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Last Update 2020.09.25  



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ジャック・カシュー・エ・フィス

フランス Jacques Cacheux et Fils ブルゴーニュ
● 久し振りと言うか、ページでのご紹介は初めてかもしれません。ヴォーヌ=ロマネ村の生産者で実力派、1級ラ・クロワ・ラモーを分割所有するドメーヌ・ジャック・カシューです。

 別に嫌いな訳では無いんですが、まぁ・・普通でした。こんなことを言うと野暮では有りますが、昔はアンリ・ジャイエ系の味わいを造り出す腕の良い生産者は結構いらしたんですね。

 なので、その並み居る凄腕の中に入ると「普通」になっちゃうんです。クロワ・ラモーだけくれるなら話は別なんですけどね・・。

 でも、

「昨今のジャック・カシューは激変して凄い」

と言うような噂を聞きつけて、

「(・・・ホントか~?)」

と思いつつも、

「リアルワインガイドの評価もついにクラシックレベルにまで来たし・・」

と思い出し、ブローカーから比較的リーズナブルに仕入れられたので飲んでみることにしました。大した事が無かったらしばらく仕舞い込んでしまおう・・と言う魂胆です。・・いや、テイスティングするには経費も掛かりますんで、それを捻出するのは結構に大変なんですね。

 栽培はリュット・レゾネ、完全に除梗し低温で漬け込み、最終的に新樽100%で仕上げますので、御大アンリ・ジャイエ風な果実味重視系でした。


2015 Vosne-Romanee 1er Cru la Croix Rameau
ヴォーヌ=ロマネ・プルミエ・クリュ・ラ・クロワ・ラモー

13545
自然派
赤 ミディアムボディ
フランス
ブルゴーニュ
ヴォーヌ=ロマネ
ジャック・カシュー・エ・フィス
◆◆◆グラン・クリュ・ロマネ=サン=ヴィヴァンに接する1級畑です。
■エージェント情報
 ジャック・カシューは、ヴォーヌ・ロマネ村の四つ星生産者。パーカーズ・ワインガイドにおいて「メオ・カミュゼ」に似ているスタイルであると評価された後、日本でもめきめきと知名度を上げ、今やワイン売場の人気アイテムとしてブルゴーニュ・ラヴァーの熱い視線を浴び続けているドメーヌです。
 もちろん、今も昔もワインの質が非常に高いのは言うまでもありませんが、1987年以降は清澄処理と濾過処理をやめ、さらに妥協のないワインを造り続けています。
 こちらは、ロマネ・サン・ヴィヴァンに食い込む形になっているヴォーヌ・ロマネの1級畑「ラ・クロワ・ラモー」。味わいもロマネ・サン・ヴィヴァンの系統を継ぐものだと言われており、赤系果実の香りが華やかに立ち上る逸品として知られておりますので、ジャック・カシューの持ち味が存分に発揮できる畑だと言えるのではないでしょうか?
750ML 在庫    ご注文数   本
¥16,990 (外税) 
【リアルワインガイド第59号は93~94+!なるほど・・以前はロマネ=サン=ヴィヴァンの一部だった事実そのままを、見事に語ってくれます。とても上質!!】
 大体にしてこのパトリス・カシュー率いるドメーヌ・ジャック・カシューはちょっと変では有ります。本来ですとドメーヌの看板はグラン・クリュの「エシェゾー」になるはずですが、何故かこの「ラ・クロワ・ラモー」が看板であるとの意思表示と、最も高いプライスのワインになっているんですね。

 まぁ、気持ちは判りますが、それが今まで必ずしも当たっていたかどうか・・は判りません。しかし、そう見るとジャック・カシューのエシェゾーは非常にリーズナブルでは有ります。エシェゾーは、デュ・ドゥスを除き上下区画を組み合わせてバランス良く仕上げるのが伝統的で、ジャック・カシューもそれに倣い?、3~4箇所をブレンドしていますので、決して単一の畑では無いんですよね。

 それでもこのラ・クロワ・ラモーがここの看板なんだ・・と言うのは、そのプライスと、エチケットに描かれた十字架(クロワ)に意思表示されています。

 そもそも、なんで今さら?・・と言うようなご意見も有るかと思うんですが、やはり「凄く良くなっていると言う噂」は大きいですよね。それにこのところのリアルワインガイドの評価も高値で安定・・と言うか、2014~2015年は素晴らしいです。

 なので、気になっていたところ・・仕入れられたと言う状況です。で、さっそく飲んでみることにしました。

 どうでしょう・・この見え方!・・どっしりしていますよね。濃くは無いが淡くない、要素がビッチリ詰まった風な、堂々とした感じに見えます。深い赤の色合いが良いですよね。威厳を感じます。

 アロマは・・むっちりと・・しています。勿論、良く香るんですが、要素を次々に外に出して行こう・・と言うような感じでは有りませんで、それがむっちりな感じになっているのかと思います。甘みを持たない、やや熱量の多いイメージのアロマです。

 口に含むと、とても多い情報量がzipされているような感覚を覚えます。さすがにヴォーヌ=ロマネのワインだと言うことは判るにせよ、村名のワインのような安易な美味しさは出してくれません。

 しばらくスワリングしていると・・良くなってきますね。しっとりとしてきます。そして、ある種の「知恵の輪」状態だった複雑性の塊が少しずつほぐれて来ます。

 なるほど・・これはロマネ=サン=ヴィヴァン近くの畑だ・・と言われると、納得できてしまう味わいです。強烈な荘厳さはこれから成熟とともに出てくるのでしょうが、

「赤い魔力」

とも言うべき、このロマネ=サン=ヴィヴァン風の、超高質なチェリー風味に驚かされます。時間が経ってくるとそれはさらに磨きが掛けられ、洗練されたものになって来ます。


 マダム・ルロワは、

「ラ・クロワ・ラモーはロマネ=サン=ヴィヴァンにはなり得ないのよ」

と言ったとか言わないとか・・囁かれていますが、なるほど・・それは身に染みて良く判ります。

「お~・・なるほど・・」

と皆さん、そう思われるでしょう。


 でもそれは、優れたロマネ=サン=ヴィヴァンと比較した場合で有って・・もしくは、同じ造り手が同じように仕上げた場合にそうなるので有って、時には、

「noisy自身、このラ・クロワ・ラモーより明らかに劣っていると思われるロマネ=サン=ヴィヴァンを幾つも飲んでいる」

のも事実なんですね。


 ま~・・美味しくないロマネ=サン=ヴィヴァンのような高級ワインと出会ってしまうと、ドギマギしてしまいますよね。

「・・ボクはどうしたら良いんだろう・・」

 特にワイン会などのシュチュエーションだと、出方は非常に難しいです。自分が持ってきたボトルならダメ出し出来ますけどね。

 以前、ラシーヌさんのお呼ばれでとあるリストランテさんに伺った時、悪戯っ子の塚原御大が罠を仕掛けたゲームを嗾けました。

 結局それは、昔、御大が有る方からいただいた、状態の良く無いDRCのエシェゾー(マグナム?)だったんですね。

 まさか、そんな美味しくない・と言うか状態の悪いものを、コンディションにやたらとこだわる御大が私らに飲ませるなどとは思わないもんですから、

「(・・なんじゃこりゃ?)」

と思いつつも悩んだ挙句に、

「余り状態の良く無い自然派系のキャンティ」

と答えたような・・記憶が有ります。自然派は・・言ったかな?・・忘れてしまいましたが、実に不味かったです。


 この、ラ・クロワ・ラモーはご存知の通り、以前はロマネ=サン=ヴィヴァンの一部でした。ちょうどレ・スショ側の下部に有り、この部分だけ少し下がっています。そのため、水分がたまりやすく、また肥えた土壌になるんですね。

 土壌の水分の影響は、努力で少し避けられますが、超えた土壌の影響はどうにも・・ならないんですね。重力で上から表土が落ちてきて溜まってしまいますんで、葡萄の樹はその肥えた表土の栄養を得てしまいます。真逆のようですが、表土の栄養は少ない方が良いのはお判りかと思うんですが、

「まさにそれを想像させてくれる、ややファット目のロマネ=サン=ヴィヴァンの味わい!」

を、今、見せてくれます。


 しかしながら・・ここが重要です。例えばリアルは94+Points で、飲み頃予想を2022年から・・としていたと思うんですが・・(ページを開けば判るんですが時間が無くて・・すみません。)、それはほぼnoisy も同じように評価します。

 そう、今飲んでも美味しいんですが、ポテンシャルを開花させるには少し時間が掛かる造りのタイプなんですよ。言ってしまえば、その素質がこのラ・クロワ・ラモーの特徴とも言え、それをどう捉え、どのようにワインに導くかで、その仕上がりも変わってくる訳です。noisy的には、

「5年後以降からがこのワインの本質を理解するのに適した時期」

と言えます。


 言ってしまえば、2023年以降にこのワインを飲むのであれば、94+ Points 以上の評価をするかもしれない・・と言うことですね。

 やはり「素質は隠せない」のが事実で有って、例えばヴォーヌ=ロマネ1級レ・ルージュのような、赤い繊細な糸を撚り合わせたような緊張感は今は余り感じないものの、それで出来た極上の布のニュアンスを感じさせてくれます。

 それがいずれ、その元の1本1本の糸の美しさを見せつけるような繊細さと、それらが織りなす見事な模様をも映しだしてくれるでしょう・・それが5年後以降です。

 なるほど、ジャック・カシュー・・以前のように今一つ垢抜けない感じは無くなりましたね。結果的には全くアンリ・ジャイエ風では有りませんで敢えて言うならDRC風です。これからも楽しみな造り手になったと言えます。ご検討くださいませ。リーズナブルに仕上がったと思います。