ドメーヌ・ユベール・ラミー
ユベール・ラミー
フランス Domaine Hubert Lamy ブルゴーニュ
● 遅れに遅れた2022年のユベール・ラミーをご紹介させていただきます。
どうやらラミーの超密植のワインもついに限度を超え、我々の計り知れない領域へと踏み出し始めたようです。人間、経験の無いことは判らない・・ですから、触れてみて初めて・・
「・・あぁ・・こういうものか・・」
と少し理解し、そこからスキルを重ねて得て、ようやっと判断できるようになる訳です。
noisy も、今回は余りに時間が無く、短い時間の中での判断となりました。しかし1回目のご案内後に飲み残しているワインと対峙してはじめて、自身の言葉に完全な自信を持ってお話しできるようになった・・今回の2022年ものに関しましてはそのような流れなんですね。
ですので、比較的判り易く、しかも凄かったのがサントーバン系です。特にデリエール・シェ・エドゥワールは白も赤も半端無い仕上がりで、しかもポテンシャルが取り易かったと思います。
物凄い仕上がりなのに、テイスティング時はまったく開かなかったのがシャサーニュやピュリニーの村名以上の白です。トランブロのオート・デンシテの評価が93ポイント止まりなのは、また、デンシテでないトランブロもロベンバーグ以外が低かったのは、
「単に密度が半端無く、テイスティング時に完全に表情を閉じ込めていたから」
だと言えます。
そして素晴らしいのが赤です。デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュの素晴らしい「揺らぎある味わい」には驚かされました。そしてトップ・キュヴェのクロ・デ・グラヴィエールの豊かな果実の風味はジャイエを彷彿させてくれました。
ユベール・ラミーの2022年、半端な仕上がりだったと・・後年言われるヴィンテージになったと確信しました。ぜひご検討いただけましたら幸いです。
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ユベール・ラミー2021年、第二弾として赤ワインを中心にお届けいたします。
2021年のラミーの赤は、現時点の成長具合が白ほどの成熟には届いていませんし、2020年ものが持っていた甘みさえ感じさせる集中した「豊満な果実」が大幅に無く、反対に果実酸を豊富に含み、それをエレガントなブルゴーニュ・ピノ・ノワールのアルコール分13度ほどの中に展開させるという、ある意味これもまた、「化け物」的な仕上がりになっています。
甘みを含む果実味と言うことであれば、それは飲む者にとっては「早い段階から仕上がっている」と感じさせますが、きらびやかな果実酸が種類・量とも豊富である・・と言うことは、
「仕上がり・成熟により時間が掛かる」
のは当然です。
2021年もののラミーの赤は、noisy にとっても非常に興味深く・・本来は1本か2本のテイスティングで留めるところを3本まで開けてしまいました・・。その甲斐も有って、
「2021年のラミーの赤の解体新書上梓まであと一歩」
のところまで迫れたかな・・と自信過剰気味に・・思っています。
面白いのは、
「シャサーニュ=モンラッシェ・レ・グージョンヌV.V.は普通に美味しいが・・それは狸か狐に騙されている状態」
「デリエール・シェ・エドゥワールは思いの他・・仕上がって来ている・・素晴らしさが良く判る」
「サントネ村名はだいぶ仕上がりが遅い」
と、それぞれに全く仕上がり方が違うんですね。
まぁ・・畑も全然違いますし、超密植化をしているのか、していないのか、進んでいるのかも余り判りませんから、
「ワインとじっくり向き合うことでしか情報が無い」
とも言えます。
今回はアドヴォケイトの評価が間に合いましたので掲載させていただきましたが、noisy 的には相当な疑問符が付きます。もしアドヴォケイトを信用される場合でも、評点はあくまで、
「今(すぐ)飲んで点」
だと考えられるのが良いと思います。
トップ・キュヴェのラ・グラヴィエールだけは少なくて飲めませんでした。残念ですが・・仕方ありません。
優れたピノ・ノワールであることをしっかり確認させていただきました。ぜひご検討くださいませ。お勧めします!
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今や時代の寵児、名実ともにブルゴーニュのトップドメーヌとなったドメーヌ・ユベール・ラミーの2021年をご紹介させていただきます。
このラミーの2021年ものですが、海外メディアの評価が揃っていないので彼らの動向は不明ながら、
「アドヴォケイトは2021年ものを2020年、2019年ものと比較して同じか 1~3ポイント下げで評価した。」
のは明白です。クリオ=バタール=モンラッシェの3年連続満点獲得はなりませんでした。
しかしながら noisy 的には、それは間違いだろうと踏んでいます。明らかに前年をも凌ぐ出来であると・・少なくとも noisy がテイスティング出来たアイテムの状況と、そこから推測可能な事象を考慮に入れると、そうとしか思えない訳です。
それは、2021年と言う特殊なヴィンテージと、ラミー特有の「超密植」をどう捉えるか、また新型コロナウイルスの影響による情報不足の中で、その超密植の実現状況をも推測しての答えです。
お客様には、ぜひとも・・少ないですが、
「圧巻の出来のA.C.ブルゴーニュ・シャタイネールを飲んでいただき、その凄まじさを感じていただきたい!」
と思っています。
この「化け物」みたいなA.C.ブルを、誰もが本当にA.C.ブルだと感じるか?・・と言うことですね。
そしてこのA.C.ブルは、Noisy wine も意を決して、非常にリーズナブルに提供しています。
「・・えっ?・・1万円で・・リーズナブルなの?」
と感じられるかもしれません。ですが、上代は11500円税別ですから・・数が沢山あればそれでも可能かもしれませんが、2020年ほどでは無いにせよ、非常に少ないです。
そして2021年のラミーのワインが特別だと・・言うその根拠には、
「このA.C.ブルには、かなり上級のキュヴェのセカンド・プレスが半分ほど使用されている」
とのことなんですね。
はっきり言って、noisy もぶっ飛びました。久々にFacebookで呟いてしまいました・・あ、呟くのは「X」でしたっけ?
他にも・・あのクロ・デュ・メが大変身して、物凄いワインになったとか・・コンシ・デュ・シャンがおそらく3段式ロケットだとか・・テイスティング出来たキュヴェは、コラムを一生懸命に書かせていただきました。
2021年のユベール・ラミーは、彼の記念碑と言える出来じゃないかと考えています。noisy は今もまだラミーをテイスティング中です。次回もご紹介する予定でいますのでどうぞよろしくお願いいたします。
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2020年のユベール・ラミーをご紹介させていただきます。
昨年ご紹介させていただきました2019年のユベール・ラミーですが、アドヴォケイトではラミーの2019年クリオ=バタール=モンラッシェに対し、当初は97~99ポイントとしていたところ、後に満点の100ポイントに修正した上、2019年のブルゴーニュワインの白ワイン唯1本だけであるトップに選択しました。
因みにD.R.C.の2019年モンラッシェは、アドヴォケイトは96ポイント、ジャスパー・モリス氏は98ポイントですから..ドメーヌ・ユベール・ラミーの白のトップワインがブルゴーニュ・シャルドネのトップに躍り出たことを明らかにした..そう考えるのが妥当なようです。
そしてその影響は途轍も無く大きかった・・訳です。世の中の市場からラミーのワインがほぼ消えたのは間違い無いですし、既存リリース品の価格も暴騰(・・2020年ものが出回っていない今はまだ可愛いものだと思えます)、そして今回以降にご紹介させていただく2020年もののユベール・ラミーのワインは、
・クリオ=バタール=モンラッシェ 上代40万円
・その他のオート=デンシテ 上代6万円
・その他 20~40% の値上げ
と言う、古くよりラミーのワインに親しんでいたお客様におかれましてはちょっと残念な結果になってしまいました。
まぁ、「・・ラミーのワインは旨い!凄い!」「将来性抜群!」だからこそ、Noisy wine でラミーのワインをお買い上げ下さっていただいていたはずですから、喜びもまた有るはずですが、ここまで高価になってしまいますと今までのように安易には手は出て行かないかもしれませんね。
2020年ものと言うことで入荷数は多く無く、noisy もできうる限りのテイスティングと、その分析にほぼ1カ月近くの時間を費やしました。残念ながらテイスティング出来なかったアイテムも有ります。高くなった価格の性も有ります・・。でも数が無いのが一番です。
で、海外メディアの評価をさらってみたのですが、ものの見事に見当たらないんですね。見つけたと思っても信頼性に欠けるものだったり、評価対象のヴィンテージが2020年かどうかあやふやだったり・・している訳です。
・・noisy はなんでそんなことをしているのか?・・と疑問に思われるかもしれません。それに新着のラミーのご案内ですが、1回目は赤だけ・・です。白は次回以降にご案内予定です。・・何でか?・・なぜそんなことするかと申しますと・・
「2019年ものでユベール・ラミーはブルゴーニュのトップ生産者の頂点に立った!」 「・・・が2020年ものでもラミーは、革新を続けていた!」 「結果、2020年ものは2019年ものまでのラミーのワインと若干ニュアンスが異なる!(特に早い段階で飲む場合は・・)」 ここからはあくまで noisy 的な想像の世界の話しになりますので、間違いも含まれるかと思いますがご了承くださいませ。
ブルゴーニュのトップ生産者の元で修行していたオリヴィエさん。メオ=カミュゼでも修行していましたから時代的にアンリ・ジャイエにも教わったはず・・で、赤ワインにはそのルーツが潜んでいると感じます。
また、現在はルロワの真横でクリオ=バタール=モンラッシェを育んでいる訳ですが、やはりその影響も大きく受けていると思います。実は2019年ものには、今回の2020年ものに似たニュアンスが潜んでいて、もしかしたら noisy もラミーのどこかのコラムで、そんな部分を書いていたかもしれません。
そう・・自然派・・と言いますか、ナチュールっぽいニュアンスが入って来ているんですね。勿論、アヴァンギャルドなものではありませんので危険性は有りません。ですが、
「2019年までの、ゴリゴリっと口内を押し拡げながら巨大なミネラリティを感じさせつつ・・入ってくる感じ」
が無くなり、
「2020年ものは、そのテクスチュア・接点に非常に細かな産毛のようなものを口内や舌先で感じているかのような、より柔らかでふんわりしたニュアンス・・から始まり、アイテムによって異なるが徐々に巨大化し始め、表情をしなやかに感じさせつつ溶け込んだ膨大なミネラリティを美しく見せる」
なんですね。
つまり、栽培も徐々にナチュール寄りになっているのかもしれませんし、少なくとも発酵前、瓶詰め時のSo2添加量が減っている・・と考えられ、その影響が味わい、アロマ、テクスチュアに顕著に出ている・・と思われます。
言ってみれば、ワインのイメージがドヴネやルロワのワインに似た方に寄って行っている・・そう感じるんですよね。白もそうですが、赤も・・。以前から noisy も、
「ラミーのワインは化け物・・」
と思っていましたが、自身が信じた道を全く歩みを緩めることなく突き進んでいる・・2019年もののクリオ=バタールの物凄い評価は、たまたま出会った障害物・・的なものなのかもしれません。
このことは、超近眼の海外メディアのテイスターさんたちの、
「口に含んだ時の一瞬の判断」
だけによってしまいますと、2020年のユベール・ラミーのワインの評価が今ひとつになってしまうんじゃないか・・そんな気がしたんですね。ですので、各メディアがどう評価しているかが気になった訳です。
それに加え、今までラミーのワインを愛好してくださっていた Noisy wine のお客様たちが、2020年もののラミーが自宅に届いたから・・と言って、サクッと抜栓した時に、
「・・あれ?・・」
と一種の違和感を持たれ、勘違いされるんじゃないかと・・の懸念も生まれた訳です。
ですので、赤ワインの方はそのような傾向が顕著には表れない特徴が有りますので、まずは赤ワインを先行でご案内させていただき、白ワインは次回以降、このコラムをお読みいただいた上で、販売させていただければと考えた次第です。
いや・・サン=トーバン1級アン・ルミイィ..べらぼうに・・旨い!・・凄いワインでした。ですが・・今までとは「イントネーション」が異なります。釣りで言えば竿の先調子と後調子位・・違って感じられるかもしれません。
そして赤ワインですが、史上最高の仕上がり、間違い無しです。高くなっちゃいましたが、
「サントネ村名・・とんでもない出来!」
です。シャサーニュのグージョンヌも凄いです。濃密ですが全く甘く無く、質感の高さ、密度の凄さゆえの存在感・・お楽しみいただけます。
と言う訳で赤ワインからのご紹介で申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。
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待望のユベール・ラミー2019年をご紹介させていただきます。ま~・・お問い合わせの多いこと!・・何としても2019年のオート=デンシテが欲しい!・・とおっしゃる方が多いです。
ですが2019年ものはラミーも生産量激減で僅少・・・しかもほぼほぼ10%の値上げが厳しいところではあります。
ですが・・それでも安い!・・と思わせるだけのポテンシャルが有ります。
2019年の赤、ピノ・ノワールは4アイテム、テイスティングできたのは3アイテムになりますが、
「どのキュヴェも完璧!・・サントネ・クロ・デ・グラヴィエールは・・なんとアドヴォケイト2年続けての94ポイント評価!」
が全てを語っているかと思います。どんなに心臓に毛の生えたテイスターでもサントネに94点は・・躊躇してしまうのでしょう。まぁ・・noisy なら・・ちゃんとした評点を付けちゃいますけど。兎に角、
「サントネ村名赤で充分以上に激旨!」
を保証致します。もっとも最初から否定で入る方には保証できませんが・・(^^;;
2019年のシャルドネは・・
「すみません・・A.C.ブルのシャタイネール・・とんでも無いワインです。ぶっ飛んじゃってます。このご時世、これ以上のA.C.ブルは有り得ません。」
と言い切ってしまいます。
確かにメオ=カミュゼの・・格上では有りますがオート=コートの品格ったら無いです。でも、度肝を抜かれるような圧倒的な美味しさはシャタイネールに軍配を上げます。ま~・・凄いポテンシャルですよ。
で、2019年のシャルドネの村名クラス以下は、
「今飲んでも滅茶苦茶旨い!・・」
です。村名サン=トーバン、1級フリオンヌ、1級クロ・デュ・メ、村名ピュリニー、村名シャサーニュまでは今でも物凄い味わいを楽しめます。
それ以上のキュヴェにつきましては、
「もう少し休ませて欲しい」
と思います。充分な美味しさは上に並べたキュヴェ同様に有りますが、まだ落ち着いていないと考えられる振る舞いを見せますので、
「適度だろうと思える期間は休養させてから」
お楽しみいただくことをお薦め致します。
因みにトップ・キュヴェのクリオ=バタール・オート・デンシテ2019は、2018年の98ポイントを上回り、99ポイントを付けました。もはや敵?は前にはおらず、同じ立ち位置に居る・・状況です。
同様に2018年ものの凄い出来を見ましても、2019年ものはそれを超えた評価を得ています。ほぼ1ポイントは積み上げているような感じですね。
ですので、昨年の2018年もののご紹介で書かせていただいたように、
「あなたが欲しいブルゴーニュワインはラミーか、ラミーじゃ無くても良いか?」
もしくは、
「ユベール・ラミーの2018年を飲まずにブルゴーニュワインを語れると思うか?」
をそのまま2019年と書き換えさせていただきたいと思います。
いや・・でも2014年もののサン=トーバン1級クロ・デュメは、信じがたいほどの数量を販売させていただきましたが・・多分、状況を知らないワイン屋さんが聞いたら、「そんなの嘘!」と言うに違いないほどの数です・・でも、何と・・
「2019年ものの入荷はたったの12本」
です。・・あ、テイスティング分を別途に分けてくれたので13本ですか・・。なので営業的には非常に厳しいですが、
「2019年もののラミーは絶対に飲んでみるべき!」
だと、お勧めしたいと思います。勿論、A.C.ブル・シャタイネールとサントネ村名で・・もう充分激旨です。どうぞよろしくお願いいたします。
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「2018年ユベール・ラミーはブルゴーニュのトップ生産者十傑に仲間入り、間違い無し!」 いやはや・・驚きました。昨年ご紹介させていただきました2017年ものは、正に呆気に取られるほどの出来栄えでした。ブルゴーニュのトップクラスの生産者になったことを肌で感じさせてくれたシャルドネと・・そしてピノ・ノワールでした。
その2017年ものと同等・・もしくは僅かに超えることすら難しいはずの2018年ものでは、もしかしたら・・ラミーならやってくれるかもしれない・・と言うような淡い期待は有ったのですが、まさか・・
「2017年ものを凌駕する、置いてきぼりにする驚異的な出来!」
になるとは思いませんでした。
A.C.ブルのシャタイネールでさえ・・です。開けた瞬間から漂うピュアなアロマは、膨大なミネラリティと共に否応なく受容させられます・・しかしそれが滅茶気持ち良いんです。膨大な酸は球体に近い大きなパレットを描き、三次元的横方向に・・前後左右に伸長しつつ、縦方向に、上下に膨らもうとします。圧巻な味わいとはこのことで、初めてコシュ=デュリのワインに触れた時のような、ある種、畏怖に近い感情をも思い起こさせます。
村名のサントネイ・クロ・デ・ゾートでさえ・・
「・・あれ?・・これって・・相当見事なシャンボール=ミュジニー?」
との比較対象をすぐに求めてしまうほど・・超有名な生産者を想起させられてしまうほどの品格と特徴を持っているのです。
品温が下がりやすいこの2021年の厳冬期に品温10度で飲み始めても、ツヤツヤとしたテクスチュアからの見事な表現で「球体」を楽しませてくれます。
「いや・・これは有り得ないほど素晴らしい!」
と判断せざるを得ませんでした。
今回ご紹介させていただきました2018年もの18アイテムのうち、クリオ=バタールを含めたオート・デンシテはテイスティングできませんでしたが、それ以外の15アイテム全てをテイスティングさせていただきました。
そして上記のような感覚を受け、この上無い凄い仕上がりと判断させていただきました。
2017年ものの時には、それでも比較してしまうと「少し緩さも有るか?」と感じたキュヴェでさえそんな感覚は失せ、ユベール・ラミーらしい「超密度のワイン」を得ていますので、ここで敢えて・・言ってしまいましょう。
「オート・デンシテのキュヴェで無くても充分」 そうです。2017年もののオート・デンシテも飲ませていただきましたが、オーラさえ感じる凄い仕上がりでした。
しかしながら2018年ものは、確実に2017年ものを「大きく超えた」存在です。「一体いつ完熟するか想像もつかないオート・デンシテをどうしても育てて飲みたい!」と言う楽しみを成就させたい方以外には、必要の無いものなのかもしれない・・それほどの仕上がりかと予想しています。A.C.ブルでさえ・・とんでもない出来だからです。
海外メディアの評価も掲載していますが、あくまで「参考」と言うことでお願いいたします。
「ちゃんと評価している!」
と思えるキュヴェの評価もあれば、同一人の評価でも
「ポテンシャルを全く取れてない」
としか思えないものも有りますし、
「通常のヒエラルキーに支配された安直な評価」
をしているテイスターも多いです。
そんな中でも、トップ・キュヴェの「クリオ=バタール=モンラッシェ」はアドヴォケイトで上値98ポイントですから、2017年もののD.R.C.モンラッシェ99ポイントに近似な評価を得ているんですね。
2018年もののユベール・ラミーのどのキュヴェを飲んでいただいても、驚異の仕上がりに胸を振るわせていただけるでしょう。
「あなたが欲しいブルゴーニュワインはラミーか、ラミーじゃ無くても良いか?」 もしくは、
「ユベール・ラミーの2018年を飲まずにブルゴーニュワインを語れると思うか?」 そう、ブルゴーニュファンに問いかけさせていただきたいとすら・・感じさせてくれた2018年ユベール・ラミーです。飲まずにスルーするなら後悔することは間違い無しです!・・そして飲んだらあなたの持っているそれまでに長い時間を掛けて生成してきた既成概念を粉々にしてしまうと思います。ご検討くださいませ。
■エージェント情報
2018年のユベール・ラミーがいよいよリリースとなります。3アイテムのみですが、社内試飲いたしました。
これまでの卓越した完成度から、更に突き抜けた熟度の追求。それは果実の要素とか密度とか酸のレベルとか、樽の使い方といったテクニカルな分析を一蹴するような完全な調和の世界です。
標高の高い冷涼なサン=トーバンは熱量の高い2018のような年は凄まじい完成度になるだろうなと仮説を立てて試飲したのですがそんな小理屈を吹き飛ばしてくれる衝撃です。熱量の高い2018年、当然のようにオリヴィエ氏は誰よりも早い収穫と例年以上の徹底的な選果で期待を裏切らない結果を出しました。
ブルゴーニュは2017年に続き収穫量に恵まれた2018年となりましたが、ラミーに関しては2017年に続いて生産量減となりました。しかしながらいくつかのメディアが興奮、混乱しているようにその完成度は非常に高いです。
誰よりも早い収穫開始、冷涼で標高の高いサン=トーバンは温暖化を経て大きなアドバンテージを受けています。毎年のことですが、温暖な年がゆえの甘い大味なシャルドネと想像すると大きく裏切られます。(良い方向に!)
そして同じ畑で葡萄の糖度に合わせて戦果しながら日程を変えて葡萄を収穫…聞いたことがない、また想像もつかない手のかけ方。密植栽培もさることながら、究極を追求するオリヴィエらしいなと思わず笑ってしまいました。下記はBurgundy Reportからの2018年コメントとなります。
『2018年は非常にややこしい年となりました。穏やかな冬と本当に沢山の雨。ある段階では私たちは、一か月の間、毎週末、一日中の大変な作業を余儀なくされました。ある朝、マイナス1℃まで気温は下がりましたが、霜害はありませんでした。乾燥した暑い天候がやってきましたが、土壌が地中に蓄えた雨水のおかげで葡萄の樹はストレスを受けませんでした。全体を通して、ベト病で20~25%の生産量を失いました。
私たちは8月22日に収穫を開始しました。ブルゴーニュは予想以上に熟度が高くなっていました。いくつかの区画では凝縮度に満ちて完熟しており、少し2015年を思い起こさせてくれました。とても複雑でした。
私たちのアン・レミリーはコート・ド・ボーヌで最も熟した区画のひとつでした。収穫を開始する日程を決めることは本当に難しい仕事でした。白ワインの生産量は多くはありません。実質、ほぼ皆無だった2016年の霜害の時よりは生産量はありましたが、ヘクタールあたり35ヘクトリットルの生産量となりました。』
(Burgundy Reportより抜粋 意訳・村岡)
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2017年のユベール・ラミーだけは、どんなことが有っても買わなければならない・・とさえ思います。いや、そう思わされました。なので、絶対に買ってください・・(^^;; 白だけでは無く、赤もです。おそらく、今までに体験したことのない世界を見せつけられたと感じていただけるはずです。そして、アペラシオンにこだわり過ぎたことへの反省さえ、心に浮かぶに違い無いのです。
2017年のユベール・ラミーのワインの総括としましては、陳腐な言葉の羅列になってしまいそうで怖い部分が相当に有ります。
何せこの数年、ユベール・ラミーのワインの上昇機運の気配を感じ取ってからは、毎年のように、「前年を超えた」と言ってきました。そして、「物凄いワインだ」とも言っていたはずです。「昇り詰めた」とさえ、どこかに書いたかもしれません。
しかしそれは noisy の大きな間違い、もしくは見込み違いだったと言わざるを得なくなりました。
2013年よりも2014年、2014年よりも2015年、2015年よりも2016年と、年を追う毎にその「密度」がもたらす素晴らしい味わいに歓喜の念さえ持ったものです。しかし、2013から2014へ、2014から2015、2015から2016へと、ポテンシャルの上昇率はほぼほぼ同じ割合で上昇していたと感じます。そして2016年もので高見に達したと思ったものです。
ところが・・それこそが間違いだったんです。2016年ものと2017年ものを比較しようとした場合、
「もうポテンシャルの上昇率が図り切れない!」
とサジを投げざるを得ない感情を持たされてしまった訳です。2013年から毎年20%ずつ上昇し2016年まで来たと仮定したとして、
「では2016年から2017年へのポテンシャル上昇率はどのくらいだろうか?」
と考えた時、もう・・それを図ることは不可能だと感じてしまった訳です。
それほどまでに凄まじい向上と言わざるを得ません。・・いや、2017年もいろんなことが有ったことは判っています。サン=トーバンは決してすべてが順調だった訳では有りません。遅霜の被害で相当の減収になったと伝わっています。でもそんなネガティヴな出来事も、結果的に見れば、
「図ることさえあきらめざるを得ないほどの凄まじい出来」
になったと言うことなんですね。
それでもまぁ・・ラミーのシャルドネは、そんなことも有るかもしれないと、薄々は感じられたかもしれませんが、サントネイやシャサーニュのピノ・ノワールがまた、「ひっくり返るほど」素晴らしく、
「はたしてこれは本当にボーヌのピノ・ノワールなんだろうか?」
「これを飲んでコート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと当てられる人はいるのだろうか?」
と思っています。
「少なくともサントネイの赤であると言える人は唯の一人もいないはず!」
と確信しています。
まさに、ユベール・ラミーの値千金のサン=トーバンのシャルドネの姿を写し取ったかのようなミネラリティに満ち、決して崩れない、綻ばない、貴婦人が如くの美しささえ感じられるピノ・ノワールが、コート・ド・ボーヌに存在したことに、経験したことのない感動と驚きと、伸張して行く可能性がまだまだ残っていることへの恐怖にも似た感情を持ってしまいました。
しかもこれは、ブルゴーニュの南のドンケツのサントネイで有り、赤は誰も期待していないサン=トーバンとシャサーニュ=モンラッシェなのです。
その昔のブルゴーニュは、馬で耕作していた・・と言われますが、それは実は・・比較的最近のことです。それ以前は馬も入れなかったほどの「密植状態」であったとされています。
ユベール・ラミーは、その古い時代と同じ手法を用いることで、その時代さえも超越した、自身の境地に至っていることになります。
だからこそ、もう・・どんな造り手とも比較することは不可能だと言えるでしょう。陳腐なことになってしまいます。ラミーはラミーのワインで比較するしか、比較対象が無い・・とさえ言えると感じます。
そしてその感情は、2017年のユベール・ラミーを飲まれた方と、必ずや共有できるはずです。特にシャルドネだけでは無く、ピノ・ノワールも飲まれた方や、2016年以前からラミーを追いかけていらした方なら・・そうなってしまうことは容易に想像出来ます。
いたるところにラミーの考えや仕事ぶり、そして畑の姿を感じることが出来ます。この・・凄いコルクを見てください!・・思わずメジャーを出して来てしまいましたよ・・。
「57ミリもあるディアム!」
です。
ここではコルクの説明はしませんが、ラミーが何を感じてそのようにしているのか・・是非飲みながら・・いや、まずその長~~いコルクを抜いてからですが、想像してみて下さい。
そして外観だけを言うにしても、全てのアイテムに白い「蝋封」が施されています。しかも全然面倒くさく無い、「蝋封をして無い、蝋封が無い」と思ってスクリューを差し、少し上げてから割れた部分を除くだけで済む・・・でも「蝋封」がされています。この辺も是非、色々と楽しみながら、ラミーの意思を感じていただけましたら幸いです。
素晴らしい2017年でした。とても一言では言い表せませんが、これだけは言えます。
「ユベール・ラミーの2017年だけは見過ごしてはならない!」
・・是非後悔の無いようにされてください。お勧めします。
Domaine Hubert Lamy / ドメーヌ・ユベール・ラミー “ユベール ラミー”の歴史は古く、ドメーヌは1640年に、サントーバン村でブドウの栽培を始めたという記録があります。先代のユベール氏は、彼の父親であるジャン・ラミーの元で働き、1973年に自らドメーヌ ユベール・ラミーを立ち上げました。それまでは主にネゴシアンであったため、自社畑は8ヘクタールほどにすぎませんでした。
90年代にはクロ・ド・ラ・シャトニエール、デリエール・シェ・エドアール、ミュルジェ・デ・ダン・ド・シャン、クロ・デュ・メ、クロ・デ・ザートの畑を購入、賃貸契約で手に入れました。
また、より土壌の特性に合うとしてラ・プランセの区画に植わっていたピノ・ノワールをシャルドネに改植もしました。
1995年、世界各国でワイン造りとマーケティングを学んだ息子のオリヴィエ氏が、ワイン造りを受け継ぎ、経験を生かした新しい手法で畑から醸造までドメーヌを運営しています。
今日ではドメーヌは17ヘクタールの畑を所有しており、そのほとんどがAOCワインです。サン・トーバン、ピュリニー・モンラッシェ、サントネ、シャサーニュ・モンラッシェなど…18のアペラシオンから赤・白合わせて毎年10万本ほどのワインを生産しています。そのうち70%は海外に輸出され、残りはフランス国内のワイン商、レストラン、愛好家に回されます。
ドメーヌを始めた当初は、村の真ん中に位置する小さな醸造所でワインを造っていました。
1979年、ユベールは実用的な醸造所の建設を始め、1981年に完成させました。
それから仕事がより効率化され2003年には600㎡から3フロアから成る1200㎡の大きな醸造所にまで拡張することができました。ひとつのフロアは醸造設備(除梗、ベルトコンベア、空圧式プレス機2台、震動式選果台、ラベル貼りなど)です。
ふたつめのフロアはボトル貯蔵庫になっています。そしてもうひとつの地下フロアは赤ワインと白ワインが分けられた樽熟成のためのフロアとなっています。
栽培:葡萄はグイヨ仕立て。5月から8月まで毎月グリーンハーヴェストを施します。この10年の間、化学肥料は一切やらずに有機コンポストに切り替えて土壌を修正してきました。
白ワインの醸造:畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。
アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
赤ワインの醸造:収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。
発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
2010年ヴィンテージについて
開花期の天候が良くなかった影響で、非常に少ない生産量となりました。
2010年ヴィンテージの生産量は例年の30%減となります。2010年ヴィンテージは2008年ヴィンテージに似たクラシックな個性の年です。
少ない生産量は結果として、ワインに凝縮感と素晴らしいバランスを与えてくれました。8月はブドウがゆっくりと成熟し、9月上旬には収穫を開始、9月の14日には収穫を終えました。
ワインはフレッシュさと完熟の要素を兼ね備えており、調和を見せてくれます。生産量の低さは、好ましい凝縮感をワインに与えてくれました。
2009年ヴィンテージについて
2009年は素晴らしいヴィンテージになったと言えるでしょう。まさに太陽のヴィンテージで、芳醇かつ力強さをもたらしてくれました。
しかしながら私達は飲み心地の良さだけではなく、ワインがフレッシュさとフィネスを保つように配慮しました。2009年の白は3年から8年の間は熟成するワインでしょう。
しかしむしろ現時点から開放的な黄色い果実のアロマがあり、完熟した果実味が口いっぱいに広がってからフレッシュさを伴った余韻へと続きます。
ワインはそれぞれの区画の土壌に由来するミネラルの特徴を備えています。
2009年の赤は3年から12年の間、熟成するワインです。深みのあるルビー色、黒系果実とスパイスの香りが特徴的で、フレッシュというよりは芳醇な果実味のワインです。
これらはまさに“美食家のためのワイン”なのです。
●ドメーヌ・ユベール・ラミーの土壌サン=トーバンについて ドメーヌ・ユベール・ラミーの持つ畑は基本的に石灰質が占めています。
サン=トーバンの土壌は大別するとふたつに分けることができます。
ガメイ村を越えサン=トーバン村へと延びる斜面は白色マルヌ土壌から成るほぼ純粋な石灰岩質土壌です。柔らかい石灰岩質土壌のおかげで葡萄の根が深く、よりミネラルを吸い上げることができるのです。洗練されたタイトな味わいの白、ミネラル、石を思わせる風味の赤ワインを産出します。ピュリニー・モンラッシェの土壌と類似しています。
(Derriere chez Edouard: Tremblots)
サン=トーバン村の内側、特級畑モンラッシェの斜面にはより堅牢な石灰岩が広がり、葡萄の根によって石灰岩の断層が散見されます。赤色の泥灰土が多い特級モンラッシェから続く粘土質土壌です。より日照に恵まれた区画で、果実味が増しスケールが大きなワインを産出します。(Clos du Meix : Chateniere)
● 2022 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【こちらもサントネ・クロ・デ・ゾート同様にアンリ・ジャイエ系!・・しかもエレガント系の果実味豊かな味わい!】
サントネのクロ・デ・ゾートとこのシャサーニュ=モンラッシェのグージョンヌ、そしてサントネ1級レ・グラヴィエールはジャイエ系の果実味重視な味わいです。サントネ1級レ・グラヴィエールはそれだけにとどまらず、マンモスなミネラリティを持ち、半端無い味わいに仕上がっています。
そして赤ワイン唯一のサントーバンである1級シェ・エドゥワールも、実は果実味系では有るのですが、レ・グラヴィエールのような深い果実のニュアンスは・・まだ?・・表情に出しておらず、その半端無い密度とミネラリティのせめぎ合いが、まさに化け物級で有ると感じています。
じゃぁ・・レ・グラヴィエールとシェ・エドゥワール・ルージュのどちらが白眉か・・と言いますと微妙な比較かなと思います。味わいはかなり違うと感じますが、それでも、
「レ・グラヴィエールはジャイエ、デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュはカミュゼ」
を彷彿させると言っておきましょう。もちろん、彼らのように新樽を使わずにピュアでナチュラルな風味を感じさせつつ、彼らのような妖艶さを奥に隠し持っていると思います。
で、このレ・グージョンヌは、その2品のような・・
「目の詰まり具合をギシギシっとさえ感じるほど」
のニュアンスは持たず、しかし雄大なスケールをエレガントに感じさせる旨いピノ・ノワールです。どこかジャイエを感じさせてくれます。
まぁ・・ジャイエも基本、除梗し低温で漬け込み、低温で長く発酵して新樽に詰めてエルヴァージュすると言う流れですが、最後の
「新樽に詰めてエルヴァージュ」
の部分が、
「古樽とアンフォラ系(壺?)に詰めてより長くエルヴァージュ」
と言う流れに成るようですから、ジャイエほどのリリース直後のバランスの良さは望めはしないのでしょう。因みにテクニカルの方は新樽率20%となっていますが・・今はちょっと違うかなと・・。
しかしながらこのレ・グージョンヌほどの密度の深く流れるような味わいは、普通に飲んでいて非常に心地良く、お食事と共に有って・・とても重宝すると感じます。
まぁ・・クロ・デ・ゾートが1万4千本でこちらは1万1千本ですので、植密度は前者が上、樹齢はシャサーニュが1950年植樹で70年超の超古木で、
「古木由来の濃密な果実の美味しさ」
を感じさせてくれます。
クロ・デ・ゾートもシャサーニュ・グージョンヌも、ジャイエ系の果実味重視な味わいで同系統では有りますが、密度からのその味わいと、古木からの味わいという具合に異なり、またシャサーニュの南のサントネと、シャサーニュと言う違いも在り、色彩の秀でた美しい色を愛でつつ果実味を味わえるピノ・ノワールと言えるでしょう。
中々この手の味わいに出会う事は少なくなった気もしますが、古い人間にとっては懐かしくも非常に響く味わいです。飲んでみてください。お薦めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ツッコミ所満載のシャサーニュ・グージョンヌV.V.!・・メディアもしっかり騙されているところを・・ご確認いただくのも楽しいかと!】 判りやすく、滅茶凄い2021年のラミーのシャルドネですが、それでもキュヴェによりましては、
「まだ飲まない方が良い」
と言うべきアイテムはあるはずです。全部はとても飲めませんでしたので不明な部分は有りますが、少なくとも・・
「クリオ=バタール=モンラッシェなどのオート・デンシテ類」
だけは、さっさと手を出すと「火傷」するかと思いますのでご注意くださいね。
それにしてもとんでもない出来だった「A.C.ブル・シャタイネール2021」でした。余りに凄いので、その理由をずっと考えていました。アドヴォケイトのウイリアム・ケリーさんが、
「かなり上級キュヴェのレイター・プレスを50%入れた」
と、後から知ったんですね・・。「なるほど~・・」と思いましたよ・・。半端無いですもん・・(^^;;
まぁ・・シャルドネの方は近いところに畑が沢山有りますから、そのような「格落ちをブレンドする」なんて芸当もできますが、ピノ・ノワールの畑はそうも行きません。
しかしながら、
「徐々に超密植化をしている影響が感じられる」
造りになって来ていて、ワインもめちゃ伸びて行く味わいになっています。
このグージョンヌV.V.ですが、アドヴォケイトは、
「サントネイ村名より低い89ポイント」
でした。
noisy も飲ませていただきましたが、その段階ではアドヴォケイトの評価は知りませんでした。
飲んでみて・・
「・・ん?・・あれ?・・美味しいんだけど・・何か・・ちっさいよ・・ね・・?」
そうなんです・・小さいんですよ。・・いや、美味しいんですよ?・・でも、グージョンヌをず~っと飲んで来て、noisy なりのイメージは出来上がっている訳ですよ。
「・・あ・・そういうことか・・」
そう・・これ、全く仕上がって無いんです。
現状は全く仕上がっていないんですが、現状で美味しく飲めちゃうんですね・・つまり、
「要素のほとんどは休眠中で、わずか存在する余分な要素部分で、物凄くバランスが取れた表情をしている」
だけ・・何ですね。
論より証拠・・1週間ほど放置しましたところ、大きくなって来ました。まだ見ている最中です。なので、
「グージョンヌは1~2年、待った方が良い」
と言う結論です。
アドヴォケイトは「小さい出来」と考えたようです。なので、サントネイ村名よりも低く、2024年から10年ほどの短い飲み頃と判断したのでしょう・・そんな訳、無いでしょう・・?
豊満な果実がたっぷり有った2020年ものではありません。言ってみれば、その「余りある」果実味を大部分除き、果実酸をたっぷり乗せ、ミネラリティをお代わりして追加した感じなのが、この2021年もののグージョンヌV.V.なんですね。
なので、こちらはもう少し後から飲まれるのが良いです。ぜひご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【薄くて甘くて腰の無いシャサーニュの赤・・とは正反対。とても小さな実のチェリーとベリーにたっぷりの石灰系ミネラリティが出来の良いシャンボールのような味わいを感じさせてくれます!しかも一体どうやったら2020年ものを13度に出来たのでしょう?】 これもまた頭抜けた出来のシャンボール...いや、シャサーニュの村名ピノ・ノワールです。
シャサーニュの赤が好きな方がもしいらして、このワインを飲んだら・・とんでも無く驚くに違い在りません。でもラミーのグージョンヌも、当初はこんなワインじゃありませんでした。
このずっと下の方に2013年ものの写真が有りますが・・まぁ、2013年と言う弱いヴィンテージの性も有るとしましても、
「2020年ものとは比較にならない」
のはお分かりいただけるでしょう。2016年もの位になってようやく、2/3 位の濃度でしょうか。
それでもこの透明感の高い色彩は、決して・・「濃いなぁ・・」などと思うようなものではありません。
2020年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、その厳しかった気候から・・いや、実の成長期~収穫ギリギリまで雨が降らなかったんですね~・・濃くてアルコール分の高いワインが多い訳です。でも・・
「ユベール・ラミーの2020年もののピノ・ノワールは、すべてアルコール度が13度!」
と言う・・奇跡のような仕上がりをしているんです。
だからこその、この素晴らしい色彩です。照りが有るがしっとり・・しています。グラも見えるようなのにブルゴーニュのエレガンスも見えるようです。
「・・強そうだ・・」
なんて、見えないでしょう?・・どうしたら、
「毎年植密度を上げて小さな実を付ける葡萄の、天候で上がってしまう糖度を自然に抑えることが出来たか?」
と思わないでしょうか?
これに正対する答えは、noisy にはこれしか思い浮かびません。
「畑の密植度の高さが良い方に向かっている」
良く、ワインの出来は葡萄の出来とイコールだと言われています。畑がワインを造る・・もしくは、ワインの格は畑が決めるなど・・。大昔からの優れた畑は、収穫制限しなくても、ちゃんとINAOが定めた収量を下回るそうです。
ですので、もしかしたらですが、ラミーが取るとんでもなく労力と時間を要求される「超密植」と言う手法こそが、これからのブルゴーニュワインの取るべき手法なのか・・とさえ思えてしまいます。
そして他のコラムでも書いていますが、このワインの場合も・・ほんのわずかに、気付かないほどに感じるナチュールの気配が、まったく留まることを知らないオリヴィエ・ラミーを教えてくれているようでも有ります。
精緻な果実、エレガンス、ベストと思える飲み心地・・を兼ね備えた凄いピノ・ノワールでした。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは2018年の92点から91点へ1点下げ・・?・・ちょっと判りません。素晴らしいシャサーニュ村名赤です!】 2015年もののラ・グージョンヌこそ数が無くて飲めませんでしたが、2014年ものからグラスの写真も掲載していますので・・
「この数年間のラ・グージョンヌの成長ぶりが判る!」
んじゃないかと思っています。こうやって見てみると・・2014年ものが可愛らしいですよね~・・。でもラミーは2014年もので大ブレークしていますから・・はい。2019年ものの物凄い密度が見えるような色合いは、ちょっと感動的でも有ると感じます。
そして・・noisy の場合は、ボトルからワイングラスに注ぐ時に必ずグラスを左手に持って、斜め35度ほどにして(相当横にします・・)注ぎながら少しずつグラスを起こし、45度ほどになるまで注いでからゆっくり起こします。
そうしますと分量もとてもちょうど良いですし、何よりグラスをつたう「涙」もちゃんと見える訳です。ソムリエさんが良くやるように、グラスをテーブルに置いたまま、少し空気を含ませるように「ゴボゴボ」と注ぐようなことはしません。美味しく飲もうとする時に、そのようにするのはワインによっては有りだと思いますが、繊細なピノ・ノワールにはどうでしょうかね。余り好ましくは無いかな・・と思いますが、noisy はソムリエでは無いので・・はい。
また「美味しく飲む」と言うよりも
「そのワインのポテンシャルや性格・コンディションをしっかり拾う」
のがテイスティングの目的ですので、開けるのも静かに・・グラスに注ぐのも静かに・・やります。スワリングをするのはずっと後・・です。しない時も有ります。
で、2019年のラ・グージョンヌV.V.です。2018年ものは確実に超えています。アドヴォケイトは2018年のポイントから1点下げ・・と言いますが、90~92 から89~91 への下げです。ちょっと意味不明です。
密度がまぁ・・半端無いです。シャサーニュの赤らしく、「ぶりっ」とした果実の豊満さが出ています。二枚目の寄った写真をご覧いただきましたら・・「グググっ」と引き寄せられてしまうんじゃないでしょうかね・・ビターなピノ・ノワールなんですが、密度の高さが何とも言えぬ「甘美さ」を感じさせてくれます。
面白いのはシャサーニュの南の「サントネ」との対比ですね。シャサーニュ・ラ・グージョンヌは「豊満」な・・グラマラスな女性を連想させます。でもサントネの各赤ワインは、「良く締まった見事なボディ」のスポーティな女性を感じさせます。
ある意味これは見事にテロワールを具現化していると思っていまして、シャサーニュ赤は豊満、サントネはタイトだけれどしなやかな筋肉を持っていると思います。クロ・デ・ゾート村名・・滅茶苦茶美味しいですし、このラ・グージョンヌも滅茶苦茶美味しいです!・・でも相当タイプが違います・・もっと違うのはサン=トーバン1級赤ですけどね!
そしてラミーのワインは赤も白も、品温が下がっていても・・
「まったくへっちゃら!」
です。繊細なのに・・でも平気なんですね。これもおそらく密植のなせる業なのかと思います。是非飲んでみて欲しいですね・・ご検討くださいませ!希少な2019年のラミーの赤です!
以下は以前のレヴューです。
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【不謹慎かもしれませんが人の密は避けて何とかこの難局を乗り越えましょう。でもワインの密はちょっと有難い・・】 もう・・これは色合いを見ていただけましたら、2017年ものとは全然異なることがお判りいただけるでしょう。密度の高い見事な味わいになったレ・グージョンヌです。
シャサーニュの赤は、どこか「抜けたようなおおらかさ」を感じる場合が多いですよね。リキミが無くエレガントなんですが、どこか芯がハッキリしないとか、平板で面白みが無いとか・・なので人気は今ひとつ・・と言った感も有るかと思います。
しかしながら2018年のレ・グージョンヌは、ちょうど良い密度感・・いや、普通なら「とんでもない密度感」なんですが、そこはラミーですから・・。どうしてもそのように言わざるを得なくなってしまいます。
赤黒果実がしっかり有り、ラミーの赤の中では、最も充実した甘やかなタンニンの存在が感じられます。
これ、結構に脂の厳しい肉にも合わせられるだけの重厚さが有ると思いますよ。そして甘く無いんですが酸バランスからでしょうか、厳しく無い優しい感じがします。濃度はしっかり有るが女性的なピノ・ノワール・・と言えます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2022 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【実はシャルドネだけじゃなくてピノ・ノワールも凄かった!・・アンリ・ジャイエの薫陶を受けた手腕はさらに進化!・・新樽を使用せずにジャイエの手法を今に復活??】
シャサーニュ=モンラッシェの南に接し展開するサントネの村名、クロ・デ・ゾートです。14000本以上の密植度の畑を特定しようと Google Map で散々探しましたが、ここかな?・・と思える部分はあったにせよ・・特定には至りませんでした。
まぁ・・サントーバン1級クロ・デュ・メやクロ・ド・ラ・シャトニエールのように銘板がクロに貼ってあればすぐにでも判るんですが、シャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメのように密植度は高くても、他の所有者さんも多くいらっしゃいますから、間違ってしまって・・
「ここです!」
なんてやってしまうのを避けるために公表はしません。
オリヴィエ・ラミーはメオ=カミュゼで働いていた時に、アンリ・ジャイエ直々に教えを乞うています。ジャイエと言えば、
「葡萄のミルランダージュ化」
「完全除梗(基本的に)」「発酵前の低温浸漬」
「低温発酵」
「高い新樽率」
から、飲む者全てを・・
「パーフェクトだ!」
と感じさせる凄まじく旨いピノ・ノワールを造り出していました。
ジャイエの弟子と言われる方は多くいらっしゃいますが、オリヴィエ・ラミーも・・どこまで?・・と言う疑問は有りますが、
「ラミーのピノを飲めば、その手本はジャイエ、カミュゼに有る・・と判る」
と思うんですね。
特に2022年のこのクロ・デ・ゾートは、ジャイエの味筋を再現したかのようなバランスになっています。少し若いですけどね・・これについては後述します。
前述のジャイエの手法の中には、オリヴィエが絶対にやっていない方法が混じっています。それは・・
「高い新樽率」
です。エマニュエル・ルジェは「新樽の魔術師」のようなイメージさえ有りますが、オリヴィエ・ラミーは当初は新樽もそれなりに使用していたと思い出しますが、現在では・・
「98%は新樽では無い」
です。古樽の更新程度の新樽率、そして砂岩のアンフォラとか・・を使用していますので、
「思いっきり自然派」
です。飲めばもう・・そのナチュール感は年々増大していますし、So2の使用量はとんでもなく低いと感じます。
葡萄のミルランダージュ化も、そのものはやっていませんが、
「結果として皮の厚い小さな実を得る」
と言う意味で、密植化を進めることが当たるかもしれません。
美しく濃い目の色彩が出る発酵前の低温浸漬はしっかりやっていると感じますし、D.R.C.やミュヌレ=ジブールのような高温発酵系でないことは飲めばだれでも感じると思います・・果実味重視な味わいです。
以上を考慮しますと、オリヴィエ・ラミーは・・・
「アンリ・ジャイエのピノ・ノワールの味わいを理想としつつ、葡萄由来のものに限定したピュアさを求めている!」
と感じます。
その意味で、このクロ・デ・ゾートは非常にアンリ・ジャイエ的です。言うなれば、
「樽による化粧と緩やかな酸化を加えない、コート=ドール南のどんけつのジャイエ系のピノ・ノワール!」
だと言えるでしょう。
まぁ・・新樽を用いないですからその分、緩やかな酸化を得辛く、エルヴァージュに時間が掛かるので、18~20カ月と言うような通常の50%増しの熟成期間をとっていると思われますし、それでもまだ若干短めで仕上がり切ってはいません。
しかし、その仕上がり切っていない現在の味わいでも、普通に美味しく飲めてしまうバランスでは有りますし、この2022年クロ・デ・ゾートを3年寝かせたとしたら・・
「オールド・ピノ・ノワール・ファンが泣いて喜ぶ味わい!」
になっていることでしょう。ぜひ飲んでみてください。いにしえの神様に出会えるかもしれません。
以下は以前のレヴューです。
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【すぐ飲んで美味しかった2020年ものとは異なり少し時間の必要な2021年ですが、サントネイ赤の村名とは思えないミネラリティと酸構成にビックリされると思います!】 巨大な構造を持ったサントネイ村名の赤です。2020年もののマンモスな果実と、支えに回った膨大なミネラリティが大きな構造を埋め尽くし、
「とてもサントネイ村名とは思えない!」
と感じさせてくれました。すぐ飲んでも美味しかったですし、10年置いても大きく揺らぐことはまずあり得ない仕上がりだったと思います。
2021年ものは、そのマンモスな果実がだいぶ無く、アルコール分がより低く出たスタイルで、膨大なミネラリティはそのままです。酸の総量は2020年ものを凌駕し、現在は・・
「酸バランスを整えている段階」
かと感じられます。ちなみにアルコール分は13度で、
「エレガント系の・・まさにちょうど良い度数」
です。
ですので、縦に流れるド太い涙が見えると思いますが、今はまだ、
「成長中」
なんですね。
デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュがようやっとバランス取れて来たところでして、あと1~2カ月ほど・・暖かくなりだしてくる頃から、ゆっくり味わっていただければと思っています。
アドヴォケイトは
「89+ ポイント 飲み頃 2026~2035」
としていまして、評価点はともかく、飲み始めの時期は少し遅すぎかな・・と思います。ですが遅くても問題は無いので・・そうしているのでしょう。
アドヴォケイトは2018年もので最大92ポイントまで付けていますが、2021年ものはテイスティング時に・・
「よほど飲みにくかった?」
と思わせるような評価に見えます。なので「 89+ 」で止まっちゃったのかな・・と思いますし、飲み出しを2026年からにしたようです・・あくまで推測です。
サントネイ村名らしい、軽やかでフレッシュ、フラワリーなアロマがたなびく・・ワインではありません。どちらかと言いますとシャンボール系の味筋で、チェリーを美しく感じさせてくれるワインに育って行きます。
飲み出しはこの2024年の春以降、この先15~20年近く良い状態を保つと思います。素晴らしい出来です!・・が少し早いと思ってください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【「サントネ・・じゃぁ・・ねぇ・・」なんて言ってたら美味しいものには当たらない・・なんて言ってたら、こんなにエレガントなのにもの凄いサントネになっちゃいました!】 理想のピノ・ノワールワインって・・どんなでしょう?
まぁまさに人により違う・・のは間違い無いにせよ、意外や意外・・結構みな近いんじゃないかな?・・・なんて思っている訳です。
noisy もワインのセレクトショップを始めてもう四半世紀です。そんなに長いことやってたかな・・などとも思ってしまいますが、本当にやっていたんですね・・。最初は手探り状態で、入手できる好きなワインをちまちまと仕入れて飲んで・・いつの間にか少しずつ買っていただけるようになりました。勿論、ネットのセレクトショップ開店前からやってますから、とんでも無く長い時間です。
で、noisy も最初は、例えばPKさんが美味しいと言えば飲んでみる、タンザーさんが将来性が有る・・なんて言ってたら仕入れてみる、フランスワインが高くなったと思えばイタリアワインに手を出してみる・・なんて繰り返していた訳ですが、結局のところ、
「ブルゴーニュワインを日本人は大好き」
で、
「その好きな姿、味わいはほぼ皆一緒」
だと気付いたんですね。・・まぁ、一部の方はうまく合わないとは思いますが・・。
ラミーも当初は樽っぽいし硬いし・・なんて思っていましたし、赤ワインはサントネやシャサーニュですから、思い切り「脇道」じゃないですか。でも、やはり「見るべき力」が有ったんだと思う訳です。じゃなきゃ・・扱って無い・・(^^;;
この数年はこのクロ・デ・ゾートの美味しさが半端無くなって来まして、
「これ・・5千円なんて価格のワインじゃ・・ないよね・・」
と感じていました。
10年前には無かった質感、エレガンスが見事に乗り、今では凝縮感にさえ質感を感じるほどです。
この2020年もののクロ・デ・ゾートは、
「グラスの写真だけで大丈夫!判ってもらえる!」
と思えるほどに素晴らしいです。
色はしっかりしていますが・・
「・・でも濃く無いでしょう?」
美しい赤を基調に、積み上げ積層した感じの、余り黒く無い紫です。なんと、雨が降らなくて困った2020年ものなんですが、軒並み高いアルコール度をみせるブルゴーニュワインが多いところ、13度と言うベストなアルコール度なんですよ。エレガンスもありつつしっかりした味わいが感じられる度数です。
そしてミネラリティが見える!・・と思えるくらいに美しく、照りの有る色彩です。
2020年ものは少し自然派に寄って来た感じがしますが、「気のせいだ」と言われれば・・「そうだね」と言ってしまいそうなほどです。
方向は「ミネラリティが半端無いルロワ系」みたいな方に向いてきていまして、それでも、ルロワのネゴスのA.C.ブル・・数万円しますが、そんなのは全く目じゃない・・数倍旨い・・と断言できるほどの充実した味わいです。
ん~・。・・これこそラベルを見せずにワイン会に出して欲しい!・・
「あの人をぎゃふんと言わせたい!」
と思われていらっしゃるのなら、これしかないんじゃないかとさえ思います。もちろん、あの人が noisy で無いことを祈ります。半端無いサントネ村名です。サントネの土壌でラミー風の頑張りをすると、とんでも無い質のワインができるとお判りいただけます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【「サントネのピノ・ノワールは、こう造れば最高!」と言うべき凄い見本です!・・果たしてコート=ドールのピノ・ノワールでこのワインを上回るポテンシャルを持つワインはどれほど有るのでしょう?・・と思えるほどに素晴らしいです!】 素晴らしいピノ・ノワールです。ある意味、サントネらしくない・・と言ってしまえばそれっきりでは有りますが、おそらくこの味わい・香りこそがサントネの(クロ・デ・ゾートの)本領なのでしょう。ユベール・ラミーはその指針を示したに過ぎないのかもしれません。
色合いはしっかり。ルxxエさんのシャンボールを引き合いに出した2018年ものよりも確実に濃い目です。しかしながらテクスチュアがま~・・素晴らしい。まるでゴアテックスの生地の上を滑り落ちる水滴のように「すっ」と流れて行きます。
あっと言うまに流れて行くのに・・味蕾に、ノーズに、喉に・・繊細にして大きな響きを残しつつ、そのストンと胃に落ちて行った液体からもまた香水のようなニュアンスが戻って来るかのようです。
R> 赤を幾重にも積層させたその幾つかの層にはやや黒みを多く持った赤を配置、それらには石灰やクリスタルなミネラリティが非常に多く含まれています。 低温でサーヴされても、その見事な酸の組成は温度により多彩且つ丸いパレットを描き、そのパレットからアロマがノーズに抜けて行く様が、実に心地良い・・素晴らしいワインの典型とも言えると思います。 そこそこに濃いんですが、全く暑苦しく無く、甘く無く、しかし甘露で多弁、しかし煩わしく無いと言う・・ある意味、完璧さを感じてしまいました。もうこれはブルゴーニュワインファンなら、何とかして飲んでみるべき「ブルゴーニュワイン」です。 そして、物凄く素晴らしかった2018年ものを、軽く超えて来た素晴らしい存在です。 海外メディアの評価を探してみましたが、ジャスパー・モリス氏のものだけしか見当たりませんでした。因みにその評価は87~89 ポイントと言うものですが・・どうもジャスパーさんはアペラシオンに対する評点の上限が決まっているのか、もしくはアペラシオンを評価しているのか、やる気になった時はちゃんと本気で向き合うが、そうでない時は・・と言ったような傾向が有るように思います。 少なくとも90点以下のピノ・ノワールでは無いし、そこからどこまで積み上げるか・・そんな観点を持つような評価が必要なワインです。皆さんも飲んだらきっと・・ビックリするに違いないです。 ラミーの2019年の白も凄いですが、赤はどれを飲んでも・・「ぎゃふん」と言わされてしまうはずです。 圧巻な2019年のラミーのピノ・ノワールです。ですが・・とんでも無く数が無いですので、何とか入手して、 「この凄いピノ・ノワールを一度でも味わってみるべき」 だと思います。ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 -----【あのルxxエさんのシャンボールを思い浮かべてしまいました~・・化け物サントネイです!】 アドヴォケイト92点のサントネイです。・・有り得ませんよね~・・でもここは、 「騙されたとしても良い!」 と思ってトライすべきです。 もっとも、2017年ものでも同様に「素晴らしいシャンボールと同様」と書いていましたから、2017年ものをお飲みになられた方は、その真贋はすでにご存じのはずなんですね。 で、さらに追い打ちをかけてしまいますが・・すみません・・2017年ものを軽く凌駕してしまったのが2018年ものです。もう・・半端無いです。まぁ、価格は少しと言えども上がっているようでは有りますが・・。 この季節、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合もセラーから出して自宅に持ち帰ると・・真夜中の12時を過ぎていますので、相当に冷える訳です。品温は10度位でしょうか。 そんな状態でも、物凄いパフォーマンスを見せてくれちゃいますよ。ドライなのに濃密で、しかしサラリとした余韻が長く続きます。ミネラリティはもう・・ラミーですから、もうマンモス級以外の何物でも有りません。 このサントネ・クロ・デ・ゾートと言うアペラシオンは、かなりシャンボールに似たテロワールで有ると言うことが判って来ました・・と言うか、教えられました。ここまでの密植度にして初めて、このクロ・デ・ゾートの個性がハッキリしてくる訳ですね。しかも相当に素晴らしいシャンボールと同様・・です。 アドヴォケイトは92ポイント・・です。ルxxエさんの2018年シャンボールの評価の、最高値はティム・アトキン氏の92ポイントでした・・ 「・・あれ?・・」 飲んでみて下さい。ビックリしますよ~・・noisy だって腰抜かしそうになったくらいですから・・。アロマのスピード、ピュア感、ボディの張り出し、立ち姿・・どれも素晴らしくて・・いや、兎に角飲まなければ判りません。 そしてきっと・・感じていただけるでしょう。「これからはラミーか、ラミーで無いか・・それが問題だ」と。ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 -----【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、 「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」 と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、 「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」 んですよ。 コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、 「崩壊のスピード」 じゃないか・・と思っているんですね。 例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。 しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。 2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。 なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。 (ここまで2017年のピノは同じ文章です。) 2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。 全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。 もう、 「サントネ村名だから・・」 などとは思わないでください。それは不要です。 「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」 と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 ━━━━━【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】 このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。 これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。 2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、 「ん?・・これってサントネなん?!」 と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。 コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、 「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」 と言うことが、 「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」 と言うことと同時に感じられます。 だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、 「・・なんだこの化け物は!」 と思うに違いない・・訳です。 で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・ 「・・前言撤回・・上には上が有った・・」 と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。 超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、 「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」 と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。 良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 ━━━━━【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。 ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。 2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。 いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。 この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、 「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」 が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。 むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。 また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、 「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」 と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。 素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ! 以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。 ━━━━━【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・ 「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」 と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。 それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。 色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね? それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ! そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、 「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」 と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、 「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」 ものですから、 「今までの印象とかなり違うぞ!」 と思われるはずなんですね。 2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。 やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。 そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、 「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」 でした。 中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、 「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」 を持った(ような雰囲気の)ワインですから、 「・・ポテンシャル高いね!」 と言っていただけるでしょう。 今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。 D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください! 以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。 ━━━━━【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです! まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。 まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、 「ミネラル・・きついな~!」 ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。 圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。 色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。 今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。 ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、 「ん・・・開けて・・色を見たい!」 と言う誘惑にさらされています。 おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。 少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ! ●赤ワインの醸造 収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。 白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2022 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【揺るぎないモンラッシェの風格、徐々に出て来る細やかな表情に惚れ惚れします!・・レ・トランブロの現在の鉄仮面振りほどでは無いので・・飲んでいる内に解れて来ます!素晴らしいです!】
まぁ・・言ってしまえば硬めでは有るんですが、ほぼ・・
「沈黙状態のレ・トランブロ」
に比較すれば、とてもそこまでは行かないレベルでの硬さです。
まぁ・・レ・トランブロは完全黙秘に近く、コンシ・デュ・シャンは最初から少しずつ表情を出してくれ、またそれを徐々に拡げてくれる・・包容力が有ります。
開いてくると、まさにシャサーニュ系の味わいそのもので、白っぽい非常に細やかな石灰系のミネラリティに、黄色がさほどは強く無いものの、白さを強く感じる果実が徐々に黄色味を増してくる感覚です。
そもそも・・これほどまでにミネラリティがギッシリ詰まっているシャルドネは、まぁ・・ラミー以外には余り存在しませんから、多くのそこまでミネラリティを持たないシャサーニュ系のワインの成長を考えますと、
「先行きが凄いことになるのは想像できる」
と思うんですね。
ですので、ロベンバーグの95~96ポイントと言うのは非常に理解出来、アドヴォケイトの91ポイントは余り理解出来ないのが noisy 的な感覚です。
まぁ・・実際に飲むのとテイスティングは別の話しですから、noisy もちらっと口内に入れてスピットするだけなら、91~92ポイントで止まってもおかしくはありませんが、ある程度の時間を掛けて、その変化具合を見ていますから、
「ロベンバーグは良く見ている」
と思いました。
軽快さも在り、ピュアで・・フレッシュさの中に熟れた部分も若干持っています。モンラッシェのモンラッシェたる硬質な鉱物のニュアンスが有り、トランブロの黄色+銀ギラ銀な鉱物のニュアンスと対照的に、白っぽく、非常に細やかに崩れ果て酸化した金属・鉱物のニュアンスを嗅ぎ取ります。
これも凄いワインだと思います。今飲むなら時間を掛けてゆっくり、もしくは数日掛けて飲んでみてください。トランブロはその位の期間じゃ・・例え出ては来ても少しだけでしょうが、こちらはかなり素晴らしい表情を見せてくれると思います。超お薦めです!ぜひご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【開けたてもエレガントで滅茶美味しい!・・が、それは真の姿を隠すカリソメの姿!・・アドヴォケイトの89ポイントは開けたて限定の評価でしょう!】 2021年の・・まぁ、あくまで noisy がテイスティング出来たキュヴェの中での話しでは有りますが、
「最も騙されやすいのはこのル・コンシ・デュ・シャン!」
です。
まぁ・・狸が狐かと思ってしまいますが、余りにも美しい開けたての姿、エレガントで黄色いフルーツを振りまく優しさを見てしまえば・・騙されもするでしょう。
でも・・noisy は騙されません・・(^^;; そんな時は根気よく、待つ訳です・・私・・待つわ・・いつまでも・・と歌っていると、ようやくその本性を・・少しだけ見せてくれます。なので、
「このキュヴェは noisy もまだテイスティング中」
です。
ですが、そのエレガントな果実味に騙されたら・・間違ってしまう訳ですね。その内側には、まだまだ細く圧縮されたミネラリティが・・あり、30分以上掛かったでしょうか・・ようやっとそれが見え始めます。
そしてさらに30分ほどしますと・・そのミネラリティは太さを見せ始め、膨らみ始め、さらにはその内側にある様々な表情を、おそらく・・ほんのちょっとだけ・・零してくれる・・そんな状況です。
ですから、このコンシ・デュ・シャン2021年、まだどこまで行けるのかはnoisy も決定できていませんが、少なくとも・・
「アドヴォケイトの評価は上っ面だけ・・」
です。
その昔、86年のパヴィヨン・ブランをPKさんが酷評していまして・・
「・・んな訳・・無いだろう・・」
とばかりに仕入れて、その頃お付き合いしていた飲食店さんに持ち込んで飲んでみました。
たしかに開けたては・・うんともすんとも言わず、
「・・ん・・ダメかぁ?・・」
と思っていたところ・・出ましたよ・・30分ほどしたら、ま~・・物凄い香りです。半分にカットした柑橘果実のバスケットをすぐ近くに置いているかのような・・味わいも抑揚に富んで、余韻も滅茶長かったし、何より美しかったです。
このコンシ・デュ・シャンも同様な感じをヒシヒシと感じます。何しろ・・
「ラミーはこのコンシ・デュ・シャンをアン・ルミイィ、ラ・シャトニエール、レ・トランブロと同価格に設定している」
んですから、これが・・
「89点の訳が無い・・」
と感じます。そもそも現状の抜栓直後の姿だけでも90点オーバーの評価ですから・・はい。
まぁ・・これだけ高価なシャルドネですから、一口啜って89点って・・どうなの?と思いますが、ぜひその辺りも含め確認してみてください。お勧めします・・最初にニュアンスだけでも確実に90点オーバーです!
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに美味しいです!・・過去一、間違い無し!・・2019年と同様に91ポイント?・・有り得ません。】 旨いです~~・・。こんなに美味しいワインばかりだったら、何も悩まずにご紹介できるのに・・さらには18アイテムも有って、どこまで飲めばすべてが掴めるのか・・とか、この、
「自然派を前にしている感じ」
の大元はどこに有るんだとか、誰かそんな感覚を書いているレヴュワーは他にいないのか・・とかで、この1カ月、散々苦労した noisy でした。
ですがこのコンシ・デュ・シャン、クロ・デュ・メ、アン・ルミイィの、とんでもない美味しさに触れてしまうと・・ただただ・・
「旨いな~~・・」
とルンルン気分になっていながら、この時折感じるナチュール感の出どころ、原因、造り手が何を考えているか・・とか、残留So2濃度は2019年と2020年とではどう違うのか違わないのか・・考えることが多くてどうにもパンクしそうだった訳ですね。
まぁ、アドヴォケイトの評点はイマイチだと・・ちょっと違和感は持っているとは言え、
「アドヴォケイトの評価がアップされたことで救われた部分も有る」
のは事実でして、それを認めない訳には行きません。
実を言いますと、
「多くの海外メディアは2020年もののユベール・ラミーのワインには、2019年ものの評点から1ポイント程度下げる可能性が有る」
と思っていた訳です。その理由は、そこはかとなく漂う自然派的なニュアンスです。そもそも・・ブルゴーニュ担当さんたちで、自然派が好きな方は多く無いんじゃないかと思っています。なので、
「ちょっとアテが外れたので少しだけ嬉しかった」
んですね。
非常に濃密です。ですが口入れ直後から、以前のようなマンモス的なミネラリティを感じるよりも、ふんわりとした柔らかさを感じさせてくれます。豊満な果実には美しい酸が有り、甘く無い・・見事にドライなのに甘美です。中盤からボディは徐々に巨大化し、美しいノーズを戻しながら長い余韻を感じさせてくれますが、むしろその後半に美しい果実をまとったミネラリティをたっぷり感じさせてくれるように思います。
いや・・シャルドネって本当に美味しいですね。超お勧めします!是非とも飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年もの同様に旨いです!・・しかも2019年の素晴らしさがくっきり!ドライで集中していてミネラリティたっぷり!】 美味しいですね~・・2018年もそうでしたが、2019年はほぼ同様に・・と言うか、僅かに上回ったかのような感覚で・・
「滅茶苦茶美味しい!」
です。アン・ルミイィが完全にはまだ落ち着いていないのもあって、現状だけ見てしまいますとこちらの方が美味しい・・(^^・・と判断する方もそれなりにいらっしゃるんじゃないかと思います。
コンシ・デュ・シャン2019に関しましては、2018年と大きな差は無いと感じます。ただし上記のように、
「2019年と言うヴィンテージ」
を判りやすく解説してくれる・・と言うか、ラミーの他のキュヴェの伸び率が凄過ぎてしまって・・
「ヴィンテージの良さなのか、ラミーの変革の結果なのか・・良く判らない・・」
と言う状況なんですね。
なので、このコンシ・デュ・シャンの「緻密な!」美味しさに触れると、凄く安心感が有ります。
「・・ん!・・大きくは変わって無いね・・でもやっぱり2019年は凄いよね!」
と、非常に判りやすく理解できるから・・なんですね。飲めばきっと判りますよ。
ですので、むしろポテンシャルと取ろうとか、変化を感じよう・・とか、額に十字を寄せなくても良い・・そんな感覚で滅茶美味しく飲めます。
勿論ですが、普通の「シャサーニュ村名」と比べてはいけませんよ。もしそうしてしまうと・・比較対象が「緩い」と言うことを気付かされてしまいます。ラミーばかりを飲んでいるならそれは「普通」の出来事ですが、他と比較してしまうと不幸なことになってしまうかもしれません。
ゆっくり、のんびりと・・この実は凄いポテンシャルの液体を、口内で少しずつすり潰しながらお楽しみください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【並みのシャサーニュでは有りません。幾分感じていた「緩さ」は皆無!緊張感を身に着けたコンシ・デュ・シャンはカテゴリーキラーです!】 ワインとは中々に難しいものでして、
「ん?・・そうだなぁ・・今はそれを飲む気分じゃないんだよなぁ・・」
ってシュチュエーション、有りませんか?・・まぁ、noisy の場合はそんなことを言ってられる商売じゃないんですけどね。
でも、如何にシャルドネ大好き、白ワイン万歳!・・な人間でも、
「ん~・・今は硬いムルソーは飲みたくないんだよなぁ・・まぁ熟して滑らかなら良いけど・・」
と、程好い熟を迎えているに違い無い・・と思って開けたムルソーが・・残念ながら「音沙汰無し」の「狸寝入り」状態・・なんてね。
だからそこは半端な熟のムルソーの選択自体が間違っていると気付くべきで、ピュリニーかシャサーニュの村名に行ってれば良かった・・と後悔する羽目になる訳です。
黄色い柑橘と白い果実、フラワリーなアロマがノーズに飛び込み、ピュアさ満開で迎えてくれる素晴らしいシャサーニュです。畑はシャサーニュの村中央下部に有り、密植度も1万4千本以上だそうで・・確実に2017年の出来を上回っています。
このコンシ・デュ・シャンとピュリニーのトランブロ、そしてサン=トーバンのトップ・キュヴェが同価格ですから、選択肢が多く悩み深いですよね。ワインファンとしましてはどうしても、
「ポテンシャル重視!」
の選択をしがちです・・そりゃぁそうです・・感動したいですから・・。
でも、やはりシャサーニュ的な・・ピュリニー的な部分をしっかり感じさせてくれる・・そしてその特徴をそのままに表現してくれるテロワールを、ある程度「バラかして」仕入れておくのも重要でしょう。
このコンシ・デュ・シャンは、2017年までの「ある種の緩さ」は無いです。しかし、シャサーニュ的な「寛大さ」「包容力」はしっかり感じます。ピュリニーより、より白さの際立つ感じだと思ってください。お勧めします!飲んでみて下さい。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】 アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
● 2022 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【激エレガント系のサントーバン1級!・・ですが2022年はこれがめっちゃ美味しい!・・って、多くのメディアはやはりかなりの近視眼?・・価格は値上がりしましたが、noisyは値下げしました!!】
「天女の羽衣」と称させていただいた「フリオンヌ」です。オリヴィエのセラー、自宅にほど近い・・おそらく歩いて何分もかからないところに有りますから、
「樹齢も上がって来たし、密植度も上がった?」
ことが伺える・・
「2022年もののフリオンヌは黄色が濃い!」
んですね・・。
ですから、激エレガントでふわふわと天まで昇って行きそうなアロマなんですが、口に含むと・・
「黄色い果実、柑橘がたっぷり!」
備わっていて、いつも以上に・・単純にも・・ポテンシャルを取りに行かなくても美味しいんです。
まぁ・・資料を見ますと11000~14000本と言う植密度で、14000本がひとつの区切りらしく、ここに到達するとワインがガラリと変わるらしいんですね・・あ、どこで知ったかは、余りに色々なサイトを見過ぎて判らなくなりましたが、そんなようなことを誰かが言ってました・・ホントかどうかは判りませんが。
しかしながら2022年ものは、この強みを持った黄色がしっかり入っていて、一見すると、
「ん?・・クロ・デュ・メ?」
と勘違いしそうになります。
因みにラミーのドメーヌとしての新樽率は2%と言うことで、これだとまず・・
「新樽はほとんど使用していない」
ことになります。以前のようにシャタイネールに樽のアロマが有ることも有ったと思いますが、新樽卸しで使用していたのでしょう。今は砂岩のアンフォラがガラスのアンプルなども使用しているそうで、
「ビオ系生産者のアプローチに似たことをやっている」
のが判ります。
その上で、そもそも瓶詰め時にSo2を入れたくない人ですからSo2も余り使わないので心地良い飲み口が生まれ、酔い覚めも早いし軽いです。ラミーの2022年ものは基本的に、
「ピュアで強くは無いがナチュール感が漂い、繊細で明るく、全体のバランスが良い」
です。
そして上級キュヴェに行けば行くほど、
「若干寝かすべき」
になって行きますから、比較的早めに飲まれるのでしたら、サントーバンの下のクラスの1級格までにされると良いと思います。シャサーニュの1級マシュレルになりますと・・
「カチンコチン・・まるでリリース直後のモンラッシェ」
のようなバッキバキで鉱物系のニュアンスが物凄いが味がしない・・もしくは酸っぱめ・・な感じですからご注意ください。もっともそれらが10年もしますと、とんでもないほどの味わいに変化するのをたしかめられるでしょう。
メディアは93ポイントと、ようやっと昔のフリオンヌの評価に戻った感じの評点ですが、
「濃密さが感じられたから評点を戻したの?」
と言う疑いが、noisy には有ります。いかに近視眼的にワインを見ているか・・そう思ってしまうんですね。
ラミーのように新樽もほぼ使用せず、通常よりも長い熟成期間(通常は10~12カ月、ラミーは20カ月ほど)を取ることで、樽の要素をワインに付けずに緩やかな酸化熟成を行っている訳ですから、
「舐めるようにちらっとテイスティングしただけでは、なかなか真理にたどり着けない」
と思います。
素晴らしい出来になった2022年のフリオンヌです。価格も去年の2021年ものの17490円から値下げしました。仕入は5%は上がっていますので、厳しいっちゃぁ・・厳しいんですが、やはり飲んでいただかないと!どうぞよろしくお願いします。超お薦めです!
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【天まで橋を架けるに違い無い・・と思えるほどに、薄く透明なドレスをひらひらさせながらどこまでも高く伸びて行く、それが縦延び系サン=トーバン1級レ・フリオンヌです。】 レ・フリオンヌの2021年です。余り出回らないキュヴェです。
2021年ものはアドヴォケイトも前年の2020年もの、一昨年の2019年ものに比較して「下げ」に転じています。
ですが・・片手間・・と言っては言い過ぎかもしれませんが、一度に多くのバレルテイスティング(製品の場合も有りますが)を短い時間で行っているのが災いします。
ラミーのワインのような信じられないような「超密植」は、いまだに他には誰もやっていないんですね。
noisy は彼の超密植のワインが・・
「いきなり大変身する」
を目の当たりにしています。
2010年頃から正式に扱わせていただいていますが、それ以前にも飲んでいました。
「・・密植かぁ・・大変な作業だなぁ・・でも、それってどこまで味わいに影響するのかな・・」
と思っていた訳ですよ。
それが・・です・・
「・・えっ?・・それ、マジ?」
と思えたことがキッカケになり、正式に扱わせていただくようになったんですね。
そう・・植密度を上げていっても、
「すぐにはワインへの影響は見えにくい」
んです。
ところが数年経過しますと・・明らかに以前とは異なる表情になる訳です。それを意識し始めたのは2013年ものの頃で、2014年ものの頃には、それは確信に変わりました。
「超密植は、始めた当初は余り影響は見られないが、ヴィンテージの切り替えの時、突然その姿を大きく変える!」
と言うことなんですね。
ラミーの2021年ものは、大きく2つのタイプに分別されますが、その基本は全く同じです。
「果実の風味が出やすい土壌から生まれた葡萄が多く入ったワインは、今から飲んでも滅茶美味しい。」
「しかし、膨大で密度の高いミネラリティに抑え気味になりやすいので、現状は二段ロケット的に時間差で大きく変化するキュヴェが有る」
この2つです。ただし、前者も後者も結局は同じで、二段、もしくは三段ロケットな訳です。
このレ・フリオンヌは縦延び系です。横には中々拡がって行かない・・以前の1級クロ・デュ・メは果実が多く、当初から横へと膨張を見せていました。それでも二段式のロケットでして、さらなる伸び、膨らみが後々生まれた訳です。安くてとても美味しかったです。ですが2021年ものは、圧巻な美味しさを見せる・・凄いワインに大変化、そしてそれは三段式のロケットと想像されますが、現段階で一段目の切り離し前だとしても、すこぶる旨い・・以前の姿とは全く異なります。
このレ・フリオンヌは二段式と想像されます。そして現段階でも美味しいんですが、横へのふくらみは少なく、若いコルトン=シャルルマーニュが見せるようなやや縦系の姿をしています。
とてもつやつやしていて、伸びが良く・・その少し白っぽいミネラリティからふわふわ、ひらひらと細やかな表情を持ったミネラリティが口内に落ちて来ます。果実表現も繊細で、激エレガントです。
ですので、エレガント系のシャルドネがお好きな方には、物凄くハマる味わいだと思います。
ですが・・これも二段式ロケットですから、一段目が切り離されますと・・凄いですよ・・その姿を見るまで待つか、のんびりとこのエレガンスを楽しまれるかは・・お客様次第です。ぜひご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【もし、ラミーのシャルドネが重い・・と感じられていらっしゃるのでしたら、このレ・フリオンヌをお勧めします!サン=トーバン1級でもっともエレガンスを助長している・・フリフリなドレスのフリオンヌです!】 ラミーの地盤のサン=トーバン1級に有って、そのサン=トーバンならでは・・もしくはピュリニーっぽいエレガントな部分、例えば高く伸びて行く高周波的な細やかなアロマとか、ピュリニー1級が持つ果実表現から重みの部分・・より低周波を除いた上の部分などを細やかに感じさせてくれるのがこのレ・フリオンヌなんですね。
まぁ、ちょっとふざけて・・
「フリフリなドレス」
なんて書いてしまってますが、実は結構に本気だったりして・・。もしこのレ・フリオンヌが完熟しますと、現在は見えていないそのドレスの下の方・・ちょっと重みを感じる部分・・床にそのドレスの裾が当たるような部分まで、美しく表現されるようになってくるはずですから、ある意味、
「今のこの、フリフリな部分が余りなく、ショートなドレスの華やかなアロマ、味わいを楽しむのもオツ!」
じゃないかと・・思っています。まぁ・・アドヴォケイトは2027年からと書いてますが・・。noisy はやや早いにせよ、今飲んでも充分な美味しさが有ると感じています。
レ・フリオンヌは、アン・ルミイィやダン・デ・シアンなどの1級畑があるモンラッシェの丘の西側斜面に有るのではなく、モンラッシェの西側の別の丘の南東向きの斜面に有ります。
ダン・デ・シアン(ラミーも造っていますがオルヴォーさんの輸入リストにはありません)もミネラリティが強く、どこか「氷柱」を思わせるようなシャリシャリっとした感じが魅力の1級ですが、レ・フリオンヌの方はもう少し白く滅茶細やかなミネラリティがふんだんに存在する感じなんですね。石灰岩が粉々に分解され、その成分が畑の表土の大半を占めている感じじゃないかと思います。
因みにここは、いや、あの伝説のブローカー、クルティエで2021年に亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのサイトを拝見すると、「 Planted in 1935. 1960. 1985 」と書かれていますので、とんでもないレベルのヴィエイユ・ヴィーニュの畑であることが判りますが、
「おそらくラミーはこのレ・フリオンヌでも超密植化に取り組み始めたはず・・」
だと感じます。
年を追うごとに驚かされる・・少しの安心もさせてくれない・・(^^;; だから毎年、
「今度はどんなビックリ箱に出会えるんだろう!」
と、noisy の正月の定例行事になっているラミーのテイスティングですが、
「2020年もののユベール・ラミーは、史上初のクリオ=バタール=モンラッシェの連続100点よりもお伝えしなくてはならなかったことが有る!」
「オリヴィエ・ラミーは誰をしても止められない!」
と申し上げておきたいと思います。ピュアでナチュラル、超エレガントな高く伸びて行く高周波...そしてスリリングなオリヴィエ・ラミーの進化がここにあります。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!・・これは必飲??・・ラミーとしたらエレガント系のサン=トーバン1級ラ・フリオンヌは、美しさを軽やかに表現してくれる逸品です!】 きゃ~!・・滅茶美味しいです~~・・。密度の高いラミーの味わいはそのまましっかり・・なんですが、表現が実にエレガント!・・言ってしまえば・・
「ふんわり優しい伸びやかなサン=トーバン1級!」
でしょう!・・こんなサン=トーバン、飲んだことない・・と是非とも言わせてみたいなぁ・・
こんなに美味しいとついつい一句・・出て来てしまいます。
「フリオンヌ・・・あぁフリオンヌ・・フリオンヌ」
(・・駄作)
え~・・それでも2017年までは、単に「ちょっと軽い」と言ってたかもしれないんですね。なので、ただ軽い味わいじゃ無いんですね。サン=トーバンの1級らしさと、その東に位置するピュリニーの名畑のニュアンスと、その南東に拡がるシャサーニュの近寄りやすさのニュアンスが交じり合っているようにも思いますし、
「それがフリオンヌのテロワール!」
とも感じるんですね。
なので、決して軽い訳じゃ無い・・エレガンスの表現なんだと思います。色合いも・・いつもの年よりもやや黄色が強いでしょうかね。
アロマの上りも、この滅茶寒い2022年の冬の空気に冷やされ、より抑圧されるかと思いきや、全くそんな素振りを見せません。そして、冷旨系の酸もしっかり含んだ見事な酸のパレットから、エグく無い表現で、見事な果実を堪能させてくれます。クロ・デュ・メ辺りの中低域のふくよかさは無いんですが、その上が美しいボディラインを描いて感じられます。
グラスのフチを伝う「涙」の太さ、ゆったりさを是非見てください。これでいて「エレガント系」と言って良い感じなんですから・・
また、海外メディアも2018年までは93点止まりだったところを、94ポイントまで伸ばして来ました。この辺はちゃんとそれなりには評価しているように思います。noisy 的にはあと1点、加点する可能性は有ります(ただし、点を付けようとしてテイスティングしている訳では無いので・・もしそうするのであれば、もっとちゃんとそれ用にテイスティングします。)。
それでも、サン=トーバンの有名ではない畑のワインに、何とか94点まで付けられる自由な世の中になって来たんだと思うと隔世の感が有ります。もはや安くは無い価格では有りますが、サラリーの上がらない時間の止まった日本と、ちゃんと動かして来た世界の国々との差だと思えば仕方が無いのかもしれません。
このフリオンヌ、超お勧めしたいと思います。元々数の無いワインです。余り出回らないと思いますよ。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【繊細な表現が堪らない!・・しかし、2017年までのフリオンヌとは劇的に大きさが違います!素晴らしいです!】 いや~・・お判りになるでしょうか・・。お正月を迎えるもので、自宅のテーブルの上の白い敷物を、いつの間にか「取っ払われて」いまして・・写真の比較としますと・・また色合いを見る意味でも、「白いもののバック」が無いのが申し訳ないです。
しかしながらヨクヨク写真を見てみますと、noisy が意図していなかったにせよ、
「何となく白っぽさの見える液体」
に映って見えないでしょうか?
そうなんですね・・ちょっとピュリニーにコルシャルが混じったようなニュアンスが元々から感じられるのがこの「レ・フリオンヌ」でして・・なので若いうちにはかなり、
「エレガント系」
なんですよ。むしろ、ラミーのサン=トーバンの中では最も軽量級に・・軽やかに感じられる訳です。
しかしながら構成自体は相当に大きいです。深い・・と言って良いかもしれませんし、短い周波数を持つ細やかなアロマが味わいから漂ってくるんですね。繊細だと言って良いかもしれません。
そして熟により徐々にその繊細さは極められ、縦伸び系の味わいが完成されると思います。
因みにこのレ・フリオンヌ2018年は、多くのメディアが上値93ポイントでほぼ一致しています。noisy的にも同意見ですが、プラス0.5~1ポイントと評価すると思います。なので、このワインに関しての海外メディアの評価はほぼ妥当なものだと言えるでしょう。さらに因むと、2017年ものレ・フリオンヌの最高評価は92ポイントだったようですので、多くのメディア評価は2018年ものがさらにポテンシャルを高めたと、認めているものなのでしょう。
また、この「レ・フリオンヌ」は生産量が少なく見つけることは結構困難なキュヴェでもあり、ラミーのサン=トーバンのキュヴェが持つ「多様性」の一翼をしっかり担っているワインだと思います。他のサン=トーバンには無い表情が見て取れます。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】 サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
● 2022 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【「・・ん・・美味しい!・・まさにラミーのシャルドネだね!」と素直に言葉が出て来る、ラミー節。ピュアさと明るさ、ナチュラルさとSo2の少なさが同居した、史上最強のA.C.ブル・ブランでしょう!!2021年と同じ価格です!】
美味しいですね~~・・そして・・
「飲み心地と酔い心地」
が最高です!
そう・・心地良いシャルドネを飲み終えても実に酔いが軽いんですね・・。そして11000本の密植度から出来る葡萄の凝縮度、密度感がしっかり感じられますが、
「ほんのりと燻されたような煙のアロマ」
が、品格を持って感じられます。
非常にフレッシュで明るく、柑橘も気品を持ち、非常に目の細やかな石灰のニュアンスをノーズで感じながら、そのやや冷たい感じの液体からのしっとりとした味わいに触れます。まったく甘く無く、非常にドライながら酸っぱく無く、ムルソーのような非常に硬くマッチョなミネラリティでもなく、碾き臼で石灰をさらに細かに挽いたような・・シャサーニュ=モンラッシェのような石灰感からの黄色い柑橘・果実に、ほんのりと橙を差したような色彩の果実と果皮、ややビターさを感じリアリティが高いです。
「旨いね~~・・」
と再び声が出てしまうような、派手では無いにしろしっかり感じる表情に、非常な好印象を受けました。素晴らしいシャルドネです。
アドヴォケイトは、ラミーの2022年ものに最大限の賛辞を送っていますが、このシャタイネールには89ポイントしか付いていません。昨年の2021年ものは88ポイントでしたので、1ポイント上がったとは言えますが・・
「89ポイント?・・そんな低く無いね・・」
と申し上げておきたいと思います。
このシャタイネールはまさに今のラミーのスタイルを、早い段階からもっとも理解しやすい味わいで、
「新樽を使わず、長いエルヴァージュで葡萄のエナジーをワインの中に引き出す。結果として非常にピュアで、ナチュラル感の高い、葡萄そのものがワインに昇華しただけ・・の味わい」
だと感じます。
ラミーの新樽率は全体で2%と言うことですから、これはもはや・・
「新樽は使用していない」
こと意味しています。使えなくなった古い樽の更新だけの量ですね。
そして、So2感の無さ・・結果生まれる酔い心地の良さ・・そもそもポテンシャルも高いですし、これを見ても89ポイントはあり得ないでしょう。
素晴らしいA.C.ブルです!・・いや、A.C.ブルと言ってしまうには余りに素晴らし過ぎると思っていただけるでしょう。価格も・・
「なんと、値上げせずに昨年の2021年と同じ価格でご案内!」
させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
以下は以前のレヴューです。
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【88点??・・ちゃんちゃら可笑しいです!・・「・・なんじゃこりゃぁ・・!」と、思わず言葉が出る化け物級のシャルドネです!・・今飲んで良し!ぜひラミーが創る新しい密度のワインの世界をご覧ください!】 まぁ・・noisy は現品をリリースしてから・・「飲んでいる」ので、バレルテイスティングに近い形での現地試飲とは、まったく状況が異なりますから・・異なる採点になるのも理解はできます。メディアの彼らは1日でたくさんのテイスティングを行うので、勿論・・飲んでの判断はしていないでしょう。
ですが、アドヴォケイトのW.K.さん・・88点だそうです!・・きっと彼らはA.C.ブルだからと侮って、まだ仕上がっていないこのシャタイネール2021年を、きちんと判断しなかったのでしょう。
「A.C.ブルだから・・この辺りからスタートしないと・・クリオが有るし・・」
みたいな感じなのかなと感じます。
しかしW.K.さんは自身の評価コメントで、
「高級アペラシオンのプレスからの果汁を約50%使用している」
とした上で・・88点・・と言うことは、
「それでも88点しか付けられない出来だ」
と言うことなのかな・・と。
noisy はこのシャタイネール2021年を開けた瞬間から・・
「まさに化け物!・・A.C.ブルではあり得ない!」
と感じ、
「一体・・どうやったらA.C.ブルがこんなに物凄いアロマを発せるのか?」
と、物凄い疑問を持ちました。そして友人に連絡して、
「・・もしかして、そろそろアドヴォケイトのラミーの2021年評価、出てない?」
と聞いてみたところ・・
「・・お、出てたよ・・」
と言うことで内容を知り、上級アペラシオンの二次プレス実際の記載は from the later press fractions of higher appellations )が入っていると判ったんですね。
まるで熟度の高いムルソー=ペリエールだけが放つような集中した密度の「蜜」・・そして繊細できらびやかなスパイス・・もう、これだけでノックアウト寸前です。
口内に入れるとその瞬間から始まる、痺れるような演舞!・・電撃?・・に近いかもしれません。意思を持っているかのようなベジェ曲線は、うねり、優しく跳ね、小さく沈み・・アロマと・・ただただ美味しいとしか言えない、密度の高い、締まった酸をも揺らします。
ミネラリティは透明で・・いつの間にか半透明に・・その美しい曲線が長く長く・・続きます。ドライなのに甘く、横には拡がらず縦に細いのに信じられないほど・・豊かです・・。
「・・いなくなったか・・」
と思っても、その残像はいつまでも心地良さを持ったまま・・存在しているようにさえ感じます。
「・・ばけもん・・じゃ!」
と・・思いました。半端無い、凄いシャルドネでした!
で、アドヴォケイトの88点ですよ・・ちゃんちゃら可笑しいです・・(^^
アドヴォケイトは当初、2019年のクリオ=バタールを「97 ポイント」と前年と同様に評価していましたが、のちの再テイスティングで「100 ポイント」に修正、2019年もののシャルドネのトップだと・・認定しました。
「・・また同じ間違いをするのか?」
と感じざるを得ない、noisy 的には、
「2021年のユベール・ラミーの出来こそ、過去一じゃないか?」
と感じています。関連する詳細は2021 シャサーニュ=モンラッシェ・コンシ・デュ・シャン のコラムに書かせていただきますので是非ご覧ください。
この2021年のシャタイネール、A.C.ブルの範疇にあるワインではあり得ないと・・申し上げます。また、アドヴォケイトの88ポイントは信じるに足りないとも。ですので、
「1万円は・・高いよなぁ・・」
と思われるかもしれませんが・・とんでもない!・・めっちゃ安いです!
因みにインポーターさんの上代設定は11500円ですので・・noisy は目いっぱい・・下げています。このもの凄いバケモンを知っていただきたい、何とか飲んでいただきたいの一心です。どうぞよろしくお願いいたします。
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【オリヴィエ・ラミーの弛まぬ進歩・改革を最も大きく感じられるのがこのレ・シャタイネール!名ばかりの高額A.C.ブルは恐れて道を開ける??】 アドヴォケイトは2019年ものより1ポイント、落としました。また飲み頃を2022年から2038年としましたので、
「・・ん・・結局何も判ってないのかもしれない・・」
とガッカリ。ただし、
「地下室で10年間忘れてしまってから、その報酬を手に入れよう」
と書いているようなので、ちょっとだけ拍手・・。
まぁ、実のことを言いますと、このレ・シャタイネールのテイスティングは2022年の年末で、ユベール・ラミー2020年のテイスティングの口火を切ったワインでした。12月はいつになく劇的に忙しく、ただし曜日の並びが良く無く新着の94弾目を諦めましたので、年末は比較的穏やかだったかもしれません。テイスティング分を先に仕入れているので、このワインも何日か休めてのテイスティング・・これはこの数年、ずっと同じパターンです。
ですが!・・この2020年レ・シャタイネールのテイスティングこそが、2023年1月中noisy を悩ませる原因になった訳です。
ただしワインは滅茶素晴らしいですよ。その総体の評価は悩みの原因では無いんですね。
結局、2019年ものまでの、
「物凄いミネラリティを持ち、密度が非常に高い味わいが、全てを含んで口内をゴリゴリっと通って行って、その余波を感覚器官に落として行く」
ようなスタイル・・とは言えない2020年だ・・と言うことなんですね。
言ってみれば、「ビオです!」とまでは言わないまでも、
「自然派でしょ?」
と言いたくなるような・・アロマのスピードの速さとその柔らかさ、接触感・味わいの柔らかさ、表情の多様さが有り、その表情の多くは中盤以降に集中しているんですね。
今まではもう、一口すすっただけで・・
「・・おお~・・っ!」
と言葉が出てくる感じ。
それに加え、テイスティングが進むにつれ・・つまりよりクオリティ・ポテンシャルの高いワインになるにつれ、
「そのニュアンスはソフィスティケイトされてくる」
んですね。
ですから、ある意味このレ・シャタイネールは落ち着き切っていない・・仕上がり切っていない感じだった訳です。あれからもう1カ月以上経過していますから、
「2022年12月末の時点よりも相当仕上がって来ているはず・・」
と思っています。
まぁ、アドヴォケイトのブルゴーニュ担当、ウィリアム・ケリーさんは、どちらかと言うと最初からブリブリ言わせて侵入してくるタイプに、より高い点を付ける傾向が有ると思われますし、自然派のワインにそこまで重きを置いているようにも思えないので、仕方が無いのかな・・とは思います。その点、ティム・アトキン氏はその反対か・・ジャスパー・モリスさんは良く判りません・・(^^;; が、その気になった時のポテンシャルの捉え方は凄いと思います。なので、
クリオ=バタール以外のアドヴォケイトの評価は、プラス1~2ポイントするべきと考えます。
ですので、結果的には、
「2019年ものよりもポテンシャルは上、もしくは同等。ただし、若干自然派寄りになったノーズ、味わいに感じられるかも。」
飲み頃としましては3年先からがベストですが、今でも飲めなくはない・・しかし、その場合、今飲んで判りやすくてとても美味しいのは、アン・ルミイィ・クラスです。
この濃密な黄色の中に、わずかに潜む自然派ワイン的な色彩・・もしかしたらお判りになると思います。半端無いワインです。飲むタイミングを計って・・いや、その前に、
「充分に休養を与えてから」
お楽しみくださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄いポテンシャル!味付きも良く、ミネラリティもマンモス級・・なのに滅茶バランスが良いなんて信じられます?】 2018年ものにも「圧巻!」と書かせていただきましたが、2019年ものは・・そこさえ超えて来てしまいましたね。
この・・非常に寒い2022年の冬は、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合も品温が10度を下回っている状況から飲み始めていますが、
「品温が低くても良く香り、味わいが落ちないばかりか、持っているポテンシャルとその自己紹介までしっかり伝えてくる」
んですね・・。ま~・・ビックリしてしまいました。「品温が落ちると味わいが出ないので」と書くつもりだったので尚更です。
なので、
「2019年もののラミーは品温が低くても滅茶苦茶美味しい!」
と書かざるを得ません。
マンモスミネラリティと物凄い複雑性はラミーの特徴でも有りますが、ここまで来てしまいますと往年のコシュ=デュリ同様だと言わざるを得なくなって来ました。もっと言ってしまえば、コシュ=デュリの素晴らしいアリゴテは、滅茶安くて驚くほど旨かった(20~25年ほど前のこと)訳ですが、
「・・ここまで凄かったか?」
と聞かれますと・・自信が無くなって来てしまいます。それほどに素晴らしいと・・思っています。
アドヴォケイトは上値で90ポイントと・・まぁ・・一般常識の上限的な、「角の立たない」評価でお茶を濁しています。
ジャスパー・モリスさんはどうやら85~86ポイントのようで・・もうそろそろ色々考えられた方が良いでしょう。noisy とさほどは歳は変わりませんが、この凄いワインなのに、格そのものだけを判子を押したような評価を出すだけなら・・。まぁ、それはそのまんま、noisy にも言えることでは有りますので、自身に自信が持てなくなってきた時には、口にX字に絆創膏を貼るか、第一線から退かないといけないでしょうね。若い人たちに迷惑を掛けちゃいますから・・。老兵はただ去るのみ・・なのかなと思っています。そうは言いながらいつまでもしがみつくかもしれませんけどね・・(^^;;
ですが、こんなぶっ飛んだワインを造るラミーに出会えて感謝の気持ちで一杯です。いつもの年のようには数が無いので・・それに10%ほど値上げを迫られる仕入価格になってしまって申し訳ありませんが、
「それでもこのプライスなら天下無双!」
です。
サン=トーバン的な硬質さも有りながら、ピュリニー的な豊満さもほのぼのと感じさせ、シャサーニュ的なクールな果実をも飲みやすさに加えつつ・・
「圧倒的なポテンシャルと判りやすい超絶な複雑さ!」
をご堪能ください。海外メディア評価では、アドヴォケイトのウィリアム・ケリー氏のものが・・まぁまぁ・・何とか・・ジャスパー・モリス氏の評価は無視が妥当だと思います。あ、その辺は是非ご自身でお確かめください。お早めにどうぞ。
以下は、以前のレヴューです。
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【もの凄いシャルドネです!圧巻!】 いや~・・2018年もののユベール・ラミーのテイスティングは2020年12月末から始めました。
何せ14~15アイテムのテイスティングですから、毎日1本だと年末年始の休業中に終わらない訳でして、しかも何かの間違いで、テイスティング分にピノ・ノワール4アイテムが入っていないミスが有りましたので、身動きが取れない自粛中のお食事には・・
「マグロでラミー」
「寿司でラミー」
「牛肉でラミー」
「ジンギスカンでラミー」
「たこ焼きでラミー」
・・・あと・・何だったっけ?
と言うほど、ラミーの各シャルドネと対峙させていただき、ラミー2018年が持つ「輝き」が本物かどうかを身に染みて感じさせていただきました。
また、4日から営業を開始したエージェントさんには赤が届いていない旨を伝え、早速送っていただきましたので、1月7日までの休業中には終わりませんでしたが、これまた物凄いピノ・ノワールと対談させていただきました・・?
のっけからこれですから・・・まともな言葉が出ません。
「・・・うお~・・っ・・」
やられてしまいました。
やはり、穏やかで流れるような優しい味わいが流行っているとは言え、やはり本格派はもう・・存在感が違います。
「ラミーはもう別格!」
です。
noisy が初めてコシュ=デュリのワインに触れたのは・・どうでしょうか・・もう相当に昔のことで、30年は経っているかと思いますが、本当に衝撃的な味わいでした。
煌めく酸がキラキラ・・そして時にギラっと、まるで口の中で花火に点火させたかのような衝撃と、口蓋を押し広げて、もっと感じさせようとしているかの如くの振る舞いに・・
「・・これがコシュ=デュリか・・」
と。
それなりに長くテイスティングを続けているユベール・ラミーですから・・今まで一体どれほど費やしたか・・と思えるほどでは有りますが、そんなnoisyを、
「(・・うわ~・・うぉ~・・っ)」
と言葉を詰まらせるほど、酸の煌めきと体格、構成の大きさと、ミネラリティの質と量、そして品格が襲って来た訳です。
もはやユベール・ラミーは「シャルドネの名手」に留まらず、「ブルゴーニュのトップ」に君臨すると感じさせてくれました。2017年も美味しかったに凄かったですが、2018年ものは・・2017年を「ぶっちぎりで置き去り」です。
コシュ=デュリのワインは、余りの美味しさと・・余りの値上がりのキツサに、
「コシュ=デュリはアリゴテで充分!」
などと散々言って来た訳ですが、ハッキリ言ってそのレベルです。
なので、「超密植だから・・」とか、「樹齢が・・」では無い。
「ラミーだから」 もうそれだけで良い・・充分だと思います。
「ラミーを知らずにブルゴーニュを語れない!」
そう思わせてくれる凄いシャルドネです。飲んでみて下さい。飲まずにはいられない・・いや、飲まなくてはいけない1本です。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
● 2022 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【ラミーの下級キュヴェに対するメディア評価が明らかに低く見えるのは、ラミーの下級キュヴェが凄過ぎるから。それが良く判る村名サントーバンです!】
旨いですね~・・今飲んじゃっても行けます。ラミーらしい快活で複雑、ミネラリティが軽やかながらもしっかり有って、
「サントーバンのシャルドネのエナジーをそのまま快活でドライなワインに仕上げました!」
みたいな感覚で飲めてしまいます。
アドヴォケイトは90ポイント止まりですが、ロベンバーグは半端無い評価で93~94ポイントと弾けています。飲まれた方なら、
「ん~・・その位は行くかな~~」
みたいな感覚だと思いますが、ラミーのワインはポテンシャルが半端無いので、
「拾いに行けば行くほどに・・評点が高くなってしまう」
んですね。
メディアのテイスターたちはそのことを判っているので、拾いに行き過ぎること警戒しながらテイスティングしているはずですし、また、上から順番に点を付けると大変なことになってしまうとも理解しているんですね。
拾いに行く・・とはポテンシャルのことですが、一度啜って判らないともう一度・・さらにはもう一度と繰り返すことです。そうしますと、
「・・以前に無かったポテンシャルを拾う」
ことが可能ですが、やり過ぎるととんでもなく高い評価になりかねない訳でして、ラミーのワインは表面上のバランスの良さに隠れて非常に複雑ですから、評点を付けることが難しくなってしまう訳ですね。
まぁ・・流石にロベンバーグの上値はどうかとは思いますが、noisy は下値は充分にあると感じています。だって・・美味しいですから・・はい。
スタイルとしましては、フリオンヌのような「美しい系」「エレガント系」で、重みを感じさせず、高域までアロマが伸びて行く感じのシャルドネです。重厚なのが良いでしたら、美しい箱庭にあるクロ・・・1級クロ・デュ・メをお薦めします。
で、非常に新鮮でピュア、繊細なワインです。細い絹糸が縦に延びているようなニュアンス。もちろん、ミネラリティも軽やかです。ほんのりとシャリっとしますでしょうか。モンラッシェ裏の1級ダン・ド・シアンをほんのり混ぜました・・みたいな感覚です。
こちらも2022年ものが値上がりしたほどは上げず、2021年ものに毛が生える程度の値上げに留めていますから、反対に安く見えてしまうかもしれません。
まぁ・・昨年同様の価格に出来れば良いんですが、それを全てでやってしまうと全くテイスティングできないことにもつながりますし、それでも減益になりますんでご勘弁ください。
村名ですが、94ポイントまで付けるメディアも在るくらいですから他所なら1級格でしょう。ぜひ飲んでみてください。軽やかエレガント繊細系のサントーバン村名、ラ・プランセです。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【貴重な村名サン=トーバン2021年です。アドヴォケイトはA.C.ブルと同様の88ポイントですが、どんなに低く見積もっても2~3ポイント低いです!】 12本だけですので、貴重なリーズナブルラインを減らさないようにさせていただきました。
あまりのA.C.ブル・シャタイネール2021の激変ぶり、マンモスぶり、化け物ぶりに驚き、またその評価が出たとのことで調べてみると、まったく何も見えていない評価にイラっと・・してしまいました。
で、その勢いでこのボトルを持つところまでは行ったんですが、落ち着きを取り戻し・・もう一度この村名ラ・プランセのアドヴォケイトの評価を見てみますと、
「88ポイント」
でして・・
「・・そんな訳、無いだろう!」
とまたイラっとしましたが、余りに少ない2021年のユベール・ラミーですから・・
「飲むべきワインは他に在る!」
とさせていただきました。
良いでしょうか・・。造り手は自身がリリースするすべてのワインに全力で臨むはずです。
そして、その価格付けもまた、造り手の意思がきちんと繁栄されます。
さらには、優れた能力を持った造り手であれば、その結果のバラエティに正しい評価をし、妥当な値付けをするものです。
「アペラシオンが上だから」
と言う理由では、価格を上げないんですよね。出来が良いから・・素晴らしい出来になったからこそ、上げる訳です。そしてそれは、アペラシオン通りのポテンシャルを得られないと判断したら、むしろ価格を下げるか、リリースしない、もしくは格落ちさせる・・と言う判断になるはずです。
A.C.ブルのシャタイネールの上代は11500円ですが、こちらの村名ラ・プランセは15000円です。なので、
「何をか言わんや」
です。
A.C.ブルがあれだけ凄いのであれば、このラ・プランセはシャタイネールより凄いはずです。実際、ラミーの2021年ものを数アイテム飲ませていただきましたが、
「確実に上のキュヴェが下を上回る出来」
です。
飲めておらず申し訳ありませんが、ご検討いただけますと幸いです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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この2023年の2月の段階で、もし2020年もののユベール・ラミーの白ワインを今飲んで楽しいのはどれ?・・と聞かれたら・・
1.1級アン・ルミイィ、1級クロ・ド・ラ・シャトニエール、ピュリニー=モンラッシェ・トランブロ、シャサーニュ=モンラッシェ・コンシ・デュ・シャンのクラス
2.フリオンヌ、クロ・デュ・メ、デリエール・シェ・エドゥワール
3.ラ・プランセ
4.A.C.ブルのシャタイネール
の順番になります。つまり、ポテンシャルの高い方が仕上がり具合が良いんですね。この部分も2019年までのユベール・ラミーのワインと異なります。ですから、アドヴォケイトは安易に2022~2038年としていますが、noisy 的には、
「2023年4月から」
とさせていただきたいと思います。
このレ・プランセはサン=トーバンの西側の斜面・・1級デリエール・シェ・エドゥワール、1級レ・カステートと南西に続く斜面の村名畑のブレンドで、1985年から2000年に掛けて植え替えられたものです。デリエール・シェ・エドゥワールが持つ軽妙な複雑性は無いですが、非常にエレガントで充実した味わいが有りますから、
「早く美味しくなる」
のでこちら辺りから先に飲んでと・・言っていた訳ですが、2020年ものはそのようにはなりませんのでご注意ください。今、アン・ルミイィを飲んだら、完全にやられちゃいます。滅茶美味しいです!・・思わず、
「少ないから飲まない!」
と決めていた1級クロ・ド・ラ・シャテニエールに手が伸びそうになってしまいました・・思いとどまりましたが・・
やはりやや軽めのマンモス級のミネラリティが凄いんですが、そこをやや軽めなのはそのままに、エレガントに仕上げているのが流石・・と思えるんですね。
また、自然派っぽさが透けて見える度合いはA.C.ブルのレ・シャタイネールに次ぐ感じで、口入れはソフトで柔らかくなり、中盤以降の膨らみ、延び、押味がグググっと伸びて行きます。余韻が滅茶長いのもラミーのシャルドネの特徴ですが、それは2020年ものにも変化は有りません。
アドヴォケイトは2019年ものよりも1ポイント下げているようですが、ん~・・また同じ間違いをするんでしょうか。noisy 的には、昨年よりも最大1ポイント上か同等で、それ以下は有り得無いと判断しています。アドヴォケイトは自然派の風味が入ると、てき面に下げて来ますが、判ってやっているのか、単に気に入らないだけなのか、レヴューを見ても判断できないんですね。そのくせ、
「オリヴィエ・ラミーにとってもう1つの非常に良いヴィンテージ」
と持ち上げているんですね。
「もうひとつの」は2020年、その前提となっているのが2019年ですが、基本的にアドヴォケイトは2020年ものより2019年ものの方を高く評価していて、クリオ=バタール=モンラッシェがどちらも100点満点で、2020年ものは最初から100点を付けている・・と言うだけで、2020年ものの他のワインは2019年ものよりもほぼほぼ1ポイント下げです。
A.C.ブルのレヴューでも書かせていただきましたが、自然派っぽくなってきているものの、その差は非常に小さなものですから、お客様は余り意識しなくて良いと感じています。
しっかり休めて、出来るならこの厳しい寒さが緩んだな・・と感じてから・・が良いと思います。素晴らしい出来の進化を止めないオリヴィエ・ラミー、是非お確かめいただけましたら幸いです。高くなったとは言え、それでも村名ブレンドでこの価格です。・・いや、本当は11000円上代ですから・・普通に価格を付けると1万円超えなんですが、涙を呑んで??・・4桁にさせていただきました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ラミーのラインナップの中では比較的エレガント系ですが、それでもラミーらしくゴリゴリと押し入ってくるやや軽めのミネラリティとしっとりリアルな果実の風味が見事です!今飲んでも滅茶美味しいです!】 ワインの好みは人それぞれですから、あの人が美味しいと言ったところで自分がそうでも無い・・と感じてしまえば、それはその方にとっては、「普通」なのでしょうし、駄目かな・・と思えば「美味しく無い」と言うことなのでしょう。
ラミーのシャルドネも、2010年頃までは「普通」か「美味しく無い」と評価する人が多く、でも2014年頃を境に「美味しい!」「素晴らしい!」と、それらが置き換わってしまったことが、今の状況なんだと思います。
このサン=トーバン村名のプランセは、多くの生産者が造る・・でもエレガント系の味わいのサン=トーバン1級クラスと同等・・下手をするとそれ以上です。
ふんわりと香り立つ石灰系のやや軽めのミネラリティと、ドギツイ表現には陥らない、実に自然な白・黄色・僅かに薄緑な果実がグラスから、そしてほんのり粘る液体からノーズへと抜けて行きます。中盤以降もその僅かに粘る液体からの余韻や押味が長く・・エレガントに持続するんですね。実に旨いです。
ラミーのラインナップの中ではフリオンセと同様に高域・超高域へと伸びて行くアロマが心地良い、繊細系と言いますか、エレガント系の味わいだと思います。
ある意味・・この系統はラミーの中では貴重でして・・実に心地良いものであると感じています。ゴリゴリっと入ってくる感じはむしろA.C.ブルの方が強いのかも・・と。しかしどうなんでしょう・・余りに凄いポテンシャルを感じさせるA.C.ブルのシャタイネールと、実は相当に凄いんだけれど、それを余り感じさせないレ・プランセですから・・やはりこのレ・プランセのエレガンスは、より高く評価すべきなのかな・・と思います。
素晴らしい村名サン=トーバンでした。海外メディアは91ポイントで止まってますが、noisy 的には1.5ポイント加点すると思います。ご検討くださいませ。
以下は、以前のレヴューです。
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【凄いです!村名クラスの味わいを超越しています!】 向かうところ敵無し!・・は間違い無いでしょう。価格的にも、そして勿論、アペラシオン的にも・・です。
超有名な「禿山」、モン=ラッシェの西側に存在するのがサン=トーバンです。東側にはピュリニー=モンラッシェとシャサーニュ=モンラッシェが有り、PK氏いわく、
「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」
と揶揄されたのがサン=トーバンです。
しかしながら昨今の温暖化の性でしょうか、それまで日照に問題が有るとされてきたサン=トーバンのシャルドネにとっては、
「実に都合の良い状況」
になっているのかもしれません。
ラ・プランセ2018年は、正に劇的です。ラミーの上級の1級クラスを飲まないなら、そして素直にこのポテンシャルを理解できるなら、
「1級クラス並み!」
のポテンシャルを自然に受け入れ、そう思われるに違い無いでしょう。
そしてユベール・ラミーらしい膨大なミネラリティと球体を思わせる酸バランスと酸の総量、その結果としての滑らかなテクスチュアと構成の大きさ、品格に、
「これがユベール・ラミーなのか・・」
と、自身の記憶に植えつけられることになるのでしょう。
さらには、
「ブルゴーニュワインが発展伸長し、大きな存在になって行く・・その限界はまだ来ていなかった!」
と・・このモンラッシェの裏側の村名ワインが教えてくれるのです。なんて素敵なことでしょうか!
これが「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」だとするなら、ほとんどのピュリニー=モンラッシェはミネラル不足になってしまいますし、きっとそれは近未来の果実表現だけに頼った「だるい」味わいを意図した揶揄に過ぎないと気付かれるでしょう。
滅茶美味しいです!感動的です!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!繊細系の緊張感漂う見事な味わい!複数の畑をブレンドした、ラミーが思うサン=トーバンを表現・具現化した出来でしょう!】 いや~・・素晴らしいです。縦伸び系の見事な構造です。
実は・・間違えちゃいまして、このプランセ、2本も開けちゃったんですね・・数が無いのに!
重量級の味わいでは無く、少しエレガント系に振った味わいです。まぁ、アン・ルミイィを少し細身に、小振りにした感じかと思ってくださって良いかと思います。
「ん?・・アン・ルミイィって重量級じゃないの?」
と思われますが、重さで言ったら「クロ・デュ・メ」の方が重量感有りますよ。バランスで言うとトップはアン・ルミイィです。縦伸びの物凄さで言ったらクロ・ド・ラ・シャトニエールです(・・これ、飲んだらきっとぶっ飛びますよ・・)。
細やかな、ややハイトーンなミネラリティから滲むような白っぽい石灰感が心地良く、鈍重にならない、やや高域にバランスを振ったような先調子の感じです。
2016年までも美味しかったんですが、もう・・2017年ものは別物と言って良いかと。
実は、2本も開けたんですが、結構に印象が異なるんですね。1本目は届いて翌日位から開けたんですが、結構、バッキバキに硬質で閉じた感じがしていました。2本目はそれから3日後でしたが、滅茶開いた感じで・・凄い旨いんですよ・・エレガントで。
ですので、ミネラリティの癖なのかと思いますんで、届いてすぐでは無く、少なくとも3~4日は休息させてくださいね。ラミー2017年の物凄い世界が待ってます。
「わお!」
と思わず声が出て欲しいな・・と。お勧めします!
● 2022 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【おそらく皆さんはノーマークの1級クロ・デュ・メなんでしょうが・・ラミーのバリエーションの中で最も享楽的で、ある意味・・全てを備えているラミーらしさを堪能できるワインです!】
めっちゃ美味しいです~~!!・・クロ・デュ・メを40ケースも販売させていただいていた頃の享楽さを保ちつつも、繊細さとラミーらしい「密植系」の美味しさ、そして何より「サントーバンらしさ」をも感じさせてくれる、健康優良児的な美味しさを持っています。
最新資料による密植度は1万4千本です・・あと6千本植えることが出来、その樹齢が上がれば・・オート=デンシテの出来上がり!・・では有りますが、あまり高価になってしまうのは・・ちょっと困りますよね。
それにですね・・そもそも・・
「リューディ・クロ・デュ・メってどこにあんの?」
と言う疑問さえ有りますよね。
なので・・ちゃんと調査済みですので、もしPCをお持ちでしたら・・いや、きっと驚かれると思いますよ・・クロにしっかり囲まれた箱庭のような・・めちゃ美しい畑です。反対にクロ・ド・ラ・シャトニエールは・・
「恐ろしくなるほど・・凄い畑・・」
に見えちゃいます。そちらもコラムに同様のリンクが有りますので、是非比較してみてください。
以下がクロ・デュ・メへのGoogle mapのリンクです。全部をコピーして貼り付けてみてください。
◇Clos du Meix
https://www.google.com/maps/@46.9496374.4.707322.3a.60y.123.35h.82.98t/data=!3m7!1e1!3m5!1stQn4WxUe2hN7J_QzhUgrdQ!2e0!6shttps:%2F%2Fstreetviewpixels-pa.googleapis.com%2Fv1%2Fthumbnail%3Fcb_client%3Dmaps_sv.tactile%26w%3D900%26h%3D600%26pitch%3D7.018392207995518%26panoid%3DtQn4WxUe2hN7J_QzhUgrdQ%26yaw%3D123.34601380531309!7i16384!8i8192?entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MDMxMS4wIKXMDSoJLDEwMjExNDU1SAFQAw%3D%3D
凄いでしょう?・・ちゃんと「Clos du Meix」と銘板も入っています。Meix は古いフランス語で、「真ん中」と言う意味のようですが、まさに、
「サントーバンの・・ど真ん中」
です。村の外れの一軒家の庭・・みたいな感じです。
ここはサントーバンの西側に延びる部分で、モンラッシェの裏側では無く・・東南に向いたなだらかな斜面のクロです。上部には洋館の上側に急斜面のデリエール・シェ・エドゥワールが有ります。
で、この上のリンク先の写真でもお判りのように、
「まるで箱庭のようなクロに囲まれたなだらか目な東南向き斜面にある陽当たりの良い1級畑」
ですから・・日光を浴びて・・
「ムルソーのような粘りとぎっしりのミネラリティに感じられる」
訳で、しかも、
「2022年ものは黄色が滅茶濃く、柑橘果実や果実が・・冷ややかながらも南国系のフルーツまで飛び出す!」
と言う、今でも充実した味わいになっているんですね。これ、滅茶お美味しいです!
驚きはヴィノスでした。余りに低い点なので、これは勘違いされるだろうと判断し出すに及ばず・・です。
完熟した果実も在りますが、若々しい果実も在り、非常に充実した味わいです。
因みに、このクロ・デュ・メの門の前で「回れ右?」して反対側を向き、建物の上の方にあるのが1級デリエール・シェ・エドゥワールです。ここは傾斜が厳しく、下手をすると転げ落ちるそうですし、馬も農耕器具も入れないとのことですが、
「ヴィノスは2022年もののデリエールの評価が高い」
です・・良く判りません。
いずれにしましても、今飲んでめっちゃ美味しく、ミネラリティもたっぷりで10年やそこらではまったくへたらない・・どころか、そこからが本当の飲み頃でしょう。飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【2021年のクロ・デュ・メは・・「大変身!」・・それは超密植なのか、それ以外の要因か!・・途轍も無いシャルドネです!・・激旨!!】 皆さんはどうか判りませんし、世の中的にも同様ですが・・noisy 的には2014年に大ブレークしたと・・思っています。そして・・
「この2014年の1級クロ・デュ・メは、とんでもない数量がインポーターさんに入荷していた」
んですね・・めっちゃんこ美味しかったんですが5千円ちょっと位だったかと思います。なので物凄い売れました。
インポーターさんが驚かれるほど売れましたし、それだけ数が有ったんですよ。おそらく40ケース位・・半年ほどかけて販売させていただき、インポーターさんの在庫を空にしちゃいました。
ところがですよ・・その後、この1級クロ・デュ・メの入荷は減り続けました。インポーターのM君に聞いても、
「ん~・・数が入ってこないんですよね・・」
とだけ。noisy 的には、安くて美味しくて、言わば「売れ線」=「数が有ればドル箱」のキュヴェだったので、大きな痛手でした。
一番少なかった時には「6本」です・・昨年か、一昨年か・・かと思います。
ところが、この2021年ものはちょっと増えて18本・・(^^;; まぁ・・以前の480本クラスとは比較にならない、雀の涙ほどですが、
「2020年以前とは・・・全く違う姿をしている!」
んですよ。
おそらく・・想像でしかありませんが、何せ新型コロナも在りまして、インポーターさんも渡仏できずに情報が入ってこないので、
「いま、超密植化しているのはどこの畑か?」
が判らない訳です。ちなみに・・この2月に渡仏され、ラミーのところに行くそうなので、
「・・ガンガン写真を撮って・・石を拾って・・」
などと発破をかけさせていただきましたが・・
なので、この畑も超密植化に掛かって数量が出来なくなり、ようやっと「昨年辺りから」変化が見え始め、
「2021年、その大変身ぶりが明らかになった!」
んじゃないかと・・良い方に想像しているんですね・・もし違っていたらすみません。
以前の横に拡がっているファットなクロ・デュ・メじゃありません。その果実や土壌のミネラリティを多分に含んだ表情を・・
「透明なミネラルのコルセットでタイトに包んで、それまでの表情を柔らかな白いミネラリティ、食パンで挟んだ・・光り輝くフルーツサンド!」
・・のような凄い味わいなんですね。
ですから、横へは中々拡がらないのに、そのフルーツを噛んだ時の幸せな瞬間・・が、必ず訪れるんですよ・・。美味しく無い訳が無いじゃないですか・・もう、
「激旨!」
なんですが、エレガンスも物凄いので・・
「以前のクロ・デュ・メとは全く異なる!・・三段式ロケット!」
なんですね。
飲んでみてください。最初から全部はアップしませんが、合計17本のみです。とんでもなく美味しい・・!
「・・でもアドヴォケイトは以前より低い 90+ Points じゃん・・しかも2025年からって言ってるし・・」
まぁ、彼らのテイスティングはほんのひと口、啜っただけで次のキュヴェに移っちゃいます。格下のキュヴェを一生懸命にポテンシャルを取りになんぞ、行かないんでしょう。
noisy は自分の財布から出して購入して、自分の手でちゃんと開けて、しっかりテイスティングしています・・気になったら数日間、お付き合いもします・・さて、どっちを信じるのでしょう?・・いや、信じなくて良いんですよ・・騙されてみる・・相手の様子を探ってみる・・そんな感じでいかがでしょうか?・・騙されて昔、クリオ=バタールを買われた方は・・きっと今は信じてくれているんじゃないかと・・(^^
どうぞよろしくお願いいたします。めちゃ凄いです・・物凄いエレガンスと物凄い味わいが・・待っています!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶苦茶安くてとんでもなく旨かった2014年の再来・・いや、あの時よりも格別に進化している1級クロ・デュ・メです!】 この1級クロ・デュ・メがとんでもなく大量に届いたヴィンテージが有りました。2014年です。シャルドネは非常に良い年でした。
なので、このクロ・デュメ2014年は、Noisy wine で販売数の記録になったんですね。半年ほどの間に・・
「そもそも、そんなに造れたの?」
と言われてしまいそうなほど・・お客様に大うけしました。5千円台の後半位の価格だったはずです。
今やほぼ倍..以上ですか。それでもこのポテンシャルと漲る素晴らしい表情を感じてしまうと、
「安い!」
と思っていただけるはずです。
このクロ・デュ・メは、1級デリエール・シェ・エドゥワールの南に接する1級レ・カステートの下(東)にある1級畑で、以前は(たぶん)ル・ヴィラージュと単純に呼ばれていた畑だと思います。ル・ヴィラージュと言うのは村人たちが住む村の住居の周りにある畑をそう呼んでいるようです。ですから、ブルゴーニュには「ル・ヴィラージュ」と呼ばれる畑がてんこ盛りに存在しますので、その畑に所有者独自の呼び方をするんでしょうね。
ですがこの「Meix(メ)」の意味は、庭園や果樹園に隣接する田舎の住居..と言う意味だそうなので、Clos du Meix はまさに「ル・ヴィラージュ」そのものと言えます。
この、見事に充実した黄色がハッキリ見え、強い色彩に・・わずかに緑が入っているように見えます。
この黄色のしっかりした色彩通りに、果実をたっぷりと感じさせてくれる充実したややオイリーな仕上がりでして、似ているのは・・良いのかな・・言ってしまって・・「アン・ルミイィ」です。ただし、やはりアン・ルミイィほどの卓越した格上感には届かない・・アン・ルミイィはディテールがもの凄いんですよ。95点・・なんてアドヴォケイトは言ってますが、納得しがたいです。勿論、この素晴らしいクロ・デュ・メに・・
「・・えっ?・・92点ぽっち??」
ちょっと考えられない・・2019年ものの上値と一緒ですが、クリオ=バタール=モンラッシェ2019を1ポイント上げ修整したように、この2020年クロ・デュ・メは上値を < 93ポイントにするべきでした。
今飲んでおいしく、将来もさらなる上昇が約束された素晴らしい1級クロ・デュ・メです。上部の畑よりも幾分の肥沃さが有り、
「非常に優れたピュリニー=モンラッシェと同等」
です。是非飲んでみてください。滅茶苦茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものクロ・デュメの濃密な低域の美味しさに加えて2019年ものは「密度」そのものが劇的に上昇!今飲んでも滅茶苦茶美味しいです・・が、数が全然ありません!】 「・・えっ?・・クロ・デュ・メって12本しか無いの?・・あれだけたっぷり有ったのに?」
「・・そうなんですよ・・出しようが無い位しか・・入って無いんです・・」
実は、テイスティングで滅茶美味しかったので、内心ホクホクしていたんですね・・だって、最高に美味しいシャルドネがたっぷり有ったら利益もその分出せるし、長く販売可能だし・・良いことずくめです。
ところが全くアテが外れてしまいました・・と言うか、
「・・そもそも飲んでも大丈夫なのか~?」
と心配しなくてはならなくなってしまった訳です。たった12本しか無い訳ですから・・。
それでもテイスティング分だけ年末に入れていまして、年明けに仕入れ分を送っていただいたところ、クロ・デュ・メのテイスティング分は別に伝票に打たれていたので、
「何とか12本の販売分は確保!」
した訳なんですね。・・ちょっと寂しい話しでは有ります。
毎回申し上げているように、クロ・デュ・メは中低域にボリュームが有り、ちょっと感覚的に「ムルソー」的なニュアンスで感じられる豊満タイプのサン=トーバン1級です。
このキュヴェは今まではある程度、数を計算できましたが、年々少なくなっています。そして2019年は販売に回せるのが12本だけ・・です。
しかし、2018年ものにはそこまで無かったものが2019年ものには「しっかり」現れていました。それが・・
「・・ありゃ?・・クロ・デュ・メも超密植化、始めたのか?」
と思えるほどの、確実な「密度の高さ」感です。
あの豊満で単純にもうグラマラスな美味しさを伝えてくれていたクロ・デュ・メの姿は有りません。豊満さに「締まり」が有り、口内の感覚は余りの複雑な刺激で飲んでいるうちに麻痺してきそうな感覚です。
それでも、非常にエレガントなフリオンヌに対した真逆の存在・・と言うか、フリオンヌが持ち合わせない中低域をしっかり増幅した「どっしり感」の有る味わいは普遍でして、中盤以降に押し寄せる余韻も、全くラミーならではの物凄さが感じられました。これは旨い!・・としか言いようの無い見事な味わいでした。
言ってみれば、軽量級のフリオンヌと、重量級のクロ・デュ・メを合わせると・・もの凄いシャルドネワインになるのかも・・と思います。可能な方は遊びでやってみると面白いかもしれません。素晴らしい出来でした。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソー的なゆったり感のクロ・デュ・メはムルソー1級に比類する素晴らしい密度を手に入れ、しかも外向的で無茶苦茶美味しいです!】 レ・フリオンヌが天女の羽衣を纏った女性なら、クロ・デュ・メは甲冑を身に着けた中世の騎士かもしれません。どこまでも・・天にも届けとばかりに縦伸びするレ・フリオンヌと、重厚且つ優しい姿をも見せるクロ・デュ・メは、サン=トーバンの1級畑が持つ姿の両極です。
しかもクロ・デュ・メは、2017年ものまでは・・悪い言い方をするのなら、どこか「緩さ」をも感じさせてくれたものですが・・いや、その「おおらかさ」こそが実は難しい表現ですから・・緩いと言うのは本当に失礼であるとしても、
「2018年ものにそんなネガティヴな方向にも捉えられそうな表情は皆無!」
になったと断言します。
例えば、ムルソーの準1級の村中央上部の畑は、厳しいミネラリティをしっかり表情に出して来ます。ヴォルネイに近いムルソー村名、準1級畑ものは、厳しいミネラリティと粘度由来のネットリとした表情が有ります。そしてムルソーの1級畑ものは、そんなそれぞれのミネラリティを礎にした上で、それぞれ独特な表情を見せてくれますよね。
まるでムルソー=サントノ的な表情なんですね・・いや、もう少しソリッドでタイトかもしれませんが、品格、フィネスは相通じるものを感じますし、そこにピュリニー的な豪奢なニュアンスが入った感じ・・がピッタリかもしれません。
2017年もののおおらかさは2018年もので精緻になり、より大柄になっています。海外メディアでちゃんと評価できたのはティム・アトキン氏だけ・・でしょう。ヴィノスも2017年ものの91ポイントからは1ポイント積み上げてはいます。noisy 的には上値93+ポイントです。
まぁ・・ここまで素晴らしいとなりますと、どうしても「素晴らしい!」の連発になってしまいまして、かなり気が引けるのですが仕方がありません。縦方向の伸びが素晴らしいレ・フリオンヌと、横方向に伸びて行くクロ・デュメ・・・是非セットでお楽しみいただけますと、これまた非常に面白いかと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものクロ・デュ・メは、滅茶苦茶美味しいムルソー準1級畑に酷似!パワフルで横への拡がりも有る、いつ飲んでも行けるタイプです!】 皆さんはそうでもないかもしれませんが、noisy的には非常に評価の高いクロ・デュ・メです。
2016年ものはピュリニー1級・・なんて書いてますね。2017年ものはムルソーの準1級か1級か・・です。ムルソーの中央上部の準一級、ナルヴォーとか、1級のポリュゾとか、その辺りの感覚です。
レ・ペリエールの持つ蜜のニュアンスを僅かに緩くしたような感じも有り、真ん丸なパレットから微細な表情が滲んで来ます。2016年も単純に美味しかったんですが、そんな部分の延長も感じるとしても、もう、かなり格上感が有ります。伸長率が半端無いんですね。
57ミリも有る長いコルクを抜くと、待ってましたとばかりに粘っこいエキスからアロマが飛び出して来ます。マッタリとしつつ適度に拡がってくれるのは今までと変わらないですが、質感がね・・素晴らしいんですよ。比較にならないほど素晴らしい。
この、どちらかと言うとパワフル系のクロ・デュ・メと一緒に飲んだのが1級「クロ・ド・ラ・シャテニエール」です。余りに異なるスタイルで、これ、感動ものでした!
まず間違いの無い選択になると思います。皆さんも好きなタイプでしょう。超お勧めします!
● 2022 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【言ってしまえば・・プティ・プティ・クリオ=バタール??・・プティ・オート・デンシテは間違いないでしょうが・・(^^;;】-----少なくて飲めず申し訳ありません、以前のレヴューです。
デリエール・シェ・エドゥワール..素晴らしいですね。滅茶苦茶複雑性が高いですが、この金属的・・ちょっとギラっとした感じに加えて鉛のような鈍い光を持ったような金属のニュアンスなんぞ、ちょっとクリオ=バタールを想起させるようなイメージが有ります。まぁ、だからプティ・プティ・クリオ・・は言い過ぎかな・・。
でもアドヴォケイトも何故かこのオート・デンシテでは無いデリエール・シェ・エドゥワールには連続で94ポイントと、アドヴォケイトにしてはちょっと高めの評価をしているんですね。
このデリエール・シェ・エドゥワールも、モンラッシェ側ではない・・西南側の丘の斜面に有ります。クロ・デュ・メの少しだけ北の上部の畑ですが、
「ま~・・呆れるほど全然違う!」
のには驚かれると思います。たぶん50~60メートル位しか離れてないはずですが・・たったそれだけでこんなに違うと・・ブルゴーニュの畑の組成、本当に恐ろしいほどの違いです。
そして・・こうお考え下さると良いと思います。
オリヴィエ・ラミーはすでにこの1級デリエール・シェ・エドゥワールの超密植化を成し遂げています。ですからオート・デンシテをリリースしている訳です。ですが、まずは・・
「デリエール・シェ・エドゥワールの超密植化が終了した訳でも無い」
んですね。仮に終了していたとしても、
「まだ葡萄が若すぎる樹が多い」
訳でして、そんな樹からの葡萄は使用しないか、ある程度使用できるレベルになるとこのオート・デンシテでは無いキュヴェに使用されます。そして、オート・デンシテを名乗っている部分でもオート・デンシテにしない葡萄は当然ながらこのオート・デンシテでは無いデリエール・シェ・エドゥワールになるんですね。
当たり前のことを言っただけなんですが、その辺りをメディアのテイスターさんたちは重々ご存じですから、
「オート・デンシテだけを持ち上げる訳には行かない・・」
と言う大人の事情も有る訳です。それ以外にも造り手との対話で得た情報なども評点を付ける際の前提として重要視するはず・・です。まぁ・・彼らは「大外し」だけはしたくないはずですから・・。noisy は自分勝手に感じたことを好きなように書いているだけですし、上司もいないし・・(^^;; だから情報は飲む前にはインプットしないで、終わってからあれやこれやと調べ始める訳です。
なので、
「このオート・デンシテを名乗らないデリエール・シェ・エドゥワールも当然ながら年を追う毎に密植度は上がっている!」
ことを、このワインを毎年飲むことで確実に感じられます。素晴らしい1級です。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サン=トーバンの独自なテロワールを見事に表現できるデリエール・シェ・エドゥワール!・・これも実に旨いです!】 素晴らしいと思います。ジャスパー・モリス氏も2018年ものは上値96ポイントと、このワインの本質を見抜かれたなぁ・・と思っていましたが、2019年ものは94ポイントとスケールを下げてしまいました・・残念です。
ですがこの2019年ものが2018年ものに劣る部分は全く有りません。と言いますか・・ここは他のコラムで書くつもりですので、アン・ルイィのコラムあたりをご覧頂ければと思いますが、ちょっと自然派っぽいアプローチが透けて見えて来ているんですね・・このキュヴェ辺りから・・。
減農薬が主体で、ビオは一部・・と言っていたはずなんですが・・その部分ですね。
でもこのキュヴェに関しては・・
「それが判らない・・感じたとしてもほんの少し」
かと思います。
そしてこのデリエール・シェ・エドゥワールは・・実に複雑で、粒子の肌理が滅茶細かいんですね。一体感はしっかり有るんですが、非常に細かい砂の粒を積み上げて仕上げられたかのような感覚で、しかもこのデリエールに関しては、
「サン=トーバン独自のテロワール」
みたいなものをイメージしてしまいます。
サン=トーバンは、結構有名な「アン・ルミイィ」と「ダン・ド・シアン」がモンラッシェを見下ろす位置に有り、その他の畑は少し西側に離れた位置に有ります。畑の向きもそれらとは結構に違います。
なので、その有名な2つの畑はピュリニーやシャサーニュに凄く似ていて当たり前・・なのかもしれませんし、そこから少し離れたところにある畑のワインは、結構にテロワールの異なるニュアンスが有るのかもしれません。
特にこのデリエールにつきましては、超密植のキュヴェをリリースしていまして・・密植化が結構なスピードで進んでいることもあり、手掛けて間もない部分のデリエールには、それなりの密植の恩恵が有ると感じられるんですね。だからこそ、この
「独自なテロワール」
を感じるのかと・・今のところ理解しています。
このデリエールまでは、今飲んでも大丈夫です。でも、まだ20~30%しかその正体を明かしてはくれないと・・理解した上でお楽しみください。
「実は海外メディアの評価以上に素晴らしい!」
と思ってください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリス氏もこのデリエール・シェ・エドゥワールには敏感に反応して・・なんと96点!・・ま、判りますけどね。】 モンラッシェ並みの味わいを見せる凄いワインでした。細かいことを言えば・・トップクラスの出来のモンラッシェには僅かに届かないかもしれないとは思っています。並みのものなら超えているかもしれません。
緊張感の溢れる繊細で鉱物的な素晴らしい味わいです。複雑性も見事で、何よりも「相当な緻密さ」を感じさせてくれるので・・モンラッシェなどと引き合いに出したくなってしまう訳ですね。
で、ジャスパー・モリスさんが異常に反応しています。上値で96ポイントです・・って、グラン・クリュ並みの評価じゃ無いですか!・・noisy は95+ポイントが上限だと見ていましたので、このキュヴェにはジャスパーさんの方が高く買っている訳ですね。
どうやらジャスパーさんはこのキュヴェの成り立ちを良~くご存じのようでして、その辺りも評価に出ているのかもしれません。
何せ、収穫を熟度によって数日に分け、それぞれに醸造したようです。決して広い畑では無いんですが・・もう、オリヴィエのやっていることは他人には理解出来ないのでしょう・・想像の範囲を超えての葡萄造り、ワイン造りなんですね。
noisy の場合は、別に畑を見ている訳でも無し、情報を得てから飲んでいる訳でも無し、現物を飲んで想像して整理、それからテクニカルを見たり、色々する訳でして・・「現物主義」です。なので、余計な情報は前以ては入れないようにしています。
ですがこのデリエール・シェ・エドゥワール2018年は半端無い・・サン=トーバン1級のクロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018年も物凄いし、アン・ルミイィの筋金入りの存在感も呆れるほど・・なので、この辺りはほとんど同じポイント評価です。
味わいにつきましては2017年を確実に超えていますが、そのスタイル自体は変化無しです。数はご用意できないので、是非お早めにゲットしてください。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【げげっ・・これでオート=デンシテじゃないの?!】 写真って・・本当に難しいですね。そして面白い結果を見せてくれます。
何年にも渡ってこのデリエール・シェ・エドゥワールの写真を撮り続けていますが・・
「何故かこの写真は露出が必ず低めになってしまい、暗めな画像になる」
のがお判りでしょうか。他のキュヴェでも有りますが、デリエール・シェ・エドゥワールほどでは有りません。2017年のこの写真は色合いは弄っていないはずです。
僅かに揺れている感じの液体のトロミ、もしくは影みたいな感じが見えるでしょうか?・・これはタンパク結合では有りません。そしてトロミも実際は全く有りません。きっとミネラリティの多さ、密度が映り込んだ感じなんじゃないかと思います。
ま~・・たまげました。
「きゃ~・・やっちまったか!・・間違えてオート・デンシテ、開けたか??」
です。
ほぼ今までに有り得ない感覚でした。D.R.C.のモンラッシェでもここまでは無かった・・。近かったのはラフォンのモンラッシェ。そんなミネラリティの総量感覚です。
「これ、オート・デンシテじゃないんだとしたら・・オート・デンシテは・・どんだけ~!?」
と叫びたくなってしまいました。
ただし、このデリエール・シェ・エドゥワールの一部はすでにオート・デンシテをリリースしていますよね?・・ラミー側からは、どこの畑をどれだけ密植したかの変更報告は余り無いそうです。
なので、もう相当にオート・デンシテ状態になっているデリエール・シェ・エドゥワールが、これまた相当量、含まれたキュヴェ・・と言うことじゃないでしょうか?
そうでなければ・・理解不能です。呆れんばかりの密度・・それでお酒が一杯飲めてしまいますよ!・・もう溜息しか出てこないデリエール・シェ・エドゥワールでした!・・飲みましょう!、これは!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】 ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2022 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【今、もっとも整っている2020年もののユベール・ラミーのキュヴェはこの1級アン・ルミィです!・・凄い!】-----少なくて飲めませんでしたが、アドヴォケイト評価は2~3ポイント低いでしょう。
いや~・・ブルゴーニュ、シャルドネの世界にこれほどまでに彩りを与えてくれたオリヴィエ・ラミーに・・
「感謝感激雨あられ!」
としか言いようが有りません。
どこか閉塞感の漂っていたブルゴーニュのシャルドネの世界。そりゃ、コシュ=デュリ?・・旨いでしょうよ。でもね・・アリゴテで・・「ん万円」って・・もうアウトオブ眼中です。
ドヴネ?・・ルロワ?・・いや、もはやローンでも組まないと買えないし、その前に自宅のローン完済しないと・・ルフレイヴ?・・A.C.ブルで充分だったけれど、もはや・・ねぇ・・アントもダンセールも見なくなっちゃったし・・
そもそも・・誰も新しいこと、やってないしなぁ・・
そんな暗雲が立ち込めていたブルゴーニュ・シャルドネの世界に、息吹と光を当ててくれたのがオリヴィエ・ラミーですよね?・・5年前なら、美味しいシャルドネが欲しいと言われるので、
「ユベール・ラミーって・・知ってます?・・滅茶旨いですよ・・」
と言ったところで・・
「ん?・・知らない・・ルフレイヴは無いの?」
などと返されるのがオチ。
「・・サン=トーバン・・でしょ?」
なんて・・ね・・。
「(だったら聞かないで・・」
って思いたくなってしまったものです。
今やラミーの「ラ」の字を発してしまっただけで、
「い、いつになりますか?」
みたいな感じですから、世の移り変わりの余りの速さに、noisy もホントについて行くのが大変です。
2020年の1級アン・ルミイィ、「でら旨」です。圧巻・・トンでも無いです。
しかしながら他のコラムにも書いています通り、
「2019年までと・・どこか違うように感じる」
と言うのは有ると思います。
ですがきっと・・どこが違うのかは判らないんじゃないかと思いますし、余りの美味しさに気付いて・・ラミーをもっと好きになってしまうに違い無いと・・思っていただけるキュヴェです。
何とも香しい・・素晴らしい高質なシャルドネのアロマに、蜜や果実の超繊細なアロマが・・そして、絹をも思わせる白っぽく極細の糸に、数パーセントの透明の超極細の糸を混ぜて撚ったかのようなミネラリティが混じります。やがてそれは膨張しはじめ、果実の繊細さを見せる表情から、熟れた果実の甘美さを見せるように変化・・
膨大なエネルギーを口入れ直後から感じさせるのではなく、中盤から徐々に・・音楽ですと「クレッシェンド」と言うはずですが・・強くなって行きます。素晴らしいとしか言いようがないです。
このキュヴェにアドヴォケイトは・・2019年よりも上げたとは言え、95ポイントですから・・noisy 的には「??」です。そして、2025年からとのことですが、
「今飲み始めてもOK!」
まぁ、今でもたっぷり美味しく飲めると言う意味でして、アドヴォケイトの2025年から・・と言う開始時期に異議を唱えるものではありません。是非飲んでみてください。
「必飲の1本!」
です。
以下は以前のレヴューです。
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【いつものように素晴らしいです!・・が、まだ落ち着き切っていないのと・・自然派的なアプローチの結果が出始めている?・・少し休ませてから飲みましょう!】 アン・ルミイィらしい豪放な美味しさ、ピュリニー的果実のブリッとした美味しさを内包しつつ、正にラミー的な豪快な味わいを見せてくれる秀逸な1級畑、「アン・ルミイィ」です。
2018年ものと同様に非常に美味しいです!・・でも2019年はとても良かったんでしょうね・・まだ落ち着いてないです。少し休ませた方がより美味しいと思います。
その上、ラミーの場合は基本、減農薬スタイルでして、一部ビオを取り入れ始めている・・と言うことですが、その「一部」を僅かに感じさせるようなニュアンスを嗅ぎ取りました。そして、
「どうやらこのキュヴェはSo2を減らしているんじゃないか?」
と言うような疑問も・・感じたんですね・・。ラミーのアン・ルミイィらしい「硬質さ」が、少し薄れているように感じた訳です。しかし密度感はそのまま・・と言いますか、確実に上昇しているニュアンスです。
なので、エージェントさんに分析表を見てもらったところ・・どうやら他のキュヴェより(下のキュヴェ)も残存So2の量が少ないことが判りました。
この一件を持って、ラミーがビオに邁進・・と言うことには全くなりませんが、研究熱心で畑仕事をバリバリこなしている訳ですから、より凄いワインにしたい・・と言うような気持ちは人一倍なはず・・なんですね。
ですので、noisy としましては、このアン・ルミイィに軽々な判断はせず、もう少し余裕を持って見たいと思っています。
ただし・・その「自然派的アプローチの部分」を嗅ぎ取れるかどうか?・・は相当に微妙ですよ。なのでほとんど判らないんじゃないかと思います。それほどに「わずか」なもの・・なんですね。
色合いも例年よりも黄色がより強く感じます。美しいニュアンスです。ネットリとしつつ口内に留まる残渣からの「味わい」が物凄いワインです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【比較対象はバタールかモンラッシェか!?・・大人気のアン・ルミイィ2018年はマンモスミネラリティにひたすら平伏するのみです!】 たまげました・・凄いミネラリティです。総量もさることながら、その気品ある組成にも平伏です。
海外メディアは上値94ポイントでほぼほぼ揃っていますし、素晴らしかった2017年とほぼ同様の評価ですので・・これはちょっといただけませんね。2017年ものが94ポイントであるなら、2018年ものはポテンシャル点として1ポイント以上、加点しないと筋道が通りません。ヴィノスは 2022~2036 の飲み頃を併記していましたが、たかだか18年で萎んで飲めないようなポテンシャルだと見ているなら大きな間違いです。noisy 的にはポテンシャルは96点まで付ける可能性が有ります。今飲んで点を付けるとするなら、クロ・ド・ラシャテニエールの方が全然高いです。
ただもうここまで来ますと、比較対象は確実にグラン・クリュです。地質も距離も近いモンラッシェみたいな味わいですね。
しかしながら、モンラッシェとバタール=モンラッシェの区別は、そんなに簡単なものでは有りません。緊張感漂う筋肉質なものもあれば、芳醇さが出やすく、バターなどのこってりした甘やかさのあるものも・・それぞれに有るからです。勿論ですが、モンラッシェに近いバタールの方が高質な場合が多いと感じていますが・・それすら非常に曖昧で、じゃぁ、バタールの下の方のヴィアンヴィニュやクリオはどうなるのか?・・などの整合性も上手く行かず、一概には言い切れない訳ですね。
ラミーの2018年アン・ルミイィは確実に、「緊張感派」です。筋張った筋骨をマンモスな量のミネラリティが肉になっているような感じです。美味しくは飲めますが・・今は結構に硬めのイメージで、少し緩んで来てからの方が楽しいでしょう。
実際、年末からあれこれ飲んでいますので・・時折アン・ルミイィを今でも口にしています。抜栓後放置して1週間経過してもまったくヘコタレず、徐々に膨大なボディと甘美な果実、蜜を出して来ています。こんなワインは是非とも一日一杯・・飲みたいですね~・・。一日置きでも良いでしょうか・・もし早飲みされるのでしたら、そんな飲み方をお薦めしますが、基本的には、
「他の1級や村名、ブルゴーニュを先に飲み、アン・ルミイィは最低3年放置」
が正しい向かい合い方かと思います。
素晴らしい出来になりました!・・こんなワインが万札1枚でゲットできるなんて・・なんて幸せなんだと思っていただけると思います。ご検討くださいませ!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【ワインファンよりワイン屋が欲しがるのは・・何故?・・見事に真ん丸、真球なパレットを描く超一流のシャルドネです!】 どうやら93~94ポイント位を付けているところが多いようです。ただし「1級アン・ルミイィだから」と言う理由が大きな理由だと思えてなりませんが・・。
因みにこの1級アン・ルミイィと1級クロ・ド・ラ・シャテニエールを比較すると、個性が全く異なることは容易に判りますが、現在の状態を鑑みると、クロ・ド・ラ・シャテニエールをより高く評価するのも理解出来ます。ただし、noisy 的には、現段階ではそうでも、数年経過した頃には、
「タイプは異なるが二つのキュヴェはほぼ同ポイントになるはず」
と感じています。
2D的には真ん丸な、3D的には球体だと言わざるを得ない、見事なパレットを描いてくれます。ムルソー・レ・ペリエール的な蜜のニュアンスと、すぐ近くの・・珠玉のシャルドネ・グラン・クリュ達の要素を少しずつ持っているかのようなニュアンスを感じます。
ある時はクリオのように鈍い光を反射する鉱物のようなニュアンスも漏れてきたり、シャリシャリとしたエレガントな石系の感覚を見せるシュヴァリエのようでも有り、短い感覚でそれらを「チラ見」させては、やや閉じこもったかのような態度を取ります。
呆れるほどのポテンシャルを感じました。2016年までのアン・ルミイィとは、各段の差が存在すると確信しています。しかし、現状で物凄い表情を隠そうとさえしないクロ・ド・ラ・シャテニエールの方が、直近で楽しむには向いているのは間違いないでしょう。
素晴らしい1級が、こんなプライスで買えることが・・まだ有るんだと喜びましょう!是非挑戦してみてください。超お勧めです!
● 2022 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【レ・トランブロのオート・デンシテの評価が低め・・と言いますか、いつもと同じなのが判った気がします。ピュリニー村名でグラン・クリュにより近い気品と質を持った、バッキバキの鉱物を感じる怪物です!】
まぁ・・デンシテを飲めていないので想像にはなってしまうんですが、このデンシテでは無いトランブロ・・これはまぁ・・半端無いです。
例えば優れた造り手が造ったバタールとかモンラッシェとか・・と雰囲気が一緒なんですね。そんなワインは当然ながらリリース直後はバッキバキです。
そして5年、10年、15年と年月を経る毎に・・徐々に要素からの表情を得て放出してくれるようになります。
残糖分が多ければ、より早くから美味しく飲めるはずですが、余りに残糖分が出過ぎると・・飲んでいて・・
「甘いよなぁ・・辛口のモンラッシェが残糖感高いって・・何よ?」
みたいなのが飲み手の感覚ですよね。
なので、この・・まったく残糖分が無い・・ほどにミネラリティがギシギシしたピュリニー・トランブロは、1級クロ・デュ・メのような超えたニュアンスも無く、岩盤からのミネラリティと酸の味わいが・・
「今はそれで埋まっている状態」
です。
なので、そんなワインを販売前にテイスティングする訳ですから、メディアも混乱するのでしょう。早く美味しくなった、つまり生育の早い、より弱いポテンシャルのアイテムに高い評価をする可能性が出て来ます。
ロベンバーグはこのデンシテでは無いトランブロに上値で96ポイント付けています。大手メディアはデンシテのトランブロにも93ポイントとか・・です。これってどんな意味なのか、何となく伝わって来ますよね。
早い段階では開けないのが無難です。でも10年経過したら、まさに・・
「モンラッシェやバタールが見せる振る舞いにソックリのもの凄い表情!」
にかなり近い凄いものと出会える可能性が高いです。今は結構にガチガチでは有りますが、それでもほんの僅かな隙間を見つけて入って行くと・・
「いや~・・半端無い・・これ、ピュリニー村名なんだよねぇ・・あり得ない・・」
と思わざるを得ません。
まさに怪物です!・・溶け込むには・・10年はかからないでしょう。でも4~5年無いとソフトにはなって来ないかと思えるほどに、今は締まっています。
緊張感溢れるモンラッシェ。滅多に出会えないと思います。この半端無いミネラルが果実の要素をたんまりと押さえつけ、取り込んで外に向かわせない状態ですが、いずれそれは必ず出て来るでしょう。ぜひ備えてください。お薦めします!
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【これは今飲んでも滅茶美味しい!・・何となく人気薄に感じているピュリニー村名ですが、早めに飲むならアン・ルミイィよりお勧めです!】 濃密さと、ピュリニー的な極楽さ・・しかしそれを否定しようとする「密度の凄み」が交差する、マンモスに美味しいのがこれ・・トランブロです。
レ・トランブロはご存じの通り、超密植のオート・デンシテもリリースしていますんで・・徐々に密植化が進んでいる畑なんですね。なので、その恩恵をそれなりに受けているんじゃないかと思えるほど、
「密度の高さ」
を感じさせてくれます。勿論ですがオート・デンシテほどじゃありませんよ。ほんのりと・・です。でも、ピュリニーの村名ワインを飲み慣れた方なら・・
「・・あれ?・・これ、ピュリニー1級?・・ペリエール・・とか?」
みたいな印象を持たれるかもしれません。・・それでも、この密度の高い感じの味わいは、マッチする対象が見当たらないことに気付くとは思います。
noisy 的にも、93ポイントは確実に付けると思います。そこから加点するのはそこまで多くは無いですが・・1点以内で可能性が有ります・・だって・・
「めっちゃ美味しい・・!」
んですから・・はい。
価格は同じですが、アン・ルミイィと違って飲み始めても良いと思います。落ち着き切ってはいませんが、不安定な要素は非常に少ないです。この年末年始の間に、
「3ケ日を除いて毎日ラミー」
のテイスティングです。ですから、ま~・・キュヴェによる違いがここまで有るかと・・それを覚えて置くのも結構に大変では有るんですね。
リアルワインガイドのテイスティングでも、
「noisyさんは担当ワインは持って帰らないの?」
と聞かれるんですが・・何も問題は無い時はまず持ち帰りません。
「それで良くあれだけ書けるよね」
と言われるんですが・・まぁ・・そこそこは覚えています。
何事も
「結論を出しておく」
「自分の中で一旦整える」
ようにしていまして・・だから何とか・・その対象が目の前に無くても、レヴューが書けるんじゃないかと思います。
それに、その対象が素晴らしいほど、覚えているものなんですね・・だから、もしラミーのこのキュヴェ、トランブロ2019がブラインドで出て来ても、きっと判るんじゃないかと思います。それほどに・・
「ピュリニーをしっかり主張するのに対象の畑が見当たらない・・」
そんなピュリニーは他に無い訳ですから!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗っていませんが・・これ、一体どれほどの密植度なんでしょう・・2017年ものを確実に凌駕する凄い密度です!】 ピュリニーとシャサーニュの境界に存在する「レ・トランブロV.V.」です。モンラッシェから真っすぐ下がって来た辺りです。
このレ・トランブロV.V.には、オート・デンシテ表記のあるものと無いものの両方が存在しますんで、間違えないようにしないと大変なことになってしまう訳です。数も価格も全然違いますから・・。2017年ものまでは、それをそのまんま・・そのように思っていました。オート・デンシテは呆れるほどの密度ですから・・。
しかしながら2018年もののレ・トランブロV.V.を飲んで、少しその思いに変化が生じています。いや、勿論ですが間違う訳には行かないので、気を張って発送作業をいたしますが・・。
何故って・・この「オート・デンシテ表記無し」のレ・トランブロV.V.がですね・・物凄いミネラリティの密度なんですね。エージェントさんのテクニカルでは1万1千本/ヘクタールのままでは有りますが、数年間そのまんま・・ですからね。
レ・トランブロの畑は確実に「超密植化」をしている訳です。部分的に毎年増やしているのは間違い無いと思いますが、
「2017年ものとの、余りの密度の違い」
を受け取ってしまっていますので・・
「・・この素晴らしいミネラル感とピュリニー的果実表現の繊細さを見るなら、オート・デンシテまで・・必要なのか?」
と言うような気持ちが生まれて来たんですね。
だって・・滅茶美味しいじゃないですか・・トランブロ。黄色のハッキリした果実は透明なミネラリティでしっかりコーティングされ、滑らかなテクスチュアで味わいの幅もしっとりと拡がって来ます。
余韻も長く・・このレ・トランブロがピュリニー村名で有るなら、他の生産者のピュリニー村名はどんな立ち位置になるのか?・・いや、ラミー2018年を知らなければ、それまでのヒエラルキー構成を保ったままで良いかもしれませんが、知ってしまった以上、そこには何らかのケリを付けておかなければなりません。
ですので、もう・・これは余り言わないようにしようと思っていたんですが、ケリをつけるためにこのようにします。
「テクニカル上は1万1千本/ヘクタールですが、今はおそらく50%近く増えているはず・・と思えるので、ヴィエイユ・ヴィーニュですし、普通のピュリニー村名とは大きく異なる凄いシャルドネ!格はピュリニー1級並み!」
とさせていただきます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗らないトランブロは・・凄い狙い目!?・・これ、もうただ呆れるほどのミネラリティですが!】 写真からも漂ってくるんじゃないでしょうか。確かにピュリニー的なやや黄色目の濃い色合いをしています。しかし、
「ミネラルって・・見えるの?」
と言いたくなるような色合いですよね~。
まぁ、オート・デンシテのトランブロは、安いとは言ってもそれなりの価格はします。ノン・オート・デンシテのトランブロは価格は三分の一程度です。
でも飲んでみたら・・ビックリですよ。このノン・オート・デンシテのトランブロV.V.が一番、ミネラルの密度が凄いことになっているのが判ります。良い意味で使いたいと思いますが、
「バッキバキ!」
です。
要素由来の表情が漏れてくる速度も一番遅い・・です。
ムルソー村の南隣がピュリニー村ですが、このトランブロはシャサーニュとの村境に有ります。バタール=モンラッシェから東に下がってすぐのところの村名です。なので、ムルソー的な・・と言うか、ムルソーの南端に在るレ・シャルムやレ・ペリエールのような大理石風な厳しいミネラリティとも異なる感じです。
それに・・最近は飲めていないので正確には判断しかねますが、ルフレイヴさんちのバタールのような柔らかさを感じさせるものでも有りません。
まぁ、本当に「クリスタル・コーティング」と言いたくなります。しかも、何度も何度も乾かしては塗りを繰り返してクリスタルそのものになってしまったような感じです。
ノン・オート・デンンシテでこれほどまでになって来たと言うことは、一体オート・デンシテはどうなっちゃってるのか?・・と思わざるを得ません・・にしても、
「・・オート・デンシテじゃなくても・・充分かも?」
と言う気さえ、生まれて来ます。
ただしこのキュヴェに関しましては、他の2017年のラミーのシャルドネと異なり、少しだけでも休ませることがさらなるエルヴァージュ(育てること)に繋がっていることは間違い無さそうですので、気に留めておいてくださいね。
まぁ、もしかしたらオート・デンシテ・クラスの葡萄もそれなりに入っているのかもしれません。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】 え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2022 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【希少なクロ・ド・ラ・シャトニエール!・・寒気がするような凄い斜面にあるクロです・・ぜひGoogle Map でご覧ください。ロベンバーグは上値97ポイント!】
6本しか無いので・・とりあえずテイスティングは避けることにしました。これ、いつも素晴らしいんですよ・・なので、畑の位置や周りの環境も知りたくて調べてあります。
以下にGoogle Map のリンクを貼っていますので、PCの在る方はコピー&ペースト是非ご覧ください。
https://www.google.com/maps/@46.9526277.4.7257272.3a.75y.35.98h.74.18t/data=!3m7!1e1!3m5!1sk2d_9zguH3fc-xb5QsxL1Q!2e0!6shttps:%2F%2Fstreetviewpixels-pa.googleapis.com%2Fv1%2Fthumbnail%3Fcb_client%3Dmaps_sv.tactile%26w%3D900%26h%3D600%26pitch%3D15.824295577495107%26panoid%3Dk2d_9zguH3fc-xb5QsxL1Q%26yaw%3D35.9812024808545!7i16384!8i8192?entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MDMwNC4wIKXMDSoJLDEwMjExNDU1SAFQAw%3D%3D
樹齢も高く、植密度も14000本と密植化の第一段階を終えたところでしょう。ロベンバーグは上値97ポイントと凄い評価を出していますが・・飲んでいないので正確なことは言えないにせよ、
「今までの経験から、noisy もそれに近い評価をするはず」
と思っています。
斜度も在り、ちょっと崩れかけのクロからは「ある種の凄み」を感じます。
1級シャトニエールは1級アン・ルミイィの西隣にある同高度の畑で、煌めき感はアン・ルミイィを凌ぐほどです。味付きの良さ、大柄さはアン・ルミイィかな?・・と思っています。
2022年ものは2021年ものよりもさらに3.5%ほど仕入れが上がりましたが、その分はNoisy wine が吸収してのご案内です。早い者勝ちです。どうぞよろしくお願いします。
以下は以前のレヴューです。
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【たったの700ケース?・・それにしては日本に入ってくる量は滅茶少ない・・アン・ルミイィとタメ、もしくはそれ以上だとnoisyは確認しています。】 -----少なくて飲めませんでした。アン・ルミイィ同様、2~3点低く出ていると思います。
すみませんがお一人様1本限定です。クロ・ド・ラ・シャテニエール...モンラッシェを下に覗き見る標高の高いアン・ルミィ、ダン・デ・シアンよりも僅かに下に存在する・・
「モンラッシェ真裏!」
の畑です。安易に言い放ってしまいましたら・・
「裏モンラッシェ」
です。
ただし、現状でモンラッシェと言えるほどにポテンシャルが有るか?・・と問われれば、
「残念ながらそこまでは無い」
と言うしかない・・でしょう。
しかしながら、この「裏モンラッシェ」と言いたくなる見事な味わいは、真のモンラッシェが見せる姿を・・
「表と裏をひっくり返したような感じ」
なんですね。
まぁ、モンラッシェも造り手により結構にタイプが異なると思います。意外にシンプルに感じられるモンラッシェも飲んだことが有りますし。ですが、緊張感の漲るタイプとこってり濃密なタイプに・・大きく分けて2つに分類されるかと思うんですね。
その緊張感溢れるタイプを表とした場合、一枚の紙に見立てて・・真裏にひっくり返したような感じ・・(^^;;
判らないですよね。まあ・・本当に素晴らしいワインなので・・シュヴァリエのところにドゥモワゼルと言う畑が有りますが、匹敵しないまでもクラスとしては充分太刀打ちできると思われるポテンシャルは有ると感じます。
あら、すみません・・同じようなことをこの下で書いていました。まぁ・・2020年ものは飲めてませんので・・すみません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【・・2019年ものはたったの6本の入荷につき、テイスティングは回避するしか有りませんでした。サン=トーバン1級のトップをアン・ルミイィと分け合う凄いシャルドネです。】 どうやら・・エージェントさんにはたったの1ケース?・・なのかな?・・なので、2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールを手に入れるのは非常に困難かと思います。
物凄かった2018年ものは93点止まりで、noisy も呆れて・・
「はぁ?」
なんて書いてしまっていましたが・・まぁ、誰しもテイスターで有れば自身の評価を下げたくないのでしょう・・
「サン=トーバン1級だから・・」
と言う足枷を外すのは難しいんでしょうね。
ですがこの2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールこそ・・noisy は飲みたかったです。そしてその先をしっかりチェックしたかったかな・・と思っています。ラミーの本拠、サン=トーバンの1級畑のトップです。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ライバルはシュヴァリエ=モンラッシェ?・・これ、めっちゃ凄いです!・・すみません・・お一人様1本でお願いします!】 ユベール・ラミーに関しましてはもう・・各取引先のエージェントの担当さんまで、
「・・ラミー・・・譲っていただけないでしょうか・・ちょっと勉強したいんで・・」
とお声掛けいただくほどでして、黙って聞いているとキリが無いので・・
「・・まぁ・・余ったら・・ね・・」
などと言って右から左に受け流そうとする訳ですが、やはり noisy も若い頃は情報を得ることや経験することに飢えていましたし、理解してくれる人の有難さを知っていますので、まぁ・・その分だけは何とか残そうと思っています。ただし、ラミーを供給してくれているオルヴォーの担当さんにまで・・
「・・分けて下さいよ~・・あのキュヴェ、今までずっと飲めてないんですよ~・・」
とせがまれてますんで・・何だかな~・・世の中、変だよなぁ・・と世の無常を感じざるを得ません。
で、クロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018ですが・・シュヴァリエ並みです。「・・きゃ~・・!」です。2017年ものもめっちゃ美味しかったですが・・そこさえ超越しちゃってます。誰が何と言おうと呆れるほどに素晴らしいです。
「海外メディアが93点?・・92点?」
「はぁ?」
です。呆れて物が言えません。
まぁ、クロ・ド・ラ・シャトニエールのV.V.表記無しのキュヴェもリリースしていて、その評価の可能性も無きにしも有らずなので、幻滅したくないので・・そう願いたいですね。なのでティム・アトキン氏とヴィノスの評価は見当違いのようなので掲載しません。
このクロ・ド・ラ・シャトニエールは、アン・ルミイィの北西下部に有り、これも一般的な評価の高い1級畑ですが、所有者が少ないので余り知られてはいません。寿命でアン・ルミイィには及ばず、多彩な表情と若いうちから飲める点でアン・ルミイィを凌ぎます。
そして相対的なバランスの良さはサン=トーバン1級の中でも随一かと思われ、今飲んでも滅茶美味しい!・・最低でも95点は確実です。シャリシャリとした石灰感に果実の繊細な表情が差し込みます。外向的で有り、ミネラリティも半端無い・・これで1級畑だとは恐れ入るしかない・・そう思わせてくれるはずです。
このワイン・・もっと欲しいです・・飲めた方は幸せです!是非飲んでみて下さい!お早めにどうぞ・・あ、
お一人様1本限定です。 P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【凄いです!・・こんなの飲んだら・・他のワインが飛んじゃいます!】 絶品でした~!・・有り得ないです。まぁ、ほとんどのメディアが93ポイントまでしか付けませんが、デカンターのティム・アトキン氏だけは94ポイントでした。
アン・ルミイィとの差は、ポテンシャル的には無いでしょう。でも、余り語り過ぎてもシツコイと思われるかもしれないので、このコラムではこんな経験だけを書かせていただきます。
実際のテイスティングは、この1級クロ・ド・ラ・シャテニエールと1級クロ・デュ・メが一緒でしたので、まずはクロ・デュ・メを先にいただいた訳です。
いつもよりもミネラリティが物凄く、確実にジャンプ・アップしたクロ・デュメの、太くどっしりと構えた構造からの全域への豊かな味わいに、全ての味蕾や鼻の粘膜細胞までが満たされた感覚でした。
そして次にクロ・ド・ラ・シャテニエールを注ぎ・・そのグラスへ鼻を近づけると・・思わず、「うわっ!」と声が出ました。クロ・デュ・メの要素で満たされた感覚のところへ、クロ・ド・ラ・シャテニエールを一口すすると・・クロ・ド・ラ・シャテニエールはそれまでのクロ・デュ・メの残像を左右に押し分けて入って来て、全ての感覚器官をクロ・ド・ラ・シャテニエールの表情で上書きしてしまいました。
超高域まで、どこまで行ってしまうのか?と心配になるほどの縦構造で、完全に人間の感覚を超えるほどの要素の振る舞いでした。呆気に取られてしまう・・凄いシャルドネです。
申し訳ございませんが、数が無いので、こちらはお一人様1本とさせていただきます。是非ご検討くださいませ!。
● 2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【久々に開けてしまいました!・・半端無い気品あるミネラリティに背筋がぞぞっと・・凄いワインです!】
透明感が非常に高い・・硬質なミネラリティをバッチリ持っていて、クリスタルとか、ガラスとか・・そんな硬質で透明なニュアンスをバリバリ感じます。
その中から、ピュリニーのレ・トランブロにかなり近い感覚の、バッキバキに硬い感覚が有りますが、もとより果実感がほんのりと載っていて・・美味しくは飲めてしまう可能性が有るんですね。
ですが・・それはマヤカシです。まだ・・
「何にも外に放出していない」
に近い状態です。
それでも美味しさを持って迎えられてしまう・・と言うのは、それなりに仕上がったこと、そして良い出来だったことを彷彿させます。クロ・ド・ラ・シャトニエールもそうだったようですが、
「霜に相当やられた」
とのことで、高い植密度に加えて、イールドも非常に低かったと言うのが有るかもしれません。
なので、葡萄が危機を覚え、必死に子孫を残そうとした・・その残渣なのかもしれないと思いました。
冷ややかな柑橘果実がほんのりと感じられます。透明な、そしてやや白い、やや銀色な鉱物のアロマが混じります。中域は・・締まってはいますが硬くてどうしようもないほどでは無く、
「余韻が非常に美しく、長~~~~~く、甘やかそうなニュアンスを持ったビター感とともに良い印象を感じさせる」
んですね。
まぁ・・めちゃ美味しいんですが、まだまだこれからでしょう。この畑は実は、
「ル・モンラッシェがすぐそこ」
です。
1級レ・ショーメの東がレ・ヴェルジェ、その東がこのレ・マシュレルとレ・シュヌヴォットで、北に非常に小さなブランショ・デュ・ドゥスユを挟んでル・モンラッシェなんですね。
ル・モンラッシェほどの希少な鉱物感までは無いんですが、緊張感のある見事な味わいです。ぜひトライしてみてください。非常に希少です。
以下は以前のレヴューです。
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【非常に少ないレ・マシュレルです。】-----入荷が少な過ぎて飲めませんでした。冴えない評価は無視しましょう・・(T.T どうやら100ケース、生産できれば上出来との・・ことです。なので入荷数も少ない訳ですね。Noisy wine には例年6本だけ。2020年ものも同様でした。
アドヴォケイトは92ポイントと冴えない評価です。どうも以前の評点をそのまま踏襲しているような評価ばかりで面白くないです。noisy 的には今までとは劇的に違う・・と感じた2020年ですが、アドヴォケイト的にはそうは感じなかったということなのでしょうか。
細い糸と撚り合わせたような、程よい緊張感、金属感のあるミネラリティ、そこに白っぽい石灰と細かく透明な石、黄色いフルーツ・・そんなイメージを持っています。シャサーニュ1級レ・ヴェルジェの上部がレ・ショーメ、下部がこのレ・マシュレルです。価格的にも中間的ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【たったの6本・・の入荷です。】 すみません・・これは飲むのを回避してしまいました。2019年のユベール・ラミーはキュヴェにより結構に少ないものが散見されまして、この1級のマシュレルもその一つです。
ですが・・この2~3年の間に大きく成長しているキュヴェですので・・きっと密植化を順調に伸ばしているはずでして、その影響こそがその成長の結果だと考えています。
ただし、1級クラスは軒並み・・
「まだ落ち着いていない」
と判断していますので、少なくともこの春、温かくなってくるまでは開けないようにされた方が無難かと思います。
また海外メディアの評価も探したんですが、ジャスパー・モリス氏の93ポイントしか見当たりませんでした。少なくて飲めないメディアも有ったのでしょうか・・それともそれを掲載しているショップさんに割り当てが行っていないので、noisy が見つけられないのかもしれません。
いずれにしましても、希少なシャサーニュ1級です。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・繊細かつ気品ある素晴らしい表情・・滅茶細やかなミネラリティ、石、煙、果実・・ぞっこんです!】 いや~・・素晴らしい・・ちょっと別格ですね・・。
2017年ものは「飲みやすさ」にまで言及してますからそんな側面も有ったはずです。
しかし・・2018年ものは半端無いです!膨大なミネラリティに隠れてしまうはずの非常に繊細で美しい表情が、アロマにも、味わいにも表れて来ています。
そしてその表情の素晴らしさにグラスを放置して放心してしまう・・そんなことが起きかねないほどにポテンシャルの高い味わいを見せてくれます。
マシュレルは、かの「レ・ヴェルジェ」の下部にある1級畑ですが、多くのレ・ヴェルジェは単純だ・・とさえ思いこんでしまうそうになりますので・・ちょっと危険でさえありますよ。
実際、テイスティングの残りを店に持って来ていたので、数人の方(車じゃない方・・ですよ)にテイスティングしていただきましたが、いや~・・面白かったですね~・・みんな、黙りこくっちゃったんですよね・・。なので、何か話しかけようと・・
「んと・・これ、約1週間、テーブルの上に放置してたのを持ってきたのね・・」
などと言ってしまったら・・さらに黙ってしまって・・
「・・あ、ごめん、まだこのキュヴェは販売できないんだけど・・」
なんて・・ね。
なので、早めに入れていたA.C.ブルのシャタイネールをお持ち帰りいただきました。
そして同じく1級のレ・ショーメも凄いですが、レ・ショーメは豊満なスタイルで、こちらは繊細・・いや、面白いですよ。それに密植度もだいぶ進んでいると思います。あ、メディア評価は無視してください。最大95+ポイントまでは有ります。是非飲んでみて下さい。凄い旨いです!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!!アドヴォケイトは90~92pointsだそうですが・・そんなもんじゃ無いでしょう!】 ようやっと飲むことができたレ・マシュレルです。2016年はリリースさえ無かったはずです。
この畑はシャサーニュの北側、1級レ・ヴェルジェの東に接しています。勿論、ル・モンラッシェも近いですよ。
アドヴォケイトは「最も飲みやすい2017年のラミーのキュヴェ」と評価し、90~92ポイント付けています。外れですね。最も飲みやすいかどうかは人に寄るので判らないとしても、一見ではとても計り知れないポテンシャルを持っていると感じます。
実はこのコラム、一回書き上げたんですが・・Windows のエラーでおじゃん になってしまいました。なので、かなり凹んでいます。
ですので、文字そのものは少なくなってしまったんですが、
「相当凄い!」
のは間違いないです。
「2017年のラミーの中で最も飲みやすいキュヴェ」って・・もっとポテンシャルに言及しないとディスっているだけのように見えちゃいますから・・決してそう言うことでは無いと思ってくださいね。素晴らしい、シャサーニュ1級です!・・長くも持ちますよ。物凄い、理解を超えたようなミネラリティが有ります。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】 少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
● 2022 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【物凄く少ないです・・以前の情報が更新されておらず、密植度がどれほどになったか不明だとしても、相当凄いことになっているのは想像できます!】---少なくて飲めないので以前のレヴューを掲載しています。
この超密植2万本台のレ・ショーメだけは、アドヴォケイトは2020年と同様の評点を付けています・・が、飲み頃をですね・・微妙に短くしているんですね・・。
そんなところにウィリアム・ケリーさんが2021年のラミーのワインをどのように評価したか..が表れていると思っています。
つまり、2020年の方が2021年よりも長く持つ・・としているんですね。
noisy は、その意見には同意できません。何故か・・と言いますと、このレ・ショーメはラミーが今、一番リキを入れてオート・デンシテ化を図ろうとしているキュヴェです。なので、・・毎年のように、樹々の間、間に苗を植えています。その影響が出るのには数年掛かるでしょう・・もちろん、間に植えた苗からも葡萄は出来ますが、その葡萄は別にするはずです。
影響とは、地表近くに値が張らず、地下深くに入って行くこと・・ですから、若木を使用しなければ、最大限の恩恵を受けた葡萄でオート・デンシテを造れる訳です。
なので、その辺りは「同じポイントで評価してるよ」と言われるのかもしれませんが・・やはり同意できません。ぜひお確かめいただけますと幸いです。
「オート・デンシテを名乗っていないキュヴェのトップです!」
どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテの名乗りの直前?】 すみません・・数が無いので・・。
アドヴォケイトは昨日評価が上がったようで、2019年ものと同様、94ポイントと出ていました。2019年物で上値95ポイントのジャスパー・モリスさんは、ラミーの2020年ものはどうやら飲めなかったのかな?・・上がっていないようで判りません。
オート・デンシテ化はそう簡単では無いはずですが、多く植えさえすれば・・ある程度の結果は出てくるはずです。勿論、その植えたばかり・・若い樹の葡萄を使わないことが前提です。
ですからこの1級レ・ショーメ、オート・デンシテを名乗る前に、「プッ」と評価が上がる可能性が有るんじゃないかと・・ちゃんと評価できていれば・・ですが、もしそうなったら相当お買い得なワインなのでしょう。何せ、
「良い結果が出ると判った今でも他には誰も手を出さない超密植化」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ついに・・来ました!95点超え!】 他のメディアの評価は何故か見つけることが出来ませんでしたが、ジャスパー・モリスさんの評価だけ見当たりました。
2018年まで94ポイント止まり・・それがようやく95ポイントと、新たな領域へと入って来ました。
いずれこのキュヴェはオート・デンシテを名乗るようになるはずですから、毎年のようにこのキュヴェを楽しみにしていらっしゃることと思います。実際非常に・・そのような方は多いです。
ですが・・2019年ものはたったの・・
「12本だけ」
の入荷でした。しかも・・
「1本テイスティングしてしまった」
ので、11本しかありません。なので申し訳ありませんが、
「お一人様1本限定」
とさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、このレ・ショーメもサン=トーバン1級アン・ルミイィと同様に・・
「まだ完全には落ち着いていない」
のと、
「自然派的なアプローチが透けて見える」
部分が有ります。
ですので、出来ましたら少なくとも暖かくなるまでは手を出さない方が良いです。それに、
「2018年までのこのキュヴェを飲まれた方ならなおさら!」
だと感じます。
柔らかさを含んだ見事な味わいですが、2018年までのゴリゴリと押し寄せるラミー感は薄らいでいます。なので・・落ち着くまで待ってくださいね!・・この辺の意味がお判りになられる方向きの素晴らしい1級です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!・・さすがプティ・オート・デンシテ2万本/ヘクタール!・・しかもバランスも素晴らしい・・圧巻です!】 もう、このキュヴェを狙っていらっしゃる方は多いと思いますので、多くを言わなくても良いかと。味わいはもう、通常のシャサーニュ1級では有り得ませんし、しかも、
「常にこっちを向いてくれている」
かのような包容力も持ち合わせています。
それでもやはり2018年ものは2017年ものを凌駕しています。まさに「圧巻」です。海外メディアの評価が94ポイント止まりなのが全く解せません。このところ調子の良かったティム・アトキン氏も92ポイントで、これも却下です。
やはり美味しいものは「さっさと無くなる」のが常でして、勿論店頭でもそうですし、家庭内でも・・そうなんですね。なので、
「減りが早い」
のが残念なところで、1週間くらい、お付き合いしたいなぁ・・と思っていても、超絶にバランスが良いので、ついつい飲んでしまうんですよね。
しかしそんな状況でも、情報量の多さと豊かさの中にある繊細さにクラクラさせられてしまう訳です。
価格は異なりますが、1級のマシュレルとは、同じく1級畑のレ・ヴェルジェを挟んで西側上部にある畑です。通常は上部の方が繊細な性質になりますが、モンラッシェの南側すそ野辺りは微妙に異なるようです。
ですので、「豊かなレ・ショーメ」と「超繊細なレ・マシュレル」と言う比較も楽しいかと思いますよ。・・いや、相当簡単に言っちゃってますが、物凄くレベルの高いワインです。ご検討いただけましたら幸いです。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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いや~・・1月23日(木)の新着を楽しみにされていらした方には本当に申し訳ありませんでした。急なサーバートラブルに巻き込まれまして、
「新着記事を書いている場合じゃない!」
と言うような状況になっておりました。現在は復旧しています。まぁ、新着が出るだろうと待ち構えていらしても、サーバーが不安定だったと思うんですね。大変なご迷惑をお掛けしました。こちらももう・・気が気じゃ無かったですが・・。こんな時に備えて色々と手は打ってあるにせよ、その手を打てる状態でも無いとなると、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。
葡萄造りもきっと似たようなことが起きるでしょう。やはり経験がものを言う世界でも有りますから、先達たちの教えも重要です。かといって、自身で考える、感じる、想像してトライすると言ったことを止めてしまうようなアクションを与えるのは、また出過ぎたことになってしまいます。
今や誰も行っていない、三万本の超密植キュヴェをリリースするラミー家ですが、25~35cm 間隔で樹が植わっているとなると・・これはもう、想像を絶する世界です。元々は90 ~ 100cm 位の間隔で植わっているその間に、2本ほどの樹を植えるとしても、表土に張った根を処理することを考えると途方もない作業であるし、またその樹が充分に育つまでの長い時間を考えると、
「・・やってられないよ~・・」
と言うことになるのが普通です。もしくはすべての樹を一度抜いて、等間隔で植えなおすなんて・・考えただけで頭がおかしくなりそうです。
この1級レ・ショーメですが、オート・デンシテを名乗らないキュヴェの中ではトップ・キュヴェの一つです。
以前に2万本/hと言うアナウンスが有りましたが、おそらくもう・・その情報は古いでしょう。口に含むと・・
「物凄い密度からの解放圧力!」 に圧倒されてしまいますよ。
透明感の凄いミネラリティは、おそらく何層かに分かれているようにも感じられます。・・え~・・「玉ねぎ状態」でしょうか。
その一番外側の層に、僅かな亀裂みたいなものを生むのが「時」です。気品みたいなものが漏れて来ます。
次いで・・柑橘果実です。ドライなのに甘い・・(^^;;ネットリなのに・・スッキリです。その余韻がまた・・何とも素晴らしく長いんですね。
やはりこのように素晴らしいシャルドネには、濃い味わいのお料理もこなせてしまうポテンシャルが有るとしても、決して素材の持ち味を調味料で埋めつくさない程度の味付けでいただくのが良いと感じさせられました。
やはりこのレ・ショーメに感動した!・・とおっしゃるお客様は多いですね。意外にも若くても飲めてしまうんですよね。・・いや、勿論ですが、運悪く硬いバイオリズムの時も有るでしょう。それでも「玉ねぎ」ですから・・。一枚剥きさえすれば何とかなる部分も有るかと思います。
この素晴らしい2017年レ・ショーメは、記念すべきワインになっている可能性は大です。アドヴォケイトは90~92のようです・・思わず笑っちゃいました。やっつけ仕事はワイン屋だけじゃなかった・・メディアも同じですね。是非ともこのワイン、飲んで見てください。お宝だと思います!滅茶苦茶安いと思います!・・勿論ですが、今は「少しずつ表情を見せてくれる」に留まりますが、
「密度が生んだ迫力から漂う気品!」
で美味しくいただけるはずです。
● 2022 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【ほんの少しだけ値上げさせていただきましたが、何とか去年の2021年の価格にかなり近いものに仕上がりました。評価がクリオ=バタールにもっとも近いです!97ポイント!】
【アドヴォケイトもドメーヌのトップ2に認めた2021年!・・おそらく2ポイントほどは上げて考えてみるべきでしょう!】 あくまで noisy 的な感覚ですが、2021年のユベール・ラミー...
「半端無い、凄い出来!」
です。
長く見続けて来ているので・・自信はあります。ですがその証拠となるものが・・無い・・(^^;; 目の前に品物はあるのに開ける訳には行かない・・痛し痒しです。
noisy だって、
「ラミーはいつか、偉大なる生産者として認められるはずだ」
と思って・・長年、苦労もして来ました。少し高くなったなぁ・・と思えば粗利を下げたり、まったく数も無いのに総体の出来をチェックするために、無理してテイスティングも行ってきました。
その甲斐在って、今やブルゴーニュのトップ・ドメーヌに躍り出たんですね~・・パチパチパチ・・でも、未だに苦労は続いています・・もう、大変です。何も考えずに何も手を出さずに・・ただ定価でさらっと並べるだけで出したい・・などとも考えてしまいます。
でも、それじゃ自分自身、何も面白くないし、業界の現状に一言申す事さえもできない・・試食さえしないレストランにあなたは行けるか?・・と自問自答の末、今のスタイルになっています。
ですがすみません・・この希少なるサン=トーバン1級デリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテ..飲めませんでした。期待を込めて、
「97ポイントまではあるんじゃないか?」
と・・2021年もののユベール・ラミーを開けたスキルで考えています。ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ随一のドメーヌの2番目のワイン・・です・・(^^;;】 「・・えっ?・・オート・デンシテ2020、・・開けちゃったの~~?」
みたいな悲鳴が聞こえて来そうですが・・安心してください・・穿いて・・いや、2020年ものではなくて2017年ものの写真です。実は以前にも掲載していますが、お客さんが間違えて普通の「デリエール・シェ・エドゥワール」のつもりでその「オート・デンシテ」を開けてしまった時にいただいたものです。
まぁ・・間違えて開けてしまった時は物凄いショックだと思いますが、すでに・・か、すぐに・・で口内に入れていた訳ですからね・・幸せな時間が訪れていたことでしょう。
noisy が扱わせていただいた最初の頃は、まだまだリーズナブルでした。1万円くらいだったんじゃないかと思います。そこから言いましたら随分と値上がりした訳ですが、こうも言えると思うんですね。
「もはやその頃のユベール・ラミーのワインとは、出来には雲泥の差が有る」
と。
偉そうに言ってしまえば・・、こうなるだろうと思って・・いや、そう期待して、頑張って販売させていただいていた訳です。そう思わせる「何か」を感じさせる造り手さんだったわけです。
しかし実際にそうなってしまいますと・・ね。
「・・黙っててくれればよかったのに!」
「・・そんなに評価、高くしないでよ!」
と言うようなね・・ちょっとやっかみ半分・・もあるかもしれません。
でも、ここは素直に、オリヴィエの半端無い努力と、その想像力をほめてあげたいと思うんですね。
もう・・アン・ルミイィで・・おそらく皆さんもnoisy と同様に・・
「たまげた~・・!」
と思っていただけるはずです。
それにいつもは飲めているはずの、レ・ショーメやクロ・ド・ラ・シャテニエールも2020年ものはテイスティングしていません。
ですが・・実は・・こうも言えるんです。
「わざわざ開けて数を減らす必要はない。だってもう・・見切れたから!」
素晴らしいのは間違い無いと確信を持てた訳です。マンモスなミネラリティとピュアさ、そこにナチュラルさが入り、今までの「ごり押し中心」の味わいでは無い・・何とも心地良い柔らかさを持った2020年のデリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテです。
すぐにも開けたい気持ちは判りますが、アドヴォケイトも書いているように・・
「2030年から・・」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】--以前のレヴューです。 希少過ぎてnoisy も中々飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2022 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【余りに少ないので、2022年ものは村名のピュリニー・レ・トランブロのコラムをご覧くださいませ。価格はかなりリーズナブルです!】
【ユベール・ラミーのトップ3の一角、レ・トランブロの超密植キュヴェです!】 未だアドヴォケイトしか評価が見当たらないので困っています・・そうは開けられないですからね。ワイン屋だとしても1本とか2本とか・・と言われてしまうとどうにもなりません。最低でも12本無いと飲めない訳です。
しかも、ラミーのように近年になってグイグイ延して来たドメーヌのワインは、毎年減っていますし、当然価格も劇的な上昇をしますから、
「どうにもならないので粗利率を下げて対処」
するしかないんですね・・。
なので、Noisy wine は以前よりも粗利率を下げてご紹介していますし、販売条件も緩和している場合が多いんですね。
超密植のキュヴェで、今や食密度は・・
「3万本/ヘクタール」
に届かんとしていると思います。ご予算が許すようでしたらご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【デリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテより低い評価にしたいのは・・判りますが・・(^^】 造り手の意思・・は様々な形で伝わって来ます。ワインを飲んでも・・その色を見てもです。でもそんなことだけでは無くて・・例えば・・
「価格設定」
それひとつ取っても造り手の意思は感じられるんですね。
この、古木中心とは言えピュリニーの村名に過ぎない畑の超密植のキュヴェを、サン=トーバンの1級畑であるデリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテの上の評価にはしたくない・・そんな評価者たちの無意識の行為に対し、造り手としての意地・・と言いますか、ささやかな抵抗・・でしょうか、
「この2つのオート・デンシテは私にとって、全くの同格である!」
と言うオリヴィエの意思なのでしょう。
ブルゴーニュに詳しければ詳しいほど、ガチガチに固められている自身のイメージが有ると思います。それは noisy にしても同じことです。ましてやマスター・オブ・ワインなどの資格を取得しているメディアの評価者ともなれば余計だと・・推測できます。
2019年もののクリオ=バタール=モンラッシェに対し、当初上値で99ポイントとしていたアドヴォケイトは、後に100ポイントに修正の上、白ワインでただ1本、2019年を代表するブルゴーニュワインに選出しました。
「お~・・アドヴォケイトもオツなこと・・できるんだ~・・」
と、思ったものです(思いっきり上からですみません)。自身の過ちを修整できるのは素晴らしいことです。まぁ・・朝令暮改・・とも言いますが・・
ですが2020年ものも同様にクリオに100ポイントを献上したのには・・驚きました。なぜか・・と言いますと、
「2020年もののユベール・ラミーには、海外メディアはポイント下げで対応するんじゃないか?」
と想像していたからです。
それは以前にも申し上げました通り、判る人にはすぐ判る、判らない人には全く判らない・・ですから、
「あれ?ラミー..2020年ものは2019年と比較したら大したこと、無いんじゃないか?」
と思われがちだと思っていたからですね。
自身の決めた道をどこまでも真っすぐ歩いて行く。振り返りもするが留まらない。そんな姿勢にはラミーの自然派由来の手法も当然のように進歩していると考えるべきだと思っています。
このピュリニーのトランブロですが村名畑で、しかもそれなりに下部に位置していますから、
「知っている人は・・評価を下げがち」
です。
でもオリヴィエの意思を感じるのであれば、本当にそれが正しいのか?・・とポテンシャルを拾いに行って判断するべきかな・・と思います。ブルゴーニュ界の革命児、誰もやったことが無いことを平気でやり遂げているオリヴィエ・ラミーです。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
-----
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】---以前のレヴューです。 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2022 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【D.R.C.もコント・ラフォンも置き去り?・・凄い評価を連発していますが、価格も凄いことに・・でも何とか踏みとどまった価格でご案内しています。これ以下は・・無理!】
史上最高のシャルドネと言って過言では無い、2022年のドメーヌ・ユベール・ラミーのクリオ=バタール=モンラッシェです。
2019年、2020年と連発でアドヴォケイト満点を獲得、昨年の2021年は惜しくも逃し97ポイント止まりでしたが、2022年はそこから積み増し、98+ ポイントとしています。
まぁ・・アドヴォケイトだけがメディアでは有りませんから、テイスターが変われば評価も変わるでしょうが、やはり長年メディア界でトップを独走していたアドヴォケイトですから、その影響は未だに多大です。因みにnoisyも四半世紀前までは「紙バージョン」のアドヴォケイトをアメリカから取り寄せていました。
このほどの評価変遷ですが、2022年のD.R.C.モンラッシェのアドヴォケイトの評価がまだ見当たりませんが、昨今はこんな感じです。
2017年 ラミー 96-98ポイント D.R.C. 99ポイント
2018年 ラミー 96-98ポイント D.R.C. ----
2019年 ラミー 100ポイント D.R.C. 96ポイント
2020年 ラミー 100ポイント D.R.C.100ポイント
2021年 ラミー 97ポイント D.R.C. 97ポイント
2022年 ラミー 98+ポイント D.R.C. ----
条件としてはより厳しいレ・クリオですが、D.R.C.が上回ったのは2017年だけ・・ですね。高くなるのも仕方が無いかと思いました。
なお、価格ですが、仕入れは昨年の価格を10%ほど上回っています。ですが、流石にここまで来ますと厳しいですから、何とかNoisy wine のお客様にご購入していただきたいと・・
「2022年のユベール・ラミーは購入しやすさを思いっきり考慮した価格!」
にさせていただきましたので、このクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテも昨年の価格から3.4%だけ上げさせていただいたものにさせていただきました。
「10%上がったのに3.4%上げ?・・のこり6.6%ほどは・・どこ行っちゃったの?」
と言うことになりますので、非常に悲しいですが・・何とかこの政治も行政も通貨も異常な事態を皆さんと一緒に乗り越えたいと。頑張って価格を出させていた来ました。
アドヴォケイトも最後に、「セラーの王様ですが、このシリーズの中で最も控えめなワインでもあり、すべての魅力を発揮するには本当に時間が必要です」と言っているように、決して早飲みは厳禁・・もしさっさと開けたいようでしたら最低でも数日間は向き合うつもりで開けてください。どうぞよろしくお願いします。
以下は以前のレヴューです。
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【3年連続満点は達成できませんでした・・がアドヴォケイトは、「このヴィンテージで最も印象的なワインの 1 つを生み出した!」としていますので・・もしかして??】 こんなに高価なシャルドネを、そう易々とは購入決断とは行かないかもしれませんね。それに、
「3年連続100点満点」
を逃した形になっていますし・・。
ですが、良~~く思い出してみますとどうだったでしょうか?
そもそもアドヴォケイト100点のファーストヴィンテージ、2019年ものは・・
「当初は97ポイントの評価」
だったんです。
それをいつの間にか修正し100ポイントに、そして、
「2019年を代表するトップブルゴーニュワイン」
としたんですね。
ですので、アドヴォケイトも・・
「2021年ヴィンテージで最も印象的なワインの一つを生み出した」
と言ってますから、2019年もののように、
「2021年を代表するブルゴーニュワイン」
に選出し、評価を変えるかもしれません・・まぁ・・飲めないのであくまで期待しているだけではあります。
結局ですね・・ラミーの超密植のワインを、どのように捉えているか?・・だと思います。noisy 的には、ある程度長く飲み続けて来ていますから、それなりの「感覚」が養われているような気になっています。ですが、メディアになりますと・・そこまではなぁ・・と。
ですので、そこは自分で確かめるしかない・・でも先立つものが・・と、非常に悩ましいことになるかと思います。でも、おそらく・・世界中でも最安値じゃないかと思います。どうぞご検討よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネ史上初??・・2年連続アドヴォケイトで100ポイント達成!・・名実共にブルゴーニュ白最高のドメーヌに!】 1年だけなら「・・フロックでしょ?」と・・言われても仕方が無いのかもしれませんが、なんと2年連続での満点達成とは・・noisy も偉い・・驚きました。しかもこのコラムを書いている2月1日になって、
「ユベール・ラミーのクリオ=バタール=モンラッシェ2020、アドヴォケイト100点!」
のニュースが飛び込んで来たんですね。まずはオリヴィエにおめでとうと・・拍手をお送りしたいと思います。
まぁ、Noisy wine のお客様なら、ユベール・ラミーならフロックのはずなど有る訳が無いと・・お判りいただけるはずです。2020年もののクリオ=バタール=モンラッシェを購入する意思が有ろうと無かろうと、
「ラミーのワインは滅茶旨い!」
と身に染みていらっしゃるに違いないから・・です。
それにしましてもこの2020年もののユベール・ラミー・・noisy としましては、本当に悩みに悩んでいました。数は無いのに価格は暴騰・・そりゃぁ仕方が無いかもしれません・・ブルゴーニュのトップに躍り出てしまった訳ですから・・。そして、noisy も思い知らされました。
「・・未だにアドヴォケイトの評価は神通力を失った訳じゃ無かった」
と。
そして noisy を悩ませたのは価格だけでは有りません。前回お伝えした通り、
「以前からわずかに感じていたものの、ラミーのナチュール化も同時進行している!ラミーは全く留まらない!」
と言う、noisy 的な確信を2020年もののラミーのテイスティングで得たことで、
「・・その裏打ちとなる証拠が欲しい」
と言うような気持ちが生まれた訳ですね。
そりゃぁ・・誰よりも自身のテイスティングには自信を持っていますから・・すみません・・量の話じゃなくて・・(^^;; ですが、
「誰もそんなことを言い出さない!」
ことに対しての苛立ちも有る訳です。海外メディアの情報を散々探し回っても、そんなことは誰も書いちゃいないんですね。
ですが元より、ラミーはリュット・レゾネ(減農薬栽培)で有機栽培です。ルロワの栽培を毎日目の当たりにし、最高のシャルドネを目指すにはどうしたら良いのかと・・常日頃から考え、実践して来た訳ですから、
「ラミーのナチュールへの回帰は自然な流れである!」
のは間違い無いはずです。
ですので、今回の新着ではそのことを主体に書くつもりだったんですね。ところが・・この2月の1日になって、2020年クリオ=バタール=モンラッシェの満点が判ったことで、
「予定変更・・」
となった訳です。
ですが諸手を上げての万歳では有りません。アドヴォケイトからの満点取得は喜ばしい・・以前から言っているように、
「98点も99点も100点も・・変わらん!」
訳でして、でもキッチリと100点を得たことは嬉しい・・ですが、
「クリオ=バタール=モンラッシェ以外のワインの評点がちょっと渋い!」
んですね。言ってしまえば、例えば物凄い仕上がりのアン・ルミイィですよ。たったの・・95ポイントです・・ん?・・A.C.ブルのシャタイネールに至っては89ポイントです。
「・・有り得ない!」
と言っておきたいと思います。少なくとも1.5ポイント、個人的には2ポイントは低いと申し上げておきます。
なんでそうなってしまうか・・と言いますと、前述の「ナチュール」を思わせる印象の僅かな存在と、2019年までのラミーのスタイルとの乖離を感覚的に得たためじゃないかとnoisyは推測しているんです。
ですがそれは時と共に変化し、あと3カ月もしますと、2019年ものまでのラミーのスタイルとほぼほぼ変わらない状況になってくるはずです。ただし、先調子(口入れ直後のインパクト)が後調子(中盤から余韻)に変わっているのは間違い無いでしょう。
つまり仕上がり切っていないがために確証が持てず、ポイントを上げ辛かった・・と言うことだと思うんですね。まぁ、どこを見てそう思われたのか判りませんがアドヴォケイトのケリーさんも、各ワインの評価のアチコチで、
「さっさと飲まない方が良い」
とはおっしゃっていますが・・。
で、この有り余るポテンシャルを見せるクリオ=バタール=モンラッシェは、その部分さえマスキングしてしまうような物凄いワインだと言うことです。
また、noisy の場合はこの2023年の1月を中心のテイスティングですし、瞬間を切り取るだけでなく、実際に時間を掛けての評価をしていますから、バレルテイスティングで超短い時間でのメディアの判断とは、根本的に異なる訳です。
ですので、
「2020年のユベール・ラミーのワインは過去最高の仕上がりであり、その歩みを全く緩めないオリヴィエ・ラミーの姿を想起させる!」
と申し上げたいと思います。もし懐が許すようでしたら、
「この世紀の大シャルドネをご検討ください・・」
どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ついにアドヴォケイトも上値99ポイント!・・と言うことは・・これを上回るシャルドネはもはや存在するのかしないのか?・・と言うレベルの評価です。】 現在は以前のように決してアドヴォケイトの評価が支配しているような状況ではありませんが、それでもアドヴォケイトの評価が高いと価格が上がり、人気も爆上がりすることには余り変わらないように思います。
2010年頃、もしくはそれ以前のユベール・ラミーのワインしか知らない人にとっては、
「ユベール・ラミー・・・?硬くて酸っぱいワインだったよね・・」
位の印象しか持たれていないでしょう。
そんな方には2019年のラミーのA.C.ブル、シャタイネールを味見していただけましたら・・
「・・クリオ=バタール!・・飲んでみたい!」
と、コロッと心象を変化させてしまうのは・・noisy には判り切ったことです。
ただし・・評価としましてはここまで来てしまうと、価格も爆上がりしてしまいますから、
「・・たった10年もしないうちに本当に飲めないワインになってしまった・・」
のには変わりありません。
この辺りのワインを購入出来、飲める方は多くは無いと思いますが、シャルドネの最高峰の一つであるD.R.C.の2018年モンラッシェを、ジャスパー・モリス氏は94~97ポイントとしていますので、彼の中では、
「D.R.C.の2018モンラッシェよりラミーの2019年のクリオ=バタールの方が上。」
と言うことになっちゃいますね。
もっともD.R.C.2019年モンラッシェはリリース前ですので、下値96ポイント以上、上値100ポイント以上・・??を付けない限りクリオ=バタールをうっちゃることが出来ないと言う状況です・・が、きっとD.R.Cは満点・・行くんじゃないかとも思っています。
この辺の争い?・・も面白いですが、このレベルになってきますと本当に好みの世界だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイト上値98ポイントも、ついに10万円オーバーになってしまいました・・】 以前は数万円で購入できたクリオ=バタール・オート・デンシテですが、2018年ものはアドヴォケイト98ポイント、上代14万円になってしまいました。・・厳しいなぁ・・
なので、本来はもっと高く付けたいんですが、もうギリギリまで粘って・・こんなプライスです。開けて飲んで経費使って・・厳しいなぁ・・ホント、辛いところです。
あれだけ卓越した評価をしていたティム・アトキン氏ですが、なんでしょうね・・noisy がテイスティング出来たクラスですら、
「・・ん?・・マジすか?・・どうしちゃったの?」
と思えるような評価評点を出していました。明らかに変で、ちょっと心配ですね。
最も、このクラスのワインをさっさと開けてしまう方は、そうはいらっしゃらないかと思いますので・・どんなに少なくとも5年は待ちましょうね。ご検討くださいませ。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。(未確認ですがアドヴォケイトは96-98Pointsのようです。)】 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2021 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【88点??・・ちゃんちゃら可笑しいです!・・「・・なんじゃこりゃぁ・・!」と、思わず言葉が出る化け物級のシャルドネです!・・今飲んで良し!ぜひラミーが創る新しい密度のワインの世界をご覧ください!】
まぁ・・noisy は現品をリリースしてから・・「飲んでいる」ので、バレルテイスティングに近い形での現地試飲とは、まったく状況が異なりますから・・異なる採点になるのも理解はできます。メディアの彼らは1日でたくさんのテイスティングを行うので、勿論・・飲んでの判断はしていないでしょう。
ですが、アドヴォケイトのW.K.さん・・88点だそうです!・・きっと彼らはA.C.ブルだからと侮って、まだ仕上がっていないこのシャタイネール2021年を、きちんと判断しなかったのでしょう。
「A.C.ブルだから・・この辺りからスタートしないと・・クリオが有るし・・」
みたいな感じなのかなと感じます。
しかしW.K.さんは自身の評価コメントで、
「高級アペラシオンのプレスからの果汁を約50%使用している」
とした上で・・88点・・と言うことは、
「それでも88点しか付けられない出来だ」
と言うことなのかな・・と。
noisy はこのシャタイネール2021年を開けた瞬間から・・
「まさに化け物!・・A.C.ブルではあり得ない!」
と感じ、
「一体・・どうやったらA.C.ブルがこんなに物凄いアロマを発せるのか?」
と、物凄い疑問を持ちました。そして友人に連絡して、
「・・もしかして、そろそろアドヴォケイトのラミーの2021年評価、出てない?」
と聞いてみたところ・・
「・・お、出てたよ・・」
と言うことで内容を知り、上級アペラシオンの二次プレス実際の記載は from the later press fractions of higher appellations )が入っていると判ったんですね。
まるで熟度の高いムルソー=ペリエールだけが放つような集中した密度の「蜜」・・そして繊細できらびやかなスパイス・・もう、これだけでノックアウト寸前です。
口内に入れるとその瞬間から始まる、痺れるような演舞!・・電撃?・・に近いかもしれません。意思を持っているかのようなベジェ曲線は、うねり、優しく跳ね、小さく沈み・・アロマと・・ただただ美味しいとしか言えない、密度の高い、締まった酸をも揺らします。
ミネラリティは透明で・・いつの間にか半透明に・・その美しい曲線が長く長く・・続きます。ドライなのに甘く、横には拡がらず縦に細いのに信じられないほど・・豊かです・・。
「・・いなくなったか・・」
と思っても、その残像はいつまでも心地良さを持ったまま・・存在しているようにさえ感じます。
「・・ばけもん・・じゃ!」
と・・思いました。半端無い、凄いシャルドネでした!
で、アドヴォケイトの88点ですよ・・ちゃんちゃら可笑しいです・・(^^
アドヴォケイトは当初、2019年のクリオ=バタールを「97 ポイント」と前年と同様に評価していましたが、のちの再テイスティングで「100 ポイント」に修正、2019年もののシャルドネのトップだと・・認定しました。
「・・また同じ間違いをするのか?」
と感じざるを得ない、noisy 的には、
「2021年のユベール・ラミーの出来こそ、過去一じゃないか?」
と感じています。関連する詳細は2021 シャサーニュ=モンラッシェ・コンシ・デュ・シャン のコラムに書かせていただきますので是非ご覧ください。
この2021年のシャタイネール、A.C.ブルの範疇にあるワインではあり得ないと・・申し上げます。また、アドヴォケイトの88ポイントは信じるに足りないとも。ですので、
「1万円は・・高いよなぁ・・」
と思われるかもしれませんが・・とんでもない!・・めっちゃ安いです!
因みにインポーターさんの上代設定は11500円ですので・・noisy は目いっぱい・・下げています。このもの凄いバケモンを知っていただきたい、何とか飲んでいただきたいの一心です。どうぞよろしくお願いいたします。
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【オリヴィエ・ラミーの弛まぬ進歩・改革を最も大きく感じられるのがこのレ・シャタイネール!名ばかりの高額A.C.ブルは恐れて道を開ける??】 アドヴォケイトは2019年ものより1ポイント、落としました。また飲み頃を2022年から2038年としましたので、
「・・ん・・結局何も判ってないのかもしれない・・」
とガッカリ。ただし、
「地下室で10年間忘れてしまってから、その報酬を手に入れよう」
と書いているようなので、ちょっとだけ拍手・・。
まぁ、実のことを言いますと、このレ・シャタイネールのテイスティングは2022年の年末で、ユベール・ラミー2020年のテイスティングの口火を切ったワインでした。12月はいつになく劇的に忙しく、ただし曜日の並びが良く無く新着の94弾目を諦めましたので、年末は比較的穏やかだったかもしれません。テイスティング分を先に仕入れているので、このワインも何日か休めてのテイスティング・・これはこの数年、ずっと同じパターンです。
ですが!・・この2020年レ・シャタイネールのテイスティングこそが、2023年1月中noisy を悩ませる原因になった訳です。
ただしワインは滅茶素晴らしいですよ。その総体の評価は悩みの原因では無いんですね。
結局、2019年ものまでの、
「物凄いミネラリティを持ち、密度が非常に高い味わいが、全てを含んで口内をゴリゴリっと通って行って、その余波を感覚器官に落として行く」
ようなスタイル・・とは言えない2020年だ・・と言うことなんですね。
言ってみれば、「ビオです!」とまでは言わないまでも、
「自然派でしょ?」
と言いたくなるような・・アロマのスピードの速さとその柔らかさ、接触感・味わいの柔らかさ、表情の多様さが有り、その表情の多くは中盤以降に集中しているんですね。
今まではもう、一口すすっただけで・・
「・・おお~・・っ!」
と言葉が出てくる感じ。
それに加え、テイスティングが進むにつれ・・つまりよりクオリティ・ポテンシャルの高いワインになるにつれ、
「そのニュアンスはソフィスティケイトされてくる」
んですね。
ですから、ある意味このレ・シャタイネールは落ち着き切っていない・・仕上がり切っていない感じだった訳です。あれからもう1カ月以上経過していますから、
「2022年12月末の時点よりも相当仕上がって来ているはず・・」
と思っています。
まぁ、アドヴォケイトのブルゴーニュ担当、ウィリアム・ケリーさんは、どちらかと言うと最初からブリブリ言わせて侵入してくるタイプに、より高い点を付ける傾向が有ると思われますし、自然派のワインにそこまで重きを置いているようにも思えないので、仕方が無いのかな・・とは思います。その点、ティム・アトキン氏はその反対か・・ジャスパー・モリスさんは良く判りません・・(^^;; が、その気になった時のポテンシャルの捉え方は凄いと思います。なので、
クリオ=バタール以外のアドヴォケイトの評価は、プラス1~2ポイントするべきと考えます。
ですので、結果的には、
「2019年ものよりもポテンシャルは上、もしくは同等。ただし、若干自然派寄りになったノーズ、味わいに感じられるかも。」
飲み頃としましては3年先からがベストですが、今でも飲めなくはない・・しかし、その場合、今飲んで判りやすくてとても美味しいのは、アン・ルミイィ・クラスです。
この濃密な黄色の中に、わずかに潜む自然派ワイン的な色彩・・もしかしたらお判りになると思います。半端無いワインです。飲むタイミングを計って・・いや、その前に、
「充分に休養を与えてから」
お楽しみくださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄いポテンシャル!味付きも良く、ミネラリティもマンモス級・・なのに滅茶バランスが良いなんて信じられます?】 2018年ものにも「圧巻!」と書かせていただきましたが、2019年ものは・・そこさえ超えて来てしまいましたね。
この・・非常に寒い2022年の冬は、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合も品温が10度を下回っている状況から飲み始めていますが、
「品温が低くても良く香り、味わいが落ちないばかりか、持っているポテンシャルとその自己紹介までしっかり伝えてくる」
んですね・・。ま~・・ビックリしてしまいました。「品温が落ちると味わいが出ないので」と書くつもりだったので尚更です。
なので、
「2019年もののラミーは品温が低くても滅茶苦茶美味しい!」
と書かざるを得ません。
マンモスミネラリティと物凄い複雑性はラミーの特徴でも有りますが、ここまで来てしまいますと往年のコシュ=デュリ同様だと言わざるを得なくなって来ました。もっと言ってしまえば、コシュ=デュリの素晴らしいアリゴテは、滅茶安くて驚くほど旨かった(20~25年ほど前のこと)訳ですが、
「・・ここまで凄かったか?」
と聞かれますと・・自信が無くなって来てしまいます。それほどに素晴らしいと・・思っています。
アドヴォケイトは上値で90ポイントと・・まぁ・・一般常識の上限的な、「角の立たない」評価でお茶を濁しています。
ジャスパー・モリスさんはどうやら85~86ポイントのようで・・もうそろそろ色々考えられた方が良いでしょう。noisy とさほどは歳は変わりませんが、この凄いワインなのに、格そのものだけを判子を押したような評価を出すだけなら・・。まぁ、それはそのまんま、noisy にも言えることでは有りますので、自身に自信が持てなくなってきた時には、口にX字に絆創膏を貼るか、第一線から退かないといけないでしょうね。若い人たちに迷惑を掛けちゃいますから・・。老兵はただ去るのみ・・なのかなと思っています。そうは言いながらいつまでもしがみつくかもしれませんけどね・・(^^;;
ですが、こんなぶっ飛んだワインを造るラミーに出会えて感謝の気持ちで一杯です。いつもの年のようには数が無いので・・それに10%ほど値上げを迫られる仕入価格になってしまって申し訳ありませんが、
「それでもこのプライスなら天下無双!」
です。
サン=トーバン的な硬質さも有りながら、ピュリニー的な豊満さもほのぼのと感じさせ、シャサーニュ的なクールな果実をも飲みやすさに加えつつ・・
「圧倒的なポテンシャルと判りやすい超絶な複雑さ!」
をご堪能ください。海外メディア評価では、アドヴォケイトのウィリアム・ケリー氏のものが・・まぁまぁ・・何とか・・ジャスパー・モリス氏の評価は無視が妥当だと思います。あ、その辺は是非ご自身でお確かめください。お早めにどうぞ。
以下は、以前のレヴューです。
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【もの凄いシャルドネです!圧巻!】 いや~・・2018年もののユベール・ラミーのテイスティングは2020年12月末から始めました。
何せ14~15アイテムのテイスティングですから、毎日1本だと年末年始の休業中に終わらない訳でして、しかも何かの間違いで、テイスティング分にピノ・ノワール4アイテムが入っていないミスが有りましたので、身動きが取れない自粛中のお食事には・・
「マグロでラミー」
「寿司でラミー」
「牛肉でラミー」
「ジンギスカンでラミー」
「たこ焼きでラミー」
・・・あと・・何だったっけ?
と言うほど、ラミーの各シャルドネと対峙させていただき、ラミー2018年が持つ「輝き」が本物かどうかを身に染みて感じさせていただきました。
また、4日から営業を開始したエージェントさんには赤が届いていない旨を伝え、早速送っていただきましたので、1月7日までの休業中には終わりませんでしたが、これまた物凄いピノ・ノワールと対談させていただきました・・?
のっけからこれですから・・・まともな言葉が出ません。
「・・・うお~・・っ・・」
やられてしまいました。
やはり、穏やかで流れるような優しい味わいが流行っているとは言え、やはり本格派はもう・・存在感が違います。
「ラミーはもう別格!」
です。
noisy が初めてコシュ=デュリのワインに触れたのは・・どうでしょうか・・もう相当に昔のことで、30年は経っているかと思いますが、本当に衝撃的な味わいでした。
煌めく酸がキラキラ・・そして時にギラっと、まるで口の中で花火に点火させたかのような衝撃と、口蓋を押し広げて、もっと感じさせようとしているかの如くの振る舞いに・・
「・・これがコシュ=デュリか・・」
と。
それなりに長くテイスティングを続けているユベール・ラミーですから・・今まで一体どれほど費やしたか・・と思えるほどでは有りますが、そんなnoisyを、
「(・・うわ~・・うぉ~・・っ)」
と言葉を詰まらせるほど、酸の煌めきと体格、構成の大きさと、ミネラリティの質と量、そして品格が襲って来た訳です。
もはやユベール・ラミーは「シャルドネの名手」に留まらず、「ブルゴーニュのトップ」に君臨すると感じさせてくれました。2017年も美味しかったに凄かったですが、2018年ものは・・2017年を「ぶっちぎりで置き去り」です。
コシュ=デュリのワインは、余りの美味しさと・・余りの値上がりのキツサに、
「コシュ=デュリはアリゴテで充分!」
などと散々言って来た訳ですが、ハッキリ言ってそのレベルです。
なので、「超密植だから・・」とか、「樹齢が・・」では無い。
「ラミーだから」 もうそれだけで良い・・充分だと思います。
「ラミーを知らずにブルゴーニュを語れない!」
そう思わせてくれる凄いシャルドネです。飲んでみて下さい。飲まずにはいられない・・いや、飲まなくてはいけない1本です。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
● 2021 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【貴重な村名サン=トーバン2021年です。アドヴォケイトはA.C.ブルと同様の88ポイントですが、どんなに低く見積もっても2~3ポイント低いです!】
12本だけですので、貴重なリーズナブルラインを減らさないようにさせていただきました。
あまりのA.C.ブル・シャタイネール2021の激変ぶり、マンモスぶり、化け物ぶりに驚き、またその評価が出たとのことで調べてみると、まったく何も見えていない評価にイラっと・・してしまいました。
で、その勢いでこのボトルを持つところまでは行ったんですが、落ち着きを取り戻し・・もう一度この村名ラ・プランセのアドヴォケイトの評価を見てみますと、
「88ポイント」
でして・・
「・・そんな訳、無いだろう!」
とまたイラっとしましたが、余りに少ない2021年のユベール・ラミーですから・・
「飲むべきワインは他に在る!」
とさせていただきました。
良いでしょうか・・。造り手は自身がリリースするすべてのワインに全力で臨むはずです。
そして、その価格付けもまた、造り手の意思がきちんと繁栄されます。
さらには、優れた能力を持った造り手であれば、その結果のバラエティに正しい評価をし、妥当な値付けをするものです。
「アペラシオンが上だから」
と言う理由では、価格を上げないんですよね。出来が良いから・・素晴らしい出来になったからこそ、上げる訳です。そしてそれは、アペラシオン通りのポテンシャルを得られないと判断したら、むしろ価格を下げるか、リリースしない、もしくは格落ちさせる・・と言う判断になるはずです。
A.C.ブルのシャタイネールの上代は11500円ですが、こちらの村名ラ・プランセは15000円です。なので、
「何をか言わんや」
です。
A.C.ブルがあれだけ凄いのであれば、このラ・プランセはシャタイネールより凄いはずです。実際、ラミーの2021年ものを数アイテム飲ませていただきましたが、
「確実に上のキュヴェが下を上回る出来」
です。
飲めておらず申し訳ありませんが、ご検討いただけますと幸いです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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この2023年の2月の段階で、もし2020年もののユベール・ラミーの白ワインを今飲んで楽しいのはどれ?・・と聞かれたら・・
1.1級アン・ルミイィ、1級クロ・ド・ラ・シャトニエール、ピュリニー=モンラッシェ・トランブロ、シャサーニュ=モンラッシェ・コンシ・デュ・シャンのクラス
2.フリオンヌ、クロ・デュ・メ、デリエール・シェ・エドゥワール
3.ラ・プランセ
4.A.C.ブルのシャタイネール
の順番になります。つまり、ポテンシャルの高い方が仕上がり具合が良いんですね。この部分も2019年までのユベール・ラミーのワインと異なります。ですから、アドヴォケイトは安易に2022~2038年としていますが、noisy 的には、
「2023年4月から」
とさせていただきたいと思います。
このレ・プランセはサン=トーバンの西側の斜面・・1級デリエール・シェ・エドゥワール、1級レ・カステートと南西に続く斜面の村名畑のブレンドで、1985年から2000年に掛けて植え替えられたものです。デリエール・シェ・エドゥワールが持つ軽妙な複雑性は無いですが、非常にエレガントで充実した味わいが有りますから、
「早く美味しくなる」
のでこちら辺りから先に飲んでと・・言っていた訳ですが、2020年ものはそのようにはなりませんのでご注意ください。今、アン・ルミイィを飲んだら、完全にやられちゃいます。滅茶美味しいです!・・思わず、
「少ないから飲まない!」
と決めていた1級クロ・ド・ラ・シャテニエールに手が伸びそうになってしまいました・・思いとどまりましたが・・
やはりやや軽めのマンモス級のミネラリティが凄いんですが、そこをやや軽めなのはそのままに、エレガントに仕上げているのが流石・・と思えるんですね。
また、自然派っぽさが透けて見える度合いはA.C.ブルのレ・シャタイネールに次ぐ感じで、口入れはソフトで柔らかくなり、中盤以降の膨らみ、延び、押味がグググっと伸びて行きます。余韻が滅茶長いのもラミーのシャルドネの特徴ですが、それは2020年ものにも変化は有りません。
アドヴォケイトは2019年ものよりも1ポイント下げているようですが、ん~・・また同じ間違いをするんでしょうか。noisy 的には、昨年よりも最大1ポイント上か同等で、それ以下は有り得無いと判断しています。アドヴォケイトは自然派の風味が入ると、てき面に下げて来ますが、判ってやっているのか、単に気に入らないだけなのか、レヴューを見ても判断できないんですね。そのくせ、
「オリヴィエ・ラミーにとってもう1つの非常に良いヴィンテージ」
と持ち上げているんですね。
「もうひとつの」は2020年、その前提となっているのが2019年ですが、基本的にアドヴォケイトは2020年ものより2019年ものの方を高く評価していて、クリオ=バタール=モンラッシェがどちらも100点満点で、2020年ものは最初から100点を付けている・・と言うだけで、2020年ものの他のワインは2019年ものよりもほぼほぼ1ポイント下げです。
A.C.ブルのレヴューでも書かせていただきましたが、自然派っぽくなってきているものの、その差は非常に小さなものですから、お客様は余り意識しなくて良いと感じています。
しっかり休めて、出来るならこの厳しい寒さが緩んだな・・と感じてから・・が良いと思います。素晴らしい出来の進化を止めないオリヴィエ・ラミー、是非お確かめいただけましたら幸いです。高くなったとは言え、それでも村名ブレンドでこの価格です。・・いや、本当は11000円上代ですから・・普通に価格を付けると1万円超えなんですが、涙を呑んで??・・4桁にさせていただきました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ラミーのラインナップの中では比較的エレガント系ですが、それでもラミーらしくゴリゴリと押し入ってくるやや軽めのミネラリティとしっとりリアルな果実の風味が見事です!今飲んでも滅茶美味しいです!】 ワインの好みは人それぞれですから、あの人が美味しいと言ったところで自分がそうでも無い・・と感じてしまえば、それはその方にとっては、「普通」なのでしょうし、駄目かな・・と思えば「美味しく無い」と言うことなのでしょう。
ラミーのシャルドネも、2010年頃までは「普通」か「美味しく無い」と評価する人が多く、でも2014年頃を境に「美味しい!」「素晴らしい!」と、それらが置き換わってしまったことが、今の状況なんだと思います。
このサン=トーバン村名のプランセは、多くの生産者が造る・・でもエレガント系の味わいのサン=トーバン1級クラスと同等・・下手をするとそれ以上です。
ふんわりと香り立つ石灰系のやや軽めのミネラリティと、ドギツイ表現には陥らない、実に自然な白・黄色・僅かに薄緑な果実がグラスから、そしてほんのり粘る液体からノーズへと抜けて行きます。中盤以降もその僅かに粘る液体からの余韻や押味が長く・・エレガントに持続するんですね。実に旨いです。
ラミーのラインナップの中ではフリオンセと同様に高域・超高域へと伸びて行くアロマが心地良い、繊細系と言いますか、エレガント系の味わいだと思います。
ある意味・・この系統はラミーの中では貴重でして・・実に心地良いものであると感じています。ゴリゴリっと入ってくる感じはむしろA.C.ブルの方が強いのかも・・と。しかしどうなんでしょう・・余りに凄いポテンシャルを感じさせるA.C.ブルのシャタイネールと、実は相当に凄いんだけれど、それを余り感じさせないレ・プランセですから・・やはりこのレ・プランセのエレガンスは、より高く評価すべきなのかな・・と思います。
素晴らしい村名サン=トーバンでした。海外メディアは91ポイントで止まってますが、noisy 的には1.5ポイント加点すると思います。ご検討くださいませ。
以下は、以前のレヴューです。
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【凄いです!村名クラスの味わいを超越しています!】 向かうところ敵無し!・・は間違い無いでしょう。価格的にも、そして勿論、アペラシオン的にも・・です。
超有名な「禿山」、モン=ラッシェの西側に存在するのがサン=トーバンです。東側にはピュリニー=モンラッシェとシャサーニュ=モンラッシェが有り、PK氏いわく、
「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」
と揶揄されたのがサン=トーバンです。
しかしながら昨今の温暖化の性でしょうか、それまで日照に問題が有るとされてきたサン=トーバンのシャルドネにとっては、
「実に都合の良い状況」
になっているのかもしれません。
ラ・プランセ2018年は、正に劇的です。ラミーの上級の1級クラスを飲まないなら、そして素直にこのポテンシャルを理解できるなら、
「1級クラス並み!」
のポテンシャルを自然に受け入れ、そう思われるに違い無いでしょう。
そしてユベール・ラミーらしい膨大なミネラリティと球体を思わせる酸バランスと酸の総量、その結果としての滑らかなテクスチュアと構成の大きさ、品格に、
「これがユベール・ラミーなのか・・」
と、自身の記憶に植えつけられることになるのでしょう。
さらには、
「ブルゴーニュワインが発展伸長し、大きな存在になって行く・・その限界はまだ来ていなかった!」
と・・このモンラッシェの裏側の村名ワインが教えてくれるのです。なんて素敵なことでしょうか!
これが「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」だとするなら、ほとんどのピュリニー=モンラッシェはミネラル不足になってしまいますし、きっとそれは近未来の果実表現だけに頼った「だるい」味わいを意図した揶揄に過ぎないと気付かれるでしょう。
滅茶美味しいです!感動的です!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!繊細系の緊張感漂う見事な味わい!複数の畑をブレンドした、ラミーが思うサン=トーバンを表現・具現化した出来でしょう!】 いや~・・素晴らしいです。縦伸び系の見事な構造です。
実は・・間違えちゃいまして、このプランセ、2本も開けちゃったんですね・・数が無いのに!
重量級の味わいでは無く、少しエレガント系に振った味わいです。まぁ、アン・ルミイィを少し細身に、小振りにした感じかと思ってくださって良いかと思います。
「ん?・・アン・ルミイィって重量級じゃないの?」
と思われますが、重さで言ったら「クロ・デュ・メ」の方が重量感有りますよ。バランスで言うとトップはアン・ルミイィです。縦伸びの物凄さで言ったらクロ・ド・ラ・シャトニエールです(・・これ、飲んだらきっとぶっ飛びますよ・・)。
細やかな、ややハイトーンなミネラリティから滲むような白っぽい石灰感が心地良く、鈍重にならない、やや高域にバランスを振ったような先調子の感じです。
2016年までも美味しかったんですが、もう・・2017年ものは別物と言って良いかと。
実は、2本も開けたんですが、結構に印象が異なるんですね。1本目は届いて翌日位から開けたんですが、結構、バッキバキに硬質で閉じた感じがしていました。2本目はそれから3日後でしたが、滅茶開いた感じで・・凄い旨いんですよ・・エレガントで。
ですので、ミネラリティの癖なのかと思いますんで、届いてすぐでは無く、少なくとも3~4日は休息させてくださいね。ラミー2017年の物凄い世界が待ってます。
「わお!」
と思わず声が出て欲しいな・・と。お勧めします!
● 2021 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【天まで橋を架けるに違い無い・・と思えるほどに、薄く透明なドレスをひらひらさせながらどこまでも高く伸びて行く、それが縦延び系サン=トーバン1級レ・フリオンヌです。】
レ・フリオンヌの2021年です。余り出回らないキュヴェです。
2021年ものはアドヴォケイトも前年の2020年もの、一昨年の2019年ものに比較して「下げ」に転じています。
ですが・・片手間・・と言っては言い過ぎかもしれませんが、一度に多くのバレルテイスティング(製品の場合も有りますが)を短い時間で行っているのが災いします。
ラミーのワインのような信じられないような「超密植」は、いまだに他には誰もやっていないんですね。
noisy は彼の超密植のワインが・・
「いきなり大変身する」
を目の当たりにしています。
2010年頃から正式に扱わせていただいていますが、それ以前にも飲んでいました。
「・・密植かぁ・・大変な作業だなぁ・・でも、それってどこまで味わいに影響するのかな・・」
と思っていた訳ですよ。
それが・・です・・
「・・えっ?・・それ、マジ?」
と思えたことがキッカケになり、正式に扱わせていただくようになったんですね。
そう・・植密度を上げていっても、
「すぐにはワインへの影響は見えにくい」
んです。
ところが数年経過しますと・・明らかに以前とは異なる表情になる訳です。それを意識し始めたのは2013年ものの頃で、2014年ものの頃には、それは確信に変わりました。
「超密植は、始めた当初は余り影響は見られないが、ヴィンテージの切り替えの時、突然その姿を大きく変える!」
と言うことなんですね。
ラミーの2021年ものは、大きく2つのタイプに分別されますが、その基本は全く同じです。
「果実の風味が出やすい土壌から生まれた葡萄が多く入ったワインは、今から飲んでも滅茶美味しい。」
「しかし、膨大で密度の高いミネラリティに抑え気味になりやすいので、現状は二段ロケット的に時間差で大きく変化するキュヴェが有る」
この2つです。ただし、前者も後者も結局は同じで、二段、もしくは三段ロケットな訳です。
このレ・フリオンヌは縦延び系です。横には中々拡がって行かない・・以前の1級クロ・デュ・メは果実が多く、当初から横へと膨張を見せていました。それでも二段式のロケットでして、さらなる伸び、膨らみが後々生まれた訳です。安くてとても美味しかったです。ですが2021年ものは、圧巻な美味しさを見せる・・凄いワインに大変化、そしてそれは三段式のロケットと想像されますが、現段階で一段目の切り離し前だとしても、すこぶる旨い・・以前の姿とは全く異なります。
このレ・フリオンヌは二段式と想像されます。そして現段階でも美味しいんですが、横へのふくらみは少なく、若いコルトン=シャルルマーニュが見せるようなやや縦系の姿をしています。
とてもつやつやしていて、伸びが良く・・その少し白っぽいミネラリティからふわふわ、ひらひらと細やかな表情を持ったミネラリティが口内に落ちて来ます。果実表現も繊細で、激エレガントです。
ですので、エレガント系のシャルドネがお好きな方には、物凄くハマる味わいだと思います。
ですが・・これも二段式ロケットですから、一段目が切り離されますと・・凄いですよ・・その姿を見るまで待つか、のんびりとこのエレガンスを楽しまれるかは・・お客様次第です。ぜひご検討くださいませ!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【もし、ラミーのシャルドネが重い・・と感じられていらっしゃるのでしたら、このレ・フリオンヌをお勧めします!サン=トーバン1級でもっともエレガンスを助長している・・フリフリなドレスのフリオンヌです!】 ラミーの地盤のサン=トーバン1級に有って、そのサン=トーバンならでは・・もしくはピュリニーっぽいエレガントな部分、例えば高く伸びて行く高周波的な細やかなアロマとか、ピュリニー1級が持つ果実表現から重みの部分・・より低周波を除いた上の部分などを細やかに感じさせてくれるのがこのレ・フリオンヌなんですね。
まぁ、ちょっとふざけて・・
「フリフリなドレス」
なんて書いてしまってますが、実は結構に本気だったりして・・。もしこのレ・フリオンヌが完熟しますと、現在は見えていないそのドレスの下の方・・ちょっと重みを感じる部分・・床にそのドレスの裾が当たるような部分まで、美しく表現されるようになってくるはずですから、ある意味、
「今のこの、フリフリな部分が余りなく、ショートなドレスの華やかなアロマ、味わいを楽しむのもオツ!」
じゃないかと・・思っています。まぁ・・アドヴォケイトは2027年からと書いてますが・・。noisy はやや早いにせよ、今飲んでも充分な美味しさが有ると感じています。
レ・フリオンヌは、アン・ルミイィやダン・デ・シアンなどの1級畑があるモンラッシェの丘の西側斜面に有るのではなく、モンラッシェの西側の別の丘の南東向きの斜面に有ります。
ダン・デ・シアン(ラミーも造っていますがオルヴォーさんの輸入リストにはありません)もミネラリティが強く、どこか「氷柱」を思わせるようなシャリシャリっとした感じが魅力の1級ですが、レ・フリオンヌの方はもう少し白く滅茶細やかなミネラリティがふんだんに存在する感じなんですね。石灰岩が粉々に分解され、その成分が畑の表土の大半を占めている感じじゃないかと思います。
因みにここは、いや、あの伝説のブローカー、クルティエで2021年に亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのサイトを拝見すると、「 Planted in 1935. 1960. 1985 」と書かれていますので、とんでもないレベルのヴィエイユ・ヴィーニュの畑であることが判りますが、
「おそらくラミーはこのレ・フリオンヌでも超密植化に取り組み始めたはず・・」
だと感じます。
年を追うごとに驚かされる・・少しの安心もさせてくれない・・(^^;; だから毎年、
「今度はどんなビックリ箱に出会えるんだろう!」
と、noisy の正月の定例行事になっているラミーのテイスティングですが、
「2020年もののユベール・ラミーは、史上初のクリオ=バタール=モンラッシェの連続100点よりもお伝えしなくてはならなかったことが有る!」
「オリヴィエ・ラミーは誰をしても止められない!」
と申し上げておきたいと思います。ピュアでナチュラル、超エレガントな高く伸びて行く高周波...そしてスリリングなオリヴィエ・ラミーの進化がここにあります。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!・・これは必飲??・・ラミーとしたらエレガント系のサン=トーバン1級ラ・フリオンヌは、美しさを軽やかに表現してくれる逸品です!】 きゃ~!・・滅茶美味しいです~~・・。密度の高いラミーの味わいはそのまましっかり・・なんですが、表現が実にエレガント!・・言ってしまえば・・
「ふんわり優しい伸びやかなサン=トーバン1級!」
でしょう!・・こんなサン=トーバン、飲んだことない・・と是非とも言わせてみたいなぁ・・
こんなに美味しいとついつい一句・・出て来てしまいます。
「フリオンヌ・・・あぁフリオンヌ・・フリオンヌ」
(・・駄作)
え~・・それでも2017年までは、単に「ちょっと軽い」と言ってたかもしれないんですね。なので、ただ軽い味わいじゃ無いんですね。サン=トーバンの1級らしさと、その東に位置するピュリニーの名畑のニュアンスと、その南東に拡がるシャサーニュの近寄りやすさのニュアンスが交じり合っているようにも思いますし、
「それがフリオンヌのテロワール!」
とも感じるんですね。
なので、決して軽い訳じゃ無い・・エレガンスの表現なんだと思います。色合いも・・いつもの年よりもやや黄色が強いでしょうかね。
アロマの上りも、この滅茶寒い2022年の冬の空気に冷やされ、より抑圧されるかと思いきや、全くそんな素振りを見せません。そして、冷旨系の酸もしっかり含んだ見事な酸のパレットから、エグく無い表現で、見事な果実を堪能させてくれます。クロ・デュ・メ辺りの中低域のふくよかさは無いんですが、その上が美しいボディラインを描いて感じられます。
グラスのフチを伝う「涙」の太さ、ゆったりさを是非見てください。これでいて「エレガント系」と言って良い感じなんですから・・
また、海外メディアも2018年までは93点止まりだったところを、94ポイントまで伸ばして来ました。この辺はちゃんとそれなりには評価しているように思います。noisy 的にはあと1点、加点する可能性は有ります(ただし、点を付けようとしてテイスティングしている訳では無いので・・もしそうするのであれば、もっとちゃんとそれ用にテイスティングします。)。
それでも、サン=トーバンの有名ではない畑のワインに、何とか94点まで付けられる自由な世の中になって来たんだと思うと隔世の感が有ります。もはや安くは無い価格では有りますが、サラリーの上がらない時間の止まった日本と、ちゃんと動かして来た世界の国々との差だと思えば仕方が無いのかもしれません。
このフリオンヌ、超お勧めしたいと思います。元々数の無いワインです。余り出回らないと思いますよ。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【繊細な表現が堪らない!・・しかし、2017年までのフリオンヌとは劇的に大きさが違います!素晴らしいです!】 いや~・・お判りになるでしょうか・・。お正月を迎えるもので、自宅のテーブルの上の白い敷物を、いつの間にか「取っ払われて」いまして・・写真の比較としますと・・また色合いを見る意味でも、「白いもののバック」が無いのが申し訳ないです。
しかしながらヨクヨク写真を見てみますと、noisy が意図していなかったにせよ、
「何となく白っぽさの見える液体」
に映って見えないでしょうか?
そうなんですね・・ちょっとピュリニーにコルシャルが混じったようなニュアンスが元々から感じられるのがこの「レ・フリオンヌ」でして・・なので若いうちにはかなり、
「エレガント系」
なんですよ。むしろ、ラミーのサン=トーバンの中では最も軽量級に・・軽やかに感じられる訳です。
しかしながら構成自体は相当に大きいです。深い・・と言って良いかもしれませんし、短い周波数を持つ細やかなアロマが味わいから漂ってくるんですね。繊細だと言って良いかもしれません。
そして熟により徐々にその繊細さは極められ、縦伸び系の味わいが完成されると思います。
因みにこのレ・フリオンヌ2018年は、多くのメディアが上値93ポイントでほぼ一致しています。noisy的にも同意見ですが、プラス0.5~1ポイントと評価すると思います。なので、このワインに関しての海外メディアの評価はほぼ妥当なものだと言えるでしょう。さらに因むと、2017年ものレ・フリオンヌの最高評価は92ポイントだったようですので、多くのメディア評価は2018年ものがさらにポテンシャルを高めたと、認めているものなのでしょう。
また、この「レ・フリオンヌ」は生産量が少なく見つけることは結構困難なキュヴェでもあり、ラミーのサン=トーバンのキュヴェが持つ「多様性」の一翼をしっかり担っているワインだと思います。他のサン=トーバンには無い表情が見て取れます。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】 サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
● 2021 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【2021年のクロ・デュ・メは・・「大変身!」・・それは超密植なのか、それ以外の要因か!・・途轍も無いシャルドネです!・・激旨!!】
皆さんはどうか判りませんし、世の中的にも同様ですが・・noisy 的には2014年に大ブレークしたと・・思っています。そして・・
「この2014年の1級クロ・デュ・メは、とんでもない数量がインポーターさんに入荷していた」
んですね・・めっちゃんこ美味しかったんですが5千円ちょっと位だったかと思います。なので物凄い売れました。
インポーターさんが驚かれるほど売れましたし、それだけ数が有ったんですよ。おそらく40ケース位・・半年ほどかけて販売させていただき、インポーターさんの在庫を空にしちゃいました。
ところがですよ・・その後、この1級クロ・デュ・メの入荷は減り続けました。インポーターのM君に聞いても、
「ん~・・数が入ってこないんですよね・・」
とだけ。noisy 的には、安くて美味しくて、言わば「売れ線」=「数が有ればドル箱」のキュヴェだったので、大きな痛手でした。
一番少なかった時には「6本」です・・昨年か、一昨年か・・かと思います。
ところが、この2021年ものはちょっと増えて18本・・(^^;; まぁ・・以前の480本クラスとは比較にならない、雀の涙ほどですが、
「2020年以前とは・・・全く違う姿をしている!」
んですよ。
おそらく・・想像でしかありませんが、何せ新型コロナも在りまして、インポーターさんも渡仏できずに情報が入ってこないので、
「いま、超密植化しているのはどこの畑か?」
が判らない訳です。ちなみに・・この2月に渡仏され、ラミーのところに行くそうなので、
「・・ガンガン写真を撮って・・石を拾って・・」
などと発破をかけさせていただきましたが・・
なので、この畑も超密植化に掛かって数量が出来なくなり、ようやっと「昨年辺りから」変化が見え始め、
「2021年、その大変身ぶりが明らかになった!」
んじゃないかと・・良い方に想像しているんですね・・もし違っていたらすみません。
以前の横に拡がっているファットなクロ・デュ・メじゃありません。その果実や土壌のミネラリティを多分に含んだ表情を・・
「透明なミネラルのコルセットでタイトに包んで、それまでの表情を柔らかな白いミネラリティ、食パンで挟んだ・・光り輝くフルーツサンド!」
・・のような凄い味わいなんですね。
ですから、横へは中々拡がらないのに、そのフルーツを噛んだ時の幸せな瞬間・・が、必ず訪れるんですよ・・。美味しく無い訳が無いじゃないですか・・もう、
「激旨!」
なんですが、エレガンスも物凄いので・・
「以前のクロ・デュ・メとは全く異なる!・・三段式ロケット!」
なんですね。
飲んでみてください。最初から全部はアップしませんが、合計17本のみです。とんでもなく美味しい・・!
「・・でもアドヴォケイトは以前より低い 90+ Points じゃん・・しかも2025年からって言ってるし・・」
まぁ、彼らのテイスティングはほんのひと口、啜っただけで次のキュヴェに移っちゃいます。格下のキュヴェを一生懸命にポテンシャルを取りになんぞ、行かないんでしょう。
noisy は自分の財布から出して購入して、自分の手でちゃんと開けて、しっかりテイスティングしています・・気になったら数日間、お付き合いもします・・さて、どっちを信じるのでしょう?・・いや、信じなくて良いんですよ・・騙されてみる・・相手の様子を探ってみる・・そんな感じでいかがでしょうか?・・騙されて昔、クリオ=バタールを買われた方は・・きっと今は信じてくれているんじゃないかと・・(^^
どうぞよろしくお願いいたします。めちゃ凄いです・・物凄いエレガンスと物凄い味わいが・・待っています!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶苦茶安くてとんでもなく旨かった2014年の再来・・いや、あの時よりも格別に進化している1級クロ・デュ・メです!】 この1級クロ・デュ・メがとんでもなく大量に届いたヴィンテージが有りました。2014年です。シャルドネは非常に良い年でした。
なので、このクロ・デュメ2014年は、Noisy wine で販売数の記録になったんですね。半年ほどの間に・・
「そもそも、そんなに造れたの?」
と言われてしまいそうなほど・・お客様に大うけしました。5千円台の後半位の価格だったはずです。
今やほぼ倍..以上ですか。それでもこのポテンシャルと漲る素晴らしい表情を感じてしまうと、
「安い!」
と思っていただけるはずです。
このクロ・デュ・メは、1級デリエール・シェ・エドゥワールの南に接する1級レ・カステートの下(東)にある1級畑で、以前は(たぶん)ル・ヴィラージュと単純に呼ばれていた畑だと思います。ル・ヴィラージュと言うのは村人たちが住む村の住居の周りにある畑をそう呼んでいるようです。ですから、ブルゴーニュには「ル・ヴィラージュ」と呼ばれる畑がてんこ盛りに存在しますので、その畑に所有者独自の呼び方をするんでしょうね。
ですがこの「Meix(メ)」の意味は、庭園や果樹園に隣接する田舎の住居..と言う意味だそうなので、Clos du Meix はまさに「ル・ヴィラージュ」そのものと言えます。
この、見事に充実した黄色がハッキリ見え、強い色彩に・・わずかに緑が入っているように見えます。
この黄色のしっかりした色彩通りに、果実をたっぷりと感じさせてくれる充実したややオイリーな仕上がりでして、似ているのは・・良いのかな・・言ってしまって・・「アン・ルミイィ」です。ただし、やはりアン・ルミイィほどの卓越した格上感には届かない・・アン・ルミイィはディテールがもの凄いんですよ。95点・・なんてアドヴォケイトは言ってますが、納得しがたいです。勿論、この素晴らしいクロ・デュ・メに・・
「・・えっ?・・92点ぽっち??」
ちょっと考えられない・・2019年ものの上値と一緒ですが、クリオ=バタール=モンラッシェ2019を1ポイント上げ修整したように、この2020年クロ・デュ・メは上値を < 93ポイントにするべきでした。
今飲んでおいしく、将来もさらなる上昇が約束された素晴らしい1級クロ・デュ・メです。上部の畑よりも幾分の肥沃さが有り、
「非常に優れたピュリニー=モンラッシェと同等」
です。是非飲んでみてください。滅茶苦茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものクロ・デュメの濃密な低域の美味しさに加えて2019年ものは「密度」そのものが劇的に上昇!今飲んでも滅茶苦茶美味しいです・・が、数が全然ありません!】 「・・えっ?・・クロ・デュ・メって12本しか無いの?・・あれだけたっぷり有ったのに?」
「・・そうなんですよ・・出しようが無い位しか・・入って無いんです・・」
実は、テイスティングで滅茶美味しかったので、内心ホクホクしていたんですね・・だって、最高に美味しいシャルドネがたっぷり有ったら利益もその分出せるし、長く販売可能だし・・良いことずくめです。
ところが全くアテが外れてしまいました・・と言うか、
「・・そもそも飲んでも大丈夫なのか~?」
と心配しなくてはならなくなってしまった訳です。たった12本しか無い訳ですから・・。
それでもテイスティング分だけ年末に入れていまして、年明けに仕入れ分を送っていただいたところ、クロ・デュ・メのテイスティング分は別に伝票に打たれていたので、
「何とか12本の販売分は確保!」
した訳なんですね。・・ちょっと寂しい話しでは有ります。
毎回申し上げているように、クロ・デュ・メは中低域にボリュームが有り、ちょっと感覚的に「ムルソー」的なニュアンスで感じられる豊満タイプのサン=トーバン1級です。
このキュヴェは今まではある程度、数を計算できましたが、年々少なくなっています。そして2019年は販売に回せるのが12本だけ・・です。
しかし、2018年ものにはそこまで無かったものが2019年ものには「しっかり」現れていました。それが・・
「・・ありゃ?・・クロ・デュ・メも超密植化、始めたのか?」
と思えるほどの、確実な「密度の高さ」感です。
あの豊満で単純にもうグラマラスな美味しさを伝えてくれていたクロ・デュ・メの姿は有りません。豊満さに「締まり」が有り、口内の感覚は余りの複雑な刺激で飲んでいるうちに麻痺してきそうな感覚です。
それでも、非常にエレガントなフリオンヌに対した真逆の存在・・と言うか、フリオンヌが持ち合わせない中低域をしっかり増幅した「どっしり感」の有る味わいは普遍でして、中盤以降に押し寄せる余韻も、全くラミーならではの物凄さが感じられました。これは旨い!・・としか言いようの無い見事な味わいでした。
言ってみれば、軽量級のフリオンヌと、重量級のクロ・デュ・メを合わせると・・もの凄いシャルドネワインになるのかも・・と思います。可能な方は遊びでやってみると面白いかもしれません。素晴らしい出来でした。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソー的なゆったり感のクロ・デュ・メはムルソー1級に比類する素晴らしい密度を手に入れ、しかも外向的で無茶苦茶美味しいです!】 レ・フリオンヌが天女の羽衣を纏った女性なら、クロ・デュ・メは甲冑を身に着けた中世の騎士かもしれません。どこまでも・・天にも届けとばかりに縦伸びするレ・フリオンヌと、重厚且つ優しい姿をも見せるクロ・デュ・メは、サン=トーバンの1級畑が持つ姿の両極です。
しかもクロ・デュ・メは、2017年ものまでは・・悪い言い方をするのなら、どこか「緩さ」をも感じさせてくれたものですが・・いや、その「おおらかさ」こそが実は難しい表現ですから・・緩いと言うのは本当に失礼であるとしても、
「2018年ものにそんなネガティヴな方向にも捉えられそうな表情は皆無!」
になったと断言します。
例えば、ムルソーの準1級の村中央上部の畑は、厳しいミネラリティをしっかり表情に出して来ます。ヴォルネイに近いムルソー村名、準1級畑ものは、厳しいミネラリティと粘度由来のネットリとした表情が有ります。そしてムルソーの1級畑ものは、そんなそれぞれのミネラリティを礎にした上で、それぞれ独特な表情を見せてくれますよね。
まるでムルソー=サントノ的な表情なんですね・・いや、もう少しソリッドでタイトかもしれませんが、品格、フィネスは相通じるものを感じますし、そこにピュリニー的な豪奢なニュアンスが入った感じ・・がピッタリかもしれません。
2017年もののおおらかさは2018年もので精緻になり、より大柄になっています。海外メディアでちゃんと評価できたのはティム・アトキン氏だけ・・でしょう。ヴィノスも2017年ものの91ポイントからは1ポイント積み上げてはいます。noisy 的には上値93+ポイントです。
まぁ・・ここまで素晴らしいとなりますと、どうしても「素晴らしい!」の連発になってしまいまして、かなり気が引けるのですが仕方がありません。縦方向の伸びが素晴らしいレ・フリオンヌと、横方向に伸びて行くクロ・デュメ・・・是非セットでお楽しみいただけますと、これまた非常に面白いかと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものクロ・デュ・メは、滅茶苦茶美味しいムルソー準1級畑に酷似!パワフルで横への拡がりも有る、いつ飲んでも行けるタイプです!】 皆さんはそうでもないかもしれませんが、noisy的には非常に評価の高いクロ・デュ・メです。
2016年ものはピュリニー1級・・なんて書いてますね。2017年ものはムルソーの準1級か1級か・・です。ムルソーの中央上部の準一級、ナルヴォーとか、1級のポリュゾとか、その辺りの感覚です。
レ・ペリエールの持つ蜜のニュアンスを僅かに緩くしたような感じも有り、真ん丸なパレットから微細な表情が滲んで来ます。2016年も単純に美味しかったんですが、そんな部分の延長も感じるとしても、もう、かなり格上感が有ります。伸長率が半端無いんですね。
57ミリも有る長いコルクを抜くと、待ってましたとばかりに粘っこいエキスからアロマが飛び出して来ます。マッタリとしつつ適度に拡がってくれるのは今までと変わらないですが、質感がね・・素晴らしいんですよ。比較にならないほど素晴らしい。
この、どちらかと言うとパワフル系のクロ・デュ・メと一緒に飲んだのが1級「クロ・ド・ラ・シャテニエール」です。余りに異なるスタイルで、これ、感動ものでした!
まず間違いの無い選択になると思います。皆さんも好きなタイプでしょう。超お勧めします!
● 2021 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【言ってしまえば・・プティ・プティ・クリオ=バタール??・・プティ・オート・デンシテは間違いないでしょうが・・(^^;;】-----少なくて飲めず申し訳ありません、以前のレヴューです。
デリエール・シェ・エドゥワール..素晴らしいですね。滅茶苦茶複雑性が高いですが、この金属的・・ちょっとギラっとした感じに加えて鉛のような鈍い光を持ったような金属のニュアンスなんぞ、ちょっとクリオ=バタールを想起させるようなイメージが有ります。まぁ、だからプティ・プティ・クリオ・・は言い過ぎかな・・。
でもアドヴォケイトも何故かこのオート・デンシテでは無いデリエール・シェ・エドゥワールには連続で94ポイントと、アドヴォケイトにしてはちょっと高めの評価をしているんですね。
このデリエール・シェ・エドゥワールも、モンラッシェ側ではない・・西南側の丘の斜面に有ります。クロ・デュ・メの少しだけ北の上部の畑ですが、
「ま~・・呆れるほど全然違う!」
のには驚かれると思います。たぶん50~60メートル位しか離れてないはずですが・・たったそれだけでこんなに違うと・・ブルゴーニュの畑の組成、本当に恐ろしいほどの違いです。
そして・・こうお考え下さると良いと思います。
オリヴィエ・ラミーはすでにこの1級デリエール・シェ・エドゥワールの超密植化を成し遂げています。ですからオート・デンシテをリリースしている訳です。ですが、まずは・・
「デリエール・シェ・エドゥワールの超密植化が終了した訳でも無い」
んですね。仮に終了していたとしても、
「まだ葡萄が若すぎる樹が多い」
訳でして、そんな樹からの葡萄は使用しないか、ある程度使用できるレベルになるとこのオート・デンシテでは無いキュヴェに使用されます。そして、オート・デンシテを名乗っている部分でもオート・デンシテにしない葡萄は当然ながらこのオート・デンシテでは無いデリエール・シェ・エドゥワールになるんですね。
当たり前のことを言っただけなんですが、その辺りをメディアのテイスターさんたちは重々ご存じですから、
「オート・デンシテだけを持ち上げる訳には行かない・・」
と言う大人の事情も有る訳です。それ以外にも造り手との対話で得た情報なども評点を付ける際の前提として重要視するはず・・です。まぁ・・彼らは「大外し」だけはしたくないはずですから・・。noisy は自分勝手に感じたことを好きなように書いているだけですし、上司もいないし・・(^^;; だから情報は飲む前にはインプットしないで、終わってからあれやこれやと調べ始める訳です。
なので、
「このオート・デンシテを名乗らないデリエール・シェ・エドゥワールも当然ながら年を追う毎に密植度は上がっている!」
ことを、このワインを毎年飲むことで確実に感じられます。素晴らしい1級です。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サン=トーバンの独自なテロワールを見事に表現できるデリエール・シェ・エドゥワール!・・これも実に旨いです!】 素晴らしいと思います。ジャスパー・モリス氏も2018年ものは上値96ポイントと、このワインの本質を見抜かれたなぁ・・と思っていましたが、2019年ものは94ポイントとスケールを下げてしまいました・・残念です。
ですがこの2019年ものが2018年ものに劣る部分は全く有りません。と言いますか・・ここは他のコラムで書くつもりですので、アン・ルイィのコラムあたりをご覧頂ければと思いますが、ちょっと自然派っぽいアプローチが透けて見えて来ているんですね・・このキュヴェ辺りから・・。
減農薬が主体で、ビオは一部・・と言っていたはずなんですが・・その部分ですね。
でもこのキュヴェに関しては・・
「それが判らない・・感じたとしてもほんの少し」
かと思います。
そしてこのデリエール・シェ・エドゥワールは・・実に複雑で、粒子の肌理が滅茶細かいんですね。一体感はしっかり有るんですが、非常に細かい砂の粒を積み上げて仕上げられたかのような感覚で、しかもこのデリエールに関しては、
「サン=トーバン独自のテロワール」
みたいなものをイメージしてしまいます。
サン=トーバンは、結構有名な「アン・ルミイィ」と「ダン・ド・シアン」がモンラッシェを見下ろす位置に有り、その他の畑は少し西側に離れた位置に有ります。畑の向きもそれらとは結構に違います。
なので、その有名な2つの畑はピュリニーやシャサーニュに凄く似ていて当たり前・・なのかもしれませんし、そこから少し離れたところにある畑のワインは、結構にテロワールの異なるニュアンスが有るのかもしれません。
特にこのデリエールにつきましては、超密植のキュヴェをリリースしていまして・・密植化が結構なスピードで進んでいることもあり、手掛けて間もない部分のデリエールには、それなりの密植の恩恵が有ると感じられるんですね。だからこそ、この
「独自なテロワール」
を感じるのかと・・今のところ理解しています。
このデリエールまでは、今飲んでも大丈夫です。でも、まだ20~30%しかその正体を明かしてはくれないと・・理解した上でお楽しみください。
「実は海外メディアの評価以上に素晴らしい!」
と思ってください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリス氏もこのデリエール・シェ・エドゥワールには敏感に反応して・・なんと96点!・・ま、判りますけどね。】 モンラッシェ並みの味わいを見せる凄いワインでした。細かいことを言えば・・トップクラスの出来のモンラッシェには僅かに届かないかもしれないとは思っています。並みのものなら超えているかもしれません。
緊張感の溢れる繊細で鉱物的な素晴らしい味わいです。複雑性も見事で、何よりも「相当な緻密さ」を感じさせてくれるので・・モンラッシェなどと引き合いに出したくなってしまう訳ですね。
で、ジャスパー・モリスさんが異常に反応しています。上値で96ポイントです・・って、グラン・クリュ並みの評価じゃ無いですか!・・noisy は95+ポイントが上限だと見ていましたので、このキュヴェにはジャスパーさんの方が高く買っている訳ですね。
どうやらジャスパーさんはこのキュヴェの成り立ちを良~くご存じのようでして、その辺りも評価に出ているのかもしれません。
何せ、収穫を熟度によって数日に分け、それぞれに醸造したようです。決して広い畑では無いんですが・・もう、オリヴィエのやっていることは他人には理解出来ないのでしょう・・想像の範囲を超えての葡萄造り、ワイン造りなんですね。
noisy の場合は、別に畑を見ている訳でも無し、情報を得てから飲んでいる訳でも無し、現物を飲んで想像して整理、それからテクニカルを見たり、色々する訳でして・・「現物主義」です。なので、余計な情報は前以ては入れないようにしています。
ですがこのデリエール・シェ・エドゥワール2018年は半端無い・・サン=トーバン1級のクロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018年も物凄いし、アン・ルミイィの筋金入りの存在感も呆れるほど・・なので、この辺りはほとんど同じポイント評価です。
味わいにつきましては2017年を確実に超えていますが、そのスタイル自体は変化無しです。数はご用意できないので、是非お早めにゲットしてください。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【げげっ・・これでオート=デンシテじゃないの?!】 写真って・・本当に難しいですね。そして面白い結果を見せてくれます。
何年にも渡ってこのデリエール・シェ・エドゥワールの写真を撮り続けていますが・・
「何故かこの写真は露出が必ず低めになってしまい、暗めな画像になる」
のがお判りでしょうか。他のキュヴェでも有りますが、デリエール・シェ・エドゥワールほどでは有りません。2017年のこの写真は色合いは弄っていないはずです。
僅かに揺れている感じの液体のトロミ、もしくは影みたいな感じが見えるでしょうか?・・これはタンパク結合では有りません。そしてトロミも実際は全く有りません。きっとミネラリティの多さ、密度が映り込んだ感じなんじゃないかと思います。
ま~・・たまげました。
「きゃ~・・やっちまったか!・・間違えてオート・デンシテ、開けたか??」
です。
ほぼ今までに有り得ない感覚でした。D.R.C.のモンラッシェでもここまでは無かった・・。近かったのはラフォンのモンラッシェ。そんなミネラリティの総量感覚です。
「これ、オート・デンシテじゃないんだとしたら・・オート・デンシテは・・どんだけ~!?」
と叫びたくなってしまいました。
ただし、このデリエール・シェ・エドゥワールの一部はすでにオート・デンシテをリリースしていますよね?・・ラミー側からは、どこの畑をどれだけ密植したかの変更報告は余り無いそうです。
なので、もう相当にオート・デンシテ状態になっているデリエール・シェ・エドゥワールが、これまた相当量、含まれたキュヴェ・・と言うことじゃないでしょうか?
そうでなければ・・理解不能です。呆れんばかりの密度・・それでお酒が一杯飲めてしまいますよ!・・もう溜息しか出てこないデリエール・シェ・エドゥワールでした!・・飲みましょう!、これは!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】 ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2021 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【今、もっとも整っている2020年もののユベール・ラミーのキュヴェはこの1級アン・ルミィです!・・凄い!】-----少なくて飲めませんでしたが、アドヴォケイト評価は2~3ポイント低いでしょう。
いや~・・ブルゴーニュ、シャルドネの世界にこれほどまでに彩りを与えてくれたオリヴィエ・ラミーに・・
「感謝感激雨あられ!」
としか言いようが有りません。
どこか閉塞感の漂っていたブルゴーニュのシャルドネの世界。そりゃ、コシュ=デュリ?・・旨いでしょうよ。でもね・・アリゴテで・・「ん万円」って・・もうアウトオブ眼中です。
ドヴネ?・・ルロワ?・・いや、もはやローンでも組まないと買えないし、その前に自宅のローン完済しないと・・ルフレイヴ?・・A.C.ブルで充分だったけれど、もはや・・ねぇ・・アントもダンセールも見なくなっちゃったし・・
そもそも・・誰も新しいこと、やってないしなぁ・・
そんな暗雲が立ち込めていたブルゴーニュ・シャルドネの世界に、息吹と光を当ててくれたのがオリヴィエ・ラミーですよね?・・5年前なら、美味しいシャルドネが欲しいと言われるので、
「ユベール・ラミーって・・知ってます?・・滅茶旨いですよ・・」
と言ったところで・・
「ん?・・知らない・・ルフレイヴは無いの?」
などと返されるのがオチ。
「・・サン=トーバン・・でしょ?」
なんて・・ね・・。
「(だったら聞かないで・・」
って思いたくなってしまったものです。
今やラミーの「ラ」の字を発してしまっただけで、
「い、いつになりますか?」
みたいな感じですから、世の移り変わりの余りの速さに、noisy もホントについて行くのが大変です。
2020年の1級アン・ルミイィ、「でら旨」です。圧巻・・トンでも無いです。
しかしながら他のコラムにも書いています通り、
「2019年までと・・どこか違うように感じる」
と言うのは有ると思います。
ですがきっと・・どこが違うのかは判らないんじゃないかと思いますし、余りの美味しさに気付いて・・ラミーをもっと好きになってしまうに違い無いと・・思っていただけるキュヴェです。
何とも香しい・・素晴らしい高質なシャルドネのアロマに、蜜や果実の超繊細なアロマが・・そして、絹をも思わせる白っぽく極細の糸に、数パーセントの透明の超極細の糸を混ぜて撚ったかのようなミネラリティが混じります。やがてそれは膨張しはじめ、果実の繊細さを見せる表情から、熟れた果実の甘美さを見せるように変化・・
膨大なエネルギーを口入れ直後から感じさせるのではなく、中盤から徐々に・・音楽ですと「クレッシェンド」と言うはずですが・・強くなって行きます。素晴らしいとしか言いようがないです。
このキュヴェにアドヴォケイトは・・2019年よりも上げたとは言え、95ポイントですから・・noisy 的には「??」です。そして、2025年からとのことですが、
「今飲み始めてもOK!」
まぁ、今でもたっぷり美味しく飲めると言う意味でして、アドヴォケイトの2025年から・・と言う開始時期に異議を唱えるものではありません。是非飲んでみてください。
「必飲の1本!」
です。
以下は以前のレヴューです。
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【いつものように素晴らしいです!・・が、まだ落ち着き切っていないのと・・自然派的なアプローチの結果が出始めている?・・少し休ませてから飲みましょう!】 アン・ルミイィらしい豪放な美味しさ、ピュリニー的果実のブリッとした美味しさを内包しつつ、正にラミー的な豪快な味わいを見せてくれる秀逸な1級畑、「アン・ルミイィ」です。
2018年ものと同様に非常に美味しいです!・・でも2019年はとても良かったんでしょうね・・まだ落ち着いてないです。少し休ませた方がより美味しいと思います。
その上、ラミーの場合は基本、減農薬スタイルでして、一部ビオを取り入れ始めている・・と言うことですが、その「一部」を僅かに感じさせるようなニュアンスを嗅ぎ取りました。そして、
「どうやらこのキュヴェはSo2を減らしているんじゃないか?」
と言うような疑問も・・感じたんですね・・。ラミーのアン・ルミイィらしい「硬質さ」が、少し薄れているように感じた訳です。しかし密度感はそのまま・・と言いますか、確実に上昇しているニュアンスです。
なので、エージェントさんに分析表を見てもらったところ・・どうやら他のキュヴェより(下のキュヴェ)も残存So2の量が少ないことが判りました。
この一件を持って、ラミーがビオに邁進・・と言うことには全くなりませんが、研究熱心で畑仕事をバリバリこなしている訳ですから、より凄いワインにしたい・・と言うような気持ちは人一倍なはず・・なんですね。
ですので、noisy としましては、このアン・ルミイィに軽々な判断はせず、もう少し余裕を持って見たいと思っています。
ただし・・その「自然派的アプローチの部分」を嗅ぎ取れるかどうか?・・は相当に微妙ですよ。なのでほとんど判らないんじゃないかと思います。それほどに「わずか」なもの・・なんですね。
色合いも例年よりも黄色がより強く感じます。美しいニュアンスです。ネットリとしつつ口内に留まる残渣からの「味わい」が物凄いワインです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【比較対象はバタールかモンラッシェか!?・・大人気のアン・ルミイィ2018年はマンモスミネラリティにひたすら平伏するのみです!】 たまげました・・凄いミネラリティです。総量もさることながら、その気品ある組成にも平伏です。
海外メディアは上値94ポイントでほぼほぼ揃っていますし、素晴らしかった2017年とほぼ同様の評価ですので・・これはちょっといただけませんね。2017年ものが94ポイントであるなら、2018年ものはポテンシャル点として1ポイント以上、加点しないと筋道が通りません。ヴィノスは 2022~2036 の飲み頃を併記していましたが、たかだか18年で萎んで飲めないようなポテンシャルだと見ているなら大きな間違いです。noisy 的にはポテンシャルは96点まで付ける可能性が有ります。今飲んで点を付けるとするなら、クロ・ド・ラシャテニエールの方が全然高いです。
ただもうここまで来ますと、比較対象は確実にグラン・クリュです。地質も距離も近いモンラッシェみたいな味わいですね。
しかしながら、モンラッシェとバタール=モンラッシェの区別は、そんなに簡単なものでは有りません。緊張感漂う筋肉質なものもあれば、芳醇さが出やすく、バターなどのこってりした甘やかさのあるものも・・それぞれに有るからです。勿論ですが、モンラッシェに近いバタールの方が高質な場合が多いと感じていますが・・それすら非常に曖昧で、じゃぁ、バタールの下の方のヴィアンヴィニュやクリオはどうなるのか?・・などの整合性も上手く行かず、一概には言い切れない訳ですね。
ラミーの2018年アン・ルミイィは確実に、「緊張感派」です。筋張った筋骨をマンモスな量のミネラリティが肉になっているような感じです。美味しくは飲めますが・・今は結構に硬めのイメージで、少し緩んで来てからの方が楽しいでしょう。
実際、年末からあれこれ飲んでいますので・・時折アン・ルミイィを今でも口にしています。抜栓後放置して1週間経過してもまったくヘコタレず、徐々に膨大なボディと甘美な果実、蜜を出して来ています。こんなワインは是非とも一日一杯・・飲みたいですね~・・。一日置きでも良いでしょうか・・もし早飲みされるのでしたら、そんな飲み方をお薦めしますが、基本的には、
「他の1級や村名、ブルゴーニュを先に飲み、アン・ルミイィは最低3年放置」
が正しい向かい合い方かと思います。
素晴らしい出来になりました!・・こんなワインが万札1枚でゲットできるなんて・・なんて幸せなんだと思っていただけると思います。ご検討くださいませ!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【ワインファンよりワイン屋が欲しがるのは・・何故?・・見事に真ん丸、真球なパレットを描く超一流のシャルドネです!】 どうやら93~94ポイント位を付けているところが多いようです。ただし「1級アン・ルミイィだから」と言う理由が大きな理由だと思えてなりませんが・・。
因みにこの1級アン・ルミイィと1級クロ・ド・ラ・シャテニエールを比較すると、個性が全く異なることは容易に判りますが、現在の状態を鑑みると、クロ・ド・ラ・シャテニエールをより高く評価するのも理解出来ます。ただし、noisy 的には、現段階ではそうでも、数年経過した頃には、
「タイプは異なるが二つのキュヴェはほぼ同ポイントになるはず」
と感じています。
2D的には真ん丸な、3D的には球体だと言わざるを得ない、見事なパレットを描いてくれます。ムルソー・レ・ペリエール的な蜜のニュアンスと、すぐ近くの・・珠玉のシャルドネ・グラン・クリュ達の要素を少しずつ持っているかのようなニュアンスを感じます。
ある時はクリオのように鈍い光を反射する鉱物のようなニュアンスも漏れてきたり、シャリシャリとしたエレガントな石系の感覚を見せるシュヴァリエのようでも有り、短い感覚でそれらを「チラ見」させては、やや閉じこもったかのような態度を取ります。
呆れるほどのポテンシャルを感じました。2016年までのアン・ルミイィとは、各段の差が存在すると確信しています。しかし、現状で物凄い表情を隠そうとさえしないクロ・ド・ラ・シャテニエールの方が、直近で楽しむには向いているのは間違いないでしょう。
素晴らしい1級が、こんなプライスで買えることが・・まだ有るんだと喜びましょう!是非挑戦してみてください。超お勧めです!
● 2021 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【たったの700ケース?・・それにしては日本に入ってくる量は滅茶少ない・・アン・ルミイィとタメ、もしくはそれ以上だとnoisyは確認しています。】-----少なくて飲めませんでした。アン・ルミイィ同様、2~3点低く出ていると思います。
すみませんがお一人様1本限定です。クロ・ド・ラ・シャテニエール...モンラッシェを下に覗き見る標高の高いアン・ルミィ、ダン・デ・シアンよりも僅かに下に存在する・・
「モンラッシェ真裏!」
の畑です。安易に言い放ってしまいましたら・・
「裏モンラッシェ」
です。
ただし、現状でモンラッシェと言えるほどにポテンシャルが有るか?・・と問われれば、
「残念ながらそこまでは無い」
と言うしかない・・でしょう。
しかしながら、この「裏モンラッシェ」と言いたくなる見事な味わいは、真のモンラッシェが見せる姿を・・
「表と裏をひっくり返したような感じ」
なんですね。
まぁ、モンラッシェも造り手により結構にタイプが異なると思います。意外にシンプルに感じられるモンラッシェも飲んだことが有りますし。ですが、緊張感の漲るタイプとこってり濃密なタイプに・・大きく分けて2つに分類されるかと思うんですね。
その緊張感溢れるタイプを表とした場合、一枚の紙に見立てて・・真裏にひっくり返したような感じ・・(^^;;
判らないですよね。まあ・・本当に素晴らしいワインなので・・シュヴァリエのところにドゥモワゼルと言う畑が有りますが、匹敵しないまでもクラスとしては充分太刀打ちできると思われるポテンシャルは有ると感じます。
あら、すみません・・同じようなことをこの下で書いていました。まぁ・・2020年ものは飲めてませんので・・すみません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【・・2019年ものはたったの6本の入荷につき、テイスティングは回避するしか有りませんでした。サン=トーバン1級のトップをアン・ルミイィと分け合う凄いシャルドネです。】 どうやら・・エージェントさんにはたったの1ケース?・・なのかな?・・なので、2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールを手に入れるのは非常に困難かと思います。
物凄かった2018年ものは93点止まりで、noisy も呆れて・・
「はぁ?」
なんて書いてしまっていましたが・・まぁ、誰しもテイスターで有れば自身の評価を下げたくないのでしょう・・
「サン=トーバン1級だから・・」
と言う足枷を外すのは難しいんでしょうね。
ですがこの2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールこそ・・noisy は飲みたかったです。そしてその先をしっかりチェックしたかったかな・・と思っています。ラミーの本拠、サン=トーバンの1級畑のトップです。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ライバルはシュヴァリエ=モンラッシェ?・・これ、めっちゃ凄いです!・・すみません・・お一人様1本でお願いします!】 ユベール・ラミーに関しましてはもう・・各取引先のエージェントの担当さんまで、
「・・ラミー・・・譲っていただけないでしょうか・・ちょっと勉強したいんで・・」
とお声掛けいただくほどでして、黙って聞いているとキリが無いので・・
「・・まぁ・・余ったら・・ね・・」
などと言って右から左に受け流そうとする訳ですが、やはり noisy も若い頃は情報を得ることや経験することに飢えていましたし、理解してくれる人の有難さを知っていますので、まぁ・・その分だけは何とか残そうと思っています。ただし、ラミーを供給してくれているオルヴォーの担当さんにまで・・
「・・分けて下さいよ~・・あのキュヴェ、今までずっと飲めてないんですよ~・・」
とせがまれてますんで・・何だかな~・・世の中、変だよなぁ・・と世の無常を感じざるを得ません。
で、クロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018ですが・・シュヴァリエ並みです。「・・きゃ~・・!」です。2017年ものもめっちゃ美味しかったですが・・そこさえ超越しちゃってます。誰が何と言おうと呆れるほどに素晴らしいです。
「海外メディアが93点?・・92点?」
「はぁ?」
です。呆れて物が言えません。
まぁ、クロ・ド・ラ・シャトニエールのV.V.表記無しのキュヴェもリリースしていて、その評価の可能性も無きにしも有らずなので、幻滅したくないので・・そう願いたいですね。なのでティム・アトキン氏とヴィノスの評価は見当違いのようなので掲載しません。
このクロ・ド・ラ・シャトニエールは、アン・ルミイィの北西下部に有り、これも一般的な評価の高い1級畑ですが、所有者が少ないので余り知られてはいません。寿命でアン・ルミイィには及ばず、多彩な表情と若いうちから飲める点でアン・ルミイィを凌ぎます。
そして相対的なバランスの良さはサン=トーバン1級の中でも随一かと思われ、今飲んでも滅茶美味しい!・・最低でも95点は確実です。シャリシャリとした石灰感に果実の繊細な表情が差し込みます。外向的で有り、ミネラリティも半端無い・・これで1級畑だとは恐れ入るしかない・・そう思わせてくれるはずです。
このワイン・・もっと欲しいです・・飲めた方は幸せです!是非飲んでみて下さい!お早めにどうぞ・・あ、
お一人様1本限定です。 P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【凄いです!・・こんなの飲んだら・・他のワインが飛んじゃいます!】 絶品でした~!・・有り得ないです。まぁ、ほとんどのメディアが93ポイントまでしか付けませんが、デカンターのティム・アトキン氏だけは94ポイントでした。
アン・ルミイィとの差は、ポテンシャル的には無いでしょう。でも、余り語り過ぎてもシツコイと思われるかもしれないので、このコラムではこんな経験だけを書かせていただきます。
実際のテイスティングは、この1級クロ・ド・ラ・シャテニエールと1級クロ・デュ・メが一緒でしたので、まずはクロ・デュ・メを先にいただいた訳です。
いつもよりもミネラリティが物凄く、確実にジャンプ・アップしたクロ・デュメの、太くどっしりと構えた構造からの全域への豊かな味わいに、全ての味蕾や鼻の粘膜細胞までが満たされた感覚でした。
そして次にクロ・ド・ラ・シャテニエールを注ぎ・・そのグラスへ鼻を近づけると・・思わず、「うわっ!」と声が出ました。クロ・デュ・メの要素で満たされた感覚のところへ、クロ・ド・ラ・シャテニエールを一口すすると・・クロ・ド・ラ・シャテニエールはそれまでのクロ・デュ・メの残像を左右に押し分けて入って来て、全ての感覚器官をクロ・ド・ラ・シャテニエールの表情で上書きしてしまいました。
超高域まで、どこまで行ってしまうのか?と心配になるほどの縦構造で、完全に人間の感覚を超えるほどの要素の振る舞いでした。呆気に取られてしまう・・凄いシャルドネです。
申し訳ございませんが、数が無いので、こちらはお一人様1本とさせていただきます。是非ご検討くださいませ!。
● 2021 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【トランブロのオート・デンシテ化の影響とナチュールっぽさがピュリニー村名のこのワインを素晴らしいものに変身させました!今飲んでも滅茶美味しい!】-----少なくて飲めませんでした。以前のレヴューです。
ラミーのピュリニーのトランブロと言いますと、
「そりゃぁ・・ラミーですから。マンモス・ミネラリティがてんこ盛りになった凄いピュリニーですよ。」
と言っていたんですね。
ラミーのワインは基本、ガシッとしたミネラリティそのものを飲む感じが有って、そこから漏れてくる表情が実にエレガント・・そんな感じでしょう?
2020年ものになりますと、それはだいぶ印象が異なります。まぁ・・他のコラムで散々書いてますから・・詳細はそちらもお読みいただくとして、でも、
「結果的にSo2 添加を少なく出来る造りを始めた」
と強く感じる訳です。まぁ、誰もそんなことは言ってないんですが。noisy が勝手に独り言を言っているだけですけどね。
サン=トーバンの超急斜面で、裾野に落ちた表土を持って上方に上がって積みなおしながらの・・オート・デンシテ化です。
しかも実る葡萄は、他の生産者さんが見たら泣き出してしまいそうなほど小さく、パラパラとしていて、掴んだ手の平の大部分が見える程度・・とのことなんですね。
ですから、オート・デンシテ化をするには、土壌の活性化が不可欠になる・・つまり、自然派としてのアプローチも必須になる・・そんな流れが良く判る味わいになっているんです。・・いや、誰もそんなことは言ってないですが。
で、デリエール・シェ・エドゥワールのコラムでも書きましたが、やはりオート・デンシテ化している畑ですから、その影響を受けます。
今まで・・2019年ものまでは、どちらかと言いますとその影響はネガティヴに出ていたように思います。
しかしながら2020年ものになってきますと、むしろポジティヴな影響を受けているように感じられます。なぜって・・
「そりゃ・・2019年ものよりも濃密で、ふわっと柔らかい感じが出ていて、ゴリっとした感じは減り、丸っとしたニュアンスが有って・・どんどん膨らみを増し、余韻が異常に長いから・・」
です。
何でラミーがこのトランブロV.V.とアン・ルミイィを同じ価格にしているのか・・そこに思いが至れば理由も判ると思います。勿論、「ピュリニー=モンラッシェ」と言う素晴らしい「格」のアペラシオンであることも理由の一つです。
しかしながら、クリオ=バタール=モンラッシェと言う・・グラン・クリュのモンラッシェとしますと、実は最下位・・のアペラシオンのワインで、ブルゴーニュ・シャルドネ生産者のトップに躍り出たんですね。まぁ、レ・クリオと言う畑はシャサーニュ側のバタールの真横(南)では有りますが、その周りは上部が1級畑、下(東)も南も村名畑と言うロケーションでして、ピュリニー側のビアンヴィニュ=バタール=モンラッシェと同様に・・余り良い扱いをされてこなかったグラン・クリュです。
だからこそ、オリヴィエ・ラミーはこのピュリニー村名に相当の思い入れと力を注いでいるように・・テイスティングしていると感じます。
「村名畑でもアン・ルミイィと同格」
その声が聞こえるようです。是非飲んでみて欲しいと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これは今飲んでも滅茶美味しい!・・何となく人気薄に感じているピュリニー村名ですが、早めに飲むならアン・ルミイィよりお勧めです!】 濃密さと、ピュリニー的な極楽さ・・しかしそれを否定しようとする「密度の凄み」が交差する、マンモスに美味しいのがこれ・・トランブロです。
レ・トランブロはご存じの通り、超密植のオート・デンシテもリリースしていますんで・・徐々に密植化が進んでいる畑なんですね。なので、その恩恵をそれなりに受けているんじゃないかと思えるほど、
「密度の高さ」
を感じさせてくれます。勿論ですがオート・デンシテほどじゃありませんよ。ほんのりと・・です。でも、ピュリニーの村名ワインを飲み慣れた方なら・・
「・・あれ?・・これ、ピュリニー1級?・・ペリエール・・とか?」
みたいな印象を持たれるかもしれません。・・それでも、この密度の高い感じの味わいは、マッチする対象が見当たらないことに気付くとは思います。
noisy 的にも、93ポイントは確実に付けると思います。そこから加点するのはそこまで多くは無いですが・・1点以内で可能性が有ります・・だって・・
「めっちゃ美味しい・・!」
んですから・・はい。
価格は同じですが、アン・ルミイィと違って飲み始めても良いと思います。落ち着き切ってはいませんが、不安定な要素は非常に少ないです。この年末年始の間に、
「3ケ日を除いて毎日ラミー」
のテイスティングです。ですから、ま~・・キュヴェによる違いがここまで有るかと・・それを覚えて置くのも結構に大変では有るんですね。
リアルワインガイドのテイスティングでも、
「noisyさんは担当ワインは持って帰らないの?」
と聞かれるんですが・・何も問題は無い時はまず持ち帰りません。
「それで良くあれだけ書けるよね」
と言われるんですが・・まぁ・・そこそこは覚えています。
何事も
「結論を出しておく」
「自分の中で一旦整える」
ようにしていまして・・だから何とか・・その対象が目の前に無くても、レヴューが書けるんじゃないかと思います。
それに、その対象が素晴らしいほど、覚えているものなんですね・・だから、もしラミーのこのキュヴェ、トランブロ2019がブラインドで出て来ても、きっと判るんじゃないかと思います。それほどに・・
「ピュリニーをしっかり主張するのに対象の畑が見当たらない・・」
そんなピュリニーは他に無い訳ですから!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗っていませんが・・これ、一体どれほどの密植度なんでしょう・・2017年ものを確実に凌駕する凄い密度です!】 ピュリニーとシャサーニュの境界に存在する「レ・トランブロV.V.」です。モンラッシェから真っすぐ下がって来た辺りです。
このレ・トランブロV.V.には、オート・デンシテ表記のあるものと無いものの両方が存在しますんで、間違えないようにしないと大変なことになってしまう訳です。数も価格も全然違いますから・・。2017年ものまでは、それをそのまんま・・そのように思っていました。オート・デンシテは呆れるほどの密度ですから・・。
しかしながら2018年もののレ・トランブロV.V.を飲んで、少しその思いに変化が生じています。いや、勿論ですが間違う訳には行かないので、気を張って発送作業をいたしますが・・。
何故って・・この「オート・デンシテ表記無し」のレ・トランブロV.V.がですね・・物凄いミネラリティの密度なんですね。エージェントさんのテクニカルでは1万1千本/ヘクタールのままでは有りますが、数年間そのまんま・・ですからね。
レ・トランブロの畑は確実に「超密植化」をしている訳です。部分的に毎年増やしているのは間違い無いと思いますが、
「2017年ものとの、余りの密度の違い」
を受け取ってしまっていますので・・
「・・この素晴らしいミネラル感とピュリニー的果実表現の繊細さを見るなら、オート・デンシテまで・・必要なのか?」
と言うような気持ちが生まれて来たんですね。
だって・・滅茶美味しいじゃないですか・・トランブロ。黄色のハッキリした果実は透明なミネラリティでしっかりコーティングされ、滑らかなテクスチュアで味わいの幅もしっとりと拡がって来ます。
余韻も長く・・このレ・トランブロがピュリニー村名で有るなら、他の生産者のピュリニー村名はどんな立ち位置になるのか?・・いや、ラミー2018年を知らなければ、それまでのヒエラルキー構成を保ったままで良いかもしれませんが、知ってしまった以上、そこには何らかのケリを付けておかなければなりません。
ですので、もう・・これは余り言わないようにしようと思っていたんですが、ケリをつけるためにこのようにします。
「テクニカル上は1万1千本/ヘクタールですが、今はおそらく50%近く増えているはず・・と思えるので、ヴィエイユ・ヴィーニュですし、普通のピュリニー村名とは大きく異なる凄いシャルドネ!格はピュリニー1級並み!」
とさせていただきます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗らないトランブロは・・凄い狙い目!?・・これ、もうただ呆れるほどのミネラリティですが!】 写真からも漂ってくるんじゃないでしょうか。確かにピュリニー的なやや黄色目の濃い色合いをしています。しかし、
「ミネラルって・・見えるの?」
と言いたくなるような色合いですよね~。
まぁ、オート・デンシテのトランブロは、安いとは言ってもそれなりの価格はします。ノン・オート・デンシテのトランブロは価格は三分の一程度です。
でも飲んでみたら・・ビックリですよ。このノン・オート・デンシテのトランブロV.V.が一番、ミネラルの密度が凄いことになっているのが判ります。良い意味で使いたいと思いますが、
「バッキバキ!」
です。
要素由来の表情が漏れてくる速度も一番遅い・・です。
ムルソー村の南隣がピュリニー村ですが、このトランブロはシャサーニュとの村境に有ります。バタール=モンラッシェから東に下がってすぐのところの村名です。なので、ムルソー的な・・と言うか、ムルソーの南端に在るレ・シャルムやレ・ペリエールのような大理石風な厳しいミネラリティとも異なる感じです。
それに・・最近は飲めていないので正確には判断しかねますが、ルフレイヴさんちのバタールのような柔らかさを感じさせるものでも有りません。
まぁ、本当に「クリスタル・コーティング」と言いたくなります。しかも、何度も何度も乾かしては塗りを繰り返してクリスタルそのものになってしまったような感じです。
ノン・オート・デンンシテでこれほどまでになって来たと言うことは、一体オート・デンシテはどうなっちゃってるのか?・・と思わざるを得ません・・にしても、
「・・オート・デンシテじゃなくても・・充分かも?」
と言う気さえ、生まれて来ます。
ただしこのキュヴェに関しましては、他の2017年のラミーのシャルドネと異なり、少しだけでも休ませることがさらなるエルヴァージュ(育てること)に繋がっていることは間違い無さそうですので、気に留めておいてくださいね。
まぁ、もしかしたらオート・デンシテ・クラスの葡萄もそれなりに入っているのかもしれません。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】 え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2021 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【開けたてもエレガントで滅茶美味しい!・・が、それは真の姿を隠すカリソメの姿!・・アドヴォケイトの89ポイントは開けたて限定の評価でしょう!】
2021年の・・まぁ、あくまで noisy がテイスティング出来たキュヴェの中での話しでは有りますが、
「最も騙されやすいのはこのル・コンシ・デュ・シャン!」
です。
まぁ・・狸が狐かと思ってしまいますが、余りにも美しい開けたての姿、エレガントで黄色いフルーツを振りまく優しさを見てしまえば・・騙されもするでしょう。
でも・・noisy は騙されません・・(^^;; そんな時は根気よく、待つ訳です・・私・・待つわ・・いつまでも・・と歌っていると、ようやくその本性を・・少しだけ見せてくれます。なので、
「このキュヴェは noisy もまだテイスティング中」
です。
ですが、そのエレガントな果実味に騙されたら・・間違ってしまう訳ですね。その内側には、まだまだ細く圧縮されたミネラリティが・・あり、30分以上掛かったでしょうか・・ようやっとそれが見え始めます。
そしてさらに30分ほどしますと・・そのミネラリティは太さを見せ始め、膨らみ始め、さらにはその内側にある様々な表情を、おそらく・・ほんのちょっとだけ・・零してくれる・・そんな状況です。
ですから、このコンシ・デュ・シャン2021年、まだどこまで行けるのかはnoisy も決定できていませんが、少なくとも・・
「アドヴォケイトの評価は上っ面だけ・・」
です。
その昔、86年のパヴィヨン・ブランをPKさんが酷評していまして・・
「・・んな訳・・無いだろう・・」
とばかりに仕入れて、その頃お付き合いしていた飲食店さんに持ち込んで飲んでみました。
たしかに開けたては・・うんともすんとも言わず、
「・・ん・・ダメかぁ?・・」
と思っていたところ・・出ましたよ・・30分ほどしたら、ま~・・物凄い香りです。半分にカットした柑橘果実のバスケットをすぐ近くに置いているかのような・・味わいも抑揚に富んで、余韻も滅茶長かったし、何より美しかったです。
このコンシ・デュ・シャンも同様な感じをヒシヒシと感じます。何しろ・・
「ラミーはこのコンシ・デュ・シャンをアン・ルミイィ、ラ・シャトニエール、レ・トランブロと同価格に設定している」
んですから、これが・・
「89点の訳が無い・・」
と感じます。そもそも現状の抜栓直後の姿だけでも90点オーバーの評価ですから・・はい。
まぁ・・これだけ高価なシャルドネですから、一口啜って89点って・・どうなの?と思いますが、ぜひその辺りも含め確認してみてください。お勧めします・・最初にニュアンスだけでも確実に90点オーバーです!
以下は以前のレヴューです。
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【べらぼうに美味しいです!・・過去一、間違い無し!・・2019年と同様に91ポイント?・・有り得ません。】 旨いです~~・・。こんなに美味しいワインばかりだったら、何も悩まずにご紹介できるのに・・さらには18アイテムも有って、どこまで飲めばすべてが掴めるのか・・とか、この、
「自然派を前にしている感じ」
の大元はどこに有るんだとか、誰かそんな感覚を書いているレヴュワーは他にいないのか・・とかで、この1カ月、散々苦労した noisy でした。
ですがこのコンシ・デュ・シャン、クロ・デュ・メ、アン・ルミイィの、とんでもない美味しさに触れてしまうと・・ただただ・・
「旨いな~~・・」
とルンルン気分になっていながら、この時折感じるナチュール感の出どころ、原因、造り手が何を考えているか・・とか、残留So2濃度は2019年と2020年とではどう違うのか違わないのか・・考えることが多くてどうにもパンクしそうだった訳ですね。
まぁ、アドヴォケイトの評点はイマイチだと・・ちょっと違和感は持っているとは言え、
「アドヴォケイトの評価がアップされたことで救われた部分も有る」
のは事実でして、それを認めない訳には行きません。
実を言いますと、
「多くの海外メディアは2020年もののユベール・ラミーのワインには、2019年ものの評点から1ポイント程度下げる可能性が有る」
と思っていた訳です。その理由は、そこはかとなく漂う自然派的なニュアンスです。そもそも・・ブルゴーニュ担当さんたちで、自然派が好きな方は多く無いんじゃないかと思っています。なので、
「ちょっとアテが外れたので少しだけ嬉しかった」
んですね。
非常に濃密です。ですが口入れ直後から、以前のようなマンモス的なミネラリティを感じるよりも、ふんわりとした柔らかさを感じさせてくれます。豊満な果実には美しい酸が有り、甘く無い・・見事にドライなのに甘美です。中盤からボディは徐々に巨大化し、美しいノーズを戻しながら長い余韻を感じさせてくれますが、むしろその後半に美しい果実をまとったミネラリティをたっぷり感じさせてくれるように思います。
いや・・シャルドネって本当に美味しいですね。超お勧めします!是非とも飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年もの同様に旨いです!・・しかも2019年の素晴らしさがくっきり!ドライで集中していてミネラリティたっぷり!】 美味しいですね~・・2018年もそうでしたが、2019年はほぼ同様に・・と言うか、僅かに上回ったかのような感覚で・・
「滅茶苦茶美味しい!」
です。アン・ルミイィが完全にはまだ落ち着いていないのもあって、現状だけ見てしまいますとこちらの方が美味しい・・(^^・・と判断する方もそれなりにいらっしゃるんじゃないかと思います。
コンシ・デュ・シャン2019に関しましては、2018年と大きな差は無いと感じます。ただし上記のように、
「2019年と言うヴィンテージ」
を判りやすく解説してくれる・・と言うか、ラミーの他のキュヴェの伸び率が凄過ぎてしまって・・
「ヴィンテージの良さなのか、ラミーの変革の結果なのか・・良く判らない・・」
と言う状況なんですね。
なので、このコンシ・デュ・シャンの「緻密な!」美味しさに触れると、凄く安心感が有ります。
「・・ん!・・大きくは変わって無いね・・でもやっぱり2019年は凄いよね!」
と、非常に判りやすく理解できるから・・なんですね。飲めばきっと判りますよ。
ですので、むしろポテンシャルと取ろうとか、変化を感じよう・・とか、額に十字を寄せなくても良い・・そんな感覚で滅茶美味しく飲めます。
勿論ですが、普通の「シャサーニュ村名」と比べてはいけませんよ。もしそうしてしまうと・・比較対象が「緩い」と言うことを気付かされてしまいます。ラミーばかりを飲んでいるならそれは「普通」の出来事ですが、他と比較してしまうと不幸なことになってしまうかもしれません。
ゆっくり、のんびりと・・この実は凄いポテンシャルの液体を、口内で少しずつすり潰しながらお楽しみください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【並みのシャサーニュでは有りません。幾分感じていた「緩さ」は皆無!緊張感を身に着けたコンシ・デュ・シャンはカテゴリーキラーです!】 ワインとは中々に難しいものでして、
「ん?・・そうだなぁ・・今はそれを飲む気分じゃないんだよなぁ・・」
ってシュチュエーション、有りませんか?・・まぁ、noisy の場合はそんなことを言ってられる商売じゃないんですけどね。
でも、如何にシャルドネ大好き、白ワイン万歳!・・な人間でも、
「ん~・・今は硬いムルソーは飲みたくないんだよなぁ・・まぁ熟して滑らかなら良いけど・・」
と、程好い熟を迎えているに違い無い・・と思って開けたムルソーが・・残念ながら「音沙汰無し」の「狸寝入り」状態・・なんてね。
だからそこは半端な熟のムルソーの選択自体が間違っていると気付くべきで、ピュリニーかシャサーニュの村名に行ってれば良かった・・と後悔する羽目になる訳です。
黄色い柑橘と白い果実、フラワリーなアロマがノーズに飛び込み、ピュアさ満開で迎えてくれる素晴らしいシャサーニュです。畑はシャサーニュの村中央下部に有り、密植度も1万4千本以上だそうで・・確実に2017年の出来を上回っています。
このコンシ・デュ・シャンとピュリニーのトランブロ、そしてサン=トーバンのトップ・キュヴェが同価格ですから、選択肢が多く悩み深いですよね。ワインファンとしましてはどうしても、
「ポテンシャル重視!」
の選択をしがちです・・そりゃぁそうです・・感動したいですから・・。
でも、やはりシャサーニュ的な・・ピュリニー的な部分をしっかり感じさせてくれる・・そしてその特徴をそのままに表現してくれるテロワールを、ある程度「バラかして」仕入れておくのも重要でしょう。
このコンシ・デュ・シャンは、2017年までの「ある種の緩さ」は無いです。しかし、シャサーニュ的な「寛大さ」「包容力」はしっかり感じます。ピュリニーより、より白さの際立つ感じだと思ってください。お勧めします!飲んでみて下さい。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】 アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
● 2021 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【非常に少ないレ・マシュレルです。】-----入荷が少な過ぎて飲めませんでした。冴えない評価は無視しましょう・・(T.T
どうやら100ケース、生産できれば上出来との・・ことです。なので入荷数も少ない訳ですね。Noisy wine には例年6本だけ。2020年ものも同様でした。
アドヴォケイトは92ポイントと冴えない評価です。どうも以前の評点をそのまま踏襲しているような評価ばかりで面白くないです。noisy 的には今までとは劇的に違う・・と感じた2020年ですが、アドヴォケイト的にはそうは感じなかったということなのでしょうか。
細い糸と撚り合わせたような、程よい緊張感、金属感のあるミネラリティ、そこに白っぽい石灰と細かく透明な石、黄色いフルーツ・・そんなイメージを持っています。シャサーニュ1級レ・ヴェルジェの上部がレ・ショーメ、下部がこのレ・マシュレルです。価格的にも中間的ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【たったの6本・・の入荷です。】 すみません・・これは飲むのを回避してしまいました。2019年のユベール・ラミーはキュヴェにより結構に少ないものが散見されまして、この1級のマシュレルもその一つです。
ですが・・この2~3年の間に大きく成長しているキュヴェですので・・きっと密植化を順調に伸ばしているはずでして、その影響こそがその成長の結果だと考えています。
ただし、1級クラスは軒並み・・
「まだ落ち着いていない」
と判断していますので、少なくともこの春、温かくなってくるまでは開けないようにされた方が無難かと思います。
また海外メディアの評価も探したんですが、ジャスパー・モリス氏の93ポイントしか見当たりませんでした。少なくて飲めないメディアも有ったのでしょうか・・それともそれを掲載しているショップさんに割り当てが行っていないので、noisy が見つけられないのかもしれません。
いずれにしましても、希少なシャサーニュ1級です。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・繊細かつ気品ある素晴らしい表情・・滅茶細やかなミネラリティ、石、煙、果実・・ぞっこんです!】 いや~・・素晴らしい・・ちょっと別格ですね・・。
2017年ものは「飲みやすさ」にまで言及してますからそんな側面も有ったはずです。
しかし・・2018年ものは半端無いです!膨大なミネラリティに隠れてしまうはずの非常に繊細で美しい表情が、アロマにも、味わいにも表れて来ています。
そしてその表情の素晴らしさにグラスを放置して放心してしまう・・そんなことが起きかねないほどにポテンシャルの高い味わいを見せてくれます。
マシュレルは、かの「レ・ヴェルジェ」の下部にある1級畑ですが、多くのレ・ヴェルジェは単純だ・・とさえ思いこんでしまうそうになりますので・・ちょっと危険でさえありますよ。
実際、テイスティングの残りを店に持って来ていたので、数人の方(車じゃない方・・ですよ)にテイスティングしていただきましたが、いや~・・面白かったですね~・・みんな、黙りこくっちゃったんですよね・・。なので、何か話しかけようと・・
「んと・・これ、約1週間、テーブルの上に放置してたのを持ってきたのね・・」
などと言ってしまったら・・さらに黙ってしまって・・
「・・あ、ごめん、まだこのキュヴェは販売できないんだけど・・」
なんて・・ね。
なので、早めに入れていたA.C.ブルのシャタイネールをお持ち帰りいただきました。
そして同じく1級のレ・ショーメも凄いですが、レ・ショーメは豊満なスタイルで、こちらは繊細・・いや、面白いですよ。それに密植度もだいぶ進んでいると思います。あ、メディア評価は無視してください。最大95+ポイントまでは有ります。是非飲んでみて下さい。凄い旨いです!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!!アドヴォケイトは90~92pointsだそうですが・・そんなもんじゃ無いでしょう!】 ようやっと飲むことができたレ・マシュレルです。2016年はリリースさえ無かったはずです。
この畑はシャサーニュの北側、1級レ・ヴェルジェの東に接しています。勿論、ル・モンラッシェも近いですよ。
アドヴォケイトは「最も飲みやすい2017年のラミーのキュヴェ」と評価し、90~92ポイント付けています。外れですね。最も飲みやすいかどうかは人に寄るので判らないとしても、一見ではとても計り知れないポテンシャルを持っていると感じます。
実はこのコラム、一回書き上げたんですが・・Windows のエラーでおじゃん になってしまいました。なので、かなり凹んでいます。
ですので、文字そのものは少なくなってしまったんですが、
「相当凄い!」
のは間違いないです。
「2017年のラミーの中で最も飲みやすいキュヴェ」って・・もっとポテンシャルに言及しないとディスっているだけのように見えちゃいますから・・決してそう言うことでは無いと思ってくださいね。素晴らしい、シャサーニュ1級です!・・長くも持ちますよ。物凄い、理解を超えたようなミネラリティが有ります。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】 少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
● 2021 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【物凄く少ないです・・以前の情報が更新されておらず、密植度がどれほどになったか不明だとしても、相当凄いことになっているのは想像できます!】
この超密植2万本台のレ・ショーメだけは、アドヴォケイトは2020年と同様の評点を付けています・・が、飲み頃をですね・・微妙に短くしているんですね・・。
そんなところにウィリアム・ケリーさんが2021年のラミーのワインをどのように評価したか..が表れていると思っています。
つまり、2020年の方が2021年よりも長く持つ・・としているんですね。
noisy は、その意見には同意できません。何故か・・と言いますと、このレ・ショーメはラミーが今、一番リキを入れてオート・デンシテ化を図ろうとしているキュヴェです。なので、・・毎年のように、樹々の間、間に苗を植えています。その影響が出るのには数年掛かるでしょう・・もちろん、間に植えた苗からも葡萄は出来ますが、その葡萄は別にするはずです。
影響とは、地表近くに値が張らず、地下深くに入って行くこと・・ですから、若木を使用しなければ、最大限の恩恵を受けた葡萄でオート・デンシテを造れる訳です。
なので、その辺りは「同じポイントで評価してるよ」と言われるのかもしれませんが・・やはり同意できません。ぜひお確かめいただけますと幸いです。
「オート・デンシテを名乗っていないキュヴェのトップです!」
どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテの名乗りの直前?】 すみません・・数が無いので・・。
アドヴォケイトは昨日評価が上がったようで、2019年ものと同様、94ポイントと出ていました。2019年物で上値95ポイントのジャスパー・モリスさんは、ラミーの2020年ものはどうやら飲めなかったのかな?・・上がっていないようで判りません。
オート・デンシテ化はそう簡単では無いはずですが、多く植えさえすれば・・ある程度の結果は出てくるはずです。勿論、その植えたばかり・・若い樹の葡萄を使わないことが前提です。
ですからこの1級レ・ショーメ、オート・デンシテを名乗る前に、「プッ」と評価が上がる可能性が有るんじゃないかと・・ちゃんと評価できていれば・・ですが、もしそうなったら相当お買い得なワインなのでしょう。何せ、
「良い結果が出ると判った今でも他には誰も手を出さない超密植化」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ついに・・来ました!95点超え!】 他のメディアの評価は何故か見つけることが出来ませんでしたが、ジャスパー・モリスさんの評価だけ見当たりました。
2018年まで94ポイント止まり・・それがようやく95ポイントと、新たな領域へと入って来ました。
いずれこのキュヴェはオート・デンシテを名乗るようになるはずですから、毎年のようにこのキュヴェを楽しみにしていらっしゃることと思います。実際非常に・・そのような方は多いです。
ですが・・2019年ものはたったの・・
「12本だけ」
の入荷でした。しかも・・
「1本テイスティングしてしまった」
ので、11本しかありません。なので申し訳ありませんが、
「お一人様1本限定」
とさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、このレ・ショーメもサン=トーバン1級アン・ルミイィと同様に・・
「まだ完全には落ち着いていない」
のと、
「自然派的なアプローチが透けて見える」
部分が有ります。
ですので、出来ましたら少なくとも暖かくなるまでは手を出さない方が良いです。それに、
「2018年までのこのキュヴェを飲まれた方ならなおさら!」
だと感じます。
柔らかさを含んだ見事な味わいですが、2018年までのゴリゴリと押し寄せるラミー感は薄らいでいます。なので・・落ち着くまで待ってくださいね!・・この辺の意味がお判りになられる方向きの素晴らしい1級です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!・・さすがプティ・オート・デンシテ2万本/ヘクタール!・・しかもバランスも素晴らしい・・圧巻です!】 もう、このキュヴェを狙っていらっしゃる方は多いと思いますので、多くを言わなくても良いかと。味わいはもう、通常のシャサーニュ1級では有り得ませんし、しかも、
「常にこっちを向いてくれている」
かのような包容力も持ち合わせています。
それでもやはり2018年ものは2017年ものを凌駕しています。まさに「圧巻」です。海外メディアの評価が94ポイント止まりなのが全く解せません。このところ調子の良かったティム・アトキン氏も92ポイントで、これも却下です。
やはり美味しいものは「さっさと無くなる」のが常でして、勿論店頭でもそうですし、家庭内でも・・そうなんですね。なので、
「減りが早い」
のが残念なところで、1週間くらい、お付き合いしたいなぁ・・と思っていても、超絶にバランスが良いので、ついつい飲んでしまうんですよね。
しかしそんな状況でも、情報量の多さと豊かさの中にある繊細さにクラクラさせられてしまう訳です。
価格は異なりますが、1級のマシュレルとは、同じく1級畑のレ・ヴェルジェを挟んで西側上部にある畑です。通常は上部の方が繊細な性質になりますが、モンラッシェの南側すそ野辺りは微妙に異なるようです。
ですので、「豊かなレ・ショーメ」と「超繊細なレ・マシュレル」と言う比較も楽しいかと思いますよ。・・いや、相当簡単に言っちゃってますが、物凄くレベルの高いワインです。ご検討いただけましたら幸いです。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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いや~・・1月23日(木)の新着を楽しみにされていらした方には本当に申し訳ありませんでした。急なサーバートラブルに巻き込まれまして、
「新着記事を書いている場合じゃない!」
と言うような状況になっておりました。現在は復旧しています。まぁ、新着が出るだろうと待ち構えていらしても、サーバーが不安定だったと思うんですね。大変なご迷惑をお掛けしました。こちらももう・・気が気じゃ無かったですが・・。こんな時に備えて色々と手は打ってあるにせよ、その手を打てる状態でも無いとなると、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。
葡萄造りもきっと似たようなことが起きるでしょう。やはり経験がものを言う世界でも有りますから、先達たちの教えも重要です。かといって、自身で考える、感じる、想像してトライすると言ったことを止めてしまうようなアクションを与えるのは、また出過ぎたことになってしまいます。
今や誰も行っていない、三万本の超密植キュヴェをリリースするラミー家ですが、25~35cm 間隔で樹が植わっているとなると・・これはもう、想像を絶する世界です。元々は90 ~ 100cm 位の間隔で植わっているその間に、2本ほどの樹を植えるとしても、表土に張った根を処理することを考えると途方もない作業であるし、またその樹が充分に育つまでの長い時間を考えると、
「・・やってられないよ~・・」
と言うことになるのが普通です。もしくはすべての樹を一度抜いて、等間隔で植えなおすなんて・・考えただけで頭がおかしくなりそうです。
この1級レ・ショーメですが、オート・デンシテを名乗らないキュヴェの中ではトップ・キュヴェの一つです。
以前に2万本/hと言うアナウンスが有りましたが、おそらくもう・・その情報は古いでしょう。口に含むと・・
「物凄い密度からの解放圧力!」 に圧倒されてしまいますよ。
透明感の凄いミネラリティは、おそらく何層かに分かれているようにも感じられます。・・え~・・「玉ねぎ状態」でしょうか。
その一番外側の層に、僅かな亀裂みたいなものを生むのが「時」です。気品みたいなものが漏れて来ます。
次いで・・柑橘果実です。ドライなのに甘い・・(^^;;ネットリなのに・・スッキリです。その余韻がまた・・何とも素晴らしく長いんですね。
やはりこのように素晴らしいシャルドネには、濃い味わいのお料理もこなせてしまうポテンシャルが有るとしても、決して素材の持ち味を調味料で埋めつくさない程度の味付けでいただくのが良いと感じさせられました。
やはりこのレ・ショーメに感動した!・・とおっしゃるお客様は多いですね。意外にも若くても飲めてしまうんですよね。・・いや、勿論ですが、運悪く硬いバイオリズムの時も有るでしょう。それでも「玉ねぎ」ですから・・。一枚剥きさえすれば何とかなる部分も有るかと思います。
この素晴らしい2017年レ・ショーメは、記念すべきワインになっている可能性は大です。アドヴォケイトは90~92のようです・・思わず笑っちゃいました。やっつけ仕事はワイン屋だけじゃなかった・・メディアも同じですね。是非ともこのワイン、飲んで見てください。お宝だと思います!滅茶苦茶安いと思います!・・勿論ですが、今は「少しずつ表情を見せてくれる」に留まりますが、
「密度が生んだ迫力から漂う気品!」
で美味しくいただけるはずです。
● 2021 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【アドヴォケイトもドメーヌのトップ2に認めた2021年!・・おそらく2ポイントほどは上げて考えてみるべきでしょう!】
あくまで noisy 的な感覚ですが、2021年のユベール・ラミー...
「半端無い、凄い出来!」
です。
長く見続けて来ているので・・自信はあります。ですがその証拠となるものが・・無い・・(^^;; 目の前に品物はあるのに開ける訳には行かない・・痛し痒しです。
noisy だって、
「ラミーはいつか、偉大なる生産者として認められるはずだ」
と思って・・長年、苦労もして来ました。少し高くなったなぁ・・と思えば粗利を下げたり、まったく数も無いのに総体の出来をチェックするために、無理してテイスティングも行ってきました。
その甲斐在って、今やブルゴーニュのトップ・ドメーヌに躍り出たんですね~・・パチパチパチ・・でも、未だに苦労は続いています・・もう、大変です。何も考えずに何も手を出さずに・・ただ定価でさらっと並べるだけで出したい・・などとも考えてしまいます。
でも、それじゃ自分自身、何も面白くないし、業界の現状に一言申す事さえもできない・・試食さえしないレストランにあなたは行けるか?・・と自問自答の末、今のスタイルになっています。
ですがすみません・・この希少なるサン=トーバン1級デリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテ..飲めませんでした。期待を込めて、
「97ポイントまではあるんじゃないか?」
と・・2021年もののユベール・ラミーを開けたスキルで考えています。ご検討いただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ随一のドメーヌの2番目のワイン・・です・・(^^;;】 「・・えっ?・・オート・デンシテ2020、・・開けちゃったの~~?」
みたいな悲鳴が聞こえて来そうですが・・安心してください・・穿いて・・いや、2020年ものではなくて2017年ものの写真です。実は以前にも掲載していますが、お客さんが間違えて普通の「デリエール・シェ・エドゥワール」のつもりでその「オート・デンシテ」を開けてしまった時にいただいたものです。
まぁ・・間違えて開けてしまった時は物凄いショックだと思いますが、すでに・・か、すぐに・・で口内に入れていた訳ですからね・・幸せな時間が訪れていたことでしょう。
noisy が扱わせていただいた最初の頃は、まだまだリーズナブルでした。1万円くらいだったんじゃないかと思います。そこから言いましたら随分と値上がりした訳ですが、こうも言えると思うんですね。
「もはやその頃のユベール・ラミーのワインとは、出来には雲泥の差が有る」
と。
偉そうに言ってしまえば・・、こうなるだろうと思って・・いや、そう期待して、頑張って販売させていただいていた訳です。そう思わせる「何か」を感じさせる造り手さんだったわけです。
しかし実際にそうなってしまいますと・・ね。
「・・黙っててくれればよかったのに!」
「・・そんなに評価、高くしないでよ!」
と言うようなね・・ちょっとやっかみ半分・・もあるかもしれません。
でも、ここは素直に、オリヴィエの半端無い努力と、その想像力をほめてあげたいと思うんですね。
もう・・アン・ルミイィで・・おそらく皆さんもnoisy と同様に・・
「たまげた~・・!」
と思っていただけるはずです。
それにいつもは飲めているはずの、レ・ショーメやクロ・ド・ラ・シャテニエールも2020年ものはテイスティングしていません。
ですが・・実は・・こうも言えるんです。
「わざわざ開けて数を減らす必要はない。だってもう・・見切れたから!」
素晴らしいのは間違い無いと確信を持てた訳です。マンモスなミネラリティとピュアさ、そこにナチュラルさが入り、今までの「ごり押し中心」の味わいでは無い・・何とも心地良い柔らかさを持った2020年のデリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテです。
すぐにも開けたい気持ちは判りますが、アドヴォケイトも書いているように・・
「2030年から・・」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】--以前のレヴューです。 希少過ぎてnoisy も中々飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2021 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【ユベール・ラミーのトップ3の一角、レ・トランブロの超密植キュヴェです!】
未だアドヴォケイトしか評価が見当たらないので困っています・・そうは開けられないですからね。ワイン屋だとしても1本とか2本とか・・と言われてしまうとどうにもなりません。最低でも12本無いと飲めない訳です。
しかも、ラミーのように近年になってグイグイ延して来たドメーヌのワインは、毎年減っていますし、当然価格も劇的な上昇をしますから、
「どうにもならないので粗利率を下げて対処」
するしかないんですね・・。
なので、Noisy wine は以前よりも粗利率を下げてご紹介していますし、販売条件も緩和している場合が多いんですね。
超密植のキュヴェで、今や食密度は・・
「3万本/ヘクタール」
に届かんとしていると思います。ご予算が許すようでしたらご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【デリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテより低い評価にしたいのは・・判りますが・・(^^】 造り手の意思・・は様々な形で伝わって来ます。ワインを飲んでも・・その色を見てもです。でもそんなことだけでは無くて・・例えば・・
「価格設定」
それひとつ取っても造り手の意思は感じられるんですね。
この、古木中心とは言えピュリニーの村名に過ぎない畑の超密植のキュヴェを、サン=トーバンの1級畑であるデリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテの上の評価にはしたくない・・そんな評価者たちの無意識の行為に対し、造り手としての意地・・と言いますか、ささやかな抵抗・・でしょうか、
「この2つのオート・デンシテは私にとって、全くの同格である!」
と言うオリヴィエの意思なのでしょう。
ブルゴーニュに詳しければ詳しいほど、ガチガチに固められている自身のイメージが有ると思います。それは noisy にしても同じことです。ましてやマスター・オブ・ワインなどの資格を取得しているメディアの評価者ともなれば余計だと・・推測できます。
2019年もののクリオ=バタール=モンラッシェに対し、当初上値で99ポイントとしていたアドヴォケイトは、後に100ポイントに修正の上、白ワインでただ1本、2019年を代表するブルゴーニュワインに選出しました。
「お~・・アドヴォケイトもオツなこと・・できるんだ~・・」
と、思ったものです(思いっきり上からですみません)。自身の過ちを修整できるのは素晴らしいことです。まぁ・・朝令暮改・・とも言いますが・・
ですが2020年ものも同様にクリオに100ポイントを献上したのには・・驚きました。なぜか・・と言いますと、
「2020年もののユベール・ラミーには、海外メディアはポイント下げで対応するんじゃないか?」
と想像していたからです。
それは以前にも申し上げました通り、判る人にはすぐ判る、判らない人には全く判らない・・ですから、
「あれ?ラミー..2020年ものは2019年と比較したら大したこと、無いんじゃないか?」
と思われがちだと思っていたからですね。
自身の決めた道をどこまでも真っすぐ歩いて行く。振り返りもするが留まらない。そんな姿勢にはラミーの自然派由来の手法も当然のように進歩していると考えるべきだと思っています。
このピュリニーのトランブロですが村名畑で、しかもそれなりに下部に位置していますから、
「知っている人は・・評価を下げがち」
です。
でもオリヴィエの意思を感じるのであれば、本当にそれが正しいのか?・・とポテンシャルを拾いに行って判断するべきかな・・と思います。ブルゴーニュ界の革命児、誰もやったことが無いことを平気でやり遂げているオリヴィエ・ラミーです。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】---以前のレヴューです。 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2021 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【3年連続満点は達成できませんでした・・がアドヴォケイトは、「このヴィンテージで最も印象的なワインの 1 つを生み出した!」としていますので・・もしかして??】
こんなに高価なシャルドネを、そう易々とは購入決断とは行かないかもしれませんね。それに、
「3年連続100点満点」
を逃した形になっていますし・・。
ですが、良~~く思い出してみますとどうだったでしょうか?
そもそもアドヴォケイト100点のファーストヴィンテージ、2019年ものは・・
「当初は97ポイントの評価」
だったんです。
それをいつの間にか修正し100ポイントに、そして、
「2019年を代表するトップブルゴーニュワイン」
としたんですね。
ですので、アドヴォケイトも・・
「2021年ヴィンテージで最も印象的なワインの一つを生み出した」
と言ってますから、2019年もののように、
「2021年を代表するブルゴーニュワイン」
に選出し、評価を変えるかもしれません・・まぁ・・飲めないのであくまで期待しているだけではあります。
結局ですね・・ラミーの超密植のワインを、どのように捉えているか?・・だと思います。noisy 的には、ある程度長く飲み続けて来ていますから、それなりの「感覚」が養われているような気になっています。ですが、メディアになりますと・・そこまではなぁ・・と。
ですので、そこは自分で確かめるしかない・・でも先立つものが・・と、非常に悩ましいことになるかと思います。でも、おそらく・・世界中でも最安値じゃないかと思います。どうぞご検討よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネ史上初??・・2年連続アドヴォケイトで100ポイント達成!・・名実共にブルゴーニュ白最高のドメーヌに!】 1年だけなら「・・フロックでしょ?」と・・言われても仕方が無いのかもしれませんが、なんと2年連続での満点達成とは・・noisy も偉い・・驚きました。しかもこのコラムを書いている2月1日になって、
「ユベール・ラミーのクリオ=バタール=モンラッシェ2020、アドヴォケイト100点!」
のニュースが飛び込んで来たんですね。まずはオリヴィエにおめでとうと・・拍手をお送りしたいと思います。
まぁ、Noisy wine のお客様なら、ユベール・ラミーならフロックのはずなど有る訳が無いと・・お判りいただけるはずです。2020年もののクリオ=バタール=モンラッシェを購入する意思が有ろうと無かろうと、
「ラミーのワインは滅茶旨い!」
と身に染みていらっしゃるに違いないから・・です。
それにしましてもこの2020年もののユベール・ラミー・・noisy としましては、本当に悩みに悩んでいました。数は無いのに価格は暴騰・・そりゃぁ仕方が無いかもしれません・・ブルゴーニュのトップに躍り出てしまった訳ですから・・。そして、noisy も思い知らされました。
「・・未だにアドヴォケイトの評価は神通力を失った訳じゃ無かった」
と。
そして noisy を悩ませたのは価格だけでは有りません。前回お伝えした通り、
「以前からわずかに感じていたものの、ラミーのナチュール化も同時進行している!ラミーは全く留まらない!」
と言う、noisy 的な確信を2020年もののラミーのテイスティングで得たことで、
「・・その裏打ちとなる証拠が欲しい」
と言うような気持ちが生まれた訳ですね。
そりゃぁ・・誰よりも自身のテイスティングには自信を持っていますから・・すみません・・量の話じゃなくて・・(^^;; ですが、
「誰もそんなことを言い出さない!」
ことに対しての苛立ちも有る訳です。海外メディアの情報を散々探し回っても、そんなことは誰も書いちゃいないんですね。
ですが元より、ラミーはリュット・レゾネ(減農薬栽培)で有機栽培です。ルロワの栽培を毎日目の当たりにし、最高のシャルドネを目指すにはどうしたら良いのかと・・常日頃から考え、実践して来た訳ですから、
「ラミーのナチュールへの回帰は自然な流れである!」
のは間違い無いはずです。
ですので、今回の新着ではそのことを主体に書くつもりだったんですね。ところが・・この2月の1日になって、2020年クリオ=バタール=モンラッシェの満点が判ったことで、
「予定変更・・」
となった訳です。
ですが諸手を上げての万歳では有りません。アドヴォケイトからの満点取得は喜ばしい・・以前から言っているように、
「98点も99点も100点も・・変わらん!」
訳でして、でもキッチリと100点を得たことは嬉しい・・ですが、
「クリオ=バタール=モンラッシェ以外のワインの評点がちょっと渋い!」
んですね。言ってしまえば、例えば物凄い仕上がりのアン・ルミイィですよ。たったの・・95ポイントです・・ん?・・A.C.ブルのシャタイネールに至っては89ポイントです。
「・・有り得ない!」
と言っておきたいと思います。少なくとも1.5ポイント、個人的には2ポイントは低いと申し上げておきます。
なんでそうなってしまうか・・と言いますと、前述の「ナチュール」を思わせる印象の僅かな存在と、2019年までのラミーのスタイルとの乖離を感覚的に得たためじゃないかとnoisyは推測しているんです。
ですがそれは時と共に変化し、あと3カ月もしますと、2019年ものまでのラミーのスタイルとほぼほぼ変わらない状況になってくるはずです。ただし、先調子(口入れ直後のインパクト)が後調子(中盤から余韻)に変わっているのは間違い無いでしょう。
つまり仕上がり切っていないがために確証が持てず、ポイントを上げ辛かった・・と言うことだと思うんですね。まぁ、どこを見てそう思われたのか判りませんがアドヴォケイトのケリーさんも、各ワインの評価のアチコチで、
「さっさと飲まない方が良い」
とはおっしゃっていますが・・。
で、この有り余るポテンシャルを見せるクリオ=バタール=モンラッシェは、その部分さえマスキングしてしまうような物凄いワインだと言うことです。
また、noisy の場合はこの2023年の1月を中心のテイスティングですし、瞬間を切り取るだけでなく、実際に時間を掛けての評価をしていますから、バレルテイスティングで超短い時間でのメディアの判断とは、根本的に異なる訳です。
ですので、
「2020年のユベール・ラミーのワインは過去最高の仕上がりであり、その歩みを全く緩めないオリヴィエ・ラミーの姿を想起させる!」
と申し上げたいと思います。もし懐が許すようでしたら、
「この世紀の大シャルドネをご検討ください・・」
どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ついにアドヴォケイトも上値99ポイント!・・と言うことは・・これを上回るシャルドネはもはや存在するのかしないのか?・・と言うレベルの評価です。】 現在は以前のように決してアドヴォケイトの評価が支配しているような状況ではありませんが、それでもアドヴォケイトの評価が高いと価格が上がり、人気も爆上がりすることには余り変わらないように思います。
2010年頃、もしくはそれ以前のユベール・ラミーのワインしか知らない人にとっては、
「ユベール・ラミー・・・?硬くて酸っぱいワインだったよね・・」
位の印象しか持たれていないでしょう。
そんな方には2019年のラミーのA.C.ブル、シャタイネールを味見していただけましたら・・
「・・クリオ=バタール!・・飲んでみたい!」
と、コロッと心象を変化させてしまうのは・・noisy には判り切ったことです。
ただし・・評価としましてはここまで来てしまうと、価格も爆上がりしてしまいますから、
「・・たった10年もしないうちに本当に飲めないワインになってしまった・・」
のには変わりありません。
この辺りのワインを購入出来、飲める方は多くは無いと思いますが、シャルドネの最高峰の一つであるD.R.C.の2018年モンラッシェを、ジャスパー・モリス氏は94~97ポイントとしていますので、彼の中では、
「D.R.C.の2018モンラッシェよりラミーの2019年のクリオ=バタールの方が上。」
と言うことになっちゃいますね。
もっともD.R.C.2019年モンラッシェはリリース前ですので、下値96ポイント以上、上値100ポイント以上・・??を付けない限りクリオ=バタールをうっちゃることが出来ないと言う状況です・・が、きっとD.R.Cは満点・・行くんじゃないかとも思っています。
この辺の争い?・・も面白いですが、このレベルになってきますと本当に好みの世界だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイト上値98ポイントも、ついに10万円オーバーになってしまいました・・】 以前は数万円で購入できたクリオ=バタール・オート・デンシテですが、2018年ものはアドヴォケイト98ポイント、上代14万円になってしまいました。・・厳しいなぁ・・
なので、本来はもっと高く付けたいんですが、もうギリギリまで粘って・・こんなプライスです。開けて飲んで経費使って・・厳しいなぁ・・ホント、辛いところです。
あれだけ卓越した評価をしていたティム・アトキン氏ですが、なんでしょうね・・noisy がテイスティング出来たクラスですら、
「・・ん?・・マジすか?・・どうしちゃったの?」
と思えるような評価評点を出していました。明らかに変で、ちょっと心配ですね。
最も、このクラスのワインをさっさと開けてしまう方は、そうはいらっしゃらないかと思いますので・・どんなに少なくとも5年は待ちましょうね。ご検討くださいませ。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。(未確認ですがアドヴォケイトは96-98Pointsのようです。)】 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2021 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ツッコミ所満載のシャサーニュ・グージョンヌV.V.!・・メディアもしっかり騙されているところを・・ご確認いただくのも楽しいかと!】
判りやすく、滅茶凄い2021年のラミーのシャルドネですが、それでもキュヴェによりましては、
「まだ飲まない方が良い」
と言うべきアイテムはあるはずです。全部はとても飲めませんでしたので不明な部分は有りますが、少なくとも・・
「クリオ=バタール=モンラッシェなどのオート・デンシテ類」
だけは、さっさと手を出すと「火傷」するかと思いますのでご注意くださいね。
それにしてもとんでもない出来だった「A.C.ブル・シャタイネール2021」でした。余りに凄いので、その理由をずっと考えていました。アドヴォケイトのウイリアム・ケリーさんが、
「かなり上級キュヴェのレイター・プレスを50%入れた」
と、後から知ったんですね・・。「なるほど~・・」と思いましたよ・・。半端無いですもん・・(^^;;
まぁ・・シャルドネの方は近いところに畑が沢山有りますから、そのような「格落ちをブレンドする」なんて芸当もできますが、ピノ・ノワールの畑はそうも行きません。
しかしながら、
「徐々に超密植化をしている影響が感じられる」
造りになって来ていて、ワインもめちゃ伸びて行く味わいになっています。
このグージョンヌV.V.ですが、アドヴォケイトは、
「サントネイ村名より低い89ポイント」
でした。
noisy も飲ませていただきましたが、その段階ではアドヴォケイトの評価は知りませんでした。
飲んでみて・・
「・・ん?・・あれ?・・美味しいんだけど・・何か・・ちっさいよ・・ね・・?」
そうなんです・・小さいんですよ。・・いや、美味しいんですよ?・・でも、グージョンヌをず~っと飲んで来て、noisy なりのイメージは出来上がっている訳ですよ。
「・・あ・・そういうことか・・」
そう・・これ、全く仕上がって無いんです。
現状は全く仕上がっていないんですが、現状で美味しく飲めちゃうんですね・・つまり、
「要素のほとんどは休眠中で、わずか存在する余分な要素部分で、物凄くバランスが取れた表情をしている」
だけ・・何ですね。
論より証拠・・1週間ほど放置しましたところ、大きくなって来ました。まだ見ている最中です。なので、
「グージョンヌは1~2年、待った方が良い」
と言う結論です。
アドヴォケイトは「小さい出来」と考えたようです。なので、サントネイ村名よりも低く、2024年から10年ほどの短い飲み頃と判断したのでしょう・・そんな訳、無いでしょう・・?
豊満な果実がたっぷり有った2020年ものではありません。言ってみれば、その「余りある」果実味を大部分除き、果実酸をたっぷり乗せ、ミネラリティをお代わりして追加した感じなのが、この2021年もののグージョンヌV.V.なんですね。
なので、こちらはもう少し後から飲まれるのが良いです。ぜひご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【薄くて甘くて腰の無いシャサーニュの赤・・とは正反対。とても小さな実のチェリーとベリーにたっぷりの石灰系ミネラリティが出来の良いシャンボールのような味わいを感じさせてくれます!しかも一体どうやったら2020年ものを13度に出来たのでしょう?】 これもまた頭抜けた出来のシャンボール...いや、シャサーニュの村名ピノ・ノワールです。
シャサーニュの赤が好きな方がもしいらして、このワインを飲んだら・・とんでも無く驚くに違い在りません。でもラミーのグージョンヌも、当初はこんなワインじゃありませんでした。
このずっと下の方に2013年ものの写真が有りますが・・まぁ、2013年と言う弱いヴィンテージの性も有るとしましても、
「2020年ものとは比較にならない」
のはお分かりいただけるでしょう。2016年もの位になってようやく、2/3 位の濃度でしょうか。
それでもこの透明感の高い色彩は、決して・・「濃いなぁ・・」などと思うようなものではありません。
2020年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、その厳しかった気候から・・いや、実の成長期~収穫ギリギリまで雨が降らなかったんですね~・・濃くてアルコール分の高いワインが多い訳です。でも・・
「ユベール・ラミーの2020年もののピノ・ノワールは、すべてアルコール度が13度!」
と言う・・奇跡のような仕上がりをしているんです。
だからこその、この素晴らしい色彩です。照りが有るがしっとり・・しています。グラも見えるようなのにブルゴーニュのエレガンスも見えるようです。
「・・強そうだ・・」
なんて、見えないでしょう?・・どうしたら、
「毎年植密度を上げて小さな実を付ける葡萄の、天候で上がってしまう糖度を自然に抑えることが出来たか?」
と思わないでしょうか?
これに正対する答えは、noisy にはこれしか思い浮かびません。
「畑の密植度の高さが良い方に向かっている」
良く、ワインの出来は葡萄の出来とイコールだと言われています。畑がワインを造る・・もしくは、ワインの格は畑が決めるなど・・。大昔からの優れた畑は、収穫制限しなくても、ちゃんとINAOが定めた収量を下回るそうです。
ですので、もしかしたらですが、ラミーが取るとんでもなく労力と時間を要求される「超密植」と言う手法こそが、これからのブルゴーニュワインの取るべき手法なのか・・とさえ思えてしまいます。
そして他のコラムでも書いていますが、このワインの場合も・・ほんのわずかに、気付かないほどに感じるナチュールの気配が、まったく留まることを知らないオリヴィエ・ラミーを教えてくれているようでも有ります。
精緻な果実、エレガンス、ベストと思える飲み心地・・を兼ね備えた凄いピノ・ノワールでした。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは2018年の92点から91点へ1点下げ・・?・・ちょっと判りません。素晴らしいシャサーニュ村名赤です!】 2015年もののラ・グージョンヌこそ数が無くて飲めませんでしたが、2014年ものからグラスの写真も掲載していますので・・
「この数年間のラ・グージョンヌの成長ぶりが判る!」
んじゃないかと思っています。こうやって見てみると・・2014年ものが可愛らしいですよね~・・。でもラミーは2014年もので大ブレークしていますから・・はい。2019年ものの物凄い密度が見えるような色合いは、ちょっと感動的でも有ると感じます。
そして・・noisy の場合は、ボトルからワイングラスに注ぐ時に必ずグラスを左手に持って、斜め35度ほどにして(相当横にします・・)注ぎながら少しずつグラスを起こし、45度ほどになるまで注いでからゆっくり起こします。
そうしますと分量もとてもちょうど良いですし、何よりグラスをつたう「涙」もちゃんと見える訳です。ソムリエさんが良くやるように、グラスをテーブルに置いたまま、少し空気を含ませるように「ゴボゴボ」と注ぐようなことはしません。美味しく飲もうとする時に、そのようにするのはワインによっては有りだと思いますが、繊細なピノ・ノワールにはどうでしょうかね。余り好ましくは無いかな・・と思いますが、noisy はソムリエでは無いので・・はい。
また「美味しく飲む」と言うよりも
「そのワインのポテンシャルや性格・コンディションをしっかり拾う」
のがテイスティングの目的ですので、開けるのも静かに・・グラスに注ぐのも静かに・・やります。スワリングをするのはずっと後・・です。しない時も有ります。
で、2019年のラ・グージョンヌV.V.です。2018年ものは確実に超えています。アドヴォケイトは2018年のポイントから1点下げ・・と言いますが、90~92 から89~91 への下げです。ちょっと意味不明です。
密度がまぁ・・半端無いです。シャサーニュの赤らしく、「ぶりっ」とした果実の豊満さが出ています。二枚目の寄った写真をご覧いただきましたら・・「グググっ」と引き寄せられてしまうんじゃないでしょうかね・・ビターなピノ・ノワールなんですが、密度の高さが何とも言えぬ「甘美さ」を感じさせてくれます。
面白いのはシャサーニュの南の「サントネ」との対比ですね。シャサーニュ・ラ・グージョンヌは「豊満」な・・グラマラスな女性を連想させます。でもサントネの各赤ワインは、「良く締まった見事なボディ」のスポーティな女性を感じさせます。
ある意味これは見事にテロワールを具現化していると思っていまして、シャサーニュ赤は豊満、サントネはタイトだけれどしなやかな筋肉を持っていると思います。クロ・デ・ゾート村名・・滅茶苦茶美味しいですし、このラ・グージョンヌも滅茶苦茶美味しいです!・・でも相当タイプが違います・・もっと違うのはサン=トーバン1級赤ですけどね!
そしてラミーのワインは赤も白も、品温が下がっていても・・
「まったくへっちゃら!」
です。繊細なのに・・でも平気なんですね。これもおそらく密植のなせる業なのかと思います。是非飲んでみて欲しいですね・・ご検討くださいませ!希少な2019年のラミーの赤です!
以下は以前のレヴューです。
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【不謹慎かもしれませんが人の密は避けて何とかこの難局を乗り越えましょう。でもワインの密はちょっと有難い・・】 もう・・これは色合いを見ていただけましたら、2017年ものとは全然異なることがお判りいただけるでしょう。密度の高い見事な味わいになったレ・グージョンヌです。
シャサーニュの赤は、どこか「抜けたようなおおらかさ」を感じる場合が多いですよね。リキミが無くエレガントなんですが、どこか芯がハッキリしないとか、平板で面白みが無いとか・・なので人気は今ひとつ・・と言った感も有るかと思います。
しかしながら2018年のレ・グージョンヌは、ちょうど良い密度感・・いや、普通なら「とんでもない密度感」なんですが、そこはラミーですから・・。どうしてもそのように言わざるを得なくなってしまいます。
赤黒果実がしっかり有り、ラミーの赤の中では、最も充実した甘やかなタンニンの存在が感じられます。
これ、結構に脂の厳しい肉にも合わせられるだけの重厚さが有ると思いますよ。そして甘く無いんですが酸バランスからでしょうか、厳しく無い優しい感じがします。濃度はしっかり有るが女性的なピノ・ノワール・・と言えます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
━━━━━
【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2021 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Rouge Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【めちゃ素晴らしいです!・・もしこのアペラシオンがジュヴレ=シャンベルタンとしたらなら、一体メディアは何点付けたのでしょうか!?】
2021年のシャルドネ、1級クロ・デュ・メを飲まれた方は、とんでもなく驚いたに違いありません・・よね?・・
まぁ・・以前は5千円ちょっとで販売させていただき、余りの美味しさと全く釣り合わない価格でお客様に喜んでいただきました。もっとも、
「ユベール・ラミー?・・サン=トーバン・・?・・知らないなぁ・・」
とずいぶん言われたもので、どうしてもイメージから入られる方の頑丈なバリアを崩すのは、noisy も大変だったと思い出します。それでもクロ・デュ・メ2014年を一度飲まれた方は、6本、12本と・・ご購入して下さって・・それが有ったからこそ、今もこうして Noisy wine もラミーのワインを扱わせていただくことが可能なんですね。
「・・それはもう・・判った。・・でもこのコラムはデリエール・シェ・エドゥワールの赤じゃん?」
と言われると・・そう、罠を張っていたんですね。
実はその素晴らしい1級クロ・デュ・メはシャルドネですが・・この1級デリエール・シェ・エドゥワール(実際にはレ・カステート)の真下にある小さな畑でして、
「まるでデリエール・シェ・エドゥワールに抱かれて守護されているように見える畑」
と表現する方もいらっしゃるらしいんですね。
まぁ・・サン=トーバンの情報は、メディアに出ることも非常に少なく、今度インポーターさんがラミーのところに行くというので楽しみにしていたところ、出発前の新型コロナウイルス検査で陽性・・とのことで、
「明日も家で仕事します・・」
と連絡があり・・あらまぁ・・と残念がっているところです。
で、例えばそのクロ・デュ・メは、
「厳しい粘土の表土があるが、(ラミーの樹は)その下の硬い石灰岩層まであと30センチしかない」
なんて情報が有ったんですね。
なので2021年のクロ・デュ・メはその石灰岩層まで到達し、根が穴を見つけて入り込んだんじゃないか?・・などとも想像している訳なんですね。
その母親のようなデリエール・シェ・エドゥワールはシャルドネもピノ・ノワールも、そして超密植のシャルドネのオート・デンシテさえも産しています。
この2021年のデリエール・シェ・エドゥワール・ルージュは・・なんと、
「noisy がテイスティング出来た2021年ラミー赤の中で、もっとも早いうちから飲める状態」
です・・もっとも、後で少々付け加えますんで、最後まで読んでくださいね。
抜栓直後は東洋的なスパイスの凝縮したニュアンスがふんわりと立ち上がります。複雑性に富み、それなりに最初はキツイ感じのスパイスですが、すぐに緩やかになって心地良さに包まれます。鉄っぽさに美しく赤い土のニュアンスとチェリーや杏、ベリーが絡みます。徐々に膨らんできますが、透明感のしっかりしたミネラリティが各表情を包み込み、滑らかなテクスチュアと、その僅かな襞を突き破って先の表情が出てきているのが確認できます。余韻は・・恐ろしいほどに長い・・感動ものです。
2021年のラミーの赤は、白と同じほどの成長具合では無く、幾分ゆっくりしたものです。ですから、今飲んで一番美味しく飲める赤として、このデリエール・シェ・エドゥワール・ルージュを上げましたが、「完全に開いている」と同じ意味ではありませんので勘違いされないようにお願いします。
ただし、今飲んでも・・抜栓直後の僅かな不安定さ、東洋的なスパイスの集合体が一気に解放されてくるような部分が20~30秒ほどあるだけで、その後は非常に良い感じですから、
「あと少し、休養させると良い状態になるんじゃないか?」
と想像しています。
何せ、2021年のクロ・デュ・メがあの凄さですから、
「クロ・デュ・メの母親のように守護しているか・・のように存在するデリエール・シェ・エドゥワール」
が、相当素晴らしいのは間違い無いでしょう。
2020年の果実の豊満さが全面に出たスタイルでは無く、筋肉質で畑の真の姿からの真の表情が見える2021年です。海外メディアの90ポイントは、
「今飲んで点」
としか評価していませんし、非常な短時間しか向き合っていないからこその低評価でしょう。実際はそんなことは有り得ません。出来良く希少です。ぜひご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【もの凄いムルソー赤!滅茶苦茶複雑で精密、クチャっと凝縮しつつも質の高さとエレガンスを感じさせる未体験ゾーンのピノ・ノワールです!】 いや~・・このワイン、今飲んでも旨いですが、もし完熟した時に飲んだとしたら、ひっくり返る位に驚くんじゃないかと思うんですね。
言ってみれば・・その昔、あのムルソーの巨人、コシュ=デュリが造っていたムルソーの赤を数倍濃密にしたような凄く複雑精緻な味わいがします。
違う言い方をするなら、ル・コルトン..かなぁ・・コルトン=ブレッサンドか、もしくはヴォルネイ=サントノ・・そのどれかを2倍濃縮したかのような・・それでいてドライながら旨味はしっかり、口内でその複雑な「赤くちょっとねちっこい存在」はアチコチの味蕾を弄り倒し、その余波をノーズに届けてくれます。
2019年ものも旨かったですが、2020年ものは格別です。
色彩も実に美しい!・・貴重は「赤」です。匂い立つ赤..と言いたくなるような芳香を秘めていると・・その何分の一かで充分に満足してしまいます。
アルコール分はこちらもなんと13度!・・強く無いです。軽くも無い・・ベストな度数だと言えます。
その昔・・どうでしょう・・7~80年前位まででしょうか、ムルソーはかなりの部分がピノ・ノワールだったそうです。しかし今では「ムルソーと言ったらシャルドネ」ですから、ムルソー村のピノ・ノワールはほぼ絶滅し、残った部分は「ヴォルネイ1級」として存続しています。
ですがこちらはサン=トーバン1級です。アン・ルミイィやダン・ド・シアンはモンラッシェの山の反対側で、モンラッシェを見下ろすような高い標高に有ります。
ですがデリエール・シェ・エドゥワールの畑はモンラッシェとは違う反対側の山の麓近くに有りまして、石灰が強く金属系のミネラリティが混じり合うモンラッシェ系とは異なる表情を見せるんですね。
ですから、ラミーのグージョンヌの方がニュートラルな味わいに近いと感じます。こちらは唯一無比、比較するもの無し・・敢えて言うならムルソー1級赤、ヴォルネイ=サントノ、ル・コルトン、を濃縮したかのような感じに取れます。テクスチャは滅茶滑らかなんですが、そこから飛び出して起伏を造りだしてくる!・・と感じるほどのパフォーマンスが有り、それでもブルゴーニュのエレガンスを失わないんですね。もしかしますとナチュール系のアプローチもし始めたんじゃないかと思いたくなります。
そして、この「赤」ですが・・時を経ますと、相当なブケを発するんじゃないかと・・テイスティングしていまして感じました。言っちゃえば・・「ムンムン」するほど香るんじゃないかと。
この美しい色彩をご覧いただけましたら、「ただ者ではないぞ・・」と思っていただけると思います。是非ご検討いただけましたら幸いです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【マンモスポテンシャル!・・幻のムルソー1級!・・と言いたくなる素晴らしい味わいです!】 これは凄い・・美味しい、美味しく無いとか、そんな感情は不要・・とも言いたくなる化け物みたいなワインでした!
圧巻な密度感の中に、
「どうしてこんなに複雑な要素を閉じ込められるのか?」
「どうしてこれほどの複雑な要素をサン=トーバン1級の畑の葡萄が持っているのか?」
と、不思議ちゃんになってしまいました。
確かに2018年ものも同様に、昔存在したムルソーの赤を思わせる味わいで、超複雑だった訳ですが・・2019年ものは「さらっ」と超えて来てしまいました。判りやすいのは2017年ものの写真と2019年ものを見比べましたら・・一目瞭然です。
そしてそれほどまでに「密度が高い=結果的に色が濃くなる」訳ですが、全く嫌味が無い・・さらっとスッキリもしているんですね。通常ですと、力業で濃くしてしまいますので抽出が強くなり、テクスチュアは「ザラっ」と、タンニンは渋みが強くなり平坦に、エグミも出てしまいます。
「そんな感覚は全く感じ無い!」
訳なんですよ。
それでいて、口内に入った液体を口蓋と舌ですり潰すようにして味わってみると、ま~・・超複雑です。色んな感覚が襲って来ます。ノーズに抜けて行くアロマも凄い!呆れてしまいました。
アレン・メドゥーズさんは、Here the nose is firmly reduced and unreadable. と言っておりまして、現状は硬くて読み切れない・・みたいな感じなんでしょうかね・・でもその後で「6~10年熟成させればめっちゃ成長する」とも言ってます。
なんだよ・・それでも92点か・・と思ってしまいますが、バーガウンドの92点は他の94点くらいと同等ですから仕方が無いのかもしれません。
その昔、かのコシュ=デュリさんがムルソー・コート・ド・ボーヌ・ルージュと言うワインをリリースしていましたが・・今でも有るんですかね・・あのワインのニュアンスに超似ています・・が、
「このデリエール・シェ・エドゥワールの方が全然凄い!」
と・・頭の中で比較してしまいました。
「ムルソーの赤に似てる?・・と言うことはヴォルネイ・ルージュに似てる訳?」
と思われるかもしれませんが、ん~・・・ヴォルネイには近いものは有るけれど、やっぱり「ムルソー赤」と言いたくなります。
それでいて、余りの複雑な要素の解析をワインから求められますから、とてもじゃないが「クイクイ」とは飲めない・・と思ってしまうのに、ついつい飲んでしまう訳ですね。
少しねっとりとして、金属的なミネラリティが複雑に絡み合い、テクスチュアは滑らかなんだけれども、
「全く直線的では無く、敢えて言うなら葛飾北斎の冨嶽三十六景、神奈川沖浪裏のその場にいるような感じ!」
の・・富士を遠くに見ながらも波浪のうねりを常に感じているような状況にいるような感じです・・判り辛くてすみません。
圧巻な味わいでした。今飲んでもその凄さは伝わって来ると思います。勿論ですがアレン・メドゥーズさんが言うように熟成させると本領発揮すると思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【このデリエールの赤も圧巻!・・残念ながらちゃんと評価できたメディアは有りません!】 滅茶苦茶美味しいです!・・有り得ないほどに複雑性に富んだ見事な味わいです。
まぁ・・言ってみればムルソー1級の赤・・と言う存在が有ったとしたら、それに比類するものになったはずです。ムルソー1級の赤は無いですから・・。
アドヴォケイトが上値93ポイントと評価していまして、noisy的には近い評価になりますが、94ポイントまでの可能性が有るので・・1ポイントの重みは相当ですよ。
例えば、ムルソー・シャルムの1級赤と言うのが有ったら・・などと想像してみたことはあるでしょうか?・・もしくはペリエールでも良いですが・・?
おそらく相当に色合いの淡い仕上がりになるんじゃないかと思うんですね。しかも収量は非常に低いし、表土が薄くて葡萄を育てるのは相当に苦労するでしょう。
でも、このデリエールの畑は傾斜も相当にキツイんですよ。だから雨に流された土を畑の上部まで何度も持って行ったりしなくてはなりません。
その上での・・この濃密な色合いです!・・そしてアドヴォケイト93ポイント・・。一体、サン=トーバンで何が起きているのか・・確かめてみたくなりませんか?
テイスティングで飲まれたお客様は皆一様に悶絶しています・・(^^;;・・飲んだ人にしか判らないラミーのピノ・ノワールの素晴らしさ、是非味わってみて下さい。2018年ものは超異質の仕上がりです!おススメします!
以下は以前のレヴューです。
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【リーズナブルだから・・等と言うような理由で飲むワインでは有りません。他者と比較することが困難であると思えるほどワイン。ラミーが気持ちを込めて仕込むデリエール・シェ・エドゥアールと言う畑のピノ・ノワールを是非とも愛でてください!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のデリエール・シェ・エドゥワールの赤です。滅茶旨いです!・・こんなピノの有ったのか?!と思う位です・・2016年までも折に触れ飲んでいたにも関わらず・・です。
サン=トーバンと言う、少し西にズレた村では有りますが、やはり「裏モンラッシェ」としての存在はラミーのシャルドネで感じていただけると思います。
しかし、例えば同じ丘だとしてもその斜面は一様では無いんですね。石灰が厳しい部分も有れば、他の鉱物が厳しく存在する場所もあるし、希少金属が露出していたり内包されていたりするわけです。
デリエール・シェ・エドゥワールは繊細にして超複雑。どちらかと言えば筋肉質で、その筋肉の凹凸(おうとつ)が見事に感じられる逸品。決して崩れずいつまでも端正な姿を保ち続ける、清楚にして存在感を強く感じる味わいです。
その姿は、まるで見事なラミーのシャルドネのスタイルそのもので、「密度が凄い!」としか言いようの無いものです。クリスタルコーティングされた液体の中からじんわりと伝わって来る美しい果実、磨かれた旨味、ふわっと感じられる希少金属由来のじんわりスパイスがこのワインの特徴です。
コート・ド・ボーヌの赤ワインとはとても思えない仕上がりです。そしてこの姿こそがサン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールなんだと感じていただけると確信しています。素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
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【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2021 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【実は白だけでは無く赤も半端無いユベール・ラミーの、赤のトップキュヴェ!・・2021年ものは超希少です!】
入荷は6本だけですから、どうしてもテイスティングできずに申し訳ありません。それでも4アイテム入荷の赤は2アイテムのテイスティングをさせていただきました。
2021年のメディアの評価は、未だにアドヴォケイトが出しただけで、ジャスパー・モリスさんは出ず、ティム・アトキンさんは2021年のテイスティングに出なかったようです。なので、アドヴォケイトオンリーの評価では、91ポイントとこの3年間で最も低くなっています。
判りやすい「物凄さ」の2021年ラミーのシャルドネに比較して、赤の方はやや仕上がりに時間を要すと見られますから、バレルテイスティングの評点が上がらないのも仕方無いと言えるかもしれません。
どうも・・海外メディアはある種の思い込みで「その年の最高到達点」を決め、そこに当てはめているんじゃないかと思えるフシが感じられます。
2021年のブルゴーニュのシャルドネは、ちゃんと飲む人たち・・(^^;; に言わせれば、
「最高のヴィンテージ!・・大好き!」
と言う方がほとんどです。
ラミーの白はま~・・キュヴェにもよりますが、とんでもなく美味しいA.C.ブルのような、今から開放的なアイテムと、やや時間的な生育不足のあるアイテムが混在していますが、noisy 的にはそれでも非常に判りやすい・・細部に渡り美しく、凝縮しているのに全く嫌味が無い・・素晴らしいワインです。
赤の方は2アイテムテイスティングさせていただきましたが、そのどちらも異なる質をしていました。最初から普通に美味しいサントネイ・クロ・デ・ゾートは、柔らかな襞を感じさせてくれて精妙です。ところがですね・・それはようやっと飲めるようになった、その端緒についた段階での表情であって、
「実はまだほぼ全く仕上がっていない」
と言える状態です。
もう一方のシャサーニュ=モンラッシェ・グージョンヌの方は、クロ・デ・ゾートほども仕上がっておらず、もう少し時間を必要としていますが、
「現在は途轍もないほどの複雑な面を表に出した状態」
で、誰もが・・
「もう少し時間が必要だね・・でもいずれ、素晴らしい表情を見せるだろう」
と感じていただけるはずです。
このグラヴィエールがどちらの印象に当てはまるか、はたまた、また異なる印象を見せるかは判りませんが、
「2年ほどは休ませた方が良いんじゃないか?」
と想像しています。(アドヴォケイトは2023年のうちから飲めるとしています。)
2020年もの以前をゲットされていらっしゃるようでしたら、そちらを先に飲まれて、この2021年ものは少し先に延ばすと良いかと思います。貴重なトップ・キュヴェです。ご検討くださいませ。
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【ただただ美しい・・としか言えない2020年のラミーのピノ・ノワールの色彩を見れば、このトップ・キュヴェのそれがどんなものなのか・・。2万本を超える植密度からの圧巻な味わいでしょう!】 2020年もののラミーのワインは、色々調べたんですが・・年々ナチュールさを増幅させつつ・・の原因がハッキリはしません。
ですが、ラミーのクリオの畑の真横はルロワですから・・ルロワの畑の植生を延々と見ながらの畑仕事ですよね・・。畑の超密植化と言う、誰にもできない手法を延々と続けているオリヴィエにとっても、ルロワの・・
「グリーンハーヴェストしない」
「摘葉しない」
と言う手法は、見たこともない新たなおもちゃを得た子供のように、彼をワクワクさせたに違いありません。
そもそもルロワは伸びた枝さえ切らず、上方に編むようにして伸ばし放しにしています。「伸びたいように自由させる」のが一番だ・・と言うことらしいんですね。
そんな・・誰でも見れば判るようなことを、
「超密植ゆえに超小粒の、超小さな房の、重く無いが密度の高い葡萄を収穫しているオリヴィエ」
が見たら、何を思うでしょうか。
少なくともルロワが施している「ビオ」に対する興味は持つと思うんですね。
2020年ものはそんな姿が垣間見られる仕上がりになっています。でも、黒葡萄であるピノ・ノワールは、白葡萄のシャルドネのワインほどは顕著には表れてはおりませんが、クロ・デ・ゾートもグージョンヌもデリエール・シェ・エドゥアール・ルージュも、そしてこのトップ・キュヴェのクロ・デ・グラヴィエールV.V.も、
「ミネラルが半端無いルロワ?・・ドヴネ?」
みたいな姿を、3~5年後に見せてくれるんじゃないかと想像しています。
余りに少なく、テイスティングは回避しました。・・高いですか?・・いや今はもう、ルロワの、それもネゴスの村名でも「ん十万」と言うようなオファーを noisy も受けていますが、全て無視するしかない現況ですから、
「これでも充分以上にまともです。」
と思うしかないのでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【毎年テイスティングしていたクロ・デ・グラヴィエールですが2019年は僅少につき・・申し訳ありません。でも、2019年のラミーは2018年同様に赤も激旨です!】 間違い無いでしょう。ラミーの2019年のどの赤ワインを飲んでも、全くの肯定感しか出て来ません。
全域を通して密度が高く、例え品温が低くとも、旨味を多く含んだ見事な「酸」が、素晴らしいテロワールを伝えてくれます。
ただし、ご自身の現状のアペラシオン認識を改める必要は無いとお考えの方には無用のピノ・ノワールでしょう。
「サントネ1級」
です。
その中の・・
「クロ・デ・グラヴィエール」
です。
そのテロワールを見事に現わしてくれているはずです(・・飲めなかったので・・)
そうでなければ2年続けてアドヴォケイトの94ポイントは有り得ないでしょう。彼らのアペラシオン至上主義は相当な「縛り」を生んでいるはずで有り、それさえも撥ね退けての94ポイントなんです。なので、
「どんなに凄い、素晴らしいと感じたとしてもそれが現状の上限」
なんですね。
たった8本の入荷です。
「サントネにこんな大枚は・・」
と考えるか、
「ピノ・ノワールの一つの素晴らしい形を確かめたい!」
と考えるか、お早めにご検討ください。
まあ・・言ってしまえば・・あのヴァーゼンハウスだって同じことですけどね。良いタイミングでヴァーゼンハウスを飲んだら、それまでの自身を否定されるような感覚になってしまうかもしれませんが・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【濃密!素晴らしい密度です。ドライで流れるような赤黒果実!是非飲んでみて下さい!】 7千円オーバーのサントネイ1級レ・グラヴィエールです。おいおい・・大丈夫かぁ?・・正直も大概にしないと・・いや、アドヴォケイトは上値94ポイントなので・・はい。
この評価には諸手を振って賛成です。noisy的にもピッタシカンカンです。アドヴォケイトと同じになるのは・・滅多に有りませんが、2万本/ヘクタールと言う超密植度から生まれる「密度の高い味わい」は、飲む者を納得させるだけのアピールが有る訳ですね。
そして見事なのは、単に密度が高いだけではなく、ピノ・ノワールに求められる繊細さ、エレガンスもしっかり有ると言うことなんですね・・。
普通なら・・そんなに高いサントネのワインなんて、ワイン屋は買いづらいですよ。でも、この味わいを知ってしまえば・・
「もっと頂戴!」
と言いたい訳です。
赤い果実には、まだ色が淡い鮮やかな赤から深紅と言って良い、赤を何度も塗り重ねたような色合いの果実が感じられます。黒い果実には・・言ってしまえばエスプレッソ的なトッピングまで感じられます・・まぁ、ちょっとオーバーでは有りますが・・。
それでも嫌味にならず、ピノ・ノワール的な繊細さを感じさせてくれるワインです。94ポイントも訳がちゃんとある・・そう感じさせてくれました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミーが創り出す「新世界」!ラミーのシャルドネの美しい姿を見事に転写したもの凄いピノ・ノワールです!圧巻!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
このクロ・デ・グラヴィエールはもう、圧巻でした。高価だがさしてポテンシャルを感じないニュイの一流どころのアペラシオンものと、全く引けを感じない・・どころか、完全に超えて来ているニュアンスです。
クロ・デ・グラヴィエールは、超エレガント系のシャンボール1級に近い感覚で飲めると思いますよ。むしろ、知っていればいるほど、「サントネだね」「二流かな」などとは言えないはずです。そんな姿はむしろどこにも感じられない・・と言うか・・
2016年までのクロ・デ・グラヴィエールも、非常に美味しかった訳です。
「ラミーは赤も旨いね!」
と言っていただけるようになっていたんですね。
しかしながら、2017年ものはもう、そんなレベルでは無いんです。何とか2016年ものと比較できる・・だけです。ですので、もう他者のワインとも比較のしようが無い訳です。
「濃いのではない。密度が有り得ないほど凄いんだ!」
と、ラミーのシャルドネでは散々言ってきました。2017年もののラミーのピノは、全くシャルドネと同レベルの密度と言って良いです。
その結果、2016年までの美味しいクロ・デ・グラヴィエールの姿はもう無く、ニュイの高級ピノ・ノワールと同レベルか、それを超えてくるようなパフォーマンスを見せつけてくれます。
もう、これはお客様に飲んでいただいて、評価をしていただきたい・・凄いピノ・ノワールです。
コート・ドールの南のドンケツの「サントネ」も、古い時代に収穫増のために行っていた「密植」に戻ることで、ニュイのピノにも勝るとも劣らないもの凄いワインになった証拠です。
このピノは、是非とも飲んでみて下さい。「サントネでこのプライス?・・いらないな・・」と思われたら、もう時代には付いていけないでしょう。まるでルーミエさん張りのミネラリティなんですが・・すでに超えているとも言えるかもしれません。その辺も是非、ご自身の感覚でお確かめいただきたい!・・そう思っています。超お勧めです!
● 2021 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【すぐ飲んで美味しかった2020年ものとは異なり少し時間の必要な2021年ですが、サントネイ赤の村名とは思えないミネラリティと酸構成にビックリされると思います!】
巨大な構造を持ったサントネイ村名の赤です。2020年もののマンモスな果実と、支えに回った膨大なミネラリティが大きな構造を埋め尽くし、
「とてもサントネイ村名とは思えない!」
と感じさせてくれました。すぐ飲んでも美味しかったですし、10年置いても大きく揺らぐことはまずあり得ない仕上がりだったと思います。
2021年ものは、そのマンモスな果実がだいぶ無く、アルコール分がより低く出たスタイルで、膨大なミネラリティはそのままです。酸の総量は2020年ものを凌駕し、現在は・・
「酸バランスを整えている段階」
かと感じられます。ちなみにアルコール分は13度で、
「エレガント系の・・まさにちょうど良い度数」
です。
ですので、縦に流れるド太い涙が見えると思いますが、今はまだ、
「成長中」
なんですね。
デリエール・シェ・エドゥワール・ルージュがようやっとバランス取れて来たところでして、あと1~2カ月ほど・・暖かくなりだしてくる頃から、ゆっくり味わっていただければと思っています。
アドヴォケイトは
「89+ ポイント 飲み頃 2026~2035」
としていまして、評価点はともかく、飲み始めの時期は少し遅すぎかな・・と思います。ですが遅くても問題は無いので・・そうしているのでしょう。
アドヴォケイトは2018年もので最大92ポイントまで付けていますが、2021年ものはテイスティング時に・・
「よほど飲みにくかった?」
と思わせるような評価に見えます。なので「 89+ 」で止まっちゃったのかな・・と思いますし、飲み出しを2026年からにしたようです・・あくまで推測です。
サントネイ村名らしい、軽やかでフレッシュ、フラワリーなアロマがたなびく・・ワインではありません。どちらかと言いますとシャンボール系の味筋で、チェリーを美しく感じさせてくれるワインに育って行きます。
飲み出しはこの2024年の春以降、この先15~20年近く良い状態を保つと思います。素晴らしい出来です!・・が少し早いと思ってください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【「サントネ・・じゃぁ・・ねぇ・・」なんて言ってたら美味しいものには当たらない・・なんて言ってたら、こんなにエレガントなのにもの凄いサントネになっちゃいました!】 理想のピノ・ノワールワインって・・どんなでしょう?
まぁまさに人により違う・・のは間違い無いにせよ、意外や意外・・結構みな近いんじゃないかな?・・・なんて思っている訳です。
noisy もワインのセレクトショップを始めてもう四半世紀です。そんなに長いことやってたかな・・などとも思ってしまいますが、本当にやっていたんですね・・。最初は手探り状態で、入手できる好きなワインをちまちまと仕入れて飲んで・・いつの間にか少しずつ買っていただけるようになりました。勿論、ネットのセレクトショップ開店前からやってますから、とんでも無く長い時間です。
で、noisy も最初は、例えばPKさんが美味しいと言えば飲んでみる、タンザーさんが将来性が有る・・なんて言ってたら仕入れてみる、フランスワインが高くなったと思えばイタリアワインに手を出してみる・・なんて繰り返していた訳ですが、結局のところ、
「ブルゴーニュワインを日本人は大好き」
で、
「その好きな姿、味わいはほぼ皆一緒」
だと気付いたんですね。・・まぁ、一部の方はうまく合わないとは思いますが・・。
ラミーも当初は樽っぽいし硬いし・・なんて思っていましたし、赤ワインはサントネやシャサーニュですから、思い切り「脇道」じゃないですか。でも、やはり「見るべき力」が有ったんだと思う訳です。じゃなきゃ・・扱って無い・・(^^;;
この数年はこのクロ・デ・ゾートの美味しさが半端無くなって来まして、
「これ・・5千円なんて価格のワインじゃ・・ないよね・・」
と感じていました。
10年前には無かった質感、エレガンスが見事に乗り、今では凝縮感にさえ質感を感じるほどです。
この2020年もののクロ・デ・ゾートは、
「グラスの写真だけで大丈夫!判ってもらえる!」
と思えるほどに素晴らしいです。
色はしっかりしていますが・・
「・・でも濃く無いでしょう?」
美しい赤を基調に、積み上げ積層した感じの、余り黒く無い紫です。なんと、雨が降らなくて困った2020年ものなんですが、軒並み高いアルコール度をみせるブルゴーニュワインが多いところ、13度と言うベストなアルコール度なんですよ。エレガンスもありつつしっかりした味わいが感じられる度数です。
そしてミネラリティが見える!・・と思えるくらいに美しく、照りの有る色彩です。
2020年ものは少し自然派に寄って来た感じがしますが、「気のせいだ」と言われれば・・「そうだね」と言ってしまいそうなほどです。
方向は「ミネラリティが半端無いルロワ系」みたいな方に向いてきていまして、それでも、ルロワのネゴスのA.C.ブル・・数万円しますが、そんなのは全く目じゃない・・数倍旨い・・と断言できるほどの充実した味わいです。
ん~・。・・これこそラベルを見せずにワイン会に出して欲しい!・・
「あの人をぎゃふんと言わせたい!」
と思われていらっしゃるのなら、これしかないんじゃないかとさえ思います。もちろん、あの人が noisy で無いことを祈ります。半端無いサントネ村名です。サントネの土壌でラミー風の頑張りをすると、とんでも無い質のワインができるとお判りいただけます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【「サントネのピノ・ノワールは、こう造れば最高!」と言うべき凄い見本です!・・果たしてコート=ドールのピノ・ノワールでこのワインを上回るポテンシャルを持つワインはどれほど有るのでしょう?・・と思えるほどに素晴らしいです!】 素晴らしいピノ・ノワールです。ある意味、サントネらしくない・・と言ってしまえばそれっきりでは有りますが、おそらくこの味わい・香りこそがサントネの(クロ・デ・ゾートの)本領なのでしょう。ユベール・ラミーはその指針を示したに過ぎないのかもしれません。
色合いはしっかり。ルxxエさんのシャンボールを引き合いに出した2018年ものよりも確実に濃い目です。しかしながらテクスチュアがま~・・素晴らしい。まるでゴアテックスの生地の上を滑り落ちる水滴のように「すっ」と流れて行きます。
あっと言うまに流れて行くのに・・味蕾に、ノーズに、喉に・・繊細にして大きな響きを残しつつ、そのストンと胃に落ちて行った液体からもまた香水のようなニュアンスが戻って来るかのようです。
R> 赤を幾重にも積層させたその幾つかの層にはやや黒みを多く持った赤を配置、それらには石灰やクリスタルなミネラリティが非常に多く含まれています。 低温でサーヴされても、その見事な酸の組成は温度により多彩且つ丸いパレットを描き、そのパレットからアロマがノーズに抜けて行く様が、実に心地良い・・素晴らしいワインの典型とも言えると思います。 そこそこに濃いんですが、全く暑苦しく無く、甘く無く、しかし甘露で多弁、しかし煩わしく無いと言う・・ある意味、完璧さを感じてしまいました。もうこれはブルゴーニュワインファンなら、何とかして飲んでみるべき「ブルゴーニュワイン」です。 そして、物凄く素晴らしかった2018年ものを、軽く超えて来た素晴らしい存在です。 海外メディアの評価を探してみましたが、ジャスパー・モリス氏のものだけしか見当たりませんでした。因みにその評価は87~89 ポイントと言うものですが・・どうもジャスパーさんはアペラシオンに対する評点の上限が決まっているのか、もしくはアペラシオンを評価しているのか、やる気になった時はちゃんと本気で向き合うが、そうでない時は・・と言ったような傾向が有るように思います。 少なくとも90点以下のピノ・ノワールでは無いし、そこからどこまで積み上げるか・・そんな観点を持つような評価が必要なワインです。皆さんも飲んだらきっと・・ビックリするに違いないです。 ラミーの2019年の白も凄いですが、赤はどれを飲んでも・・「ぎゃふん」と言わされてしまうはずです。 圧巻な2019年のラミーのピノ・ノワールです。ですが・・とんでも無く数が無いですので、何とか入手して、 「この凄いピノ・ノワールを一度でも味わってみるべき」 だと思います。ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 -----【あのルxxエさんのシャンボールを思い浮かべてしまいました~・・化け物サントネイです!】 アドヴォケイト92点のサントネイです。・・有り得ませんよね~・・でもここは、 「騙されたとしても良い!」 と思ってトライすべきです。 もっとも、2017年ものでも同様に「素晴らしいシャンボールと同様」と書いていましたから、2017年ものをお飲みになられた方は、その真贋はすでにご存じのはずなんですね。 で、さらに追い打ちをかけてしまいますが・・すみません・・2017年ものを軽く凌駕してしまったのが2018年ものです。もう・・半端無いです。まぁ、価格は少しと言えども上がっているようでは有りますが・・。 この季節、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合もセラーから出して自宅に持ち帰ると・・真夜中の12時を過ぎていますので、相当に冷える訳です。品温は10度位でしょうか。 そんな状態でも、物凄いパフォーマンスを見せてくれちゃいますよ。ドライなのに濃密で、しかしサラリとした余韻が長く続きます。ミネラリティはもう・・ラミーですから、もうマンモス級以外の何物でも有りません。 このサントネ・クロ・デ・ゾートと言うアペラシオンは、かなりシャンボールに似たテロワールで有ると言うことが判って来ました・・と言うか、教えられました。ここまでの密植度にして初めて、このクロ・デ・ゾートの個性がハッキリしてくる訳ですね。しかも相当に素晴らしいシャンボールと同様・・です。 アドヴォケイトは92ポイント・・です。ルxxエさんの2018年シャンボールの評価の、最高値はティム・アトキン氏の92ポイントでした・・ 「・・あれ?・・」 飲んでみて下さい。ビックリしますよ~・・noisy だって腰抜かしそうになったくらいですから・・。アロマのスピード、ピュア感、ボディの張り出し、立ち姿・・どれも素晴らしくて・・いや、兎に角飲まなければ判りません。 そしてきっと・・感じていただけるでしょう。「これからはラミーか、ラミーで無いか・・それが問題だ」と。ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 -----【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、 「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」 と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、 「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」 んですよ。 コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、 「崩壊のスピード」 じゃないか・・と思っているんですね。 例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。 しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。 2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。 なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。 (ここまで2017年のピノは同じ文章です。) 2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。 全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。 もう、 「サントネ村名だから・・」 などとは思わないでください。それは不要です。 「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」 と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 ━━━━━【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】 このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。 これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。 2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、 「ん?・・これってサントネなん?!」 と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。 コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、 「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」 と言うことが、 「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」 と言うことと同時に感じられます。 だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、 「・・なんだこの化け物は!」 と思うに違いない・・訳です。 で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・ 「・・前言撤回・・上には上が有った・・」 と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。 超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、 「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」 と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。 良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 ━━━━━【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。 ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。 2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。 いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。 この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、 「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」 が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。 むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。 また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、 「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」 と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。 素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ! 以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。 ━━━━━【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・ 「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」 と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。 それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。 色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね? それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ! そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、 「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」 と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、 「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」 ものですから、 「今までの印象とかなり違うぞ!」 と思われるはずなんですね。 2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。 やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。 そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、 「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」 でした。 中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、 「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」 を持った(ような雰囲気の)ワインですから、 「・・ポテンシャル高いね!」 と言っていただけるでしょう。 今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。 D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください! 以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。 ━━━━━【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです! まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。 まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、 「ミネラル・・きついな~!」 ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。 圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。 色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。 今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。 ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、 「ん・・・開けて・・色を見たい!」 と言う誘惑にさらされています。 おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。 少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ! ●赤ワインの醸造 収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。 白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2020 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【オリヴィエ・ラミーの弛まぬ進歩・改革を最も大きく感じられるのがこのレ・シャタイネール!名ばかりの高額A.C.ブルは恐れて道を開ける??】
アドヴォケイトは2019年ものより1ポイント、落としました。また飲み頃を2022年から2038年としましたので、
「・・ん・・結局何も判ってないのかもしれない・・」
とガッカリ。ただし、
「地下室で10年間忘れてしまってから、その報酬を手に入れよう」
と書いているようなので、ちょっとだけ拍手・・。
まぁ、実のことを言いますと、このレ・シャタイネールのテイスティングは2022年の年末で、ユベール・ラミー2020年のテイスティングの口火を切ったワインでした。12月はいつになく劇的に忙しく、ただし曜日の並びが良く無く新着の94弾目を諦めましたので、年末は比較的穏やかだったかもしれません。テイスティング分を先に仕入れているので、このワインも何日か休めてのテイスティング・・これはこの数年、ずっと同じパターンです。
ですが!・・この2020年レ・シャタイネールのテイスティングこそが、2023年1月中noisy を悩ませる原因になった訳です。
ただしワインは滅茶素晴らしいですよ。その総体の評価は悩みの原因では無いんですね。
結局、2019年ものまでの、
「物凄いミネラリティを持ち、密度が非常に高い味わいが、全てを含んで口内をゴリゴリっと通って行って、その余波を感覚器官に落として行く」
ようなスタイル・・とは言えない2020年だ・・と言うことなんですね。
言ってみれば、「ビオです!」とまでは言わないまでも、
「自然派でしょ?」
と言いたくなるような・・アロマのスピードの速さとその柔らかさ、接触感・味わいの柔らかさ、表情の多様さが有り、その表情の多くは中盤以降に集中しているんですね。
今まではもう、一口すすっただけで・・
「・・おお~・・っ!」
と言葉が出てくる感じ。
それに加え、テイスティングが進むにつれ・・つまりよりクオリティ・ポテンシャルの高いワインになるにつれ、
「そのニュアンスはソフィスティケイトされてくる」
んですね。
ですから、ある意味このレ・シャタイネールは落ち着き切っていない・・仕上がり切っていない感じだった訳です。あれからもう1カ月以上経過していますから、
「2022年12月末の時点よりも相当仕上がって来ているはず・・」
と思っています。
まぁ、アドヴォケイトのブルゴーニュ担当、ウィリアム・ケリーさんは、どちらかと言うと最初からブリブリ言わせて侵入してくるタイプに、より高い点を付ける傾向が有ると思われますし、自然派のワインにそこまで重きを置いているようにも思えないので、仕方が無いのかな・・とは思います。その点、ティム・アトキン氏はその反対か・・ジャスパー・モリスさんは良く判りません・・(^^;; が、その気になった時のポテンシャルの捉え方は凄いと思います。なので、
クリオ=バタール以外のアドヴォケイトの評価は、プラス1~2ポイントするべきと考えます。
ですので、結果的には、
「2019年ものよりもポテンシャルは上、もしくは同等。ただし、若干自然派寄りになったノーズ、味わいに感じられるかも。」
飲み頃としましては3年先からがベストですが、今でも飲めなくはない・・しかし、その場合、今飲んで判りやすくてとても美味しいのは、アン・ルミイィ・クラスです。
この濃密な黄色の中に、わずかに潜む自然派ワイン的な色彩・・もしかしたらお判りになると思います。半端無いワインです。飲むタイミングを計って・・いや、その前に、
「充分に休養を与えてから」
お楽しみくださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【物凄いポテンシャル!味付きも良く、ミネラリティもマンモス級・・なのに滅茶バランスが良いなんて信じられます?】 2018年ものにも「圧巻!」と書かせていただきましたが、2019年ものは・・そこさえ超えて来てしまいましたね。
この・・非常に寒い2022年の冬は、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合も品温が10度を下回っている状況から飲み始めていますが、
「品温が低くても良く香り、味わいが落ちないばかりか、持っているポテンシャルとその自己紹介までしっかり伝えてくる」
んですね・・。ま~・・ビックリしてしまいました。「品温が落ちると味わいが出ないので」と書くつもりだったので尚更です。
なので、
「2019年もののラミーは品温が低くても滅茶苦茶美味しい!」
と書かざるを得ません。
マンモスミネラリティと物凄い複雑性はラミーの特徴でも有りますが、ここまで来てしまいますと往年のコシュ=デュリ同様だと言わざるを得なくなって来ました。もっと言ってしまえば、コシュ=デュリの素晴らしいアリゴテは、滅茶安くて驚くほど旨かった(20~25年ほど前のこと)訳ですが、
「・・ここまで凄かったか?」
と聞かれますと・・自信が無くなって来てしまいます。それほどに素晴らしいと・・思っています。
アドヴォケイトは上値で90ポイントと・・まぁ・・一般常識の上限的な、「角の立たない」評価でお茶を濁しています。
ジャスパー・モリスさんはどうやら85~86ポイントのようで・・もうそろそろ色々考えられた方が良いでしょう。noisy とさほどは歳は変わりませんが、この凄いワインなのに、格そのものだけを判子を押したような評価を出すだけなら・・。まぁ、それはそのまんま、noisy にも言えることでは有りますので、自身に自信が持てなくなってきた時には、口にX字に絆創膏を貼るか、第一線から退かないといけないでしょうね。若い人たちに迷惑を掛けちゃいますから・・。老兵はただ去るのみ・・なのかなと思っています。そうは言いながらいつまでもしがみつくかもしれませんけどね・・(^^;;
ですが、こんなぶっ飛んだワインを造るラミーに出会えて感謝の気持ちで一杯です。いつもの年のようには数が無いので・・それに10%ほど値上げを迫られる仕入価格になってしまって申し訳ありませんが、
「それでもこのプライスなら天下無双!」
です。
サン=トーバン的な硬質さも有りながら、ピュリニー的な豊満さもほのぼのと感じさせ、シャサーニュ的なクールな果実をも飲みやすさに加えつつ・・
「圧倒的なポテンシャルと判りやすい超絶な複雑さ!」
をご堪能ください。海外メディア評価では、アドヴォケイトのウィリアム・ケリー氏のものが・・まぁまぁ・・何とか・・ジャスパー・モリス氏の評価は無視が妥当だと思います。あ、その辺は是非ご自身でお確かめください。お早めにどうぞ。
以下は、以前のレヴューです。
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【もの凄いシャルドネです!圧巻!】 いや~・・2018年もののユベール・ラミーのテイスティングは2020年12月末から始めました。
何せ14~15アイテムのテイスティングですから、毎日1本だと年末年始の休業中に終わらない訳でして、しかも何かの間違いで、テイスティング分にピノ・ノワール4アイテムが入っていないミスが有りましたので、身動きが取れない自粛中のお食事には・・
「マグロでラミー」
「寿司でラミー」
「牛肉でラミー」
「ジンギスカンでラミー」
「たこ焼きでラミー」
・・・あと・・何だったっけ?
と言うほど、ラミーの各シャルドネと対峙させていただき、ラミー2018年が持つ「輝き」が本物かどうかを身に染みて感じさせていただきました。
また、4日から営業を開始したエージェントさんには赤が届いていない旨を伝え、早速送っていただきましたので、1月7日までの休業中には終わりませんでしたが、これまた物凄いピノ・ノワールと対談させていただきました・・?
のっけからこれですから・・・まともな言葉が出ません。
「・・・うお~・・っ・・」
やられてしまいました。
やはり、穏やかで流れるような優しい味わいが流行っているとは言え、やはり本格派はもう・・存在感が違います。
「ラミーはもう別格!」
です。
noisy が初めてコシュ=デュリのワインに触れたのは・・どうでしょうか・・もう相当に昔のことで、30年は経っているかと思いますが、本当に衝撃的な味わいでした。
煌めく酸がキラキラ・・そして時にギラっと、まるで口の中で花火に点火させたかのような衝撃と、口蓋を押し広げて、もっと感じさせようとしているかの如くの振る舞いに・・
「・・これがコシュ=デュリか・・」
と。
それなりに長くテイスティングを続けているユベール・ラミーですから・・今まで一体どれほど費やしたか・・と思えるほどでは有りますが、そんなnoisyを、
「(・・うわ~・・うぉ~・・っ)」
と言葉を詰まらせるほど、酸の煌めきと体格、構成の大きさと、ミネラリティの質と量、そして品格が襲って来た訳です。
もはやユベール・ラミーは「シャルドネの名手」に留まらず、「ブルゴーニュのトップ」に君臨すると感じさせてくれました。2017年も美味しかったに凄かったですが、2018年ものは・・2017年を「ぶっちぎりで置き去り」です。
コシュ=デュリのワインは、余りの美味しさと・・余りの値上がりのキツサに、
「コシュ=デュリはアリゴテで充分!」
などと散々言って来た訳ですが、ハッキリ言ってそのレベルです。
なので、「超密植だから・・」とか、「樹齢が・・」では無い。
「ラミーだから」 もうそれだけで良い・・充分だと思います。
「ラミーを知らずにブルゴーニュを語れない!」
そう思わせてくれる凄いシャルドネです。飲んでみて下さい。飲まずにはいられない・・いや、飲まなくてはいけない1本です。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
● 2020 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【】
この2023年の2月の段階で、もし2020年もののユベール・ラミーの白ワインを今飲んで楽しいのはどれ?・・と聞かれたら・・
1.1級アン・ルミイィ、1級クロ・ド・ラ・シャトニエール、ピュリニー=モンラッシェ・トランブロ、シャサーニュ=モンラッシェ・コンシ・デュ・シャンのクラス
2.フリオンヌ、クロ・デュ・メ、デリエール・シェ・エドゥワール
3.ラ・プランセ
4.A.C.ブルのシャタイネール
の順番になります。つまり、ポテンシャルの高い方が仕上がり具合が良いんですね。この部分も2019年までのユベール・ラミーのワインと異なります。ですから、アドヴォケイトは安易に2022~2038年としていますが、noisy 的には、
「2023年4月から」
とさせていただきたいと思います。
このレ・プランセはサン=トーバンの西側の斜面・・1級デリエール・シェ・エドゥワール、1級レ・カステートと南西に続く斜面の村名畑のブレンドで、1985年から2000年に掛けて植え替えられたものです。デリエール・シェ・エドゥワールが持つ軽妙な複雑性は無いですが、非常にエレガントで充実した味わいが有りますから、
「早く美味しくなる」
のでこちら辺りから先に飲んでと・・言っていた訳ですが、2020年ものはそのようにはなりませんのでご注意ください。今、アン・ルミイィを飲んだら、完全にやられちゃいます。滅茶美味しいです!・・思わず、
「少ないから飲まない!」
と決めていた1級クロ・ド・ラ・シャテニエールに手が伸びそうになってしまいました・・思いとどまりましたが・・
やはりやや軽めのマンモス級のミネラリティが凄いんですが、そこをやや軽めなのはそのままに、エレガントに仕上げているのが流石・・と思えるんですね。
また、自然派っぽさが透けて見える度合いはA.C.ブルのレ・シャタイネールに次ぐ感じで、口入れはソフトで柔らかくなり、中盤以降の膨らみ、延び、押味がグググっと伸びて行きます。余韻が滅茶長いのもラミーのシャルドネの特徴ですが、それは2020年ものにも変化は有りません。
アドヴォケイトは2019年ものよりも1ポイント下げているようですが、ん~・・また同じ間違いをするんでしょうか。noisy 的には、昨年よりも最大1ポイント上か同等で、それ以下は有り得無いと判断しています。アドヴォケイトは自然派の風味が入ると、てき面に下げて来ますが、判ってやっているのか、単に気に入らないだけなのか、レヴューを見ても判断できないんですね。そのくせ、
「オリヴィエ・ラミーにとってもう1つの非常に良いヴィンテージ」
と持ち上げているんですね。
「もうひとつの」は2020年、その前提となっているのが2019年ですが、基本的にアドヴォケイトは2020年ものより2019年ものの方を高く評価していて、クリオ=バタール=モンラッシェがどちらも100点満点で、2020年ものは最初から100点を付けている・・と言うだけで、2020年ものの他のワインは2019年ものよりもほぼほぼ1ポイント下げです。
A.C.ブルのレヴューでも書かせていただきましたが、自然派っぽくなってきているものの、その差は非常に小さなものですから、お客様は余り意識しなくて良いと感じています。
しっかり休めて、出来るならこの厳しい寒さが緩んだな・・と感じてから・・が良いと思います。素晴らしい出来の進化を止めないオリヴィエ・ラミー、是非お確かめいただけましたら幸いです。高くなったとは言え、それでも村名ブレンドでこの価格です。・・いや、本当は11000円上代ですから・・普通に価格を付けると1万円超えなんですが、涙を呑んで??・・4桁にさせていただきました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ラミーのラインナップの中では比較的エレガント系ですが、それでもラミーらしくゴリゴリと押し入ってくるやや軽めのミネラリティとしっとりリアルな果実の風味が見事です!今飲んでも滅茶美味しいです!】 ワインの好みは人それぞれですから、あの人が美味しいと言ったところで自分がそうでも無い・・と感じてしまえば、それはその方にとっては、「普通」なのでしょうし、駄目かな・・と思えば「美味しく無い」と言うことなのでしょう。
ラミーのシャルドネも、2010年頃までは「普通」か「美味しく無い」と評価する人が多く、でも2014年頃を境に「美味しい!」「素晴らしい!」と、それらが置き換わってしまったことが、今の状況なんだと思います。
このサン=トーバン村名のプランセは、多くの生産者が造る・・でもエレガント系の味わいのサン=トーバン1級クラスと同等・・下手をするとそれ以上です。
ふんわりと香り立つ石灰系のやや軽めのミネラリティと、ドギツイ表現には陥らない、実に自然な白・黄色・僅かに薄緑な果実がグラスから、そしてほんのり粘る液体からノーズへと抜けて行きます。中盤以降もその僅かに粘る液体からの余韻や押味が長く・・エレガントに持続するんですね。実に旨いです。
ラミーのラインナップの中ではフリオンセと同様に高域・超高域へと伸びて行くアロマが心地良い、繊細系と言いますか、エレガント系の味わいだと思います。
ある意味・・この系統はラミーの中では貴重でして・・実に心地良いものであると感じています。ゴリゴリっと入ってくる感じはむしろA.C.ブルの方が強いのかも・・と。しかしどうなんでしょう・・余りに凄いポテンシャルを感じさせるA.C.ブルのシャタイネールと、実は相当に凄いんだけれど、それを余り感じさせないレ・プランセですから・・やはりこのレ・プランセのエレガンスは、より高く評価すべきなのかな・・と思います。
素晴らしい村名サン=トーバンでした。海外メディアは91ポイントで止まってますが、noisy 的には1.5ポイント加点すると思います。ご検討くださいませ。
以下は、以前のレヴューです。
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【凄いです!村名クラスの味わいを超越しています!】 向かうところ敵無し!・・は間違い無いでしょう。価格的にも、そして勿論、アペラシオン的にも・・です。
超有名な「禿山」、モン=ラッシェの西側に存在するのがサン=トーバンです。東側にはピュリニー=モンラッシェとシャサーニュ=モンラッシェが有り、PK氏いわく、
「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」
と揶揄されたのがサン=トーバンです。
しかしながら昨今の温暖化の性でしょうか、それまで日照に問題が有るとされてきたサン=トーバンのシャルドネにとっては、
「実に都合の良い状況」
になっているのかもしれません。
ラ・プランセ2018年は、正に劇的です。ラミーの上級の1級クラスを飲まないなら、そして素直にこのポテンシャルを理解できるなら、
「1級クラス並み!」
のポテンシャルを自然に受け入れ、そう思われるに違い無いでしょう。
そしてユベール・ラミーらしい膨大なミネラリティと球体を思わせる酸バランスと酸の総量、その結果としての滑らかなテクスチュアと構成の大きさ、品格に、
「これがユベール・ラミーなのか・・」
と、自身の記憶に植えつけられることになるのでしょう。
さらには、
「ブルゴーニュワインが発展伸長し、大きな存在になって行く・・その限界はまだ来ていなかった!」
と・・このモンラッシェの裏側の村名ワインが教えてくれるのです。なんて素敵なことでしょうか!
これが「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」だとするなら、ほとんどのピュリニー=モンラッシェはミネラル不足になってしまいますし、きっとそれは近未来の果実表現だけに頼った「だるい」味わいを意図した揶揄に過ぎないと気付かれるでしょう。
滅茶美味しいです!感動的です!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!繊細系の緊張感漂う見事な味わい!複数の畑をブレンドした、ラミーが思うサン=トーバンを表現・具現化した出来でしょう!】 いや~・・素晴らしいです。縦伸び系の見事な構造です。
実は・・間違えちゃいまして、このプランセ、2本も開けちゃったんですね・・数が無いのに!
重量級の味わいでは無く、少しエレガント系に振った味わいです。まぁ、アン・ルミイィを少し細身に、小振りにした感じかと思ってくださって良いかと思います。
「ん?・・アン・ルミイィって重量級じゃないの?」
と思われますが、重さで言ったら「クロ・デュ・メ」の方が重量感有りますよ。バランスで言うとトップはアン・ルミイィです。縦伸びの物凄さで言ったらクロ・ド・ラ・シャトニエールです(・・これ、飲んだらきっとぶっ飛びますよ・・)。
細やかな、ややハイトーンなミネラリティから滲むような白っぽい石灰感が心地良く、鈍重にならない、やや高域にバランスを振ったような先調子の感じです。
2016年までも美味しかったんですが、もう・・2017年ものは別物と言って良いかと。
実は、2本も開けたんですが、結構に印象が異なるんですね。1本目は届いて翌日位から開けたんですが、結構、バッキバキに硬質で閉じた感じがしていました。2本目はそれから3日後でしたが、滅茶開いた感じで・・凄い旨いんですよ・・エレガントで。
ですので、ミネラリティの癖なのかと思いますんで、届いてすぐでは無く、少なくとも3~4日は休息させてくださいね。ラミー2017年の物凄い世界が待ってます。
「わお!」
と思わず声が出て欲しいな・・と。お勧めします!
● 2020 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【もし、ラミーのシャルドネが重い・・と感じられていらっしゃるのでしたら、このレ・フリオンヌをお勧めします!サン=トーバン1級でもっともエレガンスを助長している・・フリフリなドレスのフリオンヌです!】
ラミーの地盤のサン=トーバン1級に有って、そのサン=トーバンならでは・・もしくはピュリニーっぽいエレガントな部分、例えば高く伸びて行く高周波的な細やかなアロマとか、ピュリニー1級が持つ果実表現から重みの部分・・より低周波を除いた上の部分などを細やかに感じさせてくれるのがこのレ・フリオンヌなんですね。
まぁ、ちょっとふざけて・・
「フリフリなドレス」
なんて書いてしまってますが、実は結構に本気だったりして・・。もしこのレ・フリオンヌが完熟しますと、現在は見えていないそのドレスの下の方・・ちょっと重みを感じる部分・・床にそのドレスの裾が当たるような部分まで、美しく表現されるようになってくるはずですから、ある意味、
「今のこの、フリフリな部分が余りなく、ショートなドレスの華やかなアロマ、味わいを楽しむのもオツ!」
じゃないかと・・思っています。まぁ・・アドヴォケイトは2027年からと書いてますが・・。noisy はやや早いにせよ、今飲んでも充分な美味しさが有ると感じています。
レ・フリオンヌは、アン・ルミイィやダン・デ・シアンなどの1級畑があるモンラッシェの丘の西側斜面に有るのではなく、モンラッシェの西側の別の丘の南東向きの斜面に有ります。
ダン・デ・シアン(ラミーも造っていますがオルヴォーさんの輸入リストにはありません)もミネラリティが強く、どこか「氷柱」を思わせるようなシャリシャリっとした感じが魅力の1級ですが、レ・フリオンヌの方はもう少し白く滅茶細やかなミネラリティがふんだんに存在する感じなんですね。石灰岩が粉々に分解され、その成分が畑の表土の大半を占めている感じじゃないかと思います。
因みにここは、いや、あの伝説のブローカー、クルティエで2021年に亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのサイトを拝見すると、「 Planted in 1935. 1960. 1985 」と書かれていますので、とんでもないレベルのヴィエイユ・ヴィーニュの畑であることが判りますが、
「おそらくラミーはこのレ・フリオンヌでも超密植化に取り組み始めたはず・・」
だと感じます。
年を追うごとに驚かされる・・少しの安心もさせてくれない・・(^^;; だから毎年、
「今度はどんなビックリ箱に出会えるんだろう!」
と、noisy の正月の定例行事になっているラミーのテイスティングですが、
「2020年もののユベール・ラミーは、史上初のクリオ=バタール=モンラッシェの連続100点よりもお伝えしなくてはならなかったことが有る!」
「オリヴィエ・ラミーは誰をしても止められない!」
と申し上げておきたいと思います。ピュアでナチュラル、超エレガントな高く伸びて行く高周波...そしてスリリングなオリヴィエ・ラミーの進化がここにあります。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【激旨!・・これは必飲??・・ラミーとしたらエレガント系のサン=トーバン1級ラ・フリオンヌは、美しさを軽やかに表現してくれる逸品です!】 きゃ~!・・滅茶美味しいです~~・・。密度の高いラミーの味わいはそのまましっかり・・なんですが、表現が実にエレガント!・・言ってしまえば・・
「ふんわり優しい伸びやかなサン=トーバン1級!」
でしょう!・・こんなサン=トーバン、飲んだことない・・と是非とも言わせてみたいなぁ・・
こんなに美味しいとついつい一句・・出て来てしまいます。
「フリオンヌ・・・あぁフリオンヌ・・フリオンヌ」
(・・駄作)
え~・・それでも2017年までは、単に「ちょっと軽い」と言ってたかもしれないんですね。なので、ただ軽い味わいじゃ無いんですね。サン=トーバンの1級らしさと、その東に位置するピュリニーの名畑のニュアンスと、その南東に拡がるシャサーニュの近寄りやすさのニュアンスが交じり合っているようにも思いますし、
「それがフリオンヌのテロワール!」
とも感じるんですね。
なので、決して軽い訳じゃ無い・・エレガンスの表現なんだと思います。色合いも・・いつもの年よりもやや黄色が強いでしょうかね。
アロマの上りも、この滅茶寒い2022年の冬の空気に冷やされ、より抑圧されるかと思いきや、全くそんな素振りを見せません。そして、冷旨系の酸もしっかり含んだ見事な酸のパレットから、エグく無い表現で、見事な果実を堪能させてくれます。クロ・デュ・メ辺りの中低域のふくよかさは無いんですが、その上が美しいボディラインを描いて感じられます。
グラスのフチを伝う「涙」の太さ、ゆったりさを是非見てください。これでいて「エレガント系」と言って良い感じなんですから・・
また、海外メディアも2018年までは93点止まりだったところを、94ポイントまで伸ばして来ました。この辺はちゃんとそれなりには評価しているように思います。noisy 的にはあと1点、加点する可能性は有ります(ただし、点を付けようとしてテイスティングしている訳では無いので・・もしそうするのであれば、もっとちゃんとそれ用にテイスティングします。)。
それでも、サン=トーバンの有名ではない畑のワインに、何とか94点まで付けられる自由な世の中になって来たんだと思うと隔世の感が有ります。もはや安くは無い価格では有りますが、サラリーの上がらない時間の止まった日本と、ちゃんと動かして来た世界の国々との差だと思えば仕方が無いのかもしれません。
このフリオンヌ、超お勧めしたいと思います。元々数の無いワインです。余り出回らないと思いますよ。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【繊細な表現が堪らない!・・しかし、2017年までのフリオンヌとは劇的に大きさが違います!素晴らしいです!】 いや~・・お判りになるでしょうか・・。お正月を迎えるもので、自宅のテーブルの上の白い敷物を、いつの間にか「取っ払われて」いまして・・写真の比較としますと・・また色合いを見る意味でも、「白いもののバック」が無いのが申し訳ないです。
しかしながらヨクヨク写真を見てみますと、noisy が意図していなかったにせよ、
「何となく白っぽさの見える液体」
に映って見えないでしょうか?
そうなんですね・・ちょっとピュリニーにコルシャルが混じったようなニュアンスが元々から感じられるのがこの「レ・フリオンヌ」でして・・なので若いうちにはかなり、
「エレガント系」
なんですよ。むしろ、ラミーのサン=トーバンの中では最も軽量級に・・軽やかに感じられる訳です。
しかしながら構成自体は相当に大きいです。深い・・と言って良いかもしれませんし、短い周波数を持つ細やかなアロマが味わいから漂ってくるんですね。繊細だと言って良いかもしれません。
そして熟により徐々にその繊細さは極められ、縦伸び系の味わいが完成されると思います。
因みにこのレ・フリオンヌ2018年は、多くのメディアが上値93ポイントでほぼ一致しています。noisy的にも同意見ですが、プラス0.5~1ポイントと評価すると思います。なので、このワインに関しての海外メディアの評価はほぼ妥当なものだと言えるでしょう。さらに因むと、2017年ものレ・フリオンヌの最高評価は92ポイントだったようですので、多くのメディア評価は2018年ものがさらにポテンシャルを高めたと、認めているものなのでしょう。
また、この「レ・フリオンヌ」は生産量が少なく見つけることは結構困難なキュヴェでもあり、ラミーのサン=トーバンのキュヴェが持つ「多様性」の一翼をしっかり担っているワインだと思います。他のサン=トーバンには無い表情が見て取れます。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】 サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
● 2020 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【滅茶苦茶安くてとんでもなく旨かった2014年の再来・・いや、あの時よりも格別に進化している1級クロ・デュ・メです!】
この1級クロ・デュ・メがとんでもなく大量に届いたヴィンテージが有りました。2014年です。シャルドネは非常に良い年でした。
なので、このクロ・デュメ2014年は、Noisy wine で販売数の記録になったんですね。半年ほどの間に・・
「そもそも、そんなに造れたの?」
と言われてしまいそうなほど・・お客様に大うけしました。5千円台の後半位の価格だったはずです。
今やほぼ倍..以上ですか。それでもこのポテンシャルと漲る素晴らしい表情を感じてしまうと、
「安い!」
と思っていただけるはずです。
このクロ・デュ・メは、1級デリエール・シェ・エドゥワールの南に接する1級レ・カステートの下(東)にある1級畑で、以前は(たぶん)ル・ヴィラージュと単純に呼ばれていた畑だと思います。ル・ヴィラージュと言うのは村人たちが住む村の住居の周りにある畑をそう呼んでいるようです。ですから、ブルゴーニュには「ル・ヴィラージュ」と呼ばれる畑がてんこ盛りに存在しますので、その畑に所有者独自の呼び方をするんでしょうね。
ですがこの「Meix(メ)」の意味は、庭園や果樹園に隣接する田舎の住居..と言う意味だそうなので、Clos du Meix はまさに「ル・ヴィラージュ」そのものと言えます。
この、見事に充実した黄色がハッキリ見え、強い色彩に・・わずかに緑が入っているように見えます。
この黄色のしっかりした色彩通りに、果実をたっぷりと感じさせてくれる充実したややオイリーな仕上がりでして、似ているのは・・良いのかな・・言ってしまって・・「アン・ルミイィ」です。ただし、やはりアン・ルミイィほどの卓越した格上感には届かない・・アン・ルミイィはディテールがもの凄いんですよ。95点・・なんてアドヴォケイトは言ってますが、納得しがたいです。勿論、この素晴らしいクロ・デュ・メに・・
「・・えっ?・・92点ぽっち??」
ちょっと考えられない・・2019年ものの上値と一緒ですが、クリオ=バタール=モンラッシェ2019を1ポイント上げ修整したように、この2020年クロ・デュ・メは上値を < 93ポイントにするべきでした。
今飲んでおいしく、将来もさらなる上昇が約束された素晴らしい1級クロ・デュ・メです。上部の畑よりも幾分の肥沃さが有り、
「非常に優れたピュリニー=モンラッシェと同等」
です。是非飲んでみてください。滅茶苦茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年ものクロ・デュメの濃密な低域の美味しさに加えて2019年ものは「密度」そのものが劇的に上昇!今飲んでも滅茶苦茶美味しいです・・が、数が全然ありません!】 「・・えっ?・・クロ・デュ・メって12本しか無いの?・・あれだけたっぷり有ったのに?」
「・・そうなんですよ・・出しようが無い位しか・・入って無いんです・・」
実は、テイスティングで滅茶美味しかったので、内心ホクホクしていたんですね・・だって、最高に美味しいシャルドネがたっぷり有ったら利益もその分出せるし、長く販売可能だし・・良いことずくめです。
ところが全くアテが外れてしまいました・・と言うか、
「・・そもそも飲んでも大丈夫なのか~?」
と心配しなくてはならなくなってしまった訳です。たった12本しか無い訳ですから・・。
それでもテイスティング分だけ年末に入れていまして、年明けに仕入れ分を送っていただいたところ、クロ・デュ・メのテイスティング分は別に伝票に打たれていたので、
「何とか12本の販売分は確保!」
した訳なんですね。・・ちょっと寂しい話しでは有ります。
毎回申し上げているように、クロ・デュ・メは中低域にボリュームが有り、ちょっと感覚的に「ムルソー」的なニュアンスで感じられる豊満タイプのサン=トーバン1級です。
このキュヴェは今まではある程度、数を計算できましたが、年々少なくなっています。そして2019年は販売に回せるのが12本だけ・・です。
しかし、2018年ものにはそこまで無かったものが2019年ものには「しっかり」現れていました。それが・・
「・・ありゃ?・・クロ・デュ・メも超密植化、始めたのか?」
と思えるほどの、確実な「密度の高さ」感です。
あの豊満で単純にもうグラマラスな美味しさを伝えてくれていたクロ・デュ・メの姿は有りません。豊満さに「締まり」が有り、口内の感覚は余りの複雑な刺激で飲んでいるうちに麻痺してきそうな感覚です。
それでも、非常にエレガントなフリオンヌに対した真逆の存在・・と言うか、フリオンヌが持ち合わせない中低域をしっかり増幅した「どっしり感」の有る味わいは普遍でして、中盤以降に押し寄せる余韻も、全くラミーならではの物凄さが感じられました。これは旨い!・・としか言いようの無い見事な味わいでした。
言ってみれば、軽量級のフリオンヌと、重量級のクロ・デュ・メを合わせると・・もの凄いシャルドネワインになるのかも・・と思います。可能な方は遊びでやってみると面白いかもしれません。素晴らしい出来でした。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソー的なゆったり感のクロ・デュ・メはムルソー1級に比類する素晴らしい密度を手に入れ、しかも外向的で無茶苦茶美味しいです!】 レ・フリオンヌが天女の羽衣を纏った女性なら、クロ・デュ・メは甲冑を身に着けた中世の騎士かもしれません。どこまでも・・天にも届けとばかりに縦伸びするレ・フリオンヌと、重厚且つ優しい姿をも見せるクロ・デュ・メは、サン=トーバンの1級畑が持つ姿の両極です。
しかもクロ・デュ・メは、2017年ものまでは・・悪い言い方をするのなら、どこか「緩さ」をも感じさせてくれたものですが・・いや、その「おおらかさ」こそが実は難しい表現ですから・・緩いと言うのは本当に失礼であるとしても、
「2018年ものにそんなネガティヴな方向にも捉えられそうな表情は皆無!」
になったと断言します。
例えば、ムルソーの準1級の村中央上部の畑は、厳しいミネラリティをしっかり表情に出して来ます。ヴォルネイに近いムルソー村名、準1級畑ものは、厳しいミネラリティと粘度由来のネットリとした表情が有ります。そしてムルソーの1級畑ものは、そんなそれぞれのミネラリティを礎にした上で、それぞれ独特な表情を見せてくれますよね。
まるでムルソー=サントノ的な表情なんですね・・いや、もう少しソリッドでタイトかもしれませんが、品格、フィネスは相通じるものを感じますし、そこにピュリニー的な豪奢なニュアンスが入った感じ・・がピッタリかもしれません。
2017年もののおおらかさは2018年もので精緻になり、より大柄になっています。海外メディアでちゃんと評価できたのはティム・アトキン氏だけ・・でしょう。ヴィノスも2017年ものの91ポイントからは1ポイント積み上げてはいます。noisy 的には上値93+ポイントです。
まぁ・・ここまで素晴らしいとなりますと、どうしても「素晴らしい!」の連発になってしまいまして、かなり気が引けるのですが仕方がありません。縦方向の伸びが素晴らしいレ・フリオンヌと、横方向に伸びて行くクロ・デュメ・・・是非セットでお楽しみいただけますと、これまた非常に面白いかと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものクロ・デュ・メは、滅茶苦茶美味しいムルソー準1級畑に酷似!パワフルで横への拡がりも有る、いつ飲んでも行けるタイプです!】 皆さんはそうでもないかもしれませんが、noisy的には非常に評価の高いクロ・デュ・メです。
2016年ものはピュリニー1級・・なんて書いてますね。2017年ものはムルソーの準1級か1級か・・です。ムルソーの中央上部の準一級、ナルヴォーとか、1級のポリュゾとか、その辺りの感覚です。
レ・ペリエールの持つ蜜のニュアンスを僅かに緩くしたような感じも有り、真ん丸なパレットから微細な表情が滲んで来ます。2016年も単純に美味しかったんですが、そんな部分の延長も感じるとしても、もう、かなり格上感が有ります。伸長率が半端無いんですね。
57ミリも有る長いコルクを抜くと、待ってましたとばかりに粘っこいエキスからアロマが飛び出して来ます。マッタリとしつつ適度に拡がってくれるのは今までと変わらないですが、質感がね・・素晴らしいんですよ。比較にならないほど素晴らしい。
この、どちらかと言うとパワフル系のクロ・デュ・メと一緒に飲んだのが1級「クロ・ド・ラ・シャテニエール」です。余りに異なるスタイルで、これ、感動ものでした!
まず間違いの無い選択になると思います。皆さんも好きなタイプでしょう。超お勧めします!
● 2020 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard 【Limited to one Lamy's btl per customer】
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール 【ラミーはどれか1本】
【言ってしまえば・・プティ・プティ・クリオ=バタール??・・プティ・オート・デンシテは間違いないでしょうが・・(^^;;】
デリエール・シェ・エドゥワール..素晴らしいですね。滅茶苦茶複雑性が高いですが、この金属的・・ちょっとギラっとした感じに加えて鉛のような鈍い光を持ったような金属のニュアンスなんぞ、ちょっとクリオ=バタールを想起させるようなイメージが有ります。まぁ、だからプティ・プティ・クリオ・・は言い過ぎかな・・。
でもアドヴォケイトも何故かこのオート・デンシテでは無いデリエール・シェ・エドゥワールには連続で94ポイントと、アドヴォケイトにしてはちょっと高めの評価をしているんですね。
このデリエール・シェ・エドゥワールも、モンラッシェ側ではない・・西南側の丘の斜面に有ります。クロ・デュ・メの少しだけ北の上部の畑ですが、
「ま~・・呆れるほど全然違う!」
のには驚かれると思います。たぶん50~60メートル位しか離れてないはずですが・・たったそれだけでこんなに違うと・・ブルゴーニュの畑の組成、本当に恐ろしいほどの違いです。
そして・・こうお考え下さると良いと思います。
オリヴィエ・ラミーはすでにこの1級デリエール・シェ・エドゥワールの超密植化を成し遂げています。ですからオート・デンシテをリリースしている訳です。ですが、まずは・・
「デリエール・シェ・エドゥワールの超密植化が終了した訳でも無い」
んですね。仮に終了していたとしても、
「まだ葡萄が若すぎる樹が多い」
訳でして、そんな樹からの葡萄は使用しないか、ある程度使用できるレベルになるとこのオート・デンシテでは無いキュヴェに使用されます。そして、オート・デンシテを名乗っている部分でもオート・デンシテにしない葡萄は当然ながらこのオート・デンシテでは無いデリエール・シェ・エドゥワールになるんですね。
当たり前のことを言っただけなんですが、その辺りをメディアのテイスターさんたちは重々ご存じですから、
「オート・デンシテだけを持ち上げる訳には行かない・・」
と言う大人の事情も有る訳です。それ以外にも造り手との対話で得た情報なども評点を付ける際の前提として重要視するはず・・です。まぁ・・彼らは「大外し」だけはしたくないはずですから・・。noisy は自分勝手に感じたことを好きなように書いているだけですし、上司もいないし・・(^^;; だから情報は飲む前にはインプットしないで、終わってからあれやこれやと調べ始める訳です。
なので、
「このオート・デンシテを名乗らないデリエール・シェ・エドゥワールも当然ながら年を追う毎に密植度は上がっている!」
ことを、このワインを毎年飲むことで確実に感じられます。素晴らしい1級です。是非飲んでみてください。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【サン=トーバンの独自なテロワールを見事に表現できるデリエール・シェ・エドゥワール!・・これも実に旨いです!】 素晴らしいと思います。ジャスパー・モリス氏も2018年ものは上値96ポイントと、このワインの本質を見抜かれたなぁ・・と思っていましたが、2019年ものは94ポイントとスケールを下げてしまいました・・残念です。
ですがこの2019年ものが2018年ものに劣る部分は全く有りません。と言いますか・・ここは他のコラムで書くつもりですので、アン・ルイィのコラムあたりをご覧頂ければと思いますが、ちょっと自然派っぽいアプローチが透けて見えて来ているんですね・・このキュヴェ辺りから・・。
減農薬が主体で、ビオは一部・・と言っていたはずなんですが・・その部分ですね。
でもこのキュヴェに関しては・・
「それが判らない・・感じたとしてもほんの少し」
かと思います。
そしてこのデリエール・シェ・エドゥワールは・・実に複雑で、粒子の肌理が滅茶細かいんですね。一体感はしっかり有るんですが、非常に細かい砂の粒を積み上げて仕上げられたかのような感覚で、しかもこのデリエールに関しては、
「サン=トーバン独自のテロワール」
みたいなものをイメージしてしまいます。
サン=トーバンは、結構有名な「アン・ルミイィ」と「ダン・ド・シアン」がモンラッシェを見下ろす位置に有り、その他の畑は少し西側に離れた位置に有ります。畑の向きもそれらとは結構に違います。
なので、その有名な2つの畑はピュリニーやシャサーニュに凄く似ていて当たり前・・なのかもしれませんし、そこから少し離れたところにある畑のワインは、結構にテロワールの異なるニュアンスが有るのかもしれません。
特にこのデリエールにつきましては、超密植のキュヴェをリリースしていまして・・密植化が結構なスピードで進んでいることもあり、手掛けて間もない部分のデリエールには、それなりの密植の恩恵が有ると感じられるんですね。だからこそ、この
「独自なテロワール」
を感じるのかと・・今のところ理解しています。
このデリエールまでは、今飲んでも大丈夫です。でも、まだ20~30%しかその正体を明かしてはくれないと・・理解した上でお楽しみください。
「実は海外メディアの評価以上に素晴らしい!」
と思ってください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリス氏もこのデリエール・シェ・エドゥワールには敏感に反応して・・なんと96点!・・ま、判りますけどね。】 モンラッシェ並みの味わいを見せる凄いワインでした。細かいことを言えば・・トップクラスの出来のモンラッシェには僅かに届かないかもしれないとは思っています。並みのものなら超えているかもしれません。
緊張感の溢れる繊細で鉱物的な素晴らしい味わいです。複雑性も見事で、何よりも「相当な緻密さ」を感じさせてくれるので・・モンラッシェなどと引き合いに出したくなってしまう訳ですね。
で、ジャスパー・モリスさんが異常に反応しています。上値で96ポイントです・・って、グラン・クリュ並みの評価じゃ無いですか!・・noisy は95+ポイントが上限だと見ていましたので、このキュヴェにはジャスパーさんの方が高く買っている訳ですね。
どうやらジャスパーさんはこのキュヴェの成り立ちを良~くご存じのようでして、その辺りも評価に出ているのかもしれません。
何せ、収穫を熟度によって数日に分け、それぞれに醸造したようです。決して広い畑では無いんですが・・もう、オリヴィエのやっていることは他人には理解出来ないのでしょう・・想像の範囲を超えての葡萄造り、ワイン造りなんですね。
noisy の場合は、別に畑を見ている訳でも無し、情報を得てから飲んでいる訳でも無し、現物を飲んで想像して整理、それからテクニカルを見たり、色々する訳でして・・「現物主義」です。なので、余計な情報は前以ては入れないようにしています。
ですがこのデリエール・シェ・エドゥワール2018年は半端無い・・サン=トーバン1級のクロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018年も物凄いし、アン・ルミイィの筋金入りの存在感も呆れるほど・・なので、この辺りはほとんど同じポイント評価です。
味わいにつきましては2017年を確実に超えていますが、そのスタイル自体は変化無しです。数はご用意できないので、是非お早めにゲットしてください。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【げげっ・・これでオート=デンシテじゃないの?!】 写真って・・本当に難しいですね。そして面白い結果を見せてくれます。
何年にも渡ってこのデリエール・シェ・エドゥワールの写真を撮り続けていますが・・
「何故かこの写真は露出が必ず低めになってしまい、暗めな画像になる」
のがお判りでしょうか。他のキュヴェでも有りますが、デリエール・シェ・エドゥワールほどでは有りません。2017年のこの写真は色合いは弄っていないはずです。
僅かに揺れている感じの液体のトロミ、もしくは影みたいな感じが見えるでしょうか?・・これはタンパク結合では有りません。そしてトロミも実際は全く有りません。きっとミネラリティの多さ、密度が映り込んだ感じなんじゃないかと思います。
ま~・・たまげました。
「きゃ~・・やっちまったか!・・間違えてオート・デンシテ、開けたか??」
です。
ほぼ今までに有り得ない感覚でした。D.R.C.のモンラッシェでもここまでは無かった・・。近かったのはラフォンのモンラッシェ。そんなミネラリティの総量感覚です。
「これ、オート・デンシテじゃないんだとしたら・・オート・デンシテは・・どんだけ~!?」
と叫びたくなってしまいました。
ただし、このデリエール・シェ・エドゥワールの一部はすでにオート・デンシテをリリースしていますよね?・・ラミー側からは、どこの畑をどれだけ密植したかの変更報告は余り無いそうです。
なので、もう相当にオート・デンシテ状態になっているデリエール・シェ・エドゥワールが、これまた相当量、含まれたキュヴェ・・と言うことじゃないでしょうか?
そうでなければ・・理解不能です。呆れんばかりの密度・・それでお酒が一杯飲めてしまいますよ!・・もう溜息しか出てこないデリエール・シェ・エドゥワールでした!・・飲みましょう!、これは!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】 ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2020 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly【Limited to one Lamy's wine per customer】
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【今、もっとも整っている2020年もののユベール・ラミーのキュヴェはこの1級アン・ルミィです!・・凄い!】
いや~・・ブルゴーニュ、シャルドネの世界にこれほどまでに彩りを与えてくれたオリヴィエ・ラミーに・・
「感謝感激雨あられ!」
としか言いようが有りません。
どこか閉塞感の漂っていたブルゴーニュのシャルドネの世界。そりゃ、コシュ=デュリ?・・旨いでしょうよ。でもね・・アリゴテで・・「ん万円」って・・もうアウトオブ眼中です。
ドヴネ?・・ルロワ?・・いや、もはやローンでも組まないと買えないし、その前に自宅のローン完済しないと・・ルフレイヴ?・・A.C.ブルで充分だったけれど、もはや・・ねぇ・・アントもダンセールも見なくなっちゃったし・・
そもそも・・誰も新しいこと、やってないしなぁ・・
そんな暗雲が立ち込めていたブルゴーニュ・シャルドネの世界に、息吹と光を当ててくれたのがオリヴィエ・ラミーですよね?・・5年前なら、美味しいシャルドネが欲しいと言われるので、
「ユベール・ラミーって・・知ってます?・・滅茶旨いですよ・・」
と言ったところで・・
「ん?・・知らない・・ルフレイヴは無いの?」
などと返されるのがオチ。
「・・サン=トーバン・・でしょ?」
なんて・・ね・・。
「(だったら聞かないで・・」
って思いたくなってしまったものです。
今やラミーの「ラ」の字を発してしまっただけで、
「い、いつになりますか?」
みたいな感じですから、世の移り変わりの余りの速さに、noisy もホントについて行くのが大変です。
2020年の1級アン・ルミイィ、「でら旨」です。圧巻・・トンでも無いです。
しかしながら他のコラムにも書いています通り、
「2019年までと・・どこか違うように感じる」
と言うのは有ると思います。
ですがきっと・・どこが違うのかは判らないんじゃないかと思いますし、余りの美味しさに気付いて・・ラミーをもっと好きになってしまうに違い無いと・・思っていただけるキュヴェです。
何とも香しい・・素晴らしい高質なシャルドネのアロマに、蜜や果実の超繊細なアロマが・・そして、絹をも思わせる白っぽく極細の糸に、数パーセントの透明の超極細の糸を混ぜて撚ったかのようなミネラリティが混じります。やがてそれは膨張しはじめ、果実の繊細さを見せる表情から、熟れた果実の甘美さを見せるように変化・・
膨大なエネルギーを口入れ直後から感じさせるのではなく、中盤から徐々に・・音楽ですと「クレッシェンド」と言うはずですが・・強くなって行きます。素晴らしいとしか言いようがないです。
このキュヴェにアドヴォケイトは・・2019年よりも上げたとは言え、95ポイントですから・・noisy 的には「??」です。そして、2025年からとのことですが、
「今飲み始めてもOK!」
まぁ、今でもたっぷり美味しく飲めると言う意味でして、アドヴォケイトの2025年から・・と言う開始時期に異議を唱えるものではありません。是非飲んでみてください。
「必飲の1本!」
です。
以下は以前のレヴューです。
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【いつものように素晴らしいです!・・が、まだ落ち着き切っていないのと・・自然派的なアプローチの結果が出始めている?・・少し休ませてから飲みましょう!】 アン・ルミイィらしい豪放な美味しさ、ピュリニー的果実のブリッとした美味しさを内包しつつ、正にラミー的な豪快な味わいを見せてくれる秀逸な1級畑、「アン・ルミイィ」です。
2018年ものと同様に非常に美味しいです!・・でも2019年はとても良かったんでしょうね・・まだ落ち着いてないです。少し休ませた方がより美味しいと思います。
その上、ラミーの場合は基本、減農薬スタイルでして、一部ビオを取り入れ始めている・・と言うことですが、その「一部」を僅かに感じさせるようなニュアンスを嗅ぎ取りました。そして、
「どうやらこのキュヴェはSo2を減らしているんじゃないか?」
と言うような疑問も・・感じたんですね・・。ラミーのアン・ルミイィらしい「硬質さ」が、少し薄れているように感じた訳です。しかし密度感はそのまま・・と言いますか、確実に上昇しているニュアンスです。
なので、エージェントさんに分析表を見てもらったところ・・どうやら他のキュヴェより(下のキュヴェ)も残存So2の量が少ないことが判りました。
この一件を持って、ラミーがビオに邁進・・と言うことには全くなりませんが、研究熱心で畑仕事をバリバリこなしている訳ですから、より凄いワインにしたい・・と言うような気持ちは人一倍なはず・・なんですね。
ですので、noisy としましては、このアン・ルミイィに軽々な判断はせず、もう少し余裕を持って見たいと思っています。
ただし・・その「自然派的アプローチの部分」を嗅ぎ取れるかどうか?・・は相当に微妙ですよ。なのでほとんど判らないんじゃないかと思います。それほどに「わずか」なもの・・なんですね。
色合いも例年よりも黄色がより強く感じます。美しいニュアンスです。ネットリとしつつ口内に留まる残渣からの「味わい」が物凄いワインです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【比較対象はバタールかモンラッシェか!?・・大人気のアン・ルミイィ2018年はマンモスミネラリティにひたすら平伏するのみです!】 たまげました・・凄いミネラリティです。総量もさることながら、その気品ある組成にも平伏です。
海外メディアは上値94ポイントでほぼほぼ揃っていますし、素晴らしかった2017年とほぼ同様の評価ですので・・これはちょっといただけませんね。2017年ものが94ポイントであるなら、2018年ものはポテンシャル点として1ポイント以上、加点しないと筋道が通りません。ヴィノスは 2022~2036 の飲み頃を併記していましたが、たかだか18年で萎んで飲めないようなポテンシャルだと見ているなら大きな間違いです。noisy 的にはポテンシャルは96点まで付ける可能性が有ります。今飲んで点を付けるとするなら、クロ・ド・ラシャテニエールの方が全然高いです。
ただもうここまで来ますと、比較対象は確実にグラン・クリュです。地質も距離も近いモンラッシェみたいな味わいですね。
しかしながら、モンラッシェとバタール=モンラッシェの区別は、そんなに簡単なものでは有りません。緊張感漂う筋肉質なものもあれば、芳醇さが出やすく、バターなどのこってりした甘やかさのあるものも・・それぞれに有るからです。勿論ですが、モンラッシェに近いバタールの方が高質な場合が多いと感じていますが・・それすら非常に曖昧で、じゃぁ、バタールの下の方のヴィアンヴィニュやクリオはどうなるのか?・・などの整合性も上手く行かず、一概には言い切れない訳ですね。
ラミーの2018年アン・ルミイィは確実に、「緊張感派」です。筋張った筋骨をマンモスな量のミネラリティが肉になっているような感じです。美味しくは飲めますが・・今は結構に硬めのイメージで、少し緩んで来てからの方が楽しいでしょう。
実際、年末からあれこれ飲んでいますので・・時折アン・ルミイィを今でも口にしています。抜栓後放置して1週間経過してもまったくヘコタレず、徐々に膨大なボディと甘美な果実、蜜を出して来ています。こんなワインは是非とも一日一杯・・飲みたいですね~・・。一日置きでも良いでしょうか・・もし早飲みされるのでしたら、そんな飲み方をお薦めしますが、基本的には、
「他の1級や村名、ブルゴーニュを先に飲み、アン・ルミイィは最低3年放置」
が正しい向かい合い方かと思います。
素晴らしい出来になりました!・・こんなワインが万札1枚でゲットできるなんて・・なんて幸せなんだと思っていただけると思います。ご検討くださいませ!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【ワインファンよりワイン屋が欲しがるのは・・何故?・・見事に真ん丸、真球なパレットを描く超一流のシャルドネです!】 どうやら93~94ポイント位を付けているところが多いようです。ただし「1級アン・ルミイィだから」と言う理由が大きな理由だと思えてなりませんが・・。
因みにこの1級アン・ルミイィと1級クロ・ド・ラ・シャテニエールを比較すると、個性が全く異なることは容易に判りますが、現在の状態を鑑みると、クロ・ド・ラ・シャテニエールをより高く評価するのも理解出来ます。ただし、noisy 的には、現段階ではそうでも、数年経過した頃には、
「タイプは異なるが二つのキュヴェはほぼ同ポイントになるはず」
と感じています。
2D的には真ん丸な、3D的には球体だと言わざるを得ない、見事なパレットを描いてくれます。ムルソー・レ・ペリエール的な蜜のニュアンスと、すぐ近くの・・珠玉のシャルドネ・グラン・クリュ達の要素を少しずつ持っているかのようなニュアンスを感じます。
ある時はクリオのように鈍い光を反射する鉱物のようなニュアンスも漏れてきたり、シャリシャリとしたエレガントな石系の感覚を見せるシュヴァリエのようでも有り、短い感覚でそれらを「チラ見」させては、やや閉じこもったかのような態度を取ります。
呆れるほどのポテンシャルを感じました。2016年までのアン・ルミイィとは、各段の差が存在すると確信しています。しかし、現状で物凄い表情を隠そうとさえしないクロ・ド・ラ・シャテニエールの方が、直近で楽しむには向いているのは間違いないでしょう。
素晴らしい1級が、こんなプライスで買えることが・・まだ有るんだと喜びましょう!是非挑戦してみてください。超お勧めです!
● 2020 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes【Limited to one Lamy's wine per customer】
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【たったの700ケース?・・それにしては日本に入ってくる量は滅茶少ない・・アン・ルミイィとタメ、もしくはそれ以上だとnoisyは確認しています。】
すみませんがお一人様1本限定です。クロ・ド・ラ・シャテニエール...モンラッシェを下に覗き見る標高の高いアン・ルミィ、ダン・デ・シアンよりも僅かに下に存在する・・
「モンラッシェ真裏!」
の畑です。安易に言い放ってしまいましたら・・
「裏モンラッシェ」
です。
ただし、現状でモンラッシェと言えるほどにポテンシャルが有るか?・・と問われれば、
「残念ながらそこまでは無い」
と言うしかない・・でしょう。
しかしながら、この「裏モンラッシェ」と言いたくなる見事な味わいは、真のモンラッシェが見せる姿を・・
「表と裏をひっくり返したような感じ」
なんですね。
まぁ、モンラッシェも造り手により結構にタイプが異なると思います。意外にシンプルに感じられるモンラッシェも飲んだことが有りますし。ですが、緊張感の漲るタイプとこってり濃密なタイプに・・大きく分けて2つに分類されるかと思うんですね。
その緊張感溢れるタイプを表とした場合、一枚の紙に見立てて・・真裏にひっくり返したような感じ・・(^^;;
判らないですよね。まあ・・本当に素晴らしいワインなので・・シュヴァリエのところにドゥモワゼルと言う畑が有りますが、匹敵しないまでもクラスとしては充分太刀打ちできると思われるポテンシャルは有ると感じます。
あら、すみません・・同じようなことをこの下で書いていました。まぁ・・2020年ものは飲めてませんので・・すみません。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【・・2019年ものはたったの6本の入荷につき、テイスティングは回避するしか有りませんでした。サン=トーバン1級のトップをアン・ルミイィと分け合う凄いシャルドネです。】 どうやら・・エージェントさんにはたったの1ケース?・・なのかな?・・なので、2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールを手に入れるのは非常に困難かと思います。
物凄かった2018年ものは93点止まりで、noisy も呆れて・・
「はぁ?」
なんて書いてしまっていましたが・・まぁ、誰しもテイスターで有れば自身の評価を下げたくないのでしょう・・
「サン=トーバン1級だから・・」
と言う足枷を外すのは難しいんでしょうね。
ですがこの2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールこそ・・noisy は飲みたかったです。そしてその先をしっかりチェックしたかったかな・・と思っています。ラミーの本拠、サン=トーバンの1級畑のトップです。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ライバルはシュヴァリエ=モンラッシェ?・・これ、めっちゃ凄いです!・・すみません・・お一人様1本でお願いします!】 ユベール・ラミーに関しましてはもう・・各取引先のエージェントの担当さんまで、
「・・ラミー・・・譲っていただけないでしょうか・・ちょっと勉強したいんで・・」
とお声掛けいただくほどでして、黙って聞いているとキリが無いので・・
「・・まぁ・・余ったら・・ね・・」
などと言って右から左に受け流そうとする訳ですが、やはり noisy も若い頃は情報を得ることや経験することに飢えていましたし、理解してくれる人の有難さを知っていますので、まぁ・・その分だけは何とか残そうと思っています。ただし、ラミーを供給してくれているオルヴォーの担当さんにまで・・
「・・分けて下さいよ~・・あのキュヴェ、今までずっと飲めてないんですよ~・・」
とせがまれてますんで・・何だかな~・・世の中、変だよなぁ・・と世の無常を感じざるを得ません。
で、クロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018ですが・・シュヴァリエ並みです。「・・きゃ~・・!」です。2017年ものもめっちゃ美味しかったですが・・そこさえ超越しちゃってます。誰が何と言おうと呆れるほどに素晴らしいです。
「海外メディアが93点?・・92点?」
「はぁ?」
です。呆れて物が言えません。
まぁ、クロ・ド・ラ・シャトニエールのV.V.表記無しのキュヴェもリリースしていて、その評価の可能性も無きにしも有らずなので、幻滅したくないので・・そう願いたいですね。なのでティム・アトキン氏とヴィノスの評価は見当違いのようなので掲載しません。
このクロ・ド・ラ・シャトニエールは、アン・ルミイィの北西下部に有り、これも一般的な評価の高い1級畑ですが、所有者が少ないので余り知られてはいません。寿命でアン・ルミイィには及ばず、多彩な表情と若いうちから飲める点でアン・ルミイィを凌ぎます。
そして相対的なバランスの良さはサン=トーバン1級の中でも随一かと思われ、今飲んでも滅茶美味しい!・・最低でも95点は確実です。シャリシャリとした石灰感に果実の繊細な表情が差し込みます。外向的で有り、ミネラリティも半端無い・・これで1級畑だとは恐れ入るしかない・・そう思わせてくれるはずです。
このワイン・・もっと欲しいです・・飲めた方は幸せです!是非飲んでみて下さい!お早めにどうぞ・・あ、
お一人様1本限定です。 P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【凄いです!・・こんなの飲んだら・・他のワインが飛んじゃいます!】 絶品でした~!・・有り得ないです。まぁ、ほとんどのメディアが93ポイントまでしか付けませんが、デカンターのティム・アトキン氏だけは94ポイントでした。
アン・ルミイィとの差は、ポテンシャル的には無いでしょう。でも、余り語り過ぎてもシツコイと思われるかもしれないので、このコラムではこんな経験だけを書かせていただきます。
実際のテイスティングは、この1級クロ・ド・ラ・シャテニエールと1級クロ・デュ・メが一緒でしたので、まずはクロ・デュ・メを先にいただいた訳です。
いつもよりもミネラリティが物凄く、確実にジャンプ・アップしたクロ・デュメの、太くどっしりと構えた構造からの全域への豊かな味わいに、全ての味蕾や鼻の粘膜細胞までが満たされた感覚でした。
そして次にクロ・ド・ラ・シャテニエールを注ぎ・・そのグラスへ鼻を近づけると・・思わず、「うわっ!」と声が出ました。クロ・デュ・メの要素で満たされた感覚のところへ、クロ・ド・ラ・シャテニエールを一口すすると・・クロ・ド・ラ・シャテニエールはそれまでのクロ・デュ・メの残像を左右に押し分けて入って来て、全ての感覚器官をクロ・ド・ラ・シャテニエールの表情で上書きしてしまいました。
超高域まで、どこまで行ってしまうのか?と心配になるほどの縦構造で、完全に人間の感覚を超えるほどの要素の振る舞いでした。呆気に取られてしまう・・凄いシャルドネです。
申し訳ございませんが、数が無いので、こちらはお一人様1本とさせていただきます。是非ご検討くださいませ!。
● 2020 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【べらぼうに美味しいです!・・過去一、間違い無し!・・2019年と同様に91ポイント?・・有り得ません。】
旨いです~~・・。こんなに美味しいワインばかりだったら、何も悩まずにご紹介できるのに・・さらには18アイテムも有って、どこまで飲めばすべてが掴めるのか・・とか、この、
「自然派を前にしている感じ」
の大元はどこに有るんだとか、誰かそんな感覚を書いているレヴュワーは他にいないのか・・とかで、この1カ月、散々苦労した noisy でした。
ですがこのコンシ・デュ・シャン、クロ・デュ・メ、アン・ルミイィの、とんでもない美味しさに触れてしまうと・・ただただ・・
「旨いな~~・・」
とルンルン気分になっていながら、この時折感じるナチュール感の出どころ、原因、造り手が何を考えているか・・とか、残留So2濃度は2019年と2020年とではどう違うのか違わないのか・・考えることが多くてどうにもパンクしそうだった訳ですね。
まぁ、アドヴォケイトの評点はイマイチだと・・ちょっと違和感は持っているとは言え、
「アドヴォケイトの評価がアップされたことで救われた部分も有る」
のは事実でして、それを認めない訳には行きません。
実を言いますと、
「多くの海外メディアは2020年もののユベール・ラミーのワインには、2019年ものの評点から1ポイント程度下げる可能性が有る」
と思っていた訳です。その理由は、そこはかとなく漂う自然派的なニュアンスです。そもそも・・ブルゴーニュ担当さんたちで、自然派が好きな方は多く無いんじゃないかと思っています。なので、
「ちょっとアテが外れたので少しだけ嬉しかった」
んですね。
非常に濃密です。ですが口入れ直後から、以前のようなマンモス的なミネラリティを感じるよりも、ふんわりとした柔らかさを感じさせてくれます。豊満な果実には美しい酸が有り、甘く無い・・見事にドライなのに甘美です。中盤からボディは徐々に巨大化し、美しいノーズを戻しながら長い余韻を感じさせてくれますが、むしろその後半に美しい果実をまとったミネラリティをたっぷり感じさせてくれるように思います。
いや・・シャルドネって本当に美味しいですね。超お勧めします!是非とも飲んでみてください!
以下は以前のレヴューです。
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【2018年もの同様に旨いです!・・しかも2019年の素晴らしさがくっきり!ドライで集中していてミネラリティたっぷり!】 美味しいですね~・・2018年もそうでしたが、2019年はほぼ同様に・・と言うか、僅かに上回ったかのような感覚で・・
「滅茶苦茶美味しい!」
です。アン・ルミイィが完全にはまだ落ち着いていないのもあって、現状だけ見てしまいますとこちらの方が美味しい・・(^^・・と判断する方もそれなりにいらっしゃるんじゃないかと思います。
コンシ・デュ・シャン2019に関しましては、2018年と大きな差は無いと感じます。ただし上記のように、
「2019年と言うヴィンテージ」
を判りやすく解説してくれる・・と言うか、ラミーの他のキュヴェの伸び率が凄過ぎてしまって・・
「ヴィンテージの良さなのか、ラミーの変革の結果なのか・・良く判らない・・」
と言う状況なんですね。
なので、このコンシ・デュ・シャンの「緻密な!」美味しさに触れると、凄く安心感が有ります。
「・・ん!・・大きくは変わって無いね・・でもやっぱり2019年は凄いよね!」
と、非常に判りやすく理解できるから・・なんですね。飲めばきっと判りますよ。
ですので、むしろポテンシャルと取ろうとか、変化を感じよう・・とか、額に十字を寄せなくても良い・・そんな感覚で滅茶美味しく飲めます。
勿論ですが、普通の「シャサーニュ村名」と比べてはいけませんよ。もしそうしてしまうと・・比較対象が「緩い」と言うことを気付かされてしまいます。ラミーばかりを飲んでいるならそれは「普通」の出来事ですが、他と比較してしまうと不幸なことになってしまうかもしれません。
ゆっくり、のんびりと・・この実は凄いポテンシャルの液体を、口内で少しずつすり潰しながらお楽しみください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【並みのシャサーニュでは有りません。幾分感じていた「緩さ」は皆無!緊張感を身に着けたコンシ・デュ・シャンはカテゴリーキラーです!】 ワインとは中々に難しいものでして、
「ん?・・そうだなぁ・・今はそれを飲む気分じゃないんだよなぁ・・」
ってシュチュエーション、有りませんか?・・まぁ、noisy の場合はそんなことを言ってられる商売じゃないんですけどね。
でも、如何にシャルドネ大好き、白ワイン万歳!・・な人間でも、
「ん~・・今は硬いムルソーは飲みたくないんだよなぁ・・まぁ熟して滑らかなら良いけど・・」
と、程好い熟を迎えているに違い無い・・と思って開けたムルソーが・・残念ながら「音沙汰無し」の「狸寝入り」状態・・なんてね。
だからそこは半端な熟のムルソーの選択自体が間違っていると気付くべきで、ピュリニーかシャサーニュの村名に行ってれば良かった・・と後悔する羽目になる訳です。
黄色い柑橘と白い果実、フラワリーなアロマがノーズに飛び込み、ピュアさ満開で迎えてくれる素晴らしいシャサーニュです。畑はシャサーニュの村中央下部に有り、密植度も1万4千本以上だそうで・・確実に2017年の出来を上回っています。
このコンシ・デュ・シャンとピュリニーのトランブロ、そしてサン=トーバンのトップ・キュヴェが同価格ですから、選択肢が多く悩み深いですよね。ワインファンとしましてはどうしても、
「ポテンシャル重視!」
の選択をしがちです・・そりゃぁそうです・・感動したいですから・・。
でも、やはりシャサーニュ的な・・ピュリニー的な部分をしっかり感じさせてくれる・・そしてその特徴をそのままに表現してくれるテロワールを、ある程度「バラかして」仕入れておくのも重要でしょう。
このコンシ・デュ・シャンは、2017年までの「ある種の緩さ」は無いです。しかし、シャサーニュ的な「寛大さ」「包容力」はしっかり感じます。ピュリニーより、より白さの際立つ感じだと思ってください。お勧めします!飲んでみて下さい。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】 アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
● 2020 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【トランブロのオート・デンシテ化の影響とナチュールっぽさがピュリニー村名のこのワインを素晴らしいものに変身させました!今飲んでも滅茶美味しい!】
ラミーのピュリニーのトランブロと言いますと、
「そりゃぁ・・ラミーですから。マンモス・ミネラリティがてんこ盛りになった凄いピュリニーですよ。」
と言っていたんですね。
ラミーのワインは基本、ガシッとしたミネラリティそのものを飲む感じが有って、そこから漏れてくる表情が実にエレガント・・そんな感じでしょう?
2020年ものになりますと、それはだいぶ印象が異なります。まぁ・・他のコラムで散々書いてますから・・詳細はそちらもお読みいただくとして、でも、
「結果的にSo2 添加を少なく出来る造りを始めた」
と強く感じる訳です。まぁ、誰もそんなことは言ってないんですが。noisy が勝手に独り言を言っているだけですけどね。
サン=トーバンの超急斜面で、裾野に落ちた表土を持って上方に上がって積みなおしながらの・・オート・デンシテ化です。
しかも実る葡萄は、他の生産者さんが見たら泣き出してしまいそうなほど小さく、パラパラとしていて、掴んだ手の平の大部分が見える程度・・とのことなんですね。
ですから、オート・デンシテ化をするには、土壌の活性化が不可欠になる・・つまり、自然派としてのアプローチも必須になる・・そんな流れが良く判る味わいになっているんです。・・いや、誰もそんなことは言ってないですが。
で、デリエール・シェ・エドゥワールのコラムでも書きましたが、やはりオート・デンシテ化している畑ですから、その影響を受けます。
今まで・・2019年ものまでは、どちらかと言いますとその影響はネガティヴに出ていたように思います。
しかしながら2020年ものになってきますと、むしろポジティヴな影響を受けているように感じられます。なぜって・・
「そりゃ・・2019年ものよりも濃密で、ふわっと柔らかい感じが出ていて、ゴリっとした感じは減り、丸っとしたニュアンスが有って・・どんどん膨らみを増し、余韻が異常に長いから・・」
です。
何でラミーがこのトランブロV.V.とアン・ルミイィを同じ価格にしているのか・・そこに思いが至れば理由も判ると思います。勿論、「ピュリニー=モンラッシェ」と言う素晴らしい「格」のアペラシオンであることも理由の一つです。
しかしながら、クリオ=バタール=モンラッシェと言う・・グラン・クリュのモンラッシェとしますと、実は最下位・・のアペラシオンのワインで、ブルゴーニュ・シャルドネ生産者のトップに躍り出たんですね。まぁ、レ・クリオと言う畑はシャサーニュ側のバタールの真横(南)では有りますが、その周りは上部が1級畑、下(東)も南も村名畑と言うロケーションでして、ピュリニー側のビアンヴィニュ=バタール=モンラッシェと同様に・・余り良い扱いをされてこなかったグラン・クリュです。
だからこそ、オリヴィエ・ラミーはこのピュリニー村名に相当の思い入れと力を注いでいるように・・テイスティングしていると感じます。
「村名畑でもアン・ルミイィと同格」
その声が聞こえるようです。是非飲んでみて欲しいと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【これは今飲んでも滅茶美味しい!・・何となく人気薄に感じているピュリニー村名ですが、早めに飲むならアン・ルミイィよりお勧めです!】 濃密さと、ピュリニー的な極楽さ・・しかしそれを否定しようとする「密度の凄み」が交差する、マンモスに美味しいのがこれ・・トランブロです。
レ・トランブロはご存じの通り、超密植のオート・デンシテもリリースしていますんで・・徐々に密植化が進んでいる畑なんですね。なので、その恩恵をそれなりに受けているんじゃないかと思えるほど、
「密度の高さ」
を感じさせてくれます。勿論ですがオート・デンシテほどじゃありませんよ。ほんのりと・・です。でも、ピュリニーの村名ワインを飲み慣れた方なら・・
「・・あれ?・・これ、ピュリニー1級?・・ペリエール・・とか?」
みたいな印象を持たれるかもしれません。・・それでも、この密度の高い感じの味わいは、マッチする対象が見当たらないことに気付くとは思います。
noisy 的にも、93ポイントは確実に付けると思います。そこから加点するのはそこまで多くは無いですが・・1点以内で可能性が有ります・・だって・・
「めっちゃ美味しい・・!」
んですから・・はい。
価格は同じですが、アン・ルミイィと違って飲み始めても良いと思います。落ち着き切ってはいませんが、不安定な要素は非常に少ないです。この年末年始の間に、
「3ケ日を除いて毎日ラミー」
のテイスティングです。ですから、ま~・・キュヴェによる違いがここまで有るかと・・それを覚えて置くのも結構に大変では有るんですね。
リアルワインガイドのテイスティングでも、
「noisyさんは担当ワインは持って帰らないの?」
と聞かれるんですが・・何も問題は無い時はまず持ち帰りません。
「それで良くあれだけ書けるよね」
と言われるんですが・・まぁ・・そこそこは覚えています。
何事も
「結論を出しておく」
「自分の中で一旦整える」
ようにしていまして・・だから何とか・・その対象が目の前に無くても、レヴューが書けるんじゃないかと思います。
それに、その対象が素晴らしいほど、覚えているものなんですね・・だから、もしラミーのこのキュヴェ、トランブロ2019がブラインドで出て来ても、きっと判るんじゃないかと思います。それほどに・・
「ピュリニーをしっかり主張するのに対象の畑が見当たらない・・」
そんなピュリニーは他に無い訳ですから!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗っていませんが・・これ、一体どれほどの密植度なんでしょう・・2017年ものを確実に凌駕する凄い密度です!】 ピュリニーとシャサーニュの境界に存在する「レ・トランブロV.V.」です。モンラッシェから真っすぐ下がって来た辺りです。
このレ・トランブロV.V.には、オート・デンシテ表記のあるものと無いものの両方が存在しますんで、間違えないようにしないと大変なことになってしまう訳です。数も価格も全然違いますから・・。2017年ものまでは、それをそのまんま・・そのように思っていました。オート・デンシテは呆れるほどの密度ですから・・。
しかしながら2018年もののレ・トランブロV.V.を飲んで、少しその思いに変化が生じています。いや、勿論ですが間違う訳には行かないので、気を張って発送作業をいたしますが・・。
何故って・・この「オート・デンシテ表記無し」のレ・トランブロV.V.がですね・・物凄いミネラリティの密度なんですね。エージェントさんのテクニカルでは1万1千本/ヘクタールのままでは有りますが、数年間そのまんま・・ですからね。
レ・トランブロの畑は確実に「超密植化」をしている訳です。部分的に毎年増やしているのは間違い無いと思いますが、
「2017年ものとの、余りの密度の違い」
を受け取ってしまっていますので・・
「・・この素晴らしいミネラル感とピュリニー的果実表現の繊細さを見るなら、オート・デンシテまで・・必要なのか?」
と言うような気持ちが生まれて来たんですね。
だって・・滅茶美味しいじゃないですか・・トランブロ。黄色のハッキリした果実は透明なミネラリティでしっかりコーティングされ、滑らかなテクスチュアで味わいの幅もしっとりと拡がって来ます。
余韻も長く・・このレ・トランブロがピュリニー村名で有るなら、他の生産者のピュリニー村名はどんな立ち位置になるのか?・・いや、ラミー2018年を知らなければ、それまでのヒエラルキー構成を保ったままで良いかもしれませんが、知ってしまった以上、そこには何らかのケリを付けておかなければなりません。
ですので、もう・・これは余り言わないようにしようと思っていたんですが、ケリをつけるためにこのようにします。
「テクニカル上は1万1千本/ヘクタールですが、今はおそらく50%近く増えているはず・・と思えるので、ヴィエイユ・ヴィーニュですし、普通のピュリニー村名とは大きく異なる凄いシャルドネ!格はピュリニー1級並み!」
とさせていただきます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗らないトランブロは・・凄い狙い目!?・・これ、もうただ呆れるほどのミネラリティですが!】 写真からも漂ってくるんじゃないでしょうか。確かにピュリニー的なやや黄色目の濃い色合いをしています。しかし、
「ミネラルって・・見えるの?」
と言いたくなるような色合いですよね~。
まぁ、オート・デンシテのトランブロは、安いとは言ってもそれなりの価格はします。ノン・オート・デンシテのトランブロは価格は三分の一程度です。
でも飲んでみたら・・ビックリですよ。このノン・オート・デンシテのトランブロV.V.が一番、ミネラルの密度が凄いことになっているのが判ります。良い意味で使いたいと思いますが、
「バッキバキ!」
です。
要素由来の表情が漏れてくる速度も一番遅い・・です。
ムルソー村の南隣がピュリニー村ですが、このトランブロはシャサーニュとの村境に有ります。バタール=モンラッシェから東に下がってすぐのところの村名です。なので、ムルソー的な・・と言うか、ムルソーの南端に在るレ・シャルムやレ・ペリエールのような大理石風な厳しいミネラリティとも異なる感じです。
それに・・最近は飲めていないので正確には判断しかねますが、ルフレイヴさんちのバタールのような柔らかさを感じさせるものでも有りません。
まぁ、本当に「クリスタル・コーティング」と言いたくなります。しかも、何度も何度も乾かしては塗りを繰り返してクリスタルそのものになってしまったような感じです。
ノン・オート・デンンシテでこれほどまでになって来たと言うことは、一体オート・デンシテはどうなっちゃってるのか?・・と思わざるを得ません・・にしても、
「・・オート・デンシテじゃなくても・・充分かも?」
と言う気さえ、生まれて来ます。
ただしこのキュヴェに関しましては、他の2017年のラミーのシャルドネと異なり、少しだけでも休ませることがさらなるエルヴァージュ(育てること)に繋がっていることは間違い無さそうですので、気に留めておいてくださいね。
まぁ、もしかしたらオート・デンシテ・クラスの葡萄もそれなりに入っているのかもしれません。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】 え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2020 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【非常に少ないレ・マシュレルです。】
どうやら100ケース、生産できれば上出来との・・ことです。なので入荷数も少ない訳ですね。Noisy wine には例年6本だけ。2020年ものも同様でした。
アドヴォケイトは92ポイントと冴えない評価です。どうも以前の評点をそのまま踏襲しているような評価ばかりで面白くないです。noisy 的には今までとは劇的に違う・・と感じた2020年ですが、アドヴォケイト的にはそうは感じなかったということなのでしょうか。
細い糸と撚り合わせたような、程よい緊張感、金属感のあるミネラリティ、そこに白っぽい石灰と細かく透明な石、黄色いフルーツ・・そんなイメージを持っています。シャサーニュ1級レ・ヴェルジェの上部がレ・ショーメ、下部がこのレ・マシュレルです。価格的にも中間的ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【たったの6本・・の入荷です。】 すみません・・これは飲むのを回避してしまいました。2019年のユベール・ラミーはキュヴェにより結構に少ないものが散見されまして、この1級のマシュレルもその一つです。
ですが・・この2~3年の間に大きく成長しているキュヴェですので・・きっと密植化を順調に伸ばしているはずでして、その影響こそがその成長の結果だと考えています。
ただし、1級クラスは軒並み・・
「まだ落ち着いていない」
と判断していますので、少なくともこの春、温かくなってくるまでは開けないようにされた方が無難かと思います。
また海外メディアの評価も探したんですが、ジャスパー・モリス氏の93ポイントしか見当たりませんでした。少なくて飲めないメディアも有ったのでしょうか・・それともそれを掲載しているショップさんに割り当てが行っていないので、noisy が見つけられないのかもしれません。
いずれにしましても、希少なシャサーニュ1級です。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・繊細かつ気品ある素晴らしい表情・・滅茶細やかなミネラリティ、石、煙、果実・・ぞっこんです!】 いや~・・素晴らしい・・ちょっと別格ですね・・。
2017年ものは「飲みやすさ」にまで言及してますからそんな側面も有ったはずです。
しかし・・2018年ものは半端無いです!膨大なミネラリティに隠れてしまうはずの非常に繊細で美しい表情が、アロマにも、味わいにも表れて来ています。
そしてその表情の素晴らしさにグラスを放置して放心してしまう・・そんなことが起きかねないほどにポテンシャルの高い味わいを見せてくれます。
マシュレルは、かの「レ・ヴェルジェ」の下部にある1級畑ですが、多くのレ・ヴェルジェは単純だ・・とさえ思いこんでしまうそうになりますので・・ちょっと危険でさえありますよ。
実際、テイスティングの残りを店に持って来ていたので、数人の方(車じゃない方・・ですよ)にテイスティングしていただきましたが、いや~・・面白かったですね~・・みんな、黙りこくっちゃったんですよね・・。なので、何か話しかけようと・・
「んと・・これ、約1週間、テーブルの上に放置してたのを持ってきたのね・・」
などと言ってしまったら・・さらに黙ってしまって・・
「・・あ、ごめん、まだこのキュヴェは販売できないんだけど・・」
なんて・・ね。
なので、早めに入れていたA.C.ブルのシャタイネールをお持ち帰りいただきました。
そして同じく1級のレ・ショーメも凄いですが、レ・ショーメは豊満なスタイルで、こちらは繊細・・いや、面白いですよ。それに密植度もだいぶ進んでいると思います。あ、メディア評価は無視してください。最大95+ポイントまでは有ります。是非飲んでみて下さい。凄い旨いです!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!!アドヴォケイトは90~92pointsだそうですが・・そんなもんじゃ無いでしょう!】 ようやっと飲むことができたレ・マシュレルです。2016年はリリースさえ無かったはずです。
この畑はシャサーニュの北側、1級レ・ヴェルジェの東に接しています。勿論、ル・モンラッシェも近いですよ。
アドヴォケイトは「最も飲みやすい2017年のラミーのキュヴェ」と評価し、90~92ポイント付けています。外れですね。最も飲みやすいかどうかは人に寄るので判らないとしても、一見ではとても計り知れないポテンシャルを持っていると感じます。
実はこのコラム、一回書き上げたんですが・・Windows のエラーでおじゃん になってしまいました。なので、かなり凹んでいます。
ですので、文字そのものは少なくなってしまったんですが、
「相当凄い!」
のは間違いないです。
「2017年のラミーの中で最も飲みやすいキュヴェ」って・・もっとポテンシャルに言及しないとディスっているだけのように見えちゃいますから・・決してそう言うことでは無いと思ってくださいね。素晴らしい、シャサーニュ1級です!・・長くも持ちますよ。物凄い、理解を超えたようなミネラリティが有ります。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】 少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
● 2020 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc【Limited to one Lamy's wine per customer】
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【オート・デンシテの名乗りの直前?】
すみません・・数が無いので・・。
アドヴォケイトは昨日評価が上がったようで、2019年ものと同様、94ポイントと出ていました。2019年物で上値95ポイントのジャスパー・モリスさんは、ラミーの2020年ものはどうやら飲めなかったのかな?・・上がっていないようで判りません。
オート・デンシテ化はそう簡単では無いはずですが、多く植えさえすれば・・ある程度の結果は出てくるはずです。勿論、その植えたばかり・・若い樹の葡萄を使わないことが前提です。
ですからこの1級レ・ショーメ、オート・デンシテを名乗る前に、「プッ」と評価が上がる可能性が有るんじゃないかと・・ちゃんと評価できていれば・・ですが、もしそうなったら相当お買い得なワインなのでしょう。何せ、
「良い結果が出ると判った今でも他には誰も手を出さない超密植化」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ついに・・来ました!95点超え!】 他のメディアの評価は何故か見つけることが出来ませんでしたが、ジャスパー・モリスさんの評価だけ見当たりました。
2018年まで94ポイント止まり・・それがようやく95ポイントと、新たな領域へと入って来ました。
いずれこのキュヴェはオート・デンシテを名乗るようになるはずですから、毎年のようにこのキュヴェを楽しみにしていらっしゃることと思います。実際非常に・・そのような方は多いです。
ですが・・2019年ものはたったの・・
「12本だけ」
の入荷でした。しかも・・
「1本テイスティングしてしまった」
ので、11本しかありません。なので申し訳ありませんが、
「お一人様1本限定」
とさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、このレ・ショーメもサン=トーバン1級アン・ルミイィと同様に・・
「まだ完全には落ち着いていない」
のと、
「自然派的なアプローチが透けて見える」
部分が有ります。
ですので、出来ましたら少なくとも暖かくなるまでは手を出さない方が良いです。それに、
「2018年までのこのキュヴェを飲まれた方ならなおさら!」
だと感じます。
柔らかさを含んだ見事な味わいですが、2018年までのゴリゴリと押し寄せるラミー感は薄らいでいます。なので・・落ち着くまで待ってくださいね!・・この辺の意味がお判りになられる方向きの素晴らしい1級です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!・・さすがプティ・オート・デンシテ2万本/ヘクタール!・・しかもバランスも素晴らしい・・圧巻です!】 もう、このキュヴェを狙っていらっしゃる方は多いと思いますので、多くを言わなくても良いかと。味わいはもう、通常のシャサーニュ1級では有り得ませんし、しかも、
「常にこっちを向いてくれている」
かのような包容力も持ち合わせています。
それでもやはり2018年ものは2017年ものを凌駕しています。まさに「圧巻」です。海外メディアの評価が94ポイント止まりなのが全く解せません。このところ調子の良かったティム・アトキン氏も92ポイントで、これも却下です。
やはり美味しいものは「さっさと無くなる」のが常でして、勿論店頭でもそうですし、家庭内でも・・そうなんですね。なので、
「減りが早い」
のが残念なところで、1週間くらい、お付き合いしたいなぁ・・と思っていても、超絶にバランスが良いので、ついつい飲んでしまうんですよね。
しかしそんな状況でも、情報量の多さと豊かさの中にある繊細さにクラクラさせられてしまう訳です。
価格は異なりますが、1級のマシュレルとは、同じく1級畑のレ・ヴェルジェを挟んで西側上部にある畑です。通常は上部の方が繊細な性質になりますが、モンラッシェの南側すそ野辺りは微妙に異なるようです。
ですので、「豊かなレ・ショーメ」と「超繊細なレ・マシュレル」と言う比較も楽しいかと思いますよ。・・いや、相当簡単に言っちゃってますが、物凄くレベルの高いワインです。ご検討いただけましたら幸いです。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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いや~・・1月23日(木)の新着を楽しみにされていらした方には本当に申し訳ありませんでした。急なサーバートラブルに巻き込まれまして、
「新着記事を書いている場合じゃない!」
と言うような状況になっておりました。現在は復旧しています。まぁ、新着が出るだろうと待ち構えていらしても、サーバーが不安定だったと思うんですね。大変なご迷惑をお掛けしました。こちらももう・・気が気じゃ無かったですが・・。こんな時に備えて色々と手は打ってあるにせよ、その手を打てる状態でも無いとなると、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。
葡萄造りもきっと似たようなことが起きるでしょう。やはり経験がものを言う世界でも有りますから、先達たちの教えも重要です。かといって、自身で考える、感じる、想像してトライすると言ったことを止めてしまうようなアクションを与えるのは、また出過ぎたことになってしまいます。
今や誰も行っていない、三万本の超密植キュヴェをリリースするラミー家ですが、25~35cm 間隔で樹が植わっているとなると・・これはもう、想像を絶する世界です。元々は90 ~ 100cm 位の間隔で植わっているその間に、2本ほどの樹を植えるとしても、表土に張った根を処理することを考えると途方もない作業であるし、またその樹が充分に育つまでの長い時間を考えると、
「・・やってられないよ~・・」
と言うことになるのが普通です。もしくはすべての樹を一度抜いて、等間隔で植えなおすなんて・・考えただけで頭がおかしくなりそうです。
この1級レ・ショーメですが、オート・デンシテを名乗らないキュヴェの中ではトップ・キュヴェの一つです。
以前に2万本/hと言うアナウンスが有りましたが、おそらくもう・・その情報は古いでしょう。口に含むと・・
「物凄い密度からの解放圧力!」 に圧倒されてしまいますよ。
透明感の凄いミネラリティは、おそらく何層かに分かれているようにも感じられます。・・え~・・「玉ねぎ状態」でしょうか。
その一番外側の層に、僅かな亀裂みたいなものを生むのが「時」です。気品みたいなものが漏れて来ます。
次いで・・柑橘果実です。ドライなのに甘い・・(^^;;ネットリなのに・・スッキリです。その余韻がまた・・何とも素晴らしく長いんですね。
やはりこのように素晴らしいシャルドネには、濃い味わいのお料理もこなせてしまうポテンシャルが有るとしても、決して素材の持ち味を調味料で埋めつくさない程度の味付けでいただくのが良いと感じさせられました。
やはりこのレ・ショーメに感動した!・・とおっしゃるお客様は多いですね。意外にも若くても飲めてしまうんですよね。・・いや、勿論ですが、運悪く硬いバイオリズムの時も有るでしょう。それでも「玉ねぎ」ですから・・。一枚剥きさえすれば何とかなる部分も有るかと思います。
この素晴らしい2017年レ・ショーメは、記念すべきワインになっている可能性は大です。アドヴォケイトは90~92のようです・・思わず笑っちゃいました。やっつけ仕事はワイン屋だけじゃなかった・・メディアも同じですね。是非ともこのワイン、飲んで見てください。お宝だと思います!滅茶苦茶安いと思います!・・勿論ですが、今は「少しずつ表情を見せてくれる」に留まりますが、
「密度が生んだ迫力から漂う気品!」
で美味しくいただけるはずです。
● 2020 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite【Limited to one Lamy's wine per customer】
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【ブルゴーニュ随一のドメーヌの2番目のワイン・・です・・(^^;;】
「・・えっ?・・オート・デンシテ2020、・・開けちゃったの~~?」
みたいな悲鳴が聞こえて来そうですが・・安心してください・・穿いて・・いや、2020年ものではなくて2017年ものの写真です。実は以前にも掲載していますが、お客さんが間違えて普通の「デリエール・シェ・エドゥワール」のつもりでその「オート・デンシテ」を開けてしまった時にいただいたものです。
まぁ・・間違えて開けてしまった時は物凄いショックだと思いますが、すでに・・か、すぐに・・で口内に入れていた訳ですからね・・幸せな時間が訪れていたことでしょう。
noisy が扱わせていただいた最初の頃は、まだまだリーズナブルでした。1万円くらいだったんじゃないかと思います。そこから言いましたら随分と値上がりした訳ですが、こうも言えると思うんですね。
「もはやその頃のユベール・ラミーのワインとは、出来には雲泥の差が有る」
と。
偉そうに言ってしまえば・・、こうなるだろうと思って・・いや、そう期待して、頑張って販売させていただいていた訳です。そう思わせる「何か」を感じさせる造り手さんだったわけです。
しかし実際にそうなってしまいますと・・ね。
「・・黙っててくれればよかったのに!」
「・・そんなに評価、高くしないでよ!」
と言うようなね・・ちょっとやっかみ半分・・もあるかもしれません。
でも、ここは素直に、オリヴィエの半端無い努力と、その想像力をほめてあげたいと思うんですね。
もう・・アン・ルミイィで・・おそらく皆さんもnoisy と同様に・・
「たまげた~・・!」
と思っていただけるはずです。
それにいつもは飲めているはずの、レ・ショーメやクロ・ド・ラ・シャテニエールも2020年ものはテイスティングしていません。
ですが・・実は・・こうも言えるんです。
「わざわざ開けて数を減らす必要はない。だってもう・・見切れたから!」
素晴らしいのは間違い無いと確信を持てた訳です。マンモスなミネラリティとピュアさ、そこにナチュラルさが入り、今までの「ごり押し中心」の味わいでは無い・・何とも心地良い柔らかさを持った2020年のデリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテです。
すぐにも開けたい気持ちは判りますが、アドヴォケイトも書いているように・・
「2030年から・・」
です。どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】--以前のレヴューです。 希少過ぎてnoisy も中々飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2020 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【デリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテより低い評価にしたいのは・・判りますが・・(^^】
造り手の意思・・は様々な形で伝わって来ます。ワインを飲んでも・・その色を見てもです。でもそんなことだけでは無くて・・例えば・・
「価格設定」
それひとつ取っても造り手の意思は感じられるんですね。
この、古木中心とは言えピュリニーの村名に過ぎない畑の超密植のキュヴェを、サン=トーバンの1級畑であるデリエール・シェ・エドゥワール・オート・デンシテの上の評価にはしたくない・・そんな評価者たちの無意識の行為に対し、造り手としての意地・・と言いますか、ささやかな抵抗・・でしょうか、
「この2つのオート・デンシテは私にとって、全くの同格である!」
と言うオリヴィエの意思なのでしょう。
ブルゴーニュに詳しければ詳しいほど、ガチガチに固められている自身のイメージが有ると思います。それは noisy にしても同じことです。ましてやマスター・オブ・ワインなどの資格を取得しているメディアの評価者ともなれば余計だと・・推測できます。
2019年もののクリオ=バタール=モンラッシェに対し、当初上値で99ポイントとしていたアドヴォケイトは、後に100ポイントに修正の上、白ワインでただ1本、2019年を代表するブルゴーニュワインに選出しました。
「お~・・アドヴォケイトもオツなこと・・できるんだ~・・」
と、思ったものです(思いっきり上からですみません)。自身の過ちを修整できるのは素晴らしいことです。まぁ・・朝令暮改・・とも言いますが・・
ですが2020年ものも同様にクリオに100ポイントを献上したのには・・驚きました。なぜか・・と言いますと、
「2020年もののユベール・ラミーには、海外メディアはポイント下げで対応するんじゃないか?」
と想像していたからです。
それは以前にも申し上げました通り、判る人にはすぐ判る、判らない人には全く判らない・・ですから、
「あれ?ラミー..2020年ものは2019年と比較したら大したこと、無いんじゃないか?」
と思われがちだと思っていたからですね。
自身の決めた道をどこまでも真っすぐ歩いて行く。振り返りもするが留まらない。そんな姿勢にはラミーの自然派由来の手法も当然のように進歩していると考えるべきだと思っています。
このピュリニーのトランブロですが村名畑で、しかもそれなりに下部に位置していますから、
「知っている人は・・評価を下げがち」
です。
でもオリヴィエの意思を感じるのであれば、本当にそれが正しいのか?・・とポテンシャルを拾いに行って判断するべきかな・・と思います。ブルゴーニュ界の革命児、誰もやったことが無いことを平気でやり遂げているオリヴィエ・ラミーです。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】---以前のレヴューです。 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2020 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【ブルゴーニュ・シャルドネ史上初??・・2年連続アドヴォケイトで100ポイント達成!・・名実共にブルゴーニュ白最高のドメーヌに!】
1年だけなら「・・フロックでしょ?」と・・言われても仕方が無いのかもしれませんが、なんと2年連続での満点達成とは・・noisy も偉い・・驚きました。しかもこのコラムを書いている2月1日になって、
「ユベール・ラミーのクリオ=バタール=モンラッシェ2020、アドヴォケイト100点!」
のニュースが飛び込んで来たんですね。まずはオリヴィエにおめでとうと・・拍手をお送りしたいと思います。
まぁ、Noisy wine のお客様なら、ユベール・ラミーならフロックのはずなど有る訳が無いと・・お判りいただけるはずです。2020年もののクリオ=バタール=モンラッシェを購入する意思が有ろうと無かろうと、
「ラミーのワインは滅茶旨い!」
と身に染みていらっしゃるに違いないから・・です。
それにしましてもこの2020年もののユベール・ラミー・・noisy としましては、本当に悩みに悩んでいました。数は無いのに価格は暴騰・・そりゃぁ仕方が無いかもしれません・・ブルゴーニュのトップに躍り出てしまった訳ですから・・。そして、noisy も思い知らされました。
「・・未だにアドヴォケイトの評価は神通力を失った訳じゃ無かった」
と。
そして noisy を悩ませたのは価格だけでは有りません。前回お伝えした通り、
「以前からわずかに感じていたものの、ラミーのナチュール化も同時進行している!ラミーは全く留まらない!」
と言う、noisy 的な確信を2020年もののラミーのテイスティングで得たことで、
「・・その裏打ちとなる証拠が欲しい」
と言うような気持ちが生まれた訳ですね。
そりゃぁ・・誰よりも自身のテイスティングには自信を持っていますから・・すみません・・量の話じゃなくて・・(^^;; ですが、
「誰もそんなことを言い出さない!」
ことに対しての苛立ちも有る訳です。海外メディアの情報を散々探し回っても、そんなことは誰も書いちゃいないんですね。
ですが元より、ラミーはリュット・レゾネ(減農薬栽培)で有機栽培です。ルロワの栽培を毎日目の当たりにし、最高のシャルドネを目指すにはどうしたら良いのかと・・常日頃から考え、実践して来た訳ですから、
「ラミーのナチュールへの回帰は自然な流れである!」
のは間違い無いはずです。
ですので、今回の新着ではそのことを主体に書くつもりだったんですね。ところが・・この2月の1日になって、2020年クリオ=バタール=モンラッシェの満点が判ったことで、
「予定変更・・」
となった訳です。
ですが諸手を上げての万歳では有りません。アドヴォケイトからの満点取得は喜ばしい・・以前から言っているように、
「98点も99点も100点も・・変わらん!」
訳でして、でもキッチリと100点を得たことは嬉しい・・ですが、
「クリオ=バタール=モンラッシェ以外のワインの評点がちょっと渋い!」
んですね。言ってしまえば、例えば物凄い仕上がりのアン・ルミイィですよ。たったの・・95ポイントです・・ん?・・A.C.ブルのシャタイネールに至っては89ポイントです。
「・・有り得ない!」
と言っておきたいと思います。少なくとも1.5ポイント、個人的には2ポイントは低いと申し上げておきます。
なんでそうなってしまうか・・と言いますと、前述の「ナチュール」を思わせる印象の僅かな存在と、2019年までのラミーのスタイルとの乖離を感覚的に得たためじゃないかとnoisyは推測しているんです。
ですがそれは時と共に変化し、あと3カ月もしますと、2019年ものまでのラミーのスタイルとほぼほぼ変わらない状況になってくるはずです。ただし、先調子(口入れ直後のインパクト)が後調子(中盤から余韻)に変わっているのは間違い無いでしょう。
つまり仕上がり切っていないがために確証が持てず、ポイントを上げ辛かった・・と言うことだと思うんですね。まぁ、どこを見てそう思われたのか判りませんがアドヴォケイトのケリーさんも、各ワインの評価のアチコチで、
「さっさと飲まない方が良い」
とはおっしゃっていますが・・。
で、この有り余るポテンシャルを見せるクリオ=バタール=モンラッシェは、その部分さえマスキングしてしまうような物凄いワインだと言うことです。
また、noisy の場合はこの2023年の1月を中心のテイスティングですし、瞬間を切り取るだけでなく、実際に時間を掛けての評価をしていますから、バレルテイスティングで超短い時間でのメディアの判断とは、根本的に異なる訳です。
ですので、
「2020年のユベール・ラミーのワインは過去最高の仕上がりであり、その歩みを全く緩めないオリヴィエ・ラミーの姿を想起させる!」
と申し上げたいと思います。もし懐が許すようでしたら、
「この世紀の大シャルドネをご検討ください・・」
どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【ついにアドヴォケイトも上値99ポイント!・・と言うことは・・これを上回るシャルドネはもはや存在するのかしないのか?・・と言うレベルの評価です。】 現在は以前のように決してアドヴォケイトの評価が支配しているような状況ではありませんが、それでもアドヴォケイトの評価が高いと価格が上がり、人気も爆上がりすることには余り変わらないように思います。
2010年頃、もしくはそれ以前のユベール・ラミーのワインしか知らない人にとっては、
「ユベール・ラミー・・・?硬くて酸っぱいワインだったよね・・」
位の印象しか持たれていないでしょう。
そんな方には2019年のラミーのA.C.ブル、シャタイネールを味見していただけましたら・・
「・・クリオ=バタール!・・飲んでみたい!」
と、コロッと心象を変化させてしまうのは・・noisy には判り切ったことです。
ただし・・評価としましてはここまで来てしまうと、価格も爆上がりしてしまいますから、
「・・たった10年もしないうちに本当に飲めないワインになってしまった・・」
のには変わりありません。
この辺りのワインを購入出来、飲める方は多くは無いと思いますが、シャルドネの最高峰の一つであるD.R.C.の2018年モンラッシェを、ジャスパー・モリス氏は94~97ポイントとしていますので、彼の中では、
「D.R.C.の2018モンラッシェよりラミーの2019年のクリオ=バタールの方が上。」
と言うことになっちゃいますね。
もっともD.R.C.2019年モンラッシェはリリース前ですので、下値96ポイント以上、上値100ポイント以上・・??を付けない限りクリオ=バタールをうっちゃることが出来ないと言う状況です・・が、きっとD.R.Cは満点・・行くんじゃないかとも思っています。
この辺の争い?・・も面白いですが、このレベルになってきますと本当に好みの世界だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイト上値98ポイントも、ついに10万円オーバーになってしまいました・・】 以前は数万円で購入できたクリオ=バタール・オート・デンシテですが、2018年ものはアドヴォケイト98ポイント、上代14万円になってしまいました。・・厳しいなぁ・・
なので、本来はもっと高く付けたいんですが、もうギリギリまで粘って・・こんなプライスです。開けて飲んで経費使って・・厳しいなぁ・・ホント、辛いところです。
あれだけ卓越した評価をしていたティム・アトキン氏ですが、なんでしょうね・・noisy がテイスティング出来たクラスですら、
「・・ん?・・マジすか?・・どうしちゃったの?」
と思えるような評価評点を出していました。明らかに変で、ちょっと心配ですね。
最も、このクラスのワインをさっさと開けてしまう方は、そうはいらっしゃらないかと思いますので・・どんなに少なくとも5年は待ちましょうね。ご検討くださいませ。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。(未確認ですがアドヴォケイトは96-98Pointsのようです。)】 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2020 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【「サントネ・・じゃぁ・・ねぇ・・」なんて言ってたら美味しいものには当たらない・・なんて言ってたら、こんなにエレガントなのにもの凄いサントネになっちゃいました!】
理想のピノ・ノワールワインって・・どんなでしょう?
まぁまさに人により違う・・のは間違い無いにせよ、意外や意外・・結構みな近いんじゃないかな?・・・なんて思っている訳です。
noisy もワインのセレクトショップを始めてもう四半世紀です。そんなに長いことやってたかな・・などとも思ってしまいますが、本当にやっていたんですね・・。最初は手探り状態で、入手できる好きなワインをちまちまと仕入れて飲んで・・いつの間にか少しずつ買っていただけるようになりました。勿論、ネットのセレクトショップ開店前からやってますから、とんでも無く長い時間です。
で、noisy も最初は、例えばPKさんが美味しいと言えば飲んでみる、タンザーさんが将来性が有る・・なんて言ってたら仕入れてみる、フランスワインが高くなったと思えばイタリアワインに手を出してみる・・なんて繰り返していた訳ですが、結局のところ、
「ブルゴーニュワインを日本人は大好き」
で、
「その好きな姿、味わいはほぼ皆一緒」
だと気付いたんですね。・・まぁ、一部の方はうまく合わないとは思いますが・・。
ラミーも当初は樽っぽいし硬いし・・なんて思っていましたし、赤ワインはサントネやシャサーニュですから、思い切り「脇道」じゃないですか。でも、やはり「見るべき力」が有ったんだと思う訳です。じゃなきゃ・・扱って無い・・(^^;;
この数年はこのクロ・デ・ゾートの美味しさが半端無くなって来まして、
「これ・・5千円なんて価格のワインじゃ・・ないよね・・」
と感じていました。
10年前には無かった質感、エレガンスが見事に乗り、今では凝縮感にさえ質感を感じるほどです。
この2020年もののクロ・デ・ゾートは、
「グラスの写真だけで大丈夫!判ってもらえる!」
と思えるほどに素晴らしいです。
色はしっかりしていますが・・
「・・でも濃く無いでしょう?」
美しい赤を基調に、積み上げ積層した感じの、余り黒く無い紫です。なんと、雨が降らなくて困った2020年ものなんですが、軒並み高いアルコール度をみせるブルゴーニュワインが多いところ、13度と言うベストなアルコール度なんですよ。エレガンスもありつつしっかりした味わいが感じられる度数です。
そしてミネラリティが見える!・・と思えるくらいに美しく、照りの有る色彩です。
2020年ものは少し自然派に寄って来た感じがしますが、「気のせいだ」と言われれば・・「そうだね」と言ってしまいそうなほどです。
方向は「ミネラリティが半端無いルロワ系」みたいな方に向いてきていまして、それでも、ルロワのネゴスのA.C.ブル・・数万円しますが、そんなのは全く目じゃない・・数倍旨い・・と断言できるほどの充実した味わいです。
ん~・。・・これこそラベルを見せずにワイン会に出して欲しい!・・
「あの人をぎゃふんと言わせたい!」
と思われていらっしゃるのなら、これしかないんじゃないかとさえ思います。もちろん、あの人が noisy で無いことを祈ります。半端無いサントネ村名です。サントネの土壌でラミー風の頑張りをすると、とんでも無い質のワインができるとお判りいただけます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【「サントネのピノ・ノワールは、こう造れば最高!」と言うべき凄い見本です!・・果たしてコート=ドールのピノ・ノワールでこのワインを上回るポテンシャルを持つワインはどれほど有るのでしょう?・・と思えるほどに素晴らしいです!】 素晴らしいピノ・ノワールです。ある意味、サントネらしくない・・と言ってしまえばそれっきりでは有りますが、おそらくこの味わい・香りこそがサントネの(クロ・デ・ゾートの)本領なのでしょう。ユベール・ラミーはその指針を示したに過ぎないのかもしれません。
色合いはしっかり。ルxxエさんのシャンボールを引き合いに出した2018年ものよりも確実に濃い目です。しかしながらテクスチュアがま~・・素晴らしい。まるでゴアテックスの生地の上を滑り落ちる水滴のように「すっ」と流れて行きます。
あっと言うまに流れて行くのに・・味蕾に、ノーズに、喉に・・繊細にして大きな響きを残しつつ、そのストンと胃に落ちて行った液体からもまた香水のようなニュアンスが戻って来るかのようです。
赤を幾重にも積層させたその幾つかの層にはやや黒みを多く持った赤を配置、それらには石灰やクリスタルなミネラリティが非常に多く含まれています。
低温でサーヴされても、その見事な酸の組成は温度により多彩且つ丸いパレットを描き、そのパレットからアロマがノーズに抜けて行く様が、実に心地良い・・素晴らしいワインの典型とも言えると思います。
そこそこに濃いんですが、全く暑苦しく無く、甘く無く、しかし甘露で多弁、しかし煩わしく無いと言う・・ある意味、完璧さを感じてしまいました。もうこれはブルゴーニュワインファンなら、何とかして飲んでみるべき「ブルゴーニュワイン」です。
そして、物凄く素晴らしかった2018年ものを、軽く超えて来た素晴らしい存在です。
海外メディアの評価を探してみましたが、ジャスパー・モリス氏のものだけしか見当たりませんでした。因みにその評価は87~89 ポイントと言うものですが・・どうもジャスパーさんはアペラシオンに対する評点の上限が決まっているのか、もしくはアペラシオンを評価しているのか、やる気になった時はちゃんと本気で向き合うが、そうでない時は・・と言ったような傾向が有るように思います。
少なくとも90点以下のピノ・ノワールでは無いし、そこからどこまで積み上げるか・・そんな観点を持つような評価が必要なワインです。皆さんも飲んだらきっと・・ビックリするに違いないです。
ラミーの2019年の白も凄いですが、赤はどれを飲んでも・・「ぎゃふん」と言わされてしまうはずです。
圧巻な2019年のラミーのピノ・ノワールです。ですが・・とんでも無く数が無いですので、何とか入手して、
「この凄いピノ・ノワールを一度でも味わってみるべき」
だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【あのルxxエさんのシャンボールを思い浮かべてしまいました~・・化け物サントネイです!】 アドヴォケイト92点のサントネイです。・・有り得ませんよね~・・でもここは、
「騙されたとしても良い!」
と思ってトライすべきです。
もっとも、2017年ものでも同様に「素晴らしいシャンボールと同様」と書いていましたから、2017年ものをお飲みになられた方は、その真贋はすでにご存じのはずなんですね。
で、さらに追い打ちをかけてしまいますが・・すみません・・2017年ものを軽く凌駕してしまったのが2018年ものです。もう・・半端無いです。まぁ、価格は少しと言えども上がっているようでは有りますが・・。
この季節、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合もセラーから出して自宅に持ち帰ると・・真夜中の12時を過ぎていますので、相当に冷える訳です。品温は10度位でしょうか。
そんな状態でも、物凄いパフォーマンスを見せてくれちゃいますよ。ドライなのに濃密で、しかしサラリとした余韻が長く続きます。ミネラリティはもう・・ラミーですから、もうマンモス級以外の何物でも有りません。
このサントネ・クロ・デ・ゾートと言うアペラシオンは、かなりシャンボールに似たテロワールで有ると言うことが判って来ました・・と言うか、教えられました。ここまでの密植度にして初めて、このクロ・デ・ゾートの個性がハッキリしてくる訳ですね。しかも相当に素晴らしいシャンボールと同様・・です。
アドヴォケイトは92ポイント・・です。ルxxエさんの2018年シャンボールの評価の、最高値はティム・アトキン氏の92ポイントでした・・
「・・あれ?・・」
飲んでみて下さい。ビックリしますよ~・・noisy だって腰抜かしそうになったくらいですから・・。アロマのスピード、ピュア感、ボディの張り出し、立ち姿・・どれも素晴らしくて・・いや、兎に角飲まなければ判りません。
そしてきっと・・感じていただけるでしょう。「これからはラミーか、ラミーで無いか・・それが問題だ」と。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。
全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。
もう、
「サントネ村名だから・・」
などとは思わないでください。それは不要です。
「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」
と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】 このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。
これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。
2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、
「ん?・・これってサントネなん?!」
と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。
コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、
「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」
と言うことが、
「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」
と言うことと同時に感じられます。
だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、
「・・なんだこの化け物は!」
と思うに違いない・・訳です。
で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・
「・・前言撤回・・上には上が有った・・」
と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。
超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、
「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」
と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。
良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
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【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2020 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【薄くて甘くて腰の無いシャサーニュの赤・・とは正反対。とても小さな実のチェリーとベリーにたっぷりの石灰系ミネラリティが出来の良いシャンボールのような味わいを感じさせてくれます!しかも一体どうやったら2020年ものを13度に出来たのでしょう?】
これもまた頭抜けた出来のシャンボール...いや、シャサーニュの村名ピノ・ノワールです。
シャサーニュの赤が好きな方がもしいらして、このワインを飲んだら・・とんでも無く驚くに違い在りません。でもラミーのグージョンヌも、当初はこんなワインじゃありませんでした。
このずっと下の方に2013年ものの写真が有りますが・・まぁ、2013年と言う弱いヴィンテージの性も有るとしましても、
「2020年ものとは比較にならない」
のはお分かりいただけるでしょう。2016年もの位になってようやく、2/3 位の濃度でしょうか。
それでもこの透明感の高い色彩は、決して・・「濃いなぁ・・」などと思うようなものではありません。
2020年もののブルゴーニュ・ピノ・ノワールは、その厳しかった気候から・・いや、実の成長期~収穫ギリギリまで雨が降らなかったんですね~・・濃くてアルコール分の高いワインが多い訳です。でも・・
「ユベール・ラミーの2020年もののピノ・ノワールは、すべてアルコール度が13度!」
と言う・・奇跡のような仕上がりをしているんです。
だからこその、この素晴らしい色彩です。照りが有るがしっとり・・しています。グラも見えるようなのにブルゴーニュのエレガンスも見えるようです。
「・・強そうだ・・」
なんて、見えないでしょう?・・どうしたら、
「毎年植密度を上げて小さな実を付ける葡萄の、天候で上がってしまう糖度を自然に抑えることが出来たか?」
と思わないでしょうか?
これに正対する答えは、noisy にはこれしか思い浮かびません。
「畑の密植度の高さが良い方に向かっている」
良く、ワインの出来は葡萄の出来とイコールだと言われています。畑がワインを造る・・もしくは、ワインの格は畑が決めるなど・・。大昔からの優れた畑は、収穫制限しなくても、ちゃんとINAOが定めた収量を下回るそうです。
ですので、もしかしたらですが、ラミーが取るとんでもなく労力と時間を要求される「超密植」と言う手法こそが、これからのブルゴーニュワインの取るべき手法なのか・・とさえ思えてしまいます。
そして他のコラムでも書いていますが、このワインの場合も・・ほんのわずかに、気付かないほどに感じるナチュールの気配が、まったく留まることを知らないオリヴィエ・ラミーを教えてくれているようでも有ります。
精緻な果実、エレガンス、ベストと思える飲み心地・・を兼ね備えた凄いピノ・ノワールでした。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイトは2018年の92点から91点へ1点下げ・・?・・ちょっと判りません。素晴らしいシャサーニュ村名赤です!】 2015年もののラ・グージョンヌこそ数が無くて飲めませんでしたが、2014年ものからグラスの写真も掲載していますので・・
「この数年間のラ・グージョンヌの成長ぶりが判る!」
んじゃないかと思っています。こうやって見てみると・・2014年ものが可愛らしいですよね~・・。でもラミーは2014年もので大ブレークしていますから・・はい。2019年ものの物凄い密度が見えるような色合いは、ちょっと感動的でも有ると感じます。
そして・・noisy の場合は、ボトルからワイングラスに注ぐ時に必ずグラスを左手に持って、斜め35度ほどにして(相当横にします・・)注ぎながら少しずつグラスを起こし、45度ほどになるまで注いでからゆっくり起こします。
そうしますと分量もとてもちょうど良いですし、何よりグラスをつたう「涙」もちゃんと見える訳です。ソムリエさんが良くやるように、グラスをテーブルに置いたまま、少し空気を含ませるように「ゴボゴボ」と注ぐようなことはしません。美味しく飲もうとする時に、そのようにするのはワインによっては有りだと思いますが、繊細なピノ・ノワールにはどうでしょうかね。余り好ましくは無いかな・・と思いますが、noisy はソムリエでは無いので・・はい。
また「美味しく飲む」と言うよりも
「そのワインのポテンシャルや性格・コンディションをしっかり拾う」
のがテイスティングの目的ですので、開けるのも静かに・・グラスに注ぐのも静かに・・やります。スワリングをするのはずっと後・・です。しない時も有ります。
で、2019年のラ・グージョンヌV.V.です。2018年ものは確実に超えています。アドヴォケイトは2018年のポイントから1点下げ・・と言いますが、90~92 から89~91 への下げです。ちょっと意味不明です。
密度がまぁ・・半端無いです。シャサーニュの赤らしく、「ぶりっ」とした果実の豊満さが出ています。二枚目の寄った写真をご覧いただきましたら・・「グググっ」と引き寄せられてしまうんじゃないでしょうかね・・ビターなピノ・ノワールなんですが、密度の高さが何とも言えぬ「甘美さ」を感じさせてくれます。
面白いのはシャサーニュの南の「サントネ」との対比ですね。シャサーニュ・ラ・グージョンヌは「豊満」な・・グラマラスな女性を連想させます。でもサントネの各赤ワインは、「良く締まった見事なボディ」のスポーティな女性を感じさせます。
ある意味これは見事にテロワールを具現化していると思っていまして、シャサーニュ赤は豊満、サントネはタイトだけれどしなやかな筋肉を持っていると思います。クロ・デ・ゾート村名・・滅茶苦茶美味しいですし、このラ・グージョンヌも滅茶苦茶美味しいです!・・でも相当タイプが違います・・もっと違うのはサン=トーバン1級赤ですけどね!
そしてラミーのワインは赤も白も、品温が下がっていても・・
「まったくへっちゃら!」
です。繊細なのに・・でも平気なんですね。これもおそらく密植のなせる業なのかと思います。是非飲んでみて欲しいですね・・ご検討くださいませ!希少な2019年のラミーの赤です!
以下は以前のレヴューです。
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【不謹慎かもしれませんが人の密は避けて何とかこの難局を乗り越えましょう。でもワインの密はちょっと有難い・・】 もう・・これは色合いを見ていただけましたら、2017年ものとは全然異なることがお判りいただけるでしょう。密度の高い見事な味わいになったレ・グージョンヌです。
シャサーニュの赤は、どこか「抜けたようなおおらかさ」を感じる場合が多いですよね。リキミが無くエレガントなんですが、どこか芯がハッキリしないとか、平板で面白みが無いとか・・なので人気は今ひとつ・・と言った感も有るかと思います。
しかしながら2018年のレ・グージョンヌは、ちょうど良い密度感・・いや、普通なら「とんでもない密度感」なんですが、そこはラミーですから・・。どうしてもそのように言わざるを得なくなってしまいます。
赤黒果実がしっかり有り、ラミーの赤の中では、最も充実した甘やかなタンニンの存在が感じられます。
これ、結構に脂の厳しい肉にも合わせられるだけの重厚さが有ると思いますよ。そして甘く無いんですが酸バランスからでしょうか、厳しく無い優しい感じがします。濃度はしっかり有るが女性的なピノ・ノワール・・と言えます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2020 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Rouge Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【もの凄いムルソー赤!滅茶苦茶複雑で精密、クチャっと凝縮しつつも質の高さとエレガンスを感じさせる未体験ゾーンのピノ・ノワールです!】
いや~・・このワイン、今飲んでも旨いですが、もし完熟した時に飲んだとしたら、ひっくり返る位に驚くんじゃないかと思うんですね。
言ってみれば・・その昔、あのムルソーの巨人、コシュ=デュリが造っていたムルソーの赤を数倍濃密にしたような凄く複雑精緻な味わいがします。
違う言い方をするなら、ル・コルトン..かなぁ・・コルトン=ブレッサンドか、もしくはヴォルネイ=サントノ・・そのどれかを2倍濃縮したかのような・・それでいてドライながら旨味はしっかり、口内でその複雑な「赤くちょっとねちっこい存在」はアチコチの味蕾を弄り倒し、その余波をノーズに届けてくれます。
2019年ものも旨かったですが、2020年ものは格別です。
色彩も実に美しい!・・貴重は「赤」です。匂い立つ赤..と言いたくなるような芳香を秘めていると・・その何分の一かで充分に満足してしまいます。
アルコール分はこちらもなんと13度!・・強く無いです。軽くも無い・・ベストな度数だと言えます。
その昔・・どうでしょう・・7~80年前位まででしょうか、ムルソーはかなりの部分がピノ・ノワールだったそうです。しかし今では「ムルソーと言ったらシャルドネ」ですから、ムルソー村のピノ・ノワールはほぼ絶滅し、残った部分は「ヴォルネイ1級」として存続しています。
ですがこちらはサン=トーバン1級です。アン・ルミイィやダン・ド・シアンはモンラッシェの山の反対側で、モンラッシェを見下ろすような高い標高に有ります。
ですがデリエール・シェ・エドゥワールの畑はモンラッシェとは違う反対側の山の麓近くに有りまして、石灰が強く金属系のミネラリティが混じり合うモンラッシェ系とは異なる表情を見せるんですね。
ですから、ラミーのグージョンヌの方がニュートラルな味わいに近いと感じます。こちらは唯一無比、比較するもの無し・・敢えて言うならムルソー1級赤、ヴォルネイ=サントノ、ル・コルトン、を濃縮したかのような感じに取れます。テクスチャは滅茶滑らかなんですが、そこから飛び出して起伏を造りだしてくる!・・と感じるほどのパフォーマンスが有り、それでもブルゴーニュのエレガンスを失わないんですね。もしかしますとナチュール系のアプローチもし始めたんじゃないかと思いたくなります。
そして、この「赤」ですが・・時を経ますと、相当なブケを発するんじゃないかと・・テイスティングしていまして感じました。言っちゃえば・・「ムンムン」するほど香るんじゃないかと。
この美しい色彩をご覧いただけましたら、「ただ者ではないぞ・・」と思っていただけると思います。是非ご検討いただけましたら幸いです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【マンモスポテンシャル!・・幻のムルソー1級!・・と言いたくなる素晴らしい味わいです!】 これは凄い・・美味しい、美味しく無いとか、そんな感情は不要・・とも言いたくなる化け物みたいなワインでした!
圧巻な密度感の中に、
「どうしてこんなに複雑な要素を閉じ込められるのか?」
「どうしてこれほどの複雑な要素をサン=トーバン1級の畑の葡萄が持っているのか?」
と、不思議ちゃんになってしまいました。
確かに2018年ものも同様に、昔存在したムルソーの赤を思わせる味わいで、超複雑だった訳ですが・・2019年ものは「さらっ」と超えて来てしまいました。判りやすいのは2017年ものの写真と2019年ものを見比べましたら・・一目瞭然です。
そしてそれほどまでに「密度が高い=結果的に色が濃くなる」訳ですが、全く嫌味が無い・・さらっとスッキリもしているんですね。通常ですと、力業で濃くしてしまいますので抽出が強くなり、テクスチュアは「ザラっ」と、タンニンは渋みが強くなり平坦に、エグミも出てしまいます。
「そんな感覚は全く感じ無い!」
訳なんですよ。
それでいて、口内に入った液体を口蓋と舌ですり潰すようにして味わってみると、ま~・・超複雑です。色んな感覚が襲って来ます。ノーズに抜けて行くアロマも凄い!呆れてしまいました。
アレン・メドゥーズさんは、Here the nose is firmly reduced and unreadable. と言っておりまして、現状は硬くて読み切れない・・みたいな感じなんでしょうかね・・でもその後で「6~10年熟成させればめっちゃ成長する」とも言ってます。
なんだよ・・それでも92点か・・と思ってしまいますが、バーガウンドの92点は他の94点くらいと同等ですから仕方が無いのかもしれません。
その昔、かのコシュ=デュリさんがムルソー・コート・ド・ボーヌ・ルージュと言うワインをリリースしていましたが・・今でも有るんですかね・・あのワインのニュアンスに超似ています・・が、
「このデリエール・シェ・エドゥワールの方が全然凄い!」
と・・頭の中で比較してしまいました。
「ムルソーの赤に似てる?・・と言うことはヴォルネイ・ルージュに似てる訳?」
と思われるかもしれませんが、ん~・・・ヴォルネイには近いものは有るけれど、やっぱり「ムルソー赤」と言いたくなります。
それでいて、余りの複雑な要素の解析をワインから求められますから、とてもじゃないが「クイクイ」とは飲めない・・と思ってしまうのに、ついつい飲んでしまう訳ですね。
少しねっとりとして、金属的なミネラリティが複雑に絡み合い、テクスチュアは滑らかなんだけれども、
「全く直線的では無く、敢えて言うなら葛飾北斎の冨嶽三十六景、神奈川沖浪裏のその場にいるような感じ!」
の・・富士を遠くに見ながらも波浪のうねりを常に感じているような状況にいるような感じです・・判り辛くてすみません。
圧巻な味わいでした。今飲んでもその凄さは伝わって来ると思います。勿論ですがアレン・メドゥーズさんが言うように熟成させると本領発揮すると思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【このデリエールの赤も圧巻!・・残念ながらちゃんと評価できたメディアは有りません!】 滅茶苦茶美味しいです!・・有り得ないほどに複雑性に富んだ見事な味わいです。
まぁ・・言ってみればムルソー1級の赤・・と言う存在が有ったとしたら、それに比類するものになったはずです。ムルソー1級の赤は無いですから・・。
アドヴォケイトが上値93ポイントと評価していまして、noisy的には近い評価になりますが、94ポイントまでの可能性が有るので・・1ポイントの重みは相当ですよ。
例えば、ムルソー・シャルムの1級赤と言うのが有ったら・・などと想像してみたことはあるでしょうか?・・もしくはペリエールでも良いですが・・?
おそらく相当に色合いの淡い仕上がりになるんじゃないかと思うんですね。しかも収量は非常に低いし、表土が薄くて葡萄を育てるのは相当に苦労するでしょう。
でも、このデリエールの畑は傾斜も相当にキツイんですよ。だから雨に流された土を畑の上部まで何度も持って行ったりしなくてはなりません。
その上での・・この濃密な色合いです!・・そしてアドヴォケイト93ポイント・・。一体、サン=トーバンで何が起きているのか・・確かめてみたくなりませんか?
テイスティングで飲まれたお客様は皆一様に悶絶しています・・(^^;;・・飲んだ人にしか判らないラミーのピノ・ノワールの素晴らしさ、是非味わってみて下さい。2018年ものは超異質の仕上がりです!おススメします!
以下は以前のレヴューです。
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【リーズナブルだから・・等と言うような理由で飲むワインでは有りません。他者と比較することが困難であると思えるほどワイン。ラミーが気持ちを込めて仕込むデリエール・シェ・エドゥアールと言う畑のピノ・ノワールを是非とも愛でてください!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のデリエール・シェ・エドゥワールの赤です。滅茶旨いです!・・こんなピノの有ったのか?!と思う位です・・2016年までも折に触れ飲んでいたにも関わらず・・です。
サン=トーバンと言う、少し西にズレた村では有りますが、やはり「裏モンラッシェ」としての存在はラミーのシャルドネで感じていただけると思います。
しかし、例えば同じ丘だとしてもその斜面は一様では無いんですね。石灰が厳しい部分も有れば、他の鉱物が厳しく存在する場所もあるし、希少金属が露出していたり内包されていたりするわけです。
デリエール・シェ・エドゥワールは繊細にして超複雑。どちらかと言えば筋肉質で、その筋肉の凹凸(おうとつ)が見事に感じられる逸品。決して崩れずいつまでも端正な姿を保ち続ける、清楚にして存在感を強く感じる味わいです。
その姿は、まるで見事なラミーのシャルドネのスタイルそのもので、「密度が凄い!」としか言いようの無いものです。クリスタルコーティングされた液体の中からじんわりと伝わって来る美しい果実、磨かれた旨味、ふわっと感じられる希少金属由来のじんわりスパイスがこのワインの特徴です。
コート・ド・ボーヌの赤ワインとはとても思えない仕上がりです。そしてこの姿こそがサン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールなんだと感じていただけると確信しています。素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
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【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2020 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ただただ美しい・・としか言えない2020年のラミーのピノ・ノワールの色彩を見れば、このトップ・キュヴェのそれがどんなものなのか・・。2万本を超える植密度からの圧巻な味わいでしょう!】
2020年もののラミーのワインは、色々調べたんですが・・年々ナチュールさを増幅させつつ・・の原因がハッキリはしません。
ですが、ラミーのクリオの畑の真横はルロワですから・・ルロワの畑の植生を延々と見ながらの畑仕事ですよね・・。畑の超密植化と言う、誰にもできない手法を延々と続けているオリヴィエにとっても、ルロワの・・
「グリーンハーヴェストしない」
「摘葉しない」
と言う手法は、見たこともない新たなおもちゃを得た子供のように、彼をワクワクさせたに違いありません。
そもそもルロワは伸びた枝さえ切らず、上方に編むようにして伸ばし放しにしています。「伸びたいように自由させる」のが一番だ・・と言うことらしいんですね。
そんな・・誰でも見れば判るようなことを、
「超密植ゆえに超小粒の、超小さな房の、重く無いが密度の高い葡萄を収穫しているオリヴィエ」
が見たら、何を思うでしょうか。
少なくともルロワが施している「ビオ」に対する興味は持つと思うんですね。
2020年ものはそんな姿が垣間見られる仕上がりになっています。でも、黒葡萄であるピノ・ノワールは、白葡萄のシャルドネのワインほどは顕著には表れてはおりませんが、クロ・デ・ゾートもグージョンヌもデリエール・シェ・エドゥアール・ルージュも、そしてこのトップ・キュヴェのクロ・デ・グラヴィエールV.V.も、
「ミネラルが半端無いルロワ?・・ドヴネ?」
みたいな姿を、3~5年後に見せてくれるんじゃないかと想像しています。
余りに少なく、テイスティングは回避しました。・・高いですか?・・いや今はもう、ルロワの、それもネゴスの村名でも「ん十万」と言うようなオファーを noisy も受けていますが、全て無視するしかない現況ですから、
「これでも充分以上にまともです。」
と思うしかないのでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【毎年テイスティングしていたクロ・デ・グラヴィエールですが2019年は僅少につき・・申し訳ありません。でも、2019年のラミーは2018年同様に赤も激旨です!】 間違い無いでしょう。ラミーの2019年のどの赤ワインを飲んでも、全くの肯定感しか出て来ません。
全域を通して密度が高く、例え品温が低くとも、旨味を多く含んだ見事な「酸」が、素晴らしいテロワールを伝えてくれます。
ただし、ご自身の現状のアペラシオン認識を改める必要は無いとお考えの方には無用のピノ・ノワールでしょう。
「サントネ1級」
です。
その中の・・
「クロ・デ・グラヴィエール」
です。
そのテロワールを見事に現わしてくれているはずです(・・飲めなかったので・・)
そうでなければ2年続けてアドヴォケイトの94ポイントは有り得ないでしょう。彼らのアペラシオン至上主義は相当な「縛り」を生んでいるはずで有り、それさえも撥ね退けての94ポイントなんです。なので、
「どんなに凄い、素晴らしいと感じたとしてもそれが現状の上限」
なんですね。
たった8本の入荷です。
「サントネにこんな大枚は・・」
と考えるか、
「ピノ・ノワールの一つの素晴らしい形を確かめたい!」
と考えるか、お早めにご検討ください。
まあ・・言ってしまえば・・あのヴァーゼンハウスだって同じことですけどね。良いタイミングでヴァーゼンハウスを飲んだら、それまでの自身を否定されるような感覚になってしまうかもしれませんが・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【濃密!素晴らしい密度です。ドライで流れるような赤黒果実!是非飲んでみて下さい!】 7千円オーバーのサントネイ1級レ・グラヴィエールです。おいおい・・大丈夫かぁ?・・正直も大概にしないと・・いや、アドヴォケイトは上値94ポイントなので・・はい。
この評価には諸手を振って賛成です。noisy的にもピッタシカンカンです。アドヴォケイトと同じになるのは・・滅多に有りませんが、2万本/ヘクタールと言う超密植度から生まれる「密度の高い味わい」は、飲む者を納得させるだけのアピールが有る訳ですね。
そして見事なのは、単に密度が高いだけではなく、ピノ・ノワールに求められる繊細さ、エレガンスもしっかり有ると言うことなんですね・・。
普通なら・・そんなに高いサントネのワインなんて、ワイン屋は買いづらいですよ。でも、この味わいを知ってしまえば・・
「もっと頂戴!」
と言いたい訳です。
赤い果実には、まだ色が淡い鮮やかな赤から深紅と言って良い、赤を何度も塗り重ねたような色合いの果実が感じられます。黒い果実には・・言ってしまえばエスプレッソ的なトッピングまで感じられます・・まぁ、ちょっとオーバーでは有りますが・・。
それでも嫌味にならず、ピノ・ノワール的な繊細さを感じさせてくれるワインです。94ポイントも訳がちゃんとある・・そう感じさせてくれました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミーが創り出す「新世界」!ラミーのシャルドネの美しい姿を見事に転写したもの凄いピノ・ノワールです!圧巻!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
このクロ・デ・グラヴィエールはもう、圧巻でした。高価だがさしてポテンシャルを感じないニュイの一流どころのアペラシオンものと、全く引けを感じない・・どころか、完全に超えて来ているニュアンスです。
クロ・デ・グラヴィエールは、超エレガント系のシャンボール1級に近い感覚で飲めると思いますよ。むしろ、知っていればいるほど、「サントネだね」「二流かな」などとは言えないはずです。そんな姿はむしろどこにも感じられない・・と言うか・・
2016年までのクロ・デ・グラヴィエールも、非常に美味しかった訳です。
「ラミーは赤も旨いね!」
と言っていただけるようになっていたんですね。
しかしながら、2017年ものはもう、そんなレベルでは無いんです。何とか2016年ものと比較できる・・だけです。ですので、もう他者のワインとも比較のしようが無い訳です。
「濃いのではない。密度が有り得ないほど凄いんだ!」
と、ラミーのシャルドネでは散々言ってきました。2017年もののラミーのピノは、全くシャルドネと同レベルの密度と言って良いです。
その結果、2016年までの美味しいクロ・デ・グラヴィエールの姿はもう無く、ニュイの高級ピノ・ノワールと同レベルか、それを超えてくるようなパフォーマンスを見せつけてくれます。
もう、これはお客様に飲んでいただいて、評価をしていただきたい・・凄いピノ・ノワールです。
コート・ドールの南のドンケツの「サントネ」も、古い時代に収穫増のために行っていた「密植」に戻ることで、ニュイのピノにも勝るとも劣らないもの凄いワインになった証拠です。
このピノは、是非とも飲んでみて下さい。「サントネでこのプライス?・・いらないな・・」と思われたら、もう時代には付いていけないでしょう。まるでルーミエさん張りのミネラリティなんですが・・すでに超えているとも言えるかもしれません。その辺も是非、ご自身の感覚でお確かめいただきたい!・・そう思っています。超お勧めです!
● 2019 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【「サントネのピノ・ノワールは、こう造れば最高!」と言うべき凄い見本です!・・果たしてコート=ドールのピノ・ノワールでこのワインを上回るポテンシャルを持つワインはどれほど有るのでしょう?・・と思えるほどに素晴らしいです!】
素晴らしいピノ・ノワールです。ある意味、サントネらしくない・・と言ってしまえばそれっきりでは有りますが、おそらくこの味わい・香りこそがサントネの(クロ・デ・ゾートの)本領なのでしょう。ユベール・ラミーはその指針を示したに過ぎないのかもしれません。
色合いはしっかり。ルxxエさんのシャンボールを引き合いに出した2018年ものよりも確実に濃い目です。しかしながらテクスチュアがま~・・素晴らしい。まるでゴアテックスの生地の上を滑り落ちる水滴のように「すっ」と流れて行きます。
あっと言うまに流れて行くのに・・味蕾に、ノーズに、喉に・・繊細にして大きな響きを残しつつ、そのストンと胃に落ちて行った液体からもまた香水のようなニュアンスが戻って来るかのようです。
赤を幾重にも積層させたその幾つかの層にはやや黒みを多く持った赤を配置、それらには石灰やクリスタルなミネラリティが非常に多く含まれています。
低温でサーヴされても、その見事な酸の組成は温度により多彩且つ丸いパレットを描き、そのパレットからアロマがノーズに抜けて行く様が、実に心地良い・・素晴らしいワインの典型とも言えると思います。
そこそこに濃いんですが、全く暑苦しく無く、甘く無く、しかし甘露で多弁、しかし煩わしく無いと言う・・ある意味、完璧さを感じてしまいました。もうこれはブルゴーニュワインファンなら、何とかして飲んでみるべき「ブルゴーニュワイン」です。
そして、物凄く素晴らしかった2018年ものを、軽く超えて来た素晴らしい存在です。
海外メディアの評価を探してみましたが、ジャスパー・モリス氏のものだけしか見当たりませんでした。因みにその評価は87~89 ポイントと言うものですが・・どうもジャスパーさんはアペラシオンに対する評点の上限が決まっているのか、もしくはアペラシオンを評価しているのか、やる気になった時はちゃんと本気で向き合うが、そうでない時は・・と言ったような傾向が有るように思います。
少なくとも90点以下のピノ・ノワールでは無いし、そこからどこまで積み上げるか・・そんな観点を持つような評価が必要なワインです。皆さんも飲んだらきっと・・ビックリするに違いないです。
ラミーの2019年の白も凄いですが、赤はどれを飲んでも・・「ぎゃふん」と言わされてしまうはずです。
圧巻な2019年のラミーのピノ・ノワールです。ですが・・とんでも無く数が無いですので、何とか入手して、
「この凄いピノ・ノワールを一度でも味わってみるべき」
だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【あのルxxエさんのシャンボールを思い浮かべてしまいました~・・化け物サントネイです!】 アドヴォケイト92点のサントネイです。・・有り得ませんよね~・・でもここは、
「騙されたとしても良い!」
と思ってトライすべきです。
もっとも、2017年ものでも同様に「素晴らしいシャンボールと同様」と書いていましたから、2017年ものをお飲みになられた方は、その真贋はすでにご存じのはずなんですね。
で、さらに追い打ちをかけてしまいますが・・すみません・・2017年ものを軽く凌駕してしまったのが2018年ものです。もう・・半端無いです。まぁ、価格は少しと言えども上がっているようでは有りますが・・。
この季節、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合もセラーから出して自宅に持ち帰ると・・真夜中の12時を過ぎていますので、相当に冷える訳です。品温は10度位でしょうか。
そんな状態でも、物凄いパフォーマンスを見せてくれちゃいますよ。ドライなのに濃密で、しかしサラリとした余韻が長く続きます。ミネラリティはもう・・ラミーですから、もうマンモス級以外の何物でも有りません。
このサントネ・クロ・デ・ゾートと言うアペラシオンは、かなりシャンボールに似たテロワールで有ると言うことが判って来ました・・と言うか、教えられました。ここまでの密植度にして初めて、このクロ・デ・ゾートの個性がハッキリしてくる訳ですね。しかも相当に素晴らしいシャンボールと同様・・です。
アドヴォケイトは92ポイント・・です。ルxxエさんの2018年シャンボールの評価の、最高値はティム・アトキン氏の92ポイントでした・・
「・・あれ?・・」
飲んでみて下さい。ビックリしますよ~・・noisy だって腰抜かしそうになったくらいですから・・。アロマのスピード、ピュア感、ボディの張り出し、立ち姿・・どれも素晴らしくて・・いや、兎に角飲まなければ判りません。
そしてきっと・・感じていただけるでしょう。「これからはラミーか、ラミーで無いか・・それが問題だ」と。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。
全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。
もう、
「サントネ村名だから・・」
などとは思わないでください。それは不要です。
「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」
と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】 このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。
これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。
2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、
「ん?・・これってサントネなん?!」
と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。
コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、
「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」
と言うことが、
「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」
と言うことと同時に感じられます。
だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、
「・・なんだこの化け物は!」
と思うに違いない・・訳です。
で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・
「・・前言撤回・・上には上が有った・・」
と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。
超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、
「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」
と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。
良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
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【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2019 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【アドヴォケイトは2018年の92点から91点へ1点下げ・・?・・ちょっと判りません。素晴らしいシャサーニュ村名赤です!】
2015年もののラ・グージョンヌこそ数が無くて飲めませんでしたが、2014年ものからグラスの写真も掲載していますので・・
「この数年間のラ・グージョンヌの成長ぶりが判る!」
んじゃないかと思っています。こうやって見てみると・・2014年ものが可愛らしいですよね~・・。でもラミーは2014年もので大ブレークしていますから・・はい。2019年ものの物凄い密度が見えるような色合いは、ちょっと感動的でも有ると感じます。
そして・・noisy の場合は、ボトルからワイングラスに注ぐ時に必ずグラスを左手に持って、斜め35度ほどにして(相当横にします・・)注ぎながら少しずつグラスを起こし、45度ほどになるまで注いでからゆっくり起こします。
そうしますと分量もとてもちょうど良いですし、何よりグラスをつたう「涙」もちゃんと見える訳です。ソムリエさんが良くやるように、グラスをテーブルに置いたまま、少し空気を含ませるように「ゴボゴボ」と注ぐようなことはしません。美味しく飲もうとする時に、そのようにするのはワインによっては有りだと思いますが、繊細なピノ・ノワールにはどうでしょうかね。余り好ましくは無いかな・・と思いますが、noisy はソムリエでは無いので・・はい。
また「美味しく飲む」と言うよりも
「そのワインのポテンシャルや性格・コンディションをしっかり拾う」
のがテイスティングの目的ですので、開けるのも静かに・・グラスに注ぐのも静かに・・やります。スワリングをするのはずっと後・・です。しない時も有ります。
で、2019年のラ・グージョンヌV.V.です。2018年ものは確実に超えています。アドヴォケイトは2018年のポイントから1点下げ・・と言いますが、90~92 から89~91 への下げです。ちょっと意味不明です。
密度がまぁ・・半端無いです。シャサーニュの赤らしく、「ぶりっ」とした果実の豊満さが出ています。二枚目の寄った写真をご覧いただきましたら・・「グググっ」と引き寄せられてしまうんじゃないでしょうかね・・ビターなピノ・ノワールなんですが、密度の高さが何とも言えぬ「甘美さ」を感じさせてくれます。
面白いのはシャサーニュの南の「サントネ」との対比ですね。シャサーニュ・ラ・グージョンヌは「豊満」な・・グラマラスな女性を連想させます。でもサントネの各赤ワインは、「良く締まった見事なボディ」のスポーティな女性を感じさせます。
ある意味これは見事にテロワールを具現化していると思っていまして、シャサーニュ赤は豊満、サントネはタイトだけれどしなやかな筋肉を持っていると思います。クロ・デ・ゾート村名・・滅茶苦茶美味しいですし、このラ・グージョンヌも滅茶苦茶美味しいです!・・でも相当タイプが違います・・もっと違うのはサン=トーバン1級赤ですけどね!
そしてラミーのワインは赤も白も、品温が下がっていても・・
「まったくへっちゃら!」
です。繊細なのに・・でも平気なんですね。これもおそらく密植のなせる業なのかと思います。是非飲んでみて欲しいですね・・ご検討くださいませ!希少な2019年のラミーの赤です!
以下は以前のレヴューです。
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【不謹慎かもしれませんが人の密は避けて何とかこの難局を乗り越えましょう。でもワインの密はちょっと有難い・・】 もう・・これは色合いを見ていただけましたら、2017年ものとは全然異なることがお判りいただけるでしょう。密度の高い見事な味わいになったレ・グージョンヌです。
シャサーニュの赤は、どこか「抜けたようなおおらかさ」を感じる場合が多いですよね。リキミが無くエレガントなんですが、どこか芯がハッキリしないとか、平板で面白みが無いとか・・なので人気は今ひとつ・・と言った感も有るかと思います。
しかしながら2018年のレ・グージョンヌは、ちょうど良い密度感・・いや、普通なら「とんでもない密度感」なんですが、そこはラミーですから・・。どうしてもそのように言わざるを得なくなってしまいます。
赤黒果実がしっかり有り、ラミーの赤の中では、最も充実した甘やかなタンニンの存在が感じられます。
これ、結構に脂の厳しい肉にも合わせられるだけの重厚さが有ると思いますよ。そして甘く無いんですが酸バランスからでしょうか、厳しく無い優しい感じがします。濃度はしっかり有るが女性的なピノ・ノワール・・と言えます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2019 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Rouge Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【マンモスポテンシャル!・・幻のムルソー1級!・・と言いたくなる素晴らしい味わいです!】
これは凄い・・美味しい、美味しく無いとか、そんな感情は不要・・とも言いたくなる化け物みたいなワインでした!
圧巻な密度感の中に、
「どうしてこんなに複雑な要素を閉じ込められるのか?」
「どうしてこれほどの複雑な要素をサン=トーバン1級の畑の葡萄が持っているのか?」
と、不思議ちゃんになってしまいました。
確かに2018年ものも同様に、昔存在したムルソーの赤を思わせる味わいで、超複雑だった訳ですが・・2019年ものは「さらっ」と超えて来てしまいました。判りやすいのは2017年ものの写真と2019年ものを見比べましたら・・一目瞭然です。
そしてそれほどまでに「密度が高い=結果的に色が濃くなる」訳ですが、全く嫌味が無い・・さらっとスッキリもしているんですね。通常ですと、力業で濃くしてしまいますので抽出が強くなり、テクスチュアは「ザラっ」と、タンニンは渋みが強くなり平坦に、エグミも出てしまいます。
「そんな感覚は全く感じ無い!」
訳なんですよ。
それでいて、口内に入った液体を口蓋と舌ですり潰すようにして味わってみると、ま~・・超複雑です。色んな感覚が襲って来ます。ノーズに抜けて行くアロマも凄い!呆れてしまいました。
アレン・メドゥーズさんは、Here the nose is firmly reduced and unreadable. と言っておりまして、現状は硬くて読み切れない・・みたいな感じなんでしょうかね・・でもその後で「6~10年熟成させればめっちゃ成長する」とも言ってます。
なんだよ・・それでも92点か・・と思ってしまいますが、バーガウンドの92点は他の94点くらいと同等ですから仕方が無いのかもしれません。
その昔、かのコシュ=デュリさんがムルソー・コート・ド・ボーヌ・ルージュと言うワインをリリースしていましたが・・今でも有るんですかね・・あのワインのニュアンスに超似ています・・が、
「このデリエール・シェ・エドゥワールの方が全然凄い!」
と・・頭の中で比較してしまいました。
「ムルソーの赤に似てる?・・と言うことはヴォルネイ・ルージュに似てる訳?」
と思われるかもしれませんが、ん~・・・ヴォルネイには近いものは有るけれど、やっぱり「ムルソー赤」と言いたくなります。
それでいて、余りの複雑な要素の解析をワインから求められますから、とてもじゃないが「クイクイ」とは飲めない・・と思ってしまうのに、ついつい飲んでしまう訳ですね。
少しねっとりとして、金属的なミネラリティが複雑に絡み合い、テクスチュアは滑らかなんだけれども、
「全く直線的では無く、敢えて言うなら葛飾北斎の冨嶽三十六景、神奈川沖浪裏のその場にいるような感じ!」
の・・富士を遠くに見ながらも波浪のうねりを常に感じているような状況にいるような感じです・・判り辛くてすみません。
圧巻な味わいでした。今飲んでもその凄さは伝わって来ると思います。勿論ですがアレン・メドゥーズさんが言うように熟成させると本領発揮すると思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【このデリエールの赤も圧巻!・・残念ながらちゃんと評価できたメディアは有りません!】 滅茶苦茶美味しいです!・・有り得ないほどに複雑性に富んだ見事な味わいです。
まぁ・・言ってみればムルソー1級の赤・・と言う存在が有ったとしたら、それに比類するものになったはずです。ムルソー1級の赤は無いですから・・。
アドヴォケイトが上値93ポイントと評価していまして、noisy的には近い評価になりますが、94ポイントまでの可能性が有るので・・1ポイントの重みは相当ですよ。
例えば、ムルソー・シャルムの1級赤と言うのが有ったら・・などと想像してみたことはあるでしょうか?・・もしくはペリエールでも良いですが・・?
おそらく相当に色合いの淡い仕上がりになるんじゃないかと思うんですね。しかも収量は非常に低いし、表土が薄くて葡萄を育てるのは相当に苦労するでしょう。
でも、このデリエールの畑は傾斜も相当にキツイんですよ。だから雨に流された土を畑の上部まで何度も持って行ったりしなくてはなりません。
その上での・・この濃密な色合いです!・・そしてアドヴォケイト93ポイント・・。一体、サン=トーバンで何が起きているのか・・確かめてみたくなりませんか?
テイスティングで飲まれたお客様は皆一様に悶絶しています・・(^^;;・・飲んだ人にしか判らないラミーのピノ・ノワールの素晴らしさ、是非味わってみて下さい。2018年ものは超異質の仕上がりです!おススメします!
以下は以前のレヴューです。
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【リーズナブルだから・・等と言うような理由で飲むワインでは有りません。他者と比較することが困難であると思えるほどワイン。ラミーが気持ちを込めて仕込むデリエール・シェ・エドゥアールと言う畑のピノ・ノワールを是非とも愛でてください!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のデリエール・シェ・エドゥワールの赤です。滅茶旨いです!・・こんなピノの有ったのか?!と思う位です・・2016年までも折に触れ飲んでいたにも関わらず・・です。
サン=トーバンと言う、少し西にズレた村では有りますが、やはり「裏モンラッシェ」としての存在はラミーのシャルドネで感じていただけると思います。
しかし、例えば同じ丘だとしてもその斜面は一様では無いんですね。石灰が厳しい部分も有れば、他の鉱物が厳しく存在する場所もあるし、希少金属が露出していたり内包されていたりするわけです。
デリエール・シェ・エドゥワールは繊細にして超複雑。どちらかと言えば筋肉質で、その筋肉の凹凸(おうとつ)が見事に感じられる逸品。決して崩れずいつまでも端正な姿を保ち続ける、清楚にして存在感を強く感じる味わいです。
その姿は、まるで見事なラミーのシャルドネのスタイルそのもので、「密度が凄い!」としか言いようの無いものです。クリスタルコーティングされた液体の中からじんわりと伝わって来る美しい果実、磨かれた旨味、ふわっと感じられる希少金属由来のじんわりスパイスがこのワインの特徴です。
コート・ド・ボーヌの赤ワインとはとても思えない仕上がりです。そしてこの姿こそがサン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールなんだと感じていただけると確信しています。素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
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【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2019 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【毎年テイスティングしていたクロ・デ・グラヴィエールですが2019年は僅少につき・・申し訳ありません。でも、2019年のラミーは2018年同様に赤も激旨です!】
間違い無いでしょう。ラミーの2019年のどの赤ワインを飲んでも、全くの肯定感しか出て来ません。
全域を通して密度が高く、例え品温が低くとも、旨味を多く含んだ見事な「酸」が、素晴らしいテロワールを伝えてくれます。
ただし、ご自身の現状のアペラシオン認識を改める必要は無いとお考えの方には無用のピノ・ノワールでしょう。
「サントネ1級」
です。
その中の・・
「クロ・デ・グラヴィエール」
です。
そのテロワールを見事に現わしてくれているはずです(・・飲めなかったので・・)
そうでなければ2年続けてアドヴォケイトの94ポイントは有り得ないでしょう。彼らのアペラシオン至上主義は相当な「縛り」を生んでいるはずで有り、それさえも撥ね退けての94ポイントなんです。なので、
「どんなに凄い、素晴らしいと感じたとしてもそれが現状の上限」
なんですね。
たった8本の入荷です。
「サントネにこんな大枚は・・」
と考えるか、
「ピノ・ノワールの一つの素晴らしい形を確かめたい!」
と考えるか、お早めにご検討ください。
まあ・・言ってしまえば・・あのヴァーゼンハウスだって同じことですけどね。良いタイミングでヴァーゼンハウスを飲んだら、それまでの自身を否定されるような感覚になってしまうかもしれませんが・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【濃密!素晴らしい密度です。ドライで流れるような赤黒果実!是非飲んでみて下さい!】 7千円オーバーのサントネイ1級レ・グラヴィエールです。おいおい・・大丈夫かぁ?・・正直も大概にしないと・・いや、アドヴォケイトは上値94ポイントなので・・はい。
この評価には諸手を振って賛成です。noisy的にもピッタシカンカンです。アドヴォケイトと同じになるのは・・滅多に有りませんが、2万本/ヘクタールと言う超密植度から生まれる「密度の高い味わい」は、飲む者を納得させるだけのアピールが有る訳ですね。
そして見事なのは、単に密度が高いだけではなく、ピノ・ノワールに求められる繊細さ、エレガンスもしっかり有ると言うことなんですね・・。
普通なら・・そんなに高いサントネのワインなんて、ワイン屋は買いづらいですよ。でも、この味わいを知ってしまえば・・
「もっと頂戴!」
と言いたい訳です。
赤い果実には、まだ色が淡い鮮やかな赤から深紅と言って良い、赤を何度も塗り重ねたような色合いの果実が感じられます。黒い果実には・・言ってしまえばエスプレッソ的なトッピングまで感じられます・・まぁ、ちょっとオーバーでは有りますが・・。
それでも嫌味にならず、ピノ・ノワール的な繊細さを感じさせてくれるワインです。94ポイントも訳がちゃんとある・・そう感じさせてくれました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミーが創り出す「新世界」!ラミーのシャルドネの美しい姿を見事に転写したもの凄いピノ・ノワールです!圧巻!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
このクロ・デ・グラヴィエールはもう、圧巻でした。高価だがさしてポテンシャルを感じないニュイの一流どころのアペラシオンものと、全く引けを感じない・・どころか、完全に超えて来ているニュアンスです。
クロ・デ・グラヴィエールは、超エレガント系のシャンボール1級に近い感覚で飲めると思いますよ。むしろ、知っていればいるほど、「サントネだね」「二流かな」などとは言えないはずです。そんな姿はむしろどこにも感じられない・・と言うか・・
2016年までのクロ・デ・グラヴィエールも、非常に美味しかった訳です。
「ラミーは赤も旨いね!」
と言っていただけるようになっていたんですね。
しかしながら、2017年ものはもう、そんなレベルでは無いんです。何とか2016年ものと比較できる・・だけです。ですので、もう他者のワインとも比較のしようが無い訳です。
「濃いのではない。密度が有り得ないほど凄いんだ!」
と、ラミーのシャルドネでは散々言ってきました。2017年もののラミーのピノは、全くシャルドネと同レベルの密度と言って良いです。
その結果、2016年までの美味しいクロ・デ・グラヴィエールの姿はもう無く、ニュイの高級ピノ・ノワールと同レベルか、それを超えてくるようなパフォーマンスを見せつけてくれます。
もう、これはお客様に飲んでいただいて、評価をしていただきたい・・凄いピノ・ノワールです。
コート・ドールの南のドンケツの「サントネ」も、古い時代に収穫増のために行っていた「密植」に戻ることで、ニュイのピノにも勝るとも劣らないもの凄いワインになった証拠です。
このピノは、是非とも飲んでみて下さい。「サントネでこのプライス?・・いらないな・・」と思われたら、もう時代には付いていけないでしょう。まるでルーミエさん張りのミネラリティなんですが・・すでに超えているとも言えるかもしれません。その辺も是非、ご自身の感覚でお確かめいただきたい!・・そう思っています。超お勧めです!
● 2019 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【物凄いポテンシャル!味付きも良く、ミネラリティもマンモス級・・なのに滅茶バランスが良いなんて信じられます?】
2018年ものにも「圧巻!」と書かせていただきましたが、2019年ものは・・そこさえ超えて来てしまいましたね。
この・・非常に寒い2022年の冬は、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合も品温が10度を下回っている状況から飲み始めていますが、
「品温が低くても良く香り、味わいが落ちないばかりか、持っているポテンシャルとその自己紹介までしっかり伝えてくる」
んですね・・。ま~・・ビックリしてしまいました。「品温が落ちると味わいが出ないので」と書くつもりだったので尚更です。
なので、
「2019年もののラミーは品温が低くても滅茶苦茶美味しい!」
と書かざるを得ません。
マンモスミネラリティと物凄い複雑性はラミーの特徴でも有りますが、ここまで来てしまいますと往年のコシュ=デュリ同様だと言わざるを得なくなって来ました。もっと言ってしまえば、コシュ=デュリの素晴らしいアリゴテは、滅茶安くて驚くほど旨かった(20~25年ほど前のこと)訳ですが、
「・・ここまで凄かったか?」
と聞かれますと・・自信が無くなって来てしまいます。それほどに素晴らしいと・・思っています。
アドヴォケイトは上値で90ポイントと・・まぁ・・一般常識の上限的な、「角の立たない」評価でお茶を濁しています。
ジャスパー・モリスさんはどうやら85~86ポイントのようで・・もうそろそろ色々考えられた方が良いでしょう。noisy とさほどは歳は変わりませんが、この凄いワインなのに、格そのものだけを判子を押したような評価を出すだけなら・・。まぁ、それはそのまんま、noisy にも言えることでは有りますので、自身に自信が持てなくなってきた時には、口にX字に絆創膏を貼るか、第一線から退かないといけないでしょうね。若い人たちに迷惑を掛けちゃいますから・・。老兵はただ去るのみ・・なのかなと思っています。そうは言いながらいつまでもしがみつくかもしれませんけどね・・(^^;;
ですが、こんなぶっ飛んだワインを造るラミーに出会えて感謝の気持ちで一杯です。いつもの年のようには数が無いので・・それに10%ほど値上げを迫られる仕入価格になってしまって申し訳ありませんが、
「それでもこのプライスなら天下無双!」
です。
サン=トーバン的な硬質さも有りながら、ピュリニー的な豊満さもほのぼのと感じさせ、シャサーニュ的なクールな果実をも飲みやすさに加えつつ・・
「圧倒的なポテンシャルと判りやすい超絶な複雑さ!」
をご堪能ください。海外メディア評価では、アドヴォケイトのウィリアム・ケリー氏のものが・・まぁまぁ・・何とか・・ジャスパー・モリス氏の評価は無視が妥当だと思います。あ、その辺は是非ご自身でお確かめください。お早めにどうぞ。
以下は、以前のレヴューです。
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【もの凄いシャルドネです!圧巻!】 いや~・・2018年もののユベール・ラミーのテイスティングは2020年12月末から始めました。
何せ14~15アイテムのテイスティングですから、毎日1本だと年末年始の休業中に終わらない訳でして、しかも何かの間違いで、テイスティング分にピノ・ノワール4アイテムが入っていないミスが有りましたので、身動きが取れない自粛中のお食事には・・
「マグロでラミー」
「寿司でラミー」
「牛肉でラミー」
「ジンギスカンでラミー」
「たこ焼きでラミー」
・・・あと・・何だったっけ?
と言うほど、ラミーの各シャルドネと対峙させていただき、ラミー2018年が持つ「輝き」が本物かどうかを身に染みて感じさせていただきました。
また、4日から営業を開始したエージェントさんには赤が届いていない旨を伝え、早速送っていただきましたので、1月7日までの休業中には終わりませんでしたが、これまた物凄いピノ・ノワールと対談させていただきました・・?
のっけからこれですから・・・まともな言葉が出ません。
「・・・うお~・・っ・・」
やられてしまいました。
やはり、穏やかで流れるような優しい味わいが流行っているとは言え、やはり本格派はもう・・存在感が違います。
「ラミーはもう別格!」
です。
noisy が初めてコシュ=デュリのワインに触れたのは・・どうでしょうか・・もう相当に昔のことで、30年は経っているかと思いますが、本当に衝撃的な味わいでした。
煌めく酸がキラキラ・・そして時にギラっと、まるで口の中で花火に点火させたかのような衝撃と、口蓋を押し広げて、もっと感じさせようとしているかの如くの振る舞いに・・
「・・これがコシュ=デュリか・・」
と。
それなりに長くテイスティングを続けているユベール・ラミーですから・・今まで一体どれほど費やしたか・・と思えるほどでは有りますが、そんなnoisyを、
「(・・うわ~・・うぉ~・・っ)」
と言葉を詰まらせるほど、酸の煌めきと体格、構成の大きさと、ミネラリティの質と量、そして品格が襲って来た訳です。
もはやユベール・ラミーは「シャルドネの名手」に留まらず、「ブルゴーニュのトップ」に君臨すると感じさせてくれました。2017年も美味しかったに凄かったですが、2018年ものは・・2017年を「ぶっちぎりで置き去り」です。
コシュ=デュリのワインは、余りの美味しさと・・余りの値上がりのキツサに、
「コシュ=デュリはアリゴテで充分!」
などと散々言って来た訳ですが、ハッキリ言ってそのレベルです。
なので、「超密植だから・・」とか、「樹齢が・・」では無い。
「ラミーだから」 もうそれだけで良い・・充分だと思います。
「ラミーを知らずにブルゴーニュを語れない!」
そう思わせてくれる凄いシャルドネです。飲んでみて下さい。飲まずにはいられない・・いや、飲まなくてはいけない1本です。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
● 2019 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【ラミーのラインナップの中では比較的エレガント系ですが、それでもラミーらしくゴリゴリと押し入ってくるやや軽めのミネラリティとしっとりリアルな果実の風味が見事です!今飲んでも滅茶美味しいです!】
ワインの好みは人それぞれですから、あの人が美味しいと言ったところで自分がそうでも無い・・と感じてしまえば、それはその方にとっては、「普通」なのでしょうし、駄目かな・・と思えば「美味しく無い」と言うことなのでしょう。
ラミーのシャルドネも、2010年頃までは「普通」か「美味しく無い」と評価する人が多く、でも2014年頃を境に「美味しい!」「素晴らしい!」と、それらが置き換わってしまったことが、今の状況なんだと思います。
このサン=トーバン村名のプランセは、多くの生産者が造る・・でもエレガント系の味わいのサン=トーバン1級クラスと同等・・下手をするとそれ以上です。
ふんわりと香り立つ石灰系のやや軽めのミネラリティと、ドギツイ表現には陥らない、実に自然な白・黄色・僅かに薄緑な果実がグラスから、そしてほんのり粘る液体からノーズへと抜けて行きます。中盤以降もその僅かに粘る液体からの余韻や押味が長く・・エレガントに持続するんですね。実に旨いです。
ラミーのラインナップの中ではフリオンセと同様に高域・超高域へと伸びて行くアロマが心地良い、繊細系と言いますか、エレガント系の味わいだと思います。
ある意味・・この系統はラミーの中では貴重でして・・実に心地良いものであると感じています。ゴリゴリっと入ってくる感じはむしろA.C.ブルの方が強いのかも・・と。しかしどうなんでしょう・・余りに凄いポテンシャルを感じさせるA.C.ブルのシャタイネールと、実は相当に凄いんだけれど、それを余り感じさせないレ・プランセですから・・やはりこのレ・プランセのエレガンスは、より高く評価すべきなのかな・・と思います。
素晴らしい村名サン=トーバンでした。海外メディアは91ポイントで止まってますが、noisy 的には1.5ポイント加点すると思います。ご検討くださいませ。
以下は、以前のレヴューです。
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【凄いです!村名クラスの味わいを超越しています!】 向かうところ敵無し!・・は間違い無いでしょう。価格的にも、そして勿論、アペラシオン的にも・・です。
超有名な「禿山」、モン=ラッシェの西側に存在するのがサン=トーバンです。東側にはピュリニー=モンラッシェとシャサーニュ=モンラッシェが有り、PK氏いわく、
「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」
と揶揄されたのがサン=トーバンです。
しかしながら昨今の温暖化の性でしょうか、それまで日照に問題が有るとされてきたサン=トーバンのシャルドネにとっては、
「実に都合の良い状況」
になっているのかもしれません。
ラ・プランセ2018年は、正に劇的です。ラミーの上級の1級クラスを飲まないなら、そして素直にこのポテンシャルを理解できるなら、
「1級クラス並み!」
のポテンシャルを自然に受け入れ、そう思われるに違い無いでしょう。
そしてユベール・ラミーらしい膨大なミネラリティと球体を思わせる酸バランスと酸の総量、その結果としての滑らかなテクスチュアと構成の大きさ、品格に、
「これがユベール・ラミーなのか・・」
と、自身の記憶に植えつけられることになるのでしょう。
さらには、
「ブルゴーニュワインが発展伸長し、大きな存在になって行く・・その限界はまだ来ていなかった!」
と・・このモンラッシェの裏側の村名ワインが教えてくれるのです。なんて素敵なことでしょうか!
これが「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」だとするなら、ほとんどのピュリニー=モンラッシェはミネラル不足になってしまいますし、きっとそれは近未来の果実表現だけに頼った「だるい」味わいを意図した揶揄に過ぎないと気付かれるでしょう。
滅茶美味しいです!感動的です!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!繊細系の緊張感漂う見事な味わい!複数の畑をブレンドした、ラミーが思うサン=トーバンを表現・具現化した出来でしょう!】 いや~・・素晴らしいです。縦伸び系の見事な構造です。
実は・・間違えちゃいまして、このプランセ、2本も開けちゃったんですね・・数が無いのに!
重量級の味わいでは無く、少しエレガント系に振った味わいです。まぁ、アン・ルミイィを少し細身に、小振りにした感じかと思ってくださって良いかと思います。
「ん?・・アン・ルミイィって重量級じゃないの?」
と思われますが、重さで言ったら「クロ・デュ・メ」の方が重量感有りますよ。バランスで言うとトップはアン・ルミイィです。縦伸びの物凄さで言ったらクロ・ド・ラ・シャトニエールです(・・これ、飲んだらきっとぶっ飛びますよ・・)。
細やかな、ややハイトーンなミネラリティから滲むような白っぽい石灰感が心地良く、鈍重にならない、やや高域にバランスを振ったような先調子の感じです。
2016年までも美味しかったんですが、もう・・2017年ものは別物と言って良いかと。
実は、2本も開けたんですが、結構に印象が異なるんですね。1本目は届いて翌日位から開けたんですが、結構、バッキバキに硬質で閉じた感じがしていました。2本目はそれから3日後でしたが、滅茶開いた感じで・・凄い旨いんですよ・・エレガントで。
ですので、ミネラリティの癖なのかと思いますんで、届いてすぐでは無く、少なくとも3~4日は休息させてくださいね。ラミー2017年の物凄い世界が待ってます。
「わお!」
と思わず声が出て欲しいな・・と。お勧めします!
● 2019 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【激旨!・・これは必飲??・・ラミーとしたらエレガント系のサン=トーバン1級ラ・フリオンヌは、美しさを軽やかに表現してくれる逸品です!】
きゃ~!・・滅茶美味しいです~~・・。密度の高いラミーの味わいはそのまましっかり・・なんですが、表現が実にエレガント!・・言ってしまえば・・
「ふんわり優しい伸びやかなサン=トーバン1級!」
でしょう!・・こんなサン=トーバン、飲んだことない・・と是非とも言わせてみたいなぁ・・
こんなに美味しいとついつい一句・・出て来てしまいます。
「フリオンヌ・・・あぁフリオンヌ・・フリオンヌ」
(・・駄作)
え~・・それでも2017年までは、単に「ちょっと軽い」と言ってたかもしれないんですね。なので、ただ軽い味わいじゃ無いんですね。サン=トーバンの1級らしさと、その東に位置するピュリニーの名畑のニュアンスと、その南東に拡がるシャサーニュの近寄りやすさのニュアンスが交じり合っているようにも思いますし、
「それがフリオンヌのテロワール!」
とも感じるんですね。
なので、決して軽い訳じゃ無い・・エレガンスの表現なんだと思います。色合いも・・いつもの年よりもやや黄色が強いでしょうかね。
アロマの上りも、この滅茶寒い2022年の冬の空気に冷やされ、より抑圧されるかと思いきや、全くそんな素振りを見せません。そして、冷旨系の酸もしっかり含んだ見事な酸のパレットから、エグく無い表現で、見事な果実を堪能させてくれます。クロ・デュ・メ辺りの中低域のふくよかさは無いんですが、その上が美しいボディラインを描いて感じられます。
グラスのフチを伝う「涙」の太さ、ゆったりさを是非見てください。これでいて「エレガント系」と言って良い感じなんですから・・
また、海外メディアも2018年までは93点止まりだったところを、94ポイントまで伸ばして来ました。この辺はちゃんとそれなりには評価しているように思います。noisy 的にはあと1点、加点する可能性は有ります(ただし、点を付けようとしてテイスティングしている訳では無いので・・もしそうするのであれば、もっとちゃんとそれ用にテイスティングします。)。
それでも、サン=トーバンの有名ではない畑のワインに、何とか94点まで付けられる自由な世の中になって来たんだと思うと隔世の感が有ります。もはや安くは無い価格では有りますが、サラリーの上がらない時間の止まった日本と、ちゃんと動かして来た世界の国々との差だと思えば仕方が無いのかもしれません。
このフリオンヌ、超お勧めしたいと思います。元々数の無いワインです。余り出回らないと思いますよ。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【繊細な表現が堪らない!・・しかし、2017年までのフリオンヌとは劇的に大きさが違います!素晴らしいです!】 いや~・・お判りになるでしょうか・・。お正月を迎えるもので、自宅のテーブルの上の白い敷物を、いつの間にか「取っ払われて」いまして・・写真の比較としますと・・また色合いを見る意味でも、「白いもののバック」が無いのが申し訳ないです。
しかしながらヨクヨク写真を見てみますと、noisy が意図していなかったにせよ、
「何となく白っぽさの見える液体」
に映って見えないでしょうか?
そうなんですね・・ちょっとピュリニーにコルシャルが混じったようなニュアンスが元々から感じられるのがこの「レ・フリオンヌ」でして・・なので若いうちにはかなり、
「エレガント系」
なんですよ。むしろ、ラミーのサン=トーバンの中では最も軽量級に・・軽やかに感じられる訳です。
しかしながら構成自体は相当に大きいです。深い・・と言って良いかもしれませんし、短い周波数を持つ細やかなアロマが味わいから漂ってくるんですね。繊細だと言って良いかもしれません。
そして熟により徐々にその繊細さは極められ、縦伸び系の味わいが完成されると思います。
因みにこのレ・フリオンヌ2018年は、多くのメディアが上値93ポイントでほぼ一致しています。noisy的にも同意見ですが、プラス0.5~1ポイントと評価すると思います。なので、このワインに関しての海外メディアの評価はほぼ妥当なものだと言えるでしょう。さらに因むと、2017年ものレ・フリオンヌの最高評価は92ポイントだったようですので、多くのメディア評価は2018年ものがさらにポテンシャルを高めたと、認めているものなのでしょう。
また、この「レ・フリオンヌ」は生産量が少なく見つけることは結構困難なキュヴェでもあり、ラミーのサン=トーバンのキュヴェが持つ「多様性」の一翼をしっかり担っているワインだと思います。他のサン=トーバンには無い表情が見て取れます。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】 サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
● 2019 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【2018年ものクロ・デュメの濃密な低域の美味しさに加えて2019年ものは「密度」そのものが劇的に上昇!今飲んでも滅茶苦茶美味しいです・・が、数が全然ありません!】
「・・えっ?・・クロ・デュ・メって12本しか無いの?・・あれだけたっぷり有ったのに?」
「・・そうなんですよ・・出しようが無い位しか・・入って無いんです・・」
実は、テイスティングで滅茶美味しかったので、内心ホクホクしていたんですね・・だって、最高に美味しいシャルドネがたっぷり有ったら利益もその分出せるし、長く販売可能だし・・良いことずくめです。
ところが全くアテが外れてしまいました・・と言うか、
「・・そもそも飲んでも大丈夫なのか~?」
と心配しなくてはならなくなってしまった訳です。たった12本しか無い訳ですから・・。
それでもテイスティング分だけ年末に入れていまして、年明けに仕入れ分を送っていただいたところ、クロ・デュ・メのテイスティング分は別に伝票に打たれていたので、
「何とか12本の販売分は確保!」
した訳なんですね。・・ちょっと寂しい話しでは有ります。
毎回申し上げているように、クロ・デュ・メは中低域にボリュームが有り、ちょっと感覚的に「ムルソー」的なニュアンスで感じられる豊満タイプのサン=トーバン1級です。
このキュヴェは今まではある程度、数を計算できましたが、年々少なくなっています。そして2019年は販売に回せるのが12本だけ・・です。
しかし、2018年ものにはそこまで無かったものが2019年ものには「しっかり」現れていました。それが・・
「・・ありゃ?・・クロ・デュ・メも超密植化、始めたのか?」
と思えるほどの、確実な「密度の高さ」感です。
あの豊満で単純にもうグラマラスな美味しさを伝えてくれていたクロ・デュ・メの姿は有りません。豊満さに「締まり」が有り、口内の感覚は余りの複雑な刺激で飲んでいるうちに麻痺してきそうな感覚です。
それでも、非常にエレガントなフリオンヌに対した真逆の存在・・と言うか、フリオンヌが持ち合わせない中低域をしっかり増幅した「どっしり感」の有る味わいは普遍でして、中盤以降に押し寄せる余韻も、全くラミーならではの物凄さが感じられました。これは旨い!・・としか言いようの無い見事な味わいでした。
言ってみれば、軽量級のフリオンヌと、重量級のクロ・デュ・メを合わせると・・もの凄いシャルドネワインになるのかも・・と思います。可能な方は遊びでやってみると面白いかもしれません。素晴らしい出来でした。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソー的なゆったり感のクロ・デュ・メはムルソー1級に比類する素晴らしい密度を手に入れ、しかも外向的で無茶苦茶美味しいです!】 レ・フリオンヌが天女の羽衣を纏った女性なら、クロ・デュ・メは甲冑を身に着けた中世の騎士かもしれません。どこまでも・・天にも届けとばかりに縦伸びするレ・フリオンヌと、重厚且つ優しい姿をも見せるクロ・デュ・メは、サン=トーバンの1級畑が持つ姿の両極です。
しかもクロ・デュ・メは、2017年ものまでは・・悪い言い方をするのなら、どこか「緩さ」をも感じさせてくれたものですが・・いや、その「おおらかさ」こそが実は難しい表現ですから・・緩いと言うのは本当に失礼であるとしても、
「2018年ものにそんなネガティヴな方向にも捉えられそうな表情は皆無!」
になったと断言します。
例えば、ムルソーの準1級の村中央上部の畑は、厳しいミネラリティをしっかり表情に出して来ます。ヴォルネイに近いムルソー村名、準1級畑ものは、厳しいミネラリティと粘度由来のネットリとした表情が有ります。そしてムルソーの1級畑ものは、そんなそれぞれのミネラリティを礎にした上で、それぞれ独特な表情を見せてくれますよね。
まるでムルソー=サントノ的な表情なんですね・・いや、もう少しソリッドでタイトかもしれませんが、品格、フィネスは相通じるものを感じますし、そこにピュリニー的な豪奢なニュアンスが入った感じ・・がピッタリかもしれません。
2017年もののおおらかさは2018年もので精緻になり、より大柄になっています。海外メディアでちゃんと評価できたのはティム・アトキン氏だけ・・でしょう。ヴィノスも2017年ものの91ポイントからは1ポイント積み上げてはいます。noisy 的には上値93+ポイントです。
まぁ・・ここまで素晴らしいとなりますと、どうしても「素晴らしい!」の連発になってしまいまして、かなり気が引けるのですが仕方がありません。縦方向の伸びが素晴らしいレ・フリオンヌと、横方向に伸びて行くクロ・デュメ・・・是非セットでお楽しみいただけますと、これまた非常に面白いかと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものクロ・デュ・メは、滅茶苦茶美味しいムルソー準1級畑に酷似!パワフルで横への拡がりも有る、いつ飲んでも行けるタイプです!】 皆さんはそうでもないかもしれませんが、noisy的には非常に評価の高いクロ・デュ・メです。
2016年ものはピュリニー1級・・なんて書いてますね。2017年ものはムルソーの準1級か1級か・・です。ムルソーの中央上部の準一級、ナルヴォーとか、1級のポリュゾとか、その辺りの感覚です。
レ・ペリエールの持つ蜜のニュアンスを僅かに緩くしたような感じも有り、真ん丸なパレットから微細な表情が滲んで来ます。2016年も単純に美味しかったんですが、そんな部分の延長も感じるとしても、もう、かなり格上感が有ります。伸長率が半端無いんですね。
57ミリも有る長いコルクを抜くと、待ってましたとばかりに粘っこいエキスからアロマが飛び出して来ます。マッタリとしつつ適度に拡がってくれるのは今までと変わらないですが、質感がね・・素晴らしいんですよ。比較にならないほど素晴らしい。
この、どちらかと言うとパワフル系のクロ・デュ・メと一緒に飲んだのが1級「クロ・ド・ラ・シャテニエール」です。余りに異なるスタイルで、これ、感動ものでした!
まず間違いの無い選択になると思います。皆さんも好きなタイプでしょう。超お勧めします!
● 2019 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【サン=トーバンの独自なテロワールを見事に表現できるデリエール・シェ・エドゥワール!・・これも実に旨いです!】
素晴らしいと思います。ジャスパー・モリス氏も2018年ものは上値96ポイントと、このワインの本質を見抜かれたなぁ・・と思っていましたが、2019年ものは94ポイントとスケールを下げてしまいました・・残念です。
ですがこの2019年ものが2018年ものに劣る部分は全く有りません。と言いますか・・ここは他のコラムで書くつもりですので、アン・ルイィのコラムあたりをご覧頂ければと思いますが、ちょっと自然派っぽいアプローチが透けて見えて来ているんですね・・このキュヴェ辺りから・・。
減農薬が主体で、ビオは一部・・と言っていたはずなんですが・・その部分ですね。
でもこのキュヴェに関しては・・
「それが判らない・・感じたとしてもほんの少し」
かと思います。
そしてこのデリエール・シェ・エドゥワールは・・実に複雑で、粒子の肌理が滅茶細かいんですね。一体感はしっかり有るんですが、非常に細かい砂の粒を積み上げて仕上げられたかのような感覚で、しかもこのデリエールに関しては、
「サン=トーバン独自のテロワール」
みたいなものをイメージしてしまいます。
サン=トーバンは、結構有名な「アン・ルミイィ」と「ダン・ド・シアン」がモンラッシェを見下ろす位置に有り、その他の畑は少し西側に離れた位置に有ります。畑の向きもそれらとは結構に違います。
なので、その有名な2つの畑はピュリニーやシャサーニュに凄く似ていて当たり前・・なのかもしれませんし、そこから少し離れたところにある畑のワインは、結構にテロワールの異なるニュアンスが有るのかもしれません。
特にこのデリエールにつきましては、超密植のキュヴェをリリースしていまして・・密植化が結構なスピードで進んでいることもあり、手掛けて間もない部分のデリエールには、それなりの密植の恩恵が有ると感じられるんですね。だからこそ、この
「独自なテロワール」
を感じるのかと・・今のところ理解しています。
このデリエールまでは、今飲んでも大丈夫です。でも、まだ20~30%しかその正体を明かしてはくれないと・・理解した上でお楽しみください。
「実は海外メディアの評価以上に素晴らしい!」
と思ってください。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【ジャスパー・モリス氏もこのデリエール・シェ・エドゥワールには敏感に反応して・・なんと96点!・・ま、判りますけどね。】 モンラッシェ並みの味わいを見せる凄いワインでした。細かいことを言えば・・トップクラスの出来のモンラッシェには僅かに届かないかもしれないとは思っています。並みのものなら超えているかもしれません。
緊張感の溢れる繊細で鉱物的な素晴らしい味わいです。複雑性も見事で、何よりも「相当な緻密さ」を感じさせてくれるので・・モンラッシェなどと引き合いに出したくなってしまう訳ですね。
で、ジャスパー・モリスさんが異常に反応しています。上値で96ポイントです・・って、グラン・クリュ並みの評価じゃ無いですか!・・noisy は95+ポイントが上限だと見ていましたので、このキュヴェにはジャスパーさんの方が高く買っている訳ですね。
どうやらジャスパーさんはこのキュヴェの成り立ちを良~くご存じのようでして、その辺りも評価に出ているのかもしれません。
何せ、収穫を熟度によって数日に分け、それぞれに醸造したようです。決して広い畑では無いんですが・・もう、オリヴィエのやっていることは他人には理解出来ないのでしょう・・想像の範囲を超えての葡萄造り、ワイン造りなんですね。
noisy の場合は、別に畑を見ている訳でも無し、情報を得てから飲んでいる訳でも無し、現物を飲んで想像して整理、それからテクニカルを見たり、色々する訳でして・・「現物主義」です。なので、余計な情報は前以ては入れないようにしています。
ですがこのデリエール・シェ・エドゥワール2018年は半端無い・・サン=トーバン1級のクロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018年も物凄いし、アン・ルミイィの筋金入りの存在感も呆れるほど・・なので、この辺りはほとんど同じポイント評価です。
味わいにつきましては2017年を確実に超えていますが、そのスタイル自体は変化無しです。数はご用意できないので、是非お早めにゲットしてください。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【げげっ・・これでオート=デンシテじゃないの?!】 写真って・・本当に難しいですね。そして面白い結果を見せてくれます。
何年にも渡ってこのデリエール・シェ・エドゥワールの写真を撮り続けていますが・・
「何故かこの写真は露出が必ず低めになってしまい、暗めな画像になる」
のがお判りでしょうか。他のキュヴェでも有りますが、デリエール・シェ・エドゥワールほどでは有りません。2017年のこの写真は色合いは弄っていないはずです。
僅かに揺れている感じの液体のトロミ、もしくは影みたいな感じが見えるでしょうか?・・これはタンパク結合では有りません。そしてトロミも実際は全く有りません。きっとミネラリティの多さ、密度が映り込んだ感じなんじゃないかと思います。
ま~・・たまげました。
「きゃ~・・やっちまったか!・・間違えてオート・デンシテ、開けたか??」
です。
ほぼ今までに有り得ない感覚でした。D.R.C.のモンラッシェでもここまでは無かった・・。近かったのはラフォンのモンラッシェ。そんなミネラリティの総量感覚です。
「これ、オート・デンシテじゃないんだとしたら・・オート・デンシテは・・どんだけ~!?」
と叫びたくなってしまいました。
ただし、このデリエール・シェ・エドゥワールの一部はすでにオート・デンシテをリリースしていますよね?・・ラミー側からは、どこの畑をどれだけ密植したかの変更報告は余り無いそうです。
なので、もう相当にオート・デンシテ状態になっているデリエール・シェ・エドゥワールが、これまた相当量、含まれたキュヴェ・・と言うことじゃないでしょうか?
そうでなければ・・理解不能です。呆れんばかりの密度・・それでお酒が一杯飲めてしまいますよ!・・もう溜息しか出てこないデリエール・シェ・エドゥワールでした!・・飲みましょう!、これは!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】 ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2019 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【2018年もの同様に旨いです!・・しかも2019年の素晴らしさがくっきり!ドライで集中していてミネラリティたっぷり!】
美味しいですね~・・2018年もそうでしたが、2019年はほぼ同様に・・と言うか、僅かに上回ったかのような感覚で・・
「滅茶苦茶美味しい!」
です。アン・ルミイィが完全にはまだ落ち着いていないのもあって、現状だけ見てしまいますとこちらの方が美味しい・・(^^・・と判断する方もそれなりにいらっしゃるんじゃないかと思います。
コンシ・デュ・シャン2019に関しましては、2018年と大きな差は無いと感じます。ただし上記のように、
「2019年と言うヴィンテージ」
を判りやすく解説してくれる・・と言うか、ラミーの他のキュヴェの伸び率が凄過ぎてしまって・・
「ヴィンテージの良さなのか、ラミーの変革の結果なのか・・良く判らない・・」
と言う状況なんですね。
なので、このコンシ・デュ・シャンの「緻密な!」美味しさに触れると、凄く安心感が有ります。
「・・ん!・・大きくは変わって無いね・・でもやっぱり2019年は凄いよね!」
と、非常に判りやすく理解できるから・・なんですね。飲めばきっと判りますよ。
ですので、むしろポテンシャルと取ろうとか、変化を感じよう・・とか、額に十字を寄せなくても良い・・そんな感覚で滅茶美味しく飲めます。
勿論ですが、普通の「シャサーニュ村名」と比べてはいけませんよ。もしそうしてしまうと・・比較対象が「緩い」と言うことを気付かされてしまいます。ラミーばかりを飲んでいるならそれは「普通」の出来事ですが、他と比較してしまうと不幸なことになってしまうかもしれません。
ゆっくり、のんびりと・・この実は凄いポテンシャルの液体を、口内で少しずつすり潰しながらお楽しみください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【並みのシャサーニュでは有りません。幾分感じていた「緩さ」は皆無!緊張感を身に着けたコンシ・デュ・シャンはカテゴリーキラーです!】 ワインとは中々に難しいものでして、
「ん?・・そうだなぁ・・今はそれを飲む気分じゃないんだよなぁ・・」
ってシュチュエーション、有りませんか?・・まぁ、noisy の場合はそんなことを言ってられる商売じゃないんですけどね。
でも、如何にシャルドネ大好き、白ワイン万歳!・・な人間でも、
「ん~・・今は硬いムルソーは飲みたくないんだよなぁ・・まぁ熟して滑らかなら良いけど・・」
と、程好い熟を迎えているに違い無い・・と思って開けたムルソーが・・残念ながら「音沙汰無し」の「狸寝入り」状態・・なんてね。
だからそこは半端な熟のムルソーの選択自体が間違っていると気付くべきで、ピュリニーかシャサーニュの村名に行ってれば良かった・・と後悔する羽目になる訳です。
黄色い柑橘と白い果実、フラワリーなアロマがノーズに飛び込み、ピュアさ満開で迎えてくれる素晴らしいシャサーニュです。畑はシャサーニュの村中央下部に有り、密植度も1万4千本以上だそうで・・確実に2017年の出来を上回っています。
このコンシ・デュ・シャンとピュリニーのトランブロ、そしてサン=トーバンのトップ・キュヴェが同価格ですから、選択肢が多く悩み深いですよね。ワインファンとしましてはどうしても、
「ポテンシャル重視!」
の選択をしがちです・・そりゃぁそうです・・感動したいですから・・。
でも、やはりシャサーニュ的な・・ピュリニー的な部分をしっかり感じさせてくれる・・そしてその特徴をそのままに表現してくれるテロワールを、ある程度「バラかして」仕入れておくのも重要でしょう。
このコンシ・デュ・シャンは、2017年までの「ある種の緩さ」は無いです。しかし、シャサーニュ的な「寛大さ」「包容力」はしっかり感じます。ピュリニーより、より白さの際立つ感じだと思ってください。お勧めします!飲んでみて下さい。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】 アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
● 2019 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【これは今飲んでも滅茶美味しい!・・何となく人気薄に感じているピュリニー村名ですが、早めに飲むならアン・ルミイィよりお勧めです!】
濃密さと、ピュリニー的な極楽さ・・しかしそれを否定しようとする「密度の凄み」が交差する、マンモスに美味しいのがこれ・・トランブロです。
レ・トランブロはご存じの通り、超密植のオート・デンシテもリリースしていますんで・・徐々に密植化が進んでいる畑なんですね。なので、その恩恵をそれなりに受けているんじゃないかと思えるほど、
「密度の高さ」
を感じさせてくれます。勿論ですがオート・デンシテほどじゃありませんよ。ほんのりと・・です。でも、ピュリニーの村名ワインを飲み慣れた方なら・・
「・・あれ?・・これ、ピュリニー1級?・・ペリエール・・とか?」
みたいな印象を持たれるかもしれません。・・それでも、この密度の高い感じの味わいは、マッチする対象が見当たらないことに気付くとは思います。
noisy 的にも、93ポイントは確実に付けると思います。そこから加点するのはそこまで多くは無いですが・・1点以内で可能性が有ります・・だって・・
「めっちゃ美味しい・・!」
んですから・・はい。
価格は同じですが、アン・ルミイィと違って飲み始めても良いと思います。落ち着き切ってはいませんが、不安定な要素は非常に少ないです。この年末年始の間に、
「3ケ日を除いて毎日ラミー」
のテイスティングです。ですから、ま~・・キュヴェによる違いがここまで有るかと・・それを覚えて置くのも結構に大変では有るんですね。
リアルワインガイドのテイスティングでも、
「noisyさんは担当ワインは持って帰らないの?」
と聞かれるんですが・・何も問題は無い時はまず持ち帰りません。
「それで良くあれだけ書けるよね」
と言われるんですが・・まぁ・・そこそこは覚えています。
何事も
「結論を出しておく」
「自分の中で一旦整える」
ようにしていまして・・だから何とか・・その対象が目の前に無くても、レヴューが書けるんじゃないかと思います。
それに、その対象が素晴らしいほど、覚えているものなんですね・・だから、もしラミーのこのキュヴェ、トランブロ2019がブラインドで出て来ても、きっと判るんじゃないかと思います。それほどに・・
「ピュリニーをしっかり主張するのに対象の畑が見当たらない・・」
そんなピュリニーは他に無い訳ですから!・・是非飲んでみて下さい。お勧めします。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗っていませんが・・これ、一体どれほどの密植度なんでしょう・・2017年ものを確実に凌駕する凄い密度です!】 ピュリニーとシャサーニュの境界に存在する「レ・トランブロV.V.」です。モンラッシェから真っすぐ下がって来た辺りです。
このレ・トランブロV.V.には、オート・デンシテ表記のあるものと無いものの両方が存在しますんで、間違えないようにしないと大変なことになってしまう訳です。数も価格も全然違いますから・・。2017年ものまでは、それをそのまんま・・そのように思っていました。オート・デンシテは呆れるほどの密度ですから・・。
しかしながら2018年もののレ・トランブロV.V.を飲んで、少しその思いに変化が生じています。いや、勿論ですが間違う訳には行かないので、気を張って発送作業をいたしますが・・。
何故って・・この「オート・デンシテ表記無し」のレ・トランブロV.V.がですね・・物凄いミネラリティの密度なんですね。エージェントさんのテクニカルでは1万1千本/ヘクタールのままでは有りますが、数年間そのまんま・・ですからね。
レ・トランブロの畑は確実に「超密植化」をしている訳です。部分的に毎年増やしているのは間違い無いと思いますが、
「2017年ものとの、余りの密度の違い」
を受け取ってしまっていますので・・
「・・この素晴らしいミネラル感とピュリニー的果実表現の繊細さを見るなら、オート・デンシテまで・・必要なのか?」
と言うような気持ちが生まれて来たんですね。
だって・・滅茶美味しいじゃないですか・・トランブロ。黄色のハッキリした果実は透明なミネラリティでしっかりコーティングされ、滑らかなテクスチュアで味わいの幅もしっとりと拡がって来ます。
余韻も長く・・このレ・トランブロがピュリニー村名で有るなら、他の生産者のピュリニー村名はどんな立ち位置になるのか?・・いや、ラミー2018年を知らなければ、それまでのヒエラルキー構成を保ったままで良いかもしれませんが、知ってしまった以上、そこには何らかのケリを付けておかなければなりません。
ですので、もう・・これは余り言わないようにしようと思っていたんですが、ケリをつけるためにこのようにします。
「テクニカル上は1万1千本/ヘクタールですが、今はおそらく50%近く増えているはず・・と思えるので、ヴィエイユ・ヴィーニュですし、普通のピュリニー村名とは大きく異なる凄いシャルドネ!格はピュリニー1級並み!」
とさせていただきます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗らないトランブロは・・凄い狙い目!?・・これ、もうただ呆れるほどのミネラリティですが!】 写真からも漂ってくるんじゃないでしょうか。確かにピュリニー的なやや黄色目の濃い色合いをしています。しかし、
「ミネラルって・・見えるの?」
と言いたくなるような色合いですよね~。
まぁ、オート・デンシテのトランブロは、安いとは言ってもそれなりの価格はします。ノン・オート・デンシテのトランブロは価格は三分の一程度です。
でも飲んでみたら・・ビックリですよ。このノン・オート・デンシテのトランブロV.V.が一番、ミネラルの密度が凄いことになっているのが判ります。良い意味で使いたいと思いますが、
「バッキバキ!」
です。
要素由来の表情が漏れてくる速度も一番遅い・・です。
ムルソー村の南隣がピュリニー村ですが、このトランブロはシャサーニュとの村境に有ります。バタール=モンラッシェから東に下がってすぐのところの村名です。なので、ムルソー的な・・と言うか、ムルソーの南端に在るレ・シャルムやレ・ペリエールのような大理石風な厳しいミネラリティとも異なる感じです。
それに・・最近は飲めていないので正確には判断しかねますが、ルフレイヴさんちのバタールのような柔らかさを感じさせるものでも有りません。
まぁ、本当に「クリスタル・コーティング」と言いたくなります。しかも、何度も何度も乾かしては塗りを繰り返してクリスタルそのものになってしまったような感じです。
ノン・オート・デンンシテでこれほどまでになって来たと言うことは、一体オート・デンシテはどうなっちゃってるのか?・・と思わざるを得ません・・にしても、
「・・オート・デンシテじゃなくても・・充分かも?」
と言う気さえ、生まれて来ます。
ただしこのキュヴェに関しましては、他の2017年のラミーのシャルドネと異なり、少しだけでも休ませることがさらなるエルヴァージュ(育てること)に繋がっていることは間違い無さそうですので、気に留めておいてくださいね。
まぁ、もしかしたらオート・デンシテ・クラスの葡萄もそれなりに入っているのかもしれません。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】 え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2019 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【いつものように素晴らしいです!・・が、まだ落ち着き切っていないのと・・自然派的なアプローチの結果が出始めている?・・少し休ませてから飲みましょう!】
アン・ルミイィらしい豪放な美味しさ、ピュリニー的果実のブリッとした美味しさを内包しつつ、正にラミー的な豪快な味わいを見せてくれる秀逸な1級畑、「アン・ルミイィ」です。
2018年ものと同様に非常に美味しいです!・・でも2019年はとても良かったんでしょうね・・まだ落ち着いてないです。少し休ませた方がより美味しいと思います。
その上、ラミーの場合は基本、減農薬スタイルでして、一部ビオを取り入れ始めている・・と言うことですが、その「一部」を僅かに感じさせるようなニュアンスを嗅ぎ取りました。そして、
「どうやらこのキュヴェはSo2を減らしているんじゃないか?」
と言うような疑問も・・感じたんですね・・。ラミーのアン・ルミイィらしい「硬質さ」が、少し薄れているように感じた訳です。しかし密度感はそのまま・・と言いますか、確実に上昇しているニュアンスです。
なので、エージェントさんに分析表を見てもらったところ・・どうやら他のキュヴェより(下のキュヴェ)も残存So2の量が少ないことが判りました。
この一件を持って、ラミーがビオに邁進・・と言うことには全くなりませんが、研究熱心で畑仕事をバリバリこなしている訳ですから、より凄いワインにしたい・・と言うような気持ちは人一倍なはず・・なんですね。
ですので、noisy としましては、このアン・ルミイィに軽々な判断はせず、もう少し余裕を持って見たいと思っています。
ただし・・その「自然派的アプローチの部分」を嗅ぎ取れるかどうか?・・は相当に微妙ですよ。なのでほとんど判らないんじゃないかと思います。それほどに「わずか」なもの・・なんですね。
色合いも例年よりも黄色がより強く感じます。美しいニュアンスです。ネットリとしつつ口内に留まる残渣からの「味わい」が物凄いワインです。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【比較対象はバタールかモンラッシェか!?・・大人気のアン・ルミイィ2018年はマンモスミネラリティにひたすら平伏するのみです!】 たまげました・・凄いミネラリティです。総量もさることながら、その気品ある組成にも平伏です。
海外メディアは上値94ポイントでほぼほぼ揃っていますし、素晴らしかった2017年とほぼ同様の評価ですので・・これはちょっといただけませんね。2017年ものが94ポイントであるなら、2018年ものはポテンシャル点として1ポイント以上、加点しないと筋道が通りません。ヴィノスは 2022~2036 の飲み頃を併記していましたが、たかだか18年で萎んで飲めないようなポテンシャルだと見ているなら大きな間違いです。noisy 的にはポテンシャルは96点まで付ける可能性が有ります。今飲んで点を付けるとするなら、クロ・ド・ラシャテニエールの方が全然高いです。
ただもうここまで来ますと、比較対象は確実にグラン・クリュです。地質も距離も近いモンラッシェみたいな味わいですね。
しかしながら、モンラッシェとバタール=モンラッシェの区別は、そんなに簡単なものでは有りません。緊張感漂う筋肉質なものもあれば、芳醇さが出やすく、バターなどのこってりした甘やかさのあるものも・・それぞれに有るからです。勿論ですが、モンラッシェに近いバタールの方が高質な場合が多いと感じていますが・・それすら非常に曖昧で、じゃぁ、バタールの下の方のヴィアンヴィニュやクリオはどうなるのか?・・などの整合性も上手く行かず、一概には言い切れない訳ですね。
ラミーの2018年アン・ルミイィは確実に、「緊張感派」です。筋張った筋骨をマンモスな量のミネラリティが肉になっているような感じです。美味しくは飲めますが・・今は結構に硬めのイメージで、少し緩んで来てからの方が楽しいでしょう。
実際、年末からあれこれ飲んでいますので・・時折アン・ルミイィを今でも口にしています。抜栓後放置して1週間経過してもまったくヘコタレず、徐々に膨大なボディと甘美な果実、蜜を出して来ています。こんなワインは是非とも一日一杯・・飲みたいですね~・・。一日置きでも良いでしょうか・・もし早飲みされるのでしたら、そんな飲み方をお薦めしますが、基本的には、
「他の1級や村名、ブルゴーニュを先に飲み、アン・ルミイィは最低3年放置」
が正しい向かい合い方かと思います。
素晴らしい出来になりました!・・こんなワインが万札1枚でゲットできるなんて・・なんて幸せなんだと思っていただけると思います。ご検討くださいませ!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【ワインファンよりワイン屋が欲しがるのは・・何故?・・見事に真ん丸、真球なパレットを描く超一流のシャルドネです!】 どうやら93~94ポイント位を付けているところが多いようです。ただし「1級アン・ルミイィだから」と言う理由が大きな理由だと思えてなりませんが・・。
因みにこの1級アン・ルミイィと1級クロ・ド・ラ・シャテニエールを比較すると、個性が全く異なることは容易に判りますが、現在の状態を鑑みると、クロ・ド・ラ・シャテニエールをより高く評価するのも理解出来ます。ただし、noisy 的には、現段階ではそうでも、数年経過した頃には、
「タイプは異なるが二つのキュヴェはほぼ同ポイントになるはず」
と感じています。
2D的には真ん丸な、3D的には球体だと言わざるを得ない、見事なパレットを描いてくれます。ムルソー・レ・ペリエール的な蜜のニュアンスと、すぐ近くの・・珠玉のシャルドネ・グラン・クリュ達の要素を少しずつ持っているかのようなニュアンスを感じます。
ある時はクリオのように鈍い光を反射する鉱物のようなニュアンスも漏れてきたり、シャリシャリとしたエレガントな石系の感覚を見せるシュヴァリエのようでも有り、短い感覚でそれらを「チラ見」させては、やや閉じこもったかのような態度を取ります。
呆れるほどのポテンシャルを感じました。2016年までのアン・ルミイィとは、各段の差が存在すると確信しています。しかし、現状で物凄い表情を隠そうとさえしないクロ・ド・ラ・シャテニエールの方が、直近で楽しむには向いているのは間違いないでしょう。
素晴らしい1級が、こんなプライスで買えることが・・まだ有るんだと喜びましょう!是非挑戦してみてください。超お勧めです!
● 2019 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【・・2019年ものはたったの6本の入荷につき、テイスティングは回避するしか有りませんでした。サン=トーバン1級のトップをアン・ルミイィと分け合う凄いシャルドネです。】
どうやら・・エージェントさんにはたったの1ケース?・・なのかな?・・なので、2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールを手に入れるのは非常に困難かと思います。
物凄かった2018年ものは93点止まりで、noisy も呆れて・・
「はぁ?」
なんて書いてしまっていましたが・・まぁ、誰しもテイスターで有れば自身の評価を下げたくないのでしょう・・
「サン=トーバン1級だから・・」
と言う足枷を外すのは難しいんでしょうね。
ですがこの2019年のクロ・ド・ラ・シャテニエールこそ・・noisy は飲みたかったです。そしてその先をしっかりチェックしたかったかな・・と思っています。ラミーの本拠、サン=トーバンの1級畑のトップです。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ライバルはシュヴァリエ=モンラッシェ?・・これ、めっちゃ凄いです!・・すみません・・お一人様1本でお願いします!】 ユベール・ラミーに関しましてはもう・・各取引先のエージェントの担当さんまで、
「・・ラミー・・・譲っていただけないでしょうか・・ちょっと勉強したいんで・・」
とお声掛けいただくほどでして、黙って聞いているとキリが無いので・・
「・・まぁ・・余ったら・・ね・・」
などと言って右から左に受け流そうとする訳ですが、やはり noisy も若い頃は情報を得ることや経験することに飢えていましたし、理解してくれる人の有難さを知っていますので、まぁ・・その分だけは何とか残そうと思っています。ただし、ラミーを供給してくれているオルヴォーの担当さんにまで・・
「・・分けて下さいよ~・・あのキュヴェ、今までずっと飲めてないんですよ~・・」
とせがまれてますんで・・何だかな~・・世の中、変だよなぁ・・と世の無常を感じざるを得ません。
で、クロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018ですが・・シュヴァリエ並みです。「・・きゃ~・・!」です。2017年ものもめっちゃ美味しかったですが・・そこさえ超越しちゃってます。誰が何と言おうと呆れるほどに素晴らしいです。
「海外メディアが93点?・・92点?」
「はぁ?」
です。呆れて物が言えません。
まぁ、クロ・ド・ラ・シャトニエールのV.V.表記無しのキュヴェもリリースしていて、その評価の可能性も無きにしも有らずなので、幻滅したくないので・・そう願いたいですね。なのでティム・アトキン氏とヴィノスの評価は見当違いのようなので掲載しません。
このクロ・ド・ラ・シャトニエールは、アン・ルミイィの北西下部に有り、これも一般的な評価の高い1級畑ですが、所有者が少ないので余り知られてはいません。寿命でアン・ルミイィには及ばず、多彩な表情と若いうちから飲める点でアン・ルミイィを凌ぎます。
そして相対的なバランスの良さはサン=トーバン1級の中でも随一かと思われ、今飲んでも滅茶美味しい!・・最低でも95点は確実です。シャリシャリとした石灰感に果実の繊細な表情が差し込みます。外向的で有り、ミネラリティも半端無い・・これで1級畑だとは恐れ入るしかない・・そう思わせてくれるはずです。
このワイン・・もっと欲しいです・・飲めた方は幸せです!是非飲んでみて下さい!お早めにどうぞ・・あ、
お一人様1本限定です。 P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【凄いです!・・こんなの飲んだら・・他のワインが飛んじゃいます!】 絶品でした~!・・有り得ないです。まぁ、ほとんどのメディアが93ポイントまでしか付けませんが、デカンターのティム・アトキン氏だけは94ポイントでした。
アン・ルミイィとの差は、ポテンシャル的には無いでしょう。でも、余り語り過ぎてもシツコイと思われるかもしれないので、このコラムではこんな経験だけを書かせていただきます。
実際のテイスティングは、この1級クロ・ド・ラ・シャテニエールと1級クロ・デュ・メが一緒でしたので、まずはクロ・デュ・メを先にいただいた訳です。
いつもよりもミネラリティが物凄く、確実にジャンプ・アップしたクロ・デュメの、太くどっしりと構えた構造からの全域への豊かな味わいに、全ての味蕾や鼻の粘膜細胞までが満たされた感覚でした。
そして次にクロ・ド・ラ・シャテニエールを注ぎ・・そのグラスへ鼻を近づけると・・思わず、「うわっ!」と声が出ました。クロ・デュ・メの要素で満たされた感覚のところへ、クロ・ド・ラ・シャテニエールを一口すすると・・クロ・ド・ラ・シャテニエールはそれまでのクロ・デュ・メの残像を左右に押し分けて入って来て、全ての感覚器官をクロ・ド・ラ・シャテニエールの表情で上書きしてしまいました。
超高域まで、どこまで行ってしまうのか?と心配になるほどの縦構造で、完全に人間の感覚を超えるほどの要素の振る舞いでした。呆気に取られてしまう・・凄いシャルドネです。
申し訳ございませんが、数が無いので、こちらはお一人様1本とさせていただきます。是非ご検討くださいませ!。
● 2019 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【たったの6本・・の入荷です。】
すみません・・これは飲むのを回避してしまいました。2019年のユベール・ラミーはキュヴェにより結構に少ないものが散見されまして、この1級のマシュレルもその一つです。
ですが・・この2~3年の間に大きく成長しているキュヴェですので・・きっと密植化を順調に伸ばしているはずでして、その影響こそがその成長の結果だと考えています。
ただし、1級クラスは軒並み・・
「まだ落ち着いていない」
と判断していますので、少なくともこの春、温かくなってくるまでは開けないようにされた方が無難かと思います。
また海外メディアの評価も探したんですが、ジャスパー・モリス氏の93ポイントしか見当たりませんでした。少なくて飲めないメディアも有ったのでしょうか・・それともそれを掲載しているショップさんに割り当てが行っていないので、noisy が見つけられないのかもしれません。
いずれにしましても、希少なシャサーニュ1級です。ご検討いただけましたら幸いです。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいです!・・繊細かつ気品ある素晴らしい表情・・滅茶細やかなミネラリティ、石、煙、果実・・ぞっこんです!】 いや~・・素晴らしい・・ちょっと別格ですね・・。
2017年ものは「飲みやすさ」にまで言及してますからそんな側面も有ったはずです。
しかし・・2018年ものは半端無いです!膨大なミネラリティに隠れてしまうはずの非常に繊細で美しい表情が、アロマにも、味わいにも表れて来ています。
そしてその表情の素晴らしさにグラスを放置して放心してしまう・・そんなことが起きかねないほどにポテンシャルの高い味わいを見せてくれます。
マシュレルは、かの「レ・ヴェルジェ」の下部にある1級畑ですが、多くのレ・ヴェルジェは単純だ・・とさえ思いこんでしまうそうになりますので・・ちょっと危険でさえありますよ。
実際、テイスティングの残りを店に持って来ていたので、数人の方(車じゃない方・・ですよ)にテイスティングしていただきましたが、いや~・・面白かったですね~・・みんな、黙りこくっちゃったんですよね・・。なので、何か話しかけようと・・
「んと・・これ、約1週間、テーブルの上に放置してたのを持ってきたのね・・」
などと言ってしまったら・・さらに黙ってしまって・・
「・・あ、ごめん、まだこのキュヴェは販売できないんだけど・・」
なんて・・ね。
なので、早めに入れていたA.C.ブルのシャタイネールをお持ち帰りいただきました。
そして同じく1級のレ・ショーメも凄いですが、レ・ショーメは豊満なスタイルで、こちらは繊細・・いや、面白いですよ。それに密植度もだいぶ進んでいると思います。あ、メディア評価は無視してください。最大95+ポイントまでは有ります。是非飲んでみて下さい。凄い旨いです!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!!アドヴォケイトは90~92pointsだそうですが・・そんなもんじゃ無いでしょう!】 ようやっと飲むことができたレ・マシュレルです。2016年はリリースさえ無かったはずです。
この畑はシャサーニュの北側、1級レ・ヴェルジェの東に接しています。勿論、ル・モンラッシェも近いですよ。
アドヴォケイトは「最も飲みやすい2017年のラミーのキュヴェ」と評価し、90~92ポイント付けています。外れですね。最も飲みやすいかどうかは人に寄るので判らないとしても、一見ではとても計り知れないポテンシャルを持っていると感じます。
実はこのコラム、一回書き上げたんですが・・Windows のエラーでおじゃん になってしまいました。なので、かなり凹んでいます。
ですので、文字そのものは少なくなってしまったんですが、
「相当凄い!」
のは間違いないです。
「2017年のラミーの中で最も飲みやすいキュヴェ」って・・もっとポテンシャルに言及しないとディスっているだけのように見えちゃいますから・・決してそう言うことでは無いと思ってくださいね。素晴らしい、シャサーニュ1級です!・・長くも持ちますよ。物凄い、理解を超えたようなミネラリティが有ります。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】 少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
● 2019 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【ついに・・来ました!95点超え!】
他のメディアの評価は何故か見つけることが出来ませんでしたが、ジャスパー・モリスさんの評価だけ見当たりました。
2018年まで94ポイント止まり・・それがようやく95ポイントと、新たな領域へと入って来ました。
いずれこのキュヴェはオート・デンシテを名乗るようになるはずですから、毎年のようにこのキュヴェを楽しみにしていらっしゃることと思います。実際非常に・・そのような方は多いです。
ですが・・2019年ものはたったの・・
「12本だけ」
の入荷でした。しかも・・
「1本テイスティングしてしまった」
ので、11本しかありません。なので申し訳ありませんが、
「お一人様1本限定」
とさせていただきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、このレ・ショーメもサン=トーバン1級アン・ルミイィと同様に・・
「まだ完全には落ち着いていない」
のと、
「自然派的なアプローチが透けて見える」
部分が有ります。
ですので、出来ましたら少なくとも暖かくなるまでは手を出さない方が良いです。それに、
「2018年までのこのキュヴェを飲まれた方ならなおさら!」
だと感じます。
柔らかさを含んだ見事な味わいですが、2018年までのゴリゴリと押し寄せるラミー感は薄らいでいます。なので・・落ち着くまで待ってくださいね!・・この辺の意味がお判りになられる方向きの素晴らしい1級です。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!・・さすがプティ・オート・デンシテ2万本/ヘクタール!・・しかもバランスも素晴らしい・・圧巻です!】 もう、このキュヴェを狙っていらっしゃる方は多いと思いますので、多くを言わなくても良いかと。味わいはもう、通常のシャサーニュ1級では有り得ませんし、しかも、
「常にこっちを向いてくれている」
かのような包容力も持ち合わせています。
それでもやはり2018年ものは2017年ものを凌駕しています。まさに「圧巻」です。海外メディアの評価が94ポイント止まりなのが全く解せません。このところ調子の良かったティム・アトキン氏も92ポイントで、これも却下です。
やはり美味しいものは「さっさと無くなる」のが常でして、勿論店頭でもそうですし、家庭内でも・・そうなんですね。なので、
「減りが早い」
のが残念なところで、1週間くらい、お付き合いしたいなぁ・・と思っていても、超絶にバランスが良いので、ついつい飲んでしまうんですよね。
しかしそんな状況でも、情報量の多さと豊かさの中にある繊細さにクラクラさせられてしまう訳です。
価格は異なりますが、1級のマシュレルとは、同じく1級畑のレ・ヴェルジェを挟んで西側上部にある畑です。通常は上部の方が繊細な性質になりますが、モンラッシェの南側すそ野辺りは微妙に異なるようです。
ですので、「豊かなレ・ショーメ」と「超繊細なレ・マシュレル」と言う比較も楽しいかと思いますよ。・・いや、相当簡単に言っちゃってますが、物凄くレベルの高いワインです。ご検討いただけましたら幸いです。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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いや~・・1月23日(木)の新着を楽しみにされていらした方には本当に申し訳ありませんでした。急なサーバートラブルに巻き込まれまして、
「新着記事を書いている場合じゃない!」
と言うような状況になっておりました。現在は復旧しています。まぁ、新着が出るだろうと待ち構えていらしても、サーバーが不安定だったと思うんですね。大変なご迷惑をお掛けしました。こちらももう・・気が気じゃ無かったですが・・。こんな時に備えて色々と手は打ってあるにせよ、その手を打てる状態でも無いとなると、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。
葡萄造りもきっと似たようなことが起きるでしょう。やはり経験がものを言う世界でも有りますから、先達たちの教えも重要です。かといって、自身で考える、感じる、想像してトライすると言ったことを止めてしまうようなアクションを与えるのは、また出過ぎたことになってしまいます。
今や誰も行っていない、三万本の超密植キュヴェをリリースするラミー家ですが、25~35cm 間隔で樹が植わっているとなると・・これはもう、想像を絶する世界です。元々は90 ~ 100cm 位の間隔で植わっているその間に、2本ほどの樹を植えるとしても、表土に張った根を処理することを考えると途方もない作業であるし、またその樹が充分に育つまでの長い時間を考えると、
「・・やってられないよ~・・」
と言うことになるのが普通です。もしくはすべての樹を一度抜いて、等間隔で植えなおすなんて・・考えただけで頭がおかしくなりそうです。
この1級レ・ショーメですが、オート・デンシテを名乗らないキュヴェの中ではトップ・キュヴェの一つです。
以前に2万本/hと言うアナウンスが有りましたが、おそらくもう・・その情報は古いでしょう。口に含むと・・
「物凄い密度からの解放圧力!」 に圧倒されてしまいますよ。
透明感の凄いミネラリティは、おそらく何層かに分かれているようにも感じられます。・・え~・・「玉ねぎ状態」でしょうか。
その一番外側の層に、僅かな亀裂みたいなものを生むのが「時」です。気品みたいなものが漏れて来ます。
次いで・・柑橘果実です。ドライなのに甘い・・(^^;;ネットリなのに・・スッキリです。その余韻がまた・・何とも素晴らしく長いんですね。
やはりこのように素晴らしいシャルドネには、濃い味わいのお料理もこなせてしまうポテンシャルが有るとしても、決して素材の持ち味を調味料で埋めつくさない程度の味付けでいただくのが良いと感じさせられました。
やはりこのレ・ショーメに感動した!・・とおっしゃるお客様は多いですね。意外にも若くても飲めてしまうんですよね。・・いや、勿論ですが、運悪く硬いバイオリズムの時も有るでしょう。それでも「玉ねぎ」ですから・・。一枚剥きさえすれば何とかなる部分も有るかと思います。
この素晴らしい2017年レ・ショーメは、記念すべきワインになっている可能性は大です。アドヴォケイトは90~92のようです・・思わず笑っちゃいました。やっつけ仕事はワイン屋だけじゃなかった・・メディアも同じですね。是非ともこのワイン、飲んで見てください。お宝だと思います!滅茶苦茶安いと思います!・・勿論ですが、今は「少しずつ表情を見せてくれる」に留まりますが、
「密度が生んだ迫力から漂う気品!」
で美味しくいただけるはずです。
● 2019 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】--以前のレヴューです。
希少過ぎてnoisy も中々飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2019 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】---以前のレヴューです。
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2019 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【ついにアドヴォケイトも上値99ポイント!・・と言うことは・・これを上回るシャルドネはもはや存在するのかしないのか?・・と言うレベルの評価です。】
現在は以前のように決してアドヴォケイトの評価が支配しているような状況ではありませんが、それでもアドヴォケイトの評価が高いと価格が上がり、人気も爆上がりすることには余り変わらないように思います。
2010年頃、もしくはそれ以前のユベール・ラミーのワインしか知らない人にとっては、
「ユベール・ラミー・・・?硬くて酸っぱいワインだったよね・・」
位の印象しか持たれていないでしょう。
そんな方には2019年のラミーのA.C.ブル、シャタイネールを味見していただけましたら・・
「・・クリオ=バタール!・・飲んでみたい!」
と、コロッと心象を変化させてしまうのは・・noisy には判り切ったことです。
ただし・・評価としましてはここまで来てしまうと、価格も爆上がりしてしまいますから、
「・・たった10年もしないうちに本当に飲めないワインになってしまった・・」
のには変わりありません。
この辺りのワインを購入出来、飲める方は多くは無いと思いますが、シャルドネの最高峰の一つであるD.R.C.の2018年モンラッシェを、ジャスパー・モリス氏は94~97ポイントとしていますので、彼の中では、
「D.R.C.の2018モンラッシェよりラミーの2019年のクリオ=バタールの方が上。」
と言うことになっちゃいますね。
もっともD.R.C.2019年モンラッシェはリリース前ですので、下値96ポイント以上、上値100ポイント以上・・??を付けない限りクリオ=バタールをうっちゃることが出来ないと言う状況です・・が、きっとD.R.Cは満点・・行くんじゃないかとも思っています。
この辺の争い?・・も面白いですが、このレベルになってきますと本当に好みの世界だと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【アドヴォケイト上値98ポイントも、ついに10万円オーバーになってしまいました・・】 以前は数万円で購入できたクリオ=バタール・オート・デンシテですが、2018年ものはアドヴォケイト98ポイント、上代14万円になってしまいました。・・厳しいなぁ・・
なので、本来はもっと高く付けたいんですが、もうギリギリまで粘って・・こんなプライスです。開けて飲んで経費使って・・厳しいなぁ・・ホント、辛いところです。
あれだけ卓越した評価をしていたティム・アトキン氏ですが、なんでしょうね・・noisy がテイスティング出来たクラスですら、
「・・ん?・・マジすか?・・どうしちゃったの?」
と思えるような評価評点を出していました。明らかに変で、ちょっと心配ですね。
最も、このクラスのワインをさっさと開けてしまう方は、そうはいらっしゃらないかと思いますので・・どんなに少なくとも5年は待ちましょうね。ご検討くださいませ。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。(未確認ですがアドヴォケイトは96-98Pointsのようです。)】 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2018 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【もの凄いシャルドネです!圧巻!】
いや~・・2018年もののユベール・ラミーのテイスティングは2020年12月末から始めました。
何せ14~15アイテムのテイスティングですから、毎日1本だと年末年始の休業中に終わらない訳でして、しかも何かの間違いで、テイスティング分にピノ・ノワール4アイテムが入っていないミスが有りましたので、身動きが取れない自粛中のお食事には・・
「マグロでラミー」
「寿司でラミー」
「牛肉でラミー」
「ジンギスカンでラミー」
「たこ焼きでラミー」
・・・あと・・何だったっけ?
と言うほど、ラミーの各シャルドネと対峙させていただき、ラミー2018年が持つ「輝き」が本物かどうかを身に染みて感じさせていただきました。
また、4日から営業を開始したエージェントさんには赤が届いていない旨を伝え、早速送っていただきましたので、1月7日までの休業中には終わりませんでしたが、これまた物凄いピノ・ノワールと対談させていただきました・・?
のっけからこれですから・・・まともな言葉が出ません。
「・・・うお~・・っ・・」
やられてしまいました。
やはり、穏やかで流れるような優しい味わいが流行っているとは言え、やはり本格派はもう・・存在感が違います。
「ラミーはもう別格!」
です。
noisy が初めてコシュ=デュリのワインに触れたのは・・どうでしょうか・・もう相当に昔のことで、30年は経っているかと思いますが、本当に衝撃的な味わいでした。
煌めく酸がキラキラ・・そして時にギラっと、まるで口の中で花火に点火させたかのような衝撃と、口蓋を押し広げて、もっと感じさせようとしているかの如くの振る舞いに・・
「・・これがコシュ=デュリか・・」
と。
それなりに長くテイスティングを続けているユベール・ラミーですから・・今まで一体どれほど費やしたか・・と思えるほどでは有りますが、そんなnoisyを、
「(・・うわ~・・うぉ~・・っ)」
と言葉を詰まらせるほど、酸の煌めきと体格、構成の大きさと、ミネラリティの質と量、そして品格が襲って来た訳です。
もはやユベール・ラミーは「シャルドネの名手」に留まらず、「ブルゴーニュのトップ」に君臨すると感じさせてくれました。2017年も美味しかったに凄かったですが、2018年ものは・・2017年を「ぶっちぎりで置き去り」です。
コシュ=デュリのワインは、余りの美味しさと・・余りの値上がりのキツサに、
「コシュ=デュリはアリゴテで充分!」
などと散々言って来た訳ですが、ハッキリ言ってそのレベルです。
なので、「超密植だから・・」とか、「樹齢が・・」では無い。
「ラミーだから」 もうそれだけで良い・・充分だと思います。
「ラミーを知らずにブルゴーニュを語れない!」
そう思わせてくれる凄いシャルドネです。飲んでみて下さい。飲まずにはいられない・・いや、飲まなくてはいけない1本です。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
● 2018 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【凄いです!村名クラスの味わいを超越しています!】
向かうところ敵無し!・・は間違い無いでしょう。価格的にも、そして勿論、アペラシオン的にも・・です。
超有名な「禿山」、モン=ラッシェの西側に存在するのがサン=トーバンです。東側にはピュリニー=モンラッシェとシャサーニュ=モンラッシェが有り、PK氏いわく、
「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」
と揶揄されたのがサン=トーバンです。
しかしながら昨今の温暖化の性でしょうか、それまで日照に問題が有るとされてきたサン=トーバンのシャルドネにとっては、
「実に都合の良い状況」
になっているのかもしれません。
ラ・プランセ2018年は、正に劇的です。ラミーの上級の1級クラスを飲まないなら、そして素直にこのポテンシャルを理解できるなら、
「1級クラス並み!」
のポテンシャルを自然に受け入れ、そう思われるに違い無いでしょう。
そしてユベール・ラミーらしい膨大なミネラリティと球体を思わせる酸バランスと酸の総量、その結果としての滑らかなテクスチュアと構成の大きさ、品格に、
「これがユベール・ラミーなのか・・」
と、自身の記憶に植えつけられることになるのでしょう。
さらには、
「ブルゴーニュワインが発展伸長し、大きな存在になって行く・・その限界はまだ来ていなかった!」
と・・このモンラッシェの裏側の村名ワインが教えてくれるのです。なんて素敵なことでしょうか!
これが「貧乏人のピュリニー=モンラッシェ」だとするなら、ほとんどのピュリニー=モンラッシェはミネラル不足になってしまいますし、きっとそれは近未来の果実表現だけに頼った「だるい」味わいを意図した揶揄に過ぎないと気付かれるでしょう。
滅茶美味しいです!感動的です!是非飲んでみて下さい。お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶美味しいです!繊細系の緊張感漂う見事な味わい!複数の畑をブレンドした、ラミーが思うサン=トーバンを表現・具現化した出来でしょう!】 いや~・・素晴らしいです。縦伸び系の見事な構造です。
実は・・間違えちゃいまして、このプランセ、2本も開けちゃったんですね・・数が無いのに!
重量級の味わいでは無く、少しエレガント系に振った味わいです。まぁ、アン・ルミイィを少し細身に、小振りにした感じかと思ってくださって良いかと思います。
「ん?・・アン・ルミイィって重量級じゃないの?」
と思われますが、重さで言ったら「クロ・デュ・メ」の方が重量感有りますよ。バランスで言うとトップはアン・ルミイィです。縦伸びの物凄さで言ったらクロ・ド・ラ・シャトニエールです(・・これ、飲んだらきっとぶっ飛びますよ・・)。
細やかな、ややハイトーンなミネラリティから滲むような白っぽい石灰感が心地良く、鈍重にならない、やや高域にバランスを振ったような先調子の感じです。
2016年までも美味しかったんですが、もう・・2017年ものは別物と言って良いかと。
実は、2本も開けたんですが、結構に印象が異なるんですね。1本目は届いて翌日位から開けたんですが、結構、バッキバキに硬質で閉じた感じがしていました。2本目はそれから3日後でしたが、滅茶開いた感じで・・凄い旨いんですよ・・エレガントで。
ですので、ミネラリティの癖なのかと思いますんで、届いてすぐでは無く、少なくとも3~4日は休息させてくださいね。ラミー2017年の物凄い世界が待ってます。
「わお!」
と思わず声が出て欲しいな・・と。お勧めします!
● 2018 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【繊細な表現が堪らない!・・しかし、2017年までのフリオンヌとは劇的に大きさが違います!素晴らしいです!】
いや~・・お判りになるでしょうか・・。お正月を迎えるもので、自宅のテーブルの上の白い敷物を、いつの間にか「取っ払われて」いまして・・写真の比較としますと・・また色合いを見る意味でも、「白いもののバック」が無いのが申し訳ないです。
しかしながらヨクヨク写真を見てみますと、noisy が意図していなかったにせよ、
「何となく白っぽさの見える液体」
に映って見えないでしょうか?
そうなんですね・・ちょっとピュリニーにコルシャルが混じったようなニュアンスが元々から感じられるのがこの「レ・フリオンヌ」でして・・なので若いうちにはかなり、
「エレガント系」
なんですよ。むしろ、ラミーのサン=トーバンの中では最も軽量級に・・軽やかに感じられる訳です。
しかしながら構成自体は相当に大きいです。深い・・と言って良いかもしれませんし、短い周波数を持つ細やかなアロマが味わいから漂ってくるんですね。繊細だと言って良いかもしれません。
そして熟により徐々にその繊細さは極められ、縦伸び系の味わいが完成されると思います。
因みにこのレ・フリオンヌ2018年は、多くのメディアが上値93ポイントでほぼ一致しています。noisy的にも同意見ですが、プラス0.5~1ポイントと評価すると思います。なので、このワインに関しての海外メディアの評価はほぼ妥当なものだと言えるでしょう。さらに因むと、2017年ものレ・フリオンヌの最高評価は92ポイントだったようですので、多くのメディア評価は2018年ものがさらにポテンシャルを高めたと、認めているものなのでしょう。
また、この「レ・フリオンヌ」は生産量が少なく見つけることは結構困難なキュヴェでもあり、ラミーのサン=トーバンのキュヴェが持つ「多様性」の一翼をしっかり担っているワインだと思います。他のサン=トーバンには無い表情が見て取れます。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!旨いです!
以下は以前のレヴューです。
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【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】 サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
● 2018 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【ムルソー的なゆったり感のクロ・デュ・メはムルソー1級に比類する素晴らしい密度を手に入れ、しかも外向的で無茶苦茶美味しいです!】
レ・フリオンヌが天女の羽衣を纏った女性なら、クロ・デュ・メは甲冑を身に着けた中世の騎士かもしれません。どこまでも・・天にも届けとばかりに縦伸びするレ・フリオンヌと、重厚且つ優しい姿をも見せるクロ・デュ・メは、サン=トーバンの1級畑が持つ姿の両極です。
しかもクロ・デュ・メは、2017年ものまでは・・悪い言い方をするのなら、どこか「緩さ」をも感じさせてくれたものですが・・いや、その「おおらかさ」こそが実は難しい表現ですから・・緩いと言うのは本当に失礼であるとしても、
「2018年ものにそんなネガティヴな方向にも捉えられそうな表情は皆無!」
になったと断言します。
例えば、ムルソーの準1級の村中央上部の畑は、厳しいミネラリティをしっかり表情に出して来ます。ヴォルネイに近いムルソー村名、準1級畑ものは、厳しいミネラリティと粘度由来のネットリとした表情が有ります。そしてムルソーの1級畑ものは、そんなそれぞれのミネラリティを礎にした上で、それぞれ独特な表情を見せてくれますよね。
まるでムルソー=サントノ的な表情なんですね・・いや、もう少しソリッドでタイトかもしれませんが、品格、フィネスは相通じるものを感じますし、そこにピュリニー的な豪奢なニュアンスが入った感じ・・がピッタリかもしれません。
2017年もののおおらかさは2018年もので精緻になり、より大柄になっています。海外メディアでちゃんと評価できたのはティム・アトキン氏だけ・・でしょう。ヴィノスも2017年ものの91ポイントからは1ポイント積み上げてはいます。noisy 的には上値93+ポイントです。
まぁ・・ここまで素晴らしいとなりますと、どうしても「素晴らしい!」の連発になってしまいまして、かなり気が引けるのですが仕方がありません。縦方向の伸びが素晴らしいレ・フリオンヌと、横方向に伸びて行くクロ・デュメ・・・是非セットでお楽しみいただけますと、これまた非常に面白いかと思います。是非飲んでみて下さい!超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【2017年ものクロ・デュ・メは、滅茶苦茶美味しいムルソー準1級畑に酷似!パワフルで横への拡がりも有る、いつ飲んでも行けるタイプです!】 皆さんはそうでもないかもしれませんが、noisy的には非常に評価の高いクロ・デュ・メです。
2016年ものはピュリニー1級・・なんて書いてますね。2017年ものはムルソーの準1級か1級か・・です。ムルソーの中央上部の準一級、ナルヴォーとか、1級のポリュゾとか、その辺りの感覚です。
レ・ペリエールの持つ蜜のニュアンスを僅かに緩くしたような感じも有り、真ん丸なパレットから微細な表情が滲んで来ます。2016年も単純に美味しかったんですが、そんな部分の延長も感じるとしても、もう、かなり格上感が有ります。伸長率が半端無いんですね。
57ミリも有る長いコルクを抜くと、待ってましたとばかりに粘っこいエキスからアロマが飛び出して来ます。マッタリとしつつ適度に拡がってくれるのは今までと変わらないですが、質感がね・・素晴らしいんですよ。比較にならないほど素晴らしい。
この、どちらかと言うとパワフル系のクロ・デュ・メと一緒に飲んだのが1級「クロ・ド・ラ・シャテニエール」です。余りに異なるスタイルで、これ、感動ものでした!
まず間違いの無い選択になると思います。皆さんも好きなタイプでしょう。超お勧めします!
● 2018 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【ジャスパー・モリス氏もこのデリエール・シェ・エドゥワールには敏感に反応して・・なんと96点!・・ま、判りますけどね。】
モンラッシェ並みの味わいを見せる凄いワインでした。細かいことを言えば・・トップクラスの出来のモンラッシェには僅かに届かないかもしれないとは思っています。並みのものなら超えているかもしれません。
緊張感の溢れる繊細で鉱物的な素晴らしい味わいです。複雑性も見事で、何よりも「相当な緻密さ」を感じさせてくれるので・・モンラッシェなどと引き合いに出したくなってしまう訳ですね。
で、ジャスパー・モリスさんが異常に反応しています。上値で96ポイントです・・って、グラン・クリュ並みの評価じゃ無いですか!・・noisy は95+ポイントが上限だと見ていましたので、このキュヴェにはジャスパーさんの方が高く買っている訳ですね。
どうやらジャスパーさんはこのキュヴェの成り立ちを良~くご存じのようでして、その辺りも評価に出ているのかもしれません。
何せ、収穫を熟度によって数日に分け、それぞれに醸造したようです。決して広い畑では無いんですが・・もう、オリヴィエのやっていることは他人には理解出来ないのでしょう・・想像の範囲を超えての葡萄造り、ワイン造りなんですね。
noisy の場合は、別に畑を見ている訳でも無し、情報を得てから飲んでいる訳でも無し、現物を飲んで想像して整理、それからテクニカルを見たり、色々する訳でして・・「現物主義」です。なので、余計な情報は前以ては入れないようにしています。
ですがこのデリエール・シェ・エドゥワール2018年は半端無い・・サン=トーバン1級のクロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018年も物凄いし、アン・ルミイィの筋金入りの存在感も呆れるほど・・なので、この辺りはほとんど同じポイント評価です。
味わいにつきましては2017年を確実に超えていますが、そのスタイル自体は変化無しです。数はご用意できないので、是非お早めにゲットしてください。超お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【げげっ・・これでオート=デンシテじゃないの?!】 写真って・・本当に難しいですね。そして面白い結果を見せてくれます。
何年にも渡ってこのデリエール・シェ・エドゥワールの写真を撮り続けていますが・・
「何故かこの写真は露出が必ず低めになってしまい、暗めな画像になる」
のがお判りでしょうか。他のキュヴェでも有りますが、デリエール・シェ・エドゥワールほどでは有りません。2017年のこの写真は色合いは弄っていないはずです。
僅かに揺れている感じの液体のトロミ、もしくは影みたいな感じが見えるでしょうか?・・これはタンパク結合では有りません。そしてトロミも実際は全く有りません。きっとミネラリティの多さ、密度が映り込んだ感じなんじゃないかと思います。
ま~・・たまげました。
「きゃ~・・やっちまったか!・・間違えてオート・デンシテ、開けたか??」
です。
ほぼ今までに有り得ない感覚でした。D.R.C.のモンラッシェでもここまでは無かった・・。近かったのはラフォンのモンラッシェ。そんなミネラリティの総量感覚です。
「これ、オート・デンシテじゃないんだとしたら・・オート・デンシテは・・どんだけ~!?」
と叫びたくなってしまいました。
ただし、このデリエール・シェ・エドゥワールの一部はすでにオート・デンシテをリリースしていますよね?・・ラミー側からは、どこの畑をどれだけ密植したかの変更報告は余り無いそうです。
なので、もう相当にオート・デンシテ状態になっているデリエール・シェ・エドゥワールが、これまた相当量、含まれたキュヴェ・・と言うことじゃないでしょうか?
そうでなければ・・理解不能です。呆れんばかりの密度・・それでお酒が一杯飲めてしまいますよ!・・もう溜息しか出てこないデリエール・シェ・エドゥワールでした!・・飲みましょう!、これは!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】 ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2018 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ライバルはシュヴァリエ=モンラッシェ?・・これ、めっちゃ凄いです!・・すみません・・お一人様1本でお願いします!】
ユベール・ラミーに関しましてはもう・・各取引先のエージェントの担当さんまで、
「・・ラミー・・・譲っていただけないでしょうか・・ちょっと勉強したいんで・・」
とお声掛けいただくほどでして、黙って聞いているとキリが無いので・・
「・・まぁ・・余ったら・・ね・・」
などと言って右から左に受け流そうとする訳ですが、やはり noisy も若い頃は情報を得ることや経験することに飢えていましたし、理解してくれる人の有難さを知っていますので、まぁ・・その分だけは何とか残そうと思っています。ただし、ラミーを供給してくれているオルヴォーの担当さんにまで・・
「・・分けて下さいよ~・・あのキュヴェ、今までずっと飲めてないんですよ~・・」
とせがまれてますんで・・何だかな~・・世の中、変だよなぁ・・と世の無常を感じざるを得ません。
で、クロ・ド・ラ・シャトニエールV.V.2018ですが・・シュヴァリエ並みです。「・・きゃ~・・!」です。2017年ものもめっちゃ美味しかったですが・・そこさえ超越しちゃってます。誰が何と言おうと呆れるほどに素晴らしいです。
「海外メディアが93点?・・92点?」
「はぁ?」
です。呆れて物が言えません。
まぁ、クロ・ド・ラ・シャトニエールのV.V.表記無しのキュヴェもリリースしていて、その評価の可能性も無きにしも有らずなので、幻滅したくないので・・そう願いたいですね。なのでティム・アトキン氏とヴィノスの評価は見当違いのようなので掲載しません。
このクロ・ド・ラ・シャトニエールは、アン・ルミイィの北西下部に有り、これも一般的な評価の高い1級畑ですが、所有者が少ないので余り知られてはいません。寿命でアン・ルミイィには及ばず、多彩な表情と若いうちから飲める点でアン・ルミイィを凌ぎます。
そして相対的なバランスの良さはサン=トーバン1級の中でも随一かと思われ、今飲んでも滅茶美味しい!・・最低でも95点は確実です。シャリシャリとした石灰感に果実の繊細な表情が差し込みます。外向的で有り、ミネラリティも半端無い・・これで1級畑だとは恐れ入るしかない・・そう思わせてくれるはずです。
このワイン・・もっと欲しいです・・飲めた方は幸せです!是非飲んでみて下さい!お早めにどうぞ・・あ、
お一人様1本限定です。 P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【凄いです!・・こんなの飲んだら・・他のワインが飛んじゃいます!】 絶品でした~!・・有り得ないです。まぁ、ほとんどのメディアが93ポイントまでしか付けませんが、デカンターのティム・アトキン氏だけは94ポイントでした。
アン・ルミイィとの差は、ポテンシャル的には無いでしょう。でも、余り語り過ぎてもシツコイと思われるかもしれないので、このコラムではこんな経験だけを書かせていただきます。
実際のテイスティングは、この1級クロ・ド・ラ・シャテニエールと1級クロ・デュ・メが一緒でしたので、まずはクロ・デュ・メを先にいただいた訳です。
いつもよりもミネラリティが物凄く、確実にジャンプ・アップしたクロ・デュメの、太くどっしりと構えた構造からの全域への豊かな味わいに、全ての味蕾や鼻の粘膜細胞までが満たされた感覚でした。
そして次にクロ・ド・ラ・シャテニエールを注ぎ・・そのグラスへ鼻を近づけると・・思わず、「うわっ!」と声が出ました。クロ・デュ・メの要素で満たされた感覚のところへ、クロ・ド・ラ・シャテニエールを一口すすると・・クロ・ド・ラ・シャテニエールはそれまでのクロ・デュ・メの残像を左右に押し分けて入って来て、全ての感覚器官をクロ・ド・ラ・シャテニエールの表情で上書きしてしまいました。
超高域まで、どこまで行ってしまうのか?と心配になるほどの縦構造で、完全に人間の感覚を超えるほどの要素の振る舞いでした。呆気に取られてしまう・・凄いシャルドネです。
申し訳ございませんが、数が無いので、こちらはお一人様1本とさせていただきます。是非ご検討くださいませ!。
● 2018 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【比較対象はバタールかモンラッシェか!?・・大人気のアン・ルミイィ2018年はマンモスミネラリティにひたすら平伏するのみです!】
たまげました・・凄いミネラリティです。総量もさることながら、その気品ある組成にも平伏です。
海外メディアは上値94ポイントでほぼほぼ揃っていますし、素晴らしかった2017年とほぼ同様の評価ですので・・これはちょっといただけませんね。2017年ものが94ポイントであるなら、2018年ものはポテンシャル点として1ポイント以上、加点しないと筋道が通りません。ヴィノスは 2022~2036 の飲み頃を併記していましたが、たかだか18年で萎んで飲めないようなポテンシャルだと見ているなら大きな間違いです。noisy 的にはポテンシャルは96点まで付ける可能性が有ります。今飲んで点を付けるとするなら、クロ・ド・ラシャテニエールの方が全然高いです。
ただもうここまで来ますと、比較対象は確実にグラン・クリュです。地質も距離も近いモンラッシェみたいな味わいですね。
しかしながら、モンラッシェとバタール=モンラッシェの区別は、そんなに簡単なものでは有りません。緊張感漂う筋肉質なものもあれば、芳醇さが出やすく、バターなどのこってりした甘やかさのあるものも・・それぞれに有るからです。勿論ですが、モンラッシェに近いバタールの方が高質な場合が多いと感じていますが・・それすら非常に曖昧で、じゃぁ、バタールの下の方のヴィアンヴィニュやクリオはどうなるのか?・・などの整合性も上手く行かず、一概には言い切れない訳ですね。
ラミーの2018年アン・ルミイィは確実に、「緊張感派」です。筋張った筋骨をマンモスな量のミネラリティが肉になっているような感じです。美味しくは飲めますが・・今は結構に硬めのイメージで、少し緩んで来てからの方が楽しいでしょう。
実際、年末からあれこれ飲んでいますので・・時折アン・ルミイィを今でも口にしています。抜栓後放置して1週間経過してもまったくヘコタレず、徐々に膨大なボディと甘美な果実、蜜を出して来ています。こんなワインは是非とも一日一杯・・飲みたいですね~・・。一日置きでも良いでしょうか・・もし早飲みされるのでしたら、そんな飲み方をお薦めしますが、基本的には、
「他の1級や村名、ブルゴーニュを先に飲み、アン・ルミイィは最低3年放置」
が正しい向かい合い方かと思います。
素晴らしい出来になりました!・・こんなワインが万札1枚でゲットできるなんて・・なんて幸せなんだと思っていただけると思います。ご検討くださいませ!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【ワインファンよりワイン屋が欲しがるのは・・何故?・・見事に真ん丸、真球なパレットを描く超一流のシャルドネです!】 どうやら93~94ポイント位を付けているところが多いようです。ただし「1級アン・ルミイィだから」と言う理由が大きな理由だと思えてなりませんが・・。
因みにこの1級アン・ルミイィと1級クロ・ド・ラ・シャテニエールを比較すると、個性が全く異なることは容易に判りますが、現在の状態を鑑みると、クロ・ド・ラ・シャテニエールをより高く評価するのも理解出来ます。ただし、noisy 的には、現段階ではそうでも、数年経過した頃には、
「タイプは異なるが二つのキュヴェはほぼ同ポイントになるはず」
と感じています。
2D的には真ん丸な、3D的には球体だと言わざるを得ない、見事なパレットを描いてくれます。ムルソー・レ・ペリエール的な蜜のニュアンスと、すぐ近くの・・珠玉のシャルドネ・グラン・クリュ達の要素を少しずつ持っているかのようなニュアンスを感じます。
ある時はクリオのように鈍い光を反射する鉱物のようなニュアンスも漏れてきたり、シャリシャリとしたエレガントな石系の感覚を見せるシュヴァリエのようでも有り、短い感覚でそれらを「チラ見」させては、やや閉じこもったかのような態度を取ります。
呆れるほどのポテンシャルを感じました。2016年までのアン・ルミイィとは、各段の差が存在すると確信しています。しかし、現状で物凄い表情を隠そうとさえしないクロ・ド・ラ・シャテニエールの方が、直近で楽しむには向いているのは間違いないでしょう。
素晴らしい1級が、こんなプライスで買えることが・・まだ有るんだと喜びましょう!是非挑戦してみてください。超お勧めです!
● 2018 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【並みのシャサーニュでは有りません。幾分感じていた「緩さ」は皆無!緊張感を身に着けたコンシ・デュ・シャンはカテゴリーキラーです!】
ワインとは中々に難しいものでして、
「ん?・・そうだなぁ・・今はそれを飲む気分じゃないんだよなぁ・・」
ってシュチュエーション、有りませんか?・・まぁ、noisy の場合はそんなことを言ってられる商売じゃないんですけどね。
でも、如何にシャルドネ大好き、白ワイン万歳!・・な人間でも、
「ん~・・今は硬いムルソーは飲みたくないんだよなぁ・・まぁ熟して滑らかなら良いけど・・」
と、程好い熟を迎えているに違い無い・・と思って開けたムルソーが・・残念ながら「音沙汰無し」の「狸寝入り」状態・・なんてね。
だからそこは半端な熟のムルソーの選択自体が間違っていると気付くべきで、ピュリニーかシャサーニュの村名に行ってれば良かった・・と後悔する羽目になる訳です。
黄色い柑橘と白い果実、フラワリーなアロマがノーズに飛び込み、ピュアさ満開で迎えてくれる素晴らしいシャサーニュです。畑はシャサーニュの村中央下部に有り、密植度も1万4千本以上だそうで・・確実に2017年の出来を上回っています。
このコンシ・デュ・シャンとピュリニーのトランブロ、そしてサン=トーバンのトップ・キュヴェが同価格ですから、選択肢が多く悩み深いですよね。ワインファンとしましてはどうしても、
「ポテンシャル重視!」
の選択をしがちです・・そりゃぁそうです・・感動したいですから・・。
でも、やはりシャサーニュ的な・・ピュリニー的な部分をしっかり感じさせてくれる・・そしてその特徴をそのままに表現してくれるテロワールを、ある程度「バラかして」仕入れておくのも重要でしょう。
このコンシ・デュ・シャンは、2017年までの「ある種の緩さ」は無いです。しかし、シャサーニュ的な「寛大さ」「包容力」はしっかり感じます。ピュリニーより、より白さの際立つ感じだと思ってください。お勧めします!飲んでみて下さい。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】 アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
● 2018 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【オート・デンシテを名乗っていませんが・・これ、一体どれほどの密植度なんでしょう・・2017年ものを確実に凌駕する凄い密度です!】
ピュリニーとシャサーニュの境界に存在する「レ・トランブロV.V.」です。モンラッシェから真っすぐ下がって来た辺りです。
このレ・トランブロV.V.には、オート・デンシテ表記のあるものと無いものの両方が存在しますんで、間違えないようにしないと大変なことになってしまう訳です。数も価格も全然違いますから・・。2017年ものまでは、それをそのまんま・・そのように思っていました。オート・デンシテは呆れるほどの密度ですから・・。
しかしながら2018年もののレ・トランブロV.V.を飲んで、少しその思いに変化が生じています。いや、勿論ですが間違う訳には行かないので、気を張って発送作業をいたしますが・・。
何故って・・この「オート・デンシテ表記無し」のレ・トランブロV.V.がですね・・物凄いミネラリティの密度なんですね。エージェントさんのテクニカルでは1万1千本/ヘクタールのままでは有りますが、数年間そのまんま・・ですからね。
レ・トランブロの畑は確実に「超密植化」をしている訳です。部分的に毎年増やしているのは間違い無いと思いますが、
「2017年ものとの、余りの密度の違い」
を受け取ってしまっていますので・・
「・・この素晴らしいミネラル感とピュリニー的果実表現の繊細さを見るなら、オート・デンシテまで・・必要なのか?」
と言うような気持ちが生まれて来たんですね。
だって・・滅茶美味しいじゃないですか・・トランブロ。黄色のハッキリした果実は透明なミネラリティでしっかりコーティングされ、滑らかなテクスチュアで味わいの幅もしっとりと拡がって来ます。
余韻も長く・・このレ・トランブロがピュリニー村名で有るなら、他の生産者のピュリニー村名はどんな立ち位置になるのか?・・いや、ラミー2018年を知らなければ、それまでのヒエラルキー構成を保ったままで良いかもしれませんが、知ってしまった以上、そこには何らかのケリを付けておかなければなりません。
ですので、もう・・これは余り言わないようにしようと思っていたんですが、ケリをつけるためにこのようにします。
「テクニカル上は1万1千本/ヘクタールですが、今はおそらく50%近く増えているはず・・と思えるので、ヴィエイユ・ヴィーニュですし、普通のピュリニー村名とは大きく異なる凄いシャルドネ!格はピュリニー1級並み!」
とさせていただきます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【オート・デンシテを名乗らないトランブロは・・凄い狙い目!?・・これ、もうただ呆れるほどのミネラリティですが!】 写真からも漂ってくるんじゃないでしょうか。確かにピュリニー的なやや黄色目の濃い色合いをしています。しかし、
「ミネラルって・・見えるの?」
と言いたくなるような色合いですよね~。
まぁ、オート・デンシテのトランブロは、安いとは言ってもそれなりの価格はします。ノン・オート・デンシテのトランブロは価格は三分の一程度です。
でも飲んでみたら・・ビックリですよ。このノン・オート・デンシテのトランブロV.V.が一番、ミネラルの密度が凄いことになっているのが判ります。良い意味で使いたいと思いますが、
「バッキバキ!」
です。
要素由来の表情が漏れてくる速度も一番遅い・・です。
ムルソー村の南隣がピュリニー村ですが、このトランブロはシャサーニュとの村境に有ります。バタール=モンラッシェから東に下がってすぐのところの村名です。なので、ムルソー的な・・と言うか、ムルソーの南端に在るレ・シャルムやレ・ペリエールのような大理石風な厳しいミネラリティとも異なる感じです。
それに・・最近は飲めていないので正確には判断しかねますが、ルフレイヴさんちのバタールのような柔らかさを感じさせるものでも有りません。
まぁ、本当に「クリスタル・コーティング」と言いたくなります。しかも、何度も何度も乾かしては塗りを繰り返してクリスタルそのものになってしまったような感じです。
ノン・オート・デンンシテでこれほどまでになって来たと言うことは、一体オート・デンシテはどうなっちゃってるのか?・・と思わざるを得ません・・にしても、
「・・オート・デンシテじゃなくても・・充分かも?」
と言う気さえ、生まれて来ます。
ただしこのキュヴェに関しましては、他の2017年のラミーのシャルドネと異なり、少しだけでも休ませることがさらなるエルヴァージュ(育てること)に繋がっていることは間違い無さそうですので、気に留めておいてくださいね。
まぁ、もしかしたらオート・デンシテ・クラスの葡萄もそれなりに入っているのかもしれません。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】 え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2018 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【素晴らしいです!・・繊細かつ気品ある素晴らしい表情・・滅茶細やかなミネラリティ、石、煙、果実・・ぞっこんです!】
いや~・・素晴らしい・・ちょっと別格ですね・・。
2017年ものは「飲みやすさ」にまで言及してますからそんな側面も有ったはずです。
しかし・・2018年ものは半端無いです!膨大なミネラリティに隠れてしまうはずの非常に繊細で美しい表情が、アロマにも、味わいにも表れて来ています。
そしてその表情の素晴らしさにグラスを放置して放心してしまう・・そんなことが起きかねないほどにポテンシャルの高い味わいを見せてくれます。
マシュレルは、かの「レ・ヴェルジェ」の下部にある1級畑ですが、多くのレ・ヴェルジェは単純だ・・とさえ思いこんでしまうそうになりますので・・ちょっと危険でさえありますよ。
実際、テイスティングの残りを店に持って来ていたので、数人の方(車じゃない方・・ですよ)にテイスティングしていただきましたが、いや~・・面白かったですね~・・みんな、黙りこくっちゃったんですよね・・。なので、何か話しかけようと・・
「んと・・これ、約1週間、テーブルの上に放置してたのを持ってきたのね・・」
などと言ってしまったら・・さらに黙ってしまって・・
「・・あ、ごめん、まだこのキュヴェは販売できないんだけど・・」
なんて・・ね。
なので、早めに入れていたA.C.ブルのシャタイネールをお持ち帰りいただきました。
そして同じく1級のレ・ショーメも凄いですが、レ・ショーメは豊満なスタイルで、こちらは繊細・・いや、面白いですよ。それに密植度もだいぶ進んでいると思います。あ、メディア評価は無視してください。最大95+ポイントまでは有ります。是非飲んでみて下さい。凄い旨いです!
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしい!!アドヴォケイトは90~92pointsだそうですが・・そんなもんじゃ無いでしょう!】 ようやっと飲むことができたレ・マシュレルです。2016年はリリースさえ無かったはずです。
この畑はシャサーニュの北側、1級レ・ヴェルジェの東に接しています。勿論、ル・モンラッシェも近いですよ。
アドヴォケイトは「最も飲みやすい2017年のラミーのキュヴェ」と評価し、90~92ポイント付けています。外れですね。最も飲みやすいかどうかは人に寄るので判らないとしても、一見ではとても計り知れないポテンシャルを持っていると感じます。
実はこのコラム、一回書き上げたんですが・・Windows のエラーでおじゃん になってしまいました。なので、かなり凹んでいます。
ですので、文字そのものは少なくなってしまったんですが、
「相当凄い!」
のは間違いないです。
「2017年のラミーの中で最も飲みやすいキュヴェ」って・・もっとポテンシャルに言及しないとディスっているだけのように見えちゃいますから・・決してそう言うことでは無いと思ってくださいね。素晴らしい、シャサーニュ1級です!・・長くも持ちますよ。物凄い、理解を超えたようなミネラリティが有ります。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】 少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
● 2018 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【滅茶美味しいです!・・さすがプティ・オート・デンシテ2万本/ヘクタール!・・しかもバランスも素晴らしい・・圧巻です!】
もう、このキュヴェを狙っていらっしゃる方は多いと思いますので、多くを言わなくても良いかと。味わいはもう、通常のシャサーニュ1級では有り得ませんし、しかも、
「常にこっちを向いてくれている」
かのような包容力も持ち合わせています。
それでもやはり2018年ものは2017年ものを凌駕しています。まさに「圧巻」です。海外メディアの評価が94ポイント止まりなのが全く解せません。このところ調子の良かったティム・アトキン氏も92ポイントで、これも却下です。
やはり美味しいものは「さっさと無くなる」のが常でして、勿論店頭でもそうですし、家庭内でも・・そうなんですね。なので、
「減りが早い」
のが残念なところで、1週間くらい、お付き合いしたいなぁ・・と思っていても、超絶にバランスが良いので、ついつい飲んでしまうんですよね。
しかしそんな状況でも、情報量の多さと豊かさの中にある繊細さにクラクラさせられてしまう訳です。
価格は異なりますが、1級のマシュレルとは、同じく1級畑のレ・ヴェルジェを挟んで西側上部にある畑です。通常は上部の方が繊細な性質になりますが、モンラッシェの南側すそ野辺りは微妙に異なるようです。
ですので、「豊かなレ・ショーメ」と「超繊細なレ・マシュレル」と言う比較も楽しいかと思いますよ。・・いや、相当簡単に言っちゃってますが、物凄くレベルの高いワインです。ご検討いただけましたら幸いです。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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いや~・・1月23日(木)の新着を楽しみにされていらした方には本当に申し訳ありませんでした。急なサーバートラブルに巻き込まれまして、
「新着記事を書いている場合じゃない!」
と言うような状況になっておりました。現在は復旧しています。まぁ、新着が出るだろうと待ち構えていらしても、サーバーが不安定だったと思うんですね。大変なご迷惑をお掛けしました。こちらももう・・気が気じゃ無かったですが・・。こんな時に備えて色々と手は打ってあるにせよ、その手を打てる状態でも無いとなると、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。
葡萄造りもきっと似たようなことが起きるでしょう。やはり経験がものを言う世界でも有りますから、先達たちの教えも重要です。かといって、自身で考える、感じる、想像してトライすると言ったことを止めてしまうようなアクションを与えるのは、また出過ぎたことになってしまいます。
今や誰も行っていない、三万本の超密植キュヴェをリリースするラミー家ですが、25~35cm 間隔で樹が植わっているとなると・・これはもう、想像を絶する世界です。元々は90 ~ 100cm 位の間隔で植わっているその間に、2本ほどの樹を植えるとしても、表土に張った根を処理することを考えると途方もない作業であるし、またその樹が充分に育つまでの長い時間を考えると、
「・・やってられないよ~・・」
と言うことになるのが普通です。もしくはすべての樹を一度抜いて、等間隔で植えなおすなんて・・考えただけで頭がおかしくなりそうです。
この1級レ・ショーメですが、オート・デンシテを名乗らないキュヴェの中ではトップ・キュヴェの一つです。
以前に2万本/hと言うアナウンスが有りましたが、おそらくもう・・その情報は古いでしょう。口に含むと・・
「物凄い密度からの解放圧力!」 に圧倒されてしまいますよ。
透明感の凄いミネラリティは、おそらく何層かに分かれているようにも感じられます。・・え~・・「玉ねぎ状態」でしょうか。
その一番外側の層に、僅かな亀裂みたいなものを生むのが「時」です。気品みたいなものが漏れて来ます。
次いで・・柑橘果実です。ドライなのに甘い・・(^^;;ネットリなのに・・スッキリです。その余韻がまた・・何とも素晴らしく長いんですね。
やはりこのように素晴らしいシャルドネには、濃い味わいのお料理もこなせてしまうポテンシャルが有るとしても、決して素材の持ち味を調味料で埋めつくさない程度の味付けでいただくのが良いと感じさせられました。
やはりこのレ・ショーメに感動した!・・とおっしゃるお客様は多いですね。意外にも若くても飲めてしまうんですよね。・・いや、勿論ですが、運悪く硬いバイオリズムの時も有るでしょう。それでも「玉ねぎ」ですから・・。一枚剥きさえすれば何とかなる部分も有るかと思います。
この素晴らしい2017年レ・ショーメは、記念すべきワインになっている可能性は大です。アドヴォケイトは90~92のようです・・思わず笑っちゃいました。やっつけ仕事はワイン屋だけじゃなかった・・メディアも同じですね。是非ともこのワイン、飲んで見てください。お宝だと思います!滅茶苦茶安いと思います!・・勿論ですが、今は「少しずつ表情を見せてくれる」に留まりますが、
「密度が生んだ迫力から漂う気品!」
で美味しくいただけるはずです。
● 2018 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】--以前のレヴューです。
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2018 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】---以前のレヴューです。
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2018 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【アドヴォケイト上値98ポイントも、ついに10万円オーバーになってしまいました・・】
以前は数万円で購入できたクリオ=バタール・オート・デンシテですが、2018年ものはアドヴォケイト98ポイント、上代14万円になってしまいました。・・厳しいなぁ・・
なので、本来はもっと高く付けたいんですが、もうギリギリまで粘って・・こんなプライスです。開けて飲んで経費使って・・厳しいなぁ・・ホント、辛いところです。
あれだけ卓越した評価をしていたティム・アトキン氏ですが、なんでしょうね・・noisy がテイスティング出来たクラスですら、
「・・ん?・・マジすか?・・どうしちゃったの?」
と思えるような評価評点を出していました。明らかに変で、ちょっと心配ですね。
最も、このクラスのワインをさっさと開けてしまう方は、そうはいらっしゃらないかと思いますので・・どんなに少なくとも5年は待ちましょうね。ご検討くださいませ。
P.S. 2018年もののラミーのシャルドネについて、キャプスュル巻きは無くすべて蝋封です。蝋封そのものが無いと思ってスクリューを差して、ある程度まで引き上げ、自然に割れた蝋封のトップを処理してから完全に抜栓してください。またコルクは最上級と思われるディアム(圧縮成形コルク)です。長さは50ミリ以上あり質感が高いのでDIAM30かと・・違ってたらすみません。この辺りには、
「相当に長い寿命を持っているよ」
とのオリヴィエの意思表示と思われます。
以下は以前のレヴューです。
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【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。(未確認ですがアドヴォケイトは96-98Pointsのようです。)】 希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2018 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【不謹慎かもしれませんが人の密は避けて何とかこの難局を乗り越えましょう。でもワインの密はちょっと有難い・・】
もう・・これは色合いを見ていただけましたら、2017年ものとは全然異なることがお判りいただけるでしょう。密度の高い見事な味わいになったレ・グージョンヌです。
シャサーニュの赤は、どこか「抜けたようなおおらかさ」を感じる場合が多いですよね。リキミが無くエレガントなんですが、どこか芯がハッキリしないとか、平板で面白みが無いとか・・なので人気は今ひとつ・・と言った感も有るかと思います。
しかしながら2018年のレ・グージョンヌは、ちょうど良い密度感・・いや、普通なら「とんでもない密度感」なんですが、そこはラミーですから・・。どうしてもそのように言わざるを得なくなってしまいます。
赤黒果実がしっかり有り、ラミーの赤の中では、最も充実した甘やかなタンニンの存在が感じられます。
これ、結構に脂の厳しい肉にも合わせられるだけの重厚さが有ると思いますよ。そして甘く無いんですが酸バランスからでしょうか、厳しく無い優しい感じがします。濃度はしっかり有るが女性的なピノ・ノワール・・と言えます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
-----
【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
━━━━━
【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2018 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Rouge Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【このデリエールの赤も圧巻!・・残念ながらちゃんと評価できたメディアは有りません!】
滅茶苦茶美味しいです!・・有り得ないほどに複雑性に富んだ見事な味わいです。
まぁ・・言ってみればムルソー1級の赤・・と言う存在が有ったとしたら、それに比類するものになったはずです。ムルソー1級の赤は無いですから・・。
アドヴォケイトが上値93ポイントと評価していまして、noisy的には近い評価になりますが、94ポイントまでの可能性が有るので・・1ポイントの重みは相当ですよ。
例えば、ムルソー・シャルムの1級赤と言うのが有ったら・・などと想像してみたことはあるでしょうか?・・もしくはペリエールでも良いですが・・?
おそらく相当に色合いの淡い仕上がりになるんじゃないかと思うんですね。しかも収量は非常に低いし、表土が薄くて葡萄を育てるのは相当に苦労するでしょう。
でも、このデリエールの畑は傾斜も相当にキツイんですよ。だから雨に流された土を畑の上部まで何度も持って行ったりしなくてはなりません。
その上での・・この濃密な色合いです!・・そしてアドヴォケイト93ポイント・・。一体、サン=トーバンで何が起きているのか・・確かめてみたくなりませんか?
テイスティングで飲まれたお客様は皆一様に悶絶しています・・(^^;;・・飲んだ人にしか判らないラミーのピノ・ノワールの素晴らしさ、是非味わってみて下さい。2018年ものは超異質の仕上がりです!おススメします!
以下は以前のレヴューです。
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【リーズナブルだから・・等と言うような理由で飲むワインでは有りません。他者と比較することが困難であると思えるほどワイン。ラミーが気持ちを込めて仕込むデリエール・シェ・エドゥアールと言う畑のピノ・ノワールを是非とも愛でてください!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のデリエール・シェ・エドゥワールの赤です。滅茶旨いです!・・こんなピノの有ったのか?!と思う位です・・2016年までも折に触れ飲んでいたにも関わらず・・です。
サン=トーバンと言う、少し西にズレた村では有りますが、やはり「裏モンラッシェ」としての存在はラミーのシャルドネで感じていただけると思います。
しかし、例えば同じ丘だとしてもその斜面は一様では無いんですね。石灰が厳しい部分も有れば、他の鉱物が厳しく存在する場所もあるし、希少金属が露出していたり内包されていたりするわけです。
デリエール・シェ・エドゥワールは繊細にして超複雑。どちらかと言えば筋肉質で、その筋肉の凹凸(おうとつ)が見事に感じられる逸品。決して崩れずいつまでも端正な姿を保ち続ける、清楚にして存在感を強く感じる味わいです。
その姿は、まるで見事なラミーのシャルドネのスタイルそのもので、「密度が凄い!」としか言いようの無いものです。クリスタルコーティングされた液体の中からじんわりと伝わって来る美しい果実、磨かれた旨味、ふわっと感じられる希少金属由来のじんわりスパイスがこのワインの特徴です。
コート・ド・ボーヌの赤ワインとはとても思えない仕上がりです。そしてこの姿こそがサン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールなんだと感じていただけると確信しています。素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
━━━━━
【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2018 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【濃密!素晴らしい密度です。ドライで流れるような赤黒果実!是非飲んでみて下さい!】
7千円オーバーのサントネイ1級レ・グラヴィエールです。おいおい・・大丈夫かぁ?・・正直も大概にしないと・・いや、アドヴォケイトは上値94ポイントなので・・はい。
この評価には諸手を振って賛成です。noisy的にもピッタシカンカンです。アドヴォケイトと同じになるのは・・滅多に有りませんが、2万本/ヘクタールと言う超密植度から生まれる「密度の高い味わい」は、飲む者を納得させるだけのアピールが有る訳ですね。
そして見事なのは、単に密度が高いだけではなく、ピノ・ノワールに求められる繊細さ、エレガンスもしっかり有ると言うことなんですね・・。
普通なら・・そんなに高いサントネのワインなんて、ワイン屋は買いづらいですよ。でも、この味わいを知ってしまえば・・
「もっと頂戴!」
と言いたい訳です。
赤い果実には、まだ色が淡い鮮やかな赤から深紅と言って良い、赤を何度も塗り重ねたような色合いの果実が感じられます。黒い果実には・・言ってしまえばエスプレッソ的なトッピングまで感じられます・・まぁ、ちょっとオーバーでは有りますが・・。
それでも嫌味にならず、ピノ・ノワール的な繊細さを感じさせてくれるワインです。94ポイントも訳がちゃんとある・・そう感じさせてくれました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミーが創り出す「新世界」!ラミーのシャルドネの美しい姿を見事に転写したもの凄いピノ・ノワールです!圧巻!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
このクロ・デ・グラヴィエールはもう、圧巻でした。高価だがさしてポテンシャルを感じないニュイの一流どころのアペラシオンものと、全く引けを感じない・・どころか、完全に超えて来ているニュアンスです。
クロ・デ・グラヴィエールは、超エレガント系のシャンボール1級に近い感覚で飲めると思いますよ。むしろ、知っていればいるほど、「サントネだね」「二流かな」などとは言えないはずです。そんな姿はむしろどこにも感じられない・・と言うか・・
2016年までのクロ・デ・グラヴィエールも、非常に美味しかった訳です。
「ラミーは赤も旨いね!」
と言っていただけるようになっていたんですね。
しかしながら、2017年ものはもう、そんなレベルでは無いんです。何とか2016年ものと比較できる・・だけです。ですので、もう他者のワインとも比較のしようが無い訳です。
「濃いのではない。密度が有り得ないほど凄いんだ!」
と、ラミーのシャルドネでは散々言ってきました。2017年もののラミーのピノは、全くシャルドネと同レベルの密度と言って良いです。
その結果、2016年までの美味しいクロ・デ・グラヴィエールの姿はもう無く、ニュイの高級ピノ・ノワールと同レベルか、それを超えてくるようなパフォーマンスを見せつけてくれます。
もう、これはお客様に飲んでいただいて、評価をしていただきたい・・凄いピノ・ノワールです。
コート・ドールの南のドンケツの「サントネ」も、古い時代に収穫増のために行っていた「密植」に戻ることで、ニュイのピノにも勝るとも劣らないもの凄いワインになった証拠です。
このピノは、是非とも飲んでみて下さい。「サントネでこのプライス?・・いらないな・・」と思われたら、もう時代には付いていけないでしょう。まるでルーミエさん張りのミネラリティなんですが・・すでに超えているとも言えるかもしれません。その辺も是非、ご自身の感覚でお確かめいただきたい!・・そう思っています。超お勧めです!
● 2018 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【あのルxxエさんのシャンボールを思い浮かべてしまいました~・・化け物サントネイです!】
アドヴォケイト92点のサントネイです。・・有り得ませんよね~・・でもここは、
「騙されたとしても良い!」
と思ってトライすべきです。
もっとも、2017年ものでも同様に「素晴らしいシャンボールと同様」と書いていましたから、2017年ものをお飲みになられた方は、その真贋はすでにご存じのはずなんですね。
で、さらに追い打ちをかけてしまいますが・・すみません・・2017年ものを軽く凌駕してしまったのが2018年ものです。もう・・半端無いです。まぁ、価格は少しと言えども上がっているようでは有りますが・・。
この季節、どうしても品温が下がってしまいます。noisy の場合もセラーから出して自宅に持ち帰ると・・真夜中の12時を過ぎていますので、相当に冷える訳です。品温は10度位でしょうか。
そんな状態でも、物凄いパフォーマンスを見せてくれちゃいますよ。ドライなのに濃密で、しかしサラリとした余韻が長く続きます。ミネラリティはもう・・ラミーですから、もうマンモス級以外の何物でも有りません。
このサントネ・クロ・デ・ゾートと言うアペラシオンは、かなりシャンボールに似たテロワールで有ると言うことが判って来ました・・と言うか、教えられました。ここまでの密植度にして初めて、このクロ・デ・ゾートの個性がハッキリしてくる訳ですね。しかも相当に素晴らしいシャンボールと同様・・です。
アドヴォケイトは92ポイント・・です。ルxxエさんの2018年シャンボールの評価の、最高値はティム・アトキン氏の92ポイントでした・・
「・・あれ?・・」
飲んでみて下さい。ビックリしますよ~・・noisy だって腰抜かしそうになったくらいですから・・。アロマのスピード、ピュア感、ボディの張り出し、立ち姿・・どれも素晴らしくて・・いや、兎に角飲まなければ判りません。
そしてきっと・・感じていただけるでしょう。「これからはラミーか、ラミーで無いか・・それが問題だ」と。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。
全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。
もう、
「サントネ村名だから・・」
などとは思わないでください。それは不要です。
「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」
と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】 このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。
これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。
2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、
「ん?・・これってサントネなん?!」
と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。
コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、
「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」
と言うことが、
「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」
と言うことと同時に感じられます。
だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、
「・・なんだこの化け物は!」
と思うに違いない・・訳です。
で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・
「・・前言撤回・・上には上が有った・・」
と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。
超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、
「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」
と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。
良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
━━━━━
【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
━━━━━
【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2016 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【繊細系のサン=トーバン!村名格で唯一5千円を切るキュヴェですが、シャキシャキッと歯切れの良さが魅力です!】
やや豊満さを見せるACブル・シャタイネールに比べると、寒い冬の朝に山道を歩く時に霜柱を踏みつけているかのような、ややシャリシャリ・・シャキシャキかな・・そんな、一筋の霜を束ねて出来たかのような霜柱の感覚を覚えました。
何しろラミーの2016年は「冷ややか」なんですよ。この美しい、淡い緑を黄色に混ぜ込んでまとった見事な色合いの液体から、
「・・ひんやり!」
とした見事な果実、ミネラリティがビシバシ感じられます。
まぁ、霜柱なんて・・言わずに、「かき氷」と言った方が良いかもしれませんけどね・・。飲んでいたら冬の道を歩いているような感覚になってしまいました。
また、2015年のレ・プランセも良かったですが、2016年ものはそれ以上の仕上がりかと感じます。しかしながら、入荷のタイミングが違いますと、お客様も飲まれるタイミングが早くなりますので・・noisy としますと、
「しっかり休めて飲んで欲しい」
と思います。休養を与えつつ、瓶熟を進めるとさらに美味しくなります。noisy の場合は、超能力で昨年のテイスティング時に時計を合わせることが出来ますので、同時期の同タイミングでの比較が可能になるんですね・・(・・偉そうに//)
冗談は止めにしても、タイトでぜい肉の無いドライな味わいの中に、繊細さを詰め込んだ高域の伸びるシャルドネです。ACブルとはまた違った個性・・感じてみてください。これも美味いです!因みに、
ジョン・ギルマン 90Points
ジャスパー・モリス 91Points
と、これまた凄い評価が出ています。ルフレーヴさんのピュリニー=モンラッシェとほぼ同等の評価だと思います。・・もしかしたらちょっと似てるかもしれませんね。超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【こちらは繊細!天に向かって伸びる弦が見えるかのようです!】 ちょっとビックリしたラ・プランセです。まぁ・・ブレンドしていると言うのも有るのかもしれませんが、2014年ものとは大違い!・・マッタリとして少し粘っこく、ややオイリーなニュアンスが結構有ったと記憶していますが、2015年ものは細やかな表情が手に取って見えるような感じに受け取れます。
最もこれはあくまで現状を切り取った見方では有りまして、少し時間を置くとマッタリ感が出始め、2014年ものに似て来るだろう・・と思われます。
むしろ現状のこの繊細な表情、若く、ややシャキッとした酸のディテールが見えることが重要かな・・と思います。何せサン=トーバン1級やシャサーニュ、ピュリニーが物凄いですから・・上級キュヴェが早めにまとまり始め、下のクラスは少しゆっくりまとまる・・と言うパターンだと思います。
このニュアンスは、他のコラムでも書いていますが、
「少しバシュレ=モノ的」
と感じます。
しかしバシュレ=モノも2015年ものは、むしろ「ユベール・ラミー的」に濃密になってきていますので、お互いにかなり似て来たと言えるかもしれません。
上級キュヴェの圧倒感には追い付かないまでも、この繊細さが良く見えるサン=トーバン・ラ・プランセの存在は非常に面白いです。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【このサン=トーバン村名は絶品!これも一推しです!】 これは現在でも滅茶旨いです!超絶に素晴らしいバランスです。むしろダルささえ感じることの有るピュリニー=モンラッシェ村名のお尻を叩いてシャンと凛々しくさせたような味わいです。
このラ・プランセはサン=トーバンの南西部分に点在する10ほどの畑のブレンドのようです。位置的には「ル・バン」と言うリューディが有り、その辺のように見えます。実はワインの裏ラベルに所有畑の地図が有るので、それを一般的な畑地図と照らし合わせてみたんですね・・。でも良くは判りませんでした。
ただ、このラ・プランセ・・・滅茶苦茶バランスが良いんですよ。下手なピュリニー=モンラッシェ村名よりずっと旨いです。密度も非常に緻密で、口蓋で何度もすり潰しても次から次へと要素を放出してくれます。ミネラリティも並みのピュリニーは遠く及ばず、むしろラ・プランセの方が緻密に感じちゃいます。
すでにエキスから黄色い果実を感じさせてくれる状況でして、ややマッタリとした粘度を楽しみながら、鼻に抜けて行く見事なミネラリティを感じつつ、ぷっくりと適度に熟れたフルーツを楽しみつつ、またそのリアルにスパイシーな柑橘さも楽しめ、余韻からのバックを期待しつつ・・と、非常に楽しいシャルドネです!
そんなように書いてますが、そのひとつひとつがかなり高質です。脳裏にピュリニー的なゴージャスさをしっかり感じさせてくれますので、これは必買かと思います。追加が利かないようなので、この本数で最後になります。因みにイギリスのMW、ティム・アトキン氏はこのレ・プランセ2014年に91Points付けています。テイスターとしての noisy的感性では92Points まで付ける可能性が有るかと思います。お早めにゲットされてください!素晴らしいです!
● 2016 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】
え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2016 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【評価がやや分かれた様ですが・・ポジティブな意見に賛成です・・って、飲んだら最高に旨いじゃないですか!】
滅茶美味しいです!・・ル・コンシ・デュ・シャン、最高ですよ。2016年のラミーの中では緊張感とエネルギーに欠ける?・・無い無い・・(^^;; 最高に旨いです。
しかも、タイトなピュリニー村名に比べ、包容力のある外向的なスタンスを持っていますから、誰が飲んでも美味しいと感じるはず・・しかも複雑な要素はクリスタルなミネラリティの中にちゃんと隠されているんですね・・。
まぁ、メディアのテイスターさんたちも強者揃い・・そこで意見が割れると言うのも判りますよ。
「・・その存在に気付くかどうか?」
は、様々な要素によって変わってしまうからです。
例えば「根の日」だったり・・コンディションが今一つのボトルだったり・・テイスターのコンディションそのものも有りますしね・・。だから noisy 的には・・
「緊張感とエネルギーに欠けることは無い」
と言い切りたいと思います。
今飲んでも・・たしかにほんのりは若さも有りますが、そのしっかりした包容力、果実由来のふくよかさは良く出来た膨らみあるピュリニー=モンラッシェ並みに有ります。美味しいです!是非飲んで欲しい!アラン・メドーの91Points も低いです。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2015 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【こちらは繊細!天に向かって伸びる弦が見えるかのようです!】
ちょっとビックリしたラ・プランセです。まぁ・・ブレンドしていると言うのも有るのかもしれませんが、2014年ものとは大違い!・・マッタリとして少し粘っこく、ややオイリーなニュアンスが結構有ったと記憶していますが、2015年ものは細やかな表情が手に取って見えるような感じに受け取れます。
最もこれはあくまで現状を切り取った見方では有りまして、少し時間を置くとマッタリ感が出始め、2014年ものに似て来るだろう・・と思われます。
むしろ現状のこの繊細な表情、若く、ややシャキッとした酸のディテールが見えることが重要かな・・と思います。何せサン=トーバン1級やシャサーニュ、ピュリニーが物凄いですから・・上級キュヴェが早めにまとまり始め、下のクラスは少しゆっくりまとまる・・と言うパターンだと思います。
このニュアンスは、他のコラムでも書いていますが、
「少しバシュレ=モノ的」
と感じます。
しかしバシュレ=モノも2015年ものは、むしろ「ユベール・ラミー的」に濃密になってきていますので、お互いにかなり似て来たと言えるかもしれません。
上級キュヴェの圧倒感には追い付かないまでも、この繊細さが良く見えるサン=トーバン・ラ・プランセの存在は非常に面白いです。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【このサン=トーバン村名は絶品!これも一推しです!】 これは現在でも滅茶旨いです!超絶に素晴らしいバランスです。むしろダルささえ感じることの有るピュリニー=モンラッシェ村名のお尻を叩いてシャンと凛々しくさせたような味わいです。
このラ・プランセはサン=トーバンの南西部分に点在する10ほどの畑のブレンドのようです。位置的には「ル・バン」と言うリューディが有り、その辺のように見えます。実はワインの裏ラベルに所有畑の地図が有るので、それを一般的な畑地図と照らし合わせてみたんですね・・。でも良くは判りませんでした。
ただ、このラ・プランセ・・・滅茶苦茶バランスが良いんですよ。下手なピュリニー=モンラッシェ村名よりずっと旨いです。密度も非常に緻密で、口蓋で何度もすり潰しても次から次へと要素を放出してくれます。ミネラリティも並みのピュリニーは遠く及ばず、むしろラ・プランセの方が緻密に感じちゃいます。
すでにエキスから黄色い果実を感じさせてくれる状況でして、ややマッタリとした粘度を楽しみながら、鼻に抜けて行く見事なミネラリティを感じつつ、ぷっくりと適度に熟れたフルーツを楽しみつつ、またそのリアルにスパイシーな柑橘さも楽しめ、余韻からのバックを期待しつつ・・と、非常に楽しいシャルドネです!
そんなように書いてますが、そのひとつひとつがかなり高質です。脳裏にピュリニー的なゴージャスさをしっかり感じさせてくれますので、これは必買かと思います。追加が利かないようなので、この本数で最後になります。因みにイギリスのMW、ティム・アトキン氏はこのレ・プランセ2014年に91Points付けています。テイスターとしての noisy的感性では92Points まで付ける可能性が有るかと思います。お早めにゲットされてください!素晴らしいです!
● 2015 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】
こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2017 Saint-Aubin la Princee
サン=トーバン・ラ・プランセ
【滅茶美味しいです!繊細系の緊張感漂う見事な味わい!複数の畑をブレンドした、ラミーが思うサン=トーバンを表現・具現化した出来でしょう!】
いや~・・素晴らしいです。縦伸び系の見事な構造です。
実は・・間違えちゃいまして、このプランセ、2本も開けちゃったんですね・・数が無いのに!
重量級の味わいでは無く、少しエレガント系に振った味わいです。まぁ、アン・ルミイィを少し細身に、小振りにした感じかと思ってくださって良いかと思います。
「ん?・・アン・ルミイィって重量級じゃないの?」
と思われますが、重さで言ったら「クロ・デュ・メ」の方が重量感有りますよ。バランスで言うとトップはアン・ルミイィです。縦伸びの物凄さで言ったらクロ・ド・ラ・シャトニエールです(・・これ、飲んだらきっとぶっ飛びますよ・・)。
細やかな、ややハイトーンなミネラリティから滲むような白っぽい石灰感が心地良く、鈍重にならない、やや高域にバランスを振ったような先調子の感じです。
2016年までも美味しかったんですが、もう・・2017年ものは別物と言って良いかと。
実は、2本も開けたんですが、結構に印象が異なるんですね。1本目は届いて翌日位から開けたんですが、結構、バッキバキに硬質で閉じた感じがしていました。2本目はそれから3日後でしたが、滅茶開いた感じで・・凄い旨いんですよ・・エレガントで。
ですので、ミネラリティの癖なのかと思いますんで、届いてすぐでは無く、少なくとも3~4日は休息させてくださいね。ラミー2017年の物凄い世界が待ってます。
「わお!」
と思わず声が出て欲しいな・・と。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【繊細系のサン=トーバン!村名格で唯一5千円を切るキュヴェですが、シャキシャキッと歯切れの良さが魅力です!】 やや豊満さを見せるACブル・シャタイネールに比べると、寒い冬の朝に山道を歩く時に霜柱を踏みつけているかのような、ややシャリシャリ・・シャキシャキかな・・そんな、一筋の霜を束ねて出来たかのような霜柱の感覚を覚えました。
何しろラミーの2016年は「冷ややか」なんですよ。この美しい、淡い緑を黄色に混ぜ込んでまとった見事な色合いの液体から、
「・・ひんやり!」
とした見事な果実、ミネラリティがビシバシ感じられます。
まぁ、霜柱なんて・・言わずに、「かき氷」と言った方が良いかもしれませんけどね・・。飲んでいたら冬の道を歩いているような感覚になってしまいました。
また、2015年のレ・プランセも良かったですが、2016年ものはそれ以上の仕上がりかと感じます。しかしながら、入荷のタイミングが違いますと、お客様も飲まれるタイミングが早くなりますので・・noisy としますと、
「しっかり休めて飲んで欲しい」
と思います。休養を与えつつ、瓶熟を進めるとさらに美味しくなります。noisy の場合は、超能力で昨年のテイスティング時に時計を合わせることが出来ますので、同時期の同タイミングでの比較が可能になるんですね・・(・・偉そうに//)
冗談は止めにしても、タイトでぜい肉の無いドライな味わいの中に、繊細さを詰め込んだ高域の伸びるシャルドネです。ACブルとはまた違った個性・・感じてみてください。これも美味いです!因みに、
ジョン・ギルマン 90Points
ジャスパー・モリス 91Points
と、これまた凄い評価が出ています。ルフレーヴさんのピュリニー=モンラッシェとほぼ同等の評価だと思います。・・もしかしたらちょっと似てるかもしれませんね。超お勧め!
以下は以前のレヴューです。
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【こちらは繊細!天に向かって伸びる弦が見えるかのようです!】 ちょっとビックリしたラ・プランセです。まぁ・・ブレンドしていると言うのも有るのかもしれませんが、2014年ものとは大違い!・・マッタリとして少し粘っこく、ややオイリーなニュアンスが結構有ったと記憶していますが、2015年ものは細やかな表情が手に取って見えるような感じに受け取れます。
最もこれはあくまで現状を切り取った見方では有りまして、少し時間を置くとマッタリ感が出始め、2014年ものに似て来るだろう・・と思われます。
むしろ現状のこの繊細な表情、若く、ややシャキッとした酸のディテールが見えることが重要かな・・と思います。何せサン=トーバン1級やシャサーニュ、ピュリニーが物凄いですから・・上級キュヴェが早めにまとまり始め、下のクラスは少しゆっくりまとまる・・と言うパターンだと思います。
このニュアンスは、他のコラムでも書いていますが、
「少しバシュレ=モノ的」
と感じます。
しかしバシュレ=モノも2015年ものは、むしろ「ユベール・ラミー的」に濃密になってきていますので、お互いにかなり似て来たと言えるかもしれません。
上級キュヴェの圧倒感には追い付かないまでも、この繊細さが良く見えるサン=トーバン・ラ・プランセの存在は非常に面白いです。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【このサン=トーバン村名は絶品!これも一推しです!】 これは現在でも滅茶旨いです!超絶に素晴らしいバランスです。むしろダルささえ感じることの有るピュリニー=モンラッシェ村名のお尻を叩いてシャンと凛々しくさせたような味わいです。
このラ・プランセはサン=トーバンの南西部分に点在する10ほどの畑のブレンドのようです。位置的には「ル・バン」と言うリューディが有り、その辺のように見えます。実はワインの裏ラベルに所有畑の地図が有るので、それを一般的な畑地図と照らし合わせてみたんですね・・。でも良くは判りませんでした。
ただ、このラ・プランセ・・・滅茶苦茶バランスが良いんですよ。下手なピュリニー=モンラッシェ村名よりずっと旨いです。密度も非常に緻密で、口蓋で何度もすり潰しても次から次へと要素を放出してくれます。ミネラリティも並みのピュリニーは遠く及ばず、むしろラ・プランセの方が緻密に感じちゃいます。
すでにエキスから黄色い果実を感じさせてくれる状況でして、ややマッタリとした粘度を楽しみながら、鼻に抜けて行く見事なミネラリティを感じつつ、ぷっくりと適度に熟れたフルーツを楽しみつつ、またそのリアルにスパイシーな柑橘さも楽しめ、余韻からのバックを期待しつつ・・と、非常に楽しいシャルドネです!
そんなように書いてますが、そのひとつひとつがかなり高質です。脳裏にピュリニー的なゴージャスさをしっかり感じさせてくれますので、これは必買かと思います。追加が利かないようなので、この本数で最後になります。因みにイギリスのMW、ティム・アトキン氏はこのレ・プランセ2014年に91Points付けています。テイスターとしての noisy的感性では92Points まで付ける可能性が有るかと思います。お早めにゲットされてください!素晴らしいです!
● 2017 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【2017年ものクロ・デュ・メは、滅茶苦茶美味しいムルソー準1級畑に酷似!パワフルで横への拡がりも有る、いつ飲んでも行けるタイプです!】
皆さんはそうでもないかもしれませんが、noisy的には非常に評価の高いクロ・デュ・メです。
2016年ものはピュリニー1級・・なんて書いてますね。2017年ものはムルソーの準1級か1級か・・です。ムルソーの中央上部の準一級、ナルヴォーとか、1級のポリュゾとか、その辺りの感覚です。
レ・ペリエールの持つ蜜のニュアンスを僅かに緩くしたような感じも有り、真ん丸なパレットから微細な表情が滲んで来ます。2016年も単純に美味しかったんですが、そんな部分の延長も感じるとしても、もう、かなり格上感が有ります。伸長率が半端無いんですね。
57ミリも有る長いコルクを抜くと、待ってましたとばかりに粘っこいエキスからアロマが飛び出して来ます。マッタリとしつつ適度に拡がってくれるのは今までと変わらないですが、質感がね・・素晴らしいんですよ。比較にならないほど素晴らしい。
この、どちらかと言うとパワフル系のクロ・デュ・メと一緒に飲んだのが1級「クロ・ド・ラ・シャテニエール」です。余りに異なるスタイルで、これ、感動ものでした!
まず間違いの無い選択になると思います。皆さんも好きなタイプでしょう。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【これはサン=トーバンなのか?・・ピュリニー1級じゃないのか?・・と思ってしまうでしょう!】 まぁ、このクロ・デュ・メでさえ植密度は14000本/ヘクタールですから、DRC同様の植密度と言うことになります。ACブルのシャタイネールが11000本、フリオンヌ、プランセで11000~14000本です。
クロ・デュ・メの14000本はもうかなりの超密植では有りますし、このワインの重量感、蜜感が有った上でのバランスの良さ、キレの良さは、かなり以前から感じられたものです。
「DRCの美味しさって・・植密度に結構関わってるかも・・」
などと思いたくなるような「密度感」の有る太く膨らみの有る味わいです。で、2015年ものにみられた甘みは一切なく、また樽っぽさも有りませんで、ものの見事にピュアでナチュラルです。
また・・色が凄いですよね。このやや濃い目の見事な色合いは、繊細系のフリオンヌやデリエール、プランセには無いものです。口入で「どっかん!」と撃たれ、よだれを流れる血のように発生させられます。タイトなのに膨らみが有り、何とも言えぬボーヌのシャルドネならではの「精緻なアロマ」にやられちゃいます。
因みにアラン・メドーも、アドヴォケイトも揃って90~92Points と、やや投げやりに思えるような評価でした。これは滅茶旨いのでもっと高く付けてしかるべきかな・・と感じます。
高域の伸びそのものは繊細系のサン=トーバンに譲るものの、低域、中域からの高域への持ち上げ、盛り上がりの素晴らしさはこのキュヴェの大きな特徴です。同価格のフリオンヌとは真逆の性格・・非常に美味しいです!是非とも飲んでみてください。一推しにしたい・・位です!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶苦茶旨いです!重い剛速球を投げ込む大リーガーの投手のようです!】 ノックアウトされました!・・凄いです。これでサン=トーバンか~・・と言うよりも、
「サン=トーバンだから良いんだよ!」
と言いたくなる味わいです。
今までなら「影」になる南西向きの畑は・・熟さないと言われてきましたが、ここまで温暖化が進むと、その欠点はむしろ長所になりつつあります。
デリエール・シェ・エドワールも滅茶旨いんですが、「ちまちま」とアチコチに気を引っ張られる・・いや、それがまた美味しいんですが、こちらは「ずど~~ん!」と剛速球をミットならぬ「舌」めがけて投げつけられるような・・もしくは大砲でズドーンでしょうか・・。そこから果実のかけらとか、ミネラリティの破片を感じさせられてしまいます。
「・・参りましたぁ・・」
と言う感じですよ。
そして、2014年までの滑らかな密度高い味わいに加え、冷ややかな酸・・しかも旨みをバッチリ持った酸がキラキラと煌きます。飲まない訳には行かないでしょう!
あれだけ沢山有った2014年と2013年のクロ・デュ・メも、飲まれたお客様がもう・・ビックリされて、6本、12本と購入されるので、嬉しい悲鳴を上げていました。きっと皆さんも身に覚えが有るはず!・・是非飲んでみてください。これも一推し!素晴らしいです!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシュ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシュ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・」
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2017 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【超エレガント系のフリオンヌ!軽量級のミネラリティがギッシリ!ラミーならではの美しさを堪能されてください!】
サン=トーバンにはアン・ルミイィの北にミュルジュ・デ・ダン・ド・シアンと言う1級が有りますが・・ちょうどモンラッシェの真裏辺りです。
レ・フリオンヌはそのミュルジュと共通点が感じられるような、「シャキッ」とした白っぽいミネラリティが多い感じのエレガント系です。
ですがやはり2017年ものは、そのミネラリティさえも密度が半端無く、どちらかと言うと隙間が見え隠れするミュルジュの、その隙間を完全に埋めてしまったかのような・・物凄いミネラリティです。
ですので、
「これが20年経過したら、そのミネラリティが掴んで離さない要素が出てくるの?」
と考えた時に、まったく経験や想像の範囲では無いことに気付かされ、結局、
「・・判らない・・」
と言う結論に達してドン詰まりしてしまうんですね。
2016年ものを複数お持ちの方は、是非どこかのタイミングで2016年ものと2017年ものを比較してみていただきたい・・と切に願います。滅茶楽しいと思いますよ・・。
思うに、毎年、畑の密植を行って来たことが、一気に花開いた感じがします。もしくは2017年と言うヴィンテージの背景がそれを補助したのかもしれません。
フラワリーなアロマが振り撒かれ、しかし底の方から湧き上がってくるようなパワーさえもどこか感じてしまう・・でも重く無い、素晴らしいシャルドネでした。東南を向いた日当たりの良い畑で、しかもミネラリティの組成が重く感じさせないワインにさせているのかな?・・と想像しています。素晴らしいサン=トーバン1級!・・是非飲んでみて下さい。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【これは絶旨!・・アロマも味わい・・そして存在感も格上です!見事です!・・】 もし可能なら・・同じ繊細系サン=トーバンで有りながらも価格が安いレ・プランセの写真と見比べてみてください。
「素晴らしい色・・そしてその存在感!・・漂うアロマの色気にドギマギしてしまう・・」
まぁ、最後のドギマギは実際に飲まなきゃ判らないにしても、「存在感」までは何とか撮れてるんじゃないかと思います。それくらい・・
「これは違う!」
と言うことが判りやすいです。何せ、レ・プランセとフリオンヌを並べて飲んでますからね・・。栓を抜いた瞬間、どちらも凄かったですが、グラスに注いだ時のアロマの美しさ、グラスから放たれる色気は・・さすがのレ・プランセも脱帽です。
また・・お判りになっていらっしゃるかもしれませんが、「グラスを変えた」んですね。長年使いこんだシュピゲラウのヴィノグランデ4510000 ブルゴーニュ・マグナムから、同じシュピゲラウでもマウスブローのグランパレ・エクスクイジット・ブルゴーニュに変えています。軽いしステムは細いし唇へのタッチはソフトながらアロマのキレが良いし・・で、さらに美味しいです。
で、もう・・最高ですよ・・これ・・。上のキュヴェはやっぱり美味しいんですが、これで充分・・と思っちゃいます。繊細系ですので、重量感の在るコンシやアン・ルミイィとはタイプは違うものの、ルフレーヴ系のシャルドネがお好きな方にはピッタリじゃないでしょうか。
因みに・・我がリアルワインガイドもユベール・ラミーは扱っておらず・・いや、行った方が良いよ・・とは言ってはいるものの、行ったのか行って無いのか判らず・・でもここまで評価が上がってしまうと行き辛いかもしれません。他のメディアもこの2016年フリオンヌはテイスティング出来ていないようで見当たらず・・。2015年はアドヴォケイト90~92Points、アラン・メドー90~93Points ですから、ほぼ同様かそれ以上の評価が期待できそうです。noisy 的には・・ちょっとそこを超えています。
また、今回のフリオンヌは、エージェントさんの入荷量を全部いただいちゃってますので、他のお店で仕入れるのは簡単じゃ無いと思いますし、オルヴォーさんの品質の確かさは、もうラミーを飲まれた方ならお気付きかと思いますので、エージェント=ショップが変わればワインの味わいも変わりますんで・・確実にゲットされてください。
でも少ないので一応「お一人様2本まで」にしてあります。
また、このワインもレ・プランセ同様、しっかり休養させると・・さらにグググっと美味しくなるのは見え見えですので、その辺りを調整の上、お楽しみくださいませ。素晴らしい仕上がりになった2016年サン=トーバン・フリオンヌです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【繊細系・金属系ミネラリティの希少なフリオンヌ!・・これは少し置いてください!凄いポテンシャル!ようやくまとまり始めています!】 濃密系の・・まさに密度のお化けみたいなユベール・ラミーのシャルドネに有って、少し変化球的な存在になっているのがこのフリオンヌかと思います。特に2015年はその傾向が顕著です。
その、凝縮された・・いや、密度の高さは、むしろ「ミネラリティ」に向けられていて、金属系のミネラリティが多く、また白い石や岩と言った石灰系のミネラリティも半端ない量が含まれています。
その分、現状はやや硬めで、柔らかさが足りない感じがしていますが、ポテンシャルとしますと非常に高いです。キンキンしていますが・・これ、膨らみ始めたら凄いことになるんじゃないでしょうか。しかもそれはそんなに遠いことでは無いと思われます。
感じる部分は2014年と一緒ですので・・いや、確実に超えてますが・・詳細は2014年のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のレヴューです。
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【サン=トーバンの名高い1級畑フリオンヌ!ポテンシャル高いです!精妙な鉱物的ミネラリティがたっぷりです!】 ピュアでオイリーでブリッブリの果実が旨いデリエール・シェ・エドゥアールですが、こちらのフリオンヌは全然違うんですね・・。noisy もこのキュヴェは初めて飲みましたので、非常に面白かったです。
畑の位置はデリエール同様に村の西にあり、デリエールから東に少しだけ離れたところです。なので、似たような感じかな・・と思いきや、かなり期待を裏切られました。全然違うんですよ。
デリエールに無く、フリオンヌに有るもの・・・それは鉱物系のミネラリティです。
シャサーニュの村に有るグラン・クリュでクリオ=バタール=モンラッシェと言う畑が有りますが、このレ・クリオ、もしくはその近辺に有るクリマに現れやすい金属的、鉱物的なアロマが結構香るんですね。バタール=モンラッシェのすぐ南に在りながらもクリオはバタールのようにはならないと思うんですね。
なので非常にクリオ的ですし、ピュリニーのようなゴージャスな果実感と言うよりもシャサーニュ的な精緻さ、ち密さを感じると思うんです。グラスの写真にも、ちょっとそんなニュアンスが感じられるじゃないかな・・と思います。何か、とても精妙な感じでしょ?
因みにイギリス人MW(マスター・オブ・ワイン)のティム・アトキン氏はこの2014年フリオンヌに92Points付けています。
noisy 的には今飲んで点を低めに91+Points、ポテンシャル点を93+Pointsまでの間で付けるかと思います。3~5年ほどは掛かるかな?と言う感じです。サン=トーバンだから・・と言うのでは無く、自分が扱っているから・・と言うのでも無く、公平に、自然に・・そのワインの味わいをただ評価しただけの場合です。(普段から自分の好みだけではポイントを付けないようにしよう・・と思っています。そうでなくても偏ってしまうのが人間ですから・・。出来るだけ違う方向からも見るようにしています。)
2014年のユベール・ラミーは、凄いことになっちゃってました。諸手を振ってお勧めいたします。このフリオンヌをセラーで置き、デリエール・シェ・エドゥアールを直近で楽しむ、と言うのが正しいスタンスでしょう。年末年始も近いですので、高質なシャルドネをリーズナブルに飲みたいとご希望なら、「ユベール・ラミー」が正解かと思います。是非ともご検討くださいませ。お勧めします。
以下はエージェントさんのドメーヌ探訪記です。
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2016年1月 ユベール・ラミー訪問レポート(オルヴォーM岡)
ドメーヌ・ユベール・ラミーに到着したのはフランス出張最終日の夕方17時ぐらいでした。一分の隙もなく緻密で堅牢、ピンと張り詰めたガラス細工のようなワイン、そんなワインを造るオリヴィエ・ラミーは天才肌な人なのかと期待しておりました。
会って早々、
M岡 『はじめまして。もしよければ畑も見たいんだけど』
オリヴィエ 『お前フランス語分かるか?少し?よし!乗れ!』
(作業用の軽トラの荷台に乗せられ猛スピードで出発)
オリヴィエ 『(超早口で)見ろ見ろ見ろ!これが俺の畑で×××土壌が赤い!赤い!赤いだろ!鉄分が×××!葡萄の食密度が×××で古い石が×××ミネラル×××お前!大丈夫か!?
(少しだけゆっくり喋った後すぐに)見ろ見ろ見ろ!(最初に戻る)』
猛スピードのトラックの荷台にしがみつくのがやっとな上、専門用語全開で早口で喋り続けるオリヴィエ氏。(ノンブレスで喋り続ける様は圧巻です。)
ドメーヌからACブルゴーニュ シャタイネールの畑に上り、サン・トーバンからシャサーニュ、ピュリニー、モンラッシェの丘を抜けて再びサン・トーバンへと全ての畑をオリヴィエ氏による解説をいただきました。
(すみません。録音したのですがほとんど聞き取れませんでした。)
車内より撮影した密植畑(多分)しがみつく&聞き取る&撮影は無理です。
剪定前のピノ・ノワール(多分シャサーニュ赤)の畑、ルロワみたいなグルグル巻きの枝は一目で分かります。
ドメーヌに戻り、試飲の前にクローン・セレクションとマッサル・セレクションについてと剪定についての話、相変わらず早口。ブルゴーニュ白にとって偉大なミレジムとなった2014年。比較的、還元的なワイン造りのラミーですが、試飲の時点では解放感がありながらも果実味の密度が崩れない非常に高いレベルでの完成度で鳥肌が立ちました。
修道士の文献を参考に取り入れたオリヴィエのワイン造りは独特です。醸造中には酸化防止剤を一切使いません。そしてブルゴーニュの平均である8.000本の植密度から 14000~30000本という高密植に挑戦しているオリヴィエ氏。
味わい、香り共に情報量が多く驚かされます。修道士たちの精神世界を反映するようなワイン造りと現代の理性的なワイン造りを融合させていく姿は、他の造り手たちの模範ともなっています。
終始、ワインのことを速射砲のように話し続けるオリヴィエ氏、一日のほとんどの時間をワインに費やしているような鬼気迫る個性に圧倒されました。会う前は、理性的な人なのかと想像していましたが、実物はストイックの塊。現代に蘇った修道士のようで、これほどまでにワインと向き合っている造り手はいないのでは?と思わせてくれました。
ベタンヌなどのメディアが伝えているように、2014年は赤ワインの全房比率を高めました。すべての赤ワインが、昔よりもタンニンが細かく軽快さすら感じます。果実味が口の中で綺麗に流れ、波紋を描くように同心円状に広がりを見せてくれます。
サントネ プルミエ・クリュ グラヴィエールはBourgogne Aujourd’hui誌で19/20点という、このアペラシオンでは見たことがないような高得点を付けています。赤ワインは年明けに入荷予定ですが、こちらも楽しみにしていてください。 (Bourgogne Aujourd’hui 129号より グランクリュみたいな評価です。)
● 2017 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【げげっ・・これでオート=デンシテじゃないの?!】
写真って・・本当に難しいですね。そして面白い結果を見せてくれます。
何年にも渡ってこのデリエール・シェ・エドゥワールの写真を撮り続けていますが・・
「何故かこの写真は露出が必ず低めになってしまい、暗めな画像になる」
のがお判りでしょうか。他のキュヴェでも有りますが、デリエール・シェ・エドゥワールほどでは有りません。2017年のこの写真は色合いは弄っていないはずです。
僅かに揺れている感じの液体のトロミ、もしくは影みたいな感じが見えるでしょうか?・・これはタンパク結合では有りません。そしてトロミも実際は全く有りません。きっとミネラリティの多さ、密度が映り込んだ感じなんじゃないかと思います。
ま~・・たまげました。
「きゃ~・・やっちまったか!・・間違えてオート・デンシテ、開けたか??」
です。
ほぼ今までに有り得ない感覚でした。D.R.C.のモンラッシェでもここまでは無かった・・。近かったのはラフォンのモンラッシェ。そんなミネラリティの総量感覚です。
「これ、オート・デンシテじゃないんだとしたら・・オート・デンシテは・・どんだけ~!?」
と叫びたくなってしまいました。
ただし、このデリエール・シェ・エドゥワールの一部はすでにオート・デンシテをリリースしていますよね?・・ラミー側からは、どこの畑をどれだけ密植したかの変更報告は余り無いそうです。
なので、もう相当にオート・デンシテ状態になっているデリエール・シェ・エドゥワールが、これまた相当量、含まれたキュヴェ・・と言うことじゃないでしょうか?
そうでなければ・・理解不能です。呆れんばかりの密度・・それでお酒が一杯飲めてしまいますよ!・・もう溜息しか出てこないデリエール・シェ・エドゥワールでした!・・飲みましょう!、これは!超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】 ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2017 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【オート・デンシテを名乗らないトランブロは・・凄い狙い目!?・・これ、もうただ呆れるほどのミネラリティですが!】
写真からも漂ってくるんじゃないでしょうか。確かにピュリニー的なやや黄色目の濃い色合いをしています。しかし、
「ミネラルって・・見えるの?」
と言いたくなるような色合いですよね~。
まぁ、オート・デンシテのトランブロは、安いとは言ってもそれなりの価格はします。ノン・オート・デンシテのトランブロは価格は三分の一程度です。
でも飲んでみたら・・ビックリですよ。このノン・オート・デンシテのトランブロV.V.が一番、ミネラルの密度が凄いことになっているのが判ります。良い意味で使いたいと思いますが、
「バッキバキ!」
です。
要素由来の表情が漏れてくる速度も一番遅い・・です。
ムルソー村の南隣がピュリニー村ですが、このトランブロはシャサーニュとの村境に有ります。バタール=モンラッシェから東に下がってすぐのところの村名です。なので、ムルソー的な・・と言うか、ムルソーの南端に在るレ・シャルムやレ・ペリエールのような大理石風な厳しいミネラリティとも異なる感じです。
それに・・最近は飲めていないので正確には判断しかねますが、ルフレイヴさんちのバタールのような柔らかさを感じさせるものでも有りません。
まぁ、本当に「クリスタル・コーティング」と言いたくなります。しかも、何度も何度も乾かしては塗りを繰り返してクリスタルそのものになってしまったような感じです。
ノン・オート・デンンシテでこれほどまでになって来たと言うことは、一体オート・デンシテはどうなっちゃってるのか?・・と思わざるを得ません・・にしても、
「・・オート・デンシテじゃなくても・・充分かも?」
と言う気さえ、生まれて来ます。
ただしこのキュヴェに関しましては、他の2017年のラミーのシャルドネと異なり、少しだけでも休ませることがさらなるエルヴァージュ(育てること)に繋がっていることは間違い無さそうですので、気に留めておいてくださいね。
まぁ、もしかしたらオート・デンシテ・クラスの葡萄もそれなりに入っているのかもしれません。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【【ぜい肉の無いみごとなプロポーション!少し早いが見事な旨さ!・・メディア連中は勘違いしてるんじゃない?・・】 え~・・大体92Pointsで止まってしまうピュリニー村名です・・(^^;; でもまぁ、おそらくですが、
「オート・デンシテの評価有りき」
と言う視点でのこのワインの評価になってしまう可能性が高いので、仕方が無いのかと思います。
そもそもですね・・例えば今では大判振る舞いな評価の付くことの多いドメーヌ・ルフレーヴにしても、大昔は散々な評価でした。それがビオを取り入れ、モンラッシェを手に入れ、注目を多く集めるようになって、今の評価が有ります。
それに、すでに有るブルゴーニュのシャルドネのヒエラルキーを壊したくない・・そんな感も受け取れます。
でも、確かに評価はそこまで無いにせよ、それこそコシュ=デュリのアリゴテとかACブルとか・・とんでもないプライスになっちゃってますからね・・。
2016年ものも、バーガウンドのアラン・メドー 89~92Points、ジャスパー・モリス 92Points が基準になるかな・・と思います。そして、オート・デンシテとのポイント差がこのピュリニーの場合「2Points」ほど有ります。サン=トーバンのオート・デンシテは大方「1Points」です。
まぁ・・この辺は言いたいことは沢山有るんですが、とりあえず・・時間も無いので止めておきたいと思いますが、
「スタイリッシュなピュリニーに仕上がっているが、徐々にグラマラスに、妖艶になって行くのが見える」
見事な仕上がりです。
上手く購入できるのでしたら、ぜひオート・デンシテと比較して欲しいなぁ・・と思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2017 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2017 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【これ以上何を望む?!素晴らしいです!】
2017年のユベール・ラミーだけは買わなければ後悔する・・と思います。勿論、シャルドネについては皆さんもそう思っている方が多いと思いますが、ピノ・ノワールも・・です。ラミーのシャルドネの姿がそのまんま、ピノ・ノワールに転写されたと思ってください。
そしてラミーの2017年シャルドネですが、2016年までとは大違いです。伸長率が半端無く、感覚で計測することは不可能です。・・諦めました。
余りに凄いので・・いや、テイスティングは下のクラスから始めるんですが、飲み始めて思わずエチケットを二度見してしまいました。上のキュヴェと間違えたんじゃないかと・・。
瑞々しく、テカテカと美しく、伸びやかにアロマを振りまきます。柑橘の果実は透明+半透明のミネラリティから僅かずつ零れ落ちてくる、もしくは滲み出てくる感じでしかないのに、それで充分に満足してしまう・・A.C.ブルのレ・シャタイネールでさえ・・です。
「これで充分じゃないか・・これ以上、何を望むのか?」
とさえ思ってしまうんですね。
テイスティングは毎日続きますから、徐々にクラスは上がって行きます。もう・・溜息しか出ません。
そして、2016年までのラミーのワインに対するnoisy のスタンスは間違っていたことに気付かされた訳です。
「・・一体、どこまで行ってしまうんだ?」
おそらくこれからもどんどん、密植の割合は増え続けるでしょう。ラミーたちの体力が続く限り。すると一体、これらのキュヴェたちはどんな姿に変貌して行くのだろう?
もう、想像することは我々には困難です。他の造り手と比較なども出来ない・・新しいラミーだけの世界が始まったことを意識させられた2017年ユベール・ラミーのテイスティングでした。
レ・シャタイネールはどちらかと言えば、縦伸び系の味わいです。何も付かない「モンラッシェ」「ル・モンラッシェ」でも、横に行かない奴・・の系統ですね。コント・ラフォン系です。D.R.C.系では無いと思います。
すでに美味しく飲めますが、この先20年以上、熟成可能でしょう。呆れるほどにミネラリティのコーティングがなされたテクスチュア最高の舌触りから、伸びやかな柑橘のアロマがノーズに飛び込んで来ます。2016年までのレ・シャタイネールの比では有りませんが、価格は変わっていないと思います。
素晴らし過ぎるので、是非この感覚、味わってみて欲しいと思います。ラミーのワインに触れてから世界観が変わったとおっしゃるお客様が実に多いです。ピノからシャルドネへ乗り換え中・・のようですよ。超お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【今飲んでも絶好調!?ピュアでぜい肉無し!・・全くドライなのになぜか感じる甘やかさ!見事なエキス!素晴らしい仕上がりです!】 何とも香しく、また、今すぐに飲んでも、
「ん?・・もう仕上がってる?」
と感じさせてくれそうな状態でした。
何しろ到着日にテイスティングしてますから・・はい。そうしないとアイテムが多いので、新着のご紹介に全く間に合わないんですね。1日に1~3本テイスティングして、ようやく何とか・・と言う状況です。
また、ある程度集中してテイスティングしないと、どのような仕上がりか、今年の傾向は?、これからはどうなる・・と言った観点に結論を出すことがしにくくなってしまうんですね。
なので新着で出荷が厳しい金曜日を避けて土曜日に入れ、日曜から水曜までで何とかテイスティングをした訳ですが、そこにはやはり、
「2016年のラミー・・どうよ・・?」
と言うような、早く知りたい気持ちも有った訳です。皆さんもきっと・・そうですよね。ユベール・ラミー、一度飲んだらファンになっちゃいますもんね~。余りに有名になって欲しくない気持ちと・・高くなっちゃうし・・でも皆さんに知って欲しい気持ちが交錯します。
抜栓すると・・実に甘みや膨らみを持った見事なアロマが部屋を満たして行きます。開けた瞬間にもう・・判りますよ。実に素晴らしいアロマです。
ふっくらとしたボディはつやつやに磨かれていて、ガラスやクリスタルそのものを連想させるミネラリティが凄いです。酸のレベルは中庸からやや高め、ベストなバランスです。果実は柑橘中心で見事にまん丸な果実を連想させてくれます。黄色や白、目の詰まった感じです。
そしてこれはテイスティングした全てのキュヴェに共通しますが、そのガラスやクリスタルと言った宝石のような輝き、艶を感じさせるテクスチュア・・ミネラリティ由来かと思いますが、実にふっくらとしており、
「感じられる果実が・・まるで冷蔵庫で冷やされていたかのような冷ややかさを持っている」
ように感じられるんですね。そう・・冷たい果実酸・・と言うべきでしょうか。これはワインが冷たい、冷えている・・とは違う話しです。感じられる果実が冷ややか・・なんですね。
そして、昔のラミーに感じた「樽の要素」はまず無く、有ったとしてもほんの僅かに・・化粧レベルまでも行かない、
「下地のクリームを塗ってる?・・それさえもないよね?」
みたいな感覚で、そのふっくらとまろやかでゴージャスなのに・・ぜい肉を全く感じさせないある種のタイトささえ感じさせてくれました。
余韻も長く、美しい・・実に美しい去り方をしてくれます。美しい色合いを見せつけて・・いや、この照りの有る緑掛かった色合いは素晴らしい!・・そしてゆっくりと歩いて去って行くのに、何故かじっと見つめられているような気がするんですね。非常に素晴らしいシャルドネでした。
今飲んで、バランス的には一番取れています。まぁ、それが「一番下のキュヴェ」と言うことを如実に現わしているのでしょうが、まるでピュリニーやサン=トーバンの村名クラスを飲んでいるかのような錯覚を覚えます。ACブルとしますと価格は普通ですが、決して高く無い・・どころか、充分に納得していただける見事なポテンシャルでした。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ボーヌのシャルドネの第一人者になるに違い無いユベール・ラミーのベースのシャルドネ!1ケ月ほど休養させて飲んでみてください!】 2014年の深くまろやかで優しいシャルドネの味わいを思い出しますが・・美味しかったですよね。
でもユベール・ラミーは一所に留まることを許すような、のんびり屋さんでは無かったようです。葡萄が良く熟した2015年、さらなる高みを目指して、一歩一歩階段を昇っています。
2015年のシャタイネールは、2014年もののややバリックが掛かった滑らかな深い味わいに対し、基軸はそこに置きながらも、ディテールの細やかな美しい酸をプラスしています。
言ってみれば、対照的だとさえ思われた「バシュレ・モノ」が得意とする「美しく伸びやかな若い酸・表情」を、今までのユベール・ラミーのワインに加えているんです。
そして総酸度も幾分高めになっていますので、構造の深さ、もしくは上方への伸長力が感じられ、終盤にはその魅力的な酸がゆっくりと・・エキスの旨さを感じさせながら横方向へもジンワリと拡がって行きます。だらしなく崩壊してしまうのではなく、中央から外方向に向かって漏れてくる・・と言うようなイメージです。
最も、他の上級キュヴェに比べてしまうと、当然ながら追いつかない部分が有ります。現状では上級キュヴェの物凄さ、早くからの美味しさには太刀打ちは出来ません。、あぁ・・それは仕方が無いか・・と思いますが、ユベール・ラミーの2015年を占う部分において、もしくはそのスタイルを見極めるには非常に良いアイテムです。
繊細な表情を入手した2015年のユベール・ラミーです。是非ご検討くださいませ。少し休ませゆっくり目に開けると良いかと思います!
以下は以前のレヴューです。
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【ラミーの感性が生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!ピュリニー版イヴ・ボワイエ=マルトノ?】 素晴らしいシャルドネでした。ちょっと・・いや、かなりビックリした仕上がりです。ユベール・ラミーのレ・シャタイネールは、このところは2012年、2013年、そしてこの2014年と連続して飲んでいますが、
「年が進むに連れフィネスが際立ってきている」
ことが判ります。
上記の造り手コラムでも書きましたが、イヴ・ボワイエ=マルトノが幾ら頑張ってもどうにもならないのがアペラシオンの違いです。ムルソーにはムルソーの、サン=トーバンにはサン=トーバンの個性が有る訳です。もちろんですが、サン=トーバンのオリヴィエ・ラミーがムルソー的にはならないとも言えます。
このレ・シャタイネールはサン=トーバンの西端に有るACブルゴーニュのクリマです。艶々としており、マッタリとして、やや粘性を含むものです。マルトノのブルゴーニュ・シャルドネのようなやや厳しい、石や岩を感じさせる強いミネラリティでは有りません。それでも敢えて「石」と言う言葉を使うなら、マルトノは大理石の彫像、このシャタイネールは真珠のようでも有ります。
ミネラリティは・・真珠などと例えましたが、ピュリニー的なエレガンスを持っていると思われます。幾分の若さからやや硬さも見られますが、とてもピュアです。ドバっと要素を垂れ流すことは無く、あくまで清楚に、雅さを失いません。ACブルとは思えない・・と言うのはマルトノでも使いますが、それはポテンシャルとして、要素の多さ、しっかりしたバランスを持っている点での言葉ですが、このレ・シャタイネールの場合は、
「まるでピュリニー=モンラッシェのようなエレガンス」
を持っている点において、ACブルとは思えない・・と表現しています。かなりの雅さを持っています。非常に美しいです。
その雅さは、非常に緻密に感じるテクスチュアからも感じられます。単に石灰系ミネラリティで埋め尽くされているのではなく、やはりそこには光り輝いているような、宝石的なものが感じられるんですね。単に大人しいのなら「無いに等しい」訳ですが、ちゃんとすべてが緻密に存在しているのが判ると思います。
また、酸の構成もエレガントで緻密でバランスに優れます。何でもかんでも様々な酸がたっぷり有る・・と言うのでは無い、磨かれた酸の存在です。
そして余韻も実に美しいです。人によっては、もしくはタイミングによっては、もしかしたら、「物足りない」と思うかもしれませんが、一頻り余韻を感じ終えたら・・その思いは満ち足りたものに変わっているでしょう。
ACブルクラスでここまでエレガンスやフィネスが有るのは、2014年が素晴らしかったことも有るでしょうが、やはりユベール・ラミーの感性の確かさが導いた結果と言えます。小石が多く混ざる南東向きの石灰質土壌には表土が10~20cmしか存在していないこと、またヘクタール当たり11000本と言う密植度も大きく寄与した素晴らしい味わいでした。是非ともサン=トーバンともども味わっていただきたい銘品と言えるシャルドネです。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2017 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。(未確認ですがアドヴォケイトは96-98Pointsのようです。)】
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2017 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【素晴らしいシャンボール=ミュジニーと言っても過言では無いと思います。この素晴らしいミネラル感!・・零れてくる果実・・美しいです!】
「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のサントネ・クロ・デ・ゾートは、まるでシャンボール=ミュジニーです。コート・ド・ボーヌ感は全くしません。呆れるほど美しく、ミネラリティに溢れています。口に含み、滑らかなテクスチュアを愛で、僅かに零れてくる微細な表情が持つ輝きにクラクラっとさせられてしまいます。
全く何も出していないに等しいのに、これほどまでの素晴らしさとしての感覚が有ると言うことは、どれほどまでにこのワインが高いポテンシャルを持っているかを想像させます。
もう、
「サントネ村名だから・・」
などとは思わないでください。それは不要です。
「ラミーが丹精したピノ・ノワールだ!」
と感じて欲しいと心から願います。素晴らしい出来です!お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】 このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。
これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。
2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、
「ん?・・これってサントネなん?!」
と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。
コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、
「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」
と言うことが、
「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」
と言うことと同時に感じられます。
だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、
「・・なんだこの化け物は!」
と思うに違いない・・訳です。
で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・
「・・前言撤回・・上には上が有った・・」
と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。
超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、
「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」
と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。
良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
━━━━━
【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
━━━━━
【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2017 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【2016年までの「万客いらっしゃい!」的スタイルが嘘のように・・。リーズナブルながらもクリスタルな輝きの在る豊かなスタイルに変身しています!】
「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のシャサーニュ・グージョンヌV.V.は、まるで村名ヴォーヌ=ロマネのような振る舞いです。何せ・・サントネイ1級やサン=トーバンの方が高価ですから・・はい。ラミー本人は一体サントネ赤やサン=トーバン赤がどれだけ格上だと思っているか、お判りになるでしょう?
それでもこのグージョンヌは、まるで素晴らしい村名ヴォーヌ=ロマネ並みの姿を持ち、そこにラミーならではのマンモスなミネラリティと硬質さ、美しさを加えた様なニュアンスなんですよ。
そう言えばかつてラモネ翁は、自身所有の「シャサーニュ=モンラッシェ・クロ・ド・ラ・ブードリオット」を「ボーヌのロマネ=コンティだ」と公言してはばかりませんでしたが、noisy 的には共通点も、格としても、頷く経験は有りませんでした。
しかしながら、このグージョンヌを飲んでしまうと・・ヴォーヌ=ロマネを連想せずにはいられません。
今飲んでも美味しく、やや黒みの在る果実が楽しませてくれます。非常な複雑性を持っていますが、凄い量のミネラリティが放出を阻害していますので、本来の姿を見ようと思うのなら、相当の期間の熟成を考えないといけないかと思います。もっとも、このグージョンヌに関しては「通常のコルク」を使用しています・・長めですけどね・・計測するほどでは有りません。
素晴らしいグージョンヌ!・・飲んでみて欲しいですね。どれだけ2016年と違うか・・いや、違わないかも含めて感じていただけたらと思います。
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
━━━━━
【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2017 Saint-Aubin 1er Cru Derriere chez Edouard Rouge Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【リーズナブルだから・・等と言うような理由で飲むワインでは有りません。他者と比較することが困難であると思えるほどワイン。ラミーが気持ちを込めて仕込むデリエール・シェ・エドゥアールと言う畑のピノ・ノワールを是非とも愛でてください!】
「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のデリエール・シェ・エドゥワールの赤です。滅茶旨いです!・・こんなピノの有ったのか?!と思う位です・・2016年までも折に触れ飲んでいたにも関わらず・・です。
サン=トーバンと言う、少し西にズレた村では有りますが、やはり「裏モンラッシェ」としての存在はラミーのシャルドネで感じていただけると思います。
しかし、例えば同じ丘だとしてもその斜面は一様では無いんですね。石灰が厳しい部分も有れば、他の鉱物が厳しく存在する場所もあるし、希少金属が露出していたり内包されていたりするわけです。
デリエール・シェ・エドゥワールは繊細にして超複雑。どちらかと言えば筋肉質で、その筋肉の凹凸(おうとつ)が見事に感じられる逸品。決して崩れずいつまでも端正な姿を保ち続ける、清楚にして存在感を強く感じる味わいです。
その姿は、まるで見事なラミーのシャルドネのスタイルそのもので、「密度が凄い!」としか言いようの無いものです。クリスタルコーティングされた液体の中からじんわりと伝わって来る美しい果実、磨かれた旨味、ふわっと感じられる希少金属由来のじんわりスパイスがこのワインの特徴です。
コート・ド・ボーヌの赤ワインとはとても思えない仕上がりです。そしてこの姿こそがサン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールなんだと感じていただけると確信しています。素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
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【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2017 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ユベール・ラミーが創り出す「新世界」!ラミーのシャルドネの美しい姿を見事に転写したもの凄いピノ・ノワールです!圧巻!】
「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
このクロ・デ・グラヴィエールはもう、圧巻でした。高価だがさしてポテンシャルを感じないニュイの一流どころのアペラシオンものと、全く引けを感じない・・どころか、完全に超えて来ているニュアンスです。
クロ・デ・グラヴィエールは、超エレガント系のシャンボール1級に近い感覚で飲めると思いますよ。むしろ、知っていればいるほど、「サントネだね」「二流かな」などとは言えないはずです。そんな姿はむしろどこにも感じられない・・と言うか・・
2016年までのクロ・デ・グラヴィエールも、非常に美味しかった訳です。
「ラミーは赤も旨いね!」
と言っていただけるようになっていたんですね。
しかしながら、2017年ものはもう、そんなレベルでは無いんです。何とか2016年ものと比較できる・・だけです。ですので、もう他者のワインとも比較のしようが無い訳です。
「濃いのではない。密度が有り得ないほど凄いんだ!」
と、ラミーのシャルドネでは散々言ってきました。2017年もののラミーのピノは、全くシャルドネと同レベルの密度と言って良いです。
その結果、2016年までの美味しいクロ・デ・グラヴィエールの姿はもう無く、ニュイの高級ピノ・ノワールと同レベルか、それを超えてくるようなパフォーマンスを見せつけてくれます。
もう、これはお客様に飲んでいただいて、評価をしていただきたい・・凄いピノ・ノワールです。
コート・ドールの南のドンケツの「サントネ」も、古い時代に収穫増のために行っていた「密植」に戻ることで、ニュイのピノにも勝るとも劣らないもの凄いワインになった証拠です。
このピノは、是非とも飲んでみて下さい。「サントネでこのプライス?・・いらないな・・」と思われたら、もう時代には付いていけないでしょう。まるでルーミエさん張りのミネラリティなんですが・・すでに超えているとも言えるかもしれません。その辺も是非、ご自身の感覚でお確かめいただきたい!・・そう思っています。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【わおっ!・・なるほど~!・・そう言うことか~!っと・・思っていただけるかもしれません!】 週一のnoisy の新着は、お客様も楽しみにしていただけているようで、多くの方のアクセスをいただいており・・本当にありがとうございます。そんな中でも、
「この20000本/ha 植密度の化け物!」
は、ぜひ経験していただきたい内容の濃い・・いや、密度の濃い、素晴らしいピノ・ノワールです。
今回、完売しましたら、もうワンクール、ご用意していますので、来週是非・・もう一度トライされてください。ピノ・ノワールと言う葡萄、アペラシオンの不思議、葡萄やワインの本質、その秘密・秘訣みたいなものを覗くことが出来る良い機会です。
因みに、今回の「ユベール・ラミーの2016年ピノ・ノワール」に関しましては、
「画像加工は部分選択と大きさ変更のみで、色合いや明るさなどの調整は一切していない」
ことをお知らせします。なので、
「そのまんまの色」
です。写真が下手ですみません。
ま・・飲めば、「・・・なるほど~!」と、きっと感じていただけると思いますよ。
その際にやることと言えば、
「この写真、そして他のラミーのピノの写真を見比べて、その味わいを想像しておくこと」
かと思います。それだけでどれだけ楽しくなるか・・(^^;;
だって・・「密度の高い色彩をしてる!」って、感じませんか?・・良い色ですよね~。前言のように、加工、してませんよ・・。香りも柔らかく、しかし抜栓直後から、何とも言えぬくすぐられるアロマが部屋に満ちて行きます。
クラス越えとか、アペラシオン超えとかは言いたくない・・感じです。これはそれぞれのワインファンが、それぞれの感性で向かい合うべき・・と思います。
村名サントネ・クロ・デ・ゾートと、ぜひ比較してみてください。クロ・デ・ゾートも単独で・・14000本の優れた表情を見せてくれます。そしてこのクロ・デ・グラヴィエールもまた、その頭上を・・いや、これ以上は止めておきます。
これほど楽しめるピノ、しかもリーズナブルなものは昨今は中々無いと思います。・・あ、これだけは言っておきましょう。
「滅茶苦茶ドライで甘みなど全くないのに・・」
です。ご検討くださいませ。素晴らしいと思います!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミーはピノ・ノワールも実に旨いです!誰にも似ていない・・正にシャルドネの聖地コート・ド・ボーヌの新しい基準!】 現状では飲めておりません。ラミーのピノのトップ・キュヴェです。
以下は2014年のこのワインのレヴューです。かなり素晴らしかったです!
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【ユベール・ラミー、ピノのトップワインはサン=トーバンでもシャサーニュでも無く・・サントネー1級です!ラミーは赤も素晴らしかった!】 妖艶ですね~・・これ、本当にサントネーなんでしょうか・・。今までの頭の中のポートフォリオ?・・いや、ヒエラルキーを更新しないといけません。
で、ティム・アトキンさんは93ポイント・・・付けてましたね。noisy だともう少し付けちゃうかもしれませんが、それでもサントネー1級で93ポイントですよ?・・この方、マスター・オブ・ワインの資格を持ち、結構、アペラシオンに捉われずに、自由な評価をされる方です。珍しいですよね・・。noisy も出来る限り、俯瞰して自身を見るように、テイスティングするのが正しいと思っていますが、有名なテイスターでもこれが出来ない方は沢山いらっしゃいます。好みでしか判断できないんですね。
それでも、こんなに美味しいピノ・ノワールは、「サントネー」の部分を目隠し出来れば、誰でも理解できます。
「サントネは将来有望なアペラシオンの一つ!価格も適正だし品質はさらに向上して行くだろう!」
と言うのが、モロに見えるはずです。
これ・・何か・・判りますか?・・現在非売品のシルヴァン・パタイユのアリゴテです。ラシーヌさんが特別に詰めさせたものだそうです。
でも、アリゴテです。頭が固く、頭でしか飲めない人は、このワインが持つとんでもないポテンシャルに気付かないでしょう。もう・・あり得ないほど凄いワインです。シャルドネ、ピノ・ノワール偏重主義が招いた現在のブルゴーニュのAOC規定では、このワインはACブルゴーニュにしかなりません。
しかし、畑はマルサネ・クロ・デュ・ロワです。物凄い繊細さと、物凄い複雑性、そしてあり得ないほど健全で美しいナチュラルさを持っています。ま~・・唖然とさせられました・・。全部くれ!・・と言っておきましたが・・厳しいかな・・(^^;; 余り期待しないでください。
ただし、こんなワインに出会っても、俯瞰できないテイスターは・・「アリゴテか・・でも美味しいね」で済ましてしまうでしょう。頭で飲んでるか、好みだけを、ガチガチの主観に当てはめているだけなんです。
お客さんはそれで良いと思いますよ。嫌いかもしれない、と思うものを購入することは無いです。ただし、それだと本当に素晴らしいものをリーズナブルに仕入れることは不可能です。
ティム・アトキンさんはこのワインに93点付けてました。それだけで、
「あ、この人はちょっと信用できる」
と思えます。以前アドヴォケイトにいた某テイスターは同じワインを86~88としていました。noisy が、「ダメだこりゃ・・」といつも言ってるテイスターの方です。どっちが正しいかは明らかですよね。
非常に豊かなピノです。しかし、他の密植系と同様に一滴一滴の仕上がり、その密度、一滴はミネラリティの外殻に囲まれていて、その中のポテンシャルを高く持った各要素のベクトルは外に向かっています。まるで「スーパーボール」を細かく振動するバイブレーターの中に入れているような状態です。
果実感は複雑で高く、ミネラリティも実に複雑で高質です。中域も適度に膨れ、いつまでもけっして崩壊の姿を感じさせずに長い果実感・スパイス感を持った余韻を持続します。これで低い点が付くなんて・・あり得ません。
この溌剌とした液体の色合いを見れば、そんなことは判るよ・・とおっしゃってくださる方が多いでしょう。
昨今はブルゴーニュワインは高騰していますが、こんなに素晴らしいワインがまだまだそこそこリーズナブルに入手できる・・と思ってください。お勧めします。ユベール・ラミーは赤も凄かった!・・と言っていただけ酢でしょう!お奨めします!
● 2017 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【素晴らしい!!アドヴォケイトは90~92pointsだそうですが・・そんなもんじゃ無いでしょう!】
ようやっと飲むことができたレ・マシュレルです。2016年はリリースさえ無かったはずです。
この畑はシャサーニュの北側、1級レ・ヴェルジェの東に接しています。勿論、ル・モンラッシェも近いですよ。
アドヴォケイトは「最も飲みやすい2017年のラミーのキュヴェ」と評価し、90~92ポイント付けています。外れですね。最も飲みやすいかどうかは人に寄るので判らないとしても、一見ではとても計り知れないポテンシャルを持っていると感じます。
実はこのコラム、一回書き上げたんですが・・Windows のエラーでおじゃん になってしまいました。なので、かなり凹んでいます。
ですので、文字そのものは少なくなってしまったんですが、
「相当凄い!」
のは間違いないです。
「2017年のラミーの中で最も飲みやすいキュヴェ」って・・もっとポテンシャルに言及しないとディスっているだけのように見えちゃいますから・・決してそう言うことでは無いと思ってくださいね。素晴らしい、シャサーニュ1級です!・・長くも持ちますよ。物凄い、理解を超えたようなミネラリティが有ります。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】 少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
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【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
なお、飲んでないと書くことが余り無いので・・(^^;; まぁ、美味しいに違いないんでしょうけど、Youtube にユベール・ラミーのサン=トーバンの畑仕事のビデオが有りましたので、貼っておきますね。
凄い急な斜度と石ころだらけの乾いた感じが判る映像ですよ。
https://youtu.be/3hs26qjoM2g VIDEO
● 2017 Chassagne-Montrachet le Concis du Champs
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャン
【相当に高貴さの滲む姿に、シャサーニュ本来の美しさを想像させます。こんな姿を見せてくれるのはラミー2017年だけ!】
アドヴォケイトは89~91Points のようですね。その評価以上に美味しく感じられるかと思います。2017年ものはやはり別格でした。
2016年ものまでは、それでも横に拡がるのが若干早かったと思います。シャサーニュらしいと言えばそうなんですが、それでも綺麗な円形のパレットを描けるワインでしたし、いつ飲んでも美味しいので重宝したものです。
2017年もののル・コンシ・デュ・シャンは、そんな2016年までの真ん丸なパレットを描かせようとはさせないぞ・・とばかりに、強烈に美しく、たぎるようなミネラリティが、そのパレットを楕円に押し潰して来ます。凄いミネラリティの密度です。
その、僅かに漏れてくる、零れてくるような柑橘の果実と、テッカテカのテクスチュアだけで・・幸せです。
時間の経過で徐々に色付き、黄色を増してくる柑橘と、シャサーニュならではの中域の拡がりのあるボディ感が、豪奢なシャルドネを飲んでいると言う満足感が得られると思うんですね。
でもこれ・・単なるシャサーニュなんですよね・・。とてもそうは思えない・・村名だとしても、グラン・クリュに引っ付いたように存在する畑に思えて仕方が無いんです。
実際には、1級マルトロワからだいぶ東に行った(下に下がった)ところに在るのがル・コンシ・デュ・シャンなんです。これがきっと「密植」の力なんでしょう。
因みに11000本/h とされている密植度ですが、おそらく相当に・・上がって来ているものと思います。(未確認では有りますが、ラミーはこの畑をオート・デンシテ化しているようですよ。)是非飲んでみて下さい。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【評価がやや分かれた様ですが・・ポジティブな意見に賛成です・・って、飲んだら最高に旨いじゃないですか!】 滅茶美味しいです!・・ル・コンシ・デュ・シャン、最高ですよ。2016年のラミーの中では緊張感とエネルギーに欠ける?・・無い無い・・(^^;; 最高に旨いです。
しかも、タイトなピュリニー村名に比べ、包容力のある外向的なスタンスを持っていますから、誰が飲んでも美味しいと感じるはず・・しかも複雑な要素はクリスタルなミネラリティの中にちゃんと隠されているんですね・・。
まぁ、メディアのテイスターさんたちも強者揃い・・そこで意見が割れると言うのも判りますよ。
「・・その存在に気付くかどうか?」
は、様々な要素によって変わってしまうからです。
例えば「根の日」だったり・・コンディションが今一つのボトルだったり・・テイスターのコンディションそのものも有りますしね・・。だから noisy 的には・・
「緊張感とエネルギーに欠けることは無い」
と言い切りたいと思います。
今飲んでも・・たしかにほんのりは若さも有りますが、そのしっかりした包容力、果実由来のふくよかさは良く出来た膨らみあるピュリニー=モンラッシェ並みに有ります。美味しいです!是非飲んで欲しい!アラン・メドーの91Points も低いです。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】 こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2017 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2017 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト96~98Points と、2016年ものから2ポイントも積み上げています。海外も正規品の入るショップではすでに10万円以上ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
その他、2つのオート・デンシテは海外の評価が見当たりませんでした。
しかしながら・・実際、十数アイテムも2017年のユベール・ラミーを飲んでみて感じることは、確かにオート・デンシテは魅力的だとしても・・
「すでに他の畑も超密植にほぼなっていて、その味わいも2016年までと激変しているから・・オート・デンシテのキュヴェじゃなくても充分じゃないか?」
と言うような気持ちもあるんですね。
それに、アドヴォケイトは2016年のクリオ=バタールから2ポイント、積み上げて上値98ポイントを付けました。
しかしながらサン=トーバンの2017年の各キュヴェに対し、アドヴォケイトは真摯な態度で向き合った結果の評価を出しているとは、とても思えません。
「サン=トーバンなら・・こんな感じ?・・おっとこれは1級だったか・・じゃ、この位か?」
みたいな・・ね。クロ・ド・ラ・シャトニエールが93ポイント?・・有り得ません。そんなに低く無い。
2017年から57ミリもあるディアムのコルクをシャルドネ全品に使用しています。飲み頃は今後7~8年間だとしか言及できない、何も判って無いメディアの方が多すぎるような気がします。
感覚的には、オート・デンシテのキュヴェは、数年間、手を付けない方が良いと思いますよ。実際、ピュリニーの密植のキュヴェなどは、もし今、そのワインだけを飲んだとしたら、ポテンシャルを取れずに飲み終えてしまう可能性さえあると思っています。
ですので、オート・デンシテの各キュヴェの早飲みは厳禁・・です。何日も掛けて楽しむパターンは有ると思います。
凄い2017年です。2016年までのラミーのワインとは、数段異なると思ってください。ユベール&オリヴィエ・ラミーの新しい世界!・・物凄いです!
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2017 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【凄いです!・・こんなの飲んだら・・他のワインが飛んじゃいます!】
絶品でした~!・・有り得ないです。まぁ、ほとんどのメディアが93ポイントまでしか付けませんが、デカンターのティム・アトキン氏だけは94ポイントでした。
アン・ルミイィとの差は、ポテンシャル的には無いでしょう。でも、余り語り過ぎてもシツコイと思われるかもしれないので、このコラムではこんな経験だけを書かせていただきます。
実際のテイスティングは、この1級クロ・ド・ラ・シャテニエールと1級クロ・デュ・メが一緒でしたので、まずはクロ・デュ・メを先にいただいた訳です。
いつもよりもミネラリティが物凄く、確実にジャンプ・アップしたクロ・デュメの、太くどっしりと構えた構造からの全域への豊かな味わいに、全ての味蕾や鼻の粘膜細胞までが満たされた感覚でした。
そして次にクロ・ド・ラ・シャテニエールを注ぎ・・そのグラスへ鼻を近づけると・・思わず、「うわっ!」と声が出ました。クロ・デュ・メの要素で満たされた感覚のところへ、クロ・ド・ラ・シャテニエールを一口すすると・・クロ・ド・ラ・シャテニエールはそれまでのクロ・デュ・メの残像を左右に押し分けて入って来て、全ての感覚器官をクロ・ド・ラ・シャテニエールの表情で上書きしてしまいました。
超高域まで、どこまで行ってしまうのか?と心配になるほどの縦構造で、完全に人間の感覚を超えるほどの要素の振る舞いでした。呆気に取られてしまう・・凄いシャルドネです。
申し訳ございませんが、数が無いので、こちらはお一人様1本とさせていただきます。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【息を飲むような美しさ!鮮やかな色彩を淡い黄緑に溶け込ませたかのようなニュアンスのクロ・ドラ・シャトニエールと、あのグラン・クリュのそっくり??と思わせるようなアン・ルミイィです!】 どうでしょう・・この色彩。実に細やかな色合いが溶け込み隠れているようじゃないですか・・。シンプルに赤、もしくは黒が混じった感じじゃないんですね・・。非常に複雑性が高いです。
ここは粘土の混じる畑では有りますが、石灰も結構に強いです。ラミーのワインに共通なガラスとか、クリスタル的な輝きと硬質感が有り、味わいにも複雑性と石灰由来のミネラリティが豊富です。
そして2016年は見事にぜい肉が無いので、本質が透けて見えてくるんですね・・。これも非常に美味いです。
因みにジャスパー・モリス 93Points、 アラン・メドーとアドヴォケイト(ニール・マーティン)が90~92Points と言う評価です。
グラの有る大柄なアン・ルミイィに対し、やや白い石灰が多いかな?・・と感じさせてくれる部分からタイトさを受け取るかもしれませんが、
「直情的なアン・ルミイィと内向的なクロ・ド・ラ・シャトニエールVV」
とも言え、どちらがポテンシャル的に高いかと問われると非常に微妙ですがクロ・ド・ラ・シャトニエールVVの方が有るかもしれません。でも若いうちに「ウケが良い」のは間違いなくアン・ルミィかなと・・思います。
アン・ルミイィはもう、今飲んでも美味しさの伝わってくる完成度の高い逸品です。毎年旨いですが、2016年は最高の出来かと思います。何せ、
「飲んでいてル・モンラッシェを飲んでいる自身を思い起した!」
位ですから・・。
普通ならサン=トーバンを飲んでいるときに、そんなことはあまり考えないですよね。すぐ真裏にモンラッシェが有るとしても、比較の対象には中々ね・・。でも・・そのアロマと味わいの中に、きっとかなり共通する部分を感じたのでしょう。
アン・ルミイィは、アラン・メドーをはじめ、多くのメディアが93Points 付けています。アドヴォケイトだけひねくれて?・・90~92Points でした。
質感はもう・・いや、止めておきます。凄い質感です。そして非常に判りやすい構成。見事だと思います。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【情報は更新されていませんが、おそらく密植度も上がっているはず・・】 昨今のインターネットによる情報は、雑多なものの真贋はさておき、Google などの地図からの、見事な現場写真まで見ることが可能で、全く驚くばかりです。日本に居ながらにして、現地の地勢や日照など、美しい写真とともに閲覧が出来るんですね。
Google検索で「ブルゴーニュ」と入れ検索し、地図をさらにクリックすると、マップでボーヌの西辺りが出て来ます。ピュリニー=モンラッシェ辺りを拡大し、ル・モンラッシェの南脇の国道を最も拡大すると、右手のそこはサン=トーバン・アン・ルミイィ。
また少し拡大を戻して西に向かうと、「シャトニエール通り」と名前が有り、マルク・コランの住居が表示されています。
その辺りがシャトニエールなんですね・・。上の方にも行けて、拡大も出来ます。ここでは「クロ」は、確実に「崩壊防止」「土留め」の役目をしているようですね。
その一角に、他とは明らかに植密度が違うなぁ・・と見える、「ボウボウに茂った」葡萄畑が有り、もしかしたらここなのかなぁ?・・などと妄想してしまいました・・。石で造られた門も有るんですが、名前が書いて無かったかな・・。でも非常に美しい眺めです。もしお時間などございましたら是非とも、そんな妄想に浸れる瞬間を探しに行かれてはどうでしょうか。思いの外、サン=トーバンのこの辺りは、むしろ日当たりが良いと言うことがご理解いただけるでしょう。ピュリニー=モンラッシェ張りのワインが出来ることの理由のひとつかもしれませんね。
他のコラムにも掲載しましたが、Youtube にユベール・ラミーのサン=トーバンの畑仕事のビデオが有りましたので、貼っておきますね。
凄い急な斜度と石ころだらけの乾いた感じが判る映像ですよ。
https://youtu.be/3hs26qjoM2g VIDEO
こちらはサン=トーバンのほぼど真ん中にある、実に秀逸な1級畑です。アン・ルミイィと共にサン=トーバンでトップの畑と言われてきました。当然ながら1級格付の畑です。
モンラッシェの裏側に有る畑なので、日照の角度はややズレてはいますが、まぁ・・ご覧のように凄い傾斜と石ころだらけの乾いた畑です。
このシャトニエールは、まだ密植の端緒のようですから、11000本/haほどです。
ですが、この11000本と言うのは、ブルゴーニュではトップクラスの植密度なんですね。ユベール・ラミーでは「ようやく密植化を始めたに過ぎない」訳ですが、ほとんどDRCと変わらない植密度です。
この高い植密度から、密度の高い葡萄を得て、クロ・ド・ラ・シャトニエールが生まれます。
今回は12本だけの入荷でして、アン・ルミイィを飲んでしまいましたので・・人気になりそうなシャトニエールはテイスティングしておりません。ユベール・ラミーを追いかけるには、非常に面白い存在です・・何故って、元から素晴らしいと評判の高い畑ですから。
それを密植化して行くので有れば、年を追うごとの変化を見られますし、また、オート・デンシテを名乗るようになると仮定するならば、そこへの道筋を追える訳です。
何か・・こう・・落語のオチみたいな文章になっちゃいましたが・・あれ?・・判らない??・・じゃぁ地図でも拡げて答えを探してみてください。
誰も歩いたことのない、まだ道も出来ていない・・道無き道を行くオリヴィエ、是非応援をお願いいたします。お勧めします!
1927年当時のブルゴーニュ晩餐会のメニューを見ると、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェと並びシャトニエールが供されています。
● 2017 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【ワインファンよりワイン屋が欲しがるのは・・何故?・・見事に真ん丸、真球なパレットを描く超一流のシャルドネです!】
どうやら93~94ポイント位を付けているところが多いようです。ただし「1級アン・ルミイィだから」と言う理由が大きな理由だと思えてなりませんが・・。
因みにこの1級アン・ルミイィと1級クロ・ド・ラ・シャテニエールを比較すると、個性が全く異なることは容易に判りますが、現在の状態を鑑みると、クロ・ド・ラ・シャテニエールをより高く評価するのも理解出来ます。ただし、noisy 的には、現段階ではそうでも、数年経過した頃には、
「タイプは異なるが二つのキュヴェはほぼ同ポイントになるはず」
と感じています。
2D的には真ん丸な、3D的には球体だと言わざるを得ない、見事なパレットを描いてくれます。ムルソー・レ・ペリエール的な蜜のニュアンスと、すぐ近くの・・珠玉のシャルドネ・グラン・クリュ達の要素を少しずつ持っているかのようなニュアンスを感じます。
ある時はクリオのように鈍い光を反射する鉱物のようなニュアンスも漏れてきたり、シャリシャリとしたエレガントな石系の感覚を見せるシュヴァリエのようでも有り、短い感覚でそれらを「チラ見」させては、やや閉じこもったかのような態度を取ります。
呆れるほどのポテンシャルを感じました。2016年までのアン・ルミイィとは、各段の差が存在すると確信しています。しかし、現状で物凄い表情を隠そうとさえしないクロ・ド・ラ・シャテニエールの方が、直近で楽しむには向いているのは間違いないでしょう。
素晴らしい1級が、こんなプライスで買えることが・・まだ有るんだと喜びましょう!是非挑戦してみてください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【息を飲むような美しさ!鮮やかな色彩を淡い黄緑に溶け込ませたかのようなニュアンスのクロ・ドラ・シャトニエールと、あのグラン・クリュのそっくり??と思わせるようなアン・ルミイィです!】 どうでしょう・・この色彩。実に細やかな色合いが溶け込み隠れているようじゃないですか・・。シンプルに赤、もしくは黒が混じった感じじゃないんですね・・。非常に複雑性が高いです。
ここは粘土の混じる畑では有りますが、石灰も結構に強いです。ラミーのワインに共通なガラスとか、クリスタル的な輝きと硬質感が有り、味わいにも複雑性と石灰由来のミネラリティが豊富です。
そして2016年は見事にぜい肉が無いので、本質が透けて見えてくるんですね・・。これも非常に美味いです。
因みにジャスパー・モリス 93Points、 アラン・メドーとアドヴォケイト(ニール・マーティン)が90~92Points と言う評価です。
グラの有る大柄なアン・ルミイィに対し、やや白い石灰が多いかな?・・と感じさせてくれる部分からタイトさを受け取るかもしれませんが、
「直情的なアン・ルミイィと内向的なクロ・ド・ラ・シャトニエールVV」
とも言え、どちらがポテンシャル的に高いかと問われると非常に微妙ですがクロ・ド・ラ・シャトニエールVVの方が有るかもしれません。でも若いうちに「ウケが良い」のは間違いなくアン・ルミィかなと・・思います。
アン・ルミイィはもう、今飲んでも美味しさの伝わってくる完成度の高い逸品です。毎年旨いですが、2016年は最高の出来かと思います。何せ、
「飲んでいてル・モンラッシェを飲んでいる自身を思い起した!」
位ですから・・。
普通ならサン=トーバンを飲んでいるときに、そんなことはあまり考えないですよね。すぐ真裏にモンラッシェが有るとしても、比較の対象には中々ね・・。でも・・そのアロマと味わいの中に、きっとかなり共通する部分を感じたのでしょう。
アン・ルミイィは、アラン・メドーをはじめ、多くのメディアが93Points 付けています。アドヴォケイトだけひねくれて?・・90~92Points でした。
質感はもう・・いや、止めておきます。凄い質感です。そして非常に判りやすい構成。見事だと思います。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【情報は更新されていませんが、おそらく密植度も上がっているはず・・】 昨今のインターネットによる情報は、雑多なものの真贋はさておき、Google などの地図からの、見事な現場写真まで見ることが可能で、全く驚くばかりです。日本に居ながらにして、現地の地勢や日照など、美しい写真とともに閲覧が出来るんですね。
Google検索で「ブルゴーニュ」と入れ検索し、地図をさらにクリックすると、マップでボーヌの西辺りが出て来ます。ピュリニー=モンラッシェ辺りを拡大し、ル・モンラッシェの南脇の国道を最も拡大すると、右手のそこはサン=トーバン・アン・ルミイィ。
また少し拡大を戻して西に向かうと、「シャトニエール通り」と名前が有り、マルク・コランの住居が表示されています。
その辺りがシャトニエールなんですね・・。上の方にも行けて、拡大も出来ます。ここでは「クロ」は、確実に「崩壊防止」「土留め」の役目をしているようですね。
その一角に、他とは明らかに植密度が違うなぁ・・と見える、「ボウボウに茂った」葡萄畑が有り、もしかしたらここなのかなぁ?・・などと妄想してしまいました・・。石で造られた門も有るんですが、名前が書いて無かったかな・・。でも非常に美しい眺めです。もしお時間などございましたら是非とも、そんな妄想に浸れる瞬間を探しに行かれてはどうでしょうか。思いの外、サン=トーバンのこの辺りは、むしろ日当たりが良いと言うことがご理解いただけるでしょう。ピュリニー=モンラッシェ張りのワインが出来ることの理由のひとつかもしれませんね。
他のコラムにも掲載しましたが、Youtube にユベール・ラミーのサン=トーバンの畑仕事のビデオが有りましたので、貼っておきますね。
凄い急な斜度と石ころだらけの乾いた感じが判る映像ですよ。
https://youtu.be/3hs26qjoM2g VIDEO
こちらはサン=トーバンのほぼど真ん中にある、実に秀逸な1級畑です。アン・ルミイィと共にサン=トーバンでトップの畑と言われてきました。当然ながら1級格付の畑です。
モンラッシェの裏側に有る畑なので、日照の角度はややズレてはいますが、まぁ・・ご覧のように凄い傾斜と石ころだらけの乾いた畑です。
このシャトニエールは、まだ密植の端緒のようですから、11000本/haほどです。
ですが、この11000本と言うのは、ブルゴーニュではトップクラスの植密度なんですね。ユベール・ラミーでは「ようやく密植化を始めたに過ぎない」訳ですが、ほとんどDRCと変わらない植密度です。
この高い植密度から、密度の高い葡萄を得て、クロ・ド・ラ・シャトニエールが生まれます。
今回は12本だけの入荷でして、アン・ルミイィを飲んでしまいましたので・・人気になりそうなシャトニエールはテイスティングしておりません。ユベール・ラミーを追いかけるには、非常に面白い存在です・・何故って、元から素晴らしいと評判の高い畑ですから。
それを密植化して行くので有れば、年を追うごとの変化を見られますし、また、オート・デンシテを名乗るようになると仮定するならば、そこへの道筋を追える訳です。
何か・・こう・・落語のオチみたいな文章になっちゃいましたが・・あれ?・・判らない??・・じゃぁ地図でも拡げて答えを探してみてください。
誰も歩いたことのない、まだ道も出来ていない・・道無き道を行くオリヴィエ、是非応援をお願いいたします。お勧めします!
1927年当時のブルゴーニュ晩餐会のメニューを見ると、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェと並びシャトニエールが供されています。
● 2017 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
いや~・・1月23日(木)の新着を楽しみにされていらした方には本当に申し訳ありませんでした。急なサーバートラブルに巻き込まれまして、
「新着記事を書いている場合じゃない!」
と言うような状況になっておりました。現在は復旧しています。まぁ、新着が出るだろうと待ち構えていらしても、サーバーが不安定だったと思うんですね。大変なご迷惑をお掛けしました。こちらももう・・気が気じゃ無かったですが・・。こんな時に備えて色々と手は打ってあるにせよ、その手を打てる状態でも無いとなると、にっちもさっちも行かなくなってしまいます。
葡萄造りもきっと似たようなことが起きるでしょう。やはり経験がものを言う世界でも有りますから、先達たちの教えも重要です。かといって、自身で考える、感じる、想像してトライすると言ったことを止めてしまうようなアクションを与えるのは、また出過ぎたことになってしまいます。
今や誰も行っていない、三万本の超密植キュヴェをリリースするラミー家ですが、25~35cm 間隔で樹が植わっているとなると・・これはもう、想像を絶する世界です。元々は90 ~ 100cm 位の間隔で植わっているその間に、2本ほどの樹を植えるとしても、表土に張った根を処理することを考えると途方もない作業であるし、またその樹が充分に育つまでの長い時間を考えると、
「・・やってられないよ~・・」
と言うことになるのが普通です。もしくはすべての樹を一度抜いて、等間隔で植えなおすなんて・・考えただけで頭がおかしくなりそうです。
この1級レ・ショーメですが、オート・デンシテを名乗らないキュヴェの中ではトップ・キュヴェの一つです。
以前に2万本/hと言うアナウンスが有りましたが、おそらくもう・・その情報は古いでしょう。口に含むと・・
「物凄い密度からの解放圧力!」 に圧倒されてしまいますよ。 透明感の凄いミネラリティは、おそらく何層かに分かれているようにも感じられます。・・え~・・「玉ねぎ状態」でしょうか。 その一番外側の層に、僅かな亀裂みたいなものを生むのが「時」です。気品みたいなものが漏れて来ます。 次いで・・柑橘果実です。ドライなのに甘い・・(^^;;ネットリなのに・・スッキリです。その余韻がまた・・何とも素晴らしく長いんですね。 やはりこのように素晴らしいシャルドネには、濃い味わいのお料理もこなせてしまうポテンシャルが有るとしても、決して素材の持ち味を調味料で埋めつくさない程度の味付けでいただくのが良いと感じさせられました。 やはりこのレ・ショーメに感動した!・・とおっしゃるお客様は多いですね。意外にも若くても飲めてしまうんですよね。・・いや、勿論ですが、運悪く硬いバイオリズムの時も有るでしょう。それでも「玉ねぎ」ですから・・。一枚剥きさえすれば何とかなる部分も有るかと思います。 この素晴らしい2017年レ・ショーメは、記念すべきワインになっている可能性は大です。アドヴォケイトは90~92のようです・・思わず笑っちゃいました。やっつけ仕事はワイン屋だけじゃなかった・・メディアも同じですね。是非ともこのワイン、飲んで見てください。お宝だと思います!滅茶苦茶安いと思います!・・勿論ですが、今は「少しずつ表情を見せてくれる」に留まりますが、 「密度が生んだ迫力から漂う気品!」 で美味しくいただけるはずです。 以下は以前のレヴューです。 ━━━━━【オート・デンシテは飲めずとも、それを名乗っていないだけに過ぎないこのレ・ショーメは飲んでみるべきです!】 これは・・何としても飲まねばならぬ・・!・・などと言いたくなるほど素晴らしいです! 「何とかを質に入れても飲みたい!」 と思わせるだけの魅力に溢れています。それは・・やはり、 「密度」 です。 「・・超密植なんだから・・当たり前じゃん!」 と思われるかもしれませんが、本当にそれが当たり前なんでしょうか。実際に自身で確かめなければ判らないことは沢山あるはずです。 地道に毎日畑に通い、下部に落ちた表土を元に戻し、畑の手入れをしつつ、密植度を高めています。 「・・これ以上の畑仕事があるのだろうか?」 とさえ感じます。それをこのワインが語ってくるんです。 その言葉がたとえ聞こえなくても、 「・・大変な仕事をされていますね・・」 と、声を掛けたくなってしまうでしょう。 密植の意味、畑仕事と葡萄への愛情、ワインへと昇華させる技術、そして人とは・・などと、全てが綿々と繋がっていることに思いが行きます。 この色!・・いや、いつも色のことばかりで申し訳ありませんが、 「グラスに注いだ瞬間に!」 絶対に言葉が漏れるはずです。 「・・うわおっ!」 素晴らしいシャルドネでした。若いですが・・本当に美味しいものは最初から美味しい・・これも真実なのかもしれないと思います。ご検討くださいませ。 以下は以前のレヴューです。 ━━━━━【オート・デンシテをまだ名乗っていないだけに過ぎないこの超密植キュヴェは、グランクリュ並みの密度感!素晴らしいです!】 超お買い得・・としか言いようのない、滅茶密度感の高いシャルドネです。 「密植度20000本/ha」 と言う、おそらく隣の樹まで30~40cmほどしか離れていない、驚異的な密植度がなせる業は、どこかDRCのモンラッシェに通じるようなニュアンスが有ります。 まぁ・・noisy的にはDRCのモンラッシェは緻密でオイリーでバターっぽさが凄い・・そんな印象でしたが、その「緻密」と言う表現が、この密植度に現れているような気がします。 ちょうどnoisy も何十数回目かの誕生日だったこともあり、カミさんがスキ焼を用意してくれまして・・まぁ・・普段は粗食ですから何でも美味しいっちゃ美味しいんですが、このショーメのポテンシャルには驚かされました。 素朴な味付けの・・砂糖と醤油とお酒だけで「焼くタイプ」のすき焼きとこのショーメは、中々のマリアージュを見せてくれましたよ。 「ピッタンコ!」 などと言うつもりは毛頭有りません。 しかしね・・ショーメに余裕がある・・と言うか、包容力が凄い・・と言うか、ショーメに抱かれたちょっと良い牛肉の美味しさは格別でした!ピノ・ノワールの方が合うかとは思いますが、ショーメも充分!・・そして何よりワインが旨い!・・と感じさせてくれました。 非常にお買い得とも思います。少量ですのでお早めにどうぞ!いずれ「オート=デンシテ」になるキュヴェかと思います。 以下は以前のコメントです。 ━━━━━【オート・デンシテをまだ名乗っていないだけに過ぎないこの超密植キュヴェは、グランクリュ並みの密度感!素晴らしいです!】 植密度20000本と言う、超密植系のワインながら、まだ「オート・デンシテ」を名乗っていないシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメです。 ここは、真裏がサン=トーバン1級レ・シャルモワです。このレ・シャルモアも素晴らしいですが、この畑はユベール・ラミーも持っていないようですね。 で、こちらのレ・ショーメですが、とても乾いた石のニュアンスは、ピュリニーの偉大な1級やグラン・クリュを確実に連想させます。一般的に思われているだろう、シャサーニュ的なある種の緩慢さ、ルーズさ、良く言うなら包容力、優しさを見せません。 昨年末に飲んだ2013年のドメーヌ・ラモネ、シャサーニュ1級モルジョは、若くも素晴らしいワインでしたが、 「凝縮感を感じてはいても、密植的な密度の高さは無い」 と言えます。とても美味しいんですが、やはりどこかにある緩慢さを隠すための凝縮感のように思えてしまいます。 このような圧倒的・・と感じさせるような密度の高さは、やはりボーヌの超一流シャルドネにしか与えられない稀有なものなのでしょう。この種のものは、やはり良く出来たモンラッシェやバタール=モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェの類にしか見られないもので有り、 「畑がワインを造る」 と昔から伝えられて来たことの、もっとも適した方法なのかもしれません。 ただし、例えばユベール・ラミーのサン=トーバン・クロ・デュ・メ2014などは、もう、飲んだそばから、その享楽的な美味しさに狂気乱舞してしまうでしょう。全方位外交と言うか、誰が飲んでも素直に美味しいと・・思えるような素晴らしいものです。 しかしながらこのシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメには、そんな享楽的な美味しさの側面も持ちつつも、味わいながらもこちらが恐縮してしまうような、ある種の「恐ろしさ」と言うか、絶対的な存在感を持ち合わせているんです。 それが、極一部の稀有な物凄いシャルドネたちが何故か持ち合わせている「気高さ」に通じていて、その気高さに接したが故に、恐縮してしまうような気持ちになるのかもしれません。 「モンラッシェは帽子を取り、跪いて飲むべし・・」 と言われるまでも無く、素晴らしい存在に出会った時は、やはり恐縮し、畏まって、尊敬の念を抱きつつ頂戴する・・そんな気持ちにさせてくれました。 決してグイグイ飲むようなワインでは有りません。濃密だが気品高く、 「分子の内側から外側に向けて、常に全てを解放しようとしているような物凄い張りを持った各要素」 を内包しています。そしてその解放は延々と際限無く持続しているんです。 どうかこの機会に是非、オート・デンシテでは有りませんが、ユベール・ラミーが目指している世界をのぞいてみて欲しいと思います。超お勧めです。
● 2016 Saint-Aubin 1er Cru Rouge Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・ルージュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【物凄いポテンシャル!・・将来が楽しみな・・おそらくラミーが最も大事にしているに違いない畑です!】
この見事なグラディエーションをぜひ・・ご覧いただきたいと思います。
・・いや、2016年のクロ・デ・グラヴィエールだけじゃなくて、2013年から2014年、2015年・・そして2016年を・・順に・・です。それだけで全てを理解できる・・かもしれないですよね。
もう、全然、色が違いますし、持っている「エネルギー」の出方が違うと思うんですよね。ヴィンテージの出来の良さだけを考えれば、こんな風にはならないはずなんですが、
「ユベール・ラミーにとっては、2016年のネガティヴさは皆無!」
と言うことを、結果的に十数本もの2016年のラミーを1週間で開けてしまったnoisy がたっぷり理解しています。
そして、もっとも複雑性、見事なミネラリティの組成をしているのがこの1級サン=トーバン、デリエール・シェ・エドゥアールV.V.です。密植度は11000本/haと言われていますが、
「密植度が毎年のようにどんどん高くなっていることが、年次のグラディエーションに出ている」
ことが・・判ると思います。
そして、この見事な密度の高い味わいは、超複雑なミネラリティ由来の表情を、まだまとめきれないでいます。このワインだけは・・・
「さっさと飲んではいけない」
です。
3年ほど、セラーで寝かせてください。そこから激変して行くはずです。これは将来、大化けすると思いますよ。
そして、3年経過すると・・おそらくですが、さらに密植度の上がったデリエール・シェ・エドゥアールV.V. に出会えるはず・・です。楽しみですよね・・?こんな楽しみをくれるユベール・ラミー、ぜひ応援して欲しいと思います・・と言うか、滅茶凄いので是非ご検討ください。・・今すぐはちょっとひねくれてますが、
「物凄いポテンシャル!」
と思います。お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【ムルソーの赤とシャサーニュの赤の良い部分を詰め込んだようなしっとりしつつも理解しやすい美味しさです。】 サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールの赤、ピノ・ノワールです。2015年ものは昨年の2014年もののように多く無く、割り当ては1ケース有れば良い方と言う状況です。シャサーニュのグージョンヌ2014年などに至ってはかなりの数量が有りました・・が、その数の性でしょうか、一生懸命にお勧めした割には、さほどの販売の伸びのペースは芳しく無かったようです。
しかし、あの密植感と言って良い・・液体そのものが圧縮されたような密度感覚はピノ・ノワールでも同じですから、美味しく無い訳が無いですよね。飲まれた方からはかなり評判をいただきました。
この2015年サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワール赤も、良く熟していることが写真からもご理解いただけるかと思います。果実のニュアンスも増えていますし、密度感も高いですが、決して・・
「エレガンスを欠損しない」
ことが感じられます。
飲んでいて非常にスムーズで、無理のない美味しさなのに・・かなりの情報量が有るんですね。
感覚的には、昔は良く存在した、ムルソーの赤・・・粘土っぽくて、少し粘って、色のやや濃いめの果実がぬちゃ~っと有る感じ・・でしょうか、そんなムルソーの粘っこい部分と、濃密で開放的、大らかだけれどバランスの良いシャサーニュ=モンラッシェの赤の良い部分を等分に持っている・・そんな感じでしょうか。
敢えて言えばそこに少しだけ冷ややかさを加えたもの・・かな・・と思います。バランスも良く、一般受けもよいんじゃないかと感じます。
ユベール・ラミーはピノ・ノワールも実に旨い!・・と感心させられました!トップ・キュヴェです。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のヴィンテージのレヴューです。
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【わ~お!この美しさをどう伝えればよいでしょうか!一押しです!】 ユベール・ラミーが造る密植系サン=トーバンを飲まれた方なら、
「サン=トーバンって・・凄いじゃん!」
と必ず思ってもらっていると感じています。シャルドネも美味しいですよね~・・クロ・デュ・メの開放的、全方位的なあっけらかんさ・・素晴らしいですし、アン・ルミイィの高質さ・・モンラッシェ的な密度の味わいは、ひっくり返ってしまう位に美味しいです。
ですが、美味しいのはシャルドネだけじゃないってことに気付いてほしいですね。この、シャルドネも有るデリエール・シェ・エドゥアールV.V.は、ま~・・サン=トーバンとは思えないほど素晴らしいですよ。既存の概念を捨て去る必要が有ります。
植密度はそれでもラミーとすればまだ低いと言える1万1000本で、徐々に上昇中ながら、4~5千本が普通、8千本なら高密度ですから、その影響をたっぷり感じることが出来ます。その影響をこのワインは、
「物凄いミネラリティの密度」
で表現しています。
シャンボール系のミネラリティに似ていなくも無いですが、もう少し透明かな?・・と思わせます。コルトンの畑にこんなミネラリティを持つものが有りますし、果皮からは鉄っぽいんじゃない金属系のミネラリティが感じられ、わずかにスパイス感や、気品としか言いようのない・・存在感を増してくれています。
何せ、シャサーニュよりも高価なんですよね。ラ・グージョンヌより高いんです。シャサーニュが大らかさ、包容力にその表現を見せつければ、サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールは・・
「質感高い緊張感!」
にその表現を見るでしょう・・まぁ、あくまで noisy の受け取り方では有りますが・・。
その高質な緊張感は、まさに黒い果皮を抱いたピュリニー1級・・、レ・カイユレでピノを仕込んだか?・・のようなニュアンスで、照りが有り、張り詰めていて、非常に滑らかで気品が凄いです。
豊かで滑らか・・と言うのはちょっと違う気がします。もっと艶やかですし、けっして濃い・・と一言で言える感じじゃ無いんですね。凝縮している・・と言うのは確かにそうなんですが、これもピッタリの言葉じゃ無い。あくまで、「滅茶苦茶緊張感が在り、石灰系ミネラリティを外殻として内に秘めるポテンシャル」と言う感じが正しいかな・・と思います・・あくまで noisy の場合です。
そしてどこまでも伸びて行きそうなイメージが有ります。ベクトルとしては、外殻の中で振動している要素なんですが、UFOのようにふわ~っと・・飛び立つような感じです。
勿論、普通の言葉で言うなら、チェリー系果実の目が非常に詰まった感じや、高質なスパイス感、石灰系のミネラリティはどこまでも伸びて行きそうな感じ・・みたいになるんでしょうが、「密植系のイメージ」を伝えたいのに言葉が今までと一緒だと同じになってしまうんですね・・。難しい!
この艶やかでエレガントでポテンシャル高いサン=トーバンは、もう、サン=トーバンだと思わずに飲んでみましょう。新たな世界が生まれるでしょう!美味しいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は2013年のこのワインのレヴューです!
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2016 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】
まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2016 Saint-Aubin 1er Cru Derriere chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【クリスタルに詰め込んだ輝く複雑な色彩の光!素晴らしいです!】
ラミーご自慢のデリエール・シェ・エドワールです。この畑からは超密植、密植、そして赤もリリースしています。この畑が彼の全ての基本となっていることが判ります。そしてこの色合いの素晴らしさ・・悪い訳が有りません。
滅茶旨いですよ・・。しかしながらまだ若いし判り辛い・・とも言えるかもしれません。繊細系のサン=トーバンですが、高質なピュリニー1級と言えるような仕上がりです。
例えばメディアの評価は、アラン・メドー、ジョン・ギルマン、ジャスパー・モリス他・・揃いも揃って92Points もしくは~92Points です。彼らも能力のある方々ですから、まさか・・直近だけの表情を切り取っただけで評価している訳では無いと思いますが、若干の疑いは掛けたくなります。
ようは・・超複雑なんですよ。迷路のような・・もしくはモザイクのような感じ・・と言って良いでしょうか。なので、
「おそらく完熟した時に飲んだらビックリする!」
と思いますよ。今はまだ、
「・・複雑な構成だな・・それでも充分旨いけどね・・」
とだけしか判らないと思います。
しかし、この畑が持つポテンシャルは、上級の超密植キュヴェ、デンシテに表れているはずです。・・と言うことは・・14000本の密植キュヴェと20000~30000本にもなる超密植のデンシテを比較で飲むと・・その迷路の通り道が判るかも・・しれませんね。
そう、このデリエール・シェ・エドワールは赤も造る位ですから「粘土」すら・・結構有ります。ピュリニーはどうでしたか?・・ピノ・ノワールも造ってましたよね?・・で、そこで造るので単純な味わいにはならないんですね。そのパズルを解きたい・・解いてみたい・・と思っちゃいますよね・・。是非、このシェ・エドワール、飲んでみて欲しいと思います。シャルドネもピノ・ノワールの子孫!・・です。
以下は以前のレヴューです。
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【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】 いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2016 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
● 2016 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【息を飲むような美しさ!鮮やかな色彩を淡い黄緑に溶け込ませたかのようなニュアンスのクロ・ドラ・シャトニエールと、あのグラン・クリュのそっくり??と思わせるようなアン・ルミイィです!】
どうでしょう・・この色彩。実に細やかな色合いが溶け込み隠れているようじゃないですか・・。シンプルに赤、もしくは黒が混じった感じじゃないんですね・・。非常に複雑性が高いです。
ここは粘土の混じる畑では有りますが、石灰も結構に強いです。ラミーのワインに共通なガラスとか、クリスタル的な輝きと硬質感が有り、味わいにも複雑性と石灰由来のミネラリティが豊富です。
そして2016年は見事にぜい肉が無いので、本質が透けて見えてくるんですね・・。これも非常に美味いです。
因みにジャスパー・モリス 93Points、 アラン・メドーとアドヴォケイト(ニール・マーティン)が90~92Points と言う評価です。
グラの有る大柄なアン・ルミイィに対し、やや白い石灰が多いかな?・・と感じさせてくれる部分からタイトさを受け取るかもしれませんが、
「直情的なアン・ルミイィと内向的なクロ・ド・ラ・シャトニエールVV」
とも言え、どちらがポテンシャル的に高いかと問われると非常に微妙ですがクロ・ド・ラ・シャトニエールVVの方が有るかもしれません。でも若いうちに「ウケが良い」のは間違いなくアン・ルミィかなと・・思います。
アン・ルミイィはもう、今飲んでも美味しさの伝わってくる完成度の高い逸品です。毎年旨いですが、2016年は最高の出来かと思います。何せ、
「飲んでいてル・モンラッシェを飲んでいる自身を思い起した!」
位ですから・・。
普通ならサン=トーバンを飲んでいるときに、そんなことはあまり考えないですよね。すぐ真裏にモンラッシェが有るとしても、比較の対象には中々ね・・。でも・・そのアロマと味わいの中に、きっとかなり共通する部分を感じたのでしょう。
アン・ルミイィは、アラン・メドーをはじめ、多くのメディアが93Points 付けています。アドヴォケイトだけひねくれて?・・90~92Points でした。
質感はもう・・いや、止めておきます。凄い質感です。そして非常に判りやすい構成。見事だと思います。是非飲んでみてください。超お勧めです!
以下は以前のレヴューです。
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【情報は更新されていませんが、おそらく密植度も上がっているはず・・】 昨今のインターネットによる情報は、雑多なものの真贋はさておき、Google などの地図からの、見事な現場写真まで見ることが可能で、全く驚くばかりです。日本に居ながらにして、現地の地勢や日照など、美しい写真とともに閲覧が出来るんですね。
Google検索で「ブルゴーニュ」と入れ検索し、地図をさらにクリックすると、マップでボーヌの西辺りが出て来ます。ピュリニー=モンラッシェ辺りを拡大し、ル・モンラッシェの南脇の国道を最も拡大すると、右手のそこはサン=トーバン・アン・ルミイィ。
また少し拡大を戻して西に向かうと、「シャトニエール通り」と名前が有り、マルク・コランの住居が表示されています。
その辺りがシャトニエールなんですね・・。上の方にも行けて、拡大も出来ます。ここでは「クロ」は、確実に「崩壊防止」「土留め」の役目をしているようですね。
その一角に、他とは明らかに植密度が違うなぁ・・と見える、「ボウボウに茂った」葡萄畑が有り、もしかしたらここなのかなぁ?・・などと妄想してしまいました・・。石で造られた門も有るんですが、名前が書いて無かったかな・・。でも非常に美しい眺めです。もしお時間などございましたら是非とも、そんな妄想に浸れる瞬間を探しに行かれてはどうでしょうか。思いの外、サン=トーバンのこの辺りは、むしろ日当たりが良いと言うことがご理解いただけるでしょう。ピュリニー=モンラッシェ張りのワインが出来ることの理由のひとつかもしれませんね。
他のコラムにも掲載しましたが、Youtube にユベール・ラミーのサン=トーバンの畑仕事のビデオが有りましたので、貼っておきますね。
凄い急な斜度と石ころだらけの乾いた感じが判る映像ですよ。
https://youtu.be/3hs26qjoM2g VIDEO
こちらはサン=トーバンのほぼど真ん中にある、実に秀逸な1級畑です。アン・ルミイィと共にサン=トーバンでトップの畑と言われてきました。当然ながら1級格付の畑です。
モンラッシェの裏側に有る畑なので、日照の角度はややズレてはいますが、まぁ・・ご覧のように凄い傾斜と石ころだらけの乾いた畑です。
このシャトニエールは、まだ密植の端緒のようですから、11000本/haほどです。
ですが、この11000本と言うのは、ブルゴーニュではトップクラスの植密度なんですね。ユベール・ラミーでは「ようやく密植化を始めたに過ぎない」訳ですが、ほとんどDRCと変わらない植密度です。
この高い植密度から、密度の高い葡萄を得て、クロ・ド・ラ・シャトニエールが生まれます。
今回は12本だけの入荷でして、アン・ルミイィを飲んでしまいましたので・・人気になりそうなシャトニエールはテイスティングしておりません。ユベール・ラミーを追いかけるには、非常に面白い存在です・・何故って、元から素晴らしいと評判の高い畑ですから。
それを密植化して行くので有れば、年を追うごとの変化を見られますし、また、オート・デンシテを名乗るようになると仮定するならば、そこへの道筋を追える訳です。
何か・・こう・・落語のオチみたいな文章になっちゃいましたが・・あれ?・・判らない??・・じゃぁ地図でも拡げて答えを探してみてください。
誰も歩いたことのない、まだ道も出来ていない・・道無き道を行くオリヴィエ、是非応援をお願いいたします。お勧めします!
1927年当時のブルゴーニュ晩餐会のメニューを見ると、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェと並びシャトニエールが供されています。
● 2016 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【今飲んでも絶好調!?ピュアでぜい肉無し!・・全くドライなのになぜか感じる甘やかさ!見事なエキス!素晴らしい仕上がりです!】
何とも香しく、また、今すぐに飲んでも、
「ん?・・もう仕上がってる?」
と感じさせてくれそうな状態でした。
何しろ到着日にテイスティングしてますから・・はい。そうしないとアイテムが多いので、新着のご紹介に全く間に合わないんですね。1日に1~3本テイスティングして、ようやく何とか・・と言う状況です。
また、ある程度集中してテイスティングしないと、どのような仕上がりか、今年の傾向は?、これからはどうなる・・と言った観点に結論を出すことがしにくくなってしまうんですね。
なので新着で出荷が厳しい金曜日を避けて土曜日に入れ、日曜から水曜までで何とかテイスティングをした訳ですが、そこにはやはり、
「2016年のラミー・・どうよ・・?」
と言うような、早く知りたい気持ちも有った訳です。皆さんもきっと・・そうですよね。ユベール・ラミー、一度飲んだらファンになっちゃいますもんね~。余りに有名になって欲しくない気持ちと・・高くなっちゃうし・・でも皆さんに知って欲しい気持ちが交錯します。
抜栓すると・・実に甘みや膨らみを持った見事なアロマが部屋を満たして行きます。開けた瞬間にもう・・判りますよ。実に素晴らしいアロマです。
ふっくらとしたボディはつやつやに磨かれていて、ガラスやクリスタルそのものを連想させるミネラリティが凄いです。酸のレベルは中庸からやや高め、ベストなバランスです。果実は柑橘中心で見事にまん丸な果実を連想させてくれます。黄色や白、目の詰まった感じです。
そしてこれはテイスティングした全てのキュヴェに共通しますが、そのガラスやクリスタルと言った宝石のような輝き、艶を感じさせるテクスチュア・・ミネラリティ由来かと思いますが、実にふっくらとしており、
「感じられる果実が・・まるで冷蔵庫で冷やされていたかのような冷ややかさを持っている」
ように感じられるんですね。そう・・冷たい果実酸・・と言うべきでしょうか。これはワインが冷たい、冷えている・・とは違う話しです。感じられる果実が冷ややか・・なんですね。
そして、昔のラミーに感じた「樽の要素」はまず無く、有ったとしてもほんの僅かに・・化粧レベルまでも行かない、
「下地のクリームを塗ってる?・・それさえもないよね?」
みたいな感覚で、そのふっくらとまろやかでゴージャスなのに・・ぜい肉を全く感じさせないある種のタイトささえ感じさせてくれました。
余韻も長く、美しい・・実に美しい去り方をしてくれます。美しい色合いを見せつけて・・いや、この照りの有る緑掛かった色合いは素晴らしい!・・そしてゆっくりと歩いて去って行くのに、何故かじっと見つめられているような気がするんですね。非常に素晴らしいシャルドネでした。
今飲んで、バランス的には一番取れています。まぁ、それが「一番下のキュヴェ」と言うことを如実に現わしているのでしょうが、まるでピュリニーやサン=トーバンの村名クラスを飲んでいるかのような錯覚を覚えます。ACブルとしますと価格は普通ですが、決して高く無い・・どころか、充分に納得していただける見事なポテンシャルでした。是非飲んでみてください!お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【ボーヌのシャルドネの第一人者になるに違い無いユベール・ラミーのベースのシャルドネ!1ケ月ほど休養させて飲んでみてください!】 2014年の深くまろやかで優しいシャルドネの味わいを思い出しますが・・美味しかったですよね。
でもユベール・ラミーは一所に留まることを許すような、のんびり屋さんでは無かったようです。葡萄が良く熟した2015年、さらなる高みを目指して、一歩一歩階段を昇っています。
2015年のシャタイネールは、2014年もののややバリックが掛かった滑らかな深い味わいに対し、基軸はそこに置きながらも、ディテールの細やかな美しい酸をプラスしています。
言ってみれば、対照的だとさえ思われた「バシュレ・モノ」が得意とする「美しく伸びやかな若い酸・表情」を、今までのユベール・ラミーのワインに加えているんです。
そして総酸度も幾分高めになっていますので、構造の深さ、もしくは上方への伸長力が感じられ、終盤にはその魅力的な酸がゆっくりと・・エキスの旨さを感じさせながら横方向へもジンワリと拡がって行きます。だらしなく崩壊してしまうのではなく、中央から外方向に向かって漏れてくる・・と言うようなイメージです。
最も、他の上級キュヴェに比べてしまうと、当然ながら追いつかない部分が有ります。現状では上級キュヴェの物凄さ、早くからの美味しさには太刀打ちは出来ません。、あぁ・・それは仕方が無いか・・と思いますが、ユベール・ラミーの2015年を占う部分において、もしくはそのスタイルを見極めるには非常に良いアイテムです。
繊細な表情を入手した2015年のユベール・ラミーです。是非ご検討くださいませ。少し休ませゆっくり目に開けると良いかと思います!
以下は以前のレヴューです。
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【ラミーの感性が生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!ピュリニー版イヴ・ボワイエ=マルトノ?】 素晴らしいシャルドネでした。ちょっと・・いや、かなりビックリした仕上がりです。ユベール・ラミーのレ・シャタイネールは、このところは2012年、2013年、そしてこの2014年と連続して飲んでいますが、
「年が進むに連れフィネスが際立ってきている」
ことが判ります。
上記の造り手コラムでも書きましたが、イヴ・ボワイエ=マルトノが幾ら頑張ってもどうにもならないのがアペラシオンの違いです。ムルソーにはムルソーの、サン=トーバンにはサン=トーバンの個性が有る訳です。もちろんですが、サン=トーバンのオリヴィエ・ラミーがムルソー的にはならないとも言えます。
このレ・シャタイネールはサン=トーバンの西端に有るACブルゴーニュのクリマです。艶々としており、マッタリとして、やや粘性を含むものです。マルトノのブルゴーニュ・シャルドネのようなやや厳しい、石や岩を感じさせる強いミネラリティでは有りません。それでも敢えて「石」と言う言葉を使うなら、マルトノは大理石の彫像、このシャタイネールは真珠のようでも有ります。
ミネラリティは・・真珠などと例えましたが、ピュリニー的なエレガンスを持っていると思われます。幾分の若さからやや硬さも見られますが、とてもピュアです。ドバっと要素を垂れ流すことは無く、あくまで清楚に、雅さを失いません。ACブルとは思えない・・と言うのはマルトノでも使いますが、それはポテンシャルとして、要素の多さ、しっかりしたバランスを持っている点での言葉ですが、このレ・シャタイネールの場合は、
「まるでピュリニー=モンラッシェのようなエレガンス」
を持っている点において、ACブルとは思えない・・と表現しています。かなりの雅さを持っています。非常に美しいです。
その雅さは、非常に緻密に感じるテクスチュアからも感じられます。単に石灰系ミネラリティで埋め尽くされているのではなく、やはりそこには光り輝いているような、宝石的なものが感じられるんですね。単に大人しいのなら「無いに等しい」訳ですが、ちゃんとすべてが緻密に存在しているのが判ると思います。
また、酸の構成もエレガントで緻密でバランスに優れます。何でもかんでも様々な酸がたっぷり有る・・と言うのでは無い、磨かれた酸の存在です。
そして余韻も実に美しいです。人によっては、もしくはタイミングによっては、もしかしたら、「物足りない」と思うかもしれませんが、一頻り余韻を感じ終えたら・・その思いは満ち足りたものに変わっているでしょう。
ACブルクラスでここまでエレガンスやフィネスが有るのは、2014年が素晴らしかったことも有るでしょうが、やはりユベール・ラミーの感性の確かさが導いた結果と言えます。小石が多く混ざる南東向きの石灰質土壌には表土が10~20cmしか存在していないこと、またヘクタール当たり11000本と言う密植度も大きく寄与した素晴らしい味わいでした。是非ともサン=トーバンともども味わっていただきたい銘品と言えるシャルドネです。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2016 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【これはサン=トーバンなのか?・・ピュリニー1級じゃないのか?・・と思ってしまうでしょう!】
まぁ、このクロ・デュ・メでさえ植密度は14000本/ヘクタールですから、DRC同様の植密度と言うことになります。ACブルのシャタイネールが11000本、フリオンヌ、プランセで11000~14000本です。
クロ・デュ・メの14000本はもうかなりの超密植では有りますし、このワインの重量感、蜜感が有った上でのバランスの良さ、キレの良さは、かなり以前から感じられたものです。
「DRCの美味しさって・・植密度に結構関わってるかも・・」
などと思いたくなるような「密度感」の有る太く膨らみの有る味わいです。で、2015年ものにみられた甘みは一切なく、また樽っぽさも有りませんで、ものの見事にピュアでナチュラルです。
また・・色が凄いですよね。このやや濃い目の見事な色合いは、繊細系のフリオンヌやデリエール、プランセには無いものです。口入で「どっかん!」と撃たれ、よだれを流れる血のように発生させられます。タイトなのに膨らみが有り、何とも言えぬボーヌのシャルドネならではの「精緻なアロマ」にやられちゃいます。
因みにアラン・メドーも、アドヴォケイトも揃って90~92Points と、やや投げやりに思えるような評価でした。これは滅茶旨いのでもっと高く付けてしかるべきかな・・と感じます。
高域の伸びそのものは繊細系のサン=トーバンに譲るものの、低域、中域からの高域への持ち上げ、盛り上がりの素晴らしさはこのキュヴェの大きな特徴です。同価格のフリオンヌとは真逆の性格・・非常に美味しいです!是非とも飲んでみてください。一推しにしたい・・位です!
以下は以前のレヴューです。
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【滅茶苦茶旨いです!重い剛速球を投げ込む大リーガーの投手のようです!】 ノックアウトされました!・・凄いです。これでサン=トーバンか~・・と言うよりも、
「サン=トーバンだから良いんだよ!」
と言いたくなる味わいです。
今までなら「影」になる南西向きの畑は・・熟さないと言われてきましたが、ここまで温暖化が進むと、その欠点はむしろ長所になりつつあります。
デリエール・シェ・エドワールも滅茶旨いんですが、「ちまちま」とアチコチに気を引っ張られる・・いや、それがまた美味しいんですが、こちらは「ずど~~ん!」と剛速球をミットならぬ「舌」めがけて投げつけられるような・・もしくは大砲でズドーンでしょうか・・。そこから果実のかけらとか、ミネラリティの破片を感じさせられてしまいます。
「・・参りましたぁ・・」
と言う感じですよ。
そして、2014年までの滑らかな密度高い味わいに加え、冷ややかな酸・・しかも旨みをバッチリ持った酸がキラキラと煌きます。飲まない訳には行かないでしょう!
あれだけ沢山有った2014年と2013年のクロ・デュ・メも、飲まれたお客様がもう・・ビックリされて、6本、12本と購入されるので、嬉しい悲鳴を上げていました。きっと皆さんも身に覚えが有るはず!・・是非飲んでみてください。これも一推し!素晴らしいです!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシュ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシュ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・」
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2016 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【オート・デンシテは飲めずとも、それを名乗っていないだけに過ぎないこのレ・ショーメは飲んでみるべきです!】
これは・・何としても飲まねばならぬ・・!・・などと言いたくなるほど素晴らしいです!
「何とかを質に入れても飲みたい!」
と思わせるだけの魅力に溢れています。それは・・やはり、
「密度」
です。
「・・超密植なんだから・・当たり前じゃん!」
と思われるかもしれませんが、本当にそれが当たり前なんでしょうか。実際に自身で確かめなければ判らないことは沢山あるはずです。
地道に毎日畑に通い、下部に落ちた表土を元に戻し、畑の手入れをしつつ、密植度を高めています。
「・・これ以上の畑仕事があるのだろうか?」
とさえ感じます。それをこのワインが語ってくるんです。
その言葉がたとえ聞こえなくても、
「・・大変な仕事をされていますね・・」
と、声を掛けたくなってしまうでしょう。
密植の意味、畑仕事と葡萄への愛情、ワインへと昇華させる技術、そして人とは・・などと、全てが綿々と繋がっていることに思いが行きます。
この色!・・いや、いつも色のことばかりで申し訳ありませんが、
「グラスに注いだ瞬間に!」
絶対に言葉が漏れるはずです。
「・・うわおっ!」
素晴らしいシャルドネでした。若いですが・・本当に美味しいものは最初から美味しい・・これも真実なのかもしれないと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【オート・デンシテをまだ名乗っていないだけに過ぎないこの超密植キュヴェは、グランクリュ並みの密度感!素晴らしいです!】 超お買い得・・としか言いようのない、滅茶密度感の高いシャルドネです。
「密植度20000本/ha」
と言う、おそらく隣の樹まで30~40cmほどしか離れていない、驚異的な密植度がなせる業は、どこかDRCのモンラッシェに通じるようなニュアンスが有ります。
まぁ・・noisy的にはDRCのモンラッシェは緻密でオイリーでバターっぽさが凄い・・そんな印象でしたが、その「緻密」と言う表現が、この密植度に現れているような気がします。
ちょうどnoisy も何十数回目かの誕生日だったこともあり、カミさんがスキ焼を用意してくれまして・・まぁ・・普段は粗食ですから何でも美味しいっちゃ美味しいんですが、このショーメのポテンシャルには驚かされました。
素朴な味付けの・・砂糖と醤油とお酒だけで「焼くタイプ」のすき焼きとこのショーメは、中々のマリアージュを見せてくれましたよ。
「ピッタンコ!」
などと言うつもりは毛頭有りません。
しかしね・・ショーメに余裕がある・・と言うか、包容力が凄い・・と言うか、ショーメに抱かれたちょっと良い牛肉の美味しさは格別でした!ピノ・ノワールの方が合うかとは思いますが、ショーメも充分!・・そして何よりワインが旨い!・・と感じさせてくれました。
非常にお買い得とも思います。少量ですのでお早めにどうぞ!いずれ「オート=デンシテ」になるキュヴェかと思います。
以下は以前のコメントです。
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【オート・デンシテをまだ名乗っていないだけに過ぎないこの超密植キュヴェは、グランクリュ並みの密度感!素晴らしいです!】 植密度20000本と言う、超密植系のワインながら、まだ「オート・デンシテ」を名乗っていないシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメです。
ここは、真裏がサン=トーバン1級レ・シャルモワです。このレ・シャルモアも素晴らしいですが、この畑はユベール・ラミーも持っていないようですね。
で、こちらのレ・ショーメですが、とても乾いた石のニュアンスは、ピュリニーの偉大な1級やグラン・クリュを確実に連想させます。一般的に思われているだろう、シャサーニュ的なある種の緩慢さ、ルーズさ、良く言うなら包容力、優しさを見せません。
昨年末に飲んだ2013年のドメーヌ・ラモネ、シャサーニュ1級モルジョは、若くも素晴らしいワインでしたが、
「凝縮感を感じてはいても、密植的な密度の高さは無い」
と言えます。とても美味しいんですが、やはりどこかにある緩慢さを隠すための凝縮感のように思えてしまいます。
このような圧倒的・・と感じさせるような密度の高さは、やはりボーヌの超一流シャルドネにしか与えられない稀有なものなのでしょう。この種のものは、やはり良く出来たモンラッシェやバタール=モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェの類にしか見られないもので有り、
「畑がワインを造る」
と昔から伝えられて来たことの、もっとも適した方法なのかもしれません。
ただし、例えばユベール・ラミーのサン=トーバン・クロ・デュ・メ2014などは、もう、飲んだそばから、その享楽的な美味しさに狂気乱舞してしまうでしょう。全方位外交と言うか、誰が飲んでも素直に美味しいと・・思えるような素晴らしいものです。
しかしながらこのシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメには、そんな享楽的な美味しさの側面も持ちつつも、味わいながらもこちらが恐縮してしまうような、ある種の「恐ろしさ」と言うか、絶対的な存在感を持ち合わせているんです。
それが、極一部の稀有な物凄いシャルドネたちが何故か持ち合わせている「気高さ」に通じていて、その気高さに接したが故に、恐縮してしまうような気持ちになるのかもしれません。
「モンラッシェは帽子を取り、跪いて飲むべし・・」
と言われるまでも無く、素晴らしい存在に出会った時は、やはり恐縮し、畏まって、尊敬の念を抱きつつ頂戴する・・そんな気持ちにさせてくれました。
決してグイグイ飲むようなワインでは有りません。濃密だが気品高く、
「分子の内側から外側に向けて、常に全てを解放しようとしているような物凄い張りを持った各要素」
を内包しています。そしてその解放は延々と際限無く持続しているんです。
どうかこの機会に是非、オート・デンシテでは有りませんが、ユベール・ラミーが目指している世界をのぞいてみて欲しいと思います。超お勧めです。
● 2016 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2016 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト94~96Points、デカンター、ジョン・ギルマン95Points と中々の評価です。海外も正規品の入るショップでは9~10万円程度ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
2016 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ は、メディアも揃いも揃って・・93Pointsです。アドヴォケイトだけ90~92Points になってますが・・良く判りませんね。アラン・メドーはデンシテでは無いピュリニーに89~92Points、デンシテに92~93Points ですから、下値は取り合えず無視すると上値の92Points 対 93Points と言うことで、プラス 1Points です。こんなものですかね・・?・・ちょっと違うと思います。まだ2万円超えてないですからお買い得かなと思います。
2016 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ は、
「・・単なるサン=トーバン1級には、95Points 以上は付けたくないぞ・・」
みたいな意思が透けて見えそうなメディアの評価です。そもそもそのメディアたちは、デンシテでは無いシェ・エドゥワールの評価は低いんですよね。先行きのために列挙してみますが、
メディア デンシテノーマル
アラン・メドー 92~94Points 90~92Points
デカンター 94Points 91Points
ヴィノス 91~94Points 89~92Points
ジョン・ギルマン 93Points 92Points
アドヴォケイト 91~93Points 88~90Points
ジャスパー・モリス 94Points 92Points
となっています。・・ね?・・そう思うでしょう?
まぁ、粘土が結構ある土壌のキュヴェで有るシェ・エドワールのデンシテは、その複雑性を超密植で開花している・・とも思えますけどね。
つまらぬことを書いてしまいましたが・・飲めない恨みも有りますのでご容赦ください。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・??・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2016 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【わおっ!・・なるほど~!・・そう言うことか~!っと・・思っていただけるかもしれません!】
週一のnoisy の新着は、お客様も楽しみにしていただけているようで、多くの方のアクセスをいただいており・・本当にありがとうございます。そんな中でも、
「この20000本/ha 植密度の化け物!」
は、ぜひ経験していただきたい内容の濃い・・いや、密度の濃い、素晴らしいピノ・ノワールです。
今回、完売しましたら、もうワンクール、ご用意していますので、来週是非・・もう一度トライされてください。ピノ・ノワールと言う葡萄、アペラシオンの不思議、葡萄やワインの本質、その秘密・秘訣みたいなものを覗くことが出来る良い機会です。
因みに、今回の「ユベール・ラミーの2016年ピノ・ノワール」に関しましては、
「画像加工は部分選択と大きさ変更のみで、色合いや明るさなどの調整は一切していない」
ことをお知らせします。なので、
「そのまんまの色」
です。写真が下手ですみません。
ま・・飲めば、「・・・なるほど~!」と、きっと感じていただけると思いますよ。
その際にやることと言えば、
「この写真、そして他のラミーのピノの写真を見比べて、その味わいを想像しておくこと」
かと思います。それだけでどれだけ楽しくなるか・・(^^;;
だって・・「密度の高い色彩をしてる!」って、感じませんか?・・良い色ですよね~。前言のように、加工、してませんよ・・。香りも柔らかく、しかし抜栓直後から、何とも言えぬくすぐられるアロマが部屋に満ちて行きます。
クラス越えとか、アペラシオン超えとかは言いたくない・・感じです。これはそれぞれのワインファンが、それぞれの感性で向かい合うべき・・と思います。
村名サントネ・クロ・デ・ゾートと、ぜひ比較してみてください。クロ・デ・ゾートも単独で・・14000本の優れた表情を見せてくれます。そしてこのクロ・デ・グラヴィエールもまた、その頭上を・・いや、これ以上は止めておきます。
これほど楽しめるピノ、しかもリーズナブルなものは昨今は中々無いと思います。・・あ、これだけは言っておきましょう。
「滅茶苦茶ドライで甘みなど全くないのに・・」
です。ご検討くださいませ。素晴らしいと思います!
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミーはピノ・ノワールも実に旨いです!誰にも似ていない・・正にシャルドネの聖地コート・ド・ボーヌの新しい基準!】 現状では飲めておりません。ラミーのピノのトップ・キュヴェです。
以下は2014年のこのワインのレヴューです。かなり素晴らしかったです!
━━━━━
【ユベール・ラミー、ピノのトップワインはサン=トーバンでもシャサーニュでも無く・・サントネー1級です!ラミーは赤も素晴らしかった!】 妖艶ですね~・・これ、本当にサントネーなんでしょうか・・。今までの頭の中のポートフォリオ?・・いや、ヒエラルキーを更新しないといけません。
で、ティム・アトキンさんは93ポイント・・・付けてましたね。noisy だともう少し付けちゃうかもしれませんが、それでもサントネー1級で93ポイントですよ?・・この方、マスター・オブ・ワインの資格を持ち、結構、アペラシオンに捉われずに、自由な評価をされる方です。珍しいですよね・・。noisy も出来る限り、俯瞰して自身を見るように、テイスティングするのが正しいと思っていますが、有名なテイスターでもこれが出来ない方は沢山いらっしゃいます。好みでしか判断できないんですね。
それでも、こんなに美味しいピノ・ノワールは、「サントネー」の部分を目隠し出来れば、誰でも理解できます。
「サントネは将来有望なアペラシオンの一つ!価格も適正だし品質はさらに向上して行くだろう!」
と言うのが、モロに見えるはずです。
これ・・何か・・判りますか?・・現在非売品のシルヴァン・パタイユのアリゴテです。ラシーヌさんが特別に詰めさせたものだそうです。
でも、アリゴテです。頭が固く、頭でしか飲めない人は、このワインが持つとんでもないポテンシャルに気付かないでしょう。もう・・あり得ないほど凄いワインです。シャルドネ、ピノ・ノワール偏重主義が招いた現在のブルゴーニュのAOC規定では、このワインはACブルゴーニュにしかなりません。
しかし、畑はマルサネ・クロ・デュ・ロワです。物凄い繊細さと、物凄い複雑性、そしてあり得ないほど健全で美しいナチュラルさを持っています。ま~・・唖然とさせられました・・。全部くれ!・・と言っておきましたが・・厳しいかな・・(^^;; 余り期待しないでください。
ただし、こんなワインに出会っても、俯瞰できないテイスターは・・「アリゴテか・・でも美味しいね」で済ましてしまうでしょう。頭で飲んでるか、好みだけを、ガチガチの主観に当てはめているだけなんです。
お客さんはそれで良いと思いますよ。嫌いかもしれない、と思うものを購入することは無いです。ただし、それだと本当に素晴らしいものをリーズナブルに仕入れることは不可能です。
ティム・アトキンさんはこのワインに93点付けてました。それだけで、
「あ、この人はちょっと信用できる」
と思えます。以前アドヴォケイトにいた某テイスターは同じワインを86~88としていました。noisy が、「ダメだこりゃ・・」といつも言ってるテイスターの方です。どっちが正しいかは明らかですよね。
非常に豊かなピノです。しかし、他の密植系と同様に一滴一滴の仕上がり、その密度、一滴はミネラリティの外殻に囲まれていて、その中のポテンシャルを高く持った各要素のベクトルは外に向かっています。まるで「スーパーボール」を細かく振動するバイブレーターの中に入れているような状態です。
果実感は複雑で高く、ミネラリティも実に複雑で高質です。中域も適度に膨れ、いつまでもけっして崩壊の姿を感じさせずに長い果実感・スパイス感を持った余韻を持続します。これで低い点が付くなんて・・あり得ません。
この溌剌とした液体の色合いを見れば、そんなことは判るよ・・とおっしゃってくださる方が多いでしょう。
昨今はブルゴーニュワインは高騰していますが、こんなに素晴らしいワインがまだまだそこそこリーズナブルに入手できる・・と思ってください。お勧めします。ユベール・ラミーは赤も凄かった!・・と言っていただけ酢でしょう!お奨めします!
● 2016 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2016 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト94~96Points、デカンター、ジョン・ギルマン95Points と中々の評価です。海外も正規品の入るショップでは9~10万円程度ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
2016 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ は、メディアも揃いも揃って・・93Pointsです。アドヴォケイトだけ90~92Points になってますが・・良く判りませんね。アラン・メドーはデンシテでは無いピュリニーに89~92Points、デンシテに92~93Points ですから、下値は取り合えず無視すると上値の92Points 対 93Points と言うことで、プラス 1Points です。こんなものですかね・・?・・ちょっと違うと思います。まだ2万円超えてないですからお買い得かなと思います。
2016 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ は、
「・・単なるサン=トーバン1級には、95Points 以上は付けたくないぞ・・」
みたいな意思が透けて見えそうなメディアの評価です。そもそもそのメディアたちは、デンシテでは無いシェ・エドゥワールの評価は低いんですよね。先行きのために列挙してみますが、
メディア デンシテノーマル
アラン・メドー 92~94Points 90~92Points
デカンター 94Points 91Points
ヴィノス 91~94Points 89~92Points
ジョン・ギルマン 93Points 92Points
アドヴォケイト 91~93Points 88~90Points
ジャスパー・モリス 94Points 92Points
となっています。・・ね?・・そう思うでしょう?
まぁ、粘土が結構ある土壌のキュヴェで有るシェ・エドワールのデンシテは、その複雑性を超密植で開花している・・とも思えますけどね。
つまらぬことを書いてしまいましたが・・飲めない恨みも有りますのでご容赦ください。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2016 Saint-Aubin Premier Cru les Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・レ・フリオンヌ
【これは絶旨!・・アロマも味わい・・そして存在感も格上です!見事です!・・】
もし可能なら・・同じ繊細系サン=トーバンで有りながらも価格が安いレ・プランセの写真と見比べてみてください。
「素晴らしい色・・そしてその存在感!・・漂うアロマの色気にドギマギしてしまう・・」
まぁ、最後のドギマギは実際に飲まなきゃ判らないにしても、「存在感」までは何とか撮れてるんじゃないかと思います。それくらい・・
「これは違う!」
と言うことが判りやすいです。何せ、レ・プランセとフリオンヌを並べて飲んでますからね・・。栓を抜いた瞬間、どちらも凄かったですが、グラスに注いだ時のアロマの美しさ、グラスから放たれる色気は・・さすがのレ・プランセも脱帽です。
また・・お判りになっていらっしゃるかもしれませんが、「グラスを変えた」んですね。長年使いこんだシュピゲラウのヴィノグランデ4510000 ブルゴーニュ・マグナムから、同じシュピゲラウでもマウスブローのグランパレ・エクスクイジット・ブルゴーニュに変えています。軽いしステムは細いし唇へのタッチはソフトながらアロマのキレが良いし・・で、さらに美味しいです。
で、もう・・最高ですよ・・これ・・。上のキュヴェはやっぱり美味しいんですが、これで充分・・と思っちゃいます。繊細系ですので、重量感の在るコンシやアン・ルミイィとはタイプは違うものの、ルフレーヴ系のシャルドネがお好きな方にはピッタリじゃないでしょうか。
因みに・・我がリアルワインガイドもユベール・ラミーは扱っておらず・・いや、行った方が良いよ・・とは言ってはいるものの、行ったのか行って無いのか判らず・・でもここまで評価が上がってしまうと行き辛いかもしれません。他のメディアもこの2016年フリオンヌはテイスティング出来ていないようで見当たらず・・。2015年はアドヴォケイト90~92Points、アラン・メドー90~93Points ですから、ほぼ同様かそれ以上の評価が期待できそうです。noisy 的には・・ちょっとそこを超えています。
また、今回のフリオンヌは、エージェントさんの入荷量を全部いただいちゃってますので、他のお店で仕入れるのは簡単じゃ無いと思いますし、オルヴォーさんの品質の確かさは、もうラミーを飲まれた方ならお気付きかと思いますので、エージェント=ショップが変わればワインの味わいも変わりますんで・・確実にゲットされてください。
でも少ないので一応「お一人様2本まで」にしてあります。
また、このワインもレ・プランセ同様、しっかり休養させると・・さらにグググっと美味しくなるのは見え見えですので、その辺りを調整の上、お楽しみくださいませ。素晴らしい仕上がりになった2016年サン=トーバン・フリオンヌです!
以下は以前のレヴューです。
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【繊細系・金属系ミネラリティの希少なフリオンヌ!・・これは少し置いてください!凄いポテンシャル!ようやくまとまり始めています!】 濃密系の・・まさに密度のお化けみたいなユベール・ラミーのシャルドネに有って、少し変化球的な存在になっているのがこのフリオンヌかと思います。特に2015年はその傾向が顕著です。
その、凝縮された・・いや、密度の高さは、むしろ「ミネラリティ」に向けられていて、金属系のミネラリティが多く、また白い石や岩と言った石灰系のミネラリティも半端ない量が含まれています。
その分、現状はやや硬めで、柔らかさが足りない感じがしていますが、ポテンシャルとしますと非常に高いです。キンキンしていますが・・これ、膨らみ始めたら凄いことになるんじゃないでしょうか。しかもそれはそんなに遠いことでは無いと思われます。
感じる部分は2014年と一緒ですので・・いや、確実に超えてますが・・詳細は2014年のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のレヴューです。
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【サン=トーバンの名高い1級畑フリオンヌ!ポテンシャル高いです!精妙な鉱物的ミネラリティがたっぷりです!】 ピュアでオイリーでブリッブリの果実が旨いデリエール・シェ・エドゥアールですが、こちらのフリオンヌは全然違うんですね・・。noisy もこのキュヴェは初めて飲みましたので、非常に面白かったです。
畑の位置はデリエール同様に村の西にあり、デリエールから東に少しだけ離れたところです。なので、似たような感じかな・・と思いきや、かなり期待を裏切られました。全然違うんですよ。
デリエールに無く、フリオンヌに有るもの・・・それは鉱物系のミネラリティです。
シャサーニュの村に有るグラン・クリュでクリオ=バタール=モンラッシェと言う畑が有りますが、このレ・クリオ、もしくはその近辺に有るクリマに現れやすい金属的、鉱物的なアロマが結構香るんですね。バタール=モンラッシェのすぐ南に在りながらもクリオはバタールのようにはならないと思うんですね。
なので非常にクリオ的ですし、ピュリニーのようなゴージャスな果実感と言うよりもシャサーニュ的な精緻さ、ち密さを感じると思うんです。グラスの写真にも、ちょっとそんなニュアンスが感じられるじゃないかな・・と思います。何か、とても精妙な感じでしょ?
因みにイギリス人MW(マスター・オブ・ワイン)のティム・アトキン氏はこの2014年フリオンヌに92Points付けています。
noisy 的には今飲んで点を低めに91+Points、ポテンシャル点を93+Pointsまでの間で付けるかと思います。3~5年ほどは掛かるかな?と言う感じです。サン=トーバンだから・・と言うのでは無く、自分が扱っているから・・と言うのでも無く、公平に、自然に・・そのワインの味わいをただ評価しただけの場合です。(普段から自分の好みだけではポイントを付けないようにしよう・・と思っています。そうでなくても偏ってしまうのが人間ですから・・。出来るだけ違う方向からも見るようにしています。)
2014年のユベール・ラミーは、凄いことになっちゃってました。諸手を振ってお勧めいたします。このフリオンヌをセラーで置き、デリエール・シェ・エドゥアールを直近で楽しむ、と言うのが正しいスタンスでしょう。年末年始も近いですので、高質なシャルドネをリーズナブルに飲みたいとご希望なら、「ユベール・ラミー」が正解かと思います。是非ともご検討くださいませ。お勧めします。
以下はエージェントさんのドメーヌ探訪記です。
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2016年1月 ユベール・ラミー訪問レポート(オルヴォーM岡)
ドメーヌ・ユベール・ラミーに到着したのはフランス出張最終日の夕方17時ぐらいでした。一分の隙もなく緻密で堅牢、ピンと張り詰めたガラス細工のようなワイン、そんなワインを造るオリヴィエ・ラミーは天才肌な人なのかと期待しておりました。
会って早々、
M岡 『はじめまして。もしよければ畑も見たいんだけど』
オリヴィエ 『お前フランス語分かるか?少し?よし!乗れ!』
(作業用の軽トラの荷台に乗せられ猛スピードで出発)
オリヴィエ 『(超早口で)見ろ見ろ見ろ!これが俺の畑で×××土壌が赤い!赤い!赤いだろ!鉄分が×××!葡萄の食密度が×××で古い石が×××ミネラル×××お前!大丈夫か!?
(少しだけゆっくり喋った後すぐに)見ろ見ろ見ろ!(最初に戻る)』
猛スピードのトラックの荷台にしがみつくのがやっとな上、専門用語全開で早口で喋り続けるオリヴィエ氏。(ノンブレスで喋り続ける様は圧巻です。)
ドメーヌからACブルゴーニュ シャタイネールの畑に上り、サン・トーバンからシャサーニュ、ピュリニー、モンラッシェの丘を抜けて再びサン・トーバンへと全ての畑をオリヴィエ氏による解説をいただきました。
(すみません。録音したのですがほとんど聞き取れませんでした。)
車内より撮影した密植畑(多分)しがみつく&聞き取る&撮影は無理です。
剪定前のピノ・ノワール(多分シャサーニュ赤)の畑、ルロワみたいなグルグル巻きの枝は一目で分かります。
ドメーヌに戻り、試飲の前にクローン・セレクションとマッサル・セレクションについてと剪定についての話、相変わらず早口。ブルゴーニュ白にとって偉大なミレジムとなった2014年。比較的、還元的なワイン造りのラミーですが、試飲の時点では解放感がありながらも果実味の密度が崩れない非常に高いレベルでの完成度で鳥肌が立ちました。
修道士の文献を参考に取り入れたオリヴィエのワイン造りは独特です。醸造中には酸化防止剤を一切使いません。そしてブルゴーニュの平均である8.000本の植密度から 14000~30000本という高密植に挑戦しているオリヴィエ氏。
味わい、香り共に情報量が多く驚かされます。修道士たちの精神世界を反映するようなワイン造りと現代の理性的なワイン造りを融合させていく姿は、他の造り手たちの模範ともなっています。
終始、ワインのことを速射砲のように話し続けるオリヴィエ氏、一日のほとんどの時間をワインに費やしているような鬼気迫る個性に圧倒されました。会う前は、理性的な人なのかと想像していましたが、実物はストイックの塊。現代に蘇った修道士のようで、これほどまでにワインと向き合っている造り手はいないのでは?と思わせてくれました。
ベタンヌなどのメディアが伝えているように、2014年は赤ワインの全房比率を高めました。すべての赤ワインが、昔よりもタンニンが細かく軽快さすら感じます。果実味が口の中で綺麗に流れ、波紋を描くように同心円状に広がりを見せてくれます。
サントネ プルミエ・クリュ グラヴィエールはBourgogne Aujourd’hui誌で19/20点という、このアペラシオンでは見たことがないような高得点を付けています。赤ワインは年明けに入荷予定ですが、こちらも楽しみにしていてください。 (Bourgogne Aujourd’hui 129号より グランクリュみたいな評価です。)
● 2016 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【密植度2万本以上のレアなオート・デンシテ!是非ご自身でお確かめください。】
希少過ぎてnoisy も飲めない超密植系のキュヴェです。でも、徐々に上がる密植度由来の見事な味わいを、何年もテイスティングで確認していますから、
「濃くなるんじゃないんだよ・・密植由来の味わいは!ノーズやタングで直に感じる密度そのものに表れるから、そこからの膨張感、複雑性、フルさに如実に表れる・・高級感や質感に直結している・・」
などと感じています。ラ・ターシュやロマネ=コンティだって、濃いと感じたことは無いはず・・です・・いや、ヴィンテージによって若干は有るかもしれませんが、濃いワインだとは言えないと思います。
2016年ものは、勿論ですがデンシテクラスを飲んだわけでは有りませんが、その14000本とかに上がってきたキュヴェと12000本平均程度のものとの差は・・かなり有ると感じています。それが20000本以上になったとしたら・・しかもグラン・クリュや1級でですからね。もの凄いことになるかと思います。
2016 クリオ=バタール=モンラッシェは、アドヴォケイト94~96Points、デカンター、ジョン・ギルマン95Points と中々の評価です。海外も正規品の入るショップでは9~10万円程度ですが、目先の鋭い連中の多いブローカー市場では20万と言った数字が目に入ります・・が、ほとんど出物は有りません。飲んでみたいですね~!密植度25000本!..DRCのほぼ倍の密植度です!
2016 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ は、メディアも揃いも揃って・・93Pointsです。アドヴォケイトだけ90~92Points になってますが・・良く判りませんね。アラン・メドーはデンシテでは無いピュリニーに89~92Points、デンシテに92~93Points ですから、下値は取り合えず無視すると上値の92Points 対 93Points と言うことで、プラス 1Points です。こんなものですかね・・?・・ちょっと違うと思います。まだ2万円超えてないですからお買い得かなと思います。
2016 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ は、
「・・単なるサン=トーバン1級には、95Points 以上は付けたくないぞ・・」
みたいな意思が透けて見えそうなメディアの評価です。そもそもそのメディアたちは、デンシテでは無いシェ・エドゥワールの評価は低いんですよね。先行きのために列挙してみますが、
メディア デンシテノーマル
アラン・メドー 92~94Points 90~92Points
デカンター 94Points 91Points
ヴィノス 91~94Points 89~92Points
ジョン・ギルマン 93Points 92Points
アドヴォケイト 91~93Points 88~90Points
ジャスパー・モリス 94Points 92Points
(ティム・アトキン 95Points)
となっています。・・ね?・・そう思うでしょう?
まぁ、粘土が結構ある土壌のキュヴェで有るシェ・エドワールのデンシテは、その複雑性を超密植で開花している・・とも思えますけどね。
つまらぬことを書いてしまいましたが・・飲めない恨みも有りますのでご容赦ください。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】 物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2016 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【密植度14000本/haと20000本/haの違いにアペラシオンのポテンシャルがどう影響しているのか、物凄く良く判ります!!】
このサントネ・クロ・デ・ゾートは村名の畑です。そして密植度は14000本/haとロマネ=コンティ並み~以上の密度です。
これ・・かなり旨いんですよ。良く出来た僅かに軽めのジュヴレ=シャンベルタンで新樽を使用せず、ピュアに仕上げた感じ・・が近いかな・・と思います。黒スグリやチェリーが柔らかな土とともに現れ、たなびき、そして美しく消えて行きます。
2015年ものよりも登場がやや早いのも有ってか、まだ少々の「荒れ」は感じるとしても、
「ん?・・これってサントネなん?!」
と、驚かれるかと思います。非常に良いです・・。
コラムが違いますが、1級のグラヴィエールがね・・ま~凄いんですよ。なので霞んでしまうんですが、
「14000本と20000本の密植度の差はかなり大きい!」
と言うことが、
「サントネ村名とサントネ1級の差もそれなりに大きい!」
と言うことと同時に感じられます。
だって、このサントネ村名クロ・デ・ゾートだって「超密植」には違い無いんですよ。だから、言ってしまえば、昔のユベール・ラミーのこのワインを飲んだことが有る方は、
「・・なんだこの化け物は!」
と思うに違いない・・訳です。
で、希少な1級グラヴィエールを続いて飲むとすると・・
「・・前言撤回・・上には上が有った・・」
と・・シュン・・となってしまうかもしれないんですけどね。
超密植の凄さは、このクロ・デ・ゾート単品でも充分に伝わって来ます。そして、グラヴィエールを飲めば、
「単に超密植・・植密度だけを見ていて良いのだろうか?・・この意味は?」
と、綿々と続く長い思考を強制されることに繋がるかもしれません。
良いワインでした。これで充分・・では有ります。しかし、まだ見ぬ世界へも行ってみたいのが人の性・・是非両方!・・(^^;;お勧めします!ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】 ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
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【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
━━━━━
【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2015 Saint-Aubin 1er Cru Rouge Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・ルージュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ムルソーの赤とシャサーニュの赤の良い部分を詰め込んだようなしっとりしつつも理解しやすい美味しさです。】
サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールの赤、ピノ・ノワールです。2015年ものは昨年の2014年もののように多く無く、割り当ては1ケース有れば良い方と言う状況です。シャサーニュのグージョンヌ2014年などに至ってはかなりの数量が有りました・・が、その数の性でしょうか、一生懸命にお勧めした割には、さほどの販売の伸びのペースは芳しく無かったようです。
しかし、あの密植感と言って良い・・液体そのものが圧縮されたような密度感覚はピノ・ノワールでも同じですから、美味しく無い訳が無いですよね。飲まれた方からはかなり評判をいただきました。
この2015年サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワール赤も、良く熟していることが写真からもご理解いただけるかと思います。果実のニュアンスも増えていますし、密度感も高いですが、決して・・
「エレガンスを欠損しない」
ことが感じられます。
飲んでいて非常にスムーズで、無理のない美味しさなのに・・かなりの情報量が有るんですね。
感覚的には、昔は良く存在した、ムルソーの赤・・・粘土っぽくて、少し粘って、色のやや濃いめの果実がぬちゃ~っと有る感じ・・でしょうか、そんなムルソーの粘っこい部分と、濃密で開放的、大らかだけれどバランスの良いシャサーニュ=モンラッシェの赤の良い部分を等分に持っている・・そんな感じでしょうか。
敢えて言えばそこに少しだけ冷ややかさを加えたもの・・かな・・と思います。バランスも良く、一般受けもよいんじゃないかと感じます。
ユベール・ラミーはピノ・ノワールも実に旨い!・・と感心させられました!トップ・キュヴェです。是非飲んでみてください。お勧めです!
以下は以前のヴィンテージのレヴューです。
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【わ~お!この美しさをどう伝えればよいでしょうか!一押しです!】 ユベール・ラミーが造る密植系サン=トーバンを飲まれた方なら、
「サン=トーバンって・・凄いじゃん!」
と必ず思ってもらっていると感じています。シャルドネも美味しいですよね~・・クロ・デュ・メの開放的、全方位的なあっけらかんさ・・素晴らしいですし、アン・ルミイィの高質さ・・モンラッシェ的な密度の味わいは、ひっくり返ってしまう位に美味しいです。
ですが、美味しいのはシャルドネだけじゃないってことに気付いてほしいですね。この、シャルドネも有るデリエール・シェ・エドゥアールV.V.は、ま~・・サン=トーバンとは思えないほど素晴らしいですよ。既存の概念を捨て去る必要が有ります。
植密度はそれでもラミーとすればまだ低いと言える1万1000本で、徐々に上昇中ながら、4~5千本が普通、8千本なら高密度ですから、その影響をたっぷり感じることが出来ます。その影響をこのワインは、
「物凄いミネラリティの密度」
で表現しています。
シャンボール系のミネラリティに似ていなくも無いですが、もう少し透明かな?・・と思わせます。コルトンの畑にこんなミネラリティを持つものが有りますし、果皮からは鉄っぽいんじゃない金属系のミネラリティが感じられ、わずかにスパイス感や、気品としか言いようのない・・存在感を増してくれています。
何せ、シャサーニュよりも高価なんですよね。ラ・グージョンヌより高いんです。シャサーニュが大らかさ、包容力にその表現を見せつければ、サン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールは・・
「質感高い緊張感!」
にその表現を見るでしょう・・まぁ、あくまで noisy の受け取り方では有りますが・・。
その高質な緊張感は、まさに黒い果皮を抱いたピュリニー1級・・、レ・カイユレでピノを仕込んだか?・・のようなニュアンスで、照りが有り、張り詰めていて、非常に滑らかで気品が凄いです。
豊かで滑らか・・と言うのはちょっと違う気がします。もっと艶やかですし、けっして濃い・・と一言で言える感じじゃ無いんですね。凝縮している・・と言うのは確かにそうなんですが、これもピッタリの言葉じゃ無い。あくまで、「滅茶苦茶緊張感が在り、石灰系ミネラリティを外殻として内に秘めるポテンシャル」と言う感じが正しいかな・・と思います・・あくまで noisy の場合です。
そしてどこまでも伸びて行きそうなイメージが有ります。ベクトルとしては、外殻の中で振動している要素なんですが、UFOのようにふわ~っと・・飛び立つような感じです。
勿論、普通の言葉で言うなら、チェリー系果実の目が非常に詰まった感じや、高質なスパイス感、石灰系のミネラリティはどこまでも伸びて行きそうな感じ・・みたいになるんでしょうが、「密植系のイメージ」を伝えたいのに言葉が今までと一緒だと同じになってしまうんですね・・。難しい!
この艶やかでエレガントでポテンシャル高いサン=トーバンは、もう、サン=トーバンだと思わずに飲んでみましょう。新たな世界が生まれるでしょう!美味しいです。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
以下は2013年のこのワインのレヴューです!
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2015 Bourgogne Chardonnay les Chataigners
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネール
【ボーヌのシャルドネの第一人者になるに違い無いユベール・ラミーのベースのシャルドネ!1ケ月ほど休養させて飲んでみてください!】
2014年の深くまろやかで優しいシャルドネの味わいを思い出しますが・・美味しかったですよね。
でもユベール・ラミーは一所に留まることを許すような、のんびり屋さんでは無かったようです。葡萄が良く熟した2015年、さらなる高みを目指して、一歩一歩階段を昇っています。
2015年のシャタイネールは、2014年もののややバリックが掛かった滑らかな深い味わいに対し、基軸はそこに置きながらも、ディテールの細やかな美しい酸をプラスしています。
言ってみれば、対照的だとさえ思われた「バシュレ・モノ」が得意とする「美しく伸びやかな若い酸・表情」を、今までのユベール・ラミーのワインに加えているんです。
そして総酸度も幾分高めになっていますので、構造の深さ、もしくは上方への伸長力が感じられ、終盤にはその魅力的な酸がゆっくりと・・エキスの旨さを感じさせながら横方向へもジンワリと拡がって行きます。だらしなく崩壊してしまうのではなく、中央から外方向に向かって漏れてくる・・と言うようなイメージです。
最も、他の上級キュヴェに比べてしまうと、当然ながら追いつかない部分が有ります。現状では上級キュヴェの物凄さ、早くからの美味しさには太刀打ちは出来ません。、あぁ・・それは仕方が無いか・・と思いますが、ユベール・ラミーの2015年を占う部分において、もしくはそのスタイルを見極めるには非常に良いアイテムです。
繊細な表情を入手した2015年のユベール・ラミーです。是非ご検討くださいませ。少し休ませゆっくり目に開けると良いかと思います!
以下は以前のレヴューです。
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【ラミーの感性が生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!ピュリニー版イヴ・ボワイエ=マルトノ?】 素晴らしいシャルドネでした。ちょっと・・いや、かなりビックリした仕上がりです。ユベール・ラミーのレ・シャタイネールは、このところは2012年、2013年、そしてこの2014年と連続して飲んでいますが、
「年が進むに連れフィネスが際立ってきている」
ことが判ります。
上記の造り手コラムでも書きましたが、イヴ・ボワイエ=マルトノが幾ら頑張ってもどうにもならないのがアペラシオンの違いです。ムルソーにはムルソーの、サン=トーバンにはサン=トーバンの個性が有る訳です。もちろんですが、サン=トーバンのオリヴィエ・ラミーがムルソー的にはならないとも言えます。
このレ・シャタイネールはサン=トーバンの西端に有るACブルゴーニュのクリマです。艶々としており、マッタリとして、やや粘性を含むものです。マルトノのブルゴーニュ・シャルドネのようなやや厳しい、石や岩を感じさせる強いミネラリティでは有りません。それでも敢えて「石」と言う言葉を使うなら、マルトノは大理石の彫像、このシャタイネールは真珠のようでも有ります。
ミネラリティは・・真珠などと例えましたが、ピュリニー的なエレガンスを持っていると思われます。幾分の若さからやや硬さも見られますが、とてもピュアです。ドバっと要素を垂れ流すことは無く、あくまで清楚に、雅さを失いません。ACブルとは思えない・・と言うのはマルトノでも使いますが、それはポテンシャルとして、要素の多さ、しっかりしたバランスを持っている点での言葉ですが、このレ・シャタイネールの場合は、
「まるでピュリニー=モンラッシェのようなエレガンス」
を持っている点において、ACブルとは思えない・・と表現しています。かなりの雅さを持っています。非常に美しいです。
その雅さは、非常に緻密に感じるテクスチュアからも感じられます。単に石灰系ミネラリティで埋め尽くされているのではなく、やはりそこには光り輝いているような、宝石的なものが感じられるんですね。単に大人しいのなら「無いに等しい」訳ですが、ちゃんとすべてが緻密に存在しているのが判ると思います。
また、酸の構成もエレガントで緻密でバランスに優れます。何でもかんでも様々な酸がたっぷり有る・・と言うのでは無い、磨かれた酸の存在です。
そして余韻も実に美しいです。人によっては、もしくはタイミングによっては、もしかしたら、「物足りない」と思うかもしれませんが、一頻り余韻を感じ終えたら・・その思いは満ち足りたものに変わっているでしょう。
ACブルクラスでここまでエレガンスやフィネスが有るのは、2014年が素晴らしかったことも有るでしょうが、やはりユベール・ラミーの感性の確かさが導いた結果と言えます。小石が多く混ざる南東向きの石灰質土壌には表土が10~20cmしか存在していないこと、またヘクタール当たり11000本と言う密植度も大きく寄与した素晴らしい味わいでした。是非ともサン=トーバンともども味わっていただきたい銘品と言えるシャルドネです。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2015 Saint-Aubin Premier Cru Frionnes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・フリオンヌ
【繊細系・金属系ミネラリティの希少なフリオンヌ!・・これは少し置いてください!凄いポテンシャル!ようやくまとまり始めています!】
濃密系の・・まさに密度のお化けみたいなユベール・ラミーのシャルドネに有って、少し変化球的な存在になっているのがこのフリオンヌかと思います。特に2015年はその傾向が顕著です。
その、凝縮された・・いや、密度の高さは、むしろ「ミネラリティ」に向けられていて、金属系のミネラリティが多く、また白い石や岩と言った石灰系のミネラリティも半端ない量が含まれています。
その分、現状はやや硬めで、柔らかさが足りない感じがしていますが、ポテンシャルとしますと非常に高いです。キンキンしていますが・・これ、膨らみ始めたら凄いことになるんじゃないでしょうか。しかもそれはそんなに遠いことでは無いと思われます。
感じる部分は2014年と一緒ですので・・いや、確実に超えてますが・・詳細は2014年のレヴューをご参考にされてください。
以下は以前のレヴューです。
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【サン=トーバンの名高い1級畑フリオンヌ!ポテンシャル高いです!精妙な鉱物的ミネラリティがたっぷりです!】 ピュアでオイリーでブリッブリの果実が旨いデリエール・シェ・エドゥアールですが、こちらのフリオンヌは全然違うんですね・・。noisy もこのキュヴェは初めて飲みましたので、非常に面白かったです。
畑の位置はデリエール同様に村の西にあり、デリエールから東に少しだけ離れたところです。なので、似たような感じかな・・と思いきや、かなり期待を裏切られました。全然違うんですよ。
デリエールに無く、フリオンヌに有るもの・・・それは鉱物系のミネラリティです。
シャサーニュの村に有るグラン・クリュでクリオ=バタール=モンラッシェと言う畑が有りますが、このレ・クリオ、もしくはその近辺に有るクリマに現れやすい金属的、鉱物的なアロマが結構香るんですね。バタール=モンラッシェのすぐ南に在りながらもクリオはバタールのようにはならないと思うんですね。
なので非常にクリオ的ですし、ピュリニーのようなゴージャスな果実感と言うよりもシャサーニュ的な精緻さ、ち密さを感じると思うんです。グラスの写真にも、ちょっとそんなニュアンスが感じられるじゃないかな・・と思います。何か、とても精妙な感じでしょ?
因みにイギリス人MW(マスター・オブ・ワイン)のティム・アトキン氏はこの2014年フリオンヌに92Points付けています。
noisy 的には今飲んで点を低めに91+Points、ポテンシャル点を93+Pointsまでの間で付けるかと思います。3~5年ほどは掛かるかな?と言う感じです。サン=トーバンだから・・と言うのでは無く、自分が扱っているから・・と言うのでも無く、公平に、自然に・・そのワインの味わいをただ評価しただけの場合です。(普段から自分の好みだけではポイントを付けないようにしよう・・と思っています。そうでなくても偏ってしまうのが人間ですから・・。出来るだけ違う方向からも見るようにしています。)
2014年のユベール・ラミーは、凄いことになっちゃってました。諸手を振ってお勧めいたします。このフリオンヌをセラーで置き、デリエール・シェ・エドゥアールを直近で楽しむ、と言うのが正しいスタンスでしょう。年末年始も近いですので、高質なシャルドネをリーズナブルに飲みたいとご希望なら、「ユベール・ラミー」が正解かと思います。是非ともご検討くださいませ。お勧めします。
以下はエージェントさんのドメーヌ探訪記です。
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2016年1月 ユベール・ラミー訪問レポート(オルヴォーM岡)
ドメーヌ・ユベール・ラミーに到着したのはフランス出張最終日の夕方17時ぐらいでした。一分の隙もなく緻密で堅牢、ピンと張り詰めたガラス細工のようなワイン、そんなワインを造るオリヴィエ・ラミーは天才肌な人なのかと期待しておりました。
会って早々、
M岡 『はじめまして。もしよければ畑も見たいんだけど』
オリヴィエ 『お前フランス語分かるか?少し?よし!乗れ!』
(作業用の軽トラの荷台に乗せられ猛スピードで出発)
オリヴィエ 『(超早口で)見ろ見ろ見ろ!これが俺の畑で×××土壌が赤い!赤い!赤いだろ!鉄分が×××!葡萄の食密度が×××で古い石が×××ミネラル×××お前!大丈夫か!?
(少しだけゆっくり喋った後すぐに)見ろ見ろ見ろ!(最初に戻る)』
猛スピードのトラックの荷台にしがみつくのがやっとな上、専門用語全開で早口で喋り続けるオリヴィエ氏。(ノンブレスで喋り続ける様は圧巻です。)
ドメーヌからACブルゴーニュ シャタイネールの畑に上り、サン・トーバンからシャサーニュ、ピュリニー、モンラッシェの丘を抜けて再びサン・トーバンへと全ての畑をオリヴィエ氏による解説をいただきました。
(すみません。録音したのですがほとんど聞き取れませんでした。)
車内より撮影した密植畑(多分)しがみつく&聞き取る&撮影は無理です。
剪定前のピノ・ノワール(多分シャサーニュ赤)の畑、ルロワみたいなグルグル巻きの枝は一目で分かります。
ドメーヌに戻り、試飲の前にクローン・セレクションとマッサル・セレクションについてと剪定についての話、相変わらず早口。ブルゴーニュ白にとって偉大なミレジムとなった2014年。比較的、還元的なワイン造りのラミーですが、試飲の時点では解放感がありながらも果実味の密度が崩れない非常に高いレベルでの完成度で鳥肌が立ちました。
修道士の文献を参考に取り入れたオリヴィエのワイン造りは独特です。醸造中には酸化防止剤を一切使いません。そしてブルゴーニュの平均である8.000本の植密度から 14000~30000本という高密植に挑戦しているオリヴィエ氏。
味わい、香り共に情報量が多く驚かされます。修道士たちの精神世界を反映するようなワイン造りと現代の理性的なワイン造りを融合させていく姿は、他の造り手たちの模範ともなっています。
終始、ワインのことを速射砲のように話し続けるオリヴィエ氏、一日のほとんどの時間をワインに費やしているような鬼気迫る個性に圧倒されました。会う前は、理性的な人なのかと想像していましたが、実物はストイックの塊。現代に蘇った修道士のようで、これほどまでにワインと向き合っている造り手はいないのでは?と思わせてくれました。
ベタンヌなどのメディアが伝えているように、2014年は赤ワインの全房比率を高めました。すべての赤ワインが、昔よりもタンニンが細かく軽快さすら感じます。果実味が口の中で綺麗に流れ、波紋を描くように同心円状に広がりを見せてくれます。
サントネ プルミエ・クリュ グラヴィエールはBourgogne Aujourd’hui誌で19/20点という、このアペラシオンでは見たことがないような高得点を付けています。赤ワインは年明けに入荷予定ですが、こちらも楽しみにしていてください。 (Bourgogne Aujourd’hui 129号より グランクリュみたいな評価です。)
● 2015 Saint-Aubin 1er Cru Clos du Meix
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・デュ・メ
【滅茶苦茶旨いです!重い剛速球を投げ込む大リーガーの投手のようです!】---リリース当時のレヴューです!
ノックアウトされました!・・凄いです。これでサン=トーバンか~・・と言うよりも、
「サン=トーバンだから良いんだよ!」
と言いたくなる味わいです。
今までなら「影」になる南西向きの畑は・・熟さないと言われてきましたが、ここまで温暖化が進むと、その欠点はむしろ長所になりつつあります。
デリエール・シェ・エドワールも滅茶旨いんですが、「ちまちま」とアチコチに気を引っ張られる・・いや、それがまた美味しいんですが、こちらは「ずど~~ん!」と剛速球をミットならぬ「舌」めがけて投げつけられるような・・もしくは大砲でズドーンでしょうか・・。そこから果実のかけらとか、ミネラリティの破片を感じさせられてしまいます。
「・・参りましたぁ・・」
と言う感じですよ。
そして、2014年までの滑らかな密度高い味わいに加え、冷ややかな酸・・しかも旨みをバッチリ持った酸がキラキラと煌きます。飲まない訳には行かないでしょう!
あれだけ沢山有った2014年と2013年のクロ・デュ・メも、飲まれたお客様がもう・・ビックリされて、6本、12本と購入されるので、嬉しい悲鳴を上げていました。きっと皆さんも身に覚えが有るはず!・・是非飲んでみてください。これも一推し!素晴らしいです!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシュ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシュ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・」
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2022 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Rouge Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【凄い!・・まさに化け物級です!・・岩にへばりつく小さな実の苺と、そのミネラリティがせめぎ合い、小さな小さな表情が幾重にも重なり揺らめきます!圧巻!】
誰が何と言おうと・・このデリエール・シェ・エドゥワール・ルージュ・・半端無いです!・・この波と岩が穏やかにぶつかり合う・・陽が当たり風がそよぐ・・でもそこには塩も在り、植物も浮かび様々な小動物をも育んでいる・・そんな風景をも想像してしまうほどに、積層した細やかな要素とおびただしいミネラリティがせめぎ合っているのが判ります。
じゃぁ・・荒々しいのか?・・と言いますと、とんでもない・・むしろ神々しい感覚に近いです。ニュアンスとしてはムルソーの赤?・・ピュリニーの赤か・・今はどちらもほとんど存在しませんが、しかしそれらを持って来ても・・、それらを超える質感が有ります。
言ってしまえばラトリシエールの良い感じにほんのりと熟し始めた感じ・・それに白く細やかな石英を散々にまき散らしたような輝きを与えたもののようにも感じます。
いや・・これは是非とも飲んでいただきたい!・・ジャイエと言うよりメオ=カミュゼでしょうか。そう・・イメージ的にはシルヴァン・パタイユも入って来ているかもしれません。凄いピノ・ノワールだと思います。
まぁ・・何とかニール・マーティンさんが92ポイント付けただけ・・と言うメディア評価では有りますが、ひと言お伝えしたことが有ります。
あの硬かったシャサーニュ1級マシュレルとデンシテではないピュリニーのトランブロを3~4日ほど見た結果です。
1級マシュレルは、1日目はもう・・何も外に出さないほどに、まるで敵を見つけたヤドカリやサザエのように・・頑なに閉じこもっていました。マシュレルほどでは無いにせよトランブロも近いものが有り、硬めでした。
ところが翌日には、あの固く閉ざした入口はそのままに、どこかの細胞と細胞の隙間から、ほんのりと果実や要素が滲みでて来ました。
翌々日には、その液体は甘みさえ含み・・かなり繊細で丸い黄色の果実を感じさせるほどに膨らみを見せて来ました・・1日目の頑なさが嘘のように。
ま~・・マシュレル、まさにモンラッシェの子供です。緊張感に溢れ偉大さを感じさせる見事な味わいです。トランブロはそこまで緊張感は有りませんが、黄色の果実をぶ~っと膨らませ、果実感に長けた味わいに成長して来ていました。
つまり、
「余りの密度の高さで、メディアも理解不能な硬さを見せた!」
と言うことだと思うんですね。
そして、
「2022年のデリエール・シェ・エドゥワールは白も赤も絶品!・・メディア評価のデンシテ白は97ポイント、白は93ポイント、赤は92ポイントのうち、ほぼ当たったのはデンシテだけ!」
だと確信しました。
まさに化け物級の凄い仕上がりです。これは是非とも!・・険しい斜度を持つ畑の圧巻な味わいをお確かめください!
以下は以前のレヴューです。
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【めちゃ素晴らしいです!・・もしこのアペラシオンがジュヴレ=シャンベルタンとしたらなら、一体メディアは何点付けたのでしょうか!?】 2021年のシャルドネ、1級クロ・デュ・メを飲まれた方は、とんでもなく驚いたに違いありません・・よね?・・
まぁ・・以前は5千円ちょっとで販売させていただき、余りの美味しさと全く釣り合わない価格でお客様に喜んでいただきました。もっとも、
「ユベール・ラミー?・・サン=トーバン・・?・・知らないなぁ・・」
とずいぶん言われたもので、どうしてもイメージから入られる方の頑丈なバリアを崩すのは、noisy も大変だったと思い出します。それでもクロ・デュ・メ2014年を一度飲まれた方は、6本、12本と・・ご購入して下さって・・それが有ったからこそ、今もこうして Noisy wine もラミーのワインを扱わせていただくことが可能なんですね。
「・・それはもう・・判った。・・でもこのコラムはデリエール・シェ・エドゥワールの赤じゃん?」
と言われると・・そう、罠を張っていたんですね。
実はその素晴らしい1級クロ・デュ・メはシャルドネですが・・この1級デリエール・シェ・エドゥワール(実際にはレ・カステート)の真下にある小さな畑でして、
「まるでデリエール・シェ・エドゥワールに抱かれて守護されているように見える畑」
と表現する方もいらっしゃるらしいんですね。
まぁ・・サン=トーバンの情報は、メディアに出ることも非常に少なく、今度インポーターさんがラミーのところに行くというので楽しみにしていたところ、出発前の新型コロナウイルス検査で陽性・・とのことで、
「明日も家で仕事します・・」
と連絡があり・・あらまぁ・・と残念がっているところです。
で、例えばそのクロ・デュ・メは、
「厳しい粘土の表土があるが、(ラミーの樹は)その下の硬い石灰岩層まであと30センチしかない」
なんて情報が有ったんですね。
なので2021年のクロ・デュ・メはその石灰岩層まで到達し、根が穴を見つけて入り込んだんじゃないか?・・などとも想像している訳なんですね。
その母親のようなデリエール・シェ・エドゥワールはシャルドネもピノ・ノワールも、そして超密植のシャルドネのオート・デンシテさえも産しています。
この2021年のデリエール・シェ・エドゥワール・ルージュは・・なんと、
「noisy がテイスティング出来た2021年ラミー赤の中で、もっとも早いうちから飲める状態」
です・・もっとも、後で少々付け加えますんで、最後まで読んでくださいね。
抜栓直後は東洋的なスパイスの凝縮したニュアンスがふんわりと立ち上がります。複雑性に富み、それなりに最初はキツイ感じのスパイスですが、すぐに緩やかになって心地良さに包まれます。鉄っぽさに美しく赤い土のニュアンスとチェリーや杏、ベリーが絡みます。徐々に膨らんできますが、透明感のしっかりしたミネラリティが各表情を包み込み、滑らかなテクスチュアと、その僅かな襞を突き破って先の表情が出てきているのが確認できます。余韻は・・恐ろしいほどに長い・・感動ものです。
2021年のラミーの赤は、白と同じほどの成長具合では無く、幾分ゆっくりしたものです。ですから、今飲んで一番美味しく飲める赤として、このデリエール・シェ・エドゥワール・ルージュを上げましたが、「完全に開いている」と同じ意味ではありませんので勘違いされないようにお願いします。
ただし、今飲んでも・・抜栓直後の僅かな不安定さ、東洋的なスパイスの集合体が一気に解放されてくるような部分が20~30秒ほどあるだけで、その後は非常に良い感じですから、
「あと少し、休養させると良い状態になるんじゃないか?」
と想像しています。
何せ、2021年のクロ・デュ・メがあの凄さですから、
「クロ・デュ・メの母親のように守護しているか・・のように存在するデリエール・シェ・エドゥワール」
が、相当素晴らしいのは間違い無いでしょう。
2020年の果実の豊満さが全面に出たスタイルでは無く、筋肉質で畑の真の姿からの真の表情が見える2021年です。海外メディアの90ポイントは、
「今飲んで点」
としか評価していませんし、非常な短時間しか向き合っていないからこその低評価でしょう。実際はそんなことは有り得ません。出来良く希少です。ぜひご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【もの凄いムルソー赤!滅茶苦茶複雑で精密、クチャっと凝縮しつつも質の高さとエレガンスを感じさせる未体験ゾーンのピノ・ノワールです!】 いや~・・このワイン、今飲んでも旨いですが、もし完熟した時に飲んだとしたら、ひっくり返る位に驚くんじゃないかと思うんですね。
言ってみれば・・その昔、あのムルソーの巨人、コシュ=デュリが造っていたムルソーの赤を数倍濃密にしたような凄く複雑精緻な味わいがします。
違う言い方をするなら、ル・コルトン..かなぁ・・コルトン=ブレッサンドか、もしくはヴォルネイ=サントノ・・そのどれかを2倍濃縮したかのような・・それでいてドライながら旨味はしっかり、口内でその複雑な「赤くちょっとねちっこい存在」はアチコチの味蕾を弄り倒し、その余波をノーズに届けてくれます。
2019年ものも旨かったですが、2020年ものは格別です。
色彩も実に美しい!・・貴重は「赤」です。匂い立つ赤..と言いたくなるような芳香を秘めていると・・その何分の一かで充分に満足してしまいます。
アルコール分はこちらもなんと13度!・・強く無いです。軽くも無い・・ベストな度数だと言えます。
その昔・・どうでしょう・・7~80年前位まででしょうか、ムルソーはかなりの部分がピノ・ノワールだったそうです。しかし今では「ムルソーと言ったらシャルドネ」ですから、ムルソー村のピノ・ノワールはほぼ絶滅し、残った部分は「ヴォルネイ1級」として存続しています。
ですがこちらはサン=トーバン1級です。アン・ルミイィやダン・ド・シアンはモンラッシェの山の反対側で、モンラッシェを見下ろすような高い標高に有ります。
ですがデリエール・シェ・エドゥワールの畑はモンラッシェとは違う反対側の山の麓近くに有りまして、石灰が強く金属系のミネラリティが混じり合うモンラッシェ系とは異なる表情を見せるんですね。
ですから、ラミーのグージョンヌの方がニュートラルな味わいに近いと感じます。こちらは唯一無比、比較するもの無し・・敢えて言うならムルソー1級赤、ヴォルネイ=サントノ、ル・コルトン、を濃縮したかのような感じに取れます。テクスチャは滅茶滑らかなんですが、そこから飛び出して起伏を造りだしてくる!・・と感じるほどのパフォーマンスが有り、それでもブルゴーニュのエレガンスを失わないんですね。もしかしますとナチュール系のアプローチもし始めたんじゃないかと思いたくなります。
そして、この「赤」ですが・・時を経ますと、相当なブケを発するんじゃないかと・・テイスティングしていまして感じました。言っちゃえば・・「ムンムン」するほど香るんじゃないかと。
この美しい色彩をご覧いただけましたら、「ただ者ではないぞ・・」と思っていただけると思います。是非ご検討いただけましたら幸いです。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【マンモスポテンシャル!・・幻のムルソー1級!・・と言いたくなる素晴らしい味わいです!】 これは凄い・・美味しい、美味しく無いとか、そんな感情は不要・・とも言いたくなる化け物みたいなワインでした!
圧巻な密度感の中に、
「どうしてこんなに複雑な要素を閉じ込められるのか?」
「どうしてこれほどの複雑な要素をサン=トーバン1級の畑の葡萄が持っているのか?」
と、不思議ちゃんになってしまいました。
確かに2018年ものも同様に、昔存在したムルソーの赤を思わせる味わいで、超複雑だった訳ですが・・2019年ものは「さらっ」と超えて来てしまいました。判りやすいのは2017年ものの写真と2019年ものを見比べましたら・・一目瞭然です。
そしてそれほどまでに「密度が高い=結果的に色が濃くなる」訳ですが、全く嫌味が無い・・さらっとスッキリもしているんですね。通常ですと、力業で濃くしてしまいますので抽出が強くなり、テクスチュアは「ザラっ」と、タンニンは渋みが強くなり平坦に、エグミも出てしまいます。
「そんな感覚は全く感じ無い!」
訳なんですよ。
それでいて、口内に入った液体を口蓋と舌ですり潰すようにして味わってみると、ま~・・超複雑です。色んな感覚が襲って来ます。ノーズに抜けて行くアロマも凄い!呆れてしまいました。
アレン・メドゥーズさんは、Here the nose is firmly reduced and unreadable. と言っておりまして、現状は硬くて読み切れない・・みたいな感じなんでしょうかね・・でもその後で「6~10年熟成させればめっちゃ成長する」とも言ってます。
なんだよ・・それでも92点か・・と思ってしまいますが、バーガウンドの92点は他の94点くらいと同等ですから仕方が無いのかもしれません。
その昔、かのコシュ=デュリさんがムルソー・コート・ド・ボーヌ・ルージュと言うワインをリリースしていましたが・・今でも有るんですかね・・あのワインのニュアンスに超似ています・・が、
「このデリエール・シェ・エドゥワールの方が全然凄い!」
と・・頭の中で比較してしまいました。
「ムルソーの赤に似てる?・・と言うことはヴォルネイ・ルージュに似てる訳?」
と思われるかもしれませんが、ん~・・・ヴォルネイには近いものは有るけれど、やっぱり「ムルソー赤」と言いたくなります。
それでいて、余りの複雑な要素の解析をワインから求められますから、とてもじゃないが「クイクイ」とは飲めない・・と思ってしまうのに、ついつい飲んでしまう訳ですね。
少しねっとりとして、金属的なミネラリティが複雑に絡み合い、テクスチュアは滑らかなんだけれども、
「全く直線的では無く、敢えて言うなら葛飾北斎の冨嶽三十六景、神奈川沖浪裏のその場にいるような感じ!」
の・・富士を遠くに見ながらも波浪のうねりを常に感じているような状況にいるような感じです・・判り辛くてすみません。
圧巻な味わいでした。今飲んでもその凄さは伝わって来ると思います。勿論ですがアレン・メドゥーズさんが言うように熟成させると本領発揮すると思います。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【このデリエールの赤も圧巻!・・残念ながらちゃんと評価できたメディアは有りません!】 滅茶苦茶美味しいです!・・有り得ないほどに複雑性に富んだ見事な味わいです。
まぁ・・言ってみればムルソー1級の赤・・と言う存在が有ったとしたら、それに比類するものになったはずです。ムルソー1級の赤は無いですから・・。
アドヴォケイトが上値93ポイントと評価していまして、noisy的には近い評価になりますが、94ポイントまでの可能性が有るので・・1ポイントの重みは相当ですよ。
例えば、ムルソー・シャルムの1級赤と言うのが有ったら・・などと想像してみたことはあるでしょうか?・・もしくはペリエールでも良いですが・・?
おそらく相当に色合いの淡い仕上がりになるんじゃないかと思うんですね。しかも収量は非常に低いし、表土が薄くて葡萄を育てるのは相当に苦労するでしょう。
でも、このデリエールの畑は傾斜も相当にキツイんですよ。だから雨に流された土を畑の上部まで何度も持って行ったりしなくてはなりません。
その上での・・この濃密な色合いです!・・そしてアドヴォケイト93ポイント・・。一体、サン=トーバンで何が起きているのか・・確かめてみたくなりませんか?
テイスティングで飲まれたお客様は皆一様に悶絶しています・・(^^;;・・飲んだ人にしか判らないラミーのピノ・ノワールの素晴らしさ、是非味わってみて下さい。2018年ものは超異質の仕上がりです!おススメします!
以下は以前のレヴューです。
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【リーズナブルだから・・等と言うような理由で飲むワインでは有りません。他者と比較することが困難であると思えるほどワイン。ラミーが気持ちを込めて仕込むデリエール・シェ・エドゥアールと言う畑のピノ・ノワールを是非とも愛でてください!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
2017年のデリエール・シェ・エドゥワールの赤です。滅茶旨いです!・・こんなピノの有ったのか?!と思う位です・・2016年までも折に触れ飲んでいたにも関わらず・・です。
サン=トーバンと言う、少し西にズレた村では有りますが、やはり「裏モンラッシェ」としての存在はラミーのシャルドネで感じていただけると思います。
しかし、例えば同じ丘だとしてもその斜面は一様では無いんですね。石灰が厳しい部分も有れば、他の鉱物が厳しく存在する場所もあるし、希少金属が露出していたり内包されていたりするわけです。
デリエール・シェ・エドゥワールは繊細にして超複雑。どちらかと言えば筋肉質で、その筋肉の凹凸(おうとつ)が見事に感じられる逸品。決して崩れずいつまでも端正な姿を保ち続ける、清楚にして存在感を強く感じる味わいです。
その姿は、まるで見事なラミーのシャルドネのスタイルそのもので、「密度が凄い!」としか言いようの無いものです。クリスタルコーティングされた液体の中からじんわりと伝わって来る美しい果実、磨かれた旨味、ふわっと感じられる希少金属由来のじんわりスパイスがこのワインの特徴です。
コート・ド・ボーヌの赤ワインとはとても思えない仕上がりです。そしてこの姿こそがサン=トーバン・デリエール・シェ・エドゥワールなんだと感じていただけると確信しています。素晴らしいです。是非飲んでみて下さい!
以下は以前のレヴューです。
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【これは安い!万人受けする柔らかでエキスたっぷりーな味わいです!】 まぁ、このラインナップとその価格を見比べてみた時に、いくばくかの違和感みたいなものを感じるかと思うんですね。下から・・
サントネ村名 5千円弱、シャサーニュ赤 6千円弱、サン=トーバン1級赤 6千円強、サントネ1級 7千円弱
と言うのが今回の価格帯です。
「サントネ村名は判るにしても、その後が変?」
ですよね。
でも、サントネ1級は超密植で20000本/haですから・・それも理解できるとして、
2番目に安いのがシャサーニュ赤、3番目がサン=トーバン1級・・
「逆でも良いんじゃない?」
と思われるかもしれません。
でも、これも飲んでみると判るんですね。
このシャサーニュのラ・グージョンヌ、豊かで滑らかで適度に深くて、もう普通~~~に美味しいんですよ。
「何か一つ、美味しいピノ、選んでください!」
と言われたら、迷わずこれ、行っちゃいます。
複雑性も充分だけれど、単純な美味しさがすぐ判った上で、飲みこんで行くとその複雑なポテンシャルが少しずつ理解できる・・と言う感じなんです。
1級サン=トーバンはもう少し・・気が難しい感じ・・と言う性格ですね。そちらはどうだろ・・シャルム=シャンベルタンに対してのマジ=シャンベルタンみたいな感じでしょうか。若いころのマジって・・結構に硬くて訳判らんことも有りますよね。そこまで難しくは無いにせよ、サン=トーバン1級のポテンシャルはかなり高いと感じます。ラ・グージョンヌは元から持っているその「豊かさ」「包容力」により、それを近しいものにしていて、「万人受けするスタイル」かと思います。
今から飲んでも美味しいし、3年ほど置いたら滅茶旨いと思います。ほんのわずかに甘さの有った2014年、2015年とは違い、この2016年はタイトでドライです。それでも柔らかで豊かだと・・感じさせてくれます。素晴らしいです!ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】 以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2015 Puligny-Montrachet les Tremblots Vieille Vignes
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ブルゴーニュ・シャルドネの醍醐味を味わえる逸品です!】
こちらのシャサーニュ村名、ピュリニー村名ですが・・もう現状では今一番仕上がっていると言えます。物凄いポテンシャルからわずかに漏れてくる要素をただ受け入れるだけで、充分に満足出来てしまいます。これぞ、いや・・きっと、
「超密植・密植が葡萄に与える密度と言う名の魔法!」
なのでしょう。
決して「凝縮している」とは思わせない・・いや、これも少し違いますが、「凝縮しているだけ」とは思わせないが正しいのかもしれません。兎に角物凄い「密度」なんですね。「濃い」と言うのも違う気がする。
全て、元の状態が有ったとするなら、それがそのまま密度を高めたようなニュアンスなんです。果実味が凝縮している・・と言ったら、それはちょっと違うだろう・・と言うことになる・・そう感じてしまうんです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは、サン=トーバンをさらに膨らませたような見事な仕上がりです。シャルドネ好きが飲んで感動する、一番典型的なパターンです。
「ん?・・いや、それはむしろピュリニーに対してなんだけどな・・」
と思われるかもしれませんが、やや痩せて安易なシャサーニュの味わいに対するピュリニー=モンラッシェと言う立ち位置だとそうなのかもしれませんが、偉大なモンラッシェの周りに存在する素晴らしい畑・・と言う立ち位置からこのコンシ・デュ・シャンを見るなら、そのピュリニーの位置にこそ、このワインは似合うと思います。素晴らしいです!
そしてピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロも実に素晴らしいです。シャサーニュ・コンシ・デュ・シャンが余りに繊細で、しかも豊満ささえ持っており、確実に1級並ですが、レ・トランブロも当然負けておらず、良く締まったピュリニー1級を感じさせてくれます。
勿論、本領発揮はまだ先ですがシャサーニュ同様、今飲んでもま~・・満足させられてしまいますよ。2015年のユベール・ラミーの凄さは、一番良く判るかもしれません。
その「酸の美しさ」と「キラキラ輝く酸の盛り上がり」を余韻で見事に見せつけます。
「・・お!・・と・・ほ~・・」
と、その余韻のパフォーマンスに気を持って行かれること必定です!
上級キュヴェの到着が待ち遠しい2015年のユベール・ラミーでした。どれを飲まれても外さないと確信していますが・・出来ましたら、
「落ち着かせてから」
お飲みください。この素晴らしいパフォーマンス、ご期待に添えると思います。ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。
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【「ユベール・ラミーの2014年」・・必ずやこの言葉が記念碑になるでしょう!凄いワインです!】 言葉と言うのは非常に難しくて、物凄く良い・・と伝えたいのに、言葉通りには何故か受け取ってもらえないシュチュエーションが多々あります。ある意味、今回ご紹介のユベール・ラミー2014年がそうです。
noisy 的には最大の賛辞を持ってご紹介した前回のユベール・ラミー2014年の第一弾は、どうやらその憂き目に有ってしまったようで、極一部の方を除いては関心さえ持っていただけなかったのが残念でなりません。
なので、敢えてもっと強い言葉を選んでみたいと思います。
「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべきです。」
勿論ですが、伝わらなかった責任はnoisy自身にあります。2014年のユベール・ラミーも、全てをテイスティングするのにはかなりの時間が必要ですし、確かに、そんなに強い言葉でユベール・ラミー2014年全体を推していたとは言えないですね。
しかし、テイスティングが進むにつれ、ややあやふやだった言葉は確信へと変わりました。まぁ・・どのワインを飲んでも、
「滅茶苦茶美しく、今飲んでも美味しく、トップレベルのシャルドネの名手を上回るようなワイン」
に仕上がっているんですよ。
おそらくですが、この何年かで急成長したユベール・ラミーですが、このレベルまで来るとなると・・もうユベール・ラミーの前を走る者はいない・・と言う状況になっているのかもしれません。とにかく旨く、しかもアペラシオンの無名さがむしろ優位に働き、プライスもリーズナブル・・と言うことになります。
なので、「2014年はユベール・ラミーにとっての記念碑になるヴィンテージ」と言えます。
サン=トーバンの1級、クロ・デュ・メは、デリエール・シェ・エドワールの下部にある小さな畑です。ピュリニー=モンラッシェ的な黄色い果実感がたっぷり有り、実に伸びやかで美しいバランスも持つ見事な酸、張り詰めたように全体を引き締める素晴らしい石灰系ミネラリティが輝いています。そしてほんのわずかに・・これまた非常に好ましいトッピングアロマとして捉えられる微細な樽のアロマ・・本当にゾクゾクさせてくれちゃいます。
並みのピュリニー村名は、ただ果実感が全面を覆い、ブリブリとまん丸な果実が美味しいですが酸とミネラリティが追い付いていない・・とさえ教えてくれます。そういう意味ではピュリニー1級の持つ見事な表現力をも感じさせてくれるんです。だらしなく横に拡がるように放出するのでは無く、縦構造からの深い表現力です。非常に冷ややかで、しかも今飲んでも滅茶美味しいです。
シャサーニュ=モンラッシェ・ル・コンシ・デュ・シャンは・・もう余りに美味しくて、久しぶりにFACEBOOKに写真を上げちゃいました。ブリッブリのテッカテカです。まぁ、この次にご紹介させていただくピュリニーのトロンブロもそうですし、サン=トーバンのクロ・デュ・メも他のサン=トーバンもそうなんですが、同様に連想させてくれることが有ります。それは、
「コント・ラフォンが絶好調の時のニュアンスに酷似し、さらにミネラリティが繊細なバランスと美しい表情を持っている」
と言うことですね。
ものの見事なテクスチュアを感じさせてくれる接触感は、まるで透明なガラスのようでも有り、滑らかなオイルのようでも有ります。とても細やかな、粒とさえ言えない微細な突起が有るんですが、「スルリ」と通り過ぎるのに、その存在をちゃんとアピールしてくれるんですよね。
昨年の2013年ものは、ほんの数本ずつの割り当て分しかいただけなかったんですが、このところはそれなりにエージェントさんの売り上げに寄与しているようで、ある程度の数量をいただけるようになったんです。なので、上級キュヴェもテイスティングも出来るし、確信犯的な言葉も使えるんです。
Facebook で一言つぶやくと、
「そうでしょう!2014年のラミー・・・凄いことになってますよね~・・」
と、昔からのお客様からお言葉をいただきました。
まぁ、ユベール・ラミーもここまで来ちゃったんだ・・と、確認できたのは奇跡かもしれません。
このル・コンシ・デュ・シャン2014年は、シャルドネにうるさいマニアさえ唸らしてしまう奥に秘めたポテンシャルと全面を覆う見事なフィネス、美しさを持っていると言えるでしょう。
それなりの価格では有りますが、あなたはこれを飲まずに何を飲むんだ?・・とさえ言いたくなる完成度ですから、
「非常に安い!」
と言えます。
ピュリニー=モンラッシェのレ・トランブロ・ヴィエイユ・ヴィーニュも、余りの美味しさに連日でFacebookでつぶやいてしまいました。もうここまで来ると2014年ユベール・ラミーのテイスティングも合計7アイテム。もう何の不安も有りません。なのでコラムの最初の方に書かせていただいたように、「ユベール・ラミー2014年は絶対に購入すべき」と自分でも言えるのでしょうね。
ユベール・ラミーのサン=トーバンは、フリオンヌを除いてピュリニ=モンラッシェそっくりな味わいですが、それでもサン=トーバンはピュリニー的な果実をピュリニーよりも量的に多く質的に同様なミネラリティで覆っているように感じさせてくれる・・・
そのことをこのレ・トランブロV.V.は教えてくれます。非常に密で蜜・・、しかも粘性は有っても全くシツコクならず、エレガンスを持った姿です。
「これは蜜だね・・
と、ワインに感じられる要素を取り出して感じられるのでは無く、むしろ全体の姿として、「一瞬の蜜」を見せてくれます。そこから繊細な果実、柑橘、花、スパイス、キノコ、石(これがまた美しい・・)、しっとりとしていて、エレガントに膨らみます。
わずかなビター感はリアルなフルーツ感、柑橘感を助長、非常に長い余韻は絶品・・と言える美しさでした。・・まぁ・・一昨日、昨日のラミーのワイン、残らないったらありゃしないです。中々美味しいとは言わないカミサンまで、「美味しい」と・・。どこかのエージェントさんを二件回って散々テイスティングしてきた愚息も、クロ・デュ・メを飲んで、
「これが今日イチ」
などと申しておりましたが、まぁ・・そうでしょう。そんなに簡単にこれほどの素晴らしいシャルドネには当たりません。飲めば誰でもこの素晴らしさは判りますが、まぁ手にいれる気にならないと到達しないですよね。なので、ぜひ・・購入してください。今なら間に合います!
そんな訳で、2014年のユベール・ラミーですが、「必買ワイン」とさせていただきました。このレベルまで成長したユベール・ラミーですので、引退までもう落ちることは無い・・と思います。そして樹齢とともに、とんでも無いワインを世に送り出す造り手になるでしょう。ただし、「ユベール・ラミーの密植系のワイン」・・と言うことでご理解ください。ユベール・ラミーは密植系では無いキュヴェも造っていますんで・・。少なくともnoisyがご紹介させていただいたキュヴェはほぼ該当します。1万本以上ですしね・・。超密植の「オート・デンシティ」やグラン・クリュ、そして何故か異常な高評価になっていると伝わるピノ・ノワールの到着も楽しみです。将来までずっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来でした。一推しです!ぜひ飲んでみてください。
● 2022 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【豊かな果実の深い味わい・・グッと来ます!・・多くの方が「美味しい!」とこぞって言うに違いない、ジャイエ系の仕上がりです!】
トップ・キュヴェにふさわしい出来になった2022年のクロ・デ・グラヴィエールです。
実はシャサーニュの1級レ・モルジョの向かいの1級クロ・ピトワはシャサーニュの南端に有りますが、そこからレ・グラヴィエールまでは道を真っすぐに200メートル南に進んだところに有るんですね。標高もほぼ一緒です。なので、
「シャサーニュ的かな?」
と思いがちですが、むしろ粘土はより深いんじゃないか・・などとも感じさせるほどに、このクロ・デ・グラヴィエールは果実の風味に長けています。
そして少しグリルした肉、もちろん赤・赤紫・赤黒の小果実がたんまり、精妙なスパイスのふっくらした風味が載り、果実味たっぷりな味わいに・・膨大なミネラルが釣り合うと言う設計ですから・・
「噛めるようで、しかし流れるように無くなり、残渣が生む細やかな表情を得る」
そんな感覚の高質なピノ・ノワールを味わうことになります。
まったく・・硬いとか、開いているとかを意識せずに今でも美味しく飲めます。しかし、このワインの本領発揮には3~5年は掛かるんじゃないかと推測しています。
このワインに限っては、もしかしたら新樽を当てているかもしれないとすら感じる妖艶なニュアンスやグリル肉のようなヒントが有りますが、基本、とてもピュアでナチュラル、思う以上に自然派的にSo2も多く無いです。
彼の白ワインの場合は、余りの密度の高さに・・内包した要素を全く外に出さないほどに締まっていることが有りますが、赤の場合はそこまで行かないとしても、このワインの「本当の開き」までには時間は掛かりそうです。
まぁ・・2022年のラミーの白には参りました。上に行けば行くほど頑なに閉じています。白ワインが閉じますと、
「ほんのり酸っぱいだけで薄っぺらく平板」
と言うような挙動を見せます。
まぁ・・若いワインなら、
「・・いずれ出るでしょ。」
と思うかもしれませんが、これが古いワインも同じように締まっていることも多々ありますから、そんな状況にお客様が出会うと、
「・・あぁ・・もう終わってしまったんだなぁ・・」
と思ってしまうでしょう。
ですが、白ワインは最終的にはほぼ・・赤く、黒っぽくなります。汚い水みたいに・・なり、それがまた澱となって落ちると水のようになる場合も有ります。
でも、白ワインがそこまでたどり着くには、とても長い年月が必要でしょう?じゃぁ・・どの時点が白ワインの終末なんでしょうか?
少なくとも、20~30年経過した白ワインが酸っぱかったらお仕舞だと考えがちですが、諦めずに粘ってみることをお薦めします。
で、こちらは赤ワインですから、何度も言ってますように、最後は水のように色感の無い、のっぺらな透明のようになってしまいます。澱はボトル半分ほどにも盛大に出て、そしていずれ「ぺっしゃんこ」にボトルの下方にプレスされたようになります。
少なくともそうなるまでに、このワインは30年ではきかない期間、飲めると思うんですね。
果実味豊かなアンリ・ジャイエ系です。新樽使用を減らしているようですから、仕上がるまでにはジャイエのワインよりも時間は掛かるにせよ、今飲んでも充分に旨いです。多くの方が「美味しい!」とおっしゃるに違い無いと思います。飲んでみてください!ジャイエの薫陶を受けたオリヴィエ・ラミーのトップ・キュヴェです。
以下は以前のレヴューです。
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【実は白だけでは無く赤も半端無いユベール・ラミーの、赤のトップキュヴェ!・・2021年ものは超希少です!】 入荷は6本だけですから、どうしてもテイスティングできずに申し訳ありません。それでも4アイテム入荷の赤は2アイテムのテイスティングをさせていただきました。
2021年のメディアの評価は、未だにアドヴォケイトが出しただけで、ジャスパー・モリスさんは出ず、ティム・アトキンさんは2021年のテイスティングに出なかったようです。なので、アドヴォケイトオンリーの評価では、91ポイントとこの3年間で最も低くなっています。
判りやすい「物凄さ」の2021年ラミーのシャルドネに比較して、赤の方はやや仕上がりに時間を要すと見られますから、バレルテイスティングの評点が上がらないのも仕方無いと言えるかもしれません。
どうも・・海外メディアはある種の思い込みで「その年の最高到達点」を決め、そこに当てはめているんじゃないかと思えるフシが感じられます。
2021年のブルゴーニュのシャルドネは、ちゃんと飲む人たち・・(^^;; に言わせれば、
「最高のヴィンテージ!・・大好き!」
と言う方がほとんどです。
ラミーの白はま~・・キュヴェにもよりますが、とんでもなく美味しいA.C.ブルのような、今から開放的なアイテムと、やや時間的な生育不足のあるアイテムが混在していますが、noisy 的にはそれでも非常に判りやすい・・細部に渡り美しく、凝縮しているのに全く嫌味が無い・・素晴らしいワインです。
赤の方は2アイテムテイスティングさせていただきましたが、そのどちらも異なる質をしていました。最初から普通に美味しいサントネイ・クロ・デ・ゾートは、柔らかな襞を感じさせてくれて精妙です。ところがですね・・それはようやっと飲めるようになった、その端緒についた段階での表情であって、
「実はまだほぼ全く仕上がっていない」
と言える状態です。
もう一方のシャサーニュ=モンラッシェ・グージョンヌの方は、クロ・デ・ゾートほども仕上がっておらず、もう少し時間を必要としていますが、
「現在は途轍もないほどの複雑な面を表に出した状態」
で、誰もが・・
「もう少し時間が必要だね・・でもいずれ、素晴らしい表情を見せるだろう」
と感じていただけるはずです。
このグラヴィエールがどちらの印象に当てはまるか、はたまた、また異なる印象を見せるかは判りませんが、
「2年ほどは休ませた方が良いんじゃないか?」
と想像しています。(アドヴォケイトは2023年のうちから飲めるとしています。)
2020年もの以前をゲットされていらっしゃるようでしたら、そちらを先に飲まれて、この2021年ものは少し先に延ばすと良いかと思います。貴重なトップ・キュヴェです。ご検討くださいませ。
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【ただただ美しい・・としか言えない2020年のラミーのピノ・ノワールの色彩を見れば、このトップ・キュヴェのそれがどんなものなのか・・。2万本を超える植密度からの圧巻な味わいでしょう!】 2020年もののラミーのワインは、色々調べたんですが・・年々ナチュールさを増幅させつつ・・の原因がハッキリはしません。
ですが、ラミーのクリオの畑の真横はルロワですから・・ルロワの畑の植生を延々と見ながらの畑仕事ですよね・・。畑の超密植化と言う、誰にもできない手法を延々と続けているオリヴィエにとっても、ルロワの・・
「グリーンハーヴェストしない」
「摘葉しない」
と言う手法は、見たこともない新たなおもちゃを得た子供のように、彼をワクワクさせたに違いありません。
そもそもルロワは伸びた枝さえ切らず、上方に編むようにして伸ばし放しにしています。「伸びたいように自由させる」のが一番だ・・と言うことらしいんですね。
そんな・・誰でも見れば判るようなことを、
「超密植ゆえに超小粒の、超小さな房の、重く無いが密度の高い葡萄を収穫しているオリヴィエ」
が見たら、何を思うでしょうか。
少なくともルロワが施している「ビオ」に対する興味は持つと思うんですね。
2020年ものはそんな姿が垣間見られる仕上がりになっています。でも、黒葡萄であるピノ・ノワールは、白葡萄のシャルドネのワインほどは顕著には表れてはおりませんが、クロ・デ・ゾートもグージョンヌもデリエール・シェ・エドゥアール・ルージュも、そしてこのトップ・キュヴェのクロ・デ・グラヴィエールV.V.も、
「ミネラルが半端無いルロワ?・・ドヴネ?」
みたいな姿を、3~5年後に見せてくれるんじゃないかと想像しています。
余りに少なく、テイスティングは回避しました。・・高いですか?・・いや今はもう、ルロワの、それもネゴスの村名でも「ん十万」と言うようなオファーを noisy も受けていますが、全て無視するしかない現況ですから、
「これでも充分以上にまともです。」
と思うしかないのでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【毎年テイスティングしていたクロ・デ・グラヴィエールですが2019年は僅少につき・・申し訳ありません。でも、2019年のラミーは2018年同様に赤も激旨です!】 間違い無いでしょう。ラミーの2019年のどの赤ワインを飲んでも、全くの肯定感しか出て来ません。
全域を通して密度が高く、例え品温が低くとも、旨味を多く含んだ見事な「酸」が、素晴らしいテロワールを伝えてくれます。
ただし、ご自身の現状のアペラシオン認識を改める必要は無いとお考えの方には無用のピノ・ノワールでしょう。
「サントネ1級」
です。
その中の・・
「クロ・デ・グラヴィエール」
です。
そのテロワールを見事に現わしてくれているはずです(・・飲めなかったので・・)
そうでなければ2年続けてアドヴォケイトの94ポイントは有り得ないでしょう。彼らのアペラシオン至上主義は相当な「縛り」を生んでいるはずで有り、それさえも撥ね退けての94ポイントなんです。なので、
「どんなに凄い、素晴らしいと感じたとしてもそれが現状の上限」
なんですね。
たった8本の入荷です。
「サントネにこんな大枚は・・」
と考えるか、
「ピノ・ノワールの一つの素晴らしい形を確かめたい!」
と考えるか、お早めにご検討ください。
まあ・・言ってしまえば・・あのヴァーゼンハウスだって同じことですけどね。良いタイミングでヴァーゼンハウスを飲んだら、それまでの自身を否定されるような感覚になってしまうかもしれませんが・・どうぞよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
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【濃密!素晴らしい密度です。ドライで流れるような赤黒果実!是非飲んでみて下さい!】 7千円オーバーのサントネイ1級レ・グラヴィエールです。おいおい・・大丈夫かぁ?・・正直も大概にしないと・・いや、アドヴォケイトは上値94ポイントなので・・はい。
この評価には諸手を振って賛成です。noisy的にもピッタシカンカンです。アドヴォケイトと同じになるのは・・滅多に有りませんが、2万本/ヘクタールと言う超密植度から生まれる「密度の高い味わい」は、飲む者を納得させるだけのアピールが有る訳ですね。
そして見事なのは、単に密度が高いだけではなく、ピノ・ノワールに求められる繊細さ、エレガンスもしっかり有ると言うことなんですね・・。
普通なら・・そんなに高いサントネのワインなんて、ワイン屋は買いづらいですよ。でも、この味わいを知ってしまえば・・
「もっと頂戴!」
と言いたい訳です。
赤い果実には、まだ色が淡い鮮やかな赤から深紅と言って良い、赤を何度も塗り重ねたような色合いの果実が感じられます。黒い果実には・・言ってしまえばエスプレッソ的なトッピングまで感じられます・・まぁ、ちょっとオーバーでは有りますが・・。
それでも嫌味にならず、ピノ・ノワール的な繊細さを感じさせてくれるワインです。94ポイントも訳がちゃんとある・・そう感じさせてくれました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ユベール・ラミーが創り出す「新世界」!ラミーのシャルドネの美しい姿を見事に転写したもの凄いピノ・ノワールです!圧巻!】 「ラミーの赤はスルー」と決め込んでいる方がもしいらっしゃるとするなら、それは最早、
「凄いピノ・ノワールを単に見過ごしている」
と同義だと言いたいところです。いや・・驚きました!・・どのラミーの2017年のピノ・ノワール・ワインもすべてに共通しますが、
「ユベール・ラミーのシャルドネに共通する凄いミネラリティと全く同じ姿をしている!」
んですよ。
コート・ド・ボーヌのピノ・ノワールと、コート・ド・ニュイのそれは、どこが一番違うか?と聞かれたら、色々な答えは有ると思いますが、noisy 的には、
「崩壊のスピード」
じゃないか・・と思っているんですね。
例えば、ボーヌ村のピノを思い出してください。ほぼほぼ・・口に含んだ段階から崩れて来ます。それでも優れた1級畑ものなどは、含んでも崩壊せず、まずミネラリティ由来の表情を見せ、果実を見せ、また端正さを保ったまま余韻に流れて行きます。そして消えます・・。
しかし、その消え方ですよね。「まだ存在する」と思えるかどうか・・です。そしてそれが素晴らしいかどうか・・で資質が図れると思います。もう、口入直後から崩れて行かれると、ちょっと萎えちゃうと思うんです。
2017年のラミーのピノ・ノワールは、崩れません・・全く、あの凄いラミーのシャルドネと同様の「密度」と「ミネラリティ」を感じさせる体形をしています。
なので、2016年以前とはもう、まったく異なる・・とさえ感じてしまうんですね。
(ここまで2017年のピノは同じ文章です。)
このクロ・デ・グラヴィエールはもう、圧巻でした。高価だがさしてポテンシャルを感じないニュイの一流どころのアペラシオンものと、全く引けを感じない・・どころか、完全に超えて来ているニュアンスです。
クロ・デ・グラヴィエールは、超エレガント系のシャンボール1級に近い感覚で飲めると思いますよ。むしろ、知っていればいるほど、「サントネだね」「二流かな」などとは言えないはずです。そんな姿はむしろどこにも感じられない・・と言うか・・
2016年までのクロ・デ・グラヴィエールも、非常に美味しかった訳です。
「ラミーは赤も旨いね!」
と言っていただけるようになっていたんですね。
しかしながら、2017年ものはもう、そんなレベルでは無いんです。何とか2016年ものと比較できる・・だけです。ですので、もう他者のワインとも比較のしようが無い訳です。
「濃いのではない。密度が有り得ないほど凄いんだ!」
と、ラミーのシャルドネでは散々言ってきました。2017年もののラミーのピノは、全くシャルドネと同レベルの密度と言って良いです。
その結果、2016年までの美味しいクロ・デ・グラヴィエールの姿はもう無く、ニュイの高級ピノ・ノワールと同レベルか、それを超えてくるようなパフォーマンスを見せつけてくれます。
もう、これはお客様に飲んでいただいて、評価をしていただきたい・・凄いピノ・ノワールです。
コート・ドールの南のドンケツの「サントネ」も、古い時代に収穫増のために行っていた「密植」に戻ることで、ニュイのピノにも勝るとも劣らないもの凄いワインになった証拠です。
このピノは、是非とも飲んでみて下さい。「サントネでこのプライス?・・いらないな・・」と思われたら、もう時代には付いていけないでしょう。まるでルーミエさん張りのミネラリティなんですが・・すでに超えているとも言えるかもしれません。その辺も是非、ご自身の感覚でお確かめいただきたい!・・そう思っています。超お勧めです!
● 2015 Saint-Aubin Premier Cru en Remilly
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・アン・ルミイィ
【プティ・シュヴァリエ=モンラッシェ!?均整の取れたシャリシャリなミネラリティ!甘美な果実!凄いポテンシャルです!】
何度も同じことを書いているようで申し訳ない感じがしますが、ユベール・ラミーのテイスティングは実に楽しいです。毎年のように同じキュヴェを飲む訳ですが、常に思うのは・・
「・・また・・一生懸命、植えたのね・・」
と言うこと。それが判るんですよ・・と言うか、素直に伝わって来るんです。
2013年もの辺りからこのサン=トーバン・アン・ルミイィを飲まれていらっしゃるのでしたら、それはもうこの2015年も必ず飲むべきです。彼が何を考え、どう日々を送り、葡萄がどのように育ち、ワインがどう仕上がって来たのか・・その気になれば全てワインが教えてくれると感じます。
2015年ものは2014年を明らかに上回る密度で、2013年ものには無い・・と言える確たる表情・・信念と言っても良いかもしれません、それが感じられます。
勿論、今現状が最高潮だなどとは言いませんよ。それでもいつもリリース直後のほぼ同じタイミングに開けることにより、条件が限定されますから、受容する情報の基準が余り変わらない訳ですね。だから、涼やかなアン・ルミイィの柑橘果実の表情の深さ、多彩さがさらに際立ってきていることに気付き、ただそれだけでも開けたことを喜ばしく思えてしまいます。
決して損などはしないどころか、このマッタリとした滑らかなシャルドネに現を抜かしていただけると確信しています。是非飲んでみてください!滅茶美味しいです!
以下は以前のレヴューです。ご参考にされてください。
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【プティ・シュヴァリエ=モンラッシェ!?均整の取れたシャリシャリなミネラリティ!甘美な果実!凄いポテンシャルです!】 いや~・・美味しいですね~・・今飲んじゃ・・早いのは絶対に間違い無いにしても、スピットしないで飲んじゃいますね・・。胃を目指して落ちて行ってしまいます!
この10年ほどで密植度を高めているのでしょうから、これ、樹齢が上がったらとんでもないことになっちゃうのが目に見えます。現時点で植密度が11000~14000本とのことですから、ほぼDRCと同じくらいなんですね。
因みに、畝と畝の間は1~1.5メートルで、普通の畑と変わらないようですが、ヘクタール辺り3万本を目指してオート・デンシテにしているようですから・・色々と計算してみましたら、
「株と株の間は約30センチ!」
と言うことが判ったんですね~!
でも・・それって、ワイナート誌に出てましたね~・・。後で判ったんですけど、散々調べて、計算して、
「・・いや~・・エージェントさんの資料じゃ1.4メートルとか書いて有るけど、そりゃ畝と畝の距離でしょ?・・0.1ヘクタールで22000本なら、幅が1メートルしかない畑だと仮定すると長さは約1000メートル・・1000÷(22000×0.1)=45センチでしょ?・・と言うことは、幅は1.4メートルと仮定すると長さは715メートルだから、715÷(22000×0.1)=32.5センチでしょ?」
・・・などと、新着を書かなきゃならないのに、あ~でもない、こ~でも無いと電卓と格闘していたんですね~。
まぁ、今はエージェント情報欄の「1.4メートル」の前に「畝」と書きましたんで判り易いと思いますが、
「この見事な張り、膨満感は、密植度、植密度のなせる技なんだろう!」
と踏んでいましたので、
「・・・1.4メートルも空いてる訳が無い・・」
と・・。悩んだ結果、なんてことは無い、結構な周知の事実だった・・と言うことでした。まぁ、noisy もどこかで「30センチ」を頭のどこかに入れていた性なんでしょう。さっさと思い出せば苦労しないで済んだ話しでした。
また、このアン・ルミイィはシャサーニュ=モンラッシェ1級として認められた区画と、サン=トーバン1級としての区画が有り、それぞれがほぼ連続していまして、なのでシュヴァリエ=モンラッシェと非常に近いです。標高もほぼ同じです。しかし数メートルしか離れていない・・と言うのは違うかな・・と思いますよ。もっと遠いはずです。
それでも、この驚くべきミネラリティのニュアンスは、少しシャリシャリとしつつも凛としてエッジが無く、ぷっくりとしていて品が有り・・シュヴァリエに近いものを感じます。
でもこのミネラリティが樹齢によりもっと洗練されたとしたら?・・などと考えると、末恐ろしいことを考えてしまいますよ。それほど美しいし、何より他のコラムで書いた1970年モンラッシェ/コント・ラフォンが、その先に見えるような気がしちゃいました!・・まぁ、実際、非常に近くだとは思いますけど。
このアン・ルミイィですが、密植度、植密度はDRCと同様で、大したことは無い・・などと考えると、とんでもないです。しかもオート・デンシテを目指して今も植え続けているようですから、毎年、ポテンシャルもどんどん上がって行くに違い在りません。
オリヴィエは、ワイナート誌によると植密度の上昇は凝縮感では無く、「密度」の上昇に現れると答えているようです。飲めば、
「・・なるほどね・・」
と、相槌を打ちたくなると思います。
徐々に植密度も上がり、樹齢も上がる、その中間地点にいると思われる、素晴らしい個性を持ったプルミエ・クリュです。非常に・・リーズナブルです。そしてこの上質さは皆さんがお持ちの「サン=トーバン」と言うアペラシオンのイメージを大きく変えてしまうでしょう。お勧めせずにはいられない、素晴らしいシャルドネです。是非飲んでみてください!一推しです!
以下はエージェントさんのドメーヌ探訪記です。
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2016年1月 ユベール・ラミー訪問レポート(オルヴォーM岡)
ドメーヌ・ユベール・ラミーに到着したのはフランス出張最終日の夕方17時ぐらいでした。一分の隙もなく緻密で堅牢、ピンと張り詰めたガラス細工のようなワイン、そんなワインを造るオリヴィエ・ラミーは天才肌な人なのかと期待しておりました。
会って早々、
M岡 『はじめまして。もしよければ畑も見たいんだけど』
オリヴィエ 『お前フランス語分かるか?少し?よし!乗れ!』
(作業用の軽トラの荷台に乗せられ猛スピードで出発)
オリヴィエ 『(超早口で)見ろ見ろ見ろ!これが俺の畑で×××土壌が赤い!赤い!赤いだろ!鉄分が×××!葡萄の食密度が×××で古い石が×××ミネラル×××お前!大丈夫か!?
(少しだけゆっくり喋った後すぐに)見ろ見ろ見ろ!(最初に戻る)』
猛スピードのトラックの荷台にしがみつくのがやっとな上、専門用語全開で早口で喋り続けるオリヴィエ氏。(ノンブレスで喋り続ける様は圧巻です。)
ドメーヌからACブルゴーニュ シャタイネールの畑に上り、サン・トーバンからシャサーニュ、ピュリニー、モンラッシェの丘を抜けて再びサン・トーバンへと全ての畑をオリヴィエ氏による解説をいただきました。
(すみません。録音したのですがほとんど聞き取れませんでした。)
車内より撮影した密植畑(多分)しがみつく&聞き取る&撮影は無理です。
剪定前のピノ・ノワール(多分シャサーニュ赤)の畑、ルロワみたいなグルグル巻きの枝は一目で分かります。
ドメーヌに戻り、試飲の前にクローン・セレクションとマッサル・セレクションについてと剪定についての話、相変わらず早口。ブルゴーニュ白にとって偉大なミレジムとなった2014年。比較的、還元的なワイン造りのラミーですが、試飲の時点では解放感がありながらも果実味の密度が崩れない非常に高いレベルでの完成度で鳥肌が立ちました。
修道士の文献を参考に取り入れたオリヴィエのワイン造りは独特です。醸造中には酸化防止剤を一切使いません。そしてブルゴーニュの平均である8.000本の植密度から 14000~30000本という高密植に挑戦しているオリヴィエ氏。
味わい、香り共に情報量が多く驚かされます。修道士たちの精神世界を反映するようなワイン造りと現代の理性的なワイン造りを融合させていく姿は、他の造り手たちの模範ともなっています。
終始、ワインのことを速射砲のように話し続けるオリヴィエ氏、一日のほとんどの時間をワインに費やしているような鬼気迫る個性に圧倒されました。会う前は、理性的な人なのかと想像していましたが、実物はストイックの塊。現代に蘇った修道士のようで、これほどまでにワインと向き合っている造り手はいないのでは?と思わせてくれました。
ベタンヌなどのメディアが伝えているように、2014年は赤ワインの全房比率を高めました。すべての赤ワインが、昔よりもタンニンが細かく軽快さすら感じます。果実味が口の中で綺麗に流れ、波紋を描くように同心円状に広がりを見せてくれます。
サントネ プルミエ・クリュ グラヴィエールはBourgogne Aujourd’hui誌で19/20点という、このアペラシオンでは見たことがないような高得点を付けています。赤ワインは年明けに入荷予定ですが、こちらも楽しみにしていてください。 (Bourgogne Aujourd’hui 129号より グランクリュみたいな評価です。)
● 2015 Santenay Clos des Gravieres Rouge Vieilles Vignes
サントネ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・グラヴィエール・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【ユベール・ラミーはピノ・ノワールも実に旨いです!誰にも似ていない・・正にシャルドネの聖地コート・ド・ボーヌの新しい基準!】
現状では飲めておりません。ラミーのピノのトップ・キュヴェです。
以下は2014年のこのワインのレヴューです。かなり素晴らしかったです!
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【ユベール・ラミー、ピノのトップワインはサン=トーバンでもシャサーニュでも無く・・サントネー1級です!ラミーは赤も素晴らしかった!】 妖艶ですね~・・これ、本当にサントネーなんでしょうか・・。今までの頭の中のポートフォリオ?・・いや、ヒエラルキーを更新しないといけません。
で、ティム・アトキンさんは93ポイント・・・付けてましたね。noisy だともう少し付けちゃうかもしれませんが、それでもサントネー1級で93ポイントですよ?・・この方、マスター・オブ・ワインの資格を持ち、結構、アペラシオンに捉われずに、自由な評価をされる方です。珍しいですよね・・。noisy も出来る限り、俯瞰して自身を見るように、テイスティングするのが正しいと思っていますが、有名なテイスターでもこれが出来ない方は沢山いらっしゃいます。好みでしか判断できないんですね。
それでも、こんなに美味しいピノ・ノワールは、「サントネー」の部分を目隠し出来れば、誰でも理解できます。
「サントネは将来有望なアペラシオンの一つ!価格も適正だし品質はさらに向上して行くだろう!」
と言うのが、モロに見えるはずです。
これ・・何か・・判りますか?・・現在非売品のシルヴァン・パタイユのアリゴテです。ラシーヌさんが特別に詰めさせたものだそうです。
でも、アリゴテです。頭が固く、頭でしか飲めない人は、このワインが持つとんでもないポテンシャルに気付かないでしょう。もう・・あり得ないほど凄いワインです。シャルドネ、ピノ・ノワール偏重主義が招いた現在のブルゴーニュのAOC規定では、このワインはACブルゴーニュにしかなりません。
しかし、畑はマルサネ・クロ・デュ・ロワです。物凄い繊細さと、物凄い複雑性、そしてあり得ないほど健全で美しいナチュラルさを持っています。ま~・・唖然とさせられました・・。全部くれ!・・と言っておきましたが・・厳しいかな・・(^^;; 余り期待しないでください。
ただし、こんなワインに出会っても、俯瞰できないテイスターは・・「アリゴテか・・でも美味しいね」で済ましてしまうでしょう。頭で飲んでるか、好みだけを、ガチガチの主観に当てはめているだけなんです。
お客さんはそれで良いと思いますよ。嫌いかもしれない、と思うものを購入することは無いです。ただし、それだと本当に素晴らしいものをリーズナブルに仕入れることは不可能です。
ティム・アトキンさんはこのワインに93点付けてました。それだけで、
「あ、この人はちょっと信用できる」
と思えます。以前アドヴォケイトにいた某テイスターは同じワインを86~88としていました。noisy が、「ダメだこりゃ・・」といつも言ってるテイスターの方です。どっちが正しいかは明らかですよね。
非常に豊かなピノです。しかし、他の密植系と同様に一滴一滴の仕上がり、その密度、一滴はミネラリティの外殻に囲まれていて、その中のポテンシャルを高く持った各要素のベクトルは外に向かっています。まるで「スーパーボール」を細かく振動するバイブレーターの中に入れているような状態です。
果実感は複雑で高く、ミネラリティも実に複雑で高質です。中域も適度に膨れ、いつまでもけっして崩壊の姿を感じさせずに長い果実感・スパイス感を持った余韻を持続します。これで低い点が付くなんて・・あり得ません。
この溌剌とした液体の色合いを見れば、そんなことは判るよ・・とおっしゃってくださる方が多いでしょう。
昨今はブルゴーニュワインは高騰していますが、こんなに素晴らしいワインがまだまだそこそこリーズナブルに入手できる・・と思ってください。お勧めします。ユベール・ラミーは赤も凄かった!・・と言っていただけ酢でしょう!お奨めします!
● 2015 Saint-Aubin 1er Cru Derriere chez Edouard
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール
【惚れてまうやろ・・!素晴らしいです!】
いや~・・こりゃぁ旨い・・旨いとしか言いようが無いです。コンシ・デュ・シャンも滅茶旨い・・でもその旨い傾向が違うんですよね・・全然違うのに、同じように旨いです。
細かい部分は2014年のレヴューを参考にしていただくとして、その「旨さの違い」の部分について、印象を書かせていただこうと思いますが、2015年のデリエール・シェ・エドワールは、1個の球体の中に5~6個の球体が含まれていて、その含まれる球体それぞれが違う表情を持っている・・そしてそれらの球体には玉を投げる存在幾人かいて、「ポンポン」とアチコチにその玉を投げるんですね・・。その玉は口内やノーズに当たって砕け、要素を感じさせてくれる。そんなのが5~6カ所でやっているもんだから、その表情を拾いに行ってしまって黙りこんでしまう・・そして感激する・・みたいな感じなんです。
いや~・・その玉が弾けた時なんぞ、エキスの旨みとややコッテリしたフルーツのニュアンスが拡がって、何とも言えません!滅茶苦茶美味しい!・・まだ早いんだろうけど!
少し値上がりしましたが、それでもまだこのプライスなら超お得です!是非・・クロ・デュ・メも飲んで欲しいですね。ご検討くださいませ!・・一推しが沢山有って困っちゃいますがこれも一推しです!
以下は以前のレヴューです。
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【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】 デリエール・シェ・エドゥアールと言う1級畑です。こちらもサン=トーバンの南西側にある、東~南を向いた絶好の位置にあります。
村名のラ・プランセも旨いですが、さすがにこちらは1級畑だけあって格違いです。ピュリニー的な愛想の良さを持ち、まるでピュリニーのように振舞ってくれます。質感は素晴らしく、こちらはオイリーです。ぷっくりと・・膨れています。柑橘系の果実、果実が質感高く存在しています。恐ろしいのは・・今飲んでも最高に旨いんですよ・・。本当に素晴らしいワインは、「いつ飲んでも美味しい」ことが条件だとするなら、このデリエール(とラ・プランセ)はそれに該当します。
基本的にユベール・ラミーのシャルドネは樽の使いは穏やかですが、バリックの効いた大柄なシャルドネが流行した1990年代までの雰囲気も、どこかに感じられるんですよ。そう・・コント・ラフォンとか・・それにドーヴネも今でこそさほどはそのニュアンスを強くは感じませんが、やはりバリックの影響を感じました。むしろその樽の使い方こそがそのドメーヌの大きな特徴でもある訳です。
なので、どこかに90年代風のバリックの影響を感じさせるものを持っているのに、表立ってはそこは訴えては来ない・・非常にピュアで濃密な、そしてオイリーな液体なんですね。
そこからスパイス、果実、花、鉱物がポンポンと上がってくる・・そして非常に伸びやかです!美味しく感じない訳が無いでしょう!
今や、その昔はリーズナブルに購入出来たルフレーヴさんちのブルゴーニュとかピュリニー村名は非常に美味しかったですよね。今も味わいは変わっていない・・と思いますが、ブルゴーニュ・ブランでさえ、このサン=トーバン1級デリエールを超えるプライスになってしまっています。村名ピュリニーは大台を大きく超えちゃってます。なのに・・味わいはその村名さえ超えるポテンシャルです!
因みに海外の色んなサイトを見比べてみますと、このデリエール・シェ・エドゥアールよりも「レ・フリオンヌ」を皆さん、評価したいようで、デリエールの方の評点は中々見当たりませんでした。レ・フリオンヌ2014年は、イギリスのMW、評論家のティム・アトキンさんが92Points、noisy はアテにはしませんがヴィノスのガローニさんが91Points と評価していました。(もっと因むとティム・アトキンさんはレ・プランセ2014に91Points付けています。)テイスターとしてのnoisy 的には93+Pointsまで付ける可能性が有ります。
ぶっちゃけ・・今飲むなら、もしくは直近5年以内なら確実にこちらのデリエール・シェ・エドゥアールの方が旨いし、質感も高いでしょう。
レ・フリオンヌとは味わいはかなり異なります。そちらはそっちコラムで記載いたしますのでご覧くださいませ。あくまでこのデリエール・シェ・エドゥアールは、
「ゴージャス感のあるピュリニータイプ。しかも質感はピュリニー1級とほぼ同等」
です。ミネラリティが緻密なんです・・が、レ・フリオンヌが持つミネラリティとかなり違う・・んですね。黄色や白の果実が中心です。素晴らしいシャルドネでした!是非ともこのデリエール!飲んでみてください。超お勧めします!
以下は2013年以前のコメントです。
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●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2015 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【2014年、めっちゃ美味しかったです!2015年も非常に期待が大きいです。】
以下は2014年のグージョンヌのレヴューです。数量の関係で飲めていませんが、サントネ、サン=トーバン赤の出来を見る限り、2014年を超えてくることは間違いないでしょう。
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【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】 この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2015 Saint-Aubin 1er Cru Clos de la Chateniere Vieilles Vignes
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャトニエール・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【情報は更新されていませんが、おそらく密植度も上がっているはず・・】
昨今のインターネットによる情報は、雑多なものの真贋はさておき、Google などの地図からの、見事な現場写真まで見ることが可能で、全く驚くばかりです。日本に居ながらにして、現地の地勢や日照など、美しい写真とともに閲覧が出来るんですね。
Google検索で「ブルゴーニュ」と入れ検索し、地図をさらにクリックすると、マップでボーヌの西辺りが出て来ます。ピュリニー=モンラッシェ辺りを拡大し、ル・モンラッシェの南脇の国道を最も拡大すると、右手のそこはサン=トーバン・アン・ルミイィ。
また少し拡大を戻して西に向かうと、「シャトニエール通り」と名前が有り、マルク・コランの住居が表示されています。
その辺りがシャトニエールなんですね・・。上の方にも行けて、拡大も出来ます。ここでは「クロ」は、確実に「崩壊防止」「土留め」の役目をしているようですね。
その一角に、他とは明らかに植密度が違うなぁ・・と見える、「ボウボウに茂った」葡萄畑が有り、もしかしたらここなのかなぁ?・・などと妄想してしまいました・・。石で造られた門も有るんですが、名前が書いて無かったかな・・。でも非常に美しい眺めです。もしお時間などございましたら是非とも、そんな妄想に浸れる瞬間を探しに行かれてはどうでしょうか。思いの外、サン=トーバンのこの辺りは、むしろ日当たりが良いと言うことがご理解いただけるでしょう。ピュリニー=モンラッシェ張りのワインが出来ることの理由のひとつかもしれませんね。
他のコラムにも掲載しましたが、Youtube にユベール・ラミーのサン=トーバンの畑仕事のビデオが有りましたので、貼っておきますね。
凄い急な斜度と石ころだらけの乾いた感じが判る映像ですよ。
https://youtu.be/3hs26qjoM2g VIDEO
こちらはサン=トーバンのほぼど真ん中にある、実に秀逸な1級畑です。アン・ルミイィと共にサン=トーバンでトップの畑と言われてきました。当然ながら1級格付の畑です。
モンラッシェの裏側に有る畑なので、日照の角度はややズレてはいますが、まぁ・・ご覧のように凄い傾斜と石ころだらけの乾いた畑です。
このシャトニエールは、まだ密植の端緒のようですから、11000本/haほどです。
ですが、この11000本と言うのは、ブルゴーニュではトップクラスの植密度なんですね。ユベール・ラミーでは「ようやく密植化を始めたに過ぎない」訳ですが、ほとんどDRCと変わらない植密度です。
この高い植密度から、密度の高い葡萄を得て、クロ・ド・ラ・シャトニエールが生まれます。
今回は12本だけの入荷でして、アン・ルミイィを飲んでしまいましたので・・人気になりそうなシャトニエールはテイスティングしておりません。ユベール・ラミーを追いかけるには、非常に面白い存在です・・何故って、元から素晴らしいと評判の高い畑ですから。
それを密植化して行くので有れば、年を追うごとの変化を見られますし、また、オート・デンシテを名乗るようになると仮定するならば、そこへの道筋を追える訳です。
何か・・こう・・落語のオチみたいな文章になっちゃいましたが・・あれ?・・判らない??・・じゃぁ地図でも拡げて答えを探してみてください。
誰も歩いたことのない、まだ道も出来ていない・・道無き道を行くオリヴィエ、是非応援をお願いいたします。お勧めします!
● 2015 Saint-Aubin 1er Cru Derriere Chez Edouard Vieilles Vignes Haute densite
サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・ヴィエイユ・ヴィーニュ・オート・デンシテ
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】
物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2015 Santenay Clos des Hates Rouge
サントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュ
【信じがたいサントネの高質感!素晴らしいです!】
ユベール・ラミーの2015年ピノ・ノワールです。今回は4アイテムの内、飲めたのは2アイテムです。何せ2015年ものは数量が無く、特にピノ・ノワールにつきましては今後の追加が全く見込めない状況ですので、今回のご紹介分が最後と言うことになります。
ユベール・ラミーのピノ・ノワールのトップ・キュヴェは、サントネ1級なんですね。サン=トーバンでもシャサーニュでも無いのが興味深いところかと思います。普通なら・・「サントネ1級」をトップ・キュヴェにはしないと思いますが、それだけ「サントネ」のピノ・ノワールに自信を持っていることが伺えます。
2014年ものもこの「クロ・デ・ゾート」をテイスティングしていますので、今回も定点観測の意味も有り、飲んでみました。
いや・・良いですね・・。素直に素晴らしいと言えます。ちょっとジュヴレ=シャンベルタンを感じさせるような酸化鉄にベリーやチェリー。中域にも張りが有り、ドライで見事な膨らみを感じさせながら、複雑性の高い余韻が長く続きます。
この、品温が下がり易い季節はどうしても味わいが平板になり易いですが、
「ユベール・ラミーのワインは密植による密度の高い味わい」
が基本ですので、全くそんな気配はないんですね。
むしろ冷えていてもそれを跳ね返すだけのポテンシャルが高いワインなんだとお考え下さると良いと思います。
また、サントネと言う余り身近では無いアペラシオンを強く認識させてくれる良い機会になると思います。力業で「濃密に仕上げる」のではなく、「密植により自然な高密度感を出す」ことがどれだけニュートラルな味わいになるのかは、
「マイナーなアペラシオンで頑張り過ぎて結果、パワーゲームに陥ってエレガンスを失う」
と言うような、ネガティヴな方向へ向かってしまうものとは一線を画します。
素晴らしいサントネです。決して高くないと思います。並みのジュヴレよりも美味しいと思っていただけるかと思います。是非ご検討くださいませ!
以下は以前のレヴューです。2015年は2014年ものよりも・・さらに密度が高いです。色合いからも判りますよね・・。
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【植密度14000本/haから非常に液体密度の高い、しかしエレガントで高質なピノです!ヴォーヌ=ロマネ的なアロマティックさには脱帽!】 敢えて言うなら・・
「いくら良くてもサントネ・クロ・デ・ゾート・ルージュはシャンボールタイプだろ?」
と思われるかもしれません。透明な、もしくはやや白い石灰的ミネラリティを持ち、フラワリーか、もしくは若いチェリーかの果実が適度に有って、中域もそこそこ、余韻はまぁまぁとしても後口はそんなに後を引かないサッパリとした感じ・・。
それがきっと皆さんの思われる「サントネー村名」に対するイメージでしょう。
色合いも結構、シャンボールっぽい一面に存在する石灰的なミネラリティを映しこんでいるように見えますよね?
それがですね・・全然違うんですよね。ジュヴレほどの重みは無いミネラリティでは有りますが、金属的な・・一般的に言われるような「鉄っぽさ」を含み、ヴォーヌ=ロマネっぽい複雑なミネラリティが織り込まれているかのような、皮革や獣香、スパイスを多分に含みつつ、やや赤黒いベリー、チェリーの果実を感じさせてくれるんですよ!
そしてそれは、「濃い」と言うよりは「密度が高い」と言う感じで、決して今までの表現で使っているような「濃度の濃さ」とはタイプが違うものです。クロード・デュガなら、
「最近エレガント派に触れてるけどそれでも濃いタイプかな?」
と認識されるでしょう。でも、このユベール・ラミーの赤に関して全般になりますが、
「決して、濃いな~!・・とは思わせないものの、密度感が迫ってくる」
ものですから、
「今までの印象とかなり違うぞ!」
と思われるはずなんですね。
2013年の時はサン=トーバン・アン・ルミイィの赤を飲みましたが、これが滅茶美味しくて・・。数も無かったですが、ラミーの赤は早々に完売でした。
やはりこの超密植と言う方法は、ま~・・手間がかかることは想像のできる範囲にないと・・思いますよ。誰もやりたがらない・・です。特にブルゴーニュでは。
そして、サントネの赤の特徴でもあり、欠点でもある、ある種の「フレッシュなだけのワイン」を卒業していて、
「サントネの新たな魅力、アペラシオンの実力を見せつけるワイン!」
でした。
中域も適度に膨らみ、余韻にかけては果皮の複雑性を口中からノーズにかけて楽しみながら収束して行きますので、並みのニュイの村名ワインは・・このクロ・デ・ゾートには追い付けないでしょう。しかも、このワインならではの、
「ジュヴレっぽく、ヴォーヌ=ロマネっぽい初盤~中盤、シャンボールっぽい中域とテクスチュア、ヴォーヌ=ロマネっぽく、シャンボールっぽい終盤~余韻」
を持った(ような雰囲気の)ワインですから、
「・・ポテンシャル高いね!」
と言っていただけるでしょう。
今回は数は有りませんが、ユベール・ラミーの将来を見越して、ピノは全数テイスティングしています。・・まぁ、どれもこれも素晴らしいですが、この一番下のサントネでもその一端を充分に表しています。是非とも飲んでみて欲しいです。価格もこの味わいなら充分に納得していただけるでしょう。
D.R.C.並みの植密度を持つ、将来が楽しみなアペラシオン、サントネのリューディです。ティム・アトキンさんは89Points付けたようです・・ん・・それはちょっと低いですね。ですが、リアルワインガイドとは点数の付け方が違いますんで。お勧めします!飲んでみてください!
以下は2013年サン=トーバン・アン・ルミイィ・デリエール・シェ・エドアールV.V.ルージュのレヴューです。
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【これほどに高域までの伸びが良いとは!素晴らしいピノ・ノワールでした!!】 かなりビックリしたピノでした!目茶旨いです!
まぁ、最もサン=トーバン・デリエール・シェ・エドアールV.V.しか飲めてないですが・・・それでも、この美しい大量のミネラリティに守られた要素が、ピュアにグングン伸び、繊細な表情を感じさせてくれることに・・ビックリしたんです。
まるで、少し野性味のあるコルトンの赤をさらにシャルルマーニュ的に、シャンボール的に石灰や石英をお代わりして溶け込ませたような・・それでいて、
「ミネラル・・きついな~!」
ムルソーのような、厳しいと感じさせるようなミネラリティでは無いんですよね。
圧倒的に早いのでしょうが、今飲んでこの旨さなら・・このエレガントさをたっぷり感じる状況で飲んでしまっても良いんじゃないかと思います。
色合いを見てください!・・・何のストレスも感じない、美しい色合いをしています。葡萄の樹は密植状態になっているので、おそらくストレスを感じていると思っていたんですが、むしろその反対・・非常に伸びやかなんですね。
今回、3アイテムで12本しか入ってきていません。何とか1本飲んでみただけなんですが、あのモンラッシェの裏のサン=トーバンから、こんなに素晴らしいピノ・ノワールが生まれていたとは驚きです。
ましてや、より状況が良いと思われるサントネ・クロ・デ・グラヴィエールはどうなっちゃってるのか、物凄く気になってしまいましたし、14000本もの密植のサントネ・クロ・デ・ゾートも、
「ん・・・開けて・・色を見たい!」
と言う誘惑にさらされています。
おそらくですが、シャルドネが人気でピノ・ノワールは余り手が出ない・・と言う感じ推移するんじゃないかと思いますが、どうでしょう・・これを飲んだらピノも人気になっちゃうんじゃないかと思います。
少ないですが・・お奨めしたいワインです。是非ご検討くださいませ!
●赤ワインの醸造
収穫された葡萄は震動式選果台で厳しく振り分けられ、除梗した後にベルトコンベアでセメントタンクに入れられます。そこから3~10日後に約2週間かけてアルコール発酵を行います。発酵後に不純物を分離するデキュヴァージュを行い、プレスします。ジュースを一晩、清澄のために静置させ、樽に入れるのです。およそ15カ月の樽熟成を終えてワインは瓶詰めされるのです。
白ワインが有名なユベール・ラミーですが、当主90年代初めメオ・カミュゼで研鑽を積みました。当時顔を出していたブルゴーニュの伝説的存在であるアンリ・ジャイエの薫陶を受けていることはあまり知られていません。例えば、ラミーはコート・ド・ボーヌで一番最初に選果台を導入した生産者であり、厳しい収量制限を以てワインの品質を高めた先駆者の一人です。
● 2015 Puligny-Montrachet les Tremblots Haute Densite
ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロ・オート・デンシテ
【ユベール・ラミー、DRCを超える超密植度のトップ・キュヴェ!超希少です!】
物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2015 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【いつも数本しかない超希少なキュヴェです。蝋封です。】
少な過ぎていつも飲めない・・とても飲みたいキュヴェです。何せ、20000本密植のショーメ並みのプライスで、しかも上級キュヴェにしかなされない「蝋封」です。
また情報が中々更新されないので判りませんが、密植度もそのまま・・と言うのはどうなのかな?・・と思っています。2013年頃から追いかけていて飲まれていらっしゃるようでしたら、是非ご感想などお聞かせくださいね。
以下は以前のコメントです。
━━━━━
【これはとても少ないので取り敢えず飲んでいません・・】 ●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
まぁ、このキュヴェは、他の造り手から見たらかなりな密植度、ヘクタール辺り11000本なんですが、ユベール・ラミーとすると、ようやく植密度を上げる端緒についた段階なのかもしれませんで、ちょっと中途半端ですよね。
しかも数が余り無いので昨年の2013年ものも、noisy は飲めずにいます。
しかし、もし他のキュヴェが軒並み売れてしまうようであれば、飲めるかもしれない・・などと淡い期待もしているんですよ。皆さんも実際は飲んでみたいでしょ?普通のキュヴェで、しかも下のクラスであれだけ美味しいんですから・・。
このシャサーニュ1級マシュレルですが、皆さんも大好きな1級畑、レ・ヴェルジェの真下に有り、標高はモンラッシェとほぼ同じ高さです。この次のコラムでご紹介の1級レ・ショーメは着々とオート・デンシテ化が進行していて、現在の植密度が二万本ですから、いつオート・デンシテを名乗ってもおかしく無い状況になってきていますよね。しかもこのレ・ショーメは、レ・ヴェルジェの西側(上)ですし、価格差は2千円で・・名乗って無いだけの超密植キュヴェだとすると、きっとレ・ショーメが飲みたくなっちゃうんでしょうね。すみません・・人気になるはずのキュヴェを飲んで減らしてしまいました!
なお、飲んでないと書くことが余り無いので・・(^^;; まぁ、美味しいに違いないんでしょうけど、Youtube にユベール・ラミーのサン=トーバンの畑仕事のビデオが有りましたので、貼っておきますね。
凄い急な斜度と石ころだらけの乾いた感じが判る映像ですよ。
https://youtu.be/3hs26qjoM2g VIDEO
● 2015 Criots-Batard-Montrachet Grand Cru Haute Densite
クリオ=バタール=モンラッシェ・グラン・クリュ・オート・デンシテ
【DRCを超える超密植度による密度の高い味わい・・ユベール・ラミーのトップ・キュヴェ!超希少です!】
物凄い仕上がりの2014年のユベール・ラミーの何かを飲んだだけで、
「・・トップ・キュヴェは一体、どうなってるんだろう・・」
との疑問が生まれていることでしょう。そしてそれは、「超密植」への期待になり、「オート・デンシテ」を名乗るキュヴェへの渇望に似たものにも変わってくるでしょう。それだけユベール・ラミー2014年の出来は半端無いと言えます。
ましてやこのトップ・キュヴェのクリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテ2014年はたったの一樽未満、295本しか存在しないですから、世界で295人の延べ所有者しか現れないことになります。
そもそもこのクリオ=バタール=モンラッシェと言うのはどんなワインなのか・・良くはご存知無い方も多いかと思いますので少しだけ説明をさせていただきますと・・
グラン・クリュを名乗れるモンラッシェの1つで、シャサーニュ=モンラッシェ側(南)に有るレ・クリオと言うパーセルです。元々はバタール=モンラッシェを名乗っていたものですが、レ・クリオは自身のアペラシオンに分割されています。
グラン・クリュ・✖✖・モンラッシェを名乗れる畑は、モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェ、バタール=モンラッシェ、ヴィアンヴニュ=バタール=モンラッシェとこのクリオになります。モンラッシェとバタール=モンラッシェに限っては、ピュリニーとシャサーニュの村に跨っていますが、シュヴァリエとヴィアンヴニュはピュリニー側に、このクリオ=バタールはシャサーニュ側に存在します。
また、この一連のグラン・クリュの中では最も小さな畑でして、1.6ヘクタールほど、これを約10人の区分所有者が持っていますが、有力な生産者がいないとか、所有する畑が小さ過ぎるとかの影響からか、2000年代までは明らかなポテンシャルを見せるものが余り無かったと言えます。
とは言え、ル・モンラッシェの斜向かいに接する畑ですから、その実力は高いもので、まぁ・・言葉は良く無いにせよ、適当に造ってもそれなりには仕上がってしまうことが、そんな評価になっていたと言えるのでしょう。
少なくとも優れたピュリニー=モンラッシェ1級並みの仕上がりにはなりますし、他のグラン・クリュとはやや趣を異にする金属系のミネラリティからの表現が有ります。
ユベール・ラミーは、この稀有なグラン・クリュを「超密植」と言う困難な作業を実現することで、この畑のポテンシャルを開花させたクリオ=バタール=モンラッシェを造り出したと言え、それがこの「オート・デンシテ」なんですね。
このクリオ・オート・デンシテは、なんと密植度は「25000本」!です。普通は高くても10000本程度です。
あの、物凄いモンラッシェを飲まれたことが有れば、きっとその密植度が判るでしょう。そう、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ=コンティのモンラッシェです。
D.R.C.の畑の密植度は、セレナ・サトクリフさんによると10000~15000本と言われていて、自然な栽培を高密植度の畑から得て、あの素晴らしい一連のグラン・クリュを生んでいる訳です。ユベール・ラミーはそれを知ってか、畑の超密植化に取り組んだ訳ですね・・。今もその努力は続いている訳ですが、徐々にそれが結実し始めたと言うことなのでしょう。
noisy の仕入先であるエージェントさんには6本だけの入荷だったようです。なので、1/3をいただいた格好になります。これは是非とも飲みたいです!
左の写真は、2016年の年末に飲ませていただいた、コント・ラフォンの1970年のモンラッシェです。先代の作品でしょう。以前、たまたま noisy が仕入れたんですが、色合いなどをチェックしているところにお客様がいらっしゃり、脱兎のごとく去って行った貴重なワインなんですが、それをご相伴に預かった訳です。
46年も経過しているとは思えないほどのピチピチと若い・・しかし、時間の経過でどんどん膨れ上がり、3時間ほどの間では開き切らないと言う・・まさに化け物!・・と言う姿でした。堪能しました・・そして、この畑の潜在能力の凄まじさを垣間見た気がします。
余分なことを言えば、この頃のボトルのガラスの質は余り透明度が高く無く、ガラス無いの空気の存在故か、濁って見えるんですね・・。
何となく・・もう死んでそうにも思えるし、いや、そんなはずは無い・・・、きらめくような黄金色が透けて見えるじゃないか!・・と言う自分もいて、葛藤している最中に、お客様がいらした・・そんなシュチュエーションだったんですね・・。ワインって・・本当に奥が深い!
で、現在のモンラッシェの畑は病気が蔓延していて、樹齢を高くすることが出来ない・・その前に枯れてしまうか、抜かないとならない状況に追い込まれるそうです。
なので、バタール=モンラッシェやシュヴァリエ、ヴィアンヴニュ、そしてクリオがその代理をしているような感じだとは思いますが、それでもD.R.C.のモンラッシェは素晴らしい!病気に対しては・・どうやっているのか・・判らないですが、少なくとも栽培は、
「密植、自然栽培」
です。
そして、もう皆さんもご存知のとおり、ユベール・ラミーは密植の葡萄で・・その答えを出しているじゃないですか。飲まれた方なら、きっとご理解いただいていると思います。クリオ=バタール=モンラッシェ・オート・デンシテは295本!・・誰が入手されるのか、noisy も記憶に留めることになるでしょう。
■2014 ピュリニー=モンラッシェ・レ・トランブロット・オート・デンシテ
こちらもとんでもない・・密植度です。0.1ヘクタールの畑は22000本/ヘクタールですから、1000平方メートル(単純には約32メートルx32メートル)の畑に2200本の葡萄の樹が植わっている計算になります・・・合ってるかな?・・(^^
これって・・管理が凄いことになっちゃいますよね~・・。ほぼDRCの1.5~2倍ほどの密植度です。世の中にはオート・デンシテでは無いキュヴェも存在しますんでご注意くださいね。評論家さんの評価を探したんですが、シャルドネが大好きなクセにいつもまともな評価になってない方だったので、差し控えますが、まぁまぁなPointsではありました。
まだ世の中の大半の方が気付いていないんでしょう。リアルワインガイド辺りで評価されてしまうと、今でもオート・デンシテは入手難なのに、どうにもこうにもならなくなるかもしれません。先だっては徳丸さんに、
「2014年が物凄いことになってるユベール・ラミーには行かないんですか?」
と尋ねたところ、
「ん~・・前から行かなくちゃ・・とは思ってるんだけどね~・・」
とのお返事で、安心したような残念なような・・複雑な心持ちでした。
■2014 サン=トーバン・プルミエ・クリュ・デリエール・シェ・エドゥアール・オート・デンシテ
こちらも普通のキュヴェ・・と言っても、DRCとほぼ同様の14000本と言う密植度のワインも有りますから、何とかゲットされた方は、その比較も楽しめる訳ですね。
オート・デンシテは何と、20000~30000本と言う・・・超を通り越して「激」かもしれませんね・・まだまだ改植・増殖中なのでしょう!・・ですので、実は・・
「このサン=トーバンが最も高い密植度!」
と言えるんですね~・・怖いですね~!飲みたいですね~!・・是非、お友達になりましょう!
と言う訳で、超密植のユベール・ラミー2014年、超お勧めいたします。是非ご検討くださいませ!
● 2015 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【オート・デンシテをまだ名乗っていないだけに過ぎないこの超密植キュヴェは、グランクリュ並みの密度感!素晴らしいです!】
超お買い得・・としか言いようのない、滅茶密度感の高いシャルドネです。
「密植度20000本/ha」
と言う、おそらく隣の樹まで30~40cmほどしか離れていない、驚異的な密植度がなせる業は、どこかDRCのモンラッシェに通じるようなニュアンスが有ります。
まぁ・・noisy的にはDRCのモンラッシェは緻密でオイリーでバターっぽさが凄い・・そんな印象でしたが、その「緻密」と言う表現が、この密植度に現れているような気がします。
ちょうどnoisy も何十数回目かの誕生日だったこともあり、カミさんがスキ焼を用意してくれまして・・まぁ・・普段は粗食ですから何でも美味しいっちゃ美味しいんですが、このショーメのポテンシャルには驚かされました。
素朴な味付けの・・砂糖と醤油とお酒だけで「焼くタイプ」のすき焼きとこのショーメは、中々のマリアージュを見せてくれましたよ。
「ピッタンコ!」
などと言うつもりは毛頭有りません。
しかしね・・ショーメに余裕がある・・と言うか、包容力が凄い・・と言うか、ショーメに抱かれたちょっと良い牛肉の美味しさは格別でした!ピノ・ノワールの方が合うかとは思いますが、ショーメも充分!・・そして何よりワインが旨い!・・と感じさせてくれました。
非常にお買い得とも思います。少量ですのでお早めにどうぞ!いずれ「オート=デンシテ」になるキュヴェかと思います。
以下は以前のコメントです。
━━━━━
【オート・デンシテをまだ名乗っていないだけに過ぎないこの超密植キュヴェは、グランクリュ並みの密度感!素晴らしいです!】 植密度20000本と言う、超密植系のワインながら、まだ「オート・デンシテ」を名乗っていないシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメです。
ここは、真裏がサン=トーバン1級レ・シャルモワです。このレ・シャルモアも素晴らしいですが、この畑はユベール・ラミーも持っていないようですね。
で、こちらのレ・ショーメですが、とても乾いた石のニュアンスは、ピュリニーの偉大な1級やグラン・クリュを確実に連想させます。一般的に思われているだろう、シャサーニュ的なある種の緩慢さ、ルーズさ、良く言うなら包容力、優しさを見せません。
昨年末に飲んだ2013年のドメーヌ・ラモネ、シャサーニュ1級モルジョは、若くも素晴らしいワインでしたが、
「凝縮感を感じてはいても、密植的な密度の高さは無い」
と言えます。とても美味しいんですが、やはりどこかにある緩慢さを隠すための凝縮感のように思えてしまいます。
このような圧倒的・・と感じさせるような密度の高さは、やはりボーヌの超一流シャルドネにしか与えられない稀有なものなのでしょう。この種のものは、やはり良く出来たモンラッシェやバタール=モンラッシェ、シュヴァリエ=モンラッシェの類にしか見られないもので有り、
「畑がワインを造る」
と昔から伝えられて来たことの、もっとも適した方法なのかもしれません。
ただし、例えばユベール・ラミーのサン=トーバン・クロ・デュ・メ2014などは、もう、飲んだそばから、その享楽的な美味しさに狂気乱舞してしまうでしょう。全方位外交と言うか、誰が飲んでも素直に美味しいと・・思えるような素晴らしいものです。
しかしながらこのシャサーニュ=モンラッシェ1級レ・ショーメには、そんな享楽的な美味しさの側面も持ちつつも、味わいながらもこちらが恐縮してしまうような、ある種の「恐ろしさ」と言うか、絶対的な存在感を持ち合わせているんです。
それが、極一部の稀有な物凄いシャルドネたちが何故か持ち合わせている「気高さ」に通じていて、その気高さに接したが故に、恐縮してしまうような気持ちになるのかもしれません。
「モンラッシェは帽子を取り、跪いて飲むべし・・」
と言われるまでも無く、素晴らしい存在に出会った時は、やはり恐縮し、畏まって、尊敬の念を抱きつつ頂戴する・・そんな気持ちにさせてくれました。
決してグイグイ飲むようなワインでは有りません。濃密だが気品高く、
「分子の内側から外側に向けて、常に全てを解放しようとしているような物凄い張りを持った各要素」
を内包しています。そしてその解放は延々と際限無く持続しているんです。
どうかこの機会に是非、オート・デンシテでは有りませんが、ユベール・ラミーが目指している世界をのぞいてみて欲しいと思います。超お勧めです。
● 2014 Chassagne-Montrachet la Goujonne Vieilles Vignes
シャサーニュ=モンラッシェ・ルージュ・ラ・グージョンヌ・ヴィエイユ・ヴィーニュ
【シャサーニュ村名のピノ・ノワールとしては別格の出来!このプライスは非常に安いです!】
この色合いですよ?・・グッと来ちゃいますよね~・・実に色っぽいです。透明なミネラリティがバッチリ有って、肉もしっかり有りそうな良い色合いをしています。
ただ、ここでカメラが変わったので、今までと若干、写真の色とか「質」も変わってるので・・すみません。ラミーの赤は、前のカメラも使ってますんで、やや一貫性が無いです。
ラ・グージョンヌはシャサーニュの村のほぼ中央、下部に存在する村名のリューディですね。比較的近くには、先代のアンドレ・ラモネさんが、
「ボーヌのロマネ・コンティだ!」
と言っていた「ブードリオット」が有ります。
でも・・ハッキリ言って、ラモネさんのクロ・ド・ラ・ブードリオット・ルージュよりも美味しいんじゃないかと思いますよ。あのワインはかなりスパイシーですが、ややクドイ感じの東洋風なスパイスが有って、濃度はあるけれども今一つバランスが1級としてはどうなんだろう・・と言う感じがするんですよね。安ければ良いんですが、このラ・グージョンヌほどのプライスじゃ購入できないでしょう。
植密度は1万1000本ですから、
「ユベール・ラミーとすれば普通だけれど、他のドメーヌから言わせれば、とんでもなく高い植密度!」
と言え、まだまだこれからどんどん植密度が上がって行くのでしょう。これで樹齢がスムーズに上がって行くようだと、どうなっちゃうのか・却って心配になっちゃいます。
シャサーニュ的なおおらかさを持った適度にスパイシーな村名シャサーニュですが、有りがちな「甘味」や「緩さ」は全く感じません。
シャサーニュの赤は、残糖をやや残し気味にして、「あばたを隠す」のが常套手段です。物の見事に・・ドライです。
しかしエキスがしっかり出ていて、旨みをバランス良く形成していますので、ドライながら薄辛くはなっていないんですね。
おまけに植密度の高さからだと思うんですが、
「ミネラリティの密度、一滴一滴につややかさを感じるテクスチュア」
が有りますんで、非常にエレガントながら濃度・密度も感じると言う・・ちょっと今までに無かった経験をさせていただいています。
たしかに、この高い植密度は・・前も書かせていただいたかもしれませんが、一般にはハーヴェストをすることで抑制して濃密さを形成するものですが、
「畑のポテンシャルが沢山の葡萄を造らせない」
んですね。
例えばロマネ=コンティ、ラ・ターシュ、ミュジニーなどはヘクトリットル当たり30ヘクトリットルと規制されているんですが、特別なことをしなくてもそうなってしまうんですね。それ以下になっちゃうんです。まぁ、DRCの場合は植密度も高いですから、さらに下回ることになりますしね。
しかしそんな稀有な畑ほど痩せていなくて、豊かな畑の場合はどうでしょうか?・・ある程度葡萄はできてしまうのが普通でしょう。それを防ぐのがハーヴェストですが、ユベール・ラミーはより自然なアプローチのためかと思いますが、それを「超密植」「樹間30センチ」で実現している・・と考えられないでしょうか。
そんな感じのことを、この一連のラミーのテイスティングから受け取った気がしています。シャサーニュの赤として、この素晴らしい仕上がりを見れば、ニュイの並みの村名を凌ぐことは容易に理解できると思います。
シャサーニュ的ですが、今までのシャサーニュでは無い!・・そんなラ・グージョンヌです。ティム・アトキンは91ポイント付けていました。まぁまぁ・・正当な評価でしょう。是非飲んでみて下さい。素晴らしいです!
● 2013 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Chaumees Blanc
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメ・ブラン
【超密植と言うものの考え方こそが生む素晴らしいシャルドネ!ビックリのピュアさ、密度です!】
●白ワインの醸造
畑から収穫された葡萄はベルトコンベアでプレス機に入れられます。プレスされたジュースはステンレスタンクで一晩、清澄のために静置されます。翌日、清澄されたジュースは重力によって地下の樽へと導かれます。樽はブルゴーニュの伝統的なバリックではなく300リットルとドゥミ・ミュイと呼ばれる600リットルの樽を用います。アルコール発酵、マロラクティック発酵ともに樽内で行われます。
ドメーヌ・ユベール・ラミーのオリヴィエが注目されています。少しばかり乗り遅れた感のあるnoisyですが、飲んでみれば明らかに以前と違うんです。少し退屈さの感じられる味わいでしたが、昨年より扱わせていただき、彼の感性が素晴らしいものであることを確信しました。
もちろん、この2013年も万全と思います。量的に非常に少ないので、多くのアイテムのテイスティングは出来ませんが、左のブルゴーニュ・レ・シャタイネール・ブランを飲むだけでも、彼が何を考え、どれだけ成長したのかを感じます。何より、2013年のマイナスイメージなど、全く感じさせない仕上がりなんです。むしろ、
「・・2012年より・・旨いんじゃないか?」
とさえ思わせてくれました。
彼が注目されたのは、「超密植」です。これは、葡萄の樹の隙間を極限まで減らして、結果的に樹になる葡萄の房、収量を制限すると言うものですね。
葡萄の樹は一生懸命に競争に勝とうと、結果的に凝縮した果実になり、優れた白ワインになる・・と言うことなんです。
しかし、それはその「超密植」の全てでは無いでしょう。
考えてみてください。隣の樹との隙間が無いと言うことは、どれだけ農作業を困難なものにするか・・。
また、その「超密植」状態に持って行くだけでも、どれだけの年数を掛けたか・・。
つまりは、畑の個性を最大限に生かしたシャルドネ・ワインを造りたい!・・と言う思いから来ているんですね。
飲んでみると、それが良く判ります。伝わってきます。単に「超密植」だけじゃない・・全てのベクトルは、畑の個性を生かしたワインを造るための方向を持っているんです。
昨年のご案内にも書かせていただきました。昔のラフォンのような濃密さと、自然派生産者ならではピュアなナチュラルさ、そして素晴らしいミネラル感を持っています。濃いのに全く暑苦しくなく、酸の伸びやかさを感じられるワインなんです。
また、びっくりしたのは彼のピノ・ノワール!・・これについては下で書きますが・・是非飲んでみて欲しい・・少ないですけどね。
各シャルドネの詳細は、写真の下の部分に記載しました。オート・ダンジテは2万本と言う超密植です。1万本でも多いのに・・と思ってしまいます。困難な作業をしつつ、自然派のアプローチで凄いワインになっているはずです。ご検討くださいませ。
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】 扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
● 2012 Chassagne-Montrachet 1er Cru les Macherelles
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレル
【ピュアです!昔のコント・ラフォン風に今のコント・ラフォンを足して割ったような味わい・・・です!実に旨い!!】
扱いは初めてですが、以前に飲んだことが有って・・
「大したこと無いなぁ・・」
というイメージだけが残っていました。価格はそれなりだし・・・
しかしながら、昨今は・・・評判がグングン上がってきてるので、エージェントさんの薦めも有って・・飲んでみると・・
「おっ!センスあるじゃん!」
そう・・単純ではない・・・非常に計算された造りになっていました。というより、それをちゃんと想像させてくれるような、ワインからの訴え掛けのある味わいだったんです。
シンプルに、葡萄を育ててワインにする・・・そういうことだとは思いますが、ちゃんと逆から・・ようは将来の姿から遡るように現在、なすべきことを理解している造りだということですね。
だから、ACブルゴーニュを飲んだだけですが・・・こりゃぁ、やるね~!と言うことが伝わってくる・・・ワインがちゃんとそれを教えてくれるんです。
冷ややかな酸がたっぷりありつつ、非常に凝縮していながら、ミネラル感も複雑性を持ち、起承転結を高いレベルでちゃんと表現しています。このレベル仕上がりは、そうは見ないです。
ブルゴーニュ・シャルドネ・レ・シャタイネールはまだ若い樹由来のワインですが、とてもそうは思えないほど充実しています。そして、サン=トーバン近辺とは思えないほどの成熟度の葡萄を想像させてくれます。言ってしまえば、ピュリニーとムルソー、半々のワインです。そしてそれぞれの特徴的な部分を良い方のみ残した感じで、厳しすぎないムルソーのミネラル感と、ダレを感じさせないピュリニーの熟度が有り、滑らかで旨みがしっかり乗った味わいになっています。超お奨めです!
その他のワインは数本ずつなので飲んでおりませんが、ACブルでこの出来・・ある意味、村名と同レベルの仕上がりですから、本拠地サン=トーバンのワインの出来も悪いはずが無いでしょう。アン=ルミイィは・・おそらく目茶美味しいでしょうし、看板のひとつのサン=トーバン・プルミエ・クリュ・クロ・ド・ラ・シャテニエールも、それに恥じない仕上がりになっていることと思います。因みにル・モンラッシェの真裏にある畑です。
シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・マシュレルは、あの超1級畑「レ・ヴェルジェ」の真下、シャサーニュ=モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・ショーメは「レ・ヴェルジェ」の真上に有りますんで、その潜在能力は間違い無いでしょう。
いずれ、これらのワインも少しずつ飲み進めて行きたいと思わせるほど、ACブルのポテンシャルは高いです。是非とも飲んでいただきたい生産者です。お奨めします!
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