
いや~・・懐かしいですね。もう26年にもなるんですね・・。リリースされてからはちょうど四半世紀ほどかと思います。
この色鮮やかで官能感満載のグラデュエーションをご覧ください。良い感じでしょう?・・ついでに・・
「途中で折れたコルク」
も写ってますので、是非ご覧ください。素人丸出しで恥ずかしいですが・・(^^;; 因みにnoisy が開けた訳では有りませんので・・はい。
そりゃぁ・・コルクの耐用年数は一般に12~15年と言われますんで、
「20年以上も経過しているボトルのコルクを開けると折れるのは当たり前」
では有りますが、そこで立ち止まっているから・・何度も同じことを繰り返しちゃうんですね・・。
「出来るだけ途中で折らない工夫」
が必要なんですね。
まぁ、先っぽが写ってない写真を出しておいて説得力が無いですが、前述のようにnoisy が開けた訳では有りませんで、折れるかもしれないと判っていつつ・・息子に開けさせたんですね。経験ですから・・何事も。
で、期待通りにちゃんとボトルにコルクの先っぽを残してくれました・・。いや、その後、ちゃんと取りましたけどね。その残った先っぽを除くやり方の話しは今はしませんが、出来るだけ途中で折らない工夫の話しはしてみようかと・・思います。
ボトルが縦でもパニエに横にしてても、基本は同じです。
ブルゴーニュのボトルは、先端に向かって徐々に細くなっている場合がほとんどですよね?・・それを頭に入れておいてください。そうすれば・・やることはただ一つです。
そう・・抜けば抜くほど細いところを通る訳ですから、折れやすい先っぽ・・これは、コルクがボトルの壁面にくっついている部分と、離れている部分の接点です・・そこが折れるのがほとんどです・・それまでちゃんと保存されていれば・・の話しですが。そう、コルクの先端、8~15mm位ですね。これは使用されているコルクの長さも関係します。
で、コルクを引き上げると・・その折れやすい、割れやすい部分が細いところを通りますんで・・割れる、折れるわけです。
大方の間違えは、
「折れるかもしれないと慎重になり、引き上げるのを途中で止めてしまう」
ことと、
「しっかりスクリューを入れ込んでいない。」
ことが重なり合っています。
なので、二段引き上げ式のソムリエナイフは古酒の抜栓には向きません。
細いところを折れやすい部分が通る時には、
「同じスピードで(速く無く遅く無く)一気に引き上げる」
ことが要求されます。
そう・・心配になって、途中で止めてコルクの状態を確かめる・・のがいけないんです。これをやれば耐用年数を過ぎたコルクの引き上げはほぼほぼ・・失敗します。最も、折れたとしても途中で一度止め、さらにスクリューを入れ込んで折れた(かもしれない)先っぽをもしっかり掴み引き上げる・・と言うような手段も有りますが、どちらかと言うと引き上げたコルクを一旦戻すような感じが必要でして、これは手先が器用な方、上級者オンリーです。下手にやると折ったコルクの先端をボトルに落とす羽目にも成りかねません。
まぁ、色々とトライしてみてください。失敗は成功の元・・ですから・・。
大きく脱線しましたが、まだまだ若さをたっぷり持った長命なモレ1級、クロ・デ・ゾルム(クロ・ド・ロルム)です。モレ=サン=ドニ1級の中では、PKさんに言わせれば、
「モレ1級の中で最上。格別に芳醇でフルなワイン。ジョルジュ・ルーミエ級の飛び切りの名手が1985年のような秀作年に造れば特級の水準に至ることも少なくない。」
とのことです。
たしかに「芳醇でフル」な味わいです。豊かだったタンニンは熟成で角が取れ、丸くなっていますがいまだ健在で、これまた丸みのあるたしかな酸と共に骨格を構成しており、やや湿った感のあるモレらしいミネラリティ、仄かなスパイス、熟れた果実が心地良いです。
まさに「フル」と言って良い口内でのパフォーマンスで、「ミディアム・ボディ」にはして有りますが、「ミディアム・ボディ+」か、「アンダー・フル・ボディ」と言いたくなるニュアンスです。
このクロ・ド・ロルムはクロ・ド・ラ・ロシュの直下なんですが、ま~・・驚くほど似ちゃいません。あえて言うなら北隣(少し距離はある)のシャルム=シャンベルタン(実際はマゾワイエール)には似ています。
マゾワイエールの湿った粘土感をもっと強くしてモレ=サン=ドニの持つ甘草や丁子系のスパイスをトッピングし、ほんのりと動物性の・・と言うか、肉系のややこってりした香りを混ぜたような複雑なブケを放っています。
飲むほどに馴染むプノ・ノワールの古酒の味わいは深いです。さらっとしているのではなく、やや粘る感じが余韻に感じます。良い熟成をしていると思います。
到着してさほどは時間を置かずに抜栓していますので、色合いもややそんな傾向が見えるかと思いますが、
「少なくとも数日間立てて置き、ボトルを振り回さずに抜栓しグラスに注ぐ」
ことが出来れば、最高の状態で楽しめると思います。
1993年も・・遠くになってしまいましたね。この先は入手が難しくなる一方でしょう。名手ジャン・ラフェが、新樽を多く使用せずに仕上げたモレ1級クロ・ド・ロルムです。ご検討くださいませ。