一時のブームだったのでしょうか、それとも、景気の悪さから、仕方なく離れざるを得なかったのかな?・・あの、イタリアワインブームは何だったのかと、時折思う今日この頃です。
まぁ、noisy にしてもですね、イタリアワインに走ったきっかけは、何といっても価格が安かったから・・でした。3千円も出すとフランスワインに換算して6千円以上のポテンシャルのワインが買え、しかも飲み頃をさほど厳密に考慮せずとも良かったのが受けたのかな?と思います。そりゃぁもう・・・イタリアワイン様様の状況も有りました!
ところがそんな時代は長くは続きませんでした。安かった高ポテンシャルワインも入荷ごとにプライスがアップ・・・3千円が5千円、8千円、1万円越え・・と、2~3年の間にどんどん上がりました。noisyもエージェントさんには、
「・・・このまま行ったら売れなくなるよ」
と警告していましたが、
「値を蔵が上げてきているので仕方が無い・・・レートも良くない」
と言う返事でどうにもなりませんでした。
さらには、最初のうちはまだ数量も多くないんですが、エクスクルーシヴを結ぶと毎年のように輸入量が増えて行きました・・。ブルゴーニュ辺りと違って、イタリアは畑も広いですから・・アイテムも多いし、彼らも生活が掛かってますから、毎年値上げ、数量アップ・・・それについて来れないエージェントは契約を切られる・・そんなサイクルでした。安い価格で買い叩かれている・・とイタリアの生産者は思って居たんだと思いますよ。でも、高くなりすぎましたし、我慢しすぎたエージェントさんは、商売すら止めざるを得なかったところも有ります。美味しいイタめしを食べながらも、酷い品質の安ワインに高いコストを払わざるを得ない状況は打開できないのかな~・・と残念に思います。
今回ご紹介のクレリコはアドヴォケイトで96ポイントと、非常に高い評価になっています。オーストラリアのファルスタッフ・マガジンに至っては97Points!クレリコのバローロはしなやかで厚みが有り、とてもクリアです。若い時分に飲むと普通にド太いバローロ・・位にしか思わないかもしれませんが、実際のポテンシャルそんなもんじゃ在りません。物凄い凝縮感です。化け物です。それでいて熟すと官能さも現れてきて、トップ・バローロとしての品格パッチリです。モンフォルテ・ダルバですから、しなやかさとパワフルさが調和した味わいです。希少です!是非ご検討ください!
以下は2011年のシンプル・バローロのレヴューです。
━━━━━
【アドヴォケイトもスペクテイターも94Points!!誰が飲んでも美味しいと思える濃度とまん丸なバランスです!】
久しぶりに飲みたくて、さほどの数の購入が叶った訳でも無いのに・・開けてしまいました。いや~・・非常に・・良い感じです。濃度はしっかり有るものの、飲んでいて疲れるようなパワフル過ぎない適度な感じなんですね~。
色合いはやや暗めのルビー・・と言ったところ。甘く無く果実がテンコ盛り・・と言う感じにはなっていませんで、エキスな味わいからの拡がりの中にダークベリーやチェリーの実の詰まった、やや官能的な味わいが非常に良いです。
ルチアーノ・サンドローネさんのように果実味ギッシリ、タンニンはソフト・・と言うよりも、もっとナチュラルに造った感じで、不自然さの無い味わいが信条なんでしょうね。
このシンプルなバローロにワインアドヴォケイトもワインスペクテイターも94ポイントも・・付けています。
「・・おいおい・・一番ベーシックなバローロに94ポイントって・・」
と思ってしまいますが、昨今、クレリコはセッラルンガからも「アエロプラン・セルヴァイ」と言うクリュのバローロをリリースしておりまして、非常に高価なんですが、2010年ものにアドヴォケイトは97Points と言う驚異的な評価をしています。
クレリコには他にも、「パヤナ」や「チャボット・メンティン(・ジネストラ)」、そしてもう化け物としか言いようのない「ペルクリスティーナ」と言う超有名なクリュが存在しています。
ペルクリスティーナと言えば思い出すのが、まだリアルワインガイドでイタリアのテイスティングをやっていた頃、たしか1998年のペルクリスティーナをテイスティングしたんですが・・勿論、ブラインドですよ・・余りのポテンシャルの高さに我々も完全にポテンシャルを取り切れなかったんですね・・。
まぁ、グラスがいかんせん、貧弱ですから、30分後にもう一度再テイスティングするのが常だとしても、そんなんじゃ何も変わらない訳です。変化無し・・何も出て来ない・・から評価がまともに出来ない・・と言うことなんです。
ところが持ち帰って2~3日もすると、とんでもない芳香とふくよかで濃密な味わいにビックリすることになりまして、唖然とさせられたんですね。
で、甘さの有る果実味系か?・・と思われるかもしれませんが、いや、エキス系なんですよ。残糖分は非常に少ないです。
このバローロも、評価が高いのも安易にうかがえ、ポテンシャルの高さを隠そうとはしない外向性と品の良さを持っていました。果実も暑苦しく無く、タンニンも苦く無く、適度な凝縮感からの、むしろ古典的さの有るネッビオーロらしい振舞いさえも感じました。バリック派ですから、酸化を適度に促進した柔らかなニュアンスもそれなりに有るんですが、古典派にも通じるエキスの表情も実に良いです。
とても美味しいと思います。是非チャボ・メンティンと共にご検討くださいませ。