
ブリュット・ノワールの方は今回飲んでおりませんが、ドザージュをせずにエクストラな辛口に仕上げたスタンダードです。通常これだとただ辛いだけで旨みのコアを感じにくくなってしまうところ、シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%と言うセパージュを、出来の違うヴィンテージをバッティング・セパージュすることで、早くからバランスの取れた味わいを目指したものです。
昨今はどうしても若いレコルタン・マニピュランや、ミレジメ、もしくは単一畑にこだわり、若いうちにはバランスしていないシャンパーニュを口にする機会が多いですが、本来はこの「ブリュット・ナチュール」のように、レゼルヴ(貯蔵しているキュヴェ)を使ったブレンド技術で自身のメゾンの味わいに仕上げるものが正統です。若い生産者だとレゼルヴを持つ資金も無いですから・・。
それにリキュールに頼らず、ブレンドだけで仕上げるエクストラ・ブリュット(・・・だからナチュール)は、持っているセンスがバレバレになってしまいますんで、気の抜けないワインでも有ります。そんな中でアドヴォケイト90点は素晴らしい評価だと思います。
一方の中々珍しいドゥミ・セック(やや甘口)ですが、甘口と言うほどの甘みは無く、また非常に繊細さを感じられる仕上がりで、女性受けしそうな味わいです。
何よりわずかな甘みの質が上品で、また50%入っていると言うピノ・ノワールも、ピノの癖が出ずに芳香に振ったアピールが、非常に好意的に思いました。素直に・・
「おっ!いいじゃん!」
と言葉が出ると思います。 サラッと抽出、でもじっくり低温で醸造・・・そんなイメージが伝わってくる味わいでした。お奨めします!是非ご検討くださいませ!