ドメーヌ・ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール
ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール
フランス Domaine Joannes Violot-Guillemard ブルゴーニュ
● ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール2020年の2回目のご案内です。入荷したアイテム、全てテイスティング完了いたしました!
実にエレガントで旨味たっぷりのエキス、しかも2020年ながら濃密さに溺れることなく・・美しい姿を見せてくれるのには驚きました。
そして、すでに・・
「ポマールのトップに並んだ!」
と・・言って良いと思います。細かい部分は「2020 ポマール1級レ・ゼプノ」に書かせていただきましたので是非ご覧くださいませ。どれを飲んでも素晴らしいです!・・後は飲むタイミング・・今飲んで滅茶美味しいものを目指すなら、
「2020 ポマール村名アン・ブレスキュル」
で充分です。どうぞよろしくお願いいたします。
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ドメーヌ・ティエリー・ヴィオロ=ギュイユマールも世代交代になり、息子さんのジョアネスが承継し、ドメーヌ・ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール、もしくは単にドメーヌ・ヴィオロ=ギュイユマールに名称変更になったようです。2020年ものをご紹介させていただきます。
ヴィオロ=ギュイユマールはポマールに2軒あり、以前はクリストフとティエリーの兄弟が競い合っていました。ティエリーの息子さんがジョアネスで・・イケメンですね~・・2015年位から本格的に手伝っていたようです。ツイッターの書き込みなどを見ると2012年を最後に自身の書き込みが無いので、その後辺りからワイン造りに没頭していたのかもしれません。

noisy も時折、親父さんティエリーのワインを仕入れて販売させていただいてました。親父さんのポマールワインはエレガントでコクが有って美味しいんですが、若い時のテクスチュアやバランスが今ひとつでして・・5年位熟成させるとテクスチュアも良くなって丸みと押し出しが出て、バランスが取れてくるんですね。
で、少し前からジョアネスさんの名前に変更になったのを知っていたんですが、まぁ・・このところの世界的なブルゴーニュブームのお陰で Noisy wine もてんやわんやの大騒ぎになってしまいまして、
「ヴィオロ=ギュイユマールクラス(10アイテムほど)をリリースと同時に扱うのは大変!」
な状況だったんですね。
さりとて2020年もののオファーをいただきまして、やはり・・やるべきだろうと・・決心した訳です。
実はこのヴィオロ=ギュイユマール、日本には10アイテムほどしか入って来ていませんが、ポマールの数キュヴェに加えてボーヌ1級クロ・デ・ムーシュの赤と白やムルソー、コルトン=クロ・デュ・ロワまで持っている大ドメーヌなんですね・・。
なので、
「・・もし、もう少しでもギュイユマールのワインが垢ぬけてくれたら・・凄いことになるかも!」
と思っていた訳です。それを今回、確認させていただきました!

左の写真は彼のツイッターからいただいてきました。いずれエージェントさんから良い写真が有ったら変更させていただきますが、いや・・きっとモテるでしょうね~~・・
それよりもワインですが、親父さんのワインから比較しますと、各段にテクスチュアが良くなりました。外交的でふんわりとしたアロマがスピード感高く感じられます。
嬉しいのはA.C.ブルのピノ・ノワリアンが滅茶美味しいんですよ・・。安くは無いですが高くは無いと思います。それに、やはり看板のポマール・リュジアン2020年・・凄い香りです!これはもう・・惚れちゃいますね。
今のところ、全ては飲めていないんですが、2回に分けてご紹介させていただく予定で、
「すべてテイスティングしてご紹介!」
させていただく予定です。ですので、少し五月雨的なテイスティングになりましたが、そのお陰でジョアネスのワインの傾向が判って来ました!
やはり若い方が入ると・・変わりますね。それも良い方向へと向かっています。元々隠れ自然派だった訳で、その自然派度も若手が頑張ることによって、さらに増して来ていると思います。
注目のドメーヌだと思います。
リアルワインガイド第81号もリュジアンには上値95+ポイント、アドヴォケイトは(93-95)+ ポイントと、
「カッコの外にプラス!」
と言う、おそらく「それ以上の可能性が有る」ことを示唆しているようにも見受けられます。是非飲んでみてください。お勧めします!
なお、Youtube にジョアネス自身が出て説明しているビデオがアップされていました。是非ご覧ください。字幕を日本語にしますと、何となく・・何を言っているか判ります。
ドメーヌ・ジョアネス・ヴィオロ=ギュイユマール■エージェント情報

所有畑はポマールを中心に僅か6ha、そしてその大部分がフランス国内の熱心な愛好家へ販売されるためメディア露出が少ないドメーヌ。40年近くのキャリアを持つベテラン醸造家のティエリーは20年数年前に生死をさまよう交通事故に会い、70回以上にも及ぶ手術を経て現在でも足に後遺症が残るという壮絶な過去を持つ。事故の経験が彼の人生観を変え今日の自然なワイン造りへと繋がっている。
ワイルドな外観とは反対にワインのスタイルは繊細で優美さを表現したエレガント系ポマール。淡めな色調にチェリーや苺が薫り、旨みがふんんわりと詰まったワインは従来のマッチョで重たいポマールのイメージを覆す。1999年以来ビオロジックを行っており、ヴィンテージと畑の個性を最大限尊重し、人的なテクニックを排した極力ナチュラルな醸造を行っている。新樽を好んで多く使用するが購入後4年間天日干ししてから使う事で、過度な樽香が付くのを避けている。清澄、フィルターは基本的行わない。
現在は父の引退を受けて数年来一緒に手伝っていた息子のジョアネスへ正式に代替わり。父のスタイルを継承しつつ、更なる洗練されたナチュラル路線へと進化を遂げている。2019年よりドメーヌ名とラベルも一新。
● 2020 Pommard en Brescul
ポマール・アン・ブレスキュル
【村名畑でいてくれてどうも有難う!1級レ・ゼプノにも良く似た実に高質な出来!・・せめぎ合う石灰とマール!素晴らしいです!】

素晴らしい出来でした!・・これは93ポイント、付けたいですね・・。
このアン・ブレスキュルと言う村名のクリマですが、ボーヌと道を一本隔てて隣り合わせになっています。ボーヌの西側はご存じ、非常に石灰が強い・・むしろシャルドネに適した畑が多いです。ただしこの辺りはボーヌの丘をだいぶ降りたところ・・何ですが、ポマール側の丘が起きた部分にあり、東側に向けて傾斜が有り、南側も丘が無くて日照に問題は無いと思われる、村名にしておくのは勿体無いほどのロケーションです。むしろボーヌ側のすぐそこはボーヌ1級レ・モンルヴノでして、ここはもう・・ボーヌかポマールか微妙なところで、むしろ・・
「レ・モンルヴノはポマール側の丘の裾」
と言っても良いかもしれません。
で、このアン・ブレスキュルを Google Map で見てみますと・・いや・・表土はモロに白いですね~・・赤茶けた部分も有りますが、そこにもしっかり白が入り込んでいます。見事な石灰質です。それが粘土質に混じり合ってマールを形成している感じに見えます。
飲んでみますと・・
「・・これ、村名かぁ・・良かった!」
と言いたくなるほどの上質さ!
軽やかさがほんのり、中程度の重量感にマールと石灰がせめぎ合うような・・口内で混じり合うようなパフォーマンスです。一瞬、
「1級レ・ゼプノにも良く似ている?」
と思えるほどの仕上がりでした!

ポマールと言いますと、やはりどこか土っぽく、ほんのりと鉄っぽさが混じる印象が有ると思います。親父さんティエリーのポマール、ポマール1級もそうでした。
ですが、ジョアネスのポマール数種を飲んで感じたことは・・
「全然土っぽく無い!」
んですね。むしろ、
「ほんのり赤みを帯びたミネラリティや、赤果実としてしか感じられない」
訳です・・。
これは数年前のメオ=カミュゼのニュイ=サン=ジョルジュやその1級群に感じた出来事でして、ほとんどのニュイ=サン=ジョルジュのワインが土っぽく、パワフルだけれど暴れん坊・・みたいだったはずなんです。
それが、余りのニュイ=サン=ジョルジュの美味しさに驚き、
「これはロマネ=サン=ヴィヴァンに通じるんじゃないの?」
と言い出したことを覚えていますが、その頃からのメオ=カミュゼは大躍進・・noisy も驚くほどの売れ行きに変貌してしまったんです。
思うに、そこには人間の愚かな関与が有り、それを普通に戻した・・もしくは意図的な部分を止めた・・ことにあると思っています。つまり、
「完熟させた葡萄を収穫したい!」
と言う人の欲求が、結果的に土臭いニュイ=サン=ジョルジュを生んでいたと思う訳です。
完熟した、させたがために糖度は上がったがブルゴーニュらしい雅で若々しいフレーヴァーを失ったんじゃないかと・・。
ジョアネスの場合も同様かと思います。2020年は特別に水が無い年で収穫も早めになったはずでは有りますが、それでも適度な熟度を得て、むしろ若々しさを得て醸造に入れた・・と。
グラスの写真を見ても、素晴らしく若々しい色彩でしょう?・・素晴らしい出来でした!・・是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2020 Pommard 1er Cru la Platiere
ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・プラティエール
【アドヴォケイトも93超ポイントを付けたポマール上部の希少な1級畑レ・プラティエール!これほどまでに充実しつつもエレガントなポマール...いや、2020年ものブルゴーニュを造ったのは少数派です!】

こちらのレ・プラティエールも素晴らしい。ここはポマールでも最も西に・・最も上部に近いところにある1級畑なんですね。しかもレ・プラティエールは、
「北側半分以上が村名畑で、1級畑はほんの僅か」
なんです。
Google Map を見てみますと・・実に美しい畑です。1級部分の下部(南側)は平たい石を積み上げたクロ、もしくは土留めしたような大理石で囲まれており、北の上部の村名畑部分も一部はクロですが、やや平らなのか・・格下げになっています。
ですから、非常に涼やかで日照に恵まれていて、村名の「レ・ブレスキュル」よりもやや濃い、赤を積み上げたような色彩になっています。
ポマールのワインと言えば・・こんな色でしたっけ?・・
多いのはもっと「茶色」です。これほど美しい赤を基調としたものは少ないでしょう?・・まあ、リュジアンは若くてもやや淡い褐色が出たりしますが、それは希少な金属、ミネラリティの組成によるもので、ジョアネスの2020年のリュジアンもエッジにややその傾向が見て取れますが、全体を侵食はしていません。
やはり有機栽培が良い影響を与えたのは間違い無いようでして、2020年のジョアネスのワインはどれもアルコール度13~13.5%に収まっていますし、
「濃密過ぎ?」
と思えるような濃厚さは全く無く、しかも充実しているんですね。

赤果実が中心に黒果実がほんのり・・の充実した冷ややかな味わいです。リアルワインガイドはそこを、
「旨味の塊」
と称していますが、エキスの美味しさが静かに襲ってきます。そして引けて行く時に何ともエレガンスを感じさせてくれます。2020年のヴォーヌ=ロマネにはまず無い・・(^^;; 美味しさですよ。ピュアでナチュラル、非常に香りますから、
「ついついグラスに手が伸びる!」
訳です。
しかも・・
「今これだけ美味しいのなら、明日、明後日はもっと美味しいんじゃないの?」
と想像してしまうでしょう。
また一般的には、
「ポマールは男性的で力強い」
と言われます。確かにそのイメージは有りますよね。
ですがジョアネスのポマール群、そしてこのレ・プラティエールは・・むしろ女性的なエレガンスに通じるものを強く感じます。おそらくタンニンも有るのでしょうが、タンニンとして分別してとらえることが・・まず有りません。豊かな一面としてのみ・・その美しく溶け込んで一体となったものを女性的に感じさせてくれます。
素晴らしい1級でした!・・下部の1級群・・レ・ゼプノ、グラン・エプノ、リュジアン、レ・シャンラン辺りは良く知って居て飲んだことが有っても、この上部のレ・プラティエールは余り無いんじゃないでしょうか。是非一度飲んでみてください。ポマール1級、是非開発してみてください。お勧めです!
● 2020 Beaune 1er Cru Clos des Mouches
ボーヌ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ムーシュ
【ボーヌ最南端にある、激繊細系、軽やか雅な赤果実が素晴らしい1級クロ・デ・ムーシュ!・・ポマール系とは一味違うエレガンスを見事に表現しています!ジョセフ・ドルーアンもお尻に火が付いた!】

2020年のヴィオロ=ギュイユマールを一通り・・いや、日本に入って来たアイテムだけですが、テイスティングさせていただきました。
「・・どうしてもっと評判にならないんだろう?」
と不思議になってしまいましたよ。
まぁ・・もしすでに2020年のブルゴーニュ・コート=ドールを飲まれたとしたら、ご自身の中の今までのヒエラルキーを変更されることになっているかもしれません。
このボーヌ1級クロ・デ・ムーシュは、ボーヌとポマールの境界のボーヌ側に有ります。ボーヌ側、北側にレ・ヴィーニュ・フランシュ、レ・シュアシューと言う優れた畑に接し、ポマール側は1級レ・ソシーユと接しています。ボーヌ側の赤ではトップクラスの畑が並ぶ位置に有りながら、
「レ・ヴィーニュ・フランシュのようなふくよかで豊満なスタイルでは無く、むしろレ・シュアシューには近い感じ」
かと思います。あのルイ・ジャドの「クロ・デ・ズュルスュル」はレ・ヴィーニュ・フランシュの一部ですが、濃密でやや黒く、やや力強いスタイルです。
そしてポマール1級レ・ソシーユは皆さんも良くご存じの「ティエリー・グラントネ」が造っていまして、濃密で重厚な味わいですよね?・・
「・・あれ?」
と・・思いません?
そうなんですよ・・レ・ヴィーニュ・フランシュとポマール・レ・ソシーユは重厚なのに、クロ・デ・ムーシュはエレガント系でむしろ赤果実系なんですね・・。面白いでしょう?

とは言え、充実したパレットを美しく描いてくれることからは、むしろポマール的な要素も若干感じられる訳です。それでも、
「エレガントで軽やか、赤果実の美味しさをノーズからも、味わいからもしっかり感じられる」
のは間違い無い訳です。
ティエリーから承継したジョアネスですが、エレガントでは有るものの、やや重さを感じさせる味わい、そしてテクスチュアがややザラっとする親父さんの造りから脱却したかのような・・
「明るさ、ナチュラルさ」
を感じます。
良い意味でしっかり抜けて行くんですね。内に閉じこもるんじゃなくて外向性が高い訳です。
この、赤果実中心の軽やかで抜けて行く味わいが、非常に素晴らしい!・・ですが、
「・・あ、ボーヌだよね・・」
とは思わないはず・・
「このエレガントさに・・重厚さを思わせつつ、華麗に抜けて行く雅な感じ・・クロ・デ・ムーシュ?」
と・・(^^;;
まぁ、クロ・デ・ムーシュと言えば、この区画のほぼ半分を持っていて赤も白も造っているジョセフ・ドルーアンは外せない造り手です。昔はクロ・デ・ムーシュと言ったらジョセフ・ドルーアンでした。
ですがどうでしょう・・ドルーアンより確実に上を行っている仕上がりだと思いますし、自然派の栽培がしっかり根を伸ばし、ワイン自体にも表れているように感じました。是非飲んでみてください!超お勧めです!
● 2020 Pommard 1er Cru les Epenots
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ
【精緻な表情の見事さで多弁なレ・リュジアンさえも超えようかと虎視眈々??・・美しいです!】

アドヴォケイトも94+以上を想定したに違いない、今飲んでもその素晴らしさは伝わるし美味しい・・ものの、
「これ・・将来は相当に凄いことになるかもしれん!」
と、きっと思ったのでしょうね。
だから(92~94) に留まらず、
「(92~94)+ 」
としたんだろうと思います。
そうじゃなきゃ・・(92~94+)ですよね?・・これなら、
「95点は付けられない!」
と言う意思表示です。なので、
「94ポイントを超えて来る可能性有り!」
だと思います。
1級畑レ・ゼプノは、ボーヌ村と隣り合ったポマール下部にある「レ・プティ・エプノ」とその南側に接した「レ・グラン・ゼプノ」の総称です。ややこしいことに、「グラン・クロ・デ・ゼプノ」や綴りのことなる「クロ・デ・ゼプノー」も有りますが、レ・プティ・エプノの一部か、もしくは両方に跨った区画です。今回はヴィオロ=ギュイユマールのコラムなので、ここは余り突っ込みませんが、ポマールでもっとも平均的に美しく、太さと精緻さの両立がなされたのが特徴でもあり、レ・リュジアンの賑やかな味わいとは対照的・・でも有ります。

で、このジョアネスのレ・ゼプノ2020..素晴らしいです!・・ややこってりと饒舌な美味しさを楽しみたいなら、間違い無く・・レ・リュジアンをお勧めしますが、静寂の中にいて一人ワインを楽しむなら・・
「これしかない!」
と思わせる美しさを漂わせています。
まぁ・・アドヴォケイトがこのワインに上記の「(92~94)+ 」と評価をしているのがちょっとビックリでして・・
「・・えっ?・・アドヴォケイトにこの美味しさが判るのか・・?(・・すみません・・)」
と。
いや~~・・確かに昨今は、このような自然派系の美しい系、エキス系のワインをちゃんと評価し始めてはいますが、
「今まではそうじゃなかったでしょ・・」
と言いたい訳です。今までどれだけ散々に泣かされて来たか・・。どこが評価されないのか、レヴューを読んでもちんぷんかんぷんですし・・。ただ、PKさんが現役の頃よりは確実にちゃんとして来たことは確かだと思っています。
どこまでも美しく伸びて行きそうで・・でもそこに留まっていたり、また伸びて行ったり。果実の精緻な美味しさ、質感の高さをしっかり感じるのに、果実だけに留まらない細やかな表現を、チラ見せ、そして隠し・・をくりかえします。
2020年のジョアネスは決して濃くならず、エレガントなスタイルを絶対に崩そうとしません。しかし豊かさも充実していて、その見事に赤いドレスをふんわりと左右にフリフリしてくれている・・そして石灰由来のエレガントなアロマを放出してくれます。
今飲んでも美味しいですが、完全には開いて行く方向にはまだ向かいません。葡萄の熟度を適切に保てたポマールが、これほどに美しい姿を見せるのに驚かれることでしょう。それに・・
2020年 ポマール・クロ・デ・ゼプノー コント・アルマン --> 90~94 Points Jasper Morris - Inside Burgundy
2021年 ポマール・グラン・クロ・デ・ゼプノ ドメーヌ・ド・クールセル --> 94 Points Tim Atkin
この評価からも、ジョアネスのレ・ゼプノ2020年の評価の凄さがお判りいただけるかと思います。
「ポマールかぁ・・」
と思ってると・・気付いたら飲めなくなているんじゃないかと思います。是非ご検討くださいませ。超お勧めします!
● 2020 Bourgogne Cote-d'Or Pinot Noirien
ブルゴーニュ・コート=ドール・ピノ・ノワリアン
【ワインとしての完成度、現在の美味しさはパーペキ!「・・これで良いじゃん!」・・と思われてしまうと・・ちょっと困りますが・・それほど上出来過ぎです!】

ピノ・ファン同様に極小粒の葡萄だそうです。ピノ・ファンそのものなのかもしれません。
畑はポマールの中央の下部、国道の下側ですから、村名畑には絶対に成れない・・畑です。なので、大したポテンシャルは期待できない・・です。
「ですが!!」
いや~・・面白いですね~~・・こういうのが出てくると実に良い!・・めっちゃ美味しいんですよこれ!
まぁ・・2020年もの限定の美味しさなのかもしれませんが・・
「ポマール的な優しいジュヴレ=シャンベルタンと、ヴォルネイ的な明るく軽妙な美味しさに、エキスの旨味をバランス良く配置したような味わい!」
でして・・無理してポテンシャルを取ろうとしなくても、しっかりと「私に」細やかな美味しさを伝えに来てくれるんですね・・。
それは今のこのワインの状態、コンディションがそうさせているのかもしれず、もしくは2020年ものだからそうなんだ・・とも言えるかもしれず、
「なんでこれほどにバランス良く、美味しいのか・・良く判らない!」
んですよ・・。

なるほど・・確かにもうひとつ有るA.C.ブルゴ-ニュ・ルージュのメゾン=デューを飲めば、
「その昔はポマールとして販売出来た畑のワイン」
と言うことは理解出来るんですね。
だって・・
「ほんのり軽めのポマール味だから」
です。
ですがこのピノ・ノワリアンはそうじゃないんですね。決してポマールポマールしている訳じゃない・・けれど、近い味わいは持っている・・けれど、ヴォルネイ的でもあるし、バランスが滅茶素晴らしい訳です。
因みに・・ですが、もしこの畑が村名になったとしたら、確実に味わいは上昇します。それはA.C.の規定が有って、決められた反収以上は造ってはいけないんです。ですから、格が上がるほどそれは厳しくなる・・ので、そう言えるんですね。
このワイン、ジョアネスの魅力を伝える素晴らしいアイテムだと思います。追加は厳しいと思うんですが、何とか・・聞いてみますがダメだったら申し訳ない!・・早めにご検討くださいませ。お勧めします!
● 2020 Bourgogne Rouge les Maison Dieu
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・メゾン=デュー
【こちらはもしかしたら、本気で村名ポマールとしてリリースしているかもしれません・・ニュアンスがかなりの部分で同じに近い!】

ん~・・ポマールでしょう・・結構に・・!
ちょっと標高が低いところに有るので、昔は「ポマール」を名乗れていた畑、「レ・メゾン=デュー」です。それだけ昔はポマールって・・特にアメリカで人気だったそうですよ。
「ポマールって・・発生しやすいから・・」
が理由だそうです。白ワインなら、
「シャブリ」
と同じ感覚なのかもしれませんね。
「ピノ・ノワール、イコール、ポマール」
と言うような気持ちだったのかもしれません。
で、このワイン・・もう一つのA.C.ブルがメッチャ美味しいんですが、そちらは余りポマールらしさをアピールしてないんですね。

ところがこちらは、誰もがポマールって判りやすい感じに加え、
「ジョアネスの醸造技術で、より軽やかに、より明快に、より外向的にテクスチュア良く!」
が有るんですね。
で、ふと・・気付いたんですよ。
「・・あれ?・・そう言えば、ずっと残ってた親父さんティエリーのポマール村名って・・無かったっけか?」
と探してみましたら・・有りました!なんと、
「2011年のポマール村名」
です。
今はこのワイン、無くなってしまいまして、新たに購入した「レ・ブレスキュール」になっています。
なので、
「そうだ・・親父さんティエリーのポマール2011年と、このレ・メゾン=デューを比較してもらったら面白いかも!」
と思ってしまったら・・その準備に追われてしまいまして、只今25日の21時46分になってもこのコラムを書いている訳です・・すみません。
と言う訳で、余りワインについては書けませんでしたが、美味しいですよ・・ただし、ブルゴーニュ・コート=ドール・ピノ・ノワリアン2020年に比較しますと、少し閉じ気味です。でもポマールっぽさが判りやすく出ていますので、
「2020レ・リュジアンの下にご紹介していますので是非比較してみてください!」
と言うことで、お勧めします!飲んでみてください!
● 2020 Auxey-Duresses 1er Cru les Reugnes
オーセ=デュレッス・プルミエ・クリュ・レ・ルーニュ
【使用しているはずのSo2の少なさを肌身で感じるナチュラルなオーセ=デュレッス1級レ・ルーニュ!・・先代からの変化と、ジョアネスの新たなトライを感じるワインです!・・ですが、何とこのワインに97ポイントも付けているサイトが!】

良いですね~~・・これからのブルゴーニュワインが向かう先、そうすべき道筋を一生懸命に探している・・そしてトライしている・・そんな意思が透けて見えるような素晴らしいワインです。
オーセ=デュレッスと言えば・・誰でしょう?・・Noisy wine だとド・シャソルネイでしょうか。昔はペルナン・ロサンも造っていましたし・・そうそう、あのドメーヌ・ルロワ...と言いますか、ドヴネの本拠が有るのがオーセ=デュレッス..素晴らしいオーセ=デュレッスを造っていました・・と言いますか、今でも造っています・・が、
「・・えっ?・・」
と言葉が詰まってしまうほど、信じられない価格が表示されることになりますので、見ないようにした方が良いでしょう・・(^^;; もはや、プライスカードごと博物館に行っていただくしかないかと思ってしまいます。
この1級レ・ルーニュですが、オーセ=デュレッスの白眉と言われる1級畑「レ・デュレッス」のお隣で、アペラシオンのほぼ中央です。ですので、ポテンシャルは非常に高いと感じます。
ド・シャソルネイのオーセ=デュレッス(レ・クラ)は、村の西の端の平地に近い部分、陽当たりは悪く無いですがソリッドな仕上がりです。過熟気味にはしているんですが冷ややかにしかならず、やや硬めのスタイリッシュな味わいで、コルトンやシャルルマーニュ的な感じがします。
しかしレ・デュレッスもそうですが、アペラシオンのベストな位置に有る関係でしょうか、
「ド・シャソルネイのオーセ=デュレッスとはかなり異なるニュアンスがする!」
んですね。

太陽の光、熱を傾斜で受けられ、また土壌の組成もそれに伴いかなり違うことに由来するかと思いますが、やや豊満でゆったりとしつつ、透明感の高い石灰系ミネラリティに富み、ブラックチェリーやベリーのやや強い果実味、たくましくもあるボディ感に、還ってくるノーズにスパイシーなニュアンスが混じります。余韻にも透明感が有って長いです。
それに飲んでいると・・実に極楽な感じです・・何とも酔いが軽いんですね。そしてナチュラル感ですが、今のところのテイスティングでは、
「このオーセ=デュレッス1級レ・ルーニュが最もナチュラル感が出ている!」
と思います。飲んで行けば気付かれるんじゃないかと・・思いますよ。きっとSo2は少な目だと思っています。
やはり・・色々とトライしていると思うんですね。エージェントさんのテクニカルは全くその辺をカバーしていないので、
「何をどうやっているのか全く分からない・・」
ですし、
「どこをどのように変えたのかも分からない・・」
ので、想像するしかないんですね。
明らかに親父さんの代のワインとは、
「テクスチュアの滑らかさ!」
がハッキリ異なっている訳です。果実の出方も非常に明るく外向的ですし、ナチュラル感も増大しています。
これからも非常に楽しみですね・・リアルワインガイドもこのワインを評価してくれていたら良かったんですが・・海外メディアも誰もやらないので・・
「飲んで損の無い、リーズナブルで現代的、将来の姿を示唆するような出来のオーセ1級!」
だと思います。
で、どこのメディアも評価していないので・・一生懸命にネットを探していたら、とんでもないのを見つけてしまいました!
そこのサイトは、かのL.V.M.H.(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)グループのイタリアのサイトなんですが、なんとこの2020年オーセ1級レ・ルーニュに・・
「97ポイント!」
としているんですね・・。
いや・・気持ちは判る・・でも抑えないと・・これ、97ポイントにしちゃったら、いずれ辻褄が合わないことになるでしょう?・・それにしてもL.V.M.H.が・・どうしちゃったの・・とビックリしてしまいました。ハッキリ言います。
「それはやり過ぎです。」
ですが、日本には入って来ていないキュヴェで2020年ポマール1級レリエール・サン=ジャンにも、94ポイント付けていました。シャンドン・ド・ブリアーユの2020年コルトン=ブレッサンドに93ポイント付けていまして、それはたぶん・・まともな評価と言えると思うんですが、
「大丈夫かぁ?」
と思ってしまいました。それとも、
「 noisy の感覚がおかしいのか?」
とも・・!何ともお騒がせなサイトを発見してしまいまして・・余計な時間を消費してしまいました。それに惑わされず、是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2020 Volnay le Cros Martin
ヴォルネイ・ル・クロ・マルタン
【ヴォルネイらしい明るさ、赤さ、軽快さに加え、チェリーやベリーの果実感!・・ポマール中心のジョアネスのワインの中では異質な方向性を持っています!バランス良し!】

やや黒くて肉々しく、妖艶な甘美さを漂わせながら存在感を知らしめる・・そんなポマール=リュジアンとは、全くと言って良いほど方向性が違います。このクロ・マルタンも甘美さはしっかり有るんですがもっと軽やかで優しい・・一見、見た目には余り違いが無いように見えるんですが、やはり相手は将来のグラン・クリュ候補ですからね・・ヴォルネイ村名ではどうしても追いつけないポテンシャルの差が存在します。
でもどうなんでしょう・・いつでもポテンシャルの高いワインが必要なのか?・・と問われると、ちょっと微妙でしょう?
ヴォルネイにはポマールには無い魅力がしっかり有ります。このクロ・マルタンは、村の中央のシャンパンからずっと下がって行ったところに有る村名の畑です。
シャンパンっぽい白さも若干は持っていますが、顕著では有りません。ですが、下に下がって行ったところの畑に有りがちな「土っぽさ」もしくは「豊かな表土ゆえの凡庸さ」は余り有りません。
チェリーやベリー、ほんのりとプラムのニュアンスを多く含み、金属的な感じや土っぽい感じは余りしない・・でもその果実の美味しさを素直に伝えてくれる、まさにヴォルネイ的な美味しさをちゃんと持っているんですね。

そして、アルコール分も13パーセントと、エレガントさを助長しています。2020年は、
「かなりのワインが14度超え!・・それでも甘かったりする・・」
アイテムが多く有ります。
アルコール分が上がるのは決して悪いことでは有りませんが、バランス的には・・エレガンスやフィネスを損なう方向へ行くと思うんですね。
ジョアネスがどのようにしてこの13パーセントのエレガントなヴォルネイ・クロ・マルタンを仕上げたのか・・実際のところは判りませんが、
「決して過熟させないようにした」
のは間違い無いでしょう。
しかしそれは下手をすればギスギスしたタンニンを抽出してしまい、渋いピノ・ノワールになってしまう危険も有ったはずなんですね。
まぁ・・先代のティエリーさんもいっしょにおられるのでしょうから、色々と策が有ったのか、もしくは、
「長く有機栽培をやってきた影響で根が地中深く入っていて、保水に問題が無かった」
と言えるかもしれません。
健康的で軽やか、果実感がしっかり有りながらもドライで薫り高い・・ヴォルネイです。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2020 Pommard 1er Cru les Rugiens
ポマール・プルミエ・クリュ・レ・リュジアン
【まさに王者のアロマがふんわり、しかししっかりノーズに入って来て・・思わずクラっと!・・レ・サン=ジョルジュと共にグラン・クリュ昇格なるか?・・ジョアネスの看板ワインに相応しい仕上がりでした!】

その昔はレ・リュジアンとは言え、何とか1万円札1枚で何とか購入できた訳ですよ。レ・リュジアン・バ、レ・リュジアン・オーと言えば、誰にも一目置かれる存在でして、どうしてもニュイに目が行きがちな日本のワインファンの方々にボーヌの至宝をご案内させていただくには、
「価格は結構に重要」
だったんですね。
ですから・・とても美味しいけれどリーズナブルにご案内出来ないとなると・・如何にレ・リュジアンだとしても・・ですよ・・そう簡単に手を出す訳にはいかなかったんです。
あ、因みに以下のボーヌ、ポマールの4アイテムは次回のご案内を予定しています。
● 2020 ボーヌ・プルミエ・クリュ・クロ・デ・ムーシュ
● 2020 ポマール・アン・ブレスキュル
● 2020 ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・プラティエール
● 2020 ポマール・プルミエ・クリュ・レ・ゼプノ
ボーヌのクロ・デ・ムーシュも楽しみですし、ラ・プラティエールやレ・ゼプノも・・。もしかするとレ・ゼプノ(プティ・エプノ、レ・グラン・ゼプノ等)も昇格の可能性無しとは言い切れないんじゃないかと思っています。レ・リュジアンとは違った魅力が有りますよね・・個人的にはヴォーヌ=ロマネに対するシャンボール=ミュジニーみたいな感覚です。

ほのかにミュジニーのような香水的に華やかなトップノーズを含み、底の方から湧き上がってくる何とも高質なアロマに思わず・・「うわっ」とか・・「ウォ・・」とか・・ね・・皆さんも良くやられていらっしゃると思いますが・・発してしまいます。
少しコッテリとした・・でも健全過ぎるほどの妖艶さを持ち、飛び込んでくるというより、「そこに居続ける」ような・・重心を持ったアロマです。まさにレ・リュジアン的な・・大きさを感じさつつも、決してブルゴーニュ的なエレガンスを損なうことのない、見事なアロマです。
ジョアネスになってからのワインはテクスチュアが非常に滑らかで、やはりちょっとシャンボール系も入っているよなぁ・・と思わせてくれます。充実しているが過分では無いし、エレガンス、フィネスと言う言葉を噛みしめながら、高貴さを持ったチリチリと口内で味蕾を刺激する一種のスパイス、もしくはミネラリティを感じます。非常に繊細なミネラリティの構造だと・・。
ジョアネスも、上記でご紹介させていただいたYoutubeのビデオで言ってますが、グラン・クリュ並みだと・・フィネスだと・・エレガンスだと・・。
それでいて、
「我はレ・リュジアン也!」
としっかり教えてくれる感じがします。
実にぶっといボトルに入り、蝋封されていますが、先日ご紹介させていただいたギルベール・ジレ同様の存在感を感じます。ただし、ギルベール・ジレのワインは、どこか老獪・・老練です。
ジョアネスのワインは、非常に美味しいですが、まだまだ変わって行きそうな・・いや、変えて行きそうな、若い力を感じます。応援して欲しい・・と言いますか、飲んでみて欲しいですね。希少なワインです。ご検討くださいませ。
● 2011 Pommard
ポマール
● 2011 Pommard 1er Cru la Platiere
ポマール・プルミエ・クリュ・ラ・プラティエール
【エレガント系に仕上がった2011年は本人も納得の仕上がり!】

エレガントな出来でした!村名はすこし早いですが、非常にピュアに仕上がっています!色合いの美しさ、酸の綺麗さ、石灰系ミネラリティがしっかり存在し、とてもチェリッシュ!透明度の高い美しい仕上がりで美味しくいただけると思います。この季節はどうしてもワインが冷えちゃいますんで、少し品温を上げることを努力してみてください。
何より価格も8千円とかじゃないですから・・・お買い得だと思いますがいかがでしょうか!
1級のラ・プラティエールは、村の北側上部にある優れた畑で、クロ・デ・ゼプノとは少し離れていますがその上部・・西側に有ります。ゼプノのような精緻さと官能さ、そして美しい土のニュアンスを持っていますが、ティエリー・ヴィオロ=ギュイユマールの「黒味」のある濃密な造りから、非常に気品と力を両立した味わいに感じられるでしょう。リアルの徳丸さんは(・・・などと書いていたら本当に電話が掛かって来ましたが!・・・2月5日のテイスティングは雪が午後に延びそうなので延期しようかという相談でした・・新着の作成が間に合いそうも無いので助かりましたが・・1週間延びただけではありますが・・!)、
「シルキーでグリップがあって複雑で・・・もう美味しくて堪らん!」
と絶賛していますね。価格もこのプライスなら納得していただけるでしょう。
非常に少ないので飲んではいませんが、リアルでも非常に高得点・・・グラン・クリュの香りがする・・と申しております!・・
出来る限りリーズナブルにご案内いたしますので、この機会に是非・・・お試しください!お奨めします!
リュジアンは、ポマールのグラン・クリュ、と本人が語っています。1947年植樹ですから樹齢60年以上のV.V.です。
「エチケットにV.V.と書いてないじゃない?」
とは言わないでくださいね。出来るだけ書きたい人(・・例えばフーリエとかペロ=ミノとか・・)もいらっしゃれば、何年以上の樹齢と決めて記載する方も・・・そして絶対書かない人もいらっしゃるんですね~。面白いですよね~。
こちらはやはり「ミネラリティ」が独特で、かつ緻密なんですよね。赤や黒のスパイスや風味を出してくる金属系・・鉄とかマンガンとかマグネシウムとかがカルシウム系(石灰・・ですね )のミネラリティに散りばめられているような気がします。気高さの有るスパイシーさと、糖分の甘み以外の由来の見事な甘みを感じさせてくれます。やはり将来はグラン・クリュになりうる畑です。
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