【「なんじゃこりゃぁ!・・・・・・」 と驚かれるでしょう。ロワールでしかあり得ない、超ビュア・超ナチュラルなイグレック!!凄い!】・・以前のヴィンテージのレヴューを使用しています。

呆気に取られてしまったワインでした。いや~・・凄い・・こんなのがどうやったら造れるのかとビックリです。なので思いっきり考え込んで、ひとつの結論に達してはいます。
ラシーヌさんの場合、まずテクニカルは要求しないとくれませんし、それでくれたとしても・・余りまともなものはありません。
「飲んで判断しろ・・」
と言うことだろうと思うんですが、このところは非常に細かい量しか入荷しない場合が多くて厳しいですね。他のショップさんもそうなのかもしれませんが、まぁまずほとんどのショップさんは自分じゃ決して開けないですんで、結局、「どんなワインか判らない」状況が続く訳です。
noisy もこのキュヴェは初めてなので、頑張って開けてみました・・。で・・ビックリしちゃったんですね~・・。
呆気にとられるような滅茶苦茶長~~~~~~~~~い・・余韻です。でもまぁ、それは後のことです。まず出会うのは、
「・・ん~・・どこかで嗅いだことのある気品バッチシのアロマ」
ですね。
そう・・あの甘口白ワインの代表と言えば「シャトー・ディケム」ですが、その希少な辛口バージョンが「イグレック」です。
そのイグレックに似たニュアンスで、さらに繊細、そしてピュアさは倍増、ナチュラルさを大盛りにしたエキス感なのが・・この「エヴィダンス」なんですね~・・。
まぁ・・この液体が口内に入ってしまいましたら・・
「・・甘いか・・と身構えたら超絶に辛口・・なんだけれど蜜のニュアンスが襲ってくるし・・味蕾は物凄い濃密なエキスに襲撃されてお手上げ状態。そこからノーズに様々な果実のブケ・・余韻がまた驚くほど・・・・・・」
と言う状態になってしまいます。
それでいて、まだ完成形になっている・・とは言えない感覚が有るんですね・・・これはもう、時間と言う魔力に委ねるしかない・・と言う結論になってしまいます。
ただでさえ希少なロモランタンを、おそらく完熟させ、そこから貴腐の状態に持ち込み、超絶に長~~~~い発酵を経て、このエヴィダンスは造られるのでしょう。長いったって・・何週間とか何か月とかのスパンじゃぁ無いはずです。「何年」か・・と言うような長い年月、発酵させたに違い無いです。それも、単に温度管理されたイノックスタンクで放りっぱなし・・と言うような感触じゃないんですよね。注意深く見守られつつ、ある程度の自然な温度変化をも飲みこんで造られたような感触も有るんです。
「・・どうやったんだろ・・」
飲んで少し経ってから悩んでしまいました。
まぁ、それ以上は先には進めませんでしたが、化け物みたいな白ワインであることは間違いありません。
そして、貴腐ワインがもたらす「超絶な甘さ」が無いことが生む「マリアージュ」・・・。これは、ここまで凄いことが判っていたのなら、もっと違うテイスティングの仕方も有ったとは思うんですが、開けてしまったものは仕方が無い・・。それ以上は諦めです。
しかし、基本的には超甘口貴腐ワインはマリアージュはさせ易いものです。なので、この辛口で超ボリューミーな貴腐ワインたる「エヴィダンス」もまた、その系譜を受け継いでいると感じます。
素晴らしいワインでした。これは・・安いと思います。勿論、今飲んでも美味しく飲めます・・でも、そんな短いスパンの命ではありえないワインです。是非飲んでみてください。素晴らしいポテンシャル、素晴らしいビオディナミワインでした!