【エレガント系、ナチュール系、エキス系のとても精緻な「ブロション」のワイン!・・さらに言えばシミジミ系に分類される、愛すべき2021年ものです!旨い!】

昨年の2020年もののご案内時には、この「クロ・シャン」の畑の位置がはっきりせず・・ジュヴレ側のアン・シャンかと思っていた訳ですが、ヨクヨク調べてみると Champs ではなく Champ と単数形だったので、
「・・あら・・やっちまった・・」
と・・2020年もののコラムを書き換えさせていただいた訳です。もっとも即完売しておりましたので、
「・・多分書き換えたコラムは誰も見てない・・」
とは思いますが・・すみませんでした。
まぁ・・以前は単純にブロションのワインはコート・ド・ニュイ=ヴィラージュでリリースされていたはずですが、ブロションの南半分、ジュヴレ側の畑は「ジュヴレ=シャンベルタン」のA.O.C.を名乗れるようになっていまして、この「クロ・シャン」もまた「レ・ゼヴォスレ」の下部(「メ・バ」を挟む)に有りますので、ジュヴレ=シャンベルタンを呼称しています。
ただ・・どうなんでしょうね・・確かにレ・ゼヴォスレは1級レ・シャンポーの北隣りと言う地形も有り、素晴らしいポテンシャルを持っていますが、ジュヴレ的な鉄っぽさはやや軽めで石灰が多め・・と言うような感覚も有りますし、このクロ・シャンやジューヌ・ロワも同系統のニュアンスを持っていますから、
「テロワールを考えると単独のアペラシオンが望ましい・・かも・・」
などと感じる部分も有ります。

そんな訳でして、ジュヴレ村のジュヴレほど重くない鉄っぽさを持った、ジュヴレに似たテロワールで、2020年と言う非常に濃密なヴィンテージの次のこの2021年が、エレガント系の仕上がりながら非常に健康的に仕上がり、2020年ものの濃密さに隠されていたナチュール感が前面に出て、しかも非常に精緻に仕上がったこの「クロ・シャン」です。
Google Map でくまなく見て回りましたら、「シャン」の畑自体、かなりの部分が「クロ」で囲まれていました。一部分、古そうな樹が下草ボウボウになっているので、もしかしたら・・そこがル・ゲレック・デュクエの樹齢90年の持ち分なのかな・・と思った部分が有ります。もしご興味がございましたら検索してみてください。
上部の畑・・メ・バ、レ・ゼヴォスレよりは傾斜は緩いものの、ル・ゲレック・デュクエのもう一つの畑、「ジューヌ・ロワ」よりもやや傾斜が有るのが判ります。
2021年ものは希少なジューヌ・ロワもいただけましたので飲んでみましたが、ジューヌ・ロワはこのクロ・シャンに輪を掛けてエレガントに仕上がっています。
非常に精緻さを感じますし、伸びやかで軽やか、ナチュール感がしっかり感じられます。シミジミ度はジューヌ・ロワが一枚上手、濃密度はこちらのクロ・シャンに軍配が上がります。
始まったばかりのドメーヌですが、この難しかったはずの2021年に美しいワインを仕上げたことで、注目度は上がって行くに違いありません。是非飲んでみてください。お勧めします!
以下は以前のレヴューです。
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【美しく冷ややかな赤黒の果実酸と見事に滑らかなテクスチュア!・・2019年ものを飲まなかったことが悔やまれます!】
なるほど~!・・と...飲んだらきっと言っていただけると思いますよ。村の西側上部の1級群を北に向かって行くと、レ・ヴァロワーユ、ラヴォー・サン=ジャック、クロ・サン=ジャック、レ・カズティエ、コンブ・オ・モワンヌ、レ・シャンポーと連なっていますが、その一番北のレ・シャンポーの真下が村名「アン・シャン」です。エージェントさんの資料では「シャン」となっていますので・・その北隣のブロション側の「シャン」、おそらくここかと。ドメーヌのホームページを見ると、おそらくシャンの比較的なだらかな畑からのレ・シャンポーの急な傾斜が見えるので間違いないかなと思います。シャンの中にこのクロ(石を積み上げた囲い)が有るのかと思いますが、ご興味がございましたら以下のリンクをコピー&ペーストで覗いてみてください。
https://leguellec-ducouet.com/en/paths/
色合いは濃く無く淡く無く・・赤がそれなりに入った黒系果実の非常にドライな味わいです。厳格なリュット・レゾネで実質ビオロジックとのことですが、滑らさと膨らみのある芳香が「すっ」と昇ってくる辺りは、近年のナチュールを意識した生産者と同様です。
ジュヴレ系の生産者は、結構にマロラクティックを強めに掛ける傾向が有る・・そんなイメージをnoisy は持っていますが、ドメーヌ・ル・ゲレック=デュクレ はそこまで強いマロを行ってはおらず、美しい酸のディテールは他の生産者さんには余り感じることが無く、生き生きとして新鮮なイメージを受けました。
それに加え、これは100年近いV.V.の樹によるものなのかと思いますが、非常に目の詰まった濃密なエキス感が有りまして、
「これからの熟成で相当伸びて行く可能性もあり?」
かと思わせてくれました。

似ているなぁ・・と思えるのは、昨今のクロード・デュガさん・・でしょうか。ただし、2018~2019年のデュガさんのジュヴレです。
より膨らみが有り冷涼感が有り、赤い果実が多めかと思います。・・いや、皆さん、まだ勘違いされていらっしゃる方が多いかとは思いますが、最近のデュガさんは・・
「綺麗系のエキス系」
です。・・少なくとも「パワフル系」とは言えないですよ。その昔はもう・・濃密パワフル系でしたが、この10年以上を掛けて大変身をしています。まぁ・・迷走した感も若干有りますが、最近は・・
「クロード・デュガ..流れるような美しいジュヴレですね・・」
と言われるようになってますんで・・はい。
そのデュガさんとは似ていると思います。半面、おそらく年内には入って来るんじゃないかと思いますが、あの・・今はもう手の届かない価格になってしまった造り手の元醸造長、リシャール・スガンとはまた異なるタイプだなぁ・・と感じます。スガンのジュヴレも楽しみですが、もしこのゲレック=デュクレが上級キュヴェをリリースするようになるとどうなるんだろう?・・とも想像してしまいます。
「ビオディナミでは無く、実はビオロジックでも無く、厳格なリュット・レゾネ(減農薬)の造り手」
で有りながら、並みのビオロジックよりもナチュール感は高いです。これはおそらくゲレックさんの「宇宙観」と言うか「地球感」によるものかと・・この辺は是非ゲレック=デュクレのホームページをご覧ください。
そして・・義兄のアルノー・デュクエさんですが、現在も新着で少量だけご案内中の、
「ドメーヌ・ピエール・アミオで栽培担当をしていた」
んですね。
飲まれた方はお判りかと思うんですが、飲まれていない方の想像以上の素晴らしいモレです。
そしてこのピエール・アミオのエノロジスト(醸造家、醸造アドバイス)は、D.R.C.の現役エノロジストでも有ります。つまり、同じエノロジストなんですね。noisy も驚くほどピエール・アミオのワインは素晴らしかった・・。このドメーヌ・ル・ゲレック=デュクレ はそんなところもスキルとして持っていることになります。
勿論ですが、D.R.C.に似たワインか?・・と言われますと、似た部分は多少あるかな・・程度では有りますが、少なくともジャイエ系の味筋では無いので「高温発酵系」では有ります。
まだ二年目でこれだけ出来れば・・将来は楽しみ!・・以外の何ものでもないと言える2020年ものジュヴレ、クロ・シャンでした。是非飲んでみて下さい。あ、少ないのでお一人様1本でお願いします。お勧めします。