
こんなことを言うと・・何だか偉そうに言ってるなぁ・・などと引かれてしまうとは思うんですが、それでもワイン屋の視点としては、
「グッと伸びて来たと感じた時!」
を大事にしてきて、結構に良い思いもしたし、それを失って脱力感も感じることになったり・・した訳ですね。
まぁ・・フーリエも以前はまったくフリーだったので2009年ものまでは相当な数を販売させていただきましたし、セシルにしても最初から高かったので苦労はしたんですが、気付いたら瞬殺状態・・でも毎年30%ずつ減らされてしまいましたし、ラミーもとんでもない量を販売させていただきましたが、世評が上がると価格も上がってしまって・・「だ~っ!」な状況になりそうですし、あ、そうそう・・これは書いておかないといけないですが、
「ギルベール・ジレは3年目ですが、最新ヴィンテージのNoisy wine の扱い量は1/15に激減」
です。
これは、ギルベール・ジレの意向でレストランさん中心に流通させたい・・とのことで、ワイン屋経由の販売を絞ったことによります。なので、
「とんでもなく痛い・・」
ですし、お客様には多大な迷惑をお掛けすることになってしまいました。ここでお詫びさせていただきます。
まぁ・・ギルベール・ジレは初年度で、
「この造り手は絶対に延びる!」
と感じて、周りではまったく売れていない時に頑張っちゃいましたので、2年目で相当な数をいただけた訳です。でも残念ながら「無い」のと同じほどの数ですから、どうしようかと思案しています。

ある意味、このルシアン・ボワイヨの2022年ですが・・「伸びの具合」が半端無いと感じています。
なので、2023年ものも楽しみではあるんですがその前に、
「この2022年ものが本当に美味しいのか・・どう変わったのか・・」
を判らないと、いきなり2023年ものが飲めたとしても・・楽しさは結構減ると思うんですね。
そしてこの2022~2023年の伸長率が続くかどうか?・・でしょう?
なので、この2022~2023年ものをチェックし、厳しいだろう2024年がどうなるか?・・なんですよね・・。これを確かめるのがワインの楽しさの一つでも有ると思っています。
で、このレ・ゼヴォセルですが、ほとんどの部分がブロションにあり、ほんの僅かが1級レ・シャンポー上部に有ることで、村名とされている畑です。
なので、1級になりそこねたので「準1級」としていますが、冷涼感の漂う・・まさにジュヴレの高地の味わいに、ブロション的な・・フィサン的なと言い換えた方が良いかもしれませんが、その優しさを持った複雑性が何とも心地良い、優しいピノ・ノワールです。
出来は非常に良いです。キュッと締まって滅茶ドライ、ふんわりとジュヴレ的な鉄っぽさを持ちつつも、2022年のボワイヨ共通の、
「ど真ん中のコアの存在」
が感じられ、そこからなだらかにエッジへと向かう美しいテクスチュア、そしてエッジの丸さにほんのり紫が乗る感覚が美味しさを感じさせてくれます。エレガントですが適度な濃度も有り、万人受けしそうな味わいです。ぜひ飲んでみてください。超お薦めです!
以下は以前のレヴューです。
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【実質1級の滅茶お買い得なリューディ・ゼヴォセル!・・エキスの美味しさにただよう格上感は、やっぱり半端無い!旨し!】
メディアの2019年ものの評価を上げさせていただきました。最近のものは見当たりませんで・・
「2021年もののルシアン・ボワイヨの評価、出てないかな?」
と散々探しましたところ、まったく見つからず、代わりに・・
「余りのエキスの出来、美味しさにびっくりした2019年もの」
の評価を掲載したと言う訳です。
これについては以前もコラムに書いており、
「デュガ=ピィに劣らず、しかも価格は半分以下」
としています。
2019年ものと今回の2021年ものを比較してみますと、
「全体のバランスは2019年ものに分が有り、エキスの純粋な美味しさと冷ややかさは2021年ものに分が有る」
と感じます。
色彩も2021年ものの方が淡く、やはりエレガンスが素晴らしいです。
そして、ブラックチェリーやブラックベリーの風味が繊細に感じられますが、やはりディテールの美しさが際立ちます。細やかなんですね・・。
やはりこの「ゼヴォセル」と言う畑は、
「1級レ・シャンポーの上部(西)、東に接し、1級レ・グーロの北に接している村名畑」
でして、そのほとんどが隣村の「ブロション」に有ります。ジュヴレにも有りますが少ないです。

そんな畑ですから、ロケーションだけ見ますと、
「ん?・・なんでここが村名畑なの?」
と言いたくなるような位置なんですね。南から偉大なル・クロ・サン=ジャック、レ・カゼティエ、コンブ・オ・モワンヌ、レ・シャンポーと続き、
「全く同様な高度に連続して存在している村名畑」
ですから、言ってみれば・・
「並みのジュヴレ村名畑では無い」
とも言えます。
ですので・・まぁ・・
「準1級?」
と言いたくなるような高質さを持っていまして、それがディテールの美しさに現れていると感じます。めっちゃ美味しいです!・・ビターでエレガントで見事にエキス系です。今飲んでも美味しいですが、2020年もののように濃さで誤魔化される部分は少ないですから、これからも遂次上昇して行くでしょう。5本だけです。お早めにどうぞ!激お薦めします。
以下は以前のレヴューです。
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【この美しいエキスこそがボワイヨの特徴!エレガントでめっちゃ良いです!】
どえりゃ~・・美味しいです!・・むしろディガ=ピィより好き・・(^^;;
この畑はジュヴレの最上部に在りながら、またそれは1級レ・シャンポーの真上に在りながら・・ほとんどの畑がフィサン寄り・・つまりブロションに有りますので、
「それだけで1級にはなれなかった疑惑?」
も付いて回るほど・・デュガ=ピィのレ・ゼヴォセルは人気です。
ですがどうでしょう・・この2020年もの・・デュガ=ピィは久しく飲めていませんが・・
「・・えっ?・・もしかして・・?」
と思わせるほど、素晴らしい仕上がりをしています。
何せ垂涎のジュヴレ1級畑が並ぶ・・そう、あのクロ・サン=ジャックからの北への並びです・・そこに有りながら、僅かに傾斜が・・・とか、一番高いところだから・・とか、そもそも、
「ジュヴレじゃないし・・」
等と言うイジメも有ったのかもしれません。

ですが、この2020年のように日照に恵まれ・・過ぎてしまうと、そんな高い場所の涼やかな畑が、
「実はもっとも条件が良くなってしまった」
可能性も出てくるんじゃないかと。
村名ジュヴレが滅茶美味しいので、そちらをお勧めしていますが、可能でしたらこのグラスの写真を見比べてみてください。
「これ・・美味しく無い訳が・・無いんじゃん?」
村名ジュヴレも素晴らしいですが、この色彩の持つグラデュエーション、そうは出会えないと思いますよ。言ってしまえば、最近のルーミエさんのクロ・ド・ラ・ビュシエールを思わせるようなグラデュエーションに近いように感じます。
そして飲んだらもう・・甘露です!・・つるん・・と入って来て、複雑で素晴らしい表情を見せてくれます。
村名ジュヴレでは1級並みとは・・ハッキリは言えなかった訳ですが、このレ・ゼヴォセルには・・しっかり書いてしまいました!素晴らしいです!・・でも3本だけ。お早めにご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【ジュヴレのレ・ゼヴォセルと言えば・・デュガ=ピィですよね・・このレ・ゼヴォセルも素晴らしい出来です!】
デュガ=ピィ的な味わいでは有りませんが、やはり同じ畑らしく・・その雰囲気はバリバリに出ています。
このレ・ゼヴォセルと言うジュヴレ=シャンベルタンA.C.の畑ですが、その一部はジュヴレに有るものの、ほとんどが北に接するお隣りのブロションに有るんですね。なので、ジュヴレの地図上だと・・そのジュヴレのレ・ゼヴォセルは、
「1級レ・シャンポーの一部」
に見えるほどなんです。
デュガ=ピィさんのレ・ゼヴォセルが有名ですから、飲まれたことの有る方は多いと思いますが、デュガ=ピィはもっと黒い・・と言うか、少なくとも暗い色合いをしていると思うんですね。
あ、そうそう・・例えば「レ・ゼヴォセル」で検索を掛けて・・グラスの写真が出てくるような時代になる良いなぁ・・なんて思うんですが、全然出て来ないですよね。Noisy wine のサーバーには、
「・・もういい加減にしてくれないかなー!」
と思う位、各社のクローラー(検索エンジンのサイトを巡回して収集してくるロボット)が画像を拾いに活動しています。最近多いのはApple社のボット・・お行儀が悪いと言うか、四十八時連続的にアクセスして持っていきます。Apple でボットで拾いまくって、それを何に使用しているのか?・・noisy は理解していません。

ちょっと道を外れてしまいましたが、素晴らしい出来の2019年ジュヴレ村名に比較しますと、相当に「緻密」で「複雑性の高い」「冷涼な」味わいとアロマを持っています。
これはやはり1級レ・シャンポーとも共通な「涼やか感」だと思います。しかしそれだけに終わらず、アロマの伸びが素晴らしい!・・だいぶデュガ=ピィとはニュアンスが異なりますかね。
細やかな赤い果実をたっぷり持ち、高地の風の影響か低い気温の中、やっと熟したような密度の高い味わいです。非常に健康的でエキスたっぷり・・これは素晴らしい!
このレ・ゼヴォセルもジャスパー・モリス氏は評価していまして、なんと92ポイント!・・ん~・・素晴らしい・・ですが、もう少しあげても良いかな・・と思います。
因みにデュガ=ピィの2019年、レ・ゼヴォセルの評価はこんな感じです。
2019 Domaine Dugat-Py Gevrey-Chambertin "Les Evocelles"
91-93+ Points Robert Parker's Wine Advocate
91-93 Points Vinous
90-92 Points Allen Meadows - Burghound
あらら・・ほとんど変わらないですね。価格は1/2から1/2.5でしょうか。
今飲んでも素晴らしさは充分に伝わってくると思いますが、やはりこれは2~3年寝かせるべきでしょう。ご検討くださいませ。