【シャブリ・グラン・クリュならではのエレガンスと集中!・・見事なブランショです!これはぜひ1級モンテ・ド・トネールと比較して飲んでみてください!激推し!】

前回の新着で予告させていただいておりました通り、1級モンテ・ド・トネールと隣り合ったグラン・クリュ・ブランショの比較を・・させていただきたいと思います。
そもそもなんでそんなことをしようと思ったのか・・と言いますと、ティム・アトキンMWのこの2020年ものの評価が同じ94ポイントだったと言うことから始っています。意地悪な企画です・・。
まぁ・・最初に申し上げておきたいのですが、評点付けはあくまでその方の感覚に由来するものですから、正しいとか間違っているとか・・そんな話しでは無い・・と理解しています。でも、1級畑と特級畑と言う明らかな違いが有り、しかもそれが隣り合っている(ロケーションが悪い村名が挟まってはいます)ので、
「それなら2020年の1級畑モンテ・ド・トネールが凄く良くて、同年の特級畑ブランショが普通だったか?」
もしくは、
「2020年の1級畑モンテ・ド・トネールが普通の出来で、同年の特級畑ブランショが良くなかったか?」
と言う疑問が生まれてしまった訳ですね。
なのでここは noisy がスケープゴートになったつもりで実証してみよう・・と言うことなんです。決して誰かを貶めようとか・・そう言う事では無いとご理解ください。
で早速・・グラスの写真を並べてみました。左が1級モンテ・ド・トネール、右が特級ブランショです。

どうでしょう・・。何かもう・・見た目でその差が分かって来そうな感じに取られる方もおられるんじゃないかと思います。
1級モンテ・ド・トネールは、透明感の強い・・ミネラリティが全面に出た風合いですが、特級ブランショは黄色がとてもしっかりしていて、凝縮した果実感そのものがミネラリティと溶け込んでいるように見えます。ここまで顕著に違うと・・面白いですよね。
ジャン=マルク・ブロカールでは余計な木の香りを付けたく無いとしていまして、基本的にバリック(木の小樽)は使用していませんので、この黄色はバリック由来のものでは無いと考えられます。
飲んだ感じですと、非常に目の詰まった果実感がエキスとして感じられ、飲み進めるうちに徐々に膨らんでくるようなタイミングです。
また質感が・・凄いです。エレガントさと複雑性・・あ、そうそう・・キンメリジャン由来のシャリっとした感じも有りますが、何よりも・・
「ヨードのアロマ」
を口中に感じます。
ヨードって・・良く判らないかもしれませんが・・noisy 的には、
「ワカメなどの海藻を噛んだ時にノーズに流れ込んでくるアロマ、その時の味蕾に感じる味わい」
かと・・思っています。ワカメも葉っぱの方よりも茎っぽい、少し太めの部分を噛んだ時の方が分かりやすいでしょうか。そして・・ヨードの味わい自体は余り無く・・まぁ・・グルタミン酸系の旨味のちょっと薄いものに近いかそのものか・・そんな感じです。飲んでいただけたら判るかなと思います。
まぁ・・キンメリジャンは昔は海の底だったものが隆起していますから、ワカメだとは言いませんが・・そんなイメージです。

で、複雑性もしっかり感じるんですが、何よりも・・
「全体の姿が滅茶綺麗ですっきりまとまって感じられる」
ので、
「スイスイっと飲んで、そのアフターが激気持ち良い」
のに、
「複雑なニュアンスは時間でその姿を変化させる」
ので、
「・・こりゃぁ・・めっちゃ質の高いワイン!」
と言う判断になりました。
1級畑のモンテ・ド・トネールも、その複雑性がよりしっかり感じられる分、エレガンスと言う点ではブランショに遅れを取っています。その複雑性自体の表情の出方がハッキリ、シッカリ感じられて好ましいんですが、全体の流れを比較しますと、ちょっと粗野にも思われるかもしれないかな・・と。
なんと言ってもこの集中したエキスの美しさに惚れ惚れとする味わいです!
ですので、あくまで noisy 的には、モンテ・ド・トネールを94ポイントとするなら、ブランショは96ポイントまで付けられると思います。
なお、面白いのは・・これ、意外にも「逆だ」と判断される方もそれなりにいらっしゃると思うんですよね・・。でもそれで良いかと思います。あくまで好みの問題ですから。
しかしながら畑のポテンシャルを感じ、ワイン自体のポテンシャルと言う点で考えますと、やはり・・
「レ・ブランショは流石のグラン・クリュ!」
と感じていただけるはずです。
いや~・・シャブリ・グラン・クリュ・・ユニークなミネラリティをふんだんに得ている見事なシャルドネだと思います。
「めっちゃ美味しい!」
ので、こちらもぜひ・・飲んでみてください。超お薦めします!