エンリコ・セラフィーノ
エンリコ・セラフィーノ
イタリア Enrico Serafino ピエモンテ
● もう20年近く前に飲んで感動したバローロです。リストで見つけて思わず仕入れてしまいました・・。エンリコ・セラフィーノと言うカンティーナですが、今現在もこの名前は残っていて、バローロやスプマンテなどがリリースされています。
しかし、今のエンリコ・セラフィーノは何度か買収を繰り返したようで、昔の面影は無いでしょうから・・ご注意くださいね。
● 1964 Barolo Riserva Speciale
バローロ・リゼルヴァ・スペシアレ
【実はnoisyが非常に感動したバローロがこれだったんですね・・】
他のコラムでも書かせていただきましたが、西暦2000年頃に、1952年もののこのワイン・・・とんでもなく外観の状態が悪いボトルを、売りようも無いし・・と言うことで、飲んでしまったところ、
「超大当たり!」
を経験してしまったと言う・・お話しでした。
自分でも良く分析出来てはいませんが、もしかしたら noisy的にはそれ以上のバローロには未だ出会っていない・・と言えるかもしれないんですね。
いや、滅茶苦茶美味しいバローロは沢山飲みましたよ。それこそジャコモのモンフォルティーノだって素晴らしかったですし、カッペッラーノのピエ・フランコのバローロの、それこそ深い一体感の味わいには感動しました。エリオ・アルターレのバローロは、それまではブローカー経由でしか入手できず、飲むと硬くてね・・。ところがル・テロワールさんのアルターレが入手できるようになり飲んでみるとまぁ・・自身の認識が大きく間違っていることに気付かされたものです。本当は早くから美味しいバローロだったんです。
それでもこのエンリコ・セラフィーノの1952年バローロ・リゼルヴァには届かなかったはず・・と思ってしまう自分を排除できないでいるんですね。
でもだからと言って、この1964年のバローロ・リゼルヴァ・スペシャーレが同じように旨い・・とは言えないんですよ。noisy が感動した味わいを是非皆さんにも経験していただきたいとは思うんですが、とても保障はしかねる訳ですね。飲んで無いんで・・飲んでしまうと、この入荷本数ではそれなりに価格を上げなくてはならなくなりますので、難しい判断なんですよ。
1952年のバローロ・リゼルヴァ・スペシャーレの、約20年前の販売価格が7~8千円だったと思います。しかし、それをお客様に販売したかどうかの記憶が無いんですね。1本しか入ってないものを飲んでしまうことも有りますしね。
今回はこのプライスですから、ほぼ1.5倍ほどです。ヴィンテージ的に12年の差は有りますが、20年でたった1.5倍ですから、狂乱物価が当たり前なワインの世界では、「タダ」みたいなものかと思います。
この、ゴールドメダルが沢山描かれたエチケッタは結構印象的で、名前は覚えられなくても、エチケッタで覚えてしまいますよね。
色合いは決して濃く無く、薄過ぎずと言った印象。そもそものバローロ・・・と言うかネッビオーロは、ピノ・ノワール並の色合いが普通でした。noisy がワインの勉強を始めた頃は、テイスティングでピノとネッビオーロの区別をどのように付けるか?・・・なんて、友人と論じたりもしたものです。それほど似たニュアンスのあるものでしたが、それこそガイアやバローロ・ボーイズ系のネッビオーロはその大樽派の区分には入らず、ネッビオーロにも最低、2種類の区分をしないと「当てられない」と言う結論に達したものです。
それに90年台からは、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールも、アンリ・ジャイエ以上に濃厚な果実を求める動きになり、それこそ一時の両デュガやペロ=ミノなどは膨大なフレーヴァーを持ち始め、今度は濃厚なネッビオーロと、右岸のメルロと、デュガのようなピノ・ノワールの区別が非常に難しくなった時も有りました。
例えば90年台のクロード・デュガのワインを2000年頃にブラインドで出された時には、10人弱ほどのメンバーがほぼ口を揃えて、
「右岸のメルロ」
と・・(^^;;
まぁ、こちらのエンリコ・セラフィーノのバローロは、そんな濃密タイプのワインとは一線を画す、大樽系、エキス系の長寿なバローロです。
44歳とここまで古い訳ですから、この先1年や2年、保存で飲むのが延びたとしても、熟度はさして変わりません。
しかしながら、「しっかりと澱を落として」「しっかりと休養させる」と、このワインの本当のポテンシャルを感じることが出来るんじゃないかな・・と思います。さして旨くないかもしれません・・それは誰にもまだ判りません。
でも、まだ大らかな時代、昔ながらの大樽で仕込んだ、非常にリーズナブルなバローロ・リゼルヴァ(・スペシアーレ)です。楽しんでいただけましたら幸いです。
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