● 評判が良いようなので・・と思ってオーダーさせていただいた、ナチュール系のバローロの造り手、ジョヴァンニ・カノーニカをご紹介させていただきます。
あの天才にして奇人・・?・・グラヴネールや、今や怖いモノなしじゃないかと思われるマッサヴェッキアのファブリーツィオらが、
「バローロ最良の造り手!」
と推しています。
さらにはファルスタッフ・マガジンが2013年もののこのコムーネ・デル・グリンツァーネ・カヴールに95ポイント、2016年ものに94ポイントと評価していまして、中々の高得点です。
ですが・・何ともテイスティングも出来ない数しか入荷せず、とりあえずは「(ネットの)棚に並べるだけ」になってしまいますが、ご検討いただけましたら幸いです。

◆最良のバローロの造り手
ジャンニ カノーニカが1983年より始めたワイナリー。2種類のバローロ(パイアガッロ、グリンツァーネ カヴール)とランゲ ネッビオーロ、バルベーラ ダルバを生産するが、彼自身が納得しない年のワインは自らボトリングをせず、桶売りしてしまう。畑ではボルドー液以外の一切の薬剤を使用せず、ワイナリーでもボトリング時にごく少量使用されるニ酸化硫黄以外、何も添加される事がない。
伝統的なバローロのスタイルである長期間のマセレーションを実践、大樽での熟成の後、ノンフィルターでボトリングを行う。ジャコモ コンテルノのジョヴァンニ コンテルノ、ジュゼッペ リナルディなど、偉大なバローロ生産者達とも親交が深く、あのグラヴナーをして、“最良のバローロの造り手”と言わしめた人物。
2002年ヴィンテージ以降は全てを自家ボトリング。醗酵はグラスファイバー製の醗酵槽で野生酵母のみで(SO2添加はなしで)温度管理をせずに行い、マセレーションの期間は1ヶ月に及ぶことも。圧搾後、乳酸醗酵が終了するまでセメントのタンクで保存、その後、大樽へと移され、2-3年の熟成の後、若干量の酸化防止剤を添加して、ノンフィルターでボトリング。
2003年はイタリア全土が猛暑、雨の恐ろしく少ない年です。そのためいろいろな造り手を飲んでみると、アルコール感が高く、酸の少ないものが多いように思います。これは他の年と同じように造った、もしくはアルコールと果実に頼ったためだと考えます。それに対してカノーニカのバローロは揮発酸(文字通り揮発性のある酸、グラスに鼻を近づけると少し酸の香りが自然に上ってきます)がバリバリ、果実もあるけどそれ以上に酸がある感じ。飲んでみると酸が果実を抑え込んでいるためバランスが良く、硬さもなく、やたら飲みやすく感じます。しかし実際には酸があるということで熟成の可能性が十二分にあるわけです。
謙虚、実直、誠実・・・ジャンニ本人にも彼のワイン自体にもいえる事。バローロを名乗れるゾーン内は開発(開墾)できるだけしてしまった結果、森が少なくなり、生態系のバランスが崩れたせいか、変な害虫がいろいろ発生するようになっちゃったと話すジャンニ。”バローロ”という名前のワインをたくさん造ろうともくろむ人が開墾、当然セラーも大きくする必要が出て設備投資、量を造りたいから肥料もたくさんまくでしょうし、病気が出られても困りますから農薬も。森がなくなっちゃったら害虫発生、対その害虫の農薬・・・、再び始まる消費の連鎖、おそるべし。
【どんなバローロなのか・・良く判りませんが、ナチュール系の特徴が多く出ていそうです。】
2本だけです・・どうしろって?・・どうにもならないので、知っていることだけ申し上げます・・。
どうやらこのコムーネの畑は奥さんの実家のものだそうです。バローロは5大産地が有名ですが、ラ・モッラ、カスティリオーネ・ファレット、バローロ、モンフォルテ・ダルバ、セッラルンガ・ダルバと各村がそれぞれの特徴を生かしたバローロを生産しています。
ですが、この5大産地だけがバローロを名乗れる訳ではなく、このグリンツァーネ・カヴールと言う、ラ・モッラ北西に接したコミューンもまた、バローロを名乗れる訳ですね。さらにちょっと外れるとモンフェッラートになるはずで、そうなりますとまた貯蔵期間や製法などの「しばり」が変わってきますから、同じネッビオーロを使用したワインとしても異なる姿を見せてくれるのでしょう。
どうやらモロビオ系のバローロのようですが、それでもファルスタッフ・マガジンが結構に高い評価をしていまして、2013年ものに95ポイント、2016年ものに94ポイントと、この価格帯のバローロとしましてはずば抜けています。
ただし、So2 もほぼ使用しないようで、2003年ものは揮発酸が出ていたそうですので、さすがにビオ嫌いの方には厳しいかな・・自然派がお好きな方なら、相当気に入られる可能性は有ると思います。
因みに・・アルコール分は高めに出ているが軽やかな飲み口でスイスイ行ける・・とオオタ社長さんはおっしゃっていらっしゃるようです。2本だと残らない限り飲めないので・・すみません。どうぞよろしくお願いいたします。