ドメーヌ・シルヴァン・カティアール・エ・フィス
シルヴァン・カティアール・エ・フィス
フランス Domaine Sylvain Cathiard et Fils ブルゴーニュ
● 昨年の2021年ものは上級キュヴェが全く入って来ず、大変申し訳なかったカティアールの2022年もののご案内です。アリゴテのみ、2023年になります。
カルトな人気を持つドメーヌ・シルヴァン・カティアールですので、もはや入手は非常に困難になっているドメーヌです。
2022年ものは非常に評価も高く、特にニュイ=サン=ジョルジュ1級オ・ミュルジュは95ポイントと、評価も価格もアンリ・ジャイエ銘柄でもあるメオ=カミュゼと同等以上にもなっていますし、ヴォーヌ=ロマネ1級うオ・マルコンソールに至っては、ジャスパー・モリスさんがロマネ=サン=ヴィヴァン2022と全く同評価の96~98 Points としているほど・・まぁ、禁断の評価では有りますが、飲めない分驚かされます。
シルヴァンの後を継いだセバスチャンですが、ノリに乗っている状況・・と言って過言では無いでしょう。どうぞよろしくお願いします。
-----
カティアールの2021年(アリゴテは2022年)のご案内です。余りに少ないのと上級キュヴェをまったく送って来ないので相当お冠です。1/5になったとか言ってましたがそれは一切関係の無いことですから、腹に据えかねています。テイスティングどころの話しじゃなくなってしまったので、そのままのご案内です。申し訳ありません。
-----
カティアールの新ヴィンテージです。入荷数量は昨年の2019年ものの25%減でした。余りに少なく、飲めそうなのはアリゴテだけ・・6本と言う厳しい状況でした。じゃぁ・・アリゴテを開けようかと思ったんですが、基本、カティアールはピノ・ノワールですからね・・もし残ったら良い時分にアリゴテを飲んでみることにさせていただきました。
価格はもう・・爆上がり系です。最近はもう余り驚きません。むしろ海外よりも相当安いことに気付いていますから、
「今までが幸せだったんだよ」
と慰めることにしています。
ですが・・まぁ・・こう言ってしまうと身も蓋も無い訳ですが、こうして海外からの何となくの圧力が、日本のゼロ金利政策由来の収入抑制策を改めさせるキッカケにもなっているようで、まさに国際的に流通しているワインだからこそ、世界中を何となくかき回し平均化して行く..つまり、日本人の収入も増えるような情勢になって来たと・・何となく思っています。
アメリカの大都市で間借りでもしようものなら・・安くても40万円からって..noisy の給料より高いんじゃないの?・・と思えてしまいますし、ラーメンが一杯3千円からって・・朝食をとろうと街に出ると最低2千円から・・なんて、
「日本人の今の常識からはかけ離れている」
訳ですが、海外の方の常識から言えば日本の方がおかしい訳です。30年間以上、何も変わらなかった・・いや、政策として変えない、変わらないようにしていた訳ですから。
オーストラリアの学生さんの時給は3000円から・・だそうです・・どっひゃ~・・です。ですがいずれ・・日本もそうなって行くと思います。時勢がようやくそうなって来た..むしろ、海外を思えば今のワインの価格の上昇は常識なんだと・・言うことなんでしょう。まぁ・・どこかのサイトで某ドメーヌのGCミュジニーが9千万以上で販売されていましたが、幾らで販売しようが販売者の自由です。・・わたしゃ絶対買わないけどね・・。
ですが、このカティアールにしましても、2019年もののレ・マルコンソールを7万円で販売させていただき、noisy としても・・「高い!」と思っていましたが、2020年ものは倍までは行かないにせよ・・近い価格です。言ってしまえば・・2019年ものを販売せずにnoisy が持っていれば、ほぼ倍で販売出来た訳です。もっと言ってしまえばその2019年ものをゲット出来た方は・・言わずともお判りでしょう。
カティアールの2020年ものですが質的には、ヴォーヌ=ロマネやニュイ=サン=ジョルジュのワインはほぼほぼアルコール分14~15度で濃密、その他のキュヴェは12.5~13度で果実感のしっかりあるエレガントなワイン..と言えます。またアレン・メドゥズさんは今より7~10年後からが飲み頃だと言っていますので、これはやはりジャン=ニコラ・メオさんと同じことを言っているようですね。
ですので、やはりカティアールの2020年ものは、さっさと飲むべきでは無い・・と思っていてください。ご検討いただけましたら幸いです。
-----
シルヴァン・カティアールの2019年(アリゴテは2020年)をご紹介させていただきます。
今やヴォーヌ=ロマネの新たな旗手として素晴らしい評価を得ている小さなドメーヌです。日本には極少量しか入らないので余り知られていないかもしれませんが、ワインレポートの山本さんによれば、カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは「飲む宝石」だと・・評されていらっしゃいます。
このところはそのロマネ=サン=ヴィヴァンさえ、1級レ・スショさえ入らなくなってしまいましたが、もう一つのドメーヌの看板でも有るレ・マルコンソールは何とか死守しています・・(^^;;
それに非常に希少な「1級アン・オルヴォー」や「「1級オ・レイニョ」も何とか死守。5~6年寝かせて、1本でも良いから飲みたい!・・そう思わずにはいられません。
上級キュヴェは毎年減らされ続けていますが、2019年ものは何と、
「新キュヴェが3アイテム!」
入って来ました。
ドメーヌがジュヴレに一区画、オート=コートに二区画、買い足したようです。
なので、おそらく上級キュヴェとバーターで下級クラスをいただくようになったようです・・ただでさえ日本へのアロケーションは増えない・・どころか、減らされているのが現状ですから、余り文句も言えないような状況になっています。
またそんな状況ですから、本来でしたら新たな3アイテム、飲んでご案内するのが本筋では有りますが、
「シルヴァン・カティアールはそもそも割り当て数が少ない」
ので、
「テイスティングすると無くなってしまう」
キュヴェがほとんどです。
誠に申し訳ございませんが、普通に販売出来ているだけマシ・・と思っていただけましたら幸いです。もう、普通なら原価割れ近くで販売している安売り屋さんでさえ、仕入れの何倍かの凄い価格で値付けしています。
是非とも転売などはされぬよう、お願いいたします。
-----
シルヴァン・カティアールです。知ってはいても飲んだことが無い方が圧倒的に多いヴォーヌ=ロマネの造り手です。もはや noisy も、そのキャプスュルの瓶口にソムリエナイフを当てることさえ、安易には出来ない状況です。
「・・何やってくれるの!・・ただでさえ少ないのに・・!・・あんたは飲まなくていいからその分売ってくれ!」
と言われるのがオチ・・。そんな恐怖と戦いつつのご案内です。
それにしても高くなりました。毎年上がってます。まぁ、世界のワインファンが認める超大柄なヴォーヌ=ロマネのワイン・・D.R.C.を比較対象にして誰も憚らない訳ですから、高値になってしまうのはどうしようもないですよね。
そしてまた、評価も鰻登りで凄いです。各メディアも中々飲めないのか、余り評価が見当たりませんが、ティム・アトキン氏だけはしっかり評価を上げていました。その一部をご紹介しましょう。
●2018 Sylvain Cathiard Romanee-Saint-Vivant Grand Cru 97 Points Tim Atkin
95~97 Points Robert Parker The Wine Advocate
●2018 Sylvain Cathiard Aux Malconsorts 95 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Aux Reignots 96 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard En Orveaux 97 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Les Suchots 96 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Aux Murgers 95 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Aux Thorey 94 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Chambolle-Musigny Les Clos de l'Orme 94 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Vosne-Romanee 92 Points Tim Atkin
●2018 Sylvain Cathiard Bourgogne Rouge 90 Points Tim Atkin
どうでしょう?・・Noisy wine に入荷の無かった2018 ロマネ=サン=ヴィヴァンが97Point なのは、「さもありなん」と言うような気がしますが、他の1級群の評価がとんでもないことになっちゃってますよね。エシェゾーを名乗れる部分が多くを占める「ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォー」は、1級で有りながらも、
「ロマネ=サン=ヴィヴァンと同じ97ポイント!」
です。
いや~・・どうなっちゃってるんでしょう。飲んで確かめたいのは山々ですが、飲んだら無くなっちゃう量しか入って来ないもので、どうにもなりません。
ですが他の1級も凄いですよね。ラ・ロマネの上部の「オ・レイニョ」は96Points ですから、2018年のラ・ロマネがアドヴォケイトで96~98Points、ティム・アトキン氏が97Points で肉薄しています。と言うか、ティム・アトキン氏はラ・ロマネとアン・オルヴォーが同評価と言うことになります。
相当に出来の良いと思われる2018年のシルヴァン・カティアールです。短くとも5年はセラーで熟成させてください。ご検討くださいませ。
-----
久しぶりのシルヴァン・カティアールです。ヴォーヌ=ロマネの非常に小さな、しかしトップクラスのドメーヌです。アンドレ・カティアールの1988年ロマネ=サン=ヴィヴァン以来のご紹介になるかと思います。
密度が高くエレガントでヴォーヌ=ロマネらしい複雑性に富んだエキス系の味わいの凄腕ですが、一時期より、とんでもなく高価になってしまいまして・・一度仕入れを躊躇したところ、それ以後全く案内が来なくなっていました。エージェントさんも扱いを止めたのかな?・・と思っていたんですが、昨年になって「はた」と気付き、
「そう言えばシルヴァン・カティアールって、どうなった?」
と担当に聞いたところ、
「いや、普通にやってますよ・・。」
とのこと・・。
「・・何で案内しないのよ!」
と少し強く出ると・・
「・・いや、いらないのかと思って案内してなかったんです・・」
まぁ、買わなかった noisy が一方的に悪いんですが、2014年ものは一応案内してくれるとのことで一件落着しました。
しかし、それにしても昨今のカティアールは凄い評価です。それに、極小ドメーヌですから生産量が非常に少なく、価格は暴騰しています・・まぁ、これも評価や人気、生産量により、供給よりも需要が遥かに上回っている訳ですから仕方が無いのかもしれません。
それに日本国内を見渡しても、シルヴァン・カティアールの在庫にはまずお目に掛かれません。トップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは評価も凄いですが価格も目を疑わんばかりです。それでもどこにも残ってないし、まともに販売されてる形跡が少ないです。
シルヴァン・カティアールの場合、ほとんどロマネ=サン=ヴィヴァンとソックリのヴォーヌ=ロマネ1級レ・マルコンソールが素晴らしく、カティアールのラインナップ中ではそれなりの数が期待できます。このマルコンソールはかの「ラ・ターシュ」(レ・ゴーディショ・オ・ラ・ターシュと元のラ・ターシュ)の真横にある1級で、グラン・クリュに成って無いのが不思議なほどの畑です。
その他のキュヴェも並みの造り手とは出来が違い、大きな構造をしつつもエレガンスを失わない村名やシャンボール、そしてむしろ非常に希少なACブルゴーニュをリリースしています。
今回は何とか村名ヴォーヌ=ロマネをテイスティングしてご案内致します。

《歴史》 1984年、父から独立する形で設立。元々のドメーヌの設立は1930年。公務員だった祖父は分益耕作でワインを造り、少しづつ畑を購入。50年代後半にドメーヌ元詰を始めました。シルヴァン氏は結婚後、若手ヴィニュロンの集まりに参加したり、様々なワインをテイスティングするにつれ、自分なりのワインを造りたくなり、父の畑を分益耕作することで独立。以来、収穫時以外は夫婦2人だけで栽培から醸造、販売までを手がけています。95年にアンドレ氏が退職すると姉妹3人と4人で一旦ドメーヌを会社組織にし、シルヴァン氏が会社を買い取る形で全ての畑を相続、現在5haを所有しています。 現在は息子セバスチャンが4代目として2011年より単独でワイン造りを行っています。
特徴》ボルドーのように色が黒くてタンニンのしっかり造りは、ピノ・ノワールの特徴である果実香やアロマを隠してしまうと考えているため、色調が濃く、凝縮感がありながらも、タンニンと果実感のバランスが取れたワインを目指しています。
《ワイン造り》 リュット・レゾネで栽培。有機肥料を使い、生えた雑草を枯らす薬品と鋤入れを併用。害虫対策には、ブルゴーニュの中でいち早く導入されたホルモンカプセルを使用しています。手摘みで収穫されたブドウは100%除梗され、2~10日間低温浸漬されます。果汁濃縮は、本来ブドウが持つアロマとテロワールが損なわれるとの理由から使用されていません。醗酵は、30~31度で12~20日間かけてコンクリートタンクで行われ、空圧式プレス機で圧搾。1~2時間ほど静置し大きな不純物を除き樽へ。村名には50%、1級には60~70%、グラン・クリュには100%の新樽を使用します。マロラクティック醗酵終了後は澱の上で3ヶ月熟成され、清澄されずに、澱の多い年のみ軽くフィルターをかけ瓶詰めされています。
● 2023 Bourgogne Aligote
ブルゴーニュ・アリゴテ
【未だに何も判らないアリゴテですが、海外では一部12000円から・・だそうで・・ちょっと意味が不明です。】---以前のレヴューです。
相変わらず何も資料が見当たらないカティアールのアリゴテです。アチコチ..ネットをサーフして調べてみたんですが、判ったのは価格だけ・・アメリカで一番安かったのが49.99ドルでしたから、50ドル-->6700円、最安値がスイスで36スイスフラン-->5220円、ベルギーで52ユーロ-->7400円、香港-->8500円、中国(深セン)-->11000円、一番高そうだったのがオーストラリア-->12000円..
これは、昔から取引が有った相手にはそれなりに・・と言う部分が多く、新規になるとそれなりに高い訳です。言ってみれば、
「分けてくれ」
と言うと他より高い価格になる・・もしくは、
「より高い価格で買うから分けてくれ・・」
と言うことなんですね。勿論、国によってその他の様々な政策、税金などの違いも有ります。
まぁ・・オーストラリアの学生さんの時給が3000円..なんて話をレ・マルコンソールのコラムで書いてますんで、お暇でしたら読んでみてください。
因みに昨年の2019年ものは Noisy wine で4500円でしたから17.9%の値上げで5480円..むしろ円安分を補い切っていない2020年ものの価格では有りますが、ブルゴーニュ・アリゴテとしてはどうなんでしょうね。少な過ぎて飲めないので申し訳ありません。2020年ものは数量で25%、減らされました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【このアリゴテ、全く情報が有りません。】
例えブルゴーニュ・アリゴテだとしても・・言ってしまえば「激レア」です。世界のワインショップを探しても見つかるかどうか・・のようです。価格は45~50ドルほどのようですが、実際に売りに出るともう少し高くなるようです。
We received a few precious bottles.
みたいに書かれていますから、皆さん、飲めもせず、他に情報も無く困っているようです。先だって亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのところの扱いだと思いますが、そのホームページを見てもこのワインだけは出ていません。
「・・なら・・飲んじゃうか・・」
とも思ったのですが先が想像できず、飲んだだけで終わってしまって今後入荷しない・・なんてことになると悲惨なので思い留まりました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【「アリゴテでさえ・・」ってどこかで聞いた言葉ですが、次に続くのは「高い」なのか「凄い」なのか・・誰か確かめてください・・。】
初めての入荷です。なので通常だと必ず飲むんですが・・1本しか無いのでテイスティングすると無くなっちゃうんですね。なので申し訳ないですが飲めません。noisy に代わって出来を確かめてください。
● 2022 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【バーガウンドは86~88ポイントと評価・・・ところがSNS的存在のセラー・トラッカー評価は何と93ポイント!・・こういうところに真実が顔を出すかも・・・ですよね・・】--以前のレヴューです。
そうは言っても皆が素晴らしいと評価するかは別の話しですが、まぁ・・メドゥズさんのところのバーガウンドの評点が86~88だとするなら、やはり・・
「最低2ポイント上げ」
しないと、比較にならないのが現実です。
ただし上級キュヴェはそうでも無くて・・1ポイント位のアップで良いんじゃないでしょうか。下位のキュヴェは3ポイント上げでも良いかもしれません。それで何とか釣り合いが取れるかと思います。
メディア系のテイスターの方々は、それぞれに「クセ」が有ります。多いタイプは、
「アペラシオンでポイント幅の基準を持っている」
方々でしょうか。
例えば、A.C.ブルクラスなら85~89ポイント、村名なら89~92ポイント、1級なら92~95ポイント・・ですね。あとは0.5点、もしくは「プラス」で調整する感じです。
もう一例は少ないですが、自身の感覚に幅の基準を当てはめて行くタイプ・・ですね。テイスティングは自分は最強だと自信のある方が多いです。
あとはこの組み合わせ・・ですね。兎に角A.C.ブルとかだと85~89で当てはめ、それ以上のクラスは警戒度を緩めて行く・・とか、村名以下は92ポイントとしてそれ以上をフリーで・・みたいな感じでしょうか。
セラートラッカーのこのワインの評価を見ると・・そうは言ってもまだ4人しかいませんが・・いずれ増えるとは思いますが、93点が2人、94点が1人、良いと言いながらの評点無しが1人でしたので、
「・・これはちょっと・・気になるかも・・」
と思った次第です。
ただし、新たに区画を取得した格上のオート=コート系よりも高い評価だったので、頭から信じる訳にも行かず、
「やっぱり自分で飲まないと判らん・・」
のが本質ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ティム・アトキン氏は90ポイント!・・どれもが激レアなシルヴァン・カティアールのキュヴェでは有りますが、A.C.ブルは本当に少ない!】 カティアールのA.C.ブルです。格落ちが入っているはずなので、
「早飲み厳禁」です。どんなに早くとも3年は寝かせてくださいね。カティアールだけは、
「最近のブルゴーニュワインはリリース直後から美味しい!」
が当てはまりません。
ティム・アトキン氏は90点と言う評価ですが、上のクラスが凄いですからね・・。その分、A.C.ブルに落としている可能性が有ります。お早めにどうぞ。
-----
【まず見ることの無いワインです。】 今年も1本、いただけました。おそらくですが様々なヴォーヌ=ロマネを中心とする畑のものの格落ちと、A.C.ブルの畑のものを混ぜているはずです。
例によって、ヴィノスでは89ポイントと評価し飲み頃を2019~2022としていますので、2022年以降からがようやく美味しくなると考えてよいでしょう。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【レアです。】 このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2022 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
● 2022 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge aux Chaumes
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・オ・ショーム
【新キュヴェです!・・新オート=コート・ド・ニュイが2アイテム!滑り出しは上々のようです。】----以前のレヴューです。
え・・何だか上級キュヴェを散々に減らされて、その分を新アイテム3種で胡麻化された感じがして余り良い気がしませんが、思いっきり減っただけで終わるよりはマシか・・と慰めています。
何しろ新型コロナウイルスの関係もあり、人出不足、原油価格の上昇などで、船は遅れるし価格は上がる、新ヴィンテージが到着するのは皆同じタイミングで、無い時は全く入って来ない・・なんて状況ですから、振り回されてばかりで計画が立てられず・・ホントにその日暮らし、もうどうにもなりません。
何とか2月の最終日にシルヴァン・カティアールを間に合わせて貰ったのは良いにしても、
「新キュヴェの情報が全く無し」
です。「上に問い合わせているんですが・・まだ来ません」で済ませるんだからご気楽なことだなぁ・・とある意味、感心しています。1度だけ上司に電話したが返事がまだ・・と言うことなんでしょうね。
仕方がないのでベッキーさんのページに行ったら形式張ったものだけ・・が有りましたので、各キュヴェのコラムに張り付けておきました。
一応、判り辛いところだけ説明させていただきますと、
Vinification: 100% de-stemmed. 20-30 days in tank. indigenous yeast fermentation.
でしょうか。
100% de-stemmed --> 100%除梗
indigenous yeast fermentation --> 自然酵母による発酵
です。
英語も・・ちょっと面白いでしょう? 「indigenous yeast」って、直訳すると、「先住民の酵母」みたいな感じです。日本人だと「ナチュラル・イースト」とか・・言ってしまいそうですけどね。でもまぁ・・先住民の方が正確な可能性が高いかな・・
因みにメドゥーズさんのところが 86~89 ポイントですから2ポイント上げで 88~91 位が妥当でしょうか。セラー・トラッカーは評価者が少なく、90ポイントでした。ご検討くださいませ。
● 2022 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge les Dames Huguette
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・レ・ダム・ユゲット
【こちらも2019年が初ヴィンテージ!2アイテムリリースのオート=コート・ド・ニュイの上級キュヴェです。】。】----昨年、2019年もののレヴューです。
レ・ダム・ユゲットと言う畑はいくつかのドメーヌがリリースしていますので、聞いたことがあるかもしれません。有名なところではモンジャール=ミュヌレでしょうか。
こちらの方が上級キュヴェですがセラー・トラッカーは90ポイントで、下級のオ・ショームの93ポイントとは差が出ています。バーガウンドはこちらが 87~89 ポイント、オ・ショームが 86~89 ポイントで、余り変わりませんが最低ラインが1ポイント上になっています。
まぁ、セラートラッカーの方は飲んだ時にちょっと硬くて見え辛かったんでしょう・・。そもそもシルヴァン・カティアールは・・今までの経験上ではリリース直後は硬い質です。なので、オート=コートでも3年ほどは置いた方が良いかと想像します。
因みにこの畑は、ニュイ=サン=ジョルジュの上方に在るオート=コートの畑だと思います。ご検討くださいませ。
● 2022 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【ジャスパー・モリスさんの低調な評価が気になります。】
テイスティング出来ない数量しかないので・・何しろ、
「入荷は1本」
ですから・・コラムを書いている時間さえ勿体無いと思ってしまうレベルです。でも、2020年のこのヴォーヌ=ロマネや1級オ・レニョなどのジャスパーさんの評価がちょっと低過ぎるんですね。
まぁ2019年もののヴォーヌ=ロマネも上値90ポイントですから、彼の頭の中の、村名は合格すれば90点から、しなけりゃ89点、それ以下のキュヴェは高くても89~90点..みたいな部分が透けて見えてしまう気がします。2020の1級オ・レニョなんて88~91ポイントですからね・・アレン・メドゥズさんでも92~95ポイントですから、
「もしジャスパー・モリスさんを正しいとするなら、自身ではそのワインをどう評価したらよいのか?」
と考え込んでしまいます。そのレヴューは掲載は出来ませんが、別に悪いとは一言も言っていないんですね。オ・レニョについては・・1級オ・レニョとしてはアルコール分が少し低いとは言ってるんですが、レ・マルコンソールは14.5度、オ・レニョは14度、ヴォーヌ=ロマネが14.5度なので、これは単に、「他のキュヴェより0.5度低い」と言う部分のみを言っているようで、だからと言ってそれが悪いとは言っていないように思えます。
なのでここはやはりアレン・メドゥズさんの「89~92 Points)/2028+」を採用すべきかなぁ・・と・・(^^;;
と言うことで、何とか2028年まであと5年待ってから・・お楽しみください。
以下は以前のレヴューです。
-----
【某ライターさんが「飲む宝石」と賞したロマネ=サン=ヴィヴァンの片鱗が見えるかもしれません!!】 質実剛健なのに繊細・・な味わいのシルヴァン・カティアールですので、基本は「早飲み」できるワインでは有りません。しかし、ヴィノスなどでは「短い間に飲んでしまえ」などと言うものですから、正当な評価になって行かないのでしょう。
そもそも味わいの中に、優しいながらもタンニンの存在をある程度感じるブルゴーニュワインに、2~3年などと言うような短いスパンの飲み頃を提示するなどは、自分の好みを押し付けているとしか思えません。2014年のこのヴォーヌ=ロマネを飲んでいますが
、そんなスパンを言ってしまえるのが信じられない・・ほどでした。それに、2017年のA.C.ブルに89ポイントを付け、村名ヴォーヌ=ロマネに88~90ポイントと言うことは、
「村名ヴォーヌ=ロマネに何か問題でも有ったのか?」
と勘ぐるのが普通です・・が、評価文を読むとどうやらそれは違うようですので、やはりヴィノスの評価は余り当てには出来ないと思ってしまいます。
ですので、インサイド・バーガンディ(ジャスパー・モリス氏)の90~93ポイントか、その他の評価を基準にされるのが良いかと思います。
エレガント系のエキス味、ドライ一筋で質実剛健ですので、さっさと飲んではいけません。機を見計らいましょう。
海外は13500円~18000円+アルファほどですので、海外も村名は決して高く無いようです。日本国内の方が、量的に無いことが理由でしょうか・・結構に高値を付けていますね。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2016年ものは格落ちの葡萄も入っているかもしれません。】
非常に好意的なレヴューが多いと感じる2016年の村名ヴォーヌ=ロマネです。まぁ・・そっくりそのまんま掲載する訳にはいかないですが、数年でビックリするような状態になるだろうとか、この村名にはとても印象的な素質を感じるとか・・ですね。
おそらくですが、2016年のようなヴィンテージの村名ですので、上級キュヴェの格落ちが入っているはずです。そうじゃないとこのようなコメントにはならないですから・・。有る意味、造り上げるのに労力を必要とした年で有って、しかも上級の同じ村の畑を所有している生産者ならではの醍醐味が有るんじゃないかな?・・と推測しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2022 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジュ
【誰もが認める1級レ・ミュルジュ!】---以前のレヴューを掲載しています。
ニュイ=サン=ジョルジュ村のヴォーヌ=ロマネ側の丘陵にあり、上からレ・ダモード、ラ・リッシュモンヌ、レ・ミュルジュと下に(東に)降りてくる辺りは、パワフルさとエレガンスが拮抗する味わいが何とも言えない畑のオンパレードです。少しでも南に行くと、やや軽くなるのが不思議・・ですよね。ヴィーニュロンド辺りを飲むと、その拮抗が結構にエレガンス寄りになって来ると感じています。
しかしながらやはり、神様関係の畑で有る「レ・ミュルジュ」も持っていると言うのがシルヴァン・カティアールのポートフォリオの凄いところでしょう。
このところは確実に94~95ポイントラインで落ち着いています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジャスパー・モリス氏は脅威の92~95Points、アドヴォケイトも92~94points!相当に素晴らしいようです!】 ん~・・どうなんでしょうね~・・。激レア、高評価のロマネ=サン=ヴィヴァンは95~97Pointsですから、プリアライヴァル時の評価で上値とは言え、95Points とは驚きです。
確かに、このミュルジェと言う貴重な畑のポテンシャルを考えれば、その位の評価が付いても良い訳ですが、ニュイ1級~ヴォーヌ=ロマネ1級~グラン・クリュの差が、思ったよりも少ないように感じられます。まぁ、それほどまでに良かった・・と言うことなんでしょうかね。レ・マルコンソールなどには、決して見逃してはいけない!・・とまで言うテイスターさえいらっしゃった訳ですんで・・。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、このカティアールの作風はクラシカルなものです。決して早飲みは厳禁なんですね。「a few years of aging」の文字を良く見るような気がしますが、おそらくそのことを言いたいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2022 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
【アン・オルヴォー・・・97ポイント!・・恐るべし!】---以前のレヴューを掲載しています。
以前から注目していたアン・オルヴォーですが、いや~・・凄いですね~・・。2017年ものの評価でジャスパー・モリスさんが上値97点、付けてましたが、2018年ものには、
「それじゃあ・・わしも・・」
とばかりに?・・ティム・アトキン氏も参入した・・そんな感じでしょうか。
ある意味、ジャスパー・モリスさんの心眼をティム・アトキンさんが保証した・・そんな風にも見えて来てしまいます。
そもそもこの「アン・オルヴォー」と言う畑は、ほとんどがエシェゾーを名乗れる訳です。しかしながらほんの一部(上部)が1級畑とされていまして、その部分をカティアール家が所有している訳ですね。
やはり樹齢が非常に高いこと、それを丹念に仕上げて行くこと、そして「温暖化」も有るのかもしれませんね。これは是非飲んでみたい・・ちょっとミュジニー的風情などが見え隠れしているようなら大感激ですね。
因みにティム・アトキンさんは、2018年のミュジニーV.V./ヴォギュエ に95点ですから・・すぐそこに見えるグラン・クリュでも無い畑のワインに大きく差を付けられたと言う結果に、かなりカチンと来ているはずです。それでまた発奮してほしいですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【シャンボールとの境、エシェゾーを構成するリューディの一つで1級の部分です!】 接してはいないもののミュジニーはすぐそこ、エシェゾーを名乗れる部分も有る1級アン・オルヴォーです。ちょっとロマネ=サン=ヴィヴァンとかミュジニーとかの赤いニュアンス持つ「レ・ルージュ」を南に見る感じの畑です。これも希少な畑でリリースされるワインは非常に少ないです。まず見ないでしょう?
評価は高く上値で97ポイントです。並みのエシェゾーだとここまでは出ないですよね。
アドヴォケイトのニール・マーティンさんは、
「このアン・オルヴォーの後口は本当に消え去ることを拒否しているのだ・・ブラボー!」
だそうです・・
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2022 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
【ジャスパー・モリスさんは低評価、アレン・メドゥズさんは高評価!・・ど~ゆ~こと?・・】
バーガウンドのアレン・メドゥズさんはカッコつきながら92~95ポイントと..彼としますと相当に高い評価を付けていますが、ジャスパー・モリスさんは88~91ポイントと、
「ん?・・村名並みの出来ってこと?」
と判断せざるを得ない低調な評価でした。
因みにジャスパーさんの評価文も読みましたが、何かその理由となるような部分が無く結局意味が不明でした。オ・レニョとしてはバランスが取れていない・・アルコール分が他の1級よりわずか0.5%だが低い・・とのことで、その時点の・・直近を切り取っての表現だけに留まっていまして・・まぁ、いつもの余り気分が乗らない時間・・だったのかと思うしかありません。どうなって行くのかを含めるのが重要だと思います。
そもそもこのオ・レニョは非常にG.C.ラ・ロマネに似たニュアンスを感じる1級です。ラ・ターシュやロマネ・コンティなどに比較しますと中域のふくよかさや拡がりがやや乏しく、しかしその分、ラ・グランド・リュがそうだったように、やや縦延び型と言いますか、高域に伸びて行く部分の表現と全体を通したエレガンスに特徴が有ると思うんですね。しかも若いうちはその部分が顕著に前に出てくると思いますから、2020年ものの濃密に仕上がった果実の存在と、超エレガントな高高度の畑としての涼やかさが現状でミスマッチ..と感じられたのかもしれません。
アレン・メドゥズさんは上値95ポイント、下値92ポイントですから、ジャスパー・モリスさんとは完全に重なる部分が無い評価です。ジャスパーさんの上値は91ポイントですから・・ただし、カッコを付けた意味・・ですね。カッコを付けると言うのは、
「この範囲に入らないかもしれない」
と言う、ある種の言い逃れ?・・(^^;; 逃げられるようにしたと言うか、判断しきれなかったということになりますが、それでも2032+と..10年先よりの飲み頃をきちんと言っている点で信用できると感じています。
まぁ・・オ・レニョを飲むのは今となっては至難の業ですから・・まぁ・・余り良い評判は聞かないオーディフレッドは別にして、デュ・コント・リジェ=ベレール、アルヌー=ラショー、ジャン・グリヴォーなどの大物ばかりが分け合っている畑です。あ、フェレティグも持っていましたっけね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【超エレガント系のオ・レイニョ!】 だいぶ前の印象にはなるんですが、例えばロマネ=コンティの真上がラ・ロマネですよね。その頃はまだブシャール社が販売、ドメーヌ・フォレが耕作と醸造をしていました。素晴らしいロマネ=コンティやラ・ターシュを飲むに付け、
「ラ・ロマネの薄くて平板な味わい」
が気になったものです。言ってみれば、
「xラ・ロマネ」
「xラ・グランドリュ」
で、印象はどちらも余り変わらない・・でした・・すみません・・。
まぁ、その頃のラ・ロマネは3万円前後だったか・・全然売れませんでしたが、ヴィコント・リジェ・ベレールがコント・リジェ・ベレールに変わる頃?・・いきなり残らず売れてしまいました。今の価格は10倍?・・でしょうか。
そして、そんな印象と同様であったラ・グランドリュも復活し、その卓越したナチュラル・エレガンスに磨きを掛けています・・が、このオ・レイニョもその流れに有ると思いますので、結構に似た感じを受けることが出来るんじゃないか?と思います。
海外のメディアは良いところ、93ポイント止まりでしょう。それで良いんです。でも、エレガンスを理解できる日本人には、きっと代えがたいワインなのでは無いかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【残念・・評価は見当たらず!】 流石にこの2016年オ・レニョの評価はまだ見当たりませんでした。簡単にテイスティング出来るほど数は無いのかもしれません。
あの、ラ・ロマネの真上の1級畑ですし、一部ラ・グランド・リュにも接していますから、似た様なニュアンスは出てくるでしょう。思い出しましたが、そう言えばラ・ロマネとラ・グランド・リュは・・似てると思うんですね。最近は飲んでないので、そのまんまを信じられてしまうと困りますが、エレガンスと言う部分では非常に酷似しているイメージが有ります。残念ながらオ・レニョに関しては数をこなしていないので、語ることが困難ですけどね。それ位・・無いワインです。海外のプライスは、この倍以上します(フランス国内は判りません)。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2022 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【バーガウンドの評価も凄いですが・・価格も随分と上がっちゃいました!】
レ・マルコンソールはご存じかと思いますが、まさにテート・ド・キュヴェに相応しい・・「ラ・ターシュ」の南側に接する畑です。しかもレ・ゴーディショでは無い・・元々の「ラ・ターシュ」にも接していて、
「ラ・ターシュの一部はレ・マルコンソールに飛び出した形にもなっている」
んですね。
その性では無いにせよ、昔から
「リーズナブルなレ・マルコンソール...と言うワインは無い」
と言うのが定説で、まぁ・・今はあのクロ・パラが有りますから、これまた一概には言えませんが、
「レ・マルコンソールはヴォーヌ=ロマネの1級畑のトップ!」
と言う位置付けがブルゴーニュを知る人の一般常識だった訳です。
2019年のこのワインのご案内価格が7万円でしたから、ちょっと・・ね・・余りの値上がりの厳しさでは有りますが、ふとしたことで調べてみて・・ビックリしたと言いますか、
「なるほど・・」
と思えることが有ったんですね。
オーストラリアの大学生がスーパーでアルバイトをしていて・・その時給が幾ら位か..ご存じでしょうか?
なんとですね・・時給3000円ちょっとだそうですよ・・それでも安過ぎると・・彼、彼女らは感じていると・・言うことなんです。軽めのちょっとした食事をしただけで2~3千円は掛かるそうでして、現地の方が出されているラーメンが1杯、安くて2200円位・・日本のラーメン屋さんが出て行って出しているラーメンがほぼ3000円だそうで、
「大きく丸めて、最低賃金とラーメンの価格差は、最低時給でラーメンの大盛りが食べられるくらい」
なんじゃないかと・・。
しかも・・これはそのコラムで書きましたが、2021年のシルヴァン・カティアールのアリゴテは、Noisy wine で5千円台ですが、オーストラリアでは12000円ほどです。つまり、
「日本のワインの価格はオーストラリアの二分の一ほど(・・アリゴテに関して)」
なんですね。
日銀総裁が変わりゼロ金利政策も終わりを告げられ、大企業のトップが基本給上げを経団連で口にしています。長い間、人々の給与を抑え込むことで危機を乗り越えようとしてきた政策は破綻したと言えますから、これから我々の給与も増える方向に行くのは間違いありません。
しかし、どうしても「値上げが先」ですから・・何とも厳しい訳ですが、昨年7万円が・・この価格ですから、昨年ご案内させていただいたレ・マルコンソールをご購入の方は、ほぼ40%の利回りな訳です。なので転売屋さんが跋扈している訳でして・・もしそこに直接流すようなことを我々がやってしまえば、ワイン屋をやっている意味が無いし、その資格さえ無いのかもしれません。
バーガウンドのアレン・メドゥズさんは、なんとこのワインに上値96ポイントと言う凄い評価をしています。カティアールの他のキュヴェにはちょっと意味不明の低い評価をしているジャスパー・モリスさんも同じ96ポイントです。
ですので、まぁ・・間違いの無い選択のワインと言うことになろうかと思います。
しかしながら、アレン・メドゥズさんも、
「2038年から」
と・・(^^;;
何と今から15年後からと..ご指定されていらっしゃいますので、その辺を重々承知の上、ご検討いただけましたら幸いです。
いずれ日本人の給与も上がると言うことで、その時を楽しみにしていたいと思います。・・まぁ・・noisy の場合は個人事業主ですから自分で自身の給与を決められる立場におりませんが、会社組織にしたところで結局は同じこと・・多く取ったところで、取り過ぎれば赤字、少なく取ってしまえばその分多くの税金を支払うことになるだけです・・多分。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【シルヴァン・カティアールの看板のワイン、オー・マルコンソールです!】 希少なオー・マルコンソールです。決して早飲み厳禁です。海外は安くて7万円ちょっと、高いと10万円超えます。
2016年ものはいくらで販売したのか、ちょっと気になって調べてみましたら、5万円しない位でしたので少し上がりましたね。
まぁ、ラ・ターシュがD.R.C.のモノポールである以上、他の生産者は造ることが出来ませんが、
「ラ・ターシュと接するマルコンソールなら!」
と言う気持ちになるのは、生産者も飲み手も同様でしょう。ご検討くださいませ。
【あのロマネ=サン=ヴィヴァンに勝るとも劣らないワインです!】 価格の事ばかりですみません・・飲めないのでそれ位しか書けないんですね・・情けないですが。
フランス国内の事情は判りませんが、wine-searcher.com の情報では、アメリカのショップで77000円、香港で91000円、スイスで140000円、平均では107000円ほどのようです。
評点についてはトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンとは上値で1ポイントだけ劣るか、ほぼ同様な感じです。アラン・メドー氏は、
「Don't Miss! Outstanding!」
とのことです。・・つまり、
「見逃すなよ!呆れるほど凄いワインだぞ!」
みたいなニュアンスなんでしょうね。
そりゃぁ・・noisy だって、このワインは飲みたいですけどね。でも販売価格は海外のほぼ半額では有りますが、完全にグラン・クリュのものですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2022 Bourgogne Aligote
ブルゴーニュ・アリゴテ
【未だに何も判らないアリゴテですが、海外では一部12000円から・・だそうで・・ちょっと意味が不明です。】---以前のレヴューです。
相変わらず何も資料が見当たらないカティアールのアリゴテです。アチコチ..ネットをサーフして調べてみたんですが、判ったのは価格だけ・・アメリカで一番安かったのが49.99ドルでしたから、50ドル-->6700円、最安値がスイスで36スイスフラン-->5220円、ベルギーで52ユーロ-->7400円、香港-->8500円、中国(深セン)-->11000円、一番高そうだったのがオーストラリア-->12000円..
これは、昔から取引が有った相手にはそれなりに・・と言う部分が多く、新規になるとそれなりに高い訳です。言ってみれば、
「分けてくれ」
と言うと他より高い価格になる・・もしくは、
「より高い価格で買うから分けてくれ・・」
と言うことなんですね。勿論、国によってその他の様々な政策、税金などの違いも有ります。
まぁ・・オーストラリアの学生さんの時給が3000円..なんて話をレ・マルコンソールのコラムで書いてますんで、お暇でしたら読んでみてください。
因みに昨年の2019年ものは Noisy wine で4500円でしたから17.9%の値上げで5480円..むしろ円安分を補い切っていない2020年ものの価格では有りますが、ブルゴーニュ・アリゴテとしてはどうなんでしょうね。少な過ぎて飲めないので申し訳ありません。2020年ものは数量で25%、減らされました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【このアリゴテ、全く情報が有りません。】
例えブルゴーニュ・アリゴテだとしても・・言ってしまえば「激レア」です。世界のワインショップを探しても見つかるかどうか・・のようです。価格は45~50ドルほどのようですが、実際に売りに出るともう少し高くなるようです。
We received a few precious bottles.
みたいに書かれていますから、皆さん、飲めもせず、他に情報も無く困っているようです。先だって亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのところの扱いだと思いますが、そのホームページを見てもこのワインだけは出ていません。
「・・なら・・飲んじゃうか・・」
とも思ったのですが先が想像できず、飲んだだけで終わってしまって今後入荷しない・・なんてことになると悲惨なので思い留まりました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【「アリゴテでさえ・・」ってどこかで聞いた言葉ですが、次に続くのは「高い」なのか「凄い」なのか・・誰か確かめてください・・。】
初めての入荷です。なので通常だと必ず飲むんですが・・1本しか無いのでテイスティングすると無くなっちゃうんですね。なので申し訳ないですが飲めません。noisy に代わって出来を確かめてください。
● 2021 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【バーガウンドは86~88ポイントと評価・・・ところがSNS的存在のセラー・トラッカー評価は何と93ポイント!・・こういうところに真実が顔を出すかも・・・ですよね・・】--以前のレヴューです。
そうは言っても皆が素晴らしいと評価するかは別の話しですが、まぁ・・メドゥズさんのところのバーガウンドの評点が86~88だとするなら、やはり・・
「最低2ポイント上げ」
しないと、比較にならないのが現実です。
ただし上級キュヴェはそうでも無くて・・1ポイント位のアップで良いんじゃないでしょうか。下位のキュヴェは3ポイント上げでも良いかもしれません。それで何とか釣り合いが取れるかと思います。
メディア系のテイスターの方々は、それぞれに「クセ」が有ります。多いタイプは、
「アペラシオンでポイント幅の基準を持っている」
方々でしょうか。
例えば、A.C.ブルクラスなら85~89ポイント、村名なら89~92ポイント、1級なら92~95ポイント・・ですね。あとは0.5点、もしくは「プラス」で調整する感じです。
もう一例は少ないですが、自身の感覚に幅の基準を当てはめて行くタイプ・・ですね。テイスティングは自分は最強だと自信のある方が多いです。
あとはこの組み合わせ・・ですね。兎に角A.C.ブルとかだと85~89で当てはめ、それ以上のクラスは警戒度を緩めて行く・・とか、村名以下は92ポイントとしてそれ以上をフリーで・・みたいな感じでしょうか。
セラートラッカーのこのワインの評価を見ると・・そうは言ってもまだ4人しかいませんが・・いずれ増えるとは思いますが、93点が2人、94点が1人、良いと言いながらの評点無しが1人でしたので、
「・・これはちょっと・・気になるかも・・」
と思った次第です。
ただし、新たに区画を取得した格上のオート=コート系よりも高い評価だったので、頭から信じる訳にも行かず、
「やっぱり自分で飲まないと判らん・・」
のが本質ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ティム・アトキン氏は90ポイント!・・どれもが激レアなシルヴァン・カティアールのキュヴェでは有りますが、A.C.ブルは本当に少ない!】 カティアールのA.C.ブルです。格落ちが入っているはずなので、
「早飲み厳禁」です。どんなに早くとも3年は寝かせてくださいね。カティアールだけは、
「最近のブルゴーニュワインはリリース直後から美味しい!」
が当てはまりません。
ティム・アトキン氏は90点と言う評価ですが、上のクラスが凄いですからね・・。その分、A.C.ブルに落としている可能性が有ります。お早めにどうぞ。
-----
【まず見ることの無いワインです。】 今年も1本、いただけました。おそらくですが様々なヴォーヌ=ロマネを中心とする畑のものの格落ちと、A.C.ブルの畑のものを混ぜているはずです。
例によって、ヴィノスでは89ポイントと評価し飲み頃を2019~2022としていますので、2022年以降からがようやく美味しくなると考えてよいでしょう。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【レアです。】 このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2021 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ
● 2021 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge aux Chaumes
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・オ・ショーム
【新キュヴェです!・・新オート=コート・ド・ニュイが2アイテム!滑り出しは上々のようです。】----以前のレヴューです。
え・・何だか上級キュヴェを散々に減らされて、その分を新アイテム3種で胡麻化された感じがして余り良い気がしませんが、思いっきり減っただけで終わるよりはマシか・・と慰めています。
何しろ新型コロナウイルスの関係もあり、人出不足、原油価格の上昇などで、船は遅れるし価格は上がる、新ヴィンテージが到着するのは皆同じタイミングで、無い時は全く入って来ない・・なんて状況ですから、振り回されてばかりで計画が立てられず・・ホントにその日暮らし、もうどうにもなりません。
何とか2月の最終日にシルヴァン・カティアールを間に合わせて貰ったのは良いにしても、
「新キュヴェの情報が全く無し」
です。「上に問い合わせているんですが・・まだ来ません」で済ませるんだからご気楽なことだなぁ・・とある意味、感心しています。1度だけ上司に電話したが返事がまだ・・と言うことなんでしょうね。
仕方がないのでベッキーさんのページに行ったら形式張ったものだけ・・が有りましたので、各キュヴェのコラムに張り付けておきました。
一応、判り辛いところだけ説明させていただきますと、
Vinification: 100% de-stemmed. 20-30 days in tank. indigenous yeast fermentation.
でしょうか。
100% de-stemmed --> 100%除梗
indigenous yeast fermentation --> 自然酵母による発酵
です。
英語も・・ちょっと面白いでしょう? 「indigenous yeast」って、直訳すると、「先住民の酵母」みたいな感じです。日本人だと「ナチュラル・イースト」とか・・言ってしまいそうですけどね。でもまぁ・・先住民の方が正確な可能性が高いかな・・
因みにメドゥーズさんのところが 86~89 ポイントですから2ポイント上げで 88~91 位が妥当でしょうか。セラー・トラッカーは評価者が少なく、90ポイントでした。ご検討くださいませ。
● 2021 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge les Dames Huguette
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・レ・ダム・ユゲット
【こちらも2019年が初ヴィンテージ!2アイテムリリースのオート=コート・ド・ニュイの上級キュヴェです。】。】----昨年、2019年もののレヴューです。
レ・ダム・ユゲットと言う畑はいくつかのドメーヌがリリースしていますので、聞いたことがあるかもしれません。有名なところではモンジャール=ミュヌレでしょうか。
こちらの方が上級キュヴェですがセラー・トラッカーは90ポイントで、下級のオ・ショームの93ポイントとは差が出ています。バーガウンドはこちらが 87~89 ポイント、オ・ショームが 86~89 ポイントで、余り変わりませんが最低ラインが1ポイント上になっています。
まぁ、セラートラッカーの方は飲んだ時にちょっと硬くて見え辛かったんでしょう・・。そもそもシルヴァン・カティアールは・・今までの経験上ではリリース直後は硬い質です。なので、オート=コートでも3年ほどは置いた方が良いかと想像します。
因みにこの畑は、ニュイ=サン=ジョルジュの上方に在るオート=コートの畑だと思います。ご検討くださいませ。
● 2021 Bourgogne Aligote
ブルゴーニュ・アリゴテ
【未だに何も判らないアリゴテですが、海外では一部12000円から・・だそうで・・ちょっと意味が不明です。】
相変わらず何も資料が見当たらないカティアールのアリゴテです。アチコチ..ネットをサーフして調べてみたんですが、判ったのは価格だけ・・アメリカで一番安かったのが49.99ドルでしたから、50ドル-->6700円、最安値がスイスで36スイスフラン-->5220円、ベルギーで52ユーロ-->7400円、香港-->8500円、中国(深セン)-->11000円、一番高そうだったのがオーストラリア-->12000円..
これは、昔から取引が有った相手にはそれなりに・・と言う部分が多く、新規になるとそれなりに高い訳です。言ってみれば、
「分けてくれ」
と言うと他より高い価格になる・・もしくは、
「より高い価格で買うから分けてくれ・・」
と言うことなんですね。勿論、国によってその他の様々な政策、税金などの違いも有ります。
まぁ・・オーストラリアの学生さんの時給が3000円..なんて話をレ・マルコンソールのコラムで書いてますんで、お暇でしたら読んでみてください。
因みに昨年の2019年ものは Noisy wine で4500円でしたから17.9%の値上げで5480円..むしろ円安分を補い切っていない2020年ものの価格では有りますが、ブルゴーニュ・アリゴテとしてはどうなんでしょうね。少な過ぎて飲めないので申し訳ありません。2020年ものは数量で25%、減らされました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【このアリゴテ、全く情報が有りません。】
例えブルゴーニュ・アリゴテだとしても・・言ってしまえば「激レア」です。世界のワインショップを探しても見つかるかどうか・・のようです。価格は45~50ドルほどのようですが、実際に売りに出るともう少し高くなるようです。
We received a few precious bottles.
みたいに書かれていますから、皆さん、飲めもせず、他に情報も無く困っているようです。先だって亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのところの扱いだと思いますが、そのホームページを見てもこのワインだけは出ていません。
「・・なら・・飲んじゃうか・・」
とも思ったのですが先が想像できず、飲んだだけで終わってしまって今後入荷しない・・なんてことになると悲惨なので思い留まりました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【「アリゴテでさえ・・」ってどこかで聞いた言葉ですが、次に続くのは「高い」なのか「凄い」なのか・・誰か確かめてください・・。】
初めての入荷です。なので通常だと必ず飲むんですが・・1本しか無いのでテイスティングすると無くなっちゃうんですね。なので申し訳ないですが飲めません。noisy に代わって出来を確かめてください。
● 2020 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【バーガウンドは86~88ポイントと評価・・・ところがSNS的存在のセラー・トラッカー評価は何と93ポイント!・・こういうところに真実が顔を出すかも・・・ですよね・・】--以前のレヴューです。
そうは言っても皆が素晴らしいと評価するかは別の話しですが、まぁ・・メドゥズさんのところのバーガウンドの評点が86~88だとするなら、やはり・・
「最低2ポイント上げ」
しないと、比較にならないのが現実です。
ただし上級キュヴェはそうでも無くて・・1ポイント位のアップで良いんじゃないでしょうか。下位のキュヴェは3ポイント上げでも良いかもしれません。それで何とか釣り合いが取れるかと思います。
メディア系のテイスターの方々は、それぞれに「クセ」が有ります。多いタイプは、
「アペラシオンでポイント幅の基準を持っている」
方々でしょうか。
例えば、A.C.ブルクラスなら85~89ポイント、村名なら89~92ポイント、1級なら92~95ポイント・・ですね。あとは0.5点、もしくは「プラス」で調整する感じです。
もう一例は少ないですが、自身の感覚に幅の基準を当てはめて行くタイプ・・ですね。テイスティングは自分は最強だと自信のある方が多いです。
あとはこの組み合わせ・・ですね。兎に角A.C.ブルとかだと85~89で当てはめ、それ以上のクラスは警戒度を緩めて行く・・とか、村名以下は92ポイントとしてそれ以上をフリーで・・みたいな感じでしょうか。
セラートラッカーのこのワインの評価を見ると・・そうは言ってもまだ4人しかいませんが・・いずれ増えるとは思いますが、93点が2人、94点が1人、良いと言いながらの評点無しが1人でしたので、
「・・これはちょっと・・気になるかも・・」
と思った次第です。
ただし、新たに区画を取得した格上のオート=コート系よりも高い評価だったので、頭から信じる訳にも行かず、
「やっぱり自分で飲まないと判らん・・」
のが本質ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ティム・アトキン氏は90ポイント!・・どれもが激レアなシルヴァン・カティアールのキュヴェでは有りますが、A.C.ブルは本当に少ない!】 カティアールのA.C.ブルです。格落ちが入っているはずなので、
「早飲み厳禁」です。どんなに早くとも3年は寝かせてくださいね。カティアールだけは、
「最近のブルゴーニュワインはリリース直後から美味しい!」
が当てはまりません。
ティム・アトキン氏は90点と言う評価ですが、上のクラスが凄いですからね・・。その分、A.C.ブルに落としている可能性が有ります。お早めにどうぞ。
-----
【まず見ることの無いワインです。】 今年も1本、いただけました。おそらくですが様々なヴォーヌ=ロマネを中心とする畑のものの格落ちと、A.C.ブルの畑のものを混ぜているはずです。
例によって、ヴィノスでは89ポイントと評価し飲み頃を2019~2022としていますので、2022年以降からがようやく美味しくなると考えてよいでしょう。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【レアです。】 このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2020 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge aux Chaumes
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・オ・ショーム
【新キュヴェです!・・新オート=コート・ド・ニュイが2アイテム!滑り出しは上々のようです。】----昨年、2019年もののレヴューです。
え・・何だか上級キュヴェを散々に減らされて、その分を新アイテム3種で胡麻化された感じがして余り良い気がしませんが、思いっきり減っただけで終わるよりはマシか・・と慰めています。
何しろ新型コロナウイルスの関係もあり、人出不足、原油価格の上昇などで、船は遅れるし価格は上がる、新ヴィンテージが到着するのは皆同じタイミングで、無い時は全く入って来ない・・なんて状況ですから、振り回されてばかりで計画が立てられず・・ホントにその日暮らし、もうどうにもなりません。
何とか2月の最終日にシルヴァン・カティアールを間に合わせて貰ったのは良いにしても、
「新キュヴェの情報が全く無し」
です。「上に問い合わせているんですが・・まだ来ません」で済ませるんだからご気楽なことだなぁ・・とある意味、感心しています。1度だけ上司に電話したが返事がまだ・・と言うことなんでしょうね。
仕方がないのでベッキーさんのページに行ったら形式張ったものだけ・・が有りましたので、各キュヴェのコラムに張り付けておきました。
一応、判り辛いところだけ説明させていただきますと、
Vinification: 100% de-stemmed. 20-30 days in tank. indigenous yeast fermentation.
でしょうか。
100% de-stemmed --> 100%除梗
indigenous yeast fermentation --> 自然酵母による発酵
です。
英語も・・ちょっと面白いでしょう? 「indigenous yeast」って、直訳すると、「先住民の酵母」みたいな感じです。日本人だと「ナチュラル・イースト」とか・・言ってしまいそうですけどね。でもまぁ・・先住民の方が正確な可能性が高いかな・・
因みにメドゥーズさんのところが 86~89 ポイントですから2ポイント上げで 88~91 位が妥当でしょうか。セラー・トラッカーは評価者が少なく、90ポイントでした。ご検討くださいませ。
● 2020 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge les Dames Huguette
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・レ・ダム・ユゲット
【こちらも2019年が初ヴィンテージ!2アイテムリリースのオート=コート・ド・ニュイの上級キュヴェです。】。】----昨年、2019年もののレヴューです。
レ・ダム・ユゲットと言う畑はいくつかのドメーヌがリリースしていますので、聞いたことがあるかもしれません。有名なところではモンジャール=ミュヌレでしょうか。
こちらの方が上級キュヴェですがセラー・トラッカーは90ポイントで、下級のオ・ショームの93ポイントとは差が出ています。バーガウンドはこちらが 87~89 ポイント、オ・ショームが 86~89 ポイントで、余り変わりませんが最低ラインが1ポイント上になっています。
まぁ、セラートラッカーの方は飲んだ時にちょっと硬くて見え辛かったんでしょう・・。そもそもシルヴァン・カティアールは・・今までの経験上ではリリース直後は硬い質です。なので、オート=コートでも3年ほどは置いた方が良いかと想像します。
因みにこの畑は、ニュイ=サン=ジョルジュの上方に在るオート=コートの畑だと思います。ご検討くださいませ。
● 2020 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【ジャスパー・モリスさんの低調な評価が気になります。】
テイスティング出来ない数量しかないので・・何しろ、
「入荷は1本」
ですから・・コラムを書いている時間さえ勿体無いと思ってしまうレベルです。でも、2020年のこのヴォーヌ=ロマネや1級オ・レニョなどのジャスパーさんの評価がちょっと低過ぎるんですね。
まぁ2019年もののヴォーヌ=ロマネも上値90ポイントですから、彼の頭の中の、村名は合格すれば90点から、しなけりゃ89点、それ以下のキュヴェは高くても89~90点..みたいな部分が透けて見えてしまう気がします。2020の1級オ・レニョなんて88~91ポイントですからね・・アレン・メドゥズさんでも92~95ポイントですから、
「もしジャスパー・モリスさんを正しいとするなら、自身ではそのワインをどう評価したらよいのか?」
と考え込んでしまいます。そのレヴューは掲載は出来ませんが、別に悪いとは一言も言っていないんですね。オ・レニョについては・・1級オ・レニョとしてはアルコール分が少し低いとは言ってるんですが、レ・マルコンソールは14.5度、オ・レニョは14度、ヴォーヌ=ロマネが14.5度なので、これは単に、「他のキュヴェより0.5度低い」と言う部分のみを言っているようで、だからと言ってそれが悪いとは言っていないように思えます。
なのでここはやはりアレン・メドゥズさんの「89~92 Points)/2028+」を採用すべきかなぁ・・と・・(^^;;
と言うことで、何とか2028年まであと5年待ってから・・お楽しみください。
以下は以前のレヴューです。
-----
【某ライターさんが「飲む宝石」と賞したロマネ=サン=ヴィヴァンの片鱗が見えるかもしれません!!】 質実剛健なのに繊細・・な味わいのシルヴァン・カティアールですので、基本は「早飲み」できるワインでは有りません。しかし、ヴィノスなどでは「短い間に飲んでしまえ」などと言うものですから、正当な評価になって行かないのでしょう。
そもそも味わいの中に、優しいながらもタンニンの存在をある程度感じるブルゴーニュワインに、2~3年などと言うような短いスパンの飲み頃を提示するなどは、自分の好みを押し付けているとしか思えません。2014年のこのヴォーヌ=ロマネを飲んでいますが
、そんなスパンを言ってしまえるのが信じられない・・ほどでした。それに、2017年のA.C.ブルに89ポイントを付け、村名ヴォーヌ=ロマネに88~90ポイントと言うことは、
「村名ヴォーヌ=ロマネに何か問題でも有ったのか?」
と勘ぐるのが普通です・・が、評価文を読むとどうやらそれは違うようですので、やはりヴィノスの評価は余り当てには出来ないと思ってしまいます。
ですので、インサイド・バーガンディ(ジャスパー・モリス氏)の90~93ポイントか、その他の評価を基準にされるのが良いかと思います。
エレガント系のエキス味、ドライ一筋で質実剛健ですので、さっさと飲んではいけません。機を見計らいましょう。
海外は13500円~18000円+アルファほどですので、海外も村名は決して高く無いようです。日本国内の方が、量的に無いことが理由でしょうか・・結構に高値を付けていますね。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2016年ものは格落ちの葡萄も入っているかもしれません。】
非常に好意的なレヴューが多いと感じる2016年の村名ヴォーヌ=ロマネです。まぁ・・そっくりそのまんま掲載する訳にはいかないですが、数年でビックリするような状態になるだろうとか、この村名にはとても印象的な素質を感じるとか・・ですね。
おそらくですが、2016年のようなヴィンテージの村名ですので、上級キュヴェの格落ちが入っているはずです。そうじゃないとこのようなコメントにはならないですから・・。有る意味、造り上げるのに労力を必要とした年で有って、しかも上級の同じ村の畑を所有している生産者ならではの醍醐味が有るんじゃないかな?・・と推測しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Thorey
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレ
【やはりシルヴァン・カティアールのオー・トレは何か持っている?・・のでしょう。】---以前のレヴューを掲載しています。
2016年ものはジャスパー・モリスさんが94ポイント、2017年ものはティム・アトキンさんが95ポイントと、ちょっとニュイ=サン=ジョルジュの1級とは思えないような評価が出てしまうのがこのオー・トレ1級です。
ニュイの村の北部に有り、ヴォーヌ=ロマネと同じ丘の最後の辺り、上部に有ります。セレナ・サトクリフさんも、
「オー・ザルジラにぞっこん!」
と言って憚りませんでしたが、そのオー・ザルジラ1級の北側に接しています。当然ながらシルヴァン・カティアールのオー・トレは飲んだことが有りませんが、同じニュイ1級ミュルジュのティム・アトキンさんの評価が94ポイントと言うのを見ると、
「・・え~っ!」
と思ってしまいますよね・・飲んでみたいワインです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【MWのジャスパー・モリス氏は何と92~94Points グラン・クリュ並みの評価です!】 長らくBBR社のバイヤーを務め、マスター・オブ・ワインの資格保持者でも有るジャスパー・モリス氏はグラン・クリュ並みの上値94Points まで付けたオー・トレです。2015年ものは93Points 止まりでしたが、超えて来たのか?・・それとも・・と悩んでしまいますが、かなり仕上がりは良いようです。各者のレヴューを見ると数年~8年寝かせるとベスト・・・と言うことのようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2020 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジュ
【誰もが認める1級レ・ミュルジュ!】---以前のレヴューを掲載しています。
ニュイ=サン=ジョルジュ村のヴォーヌ=ロマネ側の丘陵にあり、上からレ・ダモード、ラ・リッシュモンヌ、レ・ミュルジュと下に(東に)降りてくる辺りは、パワフルさとエレガンスが拮抗する味わいが何とも言えない畑のオンパレードです。少しでも南に行くと、やや軽くなるのが不思議・・ですよね。ヴィーニュロンド辺りを飲むと、その拮抗が結構にエレガンス寄りになって来ると感じています。
しかしながらやはり、神様関係の畑で有る「レ・ミュルジュ」も持っていると言うのがシルヴァン・カティアールのポートフォリオの凄いところでしょう。
このところは確実に94~95ポイントラインで落ち着いています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジャスパー・モリス氏は脅威の92~95Points、アドヴォケイトも92~94points!相当に素晴らしいようです!】 ん~・・どうなんでしょうね~・・。激レア、高評価のロマネ=サン=ヴィヴァンは95~97Pointsですから、プリアライヴァル時の評価で上値とは言え、95Points とは驚きです。
確かに、このミュルジェと言う貴重な畑のポテンシャルを考えれば、その位の評価が付いても良い訳ですが、ニュイ1級~ヴォーヌ=ロマネ1級~グラン・クリュの差が、思ったよりも少ないように感じられます。まぁ、それほどまでに良かった・・と言うことなんでしょうかね。レ・マルコンソールなどには、決して見逃してはいけない!・・とまで言うテイスターさえいらっしゃった訳ですんで・・。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、このカティアールの作風はクラシカルなものです。決して早飲みは厳禁なんですね。「a few years of aging」の文字を良く見るような気がしますが、おそらくそのことを言いたいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2020 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
【ジャスパー・モリスさんは低評価、アレン・メドゥズさんは高評価!・・ど~ゆ~こと?・・】
バーガウンドのアレン・メドゥズさんはカッコつきながら92~95ポイントと..彼としますと相当に高い評価を付けていますが、ジャスパー・モリスさんは88~91ポイントと、
「ん?・・村名並みの出来ってこと?」
と判断せざるを得ない低調な評価でした。
因みにジャスパーさんの評価文も読みましたが、何かその理由となるような部分が無く結局意味が不明でした。オ・レニョとしてはバランスが取れていない・・アルコール分が他の1級よりわずか0.5%だが低い・・とのことで、その時点の・・直近を切り取っての表現だけに留まっていまして・・まぁ、いつもの余り気分が乗らない時間・・だったのかと思うしかありません。どうなって行くのかを含めるのが重要だと思います。
そもそもこのオ・レニョは非常にG.C.ラ・ロマネに似たニュアンスを感じる1級です。ラ・ターシュやロマネ・コンティなどに比較しますと中域のふくよかさや拡がりがやや乏しく、しかしその分、ラ・グランド・リュがそうだったように、やや縦延び型と言いますか、高域に伸びて行く部分の表現と全体を通したエレガンスに特徴が有ると思うんですね。しかも若いうちはその部分が顕著に前に出てくると思いますから、2020年ものの濃密に仕上がった果実の存在と、超エレガントな高高度の畑としての涼やかさが現状でミスマッチ..と感じられたのかもしれません。
アレン・メドゥズさんは上値95ポイント、下値92ポイントですから、ジャスパー・モリスさんとは完全に重なる部分が無い評価です。ジャスパーさんの上値は91ポイントですから・・ただし、カッコを付けた意味・・ですね。カッコを付けると言うのは、
「この範囲に入らないかもしれない」
と言う、ある種の言い逃れ?・・(^^;; 逃げられるようにしたと言うか、判断しきれなかったということになりますが、それでも2032+と..10年先よりの飲み頃をきちんと言っている点で信用できると感じています。
まぁ・・オ・レニョを飲むのは今となっては至難の業ですから・・まぁ・・余り良い評判は聞かないオーディフレッドは別にして、デュ・コント・リジェ=ベレール、アルヌー=ラショー、ジャン・グリヴォーなどの大物ばかりが分け合っている畑です。あ、フェレティグも持っていましたっけね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【超エレガント系のオ・レイニョ!】 だいぶ前の印象にはなるんですが、例えばロマネ=コンティの真上がラ・ロマネですよね。その頃はまだブシャール社が販売、ドメーヌ・フォレが耕作と醸造をしていました。素晴らしいロマネ=コンティやラ・ターシュを飲むに付け、
「ラ・ロマネの薄くて平板な味わい」
が気になったものです。言ってみれば、
「xラ・ロマネ」
「xラ・グランドリュ」
で、印象はどちらも余り変わらない・・でした・・すみません・・。
まぁ、その頃のラ・ロマネは3万円前後だったか・・全然売れませんでしたが、ヴィコント・リジェ・ベレールがコント・リジェ・ベレールに変わる頃?・・いきなり残らず売れてしまいました。今の価格は10倍?・・でしょうか。
そして、そんな印象と同様であったラ・グランドリュも復活し、その卓越したナチュラル・エレガンスに磨きを掛けています・・が、このオ・レイニョもその流れに有ると思いますので、結構に似た感じを受けることが出来るんじゃないか?と思います。
海外のメディアは良いところ、93ポイント止まりでしょう。それで良いんです。でも、エレガンスを理解できる日本人には、きっと代えがたいワインなのでは無いかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【残念・・評価は見当たらず!】 流石にこの2016年オ・レニョの評価はまだ見当たりませんでした。簡単にテイスティング出来るほど数は無いのかもしれません。
あの、ラ・ロマネの真上の1級畑ですし、一部ラ・グランド・リュにも接していますから、似た様なニュアンスは出てくるでしょう。思い出しましたが、そう言えばラ・ロマネとラ・グランド・リュは・・似てると思うんですね。最近は飲んでないので、そのまんまを信じられてしまうと困りますが、エレガンスと言う部分では非常に酷似しているイメージが有ります。残念ながらオ・レニョに関しては数をこなしていないので、語ることが困難ですけどね。それ位・・無いワインです。海外のプライスは、この倍以上します(フランス国内は判りません)。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2020 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【バーガウンドの評価も凄いですが・・価格も随分と上がっちゃいました!】
レ・マルコンソールはご存じかと思いますが、まさにテート・ド・キュヴェに相応しい・・「ラ・ターシュ」の南側に接する畑です。しかもレ・ゴーディショでは無い・・元々の「ラ・ターシュ」にも接していて、
「ラ・ターシュの一部はレ・マルコンソールに飛び出した形にもなっている」
んですね。
その性では無いにせよ、昔から
「リーズナブルなレ・マルコンソール...と言うワインは無い」
と言うのが定説で、まぁ・・今はあのクロ・パラが有りますから、これまた一概には言えませんが、
「レ・マルコンソールはヴォーヌ=ロマネの1級畑のトップ!」
と言う位置付けがブルゴーニュを知る人の一般常識だった訳です。
2019年のこのワインのご案内価格が7万円でしたから、ちょっと・・ね・・余りの値上がりの厳しさでは有りますが、ふとしたことで調べてみて・・ビックリしたと言いますか、
「なるほど・・」
と思えることが有ったんですね。
オーストラリアの大学生がスーパーでアルバイトをしていて・・その時給が幾ら位か..ご存じでしょうか?
なんとですね・・時給3000円ちょっとだそうですよ・・それでも安過ぎると・・彼、彼女らは感じていると・・言うことなんです。軽めのちょっとした食事をしただけで2~3千円は掛かるそうでして、現地の方が出されているラーメンが1杯、安くて2200円位・・日本のラーメン屋さんが出て行って出しているラーメンがほぼ3000円だそうで、
「大きく丸めて、最低賃金とラーメンの価格差は、最低時給でラーメンの大盛りが食べられるくらい」
なんじゃないかと・・。
しかも・・これはそのコラムで書きましたが、2021年のシルヴァン・カティアールのアリゴテは、Noisy wine で5千円台ですが、オーストラリアでは12000円ほどです。つまり、
「日本のワインの価格はオーストラリアの二分の一ほど(・・アリゴテに関して)」
なんですね。
日銀総裁が変わりゼロ金利政策も終わりを告げられ、大企業のトップが基本給上げを経団連で口にしています。長い間、人々の給与を抑え込むことで危機を乗り越えようとしてきた政策は破綻したと言えますから、これから我々の給与も増える方向に行くのは間違いありません。
しかし、どうしても「値上げが先」ですから・・何とも厳しい訳ですが、昨年7万円が・・この価格ですから、昨年ご案内させていただいたレ・マルコンソールをご購入の方は、ほぼ40%の利回りな訳です。なので転売屋さんが跋扈している訳でして・・もしそこに直接流すようなことを我々がやってしまえば、ワイン屋をやっている意味が無いし、その資格さえ無いのかもしれません。
バーガウンドのアレン・メドゥズさんは、なんとこのワインに上値96ポイントと言う凄い評価をしています。カティアールの他のキュヴェにはちょっと意味不明の低い評価をしているジャスパー・モリスさんも同じ96ポイントです。
ですので、まぁ・・間違いの無い選択のワインと言うことになろうかと思います。
しかしながら、アレン・メドゥズさんも、
「2038年から」
と・・(^^;;
何と今から15年後からと..ご指定されていらっしゃいますので、その辺を重々承知の上、ご検討いただけましたら幸いです。
いずれ日本人の給与も上がると言うことで、その時を楽しみにしていたいと思います。・・まぁ・・noisy の場合は個人事業主ですから自分で自身の給与を決められる立場におりませんが、会社組織にしたところで結局は同じこと・・多く取ったところで、取り過ぎれば赤字、少なく取ってしまえばその分多くの税金を支払うことになるだけです・・多分。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【シルヴァン・カティアールの看板のワイン、オー・マルコンソールです!】 希少なオー・マルコンソールです。決して早飲み厳禁です。海外は安くて7万円ちょっと、高いと10万円超えます。
2016年ものはいくらで販売したのか、ちょっと気になって調べてみましたら、5万円しない位でしたので少し上がりましたね。
まぁ、ラ・ターシュがD.R.C.のモノポールである以上、他の生産者は造ることが出来ませんが、
「ラ・ターシュと接するマルコンソールなら!」
と言う気持ちになるのは、生産者も飲み手も同様でしょう。ご検討くださいませ。
【あのロマネ=サン=ヴィヴァンに勝るとも劣らないワインです!】 価格の事ばかりですみません・・飲めないのでそれ位しか書けないんですね・・情けないですが。
フランス国内の事情は判りませんが、wine-searcher.com の情報では、アメリカのショップで77000円、香港で91000円、スイスで140000円、平均では107000円ほどのようです。
評点についてはトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンとは上値で1ポイントだけ劣るか、ほぼ同様な感じです。アラン・メドー氏は、
「Don't Miss! Outstanding!」
とのことです。・・つまり、
「見逃すなよ!呆れるほど凄いワインだぞ!」
みたいなニュアンスなんでしょうね。
そりゃぁ・・noisy だって、このワインは飲みたいですけどね。でも販売価格は海外のほぼ半額では有りますが、完全にグラン・クリュのものですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2020 Bourgogne Aligote
ブルゴーニュ・アリゴテ
【このアリゴテ、全く情報が有りません。】
例えブルゴーニュ・アリゴテだとしても・・言ってしまえば「激レア」です。世界のワインショップを探しても見つかるかどうか・・のようです。価格は45~50ドルほどのようですが、実際に売りに出るともう少し高くなるようです。
We received a few precious bottles.
みたいに書かれていますから、皆さん、飲めもせず、他に情報も無く困っているようです。先だって亡くなられたベッキー・ワッサーマンさんのところの扱いだと思いますが、そのホームページを見てもこのワインだけは出ていません。
「・・なら・・飲んじゃうか・・」
とも思ったのですが先が想像できず、飲んだだけで終わってしまって今後入荷しない・・なんてことになると悲惨なので思い留まりました。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【「アリゴテでさえ・・」ってどこかで聞いた言葉ですが、次に続くのは「高い」なのか「凄い」なのか・・誰か確かめてください・・。】
初めての入荷です。なので通常だと必ず飲むんですが・・1本しか無いのでテイスティングすると無くなっちゃうんですね。なので申し訳ないですが飲めません。noisy に代わって出来を確かめてください。
● 2019 Coteaux Bourguignons Rouge les Croix Blanches
コトー・ブルギニョン・ルージュ・レ・クロワ・ブランシュ
【ニュイ=サン=ジョルジュとの境界に有る、ピノならA.C.ブルの畑のようです・・】
レ・クロワ・ブランシュと名前が付いていますが、もし単独のリューディであるとするなら、ニュイ=サン=ジョルジュとの境界にある村名とA.C.ブルの畑、レ・クロワ・ブランシュの産と言うことになるかと思います。情報が無くて良く判りません。
ここは、あの「ニコラ・フォールのニュイ=サン=ジョルジュ・オー・ゼルビュ」と接している畑ですので、大分お馴染みになってきたと思いますし、何より「セシル・トランブレイのA.C.ブル」がレ・クロワ・ブランシュだったりします(おそらく足りなくて混ぜたりしますと区画名が付かない年が有りますが)。
2/3ピノ・ノワール(60%?)と1/3ガメ(40%?)のブレンドにしていることで、コトー・ブルギニヨン格(旧パストゥグラン)になっていますが、セシルの価格を見れば、この価格でも妥当なラインなのでしょう。
相当に高値で販売されているようですが、この位が適当ではないかな?・・と思います。ただし、シルヴァン・カティアールの質実剛健な造りを考えれば、
「コトー・ブルギニヨンだから早飲みしても良いかな~・・」
などと決め込んでしまって、さっさと開けてしまうと失敗するかもしれませんよ。
なお、ネット上にカティアールの情報が無いかと散々探しましたが、メドゥズさんが86~88ポイントと評価している位しか判りませんでした。それに・・ま~・・カティアールはどこも高いですよね・・。
Noisy wine は通常の値付けですが、たたき売りが基本の安売り屋さんでさえ、とんでもなく高値で販売されていらっしゃるのには驚いてしまいます。
それに、メドゥーズさんとかの海外メディアの情報を掲載しているところは本当に稀で、まさに並べているだけの状態・・それでも売れてしまうということなんでしょうね。
因みに Noisy wine の割り当ては「1本!」です。
● 2019 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【バーガウンドは86~88ポイントと評価・・・ところがSNS的存在のセラー・トラッカー評価は何と93ポイント!・・こういうところに真実が顔を出すかも・・・ですよね・・】
そうは言っても皆が素晴らしいと評価するかは別の話しですが、まぁ・・メドゥズさんのところのバーガウンドの評点が86~88だとするなら、やはり・・
「最低2ポイント上げ」
しないと、比較にならないのが現実です。
ただし上級キュヴェはそうでも無くて・・1ポイント位のアップで良いんじゃないでしょうか。下位のキュヴェは3ポイント上げでも良いかもしれません。それで何とか釣り合いが取れるかと思います。
メディア系のテイスターの方々は、それぞれに「クセ」が有ります。多いタイプは、
「アペラシオンでポイント幅の基準を持っている」
方々でしょうか。
例えば、A.C.ブルクラスなら85~89ポイント、村名なら89~92ポイント、1級なら92~95ポイント・・ですね。あとは0.5点、もしくは「プラス」で調整する感じです。
もう一例は少ないですが、自身の感覚に幅の基準を当てはめて行くタイプ・・ですね。テイスティングは自分は最強だと自信のある方が多いです。
あとはこの組み合わせ・・ですね。兎に角A.C.ブルとかだと85~89で当てはめ、それ以上のクラスは警戒度を緩めて行く・・とか、村名以下は92ポイントとしてそれ以上をフリーで・・みたいな感じでしょうか。
セラートラッカーのこのワインの評価を見ると・・そうは言ってもまだ4人しかいませんが・・いずれ増えるとは思いますが、93点が2人、94点が1人、良いと言いながらの評点無しが1人でしたので、
「・・これはちょっと・・気になるかも・・」
と思った次第です。
ただし、新たに区画を取得した格上のオート=コート系よりも高い評価だったので、頭から信じる訳にも行かず、
「やっぱり自分で飲まないと判らん・・」
のが本質ですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【ティム・アトキン氏は90ポイント!・・どれもが激レアなシルヴァン・カティアールのキュヴェでは有りますが、A.C.ブルは本当に少ない!】 カティアールのA.C.ブルです。格落ちが入っているはずなので、
「早飲み厳禁」です。どんなに早くとも3年は寝かせてくださいね。カティアールだけは、
「最近のブルゴーニュワインはリリース直後から美味しい!」
が当てはまりません。
ティム・アトキン氏は90点と言う評価ですが、上のクラスが凄いですからね・・。その分、A.C.ブルに落としている可能性が有ります。お早めにどうぞ。
-----
【まず見ることの無いワインです。】 今年も1本、いただけました。おそらくですが様々なヴォーヌ=ロマネを中心とする畑のものの格落ちと、A.C.ブルの畑のものを混ぜているはずです。
例によって、ヴィノスでは89ポイントと評価し飲み頃を2019~2022としていますので、2022年以降からがようやく美味しくなると考えてよいでしょう。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【レアです。】 このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge aux Chaumes
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・オ・ショーム
【新キュヴェです!・・新オート=コート・ド・ニュイが2アイテム!滑り出しは上々のようです。】
え・・何だか上級キュヴェを散々に減らされて、その分を新アイテム3種で胡麻化された感じがして余り良い気がしませんが、思いっきり減っただけで終わるよりはマシか・・と慰めています。
何しろ新型コロナウイルスの関係もあり、人出不足、原油価格の上昇などで、船は遅れるし価格は上がる、新ヴィンテージが到着するのは皆同じタイミングで、無い時は全く入って来ない・・なんて状況ですから、振り回されてばかりで計画が立てられず・・ホントにその日暮らし、もうどうにもなりません。
何とか2月の最終日にシルヴァン・カティアールを間に合わせて貰ったのは良いにしても、
「新キュヴェの情報が全く無し」
です。「上に問い合わせているんですが・・まだ来ません」で済ませるんだからご気楽なことだなぁ・・とある意味、感心しています。1度だけ上司に電話したが返事がまだ・・と言うことなんでしょうね。
仕方がないのでベッキーさんのページに行ったら形式張ったものだけ・・が有りましたので、各キュヴェのコラムに張り付けておきました。
一応、判り辛いところだけ説明させていただきますと、
Vinification: 100% de-stemmed. 20-30 days in tank. indigenous yeast fermentation.
でしょうか。
100% de-stemmed --> 100%除梗
indigenous yeast fermentation --> 自然酵母による発酵
です。
英語も・・ちょっと面白いでしょう? 「indigenous yeast」って、直訳すると、「先住民の酵母」みたいな感じです。日本人だと「ナチュラル・イースト」とか・・言ってしまいそうですけどね。でもまぁ・・先住民の方が正確な可能性が高いかな・・
因みにメドゥーズさんのところが 86~89 ポイントですから2ポイント上げで 88~91 位が妥当でしょうか。セラー・トラッカーは評価者が少なく、90ポイントでした。ご検討くださいませ。
● 2019 Bourgogne Haute-Cote de Nuits Rouge les Dames Huguette
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・ルージュ・レ・ダム・ユゲット
【こちらも2019年が初ヴィンテージ!2アイテムリリースのオート=コート・ド・ニュイの上級キュヴェです。】
レ・ダム・ユゲットと言う畑はいくつかのドメーヌがリリースしていますので、聞いたことがあるかもしれません。有名なところではモンジャール=ミュヌレでしょうか。
こちらの方が上級キュヴェですがセラー・トラッカーは90ポイントで、下級のオ・ショームの93ポイントとは差が出ています。バーガウンドはこちらが 87~89 ポイント、オ・ショームが 86~89 ポイントで、余り変わりませんが最低ラインが1ポイント上になっています。
まぁ、セラートラッカーの方は飲んだ時にちょっと硬くて見え辛かったんでしょう・・。そもそもシルヴァン・カティアールは・・今までの経験上ではリリース直後は硬い質です。なので、オート=コートでも3年ほどは置いた方が良いかと想像します。
因みにこの畑は、ニュイ=サン=ジョルジュの上方に在るオート=コートの畑だと思います。ご検討くださいませ。
● 2019 Gevrey-Chambertin
ジュヴレ=シャンベルタン
【2019年初リリース!何と・・ジュヴレの畑も購入したようです!】
こちらはどうやら「Champ Franc (シャン・フラン)」と言う区画のようです。ラ・プラティエールと言えば・・Noisy wine だとギイヤールですが、その北に接する畑です。
近くにはグラン・クリュも1級も無い国道の東側ですが、ギイヤールのプラティエールは安くて滅茶美味しいですよね?・・
ただし!・・そこはセバスチャン・カティアールですから・・早飲みは厳禁かと思います。2本だけいただけたアイテムですが、何しろこちらも・・
「全く情報が無い!」
んですよ。
シャン・フランと言う区画だ・・と言うことをようやっと探し当てた位で、味わいの傾向などは全く判りませんし、評点も上がっていません。売れなければ飲もうかな・・と思っています。ご検討くださいませ。
● 2019 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【某ライターさんが「飲む宝石」と賞したロマネ=サン=ヴィヴァンの片鱗が見えるかもしれません!!】---以前のレヴューを掲載しています。
質実剛健なのに繊細・・な味わいのシルヴァン・カティアールですので、基本は「早飲み」できるワインでは有りません。しかし、ヴィノスなどでは「短い間に飲んでしまえ」などと言うものですから、正当な評価になって行かないのでしょう。
そもそも味わいの中に、優しいながらもタンニンの存在をある程度感じるブルゴーニュワインに、2~3年などと言うような短いスパンの飲み頃を提示するなどは、自分の好みを押し付けているとしか思えません。2014年のこのヴォーヌ=ロマネを飲んでいますが
、そんなスパンを言ってしまえるのが信じられない・・ほどでした。それに、2017年のA.C.ブルに89ポイントを付け、村名ヴォーヌ=ロマネに88~90ポイントと言うことは、
「村名ヴォーヌ=ロマネに何か問題でも有ったのか?」
と勘ぐるのが普通です・・が、評価文を読むとどうやらそれは違うようですので、やはりヴィノスの評価は余り当てには出来ないと思ってしまいます。
ですので、インサイド・バーガンディ(ジャスパー・モリス氏)の90~93ポイントか、その他の評価を基準にされるのが良いかと思います。
エレガント系のエキス味、ドライ一筋で質実剛健ですので、さっさと飲んではいけません。機を見計らいましょう。
海外は13500円~18000円+アルファほどですので、海外も村名は決して高く無いようです。日本国内の方が、量的に無いことが理由でしょうか・・結構に高値を付けていますね。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2016年ものは格落ちの葡萄も入っているかもしれません。】
非常に好意的なレヴューが多いと感じる2016年の村名ヴォーヌ=ロマネです。まぁ・・そっくりそのまんま掲載する訳にはいかないですが、数年でビックリするような状態になるだろうとか、この村名にはとても印象的な素質を感じるとか・・ですね。
おそらくですが、2016年のようなヴィンテージの村名ですので、上級キュヴェの格落ちが入っているはずです。そうじゃないとこのようなコメントにはならないですから・・。有る意味、造り上げるのに労力を必要とした年で有って、しかも上級の同じ村の畑を所有している生産者ならではの醍醐味が有るんじゃないかな?・・と推測しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Chambolle-Musigny les Clos de l'Orme
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルム
【2019年はバーガウンドが上値92ポイント!・・2ポイントアップすると2018年もののティム・アトキンさんの評価と同じ??】
テイスティングしないでご案内するのって、相当大変です。何故って・・飲んでもいないのにそれに対して文章を考えるなんぞ、至難の業以外の何物でもありませんよ。なのでほとんど空想の世界の話し・・です。
バーガウンドの評価は、いつも書いている通りかなり厳しいです。なので、村名クラスはプラス2点してちょうど、他の評価者と同等な位に落ち着きます。
以前のコラムで以前のこのワインに94ポイントも付けたティム・アトキン氏を表題にしてしまいましたが、2019年ものはティム・アトキン氏の評点が見当たらない・・と言うか、2019年のシルヴァン・カティアールの評価自体が「見当たらない」んですね。
そもそもシルヴァン・カティアールの出荷先は昔からイギリスが多いようでして、その他のアロケーションは非常に少ないので、中々評価し辛い・・もしくは評価していたとしても余り評価が表に出て来ない・・と言うことなのかもしれません。
5年経過したら・・大分良いんじゃないかと思います。
因みにバーガウンドは2018年ものを 89~91 ポイントと評価していましたので、2019年ものは上値で1ポイント、積み上げています。是非ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【・・・あの~・・このワイン、村名なんですけど・・。94ポイントって、グラン・クリュ並みの評価じゃないですか・・大丈夫ですかティムさん・・】 脅威の村名です・・ワインファンも余り聞いたことは無いかもしれませんが、ポイントを付ける方としても結構に恐怖があるはずです。まぁ・・noisy がビビリなだけなのかもしれませんが、よっぽど・・感動したのでしょうね。そうじゃなきゃ94ポイントは付けられませんよ。有り得ない!・・いや、だからこそ飲んでみたい!・・そんなピノ・ノワール・ファンの心に火を付けちゃいますよね。よほどD.R.Cの方がたやすく入手できるんじゃないかと思っている今日この頃です。
ですが、デカンター誌でも・・
「 Is this really 'only' a village wine?」
と、自身でも問いかけています・・(^^;;
以下は以前のレヴューです。
-----
【カティアールのラインナップ中、最もエレガントなワインです!】
1級畑レ・プラントの真下に有るクロ・ド・ロルムです。クロ・デ・ゾルムと表記する生産者もいらっしゃいます。また、1級レ・シャルムの真北で接していますが、レ・シャルムのようなパワフルモードでは無く、レ・プラントに幾分似た、シミジミ系の美味しさを出すことが多いようです。
2017年もののレヴュワー達の評価も上々のようで・・(ヴィノスもニール・マーティンさんだとまともな評価ですね)。
カティアールは新樽の使用率を下げ、樽からの余分な化粧を加えないようにしています。樹齢も高く、リーズナブルです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Thorey
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレ
【やはりシルヴァン・カティアールのオー・トレは何か持っている?・・のでしょう。】---以前のレヴューを掲載しています。
2016年ものはジャスパー・モリスさんが94ポイント、2017年ものはティム・アトキンさんが95ポイントと、ちょっとニュイ=サン=ジョルジュの1級とは思えないような評価が出てしまうのがこのオー・トレ1級です。
ニュイの村の北部に有り、ヴォーヌ=ロマネと同じ丘の最後の辺り、上部に有ります。セレナ・サトクリフさんも、
「オー・ザルジラにぞっこん!」
と言って憚りませんでしたが、そのオー・ザルジラ1級の北側に接しています。当然ながらシルヴァン・カティアールのオー・トレは飲んだことが有りませんが、同じニュイ1級ミュルジュのティム・アトキンさんの評価が94ポイントと言うのを見ると、
「・・え~っ!」
と思ってしまいますよね・・飲んでみたいワインです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【MWのジャスパー・モリス氏は何と92~94Points グラン・クリュ並みの評価です!】 長らくBBR社のバイヤーを務め、マスター・オブ・ワインの資格保持者でも有るジャスパー・モリス氏はグラン・クリュ並みの上値94Points まで付けたオー・トレです。2015年ものは93Points 止まりでしたが、超えて来たのか?・・それとも・・と悩んでしまいますが、かなり仕上がりは良いようです。各者のレヴューを見ると数年~8年寝かせるとベスト・・・と言うことのようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジュ
【誰もが認める1級レ・ミュルジュ!】---以前のレヴューを掲載しています。
ニュイ=サン=ジョルジュ村のヴォーヌ=ロマネ側の丘陵にあり、上からレ・ダモード、ラ・リッシュモンヌ、レ・ミュルジュと下に(東に)降りてくる辺りは、パワフルさとエレガンスが拮抗する味わいが何とも言えない畑のオンパレードです。少しでも南に行くと、やや軽くなるのが不思議・・ですよね。ヴィーニュロンド辺りを飲むと、その拮抗が結構にエレガンス寄りになって来ると感じています。
しかしながらやはり、神様関係の畑で有る「レ・ミュルジュ」も持っていると言うのがシルヴァン・カティアールのポートフォリオの凄いところでしょう。
このところは確実に94~95ポイントラインで落ち着いています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジャスパー・モリス氏は脅威の92~95Points、アドヴォケイトも92~94points!相当に素晴らしいようです!】 ん~・・どうなんでしょうね~・・。激レア、高評価のロマネ=サン=ヴィヴァンは95~97Pointsですから、プリアライヴァル時の評価で上値とは言え、95Points とは驚きです。
確かに、このミュルジェと言う貴重な畑のポテンシャルを考えれば、その位の評価が付いても良い訳ですが、ニュイ1級~ヴォーヌ=ロマネ1級~グラン・クリュの差が、思ったよりも少ないように感じられます。まぁ、それほどまでに良かった・・と言うことなんでしょうかね。レ・マルコンソールなどには、決して見逃してはいけない!・・とまで言うテイスターさえいらっしゃった訳ですんで・・。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、このカティアールの作風はクラシカルなものです。決して早飲みは厳禁なんですね。「a few years of aging」の文字を良く見るような気がしますが、おそらくそのことを言いたいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
【超エレガント系のオ・レイニョ!】
だいぶ前の印象にはなるんですが、例えばロマネ=コンティの真上がラ・ロマネですよね。その頃はまだブシャール社が販売、ドメーヌ・フォレが耕作と醸造をしていました。素晴らしいロマネ=コンティやラ・ターシュを飲むに付け、
「ラ・ロマネの薄くて平板な味わい」
が気になったものです。言ってみれば、
「xラ・ロマネ」
「xラ・グランドリュ」
で、印象はどちらも余り変わらない・・でした・・すみません・・。
まぁ、その頃のラ・ロマネは3万円前後だったか・・全然売れませんでしたが、ヴィコント・リジェ・ベレールがコント・リジェ・ベレールに変わる頃?・・いきなり残らず売れてしまいました。今の価格は10倍?・・でしょうか。
そして、そんな印象と同様であったラ・グランドリュも復活し、その卓越したナチュラル・エレガンスに磨きを掛けています・・が、このオ・レイニョもその流れに有ると思いますので、結構に似た感じを受けることが出来るんじゃないか?と思います。
海外のメディアは良いところ、93ポイント止まりでしょう。それで良いんです。でも、エレガンスを理解できる日本人には、きっと代えがたいワインなのでは無いかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【残念・・評価は見当たらず!】 流石にこの2016年オ・レニョの評価はまだ見当たりませんでした。簡単にテイスティング出来るほど数は無いのかもしれません。
あの、ラ・ロマネの真上の1級畑ですし、一部ラ・グランド・リュにも接していますから、似た様なニュアンスは出てくるでしょう。思い出しましたが、そう言えばラ・ロマネとラ・グランド・リュは・・似てると思うんですね。最近は飲んでないので、そのまんまを信じられてしまうと困りますが、エレガンスと言う部分では非常に酷似しているイメージが有ります。残念ながらオ・レニョに関しては数をこなしていないので、語ることが困難ですけどね。それ位・・無いワインです。海外のプライスは、この倍以上します(フランス国内は判りません)。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
【アン・オルヴォー・・・97ポイント!・・恐るべし!】---以前のレヴューを掲載しています。
以前から注目していたアン・オルヴォーですが、いや~・・凄いですね~・・。2017年ものの評価でジャスパー・モリスさんが上値97点、付けてましたが、2018年ものには、
「それじゃあ・・わしも・・」
とばかりに?・・ティム・アトキン氏も参入した・・そんな感じでしょうか。
ある意味、ジャスパー・モリスさんの心眼をティム・アトキンさんが保証した・・そんな風にも見えて来てしまいます。
そもそもこの「アン・オルヴォー」と言う畑は、ほとんどがエシェゾーを名乗れる訳です。しかしながらほんの一部(上部)が1級畑とされていまして、その部分をカティアール家が所有している訳ですね。
やはり樹齢が非常に高いこと、それを丹念に仕上げて行くこと、そして「温暖化」も有るのかもしれませんね。これは是非飲んでみたい・・ちょっとミュジニー的風情などが見え隠れしているようなら大感激ですね。
因みにティム・アトキンさんは、2018年のミュジニーV.V./ヴォギュエ に95点ですから・・すぐそこに見えるグラン・クリュでも無い畑のワインに大きく差を付けられたと言う結果に、かなりカチンと来ているはずです。それでまた発奮してほしいですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【シャンボールとの境、エシェゾーを構成するリューディの一つで1級の部分です!】 接してはいないもののミュジニーはすぐそこ、エシェゾーを名乗れる部分も有る1級アン・オルヴォーです。ちょっとロマネ=サン=ヴィヴァンとかミュジニーとかの赤いニュアンス持つ「レ・ルージュ」を南に見る感じの畑です。これも希少な畑でリリースされるワインは非常に少ないです。まず見ないでしょう?
評価は高く上値で97ポイントです。並みのエシェゾーだとここまでは出ないですよね。
アドヴォケイトのニール・マーティンさんは、
「このアン・オルヴォーの後口は本当に消え去ることを拒否しているのだ・・ブラボー!」
だそうです・・
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【シルヴァン・カティアールの看板のワイン、オー・マルコンソールです!】---以前のレヴューです。
希少なオー・マルコンソールです。決して早飲み厳禁です。海外は安くて7万円ちょっと、高いと10万円超えます。
2016年ものはいくらで販売したのか、ちょっと気になって調べてみましたら、5万円しない位でしたので少し上がりましたね。
まぁ、ラ・ターシュがD.R.C.のモノポールである以上、他の生産者は造ることが出来ませんが、
「ラ・ターシュと接するマルコンソールなら!」
と言う気持ちになるのは、生産者も飲み手も同様でしょう。ご検討くださいませ。
【あのロマネ=サン=ヴィヴァンに勝るとも劣らないワインです!】 価格の事ばかりですみません・・飲めないのでそれ位しか書けないんですね・・情けないですが。
フランス国内の事情は判りませんが、wine-searcher.com の情報では、アメリカのショップで77000円、香港で91000円、スイスで140000円、平均では107000円ほどのようです。
評点についてはトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンとは上値で1ポイントだけ劣るか、ほぼ同様な感じです。アラン・メドー氏は、
「Don't Miss! Outstanding!」
とのことです。・・つまり、
「見逃すなよ!呆れるほど凄いワインだぞ!」
みたいなニュアンスなんでしょうね。
そりゃぁ・・noisy だって、このワインは飲みたいですけどね。でも販売価格は海外のほぼ半額では有りますが、完全にグラン・クリュのものですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2019 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・アリゴテ
【「アリゴテでさえ・・」ってどこかで聞いた言葉ですが、次に続くのは「高い」なのか「凄い」なのか・・誰か確かめてください・・。】
初めての入荷です。なので通常だと必ず飲むんですが・・1本しか無いのでテイスティングすると無くなっちゃうんですね。なので申し訳ないですが飲めません。noisy に代わって出来を確かめてください。
● 2018 Coteaux Bourguignons les Croix Blanches
コトー・ブルギニヨン・レ・クロワ・ブランシュ
【ニュイ=サン=ジョルジュとの境界に有る、ピノならA.C.ブルの畑のようです・・】
レ・クロワ・ブランシュと名前が付いていますが、もし単独のリューディであるとするなら、ニュイ=サン=ジョルジュとの境界にある村名とA.C.ブルの畑、レ・クロワ・ブランシュの産と言うことになるかと思います。情報が無くて良く判りません。
ここは、あの「ニコラ・フォールのニュイ=サン=ジョルジュ・オー・ゼルビュ」と接している畑ですので、大分お馴染みになってきたと思いますし、何より「セシル・トランブレイのA.C.ブル」がレ・クロワ・ブランシュだったりします(おそらく足りなくて混ぜたりしますと区画名が付かない年が有りますが)。
2/3ピノ・ノワールと1/3ガメのブレンドにしていることで、コトー・ブルギニヨン格(旧パストゥグラン)になっていますが、セシルの価格を見れば、この価格でも妥当なラインなのでしょう。
相当に高値で販売されているようですが、この位が適当ではないかな?・・と思います。ただし、シルヴァン・カティアールの質実剛健な造りを考えれば、
「コトー・ブルギニヨンだから早飲みしても良いかな~・・」
などと決め込んでしまって、さっさと開けてしまうと失敗するかもしれませんよ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【ティム・アトキン氏は90ポイント!・・どれもが激レアなシルヴァン・カティアールのキュヴェでは有りますが、A.C.ブルは本当に少ない!】
カティアールのA.C.ブルです。格落ちが入っているはずなので、
「早飲み厳禁」です。どんなに早くとも3年は寝かせてくださいね。カティアールだけは、
「最近のブルゴーニュワインはリリース直後から美味しい!」
が当てはまりません。
ティム・アトキン氏は90点と言う評価ですが、上のクラスが凄いですからね・・。その分、A.C.ブルに落としている可能性が有ります。お早めにどうぞ。
-----
【まず見ることの無いワインです。】 今年も1本、いただけました。おそらくですが様々なヴォーヌ=ロマネを中心とする畑のものの格落ちと、A.C.ブルの畑のものを混ぜているはずです。
例によって、ヴィノスでは89ポイントと評価し飲み頃を2019~2022としていますので、2022年以降からがようやく美味しくなると考えてよいでしょう。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【レアです。】 このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【某ライターさんが「飲む宝石」と賞したロマネ=サン=ヴィヴァンの片鱗が見えるかもしれません!!】---以前のレヴューを掲載しています。
質実剛健なのに繊細・・な味わいのシルヴァン・カティアールですので、基本は「早飲み」できるワインでは有りません。しかし、ヴィノスなどでは「短い間に飲んでしまえ」などと言うものですから、正当な評価になって行かないのでしょう。
そもそも味わいの中に、優しいながらもタンニンの存在をある程度感じるブルゴーニュワインに、2~3年などと言うような短いスパンの飲み頃を提示するなどは、自分の好みを押し付けているとしか思えません。2014年のこのヴォーヌ=ロマネを飲んでいますが
、そんなスパンを言ってしまえるのが信じられない・・ほどでした。それに、2017年のA.C.ブルに89ポイントを付け、村名ヴォーヌ=ロマネに88~90ポイントと言うことは、
「村名ヴォーヌ=ロマネに何か問題でも有ったのか?」
と勘ぐるのが普通です・・が、評価文を読むとどうやらそれは違うようですので、やはりヴィノスの評価は余り当てには出来ないと思ってしまいます。
ですので、インサイド・バーガンディ(ジャスパー・モリス氏)の90~93ポイントか、その他の評価を基準にされるのが良いかと思います。
エレガント系のエキス味、ドライ一筋で質実剛健ですので、さっさと飲んではいけません。機を見計らいましょう。
海外は13500円~18000円+アルファほどですので、海外も村名は決して高く無いようです。日本国内の方が、量的に無いことが理由でしょうか・・結構に高値を付けていますね。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2016年ものは格落ちの葡萄も入っているかもしれません。】
非常に好意的なレヴューが多いと感じる2016年の村名ヴォーヌ=ロマネです。まぁ・・そっくりそのまんま掲載する訳にはいかないですが、数年でビックリするような状態になるだろうとか、この村名にはとても印象的な素質を感じるとか・・ですね。
おそらくですが、2016年のようなヴィンテージの村名ですので、上級キュヴェの格落ちが入っているはずです。そうじゃないとこのようなコメントにはならないですから・・。有る意味、造り上げるのに労力を必要とした年で有って、しかも上級の同じ村の畑を所有している生産者ならではの醍醐味が有るんじゃないかな?・・と推測しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Chambolle-Musigny les Clos de l'Orme
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルム
【・・・あの~・・このワイン、村名なんですけど・・。94ポイントって、グラン・クリュ並みの評価じゃないですか・・大丈夫ですかティムさん・・】
脅威の村名です・・ワインファンも余り聞いたことは無いかもしれませんが、ポイントを付ける方としても結構に恐怖があるはずです。まぁ・・noisy がビビリなだけなのかもしれませんが、よっぽど・・感動したのでしょうね。そうじゃなきゃ94ポイントは付けられませんよ。有り得ない!・・いや、だからこそ飲んでみたい!・・そんなピノ・ノワール・ファンの心に火を付けちゃいますよね。よほどD.R.Cの方がたやすく入手できるんじゃないかと思っている今日この頃です。
ですが、デカンター誌でも・・
「 Is this really 'only' a village wine?」
と、自身でも問いかけています・・(^^;;
以下は以前のレヴューです。
-----
【カティアールのラインナップ中、最もエレガントなワインです!】
1級畑レ・プラントの真下に有るクロ・ド・ロルムです。クロ・デ・ゾルムと表記する生産者もいらっしゃいます。また、1級レ・シャルムの真北で接していますが、レ・シャルムのようなパワフルモードでは無く、レ・プラントに幾分似た、シミジミ系の美味しさを出すことが多いようです。
2017年もののレヴュワー達の評価も上々のようで・・(ヴィノスもニール・マーティンさんだとまともな評価ですね)。
カティアールは新樽の使用率を下げ、樽からの余分な化粧を加えないようにしています。樹齢も高く、リーズナブルです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Thorey
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレ
【やはりシルヴァン・カティアールのオー・トレは何か持っている?・・のでしょう。】---以前のレヴューを掲載しています。
2016年ものはジャスパー・モリスさんが94ポイント、2017年ものはティム・アトキンさんが95ポイントと、ちょっとニュイ=サン=ジョルジュの1級とは思えないような評価が出てしまうのがこのオー・トレ1級です。
ニュイの村の北部に有り、ヴォーヌ=ロマネと同じ丘の最後の辺り、上部に有ります。セレナ・サトクリフさんも、
「オー・ザルジラにぞっこん!」
と言って憚りませんでしたが、そのオー・ザルジラ1級の北側に接しています。当然ながらシルヴァン・カティアールのオー・トレは飲んだことが有りませんが、同じニュイ1級ミュルジュのティム・アトキンさんの評価が94ポイントと言うのを見ると、
「・・え~っ!」
と思ってしまいますよね・・飲んでみたいワインです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【MWのジャスパー・モリス氏は何と92~94Points グラン・クリュ並みの評価です!】 長らくBBR社のバイヤーを務め、マスター・オブ・ワインの資格保持者でも有るジャスパー・モリス氏はグラン・クリュ並みの上値94Points まで付けたオー・トレです。2015年ものは93Points 止まりでしたが、超えて来たのか?・・それとも・・と悩んでしまいますが、かなり仕上がりは良いようです。各者のレヴューを見ると数年~8年寝かせるとベスト・・・と言うことのようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジュ
【誰もが認める1級レ・ミュルジュ!】---以前のレヴューを掲載しています。
ニュイ=サン=ジョルジュ村のヴォーヌ=ロマネ側の丘陵にあり、上からレ・ダモード、ラ・リッシュモンヌ、レ・ミュルジュと下に(東に)降りてくる辺りは、パワフルさとエレガンスが拮抗する味わいが何とも言えない畑のオンパレードです。少しでも南に行くと、やや軽くなるのが不思議・・ですよね。ヴィーニュロンド辺りを飲むと、その拮抗が結構にエレガンス寄りになって来ると感じています。
しかしながらやはり、神様関係の畑で有る「レ・ミュルジュ」も持っていると言うのがシルヴァン・カティアールのポートフォリオの凄いところでしょう。
このところは確実に94~95ポイントラインで落ち着いています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジャスパー・モリス氏は脅威の92~95Points、アドヴォケイトも92~94points!相当に素晴らしいようです!】 ん~・・どうなんでしょうね~・・。激レア、高評価のロマネ=サン=ヴィヴァンは95~97Pointsですから、プリアライヴァル時の評価で上値とは言え、95Points とは驚きです。
確かに、このミュルジェと言う貴重な畑のポテンシャルを考えれば、その位の評価が付いても良い訳ですが、ニュイ1級~ヴォーヌ=ロマネ1級~グラン・クリュの差が、思ったよりも少ないように感じられます。まぁ、それほどまでに良かった・・と言うことなんでしょうかね。レ・マルコンソールなどには、決して見逃してはいけない!・・とまで言うテイスターさえいらっしゃった訳ですんで・・。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、このカティアールの作風はクラシカルなものです。決して早飲みは厳禁なんですね。「a few years of aging」の文字を良く見るような気がしますが、おそらくそのことを言いたいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
【アン・オルヴォー・・・97ポイント!・・恐るべし!】
以前から注目していたアン・オルヴォーですが、いや~・・凄いですね~・・。2017年ものの評価でジャスパー・モリスさんが上値97点、付けてましたが、2018年ものには、
「それじゃあ・・わしも・・」
とばかりに?・・ティム・アトキン氏も参入した・・そんな感じでしょうか。
ある意味、ジャスパー・モリスさんの心眼をティム・アトキンさんが保証した・・そんな風にも見えて来てしまいます。
そもそもこの「アン・オルヴォー」と言う畑は、ほとんどがエシェゾーを名乗れる訳です。しかしながらほんの一部(上部)が1級畑とされていまして、その部分をカティアール家が所有している訳ですね。
やはり樹齢が非常に高いこと、それを丹念に仕上げて行くこと、そして「温暖化」も有るのかもしれませんね。これは是非飲んでみたい・・ちょっとミュジニー的風情などが見え隠れしているようなら大感激ですね。
因みにティム・アトキンさんは、2018年のミュジニーV.V./ヴォギュエ に95点ですから・・すぐそこに見えるグラン・クリュでも無い畑のワインに大きく差を付けられたと言う結果に、かなりカチンと来ているはずです。それでまた発奮してほしいですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【シャンボールとの境、エシェゾーを構成するリューディの一つで1級の部分です!】 接してはいないもののミュジニーはすぐそこ、エシェゾーを名乗れる部分も有る1級アン・オルヴォーです。ちょっとロマネ=サン=ヴィヴァンとかミュジニーとかの赤いニュアンス持つ「レ・ルージュ」を南に見る感じの畑です。これも希少な畑でリリースされるワインは非常に少ないです。まず見ないでしょう?
評価は高く上値で97ポイントです。並みのエシェゾーだとここまでは出ないですよね。
アドヴォケイトのニール・マーティンさんは、
「このアン・オルヴォーの後口は本当に消え去ることを拒否しているのだ・・ブラボー!」
だそうです・・
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
【ラ・ロマネ上部に接するオ・レイニョも何と96ポイント!ラ・ロマネに超肉薄の凄い評価です!】
まぁ、まだ2018年ものさえ顔を出さないロマネ=コンティですが、このところは100点を付けるか、付けないのか?・・だけが興味の対象・・としか言えないほど、非常に高い評価をされていますので、それは置いておくとしてもですね・・ラ・ロマネ上部の1級オ・レイニョが、ラ・ロマネに引けを取らない評価を得ていると言う事実が妙に燃え上がらせてくれるんですよね。
そもそも、オ・レイニョの北はレ・プティ・モンですし、その北隣はあのクロパラですから、ロケーションは抜群ながら、ほとんど飲めない、見ることさえ少ないワインなんですね。まだクロパラの方が買える可能性は高いんじゃないかと思ったりします。
で、96ポイントですから・・はい。ラ・ロマネは97ポイントで肉薄してます。高い樹齢とクラシカルで丁寧な仕上げが大柄なピノ・ノワール・ワインにしてくれるのでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【超エレガント系のオ・レイニョ!】 だいぶ前の印象にはなるんですが、例えばロマネ=コンティの真上がラ・ロマネですよね。その頃はまだブシャール社が販売、ドメーヌ・フォレが耕作と醸造をしていました。素晴らしいロマネ=コンティやラ・ターシュを飲むに付け、
「ラ・ロマネの薄くて平板な味わい」
が気になったものです。言ってみれば、
「xラ・ロマネ」
「xラ・グランドリュ」
で、印象はどちらも余り変わらない・・でした・・すみません・・。
まぁ、その頃のラ・ロマネは3万円前後だったか・・全然売れませんでしたが、ヴィコント・リジェ・ベレールがコント・リジェ・ベレールに変わる頃?・・いきなり残らず売れてしまいました。今の価格は10倍?・・でしょうか。
そして、そんな印象と同様であったラ・グランドリュも復活し、その卓越したナチュラル・エレガンスに磨きを掛けています・・が、このオ・レイニョもその流れに有ると思いますので、結構に似た感じを受けることが出来るんじゃないか?と思います。
海外のメディアは良いところ、93ポイント止まりでしょう。それで良いんです。でも、エレガンスを理解できる日本人には、きっと代えがたいワインなのでは無いかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【残念・・評価は見当たらず!】 流石にこの2016年オ・レニョの評価はまだ見当たりませんでした。簡単にテイスティング出来るほど数は無いのかもしれません。
あの、ラ・ロマネの真上の1級畑ですし、一部ラ・グランド・リュにも接していますから、似た様なニュアンスは出てくるでしょう。思い出しましたが、そう言えばラ・ロマネとラ・グランド・リュは・・似てると思うんですね。最近は飲んでないので、そのまんまを信じられてしまうと困りますが、エレガンスと言う部分では非常に酷似しているイメージが有ります。残念ながらオ・レニョに関しては数をこなしていないので、語ることが困難ですけどね。それ位・・無いワインです。海外のプライスは、この倍以上します(フランス国内は判りません)。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【レ・スショでも96ポイントです!呆れてます・・】
エージェントさんは、この辺りは本当に1本ずつしかくれないんですね。まぁ、noisy の場合は、扱ってなかった期間が結構長かったのも有る訳ですが、せめて1本位飲めるような割り振りにしてくれないと・・。
ですがその分、販売価格には反映させていただいてますので、多分日本で一番リーズナブルなはずですよ。でも販売条件が有るからって?・・なんでも良いから他の生産者を1本という条件ですから、かなりリーズナブルなはずなんですね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
-----
【こちらもグラン・クリュ並みの95ポイント!】 レ・マルコンソールとレ・スショは、やはりブルゴーニュワインファンの垂涎のヴォーヌ=ロマネワインですよね。どちらかと言えばレ・マルコンソールが上、レ・スショは次点・・と言う感じでは有ります。
しかしながらシルヴァン・カティアールの場合は、レ・スショが他のレ・マルコンソール並み以上の評価ですので、ちょっと感じが違ってきます。
因みにこのレ・スショ2017年、一応500ドルと言うことになっているようですが、海外では730ドルでも瞬殺されたようです。730ドルってほぼ8万8千円・・日本並みの税金を入れたら10万円・・って、ちょっと恐ろしい世界ですよね。
単純に、noisyのところで買って海外に持って行くと3倍になってしまうと言う・・
なので、間違ってもそのようなことの無いよう・・ご自身での消費するため、転売など無きようお願いいたします。そのようなことになってしまいますと適価で販売できなくなってしまいますのでよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【こちらも92~95Points と非常に評価が高いです。あの評点の厳しいアラン・メドー氏ですから・・】
価格の事はもう言わないようにします。海外に比較して決して高く無いどころか、半額程度です。推測するに、
「量も無く需要が供給を完全に上回っているのでワイン屋もかなり強気の価格を付けている」
と言うことなのでしょう。
アラン・メドー氏は、92~95ポイントと非常に高い評価で、この2016年1級レ・スショを褒めています。アバウトでは有りますが、彼の評価は他のテイスターに比較すると1~3ポイントほど低いのが普通です。その上で、
「カティアールのレ・スショでは今までで最高の出来」
と言ってます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2018 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【シルヴァン・カティアールの看板のワイン、オー・マルコンソールです!】---以前のレヴューです。
希少なオー・マルコンソールです。決して早飲み厳禁です。海外は安くて7万円ちょっと、高いと10万円超えます。
2016年ものはいくらで販売したのか、ちょっと気になって調べてみましたら、5万円しない位でしたので少し上がりましたね。
まぁ、ラ・ターシュがD.R.C.のモノポールである以上、他の生産者は造ることが出来ませんが、
「ラ・ターシュと接するマルコンソールなら!」
と言う気持ちになるのは、生産者も飲み手も同様でしょう。ご検討くださいませ。
【あのロマネ=サン=ヴィヴァンに勝るとも劣らないワインです!】 価格の事ばかりですみません・・飲めないのでそれ位しか書けないんですね・・情けないですが。
フランス国内の事情は判りませんが、wine-searcher.com の情報では、アメリカのショップで77000円、香港で91000円、スイスで140000円、平均では107000円ほどのようです。
評点についてはトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンとは上値で1ポイントだけ劣るか、ほぼ同様な感じです。アラン・メドー氏は、
「Don't Miss! Outstanding!」
とのことです。・・つまり、
「見逃すなよ!呆れるほど凄いワインだぞ!」
みたいなニュアンスなんでしょうね。
そりゃぁ・・noisy だって、このワインは飲みたいですけどね。でも販売価格は海外のほぼ半額では有りますが、完全にグラン・クリュのものですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Coteaux Bourguignons les Croix Blanches
コトー・ブルギニヨン・レ・クロワ・ブランシュ
【ニュイ=サン=ジョルジュとの境界に有る、ピノならA.C.ブルの畑のようです・・】
レ・クロワ・ブランシュと名前が付いていますが、もし単独のリューディであるとするなら、ニュイ=サン=ジョルジュとの境界にある村名とA.C.ブルの畑、レ・クロワ・ブランシュの産と言うことになるかと思います。情報が無くて良く判りません。
ここは、あの「ニコラ・フォールのニュイ=サン=ジョルジュ・オー・ゼルビュ」と接している畑ですので、大分お馴染みになってきたと思いますし、何より「セシル・トランブレイのA.C.ブル」がレ・クロワ・ブランシュだったりします(おそらく足りなくて混ぜたりしますと区画名が付かない年が有りますが)。
2/3ピノ・ノワールと1/3ガメのブレンドにしていることで、コトー・ブルギニヨン格(旧パストゥグラン)になっていますが、セシルの価格を見れば、この価格でも妥当なラインなのでしょう。
相当に高値で販売されているようですが、この位が適当ではないかな?・・と思います。ただし、シルヴァン・カティアールの質実剛健な造りを考えれば、
「コトー・ブルギニヨンだから早飲みしても良いかな~・・」
などと決め込んでしまって、さっさと開けてしまうと失敗するかもしれませんよ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【まず見ることの無いワインです。】
今年も1本、いただけました。おそらくですが様々なヴォーヌ=ロマネを中心とする畑のものの格落ちと、A.C.ブルの畑のものを混ぜているはずです。
例によって、ヴィノスでは89ポイントと評価し飲み頃を2019~2022としていますので、2022年以降からがようやく美味しくなると考えてよいでしょう。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【レアです。】 このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【某ライターさんが「飲む宝石」と賞したロマネ=サン=ヴィヴァンの片鱗が見えるかもしれません!!】
質実剛健なのに繊細・・な味わいのシルヴァン・カティアールですので、基本は「早飲み」できるワインでは有りません。しかし、ヴィノスなどでは「短い間に飲んでしまえ」などと言うものですから、正当な評価になって行かないのでしょう。
そもそも味わいの中に、優しいながらもタンニンの存在をある程度感じるブルゴーニュワインに、2~3年などと言うような短いスパンの飲み頃を提示するなどは、自分の好みを押し付けているとしか思えません。2014年のこのヴォーヌ=ロマネを飲んでいますが
、そんなスパンを言ってしまえるのが信じられない・・ほどでした。それに、2017年のA.C.ブルに89ポイントを付け、村名ヴォーヌ=ロマネに88~90ポイントと言うことは、
「村名ヴォーヌ=ロマネに何か問題でも有ったのか?」
と勘ぐるのが普通です・・が、評価文を読むとどうやらそれは違うようですので、やはりヴィノスの評価は余り当てには出来ないと思ってしまいます。
ですので、インサイド・バーガンディ(ジャスパー・モリス氏)の90~93ポイントか、その他の評価を基準にされるのが良いかと思います。
エレガント系のエキス味、ドライ一筋で質実剛健ですので、さっさと飲んではいけません。機を見計らいましょう。
海外は13500円~18000円+アルファほどですので、海外も村名は決して高く無いようです。日本国内の方が、量的に無いことが理由でしょうか・・結構に高値を付けていますね。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2016年ものは格落ちの葡萄も入っているかもしれません。】
非常に好意的なレヴューが多いと感じる2016年の村名ヴォーヌ=ロマネです。まぁ・・そっくりそのまんま掲載する訳にはいかないですが、数年でビックリするような状態になるだろうとか、この村名にはとても印象的な素質を感じるとか・・ですね。
おそらくですが、2016年のようなヴィンテージの村名ですので、上級キュヴェの格落ちが入っているはずです。そうじゃないとこのようなコメントにはならないですから・・。有る意味、造り上げるのに労力を必要とした年で有って、しかも上級の同じ村の畑を所有している生産者ならではの醍醐味が有るんじゃないかな?・・と推測しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Chambolle-Musigny les Clos de l'Orme
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルム
【カティアールのラインナップ中、最もエレガントなワインです!】
1級畑レ・プラントの真下に有るクロ・ド・ロルムです。クロ・デ・ゾルムと表記する生産者もいらっしゃいます。また、1級レ・シャルムの真北で接していますが、レ・シャルムのようなパワフルモードでは無く、レ・プラントに幾分似た、シミジミ系の美味しさを出すことが多いようです。
2017年もののレヴュワー達の評価も上々のようで・・(ヴィノスもニール・マーティンさんだとまともな評価ですね)。
カティアールは新樽の使用率を下げ、樽からの余分な化粧を加えないようにしています。樹齢も高く、リーズナブルです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジュ
【誰もが認める1級レ・ミュルジュ!】
ニュイ=サン=ジョルジュ村のヴォーヌ=ロマネ側の丘陵にあり、上からレ・ダモード、ラ・リッシュモンヌ、レ・ミュルジュと下に(東に)降りてくる辺りは、パワフルさとエレガンスが拮抗する味わいが何とも言えない畑のオンパレードです。少しでも南に行くと、やや軽くなるのが不思議・・ですよね。ヴィーニュロンド辺りを飲むと、その拮抗が結構にエレガンス寄りになって来ると感じています。
しかしながらやはり、神様関係の畑で有る「レ・ミュルジュ」も持っていると言うのがシルヴァン・カティアールのポートフォリオの凄いところでしょう。
このところは確実に94~95ポイントラインで落ち着いています。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【ジャスパー・モリス氏は脅威の92~95Points、アドヴォケイトも92~94points!相当に素晴らしいようです!】 ん~・・どうなんでしょうね~・・。激レア、高評価のロマネ=サン=ヴィヴァンは95~97Pointsですから、プリアライヴァル時の評価で上値とは言え、95Points とは驚きです。
確かに、このミュルジェと言う貴重な畑のポテンシャルを考えれば、その位の評価が付いても良い訳ですが、ニュイ1級~ヴォーヌ=ロマネ1級~グラン・クリュの差が、思ったよりも少ないように感じられます。まぁ、それほどまでに良かった・・と言うことなんでしょうかね。レ・マルコンソールなどには、決して見逃してはいけない!・・とまで言うテイスターさえいらっしゃった訳ですんで・・。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、このカティアールの作風はクラシカルなものです。決して早飲みは厳禁なんですね。「a few years of aging」の文字を良く見るような気がしますが、おそらくそのことを言いたいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Thorey
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレ
【やはりシルヴァン・カティアールのオー・トレは何か持っている?・・のでしょう。】
2016年ものはジャスパー・モリスさんが94ポイント、2017年ものはティム・アトキンさんが95ポイントと、ちょっとニュイ=サン=ジョルジュの1級とは思えないような評価が出てしまうのがこのオー・トレ1級です。
ニュイの村の北部に有り、ヴォーヌ=ロマネと同じ丘の最後の辺り、上部に有ります。セレナ・サトクリフさんも、
「オー・ザルジラにぞっこん!」
と言って憚りませんでしたが、そのオー・ザルジラ1級の北側に接しています。当然ながらシルヴァン・カティアールのオー・トレは飲んだことが有りませんが、同じニュイ1級ミュルジュのティム・アトキンさんの評価が94ポイントと言うのを見ると、
「・・え~っ!」
と思ってしまいますよね・・飲んでみたいワインです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【MWのジャスパー・モリス氏は何と92~94Points グラン・クリュ並みの評価です!】 長らくBBR社のバイヤーを務め、マスター・オブ・ワインの資格保持者でも有るジャスパー・モリス氏はグラン・クリュ並みの上値94Points まで付けたオー・トレです。2015年ものは93Points 止まりでしたが、超えて来たのか?・・それとも・・と悩んでしまいますが、かなり仕上がりは良いようです。各者のレヴューを見ると数年~8年寝かせるとベスト・・・と言うことのようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
【超エレガント系のオ・レイニョ!】
だいぶ前の印象にはなるんですが、例えばロマネ=コンティの真上がラ・ロマネですよね。その頃はまだブシャール社が販売、ドメーヌ・フォレが耕作と醸造をしていました。素晴らしいロマネ=コンティやラ・ターシュを飲むに付け、
「ラ・ロマネの薄くて平板な味わい」
が気になったものです。言ってみれば、
「xラ・ロマネ」
「xラ・グランドリュ」
で、印象はどちらも余り変わらない・・でした・・すみません・・。
まぁ、その頃のラ・ロマネは3万円前後だったか・・全然売れませんでしたが、ヴィコント・リジェ・ベレールがコント・リジェ・ベレールに変わる頃?・・いきなり残らず売れてしまいました。今の価格は10倍?・・でしょうか。
そして、そんな印象と同様であったラ・グランドリュも復活し、その卓越したナチュラル・エレガンスに磨きを掛けています・・が、このオ・レイニョもその流れに有ると思いますので、結構に似た感じを受けることが出来るんじゃないか?と思います。
海外のメディアは良いところ、93ポイント止まりでしょう。それで良いんです。でも、エレガンスを理解できる日本人には、きっと代えがたいワインなのでは無いかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【残念・・評価は見当たらず!】 流石にこの2016年オ・レニョの評価はまだ見当たりませんでした。簡単にテイスティング出来るほど数は無いのかもしれません。
あの、ラ・ロマネの真上の1級畑ですし、一部ラ・グランド・リュにも接していますから、似た様なニュアンスは出てくるでしょう。思い出しましたが、そう言えばラ・ロマネとラ・グランド・リュは・・似てると思うんですね。最近は飲んでないので、そのまんまを信じられてしまうと困りますが、エレガンスと言う部分では非常に酷似しているイメージが有ります。残念ながらオ・レニョに関しては数をこなしていないので、語ることが困難ですけどね。それ位・・無いワインです。海外のプライスは、この倍以上します(フランス国内は判りません)。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【こちらもグラン・クリュ並みの95ポイント!】
レ・マルコンソールとレ・スショは、やはりブルゴーニュワインファンの垂涎のヴォーヌ=ロマネワインですよね。どちらかと言えばレ・マルコンソールが上、レ・スショは次点・・と言う感じでは有ります。
しかしながらシルヴァン・カティアールの場合は、レ・スショが他のレ・マルコンソール並み以上の評価ですので、ちょっと感じが違ってきます。
因みにこのレ・スショ2017年、一応500ドルと言うことになっているようですが、海外では730ドルでも瞬殺されたようです。730ドルってほぼ8万8千円・・日本並みの税金を入れたら10万円・・って、ちょっと恐ろしい世界ですよね。
単純に、noisyのところで買って海外に持って行くと3倍になってしまうと言う・・
なので、間違ってもそのようなことの無いよう・・ご自身での消費するため、転売など無きようお願いいたします。そのようなことになってしまいますと適価で販売できなくなってしまいますのでよろしくお願いいたします。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【こちらも92~95Points と非常に評価が高いです。あの評点の厳しいアラン・メドー氏ですから・・】
価格の事はもう言わないようにします。海外に比較して決して高く無いどころか、半額程度です。推測するに、
「量も無く需要が供給を完全に上回っているのでワイン屋もかなり強気の価格を付けている」
と言うことなのでしょう。
アラン・メドー氏は、92~95ポイントと非常に高い評価で、この2016年1級レ・スショを褒めています。アバウトでは有りますが、彼の評価は他のテイスターに比較すると1~3ポイントほど低いのが普通です。その上で、
「カティアールのレ・スショでは今までで最高の出来」
と言ってます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
【シャンボールとの境、エシェゾーを構成するリューディの一つで1級の部分です!】
接してはいないもののミュジニーはすぐそこ、エシェゾーを名乗れる部分も有る1級アン・オルヴォーです。ちょっとロマネ=サン=ヴィヴァンとかミュジニーとかの赤いニュアンス持つ「レ・ルージュ」を南に見る感じの畑です。これも希少な畑でリリースされるワインは非常に少ないです。まず見ないでしょう?
評価は高く上値で97ポイントです。並みのエシェゾーだとここまでは出ないですよね。
アドヴォケイトのニール・マーティンさんは、
「このアン・オルヴォーの後口は本当に消え去ることを拒否しているのだ・・ブラボー!」
だそうです・・
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【シルヴァン・カティアールの看板のワイン、オー・マルコンソールです!】
希少なオー・マルコンソールです。決して早飲み厳禁です。海外は安くて7万円ちょっと、高いと10万円超えます。
2016年ものはいくらで販売したのか、ちょっと気になって調べてみましたら、5万円しない位でしたので少し上がりましたね。
まぁ、ラ・ターシュがD.R.C.のモノポールである以上、他の生産者は造ることが出来ませんが、
「ラ・ターシュと接するマルコンソールなら!」
と言う気持ちになるのは、生産者も飲み手も同様でしょう。ご検討くださいませ。
【あのロマネ=サン=ヴィヴァンに勝るとも劣らないワインです!】 価格の事ばかりですみません・・飲めないのでそれ位しか書けないんですね・・情けないですが。
フランス国内の事情は判りませんが、wine-searcher.com の情報では、アメリカのショップで77000円、香港で91000円、スイスで140000円、平均では107000円ほどのようです。
評点についてはトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンとは上値で1ポイントだけ劣るか、ほぼ同様な感じです。アラン・メドー氏は、
「Don't Miss! Outstanding!」
とのことです。・・つまり、
「見逃すなよ!呆れるほど凄いワインだぞ!」
みたいなニュアンスなんでしょうね。
そりゃぁ・・noisy だって、このワインは飲みたいですけどね。でも販売価格は海外のほぼ半額では有りますが、完全にグラン・クリュのものですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2017 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【飲む宝石?!・・】
やはり素晴らしいピノ・ノワールに出会うと、飲んでいても鳥肌が立って来てしまいますが・・(^^;; その確率が非常に高いのがヴォーヌ=ロマネのグラン・クリュで有ることは、ほぼ間違いないかと思います。特にロマネ=サン=ヴィヴァンなどはそうですよね・・。いや、その昔は、
「なんだ・・サン=ヴィヴァンか・・」
などと平気で言っていた時期も有った訳ですが・・。今やそんなことを言ったらバチが当たること必定です。
海外のメディアは挙ってほぼ97~95のボックス評価のようです。飲んでみたいですが、昨年より13%強の値上がりです。飲む宝石と表した日本のライターさんもいらっしゃいましたが、現実もまさに価格さえもそうなってしまったようです。ご検討くださいませ。
【海外は何と40万円超が当たり前?・・】 アドヴォケイト(ニール・マーティン氏)が95~97Points、アラン・メドー氏のバーガウンドが93~96Points と言う評価が見当たりました。アドヴォケイトはまぁ・・良いとして、アラン・メドーの93~96Points は凄いですね。
しかしそれより、海外の販売価格が余りに高いので・・儲けの薄いワイン屋にとっては、
「・・売らないで取っておきたい!」
のが本音です。
もっとも、そんなことをしますとお客様にそっぽを向かれてしまいますし、何のためにワインを販売しているのか、自分の中で整合性が取れなくなっちゃいますからね。いずれきっとご馳走してくれるだろう・・(^^;; などと淡い期待を持ちつつも、そんな甘くは無いだろうなぁ・・と。
カティアール=モリニエの古酒のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・近くにお嫁に出したかったのに、誰も買ってくれなかったのが夢のようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【海外は何と40万円超が当たり前?・・】
アドヴォケイト(ニール・マーティン氏)が95~97Points、アラン・メドー氏のバーガウンドが93~96Points と言う評価が見当たりました。アドヴォケイトはまぁ・・良いとして、アラン・メドーの93~96Points は凄いですね。
しかしそれより、海外の販売価格が余りに高いので・・儲けの薄いワイン屋にとっては、
「・・売らないで取っておきたい!」
のが本音です。
もっとも、そんなことをしますとお客様にそっぽを向かれてしまいますし、何のためにワインを販売しているのか、自分の中で整合性が取れなくなっちゃいますからね。いずれきっとご馳走してくれるだろう・・(^^;; などと淡い期待を持ちつつも、そんな甘くは無いだろうなぁ・・と。
カティアール=モリニエの古酒のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・近くにお嫁に出したかったのに、誰も買ってくれなかったのが夢のようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
【2016年ものは格落ちの葡萄も入っているかもしれません。】
非常に好意的なレヴューが多いと感じる2016年の村名ヴォーヌ=ロマネです。まぁ・・そっくりそのまんま掲載する訳にはいかないですが、数年でビックリするような状態になるだろうとか、この村名にはとても印象的な素質を感じるとか・・ですね。
おそらくですが、2016年のようなヴィンテージの村名ですので、上級キュヴェの格落ちが入っているはずです。そうじゃないとこのようなコメントにはならないですから・・。有る意味、造り上げるのに労力を必要とした年で有って、しかも上級の同じ村の畑を所有している生産者ならではの醍醐味が有るんじゃないかな?・・と推測しています。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
【こちらも92~95Points と非常に評価が高いです。あの評点の厳しいアラン・メドー氏ですから・・】
価格の事はもう言わないようにします。海外に比較して決して高く無いどころか、半額程度です。推測するに、
「量も無く需要が供給を完全に上回っているのでワイン屋もかなり強気の価格を付けている」
と言うことなのでしょう。
アラン・メドー氏は、92~95ポイントと非常に高い評価で、この2016年1級レ・スショを褒めています。アバウトでは有りますが、彼の評価は他のテイスターに比較すると1~3ポイントほど低いのが普通です。その上で、
「カティアールのレ・スショでは今までで最高の出来」
と言ってます。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
【残念・・評価は見当たらず!】
流石にこの2016年オ・レニョの評価はまだ見当たりませんでした。簡単にテイスティング出来るほど数は無いのかもしれません。
あの、ラ・ロマネの真上の1級畑ですし、一部ラ・グランド・リュにも接していますから、似た様なニュアンスは出てくるでしょう。思い出しましたが、そう言えばラ・ロマネとラ・グランド・リュは・・似てると思うんですね。最近は飲んでないので、そのまんまを信じられてしまうと困りますが、エレガンスと言う部分では非常に酷似しているイメージが有ります。残念ながらオ・レニョに関しては数をこなしていないので、語ることが困難ですけどね。それ位・・無いワインです。海外のプライスは、この倍以上します(フランス国内は判りません)。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
【シャンボールとの境、エシェゾーを構成するリューディの一つで1級の部分です!】
接してはいないもののミュジニーはすぐそこ、エシェゾーを名乗れる部分も有る1級アン・オルヴォーです。ちょっとロマネ=サン=ヴィヴァンとかミュジニーとかの赤いニュアンス持つ「レ・ルージュ」を南に見る感じの畑です。これも希少な畑でリリースされるワインは非常に少ないです。まず見ないでしょう?
評価は高いですし、アドヴォケイトとバーガウンドが珍しく、ほぼ同様の評価をしています。上値で94ポイントです。並みのエシェゾーだとここまでは出ないですよね。
アドヴォケイトのニール・マーティンさんは、
「このアン・オルヴォーは2016年シルヴァン・カティアールのアイテムのダークホース的存在。オ・レニョと同等」
と言ってます・・でもオ・レニョの評価は見つけられませんでした。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Chambolle-Musigny les Clos de l'Orme
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルム
【カティアールのラインナップ中、最もエレガントなワインです!】
1級畑レ・プラントの真下に有るクロ・ド・ロルムです。クロ・デ・ゾルムと表記する生産者もいらっしゃいます。また、1級レ・シャルムの真北で接していますが、レ・シャルムのようなパワフルモードでは無く、レ・プラントに幾分似た、シミジミ系の美味しさを出すことが多いようです。
残念ながら2016年もののレヴュワー達の評価が見当たりませんでしたので、1本しか入荷の無いところ・・さて・・手立てが尽きたぞ・・と困っています。
カティアールは新樽の使用率を下げ、樽からの余分な化粧を加えないようにしています。樹齢も高く、リーズナブルです。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジェ
【ジャスパー・モリス氏は脅威の92~95Points、アドヴォケイトも92~94points!相当に素晴らしいようです!】
ん~・・どうなんでしょうね~・・。激レア、高評価のロマネ=サン=ヴィヴァンは95~97Pointsですから、プリアライヴァル時の評価で上値とは言え、95Points とは驚きです。
確かに、このミュルジェと言う貴重な畑のポテンシャルを考えれば、その位の評価が付いても良い訳ですが、ニュイ1級~ヴォーヌ=ロマネ1級~グラン・クリュの差が、思ったよりも少ないように感じられます。まぁ、それほどまでに良かった・・と言うことなんでしょうかね。レ・マルコンソールなどには、決して見逃してはいけない!・・とまで言うテイスターさえいらっしゃった訳ですんで・・。
ただし、勘違いしないでいただきたいのは、このカティアールの作風はクラシカルなものです。決して早飲みは厳禁なんですね。「a few years of aging」の文字を良く見るような気がしますが、おそらくそのことを言いたいんじゃないかと思います。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Thorey
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレ
【MWのジャスパー・モリス氏は何と92~94Points グラン・クリュ並みの評価です!】
長らくBBR社のバイヤーを務め、マスター・オブ・ワインの資格保持者でも有るジャスパー・モリス氏はグラン・クリュ並みの上値94Points まで付けたオー・トレです。2015年ものは93Points 止まりでしたが、超えて来たのか?・・それとも・・と悩んでしまいますが、かなり仕上がりは良いようです。各者のレヴューを見ると数年~8年寝かせるとベスト・・・と言うことのようです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【あのロマネ=サン=ヴィヴァンに勝るとも劣らないワインです!】
価格の事ばかりですみません・・飲めないのでそれ位しか書けないんですね・・情けないですが。
フランス国内の事情は判りませんが、wine-searcher.com の情報では、アメリカのショップで77000円、香港で91000円、スイスで140000円、平均では107000円ほどのようです。
評点についてはトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンとは上値で1ポイントだけ劣るか、ほぼ同様な感じです。アラン・メドー氏は、
「Don't Miss! Outstanding!」
とのことです。・・つまり、
「見逃すなよ!呆れるほど凄いワインだぞ!」
みたいなニュアンスなんでしょうね。
そりゃぁ・・noisy だって、このワインは飲みたいですけどね。でも販売価格は海外のほぼ半額では有りますが、完全にグラン・クリュのものですよね。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2016 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
【レアです。】
このところは毎年、1本だけの入荷です。なので、未だにnoisy も未テイスティングです。
以下は以前のレヴューです。
━━━━━
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】 2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2015 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
● 2015 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
● 2015 Chambolle-Musigny les Clos de l'Orme
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルム
● 2015 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Thorey
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・トレ
● 2015 Nuits-Saint-Georges 1er Cru aux Murgers
ニュイ=サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ミュルジェ
● 2015 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
● 2015 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
● 2015 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
● 2015 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
● 2015 Romanee-Saint-Vivant Grand Cru
ロマネ=サン=ヴィヴァン・グラン・クリュ
【2015年のシルヴァン・カティアールはかなり良いようです!今までで最高の評価のロマネ=サン=ヴィヴァン等!早飲み厳禁の超本格派です!】
2015年もののグラスに入った写真が無いのは残念では有りますが、これだけのアイテム数が有っても十数本の入荷量ですので申し訳ない・・。
ただし上記の造り手紹介欄にも書きましたが、2014年のクラシカルさはやや薄まり、より外交的に、ピュアなノーズになっているようですし、さらに大柄に、評価ポイントも上がっています。
まぁ、結局このような少量入荷の造り手さんのワインは入荷時には中々手は出せず、もし余るようなら折を見て飲んでみる・・と言うようなスタイルを取らざるを得ない状況に追い込まれます。そしてまたエージェントさんが変わってしまったりすると、もうどうにも入手できないようになってしまうんですね。
また、今回ご紹介させていただくシルヴァン・カティアールは「正規代理店輸入品」です。高いように見えるかもしれませんが、決してそうではありません。
もし今、シルヴァン・カティアールのワインを市場で調達(つまりブローカー経由)しようとすると、この販売価格ではとても仕入れは不可能です。特に上級キュヴェになればなるほどその傾向は顕著です。某ショッピングモールで2013年の正規品のロマネ=サン=ヴィヴァンが入った3本セットと言うのをようやく見つけましたが、ニュイの1級がそれぞれ付いて、50万とのことで・・ワイン屋として気持ちは判らないでも無いですが・・どうなんでしょうね。長い間、D.R.C.のロマネ=サン=ヴィヴァンは2万円だと思い込んでいた noisy にとっては非常に複雑な心境では有ります。
因みにシルヴァン・カティアールのロマネ=サン=ヴィヴァンは、ロマネ=コンティから真っすぐずっと下がってきた最下部に有り、デュジャックの南、アルヌーの北、ポワゾの東(下)です。昔モワラールが持っていた部分をアルヌー(借りていた畑を1980年代に購入)、カティアール(1980年代に購入)、デュジャック(2004年頃に購入)で分けた形ですね。noisy もついこの間まで1986年のアンドレ・カティアール名義のロマネ=サン=ヴィヴァンを販売していました。ま~・・感動するような物凄い色をしていました・・。

さらに因むと、トマ・モワラールの1995年のロマネ=サン=ヴィヴァンは・・もう、勘弁してくれと言葉が出るほど散々・・飲みました。デュジャックが購入した部分、このカティアールの北の畑からのワインですね。これがもう、日本に山ほど残ってまして・・
「x千円で良いから買って欲しい」
と。
でも・・それこそ何本も飲んで・・断りました。・・美味しく無いんですよ。細かなことは言いませんがロマネ=サン=ヴィヴァンとして・・どころの話しじゃ無いんですね。こんなレベルのものを販売して恨みを買うようなことは、noisy の主義ではございませんので決して手を出しませんでした。結局、そのワインは他の方が安く購入されたようです。あれだけの数のどうしようもない味のロマネ=サン=ヴィヴァン・・・どう処分したのか気になってしまいますけどね。
いずれにしましてもロマネ=サン=ヴィヴァンは1本だけです。貴重なワインです。
ご存じマルコンソールはラ・ターシュに接する準特級畑・・ですね。まぁ、ラ・ターシュに成り損ねたような畑で、実力はグラン・クリュ並みに有ります。それって、1級として造るか、グラン・クリュとして造るかでは仕上がりが違うんですね。畑にはそれぞれ決められたイールド(反収)が有ります。グラン・クリュが一番低い訳ですが、グラン・クリュの格でもそれは異なります。ロマネ=コンティとかミュジニーとかは最も低いイールドです。なので、1級と特級では徴収される税金も異なり、収穫できる葡萄の量も異なる訳で、それがワインのポテンシャルにも響いてくる訳です。こことレ・スショは狙い目でも有ります。
その他、どれもクラシカルで大柄なワインです。詳細は以下の2014年の転載文にも書いていますので参考にされてください。ご検討くださいませ。
以下は2014年のヴォーヌ=ロマネのコラムより転載しています。
━━━━━
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】
本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
● 2014 Bourgogne Rouge
ブルゴーニュ・ルージュ
● 2014 Chambolle-Musigny les Clos de l'Orme
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルム
● 2014 Vosne-Romanee
ヴォーヌ=ロマネ
● 2014 Vosne-Romanee 1er Cru les Suchots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・レ・スショ
● 2014 Vosne-Romanee 1er Cru en Orveaux
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・アン・オルヴォー
● 2014 Vosne-Romanee 1er Cru aux Reignots
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・レニョ
● 2014 Vosne-Romanee 1er Cru aux Malconsorts
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・オー・マルコンソール
【ブルゴーニュ・ピノ・ノワールの聖地だからこそのスタイル!半端無いポテンシャルです!決して早飲みは厳禁・・昨今の軟弱ブルと一緒にしないように!】

本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールです。上記のような事で、途絶えていたシルヴァン・カティアールの扱いが復活しました。残念ながらトップ・キュヴェのロマネ=サン=ヴィヴァンは入手できませんでした。
まぁ、それでも随分前に一度だけ、頼んで無いのにカティアールのシャンボールが届いたことが有ったんですが、それは日本の正規代理店からでは無くBBRさんからでした。
「・・あ、そう言えばカティアール、どうなったんだっけ?」
と思いつつも、いつしか忘却の彼方へ記憶は飛んで行ってしまってたんですね。
このところは少し個人的に贔屓の評論家・・と言っても、評価の内容はほとんど知らず、ただただ評点を見るに過ぎないんですが、ティム・アトキン氏の型にハマらない自由なポイント付けが良いですよね・・彼がかなり高く評価しているのと、他でも非常に高い評価を得ていて、しかも、
「もともと5ヘクタールのみで、日本には微々たる量しか入って来ないヴォーヌ=ロマネのトップ・ドメーヌ」
で有って、さらには、
「その余りの少なさから、ブルゴーニュ・ファンでも知らない人が多い」
と言うことで、久しぶりに扱おうと決めたんですね。
ですが以前、余りの高値に嫌気がさして、仕入れを止めてしまった位ですから、価格は安くは無いです。
それでもヴォーヌ=ロマネのトップドメーヌとするならば、現在では決して高い水準では無く、平均的なものだと言えます。むしろまだラマルシュとか、ジョルジュ=ミュヌレ=ジュブールは安いんです。
ちょっと考えてみてくださいよ・・。あのラ・ロマネは今、一体幾ら出せば入手できますか?・・ロマネ=コンティは、ラ・ターシュは?グラン・クリュの歴史は浅いですがラ・グランド・リュなどは評価はむしろDRCを超えるほどなのに、価格は1/10ほどでしょう?ラ・ロマネの1/5ほどです。そう考えると非常にリーズナブルなんですね。
カティアールのマルコンソールなどはもう、ラ・ターシュ然とした感じとかはグラン・クリュ並みだったです。それでも1万以下だったものがいきなり2万を超えるようなオファーになったもんですから、止めちゃったんですよ。
今回は非常に少ないですが、いただけただけ有難いと思って、とりあえず村名ヴォーヌ=ロマネを開けちゃいました。雰囲気は変わらないですね~・・。クラシックな超高級ブルゴーニュです。
存在感、構造の大きさは半端無いです。非常に美しいスタイルです。「壮麗な・・」と言う言葉が似あうと思います。
「出来るだけよけいな手を掛けず、葡萄のなりたいようにまかせて軽~く造りました~!」
などとは、全く無縁です。
なるべき姿が有り、それに向けて一生懸命に手を掛け、その上でなるべくして成った高質ピノ・ノワールの姿が有ります。おそらくそれはやはり、「ヴォーヌ=ロマネ」と言う至上のアペラシオンの命題でも有り、ロマネ=コンティ、ラ・ロマネ、ラ・ターシュ、リッシュブール、ロマネ=サン=ヴィヴァンといった極上クリマの姿を常に見ているからでも有ります。
DRCを始めとする壮麗なドメーヌのワイン、その葡萄、その造りを見ているからこそのシルヴァン・カティアールのワインが有る・・そのように思えます。
かのカティアール=モリニエもDRCで働きながら、メタヤージュで得た葡萄をネゴシアンに売っていたそうで、その後に少しずつ畑を購入して行き、今のシルヴァン・カティアールが有ります。ここはDRCのコラムでは無いので端折りますが、DRCとは、決してただの一つのドメーヌでは無く、ヴォーヌ=ロマネの村人たちの誇りで有り、自分たちの醸造所でも有り、自分たちの働く場所でも有るんです。
味わいは、もしフーリエとかルーミエとか、リリース直後はむしろ美味しく飲める、酸化を極力させないものでは有りませんで、決して最初から美味しく飲めると思わない方が良いです。
しかしながら剛健だけれどエレガントで、何も不足していないのに贅肉も無い・・壮麗でフィネスの塊と言えます。
例えばタンニン、ブルゴーニュワインの場合、余り特筆しない部分では有りますが、もう・・あり得ないほどに涼やかで超上質、それなりの量が存在しています。タンニンを言う時に「上質で甘いタンニン」などと言いますが、こちらは全く甘く無く、ただその存在に気付くか気付かないか?・・気付くと、
「・・あっ・・そうなのか!」
と、その存在の美しさにハッとさせられます。
中域も「密」で引き締まってタイトです。長い余韻の最後までそのニュアンスは果てしなく続きます。決して軽く無く、重厚ですが
「濃いワインでは無い」
んです。物凄い密度をした複雑性が存在しています。
また、一応自然派に区分けしましたが、あくまでリュット・レゾネ(減農薬栽培)です。ビオ系のような、「パンッ」とスピードの有る、ノーズへ一目散に飛び込んでくるようなアロマでは無く、地の底からジンワリと、ゾクゾクっと湧いて来るマグマのようなニュアンスのアロマです。迫力満点です。
ミネラリティも・・ま~・・凄いです。現時点では中域に寄った感じの帯域ですが、やがて高域~超高域へと拡がりを見せるでしょうし、そこからがこのワインの飲み頃になると思われます。
酸の豊富さも見事です。一般的にヴォーヌ=ロマネのワインには、他の村のような冷ややかな酸が無く、また総酸量も少ないワインに仕上がることが多いですが、DRCを始め、ヴォーヌ=ロマネのトップワインは普通は決してそのようなことは無いんですね。また、残糖と思われるような甘味はゼロ。全くの甘さを感じません。エキス感ももの凄いですが、これまたエキスに甘味はまだ感じません。日和った造りでは無い・・と言えるでしょう。
また今、果実感がどうこうとは言えません。黒果実、赤果実があり得ないほど凝縮しています。もしこの村名ヴォーヌ=ロマネを今どうしても飲みたい・・とおっしゃるなら、数日前に抜栓しデキャンタに落としておくべきでしょう。それでもタイミングを見て飲むようになるかと思います。決して若くして飲むべきワインでは無いんです。まともなワインファンなら誰しもロマネ=コンティをリリース直後に開けようとは思わないでしょう?それでもDRCなら、シルヴァン・カティアールを始めとするヴォーヌ=ロマネのドメーヌより、1年もエルヴァージュが長いので、より安定した状態で市場に出て来る訳です。ただ瓶詰めが遅いのでは無く、DRCなりに仕上がってからリリースしているんですね。シルヴァン・カティアールの場合はDRCほどの余裕は有りませんので、落ち着いてはいるが仕上がってリリースした訳ではないと理解すべきです。
造り的にはヴォーヌ=ロマネ伝統の・・と言うか、DRC的と言うべきか、比較的高温で短期間の発酵をした味わいをしています。アンリ・ジャイエ系とは正反対です。(皆さんはアンリ・ジャイエは熟してナンボとおっしゃいますが、noisy的には言うほど長熟では無いと思っています。むしろ早いうちから美味しいのがジャイエの特徴です。ある程度熟しても美味しいですけどね。でも大局で見ると早熟なんです。)
この村名ヴォーヌ=ロマネにティム・アトキンさんは93ポイント、付けました。ほぼドンピシャリでしょう。noisy的、リアルワインガイド的評点法で敢えて言うなら、今飲んで89 ポテンシャル93+ 飲み頃予想 2020 ~ 2047 です。巷に有る普通のヴォーヌ=ロマネ村名とは、構成要素の密度が全く違いますので、おそらく寿命は半世紀以上にも渡るはずです。2030年には物凄いパフォーマンスを見せてくれるはずです。少なくとも3~4年は我慢してください。凄いワインでした。
ヴォーヌ=ロマネ・オー・マルコンソールはシルヴァン・カティアールの看板ワインです。当然ながらラ・ターシュの真横の1級畑ですが、カティアールのものはまるで「グラン・クリュのようなマルコンソール」と言われており、密度が高く、気高く、エレガントで、存在感の大きなワインです。
ラ・ターシュやロマネ=サン=ヴィヴァンに多分に良く似ています。因みにアドヴォケイトは95~97 Points、ティム・アトキン氏も 97Points と、完全に振り切れています。もっと因むと、ティム・アトキン氏はロマネ=サン=ヴィヴァン2014年もテイスティングしており、こちらは98Points と言う驚異的な高評価でした。最も、今回noisy は仕入れられませんでしたが、仮に買えたとして販売価格は10万超えです・・。でもマルコンソール・・飲みたいですね~・・素晴らしいワインです。昔は・・1999年頃まではこのワイン、1万円もしなかったと記憶していますが、その後に暴騰しちゃいまして、それから疎遠になっちゃったんですね。
ヴォーヌ=ロマネ・レ・スショはロマネ=サン=ヴィヴァンの北、リッシュブールの東(下部)に接する1級畑です。荘厳さでマルコンソールに及ばないイメージが有りますが、ティム・アトキン氏は 95Points と、こちらも振り切れた高評価です。非常に少ないワインです。
ヴォーヌ=ロマネ・オ・レニョは、かの「ラ・ロマネ」の上部に接する1級畑です。ま~・・仮にも下部がラ・ロマネですからね・・超エレガントで荘厳なワインになっているでしょう。ティム・アトキン氏はもう振り切れまくりですが、こちらも94Points です。
ヴォーヌ=ロマネ・アン・オルヴォーは、シャンボール=ミュジニーとの境に有る1級畑で、アン・オルヴォーの一部はグラン・クリュ・エシェゾーになります。上部の一部が1級で、北向かいがシャンボール=ミュジニー・ラ・コンブ・ドルヴォーに成ります。
この辺りはミュジニーに近いので、上部エシェゾーの重くならない赤いニュアンスとミュジニー風の香水系アロマが混ざり合う、フィネスたっぷりに仕上がる場合が多いと思います。重厚さよりも華やかさが出て来ているんじゃないかと思うんですが、何せ飲めてないので・・飲まれた方、是非教えてください。ティム・アトキン氏は何と、
96Points !と完全に、グラン・クリュ・・・でも上位の評価と同様になっちゃってます・・うわお・・です。
シャンボール=ミュジニー・レ・クロ・ド・ロルムは1級レ・シャルムの北、1級レ・プラントの下にある村名リューディです。こちらはバリックを強く使わないようにして、エレガントさを失わないキレイなシャンボールに仕上げているはずです。こちらもたった3本の入荷ですんで・・昔は5千円位でしたが、非常にエレガントなベリー系の味わいでした。ティム・アトキン氏はこの村名シャンボールに・・
94Points も奢っています。ここまでくると笑っちゃいます。是非飲んでみたいものです。
ブルゴーニュ・ルージュは有る意味、もっともレアなワインです。価格は高めですが、まず入手は不可能・・かと。ティム・アトキン氏は 91Points と、これも非常に高い評価です。まぁ、ティムさんはシルヴァン・カティアールの非常に希少な2014年ものをロマネ=サン=ヴィヴァンからACブルゴーニュまで、すべて飲んだようですから、すっかりカティアールのフィネスにやられちゃったんでしょう。
そんな訳で、本当に久しぶりのシルヴァン・カティアールのご紹介です。知らない方は多いと思います。滅多に出回らないワインだと思ってください。購入されたら飲むのはしばらく遠慮すべきワインです。どうしても・・とおっしゃるなら、ACブルを、もしくはマルコンソールクラスを早めに飲むのは良いかと思いますが、それ以外は数年躊躇してください。腰の据わったピノ・ノワールに久しぶりに再び出会いました。ご検討くださいませ。
Copyright(C) 1998-2023 Noisy Wine [ Noisy's Wine Selects ] Reserved