指宿酒造株式会社
指宿酒造株式会社
日本 Ibusukisyuzou Kabushikigaisya 鹿児島
● 鹿児島は指宿の芋焼酎です。比較的ライトなタイプですので、オールマイティに扱えるかと思います。保証は出来ませんが、二段割りで「鶴見」か「山猪」とマリアージュ?させても面白いかも。
■焼酎のルーツ
焼酎(蒸留酒)の歴史は、古代のエジプトやアラビアにさかのぼると考えられています。日本への伝来は、主にタイなどを経由する東南アジアルート、琉球(沖縄)など南西の島々づたいルート、中国・華南周辺から中国大陸・朝鮮半島を経由するルート、の3ルートがあります。現在はこれらルートの複合が有力とされています。鹿児島のシラス台地という唐芋栽培に適した土地柄もあって、急速に唐芋焼酎作りが広まりました。
鹿児島県伊佐市の郡山八幡神社には、永禄2年(1559年)に補修が行われた際に大工が残した「焼酎も振る舞わないケチな施主だ・・」という内容の落書きが 伝わっており、焼酎の飲用について日本国内に残る最古の文献となっています。
■利右衛門さんってどんな人?
前田利右衛門は、江戸時代中期に琉球から日本にサツマイモを持ち込んだ人物。出生年は不明で、職業は農民とも漁夫とも言われ、今でも多くの謎が残されています。利右衛門は武士ではないので当時は苗字がなく、明治時代以降に子孫が前田姓を名乗ったことから、「前田利右衛門」の名が定着しています。
指宿市山川岡児ケ水出身の利右衛門は、宝永2年(1705年)に水夫として琉球に渡った際、現地の人々が食べている珍しいイモを郷里へ持ち帰りました。これがサツマイモです。ちなみにサツマイモはメキシコを中心とする熱帯アメリカで生まれ、コロンブスがアメリカ大陸を発見(1492年)した後、ヨーロッパ、東南アジア、中国、琉球へと伝わりました。利右衛門は持ち帰ったサツマイモを研究して工夫を重ねて育て方を確立し、種芋や苗を周辺の農民に配給しました。
当時、山川の土地はたび重なる開聞岳の噴火により火山灰土壌になっていました。アワやソバなどの雑穀しか育たない条件下、しかも台風の常襲地でもある山川で、火山灰にも台風にも強いサツマイモは理想的な作物。山川の人々はサツマイモのことを「唐(中国)から来たイモ」という意味で「カライモ」と呼び、最新の作物として多く栽培するようになりました。そのおかげで江戸時代に幾度となく訪れた飢饉の際も、山川では命を落とす人はいなかったといいます。
やがてサツマイモの評判は、薩摩藩や幕府にまで知れ渡るところとなり、幕府はこれを全国に広めることにしました。この普及に尽力したのがかの有名な青木昆陽(1698?1765年)です。このときに「薩摩からもたらされたイモ」ということで「サツマイモ」という呼び名が全国に定着しました。
こうして利右衛門は農業功労者となりましたが、琉球に渡る際に遭難して死亡したと言われています。彼の死後、村人たちはその功績を讃えるためにお金を持ち寄り、供養堂を建てました。それが「カライモ神社」として親しまれている徳光神社です。徳光神社ではサツマイモが収穫される10月に「からいも祭り」を開催し、本格焼酎「利右衛門」も奉納されています。
サツマイモの伝来には諸説があり、不明な部分も多いのが現状です。でも、民間人が持ち込み、栽培したということにおいては、利右衛門の右に出る人はいないでしょう。
■南薩摩は全国有数の「芋どころ」
日本一の収穫量を誇る鹿児島県。特に南薩摩は全国でも有数の「芋どころ」。温暖な気候と豊かな自然環境の中、太陽の光をいっぱいに浴びてすくすくと育ったサツマイモは、焼酎の原料用として、また青果用として非常に高い評価を受けています。そんなサツマイモの聖地・指宿に蔵を構える指宿酒造株式会社では、地元の農家に委託してつくられたサツマイモを使用しています。「芋どころ」としてのプライドを守りながら、自然にも人にもやさしく。本格焼酎「利右衛門」に使われているイモは、こだわりがたくさん詰まったサツマイモなのです。
■ N.V. Riemon Betusen 25°
利右衛門 別撰 25度
【優等生タイプの芋焼酎です!】
ま~・・強烈な芋の香りを慣れていない方が喰らってしまうと、一発でノックアウトですから・・はい。最近の芋焼酎は押しなべて綺麗になって来ていますが、それでも昔からの常圧な造りをしていたり、新酒の状態で届いたりすると・・結構に来ます・・いや、来るでしょう。
しかしながら、こちらの利右衛門さんはクセは少なく、むしろ甘みさえ感じるので、グイグイ寄せてくる感じが無くて良いかと思います。
半面、芋好き・・いや、ワイン好きにいらっしゃるかどうかは判りませんが、そんな方には、全く物足りないかもしれません。
まぁ、都会派?・・でもそれにしちゃ「利右衛門」って・・?・・でも、クラシカルな風貌も結構良い感じです。
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