ヨハネス・ツィリンガー
ヨハネス・ツィリンガー
オーストリア Johannes Zillinger ニーダーエステライヒ
● 滅茶旨くて滅茶安い・・しかも、物凄く高品質でピュア!・・しかもデメテール認証済の有機栽培、ビオながら、アヴァンギャルドさ無し・・危険性ゼロ・・まぁアイテムによってはやや茶が入ったものが1アイテムだけ有りますが、それとて素晴らしいノーズです。そして光り輝く素晴らしい色で素晴らしい出来!・・とくれば、これはもう飲んでみるしかないでしょう!
オーストリアと言えば、あのシュタインライトン、ローゼンシュタイクをリリースするガイヤーホフが有名ですし実績も有ります。
「・・似ているっちゃ・・似ています!」
しかも肉薄している・・もしくは均衡している出来映えと言って良いと思いますよ。
それになんと、カベルネによる赤ワインも有るんですよ。
noisy的には、
「えっ?・・ここまでしっかりした赤がオーストリアで産出されるんだ・・」
とかなりビックリしました。
そしてヴァラエタルな白ワインのそれぞれがまた旨いんですよ・・。お店に直接いらっしゃる方の中には、もう「おかわり」された方もいらっしゃる位です。
大注目のオーストリア、ヨハネス・ツィリンガーをご紹介します!

オーガニック栽培された葡萄によるワインは、重要視され需要も高まってきています。ヨハネス・ツィリンガーは家族経営のビオヴァイングートで、フェルム=ゲッツェンドルフ最大の功労者です。ヨハネスの父ハンスは1980年代に既にオーガニック栽培に回帰しており、オーストリアにおけるナチュラルなワイン造りの先駆者のひとりです。畑と葡萄は30年以上、健全な状態で活力を与えられています。
2013年、ヨハネス・ツィリンガーはワインにより葡萄の生命力と香りの力を反映させるため、新たな畑を開墾しました。設備は一新され、ワインはこれまで以上に自由な熟成を経ることとなりました。ツィリンガーでは新旧合わせた手法を採用しています。彼のワインはすべてが特別な個性を持ち、魅惑的で飲みやすさを備えています。350年の歴史にまた新たな1ページが加わりました。
歴史
ヴァインフィアテル東部のこの地域は、イリュリア人とケルト人が葡萄を栽培してワインを造ったのが始まりとされています。フェルム=ゲッツェンドルフは、時のバイエルン州パッサウの修道院によって設立されました。この地域で最も古い葡萄畑Steinthal(シュタインタール)は、1520年の文献でその名を見ることが出来ます。

現在、ツィリンガー家が管理しているKellerberg(ケラーベアグ)の地下ケラーは、戦時中には防空壕として使われていました。1673年、ダヴィッド・ツィリンガーがヴァイングートを創始。1980年代までは多くの家族同様に葡萄栽培は副業であり、当時は養豚に力を入れていました。1984年にすべてを有機栽培へと転換し、1994年には純粋なワイナリーとなったのです。
哲学
ハンス・ツィリンガーは、オーストリアにおけるオーガニック栽培の先駆者の一人です。彼は当時すでに、古代の葡萄品種やクローンを探していました。オーガニック栽培の手法は養豚経験の結果から生まれました。
ハンス
『私たちの豚は、非常に過保護に育てられていましたが、しばしば病気がちでした。抗生物質を用いた治療を試みたりしたのですが、治すことが出来ず、何度か豚達を屠殺せざるを得なくなりました。1980年代、子豚たちが瘢痕から来る病気に苦しんでいた時のこと、従来の治療法は効果がありませんでした。私の父は、その昔は酢を塗付して治療したことを私に教えてくれました。そして、解決したのです。これが私の転機となりました。私はドイツの有機栽培農園を訪れ、見聞を広めました。1984年に、有機農法に転換しました。養豚を含め、様々な農業のすべてに有機栽培を実行することは不可能だったので、事業は自然と絞り込まれ、1994年にはワイン醸造を開始しました』。
彼をワイン造りに導いた決定的事項はSteinthal(シュタインタール)に植わる樹齢100年のSt.Laurent(ザンクト・ラウレント)でした。
『年を問わず、この畑は常に健全で熟した葡萄を育んでくれます。この葡萄は房は少ないものの、とても上質な葡萄です。無農薬栽培に取り組んだ契機であり、知名度の低い品種であっても同様に手間をかけます。』
今日では、30年に渡って有機で栽培された畑はヨハネスに引き継がれています。生命力を引き出された葡萄は、ヨハネスの哲学、セラーでの最低限の干渉によって、長い生命力と多彩な魅力を持ったワインへと昇華します。2013年からは葡萄の購入を止め、すべて自社栽培の葡萄によるワインとなりました。
畑のコンポスト治療のために、畑には50種類ものハーブが植えられています。
『除草と殺虫の効果を持つタイムだけでなくペパーグラスやシトラス・タイムが必要です。畑の緑化だけでなく植物の保護にも繋がります。』

■エージェント雑感
13/07/2017 Johannes Zillinger (Weinviertel)
2017年7月、スロヴェニア訪問を兼ねてオーストリア訪問と開拓という重要な機会を頂戴しました。当然、オーストリアに何のコネクションも持っていなかったため、大使館にお願いして日本に興味のある生産者を教えてもらったら100軒ぐらい紹介され眩暈がしましたが…その中でひときわ興味を惹いたのが、ウィーン北部、ヴァインフィアテルにあるこのヨハネス・ツィリンガーでした。
何よりも目を引いたワインが、“レヴォリューション”と呼ばれる品種のみならずヴィンテージまでブレンドしたワインでした。
面白いな。若い造り手だし、美味しかったらいいな。
少し予感めいたものを感じての訪問は、衝撃的な体験となりました。
WeinvertelのVelm-Gotzendorf(フェルム=ゲッツェンドルフ)。
この地で30年以上前から有機栽培を手がけたパイオニア。Demeter認証。2012年から1980年生まれの現当主ヨハネスに代替わりしています。下草に覆われた自然なブドウ畑。動物対策として柵で囲われています。畑はタイムなど50種類以上のハーブに覆われており、除草と殺虫の効果があるそうです。
どの生産者も口を揃えて言っていましたが、訪問した2017年7月時点では異常なまでに乾燥した日が続いていて、皆、水不足に悩まされていました。ザンクト・ラウレントの古木は樹齢100年を越えています。この、家族の宝のようなブドウがヨハネスをワイン造りに導くきっかけとなりました。
ブドウ畑の脇に設置されたミツバチ小屋。受粉を助けてくれます。綺麗な環境であることが大事だそうです。ケラーベルグ(セラーの山)の名前の通り、丘陵の上、葡萄畑の横に古いワインセラーがあります。地下16メートルの深さ。先程見たザンクト・ラウレントの古木の根が黄土、レス土壌を貫通しているのが見えます。
ビオディナミに必須となるプレパラートも自作です。ケラー地下にはアンフォラもあります。ジョージアに行った時にアンフォラを見て、導入しました。
このワインを造ったきっかけは?と聞いたところ
「2013年のリースリングは広がり過ぎる味わいだったのに対して2014年は直線的だったから、遊んでみた。」
とのこと。
変に哲学的にならず、素直に思いつきを作為的になりすぎず具現化出来る。彼の良い意味で軽い性格がワインにも現れています。
この2015年 グリューナー・ヴェルトリーナー ニューメンは最新ゴー&ミヨー誌でも19点とトップ10となる非常に高い評価を受けています。ピヒラー、クノール、ユルチッチ…錚々たる面子の中でオーストリアのベストワインとして輝かしい最高評価となります。すべてに共通するのは予想を大きく越える味わいの良さ。アタックの滑らかさ、恐ろしくスムーズな入り口に対しエキス感と複雑さを持つ中間の果実、しかし重たさや難解さがなく、恐ろしく抜けの良いアフター。
簡単に言うと、すごくセンスの良い生産者。センスは生まれ持ったものではなく、膨大な知識と経験、そして貪欲に追及する姿勢に裏付けされています。ヨハネスのワインはモダンとクラシックが融合したような見たこともない世界を見せてくれます。ワインのスペックだけに目を向けると、アンフォラの部分使用やヴィンテージブレンドなど、人為的な意志に基づいたアプローチが多く加減を間違えれば、歪んだ立体感の味わいになってしまうように思いますがヨハネスのワインは極めて自然な立体感。苦労を微塵も感じさせない香りの立ち方と抜けの良さに驚かされます。
オーストリアと言えば音楽文化です。興味半分で、
「君のワインに音楽を合わせるとしたらどんな音楽が良い?」
と尋ねてみました。
結果は…
Velue Weschriesling ?
https://www.youtube.com/watch?v=gGdGFtwCNBE Or
https://www.youtube.com/watch?v=iKlnG_155M8
Revolution White ? https://www.youtube.com/watch?v=Rbm6GXllBiw Or
https://www.youtube.com/watch?v=B4zc-f0TIZ4Revolution Red ?
https://www.youtube.com/watch?v=1k8craCGpgs Or
https://www.youtube.com/watch?v=XFkzRNyygfkNumen Fume Blanc ?
https://www.youtube.com/watch?v=v2AC41dglnM Or
https://www.youtube.com/watch?v=S9MeTn1i72gNumen Gruner Veltliner ?
https://www.youtube.com/watch?v=IS6n2Hx9Ykk Or
https://www.youtube.com/watch?v=VpdHMaccjw4Revolution natural sparkling-
https://youtu.be/1G8V6ta9Auk
● 2015 Numen Gruner Veltliner
ニューメン・グリューナー・ヴェルトリーナー
【わお!・・な高熟度ヴェルトリナーです!・・非常に深い見事な味わいです!】

ここまで熟度が高い葡萄を感じさせてくれるヴェルトリナーは非常に稀です。
その昔はオーストリアワインは、薄くて酸っぱくて・・でもあんまり安くない・・みたいな感じしか無かったですが、ここまで来ますと完全に「国際品質」であるし、「ブルゴーニュのシャルドネとの対比」もしっかりこなせるようになってきていると思います。
色合いも・・綺麗でしょう?・・酸はむしろ穏やかですよ。尖がった部分は無いです。非常に熟度が高い葡萄・・収穫時期(そして相対的なタイミング)が遅いとか、暑かった年とか、そう言ったニュアンスが有ります。
それでいて甘くはないです。ドライですね。そしてものの見事に深い構造をしています。
張りのある味わい・・なら普通に素晴らしいヴェルトリナーには良く出会うタイプだと思うんですが、確かに張りも有るけれど、それよりも、
「要素の微細な表情」
ことが素晴らしいと感じさせてくれるワインです。
判りやすく言えば、ドイツワイン的なものでは無く、フランスワインに寄った感じ・・と言えば伝わるでしょうか?・・張りで飲ますんじゃなくて、各要素で飲ませてくれる本格派・・と言うことですね。
そして非常に複雑ですから、香りの変化具合も素晴らしいです。オーストリアって寒い国と言うイメージなんですが、このワインからは暑くは無いにせよ、温暖なイメージさえ受けます。ヴェリュー・グリューナー・ヴェルトリーナーの方はもっとガラスやクリスタルのような透明なミネラリティのコーティングが強い感じなんですが、こちらのトップ・キュヴェ・シリーズのニューメンは、その膨大なミネラリティのコーティングさえ、内部の分子の中に閉じ込めてしまったようなパワフルさが有ります。
素晴らしいヴェルトリナーでした!非常に美味しいです。是非飲んでみてください。お勧めします!
● 2018 Velue Welschriesling
ヴェルエ・ヴェルシュリースリング
【必飲です!滅茶美味しいです!しかも・・こんなプライスです・・それに高級感もしっかりあります!】

「・・ヴェルシュリースリング?・・何それ?」
とおっしゃりたい方も多いかと思います。ヴェルシュの付かないリースリングとは別種です。「リースリング・イタリコ」などとも言われたりもします。
で、このヴェルシュ・リースリングがまた超美味しいんですよ。見事に張りが有るボディ、ふくよかでまん丸なパレットを表面張力高く感じさせてくれます。
そして、リースリング・イタリコの名が関係するかどうか判りませんが、
「・・あれ?・・どこかイタリアの風が吹いてる・・か?」
みたいな・・ね。
何と言いますか、フリウーリあたりのワインに感じられるような、ほんのり感じるスパイスとかハーブのニュアンスでしょうか。イタリア風なトッピングが感じられるんですね。リースリング種とは関係ないと言いながらも、どこかそれっぽさも有ります。
ハンスが選曲したのは、イギリスで人気が出てブレークしたアメリカの4ピースバンド、ザ・キラーズのミスター・ブライトサイド・・オルタナ系と言うかニューウェーブ系と言うか・・、それとやはりオルタナティヴ系かな、「ザ・クークス」と言うバンドの「シャイン・オン」と言う曲です。
明るい曲調の中にも弾け切らない静かさと言うか、抑揚のおとなしさの有る感じかな・・判りませんが。そもそもオルタナが良く判ってないので・・。
でも、全体的にワイン自体もそんな感じですよね。noisy たちのようにワインの評価者として、そのワインを言いたい時には、断定せざるを得ませんが、それが決して正しい訳では有りません。それが正しいのは自身に対してのみ・・なんですね。
それでもこのワインは素晴らしいと思います。ヨハネス・ツィリンガーの他のアイテム同様、ピュアでナチュラル、基本ドライで、外向的素晴らしい果実が有り、見事なバランスを見せます。ビオ的なネガティヴさは全く有りません。それでいて、滅茶苦茶安い!・・今時有り得ないです。
このワインはイチ推しにしたいと思います。是非ともガッツリ飲んでみてください!
● N.V. Revolution Red Solera
レヴォリューション・レッド・ソレラ
【相当良さそうなんですが、数が無いので・・それに、かなりの人気のようですので、前回テイスティング時のレヴューを掲載させていただきました。】
【複数年に渡るソレラ・システムで高密度かつ繊細、ボリューム感のあるオーストリアワインを生み出しています!・・ビックリ価格・・こんなんで良いの?】

2013年、2014年、2015年、2016年に渡る複数の品種を、自由な発想から仕上げた赤ワインです。まぁ・・細かいことはワインの写真の下に書いてありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
そして、この左のグラスの写真をご覧いただき、もしご自身の経験で、オーストリアの赤ワインをお飲みでしたら比較してみてください・・・って、そもそもそんな経験は少ないんじゃないかと思いますし、ボトルから光を透かせて見た色でさえ、
「すっきり通ってしまうはず」
ですよね?
でも、どうです?・・見事なまでにしっかりした色合いじゃないですか!・・
「・・スーパータスカンか?」
みたいな色合いの深さを感じられると思うんですね。実際にも色合いは濃い目に分類されると思います。なので、今までのオーストリアの赤への印象は一旦捨ててください・・(^^;;
この色合いから判るように、ピノ・ノワール系の味わいでは有りません。むしろボルドー系のワイン・・非常にドライなので、右岸系で甘さが無くて、非常にピュアでナチュラルなものが有ったとするなら、それは似ていると言えます。
熟したタンニンと、少しむせるような赤い果実がたんまり・・感じられます。果皮の割合が高いワインで果汁が少な目ですね。ただし、単純に「一面的に濃い」のでは無くて、見事にグラデュエーションが感じられますので、しなやかささえ内包して感じられます。
そしてアンフォラも部分使用している性も有るかと思いますが、締まって感じられたとしても、時間と共に要素をちゃんと解放してくれるんですよね。そして逃げて行かない・・ちゃんとそこにいる感じがします。
イタリア系のワインの中には、当初は愛想が良いかな?・・と感じていても、いきなりそっぽを向かれてしまって帰ってこないことが有りますが、アンフォラでベクトル変換している性なのか、その辺の取り扱いは非常に楽です。
そして何より・・この価格です!手間暇はかなり掛かりますし、味わいも素晴らしいです・・が、
「・・えっ?・・ビオ系で・・アンフォラも使ってて・・マジすか?」
と言うような価格ですよ。普段ならデイリーとしてご案内するところです。でも、今回は
「高級ワインとして」
ご案内させていただきます。
まず、驚いてみてください。でもまぁ・・薄~い・・エレガント系が飲みたいと言うのであれば、お勧めはしませんが、
「 noisy も齢だから、淡いワインばかりお勧めされて困っちゃうな・・」
と思ってらっしゃる方には、見事に大当たりのはずです。
勿論、淡い系がお好きな方にも、ちょっと脂身の有るお肉とかと一緒に飲んだら旨いと思いますし、濃い目でもシツコク無い味わいなので、容認していただけるはずです。
非常にリーズナブルながら、物語の有るワインです。是非とも飲んでみてください。お勧めします。
● N.V. Revolution Pink Solera
レヴォリューション・ピンク・ソレラ
【葡萄の精、アロマを優しく抽出した軽やかなロゼ!・・かと思いきや、縦構造の凄さ、果実表現の繊細さが驚きです!】

良いですね~・・こう言うの、大好きです。滅茶苦茶・・香ります。言ってしまえば、
「葡萄の香気成分のみを優しく抽出した白ワイン!」+ 「ソレラシステム」
と言うような立ち位置で捉えて欲しい存在で、普通にある
「黒葡萄を白ワイン同様に造ったロゼ」-->「それゆえに圧搾は強くなる」
と言うような流れで生まれた普通のものでは無いと思います。
ですので、繊細で華やかな・・そしてまだフレッシュさの残るアロマが心地良く、ドライで、さっぱりとした酸の構成が嬉しい味わいです。
しかし、ヨクヨク、仔細に感じてみると、その表情のディテールの細やかなことに気付きます。これ、相当に奥深いワインでした。
今飲むと、軽量~中量級で、華やかで美味しいんですが、その軽さゆえに、少し不足感を感じてしまうかもしれません。
これって・・リーズナブルなワインでは有りますが、ホワイトソレラ同様、熟成させて飲んだら、滅茶素晴らしいんじゃないか?・・と思うんですね。
相当に妖艶なアロマにノックアウトされるようなワインに仕上がるんじゃないかと思いますよ・・ただし入荷量が半端無く少ないので、試せる方は少ないと思いますが、それでも、サクッと早々に飲まれても充分美味しいので、是非トライして欲しいと思います。
やっぱりワインは楽しく飲まなきゃ!お勧めします!
● 2018 Velue Gruner Veltliner
ヴェルエ・グリューナー・ヴェルトリーナー
【ビオだから・・なんて難しいことを考える必要は有りません!この見事なまでにクリスタルなミネラル感とテカテカなテクスチュア、風船のように膨らむボディをお楽しみください!】

「蝶」のマークがアイテムでそれぞれ違ってまして、それも印象的ですが・・いや、ちょっと・・どころか、かなり驚きました。
ニュアンス的には、あのガイヤーホフのローゼンシュタイクに、ガラスやクリスタルのような透明かつ膨大なミネラリティのコーティングをプラスしたかのような見事な味わいだったんですね。
この、オーストリアならではの高貴種、グリューナー・ヴェルトリナーですが、2018年と言うことも有って、若干、若々しくたくましく、出る所はしっかり出ているのに・・饒舌過ぎない・・うるさく無い・・でも、寂しくなるか?・・と言うと、全くそんなことも無い・・と言う、ものの見事な仕上がりです。
もし悪く言うとするなら、そのミネラリティの凄さが、このワインをやや硬めに感じさせるかもしれない・・と言う位でして、それすら飲むタイミングでは柔らかさを増し、さらなる肉厚さを感じさせてくれることにもなるかと思うんですね。
冷涼さが感じられるフルーツには、ちゃんと熟が有り、果実の不足感の漂う寂しいオーストリアワインじゃ有りません。
まぁ、エージェントさんは「センスだ」と言ってますが、ほとんどのキュヴェをnoisy もテイスティングしまして、それを実感しています。それプラス、
「適度な距離感を持ったビオ」
かな・・と。
ビオの実践者は、時に哲学的な「しかめっつら」な部分を感じさせたり、ヒッピー的な(古!)、少し勘違いしてるんじゃないかと思えるような自由さを感じさせたり・・これはちょっと迷惑でも有ります・・しますよね。
その辺りが凄くナチュラルなスタンスに感じられます。
もしかしたら・・内面では物凄く戦っているのかもしれませんが、全然それを感じさせないんですよね。自由度もバッチリあるのに節度もちゃんとある。で、もしかしたら相当に哲学者なのかもしれない・・が、それすらも感じさせない・・。
言ってしまえば普通のワインを飲んでいる感覚です。しかしながら、非常に心地良い身体への侵入角と、ビオならではのピュアでスピードの速いアロマの立ち方と、ワインが持つ見事な立体構造が、ここに存在しています。
他のキュヴェもその辺はしっかり同様です。オレンジワイン的な色のアイテムも有りますが、これさえ・・です(そこの辺はそのコラムをお読みください)。
素晴らしいワインだと思います。ガイヤーホフに負けてない!しかも非常にリーズナブルです。ゴーミヨが高い評価をしたのも理解できます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
● 2018 Velue Riesling
ヴェルエ・リースリング
【必飲です!「美味しいオーストリアワイン、飲んでみませんか?」・・滅茶苦茶美味しい!見事です!】

「美味い!」
としか言いようの無い、見事なリースリングです。ドイツ系のリースリングのように線の細い感じは・・全くしません。勿論、太すぎる・・みたいなことも有りません。ヨハネス・ツィリンガーの他のワイン同様、非常にピュアでナチュラル、残糖は有ったとしても非常に少なく基本ドライです。ましてや揮発酸など全く有りません。なので、ビオファン以外の方にも大いにお勧めできます。
そして何より・・この複雑性・・そしてその表現が素晴らしいです。張りのあるボディに漲るミネラリティは透明感に溢れています。基本、グレープフルーツ系果実に少し洋梨を加え、そこにレモンを垂らした感じのニュアンスですね。ボディはぷっくり。余韻も絶妙に長いです!
当初、ヴェルシュ・リースリングが非常に美味しいので、そちらをリーズナブルクラスの主にしたいな・・と考えていたんですが、少しだけ高いヴェルシュの付かないリースリングがまた滅茶美味しいんで困っちゃいました。
ドイツワインのように尖がっていないし、アルザスの村名リースリングのように糖分過多、もしくはグラマラス過ぎることも無く、マルセル・ダイスに比較すれば自称1級のグラスベルグクラスの仕上がりですよ。しかも単にミネラリティで硬すぎることも無く、しなやかさのある柔らかなミネラリティ。そこに希少金属系ミネラルからの細やかな表情・・・もうビックリです。
「これ、こんなプライスで・・良いので・・しょうか・・?」
騙されてみてください。嘘は言いませんよ。自信が無けりゃそこまで言いませんので、
「美味しいオーストリアワイン、飲んでみませんか?」
超お勧め、是非とも・・必ず・・飲んでみてください。無茶苦茶美味しいです!
● N.V. Revolution White Solera
レヴォリューション・ホワイト・ソレラ
【希少キュヴェです!・・ようやく飲めましたが、これは素晴らしいです!お早めにどうぞ!】

言ってしまえば僅かな価格差ですよね。ほとんど変わらない・・んですが、やはり、
「時間が磨き上げた極上の味わい」
と、
「ソレラシステムと言う年代を超えた熟成システム」
によって、単なる「ブレンド」に終始しない相乗効果が有ると思える見事な味わいに仕上がっています。
思いっきりドライですが、旨味を形成する酸の美味しさ、描かれるパレットが見事です。中心がぷっくらと盛り上がり美しい円形を描きますが、表面張力で円周が盛り上がっているように感じます。
葡萄自体の熟度の高さが単に残糖たる甘みに流れず蜜のようなフレーヴァと完熟した果実、そこに若さゆえの「張り」が漲るようなニュアンスが有りつつ、ワインが熟した時の妖艶さまでをも持っていると感じさせます。
これは・・是非とも飲んで欲しいですね。デイリーとしていただくものちょっと気が引けるほどの仕上がりです。是非飲んでみて下さい。一推しです!
● 2017 Perpetuum Sauvignon Blanc
ペルペトゥウム・ソーヴィニヨン・ブラン
【艶やかさ、ナチュラルさを加えたパヴィヨン・ブランか!・・などと思ってしまいました!】

おそらくですが、ツィリンガーのトップ・キュヴェなのだろうと思います。エージェントさんにもほんの僅かしか入荷しないようで、ほぼほぼ全部いただいたのかな?・・エージェントさんも余り飲めないワインのようで、でも飲んでいたようなので、
「どんな味わい?」
と尋ねてみたんですが・・結局良く判らないので・・開けることになってしまいました・・。儲からんの・・
しかし、このような「初」の出会いは楽しいものです。ツィリンガーのように一生懸命さからの美しさ、そして何よりもリーズナブルに提供したいと考えている素晴らしい生産者が、コストを忘れて、しかも自身のやりたいように仕上げたワインですから・・。
どうやら半分はアンフォラを使用しているようですが、一般的なビオ系生産者の仕上げ方とはかなり違うと思います。
何より「ピュア」ですし、そこに「危険性」は全く感じません。葡萄そのものの存在感の凄いワインです。ここまで来ると、
「黒葡萄も白葡萄も・・全く関係が無い」
と言えるレベルの話しになってきます。
良く言われるように、いかに赤ワインが素晴らしくても、良いタイミングで抜栓された見事な白ワインには叶わない・・みたいな部分も感じます。
葡萄自体の存在感が物凄いです。アンフォラでベクトル変換し、確かにこっちを向いてくれています・・が、それでもまだ2~3%しか向かって来ていない状態・・と言えるでしょうか。
どうやっても開かないパヴィヨン・ブランに共通しているものを感じました。まぁ・・樽の使い方を含め、醸造方法は全く違うのでしょうが、
「私はここにいるぞ!」
みたいなね。凄みみたいなものが伝わって来るんですね。
ハッキリ言って、今すぐに開けるのはお勧めしません。そうですね・・少なくともあと5年は置いてほしいです。ソーヴィニヨンが完熟した時は凄いですよ・・健康的ビオのソーヴィニヨンの爆発!・・是非トライしてみてください。
● 2017 Velue Rose Cabernet
ヴェリュー・ロゼ・カベルネ
【シルヴァン・パタイユのフルール・ド・ピノ風!?・・それをカベルネで表現したような、黒葡萄による白ワインの造りです!ちゃんと美味しいです!】

仕事柄、ま~アチコチでテイスティングをし、かつ、自宅でも毎日ワインをテイスティングしているnoisy です。それを・・考えてみればほぼ30年・・長いですね~。ワイン会とか以外は続けています。
そんな中で、ロゼとか白とか・・特にリーズナブルなアイテムには、ま~・・当たる確率が滅茶苦茶低いんです。
「・・こんなキャンディ臭いの・・とても買えないよな~・・」
「酸は無いし・・ま、少なくても良いけど、それにしてもバランスも良く無い・・」
「・・ぺったんこじゃん・・」
ま~・・良くこんなの売ってて心が痛まないものだ・・などとも感じることさえ有りますし、そんなワインを大量に送り付けて飲んでくれ・・とおっしゃるインポーターさんもいらっしゃいます。光を透かせて見ればだいたい想像できますから、そんなワインがnoisy の口に入る確率は少なくなりますが、
「・・もっとバイヤーさんのテイスティング能力、上げる努力をしてくれないかな・・」
などとも思ったりするほど、ロゼや白のリーズナブルなものには当たらない訳です。
このヨハネス・ツィリンガーのカベルネのロゼは良いですね。キャンディとか水あめのニュアンスなど全く有りませんし酸バランスも実に良いし、ピュア&ナチュラルでアロマも心地良いです。
これを言うと勘違いされるかもしれませんが、そこまでは行かない、届かないにせよ、シルヴァン・パタイユのフルール・ド・ピノと似たニュアンスだと言えば話は早いでしょう。ピノをカベルネで置き換えた感じです・・ってそのものです。
透明で少し柔軟な感じのミネラリティ溢れるアロマです。フルール・ド・ピノを、もう少し果実感を強くして、ややカッチリさせ、まん丸なパレットをやや縦長に変形させて、もう少しスパイシーにすると・・このワインです・・(^^;;
だから美味しいんですよ。ちゃんと出来てます。noisy があまりロゼをやらないのは・・美味しいのに中々当たらないからですよ。
ドライで膨らみの有る美味しいロゼでした。勿論ですが・・
「熟成も期待できます!」
それ位しっかりしています。是非飲んでみてください。価格破壊的ワインです!
● 2017 Velue Gruner Veltliner
ヴェリュー・グリューナー・ヴェルトリーナー
【ビオだから・・なんて難しいことを考える必要は有りません!この見事なまでにクリスタルなミネラル感とテカテカなテクスチュア、風船のように膨らむボディをお楽しみください!】

「蝶」のマークがアイテムでそれぞれ違ってまして、それも印象的ですが・・いや、ちょっと・・どころか、かなり驚きました。
ニュアンス的には、あのガイヤーホフのローゼンシュタイクに、ガラスやクリスタルのような透明かつ膨大なミネラリティのコーティングをプラスしたかのような見事な味わいだったんですね。
この、オーストリアならではの高貴種、グリューナー・ヴェルトリナーですが、2017年と言うことも有って、若々しくたくましく、出る所はしっかり出ているのに・・饒舌過ぎない・・うるさく無い・・でも、寂しくなるか?・・と言うと、全くそんなことも無い・・と言う、ものの見事な仕上がりです。
もし悪く言うとするなら、そのミネラリティの凄さが、このワインをやや硬めに感じさせるかもしれない・・と言う位でして、それすら飲むタイミングでは柔らかさを増し、さらなる肉厚さを感じさせてくれることにもなるかと思うんですね。
冷涼さが感じられるフルーツには、ちゃんと熟が有り、果実の不足感の漂う寂しいオーストリアワインじゃ有りません。
まぁ、エージェントさんは「センスだ」と言ってますが、ほとんどのキュヴェをnoisy もテイスティングしまして、それを実感しています。それプラス、
「適度な距離感を持ったビオ」
かな・・と。
ビオの実践者は、時に哲学的な「しかめっつら」な部分を感じさせたり、ヒッピー的な(古!)、少し勘違いしてるんじゃないかと思えるような自由さを感じさせたり・・これはちょっと迷惑でも有ります・・しますよね。
その辺りが凄くナチュラルなスタンスに感じられます。
もしかしたら・・内面では物凄く戦っているのかもしれませんが、全然それを感じさせないんですよね。自由度もバッチリあるのに節度もちゃんとある。で、もしかしたら相当に哲学者なのかもしれない・・が、それすらも感じさせない・・。
言ってしまえば普通のワインを飲んでいる感覚です。しかしながら、非常に心地良い身体への侵入角と、ビオならではのピュアでスピードの速いアロマの立ち方と、ワインが持つ見事な立体構造が、ここに存在しています。
他のキュヴェもその辺はしっかり同様です。オレンジワイン的な色のアイテムも有りますが、これさえ・・です(そこの辺はそのコラムをお読みください)。
素晴らしいワインだと思います。ガイヤーホフに負けてない!しかも非常にリーズナブルです。ゴーミヨが高い評価をしたのも理解できます。是非飲んでみて下さい!お勧めします!
● 2017 Velue Welschriesling
ヴェルエ・ヴェルシュリースリング
【必飲です!滅茶美味しいです!しかも・・こんなプライスです・・それに高級感もしっかりあります!】

「・・ヴェルシュリースリング?・・何それ?」
とおっしゃりたい方も多いかと思います。ヴェルシュの付かないリースリングとは別種です。「リースリング・イタリコ」などとも言われたりもします。
で、このヴェルシュ・リースリングがまた超美味しいんですよ。見事に張りが有るボディ、ふくよかでまん丸なパレットを表面張力高く感じさせてくれます。
そして、リースリング・イタリコの名が関係するかどうか判りませんが、
「・・あれ?・・どこかイタリアの風が吹いてる・・か?」
みたいな・・ね。
何と言いますか、フリウーリあたりのワインに感じられるような、ほんのり感じるスパイスとかハーブのニュアンスでしょうか。イタリア風なトッピングが感じられるんですね。リースリング種とは関係ないと言いながらも、どこかそれっぽさも有ります。
ハンスが選曲したのは、イギリスで人気が出てブレークしたアメリカの4ピースバンド、ザ・キラーズのミスター・ブライトサイド・・オルタナ系と言うかニューウェーブ系と言うか・・、それとやはりオルタナティヴ系かな、「ザ・クークス」と言うバンドの「シャイン・オン」と言う曲です。
明るい曲調の中にも弾け切らない静かさと言うか、抑揚のおとなしさの有る感じかな・・判りませんが。そもそもオルタナが良く判ってないので・・。
でも、全体的にワイン自体もそんな感じですよね。noisy たちのようにワインの評価者として、そのワインを言いたい時には、断定せざるを得ませんが、それが決して正しい訳では有りません。それが正しいのは自身に対してのみ・・なんですね。
それでもこのワインは素晴らしいと思います。ヨハネス・ツィリンガーの他のアイテム同様、ピュアでナチュラル、基本ドライで、外向的素晴らしい果実が有り、見事なバランスを見せます。ビオ的なネガティヴさは全く有りません。それでいて、滅茶苦茶安い!・・今時有り得ないです。
このワインはイチ推しにしたいと思います。是非ともガッツリ飲んでみてください!
● 2017 Velue Riesling
ヴェリュー・リースリング
【必飲です!「美味しいオーストリアワイン、飲んでみませんか?」・・滅茶苦茶美味しい!見事です!】

「美味い!」
としか言いようの無い、見事なリースリングです。ドイツ系のリースリングのように線の細い感じは・・全くしません。勿論、太すぎる・・みたいなことも有りません。ヨハネス・ツィリンガーの他のワイン同様、非常にピュアでナチュラル、残糖は有ったとしても非常に少なく基本ドライです。ましてや揮発酸など全く有りません。なので、ビオファン以外の方にも大いにお勧めできます。
そして何より・・この複雑性・・そしてその表現が素晴らしいです。張りのあるボディに漲るミネラリティは透明感に溢れています。基本、グレープフルーツ系果実に少し洋梨を加え、そこにレモンを垂らした感じのニュアンスですね。ボディはぷっくり。余韻も絶妙に長いです!
当初、ヴェルシュ・リースリングが非常に美味しいので、そちらをリーズナブルクラスの主にしたいな・・と考えていたんですが、少しだけ高いヴェルシュの付かないリースリングがまた滅茶美味しいんで困っちゃいました。
ドイツワインのように尖がっていないし、アルザスの村名リースリングのように糖分過多、もしくはグラマラス過ぎることも無く、マルセル・ダイスに比較すれば自称1級のグラスベルグクラスの仕上がりですよ。しかも単にミネラリティで硬すぎることも無く、しなやかさのある柔らかなミネラリティ。そこに希少金属系ミネラルからの細やかな表情・・・もうビックリです。
「これ、こんなプライスで・・良いので・・しょうか・・?」
騙されてみてください。嘘は言いませんよ。自信が無けりゃそこまで言いませんので、
「美味しいオーストリアワイン、飲んでみませんか?」
超お勧め、是非とも・・必ず・・飲んでみてください。無茶苦茶美味しいです!
● 2017 Revolution Natural Sparkling
レヴォリューション・ナチュラル・スパークリング
【滅茶苦茶旨いです!・・ビオでコストがかかるからと言う理由だけで高価な、しかも揮発酸臭がとめどなくこみ上げてくるしょうも無いナチュラルワインとは一線を画します!素晴らしいカジュアル感です!】

裏ラベルには「PET NAT」と書いていますんで、フランス的に言いたいのかな?・・などとも思ってしまいますよね。ペティアン・ナチューレの略でしょう。
このペティアン、素晴らしい仕上がりです。もう、これを飲んでいただけましたら、ある種、ヨハネス・ツィリンガーのワインを理解できるんじゃないかと思えるくらい、色んなものを内包していると感じます。
ドライだけれどもエキスが充実していて、酸による張りも有ります。何よりピュアで有り、そしてナチュラルさのあるスムースな、スピードの速いアロマに、柑橘、洋梨、花梨・・見事にフルーツが出て来ます。
揮発酸に汚染されたペティアンは臭くてどうしようもないし、何よりフルーツ感が無いですよね。そんなニュアンスは皆無です。
ガス圧はさほど高く無く、そして、
「・・えっ、これペティアンなの?」
と言いたくなってしまうほどには低すぎることは無く、舌の中ほどで(先っぽじゃなくて)そのピチピチした心地良いガスを感じることが出来ます。
で、ほぼドライなんですが・・まぁ、測れば少しは残糖は出るんじゃないかと思う・・位の僅かな甘みは有るんでしょうね。その見事なバランスに「センス」を感じます。その、あるかもしれない残糖を酵素が食べてアルコールと炭酸ガスに変えたとしても、味わいを大きく損なう、崩すことにはならないレベルなんですね。
非常に美味しいです!・・これは必飲だと思いますよ。ビオファンも、そうじゃないワインファンの方にも、絶対喜んでいただけると確信しています。是非飲んでください!超お勧めです!
● N.V. Revolution Red Solera
レヴォリューション・レッド・ソレラ
【複数年に渡るソレラ・システムで高密度かつ繊細、ボリューム感のあるオーストリアワインを生み出しています!・・ビックリ価格・・こんなんで良いの?】

2013年、2014年、2015年、2016年に渡る複数の品種を、自由な発想から仕上げた赤ワインです。まぁ・・細かいことはワインの写真の下に書いてありますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
そして、この左のグラスの写真をご覧いただき、もしご自身の経験で、オーストリアの赤ワインをお飲みでしたら比較してみてください・・・って、そもそもそんな経験は少ないんじゃないかと思いますし、ボトルから光を透かせて見た色でさえ、
「すっきり通ってしまうはず」
ですよね?
でも、どうです?・・見事なまでにしっかりした色合いじゃないですか!・・
「・・スーパータスカンか?」
みたいな色合いの深さを感じられると思うんですね。実際にも色合いは濃い目に分類されると思います。なので、今までのオーストリアの赤への印象は一旦捨ててください・・(^^;;
この色合いから判るように、ピノ・ノワール系の味わいでは有りません。むしろボルドー系のワイン・・非常にドライなので、右岸系で甘さが無くて、非常にピュアでナチュラルなものが有ったとするなら、それは似ていると言えます。
熟したタンニンと、少しむせるような赤い果実がたんまり・・感じられます。果皮の割合が高いワインで果汁が少な目ですね。ただし、単純に「一面的に濃い」のでは無くて、見事にグラデュエーションが感じられますので、しなやかささえ内包して感じられます。
そしてアンフォラも部分使用している性も有るかと思いますが、締まって感じられたとしても、時間と共に要素をちゃんと解放してくれるんですよね。そして逃げて行かない・・ちゃんとそこにいる感じがします。
イタリア系のワインの中には、当初は愛想が良いかな?・・と感じていても、いきなりそっぽを向かれてしまって帰ってこないことが有りますが、アンフォラでベクトル変換している性なのか、その辺の取り扱いは非常に楽です。
そして何より・・この価格です!手間暇はかなり掛かりますし、味わいも素晴らしいです・・が、
「・・えっ?・・ビオ系で・・アンフォラも使ってて・・マジすか?」
と言うような価格ですよ。普段ならデイリーとしてご案内するところです。でも、今回は
「高級ワインとして」
ご案内させていただきます。
まず、驚いてみてください。でもまぁ・・薄~い・・エレガント系が飲みたいと言うのであれば、お勧めはしませんが、
「 noisy も齢だから、淡いワインばかりお勧めされて困っちゃうな・・」
と思ってらっしゃる方には、見事に大当たりのはずです。
勿論、淡い系がお好きな方にも、ちょっと脂身の有るお肉とかと一緒に飲んだら旨いと思いますし、濃い目でもシツコク無い味わいなので、容認していただけるはずです。
非常にリーズナブルながら、物語の有るワインです。是非とも飲んでみてください。お勧めします。
● 2016 Numen Fume blanc
ヌーメン・フュメ・ブラン
【素晴らしいです!実に「オツな」味わい・・(^^;; そもそもフュメ・ブランはソーヴィニヨン・ブランなのかと考えさせられる見事なフュメぶりです!必飲の一つ!】

何とも旨い・・心をくすぐる見事な味わいです。ワインって・・こうじゃないとね・・しっかり楽しませてくれますよ。
そもそも「フュメ・ブラン」と言うのは「ソーヴィニヨン・ブラン」のこと・・と習うのが普通です。でも実は noisy的にはそうは考えて無くて・・いや、すみませんね~・・ソムリエ協会絡みの方とか、その筋の方は、
「・・あんた、何言ってんの?!」
と怒られそうですが、それでも、
「フュメ・ブランはソーヴィニヨン・ブラン」
みたいに頭の固い覚え方をしてしまうと、簡単に判るものも、また造り手が伝えようとしていることさえも受け取れない事態に陥るんじゃないかと。
「フュメ」と言う言葉の中には、「香り」に関する部分に大いに関係してくる訳でして、直接的には特に「煙」とか「いぶされた」と言う意味が含まれています。
それに、Fume には、それこそパフューム(Perfume)とかですね・・煙を出す、煙のもうもうとした、たばこの煙、たい肥を撒く、燻製にする・・などの直接的な意味が有ります。
それをね・・ロバート・モンダビさんが造語で造ったとか、訳の判らん説明をされちゃいますと、もう・・へそを曲げちゃいますよ。あのディディエ・ダグノーだって、昔からのワインの名前として、
「ブラン・フュメ・ド・プイィ」
としてリリースしている訳で、決して「プイィ=フュメ」ではないんですね。
つまり、フュメ・ブランと言うのはロワールの品種で有って、「煙っぽい」とか「燻された」とかのニュアンスの有る品種で、たまたまそれが遺伝学的に「ソーヴィニヨン・ブラン」であるとされているだけです。そこを知らずに単に
「フュメ・ブランはソーヴィニヨン・ブラン」
だけ頭の中に入っていても、何の意味も有りません。
こちらは「フュメ・ブラン」による、正にフュメ・ブランっぽい煙や燻されたニュアンスの有る高品位な味わいのオーストリアの白です。
実に複雑性の高い、ち密な味わいをしています。何かが口内でアチコチ動き回るような味わいでして、アチコチの味蕾が見事に時間差で刺激されます。
美しい酸に裏打ちされた見事な構成です。滅茶苦茶深~い縦構造・・などとは申しませんが、
「こんなフュメ・ブランはフランスでも中々無いぞ!」
と言いたくなります。
ディディエ・ダグノーのブラン・フュメは、美味しくなるのに時間を要しますが、こちらのニューメン(奈良名物ではありませんし、白石名物のうーめんでもありません)は、今から飲んでま~‥美味しいです。エキスの旨味、その拡がり、先ほどの味蕾への刺激、ノーズに抜けて行く高質なメロンや柑橘のアロマ・・そして何より、見事なまでにピュアでナチュラルです。ビオを名乗ることで許されると思っている自由からの「揮発酸」は微塵もないです。そして、アロマのスピード、柔らかさこそ、このワインの魅力です。
こんなのばかりを飲んでいると、
「・・やっぱり白、旨いよなぁ・・赤、重いから飲みたくないな~・・」
などとも感じてしまいますよ。
そうは言っても赤偏重の日本のワインの世界ですから、ヘタなことは言いませんが、この滅茶美味しいヨハネス・ツィリンガーのニューメン・フュメ・ブラン、是非とも味わってみてください。下手に臭いソーヴィニヨンには反対しますが、こんな美味しいフュメ・ブランには大賛成!頭で飲まず、身体で飲もう!・・と言いたくなる・・ん?・・逆か?・・とにかく飲んでみて下さい。お勧めします!
● N.V. Revolution White Solera
レヴォリューション・ホワイト・ソレラ
【・・すみません・・これはまだ手を出していません・・】
いや~・・これ、3本しか買えなかったんですよ。ハンス・ツィリンガーの選曲が、「ガンズ&ローゼス パラダイス・シティ」と「グリーン・デイ レヴォリューション・レディオ」と言うものでして・・ご存知でしょうか。ガンズはご存知だとしてもグリーン・デイはね・・。こちらはパンク系ですが、
「しっかりレヴォリューションと言う言葉が入っている」
ので、そんな選択なのかもしれません。
まぁ、飲まなければならないワインが山ほどありますし、3本しかないと言うことで・・後でいいかと思っていたら間に合わなくなってしまった訳です。
他のヨハネス・ツィリンガーのアイテムが本当に素晴らしいので、ご興味のある方もいらっしゃると思います。是非挑戦してみてください。次のヴィンテージのため、飲めるようなら飲みます。
● 2013 Numen Chardonnay
ニューメン・シャルドネ
【フリウーリ=ヴェネツィア=ジュリアの漬け込み系白の大御所たちもヤキモチを焼くに違い無いレベルです!凄い出来!】

申し訳ないが個人的な感想として言わせて貰えば、
「ラディコン、グラヴナー、ラ・カステッラーダも真っ青!」
と言うレベルです。
最近のグラヴナーは葡萄の仕上がりそのものをワインに転嫁し切れているのだろうか?・・と言う疑問はさておき、このオーストリアのヨハネス・ツィリンガーのニューメン・シャルドネ2013 の仕上がりは凄いです。
ただし、
「判ろうとする方だけ・・飲んでください」
とお伝えしておきましょう。
勿論、酢酸や揮発酸は無し、アヴァンギャルドな部分など有りませんから、
「・・なんとなくオレンジワイン系に見える」
ことにためらいが無ければ、少なくとも、美味しいと思っていただけるでしょう。
色合いから伺える「酸化」のニュアンスは・ほんの僅かだけ・・アロマの中に有ります。ですが勿論、「臭い」と言うレベルでは有りませんし、それが時間と共に成長することも無く、やがて判らなくなるか、最初から判らないかのどちらかです。
そして・・敏感な方はその酸化の僅かなニュアンスをかき分ければ・・、それほど敏感では無い方ならすぐに・・
「ピュアで高品位な若々しいフルーツのアロマ」
に辿り着くでしょう。まぁ、言ってしまえばフリウーリ=ヴェネツィア=ジュリアの大御所さんたちの、こういった漬け込み系の白の酸化の度合いはもっと判りやすいです。
そして、見事に集中しているエキスには、蜜や花、果実、鉱物の複雑なアロマと味わいが滅茶含まれていて、適度に膨らむ中域、酸バランスの良さ、余韻の長さと美しさには、白ワインの頂点に君臨するワインたちと同類のものを感じます。
いや・・noisy がこんな色系のワインを滅茶褒めることは少ないですよ。それ位、このワイン・・素晴らしいと認識しました。
そして何よりもこのシャルドネ、マリアージュがしやすいです。フランスの高級シャルドネは時に出しゃばり過ぎじゃないかとさえ感じてしまいます。
勿論ですが、コート・ド・ボーヌのシャルドネも美味いですよ。でもそこから全く抜け出せないと言うのもどうなのかとも思います。むしろ、
「数歩先にはこんなシャルドネが見えているはず!」
だとさえ感じます。
素晴らしいシャルドネです。このワインにハンス・ツィリンガー選曲のビデオが無かったことが残念です。でも造り手紹介の下部にあるリンクから、是非Youtubeのビデオもご覧ください。結構にバラエティ感のある選択でした。勿論、この素晴らしいシャルドネも飲んでみてくださいね。超お勧めです!・・でも数が有りません。申し訳ありません。
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