【実に艶っぽく色っぽい感じになってきています。この位の開きが好きな方が多いんじゃないかな?・・本当はまだまだどんどん良くなりますが!飲む温度に注意!】

先代のフィリップ・ロティさんが病気でお亡くなりになられたのが2016年だったかと思います。リアルワインガイドではその辺りの情報を訪問の毎に掲載していました。まだ若いのに・・ととても残念な気持ちで一杯でした。
先々代のジョセフ・ロティさんの頃からの扱いでしたが、元々はリリース直後は硬い性質(タチ)、noisy はリリース後何年か経過してから購入すると言うようなスタイルでした。いつの間にか、リリース直後から、グリオットやシャルム、マジなどが即消えるようになってしまい、仕方が無いので上級キュヴェは諦め、一番下のクラスだったACブルのプレソニエールをリリース後1年ほど経ってからまとめて仕入れてました。今やそんなことも完全に出来なくなってしまって現在に至っていますが、1~3年ほど経過したプレソニエールは、上級キュヴェたちが持つエロティックなアロマを再現してくれるようなニュアンスが有って好きでしたね。
今回は「ブローカーもの」ですが、上級キュヴェの一角、「レ・フォントニー」の2011年をご紹介します。ふぉんとに美味しい・・っておやじギャクをその昔、随分やりました!
いや~・・正に香って来そうな素晴らしいグラデュエーションですね。まだまだ若い感じが見て取れますが、パッキパキに硬いようには見えないと思います・・その通りです。
1級レ・フォントニーはマジ=シャンベルタンやリュショット=シャンベルタンに接する貴重な1級畑で、村の北から続く1級群の南端に位置しています。マジやリュショットのように少し乾いたニュアンスやスパイシーさが特徴です。
抜栓直後のアロマはもう・・だいぶ良い感じにエロティックになって来ています。さすがは1級・・アロマはグラン・クリュ並みの高質さまで感じます。
口に含むと・・シルキーさの有るタッチから、非常に細やかな粒子が感じられ、その内部に複雑な表情を隠し持っている感触が有ります。
「・・まだちょっと早いな・・でももう少しで出て来るはず・・」
と、そのエキスに完全には成りきっていないテクスチュアを楽しんでいると15分~20分ほどでしょうか。だいぶ出て来ます。いや~・・凄い良い感じです。どんどん伸びて行きます・・。膨らんでくるのも判りますよ。
30分ほども経ちますと・・品温が上がって来るので、ちょっとピントがズレた感じになってきます。なので、ボトルのワインを追加すると・・これが非常に良いです。
まぁ・・コーヒーとかモカ・・まで有ります。決して甘く無いどころか、超ドライなのが「ロティ家」の伝統でして、その超ドライなタッチが災いしてリリース直後は硬いんですね。でもリリースからそろそろ4~5年が経過して、大分ソフトになってきました。
このようなロティさんのワインは、まだ若さがあるうちは余り品温が高いとピンボケしたようになりますので、そんな時はボトルのワインを少し足してあげると良いですよ。完全発酵系の本格派ワインですから、糖分を残さず完全にアルコールに昇華させます。なので、非常にドライで、時にはほんのりアルコホリックに感じますが、ほんの少々品温を下げるだけで
「バッチリピントが合う」
んですね~。非常に素晴らしいと思います。なんてったってジュヴレのど真ん中の1級畑、シャルム、マジ、グリオットに次ぐロティ家の宝ですから・・。
また、価格も・・
「今回はビックリ価格!」
です。大台を超えないレ・フォントニーを見るのは久しぶりじゃ無いでしょうか。
まだまだ置いても楽しめますし、時間を掛けて飲んでも良い、しかも鳥獣系の肉料理にはバッチリ!・・と言うポテンシャルの高いジュヴレ1級です。是非飲んでみてください。お勧めします!