
コート・デ・ブランはル・メニル=シュル=オジュのグラン・クリュのシャルドネ100%で造られたノン・ヴィンテージ・シャンパーニュです。
ブラン・ド・ブランのシャンパーニュも幾つかのタイプに分かれますが、まずはやはりグラン・クリュで有り、ル・メニル=シュル=オジュである・・と言う部分ですね。非常に繊細で凝縮感のあるシャルドネになります。そして「気品」・・香りに蜜のようなアロマが混じり、高質さが有ります。
ボランジェのスペスィヤル・キュヴェのように、重厚な味わいにしたものではなく、また、アラン・ロベールのレゼルヴやトラディスィヨンのようなエレガンスと複雑さは有りますが、その重厚さにまでには至らせない、中間的な香味かと思います。
そうは言いつつも、アラン・ロベールは非常に出荷が遅く、熟成期間が長いことを考えると、
「熟成期間をやや短縮したアラン・ロベール・レゼルヴに似ている」
と言えるかもしれません。
むしろ、若々しい、シャッキリとした酸の美味しさや、若いゆえのアロマティックさが感じられますので、こちらの方がお好きな方も多いかな・・と思えるほどの仕上がりでした。
今思えば、アラン・ロベールに「セレクスィヨン」と呼ばれた、白ラベルが有りましたが、これに良く似た感じかな・・とも思いますし、むしろ高級感のあるアロマはJ.L.ヴェルニョン・コンヴェルサスィヨンの方が上かもしれません。熟したシャンパーニュがお好きな方は確実にアラン・ロベール・セレクスィヨンが上でしょう。
ル・メニル=シュル・オジュと言うと「サロン」が思い起こされますが、熟成させて始めて真価を発揮する「サロン」ともだいぶ違います。サロンの場合はヴィンテージ・シャンパーニュですので、リリース直後はほとんどの場合、
「ま~・・酸っぱい~!」
と成ってしまいます・・しかし、これが5~10年経つと激変するんですね・・。このコンヴェルサスィヨンの場合はほぼ味わいが完成していますので、ベストは、
「しっかり休養を与えた後。もしくは2~3年後」
と言えます。今飲んでもバランスが良いです。
またコート・デ・ブランのグラン・クリュ100%、しかもル・メニル=シュル・オジュでこのプライスと言うのは・・驚かれるかと思いますよ。質感、泡の細やかさなど、一流です。さらに成長させたければ、
「セラーなどの温度管理された場所で立てて2~3年置くこと」
です。
決して「横にしない」で下さい。スティル・ワインと違いますので、酸でコルクがやられ、縮んだコルクの脇からガスが抜け、外界とツーカーになり・・酸化が促進されマデライズされてしまいます。「シャンパーニュは立てて保存」が基本です。横にされる場合は自己責任で・・。
いずれにしましても、年末年始やお祝い事、乾杯に欠かせないシャンパーニュです。ブラン・ド・ブランでしたらジャン・ルイ・ヴェルニョンがお奨めです!一推し!