
フェルシナの両看板のひとつ、「フォンタッローロ」です。まだまだワイン屋としても未熟だった頃、仲間同士で熱い思いや感想をぶつけあったワインでも有ります。
そもそも、イタリアワインで有りながらフレンチ・セパージュや、フランスの品種を使用したスーパータスカンが人々の関心を集めている中、イタリアを代表する品種である「サンジョヴェーゼ」でそれらに対抗するワインがいくつか存在しましたが、このフォンタッローロもそんなワインの一つと言えなくも有りません。
まぁ、サンジョヴェーゼと言う品種は扱いが非常に難しい訳ですね・・ここでは余り突っ込みませんが、そのクローンだけでも滅茶苦茶存在します。もっと言ってしまえば、
「本当にサンジョヴェーゼ・グロッソは存在するのか?」
みたいな話しにもなりかねませんで、そうしてしまうと、
「・・あれ?・・じゃぁ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノって・・何?」
みたいなことになってしまいまして、混沌の中に自分を落とし込むことにもなってしまいかねない訳です。そんなお話しがお好きでしたらしますが・・まぁ、noisy も深く入り込むと悩んでしまうタイプなので・・止めておきます。まぁ、
「サンジョヴェーゼは何かと難しいらしい・・意味はよく判らんが・・」
と言うところでまずは止めておきましょう。
このフォンタッローロは、トスカーナの主力品種で有るサンジョヴェーゼを使用し、キャンティ・クラシコ南部の個性とコッリ・セネージの個性を合わせた、比較的「パワフルな面」を見せているサンジョヴェーゼ・・と言えます。
このワインのインポーターさんでは有りませんが、ラシーヌの塚原さんもここのオーナーさんのお話しを引き合いに出されて記事を書いておられますが、
「サンジョヴェーゼはダメ息子!」
と言うのがオーナーさんの見解らしいです。
まぁ、だからこそ、更生させるために色々と人間が手を打っているのかな・・と言う考え方も有りと思いますよ。
例えば「レ・ペルゴール・トルテ」と言うサンジョヴェーゼのワインが有りますが、こちらは超エレガントです。noisy も大好きです(でした・・)。
では対してこちらはどうでしょう?・・エレガントさが無いとは言いませんが、どちらかと言えば前述の、
「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに対抗したかったのかな~・・」
と言うような感覚を覚える力強さを感じます。
やや多めのしなやかなタンニン、密度の高さとコーヒーやカカオまで感じさせる黒みに乗った赤さの心地良さは、世界を席巻していたボルドーワインにこそ、その目は向いていたのかもしれません。
この2013年のフォンタッローロにアドヴォケイトは96ポイント、付けています。全くのグラン・ヴァンの評価です。すごいですよね。そして、やはりパワフルな味わいがそこに有ります。
ただし、荒い扱いはご法度ですよ。立ててしっかり澱を落とし、また注ぐ時にも澱が舞い上がらないように・・注いでください。
造り手の熱い想いが伝わって来ます。美味しい・・好き・・と思われる方、いや、そうは思わない・・と思われる方もいらっしゃるでしょう。だからこそ、今だからこそ、
「フォンタッローロって、どうよ?」
と思ってほしいなぁ・・と感じる次第です。是非挑戦してみてください。