● 特売です。しかも超絶に長いこと扱ってなかった、ドメーヌ・ミシェル・マニャン・・そしてそのネゴス部門のフレデリック・マニャンです。

■『フレデリック・マニャンは変わった』/ベタンヌ
■ ルロワのワイン造りを理想とし、ルロワから栽培責任者が移籍。ルロワ流の栽培法を導入している。濃厚から繊細 で伸びのあるブルゴーニュに変化を遂げた。
◇ ドメーヌに近いネゴシアン
ブルゴーニュの多くの造り手が「フレデリック・マニャ ン」の成功を羨んでいる。同時に近年のワインの大き な変化に驚いている。 1 代でドメーヌを築き上げたシャブリの重鎮「ジャン・ マルク・ブロカール」も「フレデリック」の仕事と情熱を絶賛している。
『昔のヴィニュロン以上に畑で働く。だから彼はいつ も日焼けしている。一時期悩んでいたようだが今は 焦点が定まったね。ワインを飲めば解る』
「フレデリック」は全てのブルゴーニュの畑、区画、そ して所有者まで知っている。毎日、畑に出て自分の 足で条件に合った畑を探し出し、所有者と交渉する ということを 10 年以上繰り返してきたから。 彼等は畑の所有者から委託を受け、栽培チームを 派遣し畑の管理を全て自分達で行う新しい形のネ ゴシアン。書類上はネゴシアンだがドメーヌと変わり ない仕事をしている。
『栽培責任者はルロワにビオディナミを導入した人 で 30 年以上ルロワの栽培を指揮してきた。より繊 細で果実のピュアな部分を重視したワインに進化し ていきたい』
ネゴシアンとして土壌を表現するためには従来の葡 萄買いや樽買いでは不可能。栽培から関わり、理想 の葡萄を育て、理想のタイミングで収穫することがで きなければ理想のワインはできないのだ。
◇ ヴィラージュ・ワインが進化
土壌の表現に拘る「フレデリック」。100 年前に決められた AOC には納得していないようで、その枠に収 まらない取組も始めた。 鉄の多い畑から造ったワインに「クール・ド・フェ―ル (鉄)」。石の多い畑を合わせたワインに「クール・ド・ロッシュ(石)」。そして、粘土の強い畑のワインには「クール・ダルジール(粘土)」と表記したのだ。
『ヴィラージュ・ワインを造る時、村の個性以上に各畑の土壌の個性が勝ることがある。それならばその事実を表記するべきだと思った』
畑を選ぶ時に土壌と樹齢を最も重視している。
『ヴィラージュ・ワインでも最低 40 年の樹齢が条件。 土壌の個性を表現するにはある程度根を伸ばす必要もあるし、樹勢を落とし、樹中の水分量を減らさなければならない』
◇ D.R.Cよりルロワ
10年以上前から有機栽培を取り入れ、太陰有機法に従った栽培や醸造を行ってきた。最近の「フレデリック」はより自然で人為的介入を少なくする方向に 向かっている。
『D.R.C よりルロワが好きだ。1点の汚れもない完 璧に整理整頓されたワインよりも、欠点があっても伸びやかで定規で測れないワインが好き』
通常、春に葡萄房が形成され始めるとツルの先端を切り落とし、ツルを伸ばす為に使う養分を葡萄房に使わせるようにする。葡萄の生育を促す栽培法で ほぼ全ての造り手が導入している。
『春の摘芯もやめた。養分の分配は葡萄樹が自分でやる。人間がやるべきではないし、ツルを切られることのストレスの方が大きい』
ワイン造りは造り手の趣向やトレンドを極力排除した 自然な形でありたい。醸造はグラン・クリュもACブル ゴーニュも基本的に変わらない。
◇ ジャー(アンフォラ)熟成
日本に初めて「フレデリック」のワインが紹介されたの は「バレル・セレクション」という手法だった。インポー ターが樽買いし日本国内で流通させた。
『当時の日本の流行でもあったのか日本は新樽 100%しか買わなかった。実際は新樽の比率は当 時でも 50%以下だった』
日本に最初に紹介された「フレデリック・マニャン」は 新樽 100%のみだったので彼のワインに今でも樽のイメージを持つ人も多い。加えて2002年まではノン・フィルターで少し濁っていたし、収穫も今より遅く、今より少し過熟だった。そして、マセラシオンも長かった。 ここ数年で「フレデリック」の評価は一気に高まっている。2000年代前半まではワインに悩みが現れてい たように思う。通過点だったのかもしれない。
『ジャー(アンフォラ)での熟成も開始。スペイン製の薄い素焼きの甕での熟成により、水分が少し蒸発し、若干凝縮する』
内側を蜜蝋で焼き固めていないジャーを使用。香成分や水に溶ける成分は何も無いのでバリックのようにタンニンや香をワインに与えない。
『葡萄そのものの個性を出してくれるが、現段階では、単体では複雑味に欠けると判断。バリック熟成 のワインとのアッサンブラージュでバランスをとる』
2012年版ベタンヌ・ドゥソーヴではネゴシアンとして 最高評価のBDマーク 4つを獲得し一流のドメーヌ以上の評価を獲得した。ベタンヌのコメントが印象的 で的確だった。
『フレデリック・マニャンは変わった。他のネゴシアン と区別しなくてはいけない。難しい年だった 2008 をとても上品に仕上げ、それが本物だということを 2009 年で証明した。今後も楽しみだ』
【柔らかな酸が特徴のふんわりなA.C.ブルゴーニュ!・・好みは出そうですが、何しろ・・「安い!」です!】

ミシェル・マニャンのネゴスのブランド、「フレデリック・マニャン」のA.C.ブルゴーニュの特売です。インポーターさんから特売の案内が出ていまして、
「リーズナブルなA.C.ブルゴーニュの開発」
もやらなければならないので、
「3千円ほどで販売出来る、魅力あるA.C.ブル」
を探しているんですね。2千円代も稀に有りますが、コート・ドール>コート・ド・ボーヌ>コート・ド・ニュイの順番でどんどん厳しくなります・・と言いますか、
「無理!」
です。仕入で余裕で超えちゃってます。
「マニャン」と聞いて思い当る方は、結構に古くからの Noisy wine のお客様か・・結構にワインを飲まれていた方かな・・あとは最近飲み始めた方も少し知っていらっしゃるとしても、
「あの、現在売り出し中の【エチェンヌ・ドラルシェ】と同様にノースバークレイのスペシャル・キュヴェで日本に入って来た」
んですね。
ですので、当時の販売者・輸入者は今は無き「ル・テロワール」さんです。PKさん推しの新樽100%の生産者さんでした。
現在はすでにノースバークレイのラインからは外れているようですので、エチェンヌ・ドラルシェ、マリウス・ドラルシェとは同じくくりでは有りません。なんか、懐かしいシリーズにも思えます。
ですが、それでも noisy は時折テイスティングしておりまして、今回は、
「・・変わった?・・ホント?・・ルロワ?・・ホント?」
と言うような、疑い深~い noisy の目線でテイスティングさせていただきました。

「・・ルロワがお手本?・・そっか~・・」
と言う第一印象でした。
たしかに柔らかい酸、自然派なのにそれを余り感じさせず滑らか系の味わいで、その部分においては・・確かにそうだと感じます。
ですが noisy の好みの分かれ道でもある、
「美しい酸」
と言う意味においては・・ちょっと違うかな・・と・・。もしくは、美しい酸に仕上がるにはもう少し時間がかかるし、総体としての酸の量が少な目なので、
「飲みやすいが、高域に伸びて行くような美しさとはほど遠い」
と・・感じます。
赤いチェリーが香り、適度なミネラリティと適度な膨らみ、完成度は悪くないです。ジュヴレとモレを合わせたような味わいで、酸のレベルはヴォーヌ=ロマネ風の柔らかなもの・・。シャンボールのようなテッカテカなテクスチュアと言うのではなく、モレとかの少し襞のあるようなテクスチュアです。総体の味わいの出来としますと、やはり「A.C.ブル」を超えるものでは無いかな・・と感じました。
ですので、
「ん~・・この価格ならOK!」
と言えると思うんですね。何でもかんでも全てクラス越えなんて・・有り得ない訳ですから・・。3千円なら良いでしょう?・・飲んでみてください。むしろ2年後の方がよりおいしいと思います。