに消えていました。豆を感じることは、今回の一連のテイスティングでは、全く無かったんです。
そして、リアルワインガイドでの評価点には、ある種の驚きがありました。・・だって・・
「普段は徳丸さんとは意見が見事に一致することが無い」
のに、この2017年ものの評点、評価は、「豆」以外は全く同様だったから・・です。現地試飲と現物試飲、試飲時期の違いも有りますから、それは当然では有りますが、ここまで一致するのは、本当に「奇跡」です。
「ビオにこだわりたくない」
と言うヴァンサン・グロ。
だけれども彼のワインはナチュラルだし、しっかりとブルゴーニュ・ピノ・ノワールの神髄を伝えてくれたと感じます。是非、2017年のグロ・フレール・エ・スール、飲んでみて欲しいと思います。noisy のところで買わなくても結構ですが、出来る限り良いコンディションのものをお探しください。
■以下は最新のエージェント資料(雑感?)です。

昨年同様にSO2ゼロとなります。トータルSO2は10m以下となります。セラーでの定温管理必須となります。
昨年の2016年は、改めて酸化防止剤の無いワインにおける管理状態の差を教えてくれました。お陰様で、非常に良い反響をいただけた反面、管理の良くないグロ・フレールと混同されたとの声もありました。大人の事情からか、あまり声高に喧伝されていないようですが、グロ・フレールは今までと同じ感覚で取り扱ってはいけないワインになっております。
しかし昨年飲んだ時の衝撃、SO2フリーならではの浸透性の高い流れ落ちるような質感は昨今のブルゴーニュの中でも突出しています。改めて管理状態を含め、デリケートなワインのため管理の行き届いたグロ・フレールの良さを伝えて参ります。
また、懸念事項の豆香は3月のバレルサンプル試飲の時点では感じませんでした。
ヴァンサン・グロ率いる新生グロ・フレールについての露出の少なさは各社含めて情報の乏しさも相まっているように思います。グロ・フレール&スールの名前を一躍知らしめたベルナール・グロ。息子のヴァンサン・グロがドメーヌに戻り参画したのは2009年。
除草剤をやめ除草のための機械を取り入れ、少しずつ変革が始まります。トネリエと話し合い、樽のための木材から過失の温度、材質や乾燥の方法…現地雑誌でヴァンサン・グロはこのように語っています。
『私たち(若き当主ヴァンサンは一人称を“私”ではなく“私たち”とします)の16の区画はすべて同じもので同じ葡萄です。同じ樽の中で同じ手法で醸造しています。私たちはすべてのワインに対して同じように接し、同じだけ注意を払います。土地と地勢が違いを生むのです。ヴィニュロンはワインにアイデンティティを与えます。しかしながらテロワールこればかりは私たちの手を逸脱した魔法なのです。私はビオの方法を適用しようとは思いません。
自然の求めるままにすることと技術の進歩を利用することの中間で私たちは正しい均衡を見つける必要があります。』
(意訳・翻訳 村岡)
以下はベルナールの時代のエージェント資料です。

《音楽が果実を魅了するとき、美しい音色がワインに昇華させるのか、あるいはワインが音色を奏でるのか・・・》
ドメーヌ・グロ・ フレール・エ・スールは、コート・ド・ニュイ地区の中心部、ヴォーヌ・ロマネに立地する、ルイ・グロの遺産の相続分割によって1963年に誕生したワイナリーです。
初めは、4人の子供のうち、コレットとギュスターヴの2人が相続した区画を、一族のワイナリーに統合していました。
1984年にギュスターヴが亡くなると、甥のベルナール・グロが、コレットを支えながら仕事を引き継ぎます。
ベルナールは、次々とブドウ畑の植え替えを行いました。
コンクール・エ・コルボアン村(ヴォーヌ・ロマネの北に位置する小集落)の、AOCブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイの良い場所にも、あらたなブドウ畑を設営し、ドメーヌの作付面積を12ヘクタール増やしたのです(ピノノワール:9ha、シャルドネ:3ha)。由緒あるテロワールを尊重しつつ、そこに近代的な最良の技術を調和させ、優れたワインをつくり上げるという使命感をもって、ドメーヌは現在、8つのアペラシオン地区に分布する20ヘクタールのブドウ畑を所有し、事業を展開しています。
《畑がテロワールの名声に値する品質を提供するならば、気候と土地を受け入れなければならない》
畑では収穫量を制限しブドウを成熟させる為に一年中沢山の仕事があります。光合成のおかげで太陽が糖分とフェノール化合物を生成し、それがワインのアロマと色調を引き出します。
整枝:樹の仕立てがグイヨでもコルドン・ロワイヤルでもたった8房しかそれぞれの樹には残しません。
摘芽:他の芽を取り除くことでメインの房の樹液を増やすことができます。
摘芯:樹の枝の先端の芽を切ると糖分を残す為のプロセスが引き起こされます。これにより、糖分が葉を成長させるのに使用されなくなり、樹は先端の部分(ブドウの房)を育て始めます。
グリーン・ハーヴェスト:糖分をブドウの房に集中させる為に、ブドウが色づきする前の時点で一株につき房は数個しか残しません。
除葉:葉は日の出の方角で果房の高さに取り除かれます。そうすると、ブドウが太陽に照りつけられすぎることはなく、房との距離が適正になり、腐敗による病気も防げます。
《醸造は修正を加えることなくブドウの収穫と適合しなければならない。》
収穫されたブドウはドラポー(金属冷却装置が設置されたタンク)で伝統的な方法で処理されます。発酵が始まる前に、果汁はタンクの底から出され、果帽の上に置かれます(ルモンタージュ)。発酵が始まったらすぐにブドウは一日二回上下に攪拌されます(ピジャージュ)。これらの過程は色味やアロマやタンニンの抽出を促します(果皮のアントシアニン)。
しかし毎年収穫されたブドウに順応しなければいけない為、ピジャージュはとても繊細な作業です。ブドウの成熟度と衛生的な品質によって、慎重に考えられなければなりません。 ブドウが何も考えずにピジャージュされるならば、ワインの味と構造は適切でない場合があります、これはタンニンに最も特に影響を及ぼします。
《一番重要なことはブドウが完璧に熟した時に収穫することです》
収穫の前にきちんとブドウの世話をして、成熟具合をそれぞれの区画ごとにチェックします。ブドウをできるだけ傷つけないようにして収穫します。これは結果としてとても重要なことです。収穫は木箱に入れて手摘みで行う為、ブドウが破砕してしまうこともありません。一番良いブドウを選び選果台の上で手で選果し、そのアペラシオンにふさわしいグランヴァンのワインを造ることができます。
《ワインの品質は最終的に決定するものは樽の品質でもある》
木樽とワインは2000年以上前から関連付けられていました。2000年ほど前は、木樽はただの容器としか考えられていませんでしたが、樽熟成はその後、多くの長所を明らかにしました。使用しているオーク・バレルは、"barriques bourguignonnes"という名前で知られている228リットルのブルゴーニュ産の樽です。樽に使われる木自体は、ブルゴーニュ近郊のFor?t des Bertranges産のものです。ドメーヌは木を買って、樽を造ります。木は乾燥させられ、2年間樽工場で熟成させます。トースティングされた木は、バニラ、チョコレート、スパイスなどの特徴的な香りをワインに及ぼします。
ワインのタンニンは木樽のタンニンに由来し、完璧な組み合わせになります。そして、樽の気孔はワインへ微量の酸素処理を行い、ワインに甘みを持たせます。これは、ワインが酸素と空気が触れ合うためです。樽のおかげで、ワインは進化しながら熟成することができます。
● 2022 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【これは激旨!「・・これからのグロ・フレールの進む道はこっち!」と言いたいんだろうと!・・クラシカルでエレガントなブルゴーニュ・ピノ・ノワールの繊細で深く、飲み心地の良さをアピールして来ます!】

余りに2021年ものと2022年ものの写真の画角が「一緒」なので、
「・・あれ?・・間違えたかな?」
と思って調べてしまいました・・が、敷物が違うので・・
「・・なんだ・・合ってるじゃん・・」
しかしながら、2022年ものの方が透明度が高く、赤い色彩がよりしっかり有って美しいのに気付き、
「・・なんだ・・やっぱり美味しさは写真にも出るのか・・」
と思い直しました。
2022年のグロ・フレールのヴォーヌ=ロマネは、ヴォーヌ=ロマネ的な全方位の享楽さをしっかり持っていて、しかし、
「だからこその・・嫌味っぽさ」
が無いんですよね。
非常に瑞々しく、エレガントで真ん丸。暖かさの中にひんやりとした冷たさを持ち、しかも、
「ピノ・ファン的なスパイシーなアロマ!」
がトップノーズに来るんですね。

「そうそう・・これこれ!」
って言う感じなんですが、さらにはそれに留まらない・・。
まぁ、オルヴォ-のM君も言っていることでは有りますが、
「おそらく上級キュヴェを格落ちさせてブレンド」
していると思います。
これを少々でもやりますと・・特にノーズに複雑性が出ると思いますし、たっぷり入りますと深みも出て来ます。
昨今はシングルヴィンヤードものが流行りですが、昔は・・村名畑、1級畑、グラン・クリュと3つくらいがほとんどでした。稀に昔から著名な畑ものだけを別にしてリリースするくらいでした。
しかし、ブレンドによって、不足している部分を補いますから深みが出て来るのは当然のこと、しかし反面、面白みに欠ける・・みたいな部分も出てくるのでしょうが、
「村名でリリースしたものがより上級キュヴェを彷彿させてくれる」
可能性もあり、それはそれで在り・・だと思います。
So2 も少なく、香り高いヴォーヌ=ロマネです。価格も相当リーズナブルだと思います。デイリーワインが1本ただで付いてくる価格だと・・(^^;; 是非飲んでみてください!超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【瑞々しさとキュッと締まった果皮のニュアンスが強く、内に秘めたヴォーヌ=ロマネらしさを少しずつ解放してくれる、エレガンスとフィネスが素晴らしい村名です!】

良いですね~・・過去一番の出来じゃないでしょうか。親父さんが造っていた頃の濃ゆくてパワフルなヴォーヌ=ロマネは影を完全に潜めました。
このヴォーヌ=ロマネ村名は、エージェント情報が無いですが・・noisy 調べで、
「オ・コミュネ、オ・レア、オ・ドスユ・ド・ラ・リヴィエール」
の3つの畑のブレンドです。
オ・コミュネは1級クロ・デ・レアの真下、オ・コミュネはクロ・デ・レアの南に接し、オ・ドスユ・ド・ラ・リヴィエールはオ・レアの真下です。
なので、
「ちょっとクロ・デ・レアに似た感じ」
が有りますから、プティ・クロ・デ・レアと言っても良いかもしれません。
それとですね・・今までは余りそう言った話しにならなかったのに、いきなりそんな細かいことを言い始めたのは、
「少しミシェル・グロの味わいに似て来た」
と言うことも有りますが、
「ずいぶんとディテールが細やかに見えるようになって来た」
と感じています。
そもそもグロ・フレールは、逆浸透膜を使用して濃いワインを造っていた時期が有り、またヴァンサンがドメーヌの仕事をやり始めてからどんどんエレガント系へと変化して来たことを考えますと、
「第一次改革は成功し、段落的にはこの2021年ものでドメーヌのワインの姿を確定出来た!」
と感じました。勿論、さらなる改革は続くに違いないとも・・思っていますが。

リアルワインガイド的には、
「ナチュール感が増え・・」
と言っていますが、編集長もかつてご自身が言っていたように、
「それはビオとか、自然派とか、栽培についてはほとんど変わっていない」
ものが、栽培も少しずつ自然な方法を取り入れて来ていることも感じられた上で、
「So2 の使用量の大幅な減少」
が言えると思います。
ですのでディテールが非常に良く見えるようになり、クロ・デ・レアのようなニュアンスのあるヴォーヌ=ロマネの南側+下側を彷彿させてくれます。
チェリーな果実には、昔のような「(まっ)黒さ」は無く、僅かに黒味を持ったものに変革、そして果皮のニュアンスが凄くしっかり有り、小粒のピノ・ファン的な煙のニュアンスと、そこから進んでの皮革のニュアンス、スパイスと、中域の適度な膨らみからの・・美しい収束がとても気持ち良いです。
これは良く出来た、少し若いけれど美味しくいただける村名ヴォーヌ=ロマネです。
リアルはポテンシャル93ポイントで、noisy も納得の評価です。是非ご検討くださいませ。リーズナブルだと思います。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【この柔らかなテクスチュアを持ったヴォーヌ=ロマネ村名は、実に愛しい・・心に染みる味わいです!】
リアルワインガイドも書いていますが、
「キノコ有り」
なんて・・まるでコサールやパカレみたいじゃ在りませんか・・。
まぁ・・最近は「梅キノコ」「梅昆布茶」みたいな表現はグッと減ってしまったような気がしますが、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、超バランスの取れた味わい」
ながらも、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、しなやかなアロマに官能感」
が染み出し、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、柔らかな酸ながらの複雑な味わい」
がするんですね。
その上で、2020年のヴァンサン・グロらしいナチュール感がしっとりと漂う・・しかし、そこには2017年もののような「危うさは無い」んです。エキス系のエレガントな味わいです。

ですから、ある意味・・ミシェル・グロの味わいの方に寄ったように思えるでしょう?
「・・でも、ミシェル・グロには余り似ていない感じ」
がしています。
言ってしまえばミシェル・グロの方が硬質です。酵母の関係かもしれませんし、So2の使い方・・還っては、栽培の方法にもよるかもしれません。
それに樽臭いことも全くない・・んですよ。その昔のグロ・フレールは樽の存在は結構に有りました。その上で濃かった・・。
今は新型コロナ禍で余り情報が入って来ませんが、
「ヴァンサン・グロはグロ・フレールを大改革中!」
であると・・このヴォーヌ=ロマネはおっしゃってます・・(^^
今飲んでも相当美味しいですが、3~5年ほど寝かせますと驚くような表情になるでしょう。濃さっていうことで言いますと、
「むしろアメリー・ベルトーの方が全然濃い」
です。見事な出来でした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【柔らかで優しい・・アルコール分の低いベースキュヴェと、アルコール分がそこそこ合ってエキスが超美味しい上級キュヴェを繋いでいるのがこのヴォーヌ=ロマネ村名です!】
超絶にエキスが美味しいヴォーヌ=ロマネ1級の圧巻さには及ばないものの、優しい穏やかな美味しさと、エキスがアルコールにしっかり溶け込んでいる感がちゃんと伝わって来るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネです。
他のコラムでも書きましたが、基本・・余り高めのアルコール分のブルゴーニュワインは好みでは無い noisy です。しかし、2019年のグロ・フレールはそうはなりませんでした。
この村名ヴォーヌ=ロマネ、香りもしっかり立ち、スピードも有り、エレガントなんですが、ちゃんと中盤以降押してくる旨味が有るんですね。しかも注いで15分ほど経過すると、その複雑性が高くなり、ボディはさらに膨れ上がり、しかし・・
「饒舌になりすぎない、うるさくならない美味しさ」
が有るんですね。
実はnoisy 的には、このようなタイプに出会ったことが有りません。高目のアルコール分のブルゴーニュワインは、やっぱり「強い!」と・・過ぎる感で萎えてしまうんです。
ところが2019年のグロ・フレールには驚かされました。まぁ、アルコール分が高目とは言え、滅茶苦茶高い訳ではありませんが、結構に神経質なところの有る・・いや、そう自覚している noisy 自身、シビアに感じてしまう部分なんです・・他の方が気にしていないとしても。
そして、このような少しアルコール分が高めに出たブルゴーニュワインは、しっかり保つワインになります。5年、10年じゃ全く下手らないんですね・・。
さらには、今飲んでも結構に美味しいです。飲んで行くとどんどん膨らんで来ます。しなやかな美味しさとヴォーヌ=ロマネ的柔らかく暖かめの酸とスパイスの味わいが、何とも素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものも・・結構ビゾっぽいです!】
流石に2017年もののような、モロにドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネ風な味わいは僅かに薄れたかもしれません。それでも味筋は結構に似通っています。
2018年ものはアルコール分が結構出ていますので、2017年ものよりパワフルに感じられると思います。本来ですとアルコール分の出辛かったブルゴーニュ・ピノ・ノワールにとっては、素晴らしい出来事では有るんですが、リリース直後の味わいだけを考えますと、ボリューム感が先に出て来るかな?・・と言う感じもします。
しかしながらそのボリューム感こそは、エージングで磨かれてゆくのがワインの常識でして、ワインの評論家さんたちがコケにした1976年もののその後の評価を考えれば、
「今も美味しいが先行きはもっと楽しみ!」
と言うのが正解かと思います。
またこのキュヴェには、先のエシェゾー(・レ・ロアショース)から弾いた部分が入っていますので、それが垂直方向のボディ感をさらに深めているようにも思います。
今飲んでヴォーヌ=ロマネの豊かさを感じさせ、10年以上寝かせておおらかでゆったりしたヴォーヌ=ロマネの存在感を見せてくれるはずの村名かと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】
ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
● 2022 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【そろそろ完成するでしょう!・・グロ・フレールのクラシカルでピュア、繊細でSo2の少ない・・からこそのディテールをご確認ください。】

2021年ものと画角が同じなのは、おそらくですが・・
「ヴィンテージ表記の楕円のラベルの性」
です。
これがボトルの上の方に張られ、しかも結構に文字も大きいので、2枚目の「上からの写真」だけでしかヴィンテージを撮れず・・それを入れると・・
「まったく同じ画角になる」
のでしょう。できることならもう少しヴィンテージ表記のラベルを小さくするか、下の方に貼って欲しい・・勝手なお願いですが。
2022年ものは2021年の・・比較的贅肉が少なくスッキリしたスタイルよりも、より集中しつつガッシリとしたものになったと思われる2022年もののオート=コート・ド・ニュイです。
柔らかな「A.C.ブルゴーニュ」や「ヴォーヌ=ロマネ」よりも、より飲み応えがある味わいです。そしてグロ・フレールの2022年ものの特徴とも言える、
「スパイシーなアロマ」
は、特段・・自然派的なアプローチをしている訳では無いグロ・フレールでは有りますが、So2の少なさ・・ん?・・入れていないと言う噂もありますがどうなんでしょう?・・その恩恵も有るのでしょう、
「ピノ・ファン」
を彷彿させる深いアロマが有ります。

その上で、標高の高いオート=コートにある畑ですから、より冷ややかで骨格の大きさを感じさせてくれる訳です。
柔らかさと言う点では、今のところは「A.C.ブルゴーニュ」と「ヴォーヌ=ロマネ」に遅れを取っていますが、今日降った雪が解け、また週末にも降る予定の雪が解けて春の暖かさを実感し始めた頃には、かなり仕上がって来るものと想像しています。
まぁ・・ユーロも156~157円ほどと一時の勢いも収まって来ました。アナリストが予想した通りでは有りますが、このままど~んと下がってくれると助かるとは言え、中々一筋縄ではいかないでしょう。
実はこのオート=コート赤も上代設定は7200円ほどですから、このプライスはかなり厳しいですが、飲んでいただいてナンボの世界・・と思って思い切った価格にしています。
色彩も透明感バッチリで深みも有って美しい・・それ以上に構造もしっかりしているんですが、しっかりエレガンス、繊細さを感じるクラシカルブルゴーニュです。ぜひ飲んでみてください。お薦めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!ヴァンサン・グロのワインを評価するなら、このワインが良いでしょう!どこかヴォーヌ=ロマネを彷彿させるキュッと締まった小果実のニュアンスが最高です!】

この色彩!・・良い感じでしょう?・・そして密やかに漂ってくるアロマは、やはりピノ・ファン的な煙っぽいニュアンス・・。非常に高質なニュアンスを感じます。
口内に入れますとエキスが集中していてむっちりと・・口内で小さ目のパレットを描き、少しだけ・・拡がってくれます。水面に水滴を一滴、落としたように・・。決して「だ~っ」と一気に拡がるのではなく、自制を持って少しだけ・・です。そんな表情が、このワインの高質さを語っているように感じます。
泡目の色彩が赤中心で透明感を多く含み、暑苦しく無く冷ややかな感じがします。こりゃぁ・・旨いです!
畑はどこか・・と調べてみましたら、ヴォーヌ=ロマネの上部・・つまり西側にずんずん行きますと、コルボワンとコンクゥールと言う集落が有ります。クロ・パラントーからちょうど直線距離で1000メートルほどでコルボワン、コルボワンからコンクゥールまでは同600メートル弱です。
ここにはヴォーヌ=ロマネとはまた違った、広くて穏やかな丘陵が拡がっていて、若干標高が高いものの・・昨今では気温上昇で苦しむ畑が多いコート・ド・ニュイの畑よりも条件が良さそうにも感じます。
まだブドウ畑で埋め尽くされるような感じでは無く、草原が拡がっていて、何とも美しい風景をGoogle map で見ることが出来ます。

今や・・Noisy wine でもご案内していますが、
「パスグラで6千円、またそれ以上!」
が普通になって来ています。
その上がり具合がワインのポテンシャル上昇と比例しているのであれば、お客様も納得できますから、
「パスグラで以前のA.C.ブル以上のポテンシャルを実現!」
なら良いですが、前年で3千円以下だったワインが倍にもなってしまいますと、ちょっと萎えちゃいますよね。
色々と考え、お骨折りくださるインポーターさんもいらっしゃれば、どう考えても調子に乗り過ぎな会社も有ります。特にブルゴーニュのインポーターさんは10年前は、
「非常に辛かった」
はずなんですね。
ところがこの2年ほどは価格は右肩上がり、数量は少し減ったものの、在庫はしないで良いほど、簡単に掃けてしまう訳ですから・・鼻もどんどん伸びちゃう訳です。その内・・伸びた鼻が左右に引っかかって、振り向くことさえ出来ないことになってしまうことに気付かないんでしょうか・・。
と言う訳で、村名ヴォーヌ=ロマネと共に、このオート=コートを激推ししたいと思います。
「リーズナブルでめっちゃ高品質!」
です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【エキスの美味しさとアルコール分と・・すべてのバランスに長けた・・「可憐なピノ!」と言いたくなるエレガントな味わいです!】
「・・こう来たのか~!」
と・・まぁ、ある意味、noisy の得意な、
「エレガンスたっぷり、濃く無い、言っちゃえば薄目、でも何も不足してなくて、瑞々しくて流れるような味わいから可憐な還りがノーズに有るワイン」
に大変身していましたので・・大いに驚いてしまっている訳です。
その傾向は2020年のグロ・フレールのすべてのワインに当てはまり、テロワール・・葡萄の個性によって、それぞれの違いをエレガントに感じさせてくれています。
ですから、
「2019年までのグロ・フレールは・・いったん忘れるべき!」
と言っておくのが良いか・・と思うんですね。
色彩だけ見ますと、この下の2018年もの(So2をちゃんと入れたもの)よりも濃いでしょう?
でも味わいは全然違います。そもそもが瑞々しいんですよ。ナチュールっぽいか?・・と言われますと、そこも微妙では有りますが、エレガントで優しく、でも味わいはしっかりしている・・んです。ちょっと相反するように思えるかもしれませんが、そこは飲んでいただけましたらご理解いただけると思います。

で、ヴァンサン・グロさん・・いや~・・相当、色々とトライしているようですよ。ヴィンテージの個性と畑の個性を失わないように・・色々トライしているのが何となく伝わって来ます。
ですから、この下のクラスのピノ・ノワールもまた・・「同じトーン」を持っていてとてもおいしいんですね~・・。
このワインはオート=コートですから標高が高く涼しいので、やや冷ややかで硬質に仕上がります。ヴォーヌ=ロマネのような温かみは少なく、比べてしまうと硬めな感じでは有りますが、
「そもそも2020年のグロ・フレールは柔らかなニュアンスが表情の表面に出ていて、優しくエレガント!」
なんですね。
リアルワインガイドはその辺りをNWっぽい・・と言っているように思います。noisy はその上で、So2 は少ない・・と思いますが、入れているかいないか・・はテイスティング時点では判断しかねました。
可憐な味わいです。瑞々しいです。実にエレガントです・・昔のグロ・フレールは忘れ、
「ヴァンサン・グロの2020年からは、全く違うワインになった!」
と思ってください。お勧めします!
【So2を・・圧力に負けて入れた2018年のオート=コート!・・これはしっかり出来ています・・し、So2を入れなかった2017年ものも少しだけ再入荷していますので、その比較も楽しいはず!】
いや・・面白いものですね・・。2017年ものはSo2ゼロで、滅茶しなやかでフカフカ・・ですが、
「こんなもの、普通にショップに出したら、全部逝かれてしまうに違い無い!」
と、かなり不安に思ったものでした。ナチュラルで可憐さが有ってシミジミと美味しい自然派的なワインでした。
しかしながら、So2を少量入れた2018年もののオート=コートは、かなり・・違う部分も感じられる仕上がりでした!
何せ、アルコール分は14度と・・まぁ、平均値に近いものでは有りますが、僅かに入れたSo2によって、むしろ、
「焦点はビッチリと有ってると感じさせられる」
のが不思議では有ります。
その上で、2017年ものの「シミジミさ」はほぼ無く、
「キッチリ出来た美味しいオート=コートのピノ・ノワール!」
と感じさせてくれるんですね。
しかも、以前のグロ・フレール・エ・スールのような、濃厚でやや甘さまで感じるようなパワフルなピノ・ノワールとも、また全然違う・・。
「お~い、どこに行こうとしてるんだ~?」
と声を掛けたくなりますが、このワインはこれでとても美味しいので、別に何も悪いことも無い・・。
でも、アイデンティティと言うものが有るだろ?・・みたいな感覚も有り・・いや、これからしばらくはちょっと目が離せないかな・・と思っています。
ちょうど2017年のSo2の入っていないオート=コートも買えましたので、比較してみていただけますと・・楽しいかな?・・と思います。イタリアワインで有り、無しは比較出来ても、
「ブルゴーニュワインの同じものをヴィンテージ違いでSo2有り無し比較が出来る!」
何ていう芸当は、この先はそうそう易々とは出来ないと思いますよ。ご検討くださいませ。
以下は2017年のSo2無しのレヴューです。
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【見事にナチュラルな感覚のワイン!それもブルゴーニュのピノ・ノワールです!】
2016年以降のグロ・フレール・エ・スールのワインが、どのようなものなのかと思い、アチコチかなり時間を掛けて検索してみたものの、結局全く判らず、ただ2015年以前と同様にページに並んでいるだけの状況に唖然としてしまいました。
反対に、
「それならnoisy の出番もあるかな・・」
とも思えた訳なので、安易には批判もできません。・・でも酷いですね。noisy がテイスティングした結果としては、このレベルのナチュラル・ワインがもし、蛍光灯や太陽光がガンガン当たる温度管理もまともにされていない・・されていたとしても18度ほどの売り場に並べられていたら・・としたら、想像を絶するコンディションになってしまうと思います。ナチュラルワインを専門に、もしくは看板に上げているショップでさえ、「夏に暖かいセラー」だったりすることが多いですから、まして今までの「グロ・フレール」と同様に扱われているとするなら、とても怖い状況です。
リアルワインガイド第66号が88+ 89 と評点し、大地の風味に満ちた見事なブルゴーニュのナチュラルワインと評したオート・コート・ド・ニュイです。
ヴァンサン・グロが言う
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~6.5」ほどかと思います。
なので、
「それなりにナチュラル度は高目」
と言えるでしょう。少なくともA.C.ブルとは、中間点の「5」を挟んで「対局の立ち位置」です。この辺りは成長途中のドメーヌですので、少しブレも感じますが、キュヴェによる自然派度の違い?・・を点数化するのはnoisy位でしょうから一般的では無いですね。でも、この方が判りやすいと思います。
その上で、非常に良く出来たブルゴーニュのナチュラルワインで有る・・と言いたいと思います。ハッキリ言ってこのワイン、揮発酸は有ります。しかし、ナチュラルワインに重きを置く方には、全く問題にもならないレベルでしょう。良い面が非常に勝っているし、若干鈍い方には(・・失礼)揮発酸も検出できないでしょう。普通の方には、
「・・あ、あるな・・」
と判ると思います。
柔らかでふくよかなスピードあるアロマは非常に心地良く、揮発酸のニュアンスはほぼ在りません。口に含むと、確かに揮発酸系のニュアンスが有りますが、艶々のチェリーと非常に美しい赤みを帯びた柔らかくフカフカの土、中高域から高域にかけての伸びやかさと、全体を通しての滑らかさが秀逸です。余韻も実に良い感じです。
他のコラムでも書きましたが、So2を使用しタイトに締まったワインは、その構造を判りやすく見せてはくれますが、サン・スフルのワインは、その要素と要素の間にあるもっと細やかな要素をも、しっかりと見せてくれますので、良く言えば「非常に繊細」です。悪く言えば、「ぼんやりとしているように見える」とも言えるかもしれません。
しかし、全ての要素が何にも阻害されずに表に現れてくることこそが、真のそのワインの姿、テロワールの姿を映していると言えます。
今飲んでも実に美味しいですし、何の引っ掛かりもなく、ストンっと喉を通り抜け、ニュアンスを残してくれます。これが熟してきますと、So2 を使用したキュヴェ同様に構造が見やすく、スッキリとしたものになりますし、抑え込まれずに済んだもっと細やかな表情さえも綺麗な熟を迎えることが出来る訳ですね。
「ナチュラルな要素が心地良く無い」
と思われる方には、このオート=コートの赤は無理でしょう。でも、それ以外の方には是非飲んでみていただきたいと思います。そして出来れば数年後の姿を見てみて欲しい・・心よりそう思います。ご検討くださいませ。
● 2022 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【こえは激旨!・・何かに引き込まれるような・・妙に魅力を感じる出来!・・魔性のピノ・ノワール・・必飲です!】

もうお忘れになられたかもしれませんが、昨年ご案内させていただいたこの2021年もの・・は、
「他のキュヴェより半年以上も遅れてご案内!」
することになってしまった訳です。
それは、
「香りはもう・・グッと来て飲み手を決して放さないのに、味わいが全く付いて来ない」
ので、この状態で飲んでいただいたらガックシ来てしまうに違いない・・そう、ちょっと余計なお世話をしてしまったためなんですね。
でもお陰で飲まれたお客様は、・・きっと?・・美味しい思いをされたに違い無いと、一人勝手に悦に入っている訳です。
まぁ・・2021年ものでしたから、ある意味「裸」の味わいで「芯の部分」が素晴らしいのに「肉が無さ過ぎ」だったのだろうと推測しています。
で・・2022年ものなんですが・・
「激旨!」
でした!

いや・・これを飲んだらおそらくグロ・フレールの2022年ものの上も飲みたくなってしまうに違い無い・・そう断言できるほどに、
「見入られたように飲んでしまう・・魔性のピノ・ノワール!」
なんですね。
非常に・・エレガントです。オート=コートの構造の大きさも魅力ですが、この・・小ささが素晴らしいんです!
そして非常に香る。別に特段の自然派じゃないんです。減農薬なのでしょうが、畑が雑草だらけと言うようなことは絶対に無いです。
しかし・・So2 はやたら少ない。そして必要不可欠な要素はしっかり在り、その周りには余裕を持った肉が有るんですが、これが・・実に美しく、美味しく感じるんですね。
味わいは非常にドライです。ピノ・ファン的な香草のような優しいスパイス感、伸びて来る感じが繊細で、ほんのりと妖艶でも有ります。決して濃いなんてことはありませんで、でもエキスからのたなびきに・・グッと来ちゃう訳ですよ。
こんなワインは一杯欲しい・・んですが、そうは問屋が卸さないのが残念でなりません。価格も頑張って出しました・・2021年ものより少し上がってしまって申し訳ないですが、
「それでもこの魅力が勝つ!」
と思います。ぜひ飲んでみて下さい。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【ようやっとバランスして来ました!・・今から飲んでも納得していただけるだろう・・味わい!・・香りがめっちゃ色っぽいです!】
ず~っと・・でもしっかりセラーで置いておきました。本当はそんなことはあまりしたく無いんですが・・数も無いですし・・
でも、置いておいた甲斐が有りまして、
「アロマは最高!・・ながら、酸は平べったく硬く、バランスの無い味わい・・」
になっていた2021年のグロ・フレールのA.C.ブルです。
まぁ・・ある意味、めっちゃ正直なワインです。そのまんま、テロワールとヴィンテージを写し取っています。
なので、
「冷ややか」
「でも葡萄は選りすぐり」
「だから滅茶正直な味わい」
「でも真っ裸だから熟成不足」

と言う状況だったんですね。
で、7~8月まで何とか引っ張ってテイスティングしてみましたところ、まだ幾分の硬さが感じられるものの・・少しの時間の問題だろうと判断させていただきました。
で、1枚目と2枚目の写真は8月28日にテイスティングした時のものになります。
さらにその下の3枚目と4枚目の写真は2023年の末にテイスティングしたものですね・・面白いでしょう?
まぁ・・僅かな差ではあるんですが、これだけでも・・
「今、販売して良いかどうか?」
と言う判断が真逆になるんですね・・。
アロマはもう・・素晴らしいです!・・グロ・フレール..どうしちゃったの?・・みたいに素晴らしいです。ちょっとだけ硬いですが酸も柔らかさを見せていますし、飲み進めていく内に良い感じになると思います。少ないので・・何せ2本も開けちゃいましたので、お早めにどうぞ。
以下は2023年末にご案内した時のこのワインのレヴューです。
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【香り、めちゃすっごい!・・味わい・・「ん?」】
すみません・・色々と思うところが有りまして、取りあえずこのワインは販売せずに来春まで置くことにしました。
香りはもう・・凄いです。
「A.C.ブルにして・・この香り!」
と言いたくなるような高質なものです。
飲んでもエレガントです~っと入って来て非常に心地良いので、
「・・おっ・・これは2021年のグロ・フレール、ずいぶん良く・・」
などと感じていたんですが、
「・・あれ?」
と。
ちょっとですね・・終盤に溶け込み切れない・・つまり、未成熟なニュアンスが有りまして、経験上・・この感じだと・・
「・・あかん・・半年、かかるかなぁ・・」

ま、多分ですね・・全然許されるレベルだと思うんですけどね。でも、A.C.ブルって皆さん、結構に・・
「さっさと飲んでしまわれるパターンが多い」
はずですよね?
としますと・・このワインから先に飲まれると、
「・・この状態だと勘違いされるかも・・」
と思ってしまったんですね。
エレガントに仕上がって実に良い感じでは有りますが、エレガントで今までよりも淡いだけに・・仕上がり切っていない部分の突出感があるんですね。
なので申し訳ありませんがこのA.C.ブル2021 は、
「とりあえず来春まで放置」
することにしました・・。
「ん?・・そんなこと言ったって、テイスティングしていないキュヴェは・・どうすんの?」
と言われるかもしれませんが・・
「テイスティングしてしまった以上は、出来ることをしないと・・」
と言うことでお許しいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。来春、またお会いしましょう。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【驚くなかれ!・・何と・・激繊細系のA.C.ブルをグロ・フレールが造っちゃいました!・・しかも可憐で美味しいです!】
透明感があふれるA.C.ブルです。小さな果実・・ベリーとほんのりプラム・・。リアルワインガイド風に言いますと「梅昆布茶」「梅キノコ」でしょうか・・。劇的に繊細です。本当にこのワインにグロ・フレールのものなのかと・・頭の固いnoisy には、にわかに信じられないです。
そうは言っても2016年~17年にはSo2を入れずに仕上げまして、余りの苦情に2018年には戻したわけです。
「・・ん?・・それって・・造り手の責任なの?」
と・・noisy は思ってしまいますね。
「ちゃんと管理していれば問題は無いはず」
です。
まぁ・・
「テイスティングしていないし、メディアも何も伝えないから判らなかった」
と言う訳です。

ある意味、フレデリック・コサールやフィリップ・パカレに近い味わいかと思いますが、So2 はそれなりに使用するパカレと、今は全く使用していないコサールの中間位・・のニュアンスかと思うんですね。
でもだからと言って、
「揮発酸臭い!」
と言うようにはなっていません。よほど検出力が強い方は判りませんが・・
ですので、皆さんも noisy 同様に・・驚かれると思いますよ。
「・・これは・・グロ・フレールなのか?」
と。
美しく可憐な味わいと、柔らかなアロマ・・そして上質な甘やかにさえ感じるタンニンを僅かに感じます。良い出来です・・「可憐だ」と何度も言いたくなります。飲んでみてください!・・数が無いのでお早めにどうぞ。
以下は以前のレヴューです。
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【アルコール分13.5度のしなやかでエキスがしっかり、しかも素晴らしくエレガントで柔らかな高質A.C.ブルゴーニュ!】
え~・・このA.C.ブルに加え、単に「ピノ・ノワール」と言うキュヴェも有りますので・・お間違いの無きよう・・。
2019年のグロ・フレールは全体的にアルコール分が高目で・・飲む前から怖気づいてしまい、仕入れの数を減らしてしまいましたが・・飲んだ後の気持ちは・・「失敗したかも・・・」と言うような想いに捕らわれてしまいました。だって・・
「不思議ちゃんだけど・・美味しい・・」
んですもん。
このA.C.ブルは13.5度ですが、14度、15度も有り得る訳ですから、低めでエレガント系が好きな noisy としましては、ビビッてしまった訳ですね。
しかしながらこのA.C.ブル、出来が滅茶良いです!・・もちろん、アルコール分は他のドメーヌと同様ですので、何も問題は有りません。
違う部分としましては・・・ヴォーヌ=ロマネ1級以上を飲んでいただけましたらおそらくお判りいただけると思います・・が、
「ピノ・ノワールのエキスがアルコールと一体化した、素晴らしい表情!」
が感じられるんですね。
これ、実はアルコール分がもっと低くても有り得る訳ですが、飲んでいると意外にも気付きにくいものなんです。
ですが、ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュはもう・・そこが余りにも半端無いので、バリバリに見えてしまうんですね。
で、そのヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュが持っている超上質なエキスの美味しさの一端を、このアルコール分の低いA.C.ブルも持っているんですよ・・。
美しい色をしているでしょう?・・これ、醸造が非常に上手く行った証拠でもあると思います。そうでなければこのしなやかさとエキスの美味しさ、表情は出てこないでしょう・・アルコール分は高く無く、細やかな部分の造りこみも美しいので、エレガンスは普通に感じられると思います。
アルコール分が低いものと高いものが混在、でも、アルコール分が浮いて感じられず、エキスがアルコールと一体化したピノ・ノワールの美しさを表現出来てしまったグロ・フレールの2019年ものです。
少ないですが、是非飲んでみて下さい!・・超お勧めです・・できれば上級キュヴェで、あのエキスの素晴らしい美味しさも味わってみて下さい。
以下は以前のレヴューです。
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【豊かな味わいの2018年ブルゴーニュ・ピノ・ノワール! 何と2千円代でご紹介いたします!2018年グロ・フレールの傾向はこれを飲めば判る!?】
まあ、確かにこのプライスは有難いですよね。今回はかなり頑張って値付けしていますので、3千円切ってのご紹介です。最も消費税を足すと超えてしまいますし、10月からの酒税の変更で、ワイン屋さんは750ML当たり 7.5円の手持ち課税を徴収されることになっています。
「また余分な仕事が増えて・・しかもこの出費は痛い・・」
です。一体、どれだけ在庫があるのか・・頑張って調べなければ判りません。
2018年もののA.C.ブルです。豊かなボディ感がしっかり感じられる14度と言うアルコール分ですので、いつもよりわずかに低めの温度で飲み始めるのが良いかと思います。
このA.C.ブルを飲むと、ヴァンサンが何を考えているのか・・少し判ると思いますし、この延長上に2018年の素晴らしいエシェゾーが有ります。
エキスの美味しさは格別ですし、しかも2017年ものとも相当に異なります。そしてSo2の少なさ・・これも特筆すべきでしょう。
非常にリーズナブルながら、ヴォーヌ=ロマネ的に丸い酸の優しい美味しさに満ちています。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【新生グロ・フレール・エ・スールの入門として最適です!力のある黒い果実が各所にちりばめられ、優しい赤い果実で埋め尽くされています。】

2017年もののグロ・フレール・エ・スールを扱うことにしたので、大赤字を覚悟で「グラン=ゼシェゾー」まで開けちゃいましたんで、グロ・フレールのおおよその全体像を掴むことができました。
「なるほど・・ビオにこだわらないヴァン・ナチュールのブルゴーニュ、ど真ん中のワイン・・ね」
言ってしまえば、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
とヴァンサンが言う立ち位置は、「なるほど・・」と言う感想がぴったりです。
「なんでそうしているのか、そうしなければいけないのか」
が判り辛い「ビオディナミ」には興味が無く、しかしビオディナミがもたらす見事な影響の恩恵は受けたい・・と言うような、現代っ子の若者が安易に目指しそうな立ち位置なのかもしれません。
しかしながら、noisy はそこに「ブルゴーニュの未来」をも見せてくれるワインに、非常なる興味を持ったんですね。事実、とても美味しいですよ。
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3~4」です。
なので、
「余りキツイビオはダメだけど自然派は好き」
と言う方には全く問題が無く、
「少しでも自然派のニュアンスが有れば駄目」
と言う方には無理な立ち位置のワインです。
このA.C.ブルゴーニュが「Ok」だと思われる方は、noisy 的分析では、このワインは「3.5」位で並みの自然派寄りで有り、グロ・フレールは「6」位まで有る・・と思っていただければ選択は間違えないと思います。シュマンもほぼ同様な感じですが、もう少し真ん中寄りかな?・・なので「3.5~4.5」位です。
親の兄弟でもあるミシェル・グロのワインは、So2 を使用するピュアな果実の美しいワインです。2015年までは濃いワインだったと思いますが、現状は、
「ミシェル・グロよりエレガント!」
だと感じます。
出来ましたら、充分に休めてお召し上がりください。大変身したグロ・フレール・エ・スール・・・是非ご検討くださいませ。
P.S.因みにリアルワインガイド第66号で徳丸さんが「豆っぽさ」について言及していましたが、消えたのか、ロット違いの性かは判りませんが、noisy には検出できないレベルでしたのでご安心ください。
● 2022 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン
【2022年のグロ・フレールの白は、絶対にどこかおかしい。クラシカルな造りとSo2の少なさが、仕上がって間もないワインをここまで美味しくさせ得るのか?!】

グロ・フレールのワインは noisy は昔から扱ってはいたんですが、途中・・親父さんベルナールの、余りの濃さに・・付いていけなくなり、しばらく止めていたんですね。
で、2017年だったか..息子さんが出張り始めた頃に再度扱わせていただきました。で、その時から・・
「なぜかこのオート=コートの白が滅茶美味しい!」
と言うことでご紹介させていただいています。
ですが、ヴィンテージにより・・もう・・全く味筋が違うんですね。何年か前は、
「アルコール分が結構に出ていて、一瞬・・引いてしまった!」
んですが、改めて襟を正して飲んでみると、
「・・げげっ・・このバランスも在りなんだ・・」
と、自身の感覚を改めることに繋がった訳です。
そう・・あのフィリップ・パカレのコルトン=シャルルマーニュになれなかったザンディジェーヌしかり、高アルコールながら、腰高ながらも実は非常に高質なバランスを見せる要素割合が有ることに気付いたんですね。

ですが、この2022年ものは・・そっちじゃないです。素晴らしいバランスだった2021年ものの延長上に在り、しかもそれをさらに高質にしているんです。
2022年のV.d.T.シャルドネのコラムにも書かせていただきましたが、グロ・フレールのシャルドネって・・滅茶旨いんですよ。気温の低い冬~初春の時期では有りますが、その低さにもしっかり耐えうるボリュームは・・ちゃんと持っている訳です。決して品温が低いから味わいが沈むと言うことはありません。
そして、まったくお洒落はしていないV.d.T.シャルドネ2022に、もう少し柑橘フレーヴァーを必要なだけ盛って、骨格を大きくしたのがこのオート=コートだと言えると思います。
グラスを振れば柑橘が、口内に流し込めばビターさからの蜜、ほんのり乳製品・・長く口内に居座り、心地良い余韻を持続してくれます。そしてそれは決して派手では無く、しっとりとしておしとやか・・でも確実にあるんですね。
もはや振る舞いはかなりの高級シャルドネです。これがニュイで造れる訳ですから・・メディアがグロ家を棄損しているのは言わなくても判りますが、
「グロ・フレールのシャルドネは、いつも心を惹かれる出来」
であることは間違い無いと思います。少ないですが・・是非飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【毎年めっちゃ美味しいオート=コート・ブランですが、2021年ものはさらに頭抜けて美味しい!・・蜜に南北の柑橘がしっかりミネラリティと共に感じられます!超お勧め!】

これは旨い・・毎年美味しいグロ・フレールのオート=コート白ですが、2021年ものはもう・・
「過去最高、間違い無し!」
ですし、
「千変万化なこのワインは今までともまた違う姿!」
を見せてくれます。
アルコール分13パーセントで仕上がった2021年のこのワインは、2020年ものの12.5パーセントとほぼ同様のボリュームです。何年のものだったか覚えが希薄ですが、アルコール分が15パーセント近く出た年も有ったはずで、それはもっとボリューム感が強く、膨らみ方が異常に感じるほどだったと・・。
黄色が強く、ゴールドに近い色彩で輝いています。新樽、多いのかな・・と。そして、何とも言えない素晴らしいアロマ!・・柑橘、果実が黄色や白だけではなく、オレンジや、やや赤みを伴ったものまで多種多彩です。
そして心地良い「蜜」をはっきり感じますが、それが全てを覆うのではなく、ただひとつの要素としてだけ・・高質なアロマや味わいとしてだけ・・感じられるんですね。

ですから、基本、ドライなんですがエキスの集中の結果としての甘み感でしょうか・・蜜のニュアンスを高めていますし、ミネラリティも半端無く高く、下支えをしっかりしています。
酸バランスもすこぶる素晴らしい!・・こりゃぁ・・飲むしかないと・・超お勧めです。
リアル的にはこんな感じ。
「口に含むと液体はコクみとトロみがあり、グロ・フレール的な甘さと豊かさなんだけれども美しい酸がビシッと締める」
いや・・そう・・noisy もそう言いたかったんですが、リアルにはそう記載されていたので、それらをバラバラにして再配置しないと独自のレヴューにならないもんで・・はい。
でも、もっと付けても良いんじゃないですかね・・リアルは91ポイント止まりですが、noisy 的にはもう少し上まで見るでしょう。最もその辺は色々有りますが、
「過去最高、間違い無し!」
とシツコク申し上げておきます。これは飲むっきゃ無い・・素晴らしいシャルドネです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【毎年大いにブレまくるオート=コート・ブランですが、何故かいつも美味しいと思ってしまう・・なんと2020年ものはアルコール度12.5度のエレガントタイプです!】
以前のグロ・フレールのこのワインを飲まれた方はどう思われるでしょうか?
「・・アルコール分が高いけど・・なぜか滅茶美味しい!」
「ボディがしっかりで飲み応えも有る!」
「ちょっとトロピカルなフレーヴァーが好き!」
みたいな・・感じでしょうか。
すみません!・・2020年もので上記と合っているのは、最後の「ちょっとだけトロピカル」だけ・・です。激繊細系、激エレガント、激チャーミングなシャルドネ・・になってまして・・でも、
「それでいてバランスが滅茶良い!」
と言う、非常に不思議な仕上がりなんですね・・。
で、noisy も、
「コラムを書いたら次の日にはその内容を忘れている」
ものでして、先ほどこの昔書いたコラムを読み返してみて・・
「・・うわ・・やっちまった・・」
と思ってしまいました。なぜって・・
「そうだ!・・不思議ちゃんで行こう!」
と思っていたから・・です。

それじゃぁ・・昨年書いた記事と同じじゃないですか・・だめだこりゃ・・です。そもそも1年中、レヴューを書きまくっておりまして、パソコンのキーをタイプする量がワイン屋とは思えない・・と思われているらしい・・いや、そもそもワイン屋の仕事している時間は僅かで、それ以外の雑用をこなしている時間の方がかなり長いと、常連さんは知っている訳です。
で、この素晴らしい色彩をご覧ください・・。強い黄色をしていますね・・緑はほぼ入っていないようです。ですから、
「滅茶熟している!」
と言うことと、
「おそらく新樽も使っている」
のは間違い無いかと思われます。
アロマはほんのりグラマラスで柔らかく、やや太めです。でも冷ややかで優しい感じ・・とてもニュートラルです。
すこしトロピカルが入った感じの柑橘果実が新鮮です。でも熟していてもうだって無いのは「V.d.F.シャルドネ」と同様。アルコール分が高く無いので2019年以前のこのワインとはまたちょっと違ったワインのようにも思われますが、2020年ものがむしろ「ブルゴーニュらしい仕上がり」なのでしょう。それにしても毎年出来が大きく違う・・つまり、
「ヴァンサン・グロは、様々なトライをし続けている!」
と感じています。
色だけみるとグラマラス、でも味わいは繊細で可憐・・です。酸バランスもしっかりしているのでグダグダしていないのかと思います。このバランスも非常に美味しい!・・そう感じます。
まぁ・・価格が結構上がっているので、そこは noisy もグッと我慢・・頑張って価格を出しました。リアルワインガイドによりますと2019年もののこのワインの上代は6千円だそうですから、2020年ものは一体どうなっちゃうのか・・と言うことで、
「Noisy wine は頑張って価格を出させていただきました。」
飲んでみてください。これを飲んだら・・グロ・フレールのファンになっちゃうかもしれません。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【こんなバランスのブルゴーニュ・ブランはグロ・フレールでしか味わえないでしょう!・・タイトながらも大きな構造!・・しかも香ります!】
このワインは2018年ものと一緒ですね~・・バランス的には、2005年のフィリップ・パカレ、「アンディジェーヌ」と一緒です。このブランに関してはブルゴーニュと言うよりももう少し南下した感じ・・でもブルゴーニュ的なエレガンスもちゃんと有ると言う、
「滅茶不思議ちゃんな白!」
なんです。それで普通な美味しさなら大したことは無いんですが、後を引く美味しさなんですよ・・。
果実も、ブルゴーニュのニュイと言うよりはボーヌ...ピュリニー辺りの良く熟れた感じのものに思えます。ミネラリティとアルコール分がほぼ同量のようなニュアンスで、ちょっとシャルルマーニュ・・入ってますか?・・みたいなイメージです。
構造もそれなりに大きくて・・やはりボリューム感が素晴らしく有ります。時間の経過でボディがグググっと膨らんで来ます。そしてそこからの表情が素晴らしいんですね。
ブルゴーニュの南と言うとローヌですよね。でも、ローヌのバランスとは一概にも言えません・・。酸がちゃんと有りますから・・はい。その酸の美味しさもまた格別だし、非常にドライなのに美味しさが逃げて行かない・・旨味がちゃんとしっかり有るのが特徴です。
ま~・・何とも不思議ちゃんです。不思議ちゃんドメーヌが造り出す、最も不思議ちゃんな白です。これ・・美味しいと思ってしまうnoisy を、noisy 自身が信じられないんですよね・・飲んでみて下さい。
「これはこれで有り!」
と確信しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これ・・滅茶苦茶美味しいです・・一体、何なんだ・・・このバランス!大好きです!】
2018年もののグロ・フレールは、押しなべてややアルコール分が強く、ボディが豊かです。それが下級キュヴェから上級キュヴェまで、統一されています。結構に飲みましたので・・(^^;; 理解しています。
個人的には穏やかな感じだけれど、複雑性が有って、流れるような味わいのブルゴーニュワインが好きなんですね。なので、
「このように、ボディの豊かなブルゴーニュワインはちょっと苦手」
では有ります。
そうは言っても・・2018年のグロ・フレールが美味しくない・・と言っている訳では無いんですね。むしろ、
「余り無いタイプのブルゴーニュ」
であるのは間違いない訳です。
だって、造り手には2通り有りますから・・自分のイメージを具現化し、それに合わせて栽培もワイン造りも調整して行くタイプと、気候を含んだテロワールこそが大事で、自分は採れた葡萄を単にワインに昇華するだけ・・と、栽培もワイン造りもほぼ一定のものとするタイプです。まぁ、大きく分けて・・です。
だとしますと、
「一体、どっちがテロワリストなのか?」
は、相当に微妙でしょう?
グロ・フレールは後者です。古い時代のブルゴーニュのイメージを守ろう・・とはしていません。だから、葡萄の糖分が上がれば、それを確実にアルコールに転嫁することを良しとするのでしょう。
では、他の造り手はどうでしょう?・・きっと、そうはしないでしょう?・・どっちらテロワールを大事にしているのか、かなり難しい話になってしまうんですね。
で、このオート=コートの白が、その答えになりそうなんですよ。白ワインだけに・・エルヴァージュ後の熟が進んでいるんですね。飲んでみると・・これが・・
「めっちゃくっちゃ美味しい!」
んです。
ですが、余りに今までのブルゴーニュワインとはイメージが違う美味しさなんですよ。だから、ボーヌの偉大なシャルドネは、余り比較対象とも出来ないんです。
かといって、ローヌの白ワインと比較できるか?・・と言いますと、アルコール分はローヌの方が高いことも有りますが、ブルゴーニュの白の、酸の多彩さやミネラリティの組成の違い、結果としての「エレガンス表情の圧倒的な違い」が、ローヌの白とも比較対象にならない・・んですね。
ですので、これはやはり、まごうことなき、「ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン」で有り、それも、滅茶苦茶美味しい・・ちょっと感動するくらい・・・(^^;;
しかも経験したことの無い美味しさ・・・なんですね~。これ、是非飲んでみて下さい。温暖化へのストレートな答えを含んだ、見事なワインだと・・noisy は思っています。お勧めします!
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【 滅茶苦茶旨い!ナチュラルだが自然派嫌いでも全然OK!揮発酸は感じません!柔らかく見事に美しいシャルドネです! 】

このオート・コート・ド・ニュイの白は大成功だったんじゃないかと思いますよ。普通だと白の方が酸化制御で難しいはずなんですが、醸しはしていないと思われる、
「最高に美味しいシャルドネ!」
になってたんですね・・。これ・・もっと飲みたい!・・と思っちゃいましたが、案の定、カミさんも気に入ったらしく、飲むスピードが速いもので・・はい・・。
色落ちも少なく、自然派やビオを意識しなければ、フツーのワインだと思って終わってしまうと思います。それも「早々に」無くなるはずです。
ピュアで少し豊満な果実がたっぷりあり、シャルドネ特有の中域、中高域の太さに加え、繊細でナチュラルな風味が高域に抜けて行き、そこを侵食する揮発酸系の香りが無いですから・・見事に美味しいのでしょう。
自然派系の白、しかもSo2不使用ですから、少し長く栓を抜いておくと色落ちはするはずです・・が、確認する前に無くなっちゃいました。素晴らしいバランスをしていると思います。90点以上付けて良いかな・・と思います。超お勧め!・・これは旨いです!
因みにお馴染み?のナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3」です。
揮発酸的な要素は全く無いとは言いませんが検出限界ですから、その意味では上記のナチュラル度は「1」です。揮発酸的要素を除いたナチュラル度が「5」で、平均して「3」と言うことにしました。是非飲んでみてください。誰も美味しい!・・と言っていただけると確信しています!
● 2022 Chemin des Moines de Vergy V.d.T.
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジ V.d.T.
【2本だけです。】---すみません、飲めないので以前のレヴューを掲載しています。価格で頑張っています。
非常に少ない入荷で申し訳ありません。リアルワインガイド第83号は上値92+ポイントと、おそらく過去最高更新だと思いますが違ったらすみません。
グロ・ファミリーでは所有畑の組み換えが行われたようで、グロ・フレール・エ・スールのグラン=ゼシェゾーは2021年ものが最終ながら、自家売のみで輸出無し、2022年からはアンヌ・グロの所有になるそうです。お兄ちゃんたち・・アンヌにはま~・・優しいんだから!でもここだけの話し、アンヌ・グロは南フランスのワインが有るので、扱うのは結構に大変なんですね・・それでも安かった昔は良いんですが、
「このワインは南仏のリシュブールだから・・」
などと言われてしまうと・・やや甘くて強い性格のその南仏のリシュブールは外人さんたちにはともかく、日本人にはちょっと・・と思ってしまうんですけどね。
すみません、飲めないので以下の以前のレヴューと2021年の他のコラムをご参考にご検討いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【・・これは・・阿鼻叫喚の世界を呼ぶ、振り返ることのできない一本道か?】
今回はリアルワインガイド第79号のレヴューを掲載させていただきましたので、ぜひそちらもご覧いただきまして・・このコラムをお読みいただきたいと思います。
まぁ・・やっちまったなぁ・・です。リアルワインガイドもそのように書いていますが、まったく同感な部分と、ちょっと異なる感じの部分が有ります。
それにしても2020年もののこのヴェルジーで..やってくれましたね。安いワインじゃないですからね・・と言いますか、もしかしたら・・
「ん?・・ある意味、他のキュヴェでも・・ほとんど同じなんじゃないの?」
と言うような疑問が沸いてきます。
そう、2020年のグロ・フレールは、
「エレガント」
「可憐さ」
「みずみずしさ」
「柔らかさ」
「香りの上がりの速さ」

が感じられ、そこに、
「畑の個性」
「ヴィンテージの個性」
が感じられる訳ですね。
で、言ってしまえば・・「自然派」です。リアル的にはナチュール・ワインです。ヴァン・ナチュールと言いたい人もいらっしゃいます。
でもヴァンサンは、
「ビオにはならない」
と言っています・・そして、
「So2も入れている」
と。
さらには、このヴェルジーには入れたと・・言っているようです。
この、超繊細で優しく、ノーズの速い・・エレガントで複雑性の高いワイン・・是非飲んでみていただき、ワインと会話してみてください。noisy 的にはもう少し言いたいことも有りますが、
「何せ数が無いので、余り長く書いても・・なんだかなぁ・・」
なので・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【非常に複雑性の高い味わいです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
グロ・フレールはヴォーヌ=ロマネのワインがほとんどですので味筋は結構に共通項は有るんですが、2017~2018年と開けてみた感覚としては、
「ここは僅かに異なるか?」
と言う印象が芽生え始めています。
豊かな2018年もの・・と言う説明だけでは伝えきれない感じがします。・・何故って・・相当に複雑性を感じてしまったから・・です。
重くならず、軽くない・・中庸な感じでは有りますが、ヴォーヌ=ロマネのワインが持つ酸の穏やかさは、もう少ししっかりした感じになります。言ってみれば・・ジュヴレが入り込んだ感じ・・でしょうか。
まぁ、ヴェルジですからジュヴレが入ったとしても違和感はないのかな?・・っとも思いますが、やはりここの畑は、この先も注視して行く必要があるかと思っています。何せ温暖化の世の中ですから、この先はオート=コートがグラン・クリュになりかねない・・等と言うしょうもない「噂」が一部から出ているようですしね。
畑の位置も、もう少し特定してみたいですね。情報をお持ちの方は是非・・ご一報ください・・(^^;;お勧めします!・・数は全然無いです。
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!起承転結がクッキリ!ナチュラルだが、それを強く感じさせないバランスの良さ!ヴォーヌ=ロマネ村名並みです!】
これは旨かった!・・ナチュラルさはむしろ他の下級キュヴェより抑え目に出ている感じで、グラスから漂う柔らかく早い官能的なファーストノーズからの口入、中盤、終盤、余韻と、しっかりその段階を感じさせてくれる「普通のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」的な感じが、何の違和感も感じさせない美味しさです。
このシュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジは、ヴォーヌ=ロマネから(資料にはやや恣意的にラ・ターシュと書いてありますが)西に昇って行き、幾つかあるヴェルジの村へ向かう途中に有る古い畑のようです。近くにはオート=コート・ド・ニュイやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ格の畑が有りますが、長く打ち捨てられていた「古いクロの跡地」だったようで、アペラシオンを名乗れないので「ヴァン・ド・ターブル」格になっているようです。
ラ・ターシュから500メートル歩くと言うことですからヴォーヌ=ロマネからは少し離れており、Googleで写真を見てみると、
「なるほど・・ここかな?」
と思える場所が有ります。
「ここを買収して3年目の葡萄で醸造したのなら、さぞかし、力の無い味わいなんだろうなぁ・・」
「それにしちゃぁ・・高いよ」
などと、高をくくっていた訳ですが、あにはからんや・・ちょっとビックリさせられました。
「村名並みじゃん・・」
表現するのは難しいですが・・これで3~4年目かよ・・とビックリするような集中感が有ります。noisy が育てているピノ・ファンはそろそろ5年かな?・・こんなに立派には絶対になりませんから・・。黒みのしっかりした果実が・・そうだなぁ・・チョコチップのような感じでアチコチに有り、その間を穏やかな赤いチェリーやベリーが埋めているような感覚でしょうか。
ピュアさも有り、ナチュラルですが、むしろ揮発酸は非常に少なく・・いや、全く無いとは言いませんが、まず気付く方は極少数派でしょう・・滑らかでしっとりと優しいです。
オート=コートよりも高い値付けですが、これは村名並みのポテンシャルをすでに持っており、個性もしっかり有りそうですから、
「将来、大化けするかも!」
と言う気を持たせてもくれます。
是非Googleで、地図を見てみてください。3D で見ると面白いですよ。ヴォーヌ=ロマネの村を西に上がり、畑の無い部分を通り越した辺りです。それ以上西に向かうとオート=コートの畑群が有り、もっと行くとヴェルジの各村に入り、現在修復中のロマネ=サン=ヴィヴァン・ヴェルジ修道院も確認できます。ご検討くださいませ。
P.S.
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3.5~4.5」の間ほどです。
● 2022 Chardonnay Vins Sans Indication Geographique V.d.F.
シャルドネ VSIG V.d.F.
【健全なること、ヴィンテージの良さを現しています!・・凄い出来・・2016年の植樹?・・あり得ない!】

本当でしょうか。2016年に植樹しての2022年もの・・そんなに短い間にここまで出来るのか?・・と言うことが信じられません。noisy 家のピノ・ノワールはもっと長く生きていますが、毎年・・鳥や昆虫の餌になるのが可哀そうでは有りますが、やはり日本でピノ・ノワールは厳しいのか、それともnoisy が余りに面倒を見ない性か・・。
このシャルドネ、果皮の部分がかなり多いと思います。果皮の味わいがするんですよ。少し煙くてそこに蜜っぽいニュアンスが差し込み、ほんの少しバタリーで・・
なんてことを言いますと、とんでもなく凄いワインの評論的に聞こえてしまうと思うんですが、これ・・安いし、樹齢も若いので、決してめちゃ褒めることなど出来ないはずなんですが、少なくとも・・
「今、飲んでいて非常に楽しい!」
です。
そして表情は豊かですが、決して安っぽく無いです。
1枚目の写真をご覧ください。どこかちょっと「トロッ」としているでしょう?・・そう、別に「糸引き」している訳じゃありません。深い煙のアロマと、奥から柑橘が香って来ます。

果皮由来かと思いますが、その果皮と、果皮の真下のあの・・トロッとした部分の印象が強く残像として感じられます。
ちょっとムスク的なアロマをノーズに入れながら、ほんのりビターな味わいを口内で回しますと・・素晴らしいじゃないですか!
これ、ヴァン・ド・フランスの白ワインですよ?・・それをかなり上の高級シャルドネ的な評論をしてしまうほどに素晴らしい訳です。まぁ、そりゃぁグラン・クリュを引き合いには出来ませんが、
「このV.d.T.ブランで充分に満足してしまう!」
と・・いや、そりゃぁ全員が全員そうだとは言いませんが、誰も悪いことは言わないでしょう。素晴らしいシャルドネです!是非飲んでみてください・・もう1本欲しくなるでしょう・・無いですが・・どうぞよろしくお願いします。
以下は以前のレヴューです。
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【こちらも僅少の入荷で飲めませんでした。】 すみません・・4本だけの入荷でした。オート=コートの白が激旨なので、こちらはどうなんだろうと気にはなったのですが申し訳ありません。
リアルワインガイド的には上値 89+ポイントと高い評価でしたので、他のコラムと昨年の2020年もののレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【2020年初リリース!なんとオート=コートの横の畑で仕込んだヴァン・ド・フランス・ブランですが、リアルワインガイド第79号はポテンシャルでオート=コートを超える評価でした!】

美味しいです!・・そもそも・・
「・・あれ?・・なんだこれ・・?」
まず先に試飲分だけを仕入れていましたので、今まで見たことが無いワインが有るなんて・・オルヴォーさんから聞いてなかったんですね。なので、そもそもテクニカルを先に読むことが無いので、何を飲んでいるのか・・まったくわからずにテイスティングを始めました。少なくとも、
「まぁ・・そんなに高いワインじゃないだろうなぁ・・」
と言うのは有りましたから、気楽に臨んだことは言うまでも有りません。
ですが飲み始めて・・ちょっとビックリ・・。冷ややかでスムーズな飲み口・・でも葡萄は良く熟していて、柑橘果実と言うよりはややトロピカルな風情・・でも全然ダレてない・・これが新世界のワインになりますと、ちょっと甘くて・・プラムが熟し過ぎたような感じが混じっていて・・ん~・・ちょっとうだった感じでイマイチかなぁ・・なんて思ってしまうんですが、
「・・これはちょっと新しい美味しさ!」
と嬉しくなりました。
で、色々と調べてみたんですが、どこを見ても情報が無い・・オルヴォーさんに電話をしていても、話している最中には言いたいことを忘れてしまうと言う爺ぶりを発揮してしまう訳です。

で、あ、そうそう・・リアルワインガイドなら何か書いて有るかも・・と第79号を開いてみると、
「2020年初リリース!」
と書いてあった訳です。
リアルでは、オート=コートから少し離れたところの畑・・と書いて有りましたが、その他の情報では「オート=コートの隣」だと・・どっちが正しいかは判断できませんでしたが、
「隣って・・厳密じゃなくてもそれでも良いか・・」
と言うことにしてあります。
思うに、300メートル以上の標高のオート=コートと言うよりは、少なくとも林や森にほぼ囲まれた陽当たりの良い畑のように思います。オート=コートよりも、より複雑な感じは出やすいと思われ、この非常にバランスが良い、外交的な味わいになっていると想像されます。
それに加え、やはり2020年のヴァンサン・グロ...So2 の少なさが感じられる、ちょっとヴァン・ナチュールな雰囲気も有りつつ、危険性の無いピュアな味わいがするんですね・・。
色合いからも・・
「・・あれ?・・ビオ・・かい?」
と見える部分が存在するでしょう?
でもその色合いほどビオじゃ無いんですよね。どちらかと言うとこの「黄土色」は、
「とても葡萄が良く熟した!」
と言うことでしょう。
まぁ、リアルはこのシャルドネをより高く評価しましたが、どうでしょう・・やはりポテンシャルはオート=コートが上にある様には思います。それでもこの「シャルドネV.d.F.」の評価を下げるものではありません。非常によくできていると思いました。少ないので・・あ、こんなに書くんじゃ無かった・・4本しか入らなかったのに1本飲んでしまい・・(^^;; 是非ご検討くださいませ。
● 2022 Vosne-Romanee 1er Cru les Chaumes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ショーム
【・・すみません、3本だけで飲めませんでしたが、1級クロ・デ・レア上部、1級レ・マルコンソール下部で「本物のラ・ターシュ」にも接する1級レ・ショームの底力を発揮したかもしれない?】
ずっと飲めていない1級レ・ショームです。ここは周りが凄いですよ・・下がクロ・デ・レア、上がレ・マルコンソール、北がラ・ターシュに接する畑です。
しかもラ・ターシュはレ・ゴーディショ・オ・ラ・ターシュでは無く、「労役」と言うシンプルでやや厄介そうな名前のラ・ターシュの本畑です・・まぁ、本物のラ・ターシュみたいな言い方は良くは無いですが、大昔のD.R.C.のラ・ターシュやレ・ゴーディショのボトルから発されるオーラみたいなものは圧巻ですよね。
で、何も情報は無いんですが、セラー・トラッカーでは1級でありながらこのレ・ショーム、94ポイントまで付いていまして・・もしかしたら、
「1級レ・ショームとしたら相当素晴らしい仕上がりになっている可能性もある」
と踏んでいます。
まぁ・・レ・ショームの凄い出来には中々出会ったことは無いですが、ロケーションからは・・
「少なくともクロ・デ・レアよりも恵まれているのに、ずっとクロ・デ・レアの後塵を拝して来た」
そんな歴史が有りますから、少し寝かし気味に瓶熟させてトライされてみるのも一興かと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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少ないとは言え、このクラスが1本だと・・萎えちゃいますよね・・。申し訳ありません。
ですが、リアルワインガイド的には・・相当、この1級レ・ショームからナチュール感を得たようで・・ただしそれは栽培からと言うよりは、So2 の使用量の少なさからのようですね。
なので、
「このフレッシュ感はSo2の使用が最小限じゃないと出来ない」
と言ってます。
まぁ・・ヴァンサン自身も栽培も含めてビオと普通の真ん中を目指すと言ってますから・・ある意味、
「有言実行し、それが成功した。」
と言えるのかもしれません。
また、この1級レ・ショーム..と言いますとメオ=カミュゼですよね。古くからブルゴーニュの畑を多く持っていたメオ家とグロ家は、結構な具合に所有畑がくっ付いていたりします。と言うことは、メオの畑の小作はアンリ・ジャイエやジャン・タルディが受け持っていましたから、畑によってはアンリ・ジャイエが耕作していた訳です。
ですが残念ながら?・・こちらはジャン・タルディでしたが、タルディのレ・ショームも良かったですよ。勿論、タルディが同じくメタヤージュで造っていたクロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイもメオ家のものでした。
そしてグラン・モーペルティイと言えば・・グロ家でしょう?
ですので、メオ家とグロ家を知ることで、ヴォーヌ=ロマネの1/5~1/4ほどは理解出来る可能性が有るんじゃないか?・・などと昔は思ってました。実際、その比較をするには随分と時間が掛かるかもしれませんが、
「畑がお隣同士?・・もしくは名前が一緒ならその可能性大?」
と思っていると、判ってくることも有るかと思います。
こちらも2020年ものと全くの同評価では有りますが、
「味わいは相当違うはず!」
と感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【クロ・デ・レア上部のレ・ショーム!グロ・フレールのクロ・デ・レア・・と言っても良いかもしれません。】
2020年ものレ・ショームは出来が相当良いです・・って・・結構にクロ・デ・レアに似た感じがしますし、ちょっと熟した感?・・いや、複雑感かな・・細やかな表情がいつもより出ているような感じがします。
その昔ジャン・グロの看板は勿論リシュブールでしたが、1級クロ・デ・レアも2枚看板だった訳です。このクロ・デ・レアは若くして飲むと美しいんですが、ちょっと複雑性が乏しい感じがする・・。でも5~10年放置しておくといつの間にやら官能さと複雑性が出てくるんですね。
まぁ・・優れた1級であるレ・マルコンソールはもう少し早めにその素晴らしさを見せてくれますが、完熟したクロ・デ・レアもまた素晴らしいですよ。
そんなクロ・デ・レアに似た感じを見せるのがレ・ショームでして・・美しく昇華したきれいな土っぽさ?・・が全面に出やすいんですが、2020年ものは奥に隠れ、瑞々しい表情には細やかな果実、フラワリーさ、甘美さを今から感じさせてくれます。

また、2020年もののグロ・フレールの特徴だとも思いますが、結構にナチュラル感はあるものの、
「臭くない」
です。
臭くない・・と言うのは・・ビオ嫌いの方が良く言う・・
「ビオって臭くない?」
と言うのに近く、揮発酸値は非常に低いですからご安心ください。
ただし・・
「2本しか入荷してないのに1本飲んでしまったので、販売は1本だけ!」
です。なので、コラムを仕立てている場合じゃぁ無い・・(^^;; さっさと次のコラムを書き上げないといけないのに・・何をやっているんだろう・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ラ・ターシュに接するクロ・デ・レア上部の1級レ・ショーム!・・飲んだ瞬間に「レ・ショーム」と想像出来る?見事な表現でした!】

ジャン・タルディやメオ=カミュゼのレ・ショームが大好物な noisy にとっては、「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ショーム」はすでに自分の中にイメージを構成出来てしまっているようなワインのひとつです。特にジャン・タルディ(メオのメタヤージュ)の作は、ほんのりしたシミジミさの中から出てくる微細な表情に「ホックリ」していたものです。
こちらもアルコール分はそれなりに出ていますが、ま~・・葡萄の質の良さが「簡単に判ってしまう」ほど・・素晴らしいです。相当シビアな選別をし、エルヴァージュ中も赤子を育てるかのようにショックを与えないようにしていたんじゃないかと思います。
何せ、あのラ・ターシュに接しながら・・余りラ・ターシュらしくないのが良かったりする訳です。どこか、中域が「す~っ」と流れて行く感じが有って、その空いた空間に後から微細な表情が戻って来るように感じるんですね・・。あ、判らないですよね・・すみません。
そんなどこか「風情」と呼びたいものを感じる1級レ・ショームなんですが、2017年ものは入っておらず・・比較はできませんでした。ですが、
「これは旨い!」
です。
好き嫌いは有るとしても、この格別な葡萄の質の良さを感じるのは、やはりこのレ・ショームから上のキュヴェになるかと思います。ご検討くださいませ!・・数は無いです。
● 2022 Pino Noir Vins Sans Indication Geographique V.d.T.
ピノ・ノワール VSIG V.d.T.
【少な過ぎて飲めませんでした。】
下が少な過ぎるとどうにもならないので、少ないのはキャンセルで・・と言いたいところですが、部分キャンセルをやってしまいますと間柄がね・・と言うことで、結局開けられずに放置してしまいました。
ですがリアルワインガイド的には、
「A.C.ブルより格下とはとても思えない出来」
としていますので、行けるんじゃないかと・・。
なお、A.C.ブル2021赤は諸事情により、来春まで成熟させることにしました。申し訳ありません。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【どんなビオ系ドメーヌのピノ・ノワールよりも繊細かも・・しれません。】
劇的に繊細なピノ・ノワールです。元々はコトー・ブルギニヨンだそうですから、上級のA.O.C.の畑とは認定されていないのかと思います。
ですがそれにしても・・素晴らしいです。リアルワインガイドが言うように、So2は使って無いかもしれません。
その上で本人は否定していますが、
「本当にビオディナミ、目指してないの?」
と疑ってしまいますよ。
ある意味、ホメオパシーのフレデリック・コサールよりも・・ビオっぽいっちゃ・・ぽいです。ですが、
「ビオ臭い」
のとは・・異なります。
やはりSo2 の少なさがそれを実現しているのかもしれませんが、話しはそんなに簡単なものじゃないんですよね。

他のコラムにも書きましたが、So2を使いたくないなら・・入れなければ良いんです。
ですがそれでは・・アルコールを食べて酢酸を生成する菌を止められない訳です。
そうしたくないなら・・徹頭徹尾、
「超優良で健康な葡萄だけを使って醸造する」
しか無いんです。
で、このリーズナブルなピノ・ノワールは、それをほぼ・・ほぼ・・ですよ・・実現しているんです。
「あちゃ~・・やっちまったな・・」
と言いますか、
「そんなこと出来るの?(出来るはずないっしょ?・・の反語)」
ですので、この超繊細系のみずみずしさ、奥にある官能さにビックリしています。何十年も持つワインでは在りませんが、それにしても素晴らしいです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2019年もので一皮剥けたグロ・フレールのベースのキュヴェは、「エレガンスとは・・何?」と考えさせられる美味しさです!】
普通なら・・noisy も、
「ん~・・・これ、飲みたくないかも・・」
と、飲みもせずに仕入れなかった可能性が有ります。だって・・
「アルコール分14度のパスグラの葡萄のワイン」
なんですから・・何かもう、そのバランスが信じられなくて、
「飲まなくても判る」
ような気になってしまったんですね。
でも、この「ピノ・ノワール」と「ヴォーヌ=ロマネ1級」を飲んで、その認識を変えました。
「・・ん~・・やっぱり思い込みは良く無い!」
と大いに反省しました。これ・・
「めっちゃ美味しい!」
です。しかも、
「とてもエレガント!」
ですし、
「複雑な要素の絡みも良く判る!」
のが特徴でも有ります。
なので、
「・・アルコール分14度だから・・」
などは関係ないと思ってください。
どうなんでしょう・・どんな意識でこのように仕上げて来ているのかは判らないんですが、アルコール分がほんの少し高めではあるにせよ、エキスの美味しさとふんわりとした柔らかなテクスチュア、ふわふわ感がちゃんと有るんですよ。
それに加え、モレ近郊の畑のようですが、モレっぽい紫の果実の風味もほんのりと感じられ、伸びが良く、味わいがしっかり深いんですね・・。
普通は14度以上になってきますと、ほとんどの場合・・
「アルコールが浮いてる・・分離した感じ」
とか、
「ん~・・強いな~!」
と言う意識が全てをマスキングしてしまうものだと思うんですね。
なので、noisy 的には、その辺りを無意識にも避けてしまっていたのかもしれません・・・いや、でもそれは一般には間違っていないと思いますけどね。
この14度の「ピノ・ノワール」・・エレガントで美味しい・・と言ったら信じられますか?・・それに結構に複雑性が見えやすいんですよ・・しかも、今飲んで滅茶美味しい!・・くて価格もリーズナブルです。飲まない訳には行かないでしょう?
是非飲んでみて下さい。ご紹介が遅れてしまったので、減らしたのに、さらに減らされてしまったので、相当少ないです。
2019年、グロ・フレールは一皮むけたのは間違いないと思います。So2 も使っているといいながら、結構少ないんじゃないかと感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【So2を少量のみ使用したヴァン・ド・ターブルのピノ・ノワール!とてもリーズナブルです!】
ようやっと書き残していたキュヴェもコラムを書ける時間を取れました。2018年のグロ・フレールのご案内から随分と時間が経ってしい申し訳ありません。
こちらのキュヴェはモレ=サン=ドニにあるA.O.C.パストゥグラン表示が許された畑のようです。なので、ピノ・ノワール100%だとパスグラ表示も、コトー=ブルギニヨン表示も出来ず、単に「2018」「ヴァン・ド・ターブル」「ピノ・ノワール」と言うことになり、「ブルゴーニュ」は全く表示無しです。
おまけに「ヴァン・ド・ターブル」なので「ドメーヌ」も表示できないと言う、厳しい規制では有りますが、ブルゴーニュワインを守ると言う観点は決して外せないのでしょう。
ブルゴーニュ・ルージュよりはやや軽いものの、とてもピュアな味わいです。アルコール分も13.5度と高く無く、ちょうど良い感じですね。
ただし、モレ郊外の畑とのことですが、モレ=サン=ドニの雰囲気はあるのか?・・と聞かれますと・・「ない」と答えなくてはなりません。
それでもブルゴーニュ的で有るか?・・と聞かれましたら、とてもブルゴーニュ的です・・と答えられるでしょう。
そもそも昨今のA.C.ブルゴーニュのレジョナルワインは非常に高価です。人気の高くなったセシル・トランブレイなど、一体幾らになってしまうのか・・
「大丈夫かなぁ・・」
と、心配になってしまいますが、片や、こんなところでブルゴーニュも名乗れず、でもブルゴーニュワインをリーズナブルに販売されている・・のが、ある意味とても変な感じに思います。
滅茶苦茶美味しい!・・とは言いませんが、実にリーズナブルに、理解できる味わいのピノ・ノワールに仕上がっていると思います。是非ご検討くださいませ。
● 2022 Vosne-Romanee Clos de la Fontaine
ヴォーヌ=ロマネ・クロ・ド・ラ・フォンテーヌ
【グロ・ファミリーのシャッフルで生まれた村名のファースト・キュヴェ!。なんと94+ポイントまでSNSで付いています!】
こちらは余りに少なく2本だけ。飲んで終わりにしてしまおうかとも思ったんですが、思い留まりました。
アンヌ・エ・フランソワ・グロから回って来たようで・・2022年がファースト・ヴィンテージです。このジャン・グロ家の中でのシャッフルは、まぁ・・仲が良い性なのか、それとも公平を期すために決めた取り決めなのかは判りませんが、ちょっと面白いかな・・と思っています。
SNSのセラートラッカーでは、89ポイントとした方と、1級レ・ショームさえ凌ぐ94+ ポイントとされた方が1名ずついらっしゃいました。94+と言いますと、1級の上出来の評価ですから、相当良いタイミングで飲まれたんじゃないかと想像しています。花の日だったかな?・・
いずれにしましても2022年のグロ・フレールのワインはめちゃ香りますから、味わいが適度に膨らみを見せてくれるタイミングだと、相当高い評点になるのかもしれません。そして飲み心地はSo2、少ないですから、酔い覚めもバッチリです。ご検討くださいませ。
● 2022 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
【2021年ものはリアルワインガイドで大激賞でポテンシャル96ポイント!・・2022年ものはどこを探しても見つかりませんでしたがセラートラッカーが96ポイント・・!】
リシュブールのコラムにセラートラッカーのこのワインのレヴューを掲載させていただきましたが、やはりグロ家は評論家さんたちに敬遠されているようですね。
まぁ・・ヴォーヌ=ロマネの畑の所有図を見ると、驚くほどにメオ=カミュゼとグロ家は畑が隣り合っています。メオ=カミュゼとて、メオ家とカミュゼ家、両方を継いでいますから、本当に色々在ったんだろうとは想像付きます。
この畑は、グラン・クリュ・ミュジニーを名乗れるプティ・ミュジニーの東に続く地所です。因みに南に続くのがエシェゾーを名乗れる「アン・オルヴォー」で、先日ご案内させていただいたシルヴァン・カティアールの1級アン・オルヴォーはエシェゾーを名乗れない部分です。そちらも非常に希少で、何年かぶりに入荷したんですが・・飲みたいですよね・・。
このワインはグロ・フレールの看板ワインで、ずいぶんと長くリリースしています。Noisy wine も、1964年のクロ=ヴージョ・ミュジニを販売させていただいたことがあります。
やはりアン・オルヴォーもそうですが、やや乾いたニュアンスの中に、「ミュジニーの隣」と言う部分を感じますし、こちらはクロ=ヴージョですからそれとはまた随分と異なりますが、ややウェットな粘土のニュアンスに乗った香水的ニュアンスも感じられるんじゃないかと想像しています。
因みに2022年のグロ・フレールのワインは、相当に香ります。ちょっと驚きました・・。
またセラートラッカーは、90ポイントと評価した方と、上値96ポイントとした方がおられました。90ポイントとされた方は、2034年からは良くなるだろうとしていますので、その評価は「その時のポイント」と言うことなのかと思っています。希少なワインです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【このクロ=ヴージョ・ミュジニ2021も過去最高!?・・しっとりとしたエレガントなグロ・フレール2021年を代表するワインです!】 グラン・クリュ・ミュジニー(プティ・ミュジニー)に続く位置にあるこの畑ですが、リアルワインガイド第83号によりますと、エシェゾーは開いているがクロ・ヴージョは香りは閉じているものの、味わいは素晴らしいと・・そのテイスティング時のレヴューに書いており、さらには、
「エシェゾーとクロ=ヴージョは過去最高!」
としています。
ん?・・リシュブールは?・・と思って色々と物凄い量のリアルワインガイドをひっくり返してみたものの・・確認は諦めました。
まあ・・83号も有りますとね・・20年以上分も有る訳ですからね・・いや、Noisy wine にはその冊数の10倍は・・有りますよ。販売目的で・・なので是非バックナンバーもご注文ください・・。兎に角、置いておくスペースがもう・・探すのが大変です。
で、このクロ=ヴージョはポテンシャル96ポイントで、クラシックな出来は間違い無し!・・です。・・あ、ワイン用語と言う訳ではありませんが、ワインを表する場合に、
「クラシックな出来!」
と評した意味は、
「一流~最高」
と言うことを表しています。
ただし、
「クラシカルな造り!」
などと言った場合は微妙でして、ほとんどは「古典的な造り」と言う意味で使用しているでしょう。外来語って・・難しいですよね・・でも何となく使用していますが、一応・・念のため。
数量が非常に少なく余裕が全く在りませんので noisy としましてはグラン・クリュを何か1本テイスティングを・・とも思ったのですが、
「流石にこの本数では無理」
と悟りました。過去最高のグロ・フレール、クロ=ヴージョ・ミュジニです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイント!・・じゃぁ・・noisy的には??】
いや~・・実に面白いですね・・。グロ・フレールと言えば noisy 的には、
「逆浸透膜、濃密、甘め、パワフル」
でした。
まぁ・・noisy 的には余り好みでは無く、他のショップさんがエレガントなミシェル・グロを見限ってグロ・フレールを選ばれるところ・・何せ偏屈なので・・(^^;; ミシェルのワインを扱っていた訳です。それでも余りに価格競争オンリーになってしまう時はスルーしていましたが・・。
でも、このミュジニー真横(真下)に有るアン・ミュジニは超魅力的です。色彩も実に素晴らしいですよね・・むしろ2017年ものよりも濃密な色彩ですが、濃いって感じには見えないでしょう?
非常にスムーズなアロマの上がりです。フィネスたっぷり・・ブルゴーニュの中心地らしい・・らしいアロマです。クロ=ヴージョの上部なので、まず「土っぽさ」は全く無いです。ミュジニー同様・・とまでは行きませんが、やはりエキスの凝縮からでしょうか・・香水的なアロマが含まれます。果実果実はしていませんで、実に瑞々しい!軽やかさが実に良いです。

で、グロ・フレールの2020年ものの特徴とも言えるかと思いますが、2017年もののような「似非自然派」「無理やりノンSo2」みたいな・・味わいは良いけど、
「これ・・普通のショップに売らせちゃ・・ダメでしょ・・」
みたいな・・危険物扱いしなくちゃいけないような感じとはちょっと違う・・。安定感、安心感がいっしょに付いてきます。
滑らかなテクスチュアの2~3秒後、激的に上質な・・甘みさえ感じる優しいタンニンが、これまた瑞々しく流れるように感じられます。その後にノーズに還ってくるアロマもまた香水的な部分を含んでいますから・・
「・・これ・・ちょっと熟成させてもう一度ちゃんと飲みたい!」
と思っていただけるはずなんですね。
非常に上質です。良い出来です。ミュジニーは高いけれどクロ・ド・ヴージョ(・ミュジニ)なら・・まだこんな価格で仕入れられます。数年後は無理でしょうけど!
今飲んでも行けます。美味しいと思っていただけるはずですが、でももう少し落ち着かせたいかな・・。その昔・・もう四半世紀以上前になりますが、蔵出しで1950年代、1960年代のこのワインが入荷し、販売させていただいた記憶が有ります。実にしっかりしていました。
「5年や10年・・そんなちょっとやそっとの短い期間で終りを迎える・・なんてあり得ない」
んですね。ド近眼の海外メディアに騙されず、是非ともタイミングを計ってお飲みください。お勧めします!
【かつてはクロ=ヴージョ・ミュジニと名乗っていたキュヴェですが、今は自粛しています。】ミュジニー真横のパーセルです・・すみません飲めませんでした。アルコール分は14.5度です。
こちらも飲めなかった3兄弟です・・。グラン・クリュ・ミュジニー(正確にはレ・プティ・ミュジニー)に接した「アン・ミュジニ」と言うパーセルです。
2018年ものは2017年までとは異なり So2を入れたとは言え、自然生成も入れた残存合計で30~40mg ですので、全く使用しなくても 30mg ほどは出る可能性を考えれば・・非常に少量です。
ミュジニーのハイトーンな性質にクロ=ヴージョのミディアム~ロートーンの肉が付いた、非常にパーフェクトな味わいの長熟なワインで有ると想像しています。
今回は価格も相当に頑張っています。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・ヴージョ(・ミュジニ)が・・こうなるのか~!】
皆さんも良~くご存じの、グロ・フレール・エ・スールのクロ・ヴージョです。以前は「ミュジニ」を名乗っていたあのキュヴェですね。黒っぽくて濃密で、嫌いじゃ無かったですよ。何よりも安かったし・・。
でもnoisy 的にはミシェル・グロが良かったし、ちょっと濃さにこだわり過ぎるグロ・フレールやアンヌ・グロは好みでは無かったんですね・・それでもアンヌ・グロは売れちゃうし、欲しいお客さんも結構いらっしゃいましたんで続けてましたが、グロ・フレールをテイスティングを頑張ってテイスティングしてご案内したところで、
「高い!」
と言われて全く売れないでしょうし・・と言うことで止めちゃったんですね。
でも、ここまでナチュラルでエレガントに変身してしまうと、おそらくまともな姿で販売できるショップは限られてしまいますから・・
「じゃ、トライしてみようか・・」
と、アマノジャクな心に種火が灯ってしまったんですね。
挙句の果てに・・これです。売れるかどうかも判らないし、数もそんなにある訳じゃ無い、グロ・フレール珠玉のグラン・クリュを散々に開けちゃった訳です。しっかり赤字決定ですが、やっぱりやる時は腰を据えてやらないと、詰まらないじゃないですか。ただ並べているだけのサイトなんぞ、こちらはご免です。
で、早速テイスティングです。・・いや、ちょっと心が躍っちゃいましたね。クロ・ヴージョ最上部、ミュジニー(レ・プティ・ミュジニー)に続く部分の畑ですから、ミュジニーに最も近いですが、グラン=ゼシェゾーにもエシェゾーにも近いです。
味わい的には、確かにミュジニー的なミネラリティも混ざっているものの、グラン=ゼシェゾー的に集中した黒い表情や、エシェゾー的に乾いたニュアンスも有る、非常に複雑性の高い味わいなんですね。
飲んでいて実に楽しい・・です。
「ん?何で楽しいの?」
と思われるかもしれませんが、ちょうどその4つのグラン・クリュの地図でも眺めながら飲んでみて下さいよ。ある程度ブルゴーニュワインを飲まれていらした方なら、少しずつ変化する表情に、一喜一憂しつつ、脳もしっかり楽しんで飲んでいることに気付かれるに違いありません。
因みに、ヴァンサンが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」と言うのが noisy 的評価です。ほぼど真ん中です。
あまりにテクスチュアの良さに、「するする」飲めてしまいますが、やはり飲み頃的には「早い」です。noisy 的にはあと3年ほどは置きたいですね。
そしてその時にもう一度・・できることならテイスティングし、どこまで「クッキリしてくるか」確かめてみたいと思います。勿論ですが、自身の答えはすでに持っていますよ。飲んだ時にしっかり結論をしておかないと忘れてしまいますし、誰かの言葉につられてしまって、「そうだった・・はず・・」と記憶を書き換えてしまいますからね。
赤い果実が主体の滅茶複雑で心地良いグラン・クリュです。フィネスもしっかり有ります。是非トライしてみてください。
● 2022 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【アンヌ・グロもミシェル・グロもリリースするレ・ロアショース!・・レ・ルージュが赤ならレ・ボーモン下部のこの畑も黒系果実のふくよかな味わい(のはず)です!】
なんとなくですが、2022年はヴォーヌ=ロマネ以下しか飲めていないとはいえ、想像してしまうのがある意味・・悪い癖なのかもしれません。
2022年のグロ・フレールは非常に良く香り、ピノ・ファン的なスパイシーさを感じます。
ここはアンヌ・グロと同じレ・ロアショースですから・・ヴァンサン・グロのワインはアンヌ・グロのようなマッチョなタイプ??では無いとは言え、
「レ・ボーモン的な黒い果実を多分に感じる(はず)」
だと思っています。
真上のレ・ボーモンは本当に少しのグラン・クリュ部分と多くの1級部分がありますが、同じようにエシェゾー・デュ・ドゥスユ真上のレ・ルージュは半分ほどがグラン・クリュで残りが1級畑・・しかも、赤い乾いたニュアンスが特徴だと思っています。
言ってしまえば、エシェゾー・デュ・ドゥスユはその両方のニュアンスを持っている可能性があるはずですが・・ん~・・赤と黒を混ぜると茶色か?・・などと言ってしまうとマズイことになりそうですが、デュ・ドゥスユを言い切ることは中々に難しいです。
こちらも2021年ものはリアルワインガイドで96ポイント、滅茶苦茶美味しいと書かれていましたが、2022年ものはセラートラッカーの評価しか見当たらず、95ポイント止まりでした。そちらでは、
「2022年のグロ・フレールは大いに気に入りました。モダンで甘いオークの香りが素敵で効いていて、フルーツとタンニンのバランスがとても心地良く好きになりました。」
のようなレヴューでした。
価格も非常にリーズナブルに設定しましたのでぜひご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイド第83号では「ビゾーのエシェゾーか!と言うとさすがにオーバーだけど・・」と・・これは最大の賛辞?!】 グロ家で所有していたエシェゾーは現在、グロ・フレールとアンヌ・グロが持っています(仔細な部分は判りませんが)。リューディは「ロアシューズ」ですね。
ここはエシェゾーたるエシェゾー、エシェゾー・デュ・ドスユの南側、つまりヴォーヌ=ロマネ側に接するのがレ・ロアシューズです。
そもそもエシェゾーはヴォーヌ=ロマネのアペラシオンでは有りますが、村はヴォーヌ=ロマネでは無くフラジェ=エシェゾーです。ヴォーヌ=ロマネ側の中央部北端は、
「1級畑レ・スショ」
で、その北隣がレ・ロアシューズ、さらにその北隣がエシェゾー・デュ・ドスユになります。
つまり1級レ・スショの南側がリシュブールですから、
「1級レ・スショでグラン・クリュを分断した形」
になっているんですね。
noisy 的には、リシュブールは粘土が強くやや湿っていて、エシェゾーは比較的乾いた感じがしています。そして、レ・ロアシューズはエシェゾー・デュ・ドスユの茶系で充実してどっしりした感じをも持ち合わせつつも、やや赤系が前に出て少々小振り・・まぁ収穫のタイミングでも出来は変わると思いますので一概には言えませんが、そんなイメージを持っています。
なので・・リアルワインガイドが、
「ビソーのエシェゾーか!?・・と言うとさすがにオーバーだけど・・云々」
と言うのは言い得て妙かと・・。
ただしそれには、
「ジャン=イヴ・ビゾ的なナチュール感を持ち始めている!」
と言う意味合いを大きく感じた・・と言う上での表現かな・・と感じました。素晴らしい評価でついに上値96ポイントです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイント!】 こちらもすみません・・2本だけですので飲めませんでした。2020年はヴォーヌ=ロマネ1級を造らず、すべてエシェゾーにしたということなので2ヘクタール分の収穫がすべてエシェゾーになったはずなんですね。
ですからもう少し有っても良いとは思うんですが非常に少ないです。
リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイントと言うことで、2017年ものからは2ポイントも上がっています。しかもnoisyは2019年ものはヴォーヌ=ロマネ1級を飲ませていただき、
「ん・・エシェゾーそのもの・・」
と書いたはずですので・・。
まぁ・・リーズナブルで滅茶美味しいヴォーヌ=ロマネ1級が無くなったのは残念ですが、このエシェゾーで新生グロ・フレールの方向性を見極めてみてください。ワインとのピンポン・・楽しいですよ。
以下は以前のレヴューです。
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【格落ち、若木のヴォーヌ=ロマネ1級ですら物凄いのにエシェゾーともなると・・想像を絶する世界です!】 2本のみのご案内です。昨年の2018年ものは開けたので・・ご容赦ください。
2019年のヴォーヌ=ロマネ1級が圧巻で・・いや、是非コラムをお読みください。濃密では有りますが甘く無く、濃いとは意識しないで飲めるレベルです。アルコール分は1級同様15度ですから高めでは有るんですが、「高いとは感じないほどのエレガンス」が有り、しっかり中和されているんですね。
おそらくですが、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じような醸造になっているはずですので・・これ、飲んでみたらビックリの世界じゃないかと想像しています。
そもそもは、ブルゴーニュはアルコール分が高く出ないような気候だったもので、
「アルコール分が高くなった年、造り手たちは喜んだ!」
んですね。
潜在アルコール分が低いと糖を足して補助して発酵し、ワインにしていた訳です。それをINAO も認めていたんです。昨今は温暖化で、そのような補糖はせず・・むしろ陰で補酸その他が行われているようです・・が、こちらには全くその気が有りません。
たしかに、アンヌ・グロのエシェゾーは・・「濃いな~~・・」と言うイメージでは有りますが、こちらは「・・美しい」と思えるような味わいかと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄い質感のジュースです!・・今も美味しく飲めますが・・10年経ったら凄い成長をしているはずです!】
今回の2018年ものグロ・フレールのグラン・クリュで唯一飲めたのがこのエシェゾーです。
何と言っても・・2018年バシュレ・モノだけでも全12アイテム中11アイテムのテイスティングをやっとでこなしたばかりで2018年グロ・フレール12アイテム(実際は2017年ものを含めて13アイテム)もの到着でしたので、スケジュール的にも相当困難な感じでした。おまけにそのグロ・フレール他の到着日にはもう・・他のアイテムをオファーしてくださると言う・・何とも鬼・・いや、仏のようなインポーターさんでして・・はい。
やはり2017年ものの「超ナチュラル」「サンズ・フリー」な味わいは、確かに延長上では有ります。それでもむしろ、
「僅かなSo2の添加が若いワインに焦点を造っている」
と言う感じがします。サン・スフルは柔らかで心地良いですが、若いうちは若干、焦点ボケして感じられることが多いです。これは、ミネラリティに関係すると思いますが・・So2 (亜硫酸塩)もある意味、その仲間では有りますので・・。
ただし添加量も非常に少ないので、ディテールを大きく侵食するほどでは有りません。2018年ものはアルコール分の出る造りをしたようですので、とても大柄で、エキスが今まで以上、物凄く出ていると感じました。
まぁ・・例えばですね・・梅酒を漬けることを考えてみて下さい。アルコール分の高いものを使用した方が、梅のエキスが良く出るんです。やったことが有る方はお判りかと思います。
味わいは質感良く、アルコールによるボディ感高く、エキス感もしっかりです。今良い感じで美味しいのが玉にキズでして・・早く飲まれてしまうのが勿体無いかと。10年置いたら物凄いことになっているかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【わお!・・なるほど~・・ヴァンサン・グロの立ち位置が理解できる1本です!】
言い忘れてしまったが、グロ・フレール・エ・スールのヴォーヌ=ロマネ1級は、このエシェゾーの格落ち、若木なんですね。もっと言ってしまえば、村名ヴォーヌ=ロマネにも格落ちのエシェゾーが入っているようです。
なので、村名ヴォーヌ=ロマネ -> ヴォーヌ=ロマネ1級 = エシェゾー でして、少なくともヴォーヌ=ロマネ1級とエシェゾーは、ほぼ同じ畑のワインです。出来が違うだけ・・と思って良いかと思います。
何しろヴォーヌ=ロマネ1級が滅茶美味しいですから、若木、格落ちと言っても素晴らしい出来です。今飲んでもその美味しさは隠しようが無いです。
で、エシェゾーです。非常に複雑です。フィネスもたっぷりあります。今飲んでも「するっ」と入って行ってしまいますので勘違いしちゃうんですね・・。えっ?何を?ってことですが・・。
そうなんですよ。今飲んでも普通に美味しい。それは、余計なものが入っていない、素晴らしい葡萄由来の美味しさです。でも、ただそれだけなんですね・・今は。ブラインドテイスティングをやると、おそらくヴォーヌ=ロマネ1級の方が点が高くなっちゃいますよ。ナチュラル度も凝縮感も同様だとしても・・です。
つまり、美味しく飲めてしまうが、
「飲み頃はまだ先!」
と言うことになります。
じゃぁ・・いつ頃からが飲み頃か・・と言うことになりますが、この辺はテイスターが変われば判断も変わりますんで・・。リアルワインガイド第66号は2021年から・・と言うことで、
「なるほど・・良いところをついて来てるなぁ・・」
と言う感じがします。noisy 的にも2021年からで・・同じです。余り徳丸さんとは一致しないことが多いんですが・・珍しく!
要は、So2 無しのナチュラルな栽培、造りをしたワインなので、中間的要素が抑え込まれていないんですね。ここにSo2 を入れると、もっと判りやすくなり、
「お・・さすがグラン・クリュ!」
とすぐに素直に言えるわけです。
ところが、余りに中間的要素がしっかり存在していますんで、今は、結構に「ごっちゃ」な感じなんですね。それでも「スルスル」と美味しく飲めちゃうので、ブラインドだと高い評価をつけ辛い・・と言うことになり、エチケットをオープンして、
「・・えっ?・・エシェゾーだったんだ・・」
と、自分の能力の無さに悲観するか、ドメーヌの造りに文句を言うか・・に陥る訳ですね~~・・♪♪・・いや、ワインって、本当に楽しいですね~!・・これ、絶対に飲まなきゃ判りませんよね~!
印象的には、ビゾのエシェゾーをもっとエキシーに、角を丸くしてエレガントにした感じです。もうどこにも引っ掛からないです。「するん」と喉を通り抜け、ナチュラルな「返り」が飲み手を楽しませてくれます。
美味しいお寿司なんかもぴったり合うんじゃないか?・・などと感じてしまいますね。これはそっち系にはぴったんこでしょう。最も今はまだ「早い」ですけどね。
因みにすべてのグロ・フレール・エ・スールのコラムに書いていることですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5.5」です。
ある意味、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じです。が、複雑性、コアの確実性、潜在能力は上です。熟成能力も同様でしょう。・・が飲めちゃうんですよね・・怖いなぁ・・。是非美味しく飲んで欲しい、素晴らしいグラン・クリュでした。2年は待ちましょうね。
● 2022 Richebourg Grand Cru
リッシュブール・グラン・クリュ
【至高のグラン・クリュ・リシュブール!・・あの・・神と言われた翁に引退を決意させた魅力溢れる畑です。しかもそのものの畑の・・隣に接し、でも世の中で一番リーズナブルです!】
まぁ・・これは本当に素晴らしいよ・・とか、今まで飲んだ中で最高のワインだ・・とか、飲む前から散々吹き込まれていたり、自身でも得た知見から・・想像が余りに膨らんでしまうと、結果的には良からぬことになりかねないのがこのワインの世界でもあります。
ですから・・noisy としましては、出来る限り前以ての情報は得ずにテイスティングするようにしているんですが、余りに高価だったり数が無かったり・・と言う状況が日常茶飯事になってきますと、結局のところ自分自身では全てを見届けられずに想像の上での話しとしてご紹介するようになってしまっています。
数万円だったこのヴォーヌ=ロマネの至高の畑のワインでさえも、
「何とか飲もう!」
と気概も在った訳で、実際に開けてしまってから・・
「(やっちまった・・)」
と・・決算のたびに後悔することになる訳です。
ですがこの状況は未だに打破できませんので仕方が無いのかな・・とも思いますが、まだまだ不透明な事象は起こりかねませんが、ユーロ高もやや落ち着きを見せ始めていますから何となくモチベーションも保てている・・そんな感じなのかもしれません。
アンリ・ジャイエ翁はメオ=カミュゼからのリシュブールのメタヤージュを切られて・・「引退する」と宣言したんですね。でも結局はその後十数年も、クロパラやエシェゾー・・時にA.C.ブルまで手に掛け、リリースしてくれました。彼の造るブルゴーニュワインは飲む者を・・ただの路傍の石にしてしまうほど魅力溢れるものでした。
そしてきっと彼の中の理想のワインこそが「リシュブール」であり、クロパラもエシェゾーも・・そのリシュブールに対する自身の残像を投影しながら造っていた・・そう思えます。
そして長くそのリシュブールはメオ=カミュゼが仕込んで来ましたが、出来不出来の幅がそれなりに在ったと思います。もちろん、今はもう・・神品と言うに相応しいと言える出来です。
実はアンリが耕作していたそのものの畑の隣が・・グロ家が所有している畑なんですね。グロ家は何か不思議なローテーションを家訓のようにしているようで、ミシェル・グロもいつの間にかリシュブールを得て2022年にリリースしていますが、どうやらグロ・フレールから半分戻って来たようですから、
「何をどうしてそうなった?」
と・・不思議でなりません。
そして、このリッシュブールだけではなくすべてのグロ・フレールのワインがそうなんですが、余りにメディアに無視され過ぎているように思います。もしかするとミシェル・グロも同様に思えます。
で、飲めないので評価を散々にネットを検索するんですが出て来ず・・ようやっとセラートラッカーで見つけましたが、2022 Clos Vougeot Musigni のテイスティング・レヴューで面白いコメントを見つけたんですね。少しご紹介しましょう。
「著名な生産者であり、大評論家からは著しく敬遠されている。それは、少しオンとオフがあるからだと思います。非常に抽出されて熟しすぎた古いワインを覚えています。さて、私が最近飲んだヴィンテージでは、ネガティブな驚きよりもポジティブな驚きの方が多かった。 2014 年のエシェゾーは、私が参加したブラインド テイスティングでは表彰台の常連です。価格もかなり上がっているので、市場も最近のワインは注目に値すると判断したのだと思います。クロ・ド・ヴージョだけでなく、これまでのポートフォリオは一貫して好調を示しました。スタイルは軽くてエレガントで、高品質の甘いオークの風味がたっぷりと感じられます。純粋主義者向けのワインではないかもしれないが、スタンドの前には大勢の観客が集まり、業界ではこのワインが高く評価されているようだ。また、彼らのクロ ヴージョは、シルキーなタンニン、美しいファームヤード・ファンク、エレガントな口当たり、そして余韻に残る甘いスパイスがあり、今日最高のもののひとつであると感じました。このプロデューサーを試したことがない方は、ぜひ試してみてご自身の意見を形成してください。 95-96」
そう・・確かに「抽出が強かった」のは・・知っています。一時は親父さんベルナールが逆浸透膜まで・・持ち出していました。
しかし現在はヴァンサンが、So2添加を驚くほど少なくし、しかも美しいピノ・ノワールに仕上げているんですね。2022年もののグロ・フレールを数アイテムテイスティングし、確認しています。
アンリ・ジャイエ翁が造ったリシュブールの味わいとはかけ離れていると想像しますが、メオ=カミュゼの最近のリシュブールには近いものが有るとも想像しています。
飲めないので出来得る限りのプライス付けをしました。市場で最もリーズナブルで、しかも相当期待できるリシュブールだと思います。そしてリーズナブルなことの大きな理由こそが、
「大評論家からは著しく敬遠されている」
と言うことによるのでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【リアルワインガイドはついに第83号で上値98ポイント!・・凄いですね~・・「筆舌に尽くしがたい美味しさ」・・でもリシュブールでは最安値でしょう!】
2021年のグロ・フレール・エ・スールのワインをテイスティングしてみますと、昔のグロ・フレールを知る者にとっては・・
「・・信じられないほどエレガントでナチュール感のあるワインになった!」
と驚く訳です。
そして2017~2018年頃から始まったグロ・フレールのナチュール化?を知る者にとっては、
「・・おっ・・随分とエレガント・ナチュール系で安定して来たんじゃない?」
と感じるはずです。
さらには、もしリシュブールを知る者にとっては、
「98ポイントは・・相当凄い!・・ポイントを付ける者も色んな意味で覚悟を決めないと付けられない点・・」
と思うかもしれません。
リシュブールと言うブルゴーニュワインは、ヴォーヌ=ロマネに住むドメーヌ全ての、
「手が届くかもしれない憧れの存在!」
です。
まぁ・・ヴォーヌ=ロマネですとラ・ターシュ、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネと言う巨星3つの畑は彼らにとっては「夢のまた夢」なんですね。決して造ることが出来ない存在です。
でもリシュブールこそは名乗れる畑もそれなりに大きく、
「もしかしたら造れる機会が一生に一度でも有るかも!」
と言う存在なんです。
ですからかのジャイエ翁もリシュブールには物凄い思い入れを持っていました。グロ家の畑とメオ・カミュゼ家の畑はお隣同士・・四半世紀前にはそこにはかのジャイエ翁も足しげく通い、夕方遅くまで作業していたのでしょう。
そしてグロ家でも・・リシュブールの承継は・・いずれ問題になって行くのかもしれません。
その誰もが憧れるリシュブールが、リアルワインガイドの上値98ポイントを得たのは、ある意味凄いことです。史上最高の評価では無いでしょうか。
「筆舌に尽くしがたい美味しさ!」
と評された2021年もの・・きっと物凄い芳香をエレガントに、荘厳に・・感じさせてくれるはずです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
-----
【リアルワインガイド第79号はなんと・・ポテンシャル97点!2020年でトップグループを伺う位置に到達か?】
いや・・面白いです。本人は、
「ビオはやらん」
と言ってます。でも飲んだ人は・・
「ナチュールの風味やん・・でも滅茶旨いやん・・」
と言ってます。・・一体・・どう言うことなんでしょうか?
noisy はこの2020年もののリッシュブールは飲めていないので、このアイテムについては細かな部分を言えない訳ですが、他のキュヴェをそれなりに開けた結果・・こんな風に受け取りました。
つまり・・ヴァンサンはトップに伸し上がるために様々なトライをしているんですね。So2 も使用しないないものも有れば、本人が言う通り・・ちら~っと足しているのも有るのでしょう。ビオ系の生産者がSo2を使う・・と言うのは、「樽1本に耳かき一杯」ほどです。
So2 を使わないのであれば、曲論的には・・
「超健全な葡萄のみしか使えない」
訳です。もし傷付いた葡萄や傷んだ葡萄を使用しますと、いきなりボラティルが上がってしまいます(酢酸値が上がる)から、揮発酸バリバリのワインになってしまうか、将来はワイン酢になってしまう訳です。
それを回避するためには、徹底的に畑にこだわり健全な葡萄の率を上げるか、選果台で狂うほど葡萄を選別するか・・なんですね。
その前者を成立させるため、また葡萄自体のポテンシャルを上げるためにビオディナミと言う栽培方法が有る訳です。因みにルロワもビオですよね?・・でもヴァンサンはビオはやらないと言う訳です。
ヴァンサンのワインを飲んでいると、昔の・・親父さんのワインの味わいは・・どこにも在りません。果実主体の濃くて甘いワインじゃないんです。エキス系で有りつつ、わずかなタンニンを持った長い熟成可能な・・飲みやすい味わいです。勿論、その瑞々しい味わいの中に高いポテンシャルを感じますから、
「飲みながらワインと話しが出来る!」
そんな感じなんですね。
この先もとても楽しみになって来ました。滅茶苦茶・・信じられないほど安いはずです。条件も有りませんので今の内!是非ご検討ください。
以下は以前のレヴューです。
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【大看板のリッシュブールです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。(アルコール分は15度です。)以前のレヴューを掲載しています。
まぁ・・やはり「リッシュブール」と言うリューディは「別格中の別格」なんですね。グロの持ち分は、正確には「レ・ヴェロワイユ」と言う畑です。昨年の2017年ものの記事にも書きましたが、かのクロ・パラントーに接する訳でして・・格上のリッシュブールの紹介に、格下の1級を持ち出すという、ワインの世界ではありがちでは有りますが不思議な状態では有ります。
グロ・フレールはやはりヴォーヌ=ロマネ近郊に凄い地所を持っているのが特徴です。今回はリッシュブールも飲んでしまおうか・・などとも考えましたが、リーズナブルだとは言え、・・・な価格では有りますし、この1本を飲んでしまうと、グロ・フレールのワインが売れるのは嬉しいけれど・・もう一人の人格、利益を考える社長は、「止めてくれ・・」と声高に叫んでいた訳です。
グロ・フレールの2018年ものは相当に大柄ですので、もし、2018年と言うヴィンテージに何かのセレブレーションが有るようでしたら、とても良い選択になろうかと思います。リッシュブール・・・中々買えないですから・・はい・・勿論ですが、グロ・フレールに限りませんで、お隣のメオ=カミュゼやアンヌ・フランソワーズ・グロのパーセルも入手は結構に大変です。アンヌ・フランソワーズ・グロの下部がアンヌ・グロでしたっけ・・。これも入手は難しいですよね。ご検討くださいませ。価格はかなり・・頑張りました!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・パラントーに接する区画です!】
残念ながらナチュラル度「5」が出ちゃったので・・ここにたどり着けませんでした・・と少し安心しています・・経費的に・・はい・・(^^;;
まぁ、昔なら、
「あのリシュブールに接する1級クロ・パラントー!」
などとやっていたんですが、今は逆?になっちゃいますでしょうか。
その昔、アンリ・ジャイエが開墾したキャベツ畑がリシュブール(レ・ヴェロワイユ)上部に接していました。そして、メオ=カミュゼから借りていたリシュブールの畑のワインが、アンリ・ジャイエのトップ・キュヴェで、その区画はクロ・パラに接したレ・ヴァロワーユの最上部でした。
で、メオ=カミュゼ所有区画の下の部分、こちらも同じくクロ・パラに接したレ・ヴェロワイユですが、そこがグロ・フレールの所有区画と聞いていますので、
「クロ・パラが高くて、少なくて買えなきゃグロ・フレールのリッシュブール!」
と言う考え方も有ったと思いますよ・・。まぁ、noisy も聞かれなきゃそんなことは答えないですけど・・。
なので、グロ家が持っているリシュブールの区画はレ・ヴェロワイユの2/3ほどなんですね。アンリ・ジャイエが引退を決意したのがこのレ・ヴェロワイユが造れなくなったから・・なんです。まぁ、noisy の記憶が確かならば・・なので、間違ってたらすみません。
で、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは何と、ポテンシャル95+ まで付けています。これ、ナチュラルなブルゴーニュワインではほぼトップの評価だと思います。
「ここが10年後にどうなっているのか?」
・・ご興味ないでしょうか?
おそらくですが、ナチュラル度は「5」でしょう!・・飲んでみたいですよね・・是非ご検討くださいませ!
● 2021 Chardonnay Vins Sans Indication Geographique V.d.F.
シャルドネ VSIG V.d.F.
【こちらも僅少の入荷で飲めませんでした。】
すみません・・4本だけの入荷でした。オート=コートの白が激旨なので、こちらはどうなんだろうと気にはなったのですが申し訳ありません。
リアルワインガイド的には上値 89+ポイントと高い評価でしたので、他のコラムと昨年の2020年もののレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【2020年初リリース!なんとオート=コートの横の畑で仕込んだヴァン・ド・フランス・ブランですが、リアルワインガイド第79号はポテンシャルでオート=コートを超える評価でした!】

美味しいです!・・そもそも・・
「・・あれ?・・なんだこれ・・?」
まず先に試飲分だけを仕入れていましたので、今まで見たことが無いワインが有るなんて・・オルヴォーさんから聞いてなかったんですね。なので、そもそもテクニカルを先に読むことが無いので、何を飲んでいるのか・・まったくわからずにテイスティングを始めました。少なくとも、
「まぁ・・そんなに高いワインじゃないだろうなぁ・・」
と言うのは有りましたから、気楽に臨んだことは言うまでも有りません。
ですが飲み始めて・・ちょっとビックリ・・。冷ややかでスムーズな飲み口・・でも葡萄は良く熟していて、柑橘果実と言うよりはややトロピカルな風情・・でも全然ダレてない・・これが新世界のワインになりますと、ちょっと甘くて・・プラムが熟し過ぎたような感じが混じっていて・・ん~・・ちょっとうだった感じでイマイチかなぁ・・なんて思ってしまうんですが、
「・・これはちょっと新しい美味しさ!」
と嬉しくなりました。
で、色々と調べてみたんですが、どこを見ても情報が無い・・オルヴォーさんに電話をしていても、話している最中には言いたいことを忘れてしまうと言う爺ぶりを発揮してしまう訳です。

で、あ、そうそう・・リアルワインガイドなら何か書いて有るかも・・と第79号を開いてみると、
「2020年初リリース!」
と書いてあった訳です。
リアルでは、オート=コートから少し離れたところの畑・・と書いて有りましたが、その他の情報では「オート=コートの隣」だと・・どっちが正しいかは判断できませんでしたが、
「隣って・・厳密じゃなくてもそれでも良いか・・」
と言うことにしてあります。
思うに、300メートル以上の標高のオート=コートと言うよりは、少なくとも林や森にほぼ囲まれた陽当たりの良い畑のように思います。オート=コートよりも、より複雑な感じは出やすいと思われ、この非常にバランスが良い、外交的な味わいになっていると想像されます。
それに加え、やはり2020年のヴァンサン・グロ...So2 の少なさが感じられる、ちょっとヴァン・ナチュールな雰囲気も有りつつ、危険性の無いピュアな味わいがするんですね・・。
色合いからも・・
「・・あれ?・・ビオ・・かい?」
と見える部分が存在するでしょう?
でもその色合いほどビオじゃ無いんですよね。どちらかと言うとこの「黄土色」は、
「とても葡萄が良く熟した!」
と言うことでしょう。
まぁ、リアルはこのシャルドネをより高く評価しましたが、どうでしょう・・やはりポテンシャルはオート=コートが上にある様には思います。それでもこの「シャルドネV.d.F.」の評価を下げるものではありません。非常によくできていると思いました。少ないので・・あ、こんなに書くんじゃ無かった・・4本しか入らなかったのに1本飲んでしまい・・(^^;; 是非ご検討くださいませ。
● 2021 Richebourg Grand Cru
リッシュブール・グラン・クリュ
【リアルワインガイドはついに第83号で上値98ポイント!・・凄いですね~・・「筆舌に尽くしがたい美味しさ」・・でもリシュブールでは最安値でしょう!】
2021年のグロ・フレール・エ・スールのワインをテイスティングしてみますと、昔のグロ・フレールを知る者にとっては・・
「・・信じられないほどエレガントでナチュール感のあるワインになった!」
と驚く訳です。
そして2017~2018年頃から始まったグロ・フレールのナチュール化?を知る者にとっては、
「・・おっ・・随分とエレガント・ナチュール系で安定して来たんじゃない?」
と感じるはずです。
さらには、もしリシュブールを知る者にとっては、
「98ポイントは・・相当凄い!・・ポイントを付ける者も色んな意味で覚悟を決めないと付けられない点・・」
と思うかもしれません。
リシュブールと言うブルゴーニュワインは、ヴォーヌ=ロマネに住むドメーヌ全ての、
「手が届くかもしれない憧れの存在!」
です。
まぁ・・ヴォーヌ=ロマネですとラ・ターシュ、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネと言う巨星3つの畑は彼らにとっては「夢のまた夢」なんですね。決して造ることが出来ない存在です。
でもリシュブールこそは名乗れる畑もそれなりに大きく、
「もしかしたら造れる機会が一生に一度でも有るかも!」
と言う存在なんです。
ですからかのジャイエ翁もリシュブールには物凄い思い入れを持っていました。グロ家の畑とメオ・カミュゼ家の畑はお隣同士・・四半世紀前にはそこにはかのジャイエ翁も足しげく通い、夕方遅くまで作業していたのでしょう。
そしてグロ家でも・・リシュブールの承継は・・いずれ問題になって行くのかもしれません。
その誰もが憧れるリシュブールが、リアルワインガイドの上値98ポイントを得たのは、ある意味凄いことです。史上最高の評価では無いでしょうか。
「筆舌に尽くしがたい美味しさ!」
と評された2021年もの・・きっと物凄い芳香をエレガントに、荘厳に・・感じさせてくれるはずです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【リアルワインガイド第79号はなんと・・ポテンシャル97点!2020年でトップグループを伺う位置に到達か?】
いや・・面白いです。本人は、
「ビオはやらん」
と言ってます。でも飲んだ人は・・
「ナチュールの風味やん・・でも滅茶旨いやん・・」
と言ってます。・・一体・・どう言うことなんでしょうか?
noisy はこの2020年もののリッシュブールは飲めていないので、このアイテムについては細かな部分を言えない訳ですが、他のキュヴェをそれなりに開けた結果・・こんな風に受け取りました。
つまり・・ヴァンサンはトップに伸し上がるために様々なトライをしているんですね。So2 も使用しないないものも有れば、本人が言う通り・・ちら~っと足しているのも有るのでしょう。ビオ系の生産者がSo2を使う・・と言うのは、「樽1本に耳かき一杯」ほどです。
So2 を使わないのであれば、曲論的には・・
「超健全な葡萄のみしか使えない」
訳です。もし傷付いた葡萄や傷んだ葡萄を使用しますと、いきなりボラティルが上がってしまいます(酢酸値が上がる)から、揮発酸バリバリのワインになってしまうか、将来はワイン酢になってしまう訳です。
それを回避するためには、徹底的に畑にこだわり健全な葡萄の率を上げるか、選果台で狂うほど葡萄を選別するか・・なんですね。
その前者を成立させるため、また葡萄自体のポテンシャルを上げるためにビオディナミと言う栽培方法が有る訳です。因みにルロワもビオですよね?・・でもヴァンサンはビオはやらないと言う訳です。
ヴァンサンのワインを飲んでいると、昔の・・親父さんのワインの味わいは・・どこにも在りません。果実主体の濃くて甘いワインじゃないんです。エキス系で有りつつ、わずかなタンニンを持った長い熟成可能な・・飲みやすい味わいです。勿論、その瑞々しい味わいの中に高いポテンシャルを感じますから、
「飲みながらワインと話しが出来る!」
そんな感じなんですね。
この先もとても楽しみになって来ました。滅茶苦茶・・信じられないほど安いはずです。条件も有りませんので今の内!是非ご検討ください。
以下は以前のレヴューです。
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【大看板のリッシュブールです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。(アルコール分は15度です。)以前のレヴューを掲載しています。
まぁ・・やはり「リッシュブール」と言うリューディは「別格中の別格」なんですね。グロの持ち分は、正確には「レ・ヴェロワイユ」と言う畑です。昨年の2017年ものの記事にも書きましたが、かのクロ・パラントーに接する訳でして・・格上のリッシュブールの紹介に、格下の1級を持ち出すという、ワインの世界ではありがちでは有りますが不思議な状態では有ります。
グロ・フレールはやはりヴォーヌ=ロマネ近郊に凄い地所を持っているのが特徴です。今回はリッシュブールも飲んでしまおうか・・などとも考えましたが、リーズナブルだとは言え、・・・な価格では有りますし、この1本を飲んでしまうと、グロ・フレールのワインが売れるのは嬉しいけれど・・もう一人の人格、利益を考える社長は、「止めてくれ・・」と声高に叫んでいた訳です。
グロ・フレールの2018年ものは相当に大柄ですので、もし、2018年と言うヴィンテージに何かのセレブレーションが有るようでしたら、とても良い選択になろうかと思います。リッシュブール・・・中々買えないですから・・はい・・勿論ですが、グロ・フレールに限りませんで、お隣のメオ=カミュゼやアンヌ・フランソワーズ・グロのパーセルも入手は結構に大変です。アンヌ・フランソワーズ・グロの下部がアンヌ・グロでしたっけ・・。これも入手は難しいですよね。ご検討くださいませ。価格はかなり・・頑張りました!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・パラントーに接する区画です!】
残念ながらナチュラル度「5」が出ちゃったので・・ここにたどり着けませんでした・・と少し安心しています・・経費的に・・はい・・(^^;;
まぁ、昔なら、
「あのリシュブールに接する1級クロ・パラントー!」
などとやっていたんですが、今は逆?になっちゃいますでしょうか。
その昔、アンリ・ジャイエが開墾したキャベツ畑がリシュブール(レ・ヴェロワイユ)上部に接していました。そして、メオ=カミュゼから借りていたリシュブールの畑のワインが、アンリ・ジャイエのトップ・キュヴェで、その区画はクロ・パラに接したレ・ヴァロワーユの最上部でした。
で、メオ=カミュゼ所有区画の下の部分、こちらも同じくクロ・パラに接したレ・ヴェロワイユですが、そこがグロ・フレールの所有区画と聞いていますので、
「クロ・パラが高くて、少なくて買えなきゃグロ・フレールのリッシュブール!」
と言う考え方も有ったと思いますよ・・。まぁ、noisy も聞かれなきゃそんなことは答えないですけど・・。
なので、グロ家が持っているリシュブールの区画はレ・ヴェロワイユの2/3ほどなんですね。アンリ・ジャイエが引退を決意したのがこのレ・ヴェロワイユが造れなくなったから・・なんです。まぁ、noisy の記憶が確かならば・・なので、間違ってたらすみません。
で、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは何と、ポテンシャル95+ まで付けています。これ、ナチュラルなブルゴーニュワインではほぼトップの評価だと思います。
「ここが10年後にどうなっているのか?」
・・ご興味ないでしょうか?
おそらくですが、ナチュラル度は「5」でしょう!・・飲んでみたいですよね・・是非ご検討くださいませ!
● 2021 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
【このクロ=ヴージョ・ミュジニ2021も過去最高!?・・しっとりとしたエレガントなグロ・フレール2021年を代表するワインです!】
グラン・クリュ・ミュジニー(プティ・ミュジニー)に続く位置にあるこの畑ですが、リアルワインガイド第83号によりますと、エシェゾーは開いているがクロ・ヴージョは香りは閉じているものの、味わいは素晴らしいと・・そのテイスティング時のレヴューに書いており、さらには、
「エシェゾーとクロ=ヴージョは過去最高!」
としています。
ん?・・リシュブールは?・・と思って色々と物凄い量のリアルワインガイドをひっくり返してみたものの・・確認は諦めました。
まあ・・83号も有りますとね・・20年以上分も有る訳ですからね・・いや、Noisy wine にはその冊数の10倍は・・有りますよ。販売目的で・・なので是非バックナンバーもご注文ください・・。兎に角、置いておくスペースがもう・・探すのが大変です。
で、このクロ=ヴージョはポテンシャル96ポイントで、クラシックな出来は間違い無し!・・です。・・あ、ワイン用語と言う訳ではありませんが、ワインを表する場合に、
「クラシックな出来!」
と評した意味は、
「一流~最高」
と言うことを表しています。
ただし、
「クラシカルな造り!」
などと言った場合は微妙でして、ほとんどは「古典的な造り」と言う意味で使用しているでしょう。外来語って・・難しいですよね・・でも何となく使用していますが、一応・・念のため。
数量が非常に少なく余裕が全く在りませんので noisy としましてはグラン・クリュを何か1本テイスティングを・・とも思ったのですが、
「流石にこの本数では無理」
と悟りました。過去最高のグロ・フレール、クロ=ヴージョ・ミュジニです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
-----
【リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイント!・・じゃぁ・・noisy的には??】
いや~・・実に面白いですね・・。グロ・フレールと言えば noisy 的には、
「逆浸透膜、濃密、甘め、パワフル」
でした。
まぁ・・noisy 的には余り好みでは無く、他のショップさんがエレガントなミシェル・グロを見限ってグロ・フレールを選ばれるところ・・何せ偏屈なので・・(^^;; ミシェルのワインを扱っていた訳です。それでも余りに価格競争オンリーになってしまう時はスルーしていましたが・・。
でも、このミュジニー真横(真下)に有るアン・ミュジニは超魅力的です。色彩も実に素晴らしいですよね・・むしろ2017年ものよりも濃密な色彩ですが、濃いって感じには見えないでしょう?
非常にスムーズなアロマの上がりです。フィネスたっぷり・・ブルゴーニュの中心地らしい・・らしいアロマです。クロ=ヴージョの上部なので、まず「土っぽさ」は全く無いです。ミュジニー同様・・とまでは行きませんが、やはりエキスの凝縮からでしょうか・・香水的なアロマが含まれます。果実果実はしていませんで、実に瑞々しい!軽やかさが実に良いです。

で、グロ・フレールの2020年ものの特徴とも言えるかと思いますが、2017年もののような「似非自然派」「無理やりノンSo2」みたいな・・味わいは良いけど、
「これ・・普通のショップに売らせちゃ・・ダメでしょ・・」
みたいな・・危険物扱いしなくちゃいけないような感じとはちょっと違う・・。安定感、安心感がいっしょに付いてきます。
滑らかなテクスチュアの2~3秒後、激的に上質な・・甘みさえ感じる優しいタンニンが、これまた瑞々しく流れるように感じられます。その後にノーズに還ってくるアロマもまた香水的な部分を含んでいますから・・
「・・これ・・ちょっと熟成させてもう一度ちゃんと飲みたい!」
と思っていただけるはずなんですね。
非常に上質です。良い出来です。ミュジニーは高いけれどクロ・ド・ヴージョ(・ミュジニ)なら・・まだこんな価格で仕入れられます。数年後は無理でしょうけど!
今飲んでも行けます。美味しいと思っていただけるはずですが、でももう少し落ち着かせたいかな・・。その昔・・もう四半世紀以上前になりますが、蔵出しで1950年代、1960年代のこのワインが入荷し、販売させていただいた記憶が有ります。実にしっかりしていました。
「5年や10年・・そんなちょっとやそっとの短い期間で終りを迎える・・なんてあり得ない」
んですね。ド近眼の海外メディアに騙されず、是非ともタイミングを計ってお飲みください。お勧めします!
【かつてはクロ=ヴージョ・ミュジニと名乗っていたキュヴェですが、今は自粛しています。】ミュジニー真横のパーセルです・・すみません飲めませんでした。アルコール分は14.5度です。
こちらも飲めなかった3兄弟です・・。グラン・クリュ・ミュジニー(正確にはレ・プティ・ミュジニー)に接した「アン・ミュジニ」と言うパーセルです。
2018年ものは2017年までとは異なり So2を入れたとは言え、自然生成も入れた残存合計で30~40mg ですので、全く使用しなくても 30mg ほどは出る可能性を考えれば・・非常に少量です。
ミュジニーのハイトーンな性質にクロ=ヴージョのミディアム~ロートーンの肉が付いた、非常にパーフェクトな味わいの長熟なワインで有ると想像しています。
今回は価格も相当に頑張っています。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・ヴージョ(・ミュジニ)が・・こうなるのか~!】
皆さんも良~くご存じの、グロ・フレール・エ・スールのクロ・ヴージョです。以前は「ミュジニ」を名乗っていたあのキュヴェですね。黒っぽくて濃密で、嫌いじゃ無かったですよ。何よりも安かったし・・。
でもnoisy 的にはミシェル・グロが良かったし、ちょっと濃さにこだわり過ぎるグロ・フレールやアンヌ・グロは好みでは無かったんですね・・それでもアンヌ・グロは売れちゃうし、欲しいお客さんも結構いらっしゃいましたんで続けてましたが、グロ・フレールをテイスティングを頑張ってテイスティングしてご案内したところで、
「高い!」
と言われて全く売れないでしょうし・・と言うことで止めちゃったんですね。
でも、ここまでナチュラルでエレガントに変身してしまうと、おそらくまともな姿で販売できるショップは限られてしまいますから・・
「じゃ、トライしてみようか・・」
と、アマノジャクな心に種火が灯ってしまったんですね。
挙句の果てに・・これです。売れるかどうかも判らないし、数もそんなにある訳じゃ無い、グロ・フレール珠玉のグラン・クリュを散々に開けちゃった訳です。しっかり赤字決定ですが、やっぱりやる時は腰を据えてやらないと、詰まらないじゃないですか。ただ並べているだけのサイトなんぞ、こちらはご免です。
で、早速テイスティングです。・・いや、ちょっと心が躍っちゃいましたね。クロ・ヴージョ最上部、ミュジニー(レ・プティ・ミュジニー)に続く部分の畑ですから、ミュジニーに最も近いですが、グラン=ゼシェゾーにもエシェゾーにも近いです。
味わい的には、確かにミュジニー的なミネラリティも混ざっているものの、グラン=ゼシェゾー的に集中した黒い表情や、エシェゾー的に乾いたニュアンスも有る、非常に複雑性の高い味わいなんですね。
飲んでいて実に楽しい・・です。
「ん?何で楽しいの?」
と思われるかもしれませんが、ちょうどその4つのグラン・クリュの地図でも眺めながら飲んでみて下さいよ。ある程度ブルゴーニュワインを飲まれていらした方なら、少しずつ変化する表情に、一喜一憂しつつ、脳もしっかり楽しんで飲んでいることに気付かれるに違いありません。
因みに、ヴァンサンが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」と言うのが noisy 的評価です。ほぼど真ん中です。
あまりにテクスチュアの良さに、「するする」飲めてしまいますが、やはり飲み頃的には「早い」です。noisy 的にはあと3年ほどは置きたいですね。
そしてその時にもう一度・・できることならテイスティングし、どこまで「クッキリしてくるか」確かめてみたいと思います。勿論ですが、自身の答えはすでに持っていますよ。飲んだ時にしっかり結論をしておかないと忘れてしまいますし、誰かの言葉につられてしまって、「そうだった・・はず・・」と記憶を書き換えてしまいますからね。
赤い果実が主体の滅茶複雑で心地良いグラン・クリュです。フィネスもしっかり有ります。是非トライしてみてください。
● 2021 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【リアルワインガイド第83号では「ビゾーのエシェゾーか!と言うとさすがにオーバーだけど・・」と・・これは最大の賛辞?!】
グロ家で所有していたエシェゾーは現在、グロ・フレールとアンヌ・グロが持っています(仔細な部分は判りませんが)。リューディは「ロアシューズ」ですね。
ここはエシェゾーたるエシェゾー、エシェゾー・デュ・ドスユの南側、つまりヴォーヌ=ロマネ側に接するのがレ・ロアシューズです。
そもそもエシェゾーはヴォーヌ=ロマネのアペラシオンでは有りますが、村はヴォーヌ=ロマネでは無くフラジェ=エシェゾーです。ヴォーヌ=ロマネ側の中央部北端は、
「1級畑レ・スショ」
で、その北隣がレ・ロアシューズ、さらにその北隣がエシェゾー・デュ・ドスユになります。
つまり1級レ・スショの南側がリシュブールですから、
「1級レ・スショでグラン・クリュを分断した形」
になっているんですね。
noisy 的には、リシュブールは粘土が強くやや湿っていて、エシェゾーは比較的乾いた感じがしています。そして、レ・ロアシューズはエシェゾー・デュ・ドスユの茶系で充実してどっしりした感じをも持ち合わせつつも、やや赤系が前に出て少々小振り・・まぁ収穫のタイミングでも出来は変わると思いますので一概には言えませんが、そんなイメージを持っています。
なので・・リアルワインガイドが、
「ビソーのエシェゾーか!?・・と言うとさすがにオーバーだけど・・云々」
と言うのは言い得て妙かと・・。
ただしそれには、
「ジャン=イヴ・ビゾ的なナチュール感を持ち始めている!」
と言う意味合いを大きく感じた・・と言う上での表現かな・・と感じました。素晴らしい評価でついに上値96ポイントです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイント!】 こちらもすみません・・2本だけですので飲めませんでした。2020年はヴォーヌ=ロマネ1級を造らず、すべてエシェゾーにしたということなので2ヘクタール分の収穫がすべてエシェゾーになったはずなんですね。
ですからもう少し有っても良いとは思うんですが非常に少ないです。
リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイントと言うことで、2017年ものからは2ポイントも上がっています。しかもnoisyは2019年ものはヴォーヌ=ロマネ1級を飲ませていただき、
「ん・・エシェゾーそのもの・・」
と書いたはずですので・・。
まぁ・・リーズナブルで滅茶美味しいヴォーヌ=ロマネ1級が無くなったのは残念ですが、このエシェゾーで新生グロ・フレールの方向性を見極めてみてください。ワインとのピンポン・・楽しいですよ。
以下は以前のレヴューです。
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【格落ち、若木のヴォーヌ=ロマネ1級ですら物凄いのにエシェゾーともなると・・想像を絶する世界です!】 2本のみのご案内です。昨年の2018年ものは開けたので・・ご容赦ください。
2019年のヴォーヌ=ロマネ1級が圧巻で・・いや、是非コラムをお読みください。濃密では有りますが甘く無く、濃いとは意識しないで飲めるレベルです。アルコール分は1級同様15度ですから高めでは有るんですが、「高いとは感じないほどのエレガンス」が有り、しっかり中和されているんですね。
おそらくですが、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じような醸造になっているはずですので・・これ、飲んでみたらビックリの世界じゃないかと想像しています。
そもそもは、ブルゴーニュはアルコール分が高く出ないような気候だったもので、
「アルコール分が高くなった年、造り手たちは喜んだ!」
んですね。
潜在アルコール分が低いと糖を足して補助して発酵し、ワインにしていた訳です。それをINAO も認めていたんです。昨今は温暖化で、そのような補糖はせず・・むしろ陰で補酸その他が行われているようです・・が、こちらには全くその気が有りません。
たしかに、アンヌ・グロのエシェゾーは・・「濃いな~~・・」と言うイメージでは有りますが、こちらは「・・美しい」と思えるような味わいかと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄い質感のジュースです!・・今も美味しく飲めますが・・10年経ったら凄い成長をしているはずです!】
今回の2018年ものグロ・フレールのグラン・クリュで唯一飲めたのがこのエシェゾーです。
何と言っても・・2018年バシュレ・モノだけでも全12アイテム中11アイテムのテイスティングをやっとでこなしたばかりで2018年グロ・フレール12アイテム(実際は2017年ものを含めて13アイテム)もの到着でしたので、スケジュール的にも相当困難な感じでした。おまけにそのグロ・フレール他の到着日にはもう・・他のアイテムをオファーしてくださると言う・・何とも鬼・・いや、仏のようなインポーターさんでして・・はい。
やはり2017年ものの「超ナチュラル」「サンズ・フリー」な味わいは、確かに延長上では有ります。それでもむしろ、
「僅かなSo2の添加が若いワインに焦点を造っている」
と言う感じがします。サン・スフルは柔らかで心地良いですが、若いうちは若干、焦点ボケして感じられることが多いです。これは、ミネラリティに関係すると思いますが・・So2 (亜硫酸塩)もある意味、その仲間では有りますので・・。
ただし添加量も非常に少ないので、ディテールを大きく侵食するほどでは有りません。2018年ものはアルコール分の出る造りをしたようですので、とても大柄で、エキスが今まで以上、物凄く出ていると感じました。
まぁ・・例えばですね・・梅酒を漬けることを考えてみて下さい。アルコール分の高いものを使用した方が、梅のエキスが良く出るんです。やったことが有る方はお判りかと思います。
味わいは質感良く、アルコールによるボディ感高く、エキス感もしっかりです。今良い感じで美味しいのが玉にキズでして・・早く飲まれてしまうのが勿体無いかと。10年置いたら物凄いことになっているかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【わお!・・なるほど~・・ヴァンサン・グロの立ち位置が理解できる1本です!】
言い忘れてしまったが、グロ・フレール・エ・スールのヴォーヌ=ロマネ1級は、このエシェゾーの格落ち、若木なんですね。もっと言ってしまえば、村名ヴォーヌ=ロマネにも格落ちのエシェゾーが入っているようです。
なので、村名ヴォーヌ=ロマネ -> ヴォーヌ=ロマネ1級 = エシェゾー でして、少なくともヴォーヌ=ロマネ1級とエシェゾーは、ほぼ同じ畑のワインです。出来が違うだけ・・と思って良いかと思います。
何しろヴォーヌ=ロマネ1級が滅茶美味しいですから、若木、格落ちと言っても素晴らしい出来です。今飲んでもその美味しさは隠しようが無いです。
で、エシェゾーです。非常に複雑です。フィネスもたっぷりあります。今飲んでも「するっ」と入って行ってしまいますので勘違いしちゃうんですね・・。えっ?何を?ってことですが・・。
そうなんですよ。今飲んでも普通に美味しい。それは、余計なものが入っていない、素晴らしい葡萄由来の美味しさです。でも、ただそれだけなんですね・・今は。ブラインドテイスティングをやると、おそらくヴォーヌ=ロマネ1級の方が点が高くなっちゃいますよ。ナチュラル度も凝縮感も同様だとしても・・です。
つまり、美味しく飲めてしまうが、
「飲み頃はまだ先!」
と言うことになります。
じゃぁ・・いつ頃からが飲み頃か・・と言うことになりますが、この辺はテイスターが変われば判断も変わりますんで・・。リアルワインガイド第66号は2021年から・・と言うことで、
「なるほど・・良いところをついて来てるなぁ・・」
と言う感じがします。noisy 的にも2021年からで・・同じです。余り徳丸さんとは一致しないことが多いんですが・・珍しく!
要は、So2 無しのナチュラルな栽培、造りをしたワインなので、中間的要素が抑え込まれていないんですね。ここにSo2 を入れると、もっと判りやすくなり、
「お・・さすがグラン・クリュ!」
とすぐに素直に言えるわけです。
ところが、余りに中間的要素がしっかり存在していますんで、今は、結構に「ごっちゃ」な感じなんですね。それでも「スルスル」と美味しく飲めちゃうので、ブラインドだと高い評価をつけ辛い・・と言うことになり、エチケットをオープンして、
「・・えっ?・・エシェゾーだったんだ・・」
と、自分の能力の無さに悲観するか、ドメーヌの造りに文句を言うか・・に陥る訳ですね~~・・♪♪・・いや、ワインって、本当に楽しいですね~!・・これ、絶対に飲まなきゃ判りませんよね~!
印象的には、ビゾのエシェゾーをもっとエキシーに、角を丸くしてエレガントにした感じです。もうどこにも引っ掛からないです。「するん」と喉を通り抜け、ナチュラルな「返り」が飲み手を楽しませてくれます。
美味しいお寿司なんかもぴったり合うんじゃないか?・・などと感じてしまいますね。これはそっち系にはぴったんこでしょう。最も今はまだ「早い」ですけどね。
因みにすべてのグロ・フレール・エ・スールのコラムに書いていることですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5.5」です。
ある意味、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じです。が、複雑性、コアの確実性、潜在能力は上です。熟成能力も同様でしょう。・・が飲めちゃうんですよね・・怖いなぁ・・。是非美味しく飲んで欲しい、素晴らしいグラン・クリュでした。2年は待ちましょうね。
● 2021 Vosne-Romanee 1er Cru les Chaumes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ショーム
【・・すみません、1本だけです。】
少ないとは言え、このクラスが1本だと・・萎えちゃいますよね・・。申し訳ありません。
ですが、リアルワインガイド的には・・相当、この1級レ・ショームからナチュール感を得たようで・・ただしそれは栽培からと言うよりは、So2 の使用量の少なさからのようですね。
なので、
「このフレッシュ感はSo2の使用が最小限じゃないと出来ない」
と言ってます。
まぁ・・ヴァンサン自身も栽培も含めてビオと普通の真ん中を目指すと言ってますから・・ある意味、
「有言実行し、それが成功した。」
と言えるのかもしれません。
また、この1級レ・ショーム..と言いますとメオ=カミュゼですよね。古くからブルゴーニュの畑を多く持っていたメオ家とグロ家は、結構な具合に所有畑がくっ付いていたりします。と言うことは、メオの畑の小作はアンリ・ジャイエやジャン・タルディが受け持っていましたから、畑によってはアンリ・ジャイエが耕作していた訳です。
ですが残念ながら?・・こちらはジャン・タルディでしたが、タルディのレ・ショームも良かったですよ。勿論、タルディが同じくメタヤージュで造っていたクロ=ヴージョ・グラン・モーペルテュイもメオ家のものでした。
そしてグラン・モーペルティイと言えば・・グロ家でしょう?
ですので、メオ家とグロ家を知ることで、ヴォーヌ=ロマネの1/5~1/4ほどは理解出来る可能性が有るんじゃないか?・・などと昔は思ってました。実際、その比較をするには随分と時間が掛かるかもしれませんが、
「畑がお隣同士?・・もしくは名前が一緒ならその可能性大?」
と思っていると、判ってくることも有るかと思います。
こちらも2020年ものと全くの同評価では有りますが、
「味わいは相当違うはず!」
と感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【クロ・デ・レア上部のレ・ショーム!グロ・フレールのクロ・デ・レア・・と言っても良いかもしれません。】
2020年ものレ・ショームは出来が相当良いです・・って・・結構にクロ・デ・レアに似た感じがしますし、ちょっと熟した感?・・いや、複雑感かな・・細やかな表情がいつもより出ているような感じがします。
その昔ジャン・グロの看板は勿論リシュブールでしたが、1級クロ・デ・レアも2枚看板だった訳です。このクロ・デ・レアは若くして飲むと美しいんですが、ちょっと複雑性が乏しい感じがする・・。でも5~10年放置しておくといつの間にやら官能さと複雑性が出てくるんですね。
まぁ・・優れた1級であるレ・マルコンソールはもう少し早めにその素晴らしさを見せてくれますが、完熟したクロ・デ・レアもまた素晴らしいですよ。
そんなクロ・デ・レアに似た感じを見せるのがレ・ショームでして・・美しく昇華したきれいな土っぽさ?・・が全面に出やすいんですが、2020年ものは奥に隠れ、瑞々しい表情には細やかな果実、フラワリーさ、甘美さを今から感じさせてくれます。

また、2020年もののグロ・フレールの特徴だとも思いますが、結構にナチュラル感はあるものの、
「臭くない」
です。
臭くない・・と言うのは・・ビオ嫌いの方が良く言う・・
「ビオって臭くない?」
と言うのに近く、揮発酸値は非常に低いですからご安心ください。
ただし・・
「2本しか入荷してないのに1本飲んでしまったので、販売は1本だけ!」
です。なので、コラムを仕立てている場合じゃぁ無い・・(^^;; さっさと次のコラムを書き上げないといけないのに・・何をやっているんだろう・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ラ・ターシュに接するクロ・デ・レア上部の1級レ・ショーム!・・飲んだ瞬間に「レ・ショーム」と想像出来る?見事な表現でした!】

ジャン・タルディやメオ=カミュゼのレ・ショームが大好物な noisy にとっては、「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ショーム」はすでに自分の中にイメージを構成出来てしまっているようなワインのひとつです。特にジャン・タルディ(メオのメタヤージュ)の作は、ほんのりしたシミジミさの中から出てくる微細な表情に「ホックリ」していたものです。
こちらもアルコール分はそれなりに出ていますが、ま~・・葡萄の質の良さが「簡単に判ってしまう」ほど・・素晴らしいです。相当シビアな選別をし、エルヴァージュ中も赤子を育てるかのようにショックを与えないようにしていたんじゃないかと思います。
何せ、あのラ・ターシュに接しながら・・余りラ・ターシュらしくないのが良かったりする訳です。どこか、中域が「す~っ」と流れて行く感じが有って、その空いた空間に後から微細な表情が戻って来るように感じるんですね・・。あ、判らないですよね・・すみません。
そんなどこか「風情」と呼びたいものを感じる1級レ・ショームなんですが、2017年ものは入っておらず・・比較はできませんでした。ですが、
「これは旨い!」
です。
好き嫌いは有るとしても、この格別な葡萄の質の良さを感じるのは、やはりこのレ・ショームから上のキュヴェになるかと思います。ご検討くださいませ!・・数は無いです。
● 2021 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【瑞々しさとキュッと締まった果皮のニュアンスが強く、内に秘めたヴォーヌ=ロマネらしさを少しずつ解放してくれる、エレガンスとフィネスが素晴らしい村名です!】

良いですね~・・過去一番の出来じゃないでしょうか。親父さんが造っていた頃の濃ゆくてパワフルなヴォーヌ=ロマネは影を完全に潜めました。
このヴォーヌ=ロマネ村名は、エージェント情報が無いですが・・noisy 調べで、
「オ・コミュネ、オ・レア、オ・ドスユ・ド・ラ・リヴィエール」
の3つの畑のブレンドです。
オ・コミュネは1級クロ・デ・レアの真下、オ・コミュネはクロ・デ・レアの南に接し、オ・ドスユ・ド・ラ・リヴィエールはオ・レアの真下です。
なので、
「ちょっとクロ・デ・レアに似た感じ」
が有りますから、プティ・クロ・デ・レアと言っても良いかもしれません。
それとですね・・今までは余りそう言った話しにならなかったのに、いきなりそんな細かいことを言い始めたのは、
「少しミシェル・グロの味わいに似て来た」
と言うことも有りますが、
「ずいぶんとディテールが細やかに見えるようになって来た」
と感じています。
そもそもグロ・フレールは、逆浸透膜を使用して濃いワインを造っていた時期が有り、またヴァンサンがドメーヌの仕事をやり始めてからどんどんエレガント系へと変化して来たことを考えますと、
「第一次改革は成功し、段落的にはこの2021年ものでドメーヌのワインの姿を確定出来た!」
と感じました。勿論、さらなる改革は続くに違いないとも・・思っていますが。

リアルワインガイド的には、
「ナチュール感が増え・・」
と言っていますが、編集長もかつてご自身が言っていたように、
「それはビオとか、自然派とか、栽培についてはほとんど変わっていない」
ものが、栽培も少しずつ自然な方法を取り入れて来ていることも感じられた上で、
「So2 の使用量の大幅な減少」
が言えると思います。
ですのでディテールが非常に良く見えるようになり、クロ・デ・レアのようなニュアンスのあるヴォーヌ=ロマネの南側+下側を彷彿させてくれます。
チェリーな果実には、昔のような「(まっ)黒さ」は無く、僅かに黒味を持ったものに変革、そして果皮のニュアンスが凄くしっかり有り、小粒のピノ・ファン的な煙のニュアンスと、そこから進んでの皮革のニュアンス、スパイスと、中域の適度な膨らみからの・・美しい収束がとても気持ち良いです。
これは良く出来た、少し若いけれど美味しくいただける村名ヴォーヌ=ロマネです。
リアルはポテンシャル93ポイントで、noisy も納得の評価です。是非ご検討くださいませ。リーズナブルだと思います。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【この柔らかなテクスチュアを持ったヴォーヌ=ロマネ村名は、実に愛しい・・心に染みる味わいです!】
リアルワインガイドも書いていますが、
「キノコ有り」
なんて・・まるでコサールやパカレみたいじゃ在りませんか・・。
まぁ・・最近は「梅キノコ」「梅昆布茶」みたいな表現はグッと減ってしまったような気がしますが、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、超バランスの取れた味わい」
ながらも、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、しなやかなアロマに官能感」
が染み出し、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、柔らかな酸ながらの複雑な味わい」
がするんですね。
その上で、2020年のヴァンサン・グロらしいナチュール感がしっとりと漂う・・しかし、そこには2017年もののような「危うさは無い」んです。エキス系のエレガントな味わいです。

ですから、ある意味・・ミシェル・グロの味わいの方に寄ったように思えるでしょう?
「・・でも、ミシェル・グロには余り似ていない感じ」
がしています。
言ってしまえばミシェル・グロの方が硬質です。酵母の関係かもしれませんし、So2の使い方・・還っては、栽培の方法にもよるかもしれません。
それに樽臭いことも全くない・・んですよ。その昔のグロ・フレールは樽の存在は結構に有りました。その上で濃かった・・。
今は新型コロナ禍で余り情報が入って来ませんが、
「ヴァンサン・グロはグロ・フレールを大改革中!」
であると・・このヴォーヌ=ロマネはおっしゃってます・・(^^
今飲んでも相当美味しいですが、3~5年ほど寝かせますと驚くような表情になるでしょう。濃さっていうことで言いますと、
「むしろアメリー・ベルトーの方が全然濃い」
です。見事な出来でした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【柔らかで優しい・・アルコール分の低いベースキュヴェと、アルコール分がそこそこ合ってエキスが超美味しい上級キュヴェを繋いでいるのがこのヴォーヌ=ロマネ村名です!】
超絶にエキスが美味しいヴォーヌ=ロマネ1級の圧巻さには及ばないものの、優しい穏やかな美味しさと、エキスがアルコールにしっかり溶け込んでいる感がちゃんと伝わって来るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネです。
他のコラムでも書きましたが、基本・・余り高めのアルコール分のブルゴーニュワインは好みでは無い noisy です。しかし、2019年のグロ・フレールはそうはなりませんでした。
この村名ヴォーヌ=ロマネ、香りもしっかり立ち、スピードも有り、エレガントなんですが、ちゃんと中盤以降押してくる旨味が有るんですね。しかも注いで15分ほど経過すると、その複雑性が高くなり、ボディはさらに膨れ上がり、しかし・・
「饒舌になりすぎない、うるさくならない美味しさ」
が有るんですね。
実はnoisy 的には、このようなタイプに出会ったことが有りません。高目のアルコール分のブルゴーニュワインは、やっぱり「強い!」と・・過ぎる感で萎えてしまうんです。
ところが2019年のグロ・フレールには驚かされました。まぁ、アルコール分が高目とは言え、滅茶苦茶高い訳ではありませんが、結構に神経質なところの有る・・いや、そう自覚している noisy 自身、シビアに感じてしまう部分なんです・・他の方が気にしていないとしても。
そして、このような少しアルコール分が高めに出たブルゴーニュワインは、しっかり保つワインになります。5年、10年じゃ全く下手らないんですね・・。
さらには、今飲んでも結構に美味しいです。飲んで行くとどんどん膨らんで来ます。しなやかな美味しさとヴォーヌ=ロマネ的柔らかく暖かめの酸とスパイスの味わいが、何とも素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものも・・結構ビゾっぽいです!】
流石に2017年もののような、モロにドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネ風な味わいは僅かに薄れたかもしれません。それでも味筋は結構に似通っています。
2018年ものはアルコール分が結構出ていますので、2017年ものよりパワフルに感じられると思います。本来ですとアルコール分の出辛かったブルゴーニュ・ピノ・ノワールにとっては、素晴らしい出来事では有るんですが、リリース直後の味わいだけを考えますと、ボリューム感が先に出て来るかな?・・と言う感じもします。
しかしながらそのボリューム感こそは、エージングで磨かれてゆくのがワインの常識でして、ワインの評論家さんたちがコケにした1976年もののその後の評価を考えれば、
「今も美味しいが先行きはもっと楽しみ!」
と言うのが正解かと思います。
またこのキュヴェには、先のエシェゾー(・レ・ロアショース)から弾いた部分が入っていますので、それが垂直方向のボディ感をさらに深めているようにも思います。
今飲んでヴォーヌ=ロマネの豊かさを感じさせ、10年以上寝かせておおらかでゆったりしたヴォーヌ=ロマネの存在感を見せてくれるはずの村名かと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】
ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
● 2021 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【これは旨い!ヴァンサン・グロのワインを評価するなら、このワインが良いでしょう!どこかヴォーヌ=ロマネを彷彿させるキュッと締まった小果実のニュアンスが最高です!】

この色彩!・・良い感じでしょう?・・そして密やかに漂ってくるアロマは、やはりピノ・ファン的な煙っぽいニュアンス・・。非常に高質なニュアンスを感じます。
口内に入れますとエキスが集中していてむっちりと・・口内で小さ目のパレットを描き、少しだけ・・拡がってくれます。水面に水滴を一滴、落としたように・・。決して「だ~っ」と一気に拡がるのではなく、自制を持って少しだけ・・です。そんな表情が、このワインの高質さを語っているように感じます。
泡目の色彩が赤中心で透明感を多く含み、暑苦しく無く冷ややかな感じがします。こりゃぁ・・旨いです!
畑はどこか・・と調べてみましたら、ヴォーヌ=ロマネの上部・・つまり西側にずんずん行きますと、コルボワンとコンクゥールと言う集落が有ります。クロ・パラントーからちょうど直線距離で1000メートルほどでコルボワン、コルボワンからコンクゥールまでは同600メートル弱です。
ここにはヴォーヌ=ロマネとはまた違った、広くて穏やかな丘陵が拡がっていて、若干標高が高いものの・・昨今では気温上昇で苦しむ畑が多いコート・ド・ニュイの畑よりも条件が良さそうにも感じます。
まだブドウ畑で埋め尽くされるような感じでは無く、草原が拡がっていて、何とも美しい風景をGoogle map で見ることが出来ます。

今や・・Noisy wine でもご案内していますが、
「パスグラで6千円、またそれ以上!」
が普通になって来ています。
その上がり具合がワインのポテンシャル上昇と比例しているのであれば、お客様も納得できますから、
「パスグラで以前のA.C.ブル以上のポテンシャルを実現!」
なら良いですが、前年で3千円以下だったワインが倍にもなってしまいますと、ちょっと萎えちゃいますよね。
色々と考え、お骨折りくださるインポーターさんもいらっしゃれば、どう考えても調子に乗り過ぎな会社も有ります。特にブルゴーニュのインポーターさんは10年前は、
「非常に辛かった」
はずなんですね。
ところがこの2年ほどは価格は右肩上がり、数量は少し減ったものの、在庫はしないで良いほど、簡単に掃けてしまう訳ですから・・鼻もどんどん伸びちゃう訳です。その内・・伸びた鼻が左右に引っかかって、振り向くことさえ出来ないことになってしまうことに気付かないんでしょうか・・。
と言う訳で、村名ヴォーヌ=ロマネと共に、このオート=コートを激推ししたいと思います。
「リーズナブルでめっちゃ高品質!」
です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【エキスの美味しさとアルコール分と・・すべてのバランスに長けた・・「可憐なピノ!」と言いたくなるエレガントな味わいです!】
「・・こう来たのか~!」
と・・まぁ、ある意味、noisy の得意な、
「エレガンスたっぷり、濃く無い、言っちゃえば薄目、でも何も不足してなくて、瑞々しくて流れるような味わいから可憐な還りがノーズに有るワイン」
に大変身していましたので・・大いに驚いてしまっている訳です。
その傾向は2020年のグロ・フレールのすべてのワインに当てはまり、テロワール・・葡萄の個性によって、それぞれの違いをエレガントに感じさせてくれています。
ですから、
「2019年までのグロ・フレールは・・いったん忘れるべき!」
と言っておくのが良いか・・と思うんですね。
色彩だけ見ますと、この下の2018年もの(So2をちゃんと入れたもの)よりも濃いでしょう?
でも味わいは全然違います。そもそもが瑞々しいんですよ。ナチュールっぽいか?・・と言われますと、そこも微妙では有りますが、エレガントで優しく、でも味わいはしっかりしている・・んです。ちょっと相反するように思えるかもしれませんが、そこは飲んでいただけましたらご理解いただけると思います。

で、ヴァンサン・グロさん・・いや~・・相当、色々とトライしているようですよ。ヴィンテージの個性と畑の個性を失わないように・・色々トライしているのが何となく伝わって来ます。
ですから、この下のクラスのピノ・ノワールもまた・・「同じトーン」を持っていてとてもおいしいんですね~・・。
このワインはオート=コートですから標高が高く涼しいので、やや冷ややかで硬質に仕上がります。ヴォーヌ=ロマネのような温かみは少なく、比べてしまうと硬めな感じでは有りますが、
「そもそも2020年のグロ・フレールは柔らかなニュアンスが表情の表面に出ていて、優しくエレガント!」
なんですね。
リアルワインガイドはその辺りをNWっぽい・・と言っているように思います。noisy はその上で、So2 は少ない・・と思いますが、入れているかいないか・・はテイスティング時点では判断しかねました。
可憐な味わいです。瑞々しいです。実にエレガントです・・昔のグロ・フレールは忘れ、
「ヴァンサン・グロの2020年からは、全く違うワインになった!」
と思ってください。お勧めします!
【So2を・・圧力に負けて入れた2018年のオート=コート!・・これはしっかり出来ています・・し、So2を入れなかった2017年ものも少しだけ再入荷していますので、その比較も楽しいはず!】
いや・・面白いものですね・・。2017年ものはSo2ゼロで、滅茶しなやかでフカフカ・・ですが、
「こんなもの、普通にショップに出したら、全部逝かれてしまうに違い無い!」
と、かなり不安に思ったものでした。ナチュラルで可憐さが有ってシミジミと美味しい自然派的なワインでした。
しかしながら、So2を少量入れた2018年もののオート=コートは、かなり・・違う部分も感じられる仕上がりでした!
何せ、アルコール分は14度と・・まぁ、平均値に近いものでは有りますが、僅かに入れたSo2によって、むしろ、
「焦点はビッチリと有ってると感じさせられる」
のが不思議では有ります。
その上で、2017年ものの「シミジミさ」はほぼ無く、
「キッチリ出来た美味しいオート=コートのピノ・ノワール!」
と感じさせてくれるんですね。
しかも、以前のグロ・フレール・エ・スールのような、濃厚でやや甘さまで感じるようなパワフルなピノ・ノワールとも、また全然違う・・。
「お~い、どこに行こうとしてるんだ~?」
と声を掛けたくなりますが、このワインはこれでとても美味しいので、別に何も悪いことも無い・・。
でも、アイデンティティと言うものが有るだろ?・・みたいな感覚も有り・・いや、これからしばらくはちょっと目が離せないかな・・と思っています。
ちょうど2017年のSo2の入っていないオート=コートも買えましたので、比較してみていただけますと・・楽しいかな?・・と思います。イタリアワインで有り、無しは比較出来ても、
「ブルゴーニュワインの同じものをヴィンテージ違いでSo2有り無し比較が出来る!」
何ていう芸当は、この先はそうそう易々とは出来ないと思いますよ。ご検討くださいませ。
以下は2017年のSo2無しのレヴューです。
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【見事にナチュラルな感覚のワイン!それもブルゴーニュのピノ・ノワールです!】
2016年以降のグロ・フレール・エ・スールのワインが、どのようなものなのかと思い、アチコチかなり時間を掛けて検索してみたものの、結局全く判らず、ただ2015年以前と同様にページに並んでいるだけの状況に唖然としてしまいました。
反対に、
「それならnoisy の出番もあるかな・・」
とも思えた訳なので、安易には批判もできません。・・でも酷いですね。noisy がテイスティングした結果としては、このレベルのナチュラル・ワインがもし、蛍光灯や太陽光がガンガン当たる温度管理もまともにされていない・・されていたとしても18度ほどの売り場に並べられていたら・・としたら、想像を絶するコンディションになってしまうと思います。ナチュラルワインを専門に、もしくは看板に上げているショップでさえ、「夏に暖かいセラー」だったりすることが多いですから、まして今までの「グロ・フレール」と同様に扱われているとするなら、とても怖い状況です。
リアルワインガイド第66号が88+ 89 と評点し、大地の風味に満ちた見事なブルゴーニュのナチュラルワインと評したオート・コート・ド・ニュイです。
ヴァンサン・グロが言う
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~6.5」ほどかと思います。
なので、
「それなりにナチュラル度は高目」
と言えるでしょう。少なくともA.C.ブルとは、中間点の「5」を挟んで「対局の立ち位置」です。この辺りは成長途中のドメーヌですので、少しブレも感じますが、キュヴェによる自然派度の違い?・・を点数化するのはnoisy位でしょうから一般的では無いですね。でも、この方が判りやすいと思います。
その上で、非常に良く出来たブルゴーニュのナチュラルワインで有る・・と言いたいと思います。ハッキリ言ってこのワイン、揮発酸は有ります。しかし、ナチュラルワインに重きを置く方には、全く問題にもならないレベルでしょう。良い面が非常に勝っているし、若干鈍い方には(・・失礼)揮発酸も検出できないでしょう。普通の方には、
「・・あ、あるな・・」
と判ると思います。
柔らかでふくよかなスピードあるアロマは非常に心地良く、揮発酸のニュアンスはほぼ在りません。口に含むと、確かに揮発酸系のニュアンスが有りますが、艶々のチェリーと非常に美しい赤みを帯びた柔らかくフカフカの土、中高域から高域にかけての伸びやかさと、全体を通しての滑らかさが秀逸です。余韻も実に良い感じです。
他のコラムでも書きましたが、So2を使用しタイトに締まったワインは、その構造を判りやすく見せてはくれますが、サン・スフルのワインは、その要素と要素の間にあるもっと細やかな要素をも、しっかりと見せてくれますので、良く言えば「非常に繊細」です。悪く言えば、「ぼんやりとしているように見える」とも言えるかもしれません。
しかし、全ての要素が何にも阻害されずに表に現れてくることこそが、真のそのワインの姿、テロワールの姿を映していると言えます。
今飲んでも実に美味しいですし、何の引っ掛かりもなく、ストンっと喉を通り抜け、ニュアンスを残してくれます。これが熟してきますと、So2 を使用したキュヴェ同様に構造が見やすく、スッキリとしたものになりますし、抑え込まれずに済んだもっと細やかな表情さえも綺麗な熟を迎えることが出来る訳ですね。
「ナチュラルな要素が心地良く無い」
と思われる方には、このオート=コートの赤は無理でしょう。でも、それ以外の方には是非飲んでみていただきたいと思います。そして出来れば数年後の姿を見てみて欲しい・・心よりそう思います。ご検討くださいませ。
● 2021 Chemin des Moines de Vergy V.d.T.
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジ V.d.T.
【2本だけです。】
非常に少ない入荷で申し訳ありません。リアルワインガイド第83号は上値92+ポイントと、おそらく過去最高更新だと思いますが違ったらすみません。
グロ・ファミリーでは所有畑の組み換えが行われたようで、グロ・フレール・エ・スールのグラン=ゼシェゾーは2021年ものが最終ながら、自家売のみで輸出無し、2022年からはアンヌ・グロの所有になるそうです。お兄ちゃんたち・・アンヌにはま~・・優しいんだから!でもここだけの話し、アンヌ・グロは南フランスのワインが有るので、扱うのは結構に大変なんですね・・それでも安かった昔は良いんですが、
「このワインは南仏のリシュブールだから・・」
などと言われてしまうと・・やや甘くて強い性格のその南仏のリシュブールは外人さんたちにはともかく、日本人にはちょっと・・と思ってしまうんですけどね。
すみません、飲めないので以下の以前のレヴューと2021年の他のコラムをご参考にご検討いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【・・これは・・阿鼻叫喚の世界を呼ぶ、振り返ることのできない一本道か?】
今回はリアルワインガイド第79号のレヴューを掲載させていただきましたので、ぜひそちらもご覧いただきまして・・このコラムをお読みいただきたいと思います。
まぁ・・やっちまったなぁ・・です。リアルワインガイドもそのように書いていますが、まったく同感な部分と、ちょっと異なる感じの部分が有ります。
それにしても2020年もののこのヴェルジーで..やってくれましたね。安いワインじゃないですからね・・と言いますか、もしかしたら・・
「ん?・・ある意味、他のキュヴェでも・・ほとんど同じなんじゃないの?」
と言うような疑問が沸いてきます。
そう、2020年のグロ・フレールは、
「エレガント」
「可憐さ」
「みずみずしさ」
「柔らかさ」
「香りの上がりの速さ」

が感じられ、そこに、
「畑の個性」
「ヴィンテージの個性」
が感じられる訳ですね。
で、言ってしまえば・・「自然派」です。リアル的にはナチュール・ワインです。ヴァン・ナチュールと言いたい人もいらっしゃいます。
でもヴァンサンは、
「ビオにはならない」
と言っています・・そして、
「So2も入れている」
と。
さらには、このヴェルジーには入れたと・・言っているようです。
この、超繊細で優しく、ノーズの速い・・エレガントで複雑性の高いワイン・・是非飲んでみていただき、ワインと会話してみてください。noisy 的にはもう少し言いたいことも有りますが、
「何せ数が無いので、余り長く書いても・・なんだかなぁ・・」
なので・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【非常に複雑性の高い味わいです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
グロ・フレールはヴォーヌ=ロマネのワインがほとんどですので味筋は結構に共通項は有るんですが、2017~2018年と開けてみた感覚としては、
「ここは僅かに異なるか?」
と言う印象が芽生え始めています。
豊かな2018年もの・・と言う説明だけでは伝えきれない感じがします。・・何故って・・相当に複雑性を感じてしまったから・・です。
重くならず、軽くない・・中庸な感じでは有りますが、ヴォーヌ=ロマネのワインが持つ酸の穏やかさは、もう少ししっかりした感じになります。言ってみれば・・ジュヴレが入り込んだ感じ・・でしょうか。
まぁ、ヴェルジですからジュヴレが入ったとしても違和感はないのかな?・・っとも思いますが、やはりここの畑は、この先も注視して行く必要があるかと思っています。何せ温暖化の世の中ですから、この先はオート=コートがグラン・クリュになりかねない・・等と言うしょうもない「噂」が一部から出ているようですしね。
畑の位置も、もう少し特定してみたいですね。情報をお持ちの方は是非・・ご一報ください・・(^^;;お勧めします!・・数は全然無いです。
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!起承転結がクッキリ!ナチュラルだが、それを強く感じさせないバランスの良さ!ヴォーヌ=ロマネ村名並みです!】
これは旨かった!・・ナチュラルさはむしろ他の下級キュヴェより抑え目に出ている感じで、グラスから漂う柔らかく早い官能的なファーストノーズからの口入、中盤、終盤、余韻と、しっかりその段階を感じさせてくれる「普通のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」的な感じが、何の違和感も感じさせない美味しさです。
このシュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジは、ヴォーヌ=ロマネから(資料にはやや恣意的にラ・ターシュと書いてありますが)西に昇って行き、幾つかあるヴェルジの村へ向かう途中に有る古い畑のようです。近くにはオート=コート・ド・ニュイやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ格の畑が有りますが、長く打ち捨てられていた「古いクロの跡地」だったようで、アペラシオンを名乗れないので「ヴァン・ド・ターブル」格になっているようです。
ラ・ターシュから500メートル歩くと言うことですからヴォーヌ=ロマネからは少し離れており、Googleで写真を見てみると、
「なるほど・・ここかな?」
と思える場所が有ります。
「ここを買収して3年目の葡萄で醸造したのなら、さぞかし、力の無い味わいなんだろうなぁ・・」
「それにしちゃぁ・・高いよ」
などと、高をくくっていた訳ですが、あにはからんや・・ちょっとビックリさせられました。
「村名並みじゃん・・」
表現するのは難しいですが・・これで3~4年目かよ・・とビックリするような集中感が有ります。noisy が育てているピノ・ファンはそろそろ5年かな?・・こんなに立派には絶対になりませんから・・。黒みのしっかりした果実が・・そうだなぁ・・チョコチップのような感じでアチコチに有り、その間を穏やかな赤いチェリーやベリーが埋めているような感覚でしょうか。
ピュアさも有り、ナチュラルですが、むしろ揮発酸は非常に少なく・・いや、全く無いとは言いませんが、まず気付く方は極少数派でしょう・・滑らかでしっとりと優しいです。
オート=コートよりも高い値付けですが、これは村名並みのポテンシャルをすでに持っており、個性もしっかり有りそうですから、
「将来、大化けするかも!」
と言う気を持たせてもくれます。
是非Googleで、地図を見てみてください。3D で見ると面白いですよ。ヴォーヌ=ロマネの村を西に上がり、畑の無い部分を通り越した辺りです。それ以上西に向かうとオート=コートの畑群が有り、もっと行くとヴェルジの各村に入り、現在修復中のロマネ=サン=ヴィヴァン・ヴェルジ修道院も確認できます。ご検討くださいませ。
P.S.
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3.5~4.5」の間ほどです。
● 2021 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン
【毎年めっちゃ美味しいオート=コート・ブランですが、2021年ものはさらに頭抜けて美味しい!・・蜜に南北の柑橘がしっかりミネラリティと共に感じられます!超お勧め!】

これは旨い・・毎年美味しいグロ・フレールのオート=コート白ですが、2021年ものはもう・・
「過去最高、間違い無し!」
ですし、
「千変万化なこのワインは今までともまた違う姿!」
を見せてくれます。
アルコール分13パーセントで仕上がった2021年のこのワインは、2020年ものの12.5パーセントとほぼ同様のボリュームです。何年のものだったか覚えが希薄ですが、アルコール分が15パーセント近く出た年も有ったはずで、それはもっとボリューム感が強く、膨らみ方が異常に感じるほどだったと・・。
黄色が強く、ゴールドに近い色彩で輝いています。新樽、多いのかな・・と。そして、何とも言えない素晴らしいアロマ!・・柑橘、果実が黄色や白だけではなく、オレンジや、やや赤みを伴ったものまで多種多彩です。
そして心地良い「蜜」をはっきり感じますが、それが全てを覆うのではなく、ただひとつの要素としてだけ・・高質なアロマや味わいとしてだけ・・感じられるんですね。

ですから、基本、ドライなんですがエキスの集中の結果としての甘み感でしょうか・・蜜のニュアンスを高めていますし、ミネラリティも半端無く高く、下支えをしっかりしています。
酸バランスもすこぶる素晴らしい!・・こりゃぁ・・飲むしかないと・・超お勧めです。
リアル的にはこんな感じ。
「口に含むと液体はコクみとトロみがあり、グロ・フレール的な甘さと豊かさなんだけれども美しい酸がビシッと締める」
いや・・そう・・noisy もそう言いたかったんですが、リアルにはそう記載されていたので、それらをバラバラにして再配置しないと独自のレヴューにならないもんで・・はい。
でも、もっと付けても良いんじゃないですかね・・リアルは91ポイント止まりですが、noisy 的にはもう少し上まで見るでしょう。最もその辺は色々有りますが、
「過去最高、間違い無し!」
とシツコク申し上げておきます。これは飲むっきゃ無い・・素晴らしいシャルドネです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【毎年大いにブレまくるオート=コート・ブランですが、何故かいつも美味しいと思ってしまう・・なんと2020年ものはアルコール度12.5度のエレガントタイプです!】
以前のグロ・フレールのこのワインを飲まれた方はどう思われるでしょうか?
「・・アルコール分が高いけど・・なぜか滅茶美味しい!」
「ボディがしっかりで飲み応えも有る!」
「ちょっとトロピカルなフレーヴァーが好き!」
みたいな・・感じでしょうか。
すみません!・・2020年もので上記と合っているのは、最後の「ちょっとだけトロピカル」だけ・・です。激繊細系、激エレガント、激チャーミングなシャルドネ・・になってまして・・でも、
「それでいてバランスが滅茶良い!」
と言う、非常に不思議な仕上がりなんですね・・。
で、noisy も、
「コラムを書いたら次の日にはその内容を忘れている」
ものでして、先ほどこの昔書いたコラムを読み返してみて・・
「・・うわ・・やっちまった・・」
と思ってしまいました。なぜって・・
「そうだ!・・不思議ちゃんで行こう!」
と思っていたから・・です。

それじゃぁ・・昨年書いた記事と同じじゃないですか・・だめだこりゃ・・です。そもそも1年中、レヴューを書きまくっておりまして、パソコンのキーをタイプする量がワイン屋とは思えない・・と思われているらしい・・いや、そもそもワイン屋の仕事している時間は僅かで、それ以外の雑用をこなしている時間の方がかなり長いと、常連さんは知っている訳です。
で、この素晴らしい色彩をご覧ください・・。強い黄色をしていますね・・緑はほぼ入っていないようです。ですから、
「滅茶熟している!」
と言うことと、
「おそらく新樽も使っている」
のは間違い無いかと思われます。
アロマはほんのりグラマラスで柔らかく、やや太めです。でも冷ややかで優しい感じ・・とてもニュートラルです。
すこしトロピカルが入った感じの柑橘果実が新鮮です。でも熟していてもうだって無いのは「V.d.F.シャルドネ」と同様。アルコール分が高く無いので2019年以前のこのワインとはまたちょっと違ったワインのようにも思われますが、2020年ものがむしろ「ブルゴーニュらしい仕上がり」なのでしょう。それにしても毎年出来が大きく違う・・つまり、
「ヴァンサン・グロは、様々なトライをし続けている!」
と感じています。
色だけみるとグラマラス、でも味わいは繊細で可憐・・です。酸バランスもしっかりしているのでグダグダしていないのかと思います。このバランスも非常に美味しい!・・そう感じます。
まぁ・・価格が結構上がっているので、そこは noisy もグッと我慢・・頑張って価格を出しました。リアルワインガイドによりますと2019年もののこのワインの上代は6千円だそうですから、2020年ものは一体どうなっちゃうのか・・と言うことで、
「Noisy wine は頑張って価格を出させていただきました。」
飲んでみてください。これを飲んだら・・グロ・フレールのファンになっちゃうかもしれません。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【こんなバランスのブルゴーニュ・ブランはグロ・フレールでしか味わえないでしょう!・・タイトながらも大きな構造!・・しかも香ります!】
このワインは2018年ものと一緒ですね~・・バランス的には、2005年のフィリップ・パカレ、「アンディジェーヌ」と一緒です。このブランに関してはブルゴーニュと言うよりももう少し南下した感じ・・でもブルゴーニュ的なエレガンスもちゃんと有ると言う、
「滅茶不思議ちゃんな白!」
なんです。それで普通な美味しさなら大したことは無いんですが、後を引く美味しさなんですよ・・。
果実も、ブルゴーニュのニュイと言うよりはボーヌ...ピュリニー辺りの良く熟れた感じのものに思えます。ミネラリティとアルコール分がほぼ同量のようなニュアンスで、ちょっとシャルルマーニュ・・入ってますか?・・みたいなイメージです。
構造もそれなりに大きくて・・やはりボリューム感が素晴らしく有ります。時間の経過でボディがグググっと膨らんで来ます。そしてそこからの表情が素晴らしいんですね。
ブルゴーニュの南と言うとローヌですよね。でも、ローヌのバランスとは一概にも言えません・・。酸がちゃんと有りますから・・はい。その酸の美味しさもまた格別だし、非常にドライなのに美味しさが逃げて行かない・・旨味がちゃんとしっかり有るのが特徴です。
ま~・・何とも不思議ちゃんです。不思議ちゃんドメーヌが造り出す、最も不思議ちゃんな白です。これ・・美味しいと思ってしまうnoisy を、noisy 自身が信じられないんですよね・・飲んでみて下さい。
「これはこれで有り!」
と確信しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これ・・滅茶苦茶美味しいです・・一体、何なんだ・・・このバランス!大好きです!】
2018年もののグロ・フレールは、押しなべてややアルコール分が強く、ボディが豊かです。それが下級キュヴェから上級キュヴェまで、統一されています。結構に飲みましたので・・(^^;; 理解しています。
個人的には穏やかな感じだけれど、複雑性が有って、流れるような味わいのブルゴーニュワインが好きなんですね。なので、
「このように、ボディの豊かなブルゴーニュワインはちょっと苦手」
では有ります。
そうは言っても・・2018年のグロ・フレールが美味しくない・・と言っている訳では無いんですね。むしろ、
「余り無いタイプのブルゴーニュ」
であるのは間違いない訳です。
だって、造り手には2通り有りますから・・自分のイメージを具現化し、それに合わせて栽培もワイン造りも調整して行くタイプと、気候を含んだテロワールこそが大事で、自分は採れた葡萄を単にワインに昇華するだけ・・と、栽培もワイン造りもほぼ一定のものとするタイプです。まぁ、大きく分けて・・です。
だとしますと、
「一体、どっちがテロワリストなのか?」
は、相当に微妙でしょう?
グロ・フレールは後者です。古い時代のブルゴーニュのイメージを守ろう・・とはしていません。だから、葡萄の糖分が上がれば、それを確実にアルコールに転嫁することを良しとするのでしょう。
では、他の造り手はどうでしょう?・・きっと、そうはしないでしょう?・・どっちらテロワールを大事にしているのか、かなり難しい話になってしまうんですね。
で、このオート=コートの白が、その答えになりそうなんですよ。白ワインだけに・・エルヴァージュ後の熟が進んでいるんですね。飲んでみると・・これが・・
「めっちゃくっちゃ美味しい!」
んです。
ですが、余りに今までのブルゴーニュワインとはイメージが違う美味しさなんですよ。だから、ボーヌの偉大なシャルドネは、余り比較対象とも出来ないんです。
かといって、ローヌの白ワインと比較できるか?・・と言いますと、アルコール分はローヌの方が高いことも有りますが、ブルゴーニュの白の、酸の多彩さやミネラリティの組成の違い、結果としての「エレガンス表情の圧倒的な違い」が、ローヌの白とも比較対象にならない・・んですね。
ですので、これはやはり、まごうことなき、「ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン」で有り、それも、滅茶苦茶美味しい・・ちょっと感動するくらい・・・(^^;;
しかも経験したことの無い美味しさ・・・なんですね~。これ、是非飲んでみて下さい。温暖化へのストレートな答えを含んだ、見事なワインだと・・noisy は思っています。お勧めします!
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【 滅茶苦茶旨い!ナチュラルだが自然派嫌いでも全然OK!揮発酸は感じません!柔らかく見事に美しいシャルドネです! 】

このオート・コート・ド・ニュイの白は大成功だったんじゃないかと思いますよ。普通だと白の方が酸化制御で難しいはずなんですが、醸しはしていないと思われる、
「最高に美味しいシャルドネ!」
になってたんですね・・。これ・・もっと飲みたい!・・と思っちゃいましたが、案の定、カミさんも気に入ったらしく、飲むスピードが速いもので・・はい・・。
色落ちも少なく、自然派やビオを意識しなければ、フツーのワインだと思って終わってしまうと思います。それも「早々に」無くなるはずです。
ピュアで少し豊満な果実がたっぷりあり、シャルドネ特有の中域、中高域の太さに加え、繊細でナチュラルな風味が高域に抜けて行き、そこを侵食する揮発酸系の香りが無いですから・・見事に美味しいのでしょう。
自然派系の白、しかもSo2不使用ですから、少し長く栓を抜いておくと色落ちはするはずです・・が、確認する前に無くなっちゃいました。素晴らしいバランスをしていると思います。90点以上付けて良いかな・・と思います。超お勧め!・・これは旨いです!
因みにお馴染み?のナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3」です。
揮発酸的な要素は全く無いとは言いませんが検出限界ですから、その意味では上記のナチュラル度は「1」です。揮発酸的要素を除いたナチュラル度が「5」で、平均して「3」と言うことにしました。是非飲んでみてください。誰も美味しい!・・と言っていただけると確信しています!
● 2021 Pino Noir Vins Sans Indication Geographique V.d.T.
ピノ・ノワール VSIG V.d.T.
【少な過ぎて飲めませんでした。】
下が少な過ぎるとどうにもならないので、少ないのはキャンセルで・・と言いたいところですが、部分キャンセルをやってしまいますと間柄がね・・と言うことで、結局開けられずに放置してしまいました。
ですがリアルワインガイド的には、
「A.C.ブルより格下とはとても思えない出来」
としていますので、行けるんじゃないかと・・。
なお、A.C.ブル2021赤は諸事情により、来春まで成熟させることにしました。申し訳ありません。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【どんなビオ系ドメーヌのピノ・ノワールよりも繊細かも・・しれません。】
劇的に繊細なピノ・ノワールです。元々はコトー・ブルギニヨンだそうですから、上級のA.O.C.の畑とは認定されていないのかと思います。
ですがそれにしても・・素晴らしいです。リアルワインガイドが言うように、So2は使って無いかもしれません。
その上で本人は否定していますが、
「本当にビオディナミ、目指してないの?」
と疑ってしまいますよ。
ある意味、ホメオパシーのフレデリック・コサールよりも・・ビオっぽいっちゃ・・ぽいです。ですが、
「ビオ臭い」
のとは・・異なります。
やはりSo2 の少なさがそれを実現しているのかもしれませんが、話しはそんなに簡単なものじゃないんですよね。

他のコラムにも書きましたが、So2を使いたくないなら・・入れなければ良いんです。
ですがそれでは・・アルコールを食べて酢酸を生成する菌を止められない訳です。
そうしたくないなら・・徹頭徹尾、
「超優良で健康な葡萄だけを使って醸造する」
しか無いんです。
で、このリーズナブルなピノ・ノワールは、それをほぼ・・ほぼ・・ですよ・・実現しているんです。
「あちゃ~・・やっちまったな・・」
と言いますか、
「そんなこと出来るの?(出来るはずないっしょ?・・の反語)」
ですので、この超繊細系のみずみずしさ、奥にある官能さにビックリしています。何十年も持つワインでは在りませんが、それにしても素晴らしいです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2019年もので一皮剥けたグロ・フレールのベースのキュヴェは、「エレガンスとは・・何?」と考えさせられる美味しさです!】
普通なら・・noisy も、
「ん~・・・これ、飲みたくないかも・・」
と、飲みもせずに仕入れなかった可能性が有ります。だって・・
「アルコール分14度のパスグラの葡萄のワイン」
なんですから・・何かもう、そのバランスが信じられなくて、
「飲まなくても判る」
ような気になってしまったんですね。
でも、この「ピノ・ノワール」と「ヴォーヌ=ロマネ1級」を飲んで、その認識を変えました。
「・・ん~・・やっぱり思い込みは良く無い!」
と大いに反省しました。これ・・
「めっちゃ美味しい!」
です。しかも、
「とてもエレガント!」
ですし、
「複雑な要素の絡みも良く判る!」
のが特徴でも有ります。
なので、
「・・アルコール分14度だから・・」
などは関係ないと思ってください。
どうなんでしょう・・どんな意識でこのように仕上げて来ているのかは判らないんですが、アルコール分がほんの少し高めではあるにせよ、エキスの美味しさとふんわりとした柔らかなテクスチュア、ふわふわ感がちゃんと有るんですよ。
それに加え、モレ近郊の畑のようですが、モレっぽい紫の果実の風味もほんのりと感じられ、伸びが良く、味わいがしっかり深いんですね・・。
普通は14度以上になってきますと、ほとんどの場合・・
「アルコールが浮いてる・・分離した感じ」
とか、
「ん~・・強いな~!」
と言う意識が全てをマスキングしてしまうものだと思うんですね。
なので、noisy 的には、その辺りを無意識にも避けてしまっていたのかもしれません・・・いや、でもそれは一般には間違っていないと思いますけどね。
この14度の「ピノ・ノワール」・・エレガントで美味しい・・と言ったら信じられますか?・・それに結構に複雑性が見えやすいんですよ・・しかも、今飲んで滅茶美味しい!・・くて価格もリーズナブルです。飲まない訳には行かないでしょう?
是非飲んでみて下さい。ご紹介が遅れてしまったので、減らしたのに、さらに減らされてしまったので、相当少ないです。
2019年、グロ・フレールは一皮むけたのは間違いないと思います。So2 も使っているといいながら、結構少ないんじゃないかと感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【So2を少量のみ使用したヴァン・ド・ターブルのピノ・ノワール!とてもリーズナブルです!】
ようやっと書き残していたキュヴェもコラムを書ける時間を取れました。2018年のグロ・フレールのご案内から随分と時間が経ってしい申し訳ありません。
こちらのキュヴェはモレ=サン=ドニにあるA.O.C.パストゥグラン表示が許された畑のようです。なので、ピノ・ノワール100%だとパスグラ表示も、コトー=ブルギニヨン表示も出来ず、単に「2018」「ヴァン・ド・ターブル」「ピノ・ノワール」と言うことになり、「ブルゴーニュ」は全く表示無しです。
おまけに「ヴァン・ド・ターブル」なので「ドメーヌ」も表示できないと言う、厳しい規制では有りますが、ブルゴーニュワインを守ると言う観点は決して外せないのでしょう。
ブルゴーニュ・ルージュよりはやや軽いものの、とてもピュアな味わいです。アルコール分も13.5度と高く無く、ちょうど良い感じですね。
ただし、モレ郊外の畑とのことですが、モレ=サン=ドニの雰囲気はあるのか?・・と聞かれますと・・「ない」と答えなくてはなりません。
それでもブルゴーニュ的で有るか?・・と聞かれましたら、とてもブルゴーニュ的です・・と答えられるでしょう。
そもそも昨今のA.C.ブルゴーニュのレジョナルワインは非常に高価です。人気の高くなったセシル・トランブレイなど、一体幾らになってしまうのか・・
「大丈夫かなぁ・・」
と、心配になってしまいますが、片や、こんなところでブルゴーニュも名乗れず、でもブルゴーニュワインをリーズナブルに販売されている・・のが、ある意味とても変な感じに思います。
滅茶苦茶美味しい!・・とは言いませんが、実にリーズナブルに、理解できる味わいのピノ・ノワールに仕上がっていると思います。是非ご検討くださいませ。
● 2021 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【ようやっとバランスして来ました!・・今から飲んでも納得していただけるだろう・・味わい!・・香りがめっちゃ色っぽいです!】

ず~っと・・でもしっかりセラーで置いておきました。本当はそんなことはあまりしたく無いんですが・・数も無いですし・・
でも、置いておいた甲斐が有りまして、
「アロマは最高!・・ながら、酸は平べったく硬く、バランスの無い味わい・・」
になっていた2021年のグロ・フレールのA.C.ブルです。
まぁ・・ある意味、めっちゃ正直なワインです。そのまんま、テロワールとヴィンテージを写し取っています。
なので、
「冷ややか」
「でも葡萄は選りすぐり」
「だから滅茶正直な味わい」
「でも真っ裸だから熟成不足」

と言う状況だったんですね。
で、7~8月まで何とか引っ張ってテイスティングしてみましたところ、まだ幾分の硬さが感じられるものの・・少しの時間の問題だろうと判断させていただきました。
で、1枚目と2枚目の写真は8月28日にテイスティングした時のものになります。
さらにその下の3枚目と4枚目の写真は2023年の末にテイスティングしたものですね・・面白いでしょう?
まぁ・・僅かな差ではあるんですが、これだけでも・・
「今、販売して良いかどうか?」
と言う判断が真逆になるんですね・・。
アロマはもう・・素晴らしいです!・・グロ・フレール..どうしちゃったの?・・みたいに素晴らしいです。ちょっとだけ硬いですが酸も柔らかさを見せていますし、飲み進めていく内に良い感じになると思います。少ないので・・何せ2本も開けちゃいましたので、お早めにどうぞ。
以下は2023年末にご案内した時のこのワインのレヴューです。
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【香り、めちゃすっごい!・・味わい・・「ん?」】
すみません・・色々と思うところが有りまして、取りあえずこのワインは販売せずに来春まで置くことにしました。
香りはもう・・凄いです。
「A.C.ブルにして・・この香り!」
と言いたくなるような高質なものです。
飲んでもエレガントです~っと入って来て非常に心地良いので、
「・・おっ・・これは2021年のグロ・フレール、ずいぶん良く・・」
などと感じていたんですが、
「・・あれ?」
と。
ちょっとですね・・終盤に溶け込み切れない・・つまり、未成熟なニュアンスが有りまして、経験上・・この感じだと・・
「・・あかん・・半年、かかるかなぁ・・」

ま、多分ですね・・全然許されるレベルだと思うんですけどね。でも、A.C.ブルって皆さん、結構に・・
「さっさと飲んでしまわれるパターンが多い」
はずですよね?
としますと・・このワインから先に飲まれると、
「・・この状態だと勘違いされるかも・・」
と思ってしまったんですね。
エレガントに仕上がって実に良い感じでは有りますが、エレガントで今までよりも淡いだけに・・仕上がり切っていない部分の突出感があるんですね。
なので申し訳ありませんがこのA.C.ブル2021 は、
「とりあえず来春まで放置」
することにしました・・。
「ん?・・そんなこと言ったって、テイスティングしていないキュヴェは・・どうすんの?」
と言われるかもしれませんが・・
「テイスティングしてしまった以上は、出来ることをしないと・・」
と言うことでお許しいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。来春、またお会いしましょう。
以下は以前のレヴューを掲載しています。
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【驚くなかれ!・・何と・・激繊細系のA.C.ブルをグロ・フレールが造っちゃいました!・・しかも可憐で美味しいです!】
透明感があふれるA.C.ブルです。小さな果実・・ベリーとほんのりプラム・・。リアルワインガイド風に言いますと「梅昆布茶」「梅キノコ」でしょうか・・。劇的に繊細です。本当にこのワインにグロ・フレールのものなのかと・・頭の固いnoisy には、にわかに信じられないです。
そうは言っても2016年~17年にはSo2を入れずに仕上げまして、余りの苦情に2018年には戻したわけです。
「・・ん?・・それって・・造り手の責任なの?」
と・・noisy は思ってしまいますね。
「ちゃんと管理していれば問題は無いはず」
です。
まぁ・・
「テイスティングしていないし、メディアも何も伝えないから判らなかった」
と言う訳です。

ある意味、フレデリック・コサールやフィリップ・パカレに近い味わいかと思いますが、So2 はそれなりに使用するパカレと、今は全く使用していないコサールの中間位・・のニュアンスかと思うんですね。
でもだからと言って、
「揮発酸臭い!」
と言うようにはなっていません。よほど検出力が強い方は判りませんが・・
ですので、皆さんも noisy 同様に・・驚かれると思いますよ。
「・・これは・・グロ・フレールなのか?」
と。
美しく可憐な味わいと、柔らかなアロマ・・そして上質な甘やかにさえ感じるタンニンを僅かに感じます。良い出来です・・「可憐だ」と何度も言いたくなります。飲んでみてください!・・数が無いのでお早めにどうぞ。
以下は以前のレヴューです。
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【アルコール分13.5度のしなやかでエキスがしっかり、しかも素晴らしくエレガントで柔らかな高質A.C.ブルゴーニュ!】
え~・・このA.C.ブルに加え、単に「ピノ・ノワール」と言うキュヴェも有りますので・・お間違いの無きよう・・。
2019年のグロ・フレールは全体的にアルコール分が高目で・・飲む前から怖気づいてしまい、仕入れの数を減らしてしまいましたが・・飲んだ後の気持ちは・・「失敗したかも・・・」と言うような想いに捕らわれてしまいました。だって・・
「不思議ちゃんだけど・・美味しい・・」
んですもん。
このA.C.ブルは13.5度ですが、14度、15度も有り得る訳ですから、低めでエレガント系が好きな noisy としましては、ビビッてしまった訳ですね。
しかしながらこのA.C.ブル、出来が滅茶良いです!・・もちろん、アルコール分は他のドメーヌと同様ですので、何も問題は有りません。
違う部分としましては・・・ヴォーヌ=ロマネ1級以上を飲んでいただけましたらおそらくお判りいただけると思います・・が、
「ピノ・ノワールのエキスがアルコールと一体化した、素晴らしい表情!」
が感じられるんですね。
これ、実はアルコール分がもっと低くても有り得る訳ですが、飲んでいると意外にも気付きにくいものなんです。
ですが、ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュはもう・・そこが余りにも半端無いので、バリバリに見えてしまうんですね。
で、そのヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュが持っている超上質なエキスの美味しさの一端を、このアルコール分の低いA.C.ブルも持っているんですよ・・。
美しい色をしているでしょう?・・これ、醸造が非常に上手く行った証拠でもあると思います。そうでなければこのしなやかさとエキスの美味しさ、表情は出てこないでしょう・・アルコール分は高く無く、細やかな部分の造りこみも美しいので、エレガンスは普通に感じられると思います。
アルコール分が低いものと高いものが混在、でも、アルコール分が浮いて感じられず、エキスがアルコールと一体化したピノ・ノワールの美しさを表現出来てしまったグロ・フレールの2019年ものです。
少ないですが、是非飲んでみて下さい!・・超お勧めです・・できれば上級キュヴェで、あのエキスの素晴らしい美味しさも味わってみて下さい。
以下は以前のレヴューです。
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【豊かな味わいの2018年ブルゴーニュ・ピノ・ノワール! 何と2千円代でご紹介いたします!2018年グロ・フレールの傾向はこれを飲めば判る!?】
まあ、確かにこのプライスは有難いですよね。今回はかなり頑張って値付けしていますので、3千円切ってのご紹介です。最も消費税を足すと超えてしまいますし、10月からの酒税の変更で、ワイン屋さんは750ML当たり 7.5円の手持ち課税を徴収されることになっています。
「また余分な仕事が増えて・・しかもこの出費は痛い・・」
です。一体、どれだけ在庫があるのか・・頑張って調べなければ判りません。
2018年もののA.C.ブルです。豊かなボディ感がしっかり感じられる14度と言うアルコール分ですので、いつもよりわずかに低めの温度で飲み始めるのが良いかと思います。
このA.C.ブルを飲むと、ヴァンサンが何を考えているのか・・少し判ると思いますし、この延長上に2018年の素晴らしいエシェゾーが有ります。
エキスの美味しさは格別ですし、しかも2017年ものとも相当に異なります。そしてSo2の少なさ・・これも特筆すべきでしょう。
非常にリーズナブルながら、ヴォーヌ=ロマネ的に丸い酸の優しい美味しさに満ちています。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【新生グロ・フレール・エ・スールの入門として最適です!力のある黒い果実が各所にちりばめられ、優しい赤い果実で埋め尽くされています。】

2017年もののグロ・フレール・エ・スールを扱うことにしたので、大赤字を覚悟で「グラン=ゼシェゾー」まで開けちゃいましたんで、グロ・フレールのおおよその全体像を掴むことができました。
「なるほど・・ビオにこだわらないヴァン・ナチュールのブルゴーニュ、ど真ん中のワイン・・ね」
言ってしまえば、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
とヴァンサンが言う立ち位置は、「なるほど・・」と言う感想がぴったりです。
「なんでそうしているのか、そうしなければいけないのか」
が判り辛い「ビオディナミ」には興味が無く、しかしビオディナミがもたらす見事な影響の恩恵は受けたい・・と言うような、現代っ子の若者が安易に目指しそうな立ち位置なのかもしれません。
しかしながら、noisy はそこに「ブルゴーニュの未来」をも見せてくれるワインに、非常なる興味を持ったんですね。事実、とても美味しいですよ。
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3~4」です。
なので、
「余りキツイビオはダメだけど自然派は好き」
と言う方には全く問題が無く、
「少しでも自然派のニュアンスが有れば駄目」
と言う方には無理な立ち位置のワインです。
このA.C.ブルゴーニュが「Ok」だと思われる方は、noisy 的分析では、このワインは「3.5」位で並みの自然派寄りで有り、グロ・フレールは「6」位まで有る・・と思っていただければ選択は間違えないと思います。シュマンもほぼ同様な感じですが、もう少し真ん中寄りかな?・・なので「3.5~4.5」位です。
親の兄弟でもあるミシェル・グロのワインは、So2 を使用するピュアな果実の美しいワインです。2015年までは濃いワインだったと思いますが、現状は、
「ミシェル・グロよりエレガント!」
だと感じます。
出来ましたら、充分に休めてお召し上がりください。大変身したグロ・フレール・エ・スール・・・是非ご検討くださいませ。
P.S.因みにリアルワインガイド第66号で徳丸さんが「豆っぽさ」について言及していましたが、消えたのか、ロット違いの性かは判りませんが、noisy には検出できないレベルでしたのでご安心ください。
● 2020 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン
【毎年大いにブレまくるオート=コート・ブランですが、何故かいつも美味しいと思ってしまう・・なんと2020年ものはアルコール度12.5度のエレガントタイプです!】

以前のグロ・フレールのこのワインを飲まれた方はどう思われるでしょうか?
「・・アルコール分が高いけど・・なぜか滅茶美味しい!」
「ボディがしっかりで飲み応えも有る!」
「ちょっとトロピカルなフレーヴァーが好き!」
みたいな・・感じでしょうか。
すみません!・・2020年もので上記と合っているのは、最後の「ちょっとだけトロピカル」だけ・・です。激繊細系、激エレガント、激チャーミングなシャルドネ・・になってまして・・でも、
「それでいてバランスが滅茶良い!」
と言う、非常に不思議な仕上がりなんですね・・。
で、noisy も、
「コラムを書いたら次の日にはその内容を忘れている」
ものでして、先ほどこの昔書いたコラムを読み返してみて・・
「・・うわ・・やっちまった・・」
と思ってしまいました。なぜって・・
「そうだ!・・不思議ちゃんで行こう!」
と思っていたから・・です。

それじゃぁ・・昨年書いた記事と同じじゃないですか・・だめだこりゃ・・です。そもそも1年中、レヴューを書きまくっておりまして、パソコンのキーをタイプする量がワイン屋とは思えない・・と思われているらしい・・いや、そもそもワイン屋の仕事している時間は僅かで、それ以外の雑用をこなしている時間の方がかなり長いと、常連さんは知っている訳です。
で、この素晴らしい色彩をご覧ください・・。強い黄色をしていますね・・緑はほぼ入っていないようです。ですから、
「滅茶熟している!」
と言うことと、
「おそらく新樽も使っている」
のは間違い無いかと思われます。
アロマはほんのりグラマラスで柔らかく、やや太めです。でも冷ややかで優しい感じ・・とてもニュートラルです。
すこしトロピカルが入った感じの柑橘果実が新鮮です。でも熟していてもうだって無いのは「V.d.F.シャルドネ」と同様。アルコール分が高く無いので2019年以前のこのワインとはまたちょっと違ったワインのようにも思われますが、2020年ものがむしろ「ブルゴーニュらしい仕上がり」なのでしょう。それにしても毎年出来が大きく違う・・つまり、
「ヴァンサン・グロは、様々なトライをし続けている!」
と感じています。
色だけみるとグラマラス、でも味わいは繊細で可憐・・です。酸バランスもしっかりしているのでグダグダしていないのかと思います。このバランスも非常に美味しい!・・そう感じます。
まぁ・・価格が結構上がっているので、そこは noisy もグッと我慢・・頑張って価格を出しました。リアルワインガイドによりますと2019年もののこのワインの上代は6千円だそうですから、2020年ものは一体どうなっちゃうのか・・と言うことで、
「Noisy wine は頑張って価格を出させていただきました。」
飲んでみてください。これを飲んだら・・グロ・フレールのファンになっちゃうかもしれません。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【こんなバランスのブルゴーニュ・ブランはグロ・フレールでしか味わえないでしょう!・・タイトながらも大きな構造!・・しかも香ります!】
このワインは2018年ものと一緒ですね~・・バランス的には、2005年のフィリップ・パカレ、「アンディジェーヌ」と一緒です。このブランに関してはブルゴーニュと言うよりももう少し南下した感じ・・でもブルゴーニュ的なエレガンスもちゃんと有ると言う、
「滅茶不思議ちゃんな白!」
なんです。それで普通な美味しさなら大したことは無いんですが、後を引く美味しさなんですよ・・。
果実も、ブルゴーニュのニュイと言うよりはボーヌ...ピュリニー辺りの良く熟れた感じのものに思えます。ミネラリティとアルコール分がほぼ同量のようなニュアンスで、ちょっとシャルルマーニュ・・入ってますか?・・みたいなイメージです。
構造もそれなりに大きくて・・やはりボリューム感が素晴らしく有ります。時間の経過でボディがグググっと膨らんで来ます。そしてそこからの表情が素晴らしいんですね。
ブルゴーニュの南と言うとローヌですよね。でも、ローヌのバランスとは一概にも言えません・・。酸がちゃんと有りますから・・はい。その酸の美味しさもまた格別だし、非常にドライなのに美味しさが逃げて行かない・・旨味がちゃんとしっかり有るのが特徴です。
ま~・・何とも不思議ちゃんです。不思議ちゃんドメーヌが造り出す、最も不思議ちゃんな白です。これ・・美味しいと思ってしまうnoisy を、noisy 自身が信じられないんですよね・・飲んでみて下さい。
「これはこれで有り!」
と確信しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これ・・滅茶苦茶美味しいです・・一体、何なんだ・・・このバランス!大好きです!】
2018年もののグロ・フレールは、押しなべてややアルコール分が強く、ボディが豊かです。それが下級キュヴェから上級キュヴェまで、統一されています。結構に飲みましたので・・(^^;; 理解しています。
個人的には穏やかな感じだけれど、複雑性が有って、流れるような味わいのブルゴーニュワインが好きなんですね。なので、
「このように、ボディの豊かなブルゴーニュワインはちょっと苦手」
では有ります。
そうは言っても・・2018年のグロ・フレールが美味しくない・・と言っている訳では無いんですね。むしろ、
「余り無いタイプのブルゴーニュ」
であるのは間違いない訳です。
だって、造り手には2通り有りますから・・自分のイメージを具現化し、それに合わせて栽培もワイン造りも調整して行くタイプと、気候を含んだテロワールこそが大事で、自分は採れた葡萄を単にワインに昇華するだけ・・と、栽培もワイン造りもほぼ一定のものとするタイプです。まぁ、大きく分けて・・です。
だとしますと、
「一体、どっちがテロワリストなのか?」
は、相当に微妙でしょう?
グロ・フレールは後者です。古い時代のブルゴーニュのイメージを守ろう・・とはしていません。だから、葡萄の糖分が上がれば、それを確実にアルコールに転嫁することを良しとするのでしょう。
では、他の造り手はどうでしょう?・・きっと、そうはしないでしょう?・・どっちらテロワールを大事にしているのか、かなり難しい話になってしまうんですね。
で、このオート=コートの白が、その答えになりそうなんですよ。白ワインだけに・・エルヴァージュ後の熟が進んでいるんですね。飲んでみると・・これが・・
「めっちゃくっちゃ美味しい!」
んです。
ですが、余りに今までのブルゴーニュワインとはイメージが違う美味しさなんですよ。だから、ボーヌの偉大なシャルドネは、余り比較対象とも出来ないんです。
かといって、ローヌの白ワインと比較できるか?・・と言いますと、アルコール分はローヌの方が高いことも有りますが、ブルゴーニュの白の、酸の多彩さやミネラリティの組成の違い、結果としての「エレガンス表情の圧倒的な違い」が、ローヌの白とも比較対象にならない・・んですね。
ですので、これはやはり、まごうことなき、「ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン」で有り、それも、滅茶苦茶美味しい・・ちょっと感動するくらい・・・(^^;;
しかも経験したことの無い美味しさ・・・なんですね~。これ、是非飲んでみて下さい。温暖化へのストレートな答えを含んだ、見事なワインだと・・noisy は思っています。お勧めします!
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【 滅茶苦茶旨い!ナチュラルだが自然派嫌いでも全然OK!揮発酸は感じません!柔らかく見事に美しいシャルドネです! 】

このオート・コート・ド・ニュイの白は大成功だったんじゃないかと思いますよ。普通だと白の方が酸化制御で難しいはずなんですが、醸しはしていないと思われる、
「最高に美味しいシャルドネ!」
になってたんですね・・。これ・・もっと飲みたい!・・と思っちゃいましたが、案の定、カミさんも気に入ったらしく、飲むスピードが速いもので・・はい・・。
色落ちも少なく、自然派やビオを意識しなければ、フツーのワインだと思って終わってしまうと思います。それも「早々に」無くなるはずです。
ピュアで少し豊満な果実がたっぷりあり、シャルドネ特有の中域、中高域の太さに加え、繊細でナチュラルな風味が高域に抜けて行き、そこを侵食する揮発酸系の香りが無いですから・・見事に美味しいのでしょう。
自然派系の白、しかもSo2不使用ですから、少し長く栓を抜いておくと色落ちはするはずです・・が、確認する前に無くなっちゃいました。素晴らしいバランスをしていると思います。90点以上付けて良いかな・・と思います。超お勧め!・・これは旨いです!
因みにお馴染み?のナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3」です。
揮発酸的な要素は全く無いとは言いませんが検出限界ですから、その意味では上記のナチュラル度は「1」です。揮発酸的要素を除いたナチュラル度が「5」で、平均して「3」と言うことにしました。是非飲んでみてください。誰も美味しい!・・と言っていただけると確信しています!
● 2020 Pino Noir V.d.T.
ピノ・ノワール V.d.T.
【どんなビオ系ドメーヌのピノ・ノワールよりも繊細かも・・しれません。】

劇的に繊細なピノ・ノワールです。元々はコトー・ブルギニヨンだそうですから、上級のA.O.C.の畑とは認定されていないのかと思います。
ですがそれにしても・・素晴らしいです。リアルワインガイドが言うように、So2は使って無いかもしれません。
その上で本人は否定していますが、
「本当にビオディナミ、目指してないの?」
と疑ってしまいますよ。
ある意味、ホメオパシーのフレデリック・コサールよりも・・ビオっぽいっちゃ・・ぽいです。ですが、
「ビオ臭い」
のとは・・異なります。
やはりSo2 の少なさがそれを実現しているのかもしれませんが、話しはそんなに簡単なものじゃないんですよね。

他のコラムにも書きましたが、So2を使いたくないなら・・入れなければ良いんです。
ですがそれでは・・アルコールを食べて酢酸を生成する菌を止められない訳です。
そうしたくないなら・・徹頭徹尾、
「超優良で健康な葡萄だけを使って醸造する」
しか無いんです。
で、このリーズナブルなピノ・ノワールは、それをほぼ・・ほぼ・・ですよ・・実現しているんです。
「あちゃ~・・やっちまったな・・」
と言いますか、
「そんなこと出来るの?(出来るはずないっしょ?・・の反語)」
ですので、この超繊細系のみずみずしさ、奥にある官能さにビックリしています。何十年も持つワインでは在りませんが、それにしても素晴らしいです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【2019年もので一皮剥けたグロ・フレールのベースのキュヴェは、「エレガンスとは・・何?」と考えさせられる美味しさです!】
普通なら・・noisy も、
「ん~・・・これ、飲みたくないかも・・」
と、飲みもせずに仕入れなかった可能性が有ります。だって・・
「アルコール分14度のパスグラの葡萄のワイン」
なんですから・・何かもう、そのバランスが信じられなくて、
「飲まなくても判る」
ような気になってしまったんですね。
でも、この「ピノ・ノワール」と「ヴォーヌ=ロマネ1級」を飲んで、その認識を変えました。
「・・ん~・・やっぱり思い込みは良く無い!」
と大いに反省しました。これ・・
「めっちゃ美味しい!」
です。しかも、
「とてもエレガント!」
ですし、
「複雑な要素の絡みも良く判る!」
のが特徴でも有ります。
なので、
「・・アルコール分14度だから・・」
などは関係ないと思ってください。
どうなんでしょう・・どんな意識でこのように仕上げて来ているのかは判らないんですが、アルコール分がほんの少し高めではあるにせよ、エキスの美味しさとふんわりとした柔らかなテクスチュア、ふわふわ感がちゃんと有るんですよ。
それに加え、モレ近郊の畑のようですが、モレっぽい紫の果実の風味もほんのりと感じられ、伸びが良く、味わいがしっかり深いんですね・・。
普通は14度以上になってきますと、ほとんどの場合・・
「アルコールが浮いてる・・分離した感じ」
とか、
「ん~・・強いな~!」
と言う意識が全てをマスキングしてしまうものだと思うんですね。
なので、noisy 的には、その辺りを無意識にも避けてしまっていたのかもしれません・・・いや、でもそれは一般には間違っていないと思いますけどね。
この14度の「ピノ・ノワール」・・エレガントで美味しい・・と言ったら信じられますか?・・それに結構に複雑性が見えやすいんですよ・・しかも、今飲んで滅茶美味しい!・・くて価格もリーズナブルです。飲まない訳には行かないでしょう?
是非飲んでみて下さい。ご紹介が遅れてしまったので、減らしたのに、さらに減らされてしまったので、相当少ないです。
2019年、グロ・フレールは一皮むけたのは間違いないと思います。So2 も使っているといいながら、結構少ないんじゃないかと感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【So2を少量のみ使用したヴァン・ド・ターブルのピノ・ノワール!とてもリーズナブルです!】
ようやっと書き残していたキュヴェもコラムを書ける時間を取れました。2018年のグロ・フレールのご案内から随分と時間が経ってしい申し訳ありません。
こちらのキュヴェはモレ=サン=ドニにあるA.O.C.パストゥグラン表示が許された畑のようです。なので、ピノ・ノワール100%だとパスグラ表示も、コトー=ブルギニヨン表示も出来ず、単に「2018」「ヴァン・ド・ターブル」「ピノ・ノワール」と言うことになり、「ブルゴーニュ」は全く表示無しです。
おまけに「ヴァン・ド・ターブル」なので「ドメーヌ」も表示できないと言う、厳しい規制では有りますが、ブルゴーニュワインを守ると言う観点は決して外せないのでしょう。
ブルゴーニュ・ルージュよりはやや軽いものの、とてもピュアな味わいです。アルコール分も13.5度と高く無く、ちょうど良い感じですね。
ただし、モレ郊外の畑とのことですが、モレ=サン=ドニの雰囲気はあるのか?・・と聞かれますと・・「ない」と答えなくてはなりません。
それでもブルゴーニュ的で有るか?・・と聞かれましたら、とてもブルゴーニュ的です・・と答えられるでしょう。
そもそも昨今のA.C.ブルゴーニュのレジョナルワインは非常に高価です。人気の高くなったセシル・トランブレイなど、一体幾らになってしまうのか・・
「大丈夫かなぁ・・」
と、心配になってしまいますが、片や、こんなところでブルゴーニュも名乗れず、でもブルゴーニュワインをリーズナブルに販売されている・・のが、ある意味とても変な感じに思います。
滅茶苦茶美味しい!・・とは言いませんが、実にリーズナブルに、理解できる味わいのピノ・ノワールに仕上がっていると思います。是非ご検討くださいませ。
● 2020 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【驚くなかれ!・・何と・・激繊細系のA.C.ブルをグロ・フレールが造っちゃいました!・・しかも可憐で美味しいです!】

透明感があふれるA.C.ブルです。小さな果実・・ベリーとほんのりプラム・・。リアルワインガイド風に言いますと「梅昆布茶」「梅キノコ」でしょうか・・。劇的に繊細です。本当にこのワインにグロ・フレールのものなのかと・・頭の固いnoisy には、にわかに信じられないです。
そうは言っても2016年~17年にはSo2を入れずに仕上げまして、余りの苦情に2018年には戻したわけです。
「・・ん?・・それって・・造り手の責任なの?」
と・・noisy は思ってしまいますね。
「ちゃんと管理していれば問題は無いはず」
です。
まぁ・・
「テイスティングしていないし、メディアも何も伝えないから判らなかった」
と言う訳です。

ある意味、フレデリック・コサールやフィリップ・パカレに近い味わいかと思いますが、So2 はそれなりに使用するパカレと、今は全く使用していないコサールの中間位・・のニュアンスかと思うんですね。
でもだからと言って、
「揮発酸臭い!」
と言うようにはなっていません。よほど検出力が強い方は判りませんが・・
ですので、皆さんも noisy 同様に・・驚かれると思いますよ。
「・・これは・・グロ・フレールなのか?」
と。
美しく可憐な味わいと、柔らかなアロマ・・そして上質な甘やかにさえ感じるタンニンを僅かに感じます。良い出来です・・「可憐だ」と何度も言いたくなります。飲んでみてください!・・数が無いのでお早めにどうぞ。
以下は以前のレヴューです。
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【アルコール分13.5度のしなやかでエキスがしっかり、しかも素晴らしくエレガントで柔らかな高質A.C.ブルゴーニュ!】
え~・・このA.C.ブルに加え、単に「ピノ・ノワール」と言うキュヴェも有りますので・・お間違いの無きよう・・。
2019年のグロ・フレールは全体的にアルコール分が高目で・・飲む前から怖気づいてしまい、仕入れの数を減らしてしまいましたが・・飲んだ後の気持ちは・・「失敗したかも・・・」と言うような想いに捕らわれてしまいました。だって・・
「不思議ちゃんだけど・・美味しい・・」
んですもん。
このA.C.ブルは13.5度ですが、14度、15度も有り得る訳ですから、低めでエレガント系が好きな noisy としましては、ビビッてしまった訳ですね。
しかしながらこのA.C.ブル、出来が滅茶良いです!・・もちろん、アルコール分は他のドメーヌと同様ですので、何も問題は有りません。
違う部分としましては・・・ヴォーヌ=ロマネ1級以上を飲んでいただけましたらおそらくお判りいただけると思います・・が、
「ピノ・ノワールのエキスがアルコールと一体化した、素晴らしい表情!」
が感じられるんですね。
これ、実はアルコール分がもっと低くても有り得る訳ですが、飲んでいると意外にも気付きにくいものなんです。
ですが、ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュはもう・・そこが余りにも半端無いので、バリバリに見えてしまうんですね。
で、そのヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュが持っている超上質なエキスの美味しさの一端を、このアルコール分の低いA.C.ブルも持っているんですよ・・。
美しい色をしているでしょう?・・これ、醸造が非常に上手く行った証拠でもあると思います。そうでなければこのしなやかさとエキスの美味しさ、表情は出てこないでしょう・・アルコール分は高く無く、細やかな部分の造りこみも美しいので、エレガンスは普通に感じられると思います。
アルコール分が低いものと高いものが混在、でも、アルコール分が浮いて感じられず、エキスがアルコールと一体化したピノ・ノワールの美しさを表現出来てしまったグロ・フレールの2019年ものです。
少ないですが、是非飲んでみて下さい!・・超お勧めです・・できれば上級キュヴェで、あのエキスの素晴らしい美味しさも味わってみて下さい。
以下は以前のレヴューです。
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【豊かな味わいの2018年ブルゴーニュ・ピノ・ノワール! 何と2千円代でご紹介いたします!2018年グロ・フレールの傾向はこれを飲めば判る!?】
まあ、確かにこのプライスは有難いですよね。今回はかなり頑張って値付けしていますので、3千円切ってのご紹介です。最も消費税を足すと超えてしまいますし、10月からの酒税の変更で、ワイン屋さんは750ML当たり 7.5円の手持ち課税を徴収されることになっています。
「また余分な仕事が増えて・・しかもこの出費は痛い・・」
です。一体、どれだけ在庫があるのか・・頑張って調べなければ判りません。
2018年もののA.C.ブルです。豊かなボディ感がしっかり感じられる14度と言うアルコール分ですので、いつもよりわずかに低めの温度で飲み始めるのが良いかと思います。
このA.C.ブルを飲むと、ヴァンサンが何を考えているのか・・少し判ると思いますし、この延長上に2018年の素晴らしいエシェゾーが有ります。
エキスの美味しさは格別ですし、しかも2017年ものとも相当に異なります。そしてSo2の少なさ・・これも特筆すべきでしょう。
非常にリーズナブルながら、ヴォーヌ=ロマネ的に丸い酸の優しい美味しさに満ちています。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【新生グロ・フレール・エ・スールの入門として最適です!力のある黒い果実が各所にちりばめられ、優しい赤い果実で埋め尽くされています。】

2017年もののグロ・フレール・エ・スールを扱うことにしたので、大赤字を覚悟で「グラン=ゼシェゾー」まで開けちゃいましたんで、グロ・フレールのおおよその全体像を掴むことができました。
「なるほど・・ビオにこだわらないヴァン・ナチュールのブルゴーニュ、ど真ん中のワイン・・ね」
言ってしまえば、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
とヴァンサンが言う立ち位置は、「なるほど・・」と言う感想がぴったりです。
「なんでそうしているのか、そうしなければいけないのか」
が判り辛い「ビオディナミ」には興味が無く、しかしビオディナミがもたらす見事な影響の恩恵は受けたい・・と言うような、現代っ子の若者が安易に目指しそうな立ち位置なのかもしれません。
しかしながら、noisy はそこに「ブルゴーニュの未来」をも見せてくれるワインに、非常なる興味を持ったんですね。事実、とても美味しいですよ。
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3~4」です。
なので、
「余りキツイビオはダメだけど自然派は好き」
と言う方には全く問題が無く、
「少しでも自然派のニュアンスが有れば駄目」
と言う方には無理な立ち位置のワインです。
このA.C.ブルゴーニュが「Ok」だと思われる方は、noisy 的分析では、このワインは「3.5」位で並みの自然派寄りで有り、グロ・フレールは「6」位まで有る・・と思っていただければ選択は間違えないと思います。シュマンもほぼ同様な感じですが、もう少し真ん中寄りかな?・・なので「3.5~4.5」位です。
親の兄弟でもあるミシェル・グロのワインは、So2 を使用するピュアな果実の美しいワインです。2015年までは濃いワインだったと思いますが、現状は、
「ミシェル・グロよりエレガント!」
だと感じます。
出来ましたら、充分に休めてお召し上がりください。大変身したグロ・フレール・エ・スール・・・是非ご検討くださいませ。
P.S.因みにリアルワインガイド第66号で徳丸さんが「豆っぽさ」について言及していましたが、消えたのか、ロット違いの性かは判りませんが、noisy には検出できないレベルでしたのでご安心ください。
● 2020 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【エキスの美味しさとアルコール分と・・すべてのバランスに長けた・・「可憐なピノ!」と言いたくなるエレガントな味わいです!】

「・・こう来たのか~!」
と・・まぁ、ある意味、noisy の得意な、
「エレガンスたっぷり、濃く無い、言っちゃえば薄目、でも何も不足してなくて、瑞々しくて流れるような味わいから可憐な還りがノーズに有るワイン」
に大変身していましたので・・大いに驚いてしまっている訳です。
その傾向は2020年のグロ・フレールのすべてのワインに当てはまり、テロワール・・葡萄の個性によって、それぞれの違いをエレガントに感じさせてくれています。
ですから、
「2019年までのグロ・フレールは・・いったん忘れるべき!」
と言っておくのが良いか・・と思うんですね。
色彩だけ見ますと、この下の2018年もの(So2をちゃんと入れたもの)よりも濃いでしょう?
でも味わいは全然違います。そもそもが瑞々しいんですよ。ナチュールっぽいか?・・と言われますと、そこも微妙では有りますが、エレガントで優しく、でも味わいはしっかりしている・・んです。ちょっと相反するように思えるかもしれませんが、そこは飲んでいただけましたらご理解いただけると思います。

で、ヴァンサン・グロさん・・いや~・・相当、色々とトライしているようですよ。ヴィンテージの個性と畑の個性を失わないように・・色々トライしているのが何となく伝わって来ます。
ですから、この下のクラスのピノ・ノワールもまた・・「同じトーン」を持っていてとてもおいしいんですね~・・。
このワインはオート=コートですから標高が高く涼しいので、やや冷ややかで硬質に仕上がります。ヴォーヌ=ロマネのような温かみは少なく、比べてしまうと硬めな感じでは有りますが、
「そもそも2020年のグロ・フレールは柔らかなニュアンスが表情の表面に出ていて、優しくエレガント!」
なんですね。
リアルワインガイドはその辺りをNWっぽい・・と言っているように思います。noisy はその上で、So2 は少ない・・と思いますが、入れているかいないか・・はテイスティング時点では判断しかねました。
可憐な味わいです。瑞々しいです。実にエレガントです・・昔のグロ・フレールは忘れ、
「ヴァンサン・グロの2020年からは、全く違うワインになった!」
と思ってください。お勧めします!
【So2を・・圧力に負けて入れた2018年のオート=コート!・・これはしっかり出来ています・・し、So2を入れなかった2017年ものも少しだけ再入荷していますので、その比較も楽しいはず!】
いや・・面白いものですね・・。2017年ものはSo2ゼロで、滅茶しなやかでフカフカ・・ですが、
「こんなもの、普通にショップに出したら、全部逝かれてしまうに違い無い!」
と、かなり不安に思ったものでした。ナチュラルで可憐さが有ってシミジミと美味しい自然派的なワインでした。
しかしながら、So2を少量入れた2018年もののオート=コートは、かなり・・違う部分も感じられる仕上がりでした!
何せ、アルコール分は14度と・・まぁ、平均値に近いものでは有りますが、僅かに入れたSo2によって、むしろ、
「焦点はビッチリと有ってると感じさせられる」
のが不思議では有ります。
その上で、2017年ものの「シミジミさ」はほぼ無く、
「キッチリ出来た美味しいオート=コートのピノ・ノワール!」
と感じさせてくれるんですね。
しかも、以前のグロ・フレール・エ・スールのような、濃厚でやや甘さまで感じるようなパワフルなピノ・ノワールとも、また全然違う・・。
「お~い、どこに行こうとしてるんだ~?」
と声を掛けたくなりますが、このワインはこれでとても美味しいので、別に何も悪いことも無い・・。
でも、アイデンティティと言うものが有るだろ?・・みたいな感覚も有り・・いや、これからしばらくはちょっと目が離せないかな・・と思っています。
ちょうど2017年のSo2の入っていないオート=コートも買えましたので、比較してみていただけますと・・楽しいかな?・・と思います。イタリアワインで有り、無しは比較出来ても、
「ブルゴーニュワインの同じものをヴィンテージ違いでSo2有り無し比較が出来る!」
何ていう芸当は、この先はそうそう易々とは出来ないと思いますよ。ご検討くださいませ。
以下は2017年のSo2無しのレヴューです。
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【見事にナチュラルな感覚のワイン!それもブルゴーニュのピノ・ノワールです!】
2016年以降のグロ・フレール・エ・スールのワインが、どのようなものなのかと思い、アチコチかなり時間を掛けて検索してみたものの、結局全く判らず、ただ2015年以前と同様にページに並んでいるだけの状況に唖然としてしまいました。
反対に、
「それならnoisy の出番もあるかな・・」
とも思えた訳なので、安易には批判もできません。・・でも酷いですね。noisy がテイスティングした結果としては、このレベルのナチュラル・ワインがもし、蛍光灯や太陽光がガンガン当たる温度管理もまともにされていない・・されていたとしても18度ほどの売り場に並べられていたら・・としたら、想像を絶するコンディションになってしまうと思います。ナチュラルワインを専門に、もしくは看板に上げているショップでさえ、「夏に暖かいセラー」だったりすることが多いですから、まして今までの「グロ・フレール」と同様に扱われているとするなら、とても怖い状況です。
リアルワインガイド第66号が88+ 89 と評点し、大地の風味に満ちた見事なブルゴーニュのナチュラルワインと評したオート・コート・ド・ニュイです。
ヴァンサン・グロが言う
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~6.5」ほどかと思います。
なので、
「それなりにナチュラル度は高目」
と言えるでしょう。少なくともA.C.ブルとは、中間点の「5」を挟んで「対局の立ち位置」です。この辺りは成長途中のドメーヌですので、少しブレも感じますが、キュヴェによる自然派度の違い?・・を点数化するのはnoisy位でしょうから一般的では無いですね。でも、この方が判りやすいと思います。
その上で、非常に良く出来たブルゴーニュのナチュラルワインで有る・・と言いたいと思います。ハッキリ言ってこのワイン、揮発酸は有ります。しかし、ナチュラルワインに重きを置く方には、全く問題にもならないレベルでしょう。良い面が非常に勝っているし、若干鈍い方には(・・失礼)揮発酸も検出できないでしょう。普通の方には、
「・・あ、あるな・・」
と判ると思います。
柔らかでふくよかなスピードあるアロマは非常に心地良く、揮発酸のニュアンスはほぼ在りません。口に含むと、確かに揮発酸系のニュアンスが有りますが、艶々のチェリーと非常に美しい赤みを帯びた柔らかくフカフカの土、中高域から高域にかけての伸びやかさと、全体を通しての滑らかさが秀逸です。余韻も実に良い感じです。
他のコラムでも書きましたが、So2を使用しタイトに締まったワインは、その構造を判りやすく見せてはくれますが、サン・スフルのワインは、その要素と要素の間にあるもっと細やかな要素をも、しっかりと見せてくれますので、良く言えば「非常に繊細」です。悪く言えば、「ぼんやりとしているように見える」とも言えるかもしれません。
しかし、全ての要素が何にも阻害されずに表に現れてくることこそが、真のそのワインの姿、テロワールの姿を映していると言えます。
今飲んでも実に美味しいですし、何の引っ掛かりもなく、ストンっと喉を通り抜け、ニュアンスを残してくれます。これが熟してきますと、So2 を使用したキュヴェ同様に構造が見やすく、スッキリとしたものになりますし、抑え込まれずに済んだもっと細やかな表情さえも綺麗な熟を迎えることが出来る訳ですね。
「ナチュラルな要素が心地良く無い」
と思われる方には、このオート=コートの赤は無理でしょう。でも、それ以外の方には是非飲んでみていただきたいと思います。そして出来れば数年後の姿を見てみて欲しい・・心よりそう思います。ご検討くださいませ。
● 2020 Chemin des Moines de Vergy V.d.T.
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジ V.d.T.
【・・これは・・阿鼻叫喚の世界を呼ぶ、振り返ることのできない一本道か?】

今回はリアルワインガイド第79号のレヴューを掲載させていただきましたので、ぜひそちらもご覧いただきまして・・このコラムをお読みいただきたいと思います。
まぁ・・やっちまったなぁ・・です。リアルワインガイドもそのように書いていますが、まったく同感な部分と、ちょっと異なる感じの部分が有ります。
それにしても2020年もののこのヴェルジーで..やってくれましたね。安いワインじゃないですからね・・と言いますか、もしかしたら・・
「ん?・・ある意味、他のキュヴェでも・・ほとんど同じなんじゃないの?」
と言うような疑問が沸いてきます。
そう、2020年のグロ・フレールは、
「エレガント」
「可憐さ」
「みずみずしさ」
「柔らかさ」
「香りの上がりの速さ」

が感じられ、そこに、
「畑の個性」
「ヴィンテージの個性」
が感じられる訳ですね。
で、言ってしまえば・・「自然派」です。リアル的にはナチュール・ワインです。ヴァン・ナチュールと言いたい人もいらっしゃいます。
でもヴァンサンは、
「ビオにはならない」
と言っています・・そして、
「So2も入れている」
と。
さらには、このヴェルジーには入れたと・・言っているようです。
この、超繊細で優しく、ノーズの速い・・エレガントで複雑性の高いワイン・・是非飲んでみていただき、ワインと会話してみてください。noisy 的にはもう少し言いたいことも有りますが、
「何せ数が無いので、余り長く書いても・・なんだかなぁ・・」
なので・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【非常に複雑性の高い味わいです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
グロ・フレールはヴォーヌ=ロマネのワインがほとんどですので味筋は結構に共通項は有るんですが、2017~2018年と開けてみた感覚としては、
「ここは僅かに異なるか?」
と言う印象が芽生え始めています。
豊かな2018年もの・・と言う説明だけでは伝えきれない感じがします。・・何故って・・相当に複雑性を感じてしまったから・・です。
重くならず、軽くない・・中庸な感じでは有りますが、ヴォーヌ=ロマネのワインが持つ酸の穏やかさは、もう少ししっかりした感じになります。言ってみれば・・ジュヴレが入り込んだ感じ・・でしょうか。
まぁ、ヴェルジですからジュヴレが入ったとしても違和感はないのかな?・・っとも思いますが、やはりここの畑は、この先も注視して行く必要があるかと思っています。何せ温暖化の世の中ですから、この先はオート=コートがグラン・クリュになりかねない・・等と言うしょうもない「噂」が一部から出ているようですしね。
畑の位置も、もう少し特定してみたいですね。情報をお持ちの方は是非・・ご一報ください・・(^^;;お勧めします!・・数は全然無いです。
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!起承転結がクッキリ!ナチュラルだが、それを強く感じさせないバランスの良さ!ヴォーヌ=ロマネ村名並みです!】
これは旨かった!・・ナチュラルさはむしろ他の下級キュヴェより抑え目に出ている感じで、グラスから漂う柔らかく早い官能的なファーストノーズからの口入、中盤、終盤、余韻と、しっかりその段階を感じさせてくれる「普通のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」的な感じが、何の違和感も感じさせない美味しさです。
このシュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジは、ヴォーヌ=ロマネから(資料にはやや恣意的にラ・ターシュと書いてありますが)西に昇って行き、幾つかあるヴェルジの村へ向かう途中に有る古い畑のようです。近くにはオート=コート・ド・ニュイやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ格の畑が有りますが、長く打ち捨てられていた「古いクロの跡地」だったようで、アペラシオンを名乗れないので「ヴァン・ド・ターブル」格になっているようです。
ラ・ターシュから500メートル歩くと言うことですからヴォーヌ=ロマネからは少し離れており、Googleで写真を見てみると、
「なるほど・・ここかな?」
と思える場所が有ります。
「ここを買収して3年目の葡萄で醸造したのなら、さぞかし、力の無い味わいなんだろうなぁ・・」
「それにしちゃぁ・・高いよ」
などと、高をくくっていた訳ですが、あにはからんや・・ちょっとビックリさせられました。
「村名並みじゃん・・」
表現するのは難しいですが・・これで3~4年目かよ・・とビックリするような集中感が有ります。noisy が育てているピノ・ファンはそろそろ5年かな?・・こんなに立派には絶対になりませんから・・。黒みのしっかりした果実が・・そうだなぁ・・チョコチップのような感じでアチコチに有り、その間を穏やかな赤いチェリーやベリーが埋めているような感覚でしょうか。
ピュアさも有り、ナチュラルですが、むしろ揮発酸は非常に少なく・・いや、全く無いとは言いませんが、まず気付く方は極少数派でしょう・・滑らかでしっとりと優しいです。
オート=コートよりも高い値付けですが、これは村名並みのポテンシャルをすでに持っており、個性もしっかり有りそうですから、
「将来、大化けするかも!」
と言う気を持たせてもくれます。
是非Googleで、地図を見てみてください。3D で見ると面白いですよ。ヴォーヌ=ロマネの村を西に上がり、畑の無い部分を通り越した辺りです。それ以上西に向かうとオート=コートの畑群が有り、もっと行くとヴェルジの各村に入り、現在修復中のロマネ=サン=ヴィヴァン・ヴェルジ修道院も確認できます。ご検討くださいませ。
P.S.
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3.5~4.5」の間ほどです。
● 2020 Chardonnay V.d.F.
シャルドネ V.d.F.
【2020年初リリース!なんとオート=コートの横の畑で仕込んだヴァン・ド・フランス・ブランですが、リアルワインガイド第79号はポテンシャルでオート=コートを超える評価でした!】

美味しいです!・・そもそも・・
「・・あれ?・・なんだこれ・・?」
まず先に試飲分だけを仕入れていましたので、今まで見たことが無いワインが有るなんて・・オルヴォーさんから聞いてなかったんですね。なので、そもそもテクニカルを先に読むことが無いので、何を飲んでいるのか・・まったくわからずにテイスティングを始めました。少なくとも、
「まぁ・・そんなに高いワインじゃないだろうなぁ・・」
と言うのは有りましたから、気楽に臨んだことは言うまでも有りません。
ですが飲み始めて・・ちょっとビックリ・・。冷ややかでスムーズな飲み口・・でも葡萄は良く熟していて、柑橘果実と言うよりはややトロピカルな風情・・でも全然ダレてない・・これが新世界のワインになりますと、ちょっと甘くて・・プラムが熟し過ぎたような感じが混じっていて・・ん~・・ちょっとうだった感じでイマイチかなぁ・・なんて思ってしまうんですが、
「・・これはちょっと新しい美味しさ!」
と嬉しくなりました。
で、色々と調べてみたんですが、どこを見ても情報が無い・・オルヴォーさんに電話をしていても、話している最中には言いたいことを忘れてしまうと言う爺ぶりを発揮してしまう訳です。

で、あ、そうそう・・リアルワインガイドなら何か書いて有るかも・・と第79号を開いてみると、
「2020年初リリース!」
と書いてあった訳です。
リアルでは、オート=コートから少し離れたところの畑・・と書いて有りましたが、その他の情報では「オート=コートの隣」だと・・どっちが正しいかは判断できませんでしたが、
「隣って・・厳密じゃなくてもそれでも良いか・・」
と言うことにしてあります。
思うに、300メートル以上の標高のオート=コートと言うよりは、少なくとも林や森にほぼ囲まれた陽当たりの良い畑のように思います。オート=コートよりも、より複雑な感じは出やすいと思われ、この非常にバランスが良い、外交的な味わいになっていると想像されます。
それに加え、やはり2020年のヴァンサン・グロ...So2 の少なさが感じられる、ちょっとヴァン・ナチュールな雰囲気も有りつつ、危険性の無いピュアな味わいがするんですね・・。
色合いからも・・
「・・あれ?・・ビオ・・かい?」
と見える部分が存在するでしょう?
でもその色合いほどビオじゃ無いんですよね。どちらかと言うとこの「黄土色」は、
「とても葡萄が良く熟した!」
と言うことでしょう。
まぁ、リアルはこのシャルドネをより高く評価しましたが、どうでしょう・・やはりポテンシャルはオート=コートが上にある様には思います。それでもこの「シャルドネV.d.F.」の評価を下げるものではありません。非常によくできていると思いました。少ないので・・あ、こんなに書くんじゃ無かった・・4本しか入らなかったのに1本飲んでしまい・・(^^;; 是非ご検討くださいませ。
● 2020 Vosne-Romanee 1er Cru les Chaumes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ショーム
【クロ・デ・レア上部のレ・ショーム!グロ・フレールのクロ・デ・レア・・と言っても良いかもしれません。】

2020年ものレ・ショームは出来が相当良いです・・って・・結構にクロ・デ・レアに似た感じがしますし、ちょっと熟した感?・・いや、複雑感かな・・細やかな表情がいつもより出ているような感じがします。
その昔ジャン・グロの看板は勿論リシュブールでしたが、1級クロ・デ・レアも2枚看板だった訳です。このクロ・デ・レアは若くして飲むと美しいんですが、ちょっと複雑性が乏しい感じがする・・。でも5~10年放置しておくといつの間にやら官能さと複雑性が出てくるんですね。
まぁ・・優れた1級であるレ・マルコンソールはもう少し早めにその素晴らしさを見せてくれますが、完熟したクロ・デ・レアもまた素晴らしいですよ。
そんなクロ・デ・レアに似た感じを見せるのがレ・ショームでして・・美しく昇華したきれいな土っぽさ?・・が全面に出やすいんですが、2020年ものは奥に隠れ、瑞々しい表情には細やかな果実、フラワリーさ、甘美さを今から感じさせてくれます。

また、2020年もののグロ・フレールの特徴だとも思いますが、結構にナチュラル感はあるものの、
「臭くない」
です。
臭くない・・と言うのは・・ビオ嫌いの方が良く言う・・
「ビオって臭くない?」
と言うのに近く、揮発酸値は非常に低いですからご安心ください。
ただし・・
「2本しか入荷してないのに1本飲んでしまったので、販売は1本だけ!」
です。なので、コラムを仕立てている場合じゃぁ無い・・(^^;; さっさと次のコラムを書き上げないといけないのに・・何をやっているんだろう・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ラ・ターシュに接するクロ・デ・レア上部の1級レ・ショーム!・・飲んだ瞬間に「レ・ショーム」と想像出来る?見事な表現でした!】

ジャン・タルディやメオ=カミュゼのレ・ショームが大好物な noisy にとっては、「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ショーム」はすでに自分の中にイメージを構成出来てしまっているようなワインのひとつです。特にジャン・タルディ(メオのメタヤージュ)の作は、ほんのりしたシミジミさの中から出てくる微細な表情に「ホックリ」していたものです。
こちらもアルコール分はそれなりに出ていますが、ま~・・葡萄の質の良さが「簡単に判ってしまう」ほど・・素晴らしいです。相当シビアな選別をし、エルヴァージュ中も赤子を育てるかのようにショックを与えないようにしていたんじゃないかと思います。
何せ、あのラ・ターシュに接しながら・・余りラ・ターシュらしくないのが良かったりする訳です。どこか、中域が「す~っ」と流れて行く感じが有って、その空いた空間に後から微細な表情が戻って来るように感じるんですね・・。あ、判らないですよね・・すみません。
そんなどこか「風情」と呼びたいものを感じる1級レ・ショームなんですが、2017年ものは入っておらず・・比較はできませんでした。ですが、
「これは旨い!」
です。
好き嫌いは有るとしても、この格別な葡萄の質の良さを感じるのは、やはりこのレ・ショームから上のキュヴェになるかと思います。ご検討くださいませ!・・数は無いです。
● 2020 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【この柔らかなテクスチュアを持ったヴォーヌ=ロマネ村名は、実に愛しい・・心に染みる味わいです!】

リアルワインガイドも書いていますが、
「キノコ有り」
なんて・・まるでコサールやパカレみたいじゃ在りませんか・・。
まぁ・・最近は「梅キノコ」「梅昆布茶」みたいな表現はグッと減ってしまったような気がしますが、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、超バランスの取れた味わい」
ながらも、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、しなやかなアロマに官能感」
が染み出し、
「ヴォーヌ=ロマネらしい、柔らかな酸ながらの複雑な味わい」
がするんですね。
その上で、2020年のヴァンサン・グロらしいナチュール感がしっとりと漂う・・しかし、そこには2017年もののような「危うさは無い」んです。エキス系のエレガントな味わいです。

ですから、ある意味・・ミシェル・グロの味わいの方に寄ったように思えるでしょう?
「・・でも、ミシェル・グロには余り似ていない感じ」
がしています。
言ってしまえばミシェル・グロの方が硬質です。酵母の関係かもしれませんし、So2の使い方・・還っては、栽培の方法にもよるかもしれません。
それに樽臭いことも全くない・・んですよ。その昔のグロ・フレールは樽の存在は結構に有りました。その上で濃かった・・。
今は新型コロナ禍で余り情報が入って来ませんが、
「ヴァンサン・グロはグロ・フレールを大改革中!」
であると・・このヴォーヌ=ロマネはおっしゃってます・・(^^
今飲んでも相当美味しいですが、3~5年ほど寝かせますと驚くような表情になるでしょう。濃さっていうことで言いますと、
「むしろアメリー・ベルトーの方が全然濃い」
です。見事な出来でした。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【柔らかで優しい・・アルコール分の低いベースキュヴェと、アルコール分がそこそこ合ってエキスが超美味しい上級キュヴェを繋いでいるのがこのヴォーヌ=ロマネ村名です!】
超絶にエキスが美味しいヴォーヌ=ロマネ1級の圧巻さには及ばないものの、優しい穏やかな美味しさと、エキスがアルコールにしっかり溶け込んでいる感がちゃんと伝わって来るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネです。
他のコラムでも書きましたが、基本・・余り高めのアルコール分のブルゴーニュワインは好みでは無い noisy です。しかし、2019年のグロ・フレールはそうはなりませんでした。
この村名ヴォーヌ=ロマネ、香りもしっかり立ち、スピードも有り、エレガントなんですが、ちゃんと中盤以降押してくる旨味が有るんですね。しかも注いで15分ほど経過すると、その複雑性が高くなり、ボディはさらに膨れ上がり、しかし・・
「饒舌になりすぎない、うるさくならない美味しさ」
が有るんですね。
実はnoisy 的には、このようなタイプに出会ったことが有りません。高目のアルコール分のブルゴーニュワインは、やっぱり「強い!」と・・過ぎる感で萎えてしまうんです。
ところが2019年のグロ・フレールには驚かされました。まぁ、アルコール分が高目とは言え、滅茶苦茶高い訳ではありませんが、結構に神経質なところの有る・・いや、そう自覚している noisy 自身、シビアに感じてしまう部分なんです・・他の方が気にしていないとしても。
そして、このような少しアルコール分が高めに出たブルゴーニュワインは、しっかり保つワインになります。5年、10年じゃ全く下手らないんですね・・。
さらには、今飲んでも結構に美味しいです。飲んで行くとどんどん膨らんで来ます。しなやかな美味しさとヴォーヌ=ロマネ的柔らかく暖かめの酸とスパイスの味わいが、何とも素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものも・・結構ビゾっぽいです!】
流石に2017年もののような、モロにドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネ風な味わいは僅かに薄れたかもしれません。それでも味筋は結構に似通っています。
2018年ものはアルコール分が結構出ていますので、2017年ものよりパワフルに感じられると思います。本来ですとアルコール分の出辛かったブルゴーニュ・ピノ・ノワールにとっては、素晴らしい出来事では有るんですが、リリース直後の味わいだけを考えますと、ボリューム感が先に出て来るかな?・・と言う感じもします。
しかしながらそのボリューム感こそは、エージングで磨かれてゆくのがワインの常識でして、ワインの評論家さんたちがコケにした1976年もののその後の評価を考えれば、
「今も美味しいが先行きはもっと楽しみ!」
と言うのが正解かと思います。
またこのキュヴェには、先のエシェゾー(・レ・ロアショース)から弾いた部分が入っていますので、それが垂直方向のボディ感をさらに深めているようにも思います。
今飲んでヴォーヌ=ロマネの豊かさを感じさせ、10年以上寝かせておおらかでゆったりしたヴォーヌ=ロマネの存在感を見せてくれるはずの村名かと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】
ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
● 2020 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
【リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイント!・・じゃぁ・・noisy的には??】

いや~・・実に面白いですね・・。グロ・フレールと言えば noisy 的には、
「逆浸透膜、濃密、甘め、パワフル」
でした。
まぁ・・noisy 的には余り好みでは無く、他のショップさんがエレガントなミシェル・グロを見限ってグロ・フレールを選ばれるところ・・何せ偏屈なので・・(^^;; ミシェルのワインを扱っていた訳です。それでも余りに価格競争オンリーになってしまう時はスルーしていましたが・・。
でも、このミュジニー真横(真下)に有るアン・ミュジニは超魅力的です。色彩も実に素晴らしいですよね・・むしろ2017年ものよりも濃密な色彩ですが、濃いって感じには見えないでしょう?
非常にスムーズなアロマの上がりです。フィネスたっぷり・・ブルゴーニュの中心地らしい・・らしいアロマです。クロ=ヴージョの上部なので、まず「土っぽさ」は全く無いです。ミュジニー同様・・とまでは行きませんが、やはりエキスの凝縮からでしょうか・・香水的なアロマが含まれます。果実果実はしていませんで、実に瑞々しい!軽やかさが実に良いです。

で、グロ・フレールの2020年ものの特徴とも言えるかと思いますが、2017年もののような「似非自然派」「無理やりノンSo2」みたいな・・味わいは良いけど、
「これ・・普通のショップに売らせちゃ・・ダメでしょ・・」
みたいな・・危険物扱いしなくちゃいけないような感じとはちょっと違う・・。安定感、安心感がいっしょに付いてきます。
滑らかなテクスチュアの2~3秒後、激的に上質な・・甘みさえ感じる優しいタンニンが、これまた瑞々しく流れるように感じられます。その後にノーズに還ってくるアロマもまた香水的な部分を含んでいますから・・
「・・これ・・ちょっと熟成させてもう一度ちゃんと飲みたい!」
と思っていただけるはずなんですね。
非常に上質です。良い出来です。ミュジニーは高いけれどクロ・ド・ヴージョ(・ミュジニ)なら・・まだこんな価格で仕入れられます。数年後は無理でしょうけど!
今飲んでも行けます。美味しいと思っていただけるはずですが、でももう少し落ち着かせたいかな・・。その昔・・もう四半世紀以上前になりますが、蔵出しで1950年代、1960年代のこのワインが入荷し、販売させていただいた記憶が有ります。実にしっかりしていました。
「5年や10年・・そんなちょっとやそっとの短い期間で終りを迎える・・なんてあり得ない」
んですね。ド近眼の海外メディアに騙されず、是非ともタイミングを計ってお飲みください。お勧めします!
【かつてはクロ=ヴージョ・ミュジニと名乗っていたキュヴェですが、今は自粛しています。】ミュジニー真横のパーセルです・・すみません飲めませんでした。アルコール分は14.5度です。
こちらも飲めなかった3兄弟です・・。グラン・クリュ・ミュジニー(正確にはレ・プティ・ミュジニー)に接した「アン・ミュジニ」と言うパーセルです。
2018年ものは2017年までとは異なり So2を入れたとは言え、自然生成も入れた残存合計で30~40mg ですので、全く使用しなくても 30mg ほどは出る可能性を考えれば・・非常に少量です。
ミュジニーのハイトーンな性質にクロ=ヴージョのミディアム~ロートーンの肉が付いた、非常にパーフェクトな味わいの長熟なワインで有ると想像しています。
今回は価格も相当に頑張っています。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・ヴージョ(・ミュジニ)が・・こうなるのか~!】
皆さんも良~くご存じの、グロ・フレール・エ・スールのクロ・ヴージョです。以前は「ミュジニ」を名乗っていたあのキュヴェですね。黒っぽくて濃密で、嫌いじゃ無かったですよ。何よりも安かったし・・。
でもnoisy 的にはミシェル・グロが良かったし、ちょっと濃さにこだわり過ぎるグロ・フレールやアンヌ・グロは好みでは無かったんですね・・それでもアンヌ・グロは売れちゃうし、欲しいお客さんも結構いらっしゃいましたんで続けてましたが、グロ・フレールをテイスティングを頑張ってテイスティングしてご案内したところで、
「高い!」
と言われて全く売れないでしょうし・・と言うことで止めちゃったんですね。
でも、ここまでナチュラルでエレガントに変身してしまうと、おそらくまともな姿で販売できるショップは限られてしまいますから・・
「じゃ、トライしてみようか・・」
と、アマノジャクな心に種火が灯ってしまったんですね。
挙句の果てに・・これです。売れるかどうかも判らないし、数もそんなにある訳じゃ無い、グロ・フレール珠玉のグラン・クリュを散々に開けちゃった訳です。しっかり赤字決定ですが、やっぱりやる時は腰を据えてやらないと、詰まらないじゃないですか。ただ並べているだけのサイトなんぞ、こちらはご免です。
で、早速テイスティングです。・・いや、ちょっと心が躍っちゃいましたね。クロ・ヴージョ最上部、ミュジニー(レ・プティ・ミュジニー)に続く部分の畑ですから、ミュジニーに最も近いですが、グラン=ゼシェゾーにもエシェゾーにも近いです。
味わい的には、確かにミュジニー的なミネラリティも混ざっているものの、グラン=ゼシェゾー的に集中した黒い表情や、エシェゾー的に乾いたニュアンスも有る、非常に複雑性の高い味わいなんですね。
飲んでいて実に楽しい・・です。
「ん?何で楽しいの?」
と思われるかもしれませんが、ちょうどその4つのグラン・クリュの地図でも眺めながら飲んでみて下さいよ。ある程度ブルゴーニュワインを飲まれていらした方なら、少しずつ変化する表情に、一喜一憂しつつ、脳もしっかり楽しんで飲んでいることに気付かれるに違いありません。
因みに、ヴァンサンが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」と言うのが noisy 的評価です。ほぼど真ん中です。
あまりにテクスチュアの良さに、「するする」飲めてしまいますが、やはり飲み頃的には「早い」です。noisy 的にはあと3年ほどは置きたいですね。
そしてその時にもう一度・・できることならテイスティングし、どこまで「クッキリしてくるか」確かめてみたいと思います。勿論ですが、自身の答えはすでに持っていますよ。飲んだ時にしっかり結論をしておかないと忘れてしまいますし、誰かの言葉につられてしまって、「そうだった・・はず・・」と記憶を書き換えてしまいますからね。
赤い果実が主体の滅茶複雑で心地良いグラン・クリュです。フィネスもしっかり有ります。是非トライしてみてください。
● 2020 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイント!】
こちらもすみません・・2本だけですので飲めませんでした。2020年はヴォーヌ=ロマネ1級を造らず、すべてエシェゾーにしたということなので2ヘクタール分の収穫がすべてエシェゾーになったはずなんですね。
ですからもう少し有っても良いとは思うんですが非常に少ないです。
リアルワインガイド第79号はポテンシャル95ポイントと言うことで、2017年ものからは2ポイントも上がっています。しかもnoisyは2019年ものはヴォーヌ=ロマネ1級を飲ませていただき、
「ん・・エシェゾーそのもの・・」
と書いたはずですので・・。
まぁ・・リーズナブルで滅茶美味しいヴォーヌ=ロマネ1級が無くなったのは残念ですが、このエシェゾーで新生グロ・フレールの方向性を見極めてみてください。ワインとのピンポン・・楽しいですよ。
以下は以前のレヴューです。
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【格落ち、若木のヴォーヌ=ロマネ1級ですら物凄いのにエシェゾーともなると・・想像を絶する世界です!】 2本のみのご案内です。昨年の2018年ものは開けたので・・ご容赦ください。
2019年のヴォーヌ=ロマネ1級が圧巻で・・いや、是非コラムをお読みください。濃密では有りますが甘く無く、濃いとは意識しないで飲めるレベルです。アルコール分は1級同様15度ですから高めでは有るんですが、「高いとは感じないほどのエレガンス」が有り、しっかり中和されているんですね。
おそらくですが、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じような醸造になっているはずですので・・これ、飲んでみたらビックリの世界じゃないかと想像しています。
そもそもは、ブルゴーニュはアルコール分が高く出ないような気候だったもので、
「アルコール分が高くなった年、造り手たちは喜んだ!」
んですね。
潜在アルコール分が低いと糖を足して補助して発酵し、ワインにしていた訳です。それをINAO も認めていたんです。昨今は温暖化で、そのような補糖はせず・・むしろ陰で補酸その他が行われているようです・・が、こちらには全くその気が有りません。
たしかに、アンヌ・グロのエシェゾーは・・「濃いな~~・・」と言うイメージでは有りますが、こちらは「・・美しい」と思えるような味わいかと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄い質感のジュースです!・・今も美味しく飲めますが・・10年経ったら凄い成長をしているはずです!】
今回の2018年ものグロ・フレールのグラン・クリュで唯一飲めたのがこのエシェゾーです。
何と言っても・・2018年バシュレ・モノだけでも全12アイテム中11アイテムのテイスティングをやっとでこなしたばかりで2018年グロ・フレール12アイテム(実際は2017年ものを含めて13アイテム)もの到着でしたので、スケジュール的にも相当困難な感じでした。おまけにそのグロ・フレール他の到着日にはもう・・他のアイテムをオファーしてくださると言う・・何とも鬼・・いや、仏のようなインポーターさんでして・・はい。
やはり2017年ものの「超ナチュラル」「サンズ・フリー」な味わいは、確かに延長上では有ります。それでもむしろ、
「僅かなSo2の添加が若いワインに焦点を造っている」
と言う感じがします。サン・スフルは柔らかで心地良いですが、若いうちは若干、焦点ボケして感じられることが多いです。これは、ミネラリティに関係すると思いますが・・So2 (亜硫酸塩)もある意味、その仲間では有りますので・・。
ただし添加量も非常に少ないので、ディテールを大きく侵食するほどでは有りません。2018年ものはアルコール分の出る造りをしたようですので、とても大柄で、エキスが今まで以上、物凄く出ていると感じました。
まぁ・・例えばですね・・梅酒を漬けることを考えてみて下さい。アルコール分の高いものを使用した方が、梅のエキスが良く出るんです。やったことが有る方はお判りかと思います。
味わいは質感良く、アルコールによるボディ感高く、エキス感もしっかりです。今良い感じで美味しいのが玉にキズでして・・早く飲まれてしまうのが勿体無いかと。10年置いたら物凄いことになっているかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【わお!・・なるほど~・・ヴァンサン・グロの立ち位置が理解できる1本です!】
言い忘れてしまったが、グロ・フレール・エ・スールのヴォーヌ=ロマネ1級は、このエシェゾーの格落ち、若木なんですね。もっと言ってしまえば、村名ヴォーヌ=ロマネにも格落ちのエシェゾーが入っているようです。
なので、村名ヴォーヌ=ロマネ -> ヴォーヌ=ロマネ1級 = エシェゾー でして、少なくともヴォーヌ=ロマネ1級とエシェゾーは、ほぼ同じ畑のワインです。出来が違うだけ・・と思って良いかと思います。
何しろヴォーヌ=ロマネ1級が滅茶美味しいですから、若木、格落ちと言っても素晴らしい出来です。今飲んでもその美味しさは隠しようが無いです。
で、エシェゾーです。非常に複雑です。フィネスもたっぷりあります。今飲んでも「するっ」と入って行ってしまいますので勘違いしちゃうんですね・・。えっ?何を?ってことですが・・。
そうなんですよ。今飲んでも普通に美味しい。それは、余計なものが入っていない、素晴らしい葡萄由来の美味しさです。でも、ただそれだけなんですね・・今は。ブラインドテイスティングをやると、おそらくヴォーヌ=ロマネ1級の方が点が高くなっちゃいますよ。ナチュラル度も凝縮感も同様だとしても・・です。
つまり、美味しく飲めてしまうが、
「飲み頃はまだ先!」
と言うことになります。
じゃぁ・・いつ頃からが飲み頃か・・と言うことになりますが、この辺はテイスターが変われば判断も変わりますんで・・。リアルワインガイド第66号は2021年から・・と言うことで、
「なるほど・・良いところをついて来てるなぁ・・」
と言う感じがします。noisy 的にも2021年からで・・同じです。余り徳丸さんとは一致しないことが多いんですが・・珍しく!
要は、So2 無しのナチュラルな栽培、造りをしたワインなので、中間的要素が抑え込まれていないんですね。ここにSo2 を入れると、もっと判りやすくなり、
「お・・さすがグラン・クリュ!」
とすぐに素直に言えるわけです。
ところが、余りに中間的要素がしっかり存在していますんで、今は、結構に「ごっちゃ」な感じなんですね。それでも「スルスル」と美味しく飲めちゃうので、ブラインドだと高い評価をつけ辛い・・と言うことになり、エチケットをオープンして、
「・・えっ?・・エシェゾーだったんだ・・」
と、自分の能力の無さに悲観するか、ドメーヌの造りに文句を言うか・・に陥る訳ですね~~・・♪♪・・いや、ワインって、本当に楽しいですね~!・・これ、絶対に飲まなきゃ判りませんよね~!
印象的には、ビゾのエシェゾーをもっとエキシーに、角を丸くしてエレガントにした感じです。もうどこにも引っ掛からないです。「するん」と喉を通り抜け、ナチュラルな「返り」が飲み手を楽しませてくれます。
美味しいお寿司なんかもぴったり合うんじゃないか?・・などと感じてしまいますね。これはそっち系にはぴったんこでしょう。最も今はまだ「早い」ですけどね。
因みにすべてのグロ・フレール・エ・スールのコラムに書いていることですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5.5」です。
ある意味、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じです。が、複雑性、コアの確実性、潜在能力は上です。熟成能力も同様でしょう。・・が飲めちゃうんですよね・・怖いなぁ・・。是非美味しく飲んで欲しい、素晴らしいグラン・クリュでした。2年は待ちましょうね。
● 2020 Grands-Echezeaux Grand Cru
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ
【リッシュブールに1点届かずも、おそらく史上最高評価でしょう!】
So2を使っているか・・いないのか・・そんな部分を探る飲み方をワイン会でやってみる・・なんて、ちょっと楽しい趣向になるんじゃないかとも思ったりします。2020年ものはとても瑞々しい仕上がりのキュヴェが多いのがヴァンサン・グロのグロ・フレール・エ・スールの特徴です。
2017年ものはどこか・・「危うい感じ」が漂っていまして・・まぁ、今になって思えば、
「それまでと何も変えずに、ただSo2を入れなかった」
のかもしれません。
それを嗅ぎ取ったからこそ・・noisy も、
「グロ・フレール注意報!」
を掲載したんだと思うんですね。
あ、ご存じない方のために書かせていただきますと、余りの・・ナチュールっぽさ(サンズ・ナチュールの方です)を感じたため、温度管理の出来ていないショップさんでは買わない方が良いです・・と注意報を出したんです。
ですがこの2020年もののいくつかのキュヴェを飲んだ限り、その2017年ものの時に感じた「危うさ」は「安定感」を一緒に連れて来ていました。
そしてこの2020年グラン=ゼシェゾー、リアルワインガイド第79号はポテンシャル96ポイントと・・おそらく史上最高の評価を得ています。ご検討いただけましたら幸いです。数は全然ありません。
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものの物凄いナチュラルさは・・どうなったのか・・と気になって仕方ありませんが!D.R.C.のパーセルのお隣です。】---飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
こちらも飲まなかったキュヴェです。2017年ものをしっかり飲んだので・・すみません。実は2017年のグロ・フレールは、上級キュヴェを散々テイスティングしたため、利益ほぼ無し・・でした。
なので2018年ものの上級キュヴェのテイスティングをエシェゾーまでにとどめ、その分をお客様に還元しようと言う訳です。
ここのパーセルは、あのD.R.C.のお隣ですが、その昔まだD.R.C.のワインがリーズナブルだった頃・・エシェゾー1.5万、ロマネ=サン=ヴィヴァン2万・・みたいな頃、やはり人気だったのがグラン=ゼシェゾーでした。D.R.C.のエシェゾ-を買うくらいだったらもう少し出してグラン=ゼシェゾーを・・みたいなノリだったと思います。
でも、D.R.C.のエシェゾーの大当たりを引いたことのある noisy は、果実の乗りの良いグラン=ゼシェゾーより、よりエキスが美しいエシェゾーも捨てがたかったなぁ・・などと思い出します。もっとも昨今は全く飲めませんが!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【xxさんを質に入れても飲みたいグラン=ゼシェゾー?・・ここまでナチュラルなグラン=ゼシェゾーはnoisy も初めてです!】
左の写真は、大きさ以外は全く弄っていない、「素」のままです。実に深淵な色合いです。エッジにも先鋭なナチュラルさを思わせる危険な色合いは全く感じられません。
しかしナチュラルです。まずは、ナチュラル度ですが・・
ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5」と言うのが noisy の判断です。なので、noisy的理解としますと、
「ヴァンサン・グロが目指しているのはおそらくここのナチュラル度」
と言うことになります。
いや~・・バカですね~。今飲んだって勿体ないだけなのは判り切っているのに開けちゃうんですね~・・。愚息にも言われてしまいました。
「・・開けちゃうの?」
「やるときは・・やらんと・・ね」
と言いながら、ちょいちょい・・ビビってましたが、一度決めたらやり通さないと・・と思って開けちゃうんですね。でも、このグラン=ゼシェゾーを開けたから良かった。「5」にならなかったら、次は
「リッシュブールの抜栓」
が待っていました。全体像を見通せないのに・・想像すらできないのに、まともなご案内などできませんからね。「5」で・・良かった・・す。
いや、実に素晴らしい・・気品に溢れる、ピュアでナチュラルな素晴らしいグラン=ゼシェゾーでした。最後は凄い清冽な水を感じさせる余韻を長く感じさせてくれます。
まぁ、こう言ってしまっていて何では有りますが、滅茶美味しい水って・・さほど長く余韻は無いんですけどね・・。その余韻の記憶みたいなものを脳がずっと感じているのかな?・・などと思っていますが、その清冽さが実に良いんですよ。シリュグのグラン=ゼシェゾーもそうでしたけどね。似ていますが、シリュグはそうなると、ナチュラル度は「1~1.5」ほどです。
で、飲めてしまうのは間違いないですが・・これはもう、勿体ないの極致です。今開けると後悔します。
リアルワインガイド第66号は飲み頃は2023年から・・と言うことで、ほぼ同様の感想です。5年くらい待った方が良いかと思います。
そして、揮発酸はほぼ検出限界です。・・なるほど・・ヴァンサン・グロが目指しているのはそこで有って、このナチュラルな美しさと細やかなディテール表現で有ることが判ります。
いや・・素晴らしいグラン・クリュでした。このワイン、セラーの無い方には無用でしょうが、まともなセラー温度ではないショップにも無用にして欲しいです。
「ピュアでナチュラルなヴォーヌ=ロマネ(+近郊)のワイン!」
ヴァンサンの目指すところは正しいと思います。まだまだ伸びると感じました。是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2020 Richebourg Grand Cru
リッシュブール・グラン・クリュ
【リアルワインガイド第79号はなんと・・ポテンシャル97点!2020年でトップグループを伺う位置に到達か?】
いや・・面白いです。本人は、
「ビオはやらん」
と言ってます。でも飲んだ人は・・
「ナチュールの風味やん・・でも滅茶旨いやん・・」
と言ってます。・・一体・・どう言うことなんでしょうか?
noisy はこの2020年もののリッシュブールは飲めていないので、このアイテムについては細かな部分を言えない訳ですが、他のキュヴェをそれなりに開けた結果・・こんな風に受け取りました。
つまり・・ヴァンサンはトップに伸し上がるために様々なトライをしているんですね。So2 も使用しないないものも有れば、本人が言う通り・・ちら~っと足しているのも有るのでしょう。ビオ系の生産者がSo2を使う・・と言うのは、「樽1本に耳かき一杯」ほどです。
So2 を使わないのであれば、曲論的には・・
「超健全な葡萄のみしか使えない」
訳です。もし傷付いた葡萄や傷んだ葡萄を使用しますと、いきなりボラティルが上がってしまいます(酢酸値が上がる)から、揮発酸バリバリのワインになってしまうか、将来はワイン酢になってしまう訳です。
それを回避するためには、徹底的に畑にこだわり健全な葡萄の率を上げるか、選果台で狂うほど葡萄を選別するか・・なんですね。
その前者を成立させるため、また葡萄自体のポテンシャルを上げるためにビオディナミと言う栽培方法が有る訳です。因みにルロワもビオですよね?・・でもヴァンサンはビオはやらないと言う訳です。
ヴァンサンのワインを飲んでいると、昔の・・親父さんのワインの味わいは・・どこにも在りません。果実主体の濃くて甘いワインじゃないんです。エキス系で有りつつ、わずかなタンニンを持った長い熟成可能な・・飲みやすい味わいです。勿論、その瑞々しい味わいの中に高いポテンシャルを感じますから、
「飲みながらワインと話しが出来る!」
そんな感じなんですね。
この先もとても楽しみになって来ました。滅茶苦茶・・信じられないほど安いはずです。条件も有りませんので今の内!是非ご検討ください。
以下は以前のレヴューです。
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【大看板のリッシュブールです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。(アルコール分は15度です。)以前のレヴューを掲載しています。
まぁ・・やはり「リッシュブール」と言うリューディは「別格中の別格」なんですね。グロの持ち分は、正確には「レ・ヴェロワイユ」と言う畑です。昨年の2017年ものの記事にも書きましたが、かのクロ・パラントーに接する訳でして・・格上のリッシュブールの紹介に、格下の1級を持ち出すという、ワインの世界ではありがちでは有りますが不思議な状態では有ります。
グロ・フレールはやはりヴォーヌ=ロマネ近郊に凄い地所を持っているのが特徴です。今回はリッシュブールも飲んでしまおうか・・などとも考えましたが、リーズナブルだとは言え、・・・な価格では有りますし、この1本を飲んでしまうと、グロ・フレールのワインが売れるのは嬉しいけれど・・もう一人の人格、利益を考える社長は、「止めてくれ・・」と声高に叫んでいた訳です。
グロ・フレールの2018年ものは相当に大柄ですので、もし、2018年と言うヴィンテージに何かのセレブレーションが有るようでしたら、とても良い選択になろうかと思います。リッシュブール・・・中々買えないですから・・はい・・勿論ですが、グロ・フレールに限りませんで、お隣のメオ=カミュゼやアンヌ・フランソワーズ・グロのパーセルも入手は結構に大変です。アンヌ・フランソワーズ・グロの下部がアンヌ・グロでしたっけ・・。これも入手は難しいですよね。ご検討くださいませ。価格はかなり・・頑張りました!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・パラントーに接する区画です!】
残念ながらナチュラル度「5」が出ちゃったので・・ここにたどり着けませんでした・・と少し安心しています・・経費的に・・はい・・(^^;;
まぁ、昔なら、
「あのリシュブールに接する1級クロ・パラントー!」
などとやっていたんですが、今は逆?になっちゃいますでしょうか。
その昔、アンリ・ジャイエが開墾したキャベツ畑がリシュブール(レ・ヴェロワイユ)上部に接していました。そして、メオ=カミュゼから借りていたリシュブールの畑のワインが、アンリ・ジャイエのトップ・キュヴェで、その区画はクロ・パラに接したレ・ヴァロワーユの最上部でした。
で、メオ=カミュゼ所有区画の下の部分、こちらも同じくクロ・パラに接したレ・ヴェロワイユですが、そこがグロ・フレールの所有区画と聞いていますので、
「クロ・パラが高くて、少なくて買えなきゃグロ・フレールのリッシュブール!」
と言う考え方も有ったと思いますよ・・。まぁ、noisy も聞かれなきゃそんなことは答えないですけど・・。
なので、グロ家が持っているリシュブールの区画はレ・ヴェロワイユの2/3ほどなんですね。アンリ・ジャイエが引退を決意したのがこのレ・ヴェロワイユが造れなくなったから・・なんです。まぁ、noisy の記憶が確かならば・・なので、間違ってたらすみません。
で、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは何と、ポテンシャル95+ まで付けています。これ、ナチュラルなブルゴーニュワインではほぼトップの評価だと思います。
「ここが10年後にどうなっているのか?」
・・ご興味ないでしょうか?
おそらくですが、ナチュラル度は「5」でしょう!・・飲んでみたいですよね・・是非ご検討くださいませ!
● 2019 Pino Noir V.d.T.
ピノ・ノワール V.d.T.
【2019年もので一皮剥けたグロ・フレールのベースのキュヴェは、「エレガンスとは・・何?」と考えさせられる美味しさです!】

普通なら・・noisy も、
「ん~・・・これ、飲みたくないかも・・」
と、飲みもせずに仕入れなかった可能性が有ります。だって・・
「アルコール分14度のパスグラの葡萄のワイン」
なんですから・・何かもう、そのバランスが信じられなくて、
「飲まなくても判る」
ような気になってしまったんですね。
でも、この「ピノ・ノワール」と「ヴォーヌ=ロマネ1級」を飲んで、その認識を変えました。
「・・ん~・・やっぱり思い込みは良く無い!」
と大いに反省しました。これ・・
「めっちゃ美味しい!」
です。しかも、
「とてもエレガント!」
ですし、
「複雑な要素の絡みも良く判る!」
のが特徴でも有ります。
なので、
「・・アルコール分14度だから・・」
などは関係ないと思ってください。
どうなんでしょう・・どんな意識でこのように仕上げて来ているのかは判らないんですが、アルコール分がほんの少し高めではあるにせよ、エキスの美味しさとふんわりとした柔らかなテクスチュア、ふわふわ感がちゃんと有るんですよ。
それに加え、モレ近郊の畑のようですが、モレっぽい紫の果実の風味もほんのりと感じられ、伸びが良く、味わいがしっかり深いんですね・・。
普通は14度以上になってきますと、ほとんどの場合・・
「アルコールが浮いてる・・分離した感じ」
とか、
「ん~・・強いな~!」
と言う意識が全てをマスキングしてしまうものだと思うんですね。
なので、noisy 的には、その辺りを無意識にも避けてしまっていたのかもしれません・・・いや、でもそれは一般には間違っていないと思いますけどね。
この14度の「ピノ・ノワール」・・エレガントで美味しい・・と言ったら信じられますか?・・それに結構に複雑性が見えやすいんですよ・・しかも、今飲んで滅茶美味しい!・・くて価格もリーズナブルです。飲まない訳には行かないでしょう?
是非飲んでみて下さい。ご紹介が遅れてしまったので、減らしたのに、さらに減らされてしまったので、相当少ないです。
2019年、グロ・フレールは一皮むけたのは間違いないと思います。So2 も使っているといいながら、結構少ないんじゃないかと感じます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【So2を少量のみ使用したヴァン・ド・ターブルのピノ・ノワール!とてもリーズナブルです!】
ようやっと書き残していたキュヴェもコラムを書ける時間を取れました。2018年のグロ・フレールのご案内から随分と時間が経ってしい申し訳ありません。
こちらのキュヴェはモレ=サン=ドニにあるA.O.C.パストゥグラン表示が許された畑のようです。なので、ピノ・ノワール100%だとパスグラ表示も、コトー=ブルギニヨン表示も出来ず、単に「2018」「ヴァン・ド・ターブル」「ピノ・ノワール」と言うことになり、「ブルゴーニュ」は全く表示無しです。
おまけに「ヴァン・ド・ターブル」なので「ドメーヌ」も表示できないと言う、厳しい規制では有りますが、ブルゴーニュワインを守ると言う観点は決して外せないのでしょう。
ブルゴーニュ・ルージュよりはやや軽いものの、とてもピュアな味わいです。アルコール分も13.5度と高く無く、ちょうど良い感じですね。
ただし、モレ郊外の畑とのことですが、モレ=サン=ドニの雰囲気はあるのか?・・と聞かれますと・・「ない」と答えなくてはなりません。
それでもブルゴーニュ的で有るか?・・と聞かれましたら、とてもブルゴーニュ的です・・と答えられるでしょう。
そもそも昨今のA.C.ブルゴーニュのレジョナルワインは非常に高価です。人気の高くなったセシル・トランブレイなど、一体幾らになってしまうのか・・
「大丈夫かなぁ・・」
と、心配になってしまいますが、片や、こんなところでブルゴーニュも名乗れず、でもブルゴーニュワインをリーズナブルに販売されている・・のが、ある意味とても変な感じに思います。
滅茶苦茶美味しい!・・とは言いませんが、実にリーズナブルに、理解できる味わいのピノ・ノワールに仕上がっていると思います。是非ご検討くださいませ。
● 2019 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【アルコール分13.5度のしなやかでエキスがしっかり、しかも素晴らしくエレガントで柔らかな高質A.C.ブルゴーニュ!】

え~・・このA.C.ブルに加え、単に「ピノ・ノワール」と言うキュヴェも有りますので・・お間違いの無きよう・・。
2019年のグロ・フレールは全体的にアルコール分が高目で・・飲む前から怖気づいてしまい、仕入れの数を減らしてしまいましたが・・飲んだ後の気持ちは・・「失敗したかも・・・」と言うような想いに捕らわれてしまいました。だって・・
「不思議ちゃんだけど・・美味しい・・」
んですもん。
このA.C.ブルは13.5度ですが、14度、15度も有り得る訳ですから、低めでエレガント系が好きな noisy としましては、ビビッてしまった訳ですね。
しかしながらこのA.C.ブル、出来が滅茶良いです!・・もちろん、アルコール分は他のドメーヌと同様ですので、何も問題は有りません。
違う部分としましては・・・ヴォーヌ=ロマネ1級以上を飲んでいただけましたらおそらくお判りいただけると思います・・が、
「ピノ・ノワールのエキスがアルコールと一体化した、素晴らしい表情!」
が感じられるんですね。
これ、実はアルコール分がもっと低くても有り得る訳ですが、飲んでいると意外にも気付きにくいものなんです。
ですが、ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュはもう・・そこが余りにも半端無いので、バリバリに見えてしまうんですね。
で、そのヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュが持っている超上質なエキスの美味しさの一端を、このアルコール分の低いA.C.ブルも持っているんですよ・・。
美しい色をしているでしょう?・・これ、醸造が非常に上手く行った証拠でもあると思います。そうでなければこのしなやかさとエキスの美味しさ、表情は出てこないでしょう・・アルコール分は高く無く、細やかな部分の造りこみも美しいので、エレガンスは普通に感じられると思います。
アルコール分が低いものと高いものが混在、でも、アルコール分が浮いて感じられず、エキスがアルコールと一体化したピノ・ノワールの美しさを表現出来てしまったグロ・フレールの2019年ものです。
少ないですが、是非飲んでみて下さい!・・超お勧めです・・できれば上級キュヴェで、あのエキスの素晴らしい美味しさも味わってみて下さい。
以下は以前のレヴューです。
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【豊かな味わいの2018年ブルゴーニュ・ピノ・ノワール! 何と2千円代でご紹介いたします!2018年グロ・フレールの傾向はこれを飲めば判る!?】
まあ、確かにこのプライスは有難いですよね。今回はかなり頑張って値付けしていますので、3千円切ってのご紹介です。最も消費税を足すと超えてしまいますし、10月からの酒税の変更で、ワイン屋さんは750ML当たり 7.5円の手持ち課税を徴収されることになっています。
「また余分な仕事が増えて・・しかもこの出費は痛い・・」
です。一体、どれだけ在庫があるのか・・頑張って調べなければ判りません。
2018年もののA.C.ブルです。豊かなボディ感がしっかり感じられる14度と言うアルコール分ですので、いつもよりわずかに低めの温度で飲み始めるのが良いかと思います。
このA.C.ブルを飲むと、ヴァンサンが何を考えているのか・・少し判ると思いますし、この延長上に2018年の素晴らしいエシェゾーが有ります。
エキスの美味しさは格別ですし、しかも2017年ものとも相当に異なります。そしてSo2の少なさ・・これも特筆すべきでしょう。
非常にリーズナブルながら、ヴォーヌ=ロマネ的に丸い酸の優しい美味しさに満ちています。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【新生グロ・フレール・エ・スールの入門として最適です!力のある黒い果実が各所にちりばめられ、優しい赤い果実で埋め尽くされています。】

2017年もののグロ・フレール・エ・スールを扱うことにしたので、大赤字を覚悟で「グラン=ゼシェゾー」まで開けちゃいましたんで、グロ・フレールのおおよその全体像を掴むことができました。
「なるほど・・ビオにこだわらないヴァン・ナチュールのブルゴーニュ、ど真ん中のワイン・・ね」
言ってしまえば、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
とヴァンサンが言う立ち位置は、「なるほど・・」と言う感想がぴったりです。
「なんでそうしているのか、そうしなければいけないのか」
が判り辛い「ビオディナミ」には興味が無く、しかしビオディナミがもたらす見事な影響の恩恵は受けたい・・と言うような、現代っ子の若者が安易に目指しそうな立ち位置なのかもしれません。
しかしながら、noisy はそこに「ブルゴーニュの未来」をも見せてくれるワインに、非常なる興味を持ったんですね。事実、とても美味しいですよ。
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3~4」です。
なので、
「余りキツイビオはダメだけど自然派は好き」
と言う方には全く問題が無く、
「少しでも自然派のニュアンスが有れば駄目」
と言う方には無理な立ち位置のワインです。
このA.C.ブルゴーニュが「Ok」だと思われる方は、noisy 的分析では、このワインは「3.5」位で並みの自然派寄りで有り、グロ・フレールは「6」位まで有る・・と思っていただければ選択は間違えないと思います。シュマンもほぼ同様な感じですが、もう少し真ん中寄りかな?・・なので「3.5~4.5」位です。
親の兄弟でもあるミシェル・グロのワインは、So2 を使用するピュアな果実の美しいワインです。2015年までは濃いワインだったと思いますが、現状は、
「ミシェル・グロよりエレガント!」
だと感じます。
出来ましたら、充分に休めてお召し上がりください。大変身したグロ・フレール・エ・スール・・・是非ご検討くださいませ。
P.S.因みにリアルワインガイド第66号で徳丸さんが「豆っぽさ」について言及していましたが、消えたのか、ロット違いの性かは判りませんが、noisy には検出できないレベルでしたのでご安心ください。
● 2019 Chemin des Moines de Vergy V.d.T.
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジ V.d.T.
【非常に複雑性の高い味わいです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。

グロ・フレールはヴォーヌ=ロマネのワインがほとんどですので味筋は結構に共通項は有るんですが、2017~2018年と開けてみた感覚としては、
「ここは僅かに異なるか?」
と言う印象が芽生え始めています。
豊かな2018年もの・・と言う説明だけでは伝えきれない感じがします。・・何故って・・相当に複雑性を感じてしまったから・・です。
重くならず、軽くない・・中庸な感じでは有りますが、ヴォーヌ=ロマネのワインが持つ酸の穏やかさは、もう少ししっかりした感じになります。言ってみれば・・ジュヴレが入り込んだ感じ・・でしょうか。
まぁ、ヴェルジですからジュヴレが入ったとしても違和感はないのかな?・・っとも思いますが、やはりここの畑は、この先も注視して行く必要があるかと思っています。何せ温暖化の世の中ですから、この先はオート=コートがグラン・クリュになりかねない・・等と言うしょうもない「噂」が一部から出ているようですしね。
畑の位置も、もう少し特定してみたいですね。情報をお持ちの方は是非・・ご一報ください・・(^^;;お勧めします!・・数は全然無いです。
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!起承転結がクッキリ!ナチュラルだが、それを強く感じさせないバランスの良さ!ヴォーヌ=ロマネ村名並みです!】
これは旨かった!・・ナチュラルさはむしろ他の下級キュヴェより抑え目に出ている感じで、グラスから漂う柔らかく早い官能的なファーストノーズからの口入、中盤、終盤、余韻と、しっかりその段階を感じさせてくれる「普通のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」的な感じが、何の違和感も感じさせない美味しさです。
このシュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジは、ヴォーヌ=ロマネから(資料にはやや恣意的にラ・ターシュと書いてありますが)西に昇って行き、幾つかあるヴェルジの村へ向かう途中に有る古い畑のようです。近くにはオート=コート・ド・ニュイやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ格の畑が有りますが、長く打ち捨てられていた「古いクロの跡地」だったようで、アペラシオンを名乗れないので「ヴァン・ド・ターブル」格になっているようです。
ラ・ターシュから500メートル歩くと言うことですからヴォーヌ=ロマネからは少し離れており、Googleで写真を見てみると、
「なるほど・・ここかな?」
と思える場所が有ります。
「ここを買収して3年目の葡萄で醸造したのなら、さぞかし、力の無い味わいなんだろうなぁ・・」
「それにしちゃぁ・・高いよ」
などと、高をくくっていた訳ですが、あにはからんや・・ちょっとビックリさせられました。
「村名並みじゃん・・」
表現するのは難しいですが・・これで3~4年目かよ・・とビックリするような集中感が有ります。noisy が育てているピノ・ファンはそろそろ5年かな?・・こんなに立派には絶対になりませんから・・。黒みのしっかりした果実が・・そうだなぁ・・チョコチップのような感じでアチコチに有り、その間を穏やかな赤いチェリーやベリーが埋めているような感覚でしょうか。
ピュアさも有り、ナチュラルですが、むしろ揮発酸は非常に少なく・・いや、全く無いとは言いませんが、まず気付く方は極少数派でしょう・・滑らかでしっとりと優しいです。
オート=コートよりも高い値付けですが、これは村名並みのポテンシャルをすでに持っており、個性もしっかり有りそうですから、
「将来、大化けするかも!」
と言う気を持たせてもくれます。
是非Googleで、地図を見てみてください。3D で見ると面白いですよ。ヴォーヌ=ロマネの村を西に上がり、畑の無い部分を通り越した辺りです。それ以上西に向かうとオート=コートの畑群が有り、もっと行くとヴェルジの各村に入り、現在修復中のロマネ=サン=ヴィヴァン・ヴェルジ修道院も確認できます。ご検討くださいませ。
P.S.
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3.5~4.5」の間ほどです。
● 2019 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【柔らかで優しい・・アルコール分の低いベースキュヴェと、アルコール分がそこそこ合ってエキスが超美味しい上級キュヴェを繋いでいるのがこのヴォーヌ=ロマネ村名です!】

超絶にエキスが美味しいヴォーヌ=ロマネ1級の圧巻さには及ばないものの、優しい穏やかな美味しさと、エキスがアルコールにしっかり溶け込んでいる感がちゃんと伝わって来るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネです。
他のコラムでも書きましたが、基本・・余り高めのアルコール分のブルゴーニュワインは好みでは無い noisy です。しかし、2019年のグロ・フレールはそうはなりませんでした。
この村名ヴォーヌ=ロマネ、香りもしっかり立ち、スピードも有り、エレガントなんですが、ちゃんと中盤以降押してくる旨味が有るんですね。しかも注いで15分ほど経過すると、その複雑性が高くなり、ボディはさらに膨れ上がり、しかし・・
「饒舌になりすぎない、うるさくならない美味しさ」
が有るんですね。
実はnoisy 的には、このようなタイプに出会ったことが有りません。高目のアルコール分のブルゴーニュワインは、やっぱり「強い!」と・・過ぎる感で萎えてしまうんです。
ところが2019年のグロ・フレールには驚かされました。まぁ、アルコール分が高目とは言え、滅茶苦茶高い訳ではありませんが、結構に神経質なところの有る・・いや、そう自覚している noisy 自身、シビアに感じてしまう部分なんです・・他の方が気にしていないとしても。
そして、このような少しアルコール分が高めに出たブルゴーニュワインは、しっかり保つワインになります。5年、10年じゃ全く下手らないんですね・・。
さらには、今飲んでも結構に美味しいです。飲んで行くとどんどん膨らんで来ます。しなやかな美味しさとヴォーヌ=ロマネ的柔らかく暖かめの酸とスパイスの味わいが、何とも素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものも・・結構ビゾっぽいです!】
流石に2017年もののような、モロにドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネ風な味わいは僅かに薄れたかもしれません。それでも味筋は結構に似通っています。
2018年ものはアルコール分が結構出ていますので、2017年ものよりパワフルに感じられると思います。本来ですとアルコール分の出辛かったブルゴーニュ・ピノ・ノワールにとっては、素晴らしい出来事では有るんですが、リリース直後の味わいだけを考えますと、ボリューム感が先に出て来るかな?・・と言う感じもします。
しかしながらそのボリューム感こそは、エージングで磨かれてゆくのがワインの常識でして、ワインの評論家さんたちがコケにした1976年もののその後の評価を考えれば、
「今も美味しいが先行きはもっと楽しみ!」
と言うのが正解かと思います。
またこのキュヴェには、先のエシェゾー(・レ・ロアショース)から弾いた部分が入っていますので、それが垂直方向のボディ感をさらに深めているようにも思います。
今飲んでヴォーヌ=ロマネの豊かさを感じさせ、10年以上寝かせておおらかでゆったりしたヴォーヌ=ロマネの存在感を見せてくれるはずの村名かと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】
ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
● 2019 Vosne-Romanee 1er Cru
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ
【激旨!・・圧巻です!・・あ、そうだった・・エシェゾーの若木でした・・】

3本しかないのに・・飲んでしまいました。上級キュヴェで3本以上有るアイテムは少なかったんですね・・。なので一番安いのを開けちゃいましたが、いや~・・これ、本当に素晴らしいです!
2018年も滅茶美味しかったんですが、2019年ものはちょっと超えちゃいましたね・・。何しろ、
「エキスがアルコールと完全一体化した見事な美味しさ!」
を、
「濡れた表情で」
感じさせてくれる、素晴らしいエシェゾー・・いや、ヴォーヌ=ロマネ1級だったんですね。
まぁ、アンヌ・グロもリリースしているロアシューズの若木なのでしょうが・・ちょっとこれみよがしなのはアンヌ・グロもグロ・フレールも同じ・・と言うようなイメージでいたnoisy です・・が、そのイメージは破棄しなければいけませんね。
例えは全く以て良く無いと思うんですが、超上質のカシス・リキュールを想像してみてください。勿論、甘く無いと仮定してくださいね。そして、その濃密さだけを変えずにアルコール分を15度以下に落としてみて下さい・・さらに、その濃密さを「濃い」と思えないレベルにまで下げてみてください・・。するとどうでしょう?・・ロアシューズのテロワールが見えてこないでしょうか?
圧巻な美味しさです。だから・・決して濃くないんですよ。カシス・リキュールのように「一面的に塗りつぶされた感じ」なんてことも全くありません。
2019年ものの素晴らしい色合いは、2018年ものを軽く凌いでしまっていませんか?
ペロ・ミノさんみたいな濃さなら、余りうれしくはないんですが、この1級には参っちゃいましたね。ある種、絶妙のバランスをしていると感じました。
こうなって来ますとグラン・クリュが気になって来てしまいますよね。
「若木でこれならグラン・クリュは一体どうなってしまうんだろう?」
noisy も気になって仕方が無くなってしまいましたが、エシェゾーは2本しかありません。どなたか是非・・チェックしてみてください。驚きの味わいでした!
以下は以前のレヴューです。
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【・・こ、これ・・普通にエシェゾー?・・】
また2017年ものとは全然印象の異なる味わいでしたので、これまたちょっとビックリしました。飲んだらま・・
「あれ?・・エシェゾー?」
みたいな味わいなんですよね・・。確かに2018年グロ・フレールのエシェゾーとも大きく違いますが、
「多くの生産者がリリースしている、乾いた系のエシェゾーの味わい」
にソックリです。・・そう、ちょっと「ボソッ」とした感じの例の奴です。
しかしながら、その「ボソッ」としたテクスチュアの周りをクリスタル的なミネラリティでコーティングされているので、その、
「ボソッと感」
がそのまんま、「ボソッと感」で終わらないところが味噌か・・と思います。
グロ・フレールのエシェゾーと比べてしまいますと、質感が結構に異なりますが・・一般論としましては、普通にエシェゾー的ですし、30分経過してからの膨らみが見事ですので、
「これは相当にお買い得!」
かと思います。
複雑性もあり、ミネラリティもエキスもバッチリ・・・できれば2カ月ほど休ませた方が良く、15年はしっかり熟成する能力が有ると感じました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【甘露です!フィネス、エレガンスをナチュラルに表現したエシェゾー格落ち!】
美味しいですね~・・これは良い!・・村名ヴォーヌ=ロマネの延長上と言うより、シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジの延長上と言った方がより近いと思いますが、このプルミエ・クリュまで来ると、ギアが2段ほど上がったかのような密度を見せてくれます。
色合いも美しいです。そして、気になる?ナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」です。
揮発酸は検出限界に近いです。全く無いとは言いません・・が、まず判らないと思いますよ。
「・・いや、有る。あるに違いない!」
と思って一生懸命に嗅ぎ出せば・・もしかしたら感じるでしょう。そんなレベルですが、ナチュラル度は半端無いです。滅茶甘い水にピノ・ノワールワインならではの要素がちりばめられ、サン・スフルならではの中間的要素に満ち、輝きを持っています。
まぁ、エシェゾーもクロ=ヴージョ(・ミュジニ)も、グラン=ゼシェゾーも飲んじゃいましたからね。このワインの持つ素晴らしさにも気付いちゃいますよ。それら上級ワインが持つ高尚且つ雅な要素、表情をかなりの部分、持ち合わせているんですね・・。だからどうしても「美味い!」と思ってしまう・・んでしょう。
最も、上記のようにナチュラル度は「5.5」ですから、「5」ならばOKの方も、そこを超えてくるといきなり「無理」と言う方がいらっしゃらないとは限りません。
しかし、もしかして気に入らない風情が有ったとしても、これほどの美しく細やかな表情がお化粧代わりになるんじゃないかと思います。相当に・・旨いです。
ですが・・コンディションが悪いとどうにもならないと思いますので、必ず14度以下の保存環境で、飲む前にしっかり立てて透明度を確認してからお楽しみください。素晴らしい世界が待っています!ご検討くださいませ。
● 2019 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン
【こんなバランスのブルゴーニュ・ブランはグロ・フレールでしか味わえないでしょう!・・タイトながらも大きな構造!・・しかも香ります!】

このワインは2018年ものと一緒ですね~・・バランス的には、2005年のフィリップ・パカレ、「アンディジェーヌ」と一緒です。このブランに関してはブルゴーニュと言うよりももう少し南下した感じ・・でもブルゴーニュ的なエレガンスもちゃんと有ると言う、
「滅茶不思議ちゃんな白!」
なんです。それで普通な美味しさなら大したことは無いんですが、後を引く美味しさなんですよ・・。
果実も、ブルゴーニュのニュイと言うよりはボーヌ...ピュリニー辺りの良く熟れた感じのものに思えます。ミネラリティとアルコール分がほぼ同量のようなニュアンスで、ちょっとシャルルマーニュ・・入ってますか?・・みたいなイメージです。
構造もそれなりに大きくて・・やはりボリューム感が素晴らしく有ります。時間の経過でボディがグググっと膨らんで来ます。そしてそこからの表情が素晴らしいんですね。
ブルゴーニュの南と言うとローヌですよね。でも、ローヌのバランスとは一概にも言えません・・。酸がちゃんと有りますから・・はい。その酸の美味しさもまた格別だし、非常にドライなのに美味しさが逃げて行かない・・旨味がちゃんとしっかり有るのが特徴です。
ま~・・何とも不思議ちゃんです。不思議ちゃんドメーヌが造り出す、最も不思議ちゃんな白です。これ・・美味しいと思ってしまうnoisy を、noisy 自身が信じられないんですよね・・飲んでみて下さい。
「これはこれで有り!」
と確信しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これ・・滅茶苦茶美味しいです・・一体、何なんだ・・・このバランス!大好きです!】
2018年もののグロ・フレールは、押しなべてややアルコール分が強く、ボディが豊かです。それが下級キュヴェから上級キュヴェまで、統一されています。結構に飲みましたので・・(^^;; 理解しています。
個人的には穏やかな感じだけれど、複雑性が有って、流れるような味わいのブルゴーニュワインが好きなんですね。なので、
「このように、ボディの豊かなブルゴーニュワインはちょっと苦手」
では有ります。
そうは言っても・・2018年のグロ・フレールが美味しくない・・と言っている訳では無いんですね。むしろ、
「余り無いタイプのブルゴーニュ」
であるのは間違いない訳です。
だって、造り手には2通り有りますから・・自分のイメージを具現化し、それに合わせて栽培もワイン造りも調整して行くタイプと、気候を含んだテロワールこそが大事で、自分は採れた葡萄を単にワインに昇華するだけ・・と、栽培もワイン造りもほぼ一定のものとするタイプです。まぁ、大きく分けて・・です。
だとしますと、
「一体、どっちがテロワリストなのか?」
は、相当に微妙でしょう?
グロ・フレールは後者です。古い時代のブルゴーニュのイメージを守ろう・・とはしていません。だから、葡萄の糖分が上がれば、それを確実にアルコールに転嫁することを良しとするのでしょう。
では、他の造り手はどうでしょう?・・きっと、そうはしないでしょう?・・どっちらテロワールを大事にしているのか、かなり難しい話になってしまうんですね。
で、このオート=コートの白が、その答えになりそうなんですよ。白ワインだけに・・エルヴァージュ後の熟が進んでいるんですね。飲んでみると・・これが・・
「めっちゃくっちゃ美味しい!」
んです。
ですが、余りに今までのブルゴーニュワインとはイメージが違う美味しさなんですよ。だから、ボーヌの偉大なシャルドネは、余り比較対象とも出来ないんです。
かといって、ローヌの白ワインと比較できるか?・・と言いますと、アルコール分はローヌの方が高いことも有りますが、ブルゴーニュの白の、酸の多彩さやミネラリティの組成の違い、結果としての「エレガンス表情の圧倒的な違い」が、ローヌの白とも比較対象にならない・・んですね。
ですので、これはやはり、まごうことなき、「ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン」で有り、それも、滅茶苦茶美味しい・・ちょっと感動するくらい・・・(^^;;
しかも経験したことの無い美味しさ・・・なんですね~。これ、是非飲んでみて下さい。温暖化へのストレートな答えを含んだ、見事なワインだと・・noisy は思っています。お勧めします!
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【 滅茶苦茶旨い!ナチュラルだが自然派嫌いでも全然OK!揮発酸は感じません!柔らかく見事に美しいシャルドネです! 】

このオート・コート・ド・ニュイの白は大成功だったんじゃないかと思いますよ。普通だと白の方が酸化制御で難しいはずなんですが、醸しはしていないと思われる、
「最高に美味しいシャルドネ!」
になってたんですね・・。これ・・もっと飲みたい!・・と思っちゃいましたが、案の定、カミさんも気に入ったらしく、飲むスピードが速いもので・・はい・・。
色落ちも少なく、自然派やビオを意識しなければ、フツーのワインだと思って終わってしまうと思います。それも「早々に」無くなるはずです。
ピュアで少し豊満な果実がたっぷりあり、シャルドネ特有の中域、中高域の太さに加え、繊細でナチュラルな風味が高域に抜けて行き、そこを侵食する揮発酸系の香りが無いですから・・見事に美味しいのでしょう。
自然派系の白、しかもSo2不使用ですから、少し長く栓を抜いておくと色落ちはするはずです・・が、確認する前に無くなっちゃいました。素晴らしいバランスをしていると思います。90点以上付けて良いかな・・と思います。超お勧め!・・これは旨いです!
因みにお馴染み?のナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3」です。
揮発酸的な要素は全く無いとは言いませんが検出限界ですから、その意味では上記のナチュラル度は「1」です。揮発酸的要素を除いたナチュラル度が「5」で、平均して「3」と言うことにしました。是非飲んでみてください。誰も美味しい!・・と言っていただけると確信しています!
● 2019 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
【かつてはクロ=ヴージョ・ミュジニと名乗っていたキュヴェですが、今は自粛しています。】ミュジニー真横のパーセルです・・すみません飲めませんでした。アルコール分は14.5度です。
こちらも飲めなかった3兄弟です・・。グラン・クリュ・ミュジニー(正確にはレ・プティ・ミュジニー)に接した「アン・ミュジニ」と言うパーセルです。
2018年ものは2017年までとは異なり So2を入れたとは言え、自然生成も入れた残存合計で30~40mg ですので、全く使用しなくても 30mg ほどは出る可能性を考えれば・・非常に少量です。
ミュジニーのハイトーンな性質にクロ=ヴージョのミディアム~ロートーンの肉が付いた、非常にパーフェクトな味わいの長熟なワインで有ると想像しています。
今回は価格も相当に頑張っています。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・ヴージョ(・ミュジニ)が・・こうなるのか~!】
皆さんも良~くご存じの、グロ・フレール・エ・スールのクロ・ヴージョです。以前は「ミュジニ」を名乗っていたあのキュヴェですね。黒っぽくて濃密で、嫌いじゃ無かったですよ。何よりも安かったし・・。
でもnoisy 的にはミシェル・グロが良かったし、ちょっと濃さにこだわり過ぎるグロ・フレールやアンヌ・グロは好みでは無かったんですね・・それでもアンヌ・グロは売れちゃうし、欲しいお客さんも結構いらっしゃいましたんで続けてましたが、グロ・フレールをテイスティングを頑張ってテイスティングしてご案内したところで、
「高い!」
と言われて全く売れないでしょうし・・と言うことで止めちゃったんですね。
でも、ここまでナチュラルでエレガントに変身してしまうと、おそらくまともな姿で販売できるショップは限られてしまいますから・・
「じゃ、トライしてみようか・・」
と、アマノジャクな心に種火が灯ってしまったんですね。
挙句の果てに・・これです。売れるかどうかも判らないし、数もそんなにある訳じゃ無い、グロ・フレール珠玉のグラン・クリュを散々に開けちゃった訳です。しっかり赤字決定ですが、やっぱりやる時は腰を据えてやらないと、詰まらないじゃないですか。ただ並べているだけのサイトなんぞ、こちらはご免です。
で、早速テイスティングです。・・いや、ちょっと心が躍っちゃいましたね。クロ・ヴージョ最上部、ミュジニー(レ・プティ・ミュジニー)に続く部分の畑ですから、ミュジニーに最も近いですが、グラン=ゼシェゾーにもエシェゾーにも近いです。
味わい的には、確かにミュジニー的なミネラリティも混ざっているものの、グラン=ゼシェゾー的に集中した黒い表情や、エシェゾー的に乾いたニュアンスも有る、非常に複雑性の高い味わいなんですね。
飲んでいて実に楽しい・・です。
「ん?何で楽しいの?」
と思われるかもしれませんが、ちょうどその4つのグラン・クリュの地図でも眺めながら飲んでみて下さいよ。ある程度ブルゴーニュワインを飲まれていらした方なら、少しずつ変化する表情に、一喜一憂しつつ、脳もしっかり楽しんで飲んでいることに気付かれるに違いありません。
因みに、ヴァンサンが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」と言うのが noisy 的評価です。ほぼど真ん中です。
あまりにテクスチュアの良さに、「するする」飲めてしまいますが、やはり飲み頃的には「早い」です。noisy 的にはあと3年ほどは置きたいですね。
そしてその時にもう一度・・できることならテイスティングし、どこまで「クッキリしてくるか」確かめてみたいと思います。勿論ですが、自身の答えはすでに持っていますよ。飲んだ時にしっかり結論をしておかないと忘れてしまいますし、誰かの言葉につられてしまって、「そうだった・・はず・・」と記憶を書き換えてしまいますからね。
赤い果実が主体の滅茶複雑で心地良いグラン・クリュです。フィネスもしっかり有ります。是非トライしてみてください。
● 2019 Grands-Echezeaux Grand Cru
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ
【2017年ものの物凄いナチュラルさは・・どうなったのか・・と気になって仕方ありませんが!D.R.C.のパーセルのお隣です。】---飲めませんでした。以前のレヴューを掲載しています。
こちらも飲まなかったキュヴェです。2017年ものをしっかり飲んだので・・すみません。実は2017年のグロ・フレールは、上級キュヴェを散々テイスティングしたため、利益ほぼ無し・・でした。
なので2018年ものの上級キュヴェのテイスティングをエシェゾーまでにとどめ、その分をお客様に還元しようと言う訳です。
ここのパーセルは、あのD.R.C.のお隣ですが、その昔まだD.R.C.のワインがリーズナブルだった頃・・エシェゾー1.5万、ロマネ=サン=ヴィヴァン2万・・みたいな頃、やはり人気だったのがグラン=ゼシェゾーでした。D.R.C.のエシェゾ-を買うくらいだったらもう少し出してグラン=ゼシェゾーを・・みたいなノリだったと思います。
でも、D.R.C.のエシェゾーの大当たりを引いたことのある noisy は、果実の乗りの良いグラン=ゼシェゾーより、よりエキスが美しいエシェゾーも捨てがたかったなぁ・・などと思い出します。もっとも昨今は全く飲めませんが!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【xxさんを質に入れても飲みたいグラン=ゼシェゾー?・・ここまでナチュラルなグラン=ゼシェゾーはnoisy も初めてです!】
左の写真は、大きさ以外は全く弄っていない、「素」のままです。実に深淵な色合いです。エッジにも先鋭なナチュラルさを思わせる危険な色合いは全く感じられません。
しかしナチュラルです。まずは、ナチュラル度ですが・・
ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5」と言うのが noisy の判断です。なので、noisy的理解としますと、
「ヴァンサン・グロが目指しているのはおそらくここのナチュラル度」
と言うことになります。
いや~・・バカですね~。今飲んだって勿体ないだけなのは判り切っているのに開けちゃうんですね~・・。愚息にも言われてしまいました。
「・・開けちゃうの?」
「やるときは・・やらんと・・ね」
と言いながら、ちょいちょい・・ビビってましたが、一度決めたらやり通さないと・・と思って開けちゃうんですね。でも、このグラン=ゼシェゾーを開けたから良かった。「5」にならなかったら、次は
「リッシュブールの抜栓」
が待っていました。全体像を見通せないのに・・想像すらできないのに、まともなご案内などできませんからね。「5」で・・良かった・・す。
いや、実に素晴らしい・・気品に溢れる、ピュアでナチュラルな素晴らしいグラン=ゼシェゾーでした。最後は凄い清冽な水を感じさせる余韻を長く感じさせてくれます。
まぁ、こう言ってしまっていて何では有りますが、滅茶美味しい水って・・さほど長く余韻は無いんですけどね・・。その余韻の記憶みたいなものを脳がずっと感じているのかな?・・などと思っていますが、その清冽さが実に良いんですよ。シリュグのグラン=ゼシェゾーもそうでしたけどね。似ていますが、シリュグはそうなると、ナチュラル度は「1~1.5」ほどです。
で、飲めてしまうのは間違いないですが・・これはもう、勿体ないの極致です。今開けると後悔します。
リアルワインガイド第66号は飲み頃は2023年から・・と言うことで、ほぼ同様の感想です。5年くらい待った方が良いかと思います。
そして、揮発酸はほぼ検出限界です。・・なるほど・・ヴァンサン・グロが目指しているのはそこで有って、このナチュラルな美しさと細やかなディテール表現で有ることが判ります。
いや・・素晴らしいグラン・クリュでした。このワイン、セラーの無い方には無用でしょうが、まともなセラー温度ではないショップにも無用にして欲しいです。
「ピュアでナチュラルなヴォーヌ=ロマネ(+近郊)のワイン!」
ヴァンサンの目指すところは正しいと思います。まだまだ伸びると感じました。是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2019 Richebourg Grand Cru
リッシュブール・グラン・クリュ
【大看板のリッシュブールです!】---すみません、2019年ものは入荷が少なく、飲めませんでした。(アルコール分は15度です。)以前のレヴューを掲載しています。
まぁ・・やはり「リッシュブール」と言うリューディは「別格中の別格」なんですね。グロの持ち分は、正確には「レ・ヴェロワイユ」と言う畑です。昨年の2017年ものの記事にも書きましたが、かのクロ・パラントーに接する訳でして・・格上のリッシュブールの紹介に、格下の1級を持ち出すという、ワインの世界ではありがちでは有りますが不思議な状態では有ります。
グロ・フレールはやはりヴォーヌ=ロマネ近郊に凄い地所を持っているのが特徴です。今回はリッシュブールも飲んでしまおうか・・などとも考えましたが、リーズナブルだとは言え、・・・な価格では有りますし、この1本を飲んでしまうと、グロ・フレールのワインが売れるのは嬉しいけれど・・もう一人の人格、利益を考える社長は、「止めてくれ・・」と声高に叫んでいた訳です。
グロ・フレールの2018年ものは相当に大柄ですので、もし、2018年と言うヴィンテージに何かのセレブレーションが有るようでしたら、とても良い選択になろうかと思います。リッシュブール・・・中々買えないですから・・はい・・勿論ですが、グロ・フレールに限りませんで、お隣のメオ=カミュゼやアンヌ・フランソワーズ・グロのパーセルも入手は結構に大変です。アンヌ・フランソワーズ・グロの下部がアンヌ・グロでしたっけ・・。これも入手は難しいですよね。ご検討くださいませ。価格はかなり・・頑張りました!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・パラントーに接する区画です!】
残念ながらナチュラル度「5」が出ちゃったので・・ここにたどり着けませんでした・・と少し安心しています・・経費的に・・はい・・(^^;;
まぁ、昔なら、
「あのリシュブールに接する1級クロ・パラントー!」
などとやっていたんですが、今は逆?になっちゃいますでしょうか。
その昔、アンリ・ジャイエが開墾したキャベツ畑がリシュブール(レ・ヴェロワイユ)上部に接していました。そして、メオ=カミュゼから借りていたリシュブールの畑のワインが、アンリ・ジャイエのトップ・キュヴェで、その区画はクロ・パラに接したレ・ヴァロワーユの最上部でした。
で、メオ=カミュゼ所有区画の下の部分、こちらも同じくクロ・パラに接したレ・ヴェロワイユですが、そこがグロ・フレールの所有区画と聞いていますので、
「クロ・パラが高くて、少なくて買えなきゃグロ・フレールのリッシュブール!」
と言う考え方も有ったと思いますよ・・。まぁ、noisy も聞かれなきゃそんなことは答えないですけど・・。
なので、グロ家が持っているリシュブールの区画はレ・ヴェロワイユの2/3ほどなんですね。アンリ・ジャイエが引退を決意したのがこのレ・ヴェロワイユが造れなくなったから・・なんです。まぁ、noisy の記憶が確かならば・・なので、間違ってたらすみません。
で、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは何と、ポテンシャル95+ まで付けています。これ、ナチュラルなブルゴーニュワインではほぼトップの評価だと思います。
「ここが10年後にどうなっているのか?」
・・ご興味ないでしょうか?
おそらくですが、ナチュラル度は「5」でしょう!・・飲んでみたいですよね・・是非ご検討くださいませ!
● 2019 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【格落ち、若木のヴォーヌ=ロマネ1級ですら物凄いのにエシェゾーともなると・・想像を絶する世界です!】
2本のみのご案内です。昨年の2018年ものは開けたので・・ご容赦ください。
2019年のヴォーヌ=ロマネ1級が圧巻で・・いや、是非コラムをお読みください。濃密では有りますが甘く無く、濃いとは意識しないで飲めるレベルです。アルコール分は1級同様15度ですから高めでは有るんですが、「高いとは感じないほどのエレガンス」が有り、しっかり中和されているんですね。
おそらくですが、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じような醸造になっているはずですので・・これ、飲んでみたらビックリの世界じゃないかと想像しています。
そもそもは、ブルゴーニュはアルコール分が高く出ないような気候だったもので、
「アルコール分が高くなった年、造り手たちは喜んだ!」
んですね。
潜在アルコール分が低いと糖を足して補助して発酵し、ワインにしていた訳です。それをINAO も認めていたんです。昨今は温暖化で、そのような補糖はせず・・むしろ陰で補酸その他が行われているようです・・が、こちらには全くその気が有りません。
たしかに、アンヌ・グロのエシェゾーは・・「濃いな~~・・」と言うイメージでは有りますが、こちらは「・・美しい」と思えるような味わいかと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄い質感のジュースです!・・今も美味しく飲めますが・・10年経ったら凄い成長をしているはずです!】
今回の2018年ものグロ・フレールのグラン・クリュで唯一飲めたのがこのエシェゾーです。
何と言っても・・2018年バシュレ・モノだけでも全12アイテム中11アイテムのテイスティングをやっとでこなしたばかりで2018年グロ・フレール12アイテム(実際は2017年ものを含めて13アイテム)もの到着でしたので、スケジュール的にも相当困難な感じでした。おまけにそのグロ・フレール他の到着日にはもう・・他のアイテムをオファーしてくださると言う・・何とも鬼・・いや、仏のようなインポーターさんでして・・はい。
やはり2017年ものの「超ナチュラル」「サンズ・フリー」な味わいは、確かに延長上では有ります。それでもむしろ、
「僅かなSo2の添加が若いワインに焦点を造っている」
と言う感じがします。サン・スフルは柔らかで心地良いですが、若いうちは若干、焦点ボケして感じられることが多いです。これは、ミネラリティに関係すると思いますが・・So2 (亜硫酸塩)もある意味、その仲間では有りますので・・。
ただし添加量も非常に少ないので、ディテールを大きく侵食するほどでは有りません。2018年ものはアルコール分の出る造りをしたようですので、とても大柄で、エキスが今まで以上、物凄く出ていると感じました。
まぁ・・例えばですね・・梅酒を漬けることを考えてみて下さい。アルコール分の高いものを使用した方が、梅のエキスが良く出るんです。やったことが有る方はお判りかと思います。
味わいは質感良く、アルコールによるボディ感高く、エキス感もしっかりです。今良い感じで美味しいのが玉にキズでして・・早く飲まれてしまうのが勿体無いかと。10年置いたら物凄いことになっているかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【わお!・・なるほど~・・ヴァンサン・グロの立ち位置が理解できる1本です!】
言い忘れてしまったが、グロ・フレール・エ・スールのヴォーヌ=ロマネ1級は、このエシェゾーの格落ち、若木なんですね。もっと言ってしまえば、村名ヴォーヌ=ロマネにも格落ちのエシェゾーが入っているようです。
なので、村名ヴォーヌ=ロマネ -> ヴォーヌ=ロマネ1級 = エシェゾー でして、少なくともヴォーヌ=ロマネ1級とエシェゾーは、ほぼ同じ畑のワインです。出来が違うだけ・・と思って良いかと思います。
何しろヴォーヌ=ロマネ1級が滅茶美味しいですから、若木、格落ちと言っても素晴らしい出来です。今飲んでもその美味しさは隠しようが無いです。
で、エシェゾーです。非常に複雑です。フィネスもたっぷりあります。今飲んでも「するっ」と入って行ってしまいますので勘違いしちゃうんですね・・。えっ?何を?ってことですが・・。
そうなんですよ。今飲んでも普通に美味しい。それは、余計なものが入っていない、素晴らしい葡萄由来の美味しさです。でも、ただそれだけなんですね・・今は。ブラインドテイスティングをやると、おそらくヴォーヌ=ロマネ1級の方が点が高くなっちゃいますよ。ナチュラル度も凝縮感も同様だとしても・・です。
つまり、美味しく飲めてしまうが、
「飲み頃はまだ先!」
と言うことになります。
じゃぁ・・いつ頃からが飲み頃か・・と言うことになりますが、この辺はテイスターが変われば判断も変わりますんで・・。リアルワインガイド第66号は2021年から・・と言うことで、
「なるほど・・良いところをついて来てるなぁ・・」
と言う感じがします。noisy 的にも2021年からで・・同じです。余り徳丸さんとは一致しないことが多いんですが・・珍しく!
要は、So2 無しのナチュラルな栽培、造りをしたワインなので、中間的要素が抑え込まれていないんですね。ここにSo2 を入れると、もっと判りやすくなり、
「お・・さすがグラン・クリュ!」
とすぐに素直に言えるわけです。
ところが、余りに中間的要素がしっかり存在していますんで、今は、結構に「ごっちゃ」な感じなんですね。それでも「スルスル」と美味しく飲めちゃうので、ブラインドだと高い評価をつけ辛い・・と言うことになり、エチケットをオープンして、
「・・えっ?・・エシェゾーだったんだ・・」
と、自分の能力の無さに悲観するか、ドメーヌの造りに文句を言うか・・に陥る訳ですね~~・・♪♪・・いや、ワインって、本当に楽しいですね~!・・これ、絶対に飲まなきゃ判りませんよね~!
印象的には、ビゾのエシェゾーをもっとエキシーに、角を丸くしてエレガントにした感じです。もうどこにも引っ掛からないです。「するん」と喉を通り抜け、ナチュラルな「返り」が飲み手を楽しませてくれます。
美味しいお寿司なんかもぴったり合うんじゃないか?・・などと感じてしまいますね。これはそっち系にはぴったんこでしょう。最も今はまだ「早い」ですけどね。
因みにすべてのグロ・フレール・エ・スールのコラムに書いていることですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5.5」です。
ある意味、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じです。が、複雑性、コアの確実性、潜在能力は上です。熟成能力も同様でしょう。・・が飲めちゃうんですよね・・怖いなぁ・・。是非美味しく飲んで欲しい、素晴らしいグラン・クリュでした。2年は待ちましょうね。
● 2018 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン
【これ・・滅茶苦茶美味しいです・・一体、何なんだ・・・このバランス!大好きです!】

2018年もののグロ・フレールは、押しなべてややアルコール分が強く、ボディが豊かです。それが下級キュヴェから上級キュヴェまで、統一されています。結構に飲みましたので・・(^^;; 理解しています。
個人的には穏やかな感じだけれど、複雑性が有って、流れるような味わいのブルゴーニュワインが好きなんですね。なので、
「このように、ボディの豊かなブルゴーニュワインはちょっと苦手」
では有ります。
そうは言っても・・2018年のグロ・フレールが美味しくない・・と言っている訳では無いんですね。むしろ、
「余り無いタイプのブルゴーニュ」
であるのは間違いない訳です。
だって、造り手には2通り有りますから・・自分のイメージを具現化し、それに合わせて栽培もワイン造りも調整して行くタイプと、気候を含んだテロワールこそが大事で、自分は採れた葡萄を単にワインに昇華するだけ・・と、栽培もワイン造りもほぼ一定のものとするタイプです。まぁ、大きく分けて・・です。
だとしますと、
「一体、どっちがテロワリストなのか?」
は、相当に微妙でしょう?
グロ・フレールは後者です。古い時代のブルゴーニュのイメージを守ろう・・とはしていません。だから、葡萄の糖分が上がれば、それを確実にアルコールに転嫁することを良しとするのでしょう。
では、他の造り手はどうでしょう?・・きっと、そうはしないでしょう?・・どっちらテロワールを大事にしているのか、かなり難しい話になってしまうんですね。
で、このオート=コートの白が、その答えになりそうなんですよ。白ワインだけに・・エルヴァージュ後の熟が進んでいるんですね。飲んでみると・・これが・・
「めっちゃくっちゃ美味しい!」
んです。
ですが、余りに今までのブルゴーニュワインとはイメージが違う美味しさなんですよ。だから、ボーヌの偉大なシャルドネは、余り比較対象とも出来ないんです。
かといって、ローヌの白ワインと比較できるか?・・と言いますと、アルコール分はローヌの方が高いことも有りますが、ブルゴーニュの白の、酸の多彩さやミネラリティの組成の違い、結果としての「エレガンス表情の圧倒的な違い」が、ローヌの白とも比較対象にならない・・んですね。
ですので、これはやはり、まごうことなき、「ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン」で有り、それも、滅茶苦茶美味しい・・ちょっと感動するくらい・・・(^^;;
しかも経験したことの無い美味しさ・・・なんですね~。これ、是非飲んでみて下さい。温暖化へのストレートな答えを含んだ、見事なワインだと・・noisy は思っています。お勧めします!
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【 滅茶苦茶旨い!ナチュラルだが自然派嫌いでも全然OK!揮発酸は感じません!柔らかく見事に美しいシャルドネです! 】

このオート・コート・ド・ニュイの白は大成功だったんじゃないかと思いますよ。普通だと白の方が酸化制御で難しいはずなんですが、醸しはしていないと思われる、
「最高に美味しいシャルドネ!」
になってたんですね・・。これ・・もっと飲みたい!・・と思っちゃいましたが、案の定、カミさんも気に入ったらしく、飲むスピードが速いもので・・はい・・。
色落ちも少なく、自然派やビオを意識しなければ、フツーのワインだと思って終わってしまうと思います。それも「早々に」無くなるはずです。
ピュアで少し豊満な果実がたっぷりあり、シャルドネ特有の中域、中高域の太さに加え、繊細でナチュラルな風味が高域に抜けて行き、そこを侵食する揮発酸系の香りが無いですから・・見事に美味しいのでしょう。
自然派系の白、しかもSo2不使用ですから、少し長く栓を抜いておくと色落ちはするはずです・・が、確認する前に無くなっちゃいました。素晴らしいバランスをしていると思います。90点以上付けて良いかな・・と思います。超お勧め!・・これは旨いです!
因みにお馴染み?のナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3」です。
揮発酸的な要素は全く無いとは言いませんが検出限界ですから、その意味では上記のナチュラル度は「1」です。揮発酸的要素を除いたナチュラル度が「5」で、平均して「3」と言うことにしました。是非飲んでみてください。誰も美味しい!・・と言っていただけると確信しています!
● 2018 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【So2を・・圧力に負けて入れた2018年のオート=コート!・・これはしっかり出来ています・・し、So2を入れなかった2017年ものも少しだけ再入荷していますので、その比較も楽しいはず!】

いや・・面白いものですね・・。2017年ものはSo2ゼロで、滅茶しなやかでフカフカ・・ですが、
「こんなもの、普通にショップに出したら、全部逝かれてしまうに違い無い!」
と、かなり不安に思ったものでした。ナチュラルで可憐さが有ってシミジミと美味しい自然派的なワインでした。
しかしながら、So2を少量入れた2018年もののオート=コートは、かなり・・違う部分も感じられる仕上がりでした!
何せ、アルコール分は14度と・・まぁ、平均値に近いものでは有りますが、僅かに入れたSo2によって、むしろ、
「焦点はビッチリと有ってると感じさせられる」
のが不思議では有ります。
その上で、2017年ものの「シミジミさ」はほぼ無く、
「キッチリ出来た美味しいオート=コートのピノ・ノワール!」
と感じさせてくれるんですね。
しかも、以前のグロ・フレール・エ・スールのような、濃厚でやや甘さまで感じるようなパワフルなピノ・ノワールとも、また全然違う・・。
「お~い、どこに行こうとしてるんだ~?」
と声を掛けたくなりますが、このワインはこれでとても美味しいので、別に何も悪いことも無い・・。
でも、アイデンティティと言うものが有るだろ?・・みたいな感覚も有り・・いや、これからしばらくはちょっと目が離せないかな・・と思っています。
ちょうど2017年のSo2の入っていないオート=コートも買えましたので、比較してみていただけますと・・楽しいかな?・・と思います。イタリアワインで有り、無しは比較出来ても、
「ブルゴーニュワインの同じものをヴィンテージ違いでSo2有り無し比較が出来る!」
何ていう芸当は、この先はそうそう易々とは出来ないと思いますよ。ご検討くださいませ。
以下は2017年のSo2無しのレヴューです。
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【見事にナチュラルな感覚のワイン!それもブルゴーニュのピノ・ノワールです!】
2016年以降のグロ・フレール・エ・スールのワインが、どのようなものなのかと思い、アチコチかなり時間を掛けて検索してみたものの、結局全く判らず、ただ2015年以前と同様にページに並んでいるだけの状況に唖然としてしまいました。
反対に、
「それならnoisy の出番もあるかな・・」
とも思えた訳なので、安易には批判もできません。・・でも酷いですね。noisy がテイスティングした結果としては、このレベルのナチュラル・ワインがもし、蛍光灯や太陽光がガンガン当たる温度管理もまともにされていない・・されていたとしても18度ほどの売り場に並べられていたら・・としたら、想像を絶するコンディションになってしまうと思います。ナチュラルワインを専門に、もしくは看板に上げているショップでさえ、「夏に暖かいセラー」だったりすることが多いですから、まして今までの「グロ・フレール」と同様に扱われているとするなら、とても怖い状況です。
リアルワインガイド第66号が88+ 89 と評点し、大地の風味に満ちた見事なブルゴーニュのナチュラルワインと評したオート・コート・ド・ニュイです。
ヴァンサン・グロが言う
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~6.5」ほどかと思います。
なので、
「それなりにナチュラル度は高目」
と言えるでしょう。少なくともA.C.ブルとは、中間点の「5」を挟んで「対局の立ち位置」です。この辺りは成長途中のドメーヌですので、少しブレも感じますが、キュヴェによる自然派度の違い?・・を点数化するのはnoisy位でしょうから一般的では無いですね。でも、この方が判りやすいと思います。
その上で、非常に良く出来たブルゴーニュのナチュラルワインで有る・・と言いたいと思います。ハッキリ言ってこのワイン、揮発酸は有ります。しかし、ナチュラルワインに重きを置く方には、全く問題にもならないレベルでしょう。良い面が非常に勝っているし、若干鈍い方には(・・失礼)揮発酸も検出できないでしょう。普通の方には、
「・・あ、あるな・・」
と判ると思います。
柔らかでふくよかなスピードあるアロマは非常に心地良く、揮発酸のニュアンスはほぼ在りません。口に含むと、確かに揮発酸系のニュアンスが有りますが、艶々のチェリーと非常に美しい赤みを帯びた柔らかくフカフカの土、中高域から高域にかけての伸びやかさと、全体を通しての滑らかさが秀逸です。余韻も実に良い感じです。
他のコラムでも書きましたが、So2を使用しタイトに締まったワインは、その構造を判りやすく見せてはくれますが、サン・スフルのワインは、その要素と要素の間にあるもっと細やかな要素をも、しっかりと見せてくれますので、良く言えば「非常に繊細」です。悪く言えば、「ぼんやりとしているように見える」とも言えるかもしれません。
しかし、全ての要素が何にも阻害されずに表に現れてくることこそが、真のそのワインの姿、テロワールの姿を映していると言えます。
今飲んでも実に美味しいですし、何の引っ掛かりもなく、ストンっと喉を通り抜け、ニュアンスを残してくれます。これが熟してきますと、So2 を使用したキュヴェ同様に構造が見やすく、スッキリとしたものになりますし、抑え込まれずに済んだもっと細やかな表情さえも綺麗な熟を迎えることが出来る訳ですね。
「ナチュラルな要素が心地良く無い」
と思われる方には、このオート=コートの赤は無理でしょう。でも、それ以外の方には是非飲んでみていただきたいと思います。そして出来れば数年後の姿を見てみて欲しい・・心よりそう思います。ご検討くださいませ。
● 2018 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【豊かな味わいの2018年ブルゴーニュ・ピノ・ノワール! 何と2千円代でご紹介いたします!2018年グロ・フレールの傾向はこれを飲めば判る!?】

まあ、確かにこのプライスは有難いですよね。今回はかなり頑張って値付けしていますので、3千円切ってのご紹介です。最も消費税を足すと超えてしまいますし、10月からの酒税の変更で、ワイン屋さんは750ML当たり 7.5円の手持ち課税を徴収されることになっています。
「また余分な仕事が増えて・・しかもこの出費は痛い・・」
です。一体、どれだけ在庫があるのか・・頑張って調べなければ判りません。
2018年もののA.C.ブルです。豊かなボディ感がしっかり感じられる14度と言うアルコール分ですので、いつもよりわずかに低めの温度で飲み始めるのが良いかと思います。
このA.C.ブルを飲むと、ヴァンサンが何を考えているのか・・少し判ると思いますし、この延長上に2018年の素晴らしいエシェゾーが有ります。
エキスの美味しさは格別ですし、しかも2017年ものとも相当に異なります。そしてSo2の少なさ・・これも特筆すべきでしょう。
非常にリーズナブルながら、ヴォーヌ=ロマネ的に丸い酸の優しい美味しさに満ちています。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【新生グロ・フレール・エ・スールの入門として最適です!力のある黒い果実が各所にちりばめられ、優しい赤い果実で埋め尽くされています。】

2017年もののグロ・フレール・エ・スールを扱うことにしたので、大赤字を覚悟で「グラン=ゼシェゾー」まで開けちゃいましたんで、グロ・フレールのおおよその全体像を掴むことができました。
「なるほど・・ビオにこだわらないヴァン・ナチュールのブルゴーニュ、ど真ん中のワイン・・ね」
言ってしまえば、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
とヴァンサンが言う立ち位置は、「なるほど・・」と言う感想がぴったりです。
「なんでそうしているのか、そうしなければいけないのか」
が判り辛い「ビオディナミ」には興味が無く、しかしビオディナミがもたらす見事な影響の恩恵は受けたい・・と言うような、現代っ子の若者が安易に目指しそうな立ち位置なのかもしれません。
しかしながら、noisy はそこに「ブルゴーニュの未来」をも見せてくれるワインに、非常なる興味を持ったんですね。事実、とても美味しいですよ。
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3~4」です。
なので、
「余りキツイビオはダメだけど自然派は好き」
と言う方には全く問題が無く、
「少しでも自然派のニュアンスが有れば駄目」
と言う方には無理な立ち位置のワインです。
このA.C.ブルゴーニュが「Ok」だと思われる方は、noisy 的分析では、このワインは「3.5」位で並みの自然派寄りで有り、グロ・フレールは「6」位まで有る・・と思っていただければ選択は間違えないと思います。シュマンもほぼ同様な感じですが、もう少し真ん中寄りかな?・・なので「3.5~4.5」位です。
親の兄弟でもあるミシェル・グロのワインは、So2 を使用するピュアな果実の美しいワインです。2015年までは濃いワインだったと思いますが、現状は、
「ミシェル・グロよりエレガント!」
だと感じます。
出来ましたら、充分に休めてお召し上がりください。大変身したグロ・フレール・エ・スール・・・是非ご検討くださいませ。
P.S.因みにリアルワインガイド第66号で徳丸さんが「豆っぽさ」について言及していましたが、消えたのか、ロット違いの性かは判りませんが、noisy には検出できないレベルでしたのでご安心ください。
● 2018 Chemin des Moines de Vergy V.d.T.
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジ V.d.T.
【非常に複雑性の高い味わいです!】

グロ・フレールはヴォーヌ=ロマネのワインがほとんどですので味筋は結構に共通項は有るんですが、2017~2018年と開けてみた感覚としては、
「ここは僅かに異なるか?」
と言う印象が芽生え始めています。
豊かな2018年もの・・と言う説明だけでは伝えきれない感じがします。・・何故って・・相当に複雑性を感じてしまったから・・です。
重くならず、軽くない・・中庸な感じでは有りますが、ヴォーヌ=ロマネのワインが持つ酸の穏やかさは、もう少ししっかりした感じになります。言ってみれば・・ジュヴレが入り込んだ感じ・・でしょうか。
まぁ、ヴェルジですからジュヴレが入ったとしても違和感はないのかな?・・っとも思いますが、やはりここの畑は、この先も注視して行く必要があるかと思っています。何せ温暖化の世の中ですから、この先はオート=コートがグラン・クリュになりかねない・・等と言うしょうもない「噂」が一部から出ているようですしね。
畑の位置も、もう少し特定してみたいですね。情報をお持ちの方は是非・・ご一報ください・・(^^;;お勧めします!・・数は全然無いです。
以下は以前のレヴューです。
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【これは旨い!起承転結がクッキリ!ナチュラルだが、それを強く感じさせないバランスの良さ!ヴォーヌ=ロマネ村名並みです!】
これは旨かった!・・ナチュラルさはむしろ他の下級キュヴェより抑え目に出ている感じで、グラスから漂う柔らかく早い官能的なファーストノーズからの口入、中盤、終盤、余韻と、しっかりその段階を感じさせてくれる「普通のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」的な感じが、何の違和感も感じさせない美味しさです。
このシュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジは、ヴォーヌ=ロマネから(資料にはやや恣意的にラ・ターシュと書いてありますが)西に昇って行き、幾つかあるヴェルジの村へ向かう途中に有る古い畑のようです。近くにはオート=コート・ド・ニュイやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ格の畑が有りますが、長く打ち捨てられていた「古いクロの跡地」だったようで、アペラシオンを名乗れないので「ヴァン・ド・ターブル」格になっているようです。
ラ・ターシュから500メートル歩くと言うことですからヴォーヌ=ロマネからは少し離れており、Googleで写真を見てみると、
「なるほど・・ここかな?」
と思える場所が有ります。
「ここを買収して3年目の葡萄で醸造したのなら、さぞかし、力の無い味わいなんだろうなぁ・・」
「それにしちゃぁ・・高いよ」
などと、高をくくっていた訳ですが、あにはからんや・・ちょっとビックリさせられました。
「村名並みじゃん・・」
表現するのは難しいですが・・これで3~4年目かよ・・とビックリするような集中感が有ります。noisy が育てているピノ・ファンはそろそろ5年かな?・・こんなに立派には絶対になりませんから・・。黒みのしっかりした果実が・・そうだなぁ・・チョコチップのような感じでアチコチに有り、その間を穏やかな赤いチェリーやベリーが埋めているような感覚でしょうか。
ピュアさも有り、ナチュラルですが、むしろ揮発酸は非常に少なく・・いや、全く無いとは言いませんが、まず気付く方は極少数派でしょう・・滑らかでしっとりと優しいです。
オート=コートよりも高い値付けですが、これは村名並みのポテンシャルをすでに持っており、個性もしっかり有りそうですから、
「将来、大化けするかも!」
と言う気を持たせてもくれます。
是非Googleで、地図を見てみてください。3D で見ると面白いですよ。ヴォーヌ=ロマネの村を西に上がり、畑の無い部分を通り越した辺りです。それ以上西に向かうとオート=コートの畑群が有り、もっと行くとヴェルジの各村に入り、現在修復中のロマネ=サン=ヴィヴァン・ヴェルジ修道院も確認できます。ご検討くださいませ。
P.S.
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3.5~4.5」の間ほどです。
● 2018 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【2018年ものも・・結構ビゾっぽいです!】

流石に2017年もののような、モロにドメーヌ・ビゾのヴォーヌ=ロマネ風な味わいは僅かに薄れたかもしれません。それでも味筋は結構に似通っています。
2018年ものはアルコール分が結構出ていますので、2017年ものよりパワフルに感じられると思います。本来ですとアルコール分の出辛かったブルゴーニュ・ピノ・ノワールにとっては、素晴らしい出来事では有るんですが、リリース直後の味わいだけを考えますと、ボリューム感が先に出て来るかな?・・と言う感じもします。
しかしながらそのボリューム感こそは、エージングで磨かれてゆくのがワインの常識でして、ワインの評論家さんたちがコケにした1976年もののその後の評価を考えれば、
「今も美味しいが先行きはもっと楽しみ!」
と言うのが正解かと思います。
またこのキュヴェには、先のエシェゾー(・レ・ロアショース)から弾いた部分が入っていますので、それが垂直方向のボディ感をさらに深めているようにも思います。
今飲んでヴォーヌ=ロマネの豊かさを感じさせ、10年以上寝かせておおらかでゆったりしたヴォーヌ=ロマネの存在感を見せてくれるはずの村名かと思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】
ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ
【・・こ、これ・・普通にエシェゾー?・・】

また2017年ものとは全然印象の異なる味わいでしたので、これまたちょっとビックリしました。飲んだらま・・
「あれ?・・エシェゾー?」
みたいな味わいなんですよね・・。確かに2018年グロ・フレールのエシェゾーとも大きく違いますが、
「多くの生産者がリリースしている、乾いた系のエシェゾーの味わい」
にソックリです。・・そう、ちょっと「ボソッ」とした感じの例の奴です。
しかしながら、その「ボソッ」としたテクスチュアの周りをクリスタル的なミネラリティでコーティングされているので、その、
「ボソッと感」
がそのまんま、「ボソッと感」で終わらないところが味噌か・・と思います。
グロ・フレールのエシェゾーと比べてしまいますと、質感が結構に異なりますが・・一般論としましては、普通にエシェゾー的ですし、30分経過してからの膨らみが見事ですので、
「これは相当にお買い得!」
かと思います。
複雑性もあり、ミネラリティもエキスもバッチリ・・・できれば2カ月ほど休ませた方が良く、15年はしっかり熟成する能力が有ると感じました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【甘露です!フィネス、エレガンスをナチュラルに表現したエシェゾー格落ち!】
美味しいですね~・・これは良い!・・村名ヴォーヌ=ロマネの延長上と言うより、シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジの延長上と言った方がより近いと思いますが、このプルミエ・クリュまで来ると、ギアが2段ほど上がったかのような密度を見せてくれます。
色合いも美しいです。そして、気になる?ナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」です。
揮発酸は検出限界に近いです。全く無いとは言いません・・が、まず判らないと思いますよ。
「・・いや、有る。あるに違いない!」
と思って一生懸命に嗅ぎ出せば・・もしかしたら感じるでしょう。そんなレベルですが、ナチュラル度は半端無いです。滅茶甘い水にピノ・ノワールワインならではの要素がちりばめられ、サン・スフルならではの中間的要素に満ち、輝きを持っています。
まぁ、エシェゾーもクロ=ヴージョ(・ミュジニ)も、グラン=ゼシェゾーも飲んじゃいましたからね。このワインの持つ素晴らしさにも気付いちゃいますよ。それら上級ワインが持つ高尚且つ雅な要素、表情をかなりの部分、持ち合わせているんですね・・。だからどうしても「美味い!」と思ってしまう・・んでしょう。
最も、上記のようにナチュラル度は「5.5」ですから、「5」ならばOKの方も、そこを超えてくるといきなり「無理」と言う方がいらっしゃらないとは限りません。
しかし、もしかして気に入らない風情が有ったとしても、これほどの美しく細やかな表情がお化粧代わりになるんじゃないかと思います。相当に・・旨いです。
ですが・・コンディションが悪いとどうにもならないと思いますので、必ず14度以下の保存環境で、飲む前にしっかり立てて透明度を確認してからお楽しみください。素晴らしい世界が待っています!ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru les Chaumes
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・ショーム
【ラ・ターシュに接するクロ・デ・レア上部の1級レ・ショーム!・・飲んだ瞬間に「レ・ショーム」と想像出来る?見事な表現でした!】

ジャン・タルディやメオ=カミュゼのレ・ショームが大好物な noisy にとっては、「ヴォーヌ=ロマネ・レ・ショーム」はすでに自分の中にイメージを構成出来てしまっているようなワインのひとつです。特にジャン・タルディ(メオのメタヤージュ)の作は、ほんのりしたシミジミさの中から出てくる微細な表情に「ホックリ」していたものです。
こちらもアルコール分はそれなりに出ていますが、ま~・・葡萄の質の良さが「簡単に判ってしまう」ほど・・素晴らしいです。相当シビアな選別をし、エルヴァージュ中も赤子を育てるかのようにショックを与えないようにしていたんじゃないかと思います。
何せ、あのラ・ターシュに接しながら・・余りラ・ターシュらしくないのが良かったりする訳です。どこか、中域が「す~っ」と流れて行く感じが有って、その空いた空間に後から微細な表情が戻って来るように感じるんですね・・。あ、判らないですよね・・すみません。
そんなどこか「風情」と呼びたいものを感じる1級レ・ショームなんですが、2017年ものは入っておらず・・比較はできませんでした。ですが、
「これは旨い!」
です。
好き嫌いは有るとしても、この格別な葡萄の質の良さを感じるのは、やはりこのレ・ショームから上のキュヴェになるかと思います。ご検討くださいませ!・・数は無いです。
● 2018 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【物凄い質感のジュースです!・・今も美味しく飲めますが・・10年経ったら凄い成長をしているはずです!】

今回の2018年ものグロ・フレールのグラン・クリュで唯一飲めたのがこのエシェゾーです。
何と言っても・・2018年バシュレ・モノだけでも全12アイテム中11アイテムのテイスティングをやっとでこなしたばかりで2018年グロ・フレール12アイテム(実際は2017年ものを含めて13アイテム)もの到着でしたので、スケジュール的にも相当困難な感じでした。おまけにそのグロ・フレール他の到着日にはもう・・他のアイテムをオファーしてくださると言う・・何とも鬼・・いや、仏のようなインポーターさんでして・・はい。
やはり2017年ものの「超ナチュラル」「サンズ・フリー」な味わいは、確かに延長上では有ります。それでもむしろ、
「僅かなSo2の添加が若いワインに焦点を造っている」
と言う感じがします。サン・スフルは柔らかで心地良いですが、若いうちは若干、焦点ボケして感じられることが多いです。これは、ミネラリティに関係すると思いますが・・So2 (亜硫酸塩)もある意味、その仲間では有りますので・・。
ただし添加量も非常に少ないので、ディテールを大きく侵食するほどでは有りません。2018年ものはアルコール分の出る造りをしたようですので、とても大柄で、エキスが今まで以上、物凄く出ていると感じました。
まぁ・・例えばですね・・梅酒を漬けることを考えてみて下さい。アルコール分の高いものを使用した方が、梅のエキスが良く出るんです。やったことが有る方はお判りかと思います。
味わいは質感良く、アルコールによるボディ感高く、エキス感もしっかりです。今良い感じで美味しいのが玉にキズでして・・早く飲まれてしまうのが勿体無いかと。10年置いたら物凄いことになっているかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【わお!・・なるほど~・・ヴァンサン・グロの立ち位置が理解できる1本です!】
言い忘れてしまったが、グロ・フレール・エ・スールのヴォーヌ=ロマネ1級は、このエシェゾーの格落ち、若木なんですね。もっと言ってしまえば、村名ヴォーヌ=ロマネにも格落ちのエシェゾーが入っているようです。
なので、村名ヴォーヌ=ロマネ -> ヴォーヌ=ロマネ1級 = エシェゾー でして、少なくともヴォーヌ=ロマネ1級とエシェゾーは、ほぼ同じ畑のワインです。出来が違うだけ・・と思って良いかと思います。
何しろヴォーヌ=ロマネ1級が滅茶美味しいですから、若木、格落ちと言っても素晴らしい出来です。今飲んでもその美味しさは隠しようが無いです。
で、エシェゾーです。非常に複雑です。フィネスもたっぷりあります。今飲んでも「するっ」と入って行ってしまいますので勘違いしちゃうんですね・・。えっ?何を?ってことですが・・。
そうなんですよ。今飲んでも普通に美味しい。それは、余計なものが入っていない、素晴らしい葡萄由来の美味しさです。でも、ただそれだけなんですね・・今は。ブラインドテイスティングをやると、おそらくヴォーヌ=ロマネ1級の方が点が高くなっちゃいますよ。ナチュラル度も凝縮感も同様だとしても・・です。
つまり、美味しく飲めてしまうが、
「飲み頃はまだ先!」
と言うことになります。
じゃぁ・・いつ頃からが飲み頃か・・と言うことになりますが、この辺はテイスターが変われば判断も変わりますんで・・。リアルワインガイド第66号は2021年から・・と言うことで、
「なるほど・・良いところをついて来てるなぁ・・」
と言う感じがします。noisy 的にも2021年からで・・同じです。余り徳丸さんとは一致しないことが多いんですが・・珍しく!
要は、So2 無しのナチュラルな栽培、造りをしたワインなので、中間的要素が抑え込まれていないんですね。ここにSo2 を入れると、もっと判りやすくなり、
「お・・さすがグラン・クリュ!」
とすぐに素直に言えるわけです。
ところが、余りに中間的要素がしっかり存在していますんで、今は、結構に「ごっちゃ」な感じなんですね。それでも「スルスル」と美味しく飲めちゃうので、ブラインドだと高い評価をつけ辛い・・と言うことになり、エチケットをオープンして、
「・・えっ?・・エシェゾーだったんだ・・」
と、自分の能力の無さに悲観するか、ドメーヌの造りに文句を言うか・・に陥る訳ですね~~・・♪♪・・いや、ワインって、本当に楽しいですね~!・・これ、絶対に飲まなきゃ判りませんよね~!
印象的には、ビゾのエシェゾーをもっとエキシーに、角を丸くしてエレガントにした感じです。もうどこにも引っ掛からないです。「するん」と喉を通り抜け、ナチュラルな「返り」が飲み手を楽しませてくれます。
美味しいお寿司なんかもぴったり合うんじゃないか?・・などと感じてしまいますね。これはそっち系にはぴったんこでしょう。最も今はまだ「早い」ですけどね。
因みにすべてのグロ・フレール・エ・スールのコラムに書いていることですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5.5」です。
ある意味、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じです。が、複雑性、コアの確実性、潜在能力は上です。熟成能力も同様でしょう。・・が飲めちゃうんですよね・・怖いなぁ・・。是非美味しく飲んで欲しい、素晴らしいグラン・クリュでした。2年は待ちましょうね。
● 2018 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
【かつてはクロ=ヴージョ・ミュジニと名乗っていたキュヴェですが、今は自粛しています。】
こちらも飲めなかった3兄弟です・・。グラン・クリュ・ミュジニー(正確にはレ・プティ・ミュジニー)に接した「アン・ミュジニ」と言うパーセルです。
2018年ものは2017年までとは異なり So2を入れたとは言え、自然生成も入れた残存合計で30~40mg ですので、全く使用しなくても 30mg ほどは出る可能性を考えれば・・非常に少量です。
ミュジニーのハイトーンな性質にクロ=ヴージョのミディアム~ロートーンの肉が付いた、非常にパーフェクトな味わいの長熟なワインで有ると想像しています。
今回は価格も相当に頑張っています。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・ヴージョ(・ミュジニ)が・・こうなるのか~!】
皆さんも良~くご存じの、グロ・フレール・エ・スールのクロ・ヴージョです。以前は「ミュジニ」を名乗っていたあのキュヴェですね。黒っぽくて濃密で、嫌いじゃ無かったですよ。何よりも安かったし・・。
でもnoisy 的にはミシェル・グロが良かったし、ちょっと濃さにこだわり過ぎるグロ・フレールやアンヌ・グロは好みでは無かったんですね・・それでもアンヌ・グロは売れちゃうし、欲しいお客さんも結構いらっしゃいましたんで続けてましたが、グロ・フレールをテイスティングを頑張ってテイスティングしてご案内したところで、
「高い!」
と言われて全く売れないでしょうし・・と言うことで止めちゃったんですね。
でも、ここまでナチュラルでエレガントに変身してしまうと、おそらくまともな姿で販売できるショップは限られてしまいますから・・
「じゃ、トライしてみようか・・」
と、アマノジャクな心に種火が灯ってしまったんですね。
挙句の果てに・・これです。売れるかどうかも判らないし、数もそんなにある訳じゃ無い、グロ・フレール珠玉のグラン・クリュを散々に開けちゃった訳です。しっかり赤字決定ですが、やっぱりやる時は腰を据えてやらないと、詰まらないじゃないですか。ただ並べているだけのサイトなんぞ、こちらはご免です。
で、早速テイスティングです。・・いや、ちょっと心が躍っちゃいましたね。クロ・ヴージョ最上部、ミュジニー(レ・プティ・ミュジニー)に続く部分の畑ですから、ミュジニーに最も近いですが、グラン=ゼシェゾーにもエシェゾーにも近いです。
味わい的には、確かにミュジニー的なミネラリティも混ざっているものの、グラン=ゼシェゾー的に集中した黒い表情や、エシェゾー的に乾いたニュアンスも有る、非常に複雑性の高い味わいなんですね。
飲んでいて実に楽しい・・です。
「ん?何で楽しいの?」
と思われるかもしれませんが、ちょうどその4つのグラン・クリュの地図でも眺めながら飲んでみて下さいよ。ある程度ブルゴーニュワインを飲まれていらした方なら、少しずつ変化する表情に、一喜一憂しつつ、脳もしっかり楽しんで飲んでいることに気付かれるに違いありません。
因みに、ヴァンサンが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」と言うのが noisy 的評価です。ほぼど真ん中です。
あまりにテクスチュアの良さに、「するする」飲めてしまいますが、やはり飲み頃的には「早い」です。noisy 的にはあと3年ほどは置きたいですね。
そしてその時にもう一度・・できることならテイスティングし、どこまで「クッキリしてくるか」確かめてみたいと思います。勿論ですが、自身の答えはすでに持っていますよ。飲んだ時にしっかり結論をしておかないと忘れてしまいますし、誰かの言葉につられてしまって、「そうだった・・はず・・」と記憶を書き換えてしまいますからね。
赤い果実が主体の滅茶複雑で心地良いグラン・クリュです。フィネスもしっかり有ります。是非トライしてみてください。
● 2018 Grands-Echezeaux Grand Cru
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ
【2017年ものの物凄いナチュラルさは・・どうなったのか・・と気になって仕方ありませんが!D.R.C.のパーセルのお隣です。】
こちらも飲まなかったキュヴェです。2017年ものをしっかり飲んだので・・すみません。実は2017年のグロ・フレールは、上級キュヴェを散々テイスティングしたため、利益ほぼ無し・・でした。
なので2018年ものの上級キュヴェのテイスティングをエシェゾーまでにとどめ、その分をお客様に還元しようと言う訳です。
ここのパーセルは、あのD.R.C.のお隣ですが、その昔まだD.R.C.のワインがリーズナブルだった頃・・エシェゾー1.5万、ロマネ=サン=ヴィヴァン2万・・みたいな頃、やはり人気だったのがグラン=ゼシェゾーでした。D.R.C.のエシェゾ-を買うくらいだったらもう少し出してグラン=ゼシェゾーを・・みたいなノリだったと思います。
でも、D.R.C.のエシェゾーの大当たりを引いたことのある noisy は、果実の乗りの良いグラン=ゼシェゾーより、よりエキスが美しいエシェゾーも捨てがたかったなぁ・・などと思い出します。もっとも昨今は全く飲めませんが!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【xxさんを質に入れても飲みたいグラン=ゼシェゾー?・・ここまでナチュラルなグラン=ゼシェゾーはnoisy も初めてです!】
左の写真は、大きさ以外は全く弄っていない、「素」のままです。実に深淵な色合いです。エッジにも先鋭なナチュラルさを思わせる危険な色合いは全く感じられません。
しかしナチュラルです。まずは、ナチュラル度ですが・・
ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5」と言うのが noisy の判断です。なので、noisy的理解としますと、
「ヴァンサン・グロが目指しているのはおそらくここのナチュラル度」
と言うことになります。
いや~・・バカですね~。今飲んだって勿体ないだけなのは判り切っているのに開けちゃうんですね~・・。愚息にも言われてしまいました。
「・・開けちゃうの?」
「やるときは・・やらんと・・ね」
と言いながら、ちょいちょい・・ビビってましたが、一度決めたらやり通さないと・・と思って開けちゃうんですね。でも、このグラン=ゼシェゾーを開けたから良かった。「5」にならなかったら、次は
「リッシュブールの抜栓」
が待っていました。全体像を見通せないのに・・想像すらできないのに、まともなご案内などできませんからね。「5」で・・良かった・・す。
いや、実に素晴らしい・・気品に溢れる、ピュアでナチュラルな素晴らしいグラン=ゼシェゾーでした。最後は凄い清冽な水を感じさせる余韻を長く感じさせてくれます。
まぁ、こう言ってしまっていて何では有りますが、滅茶美味しい水って・・さほど長く余韻は無いんですけどね・・。その余韻の記憶みたいなものを脳がずっと感じているのかな?・・などと思っていますが、その清冽さが実に良いんですよ。シリュグのグラン=ゼシェゾーもそうでしたけどね。似ていますが、シリュグはそうなると、ナチュラル度は「1~1.5」ほどです。
で、飲めてしまうのは間違いないですが・・これはもう、勿体ないの極致です。今開けると後悔します。
リアルワインガイド第66号は飲み頃は2023年から・・と言うことで、ほぼ同様の感想です。5年くらい待った方が良いかと思います。
そして、揮発酸はほぼ検出限界です。・・なるほど・・ヴァンサン・グロが目指しているのはそこで有って、このナチュラルな美しさと細やかなディテール表現で有ることが判ります。
いや・・素晴らしいグラン・クリュでした。このワイン、セラーの無い方には無用でしょうが、まともなセラー温度ではないショップにも無用にして欲しいです。
「ピュアでナチュラルなヴォーヌ=ロマネ(+近郊)のワイン!」
ヴァンサンの目指すところは正しいと思います。まだまだ伸びると感じました。是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2018 Richebourg Grand Cru
リッシュブール・グラン・クリュ
【大看板のリッシュブールです!】
まぁ・・やはり「リッシュブール」と言うリューディは「別格中の別格」なんですね。グロの持ち分は、正確には「レ・ヴェロワイユ」と言う畑です。昨年の2017年ものの記事にも書きましたが、かのクロ・パラントーに接する訳でして・・格上のリッシュブールの紹介に、格下の1級を持ち出すという、ワインの世界ではありがちでは有りますが不思議な状態では有ります。
グロ・フレールはやはりヴォーヌ=ロマネ近郊に凄い地所を持っているのが特徴です。今回はリッシュブールも飲んでしまおうか・・などとも考えましたが、リーズナブルだとは言え、・・・な価格では有りますし、この1本を飲んでしまうと、グロ・フレールのワインが売れるのは嬉しいけれど・・もう一人の人格、利益を考える社長は、「止めてくれ・・」と声高に叫んでいた訳です。
グロ・フレールの2018年ものは相当に大柄ですので、もし、2018年と言うヴィンテージに何かのセレブレーションが有るようでしたら、とても良い選択になろうかと思います。リッシュブール・・・中々買えないですから・・はい・・勿論ですが、グロ・フレールに限りませんで、お隣のメオ=カミュゼやアンヌ・フランソワーズ・グロのパーセルも入手は結構に大変です。アンヌ・フランソワーズ・グロの下部がアンヌ・グロでしたっけ・・。これも入手は難しいですよね。ご検討くださいませ。価格はかなり・・頑張りました!
以下は以前のレヴューです。
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【あのクロ・パラントーに接する区画です!】
残念ながらナチュラル度「5」が出ちゃったので・・ここにたどり着けませんでした・・と少し安心しています・・経費的に・・はい・・(^^;;
まぁ、昔なら、
「あのリシュブールに接する1級クロ・パラントー!」
などとやっていたんですが、今は逆?になっちゃいますでしょうか。
その昔、アンリ・ジャイエが開墾したキャベツ畑がリシュブール(レ・ヴェロワイユ)上部に接していました。そして、メオ=カミュゼから借りていたリシュブールの畑のワインが、アンリ・ジャイエのトップ・キュヴェで、その区画はクロ・パラに接したレ・ヴァロワーユの最上部でした。
で、メオ=カミュゼ所有区画の下の部分、こちらも同じくクロ・パラに接したレ・ヴェロワイユですが、そこがグロ・フレールの所有区画と聞いていますので、
「クロ・パラが高くて、少なくて買えなきゃグロ・フレールのリッシュブール!」
と言う考え方も有ったと思いますよ・・。まぁ、noisy も聞かれなきゃそんなことは答えないですけど・・。
なので、グロ家が持っているリシュブールの区画はレ・ヴェロワイユの2/3ほどなんですね。アンリ・ジャイエが引退を決意したのがこのレ・ヴェロワイユが造れなくなったから・・なんです。まぁ、noisy の記憶が確かならば・・なので、間違ってたらすみません。
で、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは何と、ポテンシャル95+ まで付けています。これ、ナチュラルなブルゴーニュワインではほぼトップの評価だと思います。
「ここが10年後にどうなっているのか?」
・・ご興味ないでしょうか?
おそらくですが、ナチュラル度は「5」でしょう!・・飲んでみたいですよね・・是非ご検討くださいませ!
● 2018 Pino Noir V.d.T.
ピノ・ノワール V.d.T.
【So2を少量のみ使用したヴァン・ド・ターブルのピノ・ノワール!とてもリーズナブルです!】

ようやっと書き残していたキュヴェもコラムを書ける時間を取れました。2018年のグロ・フレールのご案内から随分と時間が経ってしい申し訳ありません。
こちらのキュヴェはモレ=サン=ドニにあるA.O.C.パストゥグラン表示が許された畑のようです。なので、ピノ・ノワール100%だとパスグラ表示も、コトー=ブルギニヨン表示も出来ず、単に「2018」「ヴァン・ド・ターブル」「ピノ・ノワール」と言うことになり、「ブルゴーニュ」は全く表示無しです。
おまけに「ヴァン・ド・ターブル」なので「ドメーヌ」も表示できないと言う、厳しい規制では有りますが、ブルゴーニュワインを守ると言う観点は決して外せないのでしょう。
ブルゴーニュ・ルージュよりはやや軽いものの、とてもピュアな味わいです。アルコール分も13.5度と高く無く、ちょうど良い感じですね。
ただし、モレ郊外の畑とのことですが、モレ=サン=ドニの雰囲気はあるのか?・・と聞かれますと・・「ない」と答えなくてはなりません。
それでもブルゴーニュ的で有るか?・・と聞かれましたら、とてもブルゴーニュ的です・・と答えられるでしょう。
そもそも昨今のA.C.ブルゴーニュのレジョナルワインは非常に高価です。人気の高くなったセシル・トランブレイなど、一体幾らになってしまうのか・・
「大丈夫かなぁ・・」
と、心配になってしまいますが、片や、こんなところでブルゴーニュも名乗れず、でもブルゴーニュワインをリーズナブルに販売されている・・のが、ある意味とても変な感じに思います。
滅茶苦茶美味しい!・・とは言いませんが、実にリーズナブルに、理解できる味わいのピノ・ノワールに仕上がっていると思います。是非ご検討くださいませ。
● 2017 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【新生グロ・フレール・エ・スールの入門として最適です!力のある黒い果実が各所にちりばめられ、優しい赤い果実で埋め尽くされています。】

2017年もののグロ・フレール・エ・スールを扱うことにしたので、大赤字を覚悟で「グラン=ゼシェゾー」まで開けちゃいましたんで、グロ・フレールのおおよその全体像を掴むことができました。
「なるほど・・ビオにこだわらないヴァン・ナチュールのブルゴーニュ、ど真ん中のワイン・・ね」
言ってしまえば、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
とヴァンサンが言う立ち位置は、「なるほど・・」と言う感想がぴったりです。
「なんでそうしているのか、そうしなければいけないのか」
が判り辛い「ビオディナミ」には興味が無く、しかしビオディナミがもたらす見事な影響の恩恵は受けたい・・と言うような、現代っ子の若者が安易に目指しそうな立ち位置なのかもしれません。
しかしながら、noisy はそこに「ブルゴーニュの未来」をも見せてくれるワインに、非常なる興味を持ったんですね。事実、とても美味しいですよ。
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3~4」です。
なので、
「余りキツイビオはダメだけど自然派は好き」
と言う方には全く問題が無く、
「少しでも自然派のニュアンスが有れば駄目」
と言う方には無理な立ち位置のワインです。
このA.C.ブルゴーニュが「Ok」だと思われる方は、noisy 的分析では、このワインは「3.5」位で並みの自然派寄りで有り、グロ・フレールは「6」位まで有る・・と思っていただければ選択は間違えないと思います。シュマンもほぼ同様な感じですが、もう少し真ん中寄りかな?・・なので「3.5~4.5」位です。
親の兄弟でもあるミシェル・グロのワインは、So2 を使用するピュアな果実の美しいワインです。2015年までは濃いワインだったと思いますが、現状は、
「ミシェル・グロよりエレガント!」
だと感じます。
出来ましたら、充分に休めてお召し上がりください。大変身したグロ・フレール・エ・スール・・・是非ご検討くださいませ。
P.S.因みにリアルワインガイド第66号で徳丸さんが「豆っぽさ」について言及していましたが、消えたのか、ロット違いの性かは判りませんが、noisy には検出できないレベルでしたのでご安心ください。
● 2017 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
【見事なナチュラルワイン!それもブルゴーニュのピノ・ノワールです!】

2016年以降のグロ・フレール・エ・スールのワインが、どのようなものなのかと思い、アチコチかなり時間を掛けて検索してみたものの、結局全く判らず、ただ2015年以前と同様にページに並んでいるだけの状況に唖然としてしまいました。
反対に、
「それならnoisy の出番もあるかな・・」
とも思えた訳なので、安易には批判もできません。・・でも酷いですね。noisy がテイスティングした結果としては、このレベルのナチュラル・ワインがもし、蛍光灯や太陽光がガンガン当たる温度管理もまともにされていない・・されていたとしても18度ほどの売り場に並べられていたら・・としたら、想像を絶するコンディションになってしまうと思います。ナチュラルワインを専門に、もしくは看板に上げているショップでさえ、「夏に暖かいセラー」だったりすることが多いですから、まして今までの「グロ・フレール」と同様に扱われているとするなら、とても怖い状況です。
リアルワインガイド第66号が88+ 89 と評点し、大地の風味に満ちた見事なブルゴーニュのナチュラルワインと評したオート・コート・ド・ニュイです。
ヴァンサン・グロが言う
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~6.5」ほどかと思います。
なので、
「それなりにナチュラル度は高目」
と言えるでしょう。少なくともA.C.ブルとは、中間点の「5」を挟んで「対局の立ち位置」です。この辺りは成長途中のドメーヌですので、少しブレも感じますが、キュヴェによる自然派度の違い?・・を点数化するのはnoisy位でしょうから一般的では無いですね。でも、この方が判りやすいと思います。
その上で、非常に良く出来たブルゴーニュのナチュラルワインで有る・・と言いたいと思います。ハッキリ言ってこのワイン、揮発酸は有ります。しかし、ナチュラルワインに重きを置く方には、全く問題にもならないレベルでしょう。良い面が非常に勝っているし、若干鈍い方には(・・失礼)揮発酸も検出できないでしょう。普通の方には、
「・・あ、あるな・・」
と判ると思います。
柔らかでふくよかなスピードあるアロマは非常に心地良く、揮発酸のニュアンスはほぼ在りません。口に含むと、確かに揮発酸系のニュアンスが有りますが、艶々のチェリーと非常に美しい赤みを帯びた柔らかくフカフカの土、中高域から高域にかけての伸びやかさと、全体を通しての滑らかさが秀逸です。余韻も実に良い感じです。
他のコラムでも書きましたが、So2を使用しタイトに締まったワインは、その構造を判りやすく見せてはくれますが、サン・スフルのワインは、その要素と要素の間にあるもっと細やかな要素をも、しっかりと見せてくれますので、良く言えば「非常に繊細」です。悪く言えば、「ぼんやりとしているように見える」とも言えるかもしれません。
しかし、全ての要素が何にも阻害されずに表に現れてくることこそが、真のそのワインの姿、テロワールの姿を映していると言えます。
今飲んでも実に美味しいですし、何の引っ掛かりもなく、ストンっと喉を通り抜け、ニュアンスを残してくれます。これが熟してきますと、So2 を使用したキュヴェ同様に構造が見やすく、スッキリとしたものになりますし、抑え込まれずに済んだもっと細やかな表情さえも綺麗な熟を迎えることが出来る訳ですね。
「ナチュラルな要素が心地良く無い」
と思われる方には、このオート=コートの赤は無理でしょう。でも、それ以外の方には是非飲んでみていただきたいと思います。そして出来れば数年後の姿を見てみて欲しい・・心よりそう思います。ご検討くださいませ。
● 2017 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Blanc
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ブラン
【 滅茶苦茶旨い!ナチュラルだが自然派嫌いでも全然OK!揮発酸は感じません!柔らかく見事に美しいシャルドネです! 】

このオート・コート・ド・ニュイの白は大成功だったんじゃないかと思いますよ。普通だと白の方が酸化制御で難しいはずなんですが、醸しはしていないと思われる、
「最高に美味しいシャルドネ!」
になってたんですね・・。これ・・もっと飲みたい!・・と思っちゃいましたが、案の定、カミさんも気に入ったらしく、飲むスピードが速いもので・・はい・・。
色落ちも少なく、自然派やビオを意識しなければ、フツーのワインだと思って終わってしまうと思います。それも「早々に」無くなるはずです。
ピュアで少し豊満な果実がたっぷりあり、シャルドネ特有の中域、中高域の太さに加え、繊細でナチュラルな風味が高域に抜けて行き、そこを侵食する揮発酸系の香りが無いですから・・見事に美味しいのでしょう。
自然派系の白、しかもSo2不使用ですから、少し長く栓を抜いておくと色落ちはするはずです・・が、確認する前に無くなっちゃいました。素晴らしいバランスをしていると思います。90点以上付けて良いかな・・と思います。超お勧め!・・これは旨いです!
因みにお馴染み?のナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3」です。
揮発酸的な要素は全く無いとは言いませんが検出限界ですから、その意味では上記のナチュラル度は「1」です。揮発酸的要素を除いたナチュラル度が「5」で、平均して「3」と言うことにしました。是非飲んでみてください。誰も美味しい!・・と言っていただけると確信しています!
● 2017 Grands-Echezeaux Grand Cru
グラン=ゼシェゾー・グラン・クリュ
【xxさんを質に入れても飲みたいグラン=ゼシェゾー?・・ここまでナチュラルなグラン=ゼシェゾーはnoisy も初めてです!】

左の写真は、大きさ以外は全く弄っていない、「素」のままです。実に深淵な色合いです。エッジにも先鋭なナチュラルさを思わせる危険な色合いは全く感じられません。
しかしナチュラルです。まずは、ナチュラル度ですが・・
ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5」と言うのが noisy の判断です。なので、noisy的理解としますと、
「ヴァンサン・グロが目指しているのはおそらくここのナチュラル度」
と言うことになります。
いや~・・バカですね~。今飲んだって勿体ないだけなのは判り切っているのに開けちゃうんですね~・・。愚息にも言われてしまいました。
「・・開けちゃうの?」
「やるときは・・やらんと・・ね」
と言いながら、ちょいちょい・・ビビってましたが、一度決めたらやり通さないと・・と思って開けちゃうんですね。でも、このグラン=ゼシェゾーを開けたから良かった。「5」にならなかったら、次は
「リッシュブールの抜栓」
が待っていました。全体像を見通せないのに・・想像すらできないのに、まともなご案内などできませんからね。「5」で・・良かった・・す。
いや、実に素晴らしい・・気品に溢れる、ピュアでナチュラルな素晴らしいグラン=ゼシェゾーでした。最後は凄い清冽な水を感じさせる余韻を長く感じさせてくれます。
まぁ、こう言ってしまっていて何では有りますが、滅茶美味しい水って・・さほど長く余韻は無いんですけどね・・。その余韻の記憶みたいなものを脳がずっと感じているのかな?・・などと思っていますが、その清冽さが実に良いんですよ。シリュグのグラン=ゼシェゾーもそうでしたけどね。似ていますが、シリュグはそうなると、ナチュラル度は「1~1.5」ほどです。
で、飲めてしまうのは間違いないですが・・これはもう、勿体ないの極致です。今開けると後悔します。
リアルワインガイド第66号は飲み頃は2023年から・・と言うことで、ほぼ同様の感想です。5年くらい待った方が良いかと思います。
そして、揮発酸はほぼ検出限界です。・・なるほど・・ヴァンサン・グロが目指しているのはそこで有って、このナチュラルな美しさと細やかなディテール表現で有ることが判ります。
いや・・素晴らしいグラン・クリュでした。このワイン、セラーの無い方には無用でしょうが、まともなセラー温度ではないショップにも無用にして欲しいです。
「ピュアでナチュラルなヴォーヌ=ロマネ(+近郊)のワイン!」
ヴァンサンの目指すところは正しいと思います。まだまだ伸びると感じました。是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2017 Clos de Vougeot Grand Cru
クロ・ド・ヴージョ・グラン・クリュ
【あのクロ・ヴージョ(・ミュジニ)が・・こうなるのか~!】

皆さんも良~くご存じの、グロ・フレール・エ・スールのクロ・ヴージョです。以前は「ミュジニ」を名乗っていたあのキュヴェですね。黒っぽくて濃密で、嫌いじゃ無かったですよ。何よりも安かったし・・。
でもnoisy 的にはミシェル・グロが良かったし、ちょっと濃さにこだわり過ぎるグロ・フレールやアンヌ・グロは好みでは無かったんですね・・それでもアンヌ・グロは売れちゃうし、欲しいお客さんも結構いらっしゃいましたんで続けてましたが、グロ・フレールをテイスティングを頑張ってテイスティングしてご案内したところで、
「高い!」
と言われて全く売れないでしょうし・・と言うことで止めちゃったんですね。
でも、ここまでナチュラルでエレガントに変身してしまうと、おそらくまともな姿で販売できるショップは限られてしまいますから・・
「じゃ、トライしてみようか・・」
と、アマノジャクな心に種火が灯ってしまったんですね。
挙句の果てに・・これです。売れるかどうかも判らないし、数もそんなにある訳じゃ無い、グロ・フレール珠玉のグラン・クリュを散々に開けちゃった訳です。しっかり赤字決定ですが、やっぱりやる時は腰を据えてやらないと、詰まらないじゃないですか。ただ並べているだけのサイトなんぞ、こちらはご免です。
で、早速テイスティングです。・・いや、ちょっと心が躍っちゃいましたね。クロ・ヴージョ最上部、ミュジニー(レ・プティ・ミュジニー)に続く部分の畑ですから、ミュジニーに最も近いですが、グラン=ゼシェゾーにもエシェゾーにも近いです。
味わい的には、確かにミュジニー的なミネラリティも混ざっているものの、グラン=ゼシェゾー的に集中した黒い表情や、エシェゾー的に乾いたニュアンスも有る、非常に複雑性の高い味わいなんですね。
飲んでいて実に楽しい・・です。
「ん?何で楽しいの?」
と思われるかもしれませんが、ちょうどその4つのグラン・クリュの地図でも眺めながら飲んでみて下さいよ。ある程度ブルゴーニュワインを飲まれていらした方なら、少しずつ変化する表情に、一喜一憂しつつ、脳もしっかり楽しんで飲んでいることに気付かれるに違いありません。
因みに、ヴァンサンが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」と言うのが noisy 的評価です。ほぼど真ん中です。
あまりにテクスチュアの良さに、「するする」飲めてしまいますが、やはり飲み頃的には「早い」です。noisy 的にはあと3年ほどは置きたいですね。
そしてその時にもう一度・・できることならテイスティングし、どこまで「クッキリしてくるか」確かめてみたいと思います。勿論ですが、自身の答えはすでに持っていますよ。飲んだ時にしっかり結論をしておかないと忘れてしまいますし、誰かの言葉につられてしまって、「そうだった・・はず・・」と記憶を書き換えてしまいますからね。
赤い果実が主体の滅茶複雑で心地良いグラン・クリュです。フィネスもしっかり有ります。是非トライしてみてください。
● 2017 Echezeaux Grand Cru
エシェゾー・グラン・クリュ
【わお!・・なるほど~・・ヴァンサン・グロの立ち位置が理解できる1本です!】

言い忘れてしまったが、グロ・フレール・エ・スールのヴォーヌ=ロマネ1級は、このエシェゾーの格落ち、若木なんですね。もっと言ってしまえば、村名ヴォーヌ=ロマネにも格落ちのエシェゾーが入っているようです。
なので、村名ヴォーヌ=ロマネ -> ヴォーヌ=ロマネ1級 = エシェゾー でして、少なくともヴォーヌ=ロマネ1級とエシェゾーは、ほぼ同じ畑のワインです。出来が違うだけ・・と思って良いかと思います。
何しろヴォーヌ=ロマネ1級が滅茶美味しいですから、若木、格落ちと言っても素晴らしい出来です。今飲んでもその美味しさは隠しようが無いです。
で、エシェゾーです。非常に複雑です。フィネスもたっぷりあります。今飲んでも「するっ」と入って行ってしまいますので勘違いしちゃうんですね・・。えっ?何を?ってことですが・・。
そうなんですよ。今飲んでも普通に美味しい。それは、余計なものが入っていない、素晴らしい葡萄由来の美味しさです。でも、ただそれだけなんですね・・今は。ブラインドテイスティングをやると、おそらくヴォーヌ=ロマネ1級の方が点が高くなっちゃいますよ。ナチュラル度も凝縮感も同様だとしても・・です。
つまり、美味しく飲めてしまうが、
「飲み頃はまだ先!」
と言うことになります。
じゃぁ・・いつ頃からが飲み頃か・・と言うことになりますが、この辺はテイスターが変われば判断も変わりますんで・・。リアルワインガイド第66号は2021年から・・と言うことで、
「なるほど・・良いところをついて来てるなぁ・・」
と言う感じがします。noisy 的にも2021年からで・・同じです。余り徳丸さんとは一致しないことが多いんですが・・珍しく!
要は、So2 無しのナチュラルな栽培、造りをしたワインなので、中間的要素が抑え込まれていないんですね。ここにSo2 を入れると、もっと判りやすくなり、
「お・・さすがグラン・クリュ!」
とすぐに素直に言えるわけです。
ところが、余りに中間的要素がしっかり存在していますんで、今は、結構に「ごっちゃ」な感じなんですね。それでも「スルスル」と美味しく飲めちゃうので、ブラインドだと高い評価をつけ辛い・・と言うことになり、エチケットをオープンして、
「・・えっ?・・エシェゾーだったんだ・・」
と、自分の能力の無さに悲観するか、ドメーヌの造りに文句を言うか・・に陥る訳ですね~~・・♪♪・・いや、ワインって、本当に楽しいですね~!・・これ、絶対に飲まなきゃ判りませんよね~!
印象的には、ビゾのエシェゾーをもっとエキシーに、角を丸くしてエレガントにした感じです。もうどこにも引っ掛からないです。「するん」と喉を通り抜け、ナチュラルな「返り」が飲み手を楽しませてくれます。
美味しいお寿司なんかもぴったり合うんじゃないか?・・などと感じてしまいますね。これはそっち系にはぴったんこでしょう。最も今はまだ「早い」ですけどね。
因みにすべてのグロ・フレール・エ・スールのコラムに書いていることですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5.5」です。
ある意味、ヴォーヌ=ロマネ1級と同じです。が、複雑性、コアの確実性、潜在能力は上です。熟成能力も同様でしょう。・・が飲めちゃうんですよね・・怖いなぁ・・。是非美味しく飲んで欲しい、素晴らしいグラン・クリュでした。2年は待ちましょうね。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ
【甘露です!フィネス、エレガンスをナチュラルに表現したエシェゾー格落ち!】

美味しいですね~・・これは良い!・・村名ヴォーヌ=ロマネの延長上と言うより、シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジの延長上と言った方がより近いと思いますが、このプルミエ・クリュまで来ると、ギアが2段ほど上がったかのような密度を見せてくれます。
色合いも美しいです。そして、気になる?ナチュラル度ですが、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「5~5.5」です。
揮発酸は検出限界に近いです。全く無いとは言いません・・が、まず判らないと思いますよ。
「・・いや、有る。あるに違いない!」
と思って一生懸命に嗅ぎ出せば・・もしかしたら感じるでしょう。そんなレベルですが、ナチュラル度は半端無いです。滅茶甘い水にピノ・ノワールワインならではの要素がちりばめられ、サン・スフルならではの中間的要素に満ち、輝きを持っています。
まぁ、エシェゾーもクロ=ヴージョ(・ミュジニ)も、グラン=ゼシェゾーも飲んじゃいましたからね。このワインの持つ素晴らしさにも気付いちゃいますよ。それら上級ワインが持つ高尚且つ雅な要素、表情をかなりの部分、持ち合わせているんですね・・。だからどうしても「美味い!」と思ってしまう・・んでしょう。
最も、上記のようにナチュラル度は「5.5」ですから、「5」ならばOKの方も、そこを超えてくるといきなり「無理」と言う方がいらっしゃらないとは限りません。
しかし、もしかして気に入らない風情が有ったとしても、これほどの美しく細やかな表情がお化粧代わりになるんじゃないかと思います。相当に・・旨いです。
ですが・・コンディションが悪いとどうにもならないと思いますので、必ず14度以下の保存環境で、飲む前にしっかり立てて透明度を確認してからお楽しみください。素晴らしい世界が待っています!ご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【ドメーヌ・ビゾを彷彿させるナチュラルなヴォーヌ=ロマネ!・・自然派大好きな方にはドンピシャ!】

ま~・・あのグロ・フレールがね~・・こうなっちゃうのね~・・と、驚いた2017年ものです。その中でもトップのナチュラル度を誇るのがこの村名ヴォーヌ=ロマネでした。一口すすって・・
「・・お~・・ビゾだ~~!」
と思っちゃいましたよ。ビゾの「オー・レア」にそっくり・・と言うか、ビゾのオー・レ・アに有る「角」をさらに丸く磨いて「引っ掛かりを無くした感じ」だと・・思わず口にしそうになりました。
でも、目の前には愚息がおりますので・・そういうことは言いません。自分で感じて欲しいからですね・・頭の中に余計な言葉をインプットしてしまうと、その言葉だけが独り歩きしちゃいますから・・。
ビゾのオー・レアもそうでしたが、ヴォーヌ=ロマネらしいフィネスを損なわずに、ナチュラルな風味を多く持っていました。巨大な構造では無いものの、しっかり膨らみ、ディテールの細やかなこと!・・この辺りはヴォーヌ=ロマネの格が成せるものでしょう。
しっかりと丸い中盤のパレットから、滲みだすような清冽な水の余韻が実に長いです。果実感は鼻に抜けつつ、滅茶美味しい清冽な水の余韻が舌に残像として残るんですね。
このワインは、ヴァンサン・グロが言う、
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
においては、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「6~6.5」です。
結構にナチュラル度が高い・・と言う判断ですね。揮発酸は有ります。止まっているのでこの先、増えることは考えられませんが、落ち着いてくることは有ります。そして、この揮発酸が無ければ、ナチュラル度は「5」ほどにグンと下がります。
なので、揮発酸系が苦手な方には「無理」です。
しかし、ナチュラルワインがお好きな方には、全く問題が無いレベルと言えますし、揮発酸バリバリのアヴァンギャルドなスタイルがお好きな方には「物足りない」でしょう。
継ぎ目無く滑らかで柔らかく美しいヴォーヌ=ロマネでした。是非ご検討くださいませ。
● 2017 Chemin des Moines de Vergy V.d.T.
シュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジ V.d.T.
【これは旨い!起承転結がクッキリ!ナチュラルだが、それを強く感じさせないバランスの良さ!ヴォーヌ=ロマネ村名並みです!】

これは旨かった!・・ナチュラルさはむしろ他の下級キュヴェより抑え目に出ている感じで、グラスから漂う柔らかく早い官能的なファーストノーズからの口入、中盤、終盤、余韻と、しっかりその段階を感じさせてくれる「普通のブルゴーニュ・ピノ・ノワール」的な感じが、何の違和感も感じさせない美味しさです。
このシュマン・デ・モワンヌ・ド・ヴェルジは、ヴォーヌ=ロマネから(資料にはやや恣意的にラ・ターシュと書いてありますが)西に昇って行き、幾つかあるヴェルジの村へ向かう途中に有る古い畑のようです。近くにはオート=コート・ド・ニュイやコート・ド・ニュイ=ヴィラージュ格の畑が有りますが、長く打ち捨てられていた「古いクロの跡地」だったようで、アペラシオンを名乗れないので「ヴァン・ド・ターブル」格になっているようです。
ラ・ターシュから500メートル歩くと言うことですからヴォーヌ=ロマネからは少し離れており、Googleで写真を見てみると、
「なるほど・・ここかな?」
と思える場所が有ります。
「ここを買収して3年目の葡萄で醸造したのなら、さぞかし、力の無い味わいなんだろうなぁ・・」
「それにしちゃぁ・・高いよ」
などと、高をくくっていた訳ですが、あにはからんや・・ちょっとビックリさせられました。
「村名並みじゃん・・」
表現するのは難しいですが・・これで3~4年目かよ・・とビックリするような集中感が有ります。noisy が育てているピノ・ファンはそろそろ5年かな?・・こんなに立派には絶対になりませんから・・。黒みのしっかりした果実が・・そうだなぁ・・チョコチップのような感じでアチコチに有り、その間を穏やかな赤いチェリーやベリーが埋めているような感覚でしょうか。
ピュアさも有り、ナチュラルですが、むしろ揮発酸は非常に少なく・・いや、全く無いとは言いませんが、まず気付く方は極少数派でしょう・・滑らかでしっとりと優しいです。
オート=コートよりも高い値付けですが、これは村名並みのポテンシャルをすでに持っており、個性もしっかり有りそうですから、
「将来、大化けするかも!」
と言う気を持たせてもくれます。
是非Googleで、地図を見てみてください。3D で見ると面白いですよ。ヴォーヌ=ロマネの村を西に上がり、畑の無い部分を通り越した辺りです。それ以上西に向かうとオート=コートの畑群が有り、もっと行くとヴェルジの各村に入り、現在修復中のロマネ=サン=ヴィヴァン・ヴェルジ修道院も確認できます。ご検討くださいませ。
P.S.
「並みの自然派と先鋭的ビオディナミストの中間」
において、
「並みの自然派」を1とし、
「先鋭的ビオディナミスト」を10とするなら、安易には、ヴァンサン・グロの立ち位置は
「5」
と言うことになりますが、このワインは、「3.5~4.5」の間ほどです。
● 2017 Richebourg Grand Cru
リッシュブール・グラン・クリュ
【あのクロ・パラントーに接する区画です!】
残念ながらナチュラル度「5」が出ちゃったので・・ここにたどり着けませんでした・・と少し安心しています・・経費的に・・はい・・(^^;;
まぁ、昔なら、
「あのリシュブールに接する1級クロ・パラントー!」
などとやっていたんですが、今は逆?になっちゃいますでしょうか。
その昔、アンリ・ジャイエが開墾したキャベツ畑がリシュブール(レ・ヴェロワイユ)上部に接していました。そして、メオ=カミュゼから借りていたリシュブールの畑のワインが、アンリ・ジャイエのトップ・キュヴェで、その区画はクロ・パラに接したレ・ヴァロワーユの最上部でした。
で、メオ=カミュゼ所有区画の下の部分、こちらも同じくクロ・パラに接したレ・ヴェロワイユですが、そこがグロ・フレールの所有区画と聞いていますので、
「クロ・パラが高くて、少なくて買えなきゃグロ・フレールのリッシュブール!」
と言う考え方も有ったと思いますよ・・。まぁ、noisy も聞かれなきゃそんなことは答えないですけど・・。
なので、グロ家が持っているリシュブールの区画はレ・ヴェロワイユの2/3ほどなんですね。アンリ・ジャイエが引退を決意したのがこのレ・ヴェロワイユが造れなくなったから・・なんです。まぁ、noisy の記憶が確かならば・・なので、間違ってたらすみません。
で、リアルワインガイド第66号で徳丸さんは何と、ポテンシャル95+ まで付けています。これ、ナチュラルなブルゴーニュワインではほぼトップの評価だと思います。
「ここが10年後にどうなっているのか?」
・・ご興味ないでしょうか?
おそらくですが、ナチュラル度は「5」でしょう!・・飲んでみたいですよね・・是非ご検討くださいませ!
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