フランソワ・ミエ・エ・フィス
フランソワ・ミエ・エ・フィス
フランス Francois Millet et Fils ブルゴーニュ
● コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの醸造長を1986年?・・から務めていたフランソワ・ミエさんが独立し、2016年から・・・
「ミクロネゴス」
を始めました。
気にはなっていたのですが昨年に2020年を入手できるチャンスが有ったものの、とてもじゃないが増やせるような状況には無かったので涙を呑んでスルーしていました。珍しく今年もオファーをくれましたが、まぁ・・余りに少ない・・(^^
それでも1本は何とか開けようと思い、仕入れさせていただいた次第です。

国内を見渡しますと・・ほんの少々出回っただけで、ほとんど完売しているようです。そりゃぁ・・ド・ヴォギュエを再建した醸造長ですからね・・
そして、クリストフ・ルーミエのところで働いていた息子さん等と一緒に立ち上げたようです。因みにド・ヴォギュエとクリストフ・ルーミエの家は親類同士・・まぁ、ブルゴーニュは狭い世界なので、皆どこかでつながっていたりしますが、このご時世に独立された・・と言うことは、
「ワイン造りの総仕上げを自身の名前でやりたい!」
と言うことなのでしょう。そしてそれを、
「息子たちに伝えたい!」
と言うことなのかな・・と思います。
で、余りに数が無いんですが飲まないと何も書けないので、強権発動で 2020年フィサン・アン・ロリヴィエを開けてしまいました・・
詳細はここには記載しませんのでぜひアン・ロリヴィエのコラムをお読みいただきたいのですが、いや・・ビックリしました・・
「・・そっちか~!」
です・・。
それもピュア系、美しい系、どちらかと言うなら薄く無い系・・と言う、栽培を抜きにして味わいの系としますと、「フレデリック・コサール」が近いです。
そしてフィサン・アン・ロリヴィエ2020年に限っては、noisy 的には、
「思い切りピュアなルーミエさん」
だと感じました。
そりゃぁ・・ド・ヴォギュエを再興させたヤリ手のエノロジストですから、素晴らしいワインを造るのは当たり前なのかもしれません。しかし、
「そっちなのか・・」
と・・。それがミレさんの造りたかったワインだったんだと判ったような気がします。
非常に少ないです。情報が少なくて申し訳ありませんがご検討いただけましたら幸いです。

1986年より30年以上に渡りドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエの醸造を一手に担うドメーヌの顔でもある大御所、フランソワ・ミエ氏が新たに息子達と共に立ち上げたミクロ・ネゴシアン。旧知の栽培農家より吟味したぶどうを購入して醸造から瓶詰めはシャンボール・ミュジニー村、ヴォギュエのすぐ裏にある自宅の地下室にて行う。
2021年にド・ヴォギュエを定年退職した自身のキャリア集大成として
「一切の妥協を排し細部までこだわり抜き、テロワールとフィネスを表した完璧なワインを造りたい」
という想いから最高の機材を調達し、それぞれジョルジュ・ルーミエやアントナン・ギヨンなどで修業を積んでいる息子2人と達と共に相談しながら仕上げる。100%除梗、垂直プレス機によるフリーランジュースのみを優しく抽出し、良質の澱と共に古樽中心にて18-19カ月樽熟成など醸造はヴォギュエ流に行われる。多くのアペラシオンを手掛けているが、それぞれが1、2樽程度であり、年間生産量12.000~15.000本に対して匠が手掛けるワインに全世界が注目する。
● 2021 Marsannay Blanc Croix de Bois
マルサネ・ブラン・クロワ・ド・ボワ
【全く何も情報無し!・・そもそも売ってるのか?・・と思いたくなるワインです・・】
クーシェ村にある白ワイン向きの土壌のラ・クロワ・ド・ボワと言うリューディのようです。この畑名は地図に出ておらず、「グラン・ボワ」と言う村名畑の一画に寺院が有りますので、おそらくそこなのかなと・・思っています。
ラ・クロワは十字架、ド・ボワは森・・です。
で、あちこち必死に情報を得に回ったのですが、ま~・・まるで出て来ません。販売しているサイトも日本で1社・・すでに完売でした。海外では・・
「まったく見当たらず・・」
でした。
それにその他の情報はまるでなく、ただ1ページ・・テイスティングレヴューが掲載されていました。テクニカルなどを見ますと間違いも見当たり、余りアテには出来なさそうなので・・どこなのかは言いません・・(^^
この畑はかなりの上り坂。驚くほどの熟度を持ち、濃厚でジューシーな味わい。ライチの香り、甘い酸味と軽くトロピカルな後味。石灰岩からできたもので、明らかに暖かい畑。
ん・・2021年で・・これはどうなんでしょう?・・ちょっとイメージは違うかなと思います。ご検討くださいませ。
● 2020 Montagny Blanc 1er Cru les Chaniots
モンタニー・ブラン・プルミエ・クリュ・レ・シャニオ
【モンタニー1級、レ・シャニオです!・・】
モンタニーと言えば・・Noisy wine では先だってご案内させていただいた「ドメーヌ・フイヤ・ジュイヨ」が非常に好調な販売を見せ、インポーターさんも驚かれていました。
まぁ・・言ってしまえば、ポテンシャルが半端無いのに価格は半分以下・・みたいなワインですから、そりゃぁ・・飲めば旨い訳ですね。
モンタニーはやはり、ずっと見過ごされ続けて来たアペラシオンで、このところの・・下手をしますと、「高温障害」が起きそうな温暖化の中で、希望の光を持っているアペラシオンと言えるかもしれません。
モンタニーのほとんどが1級畑で村名は少なく、また赤ワインにはアペラシオンが付かない・・と言う極限までのシャルドネの産地です。
今回は2本だけなので・・流石に飲めません。
ド・ヴォギュエでもあの・・・コート・ド・ニュイ唯一の白のグラン・クリュである「ミュジニー・ブラン」を長年に渡りリリースして来ました。まさに1993年に改植のために生産が無くなった訳ですが、それを指揮したのがミレさん・・のはずです。
以前にも何度か申し上げましたが、1989年や1992年のミュジニー・ブランは安いのに誰も買ってくれず・・涙にくれながら?・・開けて・・めっちゃ美味しかったのを覚えています。
しかし1995年ものだったか、改植直後のミュジニー・ブランならぬブルゴーニュ・ブランを飲ませていただいた時には、
「・・なんだこりゃ・・」
と・・(^^
「だから・・ブルゴーニュ・ブランでのリリースなんだな」
と・・他のドメーヌのA.C.ブルに比較するとそれほどには安くは無かったので、
「やっぱ、ド・ヴォギュエは違うのね・・」
と思ったものです。
リアルワインガイド第80号もこのモンタニー1級には高い評価をしていまして、上値は92ポイントです。
新樽使用無し、古樽で長い熟成をしますとピュアに仕上がりますが、美味しくなるのには若干時間が掛かります。新樽使用とは全く異なる仕上がりです。ご検討くださいませ。
● 2020 Auxey-Duresses Blanc la Macabree
オーセ=デュレッス・ブラン・ラ・マカブレ
【こちらも1本のみ・・です。】
リアルワインガイド第80号は、柑橘味が素晴らしく美味しいが・・中庸だと・・ボトルコンディションを疑っていました。
バーガンディ・リポートは、ムルソー的で純粋さと新鮮さが魅力だと・・今はリンゴの風味だと・・これからのワインだろうと言うような評価でした。
そうなると・・どうも同じワインのようには思えませんが、飲むタイミングで相当変わりそうですね。
そもそも新樽の使用無しで長めの熟成のようです(ピノ・ノワールと同様のエルヴァージュだとすれば)が、長めの熟成をそこまでさせない場合でも、新樽無しの場合はピュアでやや硬めに仕上がると思うんですね。時間の経過で大きく変わると思います。ご検討くださいませ。
● 2020 Bourgogne Aligot les Graviers
ブルゴーニュ・アリゴテ・レ・グラヴィエ
【初リリースと言う2020年の、シャンボール=ミュジニー村のアリゴテです。】
1本だけで飲めないので・・リアルワインガイド第80号は、
「ド・ヴォギュエがアリゴテを造るとこうなる」
と・・言ってます。気品が有りフルーツ香が素晴らしいそうです。ご検討くださいませ。
● 2021 Chambolle Musigny les Foucheres
シャンボール=ミュジニー・レ・フシェール
【これぞド・ヴォギュエのワインを、ド・ピュアに仕上げたような味わいになっているはず!・・シャンボール的なミネラル感が半端無いでしょう!】
この畑はあの1級、「レ・ボルニック」の真上に接する形で在るんですね・・。1級レ・ボルニックはグラン・ミュジニーに接していますが、このレ・フシェールは惜しくも接してはいない・・訳です。
ですが、シャンボールを良く知るミレさんは、
「村名ならではのシャンボールの表現が出る畑」
としているようで、相当入れ込んでいます・・と言うかむしろ、
「この畑の葡萄が入手できること」
こそが、ミレさんの・・ド・ヴォギュエを退職してミクロネゴスを始めようと言うキッカケにも繋がったひとつの理由だったかもしれません。
この辺りはミュジニーもそうですが、あのレ・ザムルーズもまたミュジニーに喰い込むような形で接していまして、そこにレ・ボルニックがくっ付き、さらにその上にこのレ・フシェールがくっ付く訳ですから、
「・・そりゃぁ・・村名だとしても、非常に特徴的なワインになる可能性が有りそうだ・・」
と思われます。何せド・ヴォギュエの元醸造長ですから・・はい。飲みたいですが、流石にちょっと高めですね。ご検討くださいませ。
● 2020 Volnay les Grands Poisots
ヴォルネイ・レ・グラン・ポワゾ
【ポマール・レ・ポワゾの南に隣り合う村名!こちらは2020年もの・・です。】
数が無いのでとてもテイスティング出来ませんので、少ない情報を求めてネットをかなり徘徊しまして・・バーガンディ・リポートに2020年ものの感想が出ているのを発見、参考にさせていただきました。
このレ・グラン・ポワゾはヴォルネイの北、そしてもっとも東(下)にある村名畑です。北隣がポマールのレ・ポワゾです。位置的には1級レ・ブルイヤールの下方になります。どうやら1986年頃から最近までド・ヴォギュエで働いて来た名エノロジストのミエさんも、ボーヌで初めて仕込んだワインのようです。
2020年と言う濃密なヴィンテージ、ポマールとヴォルネイの下方の境界にあり、新樽を用いずに古樽(2年目もの以上)で長めの熟成を行うと言う、クラシカルなスタイルで、1970年代に低迷していたと言われるド・ヴォギュエを立て直したミエさんが仕込んだ訳です。
なので、濃密で深く分厚く、しかしピュアな味わいでしょう。アロマはフローラルだそうです。当初は濃縮感があり少し濃厚だが口中でゆっくり溶けて行く・・そして柔らかくなって行く感じは、繊細~強烈さを持ち、ミネラリティがたっぷり・・
質感はすでに素晴らしいけれど、アプローチできるまでに・・2~3年待ちたい・・そのようなコメントです。すでに1年以上過ぎていますから・・もうそろそろかな?・・そんな感じかと思います。
リアルワインガイド第80号は上値93ポイントと高評価です。シャンボールのフシェールと異なり、豊かで凝縮し、ヴォルネイ味だと申されています。
1970年代にド・ヴォギュエは低迷していたとPKさんに言われていた訳ですが、安易にシャプタリザスィヨン(糖分添加)に走った性・・でしょう。今は化学肥料も止め、リュット・アンテグレのようですから、これもミエさんの指導なのか判りませんが、葡萄を見る目は確かでしょう。どんなワインか・・とても気になりますが2本のみです。ご検討くださいませ。
● 2021 Bourgogne Rouge les Rues
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・リュエ
● 2020 Bourgogne Rouge les Rues
ブルゴーニュ・ルージュ・レ・リュエ
【シャンボール東側の国道沿いにあるA.C.ブルですが・・村名並み!?・・と言うリアルの評価です。】
インポーターさんは基本、「フランソワ・ミエ」さんと言い、でも他所から引っ張って来たような情報、例えばテクニカルにはしっかり、「フランソワ・ミレ氏は・・」と書き・・noisy 的には
「ん?・・ミレさん・・じゃないの?」
と思ってしまうので、すみません・・統一感が出ないですよね。
でも、「落穂ひろい」・・農民画で有名な Jean-Francois Millet は、「ジャン=フランソワ・ミレー」なので、「ミレー」かと思いきや、発音を聞いてみると、
「ミエ と言ったり、ミレ と言ったり・・」
でして、良く判らないと言うのが実情です。なので、基本・・フランソワ・ミエとさせていただきますが、ミレさんとタイプしてしまうと思いますので同一と思ってください。
このA.C.ブルはシャンボールにある区画のようです。村の北側、村名のレ・ザテ、レ・ゼルビュの国道を挟んだ向かいにレ・リュエ(リュー)が有ります。シャンボールは南北にとても狭いので、A.C.ブルの区画も狭く、ある意味貴重です。
その性か・・なぜかオート=コートよりも高額な値付けになっていますが、noisy がボッている訳では有りません。評価的には、リアルワインガイドはポテンシャル92ポイントと高いです。
アルコール分は14度ですので、最近でしたらほぼ通常通りか、今まで通り13.5度を基準にすると僅かに高めでしょうか。
リアル的には、「口に含むと優良な生産者の村名」と言う表現です。
ミレさん的には、
「村名の方が1級やグラン・クリュより特徴が出るので村名にこだわりたい」
と言ってるそうで・・このワインはA.C.ブルですが、質的には村名並みなので・・noisy 的には、
「村名を長く造れず(リリース出来ず・・畑も買えず)、(経営的にはとても)苦労した」
と感じてもいらっしゃる部分も出ているのかなと・・思います。
やはりド・ヴォギュエの元醸造長ですからこのワイン、とても伝わってくるものがあるワインになっていると思いますよ。ご検討くださいませ。
● 2020 Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits Rouge
ブルゴーニュ・オート=コート・ド・ニュイ・プティ・ヴィーニュ
【オート=コートの冷ややかな葡萄をどのように仕上げたのか・・やはりド・ヴォギュエ風なの?】
セグロワにあるオート=コートの畑のようです。2020年ものには記載が有りませんが、いただけなかった2021年ものには「プティット・ヴィーニュ」と入っているようです。
セグロワはヴォーヌ=ロマネの西にあるコンクゥールよりもさらに西に行った場所にあり、ヴォーヌ=ロマネからは直線距離で4.5キロほどです。サン=ヴィヴァン修道院の近くのようです。
と言うことは、今回間に合うかどうか判りませんが現在、あのヤン・ドゥリューの上級キュヴェの2019年ものが届いています。言ってみれば、ここは・・
「ヤン・ドゥリューの庭」
ですね。
しかし、片やシャンボールの超大御所ド・ヴォギュエの醸造長、片やプリューレ・ロックの魂を身に秘める者ですから・・
「全く違う表現!」
になっているんじゃないかと思うんですね。
いや、少し上のクラスですが2019年のヤン・ドゥリューを飲み始めています・・なんと、
「上のクラスの中の、下のクラスの2019年ものは、開けた直後・・滅茶苦茶美味しくなって来ている!」
んですね・・。昨年中はあれだけ暴れていたのに・・です。
で、このワインは古樽、18カ月近い熟成で、フランソワ・ミエさんの手によるものですから・・やはりそう言う系統かなと想像しています。因みにド・ヴォギュエの先代、ジョルジュ・ド・ヴォギュエは、
「村名はド・ヴォギュエの名でリリースしてはいけない」
と、決してリリースさせなかったので、ミエさんは相当・・ご苦労されたようです。
因みにバーガンディ・リポートを観ますと、こんな感じのようです。
比較的濃い色のフルーツに心地良いハーブ、新鮮で凝縮した風味が有り、ハーブは味わいには無く、質感が非常に優れているそうです。とても素敵ですぐに楽しめるほど、すでに寛大寛容な素晴らしいワイン・・と言うことです。ご検討くださいませ。
● 2019 Cotes du Jura l’Chenaud Rouge
コート・デュ・ジュラ・レシュノー・ルージュ
【言わば・・ドメーヌもののワインですが・・??】
ジュラにはドメーヌを展開しようとしているようです。アントナン・ギュヨンやクリストフ・ルーミエで働いている2人の息子さんがいらっしゃるようですので、中々鋭いところをついているかな・・と思います。
あくまで「2020年フィサン・アン・ロリヴィエ」しか飲めてはいませんが、凝縮したニュアンスは適度な凝縮度の時のルーミエさんに似ていて、むしろヴォギュエ的では無いようにも思えました。おそらくですが、シャンボールとフィサンと言うアペラシオンの違いが大きく、そのように感じさせたのかもしれません。
なおこのジュラのワインですが、インポーターさんも品種さえ記載しておらず・・ただ「自社畑もの」としか入ってないんですね・・まぁ・・いかがなものでしょうね~・・。
ボトルを光に透かして見た感じは、
「ピノ・ノワール」
かなと・・思います。
しかし他の品種が混ざっていないとか、他の品種かもしれないと言うことさえ排除は出来ませんので、売れなくても良いか・・と投げやり気味です。まぁ、自分で買って飲めば・・後々のために良い経験になるはずなので・・。
何せ、
「情報無し、品数無し」
ですから、
「並べておけばよいでしょ?」
と言われているかのようです。もしご興味を持たれてご検討いただけましたら幸いです。
● 2020 Fixin en l’Olivier
フィサン・アン・ロリヴィエ
【どぁわ~・・そ~ゆ~こと!「・・ミレさん・・こ~いうのが造りたかったんだ!」とヒシヒシと伝わって来るド・ヴォギュエ的な存在感と完璧さ!・・でも味わいはむしろあの大人気ドメーヌに近い!】

もうこれは・・ブルゴーニュワインファンなら絶対口に出ちゃいますよ・・。
「・・え~っ・・そっちか~・・でも、めっちゃ旨いじゃん!」
と。
まぁ、このワインがフィサン村名だと言うことも有るかもしれません。ド・ヴォギュエ再興の立役者、フランソワ・ミレ(ミエ)さんのワインですから、どうしてもド・ヴォギュエのシャンボールとか1級とか・・をイメージしてしまいますよね。
やはりシャンボールでは無い・・と言うのが効いているのかもしれませんが、リアルワインガイド誌も、他のメディアも言うように、
「お~・・まんまヴォギュエ!」
と言うのは・・
「ん?・・それ・・ちゃうやん?」
と、noisy的には言いたくなるワインです。もちろん印象はその人の感覚的なものですから、それらを非難するものではありません。あくまでnoisy 的な感覚でものを申しているだけのことです。
やはりド・ヴォギュエのワインは石灰系ミネラリティがピシッとしていますし、酒石酸的な伸びやかさがスッと伸びて行くんですね・・例え閉じて硬くても。
しかしミレさんのこのフィサン・アン・ロリヴィエに限ってのことでは有りますが、その凄い存在感以外には、余りド・ヴォギュエを感じませんでした。
じゃぁ・・誰に?・・何に似ているか?・・と言いますとですね・・勘違いしないで欲しいんですが・・
「新樽由来の影響を排除したルーミエさん」
です。
まぁ・・そこに加えて、
「近年のフレデリック・コサール」
です。
葡萄は良く知っている生産者さんから購入しているそうです。「ぜひとも買ってくれ!」とずいぶん言われるそうでして・・そりゃそうかもしれません。超有名人ですから、ミレさんに葡萄を買ってもらっていると言うだけでも「ハク」が付くのでしょう。
完全除梗でイノックスから古樽・・熟成期間は通常より半年ほど早いです。ここから想像されるのは、
「ピュア」
ですね。場合によってはリリース直後は閉じ気味だったかもしれません。
ちなみにこのアン・ロリヴィエは、アメリー・ベルトーでお馴染みのあのフィサン1級レ・ザルヴレと同じ高度、北に接する畑です。

で飲んでみますと・・エライ旨い・・(^^;; もう、この美しさ、エレガンス・・たまらないですね。
ド・ヴォギュエやルーミエさんと異なるのは、
「新樽由来の影響が無い」
ことです。
そして2020年と言う超暑いヴィンテージに、
「13.5度」
と言うエレガントなアルコール分です。
新樽を使用することで失うフレッシュな酸の美しさは、使用しないことで・・・
「超美しい!」
です。
そして濃度ですが、
「ルーミエさんは濃いが、ミレさんは濃いとは言い切れない濃度」
でして・・果実酸が非常に美しく、まだ官能感などは出ていません。
今は完全エキスに成りかけの状態・・ほんのりと「ザクっ」とした僅かに粒感のあるテクスチュアの中に、とんでもなく冷たく質の柔らかなタンニンと果皮由来の豊満に在る成分が混じっていて、
「摺りおろし果肉入りのドライな・・質感最高の黒赤チェリー」
のニュアンスがいつまでも・・身体に残ります。
余韻も静かに・・しかしそのドライな味わいのエナジーは、純粋で冷ややかに「たぎって」いるんですね。
これ・・美味しくないと言う方はいないでしょう。ただし新樽系では無いので、官能感などはずいぶん後になってから出てくるはずです。
アンリ・ジャイエが引退を口にした頃からつい最近までド・ヴォギュエにいらした訳で、様々な技術を試されてきたことでしょう。その結果が、
「ピュア・ピノ・ノワール!」
なんだと・・ちょっと noisy もビックリしました。考え方はむしろ、ビオ系の生産者さんの醸造に近いんじゃないかと思います。
少な過ぎてお勧めするのも気が引けますが、
「これはもう・・どこでももし買えるのなら買うべき!」
と・・(^^ どうぞよろしくお願いいたします。
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