
ムスカデ・セーヴル・エ・メーヌのクロ・レ・モンティスのシュル・リーの古木です。
ムスカデはミュスカデとも日本語訳されますが、どちらでも良いかと思います。でも、この長ったらしい名前には、結構に情報が含まれています。
ムスカデは・・ムスカデ、品種ですね。セーヴル・エ・メーヌと言うのは、「セーヴル川とメーヌ川」と言う意味です。ご存じ「シュル・リー」は澱引きしないで澱と一緒にしておく醸造法で、酵母の分解香や生成されたアミノ酸系の味わいを引き出すものです。
クロ・レ・モンティスと言うのは著名な生産地区の名前ですので、畑の名前と言っても良いかもしれませんが、この名前の付くワインは、まぁまぁ存在します。
で、最後の「ヴィーニュ・ド・1914」は「1914年植樹の葡萄の樹」と言う意味です。
なので、もう・・これだけでも結構味わいの想像が何となく出来てしまいますよね。
ロワール下流のムスカデの、メロン風の果実や青、黄の果実に酵母の分解香、軽量でふわっと感じられる独特のミネラリティ、適度に膨らんだ中域と豊かなアミノ酸の味わいから、重くなり過ぎない酸バランスながら、良い感じの大きさの丸いパレットを形成しつつ、軽やかながらそこそこにしっかりと充実した余韻が綺麗な減衰を感じさせてくれます。
エチケットも昔風のものが現代風にアレンジされたような感じで、ちょっとノスタルジーを感じさせてくれますし、
「何より、魚介系には良い感じにマリアージュさせてくれるただ一つの白ワイン」
とも言えるかと思います。
やっぱり最近のしっかりしたシャブリは魚介・・・特に牡蠣には合わないし、さりとてまるでポテンシャルの感じられないシャバシャバなシャブリなんぞは飲みたくない・・方も多いでしょう。
そんな時、このムスカデは実に魅力的なワインになります。飲んでみてください。美味しいです。