
美味しいとか美味しく無いとか・・そんな感覚と言いますか、どう感じたか?・・と言うのは個人の感覚からの感想ですから、それぞれに意見が異なってしかるべきですよね。ですから、noisy が美味しいよ・・といくら言ったところで、お客様の多くは・・
「・・そんなこと・・全然・・無いじゃん・・」
と思われていらっしゃるかもしれません。
noisy も昔は、「美味しいよ」と言ってお勧めするのは相当に躊躇していました。するとあるお客様は、
「noisy さんのワインは皆美味しいんだけれど、ホームページを見てもお勧めしてるのか、していないのか、良く判らないんだよね・・」
と言われる訳ですね。
そうは言いながらも・・じゃぁ・・美味しい、美味しく無いは人それぞれの感覚・・と言う部分とどのようにマッチさせたら良いのか・・と言う問題が残る訳で、ずいぶんと「どうしたものか」と思っていた訳です。今じゃ平気で「美味しいよ」と言ってますが・・お店にいらした方には、
「あなたがどう取られるかは不明ですが・・」
みたいにはおそらく言っています。
そもそも・・これほどに美しく伸びやかな酸をパレットにまん丸く描けるワインを、日本のワイン(だけ)が好きな方に飲ませたら、きっと引いてしまうだろうなぁ・・などとも思いながら、「超お勧めしている」訳ですよ。
反対にそのような方々には、今回、余っている分をいただいたのを忘れてご紹介していなかったヴァーゼンハウスの「2021グートエーデル」なんぞを飲んでいただいたら・・

「・・凄い美味しいです~!」
と言っていただけるんじゃないかと思ってしまうんですね。だからそういう方々には、このコスモポリートは向かないんじゃないかと・・。
でも一方では、ワインとしての出来とか魅力とか・・自身の感性、好き嫌いを離した部分で評価をしている訳ですから、
「そうは思ったとしても、やはり経験していただくことが大事・・」
とも思っているんですね。
この、素晴らしいエキス、酸の美しさ、そして実は滅茶複雑性を持っていながら、それをしっかり「一個の塊」に仕立て上げている素晴らしさ・・感じていただきたい訳です。
溌溂としてしていて、軽やかで、重みが有って、充実しているけれど軽くも飲める・・そしてしっかり膨らんでもくれ、長くその深い味わいを楽しめるワインです。
サテリートは糸を撚り合わせたような一本のロープのような感覚ですが、現状、コスモポリートはむしろ色々な要素が絡み合った「塊(かたまり」です。まぁ・・似たワインですから比較の話しになってしまいますが、これもまた美味しい!・・飲んでみてください。素晴らしいオーストリアワインです。
以下は以前のレヴューです
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【ゲミシュター・サッツによる複雑、かつ、はち切れんばかりの膨張感ある酸の美味しさ!2017年ものはリアリティ溢れる果実感も上です。】
全域に美味しさの溢れる、非常にドライな白ワインです。ゲミシュター・サッツ(混植)で造られる、極めて珍しい白ワインです。
ユッタ・アンブロジッチのゲミシュター・サッツの白ワイン全てに言えることでも有るのですが、
「ドライだからと言って、薄辛い面はゼロ。見事に美しい果実酸が真ん丸なパレットを描く!」
ので、相当に高いポテンシャルだと感じさせてくれるんですね。
ベースのゲミシュター・サッツで有りながらも、それは全く変わりません。
ドイツのモーゼルのような厳しい酸の強さ、やや尖った刺すような酸では無く、量はしっかりありながらも、接触面は綺麗に丸められています。とても滑らかなんですね。
ハキハキしているのに乱暴者では無い・・しっかり落ち着いてちゃんとこなしてくれる優等生でありつつ、ちゃんと自己主張をしています。
オーストリアの白ワインも、このところの温暖化が良い方に出ているのか・・とにかく「薄くない」んですよ。分厚いボディをしています。それでいて全然甘くない・・。
この両立が出来るワインは早々無いと・・思います。是非飲んでみて下さい。超・・美味しいです!
以下は2016年もののこのワインのレヴューです。
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【ゲミシュター・サッツ!是非ともこの言葉、覚えてください。混植混醸がもたらす太い味わい!惚れ惚れとしてしまいます!】

まぁ、「太い味わい」が有ると言いうことは、「細い味わい」も有ります。
オーストリアの白ワインに対するイメージは・・もちろん人それぞれでは有りますが、一般的に、
「少しシャバい(薄い)」
「芯が細い感じ?」
「集中してない」
のような、少しネガティヴに表現されるものが多いと思います。
まずユッタのワインに共通することを上げますと、
1.滅茶苦茶ピュア
2.滅茶苦茶ドライ(ごく一部例外有り)
3.普通のオーストリアワインのようなシャバさ無し
4.So2の使用量が滅茶少ない
です。この時点でもう・・かなり違うと思うんですね。
しかしながら、これもごく一部の品種やワインを例外とさせていただきますが、オーストリアのワインは総じて、
「軽い」
です。
重心が高い位置に有る・・と言っても良いかもしれません。
例えばシャルドネは、やはり中域、中低域にポイントが有り、そこから高い方向、低い方向に向かって減衰しつつのバランスです。
オーストリアの白ワインは、総じてシャルドネよりも高い帯域に重心が有り、加えて超高域への伸びの良さと、超低域の無さが特徴と言え、それは誰しもが口にすれば、
「なるほど・・」
とご理解いただけるんじゃないかな・・と思います。
それを踏まえ、ユッタのゲミシュター・サッツでは無い、単一品種のワインは、非常に細やかなラインのバランスの味わいです。繊細なんですね・・。なので非常に軽やかで美しく、伸びの良い味わいが特徴です。
しかしユッタのゲミシュター・サッツのワインは、その「細いラインを何本も撚り合わせたロープ」のような味わいの芯を持っています。このコスモポリートもそうですので、
「軽過ぎず、繊細ながら芯が太く、中域・中高域に重心を置きながら、超高域までの伸びやかさが特徴」
の味わいなんですね。
しかも超絶にドライです。残糖感がまるでないので、腰高なバランスに感じるのかもしれません。フランスのドライなシャルドネって・・実は結構に糖のレベルは残存しています。
糖分が有ると、それなりに胡麻化しが利きますが、無いと・・厳しいんですよ。ほぼ酸のバランスだけでの味わいの組み立てになりますから、欠点が丸見えなんですね。
ところがこのワインには、そんな欠点が見当たらないし、フルーツ感バッチリですし、爽快感も充実しています。これからの蒸し暑い季節にはもうバッチリでしょう。
なお、人気商品のようでこのワインは追加が利きません。また、数本のエチケットに傷が有ります。小さな造り手ですので申し訳ございません、ご了承ください。
ビオの提唱者であるルドルフ・シュタイナーが生まれた国、オーストリアの素晴らしい自然派ワイン、ゲミシュター・サッツによる白ワインです。是非ご堪能ください。