● 個人的にも非常に興味深い・・ドイツはバーデンの驚くべき生産者さんをご紹介させていただきます。あの・・一気に上り詰めた感のある「ヴァーゼンハウス」的な匂いのするワインを造る「ゲブリューダー・マティス」です。
noisy は全く知らなかったのですが、すべてのキュヴェのテイスティングを行い、
「こりゃぁもう・・ウケない理由が無いでしょ!」
と、あれこれと調査をしてみますと・・すでに海外、特にドイツ現地では、ヴァーゼンハウスに続くべき造り手として捉えられているようで、トップキュヴェの「シュペートブルグンダー ローゼンロッホ」には97ポイントまで付けるメディアも有りました。

下級キュヴェのシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)も激繊細で軽やかで、シミジミ美味しさが伝わって来ます。これが上級キュヴェになりますと、エキスの充実度が各段に上がり、高級ピノ・ノワールとしての格を強く感じさせるものになります。そしてそれはどこかブルゴーニュ的です。
そしてヴァイスブルグンダーやシャルドネも同様で、下級キュヴェは実に誠実に造られており、軽やかさとエレガンスを強く感じさせるものですし、上級キュヴェになりますと、驚くほどにブルゴーニュ的な高級ワインの味わいを見せてくれます。
栽培は有機と言うことで、認証も得たようです。ナチュール感はブルゴーニュワインファンには嬉しい、とても安全なもので、しかもナチュール感がほぼ無い訳では無く、ふんわりとした柔らかい土のニュアンスを感じさせてくれます。
価格も下級キュヴェは嬉しいことに、とてもリーズナブルで・・この173円を超えたユーロを考えますと、
「ピノ・ノワールファンはこぞって集まるんじゃないか?」
などと希望的な観測をしています。・・だって・・エレガントで優しく、ちゃんとブルゴーニュしているんですから・・。
これは飲まなきゃいけないワインです!・・そしてご自身の目と鼻と舌でしっかりご確認ください。ブルゴーニュは高価で手が出なくなったとお嘆きの方も多いかと思いますが、
「これからはバーデンがブルゴーニュファンの受け皿になるかもしれない!」
と強く感じさせるゲブリューダー・マティスです!
■ インポーター情報
新時代のドイツワインは半甘口時代のカウンターかと思うほどに不自然に未熟な酸が尖るワインも少なくありません。そんな中、葡萄の果汁のレベルの高さ、確かな経験を生かした造り手をご紹介出来ることとなりました。自然なワイン造りの新時代の足音がドイツでもひときわ高まっています。
第二次世界大戦後、甘口ワインの需要に伴い1971年に施行されたドイツワイン法では収穫時の果汁糖度によって格付けが決められてしまいました。オフドライで甘いワインを造るためには二次発酵前の過度の酸化防止剤添加が不可欠となっていきました。
Verband Deutscher Pradikatsweinguter (VDP)に加盟しておりドイツのグラン・クリュであるグローセス・ラーゲを造る生産者であっても二次発酵前に二酸化硫黄を添加することでMLFをブロックさせるプロセスを経ることがほとんどです。とりわけ、何世代にも渡る歴史を重ねてきた造り手、産地の背負う伝統の重さたるや想像を絶するものがあります。
ドイツ新時代を担う造り手は外国人やワイン生産国外から来た人間も少なくありません。弊社取り扱いWeinreich(ヴァインライヒ)のような王道ワインとナチュラル二刀流の造り手ならではの視点は結果としてネガティヴを自然の言い訳にしない高いレベルでの完成度を持ったワインを造り出しています。
ヴュルテンベルク州とバーデンを包括するこの地域はSchwaben(シュヴァーベン)と呼ばれています。かつてシュヴァーベン公国が支配していたこのエリアはドイツ国内からも後付けの鬼っ子的な存在でシュヴァーベンという言葉には”田舎者“を揶揄する意味も含まれています。
しかしながら一方向からのアイデンティティではなく俯瞰して見れば、中央ヨーロッパ文化が融合する地であり、ジュラ的、アルザス的、スイス的な要素も持ち合わせています。
私たちがこのワインの初回注文を入れてからのことでした。ワイン・アドヴォケイトでドイツ、シャンパーニュ、アルザスなどを担当するStefan Reinherdt(シュテファン・ラインハルト)氏はこの無名な生産者に対し大変ユニークで魅力的な言葉で称賛しています。

●新世代 サベス&セヴェリン
自分の人生をどのように生きたいかと考ることはとても幸せなことです。そして同じ夢を共有するパートナーがいるということは更に幸せです。私たちが共有する夢は、一言で言えば自然と共に働く喜び。偉大なワイン造りへの小さな一歩です。私たちのヴァイングートは過渡期を迎えています。私たちを訪れてくれれば誰でも大きな仕事に対して情熱を持った若いチームに出会うことでしょう。
私たちはオープンな心で親しみを持ち、創造的で建設的な考え、好奇心旺盛です。私たちのチームはこの近隣から遠方、若い人から年配者、新人からベテランまでいます。皆が混ざり合うことで私たちの作品は特別なものとなるのです。誰もが自身の才能、精神、能力を最大限に伸ばすことが出来るチームです。私たちはトゥーニベルク(Tuniberg)で最上のブルグンダーを造っています。
●ヴァイングート ゲブリューダー・マティス
ドイツ南端バーデン、トゥーニベルク(Tuniberg)でのブドウ栽培の歴史は2世代前に遡ります。代々受け継がれた石灰岩採掘所の埋蔵地をブドウ畑に開墾するという決断から始まりました。
ベルンハルト、フランツ、ポールのマティス兄弟はフランス産のバリック樽でワインを熟成させることを始めました。彼らはこの地における木樽熟成のパイオニアでもあったのです。
こうして1970年代、ヴァイングート・カルクベーデレ(Kalkbödele)として設立されました。
2020年、母であるソニア・マティス・スティッヒから息子であるセヴェリン・スティッヒとパートナーであるサベス・セドラチェックがヴァイングートと一族の歴史を引き継ぎました。彼らは家名であるマティスの名を重視し、自然本来の栽培に回帰しています。

●栽培
トゥーニベルク全体がひとつのブドウ畑と言えます。しかし、ブドウが植樹されている全ての畑が自然環境に配慮しているわけではありません。モノカルチャーにはバランスが必要です。最良の畑、区画を選び戻る必要があります。それは必ずしも簡単なことではありません。しかし、私たちは楽なことをするためにワイン生産者になったわけではないのです……。
私たちが石ころだらけの道を選んだのは、それが偉大なワイン造りへとつながる唯一の道だからです。造り手として私たちは自然と故郷に対する責任を背負っています。そのため、私たちは文化的なこの景観を維持するのはもちろん、その先に進みたいと考えています。
現在、私たちがこれまで実践してきた自然な手法に明確な枠組みを加え、認証を持った畑へと転換しています。私たちと一緒に進みましょう!
【もの凄いクオリティ!でも美しい!・・紫が目立つ乾いた大地!薫り高く、ピュアで柔らか!まさにトップ・キュヴェの風格です!激旨!!】

アドヴォケイトとは相性が良く無いのか、noisy は昔からいつも噛みついているような気になっています。さりとて・・「さすがだなぁ」と思う瞬間も有り、良く判りません。
そもそもですよ・・あのヴァーゼンハウスの3年目の頃に、
「96ポイント!」
なんていきなりブチ上げた訳ですから・・noisy 的はどれだけ驚いたか・・
「(あなたたちには絶対判らないでしょ・・)」
位に思っていた訳ですから。
So2 の少ない、プレスもまともに掛けないような優しいジュースから生まれる彼らのワインは、
「ワインが落ち着かないと良く判らない」
と言うような結果に成りがちなんですね。
むしろゲブリューダー・マティスの方が、昔からやっているので樹齢は高いでしょうし、仕上がったワインを見るのは判りやすいはずだと感じます。実際、このローゼンロッホ2020年、
「無茶苦茶お美味しい!」
です。

質感は、このローゼンロッホ以外のどのキュヴェもまったく追い付けません。繊細で滅茶美しいです。品格の高いエキス、肌理の細やかなミネラリティの接触感とノーズ、そこから生まれて来る果実の質、スパイスの質感、艶やかな・・色っぽいアロマ・・滑らかな接触感、余韻の気品とノーズへの還流の美しいこと・・。
そりゃアドヴォケイトは90+ポイントなんて、とてもじゃないですが書けません。有り得ませんもん。2千円台のカルクベーデレと0.5ポイントしか変わらない4倍もするワインじゃ、誰も欲しく無いですよね・・罪深いなぁ・・と思ってしまいました。
でもちゃんと見ているメディアも在りまして、Falstaff は 95+ Points、Houlbergs Vinblog は 95 Points と・・noisy 的な感覚とほぼ同様です。
「えっ?・・95+ ですか?」
と多分聞かれると思いますが・・ポテンシャルはその位です。今飲んでも94ポイント位は感じられると思います。だからめっちゃ美味しいんです。
村岡氏は「エシェゾー」「斜面の上」と言ってますから、正直に「アン・オルヴォー」と言えば良いのに・・などと思ってしまいましたが、そう、ちょっと乾いた感じで香りが高く、少し緑っぽい感じも混じって・・さらには新樽由来の官能さも滲んで来ていますから、
「さすがトップ・キュヴェ!」
と思っていただけるはずです。
なお、日本への割り当ては激少で、おそらく今回入荷分で最後だと思います。申し訳ありませんがお一人様1本限定にてお願いいたします。
最後に、
「本当に素晴らしい!」
のは間違い在りません。どうぞよろしくお願いいたします。
【激旨!・・質感の高さ、バランス、美しさともトップレベル!・・ヴァーゼンハウスもビックリ?・・な美味しさです!これは絶対買い!!】

紫の姿が超絶に美しいトップ・キュヴェのローゼンロッホに比較し、色彩よりもエキス自体の旨さ、そこから滲む表情が素晴らしいのがこの・・
「ホーライン」
です。
この直ぐ下のキュヴェ、アルテ・レーベはそうでも無いですが、このホーラインまで上がって来ますと質感が物凄く上がって来ます。
やはり新樽を30%に増やしていること、完全除梗で梗由来の成分が無いこと・・がその一番の理由でしょう。梗を除き、新樽割合を増やす・・これはピノ・ノワールの常道とも言える手段ですが、
「気品」
の有る味わい・・そして美しさが一番出る形でしょう。そしてその新樽の使い方により、相当にその姿を変えることが可能かと思っています。
非常にピュアで、ナチュラルで美しいピノ・ノワールです。村岡氏は「シリアス」と言っていますが、昨年9月のテイスティングのようですので、少し閉じ気味だったのかもしれません。
noisy がテイスティングした時には、そのようなシリアスさは無く、非常に美しく、細やかな表情を出してくれました。
なので、今飲んでも絶好調!・・最高に旨いです!

で・・ゲブリューダー・マティスの2020年ものは、息子さん夫婦が引き継いだ1年目なんですね。
「・・なるほど~!」
でしょう?
つまり、海外メディアも初登場のゲブリューダー・マティスに戸惑いを持った・・それが2020年ものの良く判らない評価にモロに出てしまった・・そういうことなんでしょう。
この2020年ものホーラインはアドヴォケイトは 91+ と下級キュヴェよりも低いですが、2021年ものは93ポイントと、それなりに変更して来ています。もし造り手さんがこのような評価を見ると・・実は「激怒」なんじゃないかと・・思ってしまいます。
ですので、アドヴォケイトは下級キュヴェを高く評価し、上級キュヴェを低く貶した感じになっていますが、
「それは大きな間違い」
です。
アルテ・ベーレ2020は判りやすい美味しさ、ポテンシャルを持っていますから高めに出るのでしょうが、本来、新樽を多めに使用しエルヴァージュに手塩を掛けた、
「やや閉じこもりがちだった状態」
から、ポテンシャルを拾えなかった・・と言うことだと思います。
ですので、この2020年のホーライン・・とてつもなく旨い!です。もう、
「見た目でさえ判る、素晴らしさ滲んでいる写真!」
をご覧ください。
因みに村岡氏は、ヴォーヌ=ロマネ1級レ・ブリュレだとおっしゃってます・・その位、ポテンシャルが有ると感じたと言うことなのでしょう。これは旨いです!・・是非飲んでみてください・・超お薦めします!
【「優しい悪魔」ならぬ「とても優しいジュヴレ」?・・激エレガントだからこそディテールがハッキリ見える!・・飲んでいて滅茶楽しい!!】

昨今は、このような激エレガント系のピノ・ノワールにもしっかりポイントが付く時代になっていまして、noisy 的には嬉しい訳ですが、
「だけど以前は85点とか・・平気で付けていたでしょ?」
と思ってしまう部分も有るんですよね。特にPKさんはローヌ的、ボルドー的に濃いワインがお好きで、そして新樽がバッチリ掛かったものが大好きだったようなので、
「激エレガント系は軒並み80点台」
でした。
今はもう・・その頃に比較すれば5点以上も上がったかな?・・と言うような感覚で、外国の方も日本にいらして、日本風の味わいを知り、本当の日本的なものに触れる機会が増え、徐々に日本ファンも増えているような気がしています。そして、
「薄めの出汁と塩分の茶碗蒸し」
を食されても・・デリシャスだと・・好みだとおっしゃるんですね。そして大陸の方がその真似事を深く掘らずに海外で出店され、日本の評判を落とす・・みたいなことが行われているのも、かなりバレているようにも感じます。
この「アルテ・レーベ」までクラスが上がって来ますと、エキスの集中度もかなり上がって来まして・・でも激エレガント系は変わりませんよ・・別にポテンシャルを取りに行くような飲み方をしなくても、
「・・このピノ・ノワール・・滅茶美味しいんですけど!」
と言っていただけるような仕上がりになっているんですね。

少しガラス系、クリスタル系のミネラリティが混ざった石灰系に、ほんのりと鉄っぽさが滲んで来ます。
タンニンはあるのでしょうが・・余りに質が良く、まったく気にならないです。柔らかく、ほんのりと妖艶さも漂わせながらカラント、ベリー、チェリーが香り、ドライな味わいながら薄辛く無く、しかし全く濃く無く、しなやかに膨らみ、ソフトさを感じさせる穏やかな波の余韻が有ります。
繊細さは下級キュヴェとはだいぶ異なっていまして、
「アルテ・レーベまで来ると格段に質感が上がったことが判る」
と思います。
ですので・・言ってみればブルゴーニュの村名クラスの格でしょうか。村で言うならジュヴレ、フィサンと言った感じで・・ただしジュヴレほどエッジが立っておらず、フィサンよりもやや鉄っぽさが有りつつ、そこにも優しさを感じる・・そんなイメージを受けました。
こちらも海外メディアは93~90ポイントで揃っていまして、アドヴォケイトはこのキュヴェもトップ・キュヴェを凌ぐ評価を出しています。
激エレガントなピノ・ノワール..ブルゴーニュでは絶滅危惧種でレッドリストでしょうから、このようなエレガントさ命の美味しさに出会うとうれしくなってしまいます!ぜひとも飲んでみてください!めっちゃ高質です!
【気軽に飲むならカルクベーデレだが、もう少しポテンシャルの高さを楽しみたいと思ったらこの「トゥーニベルグ」がお薦め!・・激エレガントな中に質の良いエキスの旨味由来の、やや多弁な表情!!激旨です!】

まぁ・・毎日毎晩、テイスティング三昧の noisy ですから、ポテンシャルを取りに行くのに疲れ果ててしまい、
「・・あぁ・・もっと楽しく、らくちんに飲みたいなぁ・・」
などと思ってしまうんですね。仮にワイン会にお呼ばれはしても、それなりにレクチャーなど求められますから・・まぁ・・ワインを楽しむと言う機会は本当に少ないのかもしれません。
ですから、この下のシュペートブルグンダー・カルクベーデレなんぞ・・noisy にとっては・・
「途轍もなく美味しく感じる!」
訳です。・・そりゃぁそうです・・もう、ただ飲んでいれば全て判る!・・みたいなワインなんですから。傍にいてくれるだけでいい・・なんて唄も有りましたが、そんな感覚です。
で、そんな「無垢」とも言うべきピノ・ノワールに・・
「もう少しだけ美しい服を着せてあげたいなぁ・・」
と思ったら、このトゥーニベルク2020しか有りません。
この淡く美しい色彩、少しだけ思い詰めたような心を持っているような「赤」と「紅」の色には、カルクベーデレには無い・・やや集中を感じさせるエキスの美味しさが有るんですね。

noisy がピノ・ノワールが大好きになったのは、1980年代中頃だと思いますが、その頃に飲むブルゴーニュ・ピノ・ノワールはほとんどがエキス系で甘く無く、樽が掛かっていたりいなかったり・・そんな中でアンリ・ジャイエに出会って・・
「なんだこりゃ~!」
と、今までに経験したことのない完璧なピノ・ノワールの姿に驚いたんですね。
それからは、アンリ・ジャイエを中心にブルゴーニュが回っているような感覚で・・いや、ホント、彼が行う醸造前の低温の漬け込み、その方法がブルゴーニュ現地で大騒ぎになった訳でして・・。
で、それからは「もっと濃く」「もっと新樽を」と言う時代を迎える訳ですが、noisy 的には・・そっちはどうもなぁ・・違うよなぁ・・とずっと思っていた訳です。
で、今では「原点回帰」のエレガントなピノ・ノワールにブルゴーニュも向かっていると感じますが・・・
「それでも昔には戻れないのかも!?」
と・・昨今の濃い目のブルゴーニュワインを飲むに付け、感じる訳ですね。
で、このトゥーニベルグ2020は、まさにその・・エレガントな時期のブルゴーニュ・ピノ・ノワールを彷彿させる味わいでして、柔らかでフカフカした土、たっぷりながら軽やかな石灰成分のミネラリティ、ベリーやチェリー、ほんのりとスパイスの香る・・樽臭く無い激エレガントなピノ・ノワールなんですね。
なので、
「ブルゴーニュ的なピノ・ノワールの美味しさをカルクベーデレよりもっと感じたい!!」
と思われる方にはピッタリかと思うんですね。
ぜひ3千円代のブルゴーニュ・ピノ・ノワールと比較してみてください・・って、ほぼ絶滅だから見つからないかもしれませんね。
因みにアドヴォケイトはこのトゥーニベルグに、トップキュヴェの激旨ローゼンロッホ2020よりも高い評価をしていますのでお勧めですよ・・(^^;;飲んでみてください。とてもデイリーな価格ですが、滅茶苦茶楽しめること、受け合います。
【激エレガント!!・・淡くシミジミとした、しかしピントの合った美しい旨味のエキスからの優しいベリーとチェリー!・・こりゃ旨い!!】

いや~・・良いですね!・・こんなに激エレガントで、でも何も不足無く、穏やかな姿の中にもピントの合ったバランスで楽しませてくれるピノ・ノワールなんて、
「そう簡単には見つからない!」
と思います。
ましてや、この温暖化の影響では、以前は簡単に見つけることが出来たブルゴーニュのピノ・ノワールも濃厚になり、激エレガントなディテールを探しに行くと言う、ピノ・ノワールファンならではの「必須の儀式」を、近年はまったくもって・・行えないと言う悲しい状況に追い込まれていた訳です。
淡い色彩でも濃いエキス・・と言いますか、上品で適度な美しさを感じるワイン・・もはや絶滅状態では無いでしょうか。
そしてこのバーデンのゲブリューダー・マティスですが、すでに東欧、北欧では大人気のようで、このクラシック・シリーズのベースのシュペートブルグンダーであるは、
「あの・・一気にスターダムに駆け上がったヴァーゼンハウス同様のニュアンスで美味しくいただける!」
んですね。
もっと言ってしまえば、
「(何故か)ヴァーゼンハウスよりも判りやすい」
と感じます。

ヴァーゼンハウスは、仕上がりに少し時間が掛かりますが、2020年ものだからなのかもしれませんが・・
「今飲んで滅茶心地良く、ワビサビさえ心得た微細な表情!」
を感じさせてくれるんですね。
まぁ・・アルザスも近いですが、そっちよりの「少し暑苦しい感じ」は皆無で、冷ややかで激エレガントな美味しさ・・もう、それをデイリー価格で飲めるんですから・・しかもこの2024年の夏も激暑くなりそうな日本では有りますが、
「冷え気味で飲み始めてもまったく縮こまった香りと味わいにはならない!」
んですね・・素晴らしいです。
それに、アドヴォケイトは何を血迷ったのか、このベースのキュヴェに・・
「90ポイント!」
も付けながら、トップキュヴェの2020年ローゼンロッホに・・
「90+ ポイント!?」
と言う、とんでもない間違いを犯しています・・。誰が飲んでも・・そんな評価はし得ないと言う、やっちまった感バリバリです。まぁ、ここはカルクベーデレのコラムですので止めますが・・
そして、ノルウェーのフラスクハウスンに至っては、92ポイント!・・と言う半端無く高い評点を出しています。・・気持ちは判ります~~・・noisyもこれには点数付け、したくないですもん・・滅茶高質なローゼンロッホ2020に90ポイントも有り得ませんが・・。
しなやかで美しい、何も不足の無いしなやかな・・
「激エレガントなブルゴーニュ・ピノ・ノワールかと勘違いするに違いない」
素晴らしい味わいです!
もはやこのカルクベーデレ2020で、この夏を乗り切るしかないでしょう!・・そして、その美味しさを持って、
「ドイツのバーデンやファルツがブルゴーニュに取って変わる日が来るかもしれない」
・・ぜひご自身の感覚にてお確かめください!・・安いし旨いし、グラスを持つ手、きっと止められません!超お薦めします!
【アドヴォケイトは何と・・95ポイント!・・確かに膨大なエナジーを冷たく硬い石に押し込んだかのような、せめぎ合う香りと味わいが凄いです!】

とにかく・・めちゃ安いです。もちろん、ポテンシャルと価格を天秤にかけた場合のことですが、
「アドヴォケイト95点で5千円台・・しかもドイツのバーデン!」
と言うことですから・・
「サン・モラン」と言うのは畑名だと思いますが、単独畑もの・・と言うことなのでしょう。もう少しリーズナブルなシャルドネ・トゥーニはローゼンロッホのようで、それとの比較でも、
「より厳しさ、緊張感を持った味わい」
が、この品格を生んでいると感じます。
ミネラリティは噛めるような感覚も有り、まるで石に熱を閉じ込めているかのように・・感じます。その熱こそが様々な表情を生んでいると・・感じるんですね。
軽やかさを感じるシュペートブルグンダーとは異なり、大きさとか、厳めしさとか、熱量とかの、
「超本格的白ワイン」
としてのポテンシャルを感じます。

グラスを持ったら必ずスワリングしたくなってしまう類のシャルドネで、
「振ると・・出る」
みたいな・・(^^;
いっそのこと、その堅い殻を粉々にしたいのを我慢しながら、それに新樽由来の表情をさらに深めるためにグラスを振る・・みたいな、ワインマニアの気持ちを奮い立たせます。
ちなみに・・ヴァイスブルグンダー・トゥーニの方が享楽的で、言ってみれば仕上がったブルゴーニュ・シャルドネ的、このサン・モランはコート・ド・ボーヌの優れたシャルドネ、しかも上級畑で緊張感漂う素晴らしい畑のものに近いイメージです。
村岡氏はシャブリ・グラン・クリュ的と書いていますが、どうでしょうか・・noisy 的には、ボーヌのシャルドネでこれに近い感覚のワインを昔飲んだことが有ります。普通にコルシャル的・・そこまで届かないかな・・どうかな・・と言う感じです。
それにしましても・・これなら皆、飲みたくなるんじゃないでしょうか?・・適度に締まった冷ややかなシャルドネで、果実も柑橘も石の抑圧を受けながらも、表情を少しずつ放出してくれますから・・。これから先、
「ブルゴーニュよりもバーデンがお薦めの本流!」
になったらどうしよう・・などとも考えてしまいました。それほど・・良いです!・・飲んでみるべき、素晴らしいシャルドネです。超お薦めします!
【忘れていたブルゴーニュ・シャルドネの端正な冷ややかさを教えてくれる・・素晴らしいシャルドネ!・・しかもめちゃリーズナブルです!】

ホルバーグの94ポイントをトップに、アドドケイトも93+ポイントとかなり揃った評点を出しています。94ポイント・・中々良いところを付いていると思いますが、noisy 的にはちょっと安易な評点かなと・・。93ポイント位が妥当なところだと思います。
が、めっちゃ美味しいです!・・やはり風土なのか気候なのか・・涼やかさと、そこからのタイトさ、緊張感を感じます。
思い返してみれば、昔のブルゴーニュ・シャルドネって冷ややかだったと思うんですね。そして締まっていた・・稀に、とてつもなく日射に富んだ畑で遅摘みの生産者さんが、
「滅茶肥えた・・南国のフルーツを感じさせる」
シャルドネをリリースしていまして、
「・・ん~・・これも旨いなぁ・・」
などと感動していました。
ですが、昨今はそればっかりになって来まして・・(^^;;
「・・ちょっと違う・・んじゃないのかなぁ・・」
などと思っていましたら、バーデンから冷ややかで締まった素晴らしいシャルドネが出てくるじゃないですか!・・ヴァーゼンハウスしかり、このマティス兄妹しかり・・です!

ヴァーゼンハウスのシャルドネは古樽が中心で、
「樽が目立つことが無い」
です。
しかしながらマティス兄妹は、新樽も適度に使用していますから、
「その意味でもブルゴーニュ・シャルドネにイメージが近くなる」
と感じています。まぁ・・どちらがお好きかはその方次第です・・が、ヴァーゼンハウスとマティスの決定的な違いは・・
「価格が半分以下!」
なんですね・・。
それで・・94ポイントまで付けるメディアも出てくるんですから、
「飲まない訳には行かない?」
と思いますがいかがでしょう?
薄い緑が入った美しい黄色の液体です。アンモナイトのエチケットは、
「この地から散々に見当たるもの」
なんだと思います。
ほぼドライでジューシー、しかし味わいの幅が有り、エレガンスをしっかり感じられます。現代のブルゴーニュ・シャルドネよりは幾分冷ややかですが、適度な開きが有り・・旨いです。飲み心地も素晴らしい!・・是非飲んでみてください。お薦めします!
【この地のシャルドネよりも、丸っとした・・ブリっとした高質ブルゴーニュ・シャルドネの味わいにソックリです!・・ピノ・ブランだと嘲る無かれ!‥滅茶旨です!】

3千円台ですが、最高値94 ポイントまで見当たる・・凄いピノ・ブランです。
ヴァーゼンハウスでお馴染みになっていらっしゃると思いますので詳細は語らなくてもお判りいただけると思いますが一応・・。
果実がブリっと丸っとしたドライで高貴なブルゴーニュ・シャルドネにソックリなのがヴァーゼンハウスでお馴染みバーデンのヴァイスブルグンダー、ピノ・ブランです。
これがですね・・滅茶旨いんですよ・・。ブルゴーニュのシャルドネは、
「開きそうで・・留まってしまう」
恨みが有りますよね・・。
でも、このヴァイスブルグンダーのトゥーニ2022は、その・・開きそうで開かないんじゃなくて、
「開きそう・・じゃなくて開いている・・でも締まっているので質感が高く感じられる」
んですね。
なので、飲んでいて消化不良にならず、思い切り楽しめるんですね。黄色いフルーツ・柑橘、白っぽいフルーツ、やや色付いた感じのフルーツと皮、シトラス、穏やかなスパイス。ボディはしっかり感じられるが締まっていて心地良いです。適度な開きと質感、染み入って来る感覚で飲み心地が素晴らしいのがゲブリューダー・マティスの白ワインに共通します。

ゴールド・・と言いますか、黄色が強いです。ミネラリティも充実していまして、しっかりボディを支えています。
テイスティング時は知らなかったんですが、なんと・・
「94 ポイントまで付けているメディアがいる!」
んですね。驚きました・・。
ただし・・おそらくですが、こんなカラクリも有ると思うんですね。
今回ご案内のゲブリューダー・マティスは、
「白ワインが2022年で赤ワインが2020年」
なんですね。
つまり、マティス兄弟が承継してからのファーストヴィンテージが2020年で赤・・なんですね。なので、メディアも結構とち狂って評価してしまったんじゃないかと。それが2022年もののテイスティングではスキルとして残り、高い評価が付き始めたと・・noisy は想像しています。
ですので、まぁ・・94ポイントは noisy 的には付け過ぎかなと思いますが92ポイント以上93ポイントまでは可能性が有ると感じます。正確なところまではポイントを追っていない・・何せ、
「3日でマティス8本のテイスティングを強行!」
してしまいましたので・・
でもこのピノ・ブランはその中でも最高の飲み心地を感じた白です。ぜひ飲んでみてください・・滅茶旨です!