● ビオ系がぶ飲みワイン、ルイ・ジュリアンのご案内です。しばらく仕入れてなかったんですが、だいぶ見た目も良くなり、また栓の問題も改善されているようです。ライト~ミディアムな・・でもしっかり味わいの有るナチュラルワインです。

彼のワインのほとんどは、村人たちによって消費されています。夕方に訪問して1時間も滞在すると、必ず何人かが5Lくらいのポリタンクを片手に訪れ、好みのワインを注いでいる姿を目にします。その光景は、まるでセルフのガソリンスタンドのようです。
彼はブドウの品種改良の研究者でもあり、温暖化対策として暑い気候でも対応できる品種などを開発しています。年齢は60歳を超えています。記憶力は抜群で過去の天候について尋ねると、数字を明確に交えてすらすらと答えてくれました。もの静かで質問をしてもあまり多くを語ろうとはしないが、温和で誠実な人柄です。
収穫 9名で3週間くらい すべて手摘み
醸造 一部を除梗した後にタンクで野生酵母による発酵。発酵中の温度コントロールは行わない。発酵終了後に軽く圧搾した後、ホーローのタンクで3~4ヶ月の熟成。亜硫酸の添加はなし。清澄、ろ過のどちらも行わない。
品種 ブドウは混植されており、グルナッシュ、シラー、メルロ、カベルネソーヴィニヨン、カリニャン、アラモン、オーバン、クレレット、ユニブラン、ヴィラブランなどに加えて、独自に交配した品種も多数植えられている。
赤 12%メルロー主体.シラー.アラモン.グルナッシュ他10種以上のブレンド
赤 10.5% アラモン100%
白 ユニブラン100%
ロゼ リスタン、アラモン主体、シラー、グルナッシュが少々
特徴 ラベルは再生紙。キャップはプラスチック。セラーでの販売は17~19時のわずか2時間。大半が100Lほど購入する顧客。
●ルージュ12%
赤みあるやや濃い目の色調で、果実味たっぷりな期待感が高まるジューシーな香りです。空気に触れるとカシスやブラックカラントなど、ややシャミーな印象に紅茶や白胡椒などの香りが顔を出しフレッシュな中にも複雑さを感じます。果実由来の甘味にややビターなタンニンと程よい酸、余韻に旨味が残り骨格がしっかりとしています。白かびチーズとジャムなどの組み合わせなどと相性が良く楽しめます。
●ルージュ10.5%
やや紫ががった透明感のある赤い色調です。香りはカシスジャムの様な香りと木苺など少し酸のある赤い果実の香りがあります。アタックは、軽やかでさらりとしています。フレッシュハーブや白胡椒などの爽やかな香りがありながら、舌先に感じたふんわりとした
果実感のある甘味が続きます。口に含んだ印象が軽快なので、タンニンがよりドライに感じるかもしれませんが、そのタンニンのお陰でブレることなく一本筋をすっと通してくれています。豚肉や鶏もも肉のグリルなど、少しオイル感のあるお肉料理と共に楽しみたくなる味わいです。
●ブラン
ややオレンジがかった薄うっすら濁った色調です。開けた瞬間「ポンッ!」と軽快な音が鳴ったのでちょっとワクワクしてしましました。白桃やパイナップルなどのコンポートシロップなどの優しい甘味のある香りに、白い花など第一印象は華やかな香りです。スワリングするとオレンジピールの様な柑橘系の果皮の香りなども感じられます。ピチピチとフレッシュさが舌先を刺激しつつ、ほんのりとした果実味のある甘味で飲み易い印象です。喉を通る頃に春を感じさせる様な苦味と複雑さがあり、しっかりとした骨格です。
●ロゼ
グラスに注いだ瞬間に「わ~キレイ!」と思わず声にしてしまう程、いちごゼリーの様な少し濃い目のサーモンピンクで、透明感がありキラキラしています。飴の様な甘く円みのある優しい香りで、心地良い気分になります。香り同様に穏やかな甘さが口いっぱいにひろがり、余韻まで続き厚みのあるボディです。控えめな酸ながら、果皮由来のタンニンがきっちりと感じられ全体的にまとまりが良く、また、昨年より、色調も味わいもしっかりとしています。
<ルイ・ジュリアン2016年作柄状況>
2016年の冬は全く霜が降りないほど暖かく1月下旬には芽が大きくなりかけ、2月には樹液が回っていた為に剪
定を取りやめるほど成長が早く進みました。(通年よりも約8週間早い成長)暖かな冬から一変し春は非常に寒く雨
も続いたことで成長の速度は遅くなりましたが、6月~8月は好天が続き極端に暑く乾燥した夏となりました。そ
の夏場のお陰で葡萄は順調に成長し、結果としては2015年より2週間ほど早い収穫となりました。(2016年9月
12日)病気も霜も雹害もなく非常に良い年となり、ワインとしてもアルコール度数は平均して1%上がり、pHが下が
るという総酸量が多くバランスの整った仕上がりとなりました。
【前回はアルコール分10.5%、今回は12.5%です。昼間っからコップで飲みたいライトなビオワインです!】
エコセール認定のビオワインです。今回の12.5%のアルコール分の方はメルロー、シラー、グルナッシュ、カベルネ・ソーヴィニョン他20種ほどを使用しているとのことで、前回の10.5%のボトルのアラモン、グルナッシュ、シラーなどを使用したものとは、また違う風味をしているようです。僅かに還元香が出る場合も有りますので、嫌いな方は敢えて飲むことも無いでしょう。しかし、ピュアさと健全な還元香は表裏一体な部分も有りますので、少しでも、還元香に慣れてしまうと、よっぽど酷いものに出くわさないと、「ノー」とは言わなくなってしまうようです。
SO2も入れていない、本格派のビオワインですから、セラーの無い方は(言いたくは無いけれど)、冷蔵庫で保存してください。そして、気取ってワイングラスで飲むよりも、アメリカやイタリアの古い映画で見たような、ウイスキーグラス、もしくはコップでカジュアルにに飲んでもOK?。パスタを食べながら、ちょっと一杯!みたいなノリがベストでしょう。
そうは言いながらも、凝縮感は無いにしても、複雑性やピュア感はしっかりありますので、楽しんでいただけると思います。また、以前よりもボトルも、全体の印象も随分と垢抜けました。ずっと仕入れてなかったので、noisy のところは割り当てが極少です・・ので飲めません・・(^^;; 移動直後は還元香にご注意!でも気軽飲みましょう。お薦めです!