ドメーヌ・マルセル・ダイス
マルセル・ダイス
フランス Domaine Marcel Deiss アルザス
● マルセル・ダイスが完全ビオディナミに移行してからというもの、マニアックな世界ではかなりの人気を誇っていたのに、何となく縮小ムードになっているのが残念でなりません。微力ながらも、
「素晴らしいものはやはり素晴らしいのだ!」
と、声を大にして伝えて行こうという決心です。
商売をやっているのであれば誰しも、すぐに完売してしまうような商材は欲しいものです。何てったって販売が楽ですし、エージェントさんのコピーをそのまんま張っつけて、写真を撮ればほぼ出来上がり・・・、もしくは、常連さんに流して、
「はい、終了!」
です。
でもそのような商材は、例え売れてない頃から扱っていたとしても、また、その造り手の知名度を上げるのに大きな寄与をしていたとしても、欲しがる他の方のために、結局数量は削られてしまうものです。
ミシェル・ダイスの造り出す世界の孤高さと気高さに目が行くのであれば、いや、まともなワイン屋、味わいを第一に考えるワインファンであるならば、パワフルさを失いエレガンスを手に入れた彼のワインを正当に評価出来るはずだし、自身でも、
「呑みたい!」
と思うはずなのです。
● N.V. L'Arche V.d.F.
ラルシュ V.d.F.
【おそらくジャン=ミシェル・ダイスがグラン・クリュ畑の葡萄で造ったラストになるであろうワインがこの「箱舟」!!・・多くのメッセージを含んだ見事なワインです!!】

長く反逆者、変人・・しかし導く者としてアルザスを牽引して来たジャン=ミシェル・ダイスですが、
「引退」
のようです。
そしてこの「ラルシュ」がその・・最後の作品になるんじゃないかと言われているようです。違っていたら申し訳ありません。
1990年代からそれまでの地位を捨て去るようにビオディナミに取り組んで来た、その最後が・・
「ラストメッセージを含んだ刮目すべきオレンジワイン!!」
であると言うのも何か出来過ぎているようにも、また、もしかしたらジャン=ミシェルらしい引き際なのかもしれないと感じています。
noisy 的には、
「ビオっぽいものは息子さん、娘さん任せ?」
と勝手に思っていたので、この「ラルシュ」をインポーターさんから・・「こそっ」と4本の割り当てのご案内をいただいた時には驚きました。
で、結局4本では・・テイスティングしますと、完全赤字になってしまうので、「いやだ、いやだ」と都合1カ月も駄々をこね・・
「プラス2本を何とか・・もぎ取ることに成功!」
したんですね・・(^w^)/
で、飲めることになった訳です。
調べてみますと、1年前(2022年頃から?)に、息子さんのマチューさん主体の「ラルシュ」をリリースしたようです。これにはスイスの作家でワイン評論家のイヴ・ベックさんが、
「93/100 Points 飲み頃 2030年まで」と評価しています。
そして昨年、ジャン=ミシェル主体・・と言いますか、ドメーヌ・マルセル・ダイス名にて、この「ラルシュ」がリリースされ、イヴ・ベックさんは・・
「96/100 Points 飲み頃 2025~2043」と・・2年待てと注意書き?を加えての・・凄い評価をしているんですね。

もっとも noisy がそれを知ったのは、この記事を書いている少し前のことでして、当然ながらテイスティング時には何も知らない訳ですから、
「この・・まさに凄いオレンジの生きた色彩を見せるマンモスポテンシャルのオレンジを飲んで・・ひっくり返った!」
訳です・・
「こんなの・・こんなオレンジ、こんなアルザス・グラン・クリュ畑もの・・飲んだこと無いし!」
アルテンベルクのグラン・クリュ畑に2012年に多くの品種・・60品種を植えたそうです。もっとも、それ以前からかなりの品種は植わっていたはずですので、当然、種によっては古木も植わっているでしょう。
ですがまぁ・・インポーターさんのテクニカルでは60品種ですが、実際にこのワインはどうやら47種で出来ているようです。なぜって、
「マルセル・ダイスの X (旧ツイッター) に以下のような投稿が有るから」
です。こんな感じです。
「ラルシュの収穫!ヴァッサルの INRA コレクションから、忘れ去られたアルザス地方の 47 品種のブドウ品種を保存する私たちの計画。ブドウは収穫され、リストされ、重量が測定されてデータベースに乗っけたぜ!」
と・・。
端折りますがとどのつまり、
「アルザスで絶滅寸前の品種を【ダイスの箱舟、アルテンベルク】に植えた!」
と言う事実ですね。
そしてそれはおそらくテクニカル記載の通り・・
「貪欲な人類が自然を破壊している人新世の時代に、工業化のために放棄された、忘れ去られたアルザスのブドウ品種 60 種と正当な花の多様性を箱舟に集めることは、この農園にとって不可欠であると思われます。このキュヴェは、工業農業の同調主義と標準化によって今も脅かされているこの記憶を保存するという私たちの闘争的な取り組みを象徴しています。この素晴らしい、非常に複雑な辛口白ワインは、提供前に 3 時間空気に触れさせるのが理想的です。8°~10°C で提供してください。」
と言うことなんですね。
で、実際のところ・・このように3時間も粘れませんでしたが、noisy 的にはかなり理解出来たと思っています。
ま~・・凄いオレンジです・・こんなに複雑性の高いオレンジには出会ったことが有りません。そして、実は・・
「3時間も経たなくても、抜栓直後からそれなりに美味しく飲めてしまう!」
んです。
正しく抑圧された多種多彩なフルーツ・・それらは美しい酸とタンニンを持ち、果実のリアルさをしっかり持っています。そしてレモンティ、ダージリンなどの紅茶系、お茶、ほんのりウーロン茶などのお茶系、多彩な表情に繋がるに違いない未開発のエレガントな表情さえ・・彷彿されます。適度に膨らみ、余韻も美しく、飲み終えた後に清涼感さえ感じます。
・・・・ですが!
これで終わりじゃぁ無いんですね・・ここからです。時間が経過すればするほど、その何とも表現し辛い複雑性は一体感を見せます。そして、内包され隠されていたミネラリティがワインの味わいをシームレスなものに変え、ややスタイリッシュになって行きます。この感じでもかなり旨いです。
で・・ここからは実際は経験はしていないんですが・・
「明日、明後日は・・相当凄いことになるだろう・・」
と言う予測を立てての・・本日のレヴュー書きなんですね。
テクニカルには、マルセル・ダイスから・・
「3時間前からエアレーションするように!」と記載されています。
そして、イヴ・ベックさんも、
「2025年から2043年までが飲み頃」
と言っています。
そうでしょうそうでしょう・・そんな感じでしょう・・と言うのが noisy的な感覚です。
なので、美味しく飲む・・と言いますか、このワインの本性を見たければ、
「3時間前にデカンタへ」
もしくは、1日目は1杯だけ、2~3日目に本格的に飲み出す・・のが良いでしょう。イヴ・ベックさんの96ポイント、ダテじゃないと同感です。
しかし!・・しかしです!
このワイン、懐が非常に深いので、今でも食中酒として・・最高のマリアージュを見せると思うんですね・・脂っぽいものも、新鮮な魚介なども・・もちろんヘヴィーな味わいのチーズなどへの対応も行けると感じます。なので・・
「ある意味、滅茶悩み深い!」
訳です。
ジャン=ミシェル・ダイスのメッセージが山ほど含まれているのがこの「箱船」です。世界が酷い方向に向かっている・・noisy もそのように感じています。少なくとも人が人でいられるように、植物、動物への尊敬と保護は不可避でしょう。そしてもちろん人間にも・・です。この「ラルシュ」を飲んだら、ちょっと煩い人になってしまったようですが、
「凄いオレンジ・・いや、凄いワイン!」
です。頭をまっさらにして、若いうちの飲み方を間違えないように・・飲んでみてください。ガラス栓です。どうぞよろしくお願いいたします。
■ ネットで拾って来た感想文
・アプリコット、グアバ、マンゴー、レモンピール、ジンジャー。トロピカルになりすぎるのを防ぎます。深みとコクがありながらも、バランスのとれた爽やかなお茶のように飲めました。
・かなりの空気が必要です。ガラスのコルクを抜栓し、コラビンドします。最初はかなりラフなオレンジ色の雰囲気。 Deissのオレンジスタイルの瞬間はまだありません。 2日後、鼻は気に入っています。明るい。細かくドライフルーツ。驚いたことに、アルゴンガスの前に一日エアレーションを行ったところ、これが見事にうまくいきました。独特のディースの雰囲気があり、最高の残留感、ゴージャスな構造、素晴らしいステージになりました。タンニンは超上質。酸味が爽やかです。クリーミーなベース。
・グラン クリュ リースリングと 47 種類の「失われた」アルザス白ワイン品種の素敵なブレンド。びっくりしました。このワインはおいしいです。グラスの中ではダークゴールドから琥珀色。ゴールデンアップルソース、オレンジピール、蜂蜜、オレンジの花、アセテート、アジア洋梨の香り。生姜と濡れた石も。味わいは非常に熟していて、金色のリンゴ、オレンジ、洋梨、新鮮な生姜のピクルス、チョークの香りが豊かで、すべてが果実の甘さに包まれています。辛口のワイン。酸味中+、アルコール中+(13.5%)、ミディアムボディ。とてもテクスチャーがあり、食欲をそそります!
● 2017 Altenberg de Bergheim Grand Cru
アルテンベルグ・ド・ベルクハイム・グラン・クリュ
【最高のアルザスワインです!!今回は正規輸入品、96ポイントほどで海外メディアも揃っています!】---以下は以前のレヴューです。
マルセル・ダイスの看板ワインのひとつ、アルテンベルク2012とシュナンブール2013です。13種類のアルザス品種全てを一緒に栽培しています。混醸では無く、混植・・です。通常は全ての品種の開花時期や収穫時期が異なるのが普通ですが、一緒に栽培することで同時になる・・と言う不思議を実践しています。
やはり非常に複雑な味わいですが、見事に一体感のある味わい・・グラスの写真が無いのが残念ですが、
「ワイン会に出すと全て持って行ってしまうアイテム」
でも有ります。
何せ・・エチケットがまぁ~・・非常に細かな独特の装飾で飾られ、美しいです。そして飲んで・・ビックリ!・・です。
ほんのり甘さが有るヴィンテージも有りますが、豊かでバランスの良い酸がキッチリ有るので、甘いとは思わないかもしれませんし、年を経ると徐々にドライになって行くようです。(以前、同じものをかなりの年数ののちに飲んで・・ドライになっててビックリしました・・個体差かもしれませんが・・。)
今回は、並行輸入の品物です。価格は何故か非常にリーズナブルです。品質も問題有りません。
どちらのアイテムも95点とか96点とか・・です。でも飲んだら・・限りなく100点に近いニュアンスになってしまうんじゃないでしょうか。2012年のアルテンベルクは、ベタンヌ19.5ポイントですし!
なお、アルテンベルクはピノ・ノワールも入っていたと思いますが、シュナンブールには入っていません。その辺の違いも面白いと思います。是非ご検討よろしくお願いいたします。
● 2019 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
● 2018 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
【一口含めば・・そこには滅茶苦茶複雑ながらもシームレスな美しい姿!・・そして確かに黒葡萄の存在を感じます!・・凝縮しているのにスムース!素晴らしいです!】---2017年もののレヴューを掲載しています。

このマンブール....ダイスを代表するトップ・キュヴェですが、飲まれるタイミングで大きく印象が異なるかと・・思うんですね。
しかも古くからのダイスファンでしばらく飲んでいない方・・もしおられましたら、相当ビックリするんじゃないかと思うんですよ。
だって、もし1990年代のダイスを知る人であれば、
「・・超巨大な構造の、兎に角、荘厳なワインを造っていたダイスが・・こうなの?」
と・・もしかしたらある意味、ガッカリするんじゃないかと思ったりします。
それほどにスムースに入って来て、エレガンス、高質さを見せるんですが・・そこには「エゴ」とか、ちょっとナルシスト..入ってるんじゃない?・・みたいなニュアンスは全く無いんですね。
確かにビオに転向してからのマルセル・ダイスは、以前の・・
「どうだ~・・!参ったか~!」
みたいな部分は消え、何ともピュアで美しい・・しかし実は「凄みが消えた」のではなく、「今良い部分を表情に、凄みを内面に」した姿に変貌したんですね。

グラスを伝うラインの太いこと!・・しかもグラス全体に拡がっています。どれだけの寿命を持っているのか・・とも考えさせられてしまいます。
口入れをすると・・余りのスムースさにむしろ驚いてしまいますが、口内ですり潰すようにして飲んでみると、果実表現だけを取ってみても滅茶苦茶複雑です。勿論、黒葡萄のニュアンスがするのがこの「マンブール」。果皮由来の何とも素晴らしい味わいがしますが、これはやがて「官能さ」を演出するように変化して行くと思います。
果実は単に果実では無く、柑橘もドライフルーツも・・そして多種で多彩です。普通に美味しく飲めてしまうんですが・・やがてちょっと後ろめたい気にもなってしまいます・・まだ飲むには早いんだ・・と気付かされる訳です。
でもこの非常に気持ち良い、心地良い瞬間を得たことに、有難いと思っていただけると思います。飲んで良し、セラーで育てても良しだと思います。久しぶりにダイスに正面からぶつかり合ったような気がしてちょっと嬉しくなりました。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2015年ものです!】 飲めていないので以前のレヴューを掲載しています。・・が、面白い映像が見当たりました。
「なんと、マルセル・ダイスと・・おそらく息子さんが2015年マンブールについて語っている動画!」
です。youtube に上がってました・・こちらです!
https://youtu.be/LXwN1TGce6E おそらく息子さんじゃないか・・と書いたのは、昔お会いした時の奥様に似てると思うので・・間違ってたら失礼で申し訳ないのですが、そうじゃないかな・・と。
内容はフランス語ですんで時間が無くまだ精査していないので、後程書けましたらアップします。
因みにまだ2016年ものの評価は見当たりませんが、アドヴォケイトは2015年に97ポイントまで付けました・・でも2011年までまともには評価してませんでした(80点台ですよ・・)が、
2012年 96 Points
2013年 95 Points
2014年 96+ Points
2015年 97 Points
と、前言撤回!・・のような評価っぷりです。
絶対に素晴らしいはずの2016年ものマンブール、期待しています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
● 2019 Schlossberg Grand Cru
シュロスベルグ・グラン・クリュ
【ダイス、悲願のグラン・クリュ・シュロスベルグ!アルザスの高質リースリング由来のアロマを華やかさと優しさでアピールしてきます!】

2018年のファーストリリースから凄い評価を得ているシュロスベルグです。2019年ものの評価は見当たりませんでしたが、2018年ものはラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランス誌で18.5ポイント、100点法に置き換えると97.5点になりますか・・凄い評価です。
noisy も何とかファーストヴィンテージを飲みたいと思っていたんですがオファーを見逃しておりまして仕入れられず、ようやっとこの2ヴィンテージ目のシュロスブルグを入手出来ました。
このグラン・クリュ・シュロスブルグはコルマールの北西のキーンツハイムに有り、その北にあるリクヴィールのシュナンブール(シュネンブルク)と、その東に有るジゴルスハイムのマンブールの間に存在する花崗岩質主体のグラン・クリュなんですね。
なので、もう少し北のベルクハイムがドメーヌの所在地では有りますが、ある意味、ダイスの主要な仕事場の真ん前にあるグラン・クリュな訳でして、
「・・いいなぁ・・」
と思っていたんじゃないかと勝手に思っている訳です。
で、さっそく飲ませていただきました!・・ま~・・凄い色彩です!・・非常に濃密な色をしていますよね・・ゴールドと言うか濃い黄色と言いますか・・しかもミネラリティを多く含んでいるような「ぽよん」とした重量感さえ漂ってきます。
アロマは・・
「・・ん・・大部分がリースリング・・でもスレンダーじゃなくて太い!」
と言った印象。

口に含んでみると、太いですね~・・そしてふんわり柔らかい。その柔らかさの中にも滅茶複雑なニュアンスが含まれていて、オイリーさとわずかな蜜っぽさ、そしてリースリングの持つペトロールが軽やかに感じられます。重さと軽さ、そしてその中間がほぼすべて揃っているような印象を受けます。余韻がまた・・何とも長い!・・甘くは無いんですが、要素の集合体として辛さを感じさせないのかな・・と言う感じで「リッチな味わい」です。
何よりも身体への進入角度が優しい・・です。それなのに各要素をしっかり押し付けがましく無く感じさせてくれる訳です。これが昔のダイスなら、
「どうだ~!」
と言いたげな・・ドライなリースリングならやや太めのソリッドですし、ヴァンダンジュ・タルディヴ系なら甘みのデパートにエキセントリックなアロマが香る・・みたいな・・パワハラ状態?・・。でも、そんなパワxラが熟すと何とも心地良い多重奏を聞かせてくれたわけですが、
「すでに開花していて美味しく飲める!」
と勘違いしてしまうほど、現状の美味しさが半端無いです。
また、ドライなリースリングワインが、時に「刃」のようなキレの良さを感じさせてくれるかと思うんですが、このシュロスベルクは「マシュマロで出来た模擬刀」みたいな感じで見事にふんわりしています。やはりビオ転向がこの「ふんわり感」を生み出しているのでしょうし、
「マルセル・ダイスならではの混植!」
で、他の品種も混じっているはずなので、その辺りもこの複雑性が高い反面、まとまりがつかなくなる部分を綺麗にまとめ上げられているのかとも感じます。
素晴らしいワインでした!・・この先十年以上に渡って変化して行くと思います。今のアロマと10年先のアロマは、また全く違うものになるでしょう。飲んでみてください!素晴らしいアルザス・グラン・クリュです。
● 2017 Spring Alsace Blanc
スプリング・アルザス・ブラン
【ミュスカの変幻自在、独特なスタイルが素晴らしいです!爽やかな飲み口!喉の通りの良いしなやかなタッチ!】

良く熟した上出来のアルザスのミュスカを飲まれたことの有る方ならお判りかと思いますが・・若い時に見せる、ほんのりとスパイシーでスレンダーな姿とは全く異なる熟した何とも色っぽい姿に・・心をときめかせたに違いありませんよね。
いや・・これは相当に良いと思います!・・どちらかと言うとゲヴェっぽい感じであり、いや・・もう少し優しいゲヴェ・・でしょうか。
ビオらしくふんわりとスピードの有るアロマと、口に含むと・・ほんの僅か、ほんの・・ですよ、僅かな甘みを残した膨らみのある味わいが中域に有り、激辛口のスタイリッシュで硬質なミュスカでは有り得ない優しさを感じる余韻へと流れて行きます。
まるで「春の訪れ」を感じているかのような爽やかでほんわかとした優しさ・・でしょうか。そんなニュアンスがビッチリと伝わって来ます。
まぁ・・エージェントさんの資料では「辛口」と書いて有りますが、それだと勘違いされてしまうんじゃないかと思います。辛口には違い無いですが、わずかな甘みが有りますので、
「ん?・・辛口なの?」
と思われる方もいらっしゃるであろう・・位のほんのりと僅かな甘みが有ります。
もしこれが激辛な・・全く甘みの無いミュスカになりますと、パレットは相当に変な形になります。どちらかと言いますと、どこかがエグレている感じのパレット・・ですね。

アロマはミュスカですから、マスカットをイメージされるかもしれませんが、イタリア辺りのマスカットとはちょっと違いますよね。先にも書きました通り、ちょっとだけスパイシーでマスカットをメロンに寄せた感じ?・・でしょうか。グラスの写真の黄色の強さを見れば、黄色いフルーツ系のニュアンスも多いですから、ピノ・グリっぽい感じにも捉えられるかもしれません。
まぁ・・混植がお得意のダイスですから、もしかしたらミュスカと言いつつも(ミュスカ・ダルザス、ミュスカ・オトネル)・・他の品種が混ざっちゃってるかもしれません・・。ですがバランスはむしろ良いですよ。若いドライなミュスカは結構に「キツイ」ですから・・その若い時はキツさのあるドライなミュスカが熟成して行くと、あら不思議・・今度は甘みさえ感じさせてくれるような丸いパレットに大変身するんですよね。
なので、熟すまで待ってられない・・だから若いうちにミュスカを美味しく飲む味わいに、ダイス流で仕上げた・・と言うことなのかもしれません。是非飲んでみて下さい!美味しいです!
● 2020 Alsace Complantation Blanc
アルザス・コンプランタスィヨン・ブラン
【見るからに黒葡萄の存在が感じられる複雑な色彩!まさにマンブールのセカンド??そしてオーケストラのハーモニーが聞こえるようなワインです!】

輸入エージェントさんに言わせますと、
「マルセル・ダイスは今や世界中で大人気で、もう奪い合いなんですよ。」
とおっしゃる。
「・・へえ・・そうなんだ・・」
とちょっと気の入らない noisy。だって、そんなには強い引きは感じないですから・・。
ただし、2015~2016年辺りのシュナンブールは、非常に早かったです。もう無いのか?・・と尋ねられたので、調べてみると・・1ケース注文させてもらって、6本しか入って無かったのを知らずに1本テイスティングしてしまったので、販売できたのはたったの5本・・と言う始末でした。
まぁ、noisy もマルセル・ダイスとは30年近いお付き合いですから、90年代の物凄~い・・圧巻なダイスのワインも、勿論知っています。そしてその後のビオ転向後もずっと・・知っています。なので、物凄く売れたことも知っているし、ビオになって、おそらくそれまでの顧客が離れたことも・・何となく想像していました。でも、
「今や世界中で奪い合い!」
までは知らなかったなあ・・ホントですかぁ?
ですが、この「コンプランタスィヨン」を飲むと・・嬉しくなってしまいます。まんま「マンブール」ですもん!・・コンプランタスィヨンって、あっさり言ってしまえば「混植」の仏語、そのものですよね。ですから、アルザスで許容されている葡萄品種を13種、混植しているってことなんでしょうね。

もう、グラスの色彩が異常ですよ。もはや白ワインじゃない。複雑な色彩は、もしかしたらマンブール以上かもしれません。黄色、赤、グレイ、緑・・そんな色が複雑に絡み合ったような凄い見え方をしています。
味わいももう・・凄く複雑!・・それでもまるで優れた指揮者が存在しているかのような精緻な味わいもしているんですよね。なので、
「オーケストラを聞いているようなハーモニーが聞こえてくる」
ようなワイン・・そう形容させていただきました。
そろそろマルセルも良いお年頃・・。すでに息子さんが頑張っているのでしょう。眼光が鋭く、でも優しい・・人が多くいる場面では、全く前に出てこない・・奥ゆかしさの有る方でした。もしかしたらもう、タクトを振る息子さんを幕の影で見ているのかもしれません。この2~3年でダイスのワインの味わいが少しずつ変わって来たようにも思います。飲んでみて下さい。「アルザスをダイス流に表現したワイン」です!
以下は以前のレヴューです。
-----
【何と白葡萄のみならず黒葡萄、ピノ・ノワールまで13品種の混植・混醸しています!!ある意味、マンブールを村名格で造ったような豊満な味わいです!】
こりゃぁ面白いぞと意気込んで発注したんですが、あっさり削られてしまいました。何と13種類ものアルザスを名乗れる品種を混植を含め、混醸しています。
しかもまた・・ダイスらしい幾何学的な模様にどこかホノボノとするような温かさを感じるエチケットデザインで和ませてくれます。・・まぁ、その辺の感覚は人それぞれかもしれませんが・・。
早速飲んでみました。・・なるほど~!・・そう来たか・・と言う塩梅でした。
通常のヴァン・ダルザス・ブランと価格的にはほとんど変わらないんですが、そちらがキリっとした辛口に近い分、こちらの「コンプランタスィヨン」は、「甘みの感覚」までをも「混ぜ込んで」いるかのように、辛みと僅かな甘みを交互に感じるようなニュアンスを持っています。
そして、マンブールを飲んだ時に感じるような豊かなコクも感じます。硬くソリッドなニュアンスでは無く、ふくよかで優しい・・味わいですね。あれこれ混ざっているので、一言で言い表すのは難しい感じで複雑性に富んでいます。
まぁ、混ぜることによって、「アルザス」と言うテロワールを表現しているのか・・と感じました。美味しいです!・・しかも、そんな「中口」に近い味わいですので、マリアージュは非常に楽だと思いますよ。和食系にも合わせやすいので、これからの時期、重宝するんじゃないでしょうか。
また、この Complantation(コンプランタスィヨン)と言う言葉は「移植」「合植」と言うような意味のようですが・・近い綴りの言葉に、Complainte (コンプラーント)と書く「嘆きの歌」「哀歌」が辞書で見つかりました。
どこか・・マルセル・ダイス自身、意味するものが有るのかな?・・などとも思っています。息子さんへの移譲も迫って来ているのでしょうし、アルザスの単一品種至上主義への反逆的な思い・・なども籠っているような気がしています。残り少なくなったマルセルの醸造家人生・・むしろ、このワインに息子さんからの影響も感じています。
「So2の少なさ」
「パキッとした黄色、黄金色より、ほんの僅かにくすんだような色合い」
「アロマのスピードの増大」
から、
「ナチュラル感の増大!」
に向かって来ているのが判ります。それでも危険性やアヴァンギャルド性までは無い、ベストなポジションとも言えるかと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2017 Zellenberg
ツェレンベルグ
【すみません・・テイスティングしたんですが写真が・・見当たりません!】
実はマルセル・ダイス・・・と言いますか、今はだいぶ息子さんのジャン=ミシェルさんが頑張っているようなのと、何しろ大昔から扱わせていただいている生産者さんなので、
「以前のレヴューで済ましてしまうとグラスの写真が全く無い・・」
と言うことになってしまいまして、販売も実にのんびりとしたものになってしまっていたんですね。・・いや、決して売れないと言うことでは無くて、ポツポツ販売させていただいているうちに在庫が無くなっているのに気付かずに・・と言うようなパターンがずっと続いていまして、2021年になってから、
「もう一度ちゃんとダイスと向き合ってみたい」
と思っていたところ、このツェレンベルクと言う村名・・ですね。そのワインを仕入れてみた訳です。
で、写真が無くてすみません・・何とか見つけ出したら掲載させていただきますが、
「スペクテイターも92ポイント付けていた!」
のに気付きまして、
「そりゃぁ・・幸先が良いかな・・」
と思っていたところ、不幸が有って滅茶苦茶忙しくなってしまって現在に至る訳です。
今回、同じ2017年もののリボーヴィレが93ポイントなんですが、リボーヴィレがほぼ真ん丸のパレットを描く、ちょっと豊かな味わいなのに対し、こちらのツェレンベルクの方は、縦長の楕円・・でしょうか。テイスティング時はリースリングが頑張っている感じのオイリーさ、そして僅かにペトロールが有り、上級クラスに近いフィネスとエレガンスを感じました。
まぁ、このワインのテイスティング自体が去年ですから・・ちょっと変化して来ていると思いますが、基本ドライでミネラリティがたっぷりなのでハード、タイトかと思いきやちゃんとビオ系らしいナチュラルな柔らかさを感じさせてくれます。
親父さんのマルセルさんも、90年代までの物凄くリキの入った味わいから2000年以降の柔らかでピュアなビオへの転向で、
「硬質タイプからいきなりの軟質タイプ」
が余り評価されずに、評価的には少し低迷期だったものが、息子さんのジャン=ミシェルさんが入った頃から評価自体が持ち直して来たように思います。
ただし・・評価が持ち直したと言ってもnoisy的にはそんなに大きく変わった感じはせず、むしろ・・
「ずっと突っ走って来たダイスに周りが追い付いて来た!」
んじゃないかと思います。
高質ながら柔らかさと優しさを持った混植の村名です。・・そもそも・・アルザスで混植なんて、この人位だった訳です。是非飲んでみて下さい。お勧めです!
● 2017 Ribeauville Alsace Blanc
リボーヴィレ・アルザス・ブラン
【村名格ですが、自称1級のグリュエンスピルもセパージュしている分、リッチな中域とエレガンスが素晴らしい!スペクテイター93ポイントはダテじゃ無い・・手を出せるクラスで今滅茶美味しいです!】

いいですね~・・!相当に良いです!早めに飲まれるならこの「リボーヴィレ」で充分じゃないでしょうか。
何せ、ダイス自称の1級から真の1級になったらしいグリュエンスピルも入った村名ワインですから、質感と複雑性、バランスの良さに長けています。中域がしっかり有って、基本ほぼ辛口です。・・甘さが全く無い・・と言う訳では有りませんが、
「多分、ほとんどの方が甘いとは認識しない程度」
で、混植の葡萄を混醸しているんですね。
ですから、ほとんどトップ・キュヴェの「シュナンブール」や「アルテンベルク」と同様の手法を用いて、≒1級の畑と村名の畑で、「村名ワイン」を造っているのがこのワインと言うことになります。
最近のマルセル・ダイスらしく、滑らかで非常に優しいです。しっかり「起伏」は有るんですが、その振幅の丘から次の丘へと移る際の滑らかさが素晴らしく、そこにも「高い質感」が感じられます。

1級だけのワインになってしまうと結構な価格になってしまうんですが、このリボーヴィレだと4千円ほどですから、
「ブルゴーニュの村名より相当リーズナブル!」
ですよね。
むしろA.C.ブル並みの価格で、この質感を愛でることが出来ますから・・これは是非飲んでみて欲しいと思います。
ダイスならではのミネラリティたっぷり、果実感もしっかり有りつつ、強い個性を優しく包んで届けてくれます。因みにワインスペクテイターはこの2017年ものに93ポイントもつけています。是非飲んでみて下さい。旨いです!
● 2016 Altenberg de Bergheim Grand Cru
アルテンベルグ・ド・ベルクハイム・グラン・クリュ
【最高のアルザスワインです!!今回は正規輸入品、96ポイントほどで海外メディアも揃っています!】---以下は以前のレヴューです。
マルセル・ダイスの看板ワインのひとつ、アルテンベルク2012とシュナンブール2013です。13種類のアルザス品種全てを一緒に栽培しています。混醸では無く、混植・・です。通常は全ての品種の開花時期や収穫時期が異なるのが普通ですが、一緒に栽培することで同時になる・・と言う不思議を実践しています。
やはり非常に複雑な味わいですが、見事に一体感のある味わい・・グラスの写真が無いのが残念ですが、
「ワイン会に出すと全て持って行ってしまうアイテム」
でも有ります。
何せ・・エチケットがまぁ~・・非常に細かな独特の装飾で飾られ、美しいです。そして飲んで・・ビックリ!・・です。
ほんのり甘さが有るヴィンテージも有りますが、豊かでバランスの良い酸がキッチリ有るので、甘いとは思わないかもしれませんし、年を経ると徐々にドライになって行くようです。(以前、同じものをかなりの年数ののちに飲んで・・ドライになっててビックリしました・・個体差かもしれませんが・・。)
今回は、並行輸入の品物です。価格は何故か非常にリーズナブルです。品質も問題有りません。
どちらのアイテムも95点とか96点とか・・です。でも飲んだら・・限りなく100点に近いニュアンスになってしまうんじゃないでしょうか。2012年のアルテンベルクは、ベタンヌ19.5ポイントですし!
なお、アルテンベルクはピノ・ノワールも入っていたと思いますが、シュナンブールには入っていません。その辺の違いも面白いと思います。是非ご検討よろしくお願いいたします。
● 2016 Schoenenbourg Grand Cru
シュナンブール・グラン・クリュ
【2016年はアドヴォケイト98Points!!・・完成された味わいバランス!・・シュナンブール1本で完結できてしまう豊かな味わいに脱帽です!】

何と言ったら良いでしょうね・・。あ、まずはこのもの凄いエチケットをご覧ください。余り写りが良いとは言えないんですが、この「S」の文字の装飾っぷりったら・・しばらく見とれてしまいますよ。
ちょっと恐竜時代を思い起こさせる「マンブール」のエチケットとも異なっていて、豪華で煌びやかな美しくもちょっとやそっとじゃデザイン出来ないほどの「美」さえ感じます。
そしてこのグラスの「やや黄色の美しさ」ったら・・無いですよね。で、このシュナンブール・・こう言い切ってしまうと問題かもしれないんですが、
「どんな料理にも対応できる!」
と思います。それだけ懐が深い・・んです。
しかしながらこのシュナンブール...は、
「このワイン1本で完結しているワイン!」
とも感じるんですね。矛盾しているように思われるかもしれませんが、実際にそうだと思うんです。

例えば・・まぁ・・noisy もまた大金持ちでは無いのも影響しているのかもしれませんが、もし目の前に飲み頃になったと思しきロマネ=コンティが物凄い存在感を見せているシュチュエーションを想像してみてください。
おそらく・・その目の前のグラスしか見えないでしょう。そして何もいらない・・そのブケ、アロマを逃すまいとしてずっと向き合ってしまうと思うんですね。そんな時のお食事はどうだろう?・・と。
いや、noisyも飲ませていただいた時に美味しいお食事もいただいたんですが・・全くお食事の内容は飛んじゃってるんですね。もう素晴らしい芳香に向き合っていまして、たしかにフォークで口内に入れてはいたんですが・・まぁ・・合わない・・(^^;;
と言うか、その時はワイン会でして、ブラインドのワインを別のグラスで出されていまして、はやくその答えを言えと・・急かされたんですね。でもnoisyは、目の前のそのグラスにしかもう心が動かず、ずっと向き合ってしまってましたので・・
「(・・うるさいなぁ・・)」
とずっと思ってました・・すみません・・無視してしまって・・。

話しを戻しますと、その凄いワインはまだ少しの若さは在ったとしても、やはり「完結していた」と思うんですね。その存在感に圧倒されつつも、その素晴らしい味わいと香りが完結していた・・他に何も必要なかった・・と思うんですね。
このマルセル・ダイスの2016シュナンブールは、全くイコールであるとは言えませんが、
「シュナンブールを飲んでいて・・それだけで満足してしまう!」
素晴らしい魅力が有る訳です。
それでも食はいっしょに食している・・だからどんな料理でも大丈夫・・。漬物も、焼き魚も肉も煮物も・・です。ほんのりとした甘みは有ります。しかし五味六味・・凄く感じられる複雑な味わいを、柔らかなミネラリティが包んでいる感じなんですね。
存在感のある素晴らしいワインです。アドヴォケイトはどうやら「98ポイント」のようです。是非飲んでみて下さい・・あ、このシュナンブールの後に、他のワインを飲まないでくださいね。相当厳しいことになると思います。
---以下は以前のレヴューです。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ワイン会に出すと常に良いところを持って行ってしまうマルセル・ダイス、珠玉のグラン・クリュです!美味し過ぎます!】 ほんのりと甘みを含んだ膨らみの有る仕上がりになることが多いシュナンブールです。熟成と共に徐々にドライな方向に向かっていきます。今回は飲んではいませんが、これを不味いという人は、アルコールが嫌いでなければ・・・存在しないでしょう。奥深く、幅広く、天に抜けてゆくような美しいワインです。
2012年ものにアドヴォケイトは97ポイント 飲み頃 2020~2045 と言う巨大な評価で応え、その素晴らしさを追認したようです。他のメディアではそれ以上付けているヴィンテージは数多く有りますが、アドヴォケイトは96ポイントが最高だったと思います。
他には la Revue du Vin de France 18.5/20 Points
と言う評点のようです。
それにしても、このエチケットの美しさ、細かい装飾は素晴らしいです。味わいも見た目も存在感が凄いです。そろそろ息子さんがドメーヌ・マルセル・ダイスでも醸造しているようですね。是非ご検討くださいませ。

「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。ジャン・ミシェルの主張は、つまるところ4つに集約されます。
1) なによりも、根を深く伸ばさなければならない。ビオディナミもその手段にすぎない。
2) テロワールの個性は、品種の個性を凌駕する。
3) クローン樹から造られるワインはどれも同じで、そのクローン特有の味しかしない。
4) 土壌の生態系のバランス=ワインの味わいのバランス=飲む人間の体内器官のバランス。バランスが悪いと、飲む人も疲れたりといった害を生む。良いワインは、人間を癒すものである。
ジャン・ミシェル・ダイスという人と彼のワインの本質を理解することができない人たちは、彼のことを”変わり者”と呼ぶしかないのですが、本質志向で意欲的な新世代の造り手たちからは父親のように慕われています。ここに、アルザスの明るい未来があります。1ha。平均樹齢50年。リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラの混植。軽い粘土質表土に、砂岩質、石膏、泥灰土質基盤。貴腐菌。石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。現代アルザスワインの頂点。
● 2017 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
【一口含めば・・そこには滅茶苦茶複雑ながらもシームレスな美しい姿!・・そして確かに黒葡萄の存在を感じます!・・凝縮しているのにスムース!素晴らしいです!】

このマンブール....ダイスを代表するトップ・キュヴェですが、飲まれるタイミングで大きく印象が異なるかと・・思うんですね。
しかも古くからのダイスファンでしばらく飲んでいない方・・もしおられましたら、相当ビックリするんじゃないかと思うんですよ。
だって、もし1990年代のダイスを知る人であれば、
「・・超巨大な構造の、兎に角、荘厳なワインを造っていたダイスが・・こうなの?」
と・・もしかしたらある意味、ガッカリするんじゃないかと思ったりします。
それほどにスムースに入って来て、エレガンス、高質さを見せるんですが・・そこには「エゴ」とか、ちょっとナルシスト..入ってるんじゃない?・・みたいなニュアンスは全く無いんですね。
確かにビオに転向してからのマルセル・ダイスは、以前の・・
「どうだ~・・!参ったか~!」
みたいな部分は消え、何ともピュアで美しい・・しかし実は「凄みが消えた」のではなく、「今良い部分を表情に、凄みを内面に」した姿に変貌したんですね。

グラスを伝うラインの太いこと!・・しかもグラス全体に拡がっています。どれだけの寿命を持っているのか・・とも考えさせられてしまいます。
口入れをすると・・余りのスムースさにむしろ驚いてしまいますが、口内ですり潰すようにして飲んでみると、果実表現だけを取ってみても滅茶苦茶複雑です。勿論、黒葡萄のニュアンスがするのがこの「マンブール」。果皮由来の何とも素晴らしい味わいがしますが、これはやがて「官能さ」を演出するように変化して行くと思います。
果実は単に果実では無く、柑橘もドライフルーツも・・そして多種で多彩です。普通に美味しく飲めてしまうんですが・・やがてちょっと後ろめたい気にもなってしまいます・・まだ飲むには早いんだ・・と気付かされる訳です。
でもこの非常に気持ち良い、心地良い瞬間を得たことに、有難いと思っていただけると思います。飲んで良し、セラーで育てても良しだと思います。久しぶりにダイスに正面からぶつかり合ったような気がしてちょっと嬉しくなりました。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2015年ものです!】 飲めていないので以前のレヴューを掲載しています。・・が、面白い映像が見当たりました。
「なんと、マルセル・ダイスと・・おそらく息子さんが2015年マンブールについて語っている動画!」
です。youtube に上がってました・・こちらです!
https://youtu.be/LXwN1TGce6E おそらく息子さんじゃないか・・と書いたのは、昔お会いした時の奥様に似てると思うので・・間違ってたら失礼で申し訳ないのですが、そうじゃないかな・・と。
内容はフランス語ですんで時間が無くまだ精査していないので、後程書けましたらアップします。
因みにまだ2016年ものの評価は見当たりませんが、アドヴォケイトは2015年に97ポイントまで付けました・・でも2011年までまともには評価してませんでした(80点台ですよ・・)が、
2012年 96 Points
2013年 95 Points
2014年 96+ Points
2015年 97 Points
と、前言撤回!・・のような評価っぷりです。
絶対に素晴らしいはずの2016年ものマンブール、期待しています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
● 2018 Alsace Complantation Blanc
アルザス・コンプランタスィヨン・ブラン
【何と白葡萄のみならず黒葡萄、ピノ・ノワールまで13品種の混植・混醸しています!!ある意味、マンブールを村名格で造ったような豊満な味わいです!】

こりゃぁ面白いぞと意気込んで発注したんですが、あっさり削られてしまいました。何と13種類ものアルザスを名乗れる品種を混植を含め、混醸しています。
しかもまた・・ダイスらしい幾何学的な模様にどこかホノボノとするような温かさを感じるエチケットデザインで和ませてくれます。・・まぁ、その辺の感覚は人それぞれかもしれませんが・・。
早速飲んでみました。・・なるほど~!・・そう来たか・・と言う塩梅でした。
通常のヴァン・ダルザス・ブランと価格的にはほとんど変わらないんですが、そちらがキリっとした辛口に近い分、こちらの「コンプランタスィヨン」は、「甘みの感覚」までをも「混ぜ込んで」いるかのように、辛みと僅かな甘みを交互に感じるようなニュアンスを持っています。
そして、マンブールを飲んだ時に感じるような豊かなコクも感じます。硬くソリッドなニュアンスでは無く、ふくよかで優しい・・味わいですね。あれこれ混ざっているので、一言で言い表すのは難しい感じで複雑性に富んでいます。
まぁ、混ぜることによって、「アルザス」と言うテロワールを表現しているのか・・と感じました。美味しいです!・・しかも、そんな「中口」に近い味わいですので、マリアージュは非常に楽だと思いますよ。和食系にも合わせやすいので、これからの時期、重宝するんじゃないでしょうか。
また、この Complantation(コンプランタスィヨン)と言う言葉は「移植」「合植」と言うような意味のようですが・・近い綴りの言葉に、Complainte (コンプラーント)と書く「嘆きの歌」「哀歌」が辞書で見つかりました。
どこか・・マルセル・ダイス自身、意味するものが有るのかな?・・などとも思っています。息子さんへの移譲も迫って来ているのでしょうし、アルザスの単一品種至上主義への反逆的な思い・・なども籠っているような気がしています。残り少なくなったマルセルの醸造家人生・・むしろ、このワインに息子さんからの影響も感じています。
「So2の少なさ」
「パキッとした黄色、黄金色より、ほんの僅かにくすんだような色合い」
「アロマのスピードの増大」
から、
「ナチュラル感の増大!」
に向かって来ているのが判ります。それでも危険性やアヴァンギャルド性までは無い、ベストなポジションとも言えるかと思います。是非飲んでみて下さい。お勧めします!
● 2014 Schoenenbourg Grand Cru
シュナンブール・グラン・クリュ
【ワイン会に出すと常に良いところを持って行ってしまうマルセル・ダイス、珠玉のグラン・クリュです!美味し過ぎます!2014年はアドヴォケイト95Points!!】
ほんのりと甘みを含んだ膨らみの有る仕上がりになることが多いシュナンブールです。熟成と共に徐々にドライな方向に向かっていきます。今回は飲んではいませんが、これを不味いという人は、アルコールが嫌いでなければ・・・存在しないでしょう。奥深く、幅広く、天に抜けてゆくような美しいワインです。
2012年ものにアドヴォケイトは97ポイント 飲み頃 2020~2045 と言う巨大な評価で応え、その素晴らしさを追認したようです。他のメディアではそれ以上付けているヴィンテージは数多く有りますが、アドヴォケイトは96ポイントが最高だったと思います。
他には la Revue du Vin de France 18.5/20 Points
と言う評点のようです。
それにしても、このエチケットの美しさ、細かい装飾は素晴らしいです。味わいも見た目も存在感が凄いです。そろそろ息子さんがドメーヌ・マルセル・ダイスでも醸造しているようですね。是非ご検討くださいませ。

「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。ジャン・ミシェルの主張は、つまるところ4つに集約されます。
1) なによりも、根を深く伸ばさなければならない。ビオディナミもその手段にすぎない。
2) テロワールの個性は、品種の個性を凌駕する。
3) クローン樹から造られるワインはどれも同じで、そのクローン特有の味しかしない。
4) 土壌の生態系のバランス=ワインの味わいのバランス=飲む人間の体内器官のバランス。バランスが悪いと、飲む人も疲れたりといった害を生む。良いワインは、人間を癒すものである。
ジャン・ミシェル・ダイスという人と彼のワインの本質を理解することができない人たちは、彼のことを”変わり者”と呼ぶしかないのですが、本質志向で意欲的な新世代の造り手たちからは父親のように慕われています。ここに、アルザスの明るい未来があります。1ha。平均樹齢50年。リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラの混植。軽い粘土質表土に、砂岩質、石膏、泥灰土質基盤。貴腐菌。石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。現代アルザスワインの頂点。
● 2016 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
【ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2015年ものです!】
飲めていないので以前のレヴューを掲載しています。・・が、面白い映像が見当たりました。
「なんと、マルセル・ダイスと・・おそらく息子さんが2015年マンブールについて語っている動画!」
です。youtube に上がってました・・こちらです!
https://youtu.be/LXwN1TGce6E おそらく息子さんじゃないか・・と書いたのは、昔お会いした時の奥様に似てると思うので・・間違ってたら失礼で申し訳ないのですが、そうじゃないかな・・と。
内容はフランス語ですんで時間が無くまだ精査していないので、後程書けましたらアップします。
因みにまだ2016年ものの評価は見当たりませんが、アドヴォケイトは2015年に97ポイントまで付けました・・でも2011年までまともには評価してませんでした(80点台ですよ・・)が、
2012年 96 Points
2013年 95 Points
2014年 96+ Points
2015年 97 Points
と、前言撤回!・・のような評価っぷりです。
絶対に素晴らしいはずの2016年ものマンブール、期待しています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
● 2013 Schoenenbourg Grand Cru
シュナンブール・グラン・クリュ 平行輸入品
【最高のアルザスワインです!!今回は並行輸入品ですがコンディションも良く、価格も非常にリーズナブルです!年末年始にもいかがでしょう?】
マルセル・ダイスの看板ワインのひとつ、アルテンベルク2012とシュナンブール2013です。13種類のアルザス品種全てを一緒に栽培しています。混醸では無く、混植・・です。通常は全ての品種の開花時期や収穫時期が異なるのが普通ですが、一緒に栽培することで同時になる・・と言う不思議を実践しています。
やはり非常に複雑な味わいですが、見事に一体感のある味わい・・グラスの写真が無いのが残念ですが、
「ワイン会に出すと全て持って行ってしまうアイテム」
でも有ります。
何せ・・エチケットがまぁ~・・非常に細かな独特の装飾で飾られ、美しいです。そして飲んで・・ビックリ!・・です。
ほんのり甘さが有るヴィンテージも有りますが、豊かでバランスの良い酸がキッチリ有るので、甘いとは思わないかもしれませんし、年を経ると徐々にドライになって行くようです。(以前、同じものをかなりの年数ののちに飲んで・・ドライになっててビックリしました・・個体差かもしれませんが・・。)
今回は、並行輸入の品物です。価格は何故か非常にリーズナブルです。品質も問題有りません。
どちらのアイテムも95点とか96点とか・・です。でも飲んだら・・限りなく100点に近いニュアンスになってしまうんじゃないでしょうか。2012年のアルテンベルクは、ベタンヌ19.5ポイントですし!
なお、アルテンベルクはピノ・ノワールも入っていたと思いますが、シュナンブールには入っていません。その辺の違いも面白いと思います。是非ご検討よろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ワイン会に出すと常に良いところを持って行ってしまうマルセル・ダイス、珠玉のグラン・クリュです!美味し過ぎます!2012年はアドヴォケイト97Points!!】 ほんのりと甘みを含んだ膨らみの有る仕上がりになることが多いシュナンブールです。熟成と共に徐々にドライな方向に向かっていきます。今回は飲んではいませんが、これを不味いという人は、アルコールが嫌いでなければ・・・存在しないでしょう。奥深く、幅広く、天に抜けてゆくような美しいワインです。
2012年ものにアドヴォケイトは97ポイント 飲み頃 2020~2045 と言う巨大な評価で応え、その素晴らしさを追認したようです。他のメディアではそれ以上付けているヴィンテージは数多く有りますが、アドヴォケイトは96ポイントが最高だったと思います。
他には La Revue du Vin de France 18/20 Points
Wine Enthusiast 96Points
と言う評点のようです。
それにしても、このエチケットの美しさ、細かい装飾は素晴らしいです。味わいも見た目も存在感が凄いです。そろそろ息子さんがドメーヌ・マルセル・ダイスでも醸造しているようですね。是非ご検討くださいませ。

「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。ジャン・ミシェルの主張は、つまるところ4つに集約されます。
1) なによりも、根を深く伸ばさなければならない。ビオディナミもその手段にすぎない。
2) テロワールの個性は、品種の個性を凌駕する。
3) クローン樹から造られるワインはどれも同じで、そのクローン特有の味しかしない。
4) 土壌の生態系のバランス=ワインの味わいのバランス=飲む人間の体内器官のバランス。バランスが悪いと、飲む人も疲れたりといった害を生む。良いワインは、人間を癒すものである。
ジャン・ミシェル・ダイスという人と彼のワインの本質を理解することができない人たちは、彼のことを”変わり者”と呼ぶしかないのですが、本質志向で意欲的な新世代の造り手たちからは父親のように慕われています。ここに、アルザスの明るい未来があります。1ha。平均樹齢50年。リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラの混植。軽い粘土質表土に、砂岩質、石膏、泥灰土質基盤。貴腐菌。石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。現代アルザスワインの頂点。
● 2016 Berckem Blanc
ベルケム・ブラン
【日本には通常輸入されていないキュヴェです!ほんのりと僅かな甘みが乗ったナチュラルさと滑らかさが心地良いヴァン・ダルザス・ブランの上級品です!】

13種もの葡萄が結果的にブレンドされたと言う・・ベルケム白です。最も、ダイスの畑は混植ですから、
「混植された葡萄の区画と、別に混植された葡萄の区画のブレンド」
が正解で、そのどちらもがベルクハイムに有る区画・・だと言うことですね。
そして、定番で置いておりました「ヴァン・ダルザス・ブラン」と価格が変わらないので、一度入れてみようかと思って仕入れさせていただきました。
あ、因みにこちらは正規品では無く、ブローカー購入です。もし正規品になると、そもそもが上級キュヴェですので千円位は上がるんじゃないかと思います。
比較的ドライで若い印象を残す場合が多い「ヴァン・ブラン」に比較しますと、葡萄の熟度がかなり高いです。アルザスは結構、夏場は暑いですんで、熟度も上がる訳ですね。なので、「ヴァンダンジュ・タルディヴ」=「遅摘み」の甘口ワインが生まれる訳ですが、
「とてもそこまで甘い味わいには及ばないが、土地の気温を積み重ねた温度感からのほんのりとした甘みがある」
のが特徴かな・・と思います。
僅かな甘みですので、当然ながら酸もそれなりにしっかり有ります。表面張力の有る、僅かに粘りの有る液体からの柑橘や果実感が心地良く、ダイスならではのしっかりしたミネラリティも豊かさを助長しています。
ドライな感が良ければ「ヴァン・ダルザス・ブラン」かと思いますが、マリアージュの楽さや、ワイン自体の美味しさ、高級感、そしてほんのりとした甘みは、むしろそれなりに冷やして飲んでも味わいが沈まないことを考えれば、まだ暑いこの時期にも行けるんじゃないかと思います。
あまり出回っていないマルセル・ダイスの混植混醸白ワイン・・・13種類ですので、間違いなく、黒葡萄のニュアンスも受け取れることと思います。流石に「マンブール」とは行かないと思いますが・・(^^;; 是非ご検討くださいませ。
● 2014 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ 並行輸入品
【ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2014年ものです!】
飲めていないので以前のレヴューを掲載しています。・・が、面白い映像が見当たりました。
「なんと、マルセル・ダイスと・・おそらく息子さんが2015年マンブールについて語っている動画!」
です。youtube に上がってました・・こちらです!
https://youtu.be/LXwN1TGce6E おそらく息子さんじゃないか・・と書いたのは、昔お会いした時の奥様に似てると思うので・・間違ってたら失礼で申し訳ないのですが、そうじゃないかな・・と。
内容はフランス語ですんで時間が無くまだ精査していないので、後程書けましたらアップします。
因みに2015年ものの評価は見当たりませんが、アドヴォケイトは・・2011年までまともには評価してませんでした(80点台ですよ・・)が、
2012年 96 Points
2013年 95 Points
2014年 96+Points
と、前言撤回!・・のような評価っぷりです。
絶対に素晴らしいはずの2014年ものマンブール、期待しています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
● 2006 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ 並行輸入品
【こちらは2006年もの!飲み頃でしょう!ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!!】
平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
● 2017 Vin d'Alsace Blanc
ヴァン・ダルザス・ブラン
【これもある意味完璧!!】
マルセル・ダイスのベースクラスのワインですが、実はこれが絶妙に旨い!マンブールやシュナンブールの偉大さは纏っていないものの、良く香り、まん丸のパレットを形成し、細胞に染み入るのである。強過ぎず弱くなく、声高では無いにせよ、主張は確実にしている。
前にもどこかで書いたかもしれませんが、ワインというもののは品種独特の香りがするものだ・・・等とのたまう方が時折いらっしゃいます。カベルネはこんなでメルロはこう・・と。そんなこたぁ無い・・・。確かにその品種に出易い香りは有るにせよ、独特の香りがするのはほんの僅かである。本物のワインは香りも味も、畑の味、環境が造るものなんだよ・・ということは、マルセル・ダイスのワインを飲めば判る。品種独特、特有の香りを常に放つのなら、オーストラリアで造ってもアルザスで造っても同じ香りがするはずだ。ソムリエ試験用のペラペラワイン風飲料なんぞ、なんの役にも立たんし、何より美味しくない。
このワインに関しては、むしろダイスらしくない混植では無くて混醸なのだと思いますが、それでもダイスの感覚に、全てがひとつに溶け合う味わいが刷り込まれているように思います。だから、それぞれの品種が喧嘩・主張しあうのでは無くて、手を結び合っている・・。そんな感じのする、暖かい、柔らかいワインです。
彼のこの数年のビオのトライにより、鮮烈な黄色をしていたワインはやや暗い色合いを基調とするようになりましたが、余韻の長さが確実に伸び、硬い酒質が柔らかく変貌しています。パワーに頼った味わいは影を潜め、エレガンスが倍増しています。素晴らしいワイン!是非飲んでください。お奨めします!
■エージェント情報
地元ベルグハイムの各品種畑区画のブレンド。ピノ・ブラン、リースリング、ゲヴュルツトラミネールが70%、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ミュスカ、シルヴァネールが30%。平均樹齢20年。辛口。「最も安い(この)ワインですら、他のドメーヌの最高価格品よりは上という驚異的な品質」(田中克幸氏)
「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。
現代アルザスワインの頂点を極めるジャン・ミッシェル・ダイス。アルザスに初めて「テロワール」の概念を持ち込んで大論争を巻き起こし、遂にはAOC法の改正(ラベルに品種名を表記しなくてもよくなったこと等々)を成し遂げた、信念の男。現在も彼が昔から提唱する、畑の個性に基づく「プルミエクリュ」を実現させるべく運動を続けています。
「ぶどうの樹は、自ら養分を求めて根を土中に伸ばします。この土中深くにあるものがその土地のテロワールです。ここは気候の影響もほとんど受けません。根が地表に留まると気候の影響をモロに受け、土地の個性は失われてしまいます。僕のワインは、例えば酷暑だった2003年も、濃さは例年と変わりませんでした。ビオディナミも、このテロワールを引き出すための手段に過ぎません。」
「また今日、アルザスのほとんどの畑で同じクローンばかりが植えられるようになりました。その結果、どのワインを飲んでもクローンの個性の味しかしなくなりました。アルザスの土壌は、太古の地殻変動に由来する極めて複雑で多様なものです。個々の土地の強烈な個性をそのままワインに表現することが、僕の人生です」。
● 2015 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
【ピノ・ノワールまで混植の畑のマンブール!ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2015年ものです!】
飲めていないので以前のレヴューを掲載しています。・・が、面白い映像が見当たりました。
「なんと、マルセル・ダイスと・・おそらく息子さんが2015年マンブールについて語っている動画!」
です。youtube に上がってました・・こちらです!
https://youtu.be/LXwN1TGce6E おそらく息子さんじゃないか・・と書いたのは、昔お会いした時の奥様に似てると思うので・・間違ってたら失礼で申し訳ないのですが、そうじゃないかな・・と。
内容はフランス語ですんで時間が無くまだ精査していないので、後程書けましたらアップします。
因みに2015年ものの評価は見当たりませんが、アドヴォケイトは・・2011年までまともには評価してませんでした(80点台ですよ・・)が、
2012年 96 Points
2013年 95 Points
2014年 96+Points
と、前言撤回!・・のような評価っぷりです。
絶対に素晴らしいはずの2015年ものマンブール、期待しています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
● 2012 Altenberg de Bergheim Grand Cru
アルテンベルグ・ド・ベルクハイム・グラン・クリュ 平行輸入品
【最高のアルザスワインです!!今回は並行輸入品ですがコンディションも良く、価格も非常にリーズナブルです!年末年始にもいかがでしょう?】
マルセル・ダイスの看板ワインのひとつ、アルテンベルク2012とシュナンブール2013です。13種類のアルザス品種全てを一緒に栽培しています。混醸では無く、混植・・です。通常は全ての品種の開花時期や収穫時期が異なるのが普通ですが、一緒に栽培することで同時になる・・と言う不思議を実践しています。
やはり非常に複雑な味わいですが、見事に一体感のある味わい・・グラスの写真が無いのが残念ですが、
「ワイン会に出すと全て持って行ってしまうアイテム」
でも有ります。
何せ・・エチケットがまぁ~・・非常に細かな独特の装飾で飾られ、美しいです。そして飲んで・・ビックリ!・・です。
ほんのり甘さが有るヴィンテージも有りますが、豊かでバランスの良い酸がキッチリ有るので、甘いとは思わないかもしれませんし、年を経ると徐々にドライになって行くようです。(以前、同じものをかなりの年数ののちに飲んで・・ドライになっててビックリしました・・個体差かもしれませんが・・。)
今回は、並行輸入の品物です。価格は何故か非常にリーズナブルです。品質も問題有りません。
どちらのアイテムも95点とか96点とか・・です。でも飲んだら・・限りなく100点に近いニュアンスになってしまうんじゃないでしょうか。2012年のアルテンベルクは、ベタンヌ19.5ポイントですし!
なお、アルテンベルクはピノ・ノワールも入っていたと思いますが、シュナンブールには入っていません。その辺の違いも面白いと思います。是非ご検討よろしくお願いいたします。
● 2012 Schoenenbourg Grand Cru
シュナンブール・グラン・クリュ
【ワイン会に出すと常に良いところを持って行ってしまうマルセル・ダイス、珠玉のグラン・クリュです!美味し過ぎます!2012年はアドヴォケイト97Points!!】
ほんのりと甘みを含んだ膨らみの有る仕上がりになることが多いシュナンブールです。熟成と共に徐々にドライな方向に向かっていきます。今回は飲んではいませんが、これを不味いという人は、アルコールが嫌いでなければ・・・存在しないでしょう。奥深く、幅広く、天に抜けてゆくような美しいワインです。
2012年ものにアドヴォケイトは97ポイント 飲み頃 2020~2045 と言う巨大な評価で応え、その素晴らしさを追認したようです。他のメディアではそれ以上付けているヴィンテージは数多く有りますが、アドヴォケイトは96ポイントが最高だったと思います。
他には La Revue du Vin de France 18/20 Points
Wine Enthusiast 96Points
と言う評点のようです。
それにしても、このエチケットの美しさ、細かい装飾は素晴らしいです。味わいも見た目も存在感が凄いです。そろそろ息子さんがドメーヌ・マルセル・ダイスでも醸造しているようですね。是非ご検討くださいませ。

「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。ジャン・ミシェルの主張は、つまるところ4つに集約されます。
1) なによりも、根を深く伸ばさなければならない。ビオディナミもその手段にすぎない。
2) テロワールの個性は、品種の個性を凌駕する。
3) クローン樹から造られるワインはどれも同じで、そのクローン特有の味しかしない。
4) 土壌の生態系のバランス=ワインの味わいのバランス=飲む人間の体内器官のバランス。バランスが悪いと、飲む人も疲れたりといった害を生む。良いワインは、人間を癒すものである。
ジャン・ミシェル・ダイスという人と彼のワインの本質を理解することができない人たちは、彼のことを”変わり者”と呼ぶしかないのですが、本質志向で意欲的な新世代の造り手たちからは父親のように慕われています。ここに、アルザスの明るい未来があります。1ha。平均樹齢50年。リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラの混植。軽い粘土質表土に、砂岩質、石膏、泥灰土質基盤。貴腐菌。石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。現代アルザスワインの頂点。
● 2012 Burg Cru d'Alsace le Vignoble Feodal
ビュルク・クリュ・ダルザス・ル・ヴィニョーブル・フェオダル
【・わおっ!・・マルセル・ダイスの進化も極まりつつあるようです!】

懐かしいですね・・1980年代のマルセル・ダイスを一応知る者としましては、
「・・ここまで来たか・・」
と言う高揚した気持ちと、
「・・・一体・・どこまで行くのよ・・」
と言うような不安な気持ちとが交錯します。
1980年代から1990年代初頭のマルセル・ダイスは、まだビオディナミに傾倒することなく、重厚長大で古典的・・と言うか、普通な造りをしていました。
しかしながらそのワインの持つ「オーラ」と、飲んでみて感じる「圧倒されるほどの凄み」は、ワインを好む者にとってみれば唯一無比の存在でした。
それがどうでしょうね・・1997年までは覚えていますが、So2をそれなりに使用する醸造を徐々に止めて行き、勿論、畑仕事はそれよりも早くビオ由来のものに変更して行ったように感じます。noisy がマルセルに東京で出会ったのもその後のワインのリリース頃かと思います。是非とも彼にお話しを聞きたかったんですが、奥さん(元・・!)に前に出られて早口でまくしたてられ、ブースの後ろの方に引きこもっていたマルセルとは話せずじまい・・。ちょうどルロワ女史もいらしており、高島屋さんの営業さんが、
「これからドメーヌ・ルロワのコルトンを開けます!」
と言う言葉にそそのかされ・・?・・踵を返してその、これまた至宝のワインをいただきに、グラスを差し出しに行ってしまいました。今ではマルセルも息子さんにほとんど任せるようになったのかな・・と思います。時代の流れを感じてしまいます。
下のグラスの写真は2009年のものです・・是非今回の2011年と比較してみてください・・。ビックリでしょ?・・色合いの質が全然違うんですよ。
2009年ものは、
「ん・・安心できる色。でもSo2はまだ使ってるね・・」
と感じます。しかし・・・それからたった2年後の2011年もの、左(上)の写真はどうでしょう?・・
「・・こりゃぁ・・おそらくSo2は使ってないな・・」
と感じるかな・・と思います。勿論ですが色合いだけでは無く、アロマの立ち上がり具合を見て・・の総合的な判断の結果の話しです。
ですので、ま~・・テクスチュアが柔らかいです。しかも、
「まったく危険性を感じない見事な仕上がり!」
です。この色に赤味が差していたりすると、noisy 的には飲む前から眉に唾をしなくてはならなくなります。それってエッジにね・・出やすいんですね・・。
蜜や柑橘、様々な色合いの果実が非常にソフトに感じさせてくれます。1990年頃のダイスのワインとは・・全く違う表情です。勿論、2009年ともかなり違います。以前のものはもっとソリッドで、冷たいエッジが有り、非常に冷ややかで・・エキセントリックでした。
しかし2011年ものは、表情は全く違うように見えて・・実はほぼ同じじゃないか?などと思ってしまいます。何故って、非常に複雑性が高く、飲めば飲むほど深遠さを感じて来てしまうからです。
「・・寄らば切るぞ!」
みたいな、サムライの持つ光る刀のような以前のダイスのビュルクに比較すると、
「・・おかえりなさ~~い!」
と、優しく出迎えてくれる・・機嫌の良い時のカミさんのような・・(^^;;・・しかし、実はちゃんと・・
「(・・さぁ・・旦那が帰って来た・・後で言うことはシッカリ・・言わせていただきますから・・ね!)」
と、そのポテンシャルを目立たぬようにちゃんと後ろ手に隠しているんでしょうね~。・・もしかしたら、その手に持っているのは、上杉謙信由来の名刀、「鉄砲切り兼光」並みのものかもしれません・・。・・怖いです・・ね・・。
まぁ、ハッキリ言いまして、2009年よりもポテンシャルは高いです。しかし、このフカフカの土を連想させるソフトさ、身体に角度無く入ってくる液体の馴染みの良さは、
「本当に同じワインなのか・・いや、やっぱり同じなんだよな・・」
と・・理解するしか有りません。
美味しいワインでした。混植ですから・・オーストリアの例のワインだと「ゲミシュターサッツ」ですね・・。スペクテイターは92ポイント、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァン・ド・フランスは18/20ポイントと、
「・・ほ~・・この色でもちゃんと評価してるな・・」
と思えるものでした。
さらなる進化を始めたマルセル・ダイスです。2012年のシュナンブールはアドヴォケイトも97ポイントと・・史上最高の評価をしています。何てったって飲み心地の良いビオ系ワイン・・しかも偉大さを隠し持っています。是非飲んでみてください。お勧めです!
【ダイスが進めるアルザス・プルミエ・クリュの代表格!複雑で滑らかなやや甘口!蜜のニュアンスに果実とスパイス!13品種の混植です!】
「封建的な葡萄栽培地」と訳すのでしょうか・・・「le Vignoble Feodal」(レ・ヴィニョーブル・フェオダル)。
マルセル・ダイスが自称で言い始めた「アルザス・プルミエ・クリュ」ですが、実際に原産地呼称に入るように運動しているようです。
このアルザス・プルミエ・クリュは、ブルゴーニュのようなテロワールの違い、優位性をAOC認定しようと言うものです。特にマルセル・ダイスは、アルザスの多くの生産者がするような、
「品種別の栽培・醸造」
にまったくこだわりが無く、むしろ、「混植」(品種別に植えない)にこだわっていて、あくまで葡萄品種は「畑の個性=テロワールの表現」をするために混ぜて植えた方が良い・・と言う考えによるものです。
混植することによって、本来なら品種ごとに開花時期や収穫時期に違いが出るものが、お互いに影響しあって、「一緒に収穫できるようになる」からのようです。
このビュルク・クリュ・ダルザスは、まだ「自称プルミエ・クリュ」です。しかしながら飲んでみると、
「半端なグラン・クリュより大柄で複雑性が高い」
ことが判ります。グラン・クリュ格付けをされていてもビュルクよりも全く劣るに違いないと思われるワインが沢山有ります。
少しこってりとしていて、少しだけ甘みが有ります。「ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘み)」に近いと思われますが、一般的なそれよりは甘くないです。酸がキッチリ・・非常にバランス良く出ていますので、ダレて感じられることは有りません。また透明なミネラリティが物凄いです。オイリーで複雑、しかも繊細さのあるやや甘口です。かなり美味しいです。ダイスご自慢のシュナンブールには及びませんが、目隠しで飲むとシュナンブールと言ってしまいそうですね。
フルーツもドライフルーツ、生の果実が沢山の種類で感じられます。甘過ぎないのが良いです。
まぁ、アルザス品種を13種類も混植していますんで・・そりゃぁ複雑性高いですよね。でもバランスも凄い!・・是非飲んでいただきたい逸品!ご検討くださいませ!
● 2012 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
● 2011 Mambourg Grand Cru
マンブール・グラン・クリュ
【ピノ種大集合の白ワインです!しかも良年2011年ものです!】
1.5ha。平均樹齢15年。ピノ・グリ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、ピノ・ブラン、ピノ・ブーロの混植。第三紀の石灰岩と泥灰土基盤で、表土の石灰・マグネシウム層に陽光がたっぷりと降り注ぎます。テロワールから見たぶどうの特長は、タンニンがとても力強く、かつまろやかという点で、ヘクタールあたり15~20ヘクトリットルという超低収量と相まって、口に含んだときの巨大なスケール感の源となっています。この畑は風が強いため貴腐菌がつかず、ダイスのグランクリュ唯一の辛口です。心深く感動させられる作品です。
(↑エージェント情報)
noisy も大好きなマンブール・・・。これだけは毎年欠かさず購入しています。
なお、混醸と混植を間違えないようにしてくださいね。ダイスのグラン・クリュは、「混植」で、ひとつの畑に様々な品種が混ざって植えられているんです。別々に収穫して醸造、後でブレンドしている(混醸)訳では有りません。我々も社会の中で色々な人と関わり合い、影響しあって生きているように、本来収穫時期が全く違う葡萄品種も影響し有って、発芽や成長、収穫がほぼ同時になるという・・・、生態系そのものまで含んだテロワールを感じさせてくれます。
このワインも甘いのか辛口なのか・・・今でもはっきりしません。確かに甘くは無いが、物凄いエキス感が旨味を強く感じさせ、甘みを脳に感じさせてしまうのかもしれませんし、いつもこのワインをご紹介するときに言っているように、
「目を瞑って飲んだら赤!」
みたいなニュアンスがヒシヒシ伝わってくると思います。グレートな、フランスを代表するワインだと思います。
.
● 2011 Schoenenbourg Grand Cru
シュナンブール・グラン・クリュ
【ワイン会に出すと常に良いところを持って行ってしまうマルセル・ダイス、珠玉のグラン・クリュです!美味し過ぎます!】
やや甘みを含んだ仕上がりになることが多いシュナンブールです。熟成と共に徐々にドライな方向に向かっていきます。今回は飲んではいませんが、これを不味いという人は、アルコールが嫌いでなければ・・・存在しないでしょう。奥深く、幅広く、天に抜けてゆくような美しいワインです。
2011年はアドヴォケイトの評価が見当たらず、
La Revue du Vin de France 18/20 Points
Stephen Tanzer 93Points
と言う評点のようです。
それにしても、このエチケットの美しさ、細かい装飾は素晴らしいです。味わいも見た目も存在感が凄いです。そろそろ息子さんがドメーヌ・マルセル・ダイスでも醸造しているようですね。是非ご検討くださいませ。

「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。ジャン・ミシェルの主張は、つまるところ4つに集約されます。1) なによりも、根を深く伸ばさなければならない。ビオディナミもその手段にすぎない。2) テロワールの個性は、品種の個性を凌駕する。3) クローン樹から造られるワインはどれも同じで、そのクローン特有の味しかしない。4) 土壌の生態系のバランス=ワインの味わいのバランス=飲む人間の体内器官のバランス。バランスが悪いと、飲む人も疲れたりといった害を生む。良いワインは、人間を癒すものである。ジャン・ミシェル・ダイスという人と彼のワインの本質を理解することができない人たちは、彼のことを”変わり者”と呼ぶしかないのですが、本質志向で意欲的な新世代の造り手たちからは父親のように慕われています。ここに、アルザスの明るい未来があります。1ha。平均樹齢50年。リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラの混植。軽い粘土質表土に、砂岩質、石膏、泥灰土質基盤。貴腐菌。石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。現代アルザスワインの頂点。
● 2009 Altenberg de Bergheim Grand Cru
アルテンベルグ・ド・ベルクハイム・グラン・クリュ
【わお!!!】
マルセル・ダイスの看板ワインながら、日本にはなかなか紹介されなかったアイテムをご紹介します。エクスクルーシヴの関係でしょうかね。アルテンベルク・ド・ベルクハイムは、業務用には流れているようですが、一般向け、ワイン屋向けには余り出てきませんでした。今回は正規の扱いですが、受注発注みたいな感じです。
アルテンベルク・ド・ベルクハイムは、アドヴォケイトでも常に高い評価で・・・実にレアなアイテムです。今回は少量のみ・・・確保しました。グレートイヤーの逸品と言えるでしょう。ホント、この数年の間は、ボトルを実際に見る事も無かったです。
今回はどちらも飲めていない・・・希少なキュヴェです。マルセル・ダイス・ファンの多いnoisy のお客様には、この位のご案内で充分伝わるかな?と思います。
因みにアドヴォケイトはこの2009年ものは評価が見当たらず、
La Revue du Vin de France 18.5/20
Gault et Millau 18/20
Bettane et Desseauve 18/20
とのことです。是非ともご検討くださいませ。
● 2009 Schoenenbourg Grand Cru
シュナンブール・グラン・クリュ
【La Revue du Vin de France は19/20 Points!マルセル・ダイス、珠玉のグラン・クリュです!】
やや甘みを含んだ仕上がりになることが多いシュナンブールです。飲んではいませんが、これを不味いという人は、アルコールが嫌いでなければ・・・存在しないでしょう。奥深く、幅広く、天に抜けてゆくような美しいワインです。
2000年、2004年に続いて2006年もアドヴォケイトで96ポイントです。2009年は見当たらず、ラ・ルヴェ・デュ・ヴァンが19/20Points と凄い評価、ルカ・ガルディーニ(29歳で2010年世界ソムリエコンクール優勝)さんが95Points と、もう高いこのレベルで安定しています。

「何かをよくしようと思ったら、それは愛によってのみ可能だ」。ジャン・ミシェルの主張は、つまるところ4つに集約されます。1) なによりも、根を深く伸ばさなければならない。ビオディナミもその手段にすぎない。2) テロワールの個性は、品種の個性を凌駕する。3) クローン樹から造られるワインはどれも同じで、そのクローン特有の味しかしない。4) 土壌の生態系のバランス=ワインの味わいのバランス=飲む人間の体内器官のバランス。バランスが悪いと、飲む人も疲れたりといった害を生む。良いワインは、人間を癒すものである。ジャン・ミシェル・ダイスという人と彼のワインの本質を理解することができない人たちは、彼のことを”変わり者”と呼ぶしかないのですが、本質志向で意欲的な新世代の造り手たちからは父親のように慕われています。ここに、アルザスの明るい未来があります。1ha。平均樹齢50年。リースリング、ミュスカ、ピノ・グリ、シルヴァネール、シャスラの混植。軽い粘土質表土に、砂岩質、石膏、泥灰土質基盤。貴腐菌。石膏中に硫黄分が多く含まれていることで有名な伝説的な畑で、ワインにもマッチを擦ったような香りが感じられます。「10年間は開かない」という厳格で荘厳なスタイル。現代アルザスワインの頂点。
● 2009 Burg Cru d'Alsace le Vignoble Feodal
ビュルク・クリュ・ダルザス・ル・ヴィニョーブル・フェオダル
【ダイスが進めるアルザス・プルミエ・クリュの代表格!複雑で滑らかなやや甘口!蜜のニュアンスに果実とスパイス!13品種の混植です!】

「封建的な葡萄栽培地」と訳すのでしょうか・・・「le Vignoble Feodal」(レ・ヴィニョーブル・フェオダル)。
マルセル・ダイスが自称で言い始めた「アルザス・プルミエ・クリュ」ですが、実際に原産地呼称に入るように運動しているようです。
このアルザス・プルミエ・クリュは、ブルゴーニュのようなテロワールの違い、優位性をAOC認定しようと言うものです。特にマルセル・ダイスは、アルザスの多くの生産者がするような、
「品種別の栽培・醸造」
にまったくこだわりが無く、むしろ、「混植」(品種別に植えない)にこだわっていて、あくまで葡萄品種は「畑の個性=テロワールの表現」をするために混ぜて植えた方が良い・・と言う考えによるものです。
混植することによって、本来なら品種ごとに開花時期や収穫時期に違いが出るものが、お互いに影響しあって、「一緒に収穫できるようになる」からのようです。
このビュルク・クリュ・ダルザスは、まだ「自称プルミエ・クリュ」です。しかしながら飲んでみると、
「半端なグラン・クリュより大柄で複雑性が高い」
ことが判ります。グラン・クリュ格付けをされていてもビュルクよりも全く劣るに違いないと思われるワインが沢山有ります。
少しこってりとしていて、少しだけ甘みが有ります。「ヴァンダンジュ・タルディヴ(遅摘み)」に近いと思われますが、一般的なそれよりは甘くないです。酸がキッチリ・・非常にバランス良く出ていますので、ダレて感じられることは有りません。また透明なミネラリティが物凄いです。オイリーで複雑、しかも繊細さのあるやや甘口です。かなり美味しいです。ダイスご自慢のシュナンブールには及びませんが、目隠しで飲むとシュナンブールと言ってしまいそうですね。
フルーツもドライフルーツ、生の果実が沢山の種類で感じられます。甘過ぎないのが良いです。
まぁ、アルザス品種を13種類も混植していますんで・・そりゃぁ複雑性高いですよね。でもバランスも凄い!・・是非飲んでいただきたい逸品!ご検討くださいませ!
● 2000 Rotenberg
ローテンベルグ
【 もの凄い出来..だそうです..】
リースリング、ピノ・グリ、シャスラ、ピノ・ノアールの混醸による、自称プルミエクリュです。ただし、ツィント・ウンブレヒトさんも造ってますよね..。IWC 92~94 Points、アドヴォケイト94Points で揃っています。
● 2000 Grasberg
グラスベルク
【 自称プルミエクリュの畑です..】
noisy も初めて見た畑のワインです。ダイスは、グランクリュの畑の上下にある区画の良い部分を、ブルゴーニュに見立てて「プルミエ・クリュ」と呼んでいます。勿論のこと、AOCの規定には有りません。今回ご紹介のグランクリュ畑「アルテンベルク・ド・ベルクハイム」 の北東に位置するモノポールだそうです..。
何しろ凄いのはアドヴォケイトの評価ですね。94 Points で「旨いが飲むのは2006年から..」と言っています。IWCタンザーさんも 91~94Points です。
Copyright(C) 1998-2023 Noisy Wine [ Noisy's Wine Selects ] Reserved