ポンソのサン=ロマン・ブランの2013年、ブローカー仕入れです。以前に仕入れていましたがご紹介漏れです。なので、決して高くは有りませんが、以前は8000円ほどで販売出来たんですね。
ご当主だったローラン・ポンソはドメーヌを去り、息子さんとネゴスワインを造っています。noisy が知っているドメーヌ・ポンソのワインは、
「新樽も使わず古い樽を毎年直して使っている」
と言う、PKさんの言葉が表している通りの・・古いタイプの造り手でした。ローランは、
「テロワールの味わいがちゃんとするワインをネゴスで造ってみたい」
と、「ローラン・ポンソ」を始めたと言います。ローラン・ポンソの情報を得て見てみますと、最新の設備を用意され、凄いセラーです。ローランのA.C.ブルも仕入れてみましたが、美味しいですが・・ん~・・何だろう・・この違和感は・・と言う感じが拭えませんでした。
そもそもドメーヌ・ポンソのワインは、最初から良く判らなかった・・(^^;; まぁ、ビオとか自然派とかの言葉を知らない頃からテイスティングしていますので、
「・・どうしてこんなにブレが激しいんだろう?」
とも思っていましたし、1994年のワインはほぼほぼ・・余り当たらなかった記憶が有ります。
でも、ローランが造るパスグラとか・・滅茶美味しくて・・しかも、当たった時のポンソは半端無かったのも事実です。
余りに高価になってしまって以来、扱いを止めてしまったのは・・
「結局 noisy はポンソを理解し損ねた」
のかもしれません。
この2013年のサン=ロマンは何度か仕入れていまして、最後の仕入れ分をすっかり忘れていた訳です。むしろその時の仕入れが余り安くは無かったので、「忘れよう」としていたのかもしれません。
今はもう、1万円以下では見当たらないはずですし、
「おそらく完熟に近いはず!」
ですので、先の窄まった古酒用のグラスも用意していただき、ゆっくりと・・モンラッシェと同じ土壌と言われるサン=ロマンをお楽しみください。
なお、正規品ではありませんが、キャプスュルはクルクル回り、色合いのチェック、漏れのチェックも行っています。申し訳ありませんがブショネは開けない限り検出不可能ですし、ブローカーものの古い仕入れですから返せませんので、その際はご容赦ください。
以下はこのワインの以前のレヴューです。
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【安いと思います!一般的評価は90点ほどですが、実際はそんなもんじゃないはず!コンディションが良いとポンソは美味しい!特にちょいオフが良いです!】 昨年に続きまして、ちょうど飲み頃になってきたと思われるローラン・ポンソ作、2013年のサン=ロマン・キュヴェ・ド・ラ・メサンジュ・ブラン をご紹介します。飲んでご案内しようと思っていましたが、余りに・・
「テイスティングしなければならないアイテムが行列状態!」
になっている現況を鑑み、
「・・飲みたいんだけどなぁ・・」
と言う強い欲望を何とか抑えています。
そんな状況ですので、まぁ・・非常にリーズナブルにご案内させていただけたことを思えば、おそらく早々に完売するかなぁ・・と想像しています。が、もし余り芳しくない場合は、
「テイスティングさせていただいて、販売価格をアップして再度ご案内!」
というようなルートをたどることになるかと思います。
何せ、2012年のメサンジュも滅茶美味しかったですからね。ピュアだしナチュラルだし・・何と言ってもマイナーなアペラシオンのマイナーたる部分が感じられず、飲んでいてとても美味しい・・しかも身体が喜ぶ感じが何とも言えません。
しかし、一般的な評価、今になってその2012年ものを探してみると、アメリカンなセラー・トラッカーは88ポイント平均、2011年ものをバーガウンドが87~89ポイントと、悪くはないものの、
「サン=ロマンとしての評価に留まったまま」
でした。まぁ、アメリカへ輸入されたもののコンディションで随分印象も変わってしまうと思いますしね。noisy もその昔は、
「・・どうしてポンソって、こんなに品質がバラけるんだろう・・」
と不思議でした。その頃はビオだとか自然派だとか・・それ自身の言葉も、それに対する情報も無かった時代ですからね。ローラン・ポンソも余りにコンディションの悪い自身のワインが出回っていることに気付き、いち早く、
「温度が高くなると色が変わる〇が付いたエチケット」
を採用したんですね。
まぁ、純然たるワインのポテンシャル・出来の評価をしているティム・アトキン氏のような感性の方が多いと良いんですが、飲んだらとても美味しいですし、テンションも上がるでしょうから、noisy の言っている意味も判るかと思います。
しかしながら、最新の2015年ヴィンテージものはすでに1万上代を超えてしまっていますので、これからは5桁を我慢しなければ購入できないワインになってしまうでしょう。
因みに2013年ものはアドヴォケイトはニール・マーティン氏が88~90ポイント、
「滅茶美味しくて快楽主義だ!」
と言っております。
飲みたいですね~・・今年の正月、状態の良いポンソの古いクロ・サン=ドニを飲ませていただきましたが、
「・・?・・デュジャックのクロ・ド・ラ・ロシュ??・・ん~・・ちと違うなぁ・・」
と、思いきり外しました。ポンソが浮かんで来なかったんですね~・・残念!
今回は「正規品」では無く、ブローカーより仕入れています。コンディションも良いです。ぜひご検討くださいませ!
以下は2012年の「サン=ロマン・キュヴェ・ド・ラ・メサンジュ・ブラン」のレヴューです。
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【この自然な風合いの色!透明なミネラルが透けて見えるような佇まい!気品高くナチュラルさが光る素晴らしい味わいでした!価格も安いです!】
『ローラン・ポンソ、ドメーヌ・ポンソを去って新ワイナリー設立』 の記事が、ワインジャーナリストの山本昭彦さんからアップされ、
「えっ?・・どういうこと?」
と思われた方も多いことかと思います。noisy もちょっとビックリしました。
でも、ドメーヌの継承時の畑の分散を防ぐために、農業法人を設立したり、生前贈与を早くからやったりと・・相続税の高いフランスでは当たり前のことなんですね。
しかも、さらなる飛躍・・・と言うか、畑を所有したいと思っても、莫大な資金が必要になりますから、多くの造り手がネゴシアンを営んでいます。ポンソのように人気のある造り手は、経営安定化のため、自身のスタイルを確立するためにもっと畑が欲しい・・と思っているでしょうからね。
ドメーヌ・ポンソを去る・・と言うのは、今のところの情報では、あくまで税金対策だろうと予想されますが、ローラン・ポンソ有っての現在のドメーヌ・ポンソでしょうから、もし、他人の手に渡るようなことがあったら大変なことです。新しい情報が欲しいところです。
タイミング良く、か悪くかは判りませんが、2011年からリリースしはじめたドメーヌもののサン=ロマンをブローカーから入手しました。
某正規代理店はもう中々くれませんし、有っても非常に高いし、コンディションは最近はだいぶ良くなったように思いますが、本当の所はどうかまだ良く判らんし・・で、とりあえず1ケース購入できたので、
「・・良し、飲んじゃお!」
とさっさと初物をテイスティングさせていただきました。
いや・・美味しいですね~・・気品が有ります。サン=ロマンらしさを失わずに気品高く仕上げています。
サン=ロマンと言えば、ビオの雄、ド・シャソルネイのフレデリック・コサールを思い浮かべると思います。コサールのサン=ロマンは、非常に豊かでナチュラルで美味しいですが、
「どこか・・彼風の自慢みたいなものが入って無いか?」
と感じることが有ります。
コサールはいじるんですよね。まぁ、それが良い部分だとは思います。でも、サン=ロマンと言うアペラシオンの特徴よりも「コサール節」がかなり入って来る・・。サン=ロマンと言うよりも「コサールのサン=ロマン」と言うイメージです。
ポンソのサン=ロマンは、あくまでサン=ロマンとしてのアペラシオンを気品高く、ナチュラルに造り上げ、結果として、
「あぁ・・ポンソだよね」
と思わせるのかなぁ・・と感じます。
詳細には、豊かで熟した果実と緩やかで連続した石灰系ミネラリティ、そして粘土。決して「過ぎない」もので、「過ぎたるは及ばざるごとし」と言っているようにも思います。中域はしっかり有るのにパワーに頼らず、本当に自然に、緩やかなカーブを描きつつ、どこまでも伸びて行くかのような余韻が有ります。
色合いも、ブルゴーニュの造り手とすれば非常にナチュラルな色合いで、身体への侵入角も緩く、とても馴染みます。おそらくこれなら頭が痛くなるとか、酔いがキツイ・・と言うようなことは起こり辛く、SO2はほぼ使用していないに等しい感じ・・でも、決して危険なニュアンスは感じ取れません。
シミジミ系かと言われると、そんな感じも若干あれど、実はちゃんと存在していて、全く不足していないし多過ぎない・・だからこそ、
「サン=ロマンが持つ個性を気品高く表現出来ている逸品」
と感じられるのかと思います。
ポンソのワインの中では、非常にリーズナブルな価格ですが、まったく手を抜いていないのが良く判ります。新樽などには目もくれず、一人黙々と・・1980年代から自然な栽培と醸造をしていた人です。
扱いを知らないアメリカ人は・・・、まぁ日本人も同じだったでしょうが、
「ポンソのワインは酸化している。ひどい造りだ。」
と、あのPxさんでさえ、そのように書いたことが有ります。日本にも、随分と痛んだポンソのワインが1990年代後半まで届いていました。まぁ、昨今はさすがに少なくなった・・と言うか、その傷み具合は減って来ています。
今回は、noisy も久々に・・有名ドメーヌの素晴らしい白を飲んだなぁ・・と言う気がしています。勿論、完全には開き切らない、まだ少し若いヴィンテージです。かと言って、今飲んで美味しく無いことは、全く無い・・充分に旨いです。
すぐに飲んで良く、2~3年で開き始め、15年間美味しくいただけるでしょう。その時、その時で、また違った風情を見せてくれる、墨絵を前にした仏教僧のような気分にもしてくれます。・・いや、僧にはなったことは無いですが。・・素晴らしい白ワインでした。これは美味しい。価格も安いでしょ?是非ご検討くださいませ。