
比較的大手さんのブルネッロ・ディ・モンタルチーノです。サリクッティやサルヴィオーニ、ポッジョ・ディ・ソットなどの凄~いブルネッロとは全く別物・・とも思えてしまいますが、実は結構に凄い一面を持っていたりもします。
何故って・・いや、その昔、相当に古いバルビのブルネッロ古酒の素晴らしい味わいに出会っているから・・なんでしょうね。
その頃の大物と言えばやっぱりビオンディ・サンティですね。古酒ばかりだったので、状態もそれぞれで・・サンティは余り良く無かった・・でも、30年近くも経過したこの淡~いバルビの古酒は、滅茶美味しかった記憶が有るんですよね。まぁ、このエレガントなブルネッロが30年以上経過してもワインの形を保っているはずだとは、今でも言い辛いのは確かでは有ります。
2014年のこのブルネッロも、前回の2010年同様・・非常に同じように感じます。キツク無く、足りなくない・・とてもエレガントな表情をしていますが、ブルネッロらしい「練れた」美味しさに、ブケと言って良い熟成に由来するアロマとスパイシーさを感じさせてくれます。余韻は結構に純粋さを感じます。
2010年の写真は結構に紫色っぽく映っていますが露出に「青」が強かったんでしょうね。最近のiphone は結構、黄色く映りますので、テイスティングの写真はむしろ自然な光に近いかもしれません。
とても美味しいと思いますが、凄くは無いです。すごくないのが凄く良い・・と言う、しょうも無い論理ですが、時々飲みたくなる美味しさです。ご検討くださいませ。
以下は2010年のこのワインのレヴューです。
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【エレガント系ブルネッロの筆頭??できれば少し熟させてから飲みたい!】
比較的大手のブルネッロ生産者、バルビの2010年ブルネッロ・ディ・モンタルチーノをご紹介します。凝縮感にこだわりだした多くのブルネッロの生産者たちの中に有って、
「凝縮感?・・何それ?」
と言う感じを貫き通しています。
そんな中堅~大手のブルネッロを飲み比べてみますと、このファットリア・デイ・バルビのワインが結構、光ってみえることが多いです。似たような立ち位置にはアルジャーノがいますが、ブルネッロなんぞは・・何だかな~・・センス無いな~・・ソレンゴはまだ美味しいのに・・などと思いつつ・・。それに、価格もそんなには高く無いのも有って、
「熟し始めたバルビのモンタルチーノが出たら買い!」
と言う頭がいつも有ったんですが、
「熟し始めたバルビのモンタルチーノが出てくることはまず無い!」
と言うの事実・・です。散々待ってますが出てきた試しが無い・・無かったです。
スタイルとしては、決して濃厚では無いスタイルでドライなので、リリース直後のまだ硬い時期に飲むと少し寂しいんですが、結構早めに柔らかくなってくるんですよね。開けたてでやや硬めでも、飲み進めて行くうちに滑らかに膨らんで来るんです。
さりとて・・どうでしょうね~・・アドヴォケイトはこの2010年ブルネッロに94ポイントも奢っちゃってますが・・
「そりゃぁ幾ら何でも盛り過ぎだろう?」
と思いますよ。良いとこ、92点位です。そうじゃなきゃ・・他に素晴らしい生産者が山ほどいるブルネッロの点数は、最高点が100点じゃとても間に合いませんよ。それにどう見てもアドヴォケイト好みの味わいじゃ無いです。
いや、でも決して貶してはいません。濃密さが得意な生産者もいれば、自然な味わいが身上の生産者もいる、ココアやコーヒーのように黒い色が出てくる人もいれば、褐色こそ命!・・と言うような古い生産者もいるんです。あのカーセ・バッセだって・・昔は濃かったですが、今は決して濃厚とは言えません・・そんな風に変化もしてきます。
しかしバルビは変わりません。エレガント系の決して超高値にはならない、まるでピノのようなブルネッロを延々と造り続けているんですね。このエチケッタも昔からほとんど変わらず、イタリアの小国が沢山有った王族時代を思わせてくれるような家紋が良いですよね。エチケッタは非常に派手では有りますが、味わいはエレガントなんです。
現状はまだやや硬めですが、ドライで甘味に頼らない構造です。是非飲んでみてください。リーズナブル、エレガント路線のブルネッロでは中々バルビは超えられないと思います。