こちらは参考用に掲載します、2011年のものです。 ● イヴ・ボワイエ=マルトノ2011年完全ガイド!大きく・・そして新たな境地に向けて!!必ず読んでくださいね!! いつものように全てのアイテム、10アイテムを用意した。仲間との合同テイスティングだ。このイヴ・ボワイエ=マルトノに関しては、ラシーヌさんからの全量買取だから、並行ものを除けばグループでの専売品である。それだけに様々な責任も伴う。輸入してくださっているラシーヌさんにも、、そして何よりも、 noisyたちを信用してくださっているお客様たちに・・である。絶対に嘘などは付けない。さらには自分たちのためでも有るから、このテイスティングは絶対に外せないのだ。 少し緊張感を感じる。それはそう・・・全量買取だから、有無を言わずに大量のワインを購入することになる。もし、駄目なワインばかりだったら・・と考えてしまうのだ・・イヴ・ボワイエ=マルトノに対する僕らの信用度はとてつも無く高いのに・・・である。ちっさいな・・とは思うが、顔色をそれとなく伺い見ると、きっと仲間も同じような心持ちではあるだろう。 ブルゴーニュ・シャルドネを開ける。・・・実はこれでほとんど判ってしまうのだけれど、今年の2011年もののテイスティングは、全く気の抜けないものとなったのだ!いやおう無く! グラスにシャルドネを注いで、他のメンバーに渡す。グラスの液体はやや黄色く・・・「(ん?なんだ?・・)」と一瞬思ったが、気のせいかと思い直した。そしてグラスをノーズに近付ける・・・・。 「(ん・・やっぱり・・・)」 実にナチュラルな黄色い果実のアロマが「スパッ」と立ち昇る。 「(いつもと・・・違う!)」 そして、グラスを傾け、僅かな量を含んだ。 「(・・・素晴らしい!・・・しかし、このナチュラル感は何だ?)」 その後もしばらく、このシャルドネとの問答は続いた。そして、ひとつの仮説に達した。 メンバーとの話し合いの中で、このように説明した。 「今まで・・・昨年までのイヴ・ボワイエのブルゴーニュ・シャルドネとは大きく違う点がある。とても美味しいのは同じだが、まず何よりも、香りの立ち上がりがとても早い。そしてテクスチュアが滅茶苦茶ソフト。ワインはまだ硬いのに、接触感がとても柔らかい。これは、おそらくだが、SO2の使用量がとても少ないことが上げられる。そして、SO2の使用量が少ない・・と云うことは、このワインの健全さと釣り合わせるためには、SO2の量を減らせるような畑仕事になったと云う事だ。・・・そしてきっと・・いや、おそらくだが・・・それは、自然派への一歩を踏み出したのかもしれない。」 基本的な味わいは変わらないのに、とてもピュア・・・なのだ。そして、ビオに有り勝ちな、ある種の危険なニュアンス・・それが全く無い。揮発酸のキの字も無いのである。 ムルソー、ムルソー・ロルモ、ムルソー・ティレと進む。見事にテロワールを切り分けられて感じることができる。そして何より柔らかく、香りの立ち上がりが早い。ムルソーは、これぞムルソーと言うべき、大量のミネラリティを閉じ込めている。ブルゴーニュ・シャルドネが普通のムルソー感覚なので、こちらはムルソーV.V.とも言えるかもしれない。ロルモは粘土のニュアンスを含み、やや赤い果実さえも思わせるし、ティレは反対に白い。 最後のピュリニー・レ・カイユレまで進む。仮説は結論になった。間違い無い。そう思う。 最初にシャルドネの色を見た時、見慣れているこのワインの色に、やや黄色の少なさを感じたのだ。わずかに潜むグレーのニュアンス。それは色にはなかなか現れないが。判る人には判るだろう。 そして香りの立ち上がりは、まるでビオワインのように素早い。そして太い。ナチュラルなアロマが早くて太いのである。 テクスチュアは目茶柔らかい。飲むにはまだ早いはずなのにとても美味しく飲めてしまうのは、ポテンシャルが高いこと、So2の量が少ないことによる開放力/時間の数値が高いのだろう。 それでいて、決してビオっぽくまでは無い。ましてモロビオでは有り得ない。 考えてみれば、シャルム、ペリエール、ジュヌヴリエールと、ムルソーの超一流どころを抑えているイヴ・ボワイエである。あの大御所、コント・ラフォンとも・・と思えば、昨今は息子さんたちにバトンタッチしたイヴ・ボワイエが、少しずつ自然派の方向に向かうのも判る気がするのだ。 そして何よりも、生き生きとしたナチュラルさが加わったイヴ・ボワイエ=マルトノの2011年は、あの偉大な作となった2010年をも超えたかもしれない・・・と感じる。素晴らしいワインに出会えたことを、メンバーの輝く目を見て・・・、そして自身を顧みて確信した。有難う! いや・・・恥ずかしいですが、実写版・・です・・(^^ 本当にピュアでナチュラル・・・そして危険なニュアンスの無い・・テロワールを見事に現したワインでした。 何がお奨め・・・と言うのは、もう無いです。全てがお奨めです。そして、ポテンシャルが価格になっています。上級キュヴェも、今飲んでも・・・飲めてしまいます。勿体無いですけどね。 ムルソー・ナルヴォーという、実質1級と言われるワインの残りを持ち帰り、翌日飲んでしまいましたが・・・いや・・・もう有頂天です。こんなスピードで飲んじゃ勿体無い・・でも飲んでしまう自分がいるのにビックリです! そして全てのキュヴェに共通していますが、So2が少ないことによるのでしょうか・・・果実感は実にリアルで、黄色いリンゴとか、黄桃、白桃、梨、花梨などのニュアンスが、実際目の前に有るかのような振る舞いに変わって来ています。 他、上記に書いて無いワインを一応述べますと、 ピュリニー・ルショーの美味しさにビックリです。今までは、少し置いた方が良いと思っていましたが、2011年に関しましては飲んで良い・・です。素晴らしい美味しさです。ソフトさと、ワインのポテンシャルで飲めてしまいます。 シャルムは・・・・このワイン、この畑が、実はペリエールの真下に接している・・・と言うことを、ちゃんと教えてくれます。ペリエールが上にトッピングされてるんですよ!・・呆れちゃいます!素晴らしいです。 ジュヌヴリエールは、ムルソーというアペラシオンのイメージの中で、最大限、最大値で、それを表現しています。大理石的なミネラリティのエレガンス・・・これに尽きます。凄いです。 ペリエールは・・・これは別格です。呆れるばかりです。これだけは・・お願いだから早くは飲まないでください。・・・美味しく飲めちゃうんですが!・・・2~3年我慢してください。もしくは10年・・・もしくは20年・・・きっと大輪の花を咲かせるワインです。ゴージャスです。 ピュリニー・カイユレも別格ワインです。これは3年で良いと思います。要素の一つ一つが超一流・・エレガントで有りつつ、豪放さも持っているんです。これも、(おそらく)自然派に向かったイヴ・ボワイエならではで・・飲めちゃいますが! 2011年のイヴ・ボワイエ=マルトノ・・・買わないと後悔するワインです。ブルゴーニュ・シャルドネで・・・充分です。ポテンシャルと加味すると価格は平均して・・半分と言えるでしょう!そして、上級に行けば行くほどに、感動は大きくなる・・それだけです。是非とも飲んでみてください!一押し!間違いない選択です!有難うございました。 |