ル・クロ・デュ・テュエ=ブッフ
ル・クロ・デュ・テュエ=ブッフ
フランス le Clos du Tue-Boeuf ロワール
● ロワールは自然派ワインの第一人者、ティエリー・ピュズラのドメ ーヌもの、クロ・デュ・テュエ=ブッフの希少なキュヴェが入荷です。ピュズラについては皆さんも良くご存知かと思いますが、今回はかなり少ないです。余りテイスティングできずに申し訳ありません。

■エージェント情報
歴史
当時ボルドー、マコン、南仏とワイン畑を渡歩いたティエリは、1994年、父の畑を兄のジャン・マリーと共に継ぎ「ル・クロ・デュ・テュ・ブッフを起ち上げる。1999年にはネゴシアン「ティエリ・ピュズラ」を起ち上げ、ネゴスとドメーヌの両方を管理する。2014年ネゴスをボノームに引き継ぎ、ドメーヌ一本に専念し現在に至る。
気候
海洋性気候と大陸性気候がちょうど交わる境目に畑があり、さらにロワール川の影響により、一年中気候は穏やかで夏は暖かく、秋から冬春にかけては川と地上の温暖差で朝夕はしばしば深い霧に覆われる。
畑総面積
14 ha
農法
ビオロジック(1998年ナチュール・エ・プログレ)
収穫方法
100%手摘み、畑で選果
ドメーヌのスタッフ
4人、季節労働者数人
趣味
パンク音楽鑑賞、自転車、ワインを飲むこと
生産者のモットー
それぞれの畑のテロワールをそれぞれのワインの味に忠実に反映する。実に反映する。
● 2007 Touraine Rouge la Guerrerie
トゥーレーヌ・ルージュ・ラ・ゲルリー・クヴェヴリ
【 とても旨いです! 】・・以前のレヴューです。
2007年のレヴューが見当たらないので、ゲルリーのレヴューを混載しています・・すみません。さらに美味しくなっているんじゃないかと思います。
非常に貴重なキュヴェです。しかもテュエ=ブッフのドメーヌものです。以前、2013年N.V.もので、同じアンフォラ仕込みのカイエール(ピノ・ノワール)をリリースしましたが、今回はアペラシオンを取ったゲルリーです。カイエールは10ヘクトリットルのアンフォラでしたが、少し小さくなって8ヘクトリットルだそうです。
完全に極少の割り当てキュヴェでして・・これはさすがに飲めん・・残念ですがテイスティングコメント無しでのご紹介です。
申し訳有りませんがお一人様1本限定にてお願いいたします。. コットとガメによるキュヴェです。コットのワイン・・と言ってしまうと、よく判らない性でしょうか、大抵は避けられてしまいます。でも大丈夫、少しカッチリしていますが、味わいそのものは、ピノ・ノワールによるラ・カイエールに似た雰囲気を持ち、味わいがコット、ガメの2段構成になっているだけです。セパージュを気にしなければ、
「え~、これってピノだっけか?」
と、判断付かないはずです。
この間、ちょっとTVを見ていたら、女優の川島なおみさんがブラインドでワインを当てるという番組に出ていました。その番組も、以前のワイン当てクイズが簡単すぎるんじゃないかと、少し難しいチョイスをして彼女をぎゃふんと言わせてやろう・・という魂胆から始っていました。
まあ・・気持ちは判りますが、5択でしたら・・・皆さんも全問正解するんじゃないかと・・思いますよ。勿論、引っ掛けに引っかかってしまって、1問正解のみ、3問正解止まりは有りえますが、彼女ほどの経験を持っていれば、そうは間違えないかな?と思いませんか?
でも、何でそのようになれるんでしょうか・・。有る意味不思議ですよね。
興味を持っての探求・・そんなスタイルが人間には有ります。それが人間を成長させます。そこに興味が無いとすれば、それに対する成長も無いか、鈍化してしまいます。ワイン好きはワインが興味の対象のひとつですから、いつの間にかワインがいろんなことを教えてくれるんですよね。さらに研究、探求を重ねると、
「・・これはブルゴーニュのピノで、あちらはブルゴーニュだけどガメイ・・・おそらくジャン・フォワイヤール・・いや、最近のラピエールか?」
と、推測が簡単に出来るようになってしまうんですね。
このラ・ゲルリーはネゴスものでは無く、テュエ=ブッフのものですので、ピュズラの頭の中に有るものとかも透けて見えてくる(幻想・妄想だとしても・・)ものです。彼の中にはひとつの理想の味わい構成が有るでしょうし、そこに向けて、現在の素材と向き合っているはずなんですね。なので、ちょっとピノっぽい感じに仕上がるのも・・・その辺が透けてきていると思いますよ。とても美味しいです。ご検討ください!
以下は以前のレヴューの転載です。
━━━━━
【 これも良いので..良いものばっかりですみません..! 】
実際、ピュズラさんの赤はこの何年かで洗練されてきて、完成度がとても高いです。しかも数が無いのでかなり引き合いが強い。前回は余りに無くってほとんど紹介せずに終わってしまったのが、このゲルリーです。店ちょぼちょぼ販売し、リアルワインガイドに出したら無くなってしまいました。その2003年ものがリアルでも、
「今飲んで 90点、ポテンシャル 91点 飲み頃予想 今~2015」
という、目ちゃんこ高い評価でしたので、問い合わせは入るわ、品物はないわで何やってんだか..という毎日でした。
簡単にリアルで90点と言いますが、フランスワインで90点ついてるワインを探してみてください。そうそうたるメンバーになるはずです。(ここだけの話、次回の新着では、カイエールやグラヴォットをご紹介できると思いますよ)
で、 このゲルリーはコット65%、ガメイ35%というセパージュです。ほんのりとした微少な甘みと果実の酸味がジューシーに絡み合いエキスに昇華、ミネラルがきちんと乗ったチェリッシュな旨いナチュラルワインです。脱線しますが、リアルの各氏は時々梅きのことか、梅味とか言ってますが、梅干を想像はしないでくださいね。あくまで「梅」の方で塩漬けを連想されるとちいっと違いますから..。梅干の場合は「梅干」としっかり言うと思いますので。前者の場合はナチュラル梅ジュースとかの方が、もしかしたらわかりやすいかもしれないですね。まあ、梅かチェリーかは飲む人の判断で変わってくるでしょう。noisy はチェリーだと思いますが!
このワインもこのところのピュズラさんのワインに共通してガスはとても少なく、しなやかな果実味を堪能できる状況になっています。このところは涼しくなって、ワインの保存にも良い季節になりましたが、気を抜いていると悪くしてしまいますのでご注意ください。特にヒーターを使用するようになりますと、室温の寒暖が激しくなり、
「何か美味しくないなあ..」
とか、
「いつの間にか吹いちゃった..」
ということが起こりえます。せっかくとても良い状態で届いているワインですから、noisy もちゃんとお送りいたしますので、室温の差が激しくない場所に保存してくださいね。出来れば冷蔵庫は避けましょう。緊急避難的にご使用ください。で、このワインも超お奨めです。KOとは違う、ドメーヌのコットが使用されています。比較も楽しいでしょう!飲んでみてください。お奨めです。
● 2009 Cheverny Rouge la Gravotte
シュヴェルニー・ルージュ・ラ・グラヴォット
【1本出て来ました!】
以前のコラムより転載です。
【ピュズラ兄弟のトップ・キュヴェ!】
年々割り当てが増えない・・・減少傾向に有り、安易なテイスティングが出来なく成っている、ピュズラ兄弟のドメーヌ、ル・クロ・デュ・テュエ=ブッフのトップ・キュヴェのひとつ、ラ・グラヴォットとラ・カイエールです。
GravotteのGrave は、低いとか重いとか・・の意味が有るかと思いますが、Caillere の方は、Cailler で寒いとか固まるとかの意味・・・Caille で「うずら」とか「かわいい子」とのかの意味も有り、その辺、フランス人的なユーモアの引っ掛けなのかもしれません。岩盤の南向き斜面のラ・グラヴォットに対し、平地のラ・カイエール、もしくは、ややゴツゴツした感じの無骨さが徐々にソフトに、複雑に成長して行くラ・グラヴォットに対し、滑らかでブルゴーニュ的なニュアンスのラ・カイエール・・・という理解でもでも良いでしょう。
2009年のラ・カイエールは、ラ・グラヴォットほどは少ないにせよ、全く増えておらず、以前減少傾向に有り、飲むのを躊躇っています。ブルゴーニュ的な優しい味わいですので、しっかり休めてから・・・飲みたいと思います。
● N.V.(2023) Vin Nouveau Sauvignon Blanc V.d.F.
ヴァン・ヌーヴォー・ソーヴィニヨン・ブラン V.d.F.
【何で売れないんだろう?・・と不思議でしたが、ページにアップされてませんでした。軽妙ですいっ~と飲める、ヴァン・ド・ソワフなタイプです!】

一応・・2023年のヌーヴォーを2024年の夏に船便で持ってくると言うことで、赤と・・王冠の白はご案内させていただいたものの、
「このヴァン・ヌーヴォー・ブランは漏れてしまっていた」
のに気付くのが遅れてしまい、しかも・・
「写真がどこに行ったか判らない」
と言う状況になってしまったので、半年も遅れてのご案内です。申し訳ありません。
ですが、輸入の疲れも取れてちょうど良いかもしれませんで・・ピュズラ兄弟のソーヴィニヨン主体の新酒を半年寝かせたものです。
軽やかなミネラリティとすいっ~~と流れるような淡めの果実、瑞々しくピュアで非常に飲みやすいです。テイスティングは昨年の8月でしたので、まだ少し若い感じがしましたが、もはや・・
「飲んで良し!」
タイミングはバッチリでしょう。

冬のお魚が美味しい時期ですし、昨今は沢山種類のある「鍋つゆ」で鍋に仕立てた魚介など・・余り深く考えずに飲んで楽しめると思います。
言ってみれば、このクラスのティエリー・ピュズラのワインを2000年頃に初めて飲んで、
「ある意味、頭をガ~ンと叩かれたようなショックを受けた」
訳です。
とんでもなくフレッシュでピュア、身体に染みて来る感覚を受けた・・しかもリーズナブル・・
「・・なんなんだこれは!」
と。
それまでに飲んでいたワインとは、まるで異なるニュアンスに出会った・・それがピュズラのソーヴィニヨンだったんですね。
しかしながら今では「すっかり」慣れてしまい、その後3年間ほど、
「とんでもなく苦労した」
ことも、かなり記憶から抜け落ちています。
なにせ、
「到着すると吹いている、倉庫に入れるとコルクが飛ぶ、段ボールを開けてボトルを見ると半分しか入っていない」
・・まぁ、今なら笑い話ですが、
「半分しか入ってないなら半額でいいから・・」
と笑えない半分本気の話しが、本当に有った位です。
軽妙で飲みやすく、ビオ系だがアヴァンギャルドでは全く無い・・ピュアでナチュラルな味わいです。ぜひ飲んでみてください。お薦めです。
以下は同種と思われるヴァン・ブランの以前のレヴューです。
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【臭く無い・・ハツラツ過ぎないソーヴィニヨン・ブラン!ピュズラ家のセンスが光ります!】
そもそも、ピュズラのワインは、そんなに「ハデ」じゃ無いんですね・・ティエリー本人の外観とはちょっと違っていて?・・結構に日本人的。「奥ゆかしさ」を感じる味わいのワインがほとんどです。
まぁ、時に「サヨナラ」などでは結構にハデなことをやっていた部分も有りますが、そもそも・・noisy たちがティエリーの自然派ワインに触れ、最初に、
「いいなぁ・・これ・・」
と感じたのが「ソーヴィニヨン・ブラン」なんですね。
なので、皆さんとはちょっと違う感覚でいるのかもしれません。
最高品質の葡萄を使う・・と言うポジショニングのワインでは無いんですが、
「このベースのソーヴィニヨンを如何にバランス良く造れるか?」
と言うのが、彼の基本だったと感じています。
だからこの、時にノスタルジーを感じさせてくれる「Vin Blanc」の茶文字、緑文字の白ワインには、noisy も何となくやられてしまう部分が有るかもしれません。大昔、合田さんたちと差しで飲んだ緑文字のシャルドネは何とも言えず美味かったです。決して高いワインじゃ無いけれど、造り手の技量を感じさせてくれる熱いワインでした。
このヴァン・ブランも、ソーヴィニヨン独特の青さを消すのではなく、角の無いものにして、伸びやかで柔らかいナチュラルな味わいに仕上げています。ほんのちょっとだけ早いですが、
「輸入の疲れが取れれば綺麗にまとまる」
のが想像できますので、この8月の終わり頃には仕上がるでしょう。
美味しいと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● N.V.(2018) Vin Blanc du Tue-Boeuf V.d.F.
ヴァン・ブラン V.d.F.
【臭く無い・・ハツラツ過ぎないソーヴィニヨン・ブラン!ピュズラ家のセンスが光ります!】

そもそも、ピュズラのワインは、そんなに「ハデ」じゃ無いんですね・・ティエリー本人の外観とはちょっと違っていて?・・結構に日本人的。「奥ゆかしさ」を感じる味わいのワインがほとんどです。
まぁ、時に「サヨナラ」などでは結構にハデなことをやっていた部分も有りますが、そもそも・・noisy たちがティエリーの自然派ワインに触れ、最初に、
「いいなぁ・・これ・・」
と感じたのが「ソーヴィニヨン・ブラン」なんですね。
なので、皆さんとはちょっと違う感覚でいるのかもしれません。
最高品質の葡萄を使う・・と言うポジショニングのワインでは無いんですが、
「このベースのソーヴィニヨンを如何にバランス良く造れるか?」
と言うのが、彼の基本だったと感じています。
だからこの、時にノスタルジーを感じさせてくれる「Vin Blanc」の茶文字、緑文字の白ワインには、noisy も何となくやられてしまう部分が有るかもしれません。大昔、合田さんたちと差しで飲んだ緑文字のシャルドネは何とも言えず美味かったです。決して高いワインじゃ無いけれど、造り手の技量を感じさせてくれる熱いワインでした。
このヴァン・ブランも、ソーヴィニヨン独特の青さを消すのではなく、角の無いものにして、伸びやかで柔らかいナチュラルな味わいに仕上げています。ほんのちょっとだけ早いですが、
「輸入の疲れが取れれば綺麗にまとまる」
のが想像できますので、この8月の終わり頃には仕上がるでしょう。
美味しいと思います。是非飲んでみてください。お勧めします!
● N.V.(2023) Vins Nouveau du Tue-Boeuf Rouge
ヴァン・ヌーヴォー・デュ・テュエ=ブッフ・ルージュ
【テュエ=ブッフ作のガメによるヌーヴォー船便が到着です!】
このところはこの手はオリヴィエ=ボノームが手掛けていたのですが、ちょっと風向きが変わって来たのでしょうか。
まぁ・・四半世紀も過ぎますと、若者もそれなりな歳になりますから・・ティエリーのお兄さんは引退され、そろそろティエリーも・・と言うことは、年齢がほぼ一緒の noisy も引退圧力が・・(^^;;
たしかに21世紀になった辺りから日本に入って来た自然派ワインのトップを切ったのがピュズラでしたので、noisy も・・あの時の情景をまだしっかり覚えています。ティエリーが漢字の入れ墨をした時は・・
「(・・やっちまったなぁ・・)」
と思ったものですが、その頃はまだ余り無かったにせよ、最近は珍しくも無い状況ですからね。
自然派ワインも同様、珍しくも無いですが、やはり基本は「ここ」なんじゃないかと思います。
ずいぶんと「シンプル」に感じられる外観ですが、造り手がオリヴィエ=ボノームとは異なってもいつものヌーヴォーに近い味わいでしょう。ご検討くださいませ。
以下は以前のレヴューです。
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【絶賛のピエール=オリヴィエ・ボノーム、ロワール・ヴァン・ヌーボーの赤です!!】 ガメイ種によるヴァン・ヌーボーです。ヌーボーとは言っても、ロワールの自然派ワインの立役者、ティエリー・ピュズラさんの場合は、まあいつもと同じように仕込んで、早めに飲めるように仕上げるんだと思います。毎年、かなり充実した味わいに仕上げてきますので、いつも安心しています。
( 2003年のヌーボーで初めて扱わせていただいたんですが、その時の事は下記に記載していますのでご覧ください。)
ティエリーの醸造の技が光るヴァン・ヌーボーですが、2017年は
「ロワール&ボージョレのブレンド!」
と言う、掟破り、型破りのヌーボーでした。今年は何とか間に合いそう?・・以下のような案内が届いています。
ティエリー・ピュズラは、世界中の大都会で、相変わらずヴァン・ナチュールのファンを魅了し続けています。現在なおティエリーは、各国からワインを輸入しながら、精力的にヴァン・ナチュールの輪をフランスに広げています。去年は、収穫量が少なかったので、ボジョレーのガメも購入していましたが、今年は、すべてのブドウが自分の地域のブドウで、賄えそうです。
2018年は年が良いのでしょう。ただし、フランス北部にある・・ボルドーよりもさらに北ですから、
「収穫時期の遅いロワールは、ヌーボーに仕上げるには天候に恵まれないと厳しい!」
んですね。なので、ちゃんと出来た年は良い年・・とも言えます。でも数は無いのでお早めにGETしてくださいね。お勧めします!

2003年にヌーヴォーの解禁日をすぎてから、突然ほんのわずかばかりご紹介いたしましたのが、このクロ・デュ・テュエ=ブッフのヴァン・ヌーヴォー。ピュズラ兄弟のワインは、いずれも美しい酸と品種の個性がきわだち、上品でありながら気どりがなく、親しみやすい味わいです。天候に恵まれない年には、ヴァン・ナチュールは不安定になりがちですが、毎年のように高いレベルでワインを仕上げるピュズラ兄弟の腕の冴えにいつも驚かされます。
なんともいえずチャーミングで、奥行き、高いバランス、ピュアで心地よい味わい、うっとりとするようなヌーヴォーです。ラベルは、画家であるピュズラ夫人がロワール川をイメージしながら仕上げた、素敵な作品です。
彼らのフランスにおける得意先は、レストランもワインバーもワインショップも、皆友達づきあいの間柄です。もともと友人とお祭り騒ぎをするために少量つくってきたワインですから、わくわくするような楽しさが伝わってきます。
今年のロワールは、暖冬が続き、春、夏が早く始まり、6月になって急に気温が下がり、長雨が続いています。ベト病のため、あまりいい作柄ではなさそうですが、悪い年にも、きちっとレベルの高いワインを届けてくれますから、今年も、お気に入りの一本になること、まちがいありません。ご期待ください。
生産者説明:
ピュズラ家は15世紀からモンティに続く家で、ジャン=マリーとティエリーのピュズラ兄弟がワインを造る。彼らは、個性が明確にあらわれるワインを造るには、風土の特徴を大切にしなければならないと考えている。栽培は昔からの伝統的な方法で、有機農法で栽培、収量は大変低く、補糖をせず、酵母を加えずに発酵はゆっくり時間をかけておこなわれる。
エキスがしっかりしているため、比較的低価格でありながら熟成とともに現れる新しい味わいの世界があり、いつも驚かされます。自然派の造り手たちが集まって催される、パリやアンジェの「サロン」(試飲会)で、ピュズラ兄弟のスタンドはいつも、多くの熱心なファンであふれ、パリのすぐれたビストロやワインショップでも大人気の造り手です。一人でも多くの熱狂的なファンが、日本でも増えてほしいと心から願っています。
● N.V.(2018) Rouge Gamay V.d.F.
ルージュ・ガメ V.d.F.
【滅茶美味しいです!気品たっぷり!さすがのル・クロ・デュ・テュエ=ブッフ!と感じていただけます!】

日本の自然派ワイン元年とも言える2000年前後・・1999年かな?・・まぁ、その辺りですが、本当に色々有りました。
ル・クロ・デュ・テュエ=ブッフのティエリー・ピュズラのワインもその頃に日本に入るようになり、noisy もテイスティングに行きましたよ。
初めて・・自然派ワインと認識しつつ飲む自然派ワインは、何の抑圧も無くスムーズに立ち昇るアロマに驚きを感じるとともに、
「・・これ・・大丈夫かぁ?」
と、様々な心配をする羽目になりました。
流通もそう・・保存もそう・・です。温度管理が駄目なら全て「パー」です。オマケに、まだその頃は輸入管理も今一つだし、ドメーヌでも、
「どうやってパッケージしたらよいのか」
さえ、判っていないようでした。
まだガスの残るワインや、発酵の進むワイン、残糖の多いワインなどは、下手をすると「ひも」でコルクを押さえつけるように縛って届くことも有り、また、思いがけず再発酵してしまいコルクが飛んだワインも多く在りました。
そんな時代を乗り越え、今の自然派ワイン、ビオ系ワインが有る訳です。noisy もその一翼を担っていたはず・・ですが、今となっては残念なことが多いです。出る杭(出過ぎる?)は打たれるのでしょう。
今回のル・クロ・デュ・テュエ=ブッフの入荷は僅少で、とても飲める数量では無いんですが、
「入ったものをただそのままページに並べておくだけ」
は気に入らないので、頑張って2アイテム飲ませていただきました。
いや~・・いいですね~・・2000年頃に逆戻りしたような気にさせてくれました。ピュズラらしい、ちょっと炭酸ガスに守られてきたようなニュアンスを含みつつ、ドライで危険性を全く感じさせないピュアな果実、そして安心感のあるナチュラルさ・・。
ついつい・・まだ若かりし頃を思い出しつつ、グラスを重ねてしまいました。
ピュズラ家のワインは、ピノ・ノワールばかりが注目されていますが、決してそうじゃないんですね。ガメもコットも、そして各白ワインも美味しいんです。熟成可能なピノ・ノワール・・いや、熟成させて飲むべきピノ・ノワールは勿論なんですが、このガメも滅茶美味しいです。勿論、ピノをセパージュしたルイヨンも美味しいはず・・これは外したことが無かったですしね。
是非飲んでみてください。超お勧めします!
● 2018 Cheverny Rouge Rouillon
シュヴェルニー・ルージュ・ルイヨン
【こちらはピノ・ノワールとガメのブレンド!すばらしいバランスです!】
しばらく入荷の無かったル・クロ・デュ・テュエ=ブッフです。以前は普通に入って来ていたんですが、ふと気付くと案内が無い・・。言われる数量でそのまま仕入れていたので・・こちらで数量を言ってもその通りにはならないので、
「今月はこれです。」
と言うのを、そのまま仕入れさせていただいていたんですね。だから気付くまで、
「そうか・・滅茶少ないか、造れなかったのか・・」
と、思い出すたびにそう思っていたんですが、そうじゃ無かったようです。
このルイヨンは普通に仕入れていましたが、今回の2018年は少なくて割り当てだそうです・・ビックリですが、ピュズラ家のピノ・ノワールとガメが半々にブレンド(おそらく)された、飲み口の良い味わいです。
まぁ、皆さんの興味はグラヴォットになってしまうのでしょうが、早いうちに飲まれるなら絶対にこちらですよ。是非ご検討くださいませ。呆れるほど少ないです。
以下は2008~2009年のルイヨンのレヴューです。
━━━━━
これは・・若くでも充分美味しい!素直、実直、フルーティなシュヴェルニーです。2008年ロワールの、どこかネガティブなイメージは、全く感じられません!どこまでも健康で、生き生きとして、ハツラツとして・・プリップリな果実が感じられるンです!
実際のところ、2008年のようなヴィンテージは、北に行けば行くほどに厳しかったのだろう・・と思いますが、ロワール下流・中流の2008年はたしかにネガティブさを持つと思いました。でも上流域はそうでも無く、むしろ、他の年よりも良かったんじゃないの?と思わせる部分も有りましたよね?アレクサンドル・バンもそうでした。
2009年のティエ=ブッフの赤を、ようやく飲む事が出来ましたが、良い年のピュズラのワインは、変に力んだところが無く、とてもスムーズで、リアルにフルーティーです。是非お試しください。
● 2018 Cheverny Rouge la Gravotte
シュヴェルニー・ルージュ・ラ・グラヴォット
【ピュズラ兄弟のトップ・キュヴェ!】
以前のコラムより転載です。
年々割り当てが増えない・・・減少傾向に有り、安易なテイスティングが出来なく成っている、ピュズラ兄弟のドメーヌ、ル・クロ・デュ・テュエ=ブッフのトップ・キュヴェのひとつ、ラ・グラヴォットとラ・カイエールです。
GravotteのGrave は、低いとか重いとか・・の意味が有るかと思いますが、Caillere の方は、Cailler で寒いとか固まるとかの意味・・・Caille で「うずら」とか「かわいい子」とのかの意味も有り、その辺、フランス人的なユーモアの引っ掛けなのかもしれません。岩盤の南向き斜面のラ・グラヴォットに対し、平地のラ・カイエール、もしくは、ややゴツゴツした感じの無骨さが徐々にソフトに、複雑に成長して行くラ・グラヴォットに対し、滑らかでブルゴーニュ的なニュアンスのラ・カイエール・・・という理解でもでも良いでしょう。
2009年のラ・カイエールは、ラ・グラヴォットほどは少ないにせよ、全く増えておらず、以前減少傾向に有り、飲むのを躊躇っています。ブルゴーニュ的な優しい味わいですので、しっかり休めてから・・・飲みたいと思います。
● N.V.(2015) Romorantin Frileuse V.d.F.
ロモランタン・フリリューズ V.d.F.
【こちらもロモランタンの畑を取得してドメーヌものとして再リリースした希少キュヴェです!】
どうにもこうにも数が少ないので、noisy のスタイルからすると何ともやり辛くて困っています。今回の(も?)クロ・デュ・テュエ=ブッフは全部合わせても12本・・。それじゃぁどうにもならないので断ってしまうとすると、もう次からはお声すら掛からない・・・と言うことになってしまいますんで、さらに都合の悪いことになってしまいます。あのジュラの素晴らしいワインを造る「ロックミュージシャンのフィリップ・ボールナール」も、夜の六本木の即効演奏でハグした仲では有りますが、人気が出て売れるようになってしまったら3本とか良くても6本とかの入荷数に減らされ・・そんならいらん!・・と言ったら全く声が掛からなくなりました。売れるまでがnoisyの役割でそれからは・・のような気もして・・、まぁ考え過ぎなのかもしれませんが・・何だかな~・・です。
で、それでも今回はお声を掛けていただけたので、お裾分けいただいたと言うことですね。
当然ながら飲める数量ではないので、大昔の・・「ネゴスの頃のロモランタン」の記事を探し出しましたので、それをご参考になさってください。
以下は2005年のネゴスのロモランタンのレヴューです。
━━━━━
【こ、これは・・かなり素晴らしい!】
なんだろうね・・・こんなにしっかりできたのは、ティエリーのロモランタンでは初めてじゃ無いでしょうか。大体、ロモランタンなどと言う品種を知っている人間がどれだけいるか判りませんが、かなりのマイナー品種です。絶滅しかけている、と言っても過言では無いでしょう。
しかし、シャルドネを一回りふくよかにしたようなニュアンスを持つ味わいで、
「どこがシャルドネと違うのか・・・」
などと考えてしまうと、夜眠れなくなってしまいます。
石灰系ミネラルがズ太くノーズを押し広げてくる。やや青っぽい草原のニュアンスと白や黄色のフルーツ香。ボディも良く膨らんでいて、基本的にドライでジューシー。かなり長い黄色いフルーツの余韻が有る。
基本ドライ・・・と書いた時は、甘さが全く無い、という意味ではなく、甘みは有るが表に浮いて出てこない・・という意味で使っています。ティエリーのワインの特徴でも有りますが、糖分を全く喰いきるような発酵のさせ方はしたことが無いと思います。
また、ティエリーもこのロモランタンは自信作・・と言っているようです。かなりの出来栄えです。無くなってしまうかも知れない品種を何とか残そうと頑張っています。で、どこにも問題が無いか・・・というと・・・、まあ、おそらく気が付く方はまずいない、と思うので・・言わないでおきます。普通は判らないです・・・(^^;; どうしてもお知りになりたい方は、是非ご購入、お飲みになられた上で、ご意見をお寄せ下さい。
そんなことはどうでも良いくらいの出来です。旨いです。飲んでみましょう!お薦めです。
● 2014 Cheverny Blanc Frileuse Qvevri
シュヴェルニー・ブラン・フリリューズ・クヴェヴリ
【シャルドネとソーヴィニヨン・ブラン、そしてソーヴィニヨン・ブランの原種からアンフォラで造られる希少なキュヴェです!】
それでもまぁ・・前回、クヴェヴリシリーズをいただいた時は全部合わせて12本でしたが、今回はさらに少なくなって8本・・純粋にクヴェヴリだけだと4本しかないと言う、ワイン屋泣かせの少量配給制度です。これだとほぼ、ワイン屋の役目はただの流通業者か、下請けか、このまま続けばただの中間搾取者になっちゃいますね。必要悪ならまだ良いですが、不要だと見なされたらどうなっちゃいますか・・。
ソーヴィニヨン・ブランの原種と言われる「フィエグリ種」を40%、ソーヴィニヨン・ブランを20%に、シャルドネを加えてアンフォラ仕立てをした白ワインです。こちらは以前のクヴェヴリシリーズ同様、10ヘクトリットルのアンフォラ使用です。
何せ2本の入荷ですから・・その位しか申し上げようが無いですね。すみません。ご検討くださいませ。
● 2014 Touraine Rouge la Guerrerie Qvevri
トゥーレーヌ・ルージュ・ラ・ゲルリー・クヴェヴリ
【こちらもアンフォラ8ヘクトリットルで仕込み熟成したルージュです!】
非常に貴重なキュヴェです。しかもテュエ=ブッフのドメーヌものです。以前、2013年N.V.もので、同じアンフォラ仕込みのカイエール(ピノ・ノワール)をリリースしましたが、今回はアペラシオンを取ったゲルリーです。カイエールは10ヘクトリットルのアンフォラでしたが、少し小さくなって8ヘクトリットルだそうです。
完全に極少の割り当てキュヴェでして・・これはさすがに飲めん・・残念ですがテイスティングコメント無しでのご紹介です。
申し訳有りませんがお一人様1本限定にてお願いいたします。.
● N.V.(2014) Romorantin Frileuse V.d.F.
ロモランタン・フリリューズ V.d.F.
【こちらもロモランタンの畑を取得してドメーヌものとして再リリースした希少キュヴェです!】
どうにもこうにも数が少ないので、noisy のスタイルからすると何ともやり辛くて困っています。今回のクロ・デュ・テュエ=ブッフは全部合わせても12本・・。それじゃぁどうにもならないので断ってしまうとすると、もう次からはお声すら掛からない・・・と言うことになってしまいますんで、さらに都合の悪いことになってしまいます。あのジュラの素晴らしいワインを造る「ロックミュージシャンのフィリップ・ボールナール」も、夜の六本木の即効演奏でハグした仲では有りますが、人気が出て売れるようになってしまったら3本とか良くても6本とかの入荷数に減らされ・・そんならいらん!・・と言ったら全く声が掛からなくなりました。売れるまでがnoisyの役割でそれからは・・のような気もして・・、まぁ考え過ぎなのかもしれませんが・・何だかな~・・です。
で、それでも今回はお声を掛けていただけたので、お裾分けいただいたと言うことですね。
当然ながら飲める数量ではないので、大昔の・・「ネゴスの頃のロモランタン」の記事を探し出しましたので、それをご参考になさってください。
以下は2005年のネゴスのロモランタンのレヴューです。
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【こ、これは・・かなり素晴らしい!】
なんだろうね・・・こんなにしっかりできたのは、ティエリーのロモランタンでは初めてじゃ無いでしょうか。大体、ロモランタンなどと言う品種を知っている人間がどれだけいるか判りませんが、かなりのマイナー品種です。絶滅しかけている、と言っても過言では無いでしょう。
しかし、シャルドネを一回りふくよかにしたようなニュアンスを持つ味わいで、
「どこがシャルドネと違うのか・・・」
などと考えてしまうと、夜眠れなくなってしまいます。
石灰系ミネラルがズ太くノーズを押し広げてくる。やや青っぽい草原のニュアンスと白や黄色のフルーツ香。ボディも良く膨らんでいて、基本的にドライでジューシー。かなり長い黄色いフルーツの余韻が有る。
基本ドライ・・・と書いた時は、甘さが全く無い、という意味ではなく、甘みは有るが表に浮いて出てこない・・という意味で使っています。ティエリーのワインの特徴でも有りますが、糖分を全く喰いきるような発酵のさせ方はしたことが無いと思います。
また、ティエリーもこのロモランタンは自信作・・と言っているようです。かなりの出来栄えです。無くなってしまうかも知れない品種を何とか残そうと頑張っています。で、どこにも問題が無いか・・・というと・・・、まあ、おそらく気が付く方はまずいない、と思うので・・言わないでおきます。普通は判らないです・・・(^^;; どうしてもお知りになりたい方は、是非ご購入、お飲みになられた上で、ご意見をお寄せ下さい。
そんなことはどうでも良いくらいの出来です。旨いです。飲んでみましょう!お薦めです。
● 2013 Touraine Blanc de Chevre Qvevri
トゥーレーヌ・ブラン・ド・シェーヴル・クヴェヴリ
【こちらもアンフォラ10ヘクトリットルで仕込み熟成したムニュ・ピノ!】
樹齢の高いロワールならではの葡萄、ビオロジックのムニュ・ピノをアンフォラで醸造・熟成した、ピュズラとしても少し攻めた感のあるキュヴェですね。貴重かと思います。申し訳有りませんがお一人様1本限定にてお願いいたします。
● 2013 Cheverny la Caillere Qvevri Rouge
シュヴェルニー・ラ・カイエール・クヴェヴリ・ルージュ
【8ヘクトリットルのアンフォラで仕込んだピノ・ノワールです!】
非常に貴重なキュヴェです。しかもテュエ=ブッフのドメーヌもの、カイエールの畑のピノ・ノワールを大きな壷で仕込んだものです。
完全に極少の割り当てキュヴェでして・・これはさすがに飲めん・・残念ですがテイスティングコメント無しでのご紹介です。
申し訳有りませんがお一人様1本限定にてお願いいたします。
● 2010 Cheverny la Caillere Rouge
シュヴェルニー・ラ・カイエール・ルージュ
【ピュズラ兄弟のトップ・キュヴェ!】
年々割り当てが増えない・・・減少傾向に有り、安易なテイスティングが出来なく成っている、ピュズラ兄弟のドメーヌ、ル・クロ・デュ・テュエ=ブッフのトップ・キュヴェのひとつ、ラ・グラヴォットとラ・カイエールです。
GravotteのGrave は、低いとか重いとか・・の意味が有るかと思いますが、Caillere の方は、Cailler で寒いとか固まるとかの意味・・・Caille で「うずら」とか「かわいい子」とのかの意味も有り、その辺、フランス人的なユーモアの引っ掛けなのかもしれません。岩盤の南向き斜面のラ・グラヴォットに対し、平地のラ・カイエール、もしくは、ややゴツゴツした感じの無骨さが徐々にソフトに、複雑に成長して行くラ・グラヴォットに対し、滑らかでブルゴーニュ的なニュアンスのラ・カイエール・・・という理解でもでも良いでしょう。
2010年のラ・カイエールは、ラ・グラヴォットほどは少ないにせよ、全く増えておらず、以前減少傾向に有り、飲むのを躊躇っています。ブルゴーニュ的な優しい味わいですので、しっかり休めてから・・・飲みたいと思います。
以下は2007年のラ・カイエールのコメントです。ご参考にされてください。お勧めします!お早めにどうぞ!
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ラ・カイエールですが、とても透明度の高い、とても淡い可憐な色合いをしています。まるでブルゴーニュの自然派を思わせるような清廉な感じです。 抽出がとても優しくされており、厳しいタンニンや酸の暴れを感じることは全く無いので、桜やさくらんぼ、赤いチェリー、赤いベリーのニュアンスがクッキリ 出ています。ドライで軽やかで押し出しも強くないが、充分なボディから滲んでくる旨味が、京風のお椀を連想させます。しなやかな、弱風に揺れるヤナギの枝 のような僅かな振幅の余韻を長く感じさせます。エレガントです!でも徐々に色っぽい、艶っぽい感じが出てきそうなニュアンスが有ります。スタイリッシュな 女性をイメージさせますね。これから5年に渡って成長し、10年は美味しくいただけると思います。
● 2006 Touraine Blanc Sayonara Pas Pour Tout l'Monde
トゥーレーヌ・ブラン・サヨナラ パ・プール・トゥー・モーンド
【ここまで違うか!今年はドライだ!】
昨年の2005年500MLのティエリーのサヨナラは、糖度が乗り過ぎ、残り過ぎた面も有り、エルヴァージュに若干の問題を感じる部分も有りました。こってりと甘く、色付いた過熟気味のフルーツが有りましたが、やや熟れ過ぎかな?と思わせました。
しかし、2006年は通常のソーヴィニヨンに比較すると糖度は高いものの、ドライと感じられるレベルで、しゃっきり感とマッタリ感が両立されているという、なかなかに高く評価すべき味わいをしています。誰が飲んでも、
「うわ~、旨いっすね!」
と感じていただけるでしょう。
遅い収穫がもたらした糖度の高さは、有る意味、冷涼な酸味を奪うことに繋がりますが、このサヨナラは、糖度の高さと冷涼な酸味の両方を持ち合わせた稀有なワインで有ると言えます。
酸の冷たさから言えば、遅摘みを始める以前のクーレ・ド・セラン的なカッチリとしたものです。糖度の高さを感じさせる葡萄は、モワルー的な享楽感を持つものですが、残糖の甘みはほぼ無いので、長い仕込み期間を経て、ゆっくりとエルヴァージュされた、過保護的なソーヴィニヨンなのでしょう。
通常ラインのトゥーレーヌ・ソーヴィニヨンとは、ゴージャスな質感の部分が大きく違います。マッチョにならずにドライで太いソーヴィニヨンになりました。是非飲んでみてください。万人に受けるはずの「サヨナラ」です。お奨めします!
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